JP2011218776A - インモールド成型用打ち箔転写箔およびこの転写箔を利用したインモールド成型による打ち箔意匠表面を有するインモールド成型品 - Google Patents

インモールド成型用打ち箔転写箔およびこの転写箔を利用したインモールド成型による打ち箔意匠表面を有するインモールド成型品 Download PDF

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Abstract

【課題】伝統的な箔打ち技術による打ち箔金属箔のインモールド成型用打ち箔転写箔(「打ち箔転写フィルム」)およびこの転写箔を利用したインモールド成型による打ち箔の金箔・銀箔等の打ち箔金属箔の表面装飾を有するインモールド成型品を提供する。
【解決手段】インモールド成型用打ち箔転写フィルムにおいて、ベース1素材としてのポリエステルフィルム素材上に所定厚さの剥離層2、前アンカー層3および第1接着剤層4を塗布し、その上に、所定の大きさの打ち箔からなる金属箔5を定置・貼付けているポリエチレンラミネート紙から転写し、しかる後、後アンカー層7、第2接着剤層8を塗布してなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラスチック素材等のインモールド成型に関し、さらに詳しくは、素材表面に金箔・銀箔等を施して射出成型するインモールド成型用打ち箔転写箔およびこの転写箔によりインモールド成型される打ち箔意匠表面を有するインモールド成型品に関する。
金色・銀色は美しい輝きを有し、いろいろな部材の表面装飾として用いられる。特に、プラスチック素材の表面装飾に関して、光沢色の金色や銀色の表面装飾が施されるインモールド成型品としては、例えば、特開平10-203261号公報に開示のものが知られている。当該特開平10-203261号公報の開示は、発明名称「光る車両用樹脂製エンブレム」に係り、「インモールドによる転写印刷技術を応用した車両用樹脂製エンブレムの着色層に蓄光性の塗料を印刷することにより、夜間暗やみの中でも蓄光顔料による発光によってエンブレムの模様を視認できる光る車両用樹脂製エンブレムを提供しようとする」ことを目的として(同公報明細書段落番号0007参照)、「樹脂材料により成型されるエンブレムの樹脂層101aの表面または裏面に、ベースフイルム102aと剥離層102bとアンカー層102dと蓄光性の塗料を印刷した着色層102cと接着層102gとからなる転写箔102をインモールド転写により一体成型することにより」、また、「転写箔102が、蓄光性の塗料を印刷した着色層102cと接着層102gとの間に、金属蒸着層102eと後アンカー層102fが形成された」ことにより(同公報明細書特許請求の範囲請求項1および2参照)、「夜間に樹脂製のエンブレムが光ってその存在を視認できる。
また、LEDによりエンブレムを光らせるものと比較すると、部品点数が少なく、構造も極めて簡素化されるため大幅なコスト低減をはかることができる。さらに、軽量化が可能であり、部品の取付けも容易に行うことができる」等の効果を奏するものである(同公報明細書段落番号0015参照)。
図7は、当該特開平10-203261号公報に図3として開示される転写箔の拡大縦断側面図であり、図7において、符号102は、転写箔、102aは、ベースフイルム、102bは、剥離層、102cは、蓄光性を持った顔料を含んだ着色層、102dは、前アンカー層、102eは、金属蒸着層、102fは、後アンカー層、102gは、接着層、102xは、転写層を示す。
このように光沢のある金属色表面を有するインモールド成型品といっても、実際は、蓄光性を持った顔料を含んだ着色層102cや、金属蒸着層102eによって達成しており、伝統的技法である箔打ちによって得られた金箔・銀箔等の打ち箔を用いたインモールド成型およびそれによって成型される成型品の例は存在しない。したがって、インモールド成型およびそれによって成型される成型品の表面装飾は、光沢色ある金色・銀色といっても、伝統的な打ち箔金属箔が保有する実際の金色・銀色とは大きく異なる。まさに、本物の金色・銀色を発揮するインモールド成型品は存在しない。
これは、伝統的な箔打ちによって得られた金箔・銀箔等の金属箔は、延金製造工程(各種金属等を溶解して各種合金を製作し、これをシート状に圧延した後切断して延金を製造する工程)、上澄製造工程(延金を槌打して中間段階の箔である約1μmの厚さの上澄を製造する工程)、箔打ち工程(前記上澄をさらに槌打して厚さ約0.1〜0.5μmの箔に仕上げる工程)を経て製造され、さらには、その延ばされた金箔・銀箔等の間に「箔打ち紙」と称される和紙を挟み込んで、それを上から数千回・数万回槌で打ち出すことにより、厚さ約0.1〜0.5μmの厚さの金箔・銀箔等の金属箔とするものであり、打ち延ばされた金属箔は、あまりの薄さ故に取扱いが難しく、この打ち箔による金箔・銀箔等の金属箔の扱いには、専門職人の長年の経験と熟練によって初めて素材の表面装飾として用いることができるのであって、容易には表面装飾に用いられることもない。
また、金箔・銀箔等1枚の寸法は比較的小さなものであるから、所定の成型品の表面を装飾するには、1枚の金箔・銀箔等を取り上げて所定の位置に定置するという作業を何度も行わなければならない。そして、1枚の金箔・銀箔等は非常に薄く、わずかな空気の乱れによっても皺になって縮んだり折れ曲がったりするので、金箔・銀箔等の定置・貼付作業には前記の通り、非常な熟練を必要とする。
そのため、この定置・貼付作業を自動化することができず、専門職人は技術を身に付けるまでに多くの金箔・銀箔等を無駄にしてしまい、また作業がデリケートな操作であるために、作業速度を速くすることも困難で、そのため金箔・銀箔等で装飾した器物の価格を安価にすることができず、また、熟練した専門職人の不足により、生産量も多くできないという問題があり、ましてや、インモールド成型品の表面装飾に用いる例は存在しない。
特開平10-203261号公報
そこで、上記に鑑み、伝統的な箔打ち技術による打ち箔金属箔のインモールド成型用打ち箔転写箔(以下、時として「打ち箔転写フィルム」とも称するが両者は同じものである)およびこの転写箔を利用したインモールド成型による金箔・銀箔等の打ち箔金属箔の表面装飾を有するインモールド成型品を提供することを目的とする。
上記目的のために本願請求項1に係る発明は、インモールド成型用打ち箔転写フィルムにおいて、ベース素材としてのポリエステルフィルム素材上に所定厚さの剥離層、前アンカー層および第1接着剤層を塗布し、その上に、所定の大きさの打ち箔からなる金属箔を定置・貼付けているポリエチレンラミネート紙から転写し、しかる後、後アンカー層、第2接着剤層を塗布してなることを特徴とする。
また、本願請求項2に係る発明は、前記請求項1に記載のインモールド成型用打ち箔転写フィルムにおいて、前記ベース素材、前記剥離層および前記前アンカー層の合計厚さを48〜60ミクロン以内に収まる厚さとしたことを特徴とする。
さらに、本願請求項3に係る発明は,前記請求項1に記載のインモールド成型用打ち箔転写フィルムにおいて、前記ベース素材としてのポリエステルフィルム素材については、38〜50ミクロン厚であり、打ち箔からなる金属箔を定置・貼付けているポリエチレンラミネート紙素材に付いては、レーヨン(50%):パルプ(50%)の混合化繊紙の片面に15μm厚さのポリエチレンラミネート加工を施し、その厚さを0.02〜0.05mmであることと特徴とする。
また、本願請求項4に係る発明は、前記請求項1または3のいずれかに記載のインモールド成型用打ち箔金属箔ロールにおいて、前記ポリエチレンラミネート紙素材は、全体に5mm〜10mm間隔で0.02mm〜0.1mmの複数の穴が開口されたことを特徴とする。
そして、本願請求項5に係る発明は。前記請求項1に記載のインモールド成型用打ち箔転写フィルムにおいて、前記剥離層として、メラミンコーティング剥離剤、前記前アンカー層としては、アクリル系アンカー剤、および前記第1接着剤層としては、2液硬化エポキシ系接着剤を使用し、それぞれスプレー塗装あるいはシルクスクリーン印刷により形成されたことを特徴とする。
また、本願請求項6に係る発明は、前記請求項1に記載のインモールド成型用打ち箔転写フィルムにおいて、前記後アンカー層として、2液硬化ウレタン系アンカー剤および前記第2接着剤層として、1液熱硬化系接着剤を250〜270メッシュ状に塗布形成したことを特徴とする。
さらに、本願請求項7に係る発明は、前記請求項1に記載のインモールド成型用打ち箔転写フィルムにおいて、前記打ち箔金属箔は、伝統的箔打ち技術によって打ち延ばされる金、銀、プラチナ、銅錫、アルミニウム等の単金属あるいはこれらの金属の合金を素材とする打ち箔金属箔であることを特徴とする。
そして、本願請求項8に係る発明は,前記請求項1に記載のインモールド成型用打ち箔転写フィルムにおいて、前記打ち箔金属箔は、予め所定寸法のポリエチレンラミネート紙上に仮貼りされる打ち箔枚葉シートを作成し、しかる後、当該打ち箔枚葉シートから前記ベース素材表面の所定位置に転写したものであることを特徴とする。
また、本願請求項9に係る発明は、前記請求項1に記載のインモールド成型用打ち箔転写フィルムを使用してインモールド成型装置によって成型して得られる表面に打ち箔金属箔の意匠表面を有するインモールド成型品。
さらに、本願請求項10似係るインモールド成型用打ち箔転写フィルムは、請求項1に係るインモールド成型用打ち箔転写フィルムにおいて、前記打ち箔金属箔の上に形成される前記中アンカー層、後アンカー層及び前記第2接着剤層の各層乾燥において、前層の乾燥工程を塗膜表面が乾燥して皮が張っているが、その内部は半乾燥状態となる一時的に不完全な乾燥とし、その後に、全体として完全な乾燥工程をとることを特徴とする。
すなわち、上記のように、伝統的箔打ち技術により得られる打ち箔金属箔の表面装飾を有するインモールド成型を可能にするという目的を達成するために、先ず打ち箔金属箔の定置・貼付作業に連続性を持たせ、取扱いを容易にするロール化された打ち箔金属箔を採用したことを特徴とする。
ここに、「ロール化された打ち箔金属箔」とは、前記、伝統的箔打ち技術において得られた枚葉の打ち箔金属箔を連続的に定置・貼り付けたシートを巻取り、ロール上にしたものをいう。
上記構成のインモールド成型用打ち箔転写フィルムによれば、伝統的技法である箔打ち技術によって得られる打ち箔金属箔が所定位置に配置されたインモールド成型用打ち箔転写フィルムとすることができ、この打ち箔転写フィルムを用いて、打ち箔金属箔が有する特徴的光沢をそのまま表面装飾としたインモールド成型品を容易に成型できる。
すなわち、厚さ約0.1〜0.5μmの伝統的な箔打ち技術による金箔・銀箔等の打ち箔金属箔であっても、容易にインモールド成形が可能となり、当該成型に打ち箔金属箔の取扱いが特に難しいと言うこともなく、また、専門職人の長年の経験と熟練を要することもなく、極めて容易に成型品の表面装飾に打ち箔金属箔を用いることが可能である。
図1は、本発明の実施例1に係るインモールド成型用打ち箔転写フィルム10の拡大縦断側面概略図、 本実施例1に係るインモールド成型用打ち箔転写フィルム10の所定位置に打ち箔金属箔5を定置するため予め作成される打ち箔枚葉シート15の一枚の概略を示す図、 図3(a)(b)は、スクリーン印刷機を利用した定置機の概略を示す図であり、当該打ち箔枚葉シート15から前記打ち箔金属箔5を本実施例1に係るインモールド成型用打ち箔転写フィルム10の所定位置に定置する定置機の概略を示すものである。図3(a)は、同定置機を上から見た概略図であり、図3(b)は、同定置機を横から見た概略図、 図4(a)(b)は、前記打ち箔金属箔定置部24の動作概略を示す概略図であり、そのうち図4(a)は、前記打ち箔金属箔定置部24の動作概略のうち、前記打ち箔枚葉シート17から、いわば、手作業で一枚ずつ打ち箔枚葉シート15をベース1上に裏返しで配置して、本実施例1に係るインモールド成型用打ち箔転写フィルム10を作成する状態を示す図であり、図4(b)は、前記打ち箔金属箔定置部24の動作概略のうち、積層された前記打ち箔枚葉シート17の上方に所定の速度で移動するベース1を配置し、適宜の時間間隔で上から前記ベース1を押圧することによって、前記打ち箔枚葉シート15上の金属箔5がベース1上に転写され、本実施例1に係るインモールド成型用打ち箔転写フィルム10が作成される状態を示す図、 図5は、特開2007−320202号公報に開示の従来インモールド成型に実施されるインモールド成型装置の概略側面図、 図6は、上記実施例1に係るインモールド成型用打ち箔転写箔を利用したインモールド成型によって作成された打ち箔金箔表面を有するインモールド成型品30、打ち箔銀箔表面を有するインモールド成型品31の実施例2を示す写真図、 図7は、当該特開平10-203261号公報に図3として開示される転写箔の拡大縦断側面図。
本発明に係るインモールド成型用打ち箔転写箔(以下、「インモールド成型用打ち箔転写フィルム」ともいう)の一実施例およびこれを利用したインモールド成型による金箔・銀箔の表面装飾を有するインモールド成型品の一実施例を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明に係るインモールド成型用打ち箔転写フィルムの実施例1を示す図であり、そのうち、図1は、実施例1に係るインモールド成型用打ち箔転写フィルム10の拡大縦断側面概略図であり、図1において、符号1は、ベース、2は、剥離層、3は、前アンカー層、4は、第1接着剤層、5は、打ち箔からなる金属箔、6は、中アンカー層、7は、後アンカー層、8は、第2接着剤層である。
本実施例1に係るインモールド成型用打ち箔転写フィルム10において、前記ベース1は、例えば、所定長のベース素材がロール状に巻き込まれ、所定の幅を有するもの、例えば、本実施例1に係るインモールド成型用打ち箔転写フィルム10においては、最大幅650mmの幅のものを使用し、その素材としてポリエステルフィルムを使用した。
また、前記剥離層2および前アンカー層3は、前記ベース1上に塗布され、前記打ち箔からなる金属箔5等が成型品(図示外)上に転写された際に、当該打ち箔からなる金属箔5を成型品表面に残して金属箔5を保護し、または前記ベース1を容易に剥がれ易くするために、打ち箔からなる金属箔5に一時的に固定(仮貼り)しておくための層であり、本実施例1に係るインモールド成型用打ち箔転写フィルム10においては、前記剥離層2としては、例えば、メラミンコーティング剥離剤、前記前アンカー層3としては、アクリル系アンカー剤等からなる。
そして、最も重要なことは、打ち箔からなる金属箔5を成型品表面に皺等を発生することなく残しておくことができるように、これらベース1、剥離層2、前アンカー層3の合計した厚さを48〜60ミクロン以内に収まるようにした。
また、前記第1接着剤層4としては、2液硬化エポキシ系接着剤とし、例えば、大豊塗料(株)製「エポマラック」が使用される。これらの接着剤を前記剥離層2の表面にスプレー塗装あるいはシルクスクリーン印刷を施すことにより形成される。
また、打ち箔からなる金属箔5は、伝統的な箔打ち技術によって作成される打ち箔金属箔であって、素材としては、金、銀、プラチナ、銅錫、アルミニウム等の単金属或いはこれらの金属の合金からなる金属箔、およびフレーク状の金属箔片や粉等の外、伝統的な箔打ち技術によって入手できるあらゆる金属素材が選択できる。また、本実施例1に係るインモールド成型用打ち箔転写フィルム10においては、これらの金属素材を伝統的な箔打ち技術によって薄く圧延して、厚さ約0.1〜0.5μmの金属箔5を用いて上述の成型品の表面装飾を完成させるためのものである。
また、前記中アンカー層6は、前記打ち箔金属箔5が成型品表面に転写された場合に当該打ち箔からなる金属箔5を保護するための層であり、本実施例1に係るインモールド成型用打ち箔転写フィルム10においては、当該中アンカー層6としては、2液硬化ウレタン系アンカー剤とし、例えば、カシュー(株)製「ストロン」が使用され、本実施例1に係るインモールド成型用打ち箔転写フィルム10においては、当該中アンカー層6をスプレー塗装又はシルクスクリーン印刷によって形成する。
しかしながら、使用する前記打ち箔金属箔5の素材にあっては、打ち箔金属箔5自体が傷つきにくく、また、耐衝撃性がある場合もあり、そのような場合には、当該中アンカー層6を使用する必要がなく、その場合には、本実施例1に係るインモールド成型用打ち箔転写フィルム10においては、当該中アンカー層6を省略することができる。
また、前記後アンカー層7および第2接着剤層8は、前記打ち箔からなる金属箔5を成型品上に転写する際に当該打ち箔からなる金属箔5と成型品とを皺等を発生させることなく密着させるための層であり、本実施例1に係るインモールド成型用打ち箔転写フィルム10においては、前記後アンカー層7としては、2液硬化ウレタン系アンカー剤(例えば、日東技研(株)製「HNU」)を使用し、250〜270メッシュ状に塗布されるようにシルクスクリーン印刷によって形成した。そして、その上に、本実施例1に係るインモールド成型用打ち箔転写フィルム10においては、第2接着剤層8として、1液熱硬化系接着剤(例えば、日東技研(株)製「HNV」)を使用し、この第2接着剤層8も250〜270メッシュ状に塗布されるようにシルクスクリーン印刷によって形成した。
〔打ち箔枚葉シートの作成〕
また、実施例1に係るインモールド成型用打ち箔転写フィルム10の所定位置に打ち箔金箔6を定置するために、次のような工程を経た打ち箔枚葉シートを予め作成しておく必要がある。
図2は、本実施例1に係るインモールド成型用打ち箔転写フィルム10の所定位置に打ち箔金属箔5を定置するため予め作成される打ち箔枚葉シート15の一枚の概略を示す図であり、この打ち箔枚葉シート15を作成するためには、まず、打ち箔金属箔5との間で一定期間定置されやすく、さらには、これらの打ち箔金属箔5とともに型抜き加工をした際にも型抜きしやすい、また、金箔等の金属箔の移送に非常にマッチした特殊紙からなるシート台紙16を準備する。
シート台紙16としては、従来から使用される和紙製の「あかうつし紙」であっても良いが、好ましくは、レーヨン(50%):パルプ(50%)の混合化繊紙の片面に15μm厚さのポリエチレンラミネート加工を施したもので、その厚さを0.02〜0.05mmのものを適宜のサイズに勇断したものであっても良い。そして、このような厚さ15μmのラミネート紙(例えば、富士特殊紙業(株)製フジロン紙17g/PE#15)を300mm×300mmにカットして使用するものであっても良い。
また、このシート台紙16には、打ち箔金属箔5を仮貼りする際に当該シート台紙16と打ち箔金属箔5との間の空気が容易に抜けて、吸着もしやすく、また、一旦仮貼りされた打ち箔金属箔も転移する際には剥がしやくするために、当該シート台紙16の片面全体に所定間隔(例えば、5mm〜10mm)で0.02mm〜0.1mmの複数の穴を開けたシート台紙16であっても良い。このように複数の穴の開いたシート台紙16を用いる場合には、後述するように、打ち箔金属箔を当該シート台紙16に仮貼りする際に、この穴から圧着時の空気が抜けることにより、吸着し易くなり、また、一旦仮貼りされた打ち箔金属箔も、その後、さらに前記ベース1上に移送する際に、背面から空気を送る等の作用により、剥離もよりし易くなる。
このようなシート台紙16上の所定の位置に所定の大きさにカッティングした打ち箔金属箔5(本実施例1においては、厚さ約0.1〜0.5μmの金属箔5)を210mm×210mmの大きさのシート台紙16に打ち箔金属箔5を貼り合わせ定置し、この打ち箔枚葉シート15を複数枚作成し、これを重ねて打ち箔枚葉シート束17を作成しておく。
〔インモールド成型用打ち箔転写フィルムの作成〕
次いで、図3(a)(b)に示される定置機を用いて、当該打ち箔枚葉シート15から前記打ち箔金属箔5を本実施例1に係るインモールド成型用打ち箔転写フィルム10の所定位置に定置する。図3(a)(b)は、スクリーン印刷機を利用した定置機の概略を示す図であり、当該打ち箔枚葉シート15から前記打ち箔金属箔5を本実施例1に係るインモールド成型用打ち箔転写フィルム10の所定位置に定置する定置機の概略を示すものである。
図3(a)は、同定置機を上から見た概略図であり、図3(b)は、同定置機を横から見た概略図である。図3(a)(b)において、符号21は、ロール巻出部、22は、第1色目のシルク印刷部、23は、第1乾燥ボックス、24は、打ち箔金属箔定置部、25は、第2乾燥ボックス、26は、ロール巻取部である。前記ロール状に巻き込まれ、所定の幅を有するベース1が、前記ロール巻出部21に配置され、当該ロール巻出部21から所定の速度で前記第1色目のシルク印刷部22、前記第1乾燥ボックス23、前記打ち箔金属箔定置部24、前記第2乾燥ボックス25上を移動し、前記ロール巻取部26内に巻き取り配置される。当該ベース1に第1色目の着色等が必要な場合には、前記第1色目のシルク印刷部22で着色等の印刷がされる。そして、印刷後、前記第1乾燥ボックス23で所定の乾燥工程がされ、前記打ち箔金属箔定置部24に送られる。
〔打ち箔金属箔のベースへの転写〕
図4(a)(b)は、前記打ち箔金属箔定置部24の動作概略を示す概略図であり、そのうち図4(a)は、前記打ち箔金属箔定置部24の動作概略のうち、前記打ち箔枚葉シート17から、いわば、手作業で一枚ずつ打ち箔枚葉シート15をベース1上に裏返しで配置して、本実施例1に係るインモールド成型用打ち箔転写フィルム10を作成する状態を示す図であり、図4(b)は、前記打ち箔金属箔定置部24の動作概略のうち、積層された前記打ち箔枚葉シート17の上方に所定の速度で移動するベース1を配置し、適宜の時間間隔で上から前記ベース1を押圧することによって、前記打ち箔枚葉シート15上の金属箔5がベース1上に転写され、本実施例1に係るインモールド成型用打ち箔転写フィルム10が作成される状態を示す図である。図4(a)(b)において、符号1は、同ベース、17は、打ち箔枚葉シート束、15は、一枚の打ち箔枚葉シート、18は、プレス機を示す。
図4(a)から明らかなように、前記打ち箔金属箔定置部24では、上方に配置された前記打ち箔枚葉シート束17から一枚の前記打ち箔枚葉シート15が打ち箔金属箔5を下側にして、前記ベース1の所定位置に配置される。そして、前記打ち箔枚葉シート17が、上昇した後横方向に動き,代わりに,その位置にプレス18が下降し、前記打ち箔枚葉シート15を押圧および/または加熱する。
そうすると、打ち箔からなる金属箔5は、予め前記ベース1上に塗布された前記第1接着剤層4と加えられる加圧力および/または加熱の作用によって、当該金属箔5がベース1上に移送・転写される。そして、その後、前記打ち箔金属箔5が、前記ベース1上に定置されたら、前記シート台紙16を引き剥がし、前記金属箔5をベース1上に残したまま、本実施例1に係るインモールド成型用打ち箔転写フィルム10が作成される。
また、図4(b)から明らかなように、前記打ち箔金属箔定置部24では、予め積層された打ち箔枚葉シート束17を所定位置に配置し、その上を所定の速度で前記ベース1が移動するように配置する。そして、所定の時間間隔で、前記打ち箔枚葉シート束17の上から前記プレス機18が下がって、ベース1を介して前記打ち箔枚葉シート15を所定の圧力で押圧および/または加熱する。
そうすると、前記同様、打ち箔からなる金属箔5は、予め前記ベース1上に塗布された前記第1接着剤層4と加えられる加圧力および/または加熱の作用によって、当該金属箔5がベース1上に移送・転写される。そして、その後、前記打ち箔金属箔5が、前記ベース1上に定置されたら、打ち箔金属箔5が除かれた前記シート台紙16を引き剥がし、次の工程に遷り、このようにして、本実施例1に係るインモールド成型用打ち箔転写フィルム10が作成される。
この後、打ち箔金属箔5が定置されたベース1に対し、前記中アンカー層6、後アンカー層7および第2接着剤層8が塗布され、前記第2乾燥ボックス25での所定の乾燥の後、前記ロール巻取部26で巻き取られ、本実施例1に係るインモールド成型用打ち箔転写フィルム10が完成する。
なお、上述した本実施例1に係るインモールド成型用打ち箔転写フィルム10においては、前記ベース1として、上述してきたように、最大幅650mmの幅のロール状に巻き込まれたポリエステルフィルム素材を使用したが、それに限定されない。また、打ち箔金属箔を定置・貼付けているポリエチレンラミネート紙には、上述してきたように、その片面全体に所定間隔(例えば、5mm〜10mm)で0.02mm〜0.1mmの複数の穴を開けた厚さ、0.02〜0.05mm、最大幅650mmの幅のロール状に巻き込んだポリエチレンラミネート紙ベース1であっても良い。
上記のように作成された本実施例1に係るインモールド成型用打ち箔転写フィルム10は、図5に示すようなインモールド成型装置によって、表面に打ち箔金属箔の意匠表面を有するインモールド成型品を成型する。
図5は、特開2007−320202号公報に開示の従来インモールド成型に実施されるインモールド成型装置の概略側面図であり、図5において、符号10は、本実施例1に係るインモールド成型用打ち箔転写フィルム10であり、その所定表面に打ち箔金属箔5が定置されている。そして、符号201は、インモールド成型装置、202は、フィルム送り装置、203は、ベース台、204は、固定ダイプレート、205は、バレル、206は、射出駆動部、207は、ホッパー、208は、型締め駆動部、210は、送りロール、211は、回収ロール、215は、固定型本体、216は、可動型本体、217は、フィルム形成雄型、218は、射出成型用雄型、219は、フィルム形成雌型、220は、射出成型用雌型、255は、可動ダイプレートである。
本実施例1に係るインモールド成型用打ち箔転写フィルム10が、前記送りロール210から前記回収ロール211に送られる間の前記フィルム形成雄型217、前記射出成型用雄型218、前記フィルム形成雌型219、前記射出成型用雌型220によって、表面に打ち箔金属箔5の意匠表面を有する成型品30(図5では図示外)が成型される。
この成型の際に、上述してきたように、前記ベース1、剥離層2、前アンカー層3の合計した厚さを48〜60ミクロン以内に収まるようにすることによって、「箔打ち紙」と称される和紙を挟み込んで、数千回・数万回槌で打ち出すことにより、厚さ約0.1〜0.5μmの厚さの金箔・銀箔等の金属箔とする伝統的箔打ち技術による打ち箔金属箔であっても、空気の乱れ等によって皺になって縮んだり折れ曲がったりすることもなく、また、専門職人の熟練を要することもなく、表面に打ち箔金属箔5の意匠表面を有する成型品30(図5では図示外)が成型できることとなったのである。
あるいは、前記ベース1、剥離層2、前アンカー層3の合計した厚さを48〜60ミクロン以内に収まるようにすることと相まって、前記ベース1の素材としてポリエステルフィルムを使用し、また、前記剥離層2として、メラミンコーティング剥離剤、前記前アンカー層3としては、アクリル系アンカー剤等を使用すること、あるいは、前記第1接着剤層4として2液硬化エポキシ系接着剤とすることで、伝統的箔打ち技術による打ち箔金属箔が皺になったり、縮んだり、折れ曲がったりすることもなく、熟練を要することもなく、表面に打ち箔金属箔5の意匠表面を有する成型品30が成型できることとなったのである。
さらには、上記に加えて、前記中アンカー層6として、2液硬化ウレタン系アンカー剤とし、例えば、カシュー(株)製「ストロン」をスプレー塗装またはシルクスクリーン印刷によって形成し、前記後アンカー層7として、2液硬化ウレタン系アンカー剤(例えば、日東技研(株)製「HNU」)を250〜270メッシュ状に塗布されるようにシルクスクリーン印刷によって形成し、その上に、前記第2接着剤層8として、1液熱硬化系接着剤(例えば、日東技研(株)製「HNV」)を250〜270メッシュ状に塗布されるようにシルクスクリーン印刷によって形成することによって、伝統的箔打ち技術による打ち箔金属箔が皺になったり、縮んだり、折れ曲がったりすることもなく、熟練を要することもなく、表面に打ち箔金属箔5の意匠表面を有する成型品30(図5では図示外)が成型できることとなったものである。
図6は、上記実施例1に係るインモールド成型用打ち箔転写箔10を利用したインモールド成型によって作成された打ち箔金箔表面を有するインモールド成型品30、打ち箔銀箔表面を有するインモールド成型品31の実施例2を示す写真図である。本実施例2に係る打ち箔金属箔表面を有するインモールド成型品30、31に示されるように、伝統的な打ち箔金属箔が有する特徴的光沢をそのまま表面装飾としたインモールド成型品が完成する。
本実施例3においては、プラスチック素材表面装飾として想定しているが、このプラスチック素材は、例えば、本願出願人が既に特許(登録第3545999号)を取得している「ポリ乳酸系生分解性樹脂からなる成形基体」を素材としても良く、また、その場合には、本実施例1に係るインモールド成型用打ち箔転写フィルム10の層構成は、前記前アンカー層3、第1接着剤層4、中アンカー層6および後アンカー層7、第2接着剤層8を形成するこれらの材料の合計の割合が、生分解性を有する樹脂からなる前記成形基体の5〜25重量%の範囲となるようにして、「ポリ乳酸系生分解性樹脂からなる成形基体」に対する打ち箔金属箔表面を有するインモールド成型品30、31としても良い。
上記実施例1に係るインモールド成型用打ち箔転写フィルム10において、インモールド成型後の前記インモールド成型品30、31の素材である成型樹脂と打ち箔金属箔5との間における密着性が充分とは言い難かった。すなわち、上記実施例1に係るインモールド成型用打ち箔転写フィルム10を作成、本実施例2にかかるインモールド成形装置によって、打ち箔金属箔表面を有するインモールド成型品30、31を実際に成型した場合、打ち箔転写フィルム10を成型品30、31から剥がす際に、層間に剥離する現象が生じ、表面装飾としては完全なものではなかった。
そこで、本願発明者は、インモールド成型品30、31の表面の金属箔の密着性を検証して、上記密着性の不充分性は、上記実施例1に係るインモールド成型用打ち箔転写フィルム10の作成過程において、前記中アンカー層6、前記後アンカー層7及び前記第2接着剤層8の各層間の隔離が充分でないことを見いだした。すなわち、上記実施例1に係るインモールド成型用打ち箔転写フィルム10において、各層間の剥離状況、特に、前記中アンカー層6、前記後アンカー層7及び前記第2接着剤層8間の剥離状況について検証し、その各層間剥離状況より、前記中アンカー層6以前の層である前記打ち箔金属箔5と前記後アンカー層7以降の層である前記第2接着剤層8との間の剥離が完全ではないことを見いだすに至った。
これらの各層6、7、8の形成工程では、前記打ち箔金属箔5を前記ベース1上の前記第1接着剤層4上に移送・転写した後に、前記中アンカー層6をスクリーン印刷により塗布し、その後、直ちに乾燥させ、当該中アンカー層6の乾燥が半乾燥の状態で、前記後アンカー層7をスクリーン印刷により塗布し、この層7の乾燥が完全になったり、次に、前記第2接着剤層8をスクリーン印刷により塗布し、さらに、この層8を完全に乾燥させる工程によって、最終的にインモールド成型用打ち箔転写フィルム10としていた。
そこで、これらの各層6、7、8の形成工程を見直し、表1に示すような試行を繰り返した。
Figure 2011218776
表1は、前記中アンカー層6、前記後アンカー層7、前記第2接着剤層8の乾燥工程を概略を示すものであり、仕様(A)〜(D)について、各層6、7、8の乾燥仕様を概略を示すものである。各仕様(A)〜(D)において、前記中アンカー層6については、スクリーン印刷後セッティングに30分をかけ、その後、乾燥温度を80℃〜50℃のそれぞれ変えて各30分間乾燥させたものである。また、前記中アンカー層6の乾燥後、前記後アンカー層7及び前記第2接着剤層8についても、各仕様(A)〜(D)において、それぞれスクリーン印刷後セッティング時間をおくことなく直ちに、前記後アンカー層7の乾燥については、各仕様(A)〜(D)において、100℃でそれぞれ10分、前記第2接着剤層9の乾燥については、各仕様(A)〜(D)において、100℃で30分の乾燥工程としたものである。
その上で、各仕様(A)〜(D)でインモールド成型用打ち箔転写フィルム10の試験片をそれぞれ作成し、それについて、密着性の試験を行って検証した。
層間の密着性試験の検証は、JIS Z 1522に規定する粘着力 2.94N/10mm以上のセロハン粘着テープ(ニチバン製)を使用し、JIS K 5400 8.5.2(碁盤目テープ法)項を引用して、試験片の表面に付けた碁盤目状の傷の状態を観察して評価検証した。すなわち、1cm2を1mm間隔に傷を入れ10×10=100マス中にいくつ塗膜が残るかでその試験片の密着性を評価検証した。
Figure 2011218776
表2は、各仕様(A)〜(D)で作成されたインモールド成型用打ち箔転写フィルム10のそれぞれの試験片の100マスのうち、いくつのマスに塗膜が残るかを調べた表であり、仕様(A)では、100ますのうち18マスに塗膜残存があり、仕様(B)では、100マス中、51マスの塗膜残存が、仕様(C)では、100ますのうち、74マスの塗膜残存が、仕様(D)では、100マスのうち、100マス、すなわち、塗膜の剥離マスがなかった。なお、各仕様(A)〜(D)について、打ち箔金属箔として、厚さ0.15μmの金箔。同厚さ0.36μmの銀箔、同厚さ0.42μmの銅箔、同厚さ1.30μmの錫箔、同厚さ0.40μmの洋箔(金箔代用の銅と亜鉛の合金からなる真鍮箔)について、それぞれ検証したが、結果において変わりはなかった。
表2の結果から知りうるように、仕様(D)の乾燥工程をとったインモールド成型用打ち箔転写フィルム10が実用に耐えうる「合格品」と評価し、それ以外の仕様(A)〜(C)の乾燥工程にかかるものは、実用に耐えることができない「不合格」と評価した。
また、上記仕様(D)についての前記中アンカー層6の乾燥が完了した状態を目視したところ、塗膜表面のみが乾燥しているが、その内部は半乾燥状態で、表面に皮が張っているような状態の乾燥状態であった。
すなわち、本実施例4に係るインモールド成型用打ち箔転写フィルム10においては、前記中アンカー層6の乾燥工程について、塗膜表面が乾燥して皮が張っているが、その内部は半乾燥状態となるように、一時的に不完全な乾燥とすることにより、前記中アンカー層6と前記後アンカー層7の層間の密着を完全なものとすることができた。
本実施例4に係るインモールド成型用打ち箔転写フィルム10においては、前記中アンカー層6の乾燥工程について、塗膜表面が乾燥して皮が張っているが、その内部は半乾燥状態となるように、一時的に不完全な乾燥とすることにより、前記中アンカー層6と前記後アンカー層7の層間の密着を完全なものとするようにしたが、このことは、各層間、例えば、前記後アンカー層7と前記第2接着剤層9との間の層間密着を完全なものとするためには、前記後アンカー層7の乾燥工程において、塗膜表面が乾燥して皮が張っているが、その内部は半乾燥状態となるように、一時的に不完全な乾燥とし、その後の乾燥工程で最終的に完全な乾燥を行うことにより、これらの層間の密着を完全なものとすることができることを知り得た。
このように、密着が弱い層間においては、前層の乾燥工程において、塗膜表面が乾燥して皮が張っているが、その内部は半乾燥状態となるように、一時的に不完全な乾燥とし、その後に、全体として完全な乾燥工程をとることにより、各層間が密着して一体になるように仕上げることができ、どのような成型樹脂であっても、成型樹脂を選ばぶことなく品質が安定した耐久性が向上したインモールド成型品30、31とすることができるようになった。
本発明は、打ち箔金属箔の表面装飾を可能として射出成型するインモールド成型用打ち箔転写フィルムおよびこの転写フィルムによりインモールド成型される打ち箔金属箔表面を有するインモールド成型品に利用される。
1 ベース
2 剥離層
3 前アンカー層
4 第1接着剤層
5 打ち箔金属箔
6 中アンカー層
7 後アンカー層
8 第2接着剤層
10 インモールド成型用打ち箔転写フィルム
15 打ち箔箔枚葉シート
16 シート台紙
17 打ち箔枚葉シート束
18 プレス機
21 ロール巻出部
22 シルク印刷部
23 乾燥ボックス
24 箔金属箔定置部
25 乾燥ボックス
26 ロール巻取部
30、31 インモールド成型品
101a 樹脂層
102 転写箔
102a ベースフイルム
102b 剥離層
102c 着色層
102d アンカー層
102e 金属蒸着層
102f 後アンカー層
102g 接着層
210 送りロール
211 回収ロール
217 フィルム形成雄型
218 射出成型用雄型
219 フィルム形成雌型
220 前記射出成型用雌型

Claims (10)

  1. ベース素材としてのポリエステルフィルム素材上に所定厚さの剥離層、前アンカー層および第1接着剤層を塗布し、その上に、所定の大きさの打ち箔からなる金属箔を定置・貼付けているポリエチレンラミネート紙から転写し、しかる後、後アンカー層、第2接着剤層を塗布してなることを特徴とするインモールド成型用打ち箔転写フィルム。
  2. 前記ベース素材、前記剥離層および前記前アンカー層の合計厚さを48〜60ミクロン以内に収まる厚さとしたことを特徴とする請求項1に記載のインモールド成型用打ち箔転写フィルム。
  3. 前記ベース素材としてのポリエステルフィルム素材については、38〜50ミクロン厚であり、打ち箔からなる金属箔を定置・貼付けているポリエチレンラミネート紙素材に付いては、レーヨン(50%):パルプ(50%)の混合化繊紙の片面に15μm厚さのポリエチレンラミネート加工を施し、その厚さを0.02〜0.05mmであることと特徴とする請求項1に記載のインモールド成型用打ち箔転写フィルム。
  4. 前記ポリエチレンラミネート紙素材は、全体に5mm〜10mm間隔で0.02mm〜0.1mmの複数の穴が開口されたことを特徴とする請求項1または3のいずれかに記載のインモールド成型用打ち箔金属箔ロール。
  5. 前記剥離層として、メラミンコーティング剥離剤、前記前アンカー層としては、アクリル系アンカー剤、および前記第1接着剤層としては、2液硬化エポキシ系接着剤を使用し、それぞれスプレー塗装あるいはシルクスクリーン印刷により形成されたことを特徴とする請求項1に記載のインモールド成型用打ち箔転写フィルム。
  6. 前記後アンカー層として、2液硬化ウレタン系アンカー剤および前記第2接着剤層として、1液熱硬化系接着剤を250〜270メッシュ状に塗布形成したことを特徴とする請求項1に記載のインモールド成型用打ち箔転写フィルム。
  7. 前記打ち箔金属箔は、伝統的箔打ち技術によって打ち延ばされる金、銀、プラチナ、銅錫、アルミニウム等の単金属あるいはこれらの金属の合金を素材とする打ち箔金属箔であることを特徴とする請求項1に記載のインモールド成型用打ち箔転写フィルム。
  8. 前記打ち箔金属箔は、予め所定寸法のポリエチレンラミネート紙上に仮貼りされる打ち箔枚葉シートを作成し、しかる後、当該打ち箔枚葉シートから前記ベース素材表面の所定位置に転写したものであることを特徴とする請求項1に記載のインモールド成型用打ち箔転写フィルム。
  9. 請求項1に記載のインモールド成型用打ち箔転写フィルムを使用してインモールド成型装置によって成型して得られる表面に打ち箔金属箔の意匠表面を有するインモールド成型品。
  10. 前記打ち箔金属箔の上に形成される前記中アンカー層、後アンカー層及び前記第2接着剤層の各層乾燥において、前層の乾燥工程を塗膜表面が乾燥して皮が張っているが、その内部は半乾燥状態となる一時的に不完全な乾燥とし、その後に、全体として完全な乾燥工程をとることを特徴とする請求項1に記載のインモールド成型用打ち箔転写フィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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