JP2011208405A - 発熱を抑えた基礎杭構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】掘削ロッド30で、杭穴21を掘削し軸部22、拡大根固め部23を形成する(a)(b)。拡大根固め部23内に、セメントより比熱の低い骨材を混入したセメントミルクを注入して、根固め部23内に充填材25を形成する(c)。杭穴21内に既製杭40を沈設して、下端41を拡大根固め部23内に位置させ、地上20で支持する(d)。既製杭40の中空部42内に、冷却パイプ1を埋設し、冷却パイプ1内に冷却液を循環させて拡大根固め部23を冷やし、拡大根固め部23が固化後に基礎杭構造50を構成する(e)。
【選択図】図1
Description
(1) 前記根固め部は、水硬性材料からなる充填材を固化してなり、前記充填材内に冷却手段を埋設してなる。
(2) 前記冷却手段は、「前記水硬性材料が固化した状態の比熱」より小さい比熱の骨材を混入させてなる。
(1) 前記根固め部は、水硬性材料からなる充填材を固化してなり、前記充填材内に冷却手段を埋設してなる。
(2) 前記冷却手段は、冷却液を充填した冷却パイプから構成する。
(1) 冷却パイプは、その両開口を地上に突出させ、該開口を地上の循環装置に連結して、前記冷却パイプ内に冷却手段を循環させる構成とした。
「水硬性材料」は、掘削泥土と置換したセメントミルク、あるいはセメントミルクに掘削泥土を撹拌混合してなるソイルセメントなど、水にセメントをベースとした材料で、さらに細骨材を混ぜたモルタルや、更に粗骨材を混ぜたコンクリートのいずれも含む概念である。
通常コンクリートの比熱は0.84であり、例えば、
・砂:約0.2
・ガラス:0.1〜0.2
・鉄:0.1
であり、これらの材料を使用する。この場合、良質な(充分な強度等を有する)材料の場合には、骨材として、作用することが考えられ、充填材の固化強度をさらに高めることもできる。
この場合、通常は、冷却パイプ1は地上20に開放して、冷却液を循環させて使用する(図1(e)、図2)。また、冷却パイプ1を閉塞して、構成することもできる(図3)。
この場合、セメントミルクに固化遅延剤からなるセメントの反応熱を軽減する混和剤を混ぜることもできる。
冷却パイプ1は、例えば、外径D2:1000cm、内径D1:740cmの既製杭40の場合、外径2.7cmを使用する(図1(e))。
根固め部が高さL1:3000cmの場合、
根固め部23に位置する縦部2、3の長さL2:2700cm 、横部の長さL3:500cmで、延べで、
L2×2+L3=5900cm
の長さが根固め部内に位置する。
従って、表面積は、
2.7×π×5900=50020cm2
程度となる。
通常、現場で調達する水の場合、通常5℃〜20℃程度の温度であり、前記のように表面積 で冷却できるので、充分に冷却することができる。
この場合、既製杭40の下端部に温度センサーを設置して、あるいは別途温度センサーを設けたロッドを下降して、拡大根固め部内に温度センサーを位置させ、拡大根固め部23内の温度を計測しながら、最適な温度の冷却液を循環させることもできる(図示していない)。
また、冷却パイプ1の縦部2、3の上端2a、3aで温度を測定して、拡大根固め部23を通過する前後での温度を計測して、温度差から拡大根固め部23内の発熱量を計測して、冷却液の温度を調節することもできる(図示していない)。
この場合、冷却パイプ1内の冷却液は、そのまま残置し、あるいは冷却液を地上20で抜いて空洞とすることもできる。さらに、空洞となった冷却パイプ1内で、少なくとも拡大根固め部23に位置する部分にセメントミルク等の固化物を充填することもできる(図示していない)。
また、冷却パイプ1内の暖められた熱を、地上で利用することもできる。
例えば、充填材25として、セメントに骨材となる砂、樹脂粒、金属粉などセメントと比較して比重の小さい素材を1種または複数使用し、所定量の水、必要であれば混和剤を混錬して、構成する。セメントは普通セメント、早強セメント、低熱セメント、高炉セメントなど水硬性材料であればよい。混和剤は減水剤、遅延剤、流動化剤など特に限定しない。
この場合、パイプからなる下螺旋部7を、軸を縦にして、既製杭40の下端41よりも下方に配置して、下螺旋部7の上端7aを縦部2の下端2bを、下螺旋部7の下端7bを縦部3の下端3bに連結する(図2(a)(b))。この場合、既製杭40の内径D1より小さな外径の下螺旋部7とし(図2(a))、あるいは、既製杭40の外径D2より径の大きな下螺旋部7として配置する(図2(b))。
また、下螺旋部8を、軸を横にして配置することもできる。既製杭40の外径D2より長い長さの下螺旋部8を、軸を横にして配置して、下螺旋部8の一端8aを一方の縦部2の下端2aに、他端8bを他方の縦部3の下端3aに連結する(図2(c))。
また、下螺旋部9を、位相を変えて二重に形成して、軸を縦にして配置することもできる(図2(d)(e))。この場合には、下螺旋部9では、下端で折り返して、上端9a、9bで上方にのみ開放している。従って、下螺旋部9を縦に配置して、下螺旋部9の一上端9aで、縦部2の下端2bに連結した、他方の上端9bで他の縦部3の下端2に連結する(図2(d)(e))。この場合、より螺旋ピッチが狭い(冷却パイプが長い)下螺旋部9を形成でき、この場合、下螺旋部9の径を既製杭40の内径D1より小さく形成し(図2(d))、あるいは既製杭40の外径D2よりも大径に形成することもできる(図2(e))。
また、この場合、冷却パイプ1の下端部に前記図2(b)と同様の下螺旋部7を形成して、縦部2、3の上端2a、3aを既製杭40の上縦部に位置させ、縦部2、3の上端2a、3aを線状の上横部11で連結する(図3(a))。
また、冷却パイプ1の上端にも位相を変えた上螺旋部12を形成して、上螺旋部12は上端が閉塞して、上螺旋部12の下端12a、12bに開放して、下端12aに縦部2の上端2a、下端12bに縦部3の上端3aを夫々連結する(図3(b))。
2、3 冷却パイプの縦部
2a、3a 縦部の上端
2b、3b 縦部の下端
4 冷却パイプの下横部
5 下折返し部
7 下螺旋部
7a 下螺旋部7の上端
7b 下螺旋部7の下端
8 下螺旋部
8a 下螺旋部8の一端
8b 下螺旋部8の他端
9 下螺旋部
9a、9b 下螺旋部9の上端
11 上横部
12 上螺旋部
12a、12b 上螺旋部12の下端
15 上折返し部
20 地上
21 杭穴
22 杭穴の軸部
23 杭穴の拡大根固め部
24 拡大根固め部の底
25 充填材
30 掘削ロッド
40 既製杭
41 既製杭の下端
42 既製杭の中空部
43 既製杭の外面
50 基礎杭構造
Claims (3)
- 根固め部を形成した杭穴内に既製杭を埋設して、以下のように構成することを特徴とする発熱を抑えた基礎杭構造。
(1) 前記根固め部は、水硬性材料からなる充填材を固化してなり、前記充填材内に冷却手段を埋設してなる。
(2) 前記冷却手段は、「前記水硬性材料が固化した状態の比熱」より小さい比熱の骨材を混入させてなる。 - 根固め部を形成した杭穴内に既製杭を埋設して、以下のように構成することを特徴とする発熱を抑えた基礎杭構造。
(1) 前記根固め部は、水硬性材料からなる充填材を固化してなり、前記充填材内に冷却手段を埋設してなる。
(2) 前記冷却手段は、冷却液を充填した冷却パイプから構成する。 - 以下のように構成したことを特徴とする請求項2記載の発熱を抑えた基礎杭構造。
(1) 冷却パイプは、その両開口を地上に突出させ、該開口を地上の循環装置に連結して、前記冷却パイプ内に冷却手段を循環させる構成とした。
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