JP2011211775A - モータ駆動用電源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】装置構成が複雑化することを防止し、車両駆動用の電動機への最大印加電圧を増大可能とし、モータ駆動の各種の作動モードを適切に動作させる。
【解決手段】モータ駆動用電源装置10において、マトリックスコンバータ14の入力側端子14aは発電機12に接続され、マトリックスコンバータ14の出力側端子14bはモータ11に接続され、インバータ15の直流側端子15aはバッテリ13に接続され、インバータ15の交流側端子15bはモータ11に接続されている。モータ11は各相毎に独立した巻線31を備え、各相毎に、巻線31の一端はマトリックスコンバータ14の出力側端子14bに接続され、巻線31の他端はインバータ15の交流側端子15bに接続されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、モータ駆動用電源装置に関する。
従来、例えば発電用の電動機と車両駆動用の電動機とをマトリックスコンバータを介して接続し、発電用の電動機とバッテリとの間および車両駆動用の電動機とバッテリとの間のそれぞれにインバータを接続した電動車両が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−340470号公報
ところで、上記従来技術に係る電動車両によれば、2つの電動機毎にインバータが設けられていることから、装置構成が複雑化し、装置構成に要する費用が嵩むという問題が生じる。
しかも、車両駆動用の電動機に対してマトリックスコンバータとインバータとが並列に接続されているだけであるから、車両駆動用の電動機(モータ)への最大印加電圧はマトリックスコンバータの最大出力電圧(つまり発電用の電動機の逆起電圧)に制限されてしまい、高圧化が困難であるという問題が生じる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、装置構成が複雑化することを防止し、車両駆動用の電動機への最大印加電圧を増大可能とし、モータ駆動の各種の作動モードを適切に動作させることが可能なモータ駆動用電源装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決して係る目的を達成するために、本発明の第1態様に係るモータ駆動用電源装置は、モータ(例えば、実施の形態でのモータ11)と、発電機(例えば、実施の形態での発電機12)と、蓄電装置(例えば、実施の形態でのバッテリ13)と、マトリックスコンバータ(例えば、実施の形態でのマトリックスコンバータ14)と、インバータ(例えば、実施の形態でのインバータ15)とを備え、前記マトリックスコンバータの入力側端子(例えば、実施の形態での入力側端子14a)は前記発電機に接続され、前記マトリックスコンバータの出力側端子(例えば、実施の形態での出力側端子14b)は前記モータに接続され、前記インバータの直流側端子(例えば、実施の形態での直流側端子15a)は前記蓄電装置に接続され、前記インバータの交流側端子(例えば、実施の形態での交流側端子15b)は前記モータに接続され、前記モータは各相毎に独立した巻線(例えば、実施の形態での巻線31)を備え、前記各相毎に、前記巻線の一端は前記マトリックスコンバータの前記出力側端子に接続され、前記巻線の他端は前記インバータの前記交流側端子に接続されている。
さらに、本発明の第2態様に係るモータ駆動用電源装置は、前記マトリックスコンバータの出力電圧(例えば、実施の形態での出力電圧Vmc)と前記モータの逆起線間電圧(例えば、実施の形態での逆起電圧Ve)と前記インバータの交流側電圧(例えば、実施の形態での交流側電圧Vi)との振幅および位相を制御して、前記モータのトルク軸方向の電流がゼロとなるようにして、かつ、前記モータの界磁軸方向の電流を通電することにより、前記発電機の発電電力によって前記蓄電装置を充電する制御手段(例えば、実施の形態での制御装置17)を備える。
さらに、本発明の第3態様に係るモータ駆動用電源装置では、前記制御手段は、前記マトリックスコンバータの前記出力電圧と、前記インバータの前記交流側電圧との相対的な電圧位相差を、電気角で180°だけずらして、前記発電機の前記発電電力および前記蓄電装置の出力電力によって前記モータを駆動する。これにより、モータの電圧を上昇させることができる。
さらに、本発明の第4態様に係るモータ駆動用電源装置では、前記制御手段は、前記発電機の始動時に、前記インバータから前記モータへの通電によって前記モータが回転停止状態となるようにして、前記蓄電装置の前記出力電力によって前記発電機を始動する。
本発明の第1態様に係るモータ駆動用電源装置によれば、順次、発電機とマトリックスコンバータとモータとインバータと蓄電装置とを直列に接続した装置構成によって、各種の動作を柔軟に、かつ制約を抑制して制御可能としつつ、装置構成が複雑化することを防止することができる。
各種の動作は、例えば、発電機によるモータの駆動と、発電機によるモータの駆動かつ蓄電装置の充電と、蓄電装置によるモータの駆動と、発電機によるモータの駆動を伴わない蓄電装置の充電と、蓄電装置による発電機の始動と、発電機およびバッテリによるモータの駆動とである。
例えば発電機によるモータの駆動では、モータの各相毎に独立した巻線を、後述するインバータのハイサイドアームあるいはローサイドアームを全てオン状態にすることにより、互いに接続して、中性点を生成することができる。
また、例えば蓄電装置によるモータの駆動では、モータの各相毎に独立した巻線を、後述するマトリックスコンバータにおいて、各スイッチS1,S2,S3の全て(もしくは、各スイッチS4,S5,S6の全て、もしくは各スイッチS7,S8,S9の全て)をオン状態にすることで、互いに接続して、中性点を生成することができる。
また、発電機によるモータの駆動かつ蓄電装置の充電では、マトリックスコンバータおよびインバータの各電力変換動作によってモータの駆動と蓄電装置の充電とを行なうことができる。
これらによれば、マトリックスコンバータの制御とインバータの制御とを組み合わせて、上述した各種の動作を行なうことができ、例えば蓄電装置と発電機およびモータとの間での電気エネルギーの授受のために、各発電機およびモータ毎にインバータを設ける必要が生じることを防止して、蓄電装置に対して1つのインバータを設けるだけの単純な装置構成とすることができる。
さらに、本発明の第2態様に係るモータ駆動用電源装置によれば、マトリックスコンバータの出力電圧と、モータの逆起電圧と、インバータの交流側電圧とを制御することで、トルク軸方向の電流をゼロにすることで、回転状態のモータにトルクが印加しないようにして、発電機およびマトリックスコンバータからモータおよび蓄電装置に通電を行なうことができる。これにより、発電機の発電電力によって蓄電装置を充電する際に、この充電に伴うトルクがモータに対して発生してしまうことを防止することができる。このため、例えばモータを車両駆動用モータとして用いる場合であっても、蓄電装置の充電時のトルク変動の発生により車両の乗員に違和感を与えることを防止することができる。
さらに、本発明の第3態様に係るモータ駆動用電源装置によれば、モータへの最大印加電圧を、マトリックスコンバータの最大出力電圧に蓄電装置の出力電圧が加算された値とすることができ、例えば予めモータの各相毎の巻線が互いに接続されて中性点が生成されている場合に比べて、モータへの最大印加電圧を蓄電装置の出力電圧分だけ増大させることができる。
さらに、本発明の第4態様に係るモータ駆動用電源装置によれば、モータの回転停止状態を維持しつつ、蓄電装置の出力電力によって発電機を始動することができ、例えば発電機を始動するための特別な蓄電装置を設ける必要無しに、装置構成が複雑化することを防止して発電機を始動させることができる。
本発明の実施の形態に係るモータ駆動用電源装置の構成図である。 本発明の実施の形態に係る双方向交流スイッチの構成図である。 本発明の実施の形態に係るモード2の電圧ベクトル図である。 本発明の実施の形態に係るモード4の電圧ベクトル図である。 本発明の実施の形態に係るモード6の電圧ベクトル図である。 本発明の実施の形態に係るモード6において、マトリックスコンバータの出力電圧Vmcと、インバータの交流側電圧Viと、モータ電圧Vmoとの変化の一例を示す図である。
以下、本発明のモータ駆動用電源装置の一実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
この実施形態によるモータ駆動用電源装置10は、例えば図1に示すように、車両駆動用の3相交流のモータ11(例えば、ブラシレスDCモータなど)と、3相交流の発電機12と、直流電源であるバッテリ13と、マトリックスコンバータ14と、インバータ15と、交流フィルタ16と、制御装置17とを備えて構成されている。
そして、マトリックスコンバータ14の入力側端子14aは発電機12に接続され、マトリックスコンバータ14の出力側端子14bはモータ11に接続され、インバータ15の直流側端子15aはバッテリ13に接続され、インバータ15の交流側端子15bはモータ11に接続されている。
また、制御装置17には、マトリックスコンバータ14の出力電圧Vmcを検出する電圧センサ21から出力される検出結果の信号と、モータ11の逆起電圧Veを検出する電圧センサ22から出力される検出結果の信号と、インバータ15の交流側電圧Viを検出する電圧センサ23から出力される検出結果の信号と、モータ11に通電する電流Ieを検出する電流センサ24から出力される検出結果の信号と、発電機12に通電する電流Igを検出する電流センサ25から出力される検出結果の信号とが入力されている。
3相(例えば、U相、V相、W相の3相)交流のモータ11は、各相毎に独立した(つまり、互いに接続されていない)巻線31を備え、各相毎に、巻線31の一端はマトリックスコンバータ14の出力側端子14bに接続され、巻線31の他端はインバータ15の交流側端子15bに接続されている。
そして、モータ11の駆動は、制御装置17から出力される制御指令を受けて、少なくともマトリックスコンバータ14またはインバータ15によりおこなわれる。
3相(例えば、X相、Y相、Z相の3相)交流の発電機12は、例えば車両の内燃機関(図示略)などの駆動力により発電を行なう。
マトリックスコンバータ14は、入力3相(例えば、X相、Y相、Z相の3相)の入力側端子14aと出力3相(例えば、U相、V相、W相の3相)の出力側端子14bとが各相毎に3個からなる合計9個の双方向交流スイッチS1〜S9により接続されて構成され、入力側端子14aと出力側端子14bとの間で双方向に任意の電圧および周波数で交流電力を直接に変換する。
双方向交流スイッチS1〜S9は、例えば図2(a)〜(e)に示すように、自己消弧形の半導体素子(例えば、IGBT:Insulated Gate Bipolar mode Transistorとダイオードなど)が逆並列に接続されて構成されている。
そして、双方向交流スイッチS1〜S9のオン(導通)/オフ(遮断)状態は、制御装置17から出力されて双方向交流スイッチS1〜S9の各半導体素子のゲートに入力されるスイッチング指令であるゲート信号(例えば、パルス幅変調(PWM)された信号)によって切り替えられる。
インバータ15は、例えばパルス幅変調(PWM)によるPWMインバータであって、複数のスイッチング素子(例えば、IGBT:Insulated Gate Bipolar mode Transistor)がブリッジ接続されてなる3相(例えば、U相、V相、W相の3相)のブリッジ回路41と、平滑コンデンサ42とを備えて構成されている。
ブリッジ回路41は、例えば各相毎に対をなすハイ側およびロー側U相トランジスタUH,ULと、ハイ側およびロー側V相トランジスタVH,VLと、ハイ側およびロー側W相トランジスタWH,WLとがブリッジ接続されている。そして、各トランジスタUH,VH,WHはコレクタが正極側の直流側端子15aに接続されてハイサイドアームを構成し、各トランジスタUL,VL,WLはエミッタが負極側の直流側端子15aに接続されてローサイドアームを構成している。そして、各相毎に、ハイサイドアームの各トランジスタUH,VH,WHのエミッタはローサイドアームの各トランジスタUL,VL,WLのコレクタに接続され、各トランジスタUH,UL,VH,VL,WH,WLのコレクタ−エミッタ間には、エミッタからコレクタに向けて順方向となるようにして、各ダイオードDUH,DUL,DVH,DVL,DWH,DWLが接続されている。
インバータ15は、制御装置17から出力されてブリッジ回路41の各トランジスタのゲートに入力されるパルス幅変調(PWM)された信号によって駆動され、例えばモータ11の駆動時などには、各相毎に対をなす各トランジスタのオン(導通)/オフ(遮断)状態を切り替えることによって、バッテリ13から出力される直流電力を3相交流電力に変換し、モータ11の3相の巻線31への通電を順次転流させることで、各相の巻線31に交流のU相電流IuおよびV相電流IvおよびW相電流Iwを通電する。一方、例えばモータ11の回生時などには、モータ11から出力される3相交流電力を直流電力に変換してバッテリ13の充電などを行なう。
交流フィルタ16は、例えばΔ結線されたコンデンサを備えて構成され、発電機12とマトリックスコンバータ14の入力側端子14aとの間に接続されて、マトリックスコンバータ14の周波数変換動作による高調波電圧成分を低減する。
制御装置17は、マトリックスコンバータ14およびインバータ15の電力変換動作を制御して、例えば下記表1に示す各動作モードの実行を制御する。
Figure 2011211775
先ず、モード1において、発電機12の発電電力によってモータ11を駆動する場合には、マトリックスコンバータ14において入力側端子14aに入力される発電機12の発電電力(交流電力)を任意の電圧および周波数で交流電力に変換(交流−交流変換)して出力側端子14bから出力させる。このとき、インバータ15のブリッジ回路41においてハイサイドアームの全てのトランジスタをオン状態かつローサイドアームの全てのトランジスタをオフ状態、あるいは、ハイサイドアームの全てのトランジスタをオフ状態かつローサイドアームの全てのトランジスタをオン状態として、インバータ15の交流側端子15bを互いに接続することによって、モータ11の3相の巻線31を互いに接続して中性点を生成する。
また、モード2において、発電機12の発電電力によってモータ11を駆動すると共にバッテリ13を充電する場合には、モータ11を駆動するための電圧(モータ電圧)Vmoと、バッテリ13に充電するための電圧(つまり、インバータ15の交流側端子15bの交流側電圧)Viと、マトリックスコンバータ14の出力電圧Vmcとを、例えば図3に示すように印加して制御を行なう。つまり、インバータ15の交流側電圧Viはトルク軸方向に印加され、マトリックスコンバータ14の出力電圧Vmcはモータ電圧Vmoと交流側電圧Viとがベクトル合成されて得られる電圧に等しい。
なお、モータ11の界磁極の磁束方向であるd軸(界磁軸)と、このd軸に直交する方向であるq軸(トルク軸)とによるdq座標は、モータ11のロータ(図示略)に同期して回転角速度ωで回転する回転直交座標である。そして、モータ電圧Vmoは、モータ11の誘起電圧定数Keおよび回転角速度ωによる誘起電圧(逆起電圧)Ve(=ωKe)と、q軸電流Iqおよび相抵抗rによる電圧(rIq)と、q軸インダクタンスLqおよびq軸電流Iqによる電圧(ωLqIq)とがベクトル合成されて得られる。
モータ11の逆起電圧Veは、モータ11の回転に伴って発生する逆起電圧であって、運転者の駆動要求などに応じたモータ11の回転状態(つまり、車両の走行状態)に応じて位相と振幅とが変化する。
マトリックスコンバータ14の出力電圧Vmcは、マトリックスコンバータ14の電力変換(交流−交流変換)動作によって出力側端子14bに発生する交流電圧であって、インバータ15の交流側電圧Viは、インバータ15の電力変換(直流−交流変換)動作によって交流側端子15bに発生する交流電圧である。そして、マトリックスコンバータ14の出力電圧Vmcと、インバータ15の交流側電圧Viとは、モータ11の回転状態とバッテリ13の充電状態とに応じて位相と振幅とが制御される。
また、モード3において、バッテリ13の直流電力によってモータ11を駆動する場合には、インバータ15において直流側端子15aに入力されるバッテリ13の直流電力を、パルス幅変調(PWM)された信号によって3相交流電力に変換(直流−交流変換)して交流側端子15bから出力させる。このとき、マトリックスコンバータ14において入力側の何れかの相(例えば、X相またはY相またはZ相)で出力側の全相(例えば、U相およびY相およびW相の3相)に対応する双方向交流スイッチ(例えば、X相での双方向交流スイッチS1,S2,S3など)をオン状態かつ他の双方向交流スイッチ(例えば、Y,Z相での双方向交流スイッチS4〜S9など)をオフ状態として、マトリックスコンバータ14の出力側端子14bを互いに接続することによって、モータ11の3相の巻線31を互いに接続して中性点を生成する。
また、モード4において、発電機12の発電電力によってバッテリ13を充電し、かつ、モータ11を駆動しない(つまり、モータ11からトルクを発生させない)場合には、例えばモータ11の回転時であれば、例えば図4に示すように、トルク軸方向の電流(つまりq軸電流Iq)をゼロとし、界磁軸方向に電流(つまりd軸電流Id)を通電する。
そして、インバータ15の交流側電圧Viをd軸電流Idの電流位相にあわせるようにしてインバータ15を制御することによって、バッテリ13を充電する。
この場合、モータ電圧Vmoは、モータ11の誘起電圧定数Keおよび回転角速度ωによる誘起電圧(逆起電圧)Ve(=ωKe)と、d軸電流Idおよび相抵抗rによる電圧(rId)と、d軸インダクタンスLdおよびd軸電流Idによる電圧(ωLdId)とがベクトル合成されて得られる。
また、モード5において、発電機12が停止している状態でバッテリ13の出力電力によって発電機12を始動させる場合には、インバータ15の電力変換(直流−交流変換)動作によってモータ11の回転位置を固定する制御を行なう。そして、マトリックスコンバータ14では、インバータ15による制御(つまり、モータ11の回転位置を固定する制御)の結果として出力側端子14bに発生する電圧(つまり電圧センサ22により検出される電圧)にあわせて発電機12が始動するように制御を行なう。
また、モード6において、発電機12の発電電力およびバッテリ13の出力電力によってモータ11を駆動する場合には、例えば図5に示すように、インバータ15の交流側電圧Viをトルク軸方向の逆方向に印加するように制御する。つまり、マトリックスコンバータ14の出力電圧Vmcと、インバータ15の交流側電圧Viとの相対的な電圧位相差を、電気角で180°だけずらすように制御する。これにより、モータ11に印加される電圧であるモータ電圧Vmoの最大値を増大させることが可能になる。
なお、モータ電圧Vmoは、モータ11の誘起電圧定数Keおよび回転角速度ωによる誘起電圧(逆起電圧)Ve(=ωKe)と、q軸電流Iqおよび相抵抗rによる電圧(rIq)と、q軸インダクタンスLqおよびq軸電流Iqによる電圧(ωLqIq)とがベクトル合成されて得られる。
このモード6では、発電機12の発電電力のみによってモータ11を駆動する場合に比べて、インバータ15の交流側端子15bにあらわれるバッテリ13の出力電力を追加することが可能となり、モータ11への最大印加電圧Vを増大させることができる。
つまり、マトリックスコンバータ14で発電機12の発電電力を電力変換する場合、マトリックスコンバータ14の出力電圧Vmcは発電機12の逆起電圧以下になり、モータ11に印加される最大電圧は、発電機12の最大出力電圧の0.866((√3)/2)倍になる。
これに対して、モード6においては、例えば図6に示すように、発電機12の発電電力およびバッテリ13の出力電力によってモータ11を駆動する場合のモータ11への最大印加電圧Vは、マトリックスコンバータ14の最大出力電圧Vmaxにバッテリ13の出力電圧Vが加算された値(Vmax+V)となる。
上述したように、本実施形態によるモータ駆動用電源装置10によれば、順次、発電機12とマトリックスコンバータ14とモータ11とインバータ15とバッテリ13とを直列に接続した装置構成によって、モード1〜モード5の各種の動作を柔軟に、かつ制約を抑制して制御可能としつつ、装置構成が複雑化することを防止することができる。
例えばモード1では、モータ11の各相毎に独立した巻線31を、インバータ15において互いに接続して、中性点を生成することができる。
また、例えばモード3では、モータ11の各相毎に独立した巻線31を、マトリックスコンバータ14において互いに接続して、中性点を生成することができる。
また、モード2では、マトリックスコンバータ14およびインバータ15の各電力変換動作によってモータ11の駆動とバッテリ13の充電とを行なうことができる。
これらによれば、マトリックスコンバータ14の制御とインバータ15の制御とを組み合わせて、モード1〜モード5の各種の動作を行なうことができ、例えばバッテリ13と発電機12およびモータ11との間での電気エネルギーの授受のために、各発電機12およびモータ11毎にインバータを設ける必要が生じることを防止して、バッテリ13に対して1つのインバータ15を設けるだけの単純な装置構成とすることができる。
さらに、モード4において、トルク軸方向の電流をゼロにすることで、回転状態のモータ11にトルクが印加しないようにして、発電機12およびマトリックスコンバータ14からモータ11およびバッテリ13に通電を行なうことができる。これにより、発電機12の発電電力によってバッテリ13を充電する際に、この充電に伴うトルクがモータ11に対して発生してしまうことを防止することができる。このため、例えばモータ11を車両駆動用モータとして用いる場合であっても、バッテリ13の充電時のトルク変動の発生により車両の乗員に違和感を与えることを防止することができる。
さらに、モード6において、モータ11への最大印加電圧Vを、マトリックスコンバータ14の最大出力電圧Vmaxにバッテリ13の出力電圧Vが加算された値(Vmax+V)とすることができ、例えば予めモータ11の各相毎の巻線31が互いに接続されて中性点が生成されている場合に比べて、モータ11への最大印加電圧Vをバッテリ13の出力電圧Vだけ増大させることができる。
さらに、モード5において、モータ11の回転停止状態を維持しつつ、バッテリ13の出力電力によって発電機12を始動することができ、例えば発電機12を始動するための特別な蓄電装置を設ける必要無しに、装置構成が複雑化することを防止して発電機12を始動させることができる。
なお、上述した実施の形態において、モード5でモータ11の回転位置を固定する制御は、例えば瞬時に正負が反転する通電をモータ11に行なうことで、モータの停止状態を維持したり、例えばモータ11の回転位置を検出する回転センサを備え、この回転センサから出力される検出結果の信号に基づき、モータ11の回転を抑制するようにして、所定回転未満の正転と逆転とを交互に行なわせるなどである。
10 モータ駆動用電源装置
11 モータ
12 発電機
13 バッテリ(蓄電装置)
14 マトリックスコンバータ
14a 入力側端子
14b 出力側端子
15 インバータ
15a 直流側端子
15b 交流側端子
17 制御装置
31 巻線

Claims (4)

  1. モータと、発電機と、蓄電装置と、マトリックスコンバータと、インバータとを備え、
    前記マトリックスコンバータの入力側端子は前記発電機に接続され、前記マトリックスコンバータの出力側端子は前記モータに接続され、
    前記インバータの直流側端子は前記蓄電装置に接続され、前記インバータの交流側端子は前記モータに接続され、
    前記モータは各相毎に独立した巻線を備え、前記各相毎に、前記巻線の一端は前記マトリックスコンバータの前記出力側端子に接続され、前記巻線の他端は前記インバータの前記交流側端子に接続されていることを特徴とするモータ駆動用電源装置。
  2. 前記マトリックスコンバータの出力電圧と前記モータの逆起電圧と前記インバータの交流側電圧との振幅および位相を制御して、前記モータのトルク軸方向の電流がゼロとなるようにして、かつ、前記モータの界磁軸方向の電流を通電することにより、前記発電機の発電電力によって前記蓄電装置を充電する制御手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動用電源装置。
  3. 前記制御手段は、前記マトリックスコンバータの前記出力電圧と、前記インバータの前記交流側電圧との相対的な電圧位相差を、電気角で180°だけずらして、前記発電機の前記発電電力および前記蓄電装置の出力電力によって前記モータを駆動することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のモータ駆動用電源装置。
  4. 前記制御手段は、前記発電機の始動時に、前記インバータから前記モータへの通電によって前記モータが回転停止状態となるようにして、前記蓄電装置の前記出力電力によって前記発電機を始動することを特徴とする請求項1から請求項3の何れかひとつに記載のモータ駆動用電源装置。
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