JP2011231022A - イミダゾロン誘導体 - Google Patents

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雅文 太田
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Abstract

【課題】内皮機能障害を予防しながら、血管機能を健全な状態に保つことができ、経口摂取が可能で、長期間継続摂取しても安全な、eNOS活性を有する化合物の提供。
【解決手段】式(1)のイミダゾロン誘導体。
Figure 2011231022

(Rは、水素原子、またはC1−10アルキル基を;Rは、1個以上のヒドロキシ基を有するC1−10アルキル基を;かつRは、アミノ基及び/又はカルボキシル基を有していてもよいC1−10アルキル基を示す。ただし、Rが、水素原子で、かつ、Rが、−(CH−CH(NH)COHである場合には、Rは、2,3,4−トリヒドロキシブチル基ではない。)で表されるイミダゾロン誘導体またはその塩。
【選択図】なし

Description

本発明は、特定のイミダゾロン誘導体またはその塩、及び該イミダゾロン誘導体を含有する血管内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)活性化剤、血管内皮由来一酸化窒素産生促進剤、および血管拡張剤に関する。さらには、該イミダゾロン誘導体を含有する医薬組成物、化粧品組成物、又は機能性食品に関する。
一酸化窒素(nitric oxide: NO)は、血管内皮由来血管弛緩因子(EDRF)であり血管拡張作用を示す。生体内では一酸化窒素合成酵素(NO synthase; NOS)によって合成される。
一酸化窒素合成酵素としては、3種類(血管内皮型(eNOS/NOS3)、神経型(nNOS/NOS1)、サイトカインや細菌毒素などの刺激により誘導される誘導型(iNOS/NOS2))が知られている。このうちの血管内皮型一酸化窒素合成酵素(以下、eNOSと記載することもある)に由来する一酸化窒素は、血管拡張作用のみならず、血小板凝集を抑制して抗血栓作用を示すことや、平滑筋や心筋細胞の増殖抑制作用、抗炎症作用、更には血管内皮細胞の老化抑制作用を示すことから、主として血管機能や全身の循環調節に重要な役割を果たしていることが明らかとなっている。血管内皮以外の組織においても、血小板や赤血球、および皮膚繊維芽細胞においてeNOSの発現が報告されており、血小板凝集の抑制や赤血球変形能の亢進、コラーゲン合成の調節にそれぞれ関与する可能性が示唆されている。また、加齢に伴って血管内皮依存性血管拡張反応(EDR)が低下することが知られており、機序の一つとして、活性化されたeNOSの割合が加齢に伴い低下することなどが報告されている。内皮依存性血管拡張反応の低下に象徴される“血管内皮機能障害”は、生理的老化だけでなく、動脈硬化や糖尿病合併症などの発症・進展と密接に関係していると言われている。
したがって、eNOSを活性化する物質は、こうした一酸化窒素の不足状態を解消し、生活習慣病の予防・改善や、老化の遅延に有効に働くことが期待される。
アントシアニンや緑茶カテキン、ケルセチン、プロアントシアニジン(カテキンオリゴマー)などのフラボノイド類の一部に、in vitroで一酸化窒素産生を上昇させ、動物から摘出した血管を弛緩させる効果があることが報告されている(非特許文献1)。しかしながら、上記のフラボノイド類の血管拡張作用は比較的弱いものであるし、また、これらは概して生体吸収性が低く、フラボノイドリッチな食品を摂取した後でも血中濃度は10−8〜10−6M程度にしか上昇しないことがヒトにおいて観察されている。また、吸収されても生体内では速やかに抱合化などの代謝変化を受けることが知られており、生体内での効果は、微弱であるか、もしくは極めて限定的であると考えられる。
一方、種々の合成化合物、例えば、ネビボロール、シロスタゾール、アムロジピン等、にもeNOSを介した一酸化窒素産生増強作用が報告されている(非特許文献2−4)。しかし、上記合成化合物にはeNOS活性化作用の他に、β遮断作用やコレステロール合成阻害作用、抗血小板作用、Caチャネル遮断作用などの主作用に加えて、消化器症状や横紋筋融解症などの副作用も存在するため、これらの使用は医師の管理下で行われなければならず、必ずしも安全とは言い難い。
また、スタチン類等の様に、eNOSの翻訳後修飾レベルではなく、転写レベルでeNOSの発現を上昇させて一酸化窒素産生を高める効果を持つ物質が知られているが、eNOSを過剰発現させた動脈硬化モデル動物では病変面積が増加したとの報告(非特許文献5)もあることから、必ずしもタンパクの発現量が増えればいいというわけではない。eNOSはテトラヒドロビオプテリンが不足した状態(“アンカップリング状態”)では一酸化窒素ではなくO ラジカルを産生することが知られており、こうしたアンカップリング状態のeNOSの発現量が増えると、逆に一酸化窒素の生物学的利用性を低下させる懸念が指摘されている。
食品として摂取可能なeNOS活性化剤としては、グルコースやマルトースとアルギニンとの間におけるメイラード反応により得られるフラクトシルアルギニン(Fru−Arg)、およびマルツロシルアルギニン(Mal−Arg、あるいはGlc−Fru−Arg)が報告されている(非特許文献6−8)。しかしながら、本発明者らはFru−Argが主要成分として含まれる組成物を用いてラット摘出血管に対する血管拡張活性を検定したところ、当該活性を見出すことはできなかった。
また、イミダゾロン誘導体について、サイトカイン産生阻害効果を記載した報告例はあるが(特許文献1)、eNOSや一酸化窒素や血管に関係するものではなかった。
一方、特定のイミダゾロン誘導体にeNOS酵素を共存させて試験した報告例はあったものの、eNOS阻害活性を有するというものであった(非特許文献9)。
特表平11−510521号公報
Taubert D. et al., J. Cardiovasc. Pharmacol., 40(5), 701-713 (2002). Broeders M. A. et al., Circulation, 102(6), 677-684 (2000). Hashimoto A. et al., Atherosclerosis, 189(2), 350-357 (2006). Lenasi H. et al., Cardiovasc. Res., 59(4), 844-853 (2003). Takaya T. et al., Arterioscler. Thromb. Vasc. Biol., 27(7), 1632-1637 (2007). Ide N. et al., J. Nutr. Biochem., 10(6), 372-376 (1999). 北尾 孝司ら, 和漢医薬学雑誌, 12, 294-295 (1995). 米山 弘人ら, 和漢医薬学雑誌, 13, 346-347 (1996). Brouwera O. et al., Ann. N.Y.Acad. Sci., 1126, 231-234(2008).
本発明の課題は、血管内皮機能障害を予防しながら、血管機能を健全な状態に保つことができ、経口摂取が可能で、長期間継続摂取しても安全な、eNOS活性を有する化合物を提供することである。
本発明者らは鋭意検討の結果、特定のイミダゾロン誘導体によって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
〔1〕式(I):
Figure 2011231022
(式中、
は、水素原子、またはC1−10アルキル基を;
は、1個以上のヒドロキシ基を有するC1−10アルキル基を;かつ
は、アミノ基及び/又はカルボキシル基を有していてもよいC1−10アルキル基を示す。ただし、Rが、水素原子で、かつ、Rが、−(CH−CH(NH)COHである場合には、Rは、2,3,4−トリヒドロキシブチル基ではない。)で表されるイミダゾロン誘導体またはその塩。
〔2〕Rが、水素原子、またはC1−4アルキル基であり、Rが、1個以上のヒドロキシ基を有するC1−4アルキル基であり、かつ、Rが、末端の炭素原子にアミノ基及びカルボキシル基を有していてもよいC1−4アルキル基である、〔1〕記載のイミダゾロン誘導体またはその塩。
〔3〕Rが、水素原子、またはC1−4アルキル基であり、Rが、1個以上のヒドロキシ基を有するC1−4アルキル基であり、かつ、Rが、−(CH−CH(NH)COHである、〔1〕記載のイミダゾロン誘導体またはその塩。
〔4〕Nδ−(5−メチル−5−ヒドロキシメチル−4−イミダゾロン−2−イル)−L−オルニチン、Nδ−[5−ヒドロ−5−(2−ヒドロキシエチル)−4−イミダゾロン−2−イル]−L−オルニチン、Nδ−[5−メチル−5−(1,2−ジヒドロキシエチル)−4−イミダゾロン−2−イル]−L−オルニチン、Nδ−[5−ヒドロ−5−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−4−イミダゾロン−2−イル]−L−オルニチン、およびNδ−[5−メチル−5−(1,2,3−トリヒドロキシプロピル)−4−イミダゾロン−2−イル]−L−オルニチンよりなる群から選ばれる1種または2種以上である、〔1〕記載のイミダゾロン誘導体またはその塩。
〔5〕〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載のイミダゾロン誘導体またはその塩を含有する血管内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)セリン1177残基のリン酸化亢進剤。
〔6〕〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載のイミダゾロン誘導体またはその塩を含有する血管内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)活性化剤。
〔7〕〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載のイミダゾロン誘導体またはその塩を含有する血管内皮由来一酸化窒素産生促進剤。
〔8〕〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載のイミダゾロン誘導体またはその塩を含有する血管拡張剤。
〔9〕〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載のイミダゾロン誘導体またはその塩を含有する、医薬組成物。
〔10〕〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載のイミダゾロン誘導体またはその塩を含有する化粧品組成物。
〔11〕〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載のイミダゾロン誘導体またはその塩を含有する機能性食品又は栄養補助食品。
〔12〕〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載のイミダゾロン誘導体またはその塩を含有する食品又は飲料。
〔13〕〔6〕に記載の血管内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)活性化剤を用いる、高血圧症、心筋梗塞、脳梗塞、動脈硬化、高コレステロール血症、糖尿病及びその合併症、認知症、勃起機能不全、老化、創傷、脱毛、運動機能障害、腎機能障害、腎性貧血、サルコペニア、疲労、記憶・学習能障害、肩こり、または冷え性に関連する血管内皮機能障害の予防または治療方法。
〔14〕高血圧症、心筋梗塞、脳梗塞、動脈硬化、高コレステロール血症、糖尿病及びその合併症、認知症、勃起機能不全、老化、創傷、脱毛、運動機能障害、腎機能障害、腎性貧血、サルコペニア、疲労、記憶・学習能障害、肩こり、または冷え性に関連する血管内皮機能障害を予防または治療剤の製造における、〔6〕に記載の血管内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)活性化剤の使用。
〔15〕式(I’):
Figure 2011231022
(式中、
’およびR’は、それぞれ独立して、同一又は異なって、水素原子、または1個以上のヒドロキシ基を有していてもよいC1−10アルキル基を;かつ
’は、アミノ基及び/又はカルボキシル基を有していてもよいC1−10アルキル基で表される基を示す。)で表されるイミダゾロン誘導体またはその塩を含有する血管内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)活性化剤。
〔16〕式(I’):
Figure 2011231022
(式中、
’およびR’は、それぞれ独立して、同一又は異なって、水素原子、または1個以上のヒドロキシ基を有していてもよいC1−10アルキル基を;かつ
’は、アミノ基及び/又はカルボキシル基を有していてもよいC1−10アルキル基で表される基を示す。)で表されるイミダゾロン誘導体またはその塩を含有する、高血圧症、高コレステロール血症、脳梗塞、または勃起機能不全の予防および/または治療、創傷の治療、育毛、あるいは、運動機能障害、サルコペニア、腎性貧血、疲労、肩こり、冷え性、または老化の予防、改善、または緩和のために用いられる医薬組成物。
〔17〕式(I’):
Figure 2011231022
(式中、
’およびR’は、それぞれ独立して、同一又は異なって、水素原子、または1個以上のヒドロキシ基を有していてもよいC1−10アルキル基を;かつ
’は、アミノ基及び/又はカルボキシル基を有していてもよいC1−10アルキル基で表される基を示す。)で表されるイミダゾロン誘導体またはその塩を含有する機能性食品又は栄養補助食品。
本発明の特定のイミダゾロン誘導体によって、血管内皮機能障害を予防しながら、血管機能を健全な状態に保つことができ、経口摂取が可能で、長期間継続摂取しても安全な、eNOS活性化作用を有する新規化合物を提供することができるようになった。この新規化合物によって、新規血管内皮由来一酸化窒素産生促進剤、eNOS活性化剤、および血管拡張剤も提供できるようになった。
ラット摘出血管におけるイミダゾロン誘導体((I−1)、(I−3)、および(I−7))の血管弛緩活性を示す。 イミダゾロン誘導体(I−2)によるPI3K/Akt経路依存的なeNOSセリン1177残基のリン酸化亢進活性を示す。 イミダゾロン誘導体(I−2)によるPI3K/Akt経路依存的なAktセリン473残基のリン酸化亢進活性を示す。 イミダゾロン誘導体(I−3)によるPI3K/Akt経路依存的なeNOSセリン1177残基のリン酸化亢進活性を示す。 イミダゾロン誘導体(I−3)によるPI3K/Akt経路依存的なAktセリン473残基のリン酸化亢進活性を示す。 イミダゾロン誘導体(I−7)によるPI3K/Akt経路依存的なeNOSセリン1177残基のリン酸化亢進活性を示す。 イミダゾロン誘導体(I−7)によるPI3K/Akt経路依存的なAktセリン473残基のリン酸化亢進活性を示す。 イミダゾロン誘導体(I−1)の経口吸収性を示す。 フェニレフリン昇圧モデルラットにおけるイミダゾロン誘導体(I−1)の降圧活性を示す。
本発明は、式(I’):
Figure 2011231022
(式中、
’およびR’は、それぞれ独立して、同一又は異なって、水素原子、または1個以上のヒドロキシ基を有していてもよいC1−10アルキル基を;かつ
’は、アミノ基及び/又はカルボキシル基を有していてもよいC1−10アルキル基で表される基を示す。)で表されるイミダゾロン誘導体に関する。
特に新規化合物であるという観点で、式(I):
Figure 2011231022
(式中、
は、水素原子、またはC1−10アルキル基を;
は、1個以上のヒドロキシ基を有するC1−10アルキル基を;かつ
は、アミノ基及び/又はカルボキシル基を有していてもよいC1−10アルキル基を示す。ただし、Rが、水素原子で、かつ、Rが、−(CH−CH(NH)COHである場合には、Rは、2,3,4−トリヒドロキシブチル基ではない。)で表されるイミダゾロン誘導体、
が好ましい。
上記式(I)または式(I’)で表されるイミダゾロン誘導体に対する上記又は下記のいずれの言及も、適切かつ好都合なように、式(I)または式(I’)で表されるイミダゾロン誘導体の塩、特に薬学的に許容される塩をも指すものと理解されるべきである。本発明のイミダゾロン誘導体またはそれらの塩は、エナンチオマー、ジアステレオマー、および幾何異性体を包含する立体異性体として存在することがある。(R)エナンチオマー、(S)エナンチオマー、エピマー、ジアステレオマー、シス、トランス、シン、アンチならびにラセミ(すなわち、50:50)混合物および非ラセミ(すなわち、100:0と50:50の間)混合物を包含するすべての立体異性体は、本発明の一部である。化合物中のキラル炭素原子の立体化学が明示されていない場合、そのキラル炭素原子における立体化学は、(R)、(S)、またはそれらの混合物であってよい。すなわち、「イミダゾロン誘導体」という表現をもって、「イミダゾロン誘導体の遊離体、その塩、その互変異性体、その立体異性体、およびその光学異性体、そしてそれら混合物」として広く解釈されるべきものである。
式(I)または式(I’)中、RおよびR、またはR’およびR’で示されるC1−10アルキル基は、好ましくはC1−6アルキル基、より好ましくはC1−4アルキル基である。
本明細書において、「アルキル基」とは、直鎖または分枝鎖状の炭化水素基を意味し、例えば、C1−30アルキル基が挙げられ、好ましくはC1−10アルキル基、より好ましくはC1−6アルキル基であり、C1−4アルキル基が特に好ましい。好適な具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−エチルプロピル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、ドデシル基、ラウリル基、トリデシル基、ミリスチル基、セチル基、ステアリル基、アラキル基、ベヘニル基、オレイル基、イソステアリル基等が挙げられる。
該アルキル基は、1個以上、好ましくは、1ないし4個、のヒドロキシ基を有していてもよい。
「C1−10アルキル基」とは、炭素数1〜10個の直鎖または分枝鎖状の炭化水素基を意味し、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、tert−オクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基等が挙げられる。
「C1−6アルキル基」とは、炭素数1〜6個の直鎖または分枝鎖状の炭化水素基を意味し、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、ヘキシル基等が挙げられる。
「C1−4アルキル基」とは、炭素数1〜4個の直鎖または分枝鎖状の炭化水素基を意味し、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。
式(I)または式(I’)中、RまたはR’で示されるアミノ基及び/又はカルボキシル基を有していてもよいC1−10アルキル基は、好ましくは、末端の炭素原子にアミノ基及びカルボキシル基を有していてもよいC1−4アルキル基、より好ましくはエチル基、または式−(CH−CH(NH)COH(式中、nが1〜4の整数を示す)で表される基、更に好ましくは式−(CH−CH(NH)COHで表される基である。
式(I)または式(I’)中のR、RおよびR、またはR’、R’およびR’の組み合わせは、特に限定されないが、イミダゾロン誘導体の好適な例としては以下のものを挙げることができる。
イミダゾロン誘導体の第1の好適な態様として、下記式:
Figure 2011231022
で表されるイミダゾロン誘導体(I−1)またはその塩が提供される。
イミダゾロン誘導体の第2の好適な態様として、下記式:
Figure 2011231022
で表されるイミダゾロン誘導体(I−2)またはその塩が提供される。
イミダゾロン誘導体の第3の好適な態様として、下記式:
Figure 2011231022
で表されるイミダゾロン誘導体(I−3)またはその塩が提供される。
イミダゾロン誘導体の第4の好適な態様として、下記式:
Figure 2011231022
で表されるイミダゾロン誘導体(I−4)またはその塩が提供される。
イミダゾロン誘導体の第5の好適な態様として、下記式:
Figure 2011231022
で表されるイミダゾロン誘導体(I−5)またはその塩が提供される。
イミダゾロン誘導体の第6の好適な態様として、下記式:
Figure 2011231022
で表されるイミダゾロン誘導体(I−6)またはその塩が提供される。
イミダゾロン誘導体の第7の好適な態様として、下記式:
Figure 2011231022
で表されるイミダゾロン誘導体(I−7)またはその塩が提供される。
本発明のイミダゾロン誘導体として、2−アミノエチル−5−ヒドロ−5−メチル−4−イミダゾロン、Nδ−(5−ヒドロ−5−メチル−4−イミダゾロン−2−イル)−L−オルニチン、Nδ−(5−メチル−5−ヒドロキシメチル−4−イミダゾロン−2−イル)−L−オルニチン、Nδ−[5−ヒドロ−5−(2−ヒドロキシエチル)−4−イミダゾロン−2−イル]−L−オルニチン、Nδ−[5−メチル−5−(1,2−ジヒドロキシエチル)−4−イミダゾロン−2−イル]−L−オルニチン、Nδ−[5−ヒドロ−5−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−4−イミダゾロン−2−イル]−L−オルニチン、Nδ−[5−メチル−5−(1,2,3−トリヒドロキシプロピル)−4−イミダゾロン−2−イル]−L−オルニチン、またはNδ−[5−ヒドロ−5−(2,3,4−トリヒドロキシブチル)−4−イミダゾロン−2−イル]−L−オルニチンが好ましく、新規化合物であるという観点で、Nδ−(5−メチル−5−ヒドロキシメチル−4−イミダゾロン−2−イル)−L−オルニチン、Nδ−[5−ヒドロ−5−(2−ヒドロキシエチル)−4−イミダゾロン−2−イル]−L−オルニチン、Nδ−[5−メチル−5−(1,2−ジヒドロキシエチル)−4−イミダゾロン−2−イル]−L−オルニチン、Nδ−[5−ヒドロ−5−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−4−イミダゾロン−2−イル]−L−オルニチン、Nδ−[5−メチル−5−(1,2,3−トリヒドロキシプロピル)−4−イミダゾロン−2−イル]−L−オルニチンがより好ましい。これらは、1種または2種以上を使用しても良い。
本発明のイミダゾロン誘導体の塩としては、特に限定されるものではないが、具体的には、金属塩、アンモニウム塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩等が挙げられる。金属塩の好適な例としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩等のアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩等が挙げられる。有機塩基との塩の好適な例としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、2,6−ルチジン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン等とのアンモニウム塩等が挙げられる。無機酸との塩の好適な例としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等との塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な例としては、例えば、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等との塩が挙げられる。塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えば、アルギニン、リジン、オルニチン等との塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸等との塩が挙げられる。このうち、薬学的に許容し得る塩が好ましい。例えば、イミダゾロン誘導体内に酸性官能基を有する場合にはアルカリ金属塩(例、ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(例、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩等)等の無機塩、アンモニウム塩等、また、イミダゾロン誘導体内に塩基性官能基を有する場合には、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸との塩、または酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸との塩が挙げられる。
本発明のイミダゾロン誘導体は、以下に詳述する[製造法1]、[製造法2]又はこれに準ずる方法によって製造することができる。以下に、イミダゾロン誘導体として、式(I’)および式(I)で表されるイミダゾロン誘導体の製造法について具体的に述べる。
なお、原料として用いられるアルギニン等のグアニジン化合物(化合物(II):RNH−C(=NH)NH)は、塩として用いてもよい。このような塩としては、上述のイミダゾロン誘導体の塩として例示されるものと同様の塩が挙げられる。また、原料として用いられるアルキルグリオキザール、すなわち、化合物(III)は、市販品を使用するか、または公知の方法あるいはそれに準ずる方法によって、合成したものを使用した。
[製造法1]
Figure 2011231022
化合物(II)(式中、Rは、前記と同意義を示す。)とグルコースを水に溶解し、次いでアルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)水溶液を加えてpHを7〜13、好ましくはpH13に調節する。次いで加熱下にて撹拌後、氷冷し、酸(例えば、塩酸)を加えてpHを7とした後、カラムクロマトグラフィーにより分離・精製することでイミダゾロン誘導体(I)または(I’)(式中、各記号は前記と同意義を示す。)を製造することができる。本反応において使用する化合物(II)とグルコースの当量比は、好ましくは1:1である。反応時間は、通常30分〜30日間、好ましくは1〜4時間である。反応温度は通常30℃〜100℃、好ましくは70℃である。
[製造法2]
Figure 2011231022
化合物(II)(式中、Rは前記と同意義を示す。)を水に溶解した後、化合物(III)(式中、RおよびRは、前記と同意義を示す。)を添加し、次いでアルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)水溶液を加えてpHを7〜13、好ましくはpH13に調節する。次いで撹拌後、酸(例えば、塩酸)を加えてpHを7にした後、反応物をカラムクロマトグラフィーにより分離・精製することでイミダゾロン誘導体(I)または(I’)(式中、各記号は前記と同意義を示す。)を製造することができる。本反応において使用する化合物(II)と化合物(III)の当量比は、好ましくは1:1である。反応時間は、通常30分〜24時間、好ましくは1〜2時間である。反応温度は通常0℃〜60℃、好ましくは20℃〜40℃である。
本発明のイミダゾロン誘導体は、公知の手段、例えば、転溶、濃縮、溶媒抽出、分溜、液性変換、晶出、再結晶、クロマトグラフィーなどによって単離、精製することができる。イミダゾロン誘導体が遊離化合物として得られた場合には、公知の方法あるいはそれに準ずる方法によって、目的とする上述の各塩に変換することができ、逆に塩で得られた場合には、公知の方法あるいはそれに準ずる方法により、遊離体または目的とする他の塩に変換することができる。
本発明のイミダゾロン誘導体はそのプロドラッグを用いてもよい。イミダゾロン誘導体のプロドラッグは、「生体内における生理条件下で酵素や胃酸等による反応によりイミダゾロン誘導体に変換する化合物」、すなわち「酵素的に酸化、還元、加水分解等を起こしてイミダゾロン誘導体に変化する化合物」、「胃酸等により加水分解等を起こしてイミダゾロン誘導体に変化する化合物」等をいう。
本発明のイミダゾロン誘導体は、特に、立体異性体又は互変異性体として存在しうる。イミダゾロン誘導体に存在する不斉中心はS配置又はR配置を有する。本発明は、純粋形態又はほぼ純粋形態での全ての可能なエナンチオマーとジアステレオマー、全ての比での2つ以上の立体異性体の混合物、例えば、エナンチオマー及び/又はジアステレオマーの混合物を含む。従って、エナンチオマーとして存在しうるイミダゾロン誘導体は、エナンチオマー的に純粋形態で、ラセミ体の形態で、そして、全ての比での2つのエナンチオマーの混合物の形態で、存在しうる。個々の立体異性体の製造は、所望ならば、慣習的方法によって混合物を分離することによって行われうる。例えば、ラセミ形態は、分別結晶化又はキラルカラムクロマトグラフィーによる分離などの物理的方法によって分割できる。個々の光学異性体は、酵素の使用によって、又は不斉合成により、光学的純粋形態で合成できる。本発明のイミダゾロン誘導体の特定のエナンチオマーは、キラル補助剤による誘導体化によって製造され得、それによって、生じるジアステレオマー混合物は分離され、補助基は切断され、純粋な所望のエナンチオマーが得られる。あるいは、適切な光学活性酸又は塩基と化合物を反応させることによりジアステレオマー塩が形成される。このように形成されたジアステレオマー塩は、当該分野で周知の分別結晶化又はクロマトグラフィー手段によって分離され、次いで、純粋なエナンチオマーが、ジアステレオマー塩から単離される。立体異性体の混合物の分離は、イミダゾロン誘導体の段階で、又は合成中の中間体の段階で行われ得る。本発明はまた、イミダゾロン誘導体の全ての互変異性体を含む。更なる不斉炭素原子がアルキル基などの置換基で存在し得る。全てのこのような異性体及びそれらの混合物は、本発明に包含されることが意図される。
本発明のイミダゾロン誘導体は、結晶であってもよく、結晶形が単一であっても結晶形混合物であってもイミダゾロン誘導体に包含される。結晶は、公知の結晶化法を適用して、結晶化することによって製造することができる。
本発明のイミダゾロン誘導体は、溶媒和物(例えば、水和物等)であっても、無溶媒和物であってもよく、いずれもイミダゾロン誘導体に包含される。
同位元素(例、H、14C、35S、125Iなど)などで標識された化合物および、HをH(D)に変換した重水素変換体も、イミダゾロン誘導体に包含される。
本発明のイミダゾロン誘導体は、PI3K/Akt経路依存的な血管内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)セリン1177残基のリン酸化亢進作用を有し、これに伴い血管内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)活性化作用を有し、血管内皮由来一酸化窒素産生促進作用を示すと共に、血管拡張作用及び/又は血小板凝集抑制作用を有し、効果的に血管機能を健全な状態に保つことができる。すなわち、本発明のイミダゾロン誘導体は、PI3K/Akt経路依存的なeNOSセリン1177残基のリン酸化亢進剤、血管内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)活性化剤、血管内皮由来一酸化窒素産生促進剤、血管拡張剤、血小板凝集抑制剤、として使用することができる。本明細書において、「PI3K」とは、ホスファチジルイノシトール3−キナーゼを意味する。AktとはPI3K依存的に活性化されるセリン・スレオニンキナーゼを意味する。「eNOSセリン1177残基」とは、eNOSの1177番目のセリン残基を意味する。「PI3K/Akt経路依存的なeNOSセリン1177残基のリン酸化亢進」とは、PI3K依存的なAktの活性化を介したeNOSの1177番目のセリン残基のリン酸化を亢進することを意味する。また、毒性(例えば、急性毒性、慢性毒性、遺伝毒性、生殖毒性、心毒性、薬物相互作用、癌原性など)が低く、さらに、水溶性が高く、安定性、体内動態(吸収性、分布、代謝、排泄など)、薬効発現の面でも優れているので、医薬組成物、化粧品組成物、機能性食品又は栄養補助食品、更には食品又は飲料として有用である。
本発明のイミダゾロン誘導体は、哺乳動物(例、ヒト、サル、ヒツジ、ウシ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス等)において、高血圧症、心筋梗塞、脳梗塞、動脈硬化、高コレステロール血症、糖尿病及びその合併症等の各種生活習慣病、認知症、勃起機能不全、炎症性疾患、老化、創傷、脱毛、運動機能障害、腎機能障害、腎性貧血、サルコペニア、疲労、記憶・学習能障害、肩こり、または冷え性の治療および予防に有用であり、中でも、高血圧症、動脈硬化、高コレステロール血症、心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病及びその合併症、認知症、勃起機能不全、腎機能傷害、各種生活習慣病、炎症性疾患の治療および予防に有用であり、特に血管系疾患の治療および予防に有用である。また、本発明のイミダゾロン誘導体は、老化の予防または遅延、創傷治癒、育毛、運動機能賦活、腎機能改善・腎性貧血改善、サルコペニア改善、疲労改善、記憶・学習能改善、肩こり改善、冷え性改善等にも有効に働き得る。
本発明のイミダゾロン誘導体を医薬組成物として使用する際、当該医薬組成物中の、イミダゾロン誘導体の含有量は、組成物全体の0.01ないし100重量%である。該投与量は、患者の性別、体型、体質、年齢、症状、投与剤型、疾患等により適宜決定されるべきものであるが、抗高血圧剤として、経口的に投与する場合、成人(60kg)に対し有効成分として0.5〜1500mg/日が好ましく、5〜150mg/日がより好ましい。イミダゾロン誘導体は、1日数回に分けて投与しても構わず、1〜3回に分けて投与することが好ましい。
本発明のイミダゾロン誘導体は、毒性が低く、そのままあるいは公知の方法に従って、薬理学的に許容される担体を混合した医薬組成物、例えば、錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠を含む)、散剤、顆粒剤、カプセル剤(ソフトカプセルを含む)、口腔内崩壊錠、口腔内崩壊フィルム、トローチ剤、チュアブル剤、液剤、乳剤、懸濁剤、注射剤、坐剤、シロップ剤、徐放剤、ローション剤、軟膏剤、貼布剤等の製剤として、経口的または非経口的(例、局所、直腸、静脈投与等)に安全に投与することができる。とりわけ、錠剤、顆粒剤、カプセル剤等として経口剤として好適に投与される。
本発明のイミダゾロン誘導体を含有する医薬組成物の製造に用いられてもよい薬理学的に許容される担体としては、製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質が挙げられ、例えば、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、水溶性高分子、塩基性無機塩;液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤等が挙げられる。また、必要に応じて、通常の防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、酸味剤、発泡剤、香料等の添加物を用いることもできる。該「賦形剤」としては、例えば、乳糖、白糖、D−マンニトール、でんぷん、コーンスターチ、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸、酸化チタン等が挙げられる。該「滑沢剤」としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、タルク、ステアリン酸等が挙げられる。該「結合剤」としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、結晶セルロース、デンプン、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム末、ゼラチン、プルラン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。該「崩壊剤」としては、(1)クロスポビドン、(2)クロスカルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム等のスーパー崩壊剤と称される崩壊剤、(3)カルボキシメチルスターチナトリウム、(4)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、(5)コーンスターチ等が挙げられる。該「クロスポビドン」としては、ポリビニルポリピロリドン(PVPP)、1−ビニル−2−ピロリジノンホモポリマーと称されているものも含め、1−エテニル−2−ピロリジノンホモポリマーという化学名を有し架橋されている重合物のいずれであってもよく、具体例としては、コリドンCL(登録商標;BASF社製)、ポリプラスドンXL(登録商標;ISP社製)、ポリプラスドンXL−10(登録商標;ISP社製)、ポリプラスドンINF−10(登録商標;ISP社製)等である。該「水溶性高分子」としては、例えば、エタノール可溶性水溶性高分子〔例えば、ヒドロキシプロピルセルロース(以下、HPCと記載することがある)等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン等〕、エタノール不溶性水溶性高分子〔例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(以下、HPMCと記載することがある)、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、グアーガム等〕等が挙げられる。該「塩基性無機塩」としては、例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウムおよび/またはカルシウムの塩基性無機塩が挙げられる。好ましくはマグネシウムおよび/またはカルシウムの塩基性無機塩である。さらに好ましくはマグネシウムの塩基性無機塩である。該ナトリウムの塩基性無機塩としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム等が挙げられる。該カリウムの塩基性無機塩としては、例えば、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等が挙げられる。該マグネシウムの塩基性無機塩としては、例えば、重炭酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、メタ珪酸アルミン酸マグネシウム、珪酸マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト〔MgAl(OH)16・CO・4HO〕および水酸化アルミナ・マグネシウム、好ましくは、重炭酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。該カルシウムの塩基性無機塩としては、例えば、沈降炭酸カルシウム、水酸化カルシウム等が挙げられる。該「溶剤」としては、例えば、注射用水、アルコール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、トウモロコシ油、オリーブ油等が挙げられる。該「溶解補助剤」としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。該「懸濁化剤」としては、例えば、ステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリン等の界面活性剤;例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の親水性高分子等が挙げられる。該「等張化剤」としては、例えば、ブドウ糖、D−ソルビトール、塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニトール等が挙げられる。該「緩衝剤」としては、例えば、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩等の緩衝液等が挙げられる。該「無痛化剤」としては、例えば、ベンジルアルコール等が挙げられる。該「防腐剤」としては、例えば、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸等が挙げられる。該「抗酸化剤」としては、例えば、亜硫酸塩、アスコルビン酸、α−トコフェロール等が挙げられる。該「着色剤」としては、例えば、食用黄色5号、食用赤色2号、食用青色2号等の食用色素;食用レーキ色素、ベンガラ等が挙げられる。該「甘味剤」としては、例えば、サッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、アスパルテーム、ステビア、ソーマチン等が挙げられる。該「酸味剤」としては、例えば、クエン酸(無水クエン酸)、酒石酸、リンゴ酸等が挙げられる。該「発泡剤」としては、例えば、重曹等が挙げられる。該「香料」としては、合成物および天然物のいずれでもよく、例えば、レモン、ライム、オレンジ、メントール、ストロベリー等が挙げられる。
本発明のイミダゾロン誘導体は、公知の方法に従い、例えば、賦形剤、崩壊剤、結合剤または滑沢剤等の担体を添加して圧縮成形し、次いで必要により、味のマスキング、腸溶性あるいは持続性の目的のため公知の方法でコーティングすることにより経口投与製剤とすることができる。
本発明のイミダゾロン誘導体は、液剤の形態でも好適に投与することができる。液剤を調製するには、例えば、精製水、生理食塩水、アルコール類(例えば、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール等)、トリアセチン等の溶媒を用いて行うことができる。このような製剤には、さらに防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定剤のような当該技術分野において慣用の補助剤を加えてもよい。また、懸濁剤として投与することも可能である。
本発明の他の実施形態として、本発明のイミダゾロン誘導体を含有する化粧品組成物が提供される。洗顔料、石鹸、クレンジングフォーム、化粧水、乳液、美容液、美容クリーム、シャンプー、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、エナメル、ファンデーション、リップスティック、おしろい、パウダー、パック、香水、オーデコロン、歯磨等の化粧品に配合することができる。化粧品組成物の処方については特に困難はなく、従来から使用されている技術を用いて種々の成分を混合又は乳化等を行い、目的とした化粧品組成物を得ることができる。一般に化粧料に使用されている成分としては、抗酸化剤、抗炎症剤、紫外線吸収剤、美白剤、細胞賦活剤、保湿剤、金属キレート剤、油性原料、界面活性剤、溶剤、高分子物質、粉体物質、色素類、香料、経皮吸収促進剤及びステロイドホルモン等を挙げられ、これらの中から適宜選択される1または2以上の成分を含むことができる。
本発明のイミダゾロン誘導体を化粧品組成物に配合する場合において、その配合量は目的とする化粧料の性質に応じて任意に選択されるが、化粧品組成物の全体に対し、0.001〜10重量%が好ましく、0.01〜5重量%がより好ましく、0.01〜0.2重量%が更に好ましい。
化粧品組成物の剤型には特に制限はなく、溶液状、オイル状、ペースト状、ゲル状、エアゾル状、固体状、粉末状、顆粒状、錠剤等の任意の剤型をとることができる。また、本発明の化粧品組成物は、皮膚老化防止改善剤、皮膚炎症防止改善剤、浴用剤、育毛剤、皮膚美容液、日焼け防止剤、外傷・あかぎれ・ひびわれ等による肌荒れの防止改善剤等に用いることができる。
更に化粧料におけるその他の常用成分を、本発明の化粧品組成物に本発明の効果を阻害しない範囲で添加することができる。化粧料におけるその他の常用成分としては、防腐剤、褪色防止剤、緩衝剤、にきび用薬剤、ふけ・かゆみ防止剤、制汗防臭剤、熱傷用薬剤、角質軟化剤、乾皮症用薬剤、抗ウイルス剤、ホルモン類、ビタミン類、アミノ酸・ペプチド類、タンパク質類、収斂剤、清涼・刺激剤、動植物由来成分、抗生物質、抗真菌剤、育毛剤等を挙げることができる。
他の実施形態において、本発明のイミダゾロン誘導体は、長期間摂取しても安全で、かつ、血管内皮機能障害を予防しながら血管機能を健全な状態に保つことが可能であることから、生体における様々な疾患の予防、老化の遅延等の各種機能発現が期待され、機能性食品又は栄養補助食品に使用することができる。具体的には、高血圧症、高コレステロール血症、脳梗塞、勃起機能不全、創傷、脱毛、運動機能障害、サルコペニア、腎性貧血、疲労、肩こり、冷え性、老化等の予防、改善、緩和、または回復のために用いられうる。例えば、サプリメントとするには、公知の方法に従い、有効成分であるカゼイン加水分解物を例えば、賦形剤(例、乳糖、白糖、デンプン等)、崩壊剤(例、デンプン、炭酸カルシウム等)、結合剤(例、デンプン、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース等)又は滑沢剤(例、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール6000等)等を添加して圧縮成形し、次いで必要により、味のマスキング、腸溶性あるいは持続性の目的のため公知の方法でコーティングする。
イミダゾロン誘導体を経口投与用の機能性食品又は栄養補助食品に配合する場合において、その配合量は目的とする機能性食品又は栄養補助食品の性質に応じて任意に選択されるが、機能性食品又は栄養補助食品全体に対して、配合量下限値は、食品又は飲料全体に対し、0.001重量%が好ましく、0.01重量%がより好ましく、0.1重量%が更に好ましく、1重量%が更に一層好ましく、2重量%が殊更好ましく、5重量%が特に好ましい。一方、配合量上限値は、食品又は飲料全体に対し、100重量%が好ましく、98重量%がより好ましく、90重量%が更に好ましく、80重量%が更に一層好ましく、70重量%が殊更好ましく、60重量%が特に好ましい。また、機能性食品又は栄養補助食品は、1日数回(2〜3回、又はそれ以上)に分けて摂取するのが好ましい。
他の実施形態において、本発明のイミダゾロン誘導体は、一般の食品又は飲料の形態として摂取することができ、例えば、清涼飲料(例えば、ジュース等)、菓子類(例えば、ガム、キャンディー、クッキー、チョコレート、ビスケット、ゼリー、グミ等)、乳製品(例えば、チーズ、バター、ヨーグルト等)、農産加工品(例えば、アイスクリーム、ハム等)、水産加工品(例えば、ちくわ、はんぺん等)、麺類(例えば、そば、うどん等)、小麦加工品(例えば、パン、ケーキ等)、缶詰類、調味食品(例えば、塩、こしょう、砂糖、人工甘味料等)等の食品にイミダゾロン誘導体を添加することが考えられるが、これらに限定されるものではない。
これにより、老化遅延機能を前記食品に付与することができる。イミダゾロン誘導体を一般の食品又は飲料に配合する場合において、その配合量は目的とする一般の食品及び飲料の性質に応じて任意に選択される。配合量下限値は、食品又は飲料全体に対し、0.001重量%が好ましく、0.01重量%がより好ましく、0.1重量%が更に好ましく、1重量%が更に一層好ましく、2重量%が殊更好ましく、5重量%が特に好ましい。一方、配合量上限値は、食品又は飲料全体に対し、100重量%が好ましく、98重量%がより好ましく、90重量%が更に好ましく、80重量%が更に一層好ましく、70重量%が殊更好ましく、60重量%が特に好ましい。前記本発明の食品又は飲料は、1日数回(2〜3回、又はそれ以上)に分けて摂取するのが好ましい。
以下に、eNOS活性化作用を有する本発明に係るイミダゾロン誘導体を得る方法とその力価、作用機序について製造例、試験例をあげて説明する。尚、本発明はこれら製造例、試験例、及び上記製造法の記載によって制限されるものではない。
以下の製造例中の収率はmol/mol%を示す。H−NMRスペクトルは内部標準としてテトラメチルシランを用い、NMRスペクトルはVarian Gemini−200(200MHz)型、Mercury−300(300MHz)型スペクトルメーター、Bruker AVANCE AV300(300MHz)およびJEOL JNM−AL400型(400MHz)核磁気共鳴装置、Bruker Avance 400(400MHz)、Bruker Avance 600(600MHz)を用いて測定した。
エレクトロスプレーイオン化液体クロマトグラフィー/質量分析(以下、LC/MSと略す。)は、Waters Alliance 2695、検出器:Waters 2996 Photodiode array detector、検出器:Waters Quattro micro APIを用いて測定した。
製造例1:イミダゾロン誘導体(I−1)の調製法
Nδ−(5−ヒドロ−5−メチル−4−イミダゾロン−2−イル)−L−オルニチン(製造法1による調製)
グルコース(9g、0.05mol)とL−アルギニン(8.7g、0.05mol)を水100mLに溶解し、次いで6MのNaOH水溶液を加えてpHを13にした。次いで70℃にて2時間撹拌した後、氷上にて冷却した。冷却したところで、6Mの塩酸を加えてpHを7にした。Sep−Pak C18(WATERS社)に溶液を通過させ、高分子化合物を除去した。得られた溶液を凍結乾燥した後、10mLの水に再度溶解した。次いで逆相HPLC(カラム:資生堂Capcellpak C18 Type AQ 5μm 20mm×250mm、溶媒:水、8mL/分、210nm)にて、約13〜16分後に溶出されるピークを分取し、凍結乾燥した。次いで陽イオン交換HPLCにて分取する際に、約48〜50分後に溶出されるピークを分取し、凍結乾燥した。次いで再度、逆相HPLCに通し脱塩を行った後、凍結乾燥した。その結果、イミダゾロン誘導体(I−1)の白色粉末3.53gを得た(粗収率31%)。
分析:生成物0.1mgを水1mLに溶かし、LC/MSで分析した。(m/z:229.0[M+H]、カラム:資生堂Capcellpak C18 Type AQ、5μm、4.6×250mm、溶媒:水、0.3mL/分、ESI)。
H−NMR(D0)δ(ppm):1.24(3H,d,J=7.08Hz,H9), 1.60(2H,m,H4), 1.70−1.85(2H,m,H3), 3.19−3.28(2H,m,H5), 3.64(1H,t,J=6.12Hz, H2), 4.05(1H,m,H8).
Figure 2011231022
製造例2:イミダゾロン誘導体(I−1)の調製法
Nδ−(5−ヒドロ−5−メチル−4−イミダゾロン−2−イル)−L−オルニチン(製造法2による調製)
L−アルギニン(8.7g、0.05mol)を水100mLに溶解した後、メチルグリオキザール(Sigma社)を50mMとなるように添加した。次いで6MのNaOH水溶液を加えてpHを13にした。次いで、30℃にて1時間撹拌を行った後、6Mの塩酸を加えてpHを7にした。次いでSep‐Pak C18(WATERS社)を用いて高分子化合物を除去した。次いで逆相HPLC(カラム:資生堂Capcellpak C18 Type AQ 5μm 20mm×250mm、溶媒:水、8mL/分、210Nm)にて約13〜16分後に溶出されるピークを分取し、凍結乾燥することでイミダゾロン誘導体(I−1)の白色粉末9.12gを得た(粗収率80%)。
製造例3:イミダゾロン誘導体(I−2)の調製法
Nδ−(5−メチル−5−ヒドロキシメチル−4−イミダゾロン−2−イル)−L−オルニチン
製造例1の方法と同様にして、グルコースとアルギニンの加熱反応物を逆相HPLCにて供する際、約11〜12分後に溶出されるピークを分取し、凍結乾燥した。次いで陽イオン交換HPLCにて分取する際に、約28〜30分後に溶出されるピークを分取し、凍結乾燥した。次いで再度逆相HPLCに通し脱塩を行った後、凍結乾燥した。その結果、イミダゾロン誘導体(I−2)の白色粉末903mgを得た(粗収率7%)。
分析:生成物0.1mgを水1mLに溶かし、LC/MSで分析した。(m/z:259.0[M+H]、カラム:資生堂Capcellpak C18 Type AQ、5μm、4.6×250mm、溶媒:水、0.3mL/分、ESI)。
H−NMR(D0)δ(ppm):1.19(3H,m,H10), 1.63(2H,m,H4) , 1.80−1.90(2H,m,H3), 3.19−3.28(2H,m,H5), 3.54(1H,m,H9), 3.62(1H,m,H9), 3.69(1H,m, H2).
Figure 2011231022
製造例4:イミダゾロン誘導体(I−3)の調製法
Nδ−[5−ヒドロ−5−(2−ヒドロキシエチル)−4−イミダゾロン−2−イル]−L−オルニチン
製造例1の方法と同様にして、グルコースとアルギニンの加熱反応物を逆相HPLCにて供する際、約12〜13分後に溶出されるピークを分取し、凍結乾燥した。次いで陽イオン交換HPLCにて分取する際には、約34〜36分後に溶出されるピークを分取し、凍結乾燥した。次いで再度、逆相HPLCに通し脱塩を行った後、凍結乾燥した。その結果、イミダゾロン誘導体(I−3)の白色粉末885mgを得た(粗収率7%)。
分析:生成物0.1mgを水1mLに溶かし、LC/MSで分析した。(m/z:259.0[M+H]、カラム:資生堂Capcellpak C18 Type AQ、5μm、4.6×250mm、溶媒:水、0.3mL/分、ESI)。
H−NMR(D0)δ(ppm):1.60(2H,m,H4), 1.78−1.81(2H,m,H3), 1.78−1.81(1H,m,H9), 1.97(1H,m,H9), 3.20−3.30(2H,m,H5), 3.56−3.60(1H,m,H9), 3.58(1H,t,J=6.12Hz,H2), 4.05−4.17(1H,m,H7).
Figure 2011231022
製造例5:イミダゾロン誘導体(I−4)の調製法
Nδ−[5−メチル−5−(1,2−ジヒドロキシエチル)−4−イミダゾロン−2−イル]−L−オルニチン
製造例1の方法と同様にして、グルコースとアルギニンの加熱反応物を逆相HPLCにて供する際、約11〜12分後に溶出されるピークを分取し凍結乾燥した。次いで陽イオン交換HPLCにて分取する際に、約25〜28分後に溶出されるピークを分取し、凍結乾燥した。次いで再度、逆相HPLCに通し脱塩を行った後、凍結乾燥した。その結果、イミダゾロン誘導体(I−4)の白色粉末144mgを得た(粗収率1%)。
分析:生成物0.1mgを水1mLに溶かし、LC/MSで分析した。(m/z:289.0[M+H]、カラム:資生堂Capcellpak C18 Type AQ、5μm、4.6×250mm、溶媒:水、0.3mL/分、ESI)。
H−NMR(D0)δ(ppm):1.32−1.34(3H,bs,H11), 1.63(2H,m,H4), 1.75−1.90(2H,m,H3), 3.23−3.31(2H,m,H5), 3.47(1H,m,H10), 3.67(1H,m,H9), 3.67(1H,m,H2), 3.67(1H,m,H10).
13C−NMR(D0)δ(ppm):20.3(C11), 24.4(C4), 28.0(C3), 41.2(C5), 54.7(C2), 61.7(C10), 69.1(C8), 74.8(C9), 168.2(C7), 174.8(C1), 193.3(C6).
Figure 2011231022
製造例6:イミダゾロン誘導体(I−5)の調製法
Nδ−[5−ヒドロ−5−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−4−イミダゾロン−2−イル]−L−オルニチン
製造例1の方法と同様にして、グルコースとアルギニンの加熱反応物を逆相HPLCにて供する際、約10〜11分後に溶出されるピークを分取し凍結乾燥した。次いで陽イオン交換HPLCにて分取する際に、約38〜39分後に溶出されるピークを分取し、凍結乾燥した。次いで再度、逆相HPLCに通し脱塩を行った後、凍結乾燥した。その結果、イミダゾロン誘導体(I−5)の白色粉末177mgを得た(粗収率1%)
分析:生成物0.1mgを水1mLに溶かし、LC/MSで分析した。(m/z:289.0[M+H]、カラム:資生堂Capcellpak C18 Type AQ、5μm、4.6×250mm、溶媒:水、0.3mL/分、ESI)。
H−NMR(D0)δ(ppm):1.63(1H,m,H9), 1.65(2H,m,H4), 1.75−1.90(2H,m,H3), 1.84(1H,m,H9), 3.25−3.31(2H,m,H5), 3.43(1H,m,H11), 3.50(1H,m,H11), 3.67(1H,m,H2), 3.70(3H,m,H12), 4.15−4.30(1H,m,H8).
Figure 2011231022
製造例7:イミダゾロン誘導体(I−6)の調製法
Nδ−[5−メチル−5−(1,2,3−トリヒドロキシプロピル)−4−イミダゾロン−2−イル]−L−オルニチン
製造例1の方法と同様にして、グルコースとアルギニンの加熱反応物を逆相HPLCにて供する際、約11〜12分後に溶出されるピークを分取し凍結乾燥した。次いで陽イオン交換HPLCにて分取する際に、約37〜38分後に溶出されるピークを分取し、凍結乾燥した。次いで再度、逆相HPLCに通し脱塩を行った後、凍結乾燥した。その結果、イミダゾロン誘導体(I−6)の白色粉末159mgを得た(粗収率1%)。
分析:生成物0.1mgを水1mLに溶かし、LC/MSで分析した。(m/z:319.0[M+H]、カラム:資生堂Capcellpak C18 Type AQ、5μm、4.6×250mm、溶媒:水、0.3mL/分、ESI)。
H−NMR(D0)δ(ppm):1.19−1.23(3H,m,H12), 1.60(2H,m,H4), 1.75−1.85(2H,m,H3), 3.23−3.31(2H,m,H5), 3.48(1H,m,H10), 3.51(1H,m,H11), 3.62(1H,m,H2), 3.67(1H,m,H9), 3.86(1H,m,H11).
Figure 2011231022
製造例8:イミダゾロン誘導体(I−7)の調製法
Nδ−[5−ヒドロ−5−(2,3,4−トリヒドロキシブチル)−4−イミダゾロン−2−イル]−L−オルニチン
製造例1の方法と同様にして、グルコースとアルギニンの加熱反応物を逆相HPLCにて供する際、約8〜10分後に溶出されるピークを分取し凍結乾燥した。次いで陽イオン交換HPLCにて分取する際に、約24〜26分後に溶出されるピークを分取し、凍結乾燥した。次いで再度、逆相HPLCに通し脱塩を行った後、凍結乾燥した。
H−NMR、13C−NMRおよびLC/MSより、構造を確認した。その結果、イミダゾロン誘導体(I−7)の白色粉末477mgを得た(粗収率3%)。
分析:生成物0.1mgを水1mLに溶かし、LC/MSで分析した。(m/z:319.0[M+H]、カラム:資生堂Capcellpak C18 Type AQ、5μm、4.6×250mm、溶媒:水、0.3mL/分、ESI)。
H−NMR(D0)δ(ppm):1.65(2H,m,H4), 1.80(1H,m,H9), 1.91(1H,m,H9), 1.8−1.9(2H,m,H3), 3.24−3.31(2H,m,H5), 3.49(1H,m,H12), 3.51(1H,m,H11), 3.55(1H,m,H10), 3.65(1H,m,H2), 3.65(1H,m,H12), 4.24−4.31(1H,m,H8).
13C−NMR(D0)δ(ppm):24.4(C4), 28.1(C3), 34.5(C9), 41.7(C5), 55.0(C2), 59.4(C8), 62.9(C12), 69.0(C10), 75.1(C11), 169.6(C7), 175.1(C1), 193.2(C6).
Figure 2011231022
本発明のイミダゾロン誘導体のeNOS活性化作用、血管内皮由来一酸化窒素産生促進作用、および血管拡張作用は以下の試験により確認した。
実施例1:ラット摘出血管におけるイミダゾロン誘導体((I−1)〜(I−7))の血管拡張作用
Wistar系雄性ラット(日本チャールズリバー社)から胸部大動脈を摘出し、2〜3mmの長さのリング状標本を作製した。この大動脈リングを30mLのタイロード液(95%酸素・5%炭酸ガス通気、37℃)で満たしたオーガンバス中で張力トランスデューサー(ORIENTEC model T7−8−246)に懸垂し、1μMフェニレフリン(PE、Sigma社)で前収縮させた後、アセチルコリン(1μM、Sigma社)に対する弛緩反応をモニターすることで内皮機能の有無を確認した。内皮機能が保全されているリング状標本についてタイロード液を交換し、再度フェニレフリンで前収縮させ、100μMにて被検物質(イミダゾロン誘導体(I−1)〜(I−7))およびL‐アルギニン、グルコース、フラクトシルアルギニン(Fru−Arg)、マルツロシルアルギニン(Mal−Arg/Glc−Fru−Arg)を添加した。フェニレフリンによる収縮に対する弛緩率(%)を算出した。
血管拡張作用は、フェニレフリンによる収縮に対する弛緩率(%)が80%以上ものを◎、40%以上ものを○、1%以上のものを△、0%(まったく弛緩が見られなかった)ものを×として評価した。結果を下記表1に示した(表示の数字は、弛緩率の平均±標準誤差)。すべてのイミダゾロン誘導体に血管拡張作用を見出した。L−アルギニン、グルコース、フラクトシルアルギニン、マルツロシルアルギニンにはいずれも血管拡張作用が見出せなかった。
Figure 2011231022
実施例2:イミダゾロン誘導体(I−1)、イミダゾロン誘導体(I−3)、およびイミダゾロン誘導体(I−7)のEC50測定
実施例1と同様にして準備したオーガンバスに、各イミダゾロン誘導体を1〜100μMになるように添加した。フェニレフリンによる収縮を50%弛緩する被検物質の濃度をEC50値としてlogistic法により算出し、被検物質の活性の指標とした。
結果を図1に示した。血管拡張作用は、用量依存的に推移し、算出したEC50は、イミダゾロン誘導体(I−1)が13μM、イミダゾロン誘導体(I−3)が71μM、イミダゾロン誘導体(I−7)が25μMであった。
実施例3:イミダゾロン誘導体の血管内皮由来一酸化窒素産生促進作用
実施例1で示した7種のうち、3種類のイミダゾロン誘導体((I−1)、(I−3)、および(I−7))について、血管内皮が保全された無処置(intact)の大動脈リング(対照)、血管内皮を機械的に剥離した大動脈リングに対する作用を比較した。
結果を下記の表2に示す。3種類のイミダゾロン誘導体の作用は血管内皮を剥離すると完全に消失したことから、本発明のイミダゾロン誘導体の血管拡張作用は血管内皮依存的であることが判明した(表2の第2欄)。
次に、実施例1と同様にフェニレフリンで前収縮をかけた大動脈リングを一酸化窒素合成酵素(NOS)の阻害剤であるL‐NAME(Nω‐Nitro‐L‐arginine methyl ester hydrochloride、Sigma社、100μM)で15分前処理した後、前記3種類のイミダゾロン誘導体を添加し、フェニレフリンによる収縮に対する弛緩率(%)を算出した。
結果、いずれのイミダゾロン誘導体においても血管の弛緩がほとんど見られなかった(表2の第3欄)ことから、本発明のイミダゾロン誘導体の血管拡張作用は、NOS依存的であることが明らかとなった。
次いで、実施例1と同様にフェニレフリンで前収縮をかけた大動脈リングを一酸化窒素スカベンジャーであるC−PTIO(2−(4−Carboxyphenyl)−4,4,5,5−tetramethylimidazoline−1−oxyl−3−oxide potassium salt、Sigma社、300μM)で15分前処理した後、前記3種類のイミダゾロン誘導体を添加し、フェニレフリンによる収縮に対する弛緩率(%)を算出した。
結果、いずれのイミダゾロン誘導体においても血管の弛緩が大幅に減弱した(表2の第4欄)。
次いで、上記同様にフェニレフリンで前収縮させた血管リングを、平滑筋に存在する一酸化窒素受容体である可溶性グアニル酸シクラーゼに対する阻害剤であるODQ(1H−[1,2,4]Oxadiazolo[4,3−a]quinoxalin−1−one、Sigma社、1μM)で15分前処理した後、前記3種類のイミダゾロン誘導体を添加し、フェニレフリンによる収縮に対する弛緩率(%)を算出した。
結果、いずれのイミダゾロン誘導体においても血管の弛緩が大幅に減弱した(表2の第5欄)。
次いで、アラキドン酸由来の血管拡張物質であるプロスタサイクリン(PGI)の合成酵素(シクロオキシゲナーゼ)阻害剤であるインドメタシン(Sigma社、10μM)を血管リングに15分前処理した後、前記3種類のイミダゾロン誘導体を添加し、フェニレフリンによる収縮に対する弛緩率(%)を算出した。
結果、いずれのイミダゾロン誘導体においても血管の弛緩に全く影響を与えなかった(表2の第6欄)。
以上の結果より、本発明物質イミダゾロン誘導体の血管拡張作用は血管内皮における一酸化窒素産生促進を介したものであることが明らかとなった。
Figure 2011231022
実施例4:イミダゾロン誘導体による一酸化窒素産生促進作用に対するPI3K(Phosphoinositide 3−kinase)の関与検討
実施例1と同様にフェニレフリンで前収縮をかけた大動脈リングをPI3K阻害剤であるWO(wortmannin、Sigma社、200nM)で15分前処理した後、本発明のイミダゾロン誘導体を添加し、血管拡張作用を確認した。
結果、50μMのイミダゾロン誘導体(I−7)に関して、無処置(対照)は90±5%の弛緩率を示したのに対して、WO処理では5±2%となった。同様にして、50μMのイミダゾロン誘導体(I−1)では93±3%の弛緩率を示したのに対して、WO処理では10±3%、100μのイミダゾロン誘導体(I−3)では、62±8%の弛緩率を示したのに対して、WO処理では3±3%となり、いずれのイミダゾロン誘導体においても血管の弛緩が大幅に減弱したことから、イミダゾロン誘導体の示す一酸化窒素産生促進作用がPI3K依存的であることが明らかとなった。
実施例5:イミダゾロン誘導体((I−2)、(I−3))によるPI3K/Akt経路依存的なeNOSセリン1177残基のリン酸化亢進
実施例1と同様の方法にて摘出した胸部大動脈から、1〜1.5cmのリング状標本を作製した。作成したリング状標本をハンクス平衡塩緩衝液(pH7.4、37℃、GIBCO社)中で1時間静置した後、PI3K阻害剤であるWO(200nM)で20分前処理した後、各種イミダゾロン誘導体((I−2)、(I−3))を100〜500μMにて添加し、5分後、リング状標本を回収し液体窒素にて凍結保存した。凍結させたリング状標本を氷上で解凍後、40μLの1% Triton X−100溶解液を加えホモジナイズすることでタンパク質抽出液を調製した。
イミダゾロン誘導体(I−2)に関する結果を図2および図3に、イミダゾロン誘導体(I−3)に関する結果を図4および図5に示した。PI3K阻害剤(WO)無処理の時、イミダゾロン誘導体(I−2)およびイミダゾロン誘導体(I−3)は、その濃度依存的にeNOSセリン1177残基のリン酸化亢進作用を示した(図2、図4)。同時に、Aktセリン473残基のリン酸化亢進作用を示した。WOで前処理により、イミダゾロン誘導体(I−2)およびイミダゾロン誘導体(I−3)によって誘導されるAktセリン473残基のリン酸化は完全に抑制され(図3、図5)、その際、eNOSセリン1177残基のリン酸化も完全に抑制された。以上の結果より、イミダゾロン誘導体(I−2)およびイミダゾロン誘導体(I−3)は、PI3K/Akt依存的にeNOSセリン1177残基のリン酸化を誘導することが示された。
なお、図2〜5におけるeNOSセリン1177残基及びAktセリン473残基のリン酸化の比率は、無処置(対照)においてリン酸化された各残基の相対量を100として算出した数値である。
実施例6:イミダゾロン誘導体(I−7)によるPI3K/Akt経路依存的なeNOSセリン1177残基のリン酸化亢進
実施例5と同様の方法にて、PI3K阻害剤(WO)で前処理したリング状標本にイミダゾロン誘導体(I−7)を100μMもしくは300μMにて添加し、5分後のeNOSセリン1177残基のリン酸化およびAktセリン473残基のリン酸化を解析した。
結果を図6および図7に示した。PI3K阻害剤(WO)無処理の時、300μMのイミダゾロン誘導体(I−7)は、eNOSセリン1177残基のリン酸化亢進作用を示した(図6)。同時に、Aktセリン473残基のリン酸化亢進作用を示した(図7)。WOで前処理により、イミダゾロン誘導体(I−7)によって誘導されるAktセリン473残基のリン酸化は完全に抑制され、その際、eNOSセリン1177残基のリン酸化も完全に抑制された。以上の結果より、イミダゾロン誘導体(I−7)はPI3K/Akt依存的にeNOSセリン1177残基のリン酸化を誘導することが示された。
なお、図6、7におけるeNOSセリン1177残基及びAktセリン473残基のリン酸化の比率は、無処置(Vehicle)においてリン酸化された各残基の相対量を100として算出した数値である。
実施例7:イミダゾロン誘導体(I−1)の経口吸収性評価
製造例2で得られたイミダゾロン誘導体(I−1)を、100mg/kgとなるように絶食下のICR雄性マウスに水100μLと共に強制投与した。投与前、投与後5、15、30、60分、2、4、6時間に腹部大静脈より血液をヘパリナイズした容器に採血し、遠心分離して血漿を採取した。血漿から5%TCAにより除タンパク質し、LC/MSを用いてイミダゾロン誘導体(I−1)の濃度を測定した。
結果を図8に示した。血漿中のイミダゾロン誘導体(I−1)の濃度は、投与後15分で最大となり、その時の濃度は174μMとなった。
実施例8:フェニレフリン昇圧モデルラットにおける降圧作用
実験には9〜10週齢のWistar系雄性ラット(日本チャールズリバー)を用いた。フェニレフリン昇圧モデルラットの作成は、ラットをペントバルビタール麻酔し、カテーテル留置後、フェニレフリンを75μg/kg/minで平均血圧を160mmHg付近まで昇圧し、血圧が安定するまで十分な時間をとった。その後、コントロ‐ル群は生理食塩水を、サンプル投与群は、イミダゾロン誘導体(I−1)40mg/kgを静脈内投与した。
結果を図9に示す(表示の数字は、平均血圧の変動幅の平均±標準誤差)。コントロール群では、ほとんど血圧の変化が認められなかったが、イミダゾロン誘導体(I−1)投与群では、投与開始から1分程度より降圧作用が認められ、最大低下幅は12.7mmHgであった。この結果より、イミダゾロン誘導体(I−1)は、生体内でもeNOSの活性化による降圧作用を示すことが明らかとなった。
本発明の特定のイミダゾロン誘導体によって、内皮機能障害を予防しながら、血管機能を健全な状態に保つことができ、経口摂取が可能で、長期間継続摂取しても安全な、eNOS活性を有する新規化合物、更には新規血管内皮由来一酸化窒素産生促進剤、eNOS活性化剤、および血管拡張剤も提供できるようになった。更には、製薬学的に許容される担体を含有してなる医薬組成物、化粧品組成物、機能性食品又は栄養補助食品、食品又は飲料を提供できるようになった。特に医薬組成物は、高血圧症、心筋梗塞、脳梗塞、動脈硬化、高コレステロール血症、糖尿病及びその合併症、認知症、勃起機能不全等の疾患の予防及び/又は治療、老化の予防、創傷治癒、育毛、運動機能賦活、腎機能改善・腎性貧血改善、サルコペニア改善、疲労改善、記憶・学習能改善、肩こり改善、冷え性改善等に有用である。

Claims (17)

  1. 式(I):
    Figure 2011231022
    (式中、
    は、水素原子、またはC1−10アルキル基を;
    は、1個以上のヒドロキシ基を有するC1−10アルキル基を;かつ
    は、アミノ基及び/又はカルボキシル基を有していてもよいC1−10アルキル基を示す。ただし、Rが、水素原子で、かつ、Rが、−(CH−CH(NH)COHである場合には、Rは、2,3,4−トリヒドロキシブチル基ではない。)で表されるイミダゾロン誘導体またはその塩。
  2. が、水素原子、またはC1−4アルキル基であり、Rが、1個以上のヒドロキシ基を有するC1−4アルキル基であり、かつ、Rが、末端の炭素原子にアミノ基及びカルボキシル基を有していてもよいC1−4アルキル基である、請求項1記載のイミダゾロン誘導体またはその塩。
  3. が、水素原子、またはC1−4アルキル基であり、Rが、1個以上のヒドロキシ基を有するC1−4アルキル基であり、かつ、Rが、−(CH−CH(NH)COHである、請求項1記載のイミダゾロン誘導体またはその塩。
  4. Nδ−(5−メチル−5−ヒドロキシメチル−4−イミダゾロン−2−イル)−L−オルニチン、
    Nδ−[5−ヒドロ−5−(2−ヒドロキシエチル)−4−イミダゾロン−2−イル]−L−オルニチン、
    Nδ−[5−メチル−5−(1,2−ジヒドロキシエチル)−4−イミダゾロン−2−イル]−L−オルニチン、
    Nδ−[5−ヒドロ−5−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−4−イミダゾロン−2−イル]−L−オルニチン、および
    Nδ−[5−メチル−5−(1,2,3−トリヒドロキシプロピル)−4−イミダゾロン−2−イル]−L−オルニチン
    よりなる群から選ばれる1種または2種以上である、請求項1記載のイミダゾロン誘導体またはその塩。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載のイミダゾロン誘導体、またはその塩を含有する血管内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)セリン1177残基のリン酸化亢進剤。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項記載のイミダゾロン誘導体またはその塩を含有する血管内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)活性化剤。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項記載のイミダゾロン誘導体またはその塩を含有する血管内皮由来一酸化窒素産生促進剤。
  8. 請求項1〜4のいずれか1項記載のイミダゾロン誘導体またはその塩を含有する血管拡張剤。
  9. 請求項1〜4のいずれか1項記載のイミダゾロン誘導体またはその塩を含有する、医薬組成物。
  10. 請求項1〜4のいずれか1項記載のイミダゾロン誘導体またはその塩を含有する化粧品組成物。
  11. 請求項1〜4のいずれか1項記載のイミダゾロン誘導体またはその塩を含有する機能性食品又は栄養補助食品。
  12. 請求項1〜4のいずれか1項記載のイミダゾロン誘導体またはその塩を含有する食品又は飲料。
  13. 請求項6に記載の血管内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)活性化剤を用いる、高血圧症、心筋梗塞、脳梗塞、動脈硬化、高コレステロール血症、糖尿病及びその合併症、認知症、勃起機能不全、老化、創傷、脱毛、運動機能障害、腎機能障害、腎性貧血、サルコペニア、疲労、記憶・学習能障害、肩こり、または冷え性に関連する血管内皮機能障害の予防または治療方法。
  14. 高血圧症、心筋梗塞、脳梗塞、動脈硬化、高コレステロール血症、糖尿病及びその合併症、認知症、勃起機能不全、老化、創傷、脱毛、運動機能障害、腎機能障害、腎性貧血、サルコペニア、疲労、記憶・学習能障害、肩こり、または冷え性に関連する血管内皮機能障害を予防または治療剤の製造における、請求項6に記載の血管内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)活性化剤の使用。
  15. 式(I’):
    Figure 2011231022
    (式中、
    ’およびR’は、それぞれ独立して、同一又は異なって、水素原子、または1個以上のヒドロキシ基を有していてもよいC1−10アルキル基を;かつ
    ’は、アミノ基及び/又はカルボキシル基を有していてもよいC1−10アルキル基で表される基を示す。)で表されるイミダゾロン誘導体またはその塩を含有する血管内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)活性化剤。
  16. 式(I’):
    Figure 2011231022
    (式中、
    ’およびR’は、それぞれ独立して、同一又は異なって、水素原子、または1個以上のヒドロキシ基を有していてもよいC1−10アルキル基を;かつ
    ’は、アミノ基及び/又はカルボキシル基を有していてもよいC1−10アルキル基で表される基を示す。)で表されるイミダゾロン誘導体またはその塩を含有する、高血圧症、高コレステロール血症、脳梗塞、または勃起機能不全の予防および/または治療、創傷の治療、育毛、あるいは、運動機能障害、サルコペニア、腎性貧血、疲労、肩こり、冷え性、または老化の予防、改善、または緩和のために用いられる医薬組成物。
  17. 式(I’):
    Figure 2011231022
    (式中、
    ’およびR’は、それぞれ独立して、同一又は異なって、水素原子、または1個以上のヒドロキシ基を有していてもよいC1−10アルキル基を;かつ
    ’は、アミノ基及び/又はカルボキシル基を有していてもよいC1−10アルキル基で表される基を示す。)で表されるイミダゾロン誘導体またはその塩を含有する機能性食品又は栄養補助食品。
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