JP2011238433A - フィルム状導電性接着剤並びにこれを用いた接続構造体及び回路基板接続方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 フィルム状導電性接着剤を用いた回路基板の接合作業における加熱温度の管理が容易なフィルム状導電性接着剤、当該接着剤を用いた接続構造体、当該接着剤の加熱温度管理方法、及び当該管理方法に基づく回路基板の接合方法を提供する。
【解決手段】 バインダー用熱硬化性樹脂;潜在性硬化剤;導電性粒子;及び沸点が前記回路基板の実装温度(T0)未満〜該実装温度の70%値(0.7×T0)である有機溶剤を含有するフィルム状導電性接着剤を用いる。この導電性接着剤の加熱硬化物で接続されている接続構造体であって、前記加熱硬化物には、8%超〜30%のボイドが含有されている。2つの回路基板間にフィルム状接着剤を挟み、前記回路基板の一方をプレス熱ヘッドを用いた加熱加圧により前記フィルム状接着剤を加熱硬化して前記回路基板同士を接合する方法において、前記フィルム状接着剤の加熱硬化物中のボイド占有率に基づいて前記プレス熱ヘッドの温度を設定する。
【選択図】 図3
【解決手段】 バインダー用熱硬化性樹脂;潜在性硬化剤;導電性粒子;及び沸点が前記回路基板の実装温度(T0)未満〜該実装温度の70%値(0.7×T0)である有機溶剤を含有するフィルム状導電性接着剤を用いる。この導電性接着剤の加熱硬化物で接続されている接続構造体であって、前記加熱硬化物には、8%超〜30%のボイドが含有されている。2つの回路基板間にフィルム状接着剤を挟み、前記回路基板の一方をプレス熱ヘッドを用いた加熱加圧により前記フィルム状接着剤を加熱硬化して前記回路基板同士を接合する方法において、前記フィルム状接着剤の加熱硬化物中のボイド占有率に基づいて前記プレス熱ヘッドの温度を設定する。
【選択図】 図3
Description
本発明は、例えば、LCDのガラスパネルとフレキシブルプリント配線板(FPC)との接合のように、回路基板同士の接合に使用されるフィルム状導電性接着剤、当該フィルム状導電性接着剤を用いた接続構造体、当該フィルム状接着剤を用いた回路基板実装作業の温度管理方法、及び当該温度管理方法を利用した回路基板の接合方法に関する。
回路基板同士の接合、例えば、図1に示すように、電極1a、1a…が所定間隔をあけて並置されたLCDガラスパネル1と、電極2a、2aが所定間隔をあけて並置されたフレキシブルプリント配線板(FPC)2の接合には、フィルム状の導電性接着剤3が用いられている。具体的には、LCDガラスパネル1とFPC2とを、各電極1a、2aの組が相対するように向かいあわせ、これらの間に、フィルム状導電性接着剤3を挟み込み、一方の回路基板(図1においてはFPC2)を、クッション材4を介して、プレス熱ヘッド5により、他方の接合部材(図1においてはガラスパネル1)へ向けて、加熱加圧することにより、接合している。
フィルム状導電性接着剤としては、バインダー成分としてエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、当該樹脂の硬化剤、及び導電性粒子を含有する樹脂組成物をフィルム成形したものが用いられている。また、例えば、特開2006−299025号公報(特許文献1)や特開2007−112949号公報(特許文献2)に開示されているように、導電性粒子が、予めフィルムの厚み方向に配向されているもの(「フィルム状異方導電性接着剤」という)もある。
このようなフィルム状導電性接着剤は、プレス熱ヘッド5を用いた加熱により溶融流動して、同一面上にある電極(1a−1a間、及び2a−2a間)の隙間を埋めるとともに、相対する電極同士(1aと2a)の隙間を埋めることで、回路基板同士を接合している。フィルム状異方導電性接着剤3を用いて接合された状態を図2に示す。相対する電極間の隙間(d)は、同一面上の隣接電極間隔(D)に比べてはるかに狭いことから、接合された状態(図2)において、フィルム状異方導電性接着剤3の厚み方向に配向した導電性粒子が、相対する電極(1a,2a)間の隙間に介在することにより、接合される回路基板間の導通を達成することができる。一方、導電性粒子の含有量は、相対する電極間の隙間(d)と比べてはるかに大きい同一面上の隣接電極間間隔(D)を埋めるほども多くないので、隣接する電極間(1a−1a間、及び2a−2a間)の絶縁性は保持される。
このような接合方法において、フィルム状導電性接着剤の加熱温度の設定は、以下のような理由から重要である。すなわち、フィルム状導電性接着剤を加熱しすぎると、樹脂が分解し始めるため十分な接着力が発現しない。また、回路基板に余剰な熱が与えられることにより、回路基板が受けるダメージが大きくなり、ひいては、熱膨張等により樹脂基板が伸びると、電極間距離(D)が変動して、回路の接続精度に影響を及ぼすことになる。一方、加熱温度が低くなりすぎると、接着剤の硬化反応が不十分となり、所望の接合強度が得られない。
ところで、フィルム状導電性接着剤の温度コントロール、すなわち、実装温度(フィルム状導電性接着剤の予定加熱温度)の調節は、通常、図1に接合方法では、プレス熱ヘッド5の設定温度を調節することによって行われている。プレス熱ヘッド5とフィルム状導電性接着剤3との間には、クッション材4、さらには回路基板2が介在しており、これらの材料の選択は、ユーザーにより区々であることから、実装温度に基づいて一義的にプレス熱ヘッドの温度を決定することは困難である。このような事情から、フィルム状導電性接着剤の温度を実際に測定しつつ、プレス熱ヘッド温度を調節することにより、フィルム状導電性接着剤の加熱温度が実装温度と等しくなるように調節しているというのが実情である。
このようなことから、フィルム状導電性接着剤自体の温度測定方法が、結果として回路基板の接続精度と密接に関係するとさえ言え、実装作業時のフィルム状導電性接着剤の温度を正確に知ることが重要となっている。
現在、実装作業時のフィルム状導電性接着剤の温度測定は、フィルム状導電性接着剤に熱電対を挿入して行っている。ところが、熱電対の厚みに相当する導線の径は50μm程度であるのに対して、通常、フィルム厚みは10〜50μm程度であり、電極(1a、2a)の高さは夫々8〜15μm程度である。近年の高密度実装化の傾向から、フィルム厚み、電極高さは益々小さくなる傾向にある。このため、径50μm程度の熱電対を用いて、上記のような回路基板で挟持しているフィルム温度を高精度で測定することは困難であり、フィルムの温度測定方法の改善が求められている。
導電性接着剤ではないが、フィルム自体の温度を高精度に測定する方法としては、例えば、特開2001−153728号公報(特許文献3)に、加熱されたフィルム表面から放射される赤外線を、放射温度計で測定する方法が提案されている。また、特開2007−256002号公報(特許文献4)に、赤外線を利用して、フィルム状基板の表面温度を非接触で正確に測定する方法が提案されている。
しかし、これらの非接触で測定する方法は、薄膜に対する位置決め、発光部、受光部との位置決めなどを正確に行う必要があるため、高価な測定装置が必要となる。
また、フィルム状接着剤の場合、フィルムが熱溶融し、流動すると、フィルム形状が消失するので、形状が消失しつつあるフィルムの温度を、非接触で正確に測定することは困難である。
また、フィルム状接着剤の場合、フィルムが熱溶融し、流動すると、フィルム形状が消失するので、形状が消失しつつあるフィルムの温度を、非接触で正確に測定することは困難である。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、フィルム状導電性接着剤を用いた回路基板の接合作業における加熱温度の管理が容易なフィルム状導電性接着剤、当該接着剤を用いた接続構造体、当該接着剤の加熱温度管理方法、及び当該管理方法に基づく回路基板の接合方法を提供することにある。
本発明の接続構造体は、対向する回路基板の電極同士が、導電性接着剤の加熱硬化物で接続されている接続構造体において、前記加熱硬化物には、8%超〜30%、好ましくは10〜22%のボイドが含有されていることを特徴とする。
本発明のフィルム状導電性接着剤は、上記本発明の接続構造体の製造に用いられるフィルム状導電性接着剤であって、
(A)バインダー用熱硬化性樹脂;
(B)潜在性硬化剤;
(C)導電性粒子;及び
(D)沸点が前記回路基板の実装温度(T0)未満〜該実装温度の70%値(0.7×T0)である有機溶剤を含有する。
(A)バインダー用熱硬化性樹脂;
(B)潜在性硬化剤;
(C)導電性粒子;及び
(D)沸点が前記回路基板の実装温度(T0)未満〜該実装温度の70%値(0.7×T0)である有機溶剤を含有する。
前記実装温度(T0)で形成される前記フィルム状導電性接着剤の加熱硬化物中のボイドの占有率をV0、前記実装温度T0から該実装温度の5%低い温度T1(=0.95×T0)で形成される前記フィルム状導電性接着剤の加熱硬化物中のボイドの占有率をV1、前記実装温度より該実装温度の10%低い温度T2(=0.9×T0)で形成される前記フィルム状導電性接着剤の加熱硬化物中のボイドの占有率をV2としたとき、
前記(D)有機溶剤は、V1とV2の差が5%以上となるものであることが好ましく、さらに、V0とV2の差が10%以上で、且つV0とV1の差が5%未満のものであることが好ましい。
前記(D)有機溶剤は、V1とV2の差が5%以上となるものであることが好ましく、さらに、V0とV2の差が10%以上で、且つV0とV1の差が5%未満のものであることが好ましい。
前記(D)有機溶剤としては、具体的に、沸点140℃〜200℃であることが好ましく、エステル系化合物であることが好ましい。また、前記フィルム状導電性接着剤における前記(D)有機溶剤の含有率は、0.3〜1.5重量%であることが好ましい。さらに、前記(C)導電性粒子の含有率が1体積%以下であることが好ましい。
本発明のフィルム状導電性接着剤が異方導電性接着剤の場合には、前記導電性粒子はアスペクト比5以上の針状粒子であって、該針状粒子がフィルムの厚み方向に配向されていることが好ましい。
本発明の接合方法は、2つの回路基板間に、熱硬化型のフィルム状接着剤を挟み、前記回路基板の一方をプレス熱ヘッドを用いて加熱加圧することにより、前記フィルム状接着剤を加熱硬化することで、前記回路基板同士を接合する方法において、前記フィルム状接着剤として、加熱により揮発してボイドとなる有機溶剤が最適加熱温度で加熱硬化した場合の加熱硬化物中のボイド占有率が8%超〜30%となるように含有されているフィルム状接着剤を使用し、前記プレス熱ヘッドの温度は、前記フィルム状接着剤の加熱硬化物中のボイド占有率に基づいて設定されていることを特徴とし、前記フィルム状接着剤として、上記本発明のフィルム状導電性接着剤が好ましく用いられる。
本発明の実装温度管理方法は、2つの回路基板間に、加熱により揮発してボイドとなる有機溶剤を含有する熱硬化型のフィルム状接着剤を挟み、前記回路基板の一方をプレス熱ヘッドを用いて加熱加圧することにより前記フィルム状接着剤を加熱硬化する、前記回路基板を実装する作業の実装温度の管理方法であって、前記フィルム状接着剤として、加熱により揮発してボイドとなる有機溶剤が最適加熱温度で加熱硬化した場合の加熱硬化物中のボイド占有率が8%超〜30%となるように含有されているフィルム状接着剤を使用し、前記フィルム状接着剤の加熱硬化物中のボイド占有率に基づいて、前記プレス熱ヘッドの温度を設定する工程を含むもので、前記フィルム状接着剤として本発明のフィルム状接着剤が好ましく用いられる。
尚、本明細書において、実装温度とは、所期の接合状態を達成するために必要な、フィルム状接着剤が到達すべき予定加熱温度をいう。
また、ボイド占有率(%)とは、得られた加熱硬化物を光学顕微鏡により観察、撮像し、得られた画像から算出したボイドの占有面積率をいう。
また、ボイド占有率(%)とは、得られた加熱硬化物を光学顕微鏡により観察、撮像し、得られた画像から算出したボイドの占有面積率をいう。
本発明のフィルム状導電性接着剤は、実装温度範囲内で加熱硬化した場合には、回路基板の接続信頼性を損なうことなく、接合強度を確保できる範囲内でボイドを有する接続構造体を提供できる。従って、本発明のフィルム状導電性接着剤を用いれば、接続構造体のボイド占有率に基づいて実装作業の温度管理をできるので、簡便な温度管理で、所期の接続信頼性、接合強度を確保した実装作業を実現できる。
以下に本発明の実施の形態を説明するが、今回、開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
〔フィルム状導電性接着剤〕
本発明の導電性接着剤を構成する成分は、
(A)バインダー用熱硬化性樹脂;
(B)潜在性硬化剤;
(C)導電性粒子;及び
(D)沸点が前記回路基板の実装温度(T0)未満〜該実装温度の70%値(0.7×T0)である有機溶剤である。
以下、各成分について詳述する。
本発明の導電性接着剤を構成する成分は、
(A)バインダー用熱硬化性樹脂;
(B)潜在性硬化剤;
(C)導電性粒子;及び
(D)沸点が前記回路基板の実装温度(T0)未満〜該実装温度の70%値(0.7×T0)である有機溶剤である。
以下、各成分について詳述する。
(A)バインダー用熱硬化性樹脂
バインダー成分としての熱硬化性樹脂は、特に限定しないが、導電性接着剤の分野では、機械的特性、電気的特性、熱的特性、耐薬品性、接着性等の点で硬化物の特性が優れているという理由から、一般に、エポキシ樹脂が好ましく用いられる。
バインダー成分としての熱硬化性樹脂は、特に限定しないが、導電性接着剤の分野では、機械的特性、電気的特性、熱的特性、耐薬品性、接着性等の点で硬化物の特性が優れているという理由から、一般に、エポキシ樹脂が好ましく用いられる。
上記エポキシ樹脂の種類は特に限定せず、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、その蒸留品、ナフタレン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、シクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂に分類される高分子量エポキシ樹脂などが挙げられ、これらは2種以上混合して用いてもよい。また、アルコキシ含有シラン変性エポキシ樹脂、フッ素化エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂等の変性エポキシ樹脂を用いてもよい。
バインダー成分用樹脂としては、エポキシ樹脂以外に、必要に応じて、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステルイミド樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂等の他の熱硬化性樹脂を含有してもよいし、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等の熱可塑性樹脂などを含有してもよい。
フィルム状導電性接着剤におけるバインダー成分である樹脂の含有率は、同一面上の電極間の絶縁性保持の点から、通常、50〜90重量%程度であり、好ましくは50〜80重量%程度である。
(B)潜在性硬化剤
バインダー成分である熱硬化性樹脂の硬化剤としては、潜在性硬化剤が用いられる。
潜在性硬化剤としては、硬化剤がエポキシ樹脂とともに配合されていても、室温では安定に貯蔵でき、熱、光、圧力などにより急速に硬化する能力をもつ硬化剤、あるいは硬化剤をカプセルで被覆することにより熱硬化性樹脂との接触を防止しているマイクロカプセル型硬化剤などがあり、これらのうち、マイクロカプセル型硬化剤が好ましく用いられる。
バインダー成分である熱硬化性樹脂の硬化剤としては、潜在性硬化剤が用いられる。
潜在性硬化剤としては、硬化剤がエポキシ樹脂とともに配合されていても、室温では安定に貯蔵でき、熱、光、圧力などにより急速に硬化する能力をもつ硬化剤、あるいは硬化剤をカプセルで被覆することにより熱硬化性樹脂との接触を防止しているマイクロカプセル型硬化剤などがあり、これらのうち、マイクロカプセル型硬化剤が好ましく用いられる。
マイクロカプセル型硬化剤としては、イミダゾール系誘導体をウレタン結合を有する皮膜で被覆したマイクロカプセル型イミダゾール系潜在性硬化剤が好ましく例示される。イミダゾール系誘導体としては、イミダゾール化合物とエポキシ樹脂付加物、イミダゾール化合物のカルボン酸塩付加物などが例示される。イミダゾール化合物としては、例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−プロピルイミダゾール、2−ドデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール等が挙げられる。エポキシ化合物としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF及びブロム化ビスフェノールA等のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ダイマー酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル等が挙げられる。
また、ウレタン結合を有する被膜としては、イソシアネート基を有する化合物を反応させてできる被膜が好ましく用いられる。イソシアネート化合物を上記イミダゾール表面において重合することで、マイクロカプセル型イミダゾール系潜在性硬化剤を得ることができる。
また、ウレタン結合を有する被膜としては、イソシアネート基を有する化合物を反応させてできる被膜が好ましく用いられる。イソシアネート化合物を上記イミダゾール表面において重合することで、マイクロカプセル型イミダゾール系潜在性硬化剤を得ることができる。
以上のような構成を有するマイクロカプセル型硬化剤としては、市販のものを用いてもよく、例えば、マイクロカプセル型イミダゾール系潜在性硬化剤としては、旭化成イーマテリアルズ社製のノバキュアシリーズなどを用いることができる。
また、分散型、光分解型、湿気硬化型、熱分解型等の潜在性硬化剤としては、三フッ化ホウ素−アミン錯体、ジシアンジアミド、有機酸ヒドラジド、メラミン誘導体、アリルジアゾニウム塩、トリアリルスルフォニウム塩、ジアリルヨードニウム塩、ケチミン、アミニミドなどが挙げられる。
潜在性硬化剤は、その種類により適宜選択されるが、マイクロカプセル型イミダゾール系硬化剤の場合、エポキシ樹脂に対して、重量比(エポキシ樹脂:硬化剤)で3:1〜1:3程度の割合で用いられる。
(C)導電性粒子
本発明で用いられる導電性粒子としては、導電性を有する粒子であればよく、例えば、半田粒子、ニッケル粒子、金メッキニッケル粉、銅粉末、銀粉末、ナノサイズの金属結晶、金属の表面を他の金属で被覆した粒子等の金属粒子;スチレン樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂等の樹脂粒子に金、ニッケル、銀、銅、半田などの導電性薄膜で被覆した粒子等が使用できる。このような導電性粒子の粒径は特に限定しないが、通常、平均粒径0.1〜5μmである。
本発明で用いられる導電性粒子としては、導電性を有する粒子であればよく、例えば、半田粒子、ニッケル粒子、金メッキニッケル粉、銅粉末、銀粉末、ナノサイズの金属結晶、金属の表面を他の金属で被覆した粒子等の金属粒子;スチレン樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂等の樹脂粒子に金、ニッケル、銀、銅、半田などの導電性薄膜で被覆した粒子等が使用できる。このような導電性粒子の粒径は特に限定しないが、通常、平均粒径0.1〜5μmである。
これらのうち、導電性粒子を所定方向(本発明においてはフィルムの厚み方向)に配向させやすいという点から、磁性を有する粒子が好ましく用いられる。また、予め導電性粒子を厚み方向に配向させたフィルム状異方導電性接着剤の場合には、アスペクト比5以上の導電性粒子が好ましく用いられる。具体的には、微細な金属粒が直鎖状につながった形状、あるいは、針状粒子が好ましく用いられる。このような導電性粒子は、フィルム成形の際に磁場の作用により、厚み方向に配向させることができる。
導電性粒子の含有量は、同一面上に並置された隣接する電極間間隙を導通させるには不十分な量で、且つ相対する電極間を導通させることができる量であり、具体的には、導電性接着剤の全体積に対して、0.01〜10%であることが好ましく、より好ましくは0.01〜1%である。
(D)ボイド形成用有機溶剤
(D)成分としての有機溶剤は、本発明のフィルム状導電性接着剤を用いた回路基板の接合作業において、加熱硬化時に揮発してボイドとなる有機溶剤であり、フィルム状導電性接着剤の加熱硬化物において、当該有機溶剤が揮発したことにより形成されるボイドが、回路基板の接合強度や接続信頼性に対して問題とされるような影響を与えないもの、あるいは問題とされない範囲内で含有されているものである。フィルム状導電性接着剤の製造に用いる塗工液調製のために使用する希釈用有機溶剤は、フィルム状導電性接着剤中に残存していると、実装作業中に揮発して、加熱硬化物中でボイドを形成するという点で、(D)成分の有機溶剤と共通しているが、希釈用有機溶剤に基づいて形成されるボイドは、コントロールされたものではないために問題視されるのに対し、(D)成分の有機溶剤に基づくボイドは、フィルム状導電性接着剤としての特性を損なうことなく、フィルム状異方導電性接着剤の温度が設定予定温度に到達しているかどうかの判断基準として利用できるという点で異なっている。
(D)成分としての有機溶剤は、本発明のフィルム状導電性接着剤を用いた回路基板の接合作業において、加熱硬化時に揮発してボイドとなる有機溶剤であり、フィルム状導電性接着剤の加熱硬化物において、当該有機溶剤が揮発したことにより形成されるボイドが、回路基板の接合強度や接続信頼性に対して問題とされるような影響を与えないもの、あるいは問題とされない範囲内で含有されているものである。フィルム状導電性接着剤の製造に用いる塗工液調製のために使用する希釈用有機溶剤は、フィルム状導電性接着剤中に残存していると、実装作業中に揮発して、加熱硬化物中でボイドを形成するという点で、(D)成分の有機溶剤と共通しているが、希釈用有機溶剤に基づいて形成されるボイドは、コントロールされたものではないために問題視されるのに対し、(D)成分の有機溶剤に基づくボイドは、フィルム状導電性接着剤としての特性を損なうことなく、フィルム状異方導電性接着剤の温度が設定予定温度に到達しているかどうかの判断基準として利用できるという点で異なっている。
以上のような目的で用いられる(D)成分としての有機溶剤は、沸点が前記回路基板の実装温度(T0)未満〜該実装温度の70%値、(すなわちT0〜(0.7×T0))である有機溶剤である。例えば、実装温度T0が200℃の場合には、沸点140〜200℃の有機溶剤が用いられる。
使用する有機溶剤は、蒸気圧、適用される回路基板の種類(FPC板の樹脂の種類、ガラス板など)等に応じて、適宜選択されるが、前記フィルム状異方導電性接着剤の加熱硬化物における、前記(D)の有機溶剤が揮発したことにより形成されるボイドの占有率が、8%超〜30%以下、好ましくは10〜22%となるものを選択することが好ましい。加熱硬化物の状態において、30%を超えるボイドが形成されていると、所望の接着強度の確保が困難な傾向にあるからである。また、ボイド占有率が大きくなりすぎると、相対する電極間にもボイドが生成されるおそれがあり、回路の接続信頼性に影響を及ぼし得る。
さらに、実装温度(T0)、実装温度(T0)から5%低い温度T1(=0.95×T0)、10%低い温度T2(=0.90×T0)の各温度で形成される前記フィルム状導電性接着剤の加熱硬化物中のボイドの含有率(ボイド占有率)を、それぞれ各順に、V0、V1、V2としたとき、下記要件を充足することができる有機溶剤が好ましい。
(a)V1とV2の差が5%以上
(b)V0とV2の差が10%以上
(c)V0とV1の差が5%未満
(b)V0とV2の差が10%以上
(c)V0とV1の差が5%未満
本発明のフィルム状導電性接着剤は、後述する本発明の温度管理方法で詳述するように、有機溶剤が揮発することにより形成されるボイドの占有率に基づいて、フィルム状導電性接着剤の実際の加熱温度が実装温度の誤差範囲内(以下、このような誤差範囲を含めた範囲を「実装温度範囲内」ということがある)かどうかを判別できるものである。ここで、有機溶剤の揮発により形成されるボイドの占有率は温度とともに増加することから、実装温度範囲内に到達していないときのボイド占有率は少ない方がよい。
一般に、フィルム状導電性接着剤の到達温度が実装温度(T0)の±5%程度(下限T1℃に該当)であれば、接合強度に及ぼす影響はほとんど変わらないが、実装温度(T0)から10%低い温度(T2)までしか、フィルム状接着剤が加熱されない場合、加熱硬化反応が不十分となり、所望とする接合強度を確保できない。これらの事実から、実装温度範囲内と考えられるフィルム状接着剤の実際の加熱到達温度は、温度T2超、好ましくはT1以上であると言える。従って、V2が小さく、V1はV2と区別できる程度に大きいことが望まれる。一方、実装温度範囲と考えられる温度T1(実装温度との誤差範囲内と考えられる5%低い温度範囲内)と実装温度(T0)それぞれで形成される加熱硬化物のボイド占有率の差は(|V0−V1|に相当)が大きすぎると、温度調節を行う製品ロット間で、ボイド占有率が大きくばらつくことになり、さらに、実装温度より高い温度にフィルム状接着剤が加熱された場合には、ボイド占有率が大きくなりすぎて、接合強度の低下を招くおそれもある。
このような見地から、本発明のフィルム状導電性接着剤に用いられる(D)成分であるボイド形成用有機溶剤は、上記(a)(b)(c)の要件を充足できるものであることが好ましい。
上記要件(a)、さらに要件(b)(c)を充足する有機溶剤を用いたフィルム状導電性接着剤では、実装温度より10%以上低い温度では、溶剤があまり揮発せず、加熱硬化物中のボイド占有率が小さくなるが、実装温度に近くなると、得られた加熱硬化物中のボイド占有率が高くなる。よって、ボイド占有率の大きさに基づいて、フィルム状接着剤が予定の実装温度範囲内に到達したかを判別することが可能となる。
本発明のフィルム状接着剤において、(D)成分として用いられる有機溶剤は、以上のような要件を充足できる有機溶剤、さらには以上のような要件を充足する範囲内で含有される。具体的には、PGMEA、酢酸ペンチル、酢酸−3−メトキシブチル、2−エチルブチルアセテート、セロソルブアセテート、酢酸−2−エチルヘキシル、プロピオン酸ブチル、安息香酸メチル、メチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、アセト酢酸メチルなどのエステル系化合物が好ましく用いられる。また、前記フィルム状導電性接着剤全体に対する前記(D)有機溶剤の含有率は、使用する溶剤の種類、すなわち、沸点、蒸気圧により適宜設定されるが、通常、0.3〜1.5重量%程度であり、好ましくは0.4〜1.3重量%、より好ましくは0.5〜1.0重量%である。
以上のような構成を有する(D)成分たる有機溶剤は、フィルム状導電性接着剤の温度を判定する手段として、加熱硬化物において所定範囲でボイドを形成させるために含有しているが、バインダー用樹脂を溶解して、フィルム状導電性接着剤を作製するための塗工液調製のための溶剤としても兼用できる。
(E)その他の添加剤
本発明の導電性接着剤には、上記成分の他、必要に応じて、補強材、充填剤、カップリング剤、硬化促進剤、難燃化剤等の添加剤を含有してもよい。
本発明の導電性接着剤には、上記成分の他、必要に応じて、補強材、充填剤、カップリング剤、硬化促進剤、難燃化剤等の添加剤を含有してもよい。
〔フィルム状導電性接着剤の製造〕
本発明のフィルム状導電性接着剤の製造方法は特に限定しないが、通常、以下のような方法で製造される。
本発明のフィルム状導電性接着剤の製造方法は特に限定しないが、通常、以下のような方法で製造される。
上記(A)成分、(B)成分、(C)成分を混合し、これらを(D)成分の有機溶剤に溶解する。あるいは、まず(A)成分及び(B)成分を(D)成分の有機溶剤に溶解した後、(C)成分を添加混合してもよい。このようにして塗工用接着剤溶液を調製し、基材フィルム上に塗工、流延、加熱乾燥してフィルム状とする。導電性粒子がフィルムの厚み方向に配向したフィルム状導電性接着剤の場合には、加熱乾燥前または同時に、磁場を通過させて、(C)成分たる導電性粒子を厚み方向に整列させておくことが好ましい。
ここで、塗工用接着剤溶液に使用する有機溶剤量は、バインダー樹脂を十分に溶解できる量であって、且つフィルム状導電性接着剤中に残存する有機溶剤量が、上記本発明のフィルム状導電性接着剤としての要件を充足するものである。具体的には、フィルム状異方導電性接着剤における溶剤の含有量(残存量)が0.3〜1.5重量%、好ましくは0.4〜1.3重量%、より好ましくは0.5〜1.0重量%となるような量を用いる。使用する溶剤の種類、フィルム状導電性接着剤の製造における乾燥条件等に応じて、塗工液の固形分濃度を適宜選択する。
フィルム状導電性接着剤の厚みは、特に限定しないが、通常10〜50μmであり、好ましくは15〜40μmである。フィルム状導電性接着剤を製造するための乾燥温度は、使用する有機溶剤により異なるが、通常、55〜70℃程度である。
以上のようにして製造されるフィルム状導電性接着剤は、(A)バインダー成分としての熱硬化性樹脂、(B)潜在性硬化剤、(C)導電性粒子、(D)ボイド形成用有機溶剤、(E)その他、必要に応じて添加される添加剤を含有している。また、フィルム状導電性接着剤の場合には、前記導電性粒子は、フィルムの厚み方向に配向している。
尚、本発明のフィルム状導電性接着剤の製造において、塗工用接着剤溶液に用いる溶剤として、(D)成分の有機溶剤を用いたが、(D)成分としての有機溶剤以外の有機溶剤の併用を排除するものではない。ただし、(D)成分以外の有機溶剤(希釈用溶剤)を塗工液に含む場合、この希釈用溶剤は、乾燥工程で揮発し、フィルム状導電性接着剤において実質的に残存しないような溶剤であることが好ましく、残存しない程度の量用いることが好ましい。
〔接続構造体〕
本発明の接続構造体は、上記本発明のフィルム状接着剤を用いて、回路基板同士を接合したものである。
本発明のフィルム状導電性接着剤を用いて接合される回路部材としては、プリント配線基板、ビルドアップ基板などに適用できる。これらの基板は、リジッド、フレキシブルいずれでもよい。
また、基板材質としては、特に限定せず、ポリエステル基板、ポリイミド基板、ポリアミド基板、ガラス基板など、種々の種類の基板に適用できる。
本発明の接続構造体は、上記本発明のフィルム状接着剤を用いて、回路基板同士を接合したものである。
本発明のフィルム状導電性接着剤を用いて接合される回路部材としては、プリント配線基板、ビルドアップ基板などに適用できる。これらの基板は、リジッド、フレキシブルいずれでもよい。
また、基板材質としては、特に限定せず、ポリエステル基板、ポリイミド基板、ポリアミド基板、ガラス基板など、種々の種類の基板に適用できる。
本発明の接続構造体は、上記本発明のフィルム状導電性接着剤を、接合しようとする2つの回路基板間にはさみ、実装温度(実際には実装温度の誤差範囲内となる)で加熱硬化することにより得られる。
従って、フィルム状導電性接着剤の加熱硬化物部分に該当する、回路基板間間隙には、8%超〜30%以下のボイド、好ましい態様では10〜22%のボイドが含まれている。加熱硬化部分におけるボイド占有率は、使用するフィルム状導電性接着剤の組成及び実装条件等により決まる。
従って、フィルム状導電性接着剤の加熱硬化物部分に該当する、回路基板間間隙には、8%超〜30%以下のボイド、好ましい態様では10〜22%のボイドが含まれている。加熱硬化部分におけるボイド占有率は、使用するフィルム状導電性接着剤の組成及び実装条件等により決まる。
本発明のフィルム状導電性接着剤を実装温度で加熱すると、(D)成分である有機溶剤が揮発して、加熱硬化物においてボイドとなる。加熱硬化物におけるボイド占有率は、使用するフィルム状導電性接着剤の組成及び実装条件等により決まる。許容される加熱硬化温度は、理想とする実装温度(T0)の±10%未満の範囲内、好ましくは±5%の範囲内、より好ましくは5%低い温度(T1)〜実装温度(T0)であるから、ボイド占有率は8%超〜30%となり、好ましくは10〜22%である。
加熱硬化物中に形成されるボイドは、加熱による樹脂の流動及びプレス熱ヘッドの加圧過程で形成され、通常、相対する電極間間隙よりも優先的に同一面上に並置された隣接する電極間間隙に生成しやすい。隣接する電極間間隙に生成したボイドは、樹脂分と同様に、絶縁性に寄与できる。よって、本発明のフィルム状導電性接着剤は、加熱硬化物の状態で、温度判定のためのボイドが所定割合で含有されているが、回路基板の接続信頼性に実質的に影響を及ぼすことはない。
従って、本発明の接続構造体としては、回路基板として、片側面上に電極が所定間隔をあけて並置されている回路基板を使用し、フィルム状導電性接着剤としてフィルム状異方導電性接着剤を用いて得られる接続構造体において、より効果的である。すなわち、このような接続構造体においては、上記範囲内のボイドが形成されているにもかかわらず、各基板の相対する電極同士の接合部分にはほとんどボイドは生成されておらず、接続信頼性が損なわれずに済む。一方、前記各基板の同一面上に並置された隣接する電極間にはボイドを含むバインダー樹脂硬化物が充填された状態となっているので、所望の接続強度を確保しつつ、絶縁性を容易に達成できる。
〔フィルム状接着剤を用いる接合方法及び温度管理方法〕
本発明のフィルム状接着剤を用いる温度管理方法は、2つの回路基板間に、加熱により揮発してボイドとなる有機溶剤を含有する熱硬化型のフィルム状接着剤を挟み、前記回路基板の一方をプレス熱ヘッドを用いて加熱加圧することにより前記フィルム状接着剤を加熱硬化する、前記回路基板を実装する作業の実装温度の管理方法であって、前記フィルム状接着剤として、実装温度で加熱した場合の加熱硬化物中のボイド占有率が8%超〜30%、好ましくは10〜22%となるように有機溶剤が含有されているフィルム状接着剤を使用し、前記フィルム状接着剤の加熱硬化物中のボイド占有率に基づいて、前記プレス熱ヘッドの温度を設定する工程を含んでいる。
本発明のフィルム状接着剤を用いる温度管理方法は、2つの回路基板間に、加熱により揮発してボイドとなる有機溶剤を含有する熱硬化型のフィルム状接着剤を挟み、前記回路基板の一方をプレス熱ヘッドを用いて加熱加圧することにより前記フィルム状接着剤を加熱硬化する、前記回路基板を実装する作業の実装温度の管理方法であって、前記フィルム状接着剤として、実装温度で加熱した場合の加熱硬化物中のボイド占有率が8%超〜30%、好ましくは10〜22%となるように有機溶剤が含有されているフィルム状接着剤を使用し、前記フィルム状接着剤の加熱硬化物中のボイド占有率に基づいて、前記プレス熱ヘッドの温度を設定する工程を含んでいる。
また、本発明のフィルム状接着剤を用いる回路基板の接合方法は、上記本発明の温度管理方法を利用したものである。すなわち、2つの回路基板間に、熱硬化型のフィルム状接着剤を挟み、前記回路基板の一方をプレス熱ヘッドを用いて加熱加圧することにより、前記フィルム状接着剤を加熱硬化することで、前記回路基板同士を接合する方法において、前記フィルム状接着剤として、加熱により揮発してボイドとなる有機溶剤が実装温度で加熱硬化した場合の加熱硬化物中のボイド占有率が8%超〜30%、好ましくは10〜22%となるように含有されているフィルム状接着剤を使用し、前記フィルム状接着剤の加熱硬化物中のボイド占有率が8%超〜30%、好ましくは10〜22%となるように、前記プレス熱ヘッドの温度が調節されている。
上記本発明の温度管理方法、接合方法に用いるフィルム状接着剤としては、本発明のフィルム状導電性接着剤を用いることが好ましい。
上記本発明のフィルム状導電性接着剤を用いることにより、実際にフィルム状接着剤が到達している加熱温度が実装温度範囲内であるか否かを容易に判別でき、ひいては適切な実装温度範囲内に容易に調節することができる。例えば、接合作業を行った回路基板をサンプリングし、フィルム状異方導電性接着剤の加熱硬化部分のボイド占有率が5%未満であれば、加熱温度が所期の実装温度より低いと判定できるので、プレス熱ヘッドの温度を上げればよい。一方、フィルム状異方導電性接着剤の加熱硬化部分のボイド占有率が30%を超えるようであれば、フィルム状異方導電性接着剤が過熱されていると判定できるので、プレス熱ヘッドの温度を下げればよい。このように、接続した回路基板を適宜サンプリングし、フィルム状異方導電性接着剤の加熱硬化部分のボイド占有率に基づいて、ボイド占有率が適正範囲となるように、プレス熱ヘッドを調節すればよい。
具体的には、適宜温度設定したプレス熱ヘッドで加熱することにより得られるフィルム状接着剤の加熱硬化物におけるボイド占有率を調べ、ボイド占有率が8%超〜30%、好ましくは10〜22%となるように、プレス熱ヘッドの温度を調節すればよい。また、連続的に行われている実装作業において、適宜、実装された回路基板をサンプリングし、フィルム状接着剤の加熱硬化部分のボイド占有率を調べることによって、プレス熱ヘッド温度を微調整することで、実装作業の温度管理を行うことができる。このような温度管理方法の採用により、実装作業を所期の実装温度の±10%未満の温度範囲内、好ましくは±5%の温度範囲内、より好ましくは所定の実装温度(T0)〜当該実装温度から5%低い温度(T1)の温度範囲内に、フィルム状接着剤の実際の到達加熱温度を調節することができる。
本発明の温度管理方法によれば、フィルム状接着剤の温度を熱電対などを用いて測定しなくてもよく、適宜サンプリングした接合体について、フィルム状接着剤の加熱硬化部分のボイド占有率を算出するだけで済むので、簡易且つ測定におけるばらつきが小さい。すなわち、従来の熱電対を用いる方法よりも、簡便で、しかもフィルム温度設定精度が、使用するフィルム状接着剤の厚みや、回路基板の電極高さなどの影響を受けにくい。
なお、予め、フィルム状接着剤の構成に応じて、加熱温度とボイド占有率の関係を明らかにしておくことで、ボイド占有率、ボイド占有率の変化率に基づき、フィルム状接着剤の温度が設定実装温度からどの程度ずれているかを知ることもできる。
以上のような本発明の温度管理方法を適用した回路接合方法によれば、フィルム状接着剤が本来有する機能を発揮できる接着強度を確保しつつ、余分な加熱ロスもない。ひいては、フィルム状導電性接着剤を用いて行うような回路基板の接合作業では、同一基板上に並置された電極間距離が受ける加熱時の影響が少なく、接合信頼性の高い接合を達成することができる。
本発明の回路基板の接合方法は、フィルム状導電性接着剤を加熱するプレス熱ヘッドの温度調節を、フィルム状導電性接着剤の加熱硬化部分のボイド占有率に基づいて行っているので、プレス熱ヘッドの設定温度とフィルム状導電性接着剤の温度関係を正確に把握できていなくても、サンプリングした加熱硬化物のボイド占有率に基づいて、適宜プレス熱温度を調節するだけで済む。従って、本発明の接合方法、温度管理方法では、クッション材、基板の材料の熱伝導率などを考慮する必要がないので、広範な種類の回路基板の接合に適用できる。
本発明を実施するための最良の形態を実施例により説明する。実施例は、本発明の範囲を限定するものではない。
〔測定・評価方法〕
はじめに、以下の実施例で行った測定評価方法について説明する。
(1)フィルム状接着剤中の溶媒含有率
熱重量測定装置(TGA)を用い、25℃から200℃まで5℃/分の速度で昇温したときの重量減少率を溶媒含有率とした。
はじめに、以下の実施例で行った測定評価方法について説明する。
(1)フィルム状接着剤中の溶媒含有率
熱重量測定装置(TGA)を用い、25℃から200℃まで5℃/分の速度で昇温したときの重量減少率を溶媒含有率とした。
(2)フィルム状接着剤の到達加熱温度
線径13μmの熱電対を、両側の電極や上下の基板に接触しないようにスペース部の真中に配置した状態でフィルム状接着剤中に埋め込み、得られた値をフィルム状接着剤の「加熱到達温度」とした。
線径13μmの熱電対を、両側の電極や上下の基板に接触しないようにスペース部の真中に配置した状態でフィルム状接着剤中に埋め込み、得られた値をフィルム状接着剤の「加熱到達温度」とした。
(3)ボイド占有率(%)
作製した接合体において、ガラス側から電極間の状態を光学顕微鏡により観察、撮像し、得られた画像からボイドの面積を計算してその占有率(%)を求めた。
作製した接合体において、ガラス側から電極間の状態を光学顕微鏡により観察、撮像し、得られた画像からボイドの面積を計算してその占有率(%)を求めた。
(4)ボイド変化率(%)
接合体の製造に際して、接着剤の各到達温度において得られた接合体のボイド占有率の差を算出した。
接合体の製造に際して、接着剤の各到達温度において得られた接合体のボイド占有率の差を算出した。
(5)接着力(g/cm)
作製した接続構造体(回路基板接合体)を85℃、85%Rhに設定した恒温恒湿槽内に投入し、100時間経過後に取り出し、オートグラフAGS−500G〔(株)島津製作所製〕を使用して90°方向からFPCを引き剥がし、ピール強度を測定した。
作製した接続構造体(回路基板接合体)を85℃、85%Rhに設定した恒温恒湿槽内に投入し、100時間経過後に取り出し、オートグラフAGS−500G〔(株)島津製作所製〕を使用して90°方向からFPCを引き剥がし、ピール強度を測定した。
〔導電性接着剤の調製及びフィルム状接着剤の作製〕
導電性粒子としては、1μmから12μmまでの鎖長分布を有する直鎖状ニッケル微粒子を用いた。
熱硬化型樹脂として、3種類のビスフェノールA型の固形エポキシ樹脂((a)東都化成製YP−50S、(b)DIC製エピクロン7050、(c)JER製エピコート828)、及びゴム変性エポキシ樹脂((d)DIC製TSR960)を用いた。
潜在性硬化剤として、マイクロカプセル型イミダゾール系硬化剤((e)旭化成エポキシ(株)製ノバキュアHX3932)を用いた。
また、ボイド形成用有機溶剤としては、沸点が異なる下記3種類の溶剤を用いた。
SolA:セロソルブアセテート(沸点=156℃)
SolB:エチルカルビトールアセテート(沸点=217℃)
SolC:酢酸ブチル(沸点=126℃)
導電性粒子としては、1μmから12μmまでの鎖長分布を有する直鎖状ニッケル微粒子を用いた。
熱硬化型樹脂として、3種類のビスフェノールA型の固形エポキシ樹脂((a)東都化成製YP−50S、(b)DIC製エピクロン7050、(c)JER製エピコート828)、及びゴム変性エポキシ樹脂((d)DIC製TSR960)を用いた。
潜在性硬化剤として、マイクロカプセル型イミダゾール系硬化剤((e)旭化成エポキシ(株)製ノバキュアHX3932)を用いた。
また、ボイド形成用有機溶剤としては、沸点が異なる下記3種類の溶剤を用いた。
SolA:セロソルブアセテート(沸点=156℃)
SolB:エチルカルビトールアセテート(沸点=217℃)
SolC:酢酸ブチル(沸点=126℃)
上記(a)〜(e)を、重量比でa:b:c:d:e=35:5:10:10:40の割合で混合し、上記有機溶剤SolA、SolB及びSolCのそれぞれに溶解した。得られた溶液に、固形分の総量(Ni粉末+樹脂+無機フィラー)に占める割合で表される金属充填率が、0.5体積%となるように上記Ni粉末を添加した後、遠心ミキサーを用いて撹拌することで均一分散させ、溶剤が異なる3種類の接着剤溶液を調製した。
上記で調製した3種類の接着剤溶液を、離型処理したPETフィルム上にドクターナイフを用いて塗布し、磁束密度100mTの磁場中で60℃に加熱しながら、有機溶剤の残存率が0.5、1.0、2.0wt%となるよう乾燥させることによって、直鎖状粒子が磁場方向に配向した。以上のようにして、表1に示すようなフィルム状異方導電性接着剤No.1〜9を製造した。なお、厚みは全て20μmであった。
〔接続構造体の作製〕
幅50μm、高さ18μmのAuメッキしたCu回路が50μmの間隔を空けて160本配列されたFPCと回路を形成していないガラス基板とを用意した。その後、上記で作製したフィルム状異方導電性接着剤No.1〜9を用いて、異方導電性接着剤の到達温度が180、190、200℃になるようにヒーター温度を設定し、両者を加熱しながら4MPaの圧力で10秒間加圧して接着させ、FPCとガラス基板との接合体(接続構造体)を得た。
得られた接合体について、上記評価方法に基づいて、ボイド占有率、ボイド変化率、接着力を評価した。評価結果を併せて表1に示す。また、ボイド占有率とピール強度との関係を図3に示す。
幅50μm、高さ18μmのAuメッキしたCu回路が50μmの間隔を空けて160本配列されたFPCと回路を形成していないガラス基板とを用意した。その後、上記で作製したフィルム状異方導電性接着剤No.1〜9を用いて、異方導電性接着剤の到達温度が180、190、200℃になるようにヒーター温度を設定し、両者を加熱しながら4MPaの圧力で10秒間加圧して接着させ、FPCとガラス基板との接合体(接続構造体)を得た。
得られた接合体について、上記評価方法に基づいて、ボイド占有率、ボイド変化率、接着力を評価した。評価結果を併せて表1に示す。また、ボイド占有率とピール強度との関係を図3に示す。
なお、本実施例の接合方法においては、理想とする実装温度は200℃である。従って、当該実装温度より5%低い温度(T1)は190℃であり、10%低い温度(T2)は180℃である。
図3からわかるように、実装温度(200℃)より10%低い温度(180℃)で加熱硬化した場合には、ボイド占有率の大小にかかわらず、ピール強度が低い。バインダー樹脂の加熱硬化が不十分なためと考えられる。これに対して、実装温度より5%低い温度(190℃)の場合には、予定加熱温度(200℃)と同程度の接着力を示し、接着力に対してはボイド占有率の大小の影響の方が大きいことがわかる。一般に、ピール強度は350g/cm程度必要とされる。図3からわかるように、ピール強度350g/cm以上を確保するためには、ボイド占有率を22%(図3中、一点鎖線)以下とすべきことがわかる。
実装温度(T0)は200℃であるから、SolA(沸点=156℃、実装温度の78%値)、SolB(沸点=217℃、実装温度の63%値)、SolC(沸点=126℃、実装温度の108.5%値)のうち、実装温度の70%値〜実装温度(0.7T0〜T0=140〜200℃)未満の沸点を有するSolAが本発明の(D)成分に該当する有機溶剤である。
SolAを含有する接着剤No.1〜3において、有機溶剤含有率が2重量%の場合(No.1)、190℃〜200℃で加熱すると、ボイド占有率が大きく、所望の接着力が得られなかった。しかしながら、溶剤含有率が1重量%の接着剤(No.2)、0.5重量%の接着剤(No.3)では、190〜200℃の加熱で形成されるボイド占有率は22%以下であり、所望の接着力を確保することができた。さらに、ボイド変化率をみると、V1とV2の差が5%以上、V0とV2との差が10%以上あるので、V1とV2あるいはV0とV2とを比べることで、フィルム状接着剤の温度が好適な実装温度範囲(200±10℃)に到達しているかどうかを判断できる。
これらの結果から、接着剤No.2、3を用いれば、ボイド占有率が8%以下である180℃は加熱温度として低いと判定でき、ボイド占有率8%超、好ましくは10%を超えているときは、フィルム状異方導電性接着剤が実装温度範囲許容範囲内(180℃超〜200℃)、好ましい実装温度範囲内(190〜200℃)に到達できていると判定できる。
接着剤No.7〜9は、沸点が低い溶剤SolCを用いたフィルム状接着剤である。
溶剤含有率が0.5重量%(No.9)、1重量%(No.8)と少ない場合であっても、好適な実装温度範囲(200±10℃)で加熱したときに形成されるボイド占有率が22%以上となり、所望の接着力(350g/cm)を確保できなかった。
溶剤含有率が0.5重量%(No.9)、1重量%(No.8)と少ない場合であっても、好適な実装温度範囲(200±10℃)で加熱したときに形成されるボイド占有率が22%以上となり、所望の接着力(350g/cm)を確保できなかった。
接着剤No.4〜6は、沸点が高い溶剤SolBを含有するフィルム状接着剤である。
180℃、190℃、200℃での加熱は、いずれも含有している沸点よりも低い温度での加熱となることから、溶剤含有率が1重量%以下の接着剤(No.5,6)では、形成されるボイド占有率が小さく、ボイド変化率(V1とV2の差異)が5%未満となるため、ボイド占有率に基づいて温度判定をするのが困難である。
180℃、190℃、200℃での加熱は、いずれも含有している沸点よりも低い温度での加熱となることから、溶剤含有率が1重量%以下の接着剤(No.5,6)では、形成されるボイド占有率が小さく、ボイド変化率(V1とV2の差異)が5%未満となるため、ボイド占有率に基づいて温度判定をするのが困難である。
溶剤含有率を2重量%と増大した接着剤No.4では、180℃、190℃、200℃の加熱で、ボイド占有率を8%超とすることは可能であり、さらにボイド変化率も5%以上となる。しかしながら、理想とする実装温度でボイド占有率が30%を超えているため、実装温度許容範囲内、特に理想とする実装温度より高く設定された場合には、ボイド占有率が大きくなりすぎるおそれが高いので、温度管理簡便の観点からは、溶剤含有率を2重量%未満とすることが望ましいことがわかる。
本発明のフィルム状導電性接着剤は、回路基板の実装作業におけるフィルム状接着剤の温度を高精度且つ簡便に設定管理できるので、生産の負担、コスト増大を招くことなく、所期の接続信頼性・接着強度を確保できる回路基板の接合体の生産性向上を図ることができる。
Claims (15)
- 対向する回路基板の電極同士が、導電性接着剤の加熱硬化物で接続されている接続構造体において、
前記加熱硬化物には、8%超〜30%のボイドが含有されていることを特徴とする接続構造体。 - 前記加熱硬化物におけるボイドの含有率は、10〜22%である請求項1に記載の接続構造体。
- 前記回路基板は、片側面上に電極が所定間隔をあけて並置されている回路基板であって、前記接続構造体は、各基板の相対する電極同士が導通するように、且つ前記各基板の同一面上に並置された隣接する電極同士は導通しないように接続されている請求項1又は2に記載の接続構造体。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の接続構造体の製造に用いられるフィルム状導電性接着剤であって、
(A)バインダー用熱硬化性樹脂;
(B)潜在性硬化剤;
(C)導電性粒子;及び
(D)沸点が前記回路基板の実装温度(T0)未満〜該実装温度の70%値(0.7×T0)である有機溶剤
を含有するフィルム状導電性接着剤。 - 前記実装温度T0から該実装温度の5%低い温度T1(=0.95×T0)で形成される前記フィルム状導電性接着剤の加熱硬化物中のボイドの占有率をV1とし、前記実装温度より該実装温度の10%低い温度T2(=0.9×T0)で形成される前記フィルム状導電性接着剤の加熱硬化物中のボイドの占有率をV2としたとき、
前記(D)有機溶剤は、V1とV2の差が5%以上となるものである請求項4に記載のフィルム状導電性接着剤。 - 請求項2に記載の接続構造体の製造に用いられるフィルム状導電性接着剤であって、
(A)バインダー用熱硬化性樹脂;
(B)潜在性硬化剤;
(C)導電性粒子;及び
(D)沸点が前記回路基板の実装温度(T0)未満〜該実装温度の70%値(0.7×T0)である有機溶剤
を含有し、
前記実装温度(T0)で形成される前記フィルム状導電性接着剤の加熱硬化物中のボイドの占有率をV0、前記実装温度T0から該実装温度の5%低い温度T1(=0.95×T0)で形成される前記フィルム状導電性接着剤の加熱硬化物中のボイドの占有率をV1、前記実装温度より該実装温度の10%低い温度T2(=0.9×T0)で形成される前記フィルム状導電性接着剤の加熱硬化物中のボイドの占有率をV2としたとき、
前記(D)有機溶剤は、V0とV2の差が10%以上で、且つV0とV1の差が5%未満のものであるフィルム状導電性接着剤。 - 前記(D)有機溶剤の沸点は、140℃〜200℃である請求項4〜6のいずれか1項に記載のフィルム状導電性接着剤。
- 前記(D)有機溶剤は、エステル系化合物である請求項4〜7のいずれか1項に記載のフィルム状導電性接着剤。
- 前記フィルム状導電性接着剤における前記(D)有機溶剤の含有率は、0.3〜1.5重量%である請求項4〜8のいずれかに記載のフィルム状導電性接着剤。
- 前記(C)導電性粒子の含有率が1体積%以下である請求項4〜9のいずれか1項に記載のフィルム状導電性接着剤。
- 前記導電性粒子はアスペクト比5以上の針状粒子であって、該針状粒子がフィルムの厚み方向に配向されている請求項10に記載のフィルム状導電性接着剤。
- 2つの回路基板間に、熱硬化型のフィルム状接着剤を挟み、前記回路基板の一方をプレス熱ヘッドを用いて加熱加圧することにより、前記フィルム状接着剤を加熱硬化することで、前記回路基板同士を接合する方法において、
前記フィルム状接着剤として、加熱により揮発してボイドとなる有機溶剤が最適加熱温度で加熱硬化した場合の加熱硬化物中のボイド占有率が8%超〜30%となるように含有されているフィルム状接着剤を使用し、
前記プレス熱ヘッドの温度は、前記フィルム状接着剤の加熱硬化物中のボイド占有率に基づいて設定されていることを特徴とする接合方法。 - 請求項4〜11のいずれか1項に記載のフィルム状導電性接着剤を、プレス熱ヘッドを用いて加熱することにより、回路基板同士を接合する方法であって、
前記フィルム状導電性接着剤の加熱硬化物におけるボイド占有率が8%超〜30%となるように、前記プレス熱ヘッドの温度が設定されている接合方法。 - 2つの回路基板間に、加熱により揮発してボイドとなる有機溶剤を含有する熱硬化型のフィルム状接着剤を挟み、前記回路基板の一方をプレス熱ヘッドを用いて加熱加圧することにより前記フィルム状接着剤を加熱硬化する、前記回路基板を実装する作業の実装温度の管理方法であって、
前記フィルム状接着剤として、加熱により揮発してボイドとなる有機溶剤が最適加熱温度で加熱硬化した場合の加熱硬化物中のボイド占有率が8%超〜30%となるように含有されているフィルム状接着剤を使用し、
前記フィルム状接着剤の加熱硬化物中のボイド占有率に基づいて、前記プレス熱ヘッドの温度を設定する工程を含む実装温度管理方法。 - 請求項4〜11のいずれか1項に記載のフィルム状導電性接着剤を、プレス熱ヘッドを用いて加熱することにより、回路基板を実装する作業における実装温度の管理方法であって、
前記フィルム状導電性接着剤の加熱硬化物におけるボイド占有率が8%超〜30%となる温度に、前記プレス熱ヘッドの温度を調節する工程を含む管理方法。
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WO2015162931A1 (ja) * | 2014-04-24 | 2015-10-29 | タツタ電線株式会社 | 金属被覆樹脂粒子及びそれを用いた導電性接着剤 |
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