JP2011232046A - 近接場プローブおよびそれを備えた近接場顕微鏡 - Google Patents

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Abstract

【課題】近接場光の発生効率を向上させるとともに、S/Nを向上させ、しかも、複数のナノ領域への近接場光の導入を可能にする。
【解決手段】コア32とクラッド33との境界面に対して垂直方向に電界成分を持つ光を導波する導波路11の光射出側端面に金属薄膜41を設ける。金属薄膜41は、コア32とクラッド33との境界Bの一部が露出する開口部41aを有しており、開口部41a以外の領域で導波路11の光射出側端面を覆っている。また、金属薄膜41は、導波路11によって導波された光を受けて近接場光を発生する複数の金属構造体42を有している。各金属構造体42は、コア32とクラッド33との境界Bをまたぐようにそれぞれ設けられているとともに、開口部41aの一部をコア32側からクラッド33側に引き出して金属薄膜41をコア32側からクラッド33側に突出させることによって形成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、近接場光を発生させる近接場プローブと、その近接場プローブを備えた近接場顕微鏡とに関するものである。
従来、近接場顕微鏡(SNOM;Scanning Near-Field Optical Microscope)等に適用可能で、近接場光を導入・検出するための近接場プローブとして、例えば特許文献1〜3に開示されたものがある。
特許文献1の近接場プローブでは、光導波路のシリコン細線コアの先端に断面寸法が2nm程度の針状シリコン結晶を設けて、プローブ先端の径を針状シリコン結晶の直径にほぼ等しくしている。プローブの分解能はプローブの径に依存するので、上記のようにプローブの先端を数nmと細くすることにより、高分解能の実現を図っている。
特許文献2の近接場プローブは、導波路コアから伝送された光を利用して近接場光を発生させる固体含浸ミラーを備えている。固体含浸ミラーの光射出側の端面には、金属薄膜からなる反射部が設けられ、その反射部には開口部が設けられている。そして、上記金属薄膜の一部を該開口部の中心に向かって突出させることによって突出部が形成されている。突出部を構成する金属薄膜の材質を導電性の高い金属(例えばAu)とすることにより、突出部を構成する金属薄膜に表面プラズモン励起が起き、これによって、近接場光の強度を高めることが可能となっている。
特許文献3の近接場プローブでは、図12に示すように、2つの導電性の散乱体101・101を入射光の波長(例えば780nm)よりも小さい間隔D(例えば8nm)で配置し、これらの散乱体101・101に、散乱体101・101の面積よりもスポット面積の大きい光Lを照射することにより、それぞれの散乱体101・101で発生する電荷の互いの相互作用で、2つの散乱体101・101の間の領域Pにて強い近接場光を発生させるようにしている。
特開2005−172448号公報(請求項1、段落〔0003〕、〔0006〕、〔0016〕、図1等参照) 特開2007−109373号公報(請求項10、11、段落〔0042〕〜〔0045〕、図4B等参照) 特開2006−323989号公報(請求項13、実施例3、図14(a)、図18等参照)
ところが、特許文献1〜3の構成では、以下の問題が生ずる。
特許文献1の近接場プローブを、ナノ領域に近接場光を導入する目的で用いる場合、近接場光の発生位置は、シリコン細線コアの先端に設けられた針状シリコン結晶の先端付近であり、これはシリコン細線コアの延長上に相当する。この場合、シリコン細線コアを通過する光だけの作用によって近接場光が発生し、クラッドにはみだしている電界成分を利用して近接場光を発生させることはできない。その結果、近接場光を効率よく発生させることができない。
特許文献2では、導波路コアと固体含浸ミラーの上記突出部との位置関係については何ら規定されていない。このため、特許文献2の構成においても、コアを通過する光のみならず、クラッドにはみだしている電界成分をも利用して近接場光を発生させているとは言えず、近接場光を効率よく発生させることができない。
特許文献3の構成では、2つの散乱体101・101の面積よりもスポット径の大きな光Lで散乱体101・101を照射して近接場光を発生させるため、散乱体101・101に照射される光に対して、散乱体101・101に照射されない不要光の割合が多い。また、散乱体101・101への光の照射により、領域Pで本来必要な近接場光が発生すると同時に、領域Pとは反対側の領域Qで不要な近接場光が発生する。このような不要光(不要な近接場光を含む)により、S/Nが低下する。
また、近年では、量子ドットを用いた情報処理や光スイッチへの近接場光の応用なども研究されている。この場合、微小な複数のナノ領域に光を照射すべく、100nm以下の微小な光スポットを同時に複数発生できる近接場プローブが必要となる。しかし、特許文献1〜3は、いずれも、複数のナノ領域に近接場光を導入できる構成ではなく、量子ドットを用いた情報処理や光スイッチに応用することはできない。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、近接場光の発生効率を向上させるとともに、S/Nを向上させることができ、しかも、複数のナノ領域への近接場光の導入が可能な近接場プローブと、その近接場プローブを備えた近接場顕微鏡とを提供することにある。
本発明の近接場プローブは、コアと、前記コアに接するクラッドとを有し、前記コアと前記クラッドとの境界面に対して垂直方向に電界成分を持つ光を導波する導波路と、前記コアと前記クラッドとの境界の一部が露出する開口部を有し、前記開口部以外の領域で前記導波路の光射出側端面を覆う金属薄膜とを備え、前記金属薄膜は、前記導波路によって導波された光を受けて近接場光を発生する複数の金属構造体を有しており、前記複数の金属構造体は、前記コアと前記クラッドとの境界をまたぐようにそれぞれ設けられているとともに、前記開口部の一部を前記コア側から前記クラッド側に引き出して前記金属薄膜を前記コア側から前記クラッド側に突出させることによって形成されていることを特徴としている。
上記の構成によれば、導波路の光射出側端面を覆う金属薄膜は、近接場光を発生させる金属構造体を有している。この金属構造体は、導波路のコアとクラッドとの境界をまたぐように設けられている。これにより、コアとクラッドとの境界面に対して垂直方向に電界成分を持つ光を導波路で導波させたときに、コアを通過する光だけでなく、クラッドにはみだしている電界成分をも利用して、金属構造体にて近接場光を発生させることができる。したがって、コアまたはその延長線上にのみ金属構造体を設ける構成に比べて、近接場光の発生効率を向上させることができる。しかも、金属構造体は、金属薄膜の開口部の一部をコア側からクラッド側に引き出して、金属薄膜をコア側からクラッド側に突出させることによって形成されているので、金属薄膜の開口部以外の領域で導波路の光射出側端面を覆う構成を採用しながら、上記の効果を得ることができる。
また、金属構造体は、複数設けられているので、複数の位置で近接場光を発生させることができる。これにより、例えば、微小なナノ領域が並んだ構造に対してスポット径100nm以下の光をそれぞれのナノ領域に同時に導入することが可能となる。したがって、例えば量子ドットを用いた情報処理や光スイッチに好適な近接場プローブを実現することが可能となる。
また、導波路の光射出側端面は、金属薄膜の開口部以外の領域で覆われているので、導波路で導波される光を金属薄膜の複数の金属構造体に照射して必要な近接場光を発生させる一方で、金属薄膜での遮光によって、金属構造体に照射されない不要な伝搬光を減らすことができるとともに、不要な近接場光が発生するのを回避することができる。その結果、不要な伝搬光や不要な近接場光によるノイズを低減することができる(S/Nを向上させることができる)。
本発明の近接場プローブにおいて、前記金属構造体の少なくとも2つは、前記コアと前記クラッドとの境界をまたぐ方向が互いに異なるように設けられていてもよい。
この構成では、導波路を導波させる光の偏波(電界の振動方向)に応じて、近接場光の発生位置を変えることができるので、本発明の近接場プローブを例えば光スイッチに適用することが容易となる。
本発明の近接場プローブにおいて、前記金属構造体の少なくとも2つは、互いに大きさが異なっていてもよい。
金属構造体の大きさが1種類の場合、1つの波長に対してしか大きな感度を持たない。金属構造体の少なくとも2つを互いに異なる大きさとすることにより、少なくとも2種類の波長に対して大きな感度を持ち、かつ、それ以外の波長に対する感度を小さくできる。その結果、S/N比の高い近接場光の導入が可能となる。
本発明の近接場プローブにおいて、前記導波路は、光射出側の光スポットのサイズを光入射側の光スポットのサイズよりも小さく変換するスポットサイズ変換部を有していることが望ましい。
例えば、導波路の光入射側端面に光ファイバを結合する場合には、大きいスポット径で両者を結合することができる。これにより、結合効率(光の伝搬効率)を上げることができ、導波路への入射光の光スポットの中心と導波路の光入射側端面の中心との位置ずれの許容範囲(許容誤差)も大きくとることができる。また、スポット径の大きい光ファイバを用いる構成であっても、スポットサイズ変換部でのスポットサイズの変換により、小さいスポット径で金属構造体を照射して近接場光を効率よく発生させることができる。
本発明の近接場顕微鏡は、上述した本発明の近接場プローブを備えていることが望ましい。
本発明の近接場プローブは、不要光の遮光によりS/Nが高いので、近接場光を試料に当てて、試料からの光を検出することによって試料の特性を評価する近接場顕微鏡に好適である。
なお、本発明の近接場プローブは、以下のように構成されてもよい。
本発明の近接場プローブにおいて、前記複数の金属構造体は、前記コア側から前記クラッド側に向かうにつれて先細りとなる形状でそれぞれ形成されていてもよい。
本発明の近接場プローブにおいて、前記複数の金属構造体は、前記コア側から前記クラッド側に向かうにつれて先細りとなる三角形状でそれぞれ形成されていてもよい。
本発明の近接場プローブにおいて、前記コアを第1のコアとすると、前記スポットサイズ変換部は、前記第1のコアと、前記第1のコアよりも屈折率が低い前記クラッドと、前記第1のコアよりも屈折率が低く、かつ、前記クラッドよりも屈折率が高い第2のコアとを有しており、前記第2のコアに入力された光を前記第1のコアを介して出力する構成であってもよい。
本発明の近接場プローブにおいて、前記第1のコアは、光入力側から光出力側に向かうに従って幅が広くなる形状で形成されていてもよい。
本発明によれば、金属構造体は、導波路のコアとクラッドとの境界をまたぐように設けられているので、コアを通過する光だけでなく、クラッドにはみだしている電界成分をも利用して近接場光を発生させることができ、近接場光の発生効率を向上させることができる。しかも、金属構造体は、金属薄膜の開口部の一部をコア側からクラッド側に引き出して金属薄膜をコア側からクラッド側に突出させることによって形成されているので、金属薄膜の開口部以外の領域で導波路の光射出側端面を覆う構成を採用しながら、上記の効果を得ることができる。
また、金属構造体は複数設けられているので、複数の位置で近接場光を発生させることができ、複数のナノ領域への近接場光の導入が可能となる。さらに、金属薄膜は、開口部以外の領域で導波路の光射出側端面を覆っているので、金属薄膜によって不要な伝搬光や不要な近接場光を遮光してS/Nを向上させることができる。
本発明の実施の一形態に係る近接場顕微鏡の概略の構成を模式的に示す説明図である。 (a)は、上記近接場顕微鏡に適用される近接場プローブの導波路を構成するスポットサイズ変換部の斜視図であり、(b)は、上記スポットサイズ変換部のZX断面での断面図であり、(c)は、上記スポットサイズ変換部のYZ断面での断面図である。 (a)は、上記導波路の光射出側端面を模式的に示すものであって、上記光射出側端面に金属薄膜および金属構造体を形成する前の状態を示す平面図であり、(b)は、上記光射出側端面に金属薄膜および金属構造体を形成した後の状態を示す平面図である。 上記導波路の光射出側端面における、電界分布の解析を行うための座標軸を示す説明図である。 (a)は、XY平面内での電界Exの振幅を等高線表示したグラフであり、(b)は、Y=0におけるX軸方向に沿った電界|Ex|のプロファイルを示すグラフであり、(c)は、X=0におけるY軸方向に沿った電界|Ex|のプロファイルを示すグラフである。 (a)は、XY平面内での電界Ezの振幅を等高線表示したグラフであり、(b)は、Y=0におけるX軸方向に沿った電界|Ez|のプロファイルを示すグラフであり、(c)は、X=0におけるY軸方向に沿った電界|Ez|のプロファイルを示すグラフである。 (a)は、XY平面内での磁界Hyの振幅を等高線表示したグラフであり、(b)は、Y=0におけるX軸方向に沿った磁界|Hy|のプロファイルを示すグラフであり、(c)は、X=0.15におけるY軸方向に沿った磁界|Hy|のプロファイルを示すグラフである。 (a)は、XY平面内での磁界Hzの振幅を等高線表示したグラフであり、(b)は、Y=0.15におけるX軸方向に沿った磁界|Hz|のプロファイルを示すグラフであり、(c)は、X=0.15におけるY軸方向に沿った磁界|Hz|のプロファイルを示すグラフである。 上記導波路の他の構成における光射出側端面の平面図である。 上記導波路のさらに他の構成における光射出側端面の平面図である。 上記導波路のさらに他の構成における光射出側端面の平面図である。 従来の近接場光発生器に用いられる、近接場光を発生する散乱体の平面図である。
本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明すれば以下の通りである。
〔近接場顕微鏡の構成〕
図1は、本発明の実施の一形態に係る近接場顕微鏡の概略の構成を模式的に示す説明図である。この近接場顕微鏡において、励起光源1から射出された光は、光ファイバ2を介して近接場プローブ3の導波路11の結合部11aに入射する。近接場プローブ3は、XYZステージ4上で保持された被測定サンプルSに対して近接場光を照射する。その後、被測定サンプルSで発生した近接場光は、近接場光を導入したプローブ(導波路11)とは別のプローブ(導波路12)で伝搬光に変換され、導波路12の結合部12aを介して光ファイバ5で導光され、光検出器6にて検出される。これにより、主制御回路7は、光検出器6からの検出信号に基づいて、被測定サンプルSの特性(表面状態、光学特性など)を分析することが可能となる。
より詳しくは、XYZステージ4の高さ方向(Z方向)の位置は、近接場プローブ3の先端と被測定サンプルSの表面との距離が一定(例えば20nm)となるように、主制御回路7によってシアフォース制御されている。この状態で、主制御回路7は、ステージコントローラ8を介して、Z方向に垂直で互いに垂直な2方向であるX方向およびY方向に一定のピッチでXYZステージ4を移動させることにより、近接場強度のXY分布を測定することができ、その測定結果に基づいて被測定サンプルSの特性を分析することができる。なお、主制御回路7は、励起光源1における光の射出も制御している。
なお、励起光を導入するプローブと光を検出するプローブとに対して、XYZの全ての方向に走査を行える機構を設けることで、微小な位置調整も可能となる。このときの位置制御については、圧電素子を用いることにより、数nmの精度で行うことができる。また、レーザビームと干渉計とを用いたフィードバック機構によって絶対位置制御を行い、位置の再現性を高める工夫も可能である。
〔近接場プローブの詳細〕
次に、上述した近接場プローブ3の詳細について説明する。なお、近接場プローブ3の使用方法としては、近接場光の励起と近接場光の検出とがあるが、ここでは近接場光の励起を例に挙げて説明する。また、使用する波長も、紫外〜可視光〜近赤外〜赤外と任意であるが、ここでは通信波長帯の波長1.5μmを例に挙げて説明する。
まず、図1のように、光ファイバ2と近接場プローブ3とを結合部11aにて結合する構成の場合、光ファイバ2と近接場プローブ3とを結合する際の効率が重要となる。
ここで、光通信で用いられるシングルモード光ファイバでは、コア材料としてGeをドープしたSiO2を用い、クラッド材料としてSiO2を用いてGeのドープ量を調整することにより、以下の式で表わされる比屈折率差Δを0.003程度に設計している。
Δ={(ncore)2−(nclad)2}/2(ncore)2 ・・・(1)
ただし、
ncore:コア材料の屈折率
nclad:クラッド材料の屈折率
である。
一般的なステップ型シングルモード光ファイバにおいて、波長1.5μmにおけるモードフィールド径(MFD)は10μm程度である。したがって、近接場プローブで数十nmの微小領域に光を導入するためには、光ファイバの上記モードフィールド径は大きすぎる。このため、本実施形態では、近接場プローブの導波路をスポットサイズ変換部で構成するとともに、これに後述する金属構造体(プラズモンヘッド)を組み合わせた構成とすることで、結合効率(光の伝搬効率)を向上させながら、光のスポットを数十nmまで小さくしている。
図2(a)は、本実施形態の近接場プローブ3の導波路11(結合部11a)を構成するスポットサイズ変換部21の斜視図であり、図2(b)は、スポットサイズ変換部21のZX断面での断面図であり、図2(c)は、スポットサイズ変換部21のYZ断面での断面図である。なお、+Z方向は、光の伝搬方向を示し、X方向はZ方向に垂直で基板22にも垂直な方向を示し、Y方向はZ方向およびX方向に垂直な方向を示す。
スポットサイズ変換部21は、光射出側の光スポットのサイズを光入射側の光スポットのサイズよりも小さく変換するものであり、基板22と、下部クラッド23と、細線コア24(第1のコア)と、外部コア25(第2のコア)と、上部クラッド26とを有して構成されている。基板22は、例えばSi基板で構成されている。下部クラッド23は、例えばSiO2で構成されており、基板22上に設けられている。
細線コア24は、例えばSiで構成されており、下部クラッド23上の中央付近から光出力側に向けて設けられている。細線コア24の高さ(X方向の長さ)は、光入力側(外部コア25側)から光出力側にかけて一定であるが(図2(b)参照)、細線コア24の幅(Y方向の長さ)は、光入力側で例えば0.1μm以下であり、光出力側で例えば0.3μmとなっており、光入力側から光出力側にかけて徐々に広くなるように変化している(図2(c)参照)。
外部コア25は、例えばSiOx(xは任意)で構成され、細線コア24の光入力側の一部を覆うように、下部クラッド23上で光入力側(光ファイバ2との結合側)に形成されている。つまり、外部コア25の幅Wは、細線コア24の幅よりも大きく、外部コア25の高さHは、細線コア24の高さよりも大きい。上部クラッド26は、例えばSiOy(yは任意)で構成され、細線コア24および外部コア25を覆うように、これらに接しながら下部クラッド23上に形成されている。
また、下部クラッド23、細線コア24、外部コア25、上部クラッド26の各屈折率は、細線コア24の屈折率>外部コア25の屈折率>上部クラッド26の屈折率、かつ、細線コア24の屈折率>外部コア25の屈折率>下部クラッド23の屈折率となるように設定されている。
上記のような細線コア24の幅の滑らかな変化により、伝搬方向に従って徐々にスポットサイズが縮小され、モードフィールド径が変換される。すなわち、モードフィールド径5μm程度の光スポットでスポットサイズ変換部21に入射した光は、外部コア25から徐々に細線コア24に集中するように光結合してモードフィールド径を小さくし、モードフィールド径0.3μm程度の光スポットに変換されて出力される。
以上のように、導波路11がスポットサイズ変換部21で構成されることにより、光ファイバ2と導波路11との良好な結合を実現できると同時に、結合部11aにおける光ファイバ2と導波路11との位置合わせの許容幅を大きくすることができる。
〔金属薄膜および金属構造体について〕
上述のように、スポットサイズ変換部21の光出力部は細線コア24で構成され、そのモードフィールド径は例えば0.3μmであるが、数十nmの領域を励起するためには、より小さな光スポットが望まれる。また、量子ドットや光スイッチなどへの応用を考慮して、複数の点で同時に近接場光を発生させるためには、伝搬光を極力減らすこと、同時に数十nmの近接場光を複数発生させること、必要な発生点以外に伝搬光および近接場光を発生させないことが重要である。このため、本実施形態では、スポットサイズ変換部21の出力端に、遮光用の金属薄膜および金属構造体を形成している。以下、詳細に説明する。
図3(a)(b)は、導波路11(スポットサイズ変換部21)の光射出側端面を模式的に示す平面図であって、図3(a)は、上記光射出側端面に後述する金属薄膜41および金属構造体42を形成する前の状態を示し、図3(b)は、上記光射出側端面に金属薄膜41および金属構造体42を形成した後の状態を示している。なお、図3(b)では、他の部材との区別を明確にするため、便宜上、金属薄膜41および金属構造体42を斜線のハッチングで示している。以下の平面図でも同様に図示するものとする。
図3(a)に示すように、導波路11は、基板31上に、伝搬光を導波するコア32と、このコア32に接して光を閉じこめるクラッド33とを形成して構成されている。なお、基板31は、上述したスポットサイズ変換部21の基板22および下部クラッド23に対応しており、コア32は、細線コア24に対応しており、クラッド33は、上部クラッド26に対応している。
そして、本実施形態では、図3(b)に示すように、導波路11の光射出側端面に、金属薄膜41が形成されている。金属薄膜41は、開口部41aを有しており、開口部41a以外の領域で導波路11の光射出側端面を覆っている。金属薄膜41の開口部41aは、コア32とクラッド33との境界Bの一部が露出するように形成されている。したがって、金属薄膜41によって覆われる部分は、少なくとも、コア32とクラッド33との境界Bの非露出部分、基板31とコア32との境界、基板31とクラッド33との境界を含む。
上記の金属薄膜41は、微小な複数の金属構造体42と一体化されている。各金属構造体42は、導波路11によって導波された光を受けて、プラズモン共鳴により近接場光を発生するものである。各金属構造体42は、コア32とクラッド33との境界Bをまたぐように、導波路11の光射出側端面に、境界Bに沿ってそれぞれ設けられているとともに、金属薄膜41の開口部41aの一部をコア32側からクラッド33側に引き出して、金属薄膜41をコア32側からクラッド33側に突出させることによって形成されている。したがって、金属薄膜41の開口部41aは、各金属構造体42が位置する部分(金属薄膜41がコア32側からクラッド33側に突出した部分)において、コア32側からクラッド33側に窪んだ形状となっている。
各金属構造体42を構成する金属材料としては、例えば金(Au)が挙げられる。金は、あらゆる波長の光に対して高いプラズモン電界増幅率を示す材料であり、プラズモン共鳴によって近接場光を発生させる金属構造体42に好適である。また、金は、酸化され難い利点も持つ。また、金属構造体42を構成する別の金属材料としては、例えばアルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)がある。これらの金属材料もプラズモン増幅率が高く、近接場プローブに適している。
その他、熱的性質や化学的性質がよく、高温でも酸化されにくく、基板材料との化学反応も起さない特徴がある材料を用いて金属構造体42を構成することもできる。上記材料としては、例えば白金(Pt)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、オスミニウム(Os)などがある。これらの材料は、金属の中では熱伝導率が小さく、発生した熱を周りに伝えにくい性質を持っているため、金属構造体42の材料として適している。
なお、本実施形態では、各金属構造体42は金属薄膜41と一体化されているため、金属薄膜41についても上述の金属材料で構成することが可能である。
上記の構成において、コア32とクラッド33との境界面に対して垂直方向に電界成分を持つ光を導波路11で導波させる場合、コア32を通過して各金属構造体42を照射する光は、上記境界面に対して垂直な方向に電界成分を有する光(TM波)である。この場合に、各金属構造体42を配置する位置をコア32とクラッド33との境界Bをまたぐ位置とすることで、コア32を通過する光だけでなく、クラッド33にはみだしている電界成分をも利用して、各金属構造体42にて近接場光を発生させることができる。これにより、発生する近接場の電界強度を最大化でき、近接場光の発生効率を向上させることができる。なお、この効果は、後で示す電界分布を参照することによって、より明らかとなる。
しかも、各金属構造体42は、金属薄膜41の開口部41aの一部をコア32側からクラッド33側に引き出して、金属薄膜41をコア32側からクラッド33側に突出させることによって形成されているので、金属薄膜41の開口部41a以外の領域で導波路11の光射出側端面を覆う構成を採用しながら、各金属構造体42にて近接場光を効率よく発生させることができる。
特に、本実施形態では、図3(b)に示すように、各金属構造体42は、コア32側からクラッド33側に向かうにつれて先細りとなる形状(ここでは三角形状)でそれぞれ形成されているので、プラズモン共鳴により、クラッド33側に位置する細い先端部で強い近接場光を発生させることができる。
また、複数の金属構造体42を配置することで、複数点において同時に同位相で近接場光を発生させることが可能であり、量子ドットへの光導入や光スイッチ等への応用に有利である。さらに、このような構成の導波路11自体を配列化することで、複数ヘッドを集積することができる。このとき、導波路11の配列自体は、半導体リソグラフィの手法を用いて高精度に行えるため、例えば構造が周期的に並んだ量子ドットのような近接場デバイスへの光導入に有利となる。なお、複数点で発生する近接場光の位相を互いに異ならせることも可能であるが、この場合は、例えば屈折率の互いに異なるコアを複数並べて配置して、各コアに対応して金属構造体42を配置すればよい。
また、図12に示した従来の構成では、散乱体101の後部(領域Q)にも近接場光が発生するが、本実施形態の構成では、金属薄膜41が開口部41a以外の領域で導波路11の光射出側端面を覆っているので、各金属構造体42の先端以外には近接場光が発生せず、導波路11の不要な伝搬光も遮断され、S/Nを向上させることができる。したがって、本実施形態の近接場プローブは、微小領域への近接場光の導入に適したものとなる。
また、金属薄膜41と各金属構造体42とを一体化した構成とすることにより、導波路11の光射出側端面の全面に金属薄膜を成膜した後、これをパターニングすることにより、開口部41aを有する金属薄膜41および複数の金属構造体42を同時に得ることができる。
〔導波路の設計の詳細について〕
ところで、近接場ヘッドへの応用を考えた場合、導波路11の光射出側のスポットサイズは小さいことが望ましい。光の閉じ込めを強くして光スポットを小さくするためには、導波路11は上述した式(1)で定義される比屈折率差Δが0.2以上の高屈折率差導波路であることが望ましい。
また、高速信号伝搬の際に波形が乱れる分散の影響を避けるためには、伝搬モードが単一であるシングルモード条件を満たしていることが望ましい。2次元のスラブ導波路におけるシングルモード条件は、非特許文献(岡本勝就、フォトニクスシリーズ 光導波路の基礎、コロナ社、1992. )に記述されている。3次元矩形導波路の場合は、等価屈折率法、有限差分法、有限要素法などの手法を用いてシングルモード条件を求めることができる。
ここで、導波路11に用いられる誘電体材料(屈折率)について示すと、波長1.5μm帯においては、コア32の材料としてSi(3.48)、クラッド33の材料としてSiOx(1.4〜3.48)やAl23(1.8)などがあり、比屈折率差Δは、概ね0.001〜0.42の範囲で設計することができる。また、波長400nm〜800nmの可視域においては、コア32の材料としてGaAs(3.3)、Si(3.7)などがあり、クラッド33の材料としてTa25(2.5)、SiOx(1.4〜3.7)を用いることができ、比屈折率差Δは、概ね0.001〜0.41の範囲で設計することができる。
コア32に用いることができる他の高屈折率材料(波長域)の例としては、ダイヤモンド(可視全域)、III−V族半導体(AlGaAs(近赤外、赤)、GaN(緑、青)、GaAsP(赤、橙、青)、GaP(赤、黄、緑)、InGaN(青緑、青)、AlGaInP(橙、黄橙、黄、緑))、II−VI族半導体(ZnSe(青))が挙げられる。
また、クラッド33に用いることができる他の低屈折率薄層材料としては、炭化シリコン(SiC)、弗化カルシウム(CaF)、チッ化シリコン(Si34)、酸化チタン(TiO2)、ダイヤモンド(C)などを例示することができる。
なお、以上で示した材料に限らず、例えばTiO2、SiN、ZnSなどを用いて複数の材料を組み合わせたり、フォトニック結晶構造をとることで、ある程度自由にΔを設計することができる。なお、理論的には0<Δ<0.5である。コア32の屈折率を例えば3.5程度にし、Δ=0.4程度と大きい高屈折率差導波路を用いれば、モードフィールド径を0.5μm程度に小さくすることが可能である。
〔電界分布の解析について〕
次に、導波路11の光射出側端面における電界分布の解析について説明する。本実施形態では、この電界分布の解析に基づき、導波路11に対する金属構造体42の配置位置を最適化した。なお、電界分布の解析手法としては、有限差分法(FDM;Finite Differential Method)を用いた。
図4は、導波路11(スポットサイズ変換部21)の光射出側端面における、電界分布の解析を行うための座標軸を示す説明図である。なお、Z軸は、光の伝搬方向の軸であって、導波路11の光射出側端面に垂直な軸であり、X軸は、Z軸に垂直で、かつ、基板31とコア32とが接する面に垂直な方向の軸であり、Y軸は、Z軸およびX軸に垂直な軸である。ここでは、導波路11の光射出側端面をZ=0とし、導波路11の光射出側端面上で、基板31とコア32との境界におけるコア32の幅方向の中点を、X=Y=0としている。
解析の具体例として、ここでは、設計波長は、通信波長帯で安価なレーザの存在する1.5μmとし、導波路11の基板31には、SiO2(屈折率1.44)を用い、コア32の材料としてはSi(屈折率3.48)を用い、クラッド33の材料としては、基板と同じSiO2を用いた。そして、コア32の幅w1および高さh1は、w1=h1=300nmとした。上記構成の導波路11は、シングルモード条件を満たしており、高速信号伝達に適している。また、上記構成の導波路11の比屈折率差Δは0.411であり、高屈折率差導波路となっている。さらに、電界振動方向は、図4でX方向であり、導波路11はTMモードのシングルモード導波路となっている。
導波路11で導波される光の電界振動方向がX方向であるとき、金属構造体42を照射する光においては、電界の主成分はX成分(Ex)とZ成分(Ez)であり、磁界の主成分はY成分(Hy)とZ成分(Hz)である。
ここで、図5(a)は、XY平面内での電界Exの振幅を等高線表示したグラフであり、図5(b)は、Y=0におけるX軸方向に沿った電界|Ex|のプロファイルを示すグラフであり、図5(c)は、X=0におけるY軸方向に沿った電界|Ex|のプロファイルを示すグラフである。同様に、図6(a)は、XY平面内での電界Ezの振幅を等高線表示したグラフであり、図6(b)は、Y=0におけるX軸方向に沿った電界|Ez|のプロファイルを示すグラフであり、図6(c)は、X=0におけるY軸方向に沿った電界|Ez|のプロファイルを示すグラフである。また、図7(a)は、XY平面内での磁界Hyの振幅を等高線表示したグラフであり、図7(b)は、Y=0におけるX軸方向に沿った磁界|Hy|のプロファイルを示すグラフであり、図7(c)は、X=0.15におけるY軸方向に沿った磁界|Hy|のプロファイルを示すグラフである。同様に、図8(a)は、XY平面内での磁界Hzの振幅を等高線表示したグラフであり、図8(b)は、Y=0.15におけるX軸方向に沿った磁界|Hz|のプロファイルを示すグラフであり、図8(c)は、X=0.15におけるY軸方向に沿った磁界|Hz|のプロファイルを示すグラフである。なお、等高線表示およびプロファイルは、いずれも、最大振幅値(絶対値)を1とする正規化した値で示している。また、プロファイルは、最大振幅値を与えるXY座標を中心にしてX軸方向、ならびにY軸方向の変化を示している。図5(a)(b)より、コア32とクラッド33、およびコア32と基板31との境界近くに強い電界が分布していることがわかる。
また、図5(b)より、コア32とクラッド33、およびコア32と基板31との境界付近で大きな不連続部分が存在していることがわかる。これは、マックスウェル方程式より導かれる電束密度の境界面に垂直な成分の境界条件より、境界における電界のX成分のコア側Ecoreとクラッド側Ecladについて、
(ncore)2・Ecore=(nclad)2・Eclad ・・・(2)
となることから理解できる。つまり、上述したコア32およびクラッド33の各屈折率を式(2)に代入すると、|Eclad/Ecore|=5.84となり、これは、図5(b)におけるX=0.00および0.30(μm)付近の電界|Ex|の最大値と最小値との比(およそ5)にほぼ一致している。
なお、ここで言うX=0.00(μm)付近の電界|Ex|の最大値と最小値との比とは、X軸方向の微小量をΔX(μm)としたときに、X=0.00−ΔXにおける電界Ex(式(2)でEcladに相当)の絶対値を、X=0.00+ΔXにおける電界Ex(式(2)でEcoreに相当)の絶対値で割った値である。同様に、X=0.30(μm)付近の電界|Ex|の最大値と最小値との比とは、X軸方向の微小量をΔX(μm)としたときに、X=0.30+ΔXにおける電界Ex(式(2)でEcladに相当)の絶対値を、X=0.00−ΔXにおける電界Ex(式(2)でEcoreに相当)の絶対値で割った値である。
また、どの程度の比屈折率差Δであれば、クラッド部に電界が大きく分布するかについては、
|Eclad/Ecore|>2 ・・・(3)
を解くことで得られる。なお、式(3)の右辺の値である“2”は、経験値であり、例えばこれが“1”の場合は、コア32とクラッド33、およびコア32と基板31との境界で電界に差が生じないことになる。
式(1)(2)(3)より、
|Eclad/Ecore|=(ncore)2/(nclad)2=1/(1−2Δ)>2
となり、比屈折率差Δの範囲を求めると、
Δ>0.25
となる。このことから、Δ>0.25のときに、電界の振動方向と垂直なクラッド部分において、コア32とクラッド33との境界に沿うようにして電界成分が大きく分布すると言える。したがって、コア32とクラッド33との境界をまたぐように、境界に沿って複数の金属構造体42を配置することにより、近接場光の発生効率を最大化することができる。
〔導波路の他の構成例について〕
図9は、導波路11(スポットサイズ変換部21)の他の構成における光射出側端面の平面図である。同図に示すように、コア32のY方向の幅を長くするとともに、3個以上(同図では7個)の金属構造体42を、コア32とクラッド33との境界BをまたぐようにY方向に並べて配置してもよい。
図5〜図8に基づいて説明した通り、電界の振動方向に垂直なコア32とクラッド33との境界に電界成分が集中するため、コア32とクラッド33との境界をまたぐように開口部41aと複数の金属構造体42とを配置するのがよい。このとき、X偏波(電界振動方向がX方向)の光のみを用いて近接場光を2か所発生させる場合は、図3(b)に示したように2個の金属構造体42を配置すればよいが、図9のようにコアサイズを横に長くして、より多くの金属構造体42を配置することで、より多くの近接場光を発生させることができる。
また、図10は、導波路11のさらに他の構成における光射出側端面の平面図である。同図に示すように、2つの金属構造体42・42は、コア32とクラッド33との境界Bをまたぐ方向が互いに異なるように設けられていてもよい。図10では、一方の金属構造体42aは、境界BをX方向にまたいでおり、他方の金属構造体42bは、境界BをY方向にまたいでいる。
この構成では、X偏波の光を用いた場合、強度の強い近接場光が金属構造体42aで発生し、Y偏波(電界振動方向がY方向)の光を用いた場合、強度の強い近接場光が金属構造体42bで発生する。したがって、導波路11を導波させる光の偏波に応じて、近接場光の発生点を2つの金属構造体42a・42bで変えることができるので、上記構成の導波路11は、光スイッチへの応用が可能となる。なお、この効果は、金属構造体42を3つ以上用いる場合でも、少なくとも2つの金属構造体42について、境界Bをまたぐ方向が互いに異なるように設けることで得ることができる。
また、図11は、導波路11のさらに他の構成における光射出側端面の平面図である。同図に示すように、2つの金属構造体42・42は、互いに大きさが異なっていてもよい。図11では、一方の金属構造体42cは、他方の金属構造体42dよりもサイズが大きく形成されている。なお、金属構造体42c・42dは、コア32とクラッド33との境界Bをまたいでいる点では共通している。
近接場プローブを用いて光を導入する場合、金属構造体42の大きさが1種類のみだと、1つの波長に対してしか大きな感度を持たない。図11のように、2種類の大きさの金属構造体42c・42dを用いることにより、2つの波長に対して感度を強く持ち、かつ、その2種類の波長以外の感度は高くないので、S/Nの高い近接場光を発生させることが可能となる。また、2つの金属構造体42c・42dで境界Bをまたぐ方向を揃えておくことにより、特定の偏波の光のみを導入することができる。なお、この効果は、金属構造体42を3つ以上用いる場合でも、少なくとも2つの金属構造体42について、互いに大きさが異なっていれば得ることができる。
以上、高屈折率差導波路のコアとクラッドとの境界に、複数の金属構造体をコアとクラッドとの境界をまたぐように設けることにより、複数に位置で効率よく近接場光を発生させることが可能な近接場プローブを実現できる。このような近接場プローブは、近接場顕微鏡等の近接場の導入・検出装置に適している。
本発明の近接場プローブは、近接場顕微鏡をはじめ、量子ドットを用いた情報処理や光スイッチに利用可能である。
3 近接場プローブ
11 導波路
21 スポットサイズ変換部
24 細線コア
25 外部コア
26 上部クラッド
32 コア
33 クラッド
41 金属薄膜
41a 開口部
42 金属構造体
42a 金属構造体
42b 金属構造体
42c 金属構造体
42d 金属構造体
B 境界

Claims (5)

  1. コアと、前記コアに接するクラッドとを有し、前記コアと前記クラッドとの境界面に対して垂直方向に電界成分を持つ光を導波する導波路と、
    前記コアと前記クラッドとの境界の一部が露出する開口部を有し、前記開口部以外の領域で前記導波路の光射出側端面を覆う金属薄膜とを備え、
    前記金属薄膜は、前記導波路によって導波された光を受けて近接場光を発生する複数の金属構造体を有しており、
    前記複数の金属構造体は、前記コアと前記クラッドとの境界をまたぐようにそれぞれ設けられているとともに、前記開口部の一部を前記コア側から前記クラッド側に引き出して前記金属薄膜を前記コア側から前記クラッド側に突出させることによって形成されていることを特徴とする近接場プローブ。
  2. 前記金属構造体の少なくとも2つは、前記コアと前記クラッドとの境界をまたぐ方向が互いに異なるように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の近接場プローブ。
  3. 前記金属構造体の少なくとも2つは、互いに大きさが異なっていることを特徴とする請求項1に記載の近接場プローブ。
  4. 前記導波路は、光射出側の光スポットのサイズを光入射側の光スポットのサイズよりも小さく変換するスポットサイズ変換部を有していることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の近接場プローブ。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の近接場プローブを備えていることを特徴とする近接場顕微鏡。
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