JP2011220731A - 融合連鎖反応による核融合反応装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】液体金属リチウム表面に投射された低速イオンによる化学核融合反応は、連動した原子融合過程の熱力学的効果で、天文学的な量で増進するが、該金属表面の状態に過敏でエネルギー取出しに必要な反応の持続性が保証されない。液体金属内の化学核融合反応を実現して、この困難を解決する。
【解決手段】ベリリウム等の軽元素を混入した液体リチウム合金内で、中性子および荷電粒子を発生する核反応を起動して、融合連鎖反応を誘発する。本発明では、液体リチウムは、核融合燃料、混入軽元素の溶媒、中性子減速材および冷却材の4機能を果たすので、核融合反応装置を破格に簡素化、小型化することが可能である。更に放射性廃棄物の心配もない。
【選択図】図1
【解決手段】ベリリウム等の軽元素を混入した液体リチウム合金内で、中性子および荷電粒子を発生する核反応を起動して、融合連鎖反応を誘発する。本発明では、液体リチウムは、核融合燃料、混入軽元素の溶媒、中性子減速材および冷却材の4機能を果たすので、核融合反応装置を破格に簡素化、小型化することが可能である。更に放射性廃棄物の心配もない。
【選択図】図1
Description
本発明は、核融合燃料としての金属ベリリウム、ボロン或いはマグネシウム、カルシムを混入した液体リチウム合金中で、エネルギー増幅融合反応又は融合連鎖反応を誘発する基本原理と方法および該基本原理に基づく核融合反応装置に関するものである。
従来から今日まで核融合反応の実用に十分な高密度のイオン・電子プラズマはまだ実現していない。このようなことから、本出願人は、一連の発明、例えば「分子化学核融合反応発生法及び分子化学核融合エネルギー発生装置」を公開した。この先願発明では、既存の手段によって、実用核融合を実現する前記の高密度イオン・電子プラズマの達成が可能である。
核子あたり25keV(キロ電子ボルト)のエネルギー以下の原子衝突による原子融合で形成される収縮した融合原子は、液体金属リチウム中の凝集力によって寿命が大幅に延びる。その結果、該融合原子内に閉じ込められた高密度の原子核対の核融合の反応率が天文学的に増進する原子融合と連動した核融合すなわち化学核融合反応(又は融合反応と略称)を誘発するようになる。実際に、このような原子衝突を発生するイオン照射装置で、液体金属リチウムに照射の重水素分子イオンが加速エネルギーを大幅に上回る核融合反応エネルギーを発生していることが観測されている。原理と観測結果は、日本応用物理学会および日本物理学会発行の国際誌、ウプサラ大学紀要の論文集ならびにスウェーデン・エネルギー庁発行の高密度核融合論文集として公表されている。なお、スウェーデン王立科学アカデミーおよび同技術科学アカデミーにおける講演抄訳もある。
しかしながら、この方法および装置では、低速イオンによる核反応率が照射金属表面の物理的化学的状態に著しく影響を受けるので、定常的かつ安定なエネルギー発生は至難であり、実用に向けた反応機構のより緻密な検討が必要である。
池上栄胤著「液体金属リチウム中の高密核融合」 ER2006.42スウェーデン・エネルギー庁2006。改訂版2007
前記融合反応では、液体金属リチウム中の原子核衝突に合わせて原子を構成する軌道電子の配列が変わることにより、原子核衝突が原子衝突と連動して原子融合を通じて発生し、原子融合における自発性溶液化学反応特有の熱力学的増進効果によって融合原子内の原子核対の核融合が増進していたのである。
このような原子融合と連動した核融合の発生には、照射イオンと原子との衝突時間は、原子の軌道電子の旋回周期に比べて、あまり短くない事が条件となっている。つまりイオン速度が光速cの1/137倍で表現されるボーア速度と同程度とされ前記低速イオン照射固有の難題が生じていた。
<有効イオンエネルギーの拡大>
一般に質量数A、相対運動エネルギーEのイオンの化学核融合の実効反応断面積は、下記の数1であたえられる。但しKは原子融合の化学過程特有の反応平衡常数で、化学核融合の増進度をあらわし、後述するように熱力学的データから算出することができる。原子融合と核融合の連携度 F(E)はボーア速度のイオンエネルギーEB=0.025AMeV(ミリオン電子ボルト)を用いて数2であたえられる。二体の核融合断面積は、スペクトロスコピー因子Sとガモフ・エネルギーEGを用いて、下記の数3で求められる。
一般に質量数A、相対運動エネルギーEのイオンの化学核融合の実効反応断面積は、下記の数1であたえられる。但しKは原子融合の化学過程特有の反応平衡常数で、化学核融合の増進度をあらわし、後述するように熱力学的データから算出することができる。原子融合と核融合の連携度 F(E)はボーア速度のイオンエネルギーEB=0.025AMeV(ミリオン電子ボルト)を用いて数2であたえられる。二体の核融合断面積は、スペクトロスコピー因子Sとガモフ・エネルギーEGを用いて、下記の数3で求められる。
従来の化学核融合の理論と実験は、数2の連携度が1に近い核的阻止能領域のイオンエネルギーつまりボーア速度に近い低速イオンに限定されていた。しかしながら近年、EBより遙かに高いエネルギーのイオン衝突で超重融合原子生成が観測されており、原子核衝突と原子衝突の連動による化学核融合発生が可能なイオン速度の上限は、ボーア速度よりかなり高い事を示唆している。
数1を考察すると、化学核融合の実効反応断面積は、イオンエネルギーが数4の最適値Eoptの時、最大とわかる。この最大値と核的阻止能領域エネルギーでの値との比較は、数5であたえられる。一般にEGはEBより大きいため数5では、EがEopt程度の中速イオンによる化学核融合の実効反応断面積が遥かに大きい。
一例として、液体リチウム合金中でベリリウム原子核とヘリウムイオン(アルファ粒子)が、融合した準炭素原子経由で、中性子nとエネルギー5.78MeVを発生する数6で表現される反応をする場合を調べる。この場合EG=17.58MeV、EB=0.10MeV、Eopt=1.33MeVで比較の結果は数7であたえられる。数6の反応における融合準炭素原子形成過程の平衡常数は、K=1039であり、化学核融合は、この増進度で誘発されるから、エネルギーが数MeVの高速アルファ粒子は液体リチウム合金中の散乱過程で減速しEoptのエネルギー近傍で殆どが核融合する事が、イオン走行中のエネルギー損失を考慮した反応確率の理論的考察から結論される。
前項で説明した100%に近い確率で誘発する化学核融合は、連鎖反応につながる可能性がある。例えば数6の反応で発生した中性子は、液体リチウム合金中で減速して熱中性子化し下記の数8の反応を発生する。ここで発生した中速アルファ粒子は数6の化学核融合反応を誘発する。又同時発生の三重水素イオン(トリトン)tは下記の数9,10及び11の反応によって中性子とアルファ粒子を増殖する。
数8、9及び10の反応から理解されるように、金属リチウムは溶媒および中性子減速材に加えて核融合燃料の機能も持っている。一般に軽核の核反応では、放射性廃棄物が生じないので、比重が最小の金属であるリチウムは、優れた熱特性の一次冷却材として使用することもできる。つまり金属リチウムは、液体燃料の溶媒、燃料、中性子減速材、および一次冷却材の4機能を持つので、エネルギー増幅融合反応又は融合連鎖反応による核融合炉の構造を著しく単純化、軽量化する。
金属ベリリウムは液体リチウムに難溶であるが、粉末又は中性子反射材としての挿入で液体リチウム合金中に溶けているボロンを媒介として分散混入して、化学核融合の形で数6及び11の反応を誘発する。ボロンの燃料としての特色は、下記の数12の反応を数8の反応の4倍つまり3840b(バーン)の反応断面積で発生する点にある。さらにボロンはトリトン吸収で中性子の増殖もする。
数式12の反応で発生した7Liイオンは0.84MeVの反跳エネルギーを持ち数6の反応と同様に下記の数13及び14の準炭素合成の化学核融合反応を莫大な増進度K~1047で誘発して中性子とアルファ粒子を増殖する。
化学核融合反応は融合原子内に高密度で閉じこめられた原子核対の融合を通じて発生するので、水素同志のプラズマ核融合とは全く異質である。むしろ星の進化過程における高密核融合との類似点が多く、前記の一連の化学核融合報告で議論されている。数6、8〜14の核融合反応は、いずれも巨星の高密度の芯部或いは超新星過程の白色矮星で発生しているものである。
前項0017及び0028で説明したベリリウムならびにリチウムの100%近い確率で誘発される準炭素原子経由の化学核融合は、同様の反応が融合準珪素原子および準チタン原子形成を通じて、マグネシウムおよびカルシウムについて発生する事を示唆している。事実下記の数15及び16の反応が、増進度K~1034 で中性子を生成するので数6のベリリウム同じ役割をマグネシウムが果たすことが可能である。さらに数17、18,19の反応が、K~1012の増進度で発生する。アルミニウムも弱いながらトリトン吸収の反応をする。カルシウムについても同様に数20及び21の反応が、K~1032で発生して中性子を生成する。さらに数22、23、24、25の反応が増進度K~1014で中性子又はアルファ粒子を発生する。42,43,46,48Caについても同様である。
前記の中性子、トリトン粒子、アルファ粒子生成反応に加えて、陽子、重陽子、ヘリウム−3生成の反応も発生することは言うまでもない。事実数26の反応が増進度K~1024で発生し、数27、28の反応が増進度K~1031で発生して陽子を生成する。アルミニウムについても同様の反応がある。
金属ベリリウム等を混入した液体リチウム合金中に中性子源を挿入又は荷電粒子を打ち込めば、前記の反応から明らかなように中性子、トリトン、アルファ粒子等が増殖してエネルギー増幅融合反応又は融合連鎖反応が発生するが、核分裂連鎖反応とは異なり自己防御作用がある。
一般に化学核融合反応の有効反応断面積は、反応増進度つまり融合原子形成平衡常数Kを用いて数式1のように決定されるが、増進度には、数29に示すように鋭い温度T依存性があり、温度上昇で激減する。ここでkはボルツマン常数であり、指数関数の中の分子は融合原子形成の化学過程に固有のギブスのエネルギー(化学ポテンシャルとも言う)の減少値であって物理化学データ表から求めることができる。
具体例として数6の反応の場合、融合準炭素原子形成反応のギブスのエネルギーの減少値は3.98電子ボルトである。従って金属リチウムの融点より僅か高い460Kの温度ではK=4×1043と膨大な増進度であるが、液体リチウム合金が800Kまで昇温すると、K=2×1023に激減し反応は抑制される。さらに液体リチウム合金中にボロンカーバイトやリチウム−6封入管を挿入して中性子を吸収すれば、反応は即刻停止する。
エネルギー増幅融合反応又は融合連鎖反応では、核反応エネルギー発生に加え中性子及び各種の荷電粒子を発生する。また中性子密度の高い液体リチウム合金中に適当な被ばく物質を挿入すれば、ガンマ線発生も可能である。すなわち前記の反応を利用した核融合炉は、エネルギー、中性子、ガンマ線発生源としての機能をもつ。
化学核融合反応の原理が、核分裂反応に比べて複雑かつ多様であるのに反して本発明核融合炉の構造は図1のように至って単純である。炉心の液体リチウム合金の主体である金属リチウムが燃料、溶媒、中性子減速材および冷却材の4機能をもっているからである。炉01は、液体リチウム合金からなる炉心02、循環電磁ポンプ03、流入口04、排出口05、炉の起動/制御装置06、反射体07、シールド08から構成されている。
このように構成された核融合炉01の実施形態においては、炉心02の主体である液体リチウム合金が、前記4機能を持ち、炉の起動/制御装置06に中性子源挿入または加速荷電粒子打込みによる起動操作がされると、前記エネルギー増幅融合反応又は融合連鎖反応が始まり中性子及び各種の荷電粒子の発生と共に核融合反応エネルギーが発生する。この場合、放射性廃棄物となるような反応生成物は生じないので、発熱した液体リチウム合金は、冷却材として排出口05から送り出され、冷えた液体リチウム合金が循環電磁ポンプ03、流入口04から炉心02に送り込まれる。
液体リチウム合金のリチウムは、リチウム−7とリチウム−6の自然存在比を変えるための濃縮操作は不可欠ではないが、中性子減速および吸収の効率化のための濃縮操作は勿論有用である。中性子の反射体07が通常の原子炉に比べて軽量化が図れる事は言うまでもない。核融合炉01の起動/制御装置06は通常の原子炉の起動用中性子源やボロン・カーバイト棒の挿入構造を小型簡素化したものでよい。
図2は、前記核融合炉を本体とする核融合反応装置の実施例1を説明するための概略図である。本発明の核融合反応装置は、概略、液体リチウム合金2を主体とする炉心1からなる化学核融合炉と熱変換手段に使用する熱交換器5とから構成されている。炉心1において液体リチウム合金2が化学核融合反応を誘発する。この化学核融合反応で発生する熱の冷却材として、ここでは液体リチウム合金2を用いている。
発熱した液体リチウム合金2は、炉容器3から循環電磁ポンプ4によって熱交換器(蒸気発生器)5に送られる。熱交換器5において、液体リチウム合金2は、伝熱管6内を流れる水/蒸気と熱交換を行い、炉心1で発生した熱エネルギーを熱利用手段例えばタービン発電機7をまわすための水/蒸気系に伝達する。
このように構成された核融合反応装置の実施例1では、液体リチウム合金2が核融合燃料として炉心1で消費されると共に、炉心で発生した熱を水/蒸気系8に熱交換器を介して伝達するシステムにおいて、冷却材としての機能を果たすことになる。
このように構成された核融合反応装置の実施例1では、液体リチウム合金2が核融合燃料として炉心1で消費されると共に、炉心で発生した熱を水/蒸気系8に熱交換器を介して伝達するシステムにおいて、冷却材としての機能を果たすことになる。
以上述べた実施例1によれば、化学核融合反応の燃料を冷却材でもある液体リチウム合金2によって供給できるため、特別の核融合燃料供給の設備は不要となる。また冷却材として最軽量金属で熱的特性に優れるリチウム金属を主体とした液体リチウム合金2を使用するため、ヘリウムを冷却材とする場合に比べ熱交換器をコンパクトにすることが可能である。さらに、水を冷却材とする場合と比較するならば、水では所定の高温にするため高圧にする必要があるのに対して、実施例1では液体リチウム合金2を冷却材としているため、装置の高温高圧化の必要はなく、構造物の薄肉軽量化を図ることが可能となる。
図3は、本発明の実施例2の概略構成図であって、炉心1を通過中に化学核融合反応を誘発する液体リチウム合金2の系統内に、液体リチウム合金供給設備10を設けている。これは、核融合によって、冷却材としている液体リチウム合金2が化学核融合燃料物質として消費されるので運転継続のために、液体リチウム合金を追加供給する装置である。液体リチウム合金の減少は、炉容器3の液体リチウム合金の自由液面11ないし熱交換器5のなかで自由液面12の低下により把握することができるので、この液位変動は液面計13又は14によって計測される。
このような構成により、化学核融合反応による液体リチウム合金の消費を把握すると共に、必要に応じ、精製した液体リチウム合金を供給設備10から追加供給することが可能である。更に、この設備に接続した分離装置15によって液体リチウム合金に蓄積した核融合生成物であるカーボンやシリコン等を分離して取り出すこともできる。
以上述べた実施例2によれば、核融合炉の燃料、燃料物質の溶媒、冷却材、中性子減速材の4機能を兼ねている液体リチウム合金を、常時、必要量供給することができ装置の連続稼動を可能にする。
以上述べた実施例2によれば、核融合炉の燃料、燃料物質の溶媒、冷却材、中性子減速材の4機能を兼ねている液体リチウム合金を、常時、必要量供給することができ装置の連続稼動を可能にする。
実施例2は、既に図2、図3においても示しているように、液体リチウム合金2と水/蒸気系8の2つの系統によって、化学核融合の発生熱によって生成した蒸気でタービン発電機7をまわし、付属の復水器16と共に熱輸送系を構成するものである。液体リチウム合金2の系と水/蒸気系8の間の熱交換器5は例えば、シエル&チウブ方式の熱交換器を使用している。このように構成することで熱交換器5を含む装置をコンパクトにすることができる。
図4は、本発明による実施例3の概略構成を説明するための熱電発電システムのフローシートであって、核融合反応装置を構成する炉容器3から化学核融合反応で発熱した液体リチウム合金の冷却材が、配管101を介して熱電素子(熱電物質)105の高温部103に導かれ、高温部103を加熱した後、循環電磁ポンプ4により配管101を通過して炉容器3に戻る1次系循環ループを示している。
一方、熱電素子105の低温部104を冷却除熱する2次系除熱ループが配管106、循環電磁ポンプ107、放熱装置108により構成されている。熱電素子105の高温部103と低温部104の間には、熱電素子105が熱応力緩和材102を介して密着し、高温部103と低温部104との温度差によって発電する。即ち、熱エネルギーを直接電気エネルギーに変換する。発電エネルギーは、ケーブル109によって負荷に供給される。実施例3によれば、熱エネルギーを直接電気エネルギーに交換できるので、核融合炉に適合した極めて簡素な発電システムが実施でき、経済性、信頼性に富んだ核融合反応装置を提供することができる。
本発明によれば、以下に示す効果が得られる核融合反応装置を提供することができる。
(1)液体金属リチウムに、核融合反応で中性子、トリトン、アルファ粒子等を発生する軽金属元素を混入して合金とし、金属リチウムに溶媒、核融合燃料、中性子減速材の機能を持たせて、中性子又は高速粒子の打込みで起動するエネルギー増幅融合反応又は融合連鎖反応を誘発させることにより、超簡素化した核融合炉が実現した。
(2)化学核融合反応では、特段の開発を必要とするような核融合燃料物質を使用しないので、著しく経済性に富んだ核融合反応装置が実現する。
(3)核融合燃料である液体リチウム合金を、同時に冷却材として使用する熱輸送システムを構築でき、冷却材にヘリウムガス又は水を使用する方式に比べて装置の更なるコンパクト化が図れる核融合反応装置を提供することができる。
(4)化学核融合で発生する放射線および生成軽元素は、カーボンおよびシリコン以外は殆ど全ての2次核融合反応で消費される。又、放射性廃棄物は生成しないので、核融合反応装置のコンパクト化と分散化が容易である。
(5)装置が大幅に簡素化されるので、小型の割には発電効率の向上が図り易く、また万一の事故等に対する安全性の高い核融合反応装置を提供することができる。
(6)熱エネルギーで直接発電ができるため極めて簡素な構造の発電システムが実現でき、経済性や信頼性に富んだ核融合反応装置を提供することができる。
01 炉
02 液体リチウム合金(炉心)
03 循環電磁ポンプ
04 流入口
05 排出口
06 起動/制御装置
07 反射体
08 シールド
1 炉心
2 液体リチウム合金
3 炉容器
4 循環電磁ポンプ
5 熱交換器(蒸気発生器)
6 伝熱管
7 タービン発電機
8 水/蒸気系
9 循環ポンプ
10 液体リチウム合金供給設備
11、12 自由液面
13、14 液面計
15 分離装置
16 復水器
101 配管
102 熱応力緩和材
103 高温部
104 低温部
105 熱電素子
106 配管
107 循環ポンプ
108 放熱装置
109 ケーブル
02 液体リチウム合金(炉心)
03 循環電磁ポンプ
04 流入口
05 排出口
06 起動/制御装置
07 反射体
08 シールド
1 炉心
2 液体リチウム合金
3 炉容器
4 循環電磁ポンプ
5 熱交換器(蒸気発生器)
6 伝熱管
7 タービン発電機
8 水/蒸気系
9 循環ポンプ
10 液体リチウム合金供給設備
11、12 自由液面
13、14 液面計
15 分離装置
16 復水器
101 配管
102 熱応力緩和材
103 高温部
104 低温部
105 熱電素子
106 配管
107 循環ポンプ
108 放熱装置
109 ケーブル
Claims (11)
- 核融合燃料の金属ベリリウムをボロンと共に溶媒と燃料の両機能を持つ液体金属リチウムに混合して液体合金とし、中性子又は加速粒子によって温度制御されたエネルギー増幅核融合反応又は融合連鎖反応を起動/制御することを特徴とする核融合反応装置。
- 前記請求項1記載の液体リチウム合金を中性子減速材に利用することを特徴とする核融合反応装置。
- 前記請求項1記載の金属ベリリウムの代わりに金属マグネシウム又は金属カルシウム或は両者を、前記液体リチウム合金に混入することを特徴とする請求項1、2記載の核融合反応装置。
- 前記請求項1、2、3記載の液体リチウム合金に、温度調整材或いは補助的燃料として、金属ナトリウム、金属アルミニウム又は金属カリウムを混入することを特徴とする核融合反応装置。
- 前記請求項1、2、3、4記載の液体リチウム合金を、1次冷却材としても利用循環させることを特徴とする核融合反応装置。
- 前記請求項1、2記載のエネルギー増幅融合反応又は融合連鎖反応の停止又は制御のため、ボロンカーバイト又はリチウム−6の中性子吸収制御棒を、前記請求項1、2、3、4、5記載の液体リチウム合金の炉心に備えたことを特徴とする核融合反応装置。
- 前記核融合反応装置は、液体リチウム合金と起動/制御装置からなる炉心と、炉心と反射材、シールドを内臓する炉容器とからなり、前記液体リチウム合金の循環を通じて、反応発生熱エネルギーを利用する循環手段と熱変換手段を、具備したことを特徴とする核融合反応装置。
- 前記請求項7記載の循環手段の循環路に、液体リチウム合金を追加供給でき、反応生成物を分離除去精製する装置を備えたことを特徴とする核融合反応装置。
- 前記請求項7記載の発生熱エネルギー利用手段として、タービンを回転させるための水/蒸気系統からなり、液体リチウム合金と水/蒸気間の熱変換手段は熱交換器によるものであることを特徴とする請求項5、7、8のいずれか一つに記載の核融合反応装置。
- 前記請求項7記載の発生熱エネルギー利用手段として、化学核融合反応によって発生する熱を、冷却材としての液体リチウム合金により取り出し循環するポンプ及び配管よりなる高熱源ループと、配管、循環ポンプ及び冷却器よりなる低熱源ループと、当該高温熱源と低温熱源の間に熱電物質をはさみ外部負荷に接続して電力を取り出す熱電変換器より構成される熱電発電システムを有することを特徴とする核融合反応装置。
- 前記核融合反応装置の炉心に、被ばく物質を装填して放射線発生或いは放射性同位元素の生成をすることを特徴とする核融合反応装置。
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CN104380388A (zh) * | 2012-06-22 | 2015-02-25 | 通用电气-日立核能美国有限责任公司 | 制造用于核反应堆的液体金属冷却剂的方法 |
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US9384862B2 (en) | 2012-06-22 | 2016-07-05 | Ge-Hitachi Nuclear Energy Americas Llc | Method of fabricating liquid-metal coolants for nuclear reactors |
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