JP2011220301A - Exhaust device of internal combustion engine - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、内燃機関の排気通路に燃料を供給することが可能な排気装置に関する。 The present invention relates to an exhaust device capable of supplying fuel to an exhaust passage of an internal combustion engine.
排気を浄化することを目的として、内燃機関の排気通路に燃料を供給するようにした排気装置が広く用いられている。 For the purpose of purifying exhaust gas, an exhaust device that supplies fuel to an exhaust passage of an internal combustion engine is widely used.
特許文献1が開示する装置は、排気通路に設けられた燃料添加弁からの燃料が直接接触する位置に、グロープラグなどの着火手段を配置し、これら燃料添加弁及びグロープラグの下流側に触媒コンバータを配置している。燃料は着火手段によって着火され、その火炎によって触媒コンバータが昇温される。
In the apparatus disclosed in
しかしながら、特許文献1の装置では、着火手段に供給する燃料の量と、着火手段を経由せずに触媒コンバータに直接供給する燃料の量との比率を変更することができず、これを行うには、着火手段に供給するための燃料添加弁と、触媒コンバータに供給するための燃料添加弁とを設けることが必要になり、コストの上昇を招くおそれがある。
However, the apparatus of
本発明は、排気通路に配置された共通の燃料添加弁から、触媒コンバータと着火装置とに燃料を供給する構成において、両者に好適に燃料を供給するにあたり、コストの上昇を抑制することを目的とする。 An object of the present invention is to suppress an increase in cost when fuel is suitably supplied to a catalytic converter and an ignition device from a common fuel addition valve disposed in an exhaust passage. And
本発明の第1の態様は、
内燃機関の排気通路に配置された触媒コンバータと、
前記触媒コンバータよりも上流側に配置され前記排気通路内に燃料を供給する燃料添加弁と、
前記燃料添加弁から供給された燃料に着火させることが可能な着火装置と、
前記燃料添加弁から供給された燃料を衝突させて前記着火装置の着火部分に誘導するための可動衝突部材であって、弾性体を有する可動衝突部材と、
前記燃料添加弁に供給される燃料の圧力を調整する圧力調整装置と、
前記燃料添加弁および前記圧力調整装置を制御するコントローラと、を備え、
前記コントローラは、前記触媒コンバータと前記着火装置とに燃料を選択的に供給するために、前記燃料添加弁及び前記圧力調整装置を制御して、第1の燃料圧力による第1の噴射と、前記第1の燃料圧力よりも小さい第2の燃料圧力による第2の噴射と、を実行させ、前記第1及び第2の噴射により前記可動衝突部材を前記弾性体の弾性力に抗して互いに異なる位置に変位させることを特徴とする内燃機関の排気装置である。
The first aspect of the present invention is:
A catalytic converter disposed in the exhaust passage of the internal combustion engine;
A fuel addition valve that is disposed upstream of the catalytic converter and supplies fuel into the exhaust passage;
An ignition device capable of igniting the fuel supplied from the fuel addition valve;
A movable collision member for causing the fuel supplied from the fuel addition valve to collide and guiding it to an ignition part of the ignition device, the movable collision member having an elastic body;
A pressure adjusting device for adjusting the pressure of the fuel supplied to the fuel addition valve;
A controller for controlling the fuel addition valve and the pressure adjusting device,
The controller controls the fuel addition valve and the pressure regulator to selectively supply fuel to the catalytic converter and the ignition device, and a first injection by a first fuel pressure; Second injection by a second fuel pressure smaller than the first fuel pressure is executed, and the movable collision member is different from each other against the elastic force of the elastic body by the first and second injections. An exhaust device for an internal combustion engine, wherein the exhaust device is displaced to a position.
この態様では、コントローラが、触媒コンバータと着火装置とに燃料を選択的に供給するために、燃料添加弁及び圧力調整装置を制御して、第1の燃料圧力による第1の噴射と、前記第1の燃料圧力よりも小さい第2の燃料圧力による第2の噴射と、を実行させる。可動衝突部材は弾性体を備えており、第1及び第2の噴射により、可動衝突部材が弾性体の弾性力に抗して互いに異なる位置に変位させられる。したがって、触媒コンバータと着火装置とに燃料を供給する構成において、両者に好適に燃料を供給するにあたり、個別の燃料添加弁を設ける必要がなく、コストの上昇を抑制することができる。 In this aspect, the controller controls the fuel addition valve and the pressure regulator to selectively supply fuel to the catalytic converter and the ignition device, and the first injection by the first fuel pressure is performed. And a second injection with a second fuel pressure smaller than the fuel pressure of 1. The movable collision member includes an elastic body, and the movable collision member is displaced to different positions against the elastic force of the elastic body by the first and second injections. Therefore, in the configuration in which the fuel is supplied to the catalytic converter and the ignition device, it is not necessary to provide a separate fuel addition valve in order to suitably supply the fuel to both, and an increase in cost can be suppressed.
本発明によれば、触媒コンバータと着火装置とに燃料を供給する構成において、両者に好適に燃料を供給するにあたり、コストの上昇を抑制することができる。 According to the present invention, in the configuration in which fuel is supplied to the catalytic converter and the ignition device, an increase in cost can be suppressed when fuel is preferably supplied to both.
本発明の好適な実施形態について、以下に詳細に説明する。ただし、本発明の実施態様は下記の各態様のみに限らず、本発明は、特許請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例を含むことに注意しなければならない。実施形態に記載されている構成要素の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に特定的な記載がない限りは、発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。 Preferred embodiments of the present invention will be described in detail below. However, it should be noted that the embodiments of the present invention are not limited to the following embodiments, and the present invention includes all modifications and applications included in the concept of the present invention defined by the claims. I must. The dimensions, materials, shapes, relative arrangements, and the like of the constituent elements described in the embodiments are not intended to limit the technical scope of the invention only to those unless otherwise specified.
図1は実施形態におけるエンジン本体1と、その吸排気系の概略構成を示す。エンジン本体1は、車載の4サイクル・ディーゼルエンジンである。エンジン本体1には、吸気管2および排気管3(排気通路)が接続されている。吸気管2の途中には、吸気管2内を流通する吸気の流量に応じた信号を出力するエアフローメータ4が設けられている。このエアフローメータ4により、エンジン本体1への吸入空気量が測定される。なお、エンジン本体1は複数の気筒を有し、各気筒には筒内燃料噴射弁9が設けられているが、図1では単一の筒内燃料噴射弁9のみを示している。
FIG. 1 shows a schematic configuration of an
排気管3の終端は、図示しない消音器に接続され、消音器の出口で大気に開放されている。排気管3の途中には、酸化触媒コンバータ6及びNOx触媒コンバータ26が、この順に直列に配置されている。酸化触媒コンバータ6は、HC,COなどの未燃成分をO2と反応させてCO,CO2,H2O等とする。触媒物質としては例えばPt/CeO2、Mn/CeO2、Fe/CeO2、Ni/CeO2、Cu/CeO2等を用いることができる。NOx触媒コンバータ26は、好ましくは、吸蔵還元型NOx触媒コンバータ(NSR: NOx Storage Reduction)からなる。NOx触媒コンバータ26は、流入する排気の酸素濃度が高いときは排気中のNOxを吸蔵し、流入する排気の酸素濃度が低下し且つ還元成分(例えば、燃料等)が存在するときは吸蔵していたNOxを還元する機能を有する。NOx触媒コンバータ26は、アルミナAl2O3等の酸化物からなる基材表面に、触媒成分としての白金Ptのような貴金属と、NOx吸収成分とが担持されて構成されている。NOx吸収成分は、例えばカリウムK、ナトリウムNa,リチウムLi、セシウムCsのようなアルカリ金属、バリウムBa、カルシウムCaのようなアルカリ土類、ランタンLa、イットリウムYのような希土類から選ばれた少なくとも一つから成る。なお、NOx触媒コンバータ26は選択還元型NOx触媒コンバータ(SCR: Selective Catalytic Reduction)であってもよい。
The end of the
排気管3における酸化触媒コンバータ6の上流には、燃料添加弁7、前処理触媒コンバータ8、およびグロープラグ21が配置されている。これら燃料添加弁7、前処理触媒コンバータ8、およびグロープラグ21は、バーナ装置30を構成する。バーナ装置30は、エンジン本体1に接続された排気マニホールド(不図示)の集合部よりも下流側に配置されている。燃料添加弁7は、排気中に液体の燃料(軽油)を添加することができる。
A
燃料タンク11は、燃料吸引管12、低圧燃料ポンプ13、高圧燃料ポンプ14、燃料供給管15及び可変燃圧レギュレータ16を介して、燃料添加弁7に接続されている。燃料ポンプ13,14が、燃料吸入管12を介して燃料タンク11に貯留されている燃料を吸入し、燃料供給管15へと吐出することで、燃料添加弁7に燃料が供給される。エンジン本体1に設置された筒内燃料噴射弁9への配管27には、高圧燃料ポンプ28が設けられている。詳細は図示しないが、配管27は気筒数に応じた数の筒内燃料噴射弁9に向けて分岐している。燃料ポンプ13,14,28は例えば機械式であり、エンジン本体1の図示しない出力軸(クランクシャフト)の駆動力を利用して作動する。なお燃料ポンプ13,14,28の少なくとも一つは電動式であってもよい。
The fuel tank 11 is connected to the
可変燃圧レギュレータ16は、高圧燃料ポンプ14から吐出される燃料の圧力を調整する。図4に示されるように、可変燃圧レギュレータ16は、ニードルバルブ17を備えている。このニードルバルブ17は、燃料供給管15から分岐された分岐通路18に開口するオリフィス17aを有するバルブシート17bと、このバルブシート17bに離接して上記オリフィス17aを開閉するニードル17cとから構成されている。可変燃圧レギュレータ16は、更に、ニードルバルブ17に一体に連結された図示しない磁性アーマチュアと、このアーマチュアを下方(ニードルバルブ17を閉じる方向)に付勢する図示しないスプリングと、上記アーマチュアと図示しない磁気コアからなる磁気回路に磁束を発生させるためのコイル19とを備えている。
The variable
要求される燃圧に基づいて、コイル19に通電する電流の大きさを制御し、磁気コアとアーマチュアとから構成される磁気回路内の磁束を変化させると、アーマチュアを下方に付勢する力が制御されて、スプリングの付勢力がアシストされ、ニードルバルブ17の開度が調整される。
Based on the required fuel pressure, the magnitude of the current to be supplied to the
コイル19が通電されないときに、ニードルバルブ17が最も開いており、その近傍で燃圧は第2圧力P2(例えば5MPa)となる。コイル19に通電する電流を徐々に増加すると、ニードルバルブ17が徐々に閉じられて、燃圧が上昇する。供給電流が最大値の近傍である時に、吐出される燃料は第1圧力P1(例えば10MPa)に制御される。なお、燃圧レギュレータは、他の構成、例えばスプリングのバネ圧を最大燃圧に対応する値に設定し、コイル19にてアーマチュアを上方に付勢して圧縮することにより燃圧を調整するタイプのものでもよい。
When the
図2において、燃料添加弁7は単一の噴孔7aを有しており、噴孔7aの噴孔軸7bは、排気管3を横断する方向の成分を含み、且つ排気管3の下流に向けて傾斜している。なお噴孔は複数であってもよい。
In FIG. 2, the
排気管3における燃料添加弁7と酸化触媒コンバータ6との間の部分に、燃料添加弁7から噴射された燃料を改質する前処理触媒コンバータ8が設けられている。この前処理触媒コンバータ8は、例えばゼオライト製の担体にロジウム等を担持させた酸化触媒コンバータとして構成することができる。
A pretreatment
燃料が前処理触媒コンバータ8に供給されると、そのとき前処理触媒コンバータ8が活性化していれば、前処理触媒コンバータ8内で燃料が酸化させられ、このとき発生する酸化反応熱によって、前処理触媒コンバータ8が昇温させられる。また、前処理触媒コンバータ8の温度が高くなると、燃料中の炭素数の多い炭化水素が分解して、炭素数が少なく反応性の高い炭化水素が生成され、これによって燃料が反応性の高い燃料に改質される。換言すれば、前処理触媒コンバータ8は、一方では急速に発熱する急速発熱器を構成し、他方では、改質された燃料を排出する改質燃料排出器を構成する。また、燃料添加弁7から供給された燃料の一部又は全部は、グロープラグ21により昇温又は着火され、これによって排ガスの昇温が促進される。
When the fuel is supplied to the pretreatment
前処理触媒コンバータ8の外径は、排気管3の内径よりも小さく、前処理触媒コンバータ8が排気管3に収容されると、前処理触媒コンバータ8の外周面と排気管3の内周面との隙間である触媒迂回路に排気が通過することが可能になる。前処理触媒コンバータ8は、個々のセルが上流から下流へと連通した所謂ストレートフロー型である。前処理触媒コンバータ8は概ね円筒状の外枠8a内に配置されており、この外枠8aは、概ね放射状に配置された複数のステー8bによって排気管3内に支持されている。前処理触媒コンバータ8は、ステー8bを除く実質的に全周にわたって、触媒迂回路に囲まれている。
The outer diameter of the pretreatment
図2及び図3に示されるように、排気管3は、概ね円筒形状に形成されている。前処理触媒コンバータ8における排気流れ方向の軸心は、排気管3の排気流れ方向の軸心よりも図中下方に偏向している。このため、前述した触媒迂回路は、図中上側が広い広大側迂回路3bであり、かつ下側が狭い狭小側迂回路3cとなっている。
As shown in FIGS. 2 and 3, the
グロープラグ21は、燃料添加弁7よりも下流側であって、前処理触媒コンバータ8よりも上流側に設置されている。グロープラグ21は、昇圧回路22を経て車載直流電源23に接続されており、通電された際に発生する熱により、燃料添加弁7から供給された燃料に着火させることが可能である。グロープラグ21は、その軸心が排気管3の上流に向けて傾斜しているが、例えば流れ方向に直交し且つ後に述べる可動衝突板50の長手方向と平行に配置するなど、任意の姿勢で配置することができる。なお、着火手段としては、セラミックヒータやスパークプラグなどの他の装置、とくに電熱式または火花着火式の装置を用いることができる。
The
前処理触媒コンバータ8を収容している外枠8aの前端部の下部は、上流側に向けて突出した樋状の突出部8bになっている。突出部8bには、概ね平坦な固定衝突板20が固定されている。固定衝突板20は、排気管3内で下側に偏向した位置に配置されており、且つ下流側に向けてやや傾斜させられている。
A lower portion of the front end portion of the
排気管3内における上側に偏向した位置に、可動衝突板50が配置されている。可動衝突板50は、無負荷時でほぼ水平の水平部50aと、その上流側の端部に形成された斜行部50bと、斜行部50bの後端部に固定された軸部50cと、斜行部50bの下面に固定されたバネ50dとを有する。バネ50dは圧縮コイルバネである。軸部50cは排気管3内に回動自在に支持されている。可動衝突板50の水平部50aは、バネ50dの無負荷時で燃料添加弁7の噴孔軸7bに交叉する。
A
固定衝突板20及び可動衝突板50は、SUSなどの耐熱性及び耐衝撃性に優れた材料から形成することができる。燃料添加弁7は、衝突板20,50に向けて、斜め下向きに燃料を噴射する。燃料添加弁7から供給される燃料の軌道は、排気管3を横断する方向の成分を含む。衝突板20,50は、燃料が衝突することによって燃料の微粒化、霧化を促進させ、分散性、拡散性を向上させる。衝突板20,50に衝突した燃料は、排気流によって下流側に偏向される。固定衝突板20に衝突した燃料は、主として前処理触媒コンバータ8に供給される。可動衝突板50に衝突した燃料は、主としてグロープラグ21の発熱部21aに供給される。
The fixed
図2及び図3に示されるように、燃料添加弁7から供給された燃料が衝突する可動衝突板50の衝突点50eと、燃料添加弁7の噴孔7aとの排気管3の横断方向の間隔d2は、燃料添加弁7から供給された燃料が衝突する固定衝突板20の衝突点20aと燃料添加弁7の噴孔7aとの排気管3の横断方向の間隔d1よりも小さい。換言すれば、可動衝突板50の衝突点50eと、固定衝突板20の衝突点20aとは、排気管3の幅方向(すなわち横断方向)に関して異なる位置に配置されている。
As shown in FIGS. 2 and 3, the crossing direction of the
上述した可変燃圧レギュレータ16によって燃圧を第1圧力P1にしたときには、燃料添加弁7から噴射された燃料は、可動衝突板50をバネ50dの弾性力に抗して、図2中二点鎖線で示される位置まで、矢印aで示される方向(時計方向)に押し下げて、燃料軌道から退避する退避状態にさせ、固定衝突板20の衝突点20aに衝突する。その結果、燃料は主として前処理触媒コンバータ8に供給される。他方、燃圧を第1圧力より低い第2圧力P2にしたときには、噴射された燃料は可動衝突板50に衝突するが、可動衝突板50をわずかに押し下げるのみであって、燃料軌道に干渉する展開状態が維持される。したがって燃料は、固定衝突板20に到達することなく、主としてグロープラグ21及びその近傍に供給される。
When the fuel pressure is set to the first pressure P1 by the variable
グロープラグ21は、前処理触媒コンバータ8の近傍、かつ前処理触媒コンバータ8の前端面のやや上流側の上方に配置され、これによって前処理触媒コンバータ8と熱交換可能にされている。すなわち、グロープラグ21は、前処理触媒コンバータ8が昇温するとその熱輻射および対流よりその発熱部21aの近傍が昇温されて、燃料添加弁7から供給された燃料の着火が促進されるような位置に配置されている。この目的から、可動衝突板50の下流側の端部と前処理触媒コンバータ8との間には空隙31が設けられており、前処理触媒コンバータ8からの輻射熱が、可動衝突板50によって遮られることなくグロープラグ21の発熱部21aを含むその近傍に作用するようにされている。ただし、グロープラグ21の流れ方向の位置は、前処理触媒コンバータ8の前端面と同じであっても、これより下流側であってもよい。
The
エンジン本体1には、エンジン本体1の運転条件や運転者の要求に応じて運転状態を制御するための電子制御ユニットであるECU10が併設されている。このECU10は、エンジン本体1の制御に係る各種演算処理を実行するCPU、その制御に必要なプログラムやデータの記憶されたROM、CPUの演算結果等が一時記憶されるRAM、外部との間で信号を入・出力するための入・出力ポート等を備えて構成される。
The
ECU10には、エアフローメータ4の他、エンジン本体1のクランク角を検出するクランクポジションセンサ24、アクセル開度に応じた電気信号を出力するアクセル開度センサ25、NOx触媒コンバータ26の下流側の排気通路に配置されたNOxセンサ32、エンジン冷却水温を検出する水温センサ33、NOx触媒コンバータ26の入口近傍に設けられた固体電解質等からなるSOxセンサ34、及び、不図示の駆動輪の近傍に配置され車速を検出する車速センサ35を含む各種センサ類が、電気配線を介して接続され、これらの出力信号がECU10に入力される。また、ECU10には、燃料添加弁7、筒内燃料噴射弁9、及び可変燃圧レギュレータ18を含む各種アクチュエータ類が電気配線を介して接続され、これらがECU10によって制御される。ECU10は、クランクポジションセンサ24の出力値に基づいて機関回転数を検出し、アクセル開度センサ25の出力値に基づいてエンジン本体1の要求負荷を検出することができる。
In addition to the air flow meter 4, the
本実施形態では、燃料の着火による昇温処理、前処理触媒コンバータ8及び酸化触媒コンバータ6に対するPM酸化処理、NOx触媒コンバータ26に対するNOx還元処理及びSOx被毒回復処理を実施する際に、ECU10が燃料添加弁7を制御して燃料を排気中に噴射させ、この燃料を前処理触媒コンバータ8、酸化触媒コンバータ6及びNOx触媒コンバータ26に供給する。これらのうち、燃料の着火による昇温処理は、可動衝突板50を展開した展開状態で行われ、供給された燃料の大部分がグロープラグ21により着火される。他の処理は、いずれも可動衝突板50を退避させた退避状態で行われ、供給された燃料の大部分が、前処理触媒コンバータ8に供給される。
In the present embodiment, the
燃料添加弁7に噴射される燃料の噴射量は、前述した着火昇温処理、PM酸化処理、NOx還元処理、SOx被毒回復処理、PM再生処理など、個々の制御毎に設定することができる。ECU10のROM内には、エンジン本体1の運転状態に適合する目標総噴射量を算出するための目標総噴射量算出マップが、上記処理の種別(着火昇温処理、酸化処理、NOx還元処理、SOx被毒回復処理、PM再生処理など)毎に記憶されている。そして、燃料噴射制御を行う場合、ECU10は、機関回転数、アクセル開度、吸入空気量を検出し、これらをパラメータとして目標総噴射量算出マップへとアクセスし、目標総噴射量を算出する。ECU10は、目標総噴射量の燃料が燃料添加弁7から噴射されるように、その開弁時間を算出する。そして、ECU10は、燃料添加弁7(詳しくは、燃料添加弁7を開閉駆動させる駆動機構(不図示))に指令を出すことで当該燃料添加弁7を開弁させ、算出された開弁時間が経過した時点で閉弁させる。
The amount of fuel injected into the
以上のとおり構成された本実施形態では、ECU10は、燃料添加弁7及び可変燃圧レギュレータ18を制御して、酸化触媒コンバータ6及びNOx触媒コンバータ26の暖機が終了していない場合には、可動衝突板50を展開状態として、着火を伴う燃料の噴射を実行させる(冷間時グロー着火)。
In the present embodiment configured as described above, the
図5において、まずECU10は、前処理触媒コンバータ6の状態及び車両の運転状態に関連する各パラメータの値を読み込む(S10)。ここで読み込まれるパラメータは、クランクポジションセンサ24によって検出されるエンジン回転数、アクセル開度センサ25によって検出される要求負荷、ECU10によって別途に設定される筒内燃料噴射弁9からの燃料噴射量、水温センサ32によって検出される冷却水温、NOxセンサ32によって検出される触媒下流側NOx量、及びSOxセンサ34によって検出されるSOx濃度を含む。
In FIG. 5, first, the
次にECU10は、予め定められた燃料供給条件が成立しているかを判断する(S20)。燃料供給条件は、例えば、触媒コンバータ6,26の状態に基づく触媒要求と、車両の運転状態に基づく運転状態要求とが共に成立していることである。触媒要求は、例えば、「触媒コンバータ6,26の少なくともいずれかの推定温度が所定値より低いこと」「NOx触媒コンバータ26のNOx吸蔵量が所定値より多いこと」「NOx触媒コンバータ26のNOx浄化量が所定値より多いこと」及び「NOx触媒コンバータ26のSOx(硫黄酸化物)堆積量が基準値より多いこと」のうちいずれかが成立した場合に成立する。運転状態要求は、例えば、「車速が減速中であること」である。燃料供給条件が成立していない場合には、ステップS30以下の処理がスキップされ、処理がリターンされる。
Next, the
なお、触媒コンバータ6,26の推定温度は、例えば排気温度、冷却水温及び吸気温度に基づいて所定の関数又はマップにより算出することができる。NOx触媒コンバータ26のNOx吸蔵量は、例えば筒内燃料噴射弁9からの燃料噴射量およびエンジン回転数から求められる排出NOx量の前回の還元処理の実行からの積算値として、所定の関数又はマップにより算出することができる。NOx触媒コンバータ26のNOx浄化量は、その触媒物質のNOx浄化能力を示す値であり、例えばエンジン本体1からの推定NOx排出量から、触媒下流のNOx量を減算することによって求められる。推定NOx排出量は、エンジン運転状態即ちエンジン回転速度と筒内燃料噴射弁9からの燃料噴射量(代わりにアクセル開度またはスロットル開度を用いてもよい)とに基づいて推定される。触媒下流のNOx量は、NOxセンサ32によって検出される。NOx触媒コンバータ26のSOx堆積量は、例えば燃料中の硫黄濃度とエンジン本体1での燃料消費量との前回処理後における積算値として算出される。燃料中の硫黄濃度は、SOxセンサ34の検出値を用いることができるが、固定値、あるいは給油所ないし燃料販売業者から提供される既知の値を用いてもよい。
The estimated temperature of the
ステップS20で肯定、すなわち燃料供給条件が成立している場合には、次にECU10は、酸化触媒コンバータ8及びNOx触媒コンバータ26の暖機が終了しているかを判断する(S30)。この判断は、触媒コンバータ6,26の暖機状態を代表する値としての酸化触媒コンバータ6の推定温度と、所定の基準値との比較によって行われ、推定温度が基準値を上回っている場合に肯定される。酸化触媒コンバータ6の推定温度は、例えば水温センサ33によって検出されたエンジン水温に基づいて所定の関数又はマップによって求めることができるが、酸化触媒コンバータ6に専用の温度センサを設置して検出してもよい。
If the determination in step S20 is affirmative, that is, if the fuel supply condition is satisfied, the
ステップS30で肯定、すなわち酸化触媒コンバータ6及びNOx触媒コンバータ26の暖機が終了している場合には、ECU10は、可変燃圧レギュレータ18を制御して燃料圧力を第1の圧力P1とし、その状態で燃料を噴射する(S50)。その結果、燃料の圧力により可動衝突板50がバネ50dの弾性力に抗して退避状態とされ、燃料のほぼ全量が、固定衝突板20に衝突した後、排気流によって前処理触媒コンバータ8に供給されて改質され、前処理触媒コンバータ8及び酸化触媒コンバータ6に対するPM酸化処理、NOx触媒コンバータ26に対するNOx還元処理及びSOx被毒回復処理のうち、目的とした処理が実行される。
When the determination in step S30 is affirmative, that is, when the warming-up of the oxidation catalytic converter 6 and the NOx
ステップS30で否定、すなわち触媒コンバータ6,26の暖機が未だ終了していない場合には、ECU10は、可変燃圧レギュレータ18を制御して燃料圧力を第2の圧力P2とし、その状態で燃料を噴射する(S40)。その結果、可動衝突板50がバネ50dの弾性力によって展開状態とされ、燃料のほぼ全量が、可動衝突板50に衝突する。反射又は付着した燃料は排気流によって、グロープラグ21を含むその近傍に供給され、着火させられる。その結果、酸化触媒コンバータ6及びNOx触媒コンバータ26を急速に昇温させることができる。噴射が終了したことを条件に、処理は本ルーチンを抜ける。
If NO in step S30, that is, if the warm-up of the
以上のとおり、本実施形態では、ECU10が、前処理触媒コンバータ8とグロープラグ21とに燃料を選択的に供給するために、燃料添加弁7及び可変燃圧レギュレータ8を制御して、第1の燃料圧力P1による第1の噴射と、前記第1の燃料圧力P1よりも小さい第2の燃料圧力P2による第2の噴射と、を実行させる。可動衝突板50はバネ50dを備えており、第1及び第2の噴射により、可動衝突板50がバネ50dの弾性力に抗して互いに異なる位置に変位させられる。したがって、前処理触媒コンバータ8とグロープラグ21とに燃料を供給する構成において、両者に好適に燃料を供給するにあたり、個別の燃料添加弁を設ける必要がなく、コストの上昇を抑制することができる。
As described above, in the present embodiment, the
また本実施形態では、燃料供給先を切り替えるための構造である可動衝突板50が、バネ50dによる単純な機構であるため、外部からの動力の供給を要しない上、高温になりがちな排気管に複雑な駆動機構を設ける必要がなく故障のおそれを抑制できる。
In the present embodiment, the
本発明をある程度の具体性をもって説明したが、クレームされた発明の精神や範囲から離れることなしに、さまざまな改変や変更が可能であることは理解されなければならない。本発明の実施態様は上述の各態様のみに限らず、本発明は、特許請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例を含む。したがって本発明は、限定的に解釈されるべきではなく、本発明の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。本発明における課題を解決するための手段は、可能な限り組み合わせて使用することができる。 Although the invention has been described with a certain degree of particularity, it should be understood that various modifications and changes can be made without departing from the spirit and scope of the claimed invention. Embodiments of the present invention are not limited to the above-described embodiments, and the present invention includes all modifications and applications included in the concept of the present invention defined by the claims. Therefore, the present invention should not be construed as being limited, and can be applied to any other technique belonging to the scope of the idea of the present invention. The means for solving the problems in the present invention can be used in combination as much as possible.
例えば、可動衝突板50が備えるバネ50dは圧縮コイルバネとしたが、引きバネ、板バネ、ゼンマイバネ及びねじりバネなどの他の種類のバネ、あるいは他の種類の弾性体を採用することもできる。また、可動衝突部材自体を板バネその他の可撓性材料によって構成してもよい。
For example, although the
また本実施形態では、燃料圧力P1,P2をそれぞれ固定値としたが、排気速度が大きいほど燃料圧力P1,P2が大きくなるように可変燃圧レギュレータ16その他の圧力調整装置を制御してもよく、この場合の排気速度は、例えば吸入空気量に基づいて推定することができる。この場合には、排気速度が変化した場合にも適切な軌道で燃料を供給することが可能になる。燃料圧力の制御は、高圧ポンプ14の吐出圧力を変更することで行ってもよく、この場合には可変燃圧レギュレータを不要とすることができる。
Further, in this embodiment, the fuel pressures P1 and P2 are fixed values, respectively, but the variable
また、第1及び第2の燃料圧力を選択するための条件についても、上記以外のものを選択できる。また、燃料の供給の目的に応じて、複数回の噴射を任意の燃料圧力の組み合わせにより断続的に行ってもよい。またECU10は可変燃圧レギュレータ16を制御して、単一回の噴射を燃料圧力を連続的に変えながら燃料添加弁7に実行させてもよい。
Also, conditions other than those described above can be selected for selecting the first and second fuel pressures. Further, a plurality of injections may be intermittently performed by any combination of fuel pressures depending on the purpose of supplying fuel. The
また、燃料添加弁7から噴射された燃料を微粒化させる機能、および当該燃料を前処理触媒コンバータ8へと誘導する機能を有する範囲で、各衝突板の配置方法や形状を適宜変更することができる。各衝突板には任意の個数の通孔、凹部及び/又は凸部を設けてもよい。衝突板の縦断面及び/又は横断面は直状でなく弧状など他の形状であってもよい。固定衝突板を有しない構成も採用でき、その場合には燃料添加弁7からの燃料を排気管3の管壁に衝突させてもよい。
In addition, the arrangement method and shape of each collision plate can be changed as appropriate within a range having a function of atomizing the fuel injected from the
前処理触媒コンバータ及び排気管のうち少なくとも一方は、断面が楕円形や長円形など、非円形であってもよい。排気管3の横断方向の間隔は、前処理触媒コンバータ8がグロープラグ21(着火装置)の発熱部分よりも燃料添加弁7に近くてもよい。排気管3の横断方向における前処理触媒コンバータ8の断面は、排気管3の内部の全体にわたっていてもよい。前処理触媒コンバータ8よりも下流側に存在する他の排気処理装置の種類や順序も任意である。
At least one of the pretreatment catalytic converter and the exhaust pipe may have a non-circular cross section such as an ellipse or an oval cross section. The interval in the transverse direction of the
1 エンジン本体
3 排気管
6 酸化触媒コンバータ
7 燃料添加弁
8 前処理触媒コンバータ
9 筒内燃料噴射弁
10 ECU
16 可変燃圧レギュレータ
20 固定衝突板
21 グロープラグ
21a 発熱部
26 NOx触媒コンバータ
30 バーナ装置
50 可動衝突板
50d バネ
1
16 Variable
Claims (1)
前記触媒コンバータよりも上流側に配置され前記排気通路内に燃料を供給する燃料添加弁と、
前記燃料添加弁から供給された燃料に着火させることが可能な着火装置と、
前記燃料添加弁から供給された燃料を衝突させて前記着火装置の着火部分に誘導するための可動衝突部材であって、弾性体を有する可動衝突部材と、
前記燃料添加弁に供給される燃料の圧力を調整する圧力調整装置と、
前記燃料添加弁および前記圧力調整装置を制御するコントローラと、を備え、
前記コントローラは、前記触媒コンバータと前記着火装置とに燃料を選択的に供給するために、前記燃料添加弁及び前記圧力調整装置を制御して、第1の燃料圧力による第1の噴射と、前記第1の燃料圧力よりも小さい第2の燃料圧力による第2の噴射と、を実行させ、前記第1及び第2の噴射により前記可動衝突部材を前記弾性体の弾性力に抗して互いに異なる位置に変位させることを特徴とする内燃機関の排気装置。 A catalytic converter disposed in the exhaust passage of the internal combustion engine;
A fuel addition valve that is disposed upstream of the catalytic converter and supplies fuel into the exhaust passage;
An ignition device capable of igniting the fuel supplied from the fuel addition valve;
A movable collision member for causing the fuel supplied from the fuel addition valve to collide and guiding it to an ignition part of the ignition device, the movable collision member having an elastic body;
A pressure adjusting device for adjusting the pressure of the fuel supplied to the fuel addition valve;
A controller for controlling the fuel addition valve and the pressure adjusting device,
The controller controls the fuel addition valve and the pressure regulator to selectively supply fuel to the catalytic converter and the ignition device, and a first injection by a first fuel pressure; Second injection by a second fuel pressure smaller than the first fuel pressure is executed, and the movable collision member is different from each other against the elastic force of the elastic body by the first and second injections. An exhaust apparatus for an internal combustion engine, wherein the exhaust apparatus is displaced to a position.
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010093158A JP2011220301A (en) | 2010-04-14 | 2010-04-14 | Exhaust device of internal combustion engine |
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ID=45037575
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN102425485A (en) * | 2011-11-15 | 2012-04-25 | 上海交通大学 | Exhaust pipe outlet area adaptive turbocharging system |
-
2010
- 2010-04-14 JP JP2010093158A patent/JP2011220301A/en active Pending
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