JP2011229030A - 画像処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成かつ低コストで、動体に与える影響を軽減して、画像の揺らぎを補正できるようにする。
【解決手段】補正部111は、入力された画像データの画像の揺らぎを補正するために、画像データに対して、1つの係数と1フレーム前の画像データとで規定される伝達関数を適用する演算を行う。フレームメモリ112は、補正部111により補正された画像データを1フレーム遅延して、補正部111に1フレーム前の画像データとしてフィードバックする。抽出部211は、入力された画像データと1フレーム前の画像データとに基づいて、画像中の動きのある画素を抽出する。識別部411は、動きのある画素のうちの動体の画素を揺らぎの画素から識別する。係数制御部114は、識別部411による識別結果に応じて係数を制御する。本発明は監視カメラにより撮像された画像を処理する画像処理装置に適用することができる。
【選択図】図8
【解決手段】補正部111は、入力された画像データの画像の揺らぎを補正するために、画像データに対して、1つの係数と1フレーム前の画像データとで規定される伝達関数を適用する演算を行う。フレームメモリ112は、補正部111により補正された画像データを1フレーム遅延して、補正部111に1フレーム前の画像データとしてフィードバックする。抽出部211は、入力された画像データと1フレーム前の画像データとに基づいて、画像中の動きのある画素を抽出する。識別部411は、動きのある画素のうちの動体の画素を揺らぎの画素から識別する。係数制御部114は、識別部411による識別結果に応じて係数を制御する。本発明は監視カメラにより撮像された画像を処理する画像処理装置に適用することができる。
【選択図】図8
Description
本発明は画像処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラムに関し、特に簡単な構成かつ低コストで、動体に与える影響を軽減して、画像の揺らぎを補正するようにした画像処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラムに関する。
監視カメラにより所定の空間を撮像して監視する監視システムが知られている。撮像対象の空間に空気の揺らぎが存在する場合、撮像画像が揺らぐことがある。これは、大気中の温度差により空気の密度に粗密が生じ、屈折率がランダムに変動し、光の位相が乱されることにより引き起こされる現象である。この揺らぎをそのままにしておくと、異常が誤検知されるおそれがある。そこで画像の揺らぎを補正することが望ましい。
画像の揺らぎを補正するのにアベレージフィルタを用いたり、例えば、特許文献1に開示されているようにメディアンフィルタを用いることが知られている。
図1はアベレージフィルタの構成例を示すブロック図である。このアベレージフィルタ1は、平均値演算器11とn個の遅延回路12−1乃至12−nにより構成されている。遅延回路12-1乃至12−nは、入力された画像データを1フレームだけ遅延して、後段に出力するとともに、平均値演算器11に出力する。記号Zf−1 iは、i(=1,2,・・・,n)番目の遅延回路12−iの出力を表している。平均値演算器11は、入力された画像データと、遅延回路12−1乃至12−nから出力された画像データの平均値を次式に従って演算し、出力する。これにより揺らぎを補正することができる。
図2は、メディアンフィルタの構成例を示すブロック図である。このメディアンフィルタ51は、中間値演算器61とn個の遅延回路62−1乃至62−nにより構成されている。遅延回路62-1乃至62−nは、入力された画像データを1フレームだけ遅延して、後段に出力するとともに、中間値演算器61に出力する。中間値演算器61は、入力された画像データと、遅延回路62−1乃至62−nから出力された画像データの中間値を次式に従って演算し、出力する。すなわち、入力された画像データと、遅延回路62−1乃至62−nのn個の出力の中から中間の値が1つ選択され、出力される。これにより揺らぎを補正することができる。
しかしながら、アベレージフィルタやメディアンフィルタにより揺らぎを補正する場合、強い揺らぎ補正効果を得るには、メモリの使用量を多くする必要があり、構成が複雑になるばかりでなく、コスト高となる。また記憶するフレーム数も多くなるので、画像データを蓄積するための待ち時間が長くなる。さらに補正量をダイナミックに可変にする場合、メモリの周辺回路も大きくなる。
また、メディアンフィルタの場合、中央値を探索するので、フレーム数が多くなると、計算コストが高くなる。
さらに、揺らぎを補正する処理が、撮像画像中の揺らぎだけでなく、動体にもかかってしまい、動体のテクスチャが失われてしまうことがあった。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、簡単な構成かつ低コストで、動体に与える影響を軽減して、画像の揺らぎを補正することができるようにするものである。
本発明の一側面は、入力された画像データの画像の揺らぎを補正するために、前記画像データに対して、1つの係数と1フレーム前の前記画像データとで規定される伝達関数を適用する演算を行う補正手段と、前記補正手段により補正された前記画像データを1フレーム遅延して、前記補正手段に1フレーム前の前記画像データとしてフィードバックする遅延手段と、入力された前記画像データと1フレーム前の前記画像データとに基づいて、前記画像中の動きのある画素を抽出する抽出手段と、前記動きのある画素のうちの動体の画素を揺らぎの画素から識別する識別手段と、前記識別手段による識別結果に応じて前記係数を制御する制御手段とを備える画像処理装置である。
前記識別手段は、入力された前記画像データの対象画素に対応する1フレーム前の前記画像データの画素の周囲を探索して前記動体の画素を識別することができる。
前記抽出手段は、入力された前記画像データと1フレーム前の前記画像データとの差分から前記動きのある画素を抽出することができる。
入力された前記画像データのうち、所定の期間、動きのある画素を揺らぎ候補として作成する揺らぎ候補作成手段と、前記揺らぎ候補を記憶する記憶手段とをさらに備え、前記抽出手段は、入力された前記画像データの対象画素と前記揺らぎ候補との差分が大きいとき、前記対象画素を動きのある画素と判断することができる。
前記係数制御手段は、前記静止物と判断された場合、前記係数を段階的に変更することができる。
本発明の一側面の画像処理方法、記録媒体およびプログラムは、上述した本発明の一側面の画像処理装置に対応する方法、記録媒体およびプログラムである。
本発明の側面においては、入力された画像データの画像の揺らぎを補正するために、画像データに対して、1つの係数と1フレーム前の画像データとで規定される伝達関数を適用する演算が行われ、補正された画像データを1フレーム遅延して、1フレーム前の画像データとしてフィードバックされる。入力された画像データと1フレーム前の画像データとに基づいて、画像中の動きのある画素が抽出され、動きのある画素のうちの動体の画素が揺らぎの画素から識別され、識別結果に応じて係数が制御される。
以上のように、本発明の側面によれば、簡単な構成かつ低コストで、動体に与える影響を軽減して、画像の揺らぎを補正することができる。
以下、発明を実施するための形態(以下、実施の形態と称する)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.揺らぎ補正の原理的構成(図3乃至図7)
2.第1の実施の形態(図8)
3.第2の実施の形態(図14)
4.第3の実施の形態(図18)
1.揺らぎ補正の原理的構成(図3乃至図7)
2.第1の実施の形態(図8)
3.第2の実施の形態(図14)
4.第3の実施の形態(図18)
<揺らぎ補正の原理的構成>
[揺らぎ補正の原理的構成1]
[揺らぎ補正の原理的構成1]
図3は、画像処理装置101の基本的構成を示すブロック図である。この画像処理装置101は、補正部111、フレームメモリ112、アドレス生成部113、および係数制御部114で構成されている。
補正部111には、図示せぬ監視カメラなどより撮像された撮像画像の画像データが入力される。補正部111はこの画像の揺らぎを補正する。揺らぎが補正された画像の画像データは、フレームメモリ112に供給され、記憶される。フレームメモリ112に記憶された画像データは、次のフレームの処理のタイミングにおいて読み出され、図示せぬ装置に出力されるとともに、補正部111にフィードバックされる。
アドレス生成部113は、フレームメモリ112の書き込み時と読み出し時のアドレスを指定する。
係数制御部114は補正部111が使用する係数を指定する。
[補正部111の構成]
図4は、補正部111の構成を示すブロック図である。この補正部111は、乗算器131,135、加算器132、減算器133、および保持部134により構成されている。
入力された画像データは、乗算器131に入力される。乗算器131は、減算器133より入力された係数(1−α)を、入力された画像データに乗算する。加算器132は、乗算器131の出力と、乗算器135により係数αが乗算されたフレームメモリ112より読み出された1フレーム前の画像データとを加算する。加算器132の出力はフレームメモリ112に供給され、記憶される。
フレームメモリ112より読み出された画像データは、揺らぎが補正された画像データとして、後段の装置に供給される。
また、フレームメモリ112より読み出された画像データは、乗算器135に入力され、係数制御部114より供給された係数αと乗算され、加算器132に供給される。
係数制御部114より供給された係数αはまた、減算器133に供給され、保持部134が保持している値1から減算される。減算器133が出力する減算値(1−α)は、乗算器131に供給される。
この補正部111に入力される画像データをx(n)とし、出力される画像データをy(n)とすると、次式が成立する。
式(3)の両辺をz変換し、整理すると、次のようになる。
式(6)から次の伝達関数H(z)が得られる。
この伝達関数は、1つの係数αと1フレーム前の画像データz−1 fとで規定される。入力された画像データに対してこの伝達関数を適用する演算を行うことで、入力された画像データの画像の揺らぎを補正した画像データを得ることができる。
この画像処理装置101において、補正の強さを可変にするには、係数αの値を可変にすればよい。従って、メモリの使用量を大きくしたり、構成を複雑にする必要がない。
[揺らぎ補正の原理的構成2]
図3に示した画像処理装置101では、画像全体に揺らぎを補正する補正処理がかけられる。その結果、画像に含まれる静止物の揺らぎが補正されるだけでなく、動体にも補正処理がかかり、動体に残像が発生することがある。そこで、図5に示されるような構成が考えられる。
図5は、画像処理装置201の基本的構成を示すブロック図である。この画像処理装置201には、抽出部211が設けられている。その他の構成は、図3と図4に示される場合と同様である。
抽出部211は、画像中の動きのある画素を抽出する。係数制御部114は、抽出部211の出力に応じて、動体と、動体でない部分(すなわち静止物)に対して異なる係数αを適用する。動体に対して適用する係数αの値は、静止物に対して適用する係数αより小さい。これにより、動体に揺らぎ補正を加えた場合に発生する残像を抑制することができる。
[揺らぎ補正の原理的構成3]
図6は、画像処理装置301の基本的構成を示すブロック図である。動体を検出するにはいくつかの方法が考えられるが、この画像処理装置301においては、抽出部211が、差分検出部221とフレームメモリ222により構成されている。
フレームメモリ222は、入力された画像データを1フレームだけ遅延して差分検知部221に出力する。差分検知部221は、入力された画像データと、1フレームだけ遅延された画像データの差分を演算し、その差分を動体として検知する。すなわち、動体は画面内を移動しているので、異なるフレームにおいて異なる位置に存在する。これに対して静止物は異なるフレームにおいても位置は同じである。従って、差分が存在する画素は動体の画素として検知することができる。
[揺らぎ補正の原理的構成4]
図7は、画像処理装置401の基本的構成を示すブロック図である。図6の画像処理装置301は、フレームメモリ112とフレームメモリ222という2個のフレームメモリを使用している。そこで、図7の画像処理装置401は、図6のフレームメモリ222を省略し、フレームメモリ112にフレームメモリ222の機能を併せ持たせている。従って、差分検知部221は、入力された画像データと、フレームメモリ112が出力する1フレームだけ遅延された画像データとの差分を演算する。
フレームメモリ222に記憶される画像データは揺らぎが補正されていない画像データである。これに対してフレームメモリ112に記憶される画像データは揺らぎが補正された画像データである。しかし、差分検知部221は、フレームメモリ222を用いる場合と同様に動体を検知することができる。
<第1の実施の形態(図8)>
[画像処理装置の構成]
[画像処理装置の構成]
図8は、第1の実施の形態の画像処理装置501の基本的構成を示すブロック図である。この画像処理装置501は、図7の補正部111、フレームメモリ112、アドレス生成部113、係数制御部114、および差分検知部221を有する他、識別部411を有している。
識別部411には、入力された画像データと、フレームメモリ112から読み出された1フレーム前の画像データの他、抽出部211を構成する差分検知部221からの検知結果が供給されている。識別部411は、識別結果を係数制御部114に出力する。その他の構成は、図7の画像処理装置401と同様である。すなわち、補正部111は、図4に示されるように構成されている。
[画像処理]
図9は、図8の画像処理装置501の画像処理を説明するフローチャートである。以下、この図9を参照して図8の画像処理装置501の画像処理を説明する。この処理は、各フレーム毎に繰り返し実行される。
ステップS1において補正部111は、監視カメラからの画像データを入力する。ステップS2においてフレームメモリ112は、揺らぎが補正された1フレーム前の画像データを出力する。フレームメモリ112には、前のフレームの処理で揺らぎが補正された画像データが記憶されており、これが読み出され、出力される。書き込みと読み出しのアドレスは、アドレス生成部113により指定される。ステップS3において補正部111は、フレームメモリ112から出力された1フレーム前の画像データを入力する。
ステップS4において、抽出部211は抽出処理を実行する。この抽出処理の詳細について図10を参照して説明する。
[抽出処理]
図10は、抽出処理を説明するフローチャートである。ステップS21において抽出部211を構成する差分検知部221は、入力と出力の差分を演算する。すなわち、入力された撮像画像の座標(x,y)の画素値I(x,y)と、出力された画像の座標(x,y)の画素値O(x,y)の差分が演算される。差分検知部221は、入力された画像データと1フレーム前の画像データとの差分から動きのある画素を抽出する抽出手段を構成する。ステップS22において差分検知部221は、入力と出力の差分が閾値より大きいかを判定する。すなわち、画素値I(x,y)と画素値O(x,y)の差分の絶対値が、閾値Tsと比較される。画素値I(x,y)と画素値O(x,y)の差の絶対値が、閾値Ts以下であるとき、比較結果Ds(x,y)は0とされ、閾値Tsより大きいとき、1とされる。
画素値I(x,y)と画素値O(x,y)の差の絶対値が、閾値Tsより大きいとき、すなわち、比較結果Ds(x,y)が1であるとき、ステップS23において差分検知部221は、入力された座標(x,y)の対象画素を動きのある画素と判断する。そして、検知結果D(x,y)を1とする。
これに対して、画素値I(x,y)と画素値O(x,y)の差の絶対値が、閾値Ts以下であるとき、すなわち、比較結果Ds(x,y)が0であるとき、ステップS24において差分検知部221は、入力された座標(x,y)の対象画素を静止した画素と判断する。そして、検知結果D(x,y)を0とする。
検知結果D(x,y)は、識別部411に出力される。
図9に戻って、以上のようにしてステップS4で抽出処理が行われた後、ステップS5において識別部411により識別処理が実行される。識別部41は、動きのある画素のうちの動体の画素を揺らぎの画素から識別する識別手段として機能する。
[識別処理]
図11は、識別処理を説明するフローチャートである。以下この図を参照して識別処理を説明する。
ステップS51において識別部411は、検知結果D(x,y)が1であるかを判定する。この検知結果D(x,y)は、上述した図10のステップS23,S24の処理で、差分検知部221により出力されている。検知結果D(x,y)が1である場合、すなわち対象画素が動きのある画素である場合、ステップS52において識別部411は、y座標を表す変数jに値−z/2を設定する。さらにステップS53において識別部411は、x座標を表す変数iに値−z/2を設定する。
ステップS54において識別部411は、入力画像の画素値I(x,y)と出力画像の画素値O(x+i,y+j)の差の絶対値が、閾値Tmより大きいかを判定する。変数i,jの値は、ステップS52,S53で設定された値である。
この識別処理では、入力画像の座標(x,y)の対象画素に対応する出力画像の座標(x,y)の画素の周囲の画素が探索される。
図12は、探索範囲を説明する図である。図12に4角形で示され範囲が出力画像の探索範囲である。いまの場合、ステップS52,S53の処理で、i=−z/2,j=−z/2に設定されたので、ステップS54では、探索範囲の左下の座標(x−z/2,y−z/2)が設定されたことになる。
ステップS54において、画素値I(x,y)と出力画像の画素値O(x+i,y+j)の差の絶対値が、閾値Tmより大きいと判定された場合、処理はステップS55に進む。ステップS55において識別部411は、変数iを1だけインクリメントする。
ステップS56において識別部411は、変数iが値z/2より大きいかを判定する。いまの場合、まだi=−z/2+1とされただけなので、変数i(=−z/2+1)は値z/2より小さい。この場合は、処理はステップS54に戻る。そしてそこで、画素値I(x,y)と出力画像の画素値O(x+i,y+j)の差の絶対値が、閾値Tmより大きかが判定される。いまの場合、画素値I(x,y)と画素値O(x−z/2+1,y−z/2)との差の絶対値が、閾値Tmより大きいかが判定される。
ステップS54において、画素値I(x,y)と画素値O(x−z/2+1,y−z/2)との差の絶対値が、閾値Tmより大きいと判定された場合、ステップS55において変数iが1だけインクリメントされて、i=2とされる。ステップS56で変数iがz/2より小さいと判定されたとき、すなわち、まだ検索範囲の右側の端部に達していないとき、ステップS54の処理が再び行われる。つまり、画素値I(x,y)と画素値O(x−z/2+2,y−z/2)との差の絶対値が、閾値Tmより大きいかが判定される。
以上のようにして、変数iが1ずつインクリメントされて、ステップS55でインクリメントされた変数iがz/2より大きくなったとき、すなわち、x座標の探索範囲が端部z/2に達したとき、処理はステップS57に進む。
ステップS57において識別部411は、変数jを1だけインクリメントする。
ステップS58において識別部411は、変数jが値z/2より大きいかを判定する。いまの場合、まだj=−z/2+1とされただけなので、変数j(=−z/2+1)は値z/2より小さい。この場合は、処理はステップS53に戻る。
ステップS53において識別部411は、変数iを再び−z/2に設定する。次にステップS54において識別部411は、画素値I(x,y)と出力画像の画素値O(x+i,y+j)の差の絶対値が、閾値Tmより大きかを判定する。いまの場合、画素値I(x,y)と画素値O(x−z/2,y−z/2+1)との差の絶対値が、閾値Tmより大きいかが判定される。
ステップS54において、画素値I(x,y)と画素値O(x−z/2,y−z/2+1)との差の絶対値が、閾値Tmより大きいと判定された場合、ステップS55において変数iが1だけインクリメントされて、i=2とされる。ステップS56で変数iがz/2より小さいと判定されたとき、すなわち、まだ検索範囲の右側の端部に達していないとき、再びステップS54の処理が行われる。ステップS54で、画素値I(x,y)と画素値O(x−z/2+2,y−z/2+1)との差の絶対値が、閾値Tmより大きいかが判定される。
以上のようにして、変数iが1ずつインクリメントされて、ステップS55でインクリメントされた変数iがz/2より大きくなったとき、すなわち、x座標の探索範囲が端部z/2に達したとき、処理はステップS57に進む。そしてステップS57で変数jが1だけインクリメントされて、j=2とされる。
ステップS58で変数jがz/2以下であると判定された場合、すなわち、y座標の探索範囲が、端部z/2にまだ達していないとき、処理はステップS53に戻り、以下同様の処理が繰り返される。
ステップS58で変数jがz/2より大きいと判定された場合、探索範囲がy座標の上側端部に達したことになる。そこで処理はステップS59に進み、認識部411は座標(x,y)の対象画素を動体と判断する。そして認識結果M(x,y)を1に設定する。
ステップS51において検知結果D(x,y)が1ではない、すなわち0であると判定された場合、ステップS60において、認識部411は座標(x,y)の対象画素を静止物と判断する。そして認識結果M(x,y)を0に設定する。
ステップS54において、画素値I(x,y)と出力画像の探索範囲の画素値O(x+i,y+j)の差の絶対値が、1つでも閾値Tm以下であると判定されたときも同様に、ステップS60の処理が実行される。座標(x,y)の対象画素は静止物である判断され、認識結果M(x,y)が0に設定される。時間軸方向に追跡すると、静止物が揺らいでいるに過ぎない場合は過去の周辺画像データに同じ画素値が存在する。 そこで、過去の周辺の画像データを探索して、差分が小さい画素値が検出された場合には、静止物の揺らぎと判定される。
以上のようにして、抽出処理により座標(x,y)の対象画素が動きのある画素であると判定された場合には、さらに出力画像の探索範囲が探索され、その範囲の全ての画素との差が十分大きいときにのみ、対象画素は動体と判断される。探索範囲に1つでも差が小さい画素が存在するときは、対象画素の動きは揺らぎである、すなわち対象画素は静止物であると判断される。
図9に戻って、以上のようにしてステップS5で識別処理が行われた後、ステップS6において係数制御部114により係数制御処理が実行される。係数制御部114は、識別手段による識別結果に応じて係数を制御する制御手段として機能する。
[係数制御処理]
図13は、係数制御処理を説明するフローチャートである。以下、この図を参照して、係数制御処理を説明する。
ステップS71において係数制御部114は、認識結果M(x,y)が0であるかを判定する。この認識結果M(x,y)は、図11のステップS59,S60で認識部411により判断されている。
認識結果M(x,y)が0である場合、すなわち座標(x,y)の対象画素が静止物の画素である場合、ステップS72において係数制御部114は、係数αに静止物用の係数αsを設定する。これに対して、認識結果M(x,y)が1である場合、すなわち座標(x,y)の対象画素が動体の画素である場合、ステップS73において係数制御部114は、係数αに動体用の係数αmを設定する。係数αmは、係数αsより小さい値とされている。これにより動体に過度に補正がかけられ、残像が発生することが抑制される。
ステップS72,S73の処理の後、ステップS74において係数制御部114は、係数αを出力する。
図9に戻って、ステップS6において上述したように係数制御処理が実行されて、係数αが補正部111に供給されると、ステップS7において補正部111は、係数αに基づき入力された画像データを補正する。すなわち、図4を参照して説明したように、入力された画像データに対して、1つの係数αと1フレーム前の画像データとで規定される伝達関数H(z)を適用する演算が行なわれ、画像の揺らぎが除去されるように画像データが補正される。補正部111は、入力された画像データの画像の揺らぎを補正するために、画像データに対して、1つの係数と1フレーム前の画像データとで規定される伝達関数を適用する演算を行う補正手段として機能する。
ステップS8においてフレームメモリ112は、補正された画像データを記憶する。この画像データは次のフレーム処理の時、1フレーム前の画像データとして補正部111にフィードバックされる。フレームメモリ112は、補正手段により補正された画像データを1フレーム遅延して、補正手段に1フレーム前の画像データとしてフィードバックする遅延手段として機能する。
以上の図9の処理は、1フレーム毎に繰り返し実行される。これにより、揺らぎが補正された画像データを出力することができる。
この実施の形態の場合、入力された画像データに対して、1つの係数αと1フレーム前の画像データとで規定される伝達関数H(z)を適用する演算を行って、画像の揺らぎが補正される。従って、強い揺らぎ補正効果を得る場合にも、係数αを大きくするだけでよいので、同じ構成でよく、メモリの使用量を多くする必要もなく、構成が複雑になることもない。その結果、コストも安くすることができる。また記憶するフレーム数も1個だけなので、画像データを蓄積するための待ち時間が長くなることもない。さらに補正量をダイナミックに可変にする場合にも、メモリの周辺回路を大きくする必要が無い。処理のための計算コストが安い。さらに、動体と静止物との識別結果に応じて係数αを制御するので、揺らぎを補正する処理が、揺らぎだけでなく、動体にもかかってしまい、動体のテクスチャが失われてしまうようなことが抑制される。
<第2の実施の形態(図14)>
[画像処理装置の構成]
[画像処理装置の構成]
図14は、第2の実施の形態の画像処理装置601の基本的構成を示すブロック図である。この画像処理装置601は、図8の画像処理装置501と同様に、補正部111、フレームメモリ112、アドレス生成部113、係数制御部114、および抽出部211を有している。ただし、抽出部211は、図6の画像処理部301と同様に、差分検知部221だけでなく、フレームメモリ222を有している。さらに、画像処理装置601は、揺らぎ候補作成部511を有している。フレームメモリ222には、揺らぎ候補作成部511で作成された揺らぎ候補が書き込まれる。
[画像処理]
図15は、図14の画像処理装置601の画像処理を説明するフローチャートである。以下、この図15を参照して、画像処理装置601の画像処理を説明する。
図15のステップS101乃至S103の処理、並びにステップS106乃至S109の処理は、図9のステップS1乃至S3の処理、並びにステップS5乃至S8の処理と基本的に同様の処理である。すなわち、ステップS106の識別処理は、図11と図12に示される場合と同様の処理である。またステップS107の係数制御処理も、図13に示される場合と同様の処理である。
ステップS104の揺らぎ候補作成処理は図9の画像処理には存在しない処理である。ステップS105の抽出処理は図9のステップS4の抽出処理(すなわち、図10の抽出処理)とは異なっている。そこで、ステップS101乃至S103の処理、並びにステップS106乃至S109の処理は、繰り返しになるので説明は省略し、ステップS104の抽出処理とステップS105の揺らぎ候補作成処理について、以下に説明する。
[抽出処理]
図16は、図15のステップS104の抽出処理を説明するフローチャートである。以下、この図16を参照して、図14の画像処理装置601の抽出処理について説明する。
ステップS121において抽出部211の差分検知部221は、入力と揺らぎ候補の差分を演算する。すなわち、入力された座標(x,y)の画素値I(x,y)と、フレームメモリ222に過去の処理で記憶されている、対応する座標(x,y)の揺らぎ候補の画素値B(x,y)との差分が演算される。ステップS122において差分検知部221は、入力と揺らぎ候補の差分が閾値より大きいかを判定する。すなわち、画素値I(x,y)と揺らぎ候補の画素値B(x,y)との差の絶対値が、閾値Tbより大きいかが判定される。
画素値I(x,y)と揺らぎ候補の画素値B(x,y)との差の絶対値が、閾値Tbより大きい場合、ステップS123において、差分検知部221は、差分結果Db(x,y)に1を設定する。ステップS124において差分検知部221は、入力と出力の差分を演算する。すなわち、入力された撮像画像の座標(x,y)の画素値I(x,y)と、出力された画像の座標(x,y)の画素値O(x,y)の差分が演算される。ステップS125において差分検知部221は、入力と出力の差分が閾値より大きいかを判定する。すなわち、画素値I(x,y)と画素値O(x,y)の差分の絶対値が、閾値Tsと比較される。画素値I(x,y)と画素値O(x,y)との差の絶対値が、閾値Tsより大きい場合、ステップS126において、差分検知部221は、座標(x,y)の対象画素を動きのある画素と判断し、差分結果D(x,y)を1に設定する。
ステップS122において、画素値I(x,y)と揺らぎ候補の画素値B(x,y)との差の絶対値が、閾値Tb以下であると判定された場合、ステップS127において、差分検知部221は、差分結果Db(x,y)に0を設定する。さらにステップS128において差分検知部221は、座標(x,y)の対象画素を静止した画素と判断する。またこのとき、差分結果D(x,y)が0に設定される。ステップS125において、画素値I(x,y)と出力された画像の画素値O(x,y)との差の絶対値が、閾値Ts以下であると判定された場合にもステップS128において差分検知部221は、座標(x,y)の対象画素を静止した画素と判断する。またこのとき、差分結果D(x,y)に0が設定される。
このように、抽出処理においては、差分結果D(x,y)が生成され、認識部411に供給され、図15のステップS106の識別処理のうちの、図11のステップS51の判定処理に用いられる。また、ステップS123,S127で設定された差分結果Db(x,y)は、後述する図17のステップS142の判定処理で用いられる。
[揺らぎ候補作成処理]
図17は、揺らぎ候補作成処理を説明するフローチャートである。次にこの図を参照して、図15のステップS105の揺らぎ候補作成処理の詳細について説明する。
ステップS141において揺らぎ候補作成部511は、更新カウンタ値としてのC(x,y)をフレームメモリ222から読み出す。この更新カウンタ値C(x,y)は、前回の処理時において、後述するステップS146の処理によりフレームメモリ222に記憶されている。揺らぎ候補作成部511は、入力された画像データのうち、所定の期間、動きのある画素を揺らぎ候補として作成する揺らぎ候補作成手段として機能する。
ステップS142において揺らぎ候補作成部511は、差分結果Db(x,y)が0であるかを判定する。差分結果Db(x,y)は、図16のステップS123またはステップS127において1または0に設定されている。この差分結果Db(x,y)が0の場合とは、図16のステップS122において、座標(x,y)の入力画像の対象画素の画素値I(x,y)と、対応する座標(x,y)の揺らぎ候補の画素値B(x,y)との差の絶対値が、閾値Tb以下であると判定された場合である。
差分結果Db(x,y)が0である場合、すなわち画素値I(x,y)と揺らぎ候補の画素値B(x,y)との差の絶対値が閾値Tb以下の場合、ステップS143において揺らぎ候補作成部511は、更新カウンタ値C(x,y)を1だけインクリメントする。ステップS144において揺らぎ候補作成部511は、更新カウンタ値C(x,y)が更新カウンタの最大値Cmaxより大きいかを判定する。
更新カウンタ値C(x,y)が最大値Cmaxより大きい場合、ステップS145において揺らぎ候補作成部511は、更新カウンタ値C(x,y)に最大値Cmaxを設定する。これに対して、更新カウンタ値C(x,y)が最大値Cmax以下である場合、ステップS145の処理は実行されず、更新カウンタ値C(x,y)の値はそのままとされる。そしてステップS146において揺らぎ候補作成部511は、更新カウンタ値C(x,y)をフレームメモリ222に書き込む。このようにして書き込まれた更新カウンタ値C(x,y)が、次のフレームの処理のタイミングにおいて、上述したステップS141において読み出される。このように、更新カウンタ値C(x,y)は、各フレーム毎の処理において、対象画素の画素値I(x,y)と揺らぎ候補の画素値B(x,y)との差の絶対値が閾値Tb以下であると判断されると、最大値Cmaxまでの大きい値に設定される。最大値Cmaxの具体的値は、揺らぎ状況に応じて最適値が適宜設定される。
ステップS142において、差分結果Db(x,y)が0ではなく、1であると判定された場合、処理はステップS147に進む。すなわち、図16のステップS122において、対象画素の画素値I(x,y)と揺らぎ候補の画素値B(x,y)との差の絶対値が閾値Tbより大きいと判定されている場合、ステップS147において揺らぎ候補作成部511は、更新カウンタ値C(x,y)を1だけデクリメントする。そしてステップS148において揺らぎ候補作成部511は、更新カウンタ値C(x,y)が0以外の値であるかを判定する。
更新カウンタ値C(x,y)が0以外の値ではない場合、すなわち、0である場合、ステップS149において揺らぎ候補作成部511は、フレームメモリ222上の揺らぎ候補の画素値B(x,y)を、画素値I(x,y)で上書きする。これによりいままでの揺らぎ候補の画素値B(x,y)に代えて、新たに入力された画素値I(x,y)が新たな揺らぎ候補の画素値B(x,y)としてフレームメモリ222に記憶されることになる。フレームメモリ222は、揺らぎ候補を記憶する記憶手段として機能得する。そしてステップS150において揺らぎ候補作成部511は、更新カウンタ値C(x,y)の値に初期値Ciを設定する。この初期値Ciの具体的値は、揺らぎ状況に応じて最適値が適宜設定される。
これに対して、更新カウンタ値C(x,y)が0以外の値である場合、そのときの対象画素は揺らぎ候補とはされない。すなわち、ステップS149,S150の処理は実行されず、古い揺らぎ候補が更新されずに、そのまま保持される。つまり対象画素が、連続して更新カウンタ値C(x,y)のフレーム数にわたって、古い揺らぎ候補の画素との差分が閾値より大きいと判定されたとき、対象画素が新たな揺らぎ候補の画素とされる。
ステップS148において更新カウンタ値C(x,y)が0以外の値であると判定された場合、およびステップS150の処理の後、ステップS146において、更新カウンタ値C(x,y)がフレームメモリ222に書き込まれる。
以上のようにして、入力された画素値が過去の対応する座標の揺らぎ候補の画素値との差分が閾値より大きい状態が、所定の複数のフレームの処理回数の期間、連続して発生したとき、新たな揺らぎ候補としてのその画素値により、過去の揺らぎ候補が更新される。すなわち、ある一定期間内に繰り返して出現する画素が揺らぎ候補として保持される。過去の対応する座標の揺らぎ候補の画素値との差分が十分大きくない対象画素は、揺らぎの候補とされない。また、過去の対応する座標の揺らぎ候補の画素値との差分が十分大きくても、その状態が、所定の複数のフレームの処理回数の期間出現しない対象画素は、揺らぎとは異なった画素であると考えられる。従ってその対象画素も揺らぎの候補とされない。
図14の画像処理装置601によれば、より正確に動体を揺らぎから識別することができる。その結果、動体に残像が残るようなことが抑制され、品位の高い揺らぎ補正データを得ることができる。
<第3の実施の形態(図18)>
[画像処理装置の構成]
[画像処理装置の構成]
揺らぎ候補を利用して動体と揺らぎを識別するようにしても、動体内のテクスチャによっては、フレーム間差分をとると動体部分に差分が現れず、動体が静止物として誤検出されてしまうことがある。その結果、動体に揺らぎ補正がかけられてしまい、動体内のテクスチャが失われてしまうことがある。そこで、次のような画像処理装置を構成することができる。
図18は、画像処理装置701の基本的構成を示すブロック図である。この画像処理装置701は、係数制御部114に接続されたメモリ611を有している。なおメモリ611は、係数制御部114に内蔵させてもよい。その他の構成は、図14の画像処理装置601と同様である。すなわち、補正部111は、図4に示されるように構成される。
次に画像処理装置701の動作を説明する。その基本的な処理は、図15に示されたステップS101乃至S109の処理と同様である。すなわち、ステップS104の抽出処理、ステップS105の揺らぎ候補作成処理、およびステップS106の識別処理は、それぞれ図16、図17、および図11に示される場合と同様である。
ただしステップS107の係数制御処理だけが図14の画像処理装置601の場合の処理(すなわち図13に示される処理)と異なっている。そこで、ステップS101乃至S106,S108,S109の処理の説明は繰り返しになるので省略し、ステップS107の係数制御処理についてだけ以下に説明する。
[係数制御処理]
図19は、係数制御処理を説明するフローチャートである。
ステップS181において係数制御部114は、認識結果M(x,y)が0であるかを判定する。この認識結果M(x,y)は、認識部411により図11のステップS59,S60の処理で設定されている。認識結果M(x,y)が0である場合、すなわち対象画素が静止物であると判断されている場合、ステップS182において係数制御部114は、座標(x,y)の係数値V(x,y)をメモリ611から読み出す。メモリ611には、過去のフレームにおける、後述するステップS187の処理により、係数値V(x,y)が記憶されている。
ステップS183において係数制御部114は、ステップS182で読み出した係数値V(x,y)が、静止物の係数αsより小さいかを判定する。係数αsは、後述する係数可変のステップ値k、動体の係数αmなどと同様に、揺らぎの状況に応じて適宜最適値が設定される。
係数値V(x,y)が、静止物の係数αsより小さい場合、ステップS184において係数制御部114は、係数値V(x,y)をステップ値kだけインクリメントする。係数値V(x,y)として静止物の係数値αsより小さい値が設定されている場合とは、その座標(x,y)の画素が過去に動体と判断されて、係数値V(x,y)として動体の係数値αm(αm<αs)が設定された場合である。これにより、過去に動体として判断された結果、係数値V(x,y)として動体の係数値αmが設定されていた対象画素が、その後、静止物と判断されたとき、係数値V(x,y)に最大の係数値αsが直ちに設定されることが禁止される。係数値V(x,y)はステップkずつ段階的に増加され、最大の係数αsに達したときは、それ以上増加されない(後述するステップS185の処理)。上述したように、動体内のテクスチャによっては、フレーム間差分をとると動体部分に差分が現れず、動体が静止物として誤検出されてしまうことがある。しかしこのように段階的に係数値V(x,y)を変化させれば、静止物として誤検出された動体に揺らぎ補正がかけられたとしても、動体内のテクスチャが失われてしまうようなことが抑制される。
係数値V(x,y)が、静止物の係数αs以上である場合、ステップS185において係数制御部114は、係数値V(x,y)に静止物の係数値αsを設定する。すなわち、過去に静止物と判断された対象画素が、ステップS184のステップkずつのインクリメント処理により、静止物の係数αs以上になった場合には、係数値V(x,y)は静止物の係数αsに制限される。これにより静止物に対して過大な揺らぎ補正が行われることが防止される。
一方、ステップS181において認識結果M(x,y)が0ではない、すなわち1であると判定された場合、処理はステップS186に進む。この場合、図11のステップS59の処理で対象画素が動体であると判断されているので、ステップS186において係数制御部114は、係数値V(x,y)に動体の係数値αmを設定する。動体の係数値αmは、静止物の係数値αsより小さい。これにより動体に対して大きな揺らぎ補正が行われることが防止される。
ステップS184,S185,S186の処理の後、ステップS187において係数制御部114は、係数値V(x,y)をメモリ611に書き込む。すなわち、ステップS184,S185,S186の処理で設定された係数値V(x,y)がメモリ611に書き込まれる。この係数値V(x,y)が次のフレームの処理のとき、上述したステップS182で読み出される。
ステップS188において係数制御部114は、係数αを出力する。この係数αには、ステップS187でメモリ611に書き込まれた係数値V(x,y)が設定される。補正部111はこの係数αを用いて、図15のステップS108で補正処理を行う。
[本発明のプログラムへの適用]
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行させることもできるし、ソフトウエアにより実行させることができる。
一連の処理をソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
このようなプログラムを含む記録媒体は、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVDを含む)、光磁気ディスク(MD(Mini-Disk)を含む)、もしくは半導体メモリなどよりなる記録媒体により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されているフラッシュROM、ハードディスクなどで構成される。
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
101 画像処理装置, 111 補正部, 112 フレームメモリ, 113 アドレス生成部, 114 係数制御部, 201 画像処理装置, 211 抽出部, 221 差分検知部, 222 フレームメモリ, 301,401 画像処理装置, 411 識別部, 501 画像処理装置, 511 揺らぎ候補作成部, 611 メモリ
Claims (8)
- 入力された画像データの画像の揺らぎを補正するために、前記画像データに対して、1つの係数と1フレーム前の前記画像データとで規定される伝達関数を適用する演算を行う補正手段と、
前記補正手段により補正された前記画像データを1フレーム遅延して、前記補正手段に1フレーム前の前記画像データとしてフィードバックする遅延手段と、
入力された前記画像データと1フレーム前の前記画像データとに基づいて、前記画像中の動きのある画素を抽出する抽出手段と、
前記動きのある画素のうちの動体の画素を揺らぎの画素から識別する識別手段と、
前記識別手段による識別結果に応じて前記係数を制御する制御手段と
を備える画像処理装置。 - 前記識別手段は、入力された前記画像データの対象画素に対応する1フレーム前の前記画像データの画素の周囲を探索して前記動体の画素を識別する
請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記抽出手段は、入力された前記画像データと1フレーム前の前記画像データとの差分から前記動きのある画素を抽出する
請求項2に記載の画像処理装置。 - 入力された前記画像データのうち、所定の期間、動きのある画素を揺らぎ候補として作成する揺らぎ候補作成手段と、
前記揺らぎ候補を記憶する記憶手段と
をさらに備え、
前記抽出手段は、入力された前記画像データの対象画素と前記揺らぎ候補との差分が大きいとき、前記対象画素を動きのある画素と判断する
請求項3に記載の画像処理装置。 - 前記係数制御手段は、前記静止物と判断された場合、前記係数を段階的に変更する
請求項4に記載の画像処理装置。 - 入力された画像データの画像の揺らぎを補正するために、前記画像データに対して、1つの係数と1フレーム前の前記画像データとで規定される伝達関数を適用する演算を行う補正ステップと、
前記補正ステップの処理により補正された前記画像データを1フレーム遅延して、前記補正ステップの処理のために1フレーム前の前記画像データとしてフィードバックする遅延ステップと、
入力された前記画像データと1フレーム前の前記画像データとに基づいて、前記画像中の動きのある画素を抽出する抽出ステップと、
前記動きのある画素のうちの動体の画素を揺らぎの画素から識別する識別ステップと、
前記識別ステップの処理による識別結果に応じて前記係数を制御する制御ステップと
を含む画像処理方法。 - 入力された画像データの画像の揺らぎを補正するために、前記画像データに対して、1つの係数と1フレーム前の前記画像データとで規定される伝達関数を適用する演算を行う補正ステップと、
前記補正ステップの処理により補正された前記画像データを1フレーム遅延して、前記補正ステップの処理のために1フレーム前の前記画像データとしてフィードバックする遅延ステップと、
入力された前記画像データと1フレーム前の前記画像データとに基づいて、前記画像中の動きのある画素を抽出する抽出ステップと、
前記動きのある画素のうちの動体の画素を揺らぎの画素から識別する識別ステップと、
前記識別ステップの処理による識別結果に応じて前記係数を制御する制御ステップと
をコンピュータに実行させるプログラムが記録された記録媒体。 - 入力された画像データの画像の揺らぎを補正するために、前記画像データに対して、1つの係数と1フレーム前の前記画像データとで規定される伝達関数を適用する演算を行う補正ステップと、
前記補正ステップの処理により補正された前記画像データを1フレーム遅延して、前記補正ステップの処理のために1フレーム前の前記画像データとしてフィードバックする遅延ステップと、
入力された前記画像データと1フレーム前の前記画像データとに基づいて、前記画像中の動きのある画素を抽出する抽出ステップと、
前記動きのある画素のうちの動体の画素を揺らぎの画素から識別する識別ステップと、
前記識別ステップの処理による識別結果に応じて前記係数を制御する制御ステップと
をコンピュータに実行させるプログラム。
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