JP2011232506A - 可変焦点液体レンズ及びその焦点制御方法 - Google Patents

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大介 小山
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Abstract

【課題】 高速応答を可能化にした可変焦点液体レンズ及びその焦点制御方法を提供する。
【解決手段】 第1の屈折率を持つ第1の液体10と、上記第1の液体10とは異なる第2の屈折率を持ち、上記第1の液体10と混和しない第2の液体20を収容した液室40内に、上記第1の液体10と上記第2の液体20の間でレンズ面として機能する界面30を形成し、超音波振動子80により上記液室40内に超音波を放射して、上記液室40内で上記第1の液体10と上記第2の液体20の2液中を超音波を伝搬させることにより、上記第1の液体10と上記第2の液体20間で形成される界面30の形状を変形させて上記レンズ面の焦点を変化させ、上記液室40内に放射する超音波の放射圧により上記レンズ面の焦点を可変する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、機械的可動部を有することなく焦点を可変できる可変焦点液体レンズ及びその焦点制御方法に関する。
従来、焦点距離調整機能を有する顕微鏡や撮像装置、情報記録再生装置等の各種光学装置のレンズ系においては、多くの場合、ネジ等の直動機構を手動や電動(モータ等)により、複数のレンズ間の距離を変化させて焦点距離を変化させて、焦点距離調整を行うようにしていた。
例えば、携帯型電子機器等における撮像部の光学系は、プラスチックレンズと,それを光軸方向に移動させ焦点位置を変化させるためのアクチュエータを組み合わせたものが主流となっている。
これに対し、レンズの位置関係を動かすことなく、例えば電気的な制御信号のみによって焦点距離を変化させることができる可変焦点液体レンズとして、例えば、透明部材の間に2種の液体が挿入され、電圧印加によりエレクトロウェッティング現象を利用して液体界面を変形させるようにしたもの可変焦点液体レンズ(例えば、特許文献1、2参照)や、透明部材と薄板や弾性膜等より成る変形部との間に液体が挿入され、液体に圧力を加えることによって薄膜や弾性膜を変形させるようにした可変焦点液体レンズ(例えば、特許文献3参照)が提案されている。
特許第4154858号公報 特開2006−145807号公報 特開2009−217249号公報
近年、電子機器のディジタル化の進展とともに、ディジタルスチルカメラが普及してきている。ディジタルスチルカメラにおいて、薄型でコンパクトカメラが市場で求められている。また、携帯電話のカメラ装着率の拡大に伴い、より軽くかつより薄い携帯電話の撮像部のコンパクト化が強く要請されてきている。
しかしながら、ステッピングモータやボイスコイルモータ等のアクチュエータ付レンズは光軸上にレンズを動かす必要があるためレンズモジュールが大きくなる、時間応答性が低い、機械的可動部を有するため、衝撃に弱い、部品数が多いなどの問題点がある。
また、可変焦点液体レンズは、レンズの位置関係を動かすことなく焦点を可変することのできるので、光学系を薄型化するのに適しているのであるが、現状として時間応答性の問題を解決できていない。
そこで、本発明の目的は、上述の如き従来の現状に鑑み、高速応答を可能化にした可変焦点液体レンズ及びその焦点制御方法を提供することにある。
本発明の更に他の目的、本発明によって得られる具体的な利点は、以下に説明される実施の形態の説明から一層明らかにされる。
2種の混ざり合わない液体に超音波が伝搬した場合、超音波の放射圧(音によって発生する静圧)によって、その液体界面がいずれかの方向に凸型に押しやられ、界面が変形する現象が知られているが、これまでに工学的応用例はほとんどみられない。
本発明では、本現象を利用して、超音波振動子、液体、ケースのみで可変焦点液体レンズを構成する。
すなわち、本発明は、可変焦点液体レンズであって、第1の屈折率を持つ第1の液体と、上記第1の液体とは異なる第2の屈折率を持ち、上記第1の液体と混和せずに上記第1の液体との間でレンズ面として機能する界面を形成する第2の液体と、上記第1の液体と上記第2の液体を収容する液室と、上記第1の液体と上記第2の液体間で形成される界面を介して互いに対向する位置に入射窓と出射窓を有する容器と、上記液室内に超音波を放射して、上記液室内で上記第1の液体と上記第2の液体の2液中を超音波を伝搬させることにより、上記第1の液体と上記第2の液体間で形成される界面を変形させて上記レンズ面の焦点を変化させる超音波振動子とを備え、上記超音波振動子が上記液室内に放射する超音波の放射圧により上記レンズ面の焦点を可変することを特徴とする。
本発明に係る可変焦点液体レンズにおいて、上記超音波振動子は、例えば、上記入射窓又は出射窓に対応する開口を有するリング状の圧電体からなる集束超音波を放射する凹面形超音波振動子であり、上記凹面形超音波振動子の幾何学的焦点位置を上記第1の液体と上記第2の液体間で形成される界面に一致させてなる。
本発明に係る可変焦点液体レンズは、例えば、上記第1の液体として脱気した水と、上記第2の液体としてシリコーンオイルを上記液室に収容し、上記液室内に放射する超音波の放射圧により焦点が可変される可変集束レンズとすることができる。
また、本発明は、焦点制御方法であって、第1の屈折率を持つ第1の液体と、上記第1の液体とは異なる第2の屈折率を持ち、上記第1の液体と混和しない第2の液体を収容した液室内に、上記第1の液体と上記第2の液体の間でレンズ面として機能する界面を形成し、上記液室内に超音波を放射して、上記液室内で上記第1の液体と上記第2の液体の2液中を超音波を伝搬させることにより、上記第1の液体と上記第2の液体間で形成される界面を変形させて上記レンズ面の焦点を変化させ、上記液室内に放射する超音波の放射圧により上記レンズ面の焦点を可変することを特徴とする。
本発明では、超音波振動子、屈折率の異なる2種類の液体、容器のみで機械的可動部を有することなく焦点を可変することのできる可変焦点液体レンズを構成することができ、従来のアクチュエータ型の可変焦点液体レンズに比べて小型化及び薄型化が可能である。また、駆動源に超音波を用いることにより、従来の可変焦点液体レンズと比べて高速応答可能である。
したがって、本発明によれば、高速応答を可能化にした可変焦点液体レンズ及びその焦点制御方法を提供することができる。
本発明を適用した可変焦点液体レンズの構成を模式的に示す斜視図である。 可変焦点液体レンズの超音波振動子を駆動した場合の第1の液体と第2の液体間で形成される界面の変形の様子を測定した結果を示す図である。 上記可変焦点液体レンズにおける界面の深さ方向の断面の変化、また、超音波振動子の駆動電圧と径方向中心における界面の変化の関係を示す図である。 上記可変焦点液体レンズにおいて、第2の液体として動粘度20cStのシリコーンオイルを用いた場合について、超音波照射On,Off時における界面の時間応答を光コヒーレンストモグラフィにより測定した結果を示す図である。 上記可変焦点液体レンズにおいて、第2の液体として動粘度200cStのシリコーンオイルを用いた場合について、超音波照射On,Off時における界面の時間応答を光コヒーレンストモグラフィにより測定した結果を示す図である。 上記可変焦点液体レンズにおいて、第2の液体として動粘度3000cStのシリコーンオイルを用いた場合について、超音波照射On,Off時における界面の時間応答を光コヒーレンストモグラフィにより測定した結果を示す図である。 上記可変焦点液体レンズにおいけるシリコーンオイルの動粘度とOff時における時定数の関係を示す図である。 上記可変焦点液体レンズにおいけるシリコーンオイルの動粘度と定常状態に達するまでの応答時間の関係を示す図である。 上記可変焦点液体レンズによる結像の様子を光軸方向からCCDカメラで撮影した結果を示す図である。 上記第2の液体として動粘度20cStのシリコーンオイル用いた可変焦点液体レンズにおいて、He−Neレーザをレンズ内に通過させて平板に投影した結果を示す図である。 上記第2の液体として動粘度20cStのシリコーンオイル用いた可変焦点液体レンズにおいて、He−Neレーザをレンズ内に通過させて平板に投影した結果得られた径方向の強度分布を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は以下の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更可能であることは言うまでもない。
本発明は、例えば図1に示すような構成の可変焦点液体レンズ100に適用される。
この可変焦点液体レンズ100は、第1の屈折率を持つ第1の液体10と、上記第1の液体10とは異なる第2の屈折率を持ち、上記第1の液体10と混和しない第2の液体20を間で形成される界面30の形状を変化させることにより、焦点が可変制御可能なレンズ面として上記界面30を機能させるようにしたものであって、上記第1の液体10と上記第2の液体20を収容する液室40と、上記第1の液体10と上記第2の液体20間で形成される界面30を介して互いに対向する位置に入射窓50と出射窓60を有する容器70と、上記液室40内に超音波を放射する超音波振動子80とを備える。
上記容器70は、内径10mm,長さ30mmのアクリル製円筒ケースであって、上記第1の液体10として脱気した水(屈折率1.33)と、上記第2の液体20として疎水性のシリコーンオイルを液室40に収容している。上記第1の液体10として用いられる水は、超音波照射時のキャビテーション気泡の発生を防ぐために十分に脱気されている。なお、上記容器70は、アクリル製である必要はなく、他の材料で形成することもできる。
上記円筒ケースの一端側開口部には、上記超音波振動子80として例えばチタン酸ジルコン酸鉛(Pb(ZrTi)O )からなる中央に開口を有するリング状の凹面型集束超音波振動子(厚み1mm,外形10mm,内径3mm,焦点距離15mm)が接着されており、上記凹面型集束超音波振動子の中央開口部が石英ガラスで閉じられた入射窓50を有する。また、上記円筒ケースの他端側開口部には、石英ガラスで閉じられた出射窓60を有する。
上記凹面型集束超音波振動子を用いた超音波振動子80は、周波数が数MHzの連続正弦波状の電気信号により駆動され、液室40内に超音波を液体中に放射する。
上記凹面型集束超音波振動子の幾何学射的焦点位置を上記第1の液体10と上記第2の液体20間で形成される界面30と一致させることにより、超音波を集束させ、上記界面30における音響放射力を増大するようにしている。
このような構成の可変焦点液体レンズ100において、上記超音波振動子80により上記液室40内に超音波を放射して、上記液室40内で上記第1の液体10と上記第2の液体20の2液中を超音波を伝搬させると、上記第1の液体10と上記第2の液体20間で形成される界面30の形状が上記超音波の放射圧により変化する。すなわち、上記液室40内に放射する超音波の放射圧により上記レンズ面の焦点を可変することができる。
ここで、エネルギー密度の異なる2種の液体間に超音波を照射すると、2液境界面に音響放射力が働くことにより、その境界がいずれかの方向に凸状に変形する。音響放射力は、異なる媒質間の音響エネルギー密度差によって生じる静圧である。超音波の伝搬により2液界面が凸状に変形する進行方向は、音波の伝搬方向に関係なく、エネルギー密度の高い、すなわち、音波の伝搬速度が小さく、密度が小さい媒質から、エネルギー密度の低い、すなわち、音波の伝搬速度が大きく、密度が大きい媒質に向かう方向である。
したがって、この可変焦点液体レンズ100では、上記第1の液体10すなわち水よりも上記第2の液体20すなわちシリコーンオイルの方がエネルギー密度が高いので、超音波を照射により、上記第1の液体10と上記第2の液体20間で形成される界面30は、上記第2の液体20すなわちシリコーンオイル側から上記第1の液体10すなわち水側に向かって、凸状に変形する。
この可変焦点液体レンズ100における光軸は振動子中央部から上記界面30へ向かう方向であって、上記第1の液体10と上記第2の液体20間で形成される界面30がレンズ面として機能し、上記入射窓50を介して入射された入射光は、界面30すなわちレンズ面を通過することにより集束された集束光として上記出射窓60から出射される。
すなわち、この可変焦点液体レンズ100では、液体中を伝搬する超音波により、2液体の界面において音響放射力(音によって発生する静圧)が働き、界面はいずれかの方向に凸型に押しやられ変形する。2種の液体の屈折率が異なるので、液体界面は光学レンズとして作用するレンズ面を形成しており、上記超音波振動子80を駆動する電気信号の信号電圧を制御することにより、超音波の放射圧を変化させて、液界面形状すなわちレンズ面形状をミリメートルオーダで変化させる制御を行うことができる。すなわち、この可変焦点液体レンズ100は、可変集束レンズとして機能する。
ここで、上記第2の液体20として動粘度20cStのシリコーンオイル(屈折率1.400,表面張力20.6mN/m)を用いた上記可変焦点液体レンズ100において、上記超音波振動子80として用いた凹面型集束超音波振動子の共振周波数である2MHzの連続正弦波状の電気信号(振幅値0Vpp、振幅値6.9Vpp、振幅値14Vpp、振幅値18Vpp、振幅値25Vpp、振幅値31Vpp)により上記凹面型集束超音波振動子を駆動した場合の上記第1の液体10と上記第2の液体20間で形成される界面30の変形の様子を光コヒーレンストモグラフィにより測定した結果を図2の(A)〜(F)に示す。図2の(A)〜(F)において、観測範囲は超音波の焦点近傍の5×5×3.8mmの範囲あり,同図の縦横比は表示の都合上変化させている。また径および深さ方向の分解能はそれぞれ21μm,7.7μmである。図2の(A)に示すように、音波を照射しない場合の2液界面30の形状は、2液と円筒容器材質のアクリルの界面張力によって決定されている。そして、図2の(B)〜(F)に示すように、2液界面30は駆動電圧の増加とともに第1の液体10すなわち水側に向かって凸状に変化している。
また、図3の(A)は、上記2液界面30の深さ方向の断面の変化を示し、図3の(B)は、超音波振動子80の駆動電圧と径方向中心における界面30の変化の関係を示している。図3の(B)の縦軸は、超音波を放射しない場合の界面位置からの変位であり、上記凹面型集束超音波振動子の共振周波数である2MHz、振幅値31Vppの連続正弦波状の電気信号により上記凹面型集束超音波振動子を駆動した場合、2液界面30が水側に約2mm程度凸型に変形している。
上記可変焦点液体レンズ100において、上記第2の液体20として動粘度20cStのシリコーンオイル(屈折率1.400,表面張力20.6mN/m)、動粘度200cStのシリコーンオイル(屈折率1.403,表面張力21.1mN/m)、動粘度3000cStのシリコーンオイル(屈折率1.403,表面張力21.3mN/m)を用いた場合について、超音波照射On,Off時における2液界面30の時間応答を光コヒーレンストモグラフィにより測定した結果を図4〜図6に示す。測定箇所は径方向中心の界面である。
上記第2の液体20として動粘度20cStのシリコーンオイル(屈折率1.400,表面張力20.6mN/m)を用いた可変焦点液体レンズ100では、図4の(A)に示すように、t=0sにおいて振動子に電圧を印加することにより2液界面30が動き始めて、駆動電圧によって過渡状態の長さは異なるものの、減衰振動を繰り返した後およそt=0.25sで定常状態に達し、また、図4の(B)に示すように、t=0sにおいて、振動子の駆動電圧をOffにすると、同様に減衰振動後のおよそt=0.4sで界面の動きは止まる。
図4の(A),(B)を比較すると、On時においては2液の界面張力による復元力に加えて音響放射力が作用するため、復元力のみが作用するOff時に比べると過渡応答が早くなっており、2液界面30の過渡応答は音響放射力と2液の物性に依存する復元力とのバランスによって異なる。
図4の(A),(B)に示す上記第2の液体20として動粘度20cStのシリコーンオイル用いた場合の2液界面30の過渡応答と、図5の(A),(B)に示す上記第2の液体20として動粘度200cStのシリコーンオイル用いた場合の2液界面30の過渡応答と、図6の(A),(B)に示す上記第2の液体20として動粘度3000cStのシリコーンオイル用いた場合の2液界面30の過渡応答とを比較すると、シリコーンオイルの動粘度によって過渡応答が著しく変化している。
これらの結果から得られたシリコーンオイルの動粘度とOff時における時定数、および定常状態に達するまでの応答時間の関係を図7、図8に示すように、用いた3種のシリコーンオイルの表面張力は、20.6mN/m〜21.3mN/mであってわずかに異なるものの、動粘度と時定数はほぼ比例関係である。
すなわち、界面変形時においては、液界面に働く音響放射力は、変位量と2液の界面張力の積で表される復元力と釣り合う。また、過渡応答の時定数は、界面張力に逆比例し、粘性に比例する。
また、On,Off時共に応答時間に対して動粘性は最適値を持ち、上記第2の液体20として動粘度20cStのシリコーンオイル用いた場合、On,Off時の最小応答時間はそれぞれ40ms,80msであった。
また、上記可変焦点液体レンズ100による結像の様子を光軸方向からCCDカメラで撮影した結果を図9の(A)、(B)に示す。図9の(A)は、上記凹面型集束超音波振動子により超音波を放射しない状態における上記可変焦点液体レンズ100による結像の様子を示し、図9の(B)は、上記凹面型集束超音波振動子により超音波を放射している状態における上記可変焦点液体レンズ100による結像の様子を示している。
さらに、上記第2の液体20として動粘度20cStのシリコーンオイル用いた上記可変焦点液体レンズ100において、He−Neレーザをレンズ内に通過させ、2液界面30を変形することにより集光した結果を図10、図11に示す。図10の(A)、(B)は、超音波照射On,Off時(駆動電庄0,31V)における透過光を平板に投影した結果を示し、図11は、その径方向の強度分布を表している。透過光はレンズ先端から10mmの位置において,径0.4mmのピンホール付受光器を径方向に走査して測定した。
この可変焦点液体レンズ100は、超音波の作用により焦点が変化する可変集束レンズとして働いている。
すなわち、上記可変焦点液体レンズ100では、第1の屈折率を持つ第1の液体10と、上記第1の液体10とは異なる第2の屈折率を持ち、上記第1の液体10と混和しない第2の液体20を収容した液室40内に、上記第1の液体10と上記第2の液体20の間でレンズ面として機能する界面30を形成し、上記液室40内に超音波を放射して、上記液室40内で上記第1の液体10と上記第2の液体20の2液中を超音波を伝搬させることにより、上記第1の液体10と上記第2の液体20間で形成される界面30の形状を変形させて上記レンズ面の焦点を変化させ、上記液室40内に放射する超音波の放射圧により上記レンズ面の焦点を可変することができる。
上記可変焦点液体レンズ100は、超音波振動子80、屈折率の異なる2種類の液体10,20、容器70のみで機械的可動部を有することなく焦点を可変することができ、従来のアクチュエータ型の可変焦点液体レンズに比べて小型化及び薄型化が可能である。また、駆動源に超音波を用いることにより、従来の可変焦点液体レンズと比べて高速応答可能である。
なお、上記可変焦点液体レンズ100では、上記超音波振動子80として凹面型集束超音波振動子を上記円筒ケースの一端側開口部に設けたが、超音波の伝搬により2液界面が凸状に変形する進行方向は、音波の伝搬方向に関係なく、エネルギー密度の高い、すなわち、音波の伝搬速度が小さく、密度が小さい媒質から、エネルギー密度の低い、すなわち、音波の伝搬速度が大きく、密度が大きい媒質に向かう方向であるから、上記円筒ケースの他端側開口部に設けるようにしても良い。また、上記超音波振動子80は、凹面型集束超音波振動子である必要はなく、リング状又は筒状の超音波振動子等を用いることできる。
また、上記可変焦点液体レンズ100では、上記第1の液体10として脱気した水と、上記第2の液体20として疎水性のシリコーンオイル(動粘度20cSt)を液室40に収容したが、水と疎水性のシリコーンオイルの組み合わせのみに限定されるものでなく、第1の液体10と第2の液体20とは互いに屈折率が異なり混和せずにレンズ面として機能する界面30を形成する2種類の液体であればよく、エレクトロウェッティング効果を利用する液体レンズに使用される2種類の液体を収容するようにしても良い。
なお、上記可変焦点液体レンズ100では、液体10,20の間でレンズ面として機能する界面30を形成し、上記液室40内に超音波を放射して、上記液室40内で上記第1の液体10と上記第2の液体20の2液中を超音波を伝搬させることにより、上記第1の液体10と上記第2の液体20間で形成される界面30を変形させて上記レンズ面の焦点を変化させ、上記液室40内に放射する超音波の放射圧により上記レンズ面の焦点を可変するので、エレクトロウェッティング効果を利用する液体レンズのように、イオン導電性の液体と絶縁性の液体の組み合わせる必要はない。
10 第1の液体、
20 第2の液体、
30 界面、
40 液室、
50 入射窓、
60 出射窓、
70 容器、
80 超音波振動子、
100 可変焦点液体レンズ

Claims (4)

  1. 第1の屈折率を持つ第1の液体と、
    上記第1の液体とは異なる第2の屈折率を持ち、上記第1の液体と混和せずに上記第1の液体との間でレンズ面として機能する界面を形成する第2の液体と、
    上記第1の液体と上記第2の液体を収容する液室と、上記第1の液体と上記第2の液体間で形成される界面を介して互いに対向する位置に入射窓と出射窓を有する容器と、
    上記液室内に超音波を放射して、上記液室内で上記第1の液体と上記第2の液体の2液中を超音波を伝搬させることにより、上記第1の液体と上記第2の液体間で形成される界面を変形させて上記レンズ面の焦点を変化させる超音波振動子と
    を備え
    上記超音波振動子が上記液室内に放射する超音波の放射圧により上記レンズ面の焦点を可変することを特徴とする可変焦点液体レンズ。
  2. 上記超音波振動子は、上記入射窓又は出射窓に対応する開口を有するリング状の圧電体からなる集束超音波を放射する凹面型超音波振動子であり、上記凹面型超音波振動子の幾何学的焦点位置を上記第1の液体と上記第2の液体間で形成される界面に一致させてなることを特徴とする請求項1記載の可変焦点液体レンズ。
  3. 上記第1の液体として脱気した水と、上記第2の液体としてシリコーンオイルを上記液室に収容し、上記液室内に放射する超音波の放射圧により焦点が可変される可変集束レンズとしたことを特徴とする請求項1記載の可変焦点液体レンズ。
  4. 第1の屈折率を持つ第1の液体と、上記第1の液体とは異なる第2の屈折率を持ち、上記第1の液体と混和しない第2の液体を収容した液室内に、上記第1の液体と上記第2の液体の間でレンズ面として機能する界面を形成し、
    上記液室内に超音波を放射して、上記液室内で上記第1の液体と上記第2の液体の2液中を超音波を伝搬させることにより、上記第1の液体と上記第2の液体間で形成される界面を変形させて上記レンズ面の焦点を変化させ、
    上記液室内に放射する超音波の放射圧により上記レンズ面の焦点を可変することを特徴とする焦点制御方法。
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