JP2011211373A - 信号伝送システム、信号処理装置、基準信号送信装置、基準信号受信装置、電子機器、信号伝送方法 - Google Patents

信号伝送システム、信号処理装置、基準信号送信装置、基準信号受信装置、電子機器、信号伝送方法 Download PDF

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Abstract

【課題】干渉・ノイズ・信号歪み・不要輻射・使える周波数などの問題を解決しつつ、各箇所に基準信号を供給する手法を提供する。
【解決手段】源基準信号J0と同期したより高い周波数の逓倍基準信号J1を逓倍基準信号生成部5200で生成して伝送し、基準信号再生部7400で逓倍基準信号J1と同期したより低い周波数の基準信号REFCLKを生成する。送信チップ8001は、基準信号REFCLK_TX に基づいて搬送信号Lo_TX を生成し、周波数混合部8302は入力信号INで搬送信号Lo_TX を変調する。受信チップ8002は、基準信号REFCLK_RX に基づいて搬送信号Lo_RX を生成し、周波数混合部8402により受信信号を搬送信号Lo_RX で同期検波する。
【選択図】図4

Description

本発明は信号伝送システム、信号処理装置、基準信号送信装置、基準信号受信装置、電子機器、信号伝送方法に関する。より詳細には、基準信号(基準クロック)を使用して信号処理を行なう仕組みに関する。たとえば、複数の無線通信装置間で通信を行なう際の局部発振信号の取扱いに関する。
電子機器においては、基準信号(基準クロック)を使用して信号処理を行なうことがある。この場合に、基準信号を必要とする回路機能部が複数ある場合には、各箇所に如何様にして基準信号を持たせる(各回路機能部に供給する)かが問題となる。
たとえば、電子機器内にデジタル回路のクロックやシンセサイザの基準として、水晶発振器などで生成する基準信号が必要なチップ(半導体集積回路)が複数必要な場合、各チップに発振器を持たせることが考えられる。しかしながらこの場合、複数の発振信号の干渉が発生し、ノイズ対策が必要となる。
基準信号を共通化して、各所にその基準信号を伝送すると干渉がなくなり、ノイズ対策は不要となる。しかしながらこの場合は、基準信号を共通化して各所に伝送するための配線が必要となり、反射などによる信号歪みの影響の増加が懸念されるし、基準信号のレベルが大きくなると不要輻射の問題も発生する。たとえば、比較的近距離(たとえば数センチ〜10数センチ以内)に配置されている電子機器間や電子機器内での高速信号伝送を実現する手法としてLVDS(Low Voltage Differential Signaling)が知られており、このLVDSを適用して基準信号を伝送することが考えられる。しかしながら、基準信号の周波数が高くなるとLVDSでは信号歪みや不要輻射などの問題のため限界に達してきている。
また、通信の分野で同期検波を使用した通信を行なう場合、送信装置と受信装置(纏めて送受信器とも称する)のそれぞれの局部発振周波数が同期している必要がある。この同期のために、共通の基準信号に基づいて局部発振信号を生成することが考えられる。この場合、局部発振周波数の同期はとれるが、前述のように、基準信号を共通化して送信装置と受信装置に伝送するための配線が必要となるし、基準信号のレベルが大きくなると輻射の問題も発生する。別の手法として、同期のとれていない局部発振信号を使用しつつ、受信したベースバンド信号で同期をとることも考えられるが、回路規模や消費電力が大きくなってしまう。
また、特許文献1には、ミリ波帯の局部発振信号を送信し、各チップが受信した共通の局部発振信号を使用し、中間周波数帯信号をミリ波帯に上げて送受信するシステムが提案されている。しかしながらこの仕組みは、中間周波数帯信号を使う通信に限定したシステムであり、中間周波数帯信号以降の信号処理回路が必要となる。加えて、局部発振信号そのものを共用するため、局部発振信号として使える周波数は1種類のみとなる。
特開2003−244016号公報
基準信号を必要とする回路機能部が複数ある場合に、干渉・ノイズ・信号歪み・不要輻射・使える周波数などの問題を解決しつつ、各箇所に基準信号を供給する手法が求められる所であるが、その要求に応えられていないのが実情である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、干渉およびノイズの問題を解決しつつ、各箇所に基準信号を供給することのできる仕組みを提供することを第1の目的とする。また、本発明は、信号歪みや不要輻射の問題を解決しつつ、各箇所に基準信号を供給することのできる仕組みを提供することを第2の目的とする。さらに本発明は、基準信号として使える周波数を複数にすることができる仕組みを提供することを第3の目的とする。なお、好ましくは、前記の3つの目的を任意に組み合わせて同時に解決できる仕組みを提供することを目的とする。
以下に述べる本発明に係る信号伝送システムは、基準信号伝送システム、無線伝送システム、および通信システムを含む。以下に述べる信号処理装置は通信装置を含む。通信装置は、送信装置、受信装置、および送信装置と受信装置が組み合わされた送受信装置を含む。以下に述べる信号伝送方法は、基準信号伝送方法、無線伝送方法、および通信方法を含む。
本発明の一態様は、高周波基準信号生成部、低周波基準信号、および信号処理部でシステムを構築する。源基準信号と同期し、かつ源基準信号よりも高い周波数の高周波基準信号を高周波基準信号生成部で生成する。高周波基準信号と同期し、かつ高周波基準信号よりも低い周波数の低周波基準信号を低周波基準信号生成部で生成する。
高周波基準信号および低周波基準信号を介在させることで、実質的に源基準信号と同期した基準信号を各所に伝送できるようになる。低周波基準信号や低周波基準信号に基づいて生成する他の基準信号(たとえば変復調に使用する搬送信号)の周波数は逓倍数や分周比により設定すればよく、これら設定値には自由度があるので、基準信号として使える周波数を複数にすることができる。
高周波基準信号の伝送は無線であるか有線であるかを問わないが、無線にすれば、信号歪みや不要輻射の問題を解決できる。
信号処理部は、低周波基準信号に基づいて信号処理を行なう。たとえば、通信処理に適用する場合であれば、送信装置は低周波基準信号に基づいて生成した搬送信号を変調処理に使用するし、受信装置は低周波基準信号に基づいて生成した搬送信号を復調処理に使用する。
源基準信号と同期した高周波基準信号を伝送し、この高周波基準信号を受け取った側では高周波基準信号と同期した低周波基準信号を生成する。信号処理部は、低周波基準信号に基づいて信号処理を行なうが、低周波基準信号は、高周波基準信号だけでなく源基準信号とも同期したものとなるから、源基準信号と同期のとれた信号処理を実現できる。
源基準信号と同期した高周波基準信号に基づいて低周波基準信号を生成するので、各チップが水晶発振器などの基準信号発生手段を持つ必要がなくなる。
本発明の一態様によれば、源基準信号と同期した基準信号を各所に伝送でき、干渉およびノイズの問題を解決できる。
本発明の他の態様によれば、無線で高周波基準信号を伝送すれば、信号歪みや不要輻射の問題を解決できる。
本発明の他の態様によれば、基準信号として利用し得る低周波基準信号や低周波基準信号に基づいて生成する他の基準信号の周波数を複数にすることができる。
第1実施形態の基準信号伝送システムを説明する図である。 基準信号伝送システムの基本構成を説明する図である。 無線伝送システムの変調機能部および復調機能部を説明する図である。 第1実施形態の通信システムにおける全体動作を説明する図である。 第2実施形態の基準信号伝送システムを説明する図である。 第1比較例を示す図である。 第2比較例を示す図である。 第3比較例を示す図である。 電子機器の第1例を説明する図である。 電子機器の第2例を説明する図である。 電子機器の第3例を説明する図である。 無線伝送システムの第1適用例を説明する図である。 の無線伝送システムの第2適用例を説明する図である。 無線伝送システムの第3適用例(その1−1)を説明する図である。 無線伝送システムの第3適用例(その1−2)を説明する図である。 無線伝送システムの第3適用例(その2)を説明する図である。 無線伝送システムの第4適用例(その1)を説明する図である。 無線伝送システムの第4適用例(その2)を説明する図である。 位相不確定性を説明する図である。 位相補正部の構成例を説明する図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。各機能要素について実施形態別に区別する際には、A,B…などのように大文字の英語の参照子を付して記載し、特に区別しないで説明する際にはこの参照子を割愛して記載する。図面においても同様である。
なお、説明は以下の順序で行なう。
1.通信システム:第1実施形態
2.基準信号伝送システム
3.無線伝送システム
4.第1実施形態の纏め
5.通信システム:第2実施形態
6.比較例との対比
7.電子機器への適用事例(第1例〜第3例)
8.無線伝送システムへの適用事例(第1適用例〜第4適用例)
9.位相不確定性とその対策
<通信システム:第1実施形態>
図1は、第1実施形態の基準信号伝送システムを説明する図である。第1実施形態の基準信号伝送システム3Aは、通信システム8Aに適用した事例である。
第1実施形態の通信システム8Aは、伝送対象信号を無線で伝送する複数の通信装置2を備えた無線伝送システム1A(信号伝送システム)と、基準信号伝送システム3Aを備えている。通信装置2は、通信チップ8000を有する。通信チップ8000は、後述の送信チップ8001(TX)と受信チップ8002(RX)の何れか一方または両方でもよいし、送信チップ8001と受信チップ8002の双方の機能を1チップ内に具備し双方向通信に対応したものでもよい。好ましい態様は、図示のように通信装置2に通信チップ8000と基準信号受信装置7が組み込まれた場合であるが、これには限定されない。
第1実施形態の基準信号伝送システム3Aは、通信装置2が使用する基準信号(この例では搬送信号・局部発振信号)を無線で送信する基準信号送信装置5と、通信装置2ごとに設けられた基準信号受信装置7を備えている。後述する第2実施形態との相違点として、基準信号送信装置5を各通信装置2とは別に設けるようにしている点に特徴を有する。
ここでは、各通信装置2が信号伝送に使用する搬送周波数の帯域と基準信号送信装置5と各基準信号受信装置7との間での基準信号の伝送に使用する搬送周波数の帯域がともにミリ波帯であるものとする。
図の例は、4台の通信装置2_1〜2_4と、1台の基準信号送信装置5と、4台の基準信号受信装置7_1〜7_4が1つの電子機器の筐体内に収容された例で示しているが、通信装置2および基準信号受信装置7の設置台数は4に限らないし、これらが1つの電子機器の筐体内に収容されたものであることも必須でない。
図の例は、通信装置2と基準信号送信装置5と基準信号受信装置7が同じミリ波帯の周波数を使用することに着目して1つのアンテナを共用する形態で記載しているがこのことは必須でない。たとえば、通信装置2間ではミリ波帯よりも周波数の低い帯域を使用し、基準信号送信装置5と基準信号受信装置7との間ではミリ波帯を使用するなど両者の使用する通信帯域が異なるときにはそれぞれに適したアンテナを各別に使用するとよい。
図の例は、通信チップ8000と基準信号受信装置7を各別の機能部として示しているが、通信チップ8000が基準信号受信装置7の機能部を包含する構成にしてもよい。
<基準信号伝送システム>
図2は、基準信号伝送システム3の基本構成を説明する図である。
基準信号送信装置5(CW−TX)は、源基準信号生成部5100、逓倍基準信号生成部5200、増幅部5300、アンテナ5400を備えている。
源基準信号生成部5100は、システム全体の基準となるタイミング信号(源基準信号J0と称する)を生成する。一例としては、源基準信号生成部5100は、水晶発振器(XTAL)などで周波数fckの源基準信号J0を発生させる。
逓倍基準信号生成部5200は、源基準信号J0の周波数をミリ波帯の周波数に逓倍することでミリ波帯のタイミング信号を生成する、すなわち、源基準信号J0をミリ波帯の逓倍基準信号J1に変換する。逓倍基準信号J1は高周波基準信号の一例であり、逓倍基準信号生成部5200は、源基準信号生成部5100で生成された源基準信号J0に基づいてより高い周波数の高周波基準信号(逓倍基準信号J1)を生成する高周波基準信号生成部の一例である。
逓倍基準信号生成部5200は源基準信号J0と同期したより高い周波数の高周波基準信号(逓倍基準信号J1)を生成できるものであればよく、種々の回路構成を採り得るが、たとえばPLL(Phase-Locked Loop :位相同期ループ)やDLL(Delay-Locked Loop :遅延同期ループ)などで構成するのが好適である。逓倍基準信号生成部5200は、後述の変調機能部8300と同様の構成により、源基準信号J0で搬送信号Loを変調することで、いわゆる無変調キャリアとして逓倍基準信号J1を生成するようにしてもよい。以下では、逓倍基準信号生成部5200をPLL構成とするものとして説明する。
PLL構成の逓倍基準信号生成部5200は、発振部5210(OSC)と、分周部5220(DIV:帰還分周器)と、位相周波数比較部5230(PFD)と、ループフィルタ部5250とを備えている。
発振部5210は、ミリ波帯の高周波信号を発生できるものであればよく、たとえば信号電圧制御発振回路(VCO:Voltage Controlled Oscillator )と電流制御発振回路(CCO;Current Controlled Oscillator )の何れを採用してもよい。
分周部5220は、逓倍機能を実現するために備えられるもので、発振部5210から出力された出力発振信号Vout (=逓倍基準信号J1)の発振周波数Fosc を1/ηに分周して比較クロック信号の一例である分周発振信号Vout1を取得する。ηは、PLL逓倍数(分周比とも称する)であって、1以上の正の整数で、かつ、PLL出力クロックである逓倍基準信号J1の周波数を変更できるように可変にするのがよい。
位相周波数比較部5230は、源基準信号生成部5100から供給される源基準信号J0(外部基準クロック)と分周部5220からの分周発振信号Vout1の位相および周波数を比較し、比較結果である位相差および周波数差を示す誤差信号としての比較結果信号Vcpを生成する。
位相周波数比較部5230の出力段は一例としてチャージポンプ部を有する。チャージポンプ部は、比較結果信号Vcpに応じた駆動電流(チャージポンプ電流Icpと称する)を入出力する。チャージポンプ部は、たとえば、チャージポンプ電流Icpを入出力するチャージポンプと、チャージポンプにバイアス電流Icpbiasを供給する電流値可変型の電流源とを備えて構成される。
ループフィルタ部5250は、位相周波数比較部5230からチャージポンプ部を介して出力された比較信号を平滑化する平滑化部の一例である。ループフィルタ部5250は、たとえばローパスフィルタLPFをフィルタ回路として具備し、チャージポンプ部により生成されたチャージポンプ電流Icpをフィルタ回路で積分し、発振部5210の発振周波数Fosc を制御するためのループフィルタ出力信号Slpを生成する。
ループフィルタ部5250は、発振部5210に適合するようにその出力段を対応した構成とする。たとえば、発振部5210が電流制御発振回路で構成される場合には、ループフィルタ部5250は、電流出力型とするため、詳しくは、フィルタ回路の後段に電圧電流変換部が設けられる。発振部5210が電圧制御発振回路で構成される場合には、ループフィルタ部5250は、電圧出力型とすればよく、フィルタ回路の後段に電圧電流変換部を設ける必要はない。
増幅部5300は、周波数変換後のミリ波帯の逓倍基準信号J1を増幅してアンテナ5400と接続された伝送路結合部5310に供給する。
このような構成の基準信号送信装置5は、源基準信号生成部5100で発生させた源基準信号J0を逓倍基準信号生成部5200で逓倍することでミリ波帯の逓倍基準信号J1に変換し、小型のアンテナ5400を用いて送信する基準信号送信器として機能する。
基準信号受信装置7(CW−RX)は、アンテナ7100、増幅部7200、逓倍基準信号再生部7300、基準信号再生部7400(DIV)を備えている。
アンテナ7100で受信されたミリ波帯の逓倍基準信号J1は、伝送路結合部7210を介して増幅部7200に供給される。増幅部5300は、ミリ波帯の逓倍基準信号J1を増幅して逓倍基準信号再生部7300に供給する。
逓倍基準信号再生部7300は、周波数および位相が送信側の逓倍基準信号J1と完全に同一の、つまり、周波数同期および位相同期した高周波基準信号J3を抽出し基準信号再生部7400に供給する。なお、ここでは「周波数および位相が送信側の逓倍基準信号J1と完全に同一」といったが、このことは必須ではなく、少なくとも位相同期がとれていればよく、場合によっては、周波数が逓倍基準信号J1と異なっていてもよい。
逓倍基準信号再生部7300としては、種々の構成が考えられるが、たとえば、無変調キャリアと等価な逓倍基準信号J1に一致した線スペクトルを発生させこれを共振回路や注入同期分周器(ILD)回路に入力して逓倍基準信号J1の周波数の整数分の1(1/ξ_1)となる信号を再生する方式などが考えられる。図は注入同期方式を用いる場合で示している。逓倍基準信号J1の分周手段として、注入同期方式を用いることで、簡素かつ低消費電力な回路を構成できる。
基準信号再生部7400は、逓倍基準信号再生部7300により再生された高周波基準信号J3の周波数を1/ξ_2に分周して、基準信号REFCLKとして通信装置2に供給する。ξ_2は、逓倍数(分周比とも称する)であって、基準信号REFCLKの周波数を変更できるように可変にするのがよい。逓倍基準信号再生部7300の1/ξ_2と基準信号再生部7400の1/ξ_2を合わせることで逓倍基準信号J1を1/ξに分周する。図ではこの「1/ξ」を基準信号再生部7400に纏めて記す。基準信号REFCLKは低周波基準信号の一例であり、基準信号再生部7400は、逓倍基準信号生成部5200で生成された高周波基準信号(逓倍基準信号J1)に基づいてより低い周波数の低周波基準信号(基準信号REFCLK)を生成する低周波基準信号生成部の一例である。
各通信装置2が使用する基準信号REFCLKの周波数は同じである必要はなく、それぞれが必要とする周波数となるように逓倍数ξを決めればよい。受信側の逓倍数ξを送信側の逓倍数ηと一致させることは必須ではないし、各通信装置2に対応した基準信号受信装置7のそれぞれが異なる値としてもよい。たとえば、高周波基準信号J3の周波数が逓倍基準信号J1の周波数と同じである場合は、受信側の逓倍数ξを送信側の逓倍数ηと一致させると、源基準信号J0と基準信号REFCLKの周波数が一致する。
このような構成の基準信号受信装置7は、ミリ波帯に変換された逓倍基準信号J1を小型のアンテナ7100で受信し、逓倍基準信号再生部7300で再生された高周波基準信号J3を基準信号再生部7400で分周することで基準信号REFCLKを再生する基準信号受信器として機能する。
このような基準信号送信装置5と基準信号受信装置7で構成された基準信号伝送システム3は、周波数同期のとれた基準信号を無線で伝送できるようなシステムとなる。
この例では、基準信号を逓倍基準信号J1に共通化して、各所に逓倍基準信号J1を伝送するようにしているので、干渉がなくなり、ノイズ対策は不要である。また、この例では、逓倍基準信号J1を無線で各所に伝送するようにしているので、電気配線が不要であり、信号歪みや不要輻射の問題を解決しつつ、各箇所に逓倍基準信号J1を供給することができる。さらにこの例では、高周波基準信号J3を元に、各所で必要な周波数の基準信号REFCLKを用意できるので、基準信号として使える周波数を各通信装置2に対応したものとすることができる。
この例では、高周波基準信号J3の周波数を1/ξに分周する機能部を基準信号受信装置7側に設けているが、基準信号受信装置7側には設けずに、同一の機能部を通信装置2側に設けてもよい。また、基準信号受信装置7に基準信号再生部7400を設けるとともに、さらに別の逓倍数εを実現する機能部を通信装置2側に設けてもよい。
<無線伝送システム>
図3は、無線伝送システム1の変調機能部および復調機能部を説明する図である。
基準信号REFCLKが必要な送信チップ8001(TX)と受信チップ8002(RX)で無線伝送システム1(通信システム)の基本が構成されている。送信チップ8001には変調機能部8300と増幅部8117が設けられている。受信チップ8002には増幅部8224と、復調機能部8400と、フィルタ処理部8410と、バッファ部8418が設けられている。
[変調機能部]
伝送対象の信号(ベースバンド信号:たとえば12ビットの画像信号)は図示しない信号生成部により、高速なシリアル・データ系列に変換され変調機能部8300に供給される。変調機能部8300は、基準信号REFCLK(低周波基準信号)に基づいて信号処理を行なう信号処理部の一例であり、パラレルシリアル変換部からの信号を変調信号として、予め定められた変調方式に従ってミリ波帯の信号に変調する。
変調機能部8300としては、変調方式に応じて様々な回路構成を採り得るが、たとえば、振幅を変調する方式であれば、2入力型の周波数混合部8302(ミキサー回路、乗算器)と送信側局部発振部8304を備えた構成を採用すればよい。
送信側局部発振部8304(第1搬送信号生成部)は、変調に用いる搬送信号Lo_TX (変調搬送信号)を生成する。送信側局部発振部8304は、基準信号再生部7400により生成された基準信号REFCLKと同期したより高い周波数の搬送信号(第2の高周波基準信号の一例)を生成する第2の高周波基準信号生成部の一例である。
周波数混合部8302(第1周波数変換部)は、パラレルシリアル変換部からの信号で送信側局部発振部8304が発生するミリ波帯の搬送信号Lo_TX と乗算(変調)してミリ波帯の伝送信号(被変調信号)を生成して増幅部8117に供給する。伝送信号は増幅部8117で増幅されアンテナ8136からミリ波帯の無線信号Smとして放射される。
送信側局部発振部8304は、基準信号REFCLK_TX に基づいて搬送信号Lo_TX を生成するものであればよく、種々の回路構成を採り得るが、たとえば、PLLやDLLなどで構成するのが好適である。以下では、PLL構成で説明する。
PLL構成の送信側局部発振部8304は、発振部8362(OSC)と、分周部8364(DIV:帰還分周器)と、位相周波数比較部8366(PFD)と、ループフィルタ部8368とを備えている。
発振部8362は、所定周波数帯(ミリ波帯には限らない)の高周波信号を発生できるものであればよく、たとえば信号電圧制御発振回路(VCO)と電流制御発振回路(CCO)の何れを採用してもよい。
分周部8364は、逓倍機能を実現するために備えられるもので、発振部8362から出力された搬送信号Lo_TX の周波数Foを1/ε_TX に分周して比較クロック信号の一例である分周発振信号DIV_TX を取得する。ε_TX は、PLL逓倍数(分周比とも称する)であって、1以上の正の整数で、かつ、PLL出力クロックである搬送信号Lo_TX の周波数Foを変更できるように可変にするのがよい。
位相周波数比較部8366は、基準信号受信装置7から供給される基準信号REFCLK_TX と分周部8364からの分周発振信号DIV_TX の位相および周波数を比較し、比較結果である位相差および周波数差を示す誤差信号としての比較結果信号Vcp_TX を生成する。この位相周波数比較部8366は位相周波数比較部5230と同等のものである。
ループフィルタ部8368は、位相周波数比較部8366からチャージポンプ部を介して出力された比較信号を平滑化する平滑化部の一例であり、ループフィルタ部5250と同等のものである。ループフィルタ部8368は、たとえばローパスフィルタLPFをフィルタ回路として具備し、チャージポンプ部により生成されたチャージポンプ電流Icp_TX をフィルタ回路で積分し、発振部8362の発振周波数Foを制御するためのループフィルタ出力信号Slp_TX を生成する。
[復調機能部]
復調機能部8400は、送信側の変調方式に応じた範囲で様々な回路構成を採用し得るが、ここでは、変調機能部8300の前記の説明と対応するように、振幅が変調されている方式の場合で説明する。
復調機能部8400は、基準信号REFCLK(低周波基準信号)に基づいて信号処理を行なう信号処理部の一例である。復調機能部8400は、2入力型の周波数混合部8402(ミキサー回路、乗算器)と受信側局部発振部8404とを備え、アンテナ8236で受信された受信信号からいわゆる同期検波方式により信号復調を行なう。同期検波方式では、搬送波を周波数混合部8402とは別の受信側局部発振部8404で再生し、再生搬送波を利用して復調を行なう。同期検波を使用した通信では、送受信の搬送信号は、周波数同期および位相同期がとれていることが必要である。
図示した例では、周波数混合部8402の後段にフィルタ処理部8450とバッファ部8418が設けられている。フィルタ処理部8410には、たとえば低域通過フィルタ(LPF)が設けられ、乗算出力に含まれる高調波成分を除去する。
バッファ部8418は、図示しない後段回路(信号生成部・信号再生部)とのインタフェース機能をなす。後段回路としては、たとえば、クロック再生部(CDR:クロック・データ・リカバリ /Clock Data Recovery)とシリアルパラレル変換部が設けられる。
アンテナ8236で受信された受信信号は可変ゲイン型でかつローノイズ型の増幅部8224(LNA)に入力され振幅調整が行なわれた後に復調機能部8400に供給される。振幅調整された受信信号は周波数混合部8402に入力され、同期検波により周波数混合部8402にて乗算信号が生成され、フィルタ処理部8410に供給される。周波数混合部8402で生成された乗算信号は、フィルタ処理部8410の低域通過フィルタで高域成分が除去されることで送信側から送られてきた入力信号の波形(ベースバンド信号)が生成され、バッファ部8418を介して図示しないクロック再生部に供給される。
クロック再生部は、ベースバンド信号を元にサンプリング・クロックを再生し、再生したサンプリング・クロックでベースバンド信号をサンプリングすることで受信データ系列を生成する。生成された受信データ系列は図示しないシリアルパラレル変換部に供給され、パラレル信号(たとえば12ビットの画像信号)が再生される。クロック再生の方式としては様々な方式があるがたとえばシンボル同期方式を採用する。
受信側局部発振部8404は、基準信号再生部7400により生成された基準信号REFCLKと同期したより高い周波数の搬送信号(第2の高周波基準信号の一例)を生成する第2の高周波基準信号生成部の一例である。受信側局部発振部8404は、基準信号REFCLK_RX に基づいて搬送信号を生成するものであればよく、種々の回路構成を採り得るが、たとえば、PLLやDLLなどで構成するのが好適である。以下ではPLL構成で説明する。
受信側局部発振部8404は、周波数および位相が送信側の搬送信号Lo_TX と完全に同一の、つまり、周波数同期および位相同期した復調用の搬送信号(復調搬送信号:再生搬送信号Lo_RX と称する)を抽出し、周波数混合部8402に供給する。周波数混合部8402は、再生搬送信号Lo_RX と受信信号とを乗算する。その乗算出力には伝送対象の信号成分である変調信号成分(ベースバンド信号)と高調波成分(場合によっては直流成分も)が含まれる。
PLL構成の受信側局部発振部8404は、発振部8462(OSC)と、分周部8464(DIV:帰還分周器)と、位相周波数比較部8466(PFD)と、ループフィルタ部8468とを備えている。
発振部8462は、送信側の搬送信号Lo_TX と同一周波数の高周波信号を発生できるものであればよく、たとえば信号電圧制御発振回路(VCO)と電流制御発振回路(CCO)の何れを採用してもよい。
分周部8464は、逓倍機能を実現するために備えられるもので、発振部8462から出力された搬送信号Lo_RX の周波数Foを1/ε_RX に分周して比較クロック信号の一例である分周発振信号DIV_RX を取得する。ε_RX は、PLL逓倍数(分周比とも称する)であって、1以上の正の整数で、かつ、PLL出力クロックである搬送信号Lo_RX の周波数を変更できるように(ただし送信側に一致するように)可変にするのがよい。
位相周波数比較部8466は、基準信号受信装置7から供給される基準信号REFCLK_RX と分周部8464からの分周発振信号DIV_RX の位相および周波数を比較し、比較結果である位相差および周波数差を示す誤差信号としての比較結果信号Vcp_RX を生成する。この位相周波数比較部8466は位相周波数比較部8366や位相周波数比較部5230と同等のものである。
ループフィルタ部8468は、位相周波数比較部8466からチャージポンプ部を介して出力された比較信号を平滑化する平滑化部の一例であり、ループフィルタ部8368やループフィルタ部5250と同等のものである。ループフィルタ部8468は、たとえばローパスフィルタLPFをフィルタ回路として具備し、チャージポンプ部により生成されたチャージポンプ電流Icp_RX をフィルタ回路で積分し、発振部8462の発振周波数Foを制御するためのループフィルタ出力信号Slp_RX を生成する。
<第1実施形態の纏め>
図4は、第1実施形態の通信システム8Aにおける全体動作を説明する図である。第1実施形態では、基準信号送信装置5から基準信号受信装置7へ源基準信号J0に基づく逓倍基準信号J1を送信し、基準信号受信装置7で再生した高周波基準信号J3に基づく基準信号REFCLKを使用して通信装置2でPLLなどにより搬送信号を生成して通信する。
たとえば、基準信号送信装置5は、源基準信号生成部5100で発生させた周波数fckの源基準信号J0を逓倍基準信号生成部5200でη倍に逓倍することでミリ波帯(周波数=η・fck)の逓倍基準信号J1に変換し、アンテナ5400を用いて送信する。基準信号受信装置7は、ミリ波帯に変換された逓倍基準信号J1を小型のアンテナ7100で受信し、逓倍基準信号再生部7300で再生された高周波基準信号J3を基準信号再生部7400で1/ξ倍に分周することで周波数がη/ξ・fckの基準信号REFCLKを再生し、対応する通信装置2に供給する。
ここでは、送信側の通信装置2_TX (送信チップ8001)用に対しては1/ξ_TX 倍にし、受信側の通信装置2_RX (受信チップ8002)用に対しては1/ξ_RX (≠1/ξ_TX )倍にするものとする。各通信装置2用の基準信号REFCLKとして使える周波数を複数にすることができる。
通信装置2は、基準信号REFCLKに基づいてたとえば各所で必要な周波数の搬送信号を生成する。なお、各通信装置2が使用する搬送信号の周波数は送信側と受信側の対で同じであればよく、異なる送受信対間では同じである必要はなく、それぞれが必要とする周波数となるようにすればよい。この対応のためには、各所で同一の(同一周波数の)基準信号REFCLKを基にして所要の周波数となるように逓倍数ε(各所で異なる)に対応した機能部を設けてもよいし、各所では同一の逓倍数εに設定し各所用の基準信号REFCLKの周波数を異なるものとしてもよい。
たとえば、送信チップ8001(送信側の通信装置2_TX )では、変調機能部8300は、送信側局部発振部8304が基準信号REFCLK_TX に基づいて周波数がη/ξ_TX ・ε_TX ・fckの搬送信号Lo_TX を生成し、周波数混合部8402は、ベースバンド信号で送信側局部発振部8304が発生する搬送信号Lo_TX と乗算してミリ波帯の伝送信号を生成して無線信号Smとしてアンテナ5400より放射する。
受信チップ8002(受信側の通信装置2_RX )受信側の通信装置2では、復調機能部8400は、受信側局部発振部8404が基準信号REFCLK_RX に基づいて周波数がη/ξ_RX ・ε_RX ・fckの再生搬送信号Lo_RX を生成し、周波数混合部8402は、受信信号と受信側局部発振部8404が発生する再生搬送信号Lo_RX と乗算してベースバンド信号を復調する。
ここで、受信側局部発振部8404(の分周部8464)は、再生搬送信号Lo_RX の周波数(η/ξ_RX ・ε_RX ・fck)が送信側の搬送信号Lo_TX の周波数(η/ξ_TX ・ε_TX ・fck)と一致するように逓倍数ε_RX を設定する。具体的には、対応する送受信対(送信側の2と受信側の通信装置2の組)ではε_TX /ξ_TX =ε_RX /ξ_RX となるようにすればよい。異なる送受信対(異なる通信チャネル)との関係では、それぞれの逓倍数εを異なるものとすることができる。
このように、第1実施形態では、基準信号送信装置5から出力される源基準信号J0をη倍に逓倍した逓倍基準信号J1が受信できる範囲内では、周波数同期のとれた基準信号REFCLKを再生させることができ、各チップが水晶発振器などの基準信号発生手段を持つ必要がなくなる。
源基準信号J0をη倍にした逓倍基準信号J1にミリ波帯のような非常に高い周波数を使うと、送受信のアンテナは、小型のもので対応できる。逓倍基準信号J1を無線で伝送するため、チップ間の配線を少なくできる。
複数の水晶発振器を使用する必要がないため、干渉が抑えられる。基準信号受信装置7から送信側の通信装置2に供給する基準信号REFCLK_TX の周波数(η/ξ_TX ・fck)と基準信号受信装置7から受信側の通信装置2に供給する基準信号REFCLK_RX の周波数(η/ξ_RX ・fck)が異なっても、同期がとれているので、干渉が抑えられる。
通信を行なう無線伝送システム1(送受信回路)において、搬送信号生成に、基準信号伝送システム3により伝送された基準信号REFCLKを使用することで、図で示した構成要素以外には周波数同期をとるための特段の仕組みが不要である。すなわち、送信側と受信側において周波数同期のとれた基準信号(この例では基準信号REFCLK)をそれぞれ再生し、PLLにより周波数同期のとれた搬送信号を生成し、同期検波による通信を行なうようになる。図で示した構成要素以外には周波数同期をとるための特段の仕組みが不要であり、システムや回路の簡略化が可能となる。
通信に使用する搬送信号は、基準信号REFCLKに基づいて各通信装置2にて生成するため、各送受信対の逓倍数εを異なるものとすることで、複数の周波数帯での通信が可能となる。各送受信対用の搬送信号として使える周波数を複数にすることができる。
基準信号送信装置5と基準信号受信装置7を必要とするので回路規模が増えるが、機器内信号伝送や機器間信号伝送に適用することで、機器内あるいは機器間でのクロック分配の一実現法として有用な仕組みになる。
<通信システム:第2実施形態>
図5は、第2実施形態の基準信号伝送システムを説明する図である。第2実施形態の基準信号伝送システム3Bは、通信システム8Bに適用した事例である。以下では、第1実施形態との相違点を中心に簡潔に説明する。なお、第2実施形態の無線伝送システム1Bおよび通信装置2は第1実施形態で説明したものと同じである。
第2実施形態の基準信号伝送システム3Bは、通信装置2が使用する基準信号を無線で送信する基準信号送信装置5と、通信装置2ごとに設けられた基準信号受信装置7を備えている。前述の第1実施形態との相違点として、基準信号送信装置5を通信装置2の何れか1つに組み込んで設けるようにしている点に特徴を有する。図の例は、5台の通信装置2_1〜2_5のうちの1台の通信装置2_1に基準信号送信装置5が組み込まれている。
基準信号送信装置5が組み込まれた1つの通信装置2には基準信号受信装置7を設ける必要はない。基準信号受信装置7が組み込まれる通信装置2は、源基準信号J0を基準信号REFCLKの代わりに使用すればよい。
第2実施形態の基準信号送信装置5および基準信号受信装置7のそれぞれは第1実施形態で説明したものと同じである。
全体の動作としては、第1実施形態と同様であるので説明を割愛する。
<比較例との対比>
[第1比較例]
図6は、第1比較例を示す図である。第1比較例は、「基準信号の持たせ方」に着目した比較例である。電子機器6000内には、基準信号REFCLKが必要なチップ6100が複数配置されている。
図6(1)に示す第1比較例(その1)では、各チップ6100は、デジタル回路のクロックやシンセサイザの基準となる基準信号REFCLKを生成する機能部として、源基準信号生成部5100と同様の源基準信号生成部6100を備えている。源基準信号生成部6100は、一例として、水晶発振器(XTAL)などで周波数fckの基準信号REFCLKを発生させる。
各チップ6100で基準信号REFCLKの周波数を同一にしようとしても、各所の水晶発振器にはばらつきがあるから完全に同一にすることはできないし、それぞれが独立して動作するので、同期しない。この場合、複数の基準信号REFCLKの干渉が発生し、ノイズ対策が必要となる。
図6(2)に示す第1比較例(その2)のように、各チップ6100の内の何れか1つに水晶発振器(XTAL)を接続して1箇所で基準信号REFCLKを生成して残りのチップ6100に供給することも考えられる。この場合、基準信号REFCLKが共通になるので、周波数のずれや位相同期の問題がなく、干渉がなくなり、ノイズ対策は不要となる。しかしながら、基準信号REFCLKを共通化するための配線6120が必要となるし、基準信号REFCLKのレベルが大きくなれば不要輻射の問題が発生する。
[第2比較例]
図6Aは、第2比較例を示す図である。第2比較例は、「通信システム」に着目した比較例であり、基本的な構成は図3に示した本実施形態の構成と似通っている。
図6A(1)に示す第2比較例(その1)は、共通の基準信号REFCLKに基づいて搬送信号Lo_TX と搬送信号Lo_RX を生成する点では、本実施形態の構成と同じであり、搬送信号の同期(周波数および位相の双方について)はとれる。しかしながら、基準信号REFCLKを共通化するための配線6230が必要となるし、基準信号REFCLKのレベルが大きくなれば不要輻射の問題が発生する。
図6A(2)に示す第2比較例(その2)のように、同期のとれていない各別の基準信号REFCLKを使用する場合には、バッファ部8418の後段(あるいは前段)に同期回路8419を設けて、復調したベースバンド信号で同期をとる必要があるが、回路規模や消費電力が大きくなってしまう。
[第3比較例]
図6Bは、第3比較例を示す図である。第3比較例も、「通信システム」に着目した比較例であり、特許文献1に記載のものに相当する。第3比較例は、搬送信号送信装置6を使用する点では、図3に示した本実施形態の構成と似通っている。しかしながら、第3比較例では、ミリ波帯の搬送信号(局部発振信号)を搬送信号送信装置6から各通信チップ6300に送信し、各通信チップ6300が受信した共通の搬送信号を使用し、入力された中間周波数信号をミリ波帯に上げて送受信する。第3比較例は、中間周波数信号を使う通信に限定したシステムであり、中間周波数信号以降の信号処理回路が必要となる。搬送信号そのものを共用するため、搬送信号として使える周波数は1種類のみとなる。
[本実施形態]
これに対して、本実施形態の仕組みでは、各所に共通の基準信号REFCLKを伝送するので、干渉およびノイズの問題を解決できる。また、無線通信で基準信号REFCLKを伝送するので電気配線を使用することに起因する各種(たとえば信号歪みや不要輻射)の問題を解決できる。さらに、逓倍数ξの設定で基準信号REFCLKの周波数を設定できる、つまり基準信号REFCLKとして使える周波数を複数にすることができる。また、同じ周波数の基準信号REFCLKを使用する場合でも、通信装置2の逓倍数εの設定次第で搬送信号の周波数を設定でき、搬送信号として使える周波数を複数にすることができる。
<電子機器への適用事例>
[第1例]
図7は、本実施形態の仕組みが適用される電子機器の第1例を説明する図である。第1例は、1つの電子機器の筐体内で無線により信号伝送を行なう場合での適用例である。電子機器としては固体撮像装置を搭載した撮像装置への適用例で示す。この種の撮像装置は、たとえばデジタルカメラやビデオカメラ(カムコーダ)あるいはコンピュータ機器のカメラ(Webカメラ)などとして市場に流通される。
第1通信装置(通信装置2に相当)が制御回路や画像処理回路などを搭載したメイン基板に搭載され、第2通信装置(通信装置2に相当)が固体撮像装置を搭載した撮像基板(カメラ基板)に搭載されているシステム構成となっている。以下では逓倍基準信号J1をミリ波帯で無線伝送するとともにデータをミリ波帯で無線伝送するものとして説明する。
撮像装置500の筐体590内には、撮像基板502とメイン基板602が配置されている。撮像基板502には固体撮像装置505が搭載される。たとえば、固体撮像装置505はCCD(Charge Coupled Device )で、その駆動部(水平ドライバや垂直ドライバ)も含めて撮像基板502に搭載する場合や、CMOS(Complementary Metal-oxide Semiconductor )センサの場合が該当する。
メイン基板602に第1通信装置として機能する半導体チップ103を搭載し、撮像基板502に第2通信装置として機能する半導体チップ203を搭載する。図示しないが、撮像基板502には、固体撮像装置505の他に撮像駆動部など周辺回路が搭載され、また、メイン基板602には画像処理エンジンや操作部や各種のセンサなどが搭載される。
半導体チップ103と半導体チップ203の何れか一方には基準信号送信装置5の機能を組み込む。また、半導体チップ103と半導体チップ203のそれぞれ(ただし基準信号送信装置5の機能を組み込んだものは除く)には、基準信号受信装置7の機能を組み込む。さらに、半導体チップ103と半導体チップ203のそれぞれには、送信チップ8001や受信チップ8002と同等の機能を組み込む。送信チップ8001と受信チップ8002の両機能を組み込むことで双方向通信にも対処できる。これらの点は、後述する他の適用事例でも同様である。
固体撮像装置505や撮像駆動部は、第1通信装置側のLSI機能部のアプリケーション機能部に該当する。LSI機能部には送信側の信号生成部が接続され、さらに伝送路結合部を介してアンテナ236と接続される。信号生成部や伝送路結合部は固体撮像装置505とは別の半導体チップ203に収容してあり撮像基板502に搭載される。
画像処理エンジンや操作部や各種のセンサなどは第2通信装置側のLSI機能部のアプリケーション機能部に該当し、固体撮像装置505で得られた撮像信号を処理する画像処理部が収容される。LSI機能部には受信側の信号生成部が接続され、さらに伝送路結合部を介してアンテナ136と接続される。信号生成部や伝送路結合部は画像処理エンジンとは別の半導体チップ103に収容してありメイン基板602に搭載される。
送信側の信号生成部はたとえば、多重化処理部、パラレルシリアル変換部、変調部、周波数変換部、増幅部などを具備し、受信側の信号生成部はたとえば、増幅部、周波数変換部、復調部、シリアルパラレル変換部、単一化処理部などを具備する。これらの点は、後述する他の適用事例でも同様である。
アンテナ136とアンテナ236との間で無線通信が行なわれることで、固体撮像装置505で取得される画像信号は、アンテナ間の無線信号伝送路9を介してメイン基板602へと伝送される。双方向通信に対応するように構成してもよく、この場合たとえば、固体撮像装置505を制御するための基準クロックや各種の制御信号は、アンテナ間の無線信号伝送路9を介して撮像基板502へと伝送される。
図7(1),(2)の何れも、2系統のミリ波信号伝送路9が設けられており、その内の一方をデータ伝送に使用し他方を逓倍基準信号J1の伝送に使用するようにしている。ここで、図7(1)に示す例は、自由空間伝送路9Bが無線信号伝送路9として使用されており、データ伝送用の周波数帯(搬送信号の周波数f1)と逓倍基準信号J1の周波数f0を干渉が起きない程度に離している。図7(2)では、周囲が遮蔽材MZで囲まれ内部が中空の構造の中空導波路9Lが無線信号伝送路9として使用されており、データ伝送用の周波数帯と逓倍基準信号J1の周波数を同じにしても干渉が起きないようにしている。
[第2例]
図7Aは、本実施形態の仕組みが適用される電子機器の第2例を説明する図である。第2例は、複数の電子機器が一体となった状態での電子機器間で無線により信号伝送を行なう場合での適用例である。特に、一方の電子機器が他方の電子機器に装着されたときの両電子機器間の信号伝送への適用である。なお、以下では逓倍基準信号J1をミリ波帯で無線伝送するとともに、データをミリ波帯で無線伝送するものとして説明する。
たとえば、中央演算処理装置(CPU)や不揮発性の記憶装置(たとえばフラッシュメモリ)などが内蔵されたいわゆるICカードやメモリカードを代表例とするカード型の情報処理装置を本体側の電子機器に装着可能(着脱自在)にしたものがある。一方(第1)の電子機器の一例であるカード型の情報処理装置を以下では「カード型装置」とも称する。本体側となる他方(第2)の電子機器を以下では単に電子機器とも称する。
メモリカード201Bの構造例(平面透視および断面透視)が図7A(1)に示されている。電子機器101Bの構造例(平面透視および断面透視)が図7A(2)に示されている。 電子機器101Bのスロット構造4(特に開口部192)にメモリカード201Bが挿入されたときの構造例(断面透視)が図7A(3)に示されている。
スロット構造4は、電子機器101Bの筺体190にメモリカード201B(その筐体290)を開口部192から挿抜して固定可能な構成となっている。スロット構造4のメモリカード201Bの端子との接触位置には受け側のコネクタ180が設けられる。無線伝送に置き換えた信号についてはコネクタ端子(コネクタピン)が不要である。
図7A(1)に示すようにメモリカード201Bの筐体290に円筒状の凹形状構成298(窪み)を設け、図7A(2)に示すように電子機器101Bの筺体190に円筒状の凸形状構成198(出っ張り)を設けている。メモリカード201Bは、基板202の一方の面に半導体チップ203を有し、基板202の一方の面にはアンテナ236が形成されている。筐体290は、アンテナ236と同一面に凹形状構成298が形成され、凹形状構成298の部分が無線信号伝送可能な誘電体素材を含む誘電体樹脂で構成される。
基板202の一辺には、筐体290の決められた箇所で電子機器101Bと接続するための接続端子280が決められた位置に設けられている。メモリカード201Bは、低速・小容量の信号用や電源供給用に、従前の端子構造を一部に備える。ミリ波での信号伝送の対象となり得るものは、図中に破線で示すように、端子を取り外している。
図7A(2)に示すように、電子機器101Bは、基板102の開口部192側の面に半導体チップ103を有し、基板102の一方の面にアンテナ136が形成されている。筺体190は、スロット構造4として、メモリカード201Bが挿抜される開口部192が形成されている。筺体190には、メモリカード201Bが開口部192に挿入されたときに、凹形状構成298の位置に対応する部分に、ミリ波閉じ込め構造(導波路構造)を持つ凸形状構成198が形成され誘電体伝送路9Aとなるように構成されている。
図7A(3)に示すように、スロット構造4の筺体190は開口部192からのメモリカード201Bの挿入に対し、凸形状構成198(誘電体伝送路9A)と凹形状構成298が凹凸状に接触するようなメカ構造を有する。凹凸構造が嵌合するときに、アンテナ136とアンテナ236が対向するとともに、その間に無線信号伝送路9として誘電体伝送路9Aが配置される。メモリカード201Bは、誘電体伝送路9Aとアンテナ236の間に筐体290を挟むが、凹形状構成298の部分の素材が誘電体素材であるのでミリ波帯での無線伝送に大きな影響を与えるものではない。
[第3例]
図7Bは、本実施形態の仕組みが適用される電子機器の第3例を説明する図である。無線伝送システム1は、第1の電子機器の一例として携帯型の画像再生装置201Kを備えるとともに、画像再生装置201Kが搭載される第2(本体側)の電子機器の一例として画像取得装置101Kを備えている。画像取得装置101Kには、画像再生装置201Kが搭載される載置台5Kが筐体190の一部に設けられている。なお、載置台5Kに代えて、第2例のようにスロット構造4にしてもよい。一方の電子機器が他方の電子機器に装着されたときの両電子機器間において、無線で信号伝送を行なうという点では第2例と同じである。以下では、第2例との相違点に着目して説明する。
画像取得装置101Kは概ね直方体(箱形)の形状をなしており、もはやカード型とは言えない。画像取得装置101Kとしては、たとえば動画データを取得するものであればよく、たとえばデジタル記録再生装置や地上波テレビ受像機が該当する。画像再生装置201Kには、アプリケーション機能部として、画像取得装置101K側から伝送されてくる動画データを記憶する記憶装置や、記憶装置から動画データを読み出して表示部(たとえば液晶表示装置や有機EL表示装置)にて動画を再生する機能部が設けられる。構造的には、メモリカード201Bを画像再生装置201Kに置き換え、電子機器101Bを画像取得装置101Kに置き換えたと考えればよい。
載置台5Kの下部の筺体190内には、たとえば第2例(図7A)と同様に、半導体チップ103が収容されており、ある位置にはアンテナ136が設けられている。アンテナ136と対向する筺体190の部分には、無線信号伝送路9として誘電体素材により誘電体伝送路9Aが構成されるようにしてある。載置台5Kに搭載される画像再生装置201Kの筺体290内には、たとえば第2例(図7A)と同様に、半導体チップ203が収容されており、ある位置にはアンテナ236が設けられている。アンテナ236と対向する筺体290の部分は、誘電体素材により無線信号伝送路9(誘電体伝送路9A)が構成されるようにしてある。これらの点は前述の第2例と同様である。
第3例は、嵌合構造という考え方ではなく壁面突当て方式を採り、載置台5Kの角101aに画像取得装置101Kが突き当てられるように置かれたときにアンテナ136とアンテナ236が対向するようにしているので、位置ズレによる影響を確実に排除できる。このような構成により、載置台5Kに対する画像再生装置201Kの搭載(装着)時に、画像再生装置201Kの無線信号伝送に対する位置合せ行なうことが可能となる。アンテナ136とアンテナ236との間に筐体190と筐体290を挟むが、誘電体素材であるのでミリ波帯での無線伝送に大きな影響を与えるものではない。
<無線伝送システムへの適用事例>
[第1適用例]
図8は、本実施形態の無線伝送システム1の第1適用例を説明する図である。第1適用例は、1つの電子機器の筐体内または複数の電気機器間において、CMOSプロセスで形成されている半導体チップ103Aと半導体チップ203Aの間で、ミリ波帯で信号伝送を行なう例である。因みに、この第1適用例は、図4に示した通信システム8Aを簡易的に示したものに相当する。
第1通信装置100A側の筐体190Aと第2通信装置200A側の筐体290Aは、その外観形状は、立方体(直方体)に限らず、球体、円柱体、半円柱体であっても、楕円柱でもよい。1つの筐体内での信号伝送の場合は、たとえば、同一基板上に半導体チップ103Aと半導体チップ203Aが搭載されているものと考えればよい。あるいは、第1通信装置100A側の筐体190Aと第2通信装置200A側の筐体290Aが兼用されているものと考えればよい。第1通信装置100Aを具備する電子機器に第2通信装置200Aを具備する電子機器が載置された機器間での信号伝送の場合は、第1通信装置100A側の筐体190Aと第2通信装置200A側の筐体290Aが図中の点線部分で接触しているものと考えればよい。
筐体190A,290Aは、たとえば、デジタル記録再生装置、地上波テレビ受像機、カメラ、ハードディスク装置、ゲーム機、コンピュータ、無線通信装置などの外装(外観)のケースに対応する。
たとえば、無線伝送システム1においては、映画映像やコンピュータ画像などの高速性と大容量性が求められる信号を伝送するべく、搬送周波数f1が30GHz〜300GHzのミリ波帯の送信信号Sout_1 にして無線信号伝送路9_1を伝送させる。また、本実施形態の基準信号伝送システム3が適用され、周波数f0が30GHz〜300GHzのミリ波帯の逓倍基準信号J1も無線信号伝送路9_1を伝送させる。各周波数f0,f1は、逓倍基準信号J1と被変調信号Sout が干渉しない程度に離れているものとする。
無線信号伝送路9_1は、筐体190A,290Aの内部の自由空間、その内部に構築された誘電体伝送路や、導波管および/または導波路から構成され、導波路にはスロットラインおよび/またはマイクロストリップラインが含まれる。無線信号伝送路9_1は、ミリ波帯の逓倍基準信号J1と送信信号Sout_1 が伝送できれば何でもよい。筐体190A,290Aの内部に充填された誘電体物質自体も無線信号伝送路9_1を構成する。
ミリ波は容易に遮蔽でき、外部に漏れ難いため、安定度の低い搬送周波数f0,f1の搬送信号を使用することができる。このことは、半導体チップ103A,203A間の伝搬チャネルの設計の自由度を増すことにも繋がる。たとえば、半導体チップ103A,203Aを封止する封止部材(パッケージ)構造と伝搬チャネルを併せて誘電体素材を使用して設計することで、自由空間での無線信号伝送に比べて、より信頼性の高い良好な逓倍基準信号およびデータの無線伝送を行なえる。
たとえば、筐体190A,290Aの内部は自由空間とすることで、アンテナ136A,236A間に自由空間伝送路が構成されるようにしてもよいし、その内部全体を樹脂部材などの誘電体素材で充填してもよい。これらの場合、筐体190A,290Aは、ミリ波帯の逓倍基準信号J1と送信信号Sout_1 が外部に漏れ出ないように、たとえば、外部六面が金属板で囲まれたシールドケースの他に、その内部に樹脂部材でコーティングされたケースのようなものにするのが望ましい。筐体190A,290Aは、また、外部六面が樹脂部材で囲まれたケースの他に、その内部に金属部材でシールドされたケースのようなものとしてもよい。何れも、逓倍基準信号J3の再生に注入同期方式を適用しない場合よりも注入同期方式を適用する場合の方が送信振幅を大きくする傾向があるので、その点を勘案したシールド対策をしておくのがよい。
好ましくは、筐体190A,290Aの内部を自由空間としつつアンテナ136A,236A間を、誘電体伝送路、中空導波路、導波管構造などにして、ミリ波帯の無線信号を伝送路中に閉じ込めつつ無線信号を伝送させる構造を持つミリ波閉じ込め構造(導波路構造)にする。ミリ波閉じ込め構造にすれば、筐体190A,290Aでの反射の影響を受けることがなく、アンテナ136A,236A間でミリ波帯の信号を確実に伝送できる。加えて、アンテナ136Aから放出した無線信号(送信信号Sout_1 )を無線信号伝送路9_1に閉じ込めてアンテナ236A側に伝送できるので、無駄を少なくできる(無くすことができる)ため送信電力を抑えられる。逓倍基準信号J3の再生に注入同期方式を適用する場合でも、送信電力を極めて小さくできるため、外部に電磁誘導障害(EMI)を与えないので、筐体190A,290Aは、金属のシールド構造を省略してもよくなる。
図8(1)は、半導体チップ103Aおよび半導体チップ203Aとは別に筐体内に基準信号送信装置5(CW−TX)を配置し、半導体チップ103Aと半導体チップ203Aの双方に基準信号受信装置7(CW−RX)の機能部を組み込んだ態様である。
半導体チップ103Aは、変調機能部8300(周波数混合部8302、送信側局部発振部8304)と増幅部8117と基準信号受信装置7の機能部を備え、増幅部8117は伝送路結合部の一部をなすアンテナ136Aと接続されている。半導体チップ103Aは、伝送対象信号SIN_1を無線信号に変換(変調)してアンテナ136Aから送信信号Sout_1 を放出する。
半導体チップ203Aは、増幅部8224と復調機能部8400(周波数混合部8402、受信側局部発振部8404)と低域通過フィルタ8412と基準信号受信装置7の機能部を備え、増幅部8224は伝送路結合部の一部をなすアンテナ236Aと接続されている。半導体チップ203Aは、アンテナ236Aで受信した受信信号Sin_1(Sout_1 と対応する)から伝送対象信号SOUT_1 (SIN_1と対応する)を復元(復調)する。つまり、半導体チップ103A,203Aは、アンテナ136A,236A間の無線信号伝送路9_1を介してミリ波帯で信号伝送を行なう。このとき、変調処理や復調処理に必要となる搬送信号の同期をとるため、基準信号送信装置5から半導体チップ103A,203Aに逓倍基準信号J1が無線信号伝送路9_1を介して送信され、各所の基準信号受信装置7で基準信号REFCLKを再生し、基準信号REFCLKに基づいて搬送信号を生成する。
図8(2)は、半導体チップ103Aと半導体チップ203Aの何れか一方(図は半導体チップ103A)に基準信号送信装置5(CW−TX)の機能部を組み込み、残りのもの(図は半導体チップ203A)に基準信号受信装置7(CW−RX)の機能部を組み込んだ態様である。この例では、半導体チップ103Aは、源基準信号J0に基づいて搬送信号を生成する。一方、半導体チップ203Aは、半導体チップ103Aの基準信号送信装置5から逓倍基準信号J1を受信して基準信号REFCLKを再生し、基準信号REFCLKに基づいて搬送信号を生成する。
[第2適用例]
図9は、本実施形態の無線伝送システム1の第2適用例を説明する図である。第2適用例は、1つの電子機器の筐体内または複数の電気機器間において、CMOSプロセスで形成されている3つの半導体チップ103B,203B_1,203B_2間で、データと基準信号をミリ波帯で無線伝送する例である。
本実施形態の基準信号伝送システム3が適用され、周波数f0が30GHz〜300GHzのミリ波帯の逓倍基準信号J1も無線信号伝送路9_2を伝送させる。図示した例は、半導体チップ103B,203B_1,203B_2とは別に、筐体内に基準信号送信装置5(CW−TX)を配置し、半導体チップ103B,203B_1,203B_2の全てに基準信号受信装置7(CW−RX)の機能部を組み込んだ態様である。
図示しないが、半導体チップ103A,203B_1,203B_2の何れか1つに基準信号送信装置5(CW−TX)の機能部を組み込み、残りのものに基準信号受信装置7(CW−RX)の機能部を組み込んだ態様としてもよい。この点は、後述する第3適用例や第4適用例でも同様である。
第1適用例との相違は、1対2で信号伝送を行なう点にある。典型的には、1つの送信側の半導体チップ103Bから2つの受信側の半導体チップ203B_1,203B_2に同報(一斉)通信を行なう点である。図では、受信側を2つにしているが、3以上にしてもよい。なお、使用する搬送周波数f2は30GHz〜300GHzのミリ波帯である。逓倍基準信号J1の周波数f0も30GHz〜300GHzのミリ波帯となるように周波数関係を設定するのが好ましい。
第2適用例では、送信側の半導体チップ103Bと受信側の半導体チップ203B_1,203B_2間で、1対2の伝送チャンネルを構成する無線信号伝送路9_2により同報通信が実現される。このとき、変復調処理に必要となる搬送信号の同期をとるため、基準信号送信装置5(CW−TX)から半導体チップ103B,203B_1,203B_2に逓倍基準信号J1が無線信号伝送路9_2を介して送信され、各所の基準信号受信装置7(CW−RX)で基準信号REFCLKを再生し、基準信号REFCLKに基づいて搬送信号を生成する。
[第3適用例]
図10〜図10Bは、本実施形態の無線伝送システム1の第3適用例を説明する図である。第3適用例は、送信側にはN組(Nは2以上の正の整数)の送信部を配置し、受信側にはM組(Mは2以上の正の整数)の受信部を配置し、送信部と受信部の組で各別の搬送周波数を用いて伝送する構成である。つまり、複数の搬送周波数を用いて、それぞれ異なる信号を伝送する周波数分割多重伝送を行なう。以下では、説明を簡単にするために、搬送周波数f1,f2を使用する2系統の通信で説明する。
図10〜図10Aに示す第3適用例(その1)は、送信側および受信側の何れもが各別のアンテナを使用する場合であり、前述の第1適用例の構成と第2適用例の構成を組み合わせて無線伝送システム1を構築する例である。各半導体チップを送信側と受信側の何れに見立てることもでき、各半導体チップの配置場所の制約が基本的にはない形態である。これに対して、図10Bに示す第3適用例(その2)は、送信側および受信側の何れもが共通のアンテナを使用する場合である。
第3適用例(その1)において、第1適用例の構成を採用する部分で使用する搬送周波数f1は30GHz〜300GHzのミリ波帯であり、第2適用例の構成を採用する部分で使用する搬送周波数f2も30GHz〜300GHzのミリ波帯である。逓倍基準信号J1の周波数f0も30GHz〜300GHzのミリ波帯となるように周波数関係を設定するのが好ましい。ただし、各搬送周波数f1,f2は、各変調信号が干渉しない程度に離れているものとする。さらに、各周波数f0,f1,f2は、逓倍基準信号J1と被変調信号Sout が干渉しない程度に離れているものとする。
第3適用例(その1)において、送受信間のアンテナは、単一の無線信号伝送路9_3で結合される。機能的には、第1適用例の構成を採用する部分が無線信号伝送路9_1で第1の通信チャネルが形成され、第2適用例の構成を採用する部分が無線信号伝送路9_2で第2の通信チャネルが形成される。単一の無線信号伝送路9_3であるから、たとえば無線信号伝送路9_1の搬送周波数f1の電波が無線信号伝送路9_2側へ伝達され得るし、無線信号伝送路9_2の搬送周波数f2の電波が無線信号伝送路9_1側へ伝達され得る。
第1適用例の構成が採用される部分では、搬送周波数f1を用いて、半導体チップ103A,203A間で無線信号伝送路9_1を介してミリ波帯で信号伝送が行なわれる。第2適用例の構成が採用される部分では、搬送周波数f2(≠f1)を用いて、半導体チップ103Bと半導体チップ203B_1,203B_2間で無線信号伝送路9_2を介してミリ波帯で同報通信が行なわれる。つまり、第3適用例では、1対1および1対2の伝送システムが混在する。このとき、基準信号送信装置5(CW−TX)から逓倍基準信号J1(逓倍基準信号J3)を受信して基準信号REFCLKを生成し、基準信号REFCLKに基づいて通信チャネルごとに異なった搬送周波数f1,f2を設定することで、干渉の影響を受けることなくそれぞれの信号伝送が実現される。
たとえば、図10中に点線で示すように、半導体チップ203B_1が搬送周波数f2の送信信号Sout_2 (=受信信号Sin_2)を受信して同期検波しているときに、搬送周波数f1の送信信号Sout_1 も到来したとする。半導体チップ203B_1が搬送周波数f2での同期検波をしているときに搬送周波数f1の変調信号を受信しても、搬送周波数f1の成分の干渉の影響を受けることはない。
また、図10中に点線で示すように、半導体チップ203Aが搬送周波数f1の送信信号Sout_1 (=受信信号Sin_1)を受信して同期検波しているときに、搬送周波数f2の送信信号Sout_2 も到来したとする。半導体チップ203Aが搬送周波数f1での同期検波をしているときに搬送周波数f2の変調信号を受信しても、搬送周波数f2の成分の干渉の影響を受けることはない。
第3適用例(その2)は、一方(送信側)の半導体チップ103にはN組の送信側信号生成部110が収容され、他方(受信側)の半導体チップ203にはM組の受信側信号生成部220が収容され、各送信側信号生成部110から各受信側信号生成部220に同一方向に、周波数分割多重を適用して同時の信号伝送を可能にする形態である。
たとえば、第1通信装置100Cには第1・第2の送信側信号生成部110_1,110_2を配置し、第2通信装置200Cには第1・第2・第3の受信側信号生成部220_1,220_2,220_3を配置する。第1の送信側信号生成部110_1と第1の受信側信号生成部220_1の組では第1の搬送周波数f1を使用し、第2の送信側信号生成部110_1と第2・第3の受信側信号生成部220_2,220_3の組では第2の搬送周波数f2(≠f1)を使用するものとする。
各送信側信号生成部110_1,110_2で生成された搬送周波数f1,f2の無線信号は多重化処理部113の一例である結合器で1系統に纏められ、伝送路結合部のアンテナ136を介して無線信号伝送路9を伝送する。受信側のアンテナ236は、無線信号伝送路9を伝送してきた無線信号を受信し単一化処理部228の一例である分配器で3系統に分離し、各受信側信号生成部220_1,220_2,220_3に供給する。
第3適用例(その2)では、第3適用例(その1)と同様に、2組の搬送周波数f1,f2を用いて、同一方向にそれぞれ異なる信号を伝送する周波数分割多重伝送を干渉問題を起すことなく実現できる。
[第4適用例]
図11〜図11Aは、本実施形態の無線伝送システム1の第4適用例を説明する図である。第4適用例は、1対の双方向通信用の半導体チップ内にそれぞれ同数の送信部と受信部を配置し、送信部と受信部の組で各別の搬送周波数を用いて全二重の双方向通信を行なう構成である。以下では説明を簡単にするために一方の通信には搬送周波数f1を使用し、前記一方とは逆方向への通信に搬送周波数f2を使用する2系統の通信で説明する。
搬送周波数f1は30GHz〜300GHzのミリ波帯であり、搬送周波数f2も30GHz〜300GHzのミリ波帯であるが、各搬送周波数f1,f2は、各変調信号が干渉しない程度に離れているものとする。さらに、本実施形態の基準信号伝送システム3が適用され、周波数f0の逓倍基準信号J1も無線信号伝送路9_4を伝送させる。逓倍基準信号J1の周波数f0も30GHz〜300GHzのミリ波帯となるように周波数関係を設定するのが好ましい。各周波数f0,f1,f2は、逓倍基準信号J1と被変調信号Sout が干渉しない程度に離れているものとする。
図11に示す第4適用例(その1)は、送信側および受信側の何れもが各別のアンテナを使用する場合である。これに対して、図11Aに示す第4適用例(その2)は、双方向通信用の各半導体チップの何れもが共通のアンテナを使用する場合である。
第4適用例(その1)において、2系統の送受信間のアンテナは、単一の無線信号伝送路9_4で結合される。機能的には、無線信号伝送路9_1で第1の通信チャネルが形成され、無線信号伝送路9_2で第1の通信チャネルとは逆方向への伝送を行なう第2の通信チャネルが形成される。単一の無線信号伝送路9_4であるから、たとえば無線信号伝送路9_1の搬送周波数f1の電波が無線信号伝送路9_2側へ伝達され得るし、無線信号伝送路9_2の搬送周波数f2の電波が無線信号伝送路9_1側へ伝達され得る。
たとえば、第1通信装置100Dの半導体チップ103Dには、送信側信号生成部110と受信側信号生成部120が設けられ、第2通信装置200Dの半導体チップ203Dには、送信側信号生成部210と受信側信号生成部220が設けられている。
送信側信号生成部110は、変調機能部8300(周波数混合部8302、送信側局部発振部8304)と増幅部8117を備え、増幅部8117は伝送路結合部の一部をなすアンテナ136_1と接続されている。半導体チップ103D(送信側信号生成部110)は、伝送対象信号SIN_1を無線信号に変換(変調)してアンテナ136_1から送信信号Sout_1 を放出する。
受信側信号生成部220は、増幅部8224と復調機能部8400(周波数混合部8402、受信側局部発振部8404)と低域通過フィルタ8412を備え、増幅部8224は伝送路結合部の一部をなすアンテナ236_2と接続されている。半導体チップ203D(受信側信号生成部220)は、アンテナ236_2で受信した受信信号Sin_1(Sout_1 と対応する)から伝送対象信号SOUT_1 (SIN_1と対応する)を復元(復調)する。つまり、半導体チップ103D,203Dは、アンテナ136_1,236_2間の無線信号伝送路9_4(の無線信号伝送路9_1)を介してミリ波帯で信号伝送を行なう。
送信側信号生成部210は、変調機能部8300(周波数混合部8302、送信側局部発振部8304)と増幅部8117を備え、増幅部8117は伝送路結合部の一部をなすアンテナ136_2と接続されている。半導体チップ203D(送信側信号生成部210)は、伝送対象信号SIN_2を無線信号に変換(変調)してアンテナ136_2から送信信号Sout_2 を放出する。
受信側信号生成部120は、増幅部8224と復調機能部8400(周波数混合部8402、受信側局部発振部8404)と低域通過フィルタ8412を備え、増幅部8224は伝送路結合部の一部をなすアンテナ236_1と接続されている。半導体チップ103D(受信側信号生成部120)は、アンテナ236_1で受信した受信信号Sin_2(Sout_2 と対応する)から伝送対象信号SOUT_2 (SIN_2と対応する)を復元(復調)する。つまり、半導体チップ103D,203Dは、アンテナ136_2,236_1間の無線信号伝送路9_4(の無線信号伝送路9_2)を介してミリ波帯で信号伝送を行なう。
全二重の双方向伝送を可能とするべく、信号伝送する送信部と受信部の組ごとに別の周波数を基準搬送信号として割り当てる。送信側信号生成部110と受信側信号生成部220の組では第1の搬送周波数f1を使用し、送信側信号生成部210と受信側信号生成部120の組では第2の搬送周波数f2(≠f1)を使用する。このとき、基準信号送信装置5(CW−TX)から逓倍基準信号J1(逓倍基準信号J3)を受信して基準信号REFCLKを生成し、基準信号REFCLKに基づいて通信チャネルごとに異なった搬送周波数f1,f2を設定することで、干渉の影響を受けることなく全二重の双方向伝送が実現される。
<位相不確定性とその対策手法>
図12〜図13は、位相不確定性とその対策手法を説明する図である。
本実施形態では、基準信号受信装置7において高周波基準信号J3(周波数はη・fck)を1/ξ倍に分周して基準信号REFCLKを再生する。このため、各所(本例では各通信装置2)に供給する基準信号REFCLKの周波数が同じ(周波数同期がとれている)でかつ位相がロックしていても(位相同期がとれていても)、各所に供給される基準信号REFCLKの位相が同一にならないという現象(位相不確定性と称する)が生じ得る。基準信号REFCLKを使用する機能部が、周波数同期と位相同期がとれていればよいシステムでは位相不確定性があっても問題がない。一方、前記実施形態で説明した無線伝送システム1では、受信側(復調機能部8400)が同期検波を利用して復調を行なうため、位相不確定性が問題となり得る。以下、この点について説明する。
[位相不確定性]
図12には、高周波基準信号J3と各通信装置2に供給される基準信号REFCLKの関係と位相不確定性の関係が示されている。図12(1)と図12(2)では、基準信号再生部7400は、高周波基準信号J3の立上りエッジに同期して分周動作するものとして示している。図12(3)と図12(4)では、受信側局部発振部8404は、基準信号REFCLKの立上りエッジに同期して逓倍動作するものとして示している。
本実施形態では、各通信装置2に対応して設けられた基準信号受信装置7において、高周波基準信号J3(周波数はη・fck)を1/ξ倍に分周して対応する通信装置2が使用する基準信号REFCLKを再生する。
基準信号受信装置7は、源基準信号J0と周波数同期および位相同期がとれた高い周波数の高周波基準信号J3から1/ξ倍の低い周波数の基準信号REFCLKを作る。このため、位相のとり方がξ種類あり、しかも、その内の何れを選択するべきかの情報がなく、各通信装置2用の基準信号REFCLKにおいて、位相の不確定性の問題が発生する。
たとえば、図12(1)は、送信側の通信装置2用の基準信号REFCLKと、受信側の通信装置2用の基準信号REFCLKとが同一の周波数である場合を示している。簡単のため、高周波基準信号J3に対しての送信側の逓倍数ξ_TX と受信側の逓倍数ξ_RX を「2」にしている。基準信号再生部7400により1/2倍の周波数の基準信号REFCLKを生成するので、位相のとり方が2種類あり、しかも、その2つの内の何れを選択するべきかの情報がない。したがって、送信側の基準信号REFCLK_TX に対して、受信側では、基準信号REFCLK_1(位相差Δが0度)と基準信号REFCLK_2(位相差Δが180度)の何れかとなるので、位相の不確定性の問題が発生する。
図12(2)は、送信側の通信装置2用の基準信号REFCLKと、受信側の通信装置2用の基準信号REFCLKとが異なる周波数である場合を示している。簡単のため、高周波基準信号J3に対しての送信側の逓倍数ξ_TX を「2」、受信側の逓倍数ξ_RX を「4」にしている。送信側では基準信号再生部7400により1/2倍の周波数の基準信号REFCLK_TX を生成するので、位相のとり方が2種類あるが、その2つの内の何れを選択するべきかの情報がない。一方、受信側では基準信号再生部7400により1/4倍の周波数の基準信号REFCLKを生成するので、位相のとり方が4種類あるが、その4つの内の何れを選択するべきかの情報がない。送受信の全体的な組合せとしては「2×4」通りになるが、実体的には共通のものがあり、4通りの組合せになる。たとえば、送信側の基準信号REFCLK_TX に対して、受信側では、基準信号REFCLK_1(位相差Δが0度)と基準信号REFCLK_2(位相差Δが90度)と基準信号REFCLK_3(位相差Δが180度)と基準信号REFCLK_4(位相差Δが270度)の何れかとなるので、位相の不確定性の問題が発生する。
この位相の不確定性は、通信装置2にてε倍の搬送信号を生成した後にも残ってしまうことがある。「残ってしまうことがある」と称したのは、εが2の倍数(偶数)であるなど特殊な数値関係の場合には問題とならないことがあるからである。
たとえば、図12(3)は、逓倍数εを「2」にしている。この場合は、基準信号REFCLK_1(基準信号REFCLK_TX と同相)に基づいて生成した搬送信号Lo_RX1と基準信号REFCLK_2(基準信号REFCLK_TX と逆送)に基づいて生成した搬送信号Lo_RX2は、位相が一致している。図12(4)は、逓倍数εを「3」にしている。この場合は、基準信号REFCLK_1(基準信号REFCLK_TX と同相)に基づいて生成した搬送信号Lo_RX1と基準信号REFCLK_2(基準信号REFCLK_TX と逆送)に基づいて生成した搬送信号Lo_RX2は、位相が逆になっている。
したがって、変調方式がASKやBPSKなどのように1軸変調方式の場合には、送信側と受信側のそれぞれで使用する搬送信号の位相が一致していることが必要であるから、逓倍数εの設定次第では、復調機能部8400にて同期検波により復調処理を行なうときに影響を与え得る。
変調方式がQPSKやQAMなどのように2軸変調方式の場合には、送信側と受信側のI軸・Q軸のそれぞれで使用する搬送信号の位相が一致していることが必要であるから、受信側で使用する搬送信号の位相の不確定性だけでなく、送信側で使用する搬送信号の位相の不確定性も問題となり得る。
位相不確定性の影響を解消するには、第1の信号処理に使用する一方の第2の高周波基準信号の位相と、第1の信号処理と対応する第2の信号処理に使用する他方の第2の高周波基準信号の位相とが一致しないことに伴う影響を抑制する位相不確定性対策機能部を設けるとよい。位相不確定性対策機能部としては、何れの位相を選択するべきかの情報を伝達してその情報に基づいて適正な位相にものを選択する、逓倍数εの設定値を位相の不確定性が問題とならない値にする、あるいは位相補正部を設けるなどが考えられる。
位相不確定性は、典型的には、前記実施形態で説明した同期検波を利用する通信システムにて問題となり、その対処として位相不確定性対策機能部を設けるとよいが、その適用はこれには限定されない。何れにしても、第1の信号処理に使用する一方の第2の高周波基準信号の位相と、第1の信号処理と対応する第2の信号処理に使用する他方の第2の高周波基準信号の位相とが一致しないことに伴う影響を排除する必要がある場合には、ここで説明した位相不確定性対策機能部を適用し得る。
[位相不確定性に対する対策回路]
位相不確定性対策機能部の一例である位相補正部の構成としては、復調出力(たとえばフィルタ処理部8410)の後段にレベル検出部を設け、レベル検出部で検出された復調出力レベルに基づいて受信側局部発振部8404を制御して、その出力信号(周波数混合部8402への搬送信号)の位相を変化させる第1の方法が考えられる。第1の方法は、復調搬送信号の位相そのものを直接に制御する方式である。QPSK方式のようにI軸とQ軸を使う2軸変調方式の場合は、各軸の成分について第1の手法を適用すればよい。
また、ASK方式やBPSK方式のように1軸変調方式であっても復調機能部8400を直交検波方式にしその後段に位相回転部とレベル検出部を設け、直交検波出力(I、Q)を使って位相回転部で出力信号の位相を回転させるとともに、位相回転部の出力レベルに基づいて位相回転部を制御して回転量を変化させる第2の方法も考えられる。ASK方式やBPSK方式のように1軸変調方式の場合は、I軸成分についてのみレベル検出と位相回転を適用すればよい。一方、QPSK方式のような2軸変調方式の場合は、I信号とQ信号のレベルを変えて合成することで位相補正を行なう。第2の方法はデジタル処理にすることが容易であり、I信号とQ信号をAD変換後にデジタル回路で位相補正をかけることも考えられる。
第1の方法の方が回路構成が簡易であるが、第1の方法は高周波回路で位相を切り替えるので補正制御が難易であるのに対して、第2の方法はベースバンド回路で位相を切り替えるので補正制御は簡易である。以下では、QPSK方式の場合において、第2の方法を採用する場合で、具体的に説明する。
図13には、位相不確定性の対策として設けられる位相補正部8700を説明する図でが示されている。受信チップ8002は、復調機能部8400として直交検波方式を採用しており、直交検波回路の後段に位相補正部8700を備えている。
復調機能部8400は、直交検波回路を構成するように、I軸成分を復調する周波数混合部8402_I、Q軸成分を復調する周波数混合部8402_Q、発振部8462から出力された搬送信号Lo_RX の位相を90度(π/2)シフトする移相器8463を有する。周波数混合部8402_Iには発振部8462から出力された搬送信号Lo_RX が供給される。周波数混合部8402_Qには発振部8462から出力された搬送信号Lo_RX が移相器8463でπ/2シフトされた後に供給される。周波数混合部8402_Iの後段にはI軸成分用のフィルタ処理部8410_Iが設けられ、周波数混合部8402_Qの後段にはQ軸成分用のフィルタ処理部8410_Qが設けられる。
位相補正部8700は、直交検波のフィルタ処理部8410_I,8410_Qの出力(I,Q)を使って位相回転処理を行なう位相回転部8702と、位相回転部8702の出力信号の振幅レベルを検出するレベル検出部8704を有している。
位相回転部8702は、I軸成分の信号Iに対するゲイン調整を行なう第1ゲイン調整部8722と、Q軸成分の信号Qに対するゲイン調整を行なう第2ゲイン調整部8724と、各ゲイン調整部8722,8724の出力信号を合成する信号合成部8732を有する。信号合成部8732の出力信号I’がI軸成分の最終的な復調信号となる。ゲイン調整によってI軸成分に対して位相回転量αが調整される。通常は、第1ゲイン調整部8722のゲインを一定(ゲイン=1)にして、第2ゲイン調整部8724側のゲイン調整(ゲイン=k1)のみで位相回転量αを調整すればよい。たとえば、図中に示すように、信号合成部8732は、第1ゲイン調整部8722から出力された信号Iと第2ゲイン調整部8724から出力された信号「k1・Q」を加算して出力信号I’とする。
また、位相回転部8702は、Q軸成分の信号Qに対するゲイン調整を行なう第3ゲイン調整部8726と、I軸成分の信号Iに対するゲイン調整を行なう第4ゲイン調整部8728と、各ゲイン調整部8726,8728の出力信号を合成する信号合成部8736を有する。信号合成部8736の出力信号Q’がQ軸成分の最終的な復調信号となる。ゲイン調整によってQ軸成分に対して位相回転量βが調整される。通常は、第3ゲイン調整部8726のゲインを一定(ゲイン=1)にして第4ゲイン調整部8728側のゲイン調整(ゲイン=k2:位相を考慮して−k2)のみで位相回転量βを調整すればよい。たとえば、図中に示すように、信号合成部8736は、第3ゲイン調整部8726から出力された信号Qから第4ゲイン調整部8728から出力された信号「−k2・I」を減算して出力信号Q’とする。
レベル検出部8704への入力は、I軸成分用の信号合成部8732の出力信号I’のみとする第1構成例、Q軸成分用の信号合成部8736の出力信号Q’のみとする第2構成例、I軸成分用の信号合成部8732の出力信号I’とQ軸成分用の信号合成部8736の出力信号Q’の双方とする第3構成例の何れでもよい。I,Qの両方を使う場合は、片方だけの場合よりも回路規模が大きくなるが、調整精度がよくなる。
図は両方を使用する第3構成例で示しており、レベル検出部8704は、信号合成部8732の出力信号I’のレベルを検出する第1レベル検出部8742と、信号合成部8736の出力信号Q’のレベルを検出する第2レベル検出部8744と、第1レベル検出部8742と第2レベル検出部8744の各出力信号を合成して回転制御信号ROT を生成する信号合成部8746を有する。信号合成部8746は、第1レベル検出部8742から出力されたレベル信号DET_Iから第2レベル検出部8744から出力されたレベル信号DET_Qを減算して回転制御信号ROT とする。
何れの場合も、調整のために既知パターンを送信した方がよい。既知パターンは、たとえば、片方のみの場合(第1構成例や第2構成例)は対応する成分だけの信号にし、両方の場合(第3構成例)は、何れか一方の成分だけの信号(I成分だけの信号またはQ成分だけの信号)にするのがよい。
たとえば、レベル検出部8704がI,Qの両方を使うようにした図示する構成の場合、位相補正のゲイン調整時には、BPSKの信号を復調機能部8400に入力し、直交検波の出力(I、Q)を使って位相回転部8702で出力信号の位相を回転させ、その出力(I’成分とQ’成分)をレベル検出部8704で検出する。レベル検出部8704は、検出した振幅レベルに基づいて位相回転部8702を制御して回転量を変化させる。たとえば、I’成分とQ’成分のレベル差が最小になるように位相回転部8702の第2ゲイン調整部8724と第4ゲイン調整部8728のゲインを調整する。
図示しないが、受信側局部発振部8404を制御して、その出力である再生搬送信号Lo_RX (周波数混合部8402への搬送信号)の位相を変化させる第1の方法を採る場合のレベル検出部8704の制御手法は以下のようにするとよい。先ず、レベル検出部8704への入力は、I軸成分用のフィルタ処理部8410_Iの出力信号Iのみとする第1構成例、Q軸成分用のフィルタ処理部8410_Qの出力信号Qのみとする第2構成例、I軸成分用のフィルタ処理部8410_Iの出力信号IとQ軸成分用のフィルタ処理部8410_Qの出力信号Qの双方とする第3構成例の何れでもよい。I,Qの両方を使う場合は、片方だけの場合よりも回路規模が大きくなるが、調整精度がよくなる。
ここで、片方のみの第1構成例と第2構成例の場合、位相補正部8700は、調整のために既知パターンを送信した方について、レベル検出部8704で検出された振幅レベルが最大になるように受信側局部発振部8404(たとえば図3で示したようにPLLで構成)を制御する。
両方の第3構成例の場合、位相補正部8700は、既知パターンとして送信した一方の成分(たとえばI成分)についてのレベル検出部8704で検出された振幅レベルができるだけ大きくなり、既知パターンとして送信していない他方の成分(たとえばQ成分)についてのレベル検出部8704で検出された振幅レベルができるだけ小さくなるようにしつつ、両者のバランスをとるようにするのがよい。あるいは、既知パターンとして送信した一方の成分(たとえばI成分)にのみ着目して、レベル検出部8704で検出された振幅レベルが最大となるように調整してもよいし、既知パターンとして送信していない他方の成分(たとえばQ成分)にのみ着目して、レベル検出部8704で検出された振幅レベルが最小となるように調整してもよい。
以上、本発明について実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は前記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で前記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
また、前記の実施形態は、クレーム(請求項)に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組合せにより種々の発明を抽出できる。実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
たとえば、前記実施形態では、基準信号REFCLKを利用した信号処理の例として通信処理における変調処理や復調処理を示したが、基準信号REFCLKは、通信以外の用途にも使用可能である。たとえば、デジタル回路のクロックやシンセサイザの基準として本実施形態の基準信号伝送システム3にて生成した基準信号REFCLKを利用することができる。
前記実施形態では、逓倍基準信号J1をミリ波帯で無線伝送する例を示したが、逓倍基準信号J1の周波数をミリ波帯よりも低い周波数帯にして有線で伝送するようにしてもよい。「ミリ波帯よりも低い周波数」にするのは、信号歪みや不要輻射の問題を避けるためである。
前記実施形態では、受信側の通信装置2では同期検波により復調処理を行なう例を示したが、ASK方式(振幅変調方式)の場合は包絡線検波や自乗検波により復調処理を行なってもよい。この場合には、位相の不確定性が問題とならないという利点がある。
前記実施形態では、機器(筐体)内や機器間の通信装置2間のミリ波帯での信号伝送(データ伝送)に基準信号伝送システム3を適用する例を示したが、通信装置2間の通信はミリ波帯でのものに限定されず、より周波数の低い伝送帯域を使用するものでもよい。また、筐体内伝送や機器間伝送に基準信号伝送システム3を適用することに限らず、一般的な通信の分野にも適用できる。
1…無線伝送システム、2…通信装置、3…基準信号伝送システム、5…基準信号送信装置、7…基準信号受信装置、8…通信システム、9…ミリ波信号伝送路、103,203…半導体チップ、5100…源基準信号生成部、5200…高周波基準信号生成部、5210…発振部、5220…分周部、5230…位相周波数比較部、5250…ループフィルタ部、7300…逓倍基準信号再生部、7400…基準信号再生部、8000…通信チップ、8001…送信チップ、8002…受信チップ、8300…変調機能部、8302…周波数混合部、8304…送信側局部発振部、8362…発振部、8364…分周部、8366…位相周波数比較部、8368…ループフィルタ部、8400…復調機能部、8402…周波数混合部、8404…受信側局部発振部、8462…発振部、8464…分周部、8466…位相周波数比較部、8700…位相補正部

Claims (17)

  1. 源基準信号と同期し前記源基準信号よりも高い周波数の高周波基準信号を生成する高周波基準信号生成部と、
    前記高周波基準信号と同期し前記高周波基準信号よりも低い周波数の低周波基準信号を生成する低周波基準信号生成部と、
    前記低周波基準信号に基づいて信号処理を行なう信号処理部と、
    を備えた信号伝送システム。
  2. 前記高周波基準信号を無線で伝送するための機能部を備える
    請求項1に記載の信号伝送システム。
  3. 1つの前記高周波基準信号生成部に対して、複数の前記低周波基準信号生成部と前記信号処理部が設けられている
    請求項1または請求項2に記載の信号伝送システム。
  4. 前記低周波基準信号生成部は、他の前記低周波基準信号生成部と異なる周波数の前記低周波基準信号を生成する
    請求項3に記載の信号伝送システム。
  5. 前記信号処理部は、前記低周波基準信号生成部により生成された前記低周波基準信号と同期したより高い周波数の第2の高周波基準信号を生成する第2の高周波基準信号生成部
    を備えた請求項1から請求項4の何れか一項に記載の信号伝送システム。
  6. 1つの前記高周波基準信号生成部に対して、複数の前記低周波基準信号生成部と前記信号処理部が設けられており、
    前記第2の高周波基準信号生成部は、他の前記第2の高周波基準信号生成部と異なる周波数の前記第2の高周波基準信号を生成する
    請求項4または請求項5に記載の信号伝送システム。
  7. 前記信号処理部は、前記第2の高周波基準信号生成部により生成された前記第2の高周波基準信号を使用して通信処理を行なう
    請求項5または請求項6に記載の信号伝送システム。
  8. 第1の信号処理に使用する一方の前記第2の高周波基準信号の位相と、前記第1の信号処理と対応する第2の信号処理に使用する他方の前記第2の高周波基準信号の位相とが一致しないことに伴う影響を抑制する位相不確定性対策機能部
    を備える請求項1から請求項7の何れか一項に記載の信号伝送システム。
  9. 前記高周波基準信号生成部と、前記低周波基準信号生成部と、前記信号処理部は、同一の電子機器の筐体内に収容され、前記筐体内に前記高周波基準信号生成部と前記低周波基準信号生成部の間で無線による伝送を可能にする無線信号伝送路が形成される
    請求項1から請求項8の何れか一項に記載の信号伝送システム。
  10. 前記高周波基準信号生成部が第1の電子機器の筐体内に収容され、前記低周波基準信号生成部が第2の電子機器の筐体内に収容され、前記第1の電子機器と前記第2の電子機器が定められた位置に配置され一体となったとき前記第1の電子機器内の前記高周波基準信号生成部と前記第2の電子機器内の前記低周波基準信号生成部の間に、前記高周波基準信号生成部と前記低周波基準信号生成部の間で無線による伝送を可能にする無線信号伝送路が形成される
    請求項1から請求項8の何れか一項に記載の信号伝送システム。
  11. 源基準信号と同期したより高い周波数の高周波基準信号を生成する高周波基準信号生成部
    を備えた基準信号送信装置。
  12. 源基準信号と同期したより高い周波数の高周波基準信号を生成する高周波基準信号生成部と、
    前記高周波基準信号と同期したより低い周波数の低周波基準信号に基づいて信号処理を行なう信号処理部と、
    を備えた信号処理装置。
  13. 源基準信号と同期したより高い周波数の高周波基準信号に基づいて、前記高周波基準信号と同期したより低い周波数の低周波基準信号を生成する低周波基準信号生成部
    を備えた基準信号受信装置。
  14. 源基準信号と同期したより高い周波数の高周波基準信号に基づいて、前記高周波基準信号と同期したより低い周波数の低周波基準信号を生成する低周波基準信号生成部と、
    前記低周波基準信号生成部により生成された前記低周波基準信号に基づいて信号処理を行なう信号処理部と、
    を備えた信号処理装置。
  15. 源基準信号と同期したより高い周波数の高周波基準信号を生成する高周波基準信号生成部と、
    前記高周波基準信号生成部で生成された前記高周波基準信号と同期したより低い周波数の低周波基準信号を生成する低周波基準信号生成部と、
    前記低周波基準信号生成部により生成された前記低周波基準信号に基づいて信号処理を行なう信号処理部と、
    を備えた電子機器。
  16. 源基準信号と同期したより高い周波数の高周波基準信号を生成して伝送し、
    前記高周波基準信号と同期したより低い周波数の低周波基準信号を生成する
    信号伝送方法。
  17. 前記低周波基準信号に基づいて信号処理を行なう
    請求項16に記載の信号伝送方法。
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