JP2011239486A - 永久磁石式モータの2分割ロータ間の位相差設定装置 - Google Patents

永久磁石式モータの2分割ロータ間の位相差設定装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2011239486A
JP2011239486A JP2010106086A JP2010106086A JP2011239486A JP 2011239486 A JP2011239486 A JP 2011239486A JP 2010106086 A JP2010106086 A JP 2010106086A JP 2010106086 A JP2010106086 A JP 2010106086A JP 2011239486 A JP2011239486 A JP 2011239486A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotor
planetary gear
phase difference
rotating element
gear
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010106086A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeo Hiramatsu
健男 平松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2010106086A priority Critical patent/JP2011239486A/ja
Publication of JP2011239486A publication Critical patent/JP2011239486A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/64Electric machine technologies in electromobility

Landscapes

  • Permanent Magnet Type Synchronous Machine (AREA)
  • Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)

Abstract

【課題】永久磁石式ロータを用いた直流電気モータにおいて、円周上に複数の磁極を持つロータを2分割し、2個のロータ間の回転方向位相差を適正に制御して、低電圧源でも高回転域で高出力が得られる減速比1の高効率モータの駆動システムを提供する。
【解決手段】2分割ロータの回転方向位相差設定装置は、各ロータ用に遊星歯車を有し、両遊星歯車は、それぞれ第一、第二、第三の回転要素を有するとともに、両方の速度線図は同じで、各ロータはそれぞれの第一の回転要素と連結し、それぞれの第二の回転要素同士は連結し、一方の遊星歯車の第三の回転要素をケースに固定し、他方の遊星歯車の第三の回転要素は上記位相差調整用モータに駆動連結し、いずれかのロータを出力軸に連結することによって、減速比が1となる2分割ロータの位相差設定装置を提供する。
【選択図】図2

Description

本発明は、永久磁石式モータと遊星歯車を組み合わせた駆動システムであり、低速から高速まで出力エネルギが一定であることが望ましい電気自動車、ハイブリッド自動車、風力発電機などの駆動源に関する。
電気自動車、電車などに使用するモータでは、回転速度と負荷(トルク)の広範囲にわたって、高効率であること、大きさ、重量、コスト面でも有利で、かつ耐久性を有することが重要である。そのため、ロータに永久磁石を用いる永久磁石式モータが主流となっている。永久磁石式モータにはロータの外周に永久磁石を貼り付ける表面磁石型と、ロータのコア内に永久磁石を埋め込む永久磁石埋込み型とがあり、永久磁石埋込み型モータが一般的である。
永久磁石式モータの場合、高速で回転すると、固定子に巻かれたコイルには高圧の誘起電圧が発生し、固定子用コイルに供給する電源電圧が低い場合は、電圧飽和によってトルクの発生に寄与する電流が減少し、十分なトルクが発生しなくなるとともに、効率低下を招く。
これらの課題を解決する手段として、固定子のコイルに高電圧を供給する例がある。高電圧にする手法として、電源用バッテリ自体を高電圧にするか、バッテリ電圧は低いままにして、インバータにチョッパ回路などを付加して高電圧を発生させるかのいずれかの対応が採られる。
電源用バッテリ自体を高電圧にするには、バッテリセルの個数を増やして直列に連結するとともに、回路構成を高電圧に耐えられる構造とする必要があり、大きさ、重量、コストの点で不利となる。
また、低電圧のバッテリ電源をインバータで高電圧に変換するには、チョッパ回路で電圧源の電流を急断続させ、それを変圧器で交流高電圧に変換するとともに整流し、直流高電圧を得る。この場合、インバータ自体の大きさ、重量、コストも増大するほか、それぞれの変換装置のエネルギ損失が大きく、システム全体の効率が低下する。
これらの改善策として、モータの固定子形状は従来のままとし、ロータを軸直角方向で分割して、第一のロータ1Aと第二のロータ1Bとに2分割するとともに、両者の回転方向の位相をずらすことにより、永久磁石ロータから固定子コイルに鎖交する有効磁束量を可変にし、高速回転時には誘起電圧を低下させて低電圧を固定子コイルに供給しても、出力トルクを増大させることが可能な可変磁束モータが提案されている。
下記の特許文献1の構造では、同一回転速度で回転している1A、1B両方のロータ相互間に、回転位相差(ずれ)を設けることによって、固定子用コイルに発生する誘起電圧を低下させることができ、その位相差をトルクや回転速度によって決まる最適な量に調整できれば、広範な運転領域で回転速度に反比例するようなトルク特性が得られるとともに、広範囲の回転領域で高効率とすることができる。しかし、同一回転速度で回転中の2個のロータにはそれぞれトルクが発生しており、ねじ構造によるメカニズムでは、そのロータ間の回転位相差を最適な量に微調整することは困難である。
下記の特許文献2では、遊星歯車の差動機能を利用し、同一諸元を持つ2組の遊星歯車の回転要素の中で、通常は停止させている回転要素の片方だけを微小量だけ回転させることにより、同一速度で回転している2個のロータ間に、回転方向の位相差を適宜発生させることが可能なメカニズムが示されている。特許文献2には、文献実施例1として、小径のピニオンギヤと大径のピニオンギヤとから成る段付ピニオンを使用し、大径のピニオンギヤとかみ合っている小径のサンギヤを入力軸(ロータ)に、小径のピニオンギヤとかみ合っている大径のサンギヤを出力軸に連結するとともに、キャリアを固定することにより、増減速を可能としている図3の構造例がある。
また、文献実施例2として、単純遊星歯車を使用し、リングギヤを入力軸に、サンギヤを出力軸に連結し、キャリアを固定することにより、入力軸に対して出力軸が逆回転する図10の構造例がある。
いずれも入力軸と出力軸との間では、減速比1となる構造ではなく、増速または減速を前提とするギヤトレーンであり、伝達効率の低い構造となっている。特に、キャリアが固定されているため、入力軸から出力軸に伝達されるエネルギに対する歯車のかみ合損失が相対的に大きくなる。従って、本発明の実施例のうち、キャリアを固定要素としない実施例と比較して、伝達効率の点で劣る。
また、各ロータに付随している1対の遊星歯車が、軸方向に分離された構造となっているため、歯車の潤滑油の供給回路が2系統必要となり、構造が複雑になる。
そして、ロータが出力軸を介してケースに軸受けされているため、ロータと固定子間の同心精度が悪化するなどの欠点がある。
下記の特許文献3の図10には、文献実施例3として、位相差設定装置に単純遊星歯車を用いて減速する例がある。遊星歯車のサンギヤを入力軸、キャリアを出力軸、リングギヤを固定としていて、以下の特徴がある。
1.入力軸に対する出力軸の減速比は2.4〜4.3程度である(サンギヤとリングギヤの歯数を変化)
2.本発明(リングギヤを入力軸、キャリアを出力軸、サンギヤを固定)と比べて、総損失率が大きく、伝達効率が悪い
3.各ロータに付随している1対の遊星歯車が軸方向に分離した構造となっているため、歯車の潤滑油の回路が2系統必要となり、構造が複雑になる
4.ロータがケースで直接軸受けしておらず、出力軸を介して軸受けされているので、固定子との間の同心精度が悪化する
特開2002−262534号公報 特開2009―126404号公報 特開2008−193888号公報
供給電圧が低くても、高速まで高トルクを発生する特性を持つ2分割ロータ式の永久磁石モータにおいて、その2個のロータ間の回転方向の位相を最適値に制御可能なシステムであることを前提として、上記特許文献における欠点を含む以下の課題を解決する位相差設定装置を提供する。
1.減速比1を可能とする(請求項1)
2.複数の減速比を選択的に切換え可能とする(請求項2)
3.キャリアを固定要素としないことにより、伝達効率を向上する(請求項3)
4.サンギヤを固定要素とすることにより、動力伝達効率ベストを狙う(請求項4)
5.位相差調整用モータから遊星歯車の回転要素を駆動することはできても、遊星歯車の回転要素から位相差調整用モータを逆駆動することはできないセルフロック機能を有する(請求項5、6)
6.位相差設定用遊星歯車への潤滑経路がシンプルであること
7.ロータを直接ケースで支承し、固定子との間の同心精度を向上させる
円周上に複数の磁極を持つ第一の永久磁石式ロータ、円周上に該ロータと同数の磁極を持つ第二の永久磁石式ロータ、磁性体に巻かれたコイルに流れる電流により磁界を構成し、円周上に上記第一の永久磁石式ロータあるいは第二の永久磁石式ロータと同数の磁極を持たせた固定子、ケース、出力軸、第一の永久磁石式ロータと第二の永久磁石式ロータの回転方向の位相差を設定するための位相差設定装置から成り、第一の永久磁石式ロータと第二の永久磁石式ロータとは該固定子同心で回転するよう上記ケースで回転可能に支承され、該位相差設定装置は、第一の遊星歯車装置、第二の遊星歯車装置、位相差調整用モータとから成り、第一、第二の遊星歯車装置は、それぞれ少なくとも第一、第二、第三から成る3個の回転要素を有し、第一の遊星歯車装置における第一の回転要素、第二の回転要素、第三の回転要素で構成される速度線図と、第二の遊星歯車装置における第一の回転要素、第二の回転要素、第三の回転要素で構成される速度線図とが一致するように設定され、第一の永久磁石ロータと第二の遊星歯車装置の第一の回転要素とを機械的に連結し、第一の永久磁石ロータと第一の遊星歯車装置の第一の回転要素とを機械的に連結し、第一の遊星歯車装置の第二の回転要素と第二の遊星歯車装置の第二の回転要素とを機械的に連結し、第一の遊星歯車装置の第三の回転要素を上記ケースに固定し、第二の遊星歯車装置の第三の回転要素を位相差調整用モータに駆動連結し、第一の遊星歯車装置の第一の回転要素または第二の遊星歯車装置の第一の回転要素のいずれかを上記出力軸に連結することにより、入出力軸間の減速比が1であることを特徴とする2分割ロータのロータ間位相設定装置。
本発明の実施例1(実施例1−1〜実施例1−6の6種類)は、永久磁石式ロータを2分割し、ロータが負荷トルクを発生させながら運転している最中でも、両方のロータに回転方向の位相差を任意に与えることが可能で、かつ、入出力軸間の減速比が1で、遊星歯車の歯車かみ合いによる負荷依存効率の良い永久磁石式2分割ロータシステムである。
更に、実施例2(実施例2−1、実施例2−2の2種類)は、減速比1と1以外の減速比とをクラッチの切換えによって切換えることが可能な遊星歯車システムであり、2例とも簡素な構造で高効率な駆動システムである。
図1は本発明の永久磁石式モータの2分割ロータ間に、回転方向の位相差を設けた構成を示す模式図である。 図2は減速比が1である本発明の実施例1のモータ駆動系に用いる位相差設定装置のスケルトンのうち、実施例1−1(サンギヤ:入力と出力、リングギヤ:固定)を示す。 図3は本発明の実施例1−1の構成において、遊星歯車に入ってくるトルクの流れを示す図である。 図4は本発明の実施例1−1の構成における第一の遊星歯車装置12Aの速度線図40Aである。 図5は本発明の実施例1−1の構成における第二の遊星歯車装置12Bの速度線図40Bである。 図6は本発明の実施例1−1の構成における第一の遊星歯車装置12Aの各回転要素への入力トルクの関係を、速度線図上で示す図である。 図7は本発明の実施例1−1の構成における第二の遊星歯車装置12Bの各回転要素への入力トルクの関係を、速度線図上で示す図である。 図8は本発明の実施例1のモータ駆動系に用いる位相差設定装置のスケルトンのうち、実施例1−2(キャリア:入力と出力、リングギヤ:固定)を示す。 図9は本発明の実施例1−2の構成における第一の遊星歯車装置の速度線図と、その速度線図上での入力トルクの関係を示す図である。 図10は本発明の実施例1のモータ駆動系に用いる位相差設定装置のスケルトンのうち、実施例1−3(キャリア:入力と出力、サンギヤ:固定)を示す。 図11は本発明の実施例1−3の構成における第一の遊星歯車装置の速度線図と、その速度線図上での入力トルクの関係を示す図である。 図12は本発明の実施例1−3において、第一、第二の遊星歯車装置をロータの内周側に内蔵した例を示す図である。 図13は本発明の実施例1のモータ駆動系に用いる位相差設定装置のスケルトンのうち、実施例1−4(リングギヤ:入力と出力、サンギヤ:固定)を示す。 図14は本発明の実施例1−4の構成における第一の遊星歯車装置の速度線図と、その速度線図上での入力トルクの関係を示す図である。 図15は本発明の実施例1−4において、第一、第二の遊星歯車装置をロータの内周側に内蔵した例を示す図である。 図16は本発明の実施例1のモータ駆動系に用いる位相差設定装置のスケルトンのうち、実施例1−5(サンギヤ:入力と出力、キャリア:固定)を示す。 図17は本発明の実施例1−5の構成における第一の遊星歯車装置の速度線図と、その速度線図上での入力トルクの関係を示す図である。 図18は本発明の実施例1のモータ駆動系に用いる位相差設定装置のスケルトンのうち、実施例1−6(リングギヤ:入力と出力、キャリア:固定)を示す。 図19は本発明の実施例1−6の構成における第一の遊星歯車装置の速度線図と、その速度線図上での入力トルクの関係を示す図である。 図20は減速比を1以外と1との2段階に切換可能とした本発明の実施例2のうち、実施例2−1のスケルトン(リングギヤ:入力、サンギヤ:固定)を示す。減速比が1.3〜1.7と1との2種類に切換え可能なスケルトンを示す。 図21は本発明の実施例2−2(サンギヤ:入力、リングギヤ:固定)のスケルトンを示す。減速比を2.4〜4.3と1との2種類に切換え可能なスケルトンを示す。 図22は本発明の実施例2−2の構成における第一の遊星歯車装置の速度線図と、その速度線図上における減速駆動状態(減速比2.4〜4.3)での入力トルクの関係を示す図である。 図23は特許文献2の図3に示されている文献実施例1であり、段付ピニオンタイプの遊星歯車のスケルトンである。キャリアが固定されている。但し、付番方式は本発明の方式に従った。 図24は文献実施例1のスケルトンにおける第一の遊星歯車の速度線図を示す図である。
本発明による各実施形態について、添付した図面を参照し詳細に説明する。なお、同一または実質的に同一の構成要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略することがある。
図1に示すように、この永久磁石式モータは、バッテリなどの電源7とインバータ6で駆動され。電流を流すと円周上に複数の磁極を発生する固定子3と、第一の永久磁石式ロータ1A、第二の永久磁石式ロータ1B(以下「永久磁石式」を省略)とから成る。それぞれのロータ1A、1Bは固定子3の内周側に配置され、一軸線上にあって、円周上に固定子3と同数の磁極を持つ永久磁石が埋め込まれている。ロータの外周に永久磁石を貼り付ける方法でも本発明と同じ効果が得られる。
それら2個のロータの回転速度は同じであるが、ロータ間では、図1のように、永久磁石の磁極の位相を互いに円周方向にずらすことが可能な構造となっている。
請求項1の発明を、下記の実施例1−1から1−6の6個の具体的な構造例で示す。いずれも入出力軸間の減速比は1である。
(実施例1−1)
図2に、遊星歯車のサンギヤが入力と出力に、リングギヤが固定要素に連結されている構造を示す。このスケルトンは、第一の遊星歯車12Aと第二の遊星歯車12Bとから成り、リングギヤとサンギヤとの歯数比は第一の遊星歯車12A、第二の遊星歯車遊星歯車12Bとも同一である。一方の入力となるロータ1Aとサンギヤ31Aとが連結、他方の入力となるロータ1Bとサンギヤ31Bとが連結、ロータ1B(または1A)が出力軸4に連結、キャリア34A、34Bは互いに機械的に連結され一体で回転する。いずれか一方のリングギヤ(例えば33A)はケース20に固定され、他方のリングギヤ(例えば33B)も固定されてはいるが、その回転角は位相差調整モータ13などの調整装置によって調整可能である。なお、位相差調整モータ13としては、電気モータや油圧ピストンなどが考えられる。また、位相差調整の駆動部分のシステムとしては、位相差調整モータ13からは駆動できても、遊星歯車側からの駆動にはセルフロックするシステム(ウォームギヤ式など)が望ましい。そうすれば、位相差を設定変更する際にはモータ13からの駆動エネルギが必要となるが、位相差を維持するだけなら、エネルギは不要となる。図3に、両遊星歯車のトルクの流れを示す。図4には第一の遊星歯車12Aの速度線図40A、図5には第二の遊星歯車12Bの速度線図40Bを示す。両遊星歯車の速度線図は一致している。また、図6には第一の遊星歯車12A、図7には第二の遊星歯車12Bの速度線図における各回転要素への入力のトルクの釣り合いを示す。
図4、5からも分かるように、ロータ1A、1Bの回転速度は同一で、しかも回転方向に位相差を付与することが可能である。このことは、以下のように説明できる。図5のように、リングギヤ33Bを33Aに対してプラス方向にα度だけ回転させると、キャリア34A,34Bが両者一体なので、サンギヤ31Bは31Aに対してα/ρ(ρ:遊星歯車の歯数比=リングギヤ歯数/サンギヤの歯数)だけマイナスの回転方向に位相がずれる。サンギヤ31Aには、ロータ1Aからトルクが入力し、リングギヤ33Aで反力を受け、キャリア34Aに出力する。その出力はキャリア34Bに入力され、リングギヤ33Bで反力を受け、サンギヤ31Bに出力される。そのサンギヤ31Bの出力とロータ1Bの出力との和が、このシステムの総合出力となる。図6、7の速度線図上に示した上下方向トルクと、キャリア回りにおけるトルクのモーメントの釣り合いとから分かるように、第一の遊星歯車12Aと第二の遊星歯車12Bとの各回転要素に入ってくるトルクは、絶対値が等しく、互いに逆方向である(以下の実施例も同様)。
遊星歯車構造は、上記構造に限定されるものではなく、回転自由度が2で、回転要素が3個以上ある遊星歯車機構が2組あって、それぞれの遊星歯車における回転要素3個の間の速度線図が同一であれば、その具体的な構造には捉われない。総合的に伝達効率の優れた(損失率の小さい)構造を提案することが本発明の目的の一つである。キャリアを固定し、サンギヤ、リングギヤを入力軸、または出力軸に連結すると、サンギヤやリングギヤを固定した場合より、回転要素間の相対回転速度が大きくなり、総合効率は低下する。従って、キャリアを固定メンバとすることは望ましくない。
(遊星歯車部の総損失率Lの計算)
図2の実施例1−1では、ロータ1Aの出力は第一の遊星歯車12A、第二の遊星歯車12Bを経て出力軸4に出力され、ロータ1Bの出力は直接出力軸4に出力される。従って、ロータ1Aの出力のみ、歯車かみ合い部で歯面の滑りによる負荷依存損失(伝達トルクに比例)が発生する。この損失率は、遊星歯車の構造によるほか、固定メンバや互いの連結メンバをどの回転要素にするかなどで増減する。遊星歯車の各歯車かみ合部の損失エネルギと入出力軸間の総損失エネルギとの関係は以下で与えられ、実施例1−1を含む本発明の実施例や文献実施例の総損失率Lは以下の考え方で計算できる。
サンギヤとピニオンとの間のかみ合損失は、サンギヤトルクと、サンギヤとキャリア間の回転速度差と、サンギヤかみ合損失率(キャリアを固定させ、サンギヤとピニオンをかみ合わせたときのエネルギ損失率)との3者の積である。また、リングギヤとキャリアとの間のかみ合損失は、リングギヤトルクと、リングギヤとキャリアとの間の回転速度差と、リングギヤかみ合損失率(キャリアを固定させ、リングギヤとピニオンをかみ合わせたときのエネルギ損失率)との3者の積となる。従って、単純遊星歯車システムの総損失は、上記損失の和となり、総損失率Lは、その総損失を2個のロータから入ってくる入力エネルギで除した値となる。
図6に示すように、ロータ1Aからサンギヤ31Aに入力するトルクを1、回転速度を1とする。第一の遊星歯車12Aの速度線図におけるトルクの釣り合いから、リングギヤ33Aには1/ρ、キャリア34Aにはサンギヤ31Aとリングギヤ33Aの和のトルク1+1/ρ=(1+ρ)/ρが出力する。図7に示すように、この出力トルクは第二の遊星歯車12Bのキャリア34Bに入力され、サンギヤ31Bのトルクは1、リングギヤ33Bのトルクは1/ρとなる(トルク分配率を決めるときには、歯車かみ合効率を1としても近似的に問題はない)。
一方、図6、図7の速度線図から、リングギヤとキャリアとの相対回転速度はρ/(1+ρ)、サンギヤとキャリアとの相対回転速度は1−ρ/(1+ρ)=1/(1+ρ)となる。
キャリアを固定した状態におけるサンギヤかみ合損失率を1%(通常の外歯同士のかみ合歯車の場合)とし、リングギヤかみ合損失率を0.43%(内歯と外歯間のかみ合の場合)とすると、第一の遊星歯車12Aの損失率Lは上記の3者の積となるので、以下となる。
=1×(1/(1+ρ))×1+(1/ρ)×(ρ/(1+ρ))×0.43=1.43/(1+ρ)%
第二の遊星歯車12Bの損失率Lも同じ式で表される。
=1.43/(1+ρ)%
ロータ1Aとロータ1Bとで、入力トルクと回転速度が同じとすると、ロータ1Aから出力軸に伝達されるエネルギに対する損失率はL+L(但し、L=L)となり、ロータ1Bによる損失率は0となる。遊星歯車の歯数比ρが0.5と仮定すると、総損失率Lは以下となる。
L=(L+L)/2=1.43/(1+ρ)=1.43/(1+0.5)=0.953%
図2の実施例1−1の方式では、ロータ1Aから得られる出力のうち、第一の遊星歯車12Aで0.953%、第二の遊星歯車12Bでも0.953%が失われ、合計1.906%失われる。ロータ1Bの出力の損失は0なので、ロータ1Aとロータ1Bとが同じトルク(エネルギ)を出力しているとすれば、この遊星歯車の総損失率Lは上式のように、0.953%となる。
(実施例1−2)
図8に、遊星歯車のキャリアが入力と出力に、リングギヤが固定要素に連結されている場合を示す。このスケルトンでは、ロータ1Aとキャリア34Aとを連結し、ロータ1Bとキャリア34Bとを連結し、ロータ1Bと出力軸4を連結し、サンギヤ31Aと31Bとは一体とし、リングギヤ33Aをケース20に固定し、リングギヤ33Bとの回転角度差は位相差調整モータ13などの調整装置によって調整可能としている。図9には、第一の遊星歯車12Aの速度線図を示し、各回転要素のトルクの釣合関係を示す。また、固定メンバのリングギヤ33Bの位相をリングギヤ33Aに対して回転角度αだけずらすと、両サンギヤは連結しているので、キャリア間にはα/(1+ρ)の角度位相差が発生する。実施例1−1と同様の手法で遊星歯車の総損失率Lを計算すると、0.953%となる。
(実施例1−3)
図10に示すように、遊星歯車のキャリアが入力と出力に連結し、サンギヤが固定要素に連結されている場合を示す。このスケルトンでは、ロータ1Aとキャリア34Aとを連結し、ロータ1Bとキャリア34Bとを連結し、ロータ1Bを出力軸4に連結、リングギヤ33Aと33Bとは一体とし、サンギヤ31Aをケース20に固定するとともに、サンギヤ31Bとの回転角度差は位相差調整モータ13などの調整装置によって調整可能である。図11には、第一の遊星歯車12Aの速度線図を示すとともに、各回転要素間のトルクの釣合関係を示す。また、両リングギヤは連結しているので、固定メンバのサンギヤ31Bの位相を回転角度αだけずらすと、キャリア間にはαρ/(1+ρ)の角度位相差が発生する。実施例1−1と同様の手法で遊星歯車の総損失率Lを計算すると、0.477%となる。この損失率は極めて小さい。
このスケルトンをロータの回転中心に潜り込ませると、図12のようにコンパクトな構造となる。なお、図12はサンギヤ31Bをケース20に固定しているが、図10のように、サンギヤ31Aを固定してもよい。また、出力軸4はロータ1Aと連結してもよい。
(実施例1−4)
図13に、第一の遊星歯車12Aのリングギヤ33Aが入力ロータ1Aに連結し、第二の遊星歯車12Bのリングギヤ33Bが入力ロータ1Bと出力軸4に連結し、サンギヤ31Aがケース20で固定されているスケルトン構造を示す。キャリア34Aと34Bとは一体とし、サンギヤ同士の回転角度差は位相差調整モータ13によって調整可能である。図14には、第一の遊星歯車の速度線図を示すとともに、各回転要素間のトルクの釣合関係を示す。両キャリアは連結しているので、固定メンバであるサンギヤ31Bの位相を回転角度αだけずらすと、両リングギヤ間には−αρだけの位相差が与えられる。ケース20への固定メンバは、サンギヤ31Bでもよく、出力軸4はロータ1Aと連結してもよい。
図15は、実施例1―4のスケルトンの遊星歯車12A、12Bをロータ内周に配置している例を示し、コンパクトな構造である。
また、サンギヤかみ合損失率を1%、リングギヤ歯車かみ合損失率を0.43%とし、実施例1−1と同様の手法で損失率Lを求めると、各かみ合歯車の損失率は、以下の式のように、トルク、回転速度差、損失率の積となる。
サンギヤ損失率:(ρ/(1+ρ))×1=0.333%
リングギヤ損失率:(1×ρ/(1+ρ))×0.43=0.143%
総損失率Lは上記の和を2倍して2で除した値で、0.477%となり、実施例1−3と同様、総損失率は極めて小さい。
(実施例1−5)
図16に、遊星歯車のサンギヤが入力と出力に、キャリアが固定要素に連結されている場合を示す。このスケルトンでは、ロータ1Aとサンギヤ31Aとを連結し、ロータ1Bとサンギヤ31Bとを連結し、ロータ1Bを出力軸4に連結し、リングギヤ33Aと33Bとを機械的に連結し、キャリア34Aをケース20に固定し、キャリア34Bの回転角は位相差調整モータ13などの調整装置によって調整可能としている。第一の遊星歯車12A速度線図17に示すとともに、各回転要素間のトルクの釣合関係を示す。キャリア34Bを34Aに対してプラス方向に角度αだけ回転させると、リングギヤ33A、33Bは連結されているので、サンギヤ31Aに対してα(1+ρ)/ρの角度だけサンギヤ31Bの位相をずらすことができる。サンギヤ1Aとキャリア34Aとの回転速度差を1、サンギヤ31Aのトルクを1とし、サンギヤ11Aとピニオンギヤ32Aとの間のサンギヤかみ合損失率を1%とすると、サンギヤ31Aとキャリア34A間の伝達損失率は1%となる。また、リングギヤ33Aのトルクは1/ρ、リングギヤ33Aとキャリア34A間の回転速度差はρなので、リングギヤ33Aとピニオンギヤ32Aとの間のリングギヤかみ合損失率を0.43%とすると、リングギヤ33Aとキャリア34A間の伝達損失はそれら3者の積で、0.43%となる。実際のトルクがロータ1Aからキャリア34Aを介してリングギヤ33Aに伝達され、更に、リングギヤ33Bからキャリア34Bを経てサンギヤ31Bに伝達されるので、ロータ1Aのエネルギの2.86%が損失率となる。ロータ1Aとロータ1Bのトルク(エネルギ)が同じであるとし、ロータ1Aのトルクは直接出力軸4に伝達される損失は0なので、総損失率Lは、実施例1−1と同様の手法で計算すると、1.43%となる。上記の実施例1−1〜実施例1−4に比べて、回転要素間の相対回転速度が大きくなるため、この損失率Lは大きくなる。つまり、キャリアを固定するタイプでは、損失率が大きくなる。
(実施例1−6)
図18に、遊星歯車のリングギヤが入力と出力に、キャリアが固定要素に連結されている場合を示す。このスケルトンでは、ロータ1Aとリングギヤ33Aとを連結し、ロータ1Bとリングギヤ33Bとを連結し、リングギヤ33Bを出力軸4に連結、サンギヤ31Aと31Bとは機械的に連結し、キャリア34Aをケース20に固定、キャリア34Bとの回転角度差は位相差調整モータ13などの調整装置によって調整可能としている。図19には、第一の遊星歯車の速度線図を示すとともに、各回転要素間のトルクの釣合関係を示す。また、固定メンバのキャリア34Bの位相を回転角度αだけずらすと、両サンギヤは一体となっているので、両リングギヤ間にはα(1+ρ)だけ位相差が与えられる。実施例1−5と同様の手法で遊星歯車の総損失率Lを計算すると、1.43%となる。実施例1−5と同様、キャリアを固定しているため、総損失率は大きい。
請求項2の発明を、下記の実施例2−1と2−2の具体的な構造例で示す。いずれも、ロークラッチとハイクラッチを選択的に切換えて、入出力軸間の減速比を1以上(ロー)と1(ハイ)とに切換え可能なシステムである。
(実施例2−1)
図20に、実施例2−1を示す。この実施例では、遊星歯車のリングギヤ33A、33Bをそれぞれロータ1A、1Bに連結し、サンギヤ31Bをケース20に連結して固定し、第一の摩擦要素であるロークラッチ37を結合して出力軸4をキャリア34A,34Bに連結すると、ローの減速比1.3〜1.7を得ることができ、第二の摩擦要素であるハイクラッチ38を結合して出力軸4をロータ1B(またはロータ1A)に連結すると、ハイの減速比1を得ることができる。ロークラッチ37とハイクラッチ38とを選択的に切換え結合することによって、2段階の減速比が選択的に得られるスケルトンである。発進時にはロークラッチ37を結合し、高速になるとロークラッチ37を解放するとともに、ハイクラッチ38を結合させれば、高効率な2段変速式2分割ロータの電気モータとすることができる。ロー、ハイとも、サンギヤ固定のため、ギヤトレーンの総損失率Lは0.477%と最良である。
(実施例2−2)
図21に実施例2−2を示す。サンギヤ31A、31Bをそれぞれロータ1A、1Bに連結し、リングギヤ33Aをケース20に連結して固定するとともに、第一の摩擦要素であるロークラッチ37を結合し出力軸4をキャリア34A,34Bに連結することにより、ローの減速比2.4〜4.3を得ることができ、第二の摩擦要素であるハイクラッチ38を結合することにより出力軸をロータ1Bに連結すると、減速比1を得ることができる。図22に、第一の遊星歯車12Aの速度線図を示すとともに、サンギヤ31Aの入力トルクを1としたときの各回転要素間のトルクの関係を示す。発進時にはロークラッチ37を結合し、高速になるとロークラッチ37を解放するとともに、ハイクラッチ38を結合させれば、2段切換えが可能である。ハイ、ローとも、キャリアが一体となっているので、位相差調整モータでリングギヤ33Bの回転角度をαだけ回転させると、両サンギヤ間の角度位相差は−α/ρとなる。
ρ=0.5(減速比3)、サンギヤかみ合損失率を1%、リングギヤかみ合損失率を0.43%とすると、総損失率は両減速比とも以下の計算のように、0.954%となる。このようなシステムとしては損失が少ない。
サンギヤとキャリア間の損失率:1×(1―ρ/(1+ρ))×1=0.667%
リングギヤとキャリア間の損失率:(1/ρ)×(ρ/(1+ρ))×0.43=0.287%
2列の遊星歯車とも、同一の損失率であり、ロータ1Aとロータ1Bから入力するエネルギが同じとすると、ロー、ハイともリングギヤ固定のため、総損失率Lは0.954%となり、最善ではないが、実用可能である。
以上の各実施例と文献実施例1〜3について、表1には、入力軸、出力軸、固定メンバ(ケース)に連結する回転要素と減速比を示し、表2には、その計算のもとになる各回転要素トルクと、回転要素間の相対回転速度、総損失率の計算結果を示す。
Figure 2011239486
Figure 2011239486
損失率計算時の仮定:外歯同士のかみ合歯車1%、内歯と外歯かみ合歯車0.43%
ρ:サンギヤ歯数/リングギヤ歯数
δ:(サンギヤ歯数/大径ピニオン歯数)×(小径ピニオン歯数/リングギヤ歯数)
なお、文献実施例1〜3についても、同様の考え方で損失率を計算した結果を、表2に示す。特許文献2の図3に示されている文献実施例1のスケルトン(段付ピニオン式遊星歯車方式)を図23に、そのスケルトンにおける速度線図を図24に示す(但し、本明細書で定義した方法で付番)。
文献実施例1では、キャリアが固定されているので、回転要素間の相対回転速度が大きくなること、外歯かみ合歯車2個のかみ合いとなるので、かみ合損失率も大きいことから、総損失率は大きくなり、2%となる。本発明の実施例のいずれよりも総損失率の大きなスケルトンである。
また、文献実施例2でもキャリアが固定され、入力のリングギヤと出力のサンギヤとが互いに逆転し、両歯車間の相対回転速度も大きくなるため、総損失率が増大し、1.43%となる。
文献実施例3では、サンギヤ入力、リングギヤ固定、キャリア出力で、損失率は0.953%と実用的な値ではあるが、歯数比ρ(サンギヤ歯数/リングギヤ歯数)が0.3〜0.7に制限されることから、減速比(=1+1/ρ)が2.4〜4.3に限定されること、しかも、本発明で提案しているような2段以上への変速は記述されていない。
以上のように、文献実施例では減速比1のものはなく、減速比を2段階に切換えるものもない。また、文献実施例1と2では、キャリアを固定要素としているため、総損失率が本発明のものよりも大きい。
本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、請求範囲内で種々の改造及び変更が可能であり、本発明はこれら改造及び変更された発明にも及ぶことは勿論である。また、前記の各組み合わせ以外でも、一部だけを採用する組み合わせによるものでもよい。
各図に示す永久磁石式モータと遊星歯車それぞれの構成要素は、図番に関係なく、跨った組み合わせにしてもよいし、それらの組み合わせを一体化することも可能である。例えば、前記本発明の実施の形態では、永久磁石式モータの左側に遊星歯車が配置されているが、永久磁石式モータの右側に遊星歯車を配置する構造としても、同じ効果が得られる。
1A 第一の永久磁石式ロータ
1B 第二の永久磁石式ロータ
3 固定子
4 出力軸
5 軸受け
6 インバータ
7 電源
11 位相差設定装置
12A 第一の遊星歯車
12B 第二の遊星歯車
13 位相差調整モータ
20 ケース
31A 第一の遊星歯車のサンギヤ
31A1 第一の遊星歯車の小径サンギヤ
31A2 第一の遊星歯車の大径サンギヤ
31B 第二の遊星歯車のサンギヤ
31B1 第二の遊星歯車の小径サンギヤ
31B2 第二の遊星歯車の大径サンギヤ
32A 第一の遊星歯車のピニオンギヤ
32B 第二の遊星歯車のピニオンギヤ
33A 第一の遊星歯車のリングギヤ
33B 第二の遊星歯車のリングギヤ
34A 第一の遊星歯車のキャリア
34B 第二の遊星歯車のキャリア
35A 第一の遊星歯車の段付ピニオン小径歯車
35B 第二の遊星歯車の段付ピニオン小径歯車
36A 第一の遊星歯車の段付ピニオン大径歯車
36B 第二の遊星歯車の段付ピニオン大径歯車
37 第一の摩擦要素(ロークラッチ)
38 第二の摩擦要素(ハイクラッチ)
40A 第一の遊星歯車の速度線図
40B 第二の遊星歯車の速度線図

Claims (6)

  1. 永久磁石によって複数の磁極が円周上に与えられている第一の永久磁石式ロータ、円周上に該第一の永久磁石式ロータと同数の磁極を持つ第二の永久磁石式ロータ、磁性体に巻かれたコイルに流れる電流により磁界を構成し、上記第一のロータあるいは第二のロータと同数の円周上磁極を持たせた固定子、ケース、出力軸、第一のロータと第二のロータとの回転方向の位相差を設定するための位相差設定装置から成り、第一のロータと第二のロータとは該固定子と同心で回転可能なよう上記ケースで直接支承され、該位相差設定装置は、第一の遊星歯車装置、第二の遊星歯車装置、位相差調整用モータとから成り、第一の遊星歯車装置は、キャリアを含む第一、第二、第三の回転要素を有し、第二の遊星歯車装置は、キャリアを含む第一、第二、第三の回転要素を有し、第一の遊星歯車装置の第一、第二、第三の回転要素で構成される第一の速度線図と、第二の遊星歯車装置の第一、第二、第三の回転要素で構成される第二の速度線図とは一致するように設定され、第二のロータと第二の遊星歯車装置の第一回転要素とを機械的に連結し、第一のロータと第一の遊星歯車装置の第一回転要素とを機械的に連結し、第一の遊星歯車装置の第二の回転要素と、第二の遊星歯車装置の第二の回転要素とを機械的に連結し、第一の遊星歯車装置の第三の回転要素を上記ケースに連結して固定し、第二の遊星歯車装置の第三の回転要素を位相差調整用モータに駆動連結し、第一の遊星歯車装置の第一の回転要素、または第二の遊星歯車装置の第一の回転要素のいずれかを出力軸に連結することにより、入出力軸間の減速比を1とすることを特徴とする2分割ロータのロータ間位相差設定装置。
  2. 請求項1において、第一の遊星歯車における第二の回転要素または第二遊星歯車における第二の回転要素と出力軸とを、選択的に結合できる第一の摩擦要素で連結することにより減速比1以外の駆動状態を得、ロータと出力軸とを選択的に結合できる第二の摩擦要素で連結することにより減速比1の減速比を得ることを特徴とする2分割ロータのロータ間位相差設定装置。
  3. 請求項1、2において、第一の遊星歯車装置における第三の回転要素がキャリアではなく、第二の遊星歯車装置における第三の回転要素もキャリアではないことを特徴とする2分割ロータのロータ間位相差設定装置。
  4. 請求項1、2において、第一の遊星歯車装置における第三の回転要素と第二遊星歯車における第三の回転要素とがサンギヤであることを特徴とする2分割ロータのロータ間位相差設定装置
  5. 請求項1〜4において、位相差調整モータ13からロータ1Aとロータ1Bの回転方向位相差を調整することはできるが、ロータ1Aまたはロータ1Bから位相差調整モータ13を回転させることはできず、セルフロック機能を有することを特徴とする2分割ロータのロータ間位相差設定装置。
  6. 請求項1〜5において、位相差調整モータは油圧ピストンにより回転、または直線移動するモータであることを特徴とする2分割ロータのロータ間位相差設定装置。
JP2010106086A 2010-05-06 2010-05-06 永久磁石式モータの2分割ロータ間の位相差設定装置 Pending JP2011239486A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010106086A JP2011239486A (ja) 2010-05-06 2010-05-06 永久磁石式モータの2分割ロータ間の位相差設定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010106086A JP2011239486A (ja) 2010-05-06 2010-05-06 永久磁石式モータの2分割ロータ間の位相差設定装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011239486A true JP2011239486A (ja) 2011-11-24

Family

ID=45326841

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010106086A Pending JP2011239486A (ja) 2010-05-06 2010-05-06 永久磁石式モータの2分割ロータ間の位相差設定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011239486A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103219865A (zh) * 2013-04-25 2013-07-24 南京工程学院 一种永磁与齿轮复合传动无级变速器的控制传动机构
JP2015101107A (ja) * 2013-11-21 2015-06-04 スズキ株式会社 ハイブリッド車両の制御装置
CN108512381A (zh) * 2018-06-08 2018-09-07 重庆大学 新型高性能集成化轮毂电机
CN114312296A (zh) * 2022-01-10 2022-04-12 中国重汽集团济南动力有限公司 一种纯电动车动力传动系统

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103219865A (zh) * 2013-04-25 2013-07-24 南京工程学院 一种永磁与齿轮复合传动无级变速器的控制传动机构
CN103219865B (zh) * 2013-04-25 2016-02-03 南京工程学院 一种永磁与齿轮复合传动无级变速器的控制传动机构
JP2015101107A (ja) * 2013-11-21 2015-06-04 スズキ株式会社 ハイブリッド車両の制御装置
CN108512381A (zh) * 2018-06-08 2018-09-07 重庆大学 新型高性能集成化轮毂电机
CN108512381B (zh) * 2018-06-08 2024-04-19 重庆大学 新型高性能集成化轮毂电机
CN114312296A (zh) * 2022-01-10 2022-04-12 中国重汽集团济南动力有限公司 一种纯电动车动力传动系统
CN114312296B (zh) * 2022-01-10 2024-04-12 中国重汽集团济南动力有限公司 一种纯电动车动力传动系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7063637B2 (en) Hybrid transmission
JP4310362B2 (ja) 動力装置
US20160153537A1 (en) Drive gear unit
US20140183996A1 (en) Magnetic Powertrain and Components
WO2011036938A1 (ja) 移動装置
JP6065726B2 (ja) 駆動力配分装置
JP2010018084A (ja) 動力装置
CN102017370A (zh) 风涡轮传动系
WO2011045966A1 (ja) ハイブリッド車両
JP5220196B2 (ja) 動力装置
US11724585B2 (en) Two motor power-split hybrid system with selectable one-way clutch enabled lockable planetary gear sets for two-speed dual motor EV and engine plus dual motor drive modes
AU2016222256A1 (en) Constantly variable transmission device
KR101956743B1 (ko) 상이한 기어비를 갖는 기어박스를 테스트하는 테스트 리그 및 방법
JP2003034153A (ja) 駆動装置
JP2011239486A (ja) 永久磁石式モータの2分割ロータ間の位相差設定装置
US20180313440A1 (en) Geared transmission unit
JP2012163186A (ja) 遊星歯車速度変換機
JP2019080438A (ja) 二軸出力誘導機
JP2011254609A (ja) 永久磁石式モータの2分割ロータ間の位相差設定装置
JP5821371B2 (ja) インホイールモータ
JP5760819B2 (ja) インホイールモータ
JP2011250643A (ja) 永久磁石式モータの2分割ロータ間の位相差設定装置
CN102522866A (zh) 一种用于混合动力汽车的电动变速器双转子电机
US20170167587A1 (en) Power transmission unit
CN110529563A (zh) 一种双动力源四中间轴的四档变速系统