JP2011211082A - 発光ダイオードおよびその製造方法 - Google Patents

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孝彦 河崎
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Abstract

【課題】発光層の面積を減少させることなく、点状または線状の光源を得ることができ、発光方向を制御することができる発光ダイオードおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】p型半導体層11、発光層12およびn型半導体層13により発光ダイオード構造を形成する。p型半導体層11の発光層12と反対側の面にp側電極15を形成する。p型半導体層11、発光層12およびn型半導体層13の端面14に反射層16を形成する。n型半導体層13および反射層16上に中央部にピンホール17aを有するn側電極17を形成する。n側電極17上に集光レンズ18を形成する。
【選択図】図1

Description

この発明は、発光ダイオードおよびその製造方法に関し、例えば懐中電灯やプロジェクタなどのように集光レンズと組み合わせて使用する用途に適用して好適なものである。
発光ダイオードは、p型半導体層とn型半導体層との間に発光層(活性層)を挟んだ構造を有する。従来の発光ダイオードでは、できる限り光取り出し効率を向上させるための調整がなされ、発光層から発生する光ができる限り四方八方に拡がるように調整されていた(例えば、特許文献1および非特許文献1参照。)。このような発光ダイオードの構造は、照明やバックライトなどの用途に適合する構造であった。
しかしながら、懐中電灯やプロジェクタなどといった、発光ダイオードを有限な大きさを持つ集光レンズ(砲弾型レンズなど)と組み合わせて使用する用途においては、発光層から発生する光が無駄に使われていた。図17に従来の発光ダイオードにおける遠視野像(FFP)(発光強度の放射角度依存性)を示す。また、図18に従来の発光ダイオードにおいて発光層から発生する光が集光レンズに取り込まれて外部に取り出される割合、言い換えると光の利用効率(放射立体角内強度/全光束比の放射角度依存性)を示す。図18から分かるように、従来の発光ダイオードでは、発光層から発生する光のうち7%程度の光しか集光レンズから取り出すことができなかった。
なお、曲面形成方法を用いてクラッド層にパラボラ形状の曲面を形成し、この曲面に光取り出しのための反射膜を形成した発光ダイオードが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。この発光ダイオードでは、基板の一面側に、第1のクラッド層、活性層、第2のクラッド層およびコンタクト層を順に積層し、第2のクラッド層にパラボラ形状の曲面を形成し、この曲面に反射膜を形成する。そして、コンタクト層の表面にp側電極を形成し、基板の裏面に中央部に大きな開口を有するn側電極を形成する。この発光ダイオードでは、活性層から発生する光をパラボラ形状の曲面に形成された反射膜で反射して基板の裏面に形成したn側電極の開口から出射する。
特開2003−179255号公報 特開2006−351965号公報
本発明者の検討によれば、上述のように、従来の発光ダイオードを集光レンズと組み合わせる用途において発光層から発生する光のうちわずかしか集光レンズから外部に取り出すことができない理由は、発光層の大きさと集光レンズの大きさとが互いにほぼ同じであるためである。その様子を図19に示す。図19に示すように、この場合、発光層101の全体から光が発生し、集光レンズ102に入射するため、集光レンズ102の外部に取り出される光線の向きが揃わず、良好に集光することができない。この問題を解決し、発光層101から発生する光を集光レンズ102から外部に効率良く取り出すために、図20に示すように、集光レンズ102に対して発光層101の大きさを十分に小さくすることが考えられる。このようにすれば、発光層101から発生する光は集光レンズ102の入射面の中心付近の点状の領域に入射するため、集光レンズ102により良好に集光することができる。
しかしながら、このように集光レンズ102に対して発光層101の大きさを十分に小さくすると、発光層101の面積が大きく減少してしまうため、集光レンズ102からの発光量が大幅に減少してしまう。
そこで、この発明が解決しようとする課題は、発光層の面積を減少させることなく、点状または線状の光源を得ることができ、発光方向を制御することができる発光ダイオードおよびその製造方法を提供することである。
この発明が解決しようとする他の課題は、発光ダイオードを集光レンズと組み合わせて使用する用途においても、集光レンズから外部に効率良く光を取り出すことができ、十分な発光量を得ることができる発光ダイオードおよびその製造方法を提供することである。
上記課題を解決するために、この発明は、
発光ダイオード構造を形成する半導体層と、
上記半導体層の光取り出し面に設けられた第1の電極と、
上記半導体層の上記光取り出し面と反対側の面に設けられた第2の電極とを有し、
上記第1の電極側に点状または線状の光取り出し用開口が設けられている発光ダイオードである。
この発光ダイオードにおいては、典型的な一つの例では、第1の電極は発光層から発生する光を反射する反射材料からなり、第1の電極に光取り出し用開口が設けられ、第2の電極が発光層から発生する光を反射する反射材料からなる。光取り出し用開口の形状は必要に応じて選ばれる。光取り出し用開口は、典型的には、発光層への投影像が発光層の中心に位置する。具体的には、光取り出し用開口は、発光層が円形の場合にはその中心に位置し、発光層が長方形の場合にはその一辺に平行な二等分線上に位置する。この光取り出し用開口の大きさは、点状光源または線状光源となるように、発光層の大きさ、あるいは発光ダイオードを集光レンズと組み合わせて使用する場合には集光レンズの大きさに対して十分に小さく選ばれ、必要に応じて選ばれる。発光面積に対する光取り出し用開口の開口率は好適には75%以下であり、より好適には60%以上75%以下である。発光ダイオードは、必要に応じて、半導体層の光取り出し面上に波長変換層を有する。この場合、第1の電極は、典型的には、この波長変換層を囲むように設けられる。そして、典型的には、波長変換層を覆うように発光層から発生する光を反射する反射材料層が設けられ、この反射材料層に光取り出し用開口が設けられる。
半導体層は、発光層から発生する光を発光ダイオードを構成する半導体層から効率良く取り出すため、好適には、光取り出し面に対して例えば30度以上90度未満傾斜した端面を有する。典型的には、半導体層の端面は半導体層の外側に凸の曲面の部分を有する。また、好適には、半導体層の端面の外部に発光層から発生する光を反射する反射層を有する。半導体層は、必ずしも光取り出し面に対して傾斜した端面を有する必要はなく、半導体層の端面に発光層から発生する光を散乱する凹凸を設けることにより、半導体層の端面を光取り出し面に対して直角にすることができる。この発光ダイオードにおいては、用途に応じて、第1の電極側に集光レンズが設けられる。好適には、第2の電極側が支持基板に固定される。典型的には、半導体層はp型半導体層とn型半導体層との間に発光層が挟まれた構造を有し、p型半導体層に第2の電極が設けられ、n型半導体層に第1の電極が設けられる。
また、この発明は、
基板上に発光ダイオード構造を形成する半導体層を形成する工程と、
上記半導体層上に第2の電極を形成する工程と、
上記半導体層を所定形状にパターニングする工程と、
上記第2の電極に支持基板を張り合わせる工程と、
上記半導体層から上記基板を剥離する工程と、
上記基板を剥離した後、上記半導体層上に第1の電極を形成する工程とを有し、
上記第1の電極側に点状または線状の光取り出し用開口を設ける発光ダイオードの製造方法である。
典型的には、第1の電極は発光層から発生する光を反射する反射材料からなり、第1の電極に光取り出し用開口を設け、第2の電極が発光層から発生する光を反射する反射材料からなる。必要に応じて、半導体層の光取り出し面上に波長変換層を設け、第1の電極はこの波長変換層を囲むように設ける。また、好適には、この波長変換層を覆うように発光層から発生する光を反射する反射材料層を設け、この反射材料層に光取り出し用開口を設ける。
この発光ダイオードの製造方法においては、上記以外のことについては、特に支障がない限り、上記の発光ダイオードの発明に関連して説明したことが成立する。
この発明において、発光ダイオードの大きさは特に限定されず、必要に応じて選ばれるが、マイクロ発光ダイオードでは、一般的には最大寸法が50μm以下、典型的には30μm程度以下である。発光ダイオードの第1の半導体層、発光層および第2の半導体層を構成する半導体としては、III−V族化合物半導体やII−VI族化合物半導体などの種々の半導体を用いることができ、必要に応じて選ばれる。III−V族化合物半導体またはII−VI族化合物半導体を用いた発光ダイオードの具体例を発光波長帯とともに挙げると下記のとおりである。
1.III−V族化合物半導体
ヘテロ接合 発光波長
・AlN/AlInGaN 紫外
・InGaN/GaN 青色、緑色
・GaInP/AlGaInP 赤色
・GaInP/AlGaP 赤色
・AlGaAs/InGaAs 赤色
・AlGaAs/AlGaP 赤色
・GaInAsP/GaP 赤外
・GaInNP/AlGaP 赤外
・GaAs/AlGaAs 赤外
2.II−VI族化合物半導体
・ZnO/ZnMgO 青色
・ZnTe/ZnMgTe 緑色
・ZnCdSe/BeZnTe 黄緑色
・MgSe/BeZnTe 黄緑色
・MgSe/ZnCdSe 黄緑色
III−V族化合物半導体の具体例を挙げると、下記のとおりである。
GaN、GaP、GaAs、GaSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、InN、InP、InAs、InSb、GaNP、GaNAs、GaNSb、GaPAs、GaPSb、AlNP、AlNAs、AlNSb、AlPAs、AlPSb、InNP、InNAs、InNSb、InPAs、InPSb、GaAlNP、GaAlNAs、GaAlNSb、GaAlPAs、GaAlPSb、GaInNP、GaInNAs、GaInNSb、GaInPAs、GaInPSb、InAlNP、InAlNAs、InAlNSb、InAlPAs、InAlPSb
II−V族化合物半導体の具体例を挙げると、下記のとおりである。
CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、ZnO、HgS、HgSe、HgTe、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HgZnSe、HgZnTe、CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTe、HgZnSTe
上述のように構成されたこの発明においては、第1の電極側に点状または線状の光取り出し用開口を設けることにより、この光取り出し用開口を点光源または線状光源として用いることができる。この場合、発光層の面積を減少させる必要がない。
この発明によれば、発光層の面積を減少させることなく、点状または線状の光源を得ることができ、発光方向を制御することができる発光ダイオードを得ることができる。また、発光ダイオードを集光レンズと組み合わせて使用する用途においても、集光レンズから外部に効率良く光を取り出すことができ、十分な発光量を得ることができる。
この発明の第1の実施の形態による発光ダイオードを示す断面図である。 この発明の第1の実施の形態による発光ダイオードを示す平面図である。 この発明の第1の実施の形態による発光ダイオードの製造方法を説明するための断面図である。 この発明の第1の実施の形態による発光ダイオードの製造方法を説明するための断面図である。 この発明の第1の実施の形態による発光ダイオードの製造方法を説明するための断面図である。 この発明の第1の実施の形態による発光ダイオードの発光強度の放射角度依存性を示す略線図である。 この発明の第1の実施の形態による発光ダイオードの放射立体角内強度/全光束比の放射角度依存性を示す略線図である。 この発明の第1の実施の形態による発光ダイオードの集光レンズからの光取り出しの効率のn側電極の開口率依存性を示す略線図である。 この発明の第2の実施の形態による発光ダイオードを示す断面図である。 この発明の第2の実施の形態による発光ダイオードの製造方法を説明するための断面図である。 この発明の第2の実施の形態による発光ダイオードの製造方法を説明するための断面図である。 この発明の第2の実施の形態による発光ダイオードの製造方法を説明するための断面図である。 この発明の第2の実施の形態による発光ダイオードの製造方法を説明するための断面図である。 この発明の第3の実施の形態による発光ダイオードを示す断面図である。 この発明の第4の実施の形態による発光ダイオードを示す断面図である。 この発明の第4の実施の形態による発光ダイオードを示す斜視図である。 従来の発光ダイオードの発光強度の放射角度依存性を示す略線図である。 従来の発光ダイオードの発光強度の放射立体角内強度/全光束比の放射角度依存性を示す略線図である。 本発明者が検討した発光ダイオードの問題点を説明するための略線図である。 本発明者が検討した発光ダイオードの問題点を説明するための略線図である。
以下、発明を実施するための形態(以下「実施の形態」とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(発光ダイオードおよびその製造方法)
2.第2の実施の形態(発光ダイオードおよびその製造方法)
3.第3の実施の形態(発光ダイオードおよびその製造方法)
4.第4の実施の形態(発光ダイオードおよびその製造方法)
〈1.第1の実施の形態〉
[発光ダイオードおよびその製造方法]
図1は第1の実施の形態による発光ダイオードを示す断面図、図2はこの発光ダイオードを光取り出し側から見た平面図である。図1は図2のX−X線に沿っての断面図である。
図1および図2に示すように、この発光ダイオードにおいては、p型半導体層11、その上の発光層(活性層)12およびその上のn型半導体層13により発光ダイオード構造が形成されている。これらのp型半導体層11、発光層12およびn型半導体層13は全体として円形の平面形状を有し、その端面(側面)14は外側に凸の曲面からなり、n型半導体層13の上面およびp型半導体層11の下面に対して傾斜している。これらのp型半導体層11、発光層12およびn型半導体層13の直径方向の断面形状は、n型半導体層13からp型半導体層11に向かって面積が徐々に減少する逆台形状となっている。p型半導体層11の発光層12と反対側の面には発光層12から発光される光を反射する反射電極を兼用する円形のp側電極15が形成されている。このp側電極15は、好適には、p型半導体層11の発光層12と反対側の面の全体に設けられる。
端面14およびp側電極15の周囲を覆うように、かつ端面14およびp側電極15と電気的に絶縁されて反射層16が形成されている。この反射層16は発光層12から発光される光を反射するように構成される。具体的には、反射層16としては、例えば、誘電体多層膜や、端面14に絶縁膜を介して形成された反射材料層などにより形成されるが、これに限定されるものではない。
n型半導体層13および反射層16の上面に、発光層12から発光される光を反射する反射電極を兼用する円形のn側電極17が形成されている。このn側電極17のうちのn型半導体層13の中央部に対応する部分には微小な円形の開口からなるピンホール17aが設けられている。そして、このn側電極17上に集光レンズ18が設けられている。ピンホール17aの直径は、このピンホール17aが点光源となるように、集光レンズ18の直径に対して十分に小さく選ばれる。
p側電極15は導電性張り合わせ材料19により支持基板20に固定されている。支持基板20と反射層16との間には支持材料21が充填されており、p型半導体層11、発光層12、n型半導体層13、p側電極15、n側電極17および反射層16が支持基板20に強固に固定されている。
p型半導体層11、発光層12およびn型半導体層13の具体例を挙げると次の通りである。赤色発光のAlGaInP系発光ダイオードでは、p型AlGaInP層、例えばAlGaInP層を障壁層、GaInP層を井戸層とするAlGaInP/GaInP多重量子井戸(MQW)構造を有する発光層およびn型AlGaInP層である。緑色発光のGaN系発光ダイオードでは、p型GaN層、例えばInGaN井戸層(In組成は例えば0.25)とGaN障壁層とからなるMQW構造を有する発光層およびn型GaN層である。青色発光のGaN系発光ダイオードでは、p型GaN層、例えばInGaN井戸層(In組成は例えば0.17)とGaN障壁層とからなるMQW構造を有する発光層およびn型GaN層である。
次に、この発光ダイオードの製造方法について説明する。
図3Aに示すように、まず、基板22上に、n型半導体層13、発光層12およびp型半導体層11を順次成長させる。基板22は、発光ダイオードに用いる半導体材料に応じて適宜選ばれるが、具体例を挙げると、GaAs基板やサファイア基板などである。成長方法は必要に応じて選ばれるが、例えば、有機金属化学気相成長(MOCVD)法や分子線エピタキシー(MBE)法などである。
次に、図3Bに示すように、p型半導体層11上に反射電極を兼用するp側電極11を形成する。このp側電極11の材料としては、例えば、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、金(Au)やそれらの合金などが用いられ、必要に応じて選ばれる。このp側電極11は、例えば、p型半導体層11の全面に電極材料からなる膜を形成し、この膜上にフォトリソグラフィーにより所定形状のレジストパターンを形成した後、このレジストパターンをマスクとしてこの膜をエッチングによりパターニングすることにより形成することができる。
次に、図3Cに示すように、p側電極11をマスクとして、n型半導体層13、発光層12およびp型半導体層11をドライエッチング、例えば反応性イオンエッチング(RIE)によりテーパーエッチングを行い、基板22の主面に対して傾斜した端面14を形成する。この端面14の形状は、エッチング条件を制御することにより容易に制御することができる。
次に、図4Aに示すように、端面14およびp側電極15を覆うように反射層16を形成した後、この反射層16のうちのp側電極15の周辺部以外の部分をエッチング除去する。この反射層16としては、例えば、酸化アルミニウム(Al2 3 )、二酸化シリコン(SiO2 )、窒化シリコン(SiNx )、アモルファスSi、窒化アルミニウム(AlN)、酸化チタン(TiOx )などからなる誘電体多層膜を用いる。あるいは、この反射層16としては、これらの絶縁膜を介してAg、Al、Pt、Pd、Ru、Rh、Auなどからなる膜を形成することにより形成してもよい。
次に、図4Bに示すように、反射層16上に支持材料21を形成した後、p側電極15およびこの支持材料21に導電性張り合わせ材料19を用いて支持基板20を張り合わせる。支持材料21としては、好適には、反射率の高い材料、例えば白樹脂などを用いられるが、これに限定されるものではない。支持基板20としては、例えば導電性基板を用いることができ、発光ダイオードに対して支持基板20の裏面から導通を取ることができるようになっている。
次に、図4Cに示すように、n型半導体層13から基板22を剥離する。剥離法としては、エッチング、研磨、レーザ剥離などを用いることができ、必要に応じて選ばれる。
次に、図5Aに示すように、n型半導体層13の露出した面にピンホール17aを有するn側電極17を形成する。このn側電極17の材料としては、例えば、Ag、Al、Pt、Pd、Ru、Rh、Au、チタン(Ti)、チタンタングステン(TiW)、金ゲルマニウム(AuGe)、インジウム−スズ酸化物(ITO)などが用いられ、必要に応じて選ばれるが、反射率の高いAg、Al、Pt、Pd、Ru、Rh、Auを用いることが好ましい。このn側電極17は、例えば、n型半導体層13の全面に電極材料からなる膜を形成し、この膜上にフォトリソグラフィーにより所定形状のレジストパターンを形成した後、このレジストパターンをマスクとしてこの膜をエッチングによりパターニングすることにより形成することができる。
次に、図5Bに示すように、n側電極17上に集光レンズ18を形成する。この集光レンズ18は、例えば、レンズ材料となる透明樹脂材料、例えばシリコーン、エポキシ、スピンオングラス(SOG)などをポッティングし、これを固化させることにより形成してもよい。あるいは、この集光レンズ18としては、あらかじめ形成されたものをn側電極17に固定してもよい。必要に応じて、乱反射防止のために集光レンズ18の形成前に反射防止膜を形成するようにしてもよい。
以上により、図1および図2に示す目的とする発光ダイオードが製造される。
次に、この発光ダイオードの動作原理について説明する。図1に示すように、p側電極15とn側電極17との間に動作電圧以上の電圧を印加して順方向電流を流すことにより発光ダイオードを駆動する。このとき、発光層12から発生する光は、p側電極15、端面14およびn側電極17で反射されてピンホール17aから取り出され、あるいは、直接ピンホール17aを通ってこのピンホール17aから取り出される。この結果、発光層12が面光源であるにもかかわらず、発光層12から発生する光は全てピンホール17aから取り出されるため、このピンホール17aは点光源と同様になる。そして、こうしてピンホール17aから取り出された光は集光レンズ18に入射し、この集光レンズ18により集光されて発光ダイオードの外部に取り出される。この場合、ピンホール17aが点光源となることから、集光レンズ18の入射面の中心の微小な円形領域に光が入射する結果、この円形領域を集光点として集光レンズ18による集光を良好に行うことができ、集光レンズ18から取り出される光束の方向を揃えることができる。
図6にこの発光ダイオードの発光強度(規格化強度)の放射角度依存性の一例を示す。図6には、比較のために、従来の発光ダイオードの発光強度(規格化強度)の放射角度依存性およびいわゆる余弦則(cos側)を併せて示す。また、図7にこの発光ダイオードの放射立体角内強度/全光束比の放射角度依存性の一例を示す。図7には、比較のために、従来の発光ダイオードの放射立体角内強度/全光束比の放射角度依存性およびcos則を併せて示す。
図6に示すように、この第1の実施の形態による発光ダイオードでは、従来の発光ダイオードに比べて、極めて放射角度が狭い範囲に限定され、FFPを先鋭化することができることが分かる。また、図7に示すように、例えば、20度の放射角度範囲内に、発光層12から発生する光量の約50%の光を集光することができることが分かる。
図8は、発光層12の面積に対するピンホール17aの面積の比を開口率と定義したときの集光レンズ18からの光取り出しの効率(前方効率)の開口率依存性を示す。図8より、開口率が45%から65%の範囲では開口率が大きくなるにつれて効率は徐々に増加し、65%でピークを取った後、開口率が大きくなると徐々に減少するが、75%でも比較的高い値を維持している。この結果から、開口率は75%以下が好ましく、60%以上75%以下では効率は約8%以上であり最も好ましいことが分かる。
以上のように、この第1の実施の形態によれば、n側電極17にピンホール17aを設けていることにより、発光層12が面光源であるにもかかわらず、このピンホール17aを点光源とすることができる。この場合、発光層12の面積を減少させる必要がないため、発光出力の低下を防止することができる。そして、このピンホール17aを点光源として集光レンズ18の入射面の集光点に光を入射させることができるので、集光レンズ18により発光方向の制御を良好に行うことができ、集光を良好に行うことができる。例えば、図7に示すように、例えば、20度の放射角度範囲内に、発光層12から発生する光量の約50%の光を集光することができる。そして、この発光ダイオードでは、光の利用効率が高いため、同じ明るさを得るために必要な電力の低減を図ることができる。また、発光ダイオードの小型化を図ることができる。
この第1の実施の形態による利点は、特許文献2に記載された発光ダイオードでは得られないものである。すなわち、この発光ダイオードでは、発光層を限定せず、面発光状態のまま、パラボラ形状の曲面に形成された反射膜により光を反射させるため、発光方向を制御することはできない。また、発光層を限定しないため、パラボラ形状の反射膜やレンズを形成しても、例えば、前方効率では数%程度の上昇しか見込めない。
〈2.第2の実施の形態〉
[発光ダイオードおよびその製造方法]
図9は第2の実施の形態による発光ダイオードを示す断面図である。この発光ダイオードを光取り出し側から見た平面図は図2と同様である。
図9および図2に示すように、この発光ダイオードにおいては、p型半導体層13、その上の発光層32およびその上のn型半導体層33により発光ダイオード構造が形成されている。これらのp型半導体層31、発光層32およびn型半導体層33は全体として円形の平面形状を有し、その端面34は外側に凸の曲面からなり、n型半導体層33の上面およびp型半導体層31の下面に対して傾斜している。これらのp型半導体層31、発光層32およびn型半導体層33の直径方向の断面形状は、n型半導体層33からp型半導体層31に向かって面積が徐々に減少する逆台形状となっている。p型半導体層31の発光層32と反対側の面には発光層32から発光される光を反射する反射電極を兼用する円形のp側電極35が形成されている。このp側電極35は、好適には、p型半導体層31の発光層32と反対側の面の全体に設けられる。
端面34およびp側電極35の周囲を覆うように、かつ端面34およびp側電極35と電気的に絶縁されて反射層36が形成されている。この反射層36は発光層32から発光される光を反射するように構成される。具体的には、反射層36としては、例えば、誘電体多層膜や、端面34に絶縁膜を介して形成された反射材料層などにより形成されるが、これに限定されるものではない。
n型半導体層33の上面に発光層32から発光される光を反射する反射電極を兼用する円形のn側電極37が形成されている。このn側電極37はn型半導体層33の上面の外周部を覆うリング状の形状を有する。このリング状のn側電極37の内部におけるn型半導体層33上には波長変換層38が設けられている。この波長変換層38は、発光層32から発光する光の波長を所望の波長の光に変換するものであり、所望の波長に応じて適宜選ばれる。この波長変換層38およびn側電極37の上に、発光層32から発光される光を反射する反射材料からなる反射材料層39が設けられている。この反射材料層39のうちのn型半導体層33の中央部に対応する部分に微小な円形の開口からなるピンホール39aが設けられている。そして、この反射材料層39およびn側電極37上に集光レンズ40が設けられている。
p側電極35は導電性張り合わせ材料41により支持基板42に固定されている。支持基板42と反射層36との間には支持材料43が充填されており、p型半導体層31、発光層32、n型半導体層33、p側電極35、n側電極37および反射層36が支持基板42に強固に固定されている。
次に、この発光ダイオードの製造方法について説明する。
図10Aに示すように、まず、基板43上に、n型半導体層33、発光層32およびp型半導体層31を順次成長させる。基板43としては基板22と同様なものを用いることができ、必要に応じて適宜選ばれる。成長方法は必要に応じて選ばれるが、例えば、MOCVD法やMBE法などである。
次に、図10Bに示すように、p型半導体層31上に反射電極を兼用するp側電極35を形成する。このp側電極35の材料としては、p側電極15と同様な材料を用いることができ、必要に応じて選ばれる。このp側電極35は、例えば、p型半導体層31の全面に電極材料からなる膜を形成し、この膜上にフォトリソグラフィーにより所定形状のレジストパターンを形成した後、このレジストパターンをマスクとしてこの膜をエッチングによりパターニングすることにより形成することができる。
次に、図10Cに示すように、p側電極35をマスクとして、n型半導体層33、発光層32およびp型半導体層31をドライエッチング、例えばRIEによりテーパーエッチングを行い、基板43の主面に対して傾斜した端面34を形成する。この端面34の形状は、エッチング条件を制御することにより容易に制御することができる。
次に、図11Aに示すように、端面34およびp側電極35を覆うように反射層36を形成した後、この反射層36のうちのp側電極31の周辺部以外の部分をエッチング除去する。反射層36としては反射層16と同様なものを用いることができ、必要に応じて選ばれる。
次に、図11Bに示すように、反射層36上に支持材料42を形成した後、p側電極35およびこの支持材料43に導電性張り合わせ材料41を用いて支持基板42を張り合わせる。支持材料43、導電性張り合わせ材料41および支持基板42としては、それぞれ支持材料21、導電性張り合わせ材料19および支持基板20と同様なものを用いることができる。
次に、図11Cに示すように、n型半導体層33から基板44を剥離する。剥離法としては、第1の実施の形態と同様な方法を用いることができる。
次に、図12Aに示すように、n型半導体層33の露出した面にリング状のn側電極37を形成する。このn側電極37の材料としては、n側電極17と同様なものを用いることができ、必要に応じて選ばれる。このn側電極37は、例えば、n型半導体層33の全面に電極材料からなる膜を形成し、この膜上にフォトリソグラフィーにより所定形状のレジストパターンを形成した後、このレジストパターンをマスクとしてこの膜をエッチングによりパターニングすることにより形成することができる。
次に、図12Bに示すように、リング状のn側電極37の内部のn型半導体層33上に波長変換層38を形成する。
次に、図12Cに示すように、波長変換層38およびn側電極37上にピンホール39aを有する反射材料層39を形成する。この反射材料層39としては、例えば、Ag、Al、Pt、Pd、Ru、Rh、Auなどを用いることができる。この反射材料層39は、例えば、波長変換層38およびn側電極37の全面に反射材料からなる膜を形成し、この膜上にフォトリソグラフィーにより所定形状のレジストパターンを形成した後、このレジストパターンをマスクとしてこの膜をエッチングによりパターニングすることにより形成することができる。
次に、図13に示すように、反射材料層39、n側電極37および反射層36上に集光レンズ40を形成する。この集光レンズ40は、集光レンズ18と同様なものを用いることができ、必要に応じて選ばれる。
以上により、図9に示す目的とする発光ダイオードが製造される。
次に、この発光ダイオードの動作原理について説明する。図9に示すように、p側電極35とn側電極37との間に動作電圧以上の電圧を印加して順方向電流を流すことにより発光ダイオードを駆動する。このとき、発光層32から発生する光は、p側電極35、端面34およびn側電極37で反射された後、あるいは直接、波長変換層38に入射して波長変換が行われる。こうして波長変換された光はピンホール39aから取り出される。この結果、発光層32が面光源であるにもかかわらず、発光層32から発生する光は全てピンホール39aから取り出され、このピンホール39aは点光源と同様になる。ピンホール39aから取り出された光は集光レンズ40に入射し、この集光レンズ40により集光されて発光ダイオードの外部に取り出される。
この第2の実施の形態によれば、波長変換機能を有する発光ダイオードにおいて第1の実施の形態と同様な利点を得ることができる。加えて、この第2の実施の形態によれば、波長変換層38を有することにより、次のような利点を得ることもできる。すなわち、発光層32から発生する光をp型半導体層31、発光層32およびn型半導体層33の内部で波長変換することができるため、p型半導体層31、発光層32およびn型半導体層33の内部における光の損失の低減を図ることができる。これによって、発光ダイオードの発光出力の低下を防止することができる。
〈3.第3の実施の形態〉
[発光ダイオードおよびその製造方法]
図16は第3の実施の形態による発光ダイオードを示す断面図である。この発光ダイオードを光取り出し側から見た平面図は図1Bと同様である。
図14に示すように、この発光ダイオードにおいては、p型半導体層51、その上の発光層52およびその上のn型半導体層53により発光ダイオード構造が形成されている。これらのp型半導体層51、発光層52およびn型半導体層53は全体として円形の平面形状を有し、その端面54は、n型半導体層53の上面およびp型半導体層51の下面に対して直角となっている。すなわち、p型半導体層51、発光層52およびn型半導体層53は全体として円柱形状を有する。従って、これらのp型半導体層51、発光層52およびn型半導体層53の直径方向の断面形状は長方形となっている。この場合、端面54には、発光層52から発光される光を乱反射して効率的に外部に取り出すことができるようするための凹凸54aが形成されている。この凹凸54aの大きさおよび間隔は例えば0.1〜1μm程度である。p型半導体層51の発光層52と反対側の面には発光層52から発光される光を反射する反射電極を兼用する円形のp側電極55が形成されている。このp側電極55は、好適には、p型半導体層51の発光層52と反対側の面の全体に設けられる。
端面54およびp側電極35の周囲を覆うように、かつ端面54およびp側電極55と電気的に絶縁されて反射層56が形成されている。この反射層56は発光層52から発光される光を反射するように構成される。具体的には、反射層56としては、例えば、誘電体多層膜や、端面54に絶縁膜を介して形成された反射材料層などにより形成されるが、これに限定されるものではない。
n型半導体層53の上面に発光層52から発光される光を反射する反射電極を兼用する円形のn側電極57が形成されている。このn側電極57のうちのn型半導体層53の中央部に対応する部分に微小な円形の開口からなるピンホール57aが設けられている。そして、このn側電極57上に集光レンズ58が設けられている。
p側電極55は導電性張り合わせ材料59により支持基板60に固定されている。支持基板60と反射層56との間には支持材料61が充填されており、p型半導体層51、発光層52、n型半導体層53、p側電極55、n側電極57および反射層56が支持基板60に強固に固定されている。
次に、この発光ダイオードの製造方法について説明する。
まず、第1の実施の形態と同様にして、所定の基板上にn型半導体層53、発光層52およびp型半導体層51を順次成長させ、p型半導体層51上に反射電極を兼用するp側電極55を形成する。
次に、p側電極55をマスクとして、n型半導体層53、発光層52およびp型半導体層51をドライエッチング、例えばRIEによりテーパーエッチングを行い、基板の主面に対して直角の端面54を形成する。この後、端面54が荒れる条件でドライエッチングなどを行うことにより端面54に凹凸54aを形成する。
この後、第1の実施の形態と同様に工程を進め、図14に示す目的とする発光ダイオードを製造する。
次に、この発光ダイオードの動作原理について説明する。図14に示すように、p側電極55とn側電極57との間に動作電圧以上の電圧を印加して順方向電流を流すことにより発光ダイオードを駆動する。このとき、発光層52から発生する光は、p側電極55およびn側電極57で反射され、凹凸54aが形成された端面54では乱反射されてピンホール57aから取り出され、あるいは、直接ピンホール57aを通ってこのピンホール57aから取り出される。この結果、発光層52が面光源であるにもかかわらず、発光層52から発生する光は全てピンホール57aから取り出され、このピンホール57aは点光源と同様になる。そして、こうしてピンホール57aから取り出された光は集光レンズ58に入射し、この集光レンズ58により集光されて発光ダイオードの外部に取り出される。
この第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な利点を得ることができる。
〈4.第4の実施の形態〉
[発光ダイオードおよびその製造方法]
図15は第4の実施の形態による発光ダイオードを示す断面図、図16はこの発光ダイオードのn側電極および集光レンズの部分だけを模式的に示す斜視図である。図15は図16のY−Y線に沿っての断面図である。
図15および図16に示すように、この発光ダイオードにおいては、p型半導体層71、その上の発光層72およびその上のn型半導体層73により発光ダイオード構造が形成されている。これらのp型半導体層71、発光層72およびn型半導体層73は全体として長方形(正方形を含む)の平面形状を有し、その端面74は外側に凸の曲面からなり、n型半導体層73の上面およびp型半導体層71の下面に対して傾斜している。これらのp型半導体層71、発光層72およびn型半導体層73の、図16のY−Y線に平行な方向およびこの方向に直角の方向の断面形状は、n型半導体層73からp型半導体層71に向かって面積が徐々に減少する逆台形状となっている。p型半導体層71の発光層72と反対側の面には発光層72から発光される光を反射する反射電極を兼用する円形のp側電極75が形成されている。このp側電極75は、好適には、p型半導体層71の発光層72と反対側の面の全体に設けられる。
端面74およびp側電極75の周囲を覆うように、かつ端面74およびp側電極75と電気的に絶縁されて反射層76が形成されている。この反射層76は発光層72から発光される光を反射するように構成される。具体的には、反射層76としては、例えば、誘電体多層膜や、端面74に絶縁膜を介して形成された反射材料層などにより形成されるが、これに限定されるものではない。
n型半導体層73の上面に、発光層72から発光される光を反射する反射電極を兼用する円形のn側電極77が形成されている。このn側電極77のうちのn型半導体層73を二等分する直線に沿って微小幅の細長い開口からなるスリット77aが設けられている。そして、このn側電極77上にシリンドリカルレンズからなる集光レンズ78が設けられている。
p側電極75は導電性張り合わせ材料79により支持基板80に固定されている。支持基板80と反射層76との間には支持材料81が充填されており、p型半導体層71、発光層72、n型半導体層73、p側電極75、n側電極77および反射層76が支持基板80に強固に固定されている。
次に、この発光ダイオードの製造方法について説明する。
まず、第1の実施の形態と同様にして、所定の基板上にn型半導体層73、発光層72およびp型半導体層71を順次成長させ、p型半導体層71上に反射電極を兼用するp側電極75を形成する。
次に、p側電極75をマスクとして、n型半導体層73、発光層72およびp型半導体層71をドライエッチング、例えばRIEによりテーパーエッチングを行い、基板の主面に対して傾斜した端面74を形成する。
この後、第1の実施の形態と同様に工程を進め、図15および図16に示す目的とする発光ダイオードを製造する。
次に、この発光ダイオードの動作原理について説明する。図15および図16に示すように、p側電極75とn側電極77との間に動作電圧以上の電圧を印加して順方向電流を流すことにより発光ダイオードを駆動する。このとき、発光層72から発生する光は、p側電極75、端面74およびn側電極77で反射されてスリット77aから取り出され、あるいは、直接スリット77aを通ってこのスリット77aから取り出される。この結果、発光層72が面光源であるにもかかわらず、発光層72から発生する光は全てスリット77aから取り出され、このスリット77aは線光源と同様になる。そして、こうしてスリット77aから取り出された光は集光レンズ78に入射し、この集光レンズ78により集光されて発光ダイオードの外部にラインビームとして取り出される。
この第4の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な利点を得ることができる。
以上、この発明の実施の形態および実施例について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施の形態および実施例に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施の形態および実施例において挙げた数値、構造、構成、形状、材料などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれらと異なる数値、構造、構成、形状、材料などを用いてもよい。
11、31、51、71…p型半導体層、12、32、52、72…発光層、13、32、52、72…n型半導体層、14、34、54、74…端面、15、35、55、75…p側電極、16、36、56、76…反射層、17、37、57、77…n側電極、17a、39a、57a…ピンホール、18、40、58、78…集光レンズ、20、42、60、80…支持基板、22、44…基板、39…反射材料層、77a…スリット

Claims (17)

  1. 発光ダイオード構造を形成する半導体層と、
    上記半導体層の光取り出し面に設けられた第1の電極と、
    上記半導体層の上記光取り出し面と反対側の面に設けられた第2の電極とを有し、
    上記第1の電極側に点状または線状の光取り出し用開口が設けられている発光ダイオード。
  2. 上記第1の電極は上記発光層から発生する光を反射する反射材料からなり、上記第1の電極に上記光取り出し用開口が設けられ、上記第2の電極が上記発光層から発生する光を反射する反射材料からなる請求項1記載の発光ダイオード。
  3. 上記光取り出し用開口は上記発光層への投影像が上記発光層の中心に位置する請求項2記載の発光ダイオード。
  4. 発光面積に対する上記光取り出し用開口の開口率が75%以下である請求項3記載の発光ダイオード。
  5. 上記半導体層の上記光取り出し面上に波長変換層を有し、上記第1の電極はこの波長変換層を囲むように設けられている請求項1記載の発光ダイオード。
  6. 上記波長変換層を覆うように上記発光層から発生する光を反射する反射材料層が設けられ、この反射材料層に上記光取り出し用開口が設けられている請求項5記載の発光ダイオード。
  7. 上記半導体層は上記光取り出し面に対して傾斜した端面を有する請求項1記載の発光素子。
  8. 上記半導体層の上記端面は上記半導体層の外側に凸の曲面の部分を有する請求項7記載の発光ダイオード。
  9. 上記半導体層の上記端面の外部に上記発光層から発生する光を反射する反射層を有する請求項7記載の発光素子。
  10. 上記半導体層の端面に上記発光層から発生する光を散乱する凹凸が設けられている請求項1記載の発光素子。
  11. 上記第1の電極側に集光レンズが設けられている請求項1記載の発光素子。
  12. 上記第2の電極側が支持基板に固定されている請求項1記載の発光素子。
  13. 上記半導体層はp型半導体層とn型半導体層との間に発光層が挟まれた構造を有し、上記p型半導体層に上記第2の電極が設けられ、上記n型半導体層に上記第1の電極が設けられている請求項1記載の発光素子。
  14. 基板上に発光ダイオード構造を形成する半導体層を形成する工程と、
    上記半導体層上に第2の電極を形成する工程と、
    上記半導体層を所定形状にパターニングする工程と、
    上記第2の電極に支持基板を張り合わせる工程と、
    上記半導体層から上記基板を剥離する工程と、
    上記基板を剥離した後、上記半導体層上に第1の電極を形成する工程とを有し、
    上記第1の電極側に点状または線状の光取り出し用開口を設ける発光ダイオードの製造方法。
  15. 上記第1の電極は上記発光層から発生する光を反射する反射材料からなり、上記第1の電極に上記光取り出し用開口を設け、上記第2の電極が上記発光層から発生する光を反射する反射材料からなる請求項14記載の発光ダイオードの製造方法。
  16. 上記基板を剥離した後、上記半導体層上に波長変換層を設け、上記第1の電極はこの波長変換層を囲むように設ける請求項14記載の発光ダイオードの製造方法。
  17. 上記波長変換層を覆うように上記発光層から発生する光を反射する反射材料層を設け、この反射材料層に上記光取り出し用開口を設ける請求項16記載の発光ダイオードの製造方法。
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