JP2011207362A - アシストユニットにおけるモータ軸支構造 - Google Patents

アシストユニットにおけるモータ軸支構造 Download PDF

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正宏 黒木
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Abstract

【課題】モータを高出力化しつつ、モータの軸支構造の複雑化を抑制できるアシストユニットにおけるモータ軸支構造を提供する。
【解決手段】アシストユニット16と、一方のケース52に設けられるブラシレスモータ15と、モータ軸57に設けられるピニオンギヤ58とを有し、ピニオンギヤ58を左右のケース51,52内に臨ませるようにモータ軸57をユニットケース50の外側方から左右のケース51,52の何れかに挿入した状態でブラシレスモータ15をユニットケース50に固定し、モータ軸57は、一方端がモータヨーク部75に軸受け92を介して支持され、他方端が一方のケース52に挿入されるとともに他方端がピニオンギヤ58の外端部の位置で他方のケース51で支持される2点支持構造となっており、ピニオンギヤ58の歯面部の長さは、モータ軸57を挿入した一方のケース51を越えてブラシレスモータ15のロータ86側まで延在している。
【選択図】図4

Description

本発明は、電動アシスト自転車に用いられるアシストユニットにおけるモータ軸支構造に関する。
従来より、電動アシスト自転車において、アシストユニットと、アシストユニットのケースに設けられるモータと、モータのモータ軸に設けられ、モータの駆動力をアシストユニットを介して電動アシスト自転車の後輪へ伝達するピニオンギヤと、を有するものが知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
特許文献1に記載の電動アシスト自転車においては、ピニオンギヤに遊星減速機構を設けると共に、モータ軸を3個の軸受けにより、ピニオンギヤの近傍部分を含めた3点で支持する構造を採用している。
特開平8−244669号公報
しかし、ピニオンギヤに遊星減速機構を設けずに簡易な構成を採用する場合には、モータ軸は2点で支持され、モータ軸におけるピニオンギヤの部分が片持ちの状態となる構成となるのが通常である。このような構成においてアシスト比(踏力による駆動輪駆動力とモータ駆動力による駆動輪駆動力との比)を大きくして、運転者がより楽になるようにモータの出力(トルク)を大きくしようとする場合、ピニオンギヤの歯面部の長さを長くして、大きなトルクを有効に受け止める(伝達させる)構造が必要となる。
本発明は、アシスト用のモータを高出力化(高トルク化)しつつ、モータの軸支構造を複雑にすることを抑制することができる、アシストユニットにおけるモータ軸支構造を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、電動アシスト自転車に備えられ、左右のケースを含むユニットケースを有するアシストユニットと、前記左右のケースのうちの一方のケースに設けられるブラシレスモータと、前記ブラシレスモータのモータ軸に設けられ、前記ブラシレスモータの駆動力を前記アシストユニットを介して前記電動アシスト自転車の後輪へ伝達するピニオンギヤと、を有し、前記ピニオンギヤを前記左右のケース内に臨ませるように前記モータ軸を前記ユニットケースの外側方から前記左右のケースのいずれかに挿入した状態で前記ブラシレスモータを前記ユニットケースに固定する、アシストユニットにおけるモータ軸支構造において、前記モータ軸は、一方端が前記ブラシレスモータのステータを保持するモータヨーク部に軸受けを介して支持され、他方端が前記左右のケースのうちの一方のケースに挿入されるとともに他方端が前記ピニオンギヤの外端部の位置で前記左右のケースのうちの他方のケースで支持される2点支持構造となっており、前記ピニオンギヤの歯面部の長さは、前記モータ軸を挿入した前記一方のケースを越えて前記ブラシレスモータのロータ側まで延在していることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加えて、前記モータ軸の前記一方端を支持する軸受けの容量を、前記他方端を支持する軸受けの容量よりも小さく設定したことを特徴とする。
請求項3に記載の発明においては、請求項1に記載の構成に加えて、前記ピニオンギヤの前記歯面部は、前記モータ軸に設けられる磁極センサ部材と軸方向でラップして設けられることを特徴とする。
請求項4に記載の発明においては、請求項1に記載の構成に加えて、前記アシストユニットは、前記ピニオンギヤからの駆動力を出力する出力軸と、前記出力軸に連結され且つ前記電動アシスト自転車のチェーンに噛合する出力軸スプロケットと、を備え、当該出力軸は、前記左右のケースにそれぞれ軸受けを介して支持され、前記他方のケース側の軸受けの容量を、前記一方のケース側の軸受けの容量よりも大きく設定したことを特徴とする。
請求項5に記載の発明においては、請求項1に記載の構成に加えて、前記左右のケースに、人力が印加されるペダルクランク軸がそれぞれ軸受けを介して支持され、前記他方のケース側の軸受けの容量を、前記一方のケース側の軸受けの容量よりも大きく設定したことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、モータ軸は、一方端がモータヨーク部に軸受けを介して支持され、他方端がピニオンギヤの外端部の位置で他方のケースで支持される2点支持構造となっている。そのため、支持のスパンを長く取ることができ、軸支強度を確保しつつ、モータの軸支構造を簡素化することができる。従って、モータの軸支構造を複雑にすることを抑制することができる。
また、ピニオンギヤの歯面部の長さは、モータ軸を挿入した一方のケースを越えてブラシレスモータのロータ側まで延在している。そのため、ピニオンギヤの歯面部の長さを長く設定して、大きなトルクを有効に受け止める(伝達させる)構造とすることができる。従って、モータを高出力化(高トルク化)しつつ、モータの軸支構造を複雑にすることを抑制することができる。
請求項2に記載の発明によれば、ピニオンギヤから遠いため比較的負荷が小さいモータヨーク部側(モータ軸の一方端側)の軸受けの容量を小さくすることで、モータヨーク部を小型化することができる。また、ピニオンギヤに近いため比較的負荷が大きいピニオンギヤ側(モータ軸の他方端側)の軸受けの容量を大きくすることで、ピニオンギヤ側でモータ軸を強固に効率よく軸支することができる。
請求項3に記載の発明によれば、モータ軸に磁極センサ部材が設けられている形態において、ピニオンギヤの歯面部の長さを長く設定しながら、モータ軸の全長が長くなることを抑制することができる。
請求項4に記載の発明によれば、他方のケース側の軸受けの容量を大きく設定したので、当該他方のケースについて所定部位のみの強度を強固なものにすれば、他の部位について軽量化を図ることができる。このように、他方のケースについてメリハリのある強度の設定ができるため、モータ軸の強固な支持と他方のケースの軽量化とを両立させやすい構造となる。
請求項5に記載の発明によれば、他方のケース側の軸受けの容量を大きく設定したので、他方のケースについてメリハリのある強度の設定ができる。そのため、モータ軸の強固な支持と他方のケースの軽量化とを両立させやすい構造となる。従って、ペダルクランク軸の強固な支持と他方のケースの軽量化とを両立させやすい構造となる。
本発明の実施形態に係る電動アシスト自転車の側面図である。 実施形態のモータ軸支構造の要部を拡大した側面図である。 図2について駆動力に係る構成を強調した図である。 実施形態のモータ軸支構造について、ペダルクランク軸、モータ軸、出力軸及びアイドラ軸を通るように切断した断面図である。 実施形態のモータ軸支構造について、ドライバ用の制御基板及びコントローラ用の制御基板を通るように切断した断面図である。 アシストユニットの左ケースを外側から視た斜視図である。 アシストユニットの左ケースを内側から視た斜視図である。 アシストユニットの右ケースを外側から視た斜視図である。 アシストユニットの右ケースを内側から視た斜視図である。 図2について制御基板に係る構成を強調した図である。 ブラシレスモータのモータヨーク部を外側から視た斜視図である。 ブラシレスモータのモータヨーク部を内側から視た斜視図である。 図4に示すモータ軸支構造におけるペダルクランク軸17の周辺を示す部分拡大図である。 図4に示すモータ軸支構造におけるブラシレスモータ15の周辺を示す部分拡大図である。 図14に示す図を更に部分的に拡大した部分拡大図である。 図4に示すモータ軸支構造における出力軸の周辺を示す部分拡大図である。 左ケース52からモータヨーク部75及びステータ85を分離させた状態を示す部分拡大断面図である。 左ケース52のモータ配置部523の左側面図である。
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施形態について説明する。まず、本発明に係る電動アシスト自転車1の概要について、図1から図4を用いて説明する。図1は、本発明の実施形態に係る電動アシスト自転車の側面図である。図2は、実施形態のモータ軸支構造の要部を拡大した側面図である。図3は、図2について駆動力に係る構成を強調した図である。図4は、実施形態のモータ軸支構造について、ペダルクランク軸、モータ軸、出力軸及びアイドラ軸を通るように切断した断面図である。
なお、以下の説明における前後、左右及び上下の方向の記載は、特に明記がない限り、自動二輪車に乗車する乗員(運転者)から見た方向に従う。また、図中、矢印FRは車両の前方を示し、矢印LHは車両の左方を示し、矢印UPは車両の上方を示す。
図1に示すように、電動アシスト自転車1は、主な構成要素として、車体フレーム2と、フロントフォーク7と、操向ハンドル8と、リヤフォーク9と、前輪WFと、後輪WRと、ステー10と、シートポスト12と、バッテリ13と、ブラシレスモータ15と、アシストユニット16と、ペダルクランク軸17と、クランク18L,18Rと、ペダル19L,19Rと、駆動スプロケット21と、チェーン22と、従動スプロケット23と、出力軸スプロケットとしてのアシストスプロケット24と、アイドラ25と、を備える。
車体フレーム2は、その前部に位置し且つ上下方向に延びるヘッドパイプ3と、ヘッドパイプ3から後方で且つ下方に延びるダウンパイプ4と、ダウンパイプ4の後端に固着される支持部材5と、支持部材5から上方に立ち上がるシートパイプ6と、を備える。
フロントフォーク7は、下方に延びており、ヘッドパイプ3に操舵可能に支持されている。前輪WFは、フロントフォーク7の下端に軸支されている。操向ハンドル8は、フロントフォーク7の上端に一体に繋がって設けられている。操向ハンドル8を操作することにより、フロントフォーク7に軸支された前輪WFを操舵することができる。
リヤフォーク9は、支持部材5の後方側に左右一対設けられる。左右一対のリヤフォーク9は、支持部材5と一体的に構成されており、後方に地面と略平行に一直線に延びている。後輪WRは、左右一対のリヤフォーク9における後端間に軸支されており、駆動輪として機能する。ステー10は、シートパイプ6の上部と左右一対のリヤフォーク9における後部との間に、左右一対配設されている。
シートポスト12は、上端にシート11を有し、シート11の上下位置を調整可能に、シートパイプ6に装着されている。バッテリ13は、バッテリ13シートパイプ6の後側部に配設される。バッテリ支持部材13Aは、シートパイプ6の後側部に連結されており、バッテリ13を下方から支持する。
アシストユニット16は、車体フレーム2に連結される。アシストユニット16は、ペダルクランク軸17を回転自在に軸支する機能、ブラシレスモータ15を支持する機能などを有する。アシストユニット16は、3個のハンガー部80A,80B,80Cにより車体フレーム2に連結されている。詳述すると、前方側のハンガー部80A,80Bは、アシストユニット16と支持部材5とを連結するために利用される。後方側のハンガー部80Cは、アシストユニット16とバッテリ支持部材13Aとを連結するために利用される。
ブラシレスモータ15は、バッテリ13から電力が供給され、補助トルクの発生源として機能する。
図1から図4に示すように、ペダルクランク軸17は、人力が印加される軸であり、アシストユニット16の第1収容空間501(詳細は後述)を貫通している。ペダルクランク軸17は、クランク軸受け20R、20Lなどを介してアシストユニット16のユニットケース50に回転自在に軸支されている。
クランク18L,18Rは、ペダルクランク軸17の左端及び右端にそれぞれ固定的に連結されている。ペダル19L,19Rは、クランク18L,18Rの先端部にそれぞれに回転自在に設けられている。ペダルクランク軸17、クランク18L,18R及びペダル19L,19Rから、クランクペダルが構成されている。電動アシスト自転車1においては、電動アシスト自転車1に乗車した運転者による踏力は、ペダル19L,19R及びクランク18L,18Rを介してペダルクランク軸17に伝達される。これにより、ペダルクランク軸17を回転させることができる。
駆動スプロケット21は、ペダルクランク軸17に外挿される外挿軸部材210(後述)を介して、ペダルクランク軸17に連結される。駆動スプロケット21には、ペダルクランク軸17の回転が外挿軸部材210を介して伝達され、これにより、駆動スプロケット21は回転する。駆動スプロケット21の回転は、チェーン22を介して、後輪WR側に配設される従動スプロケット23に伝達される。
アシストスプロケット24は、ブラシレスモータ15で発生した補助トルクをチェーン22に伝達するスプロケットであり、駆動スプロケット21の後方に設けられている。
アイドラ25は、アシストスプロケット24に対するチェーン22の巻き付け角を大きく取るためのもので、アシストスプロケット24の後方に設けられている。
なお、本実施形態においては、チェーン機構を用いて踏力トルク及び補助トルクを従動スプロケット23に伝達しているが、これに代えて、ベルト機構を用いて踏力トルク及び補助トルクを後輪WRに伝達させてもよい。
次に、踏力トルク及び補助トルクを伝達する動力伝達機構200について、図2から図4と共に、図5から図18を用いて説明する。動力伝達機構200には、本実施形態のモータ軸支構造が含まれる。
図5は、実施形態のモータ軸支構造について、ドライバ用の制御基板及びコントローラ用の制御基板を通るように切断した断面図である。図6は、アシストユニットの左ケースを外側から視た斜視図である。図7は、アシストユニットの左ケースを内側から視た斜視図である。図8は、アシストユニットの右ケースを外側から視た斜視図である。図9は、アシストユニットの右ケースを内側から視た斜視図である。図10は、図2について制御基板に係る構成を強調した図である。
図11は、ブラシレスモータのモータヨーク部を外側から視た斜視図である。図12は、ブラシレスモータのモータヨーク部を内側から視た斜視図である。図13は、図4に示すモータ軸支構造におけるペダルクランク軸17の周辺を示す部分拡大図である。図14は、図4に示すモータ軸支構造におけるブラシレスモータ15の周辺を示す部分拡大図である。図15は、図14に示す図を更に部分的に拡大した部分拡大図である。図16は、図4に示すモータ軸支構造における出力軸の周辺を示す部分拡大図である。図17は、左ケース52からモータヨーク部75及びステータ85を分離させた状態を示す部分拡大断面図である。図18は、左ケース52のモータ配置部523の左側面図である。
図2から図12に示すように、動力伝達機構200は、右ケース51及び左ケース52を含むユニットケース50を有するアシストユニット16と、左ケース52に設けられるブラシレスモータ15と、ブラシレスモータ15のモータ軸57に設けられるピニオンギヤ58と、を備える。また、アシストユニット16は、ピニオンギヤ58に噛み合う減速ドリブンギヤ63と、減速ドリブンギヤ63に連結され且つピニオンギヤ58からの駆動力を出力する出力軸64と、出力軸64に連結され且つ電動アシスト自転車1のチェーン22に噛み合うアシストスプロケット24と、を備える。
動力伝達機構200は、ブラシレスモータ15の駆動力を、ピニオンギヤ58、アシストユニット16(減速ドリブンギヤ63、出力軸64、アシストスプロケット24)、チェーン22などを介して、電動アシスト自転車1の後輪WRへ伝達する。
動力伝達機構200は、主として、ペダルクランク軸17を回転自在に軸支する機能、ブラシレスモータ15を支持する機能、ブラシレスモータ15で発生した回転を減速してアシストスプロケット24に補助トルクを発生させる機能、アイドラ25を回転自在に軸支する機能などを有する。
動力伝達機構200の外殻は、主として、右ケース51及び左ケース52を有するユニットケース50と、ブラシレスモータ15のモータヨーク部75とから形成される。
まず、右ケース51及び左ケース52を有するユニットケース50について説明する。
右ケース51は、ユニットケース50の右側を形成するものである。左ケース52は、ユニットケース50の左側を形成するものである。ユニットケース50の収容空間の大部分は、左ケース52により形成される。
図4及び図5に示すように、右ケース51と左ケース52とは、それらの間に、ペダルクランク軸17等を収容する第1収容空間501と、出力軸64や減速ドリブンギヤ63等を収容する第2収容空間502と、第1の制御基板101や第2の制御基板102等を収容する第3収容空間503と、を形成するように、重ね合わせられる。このような重ね合わせた状態で、締結用ボルトB50を、右ケース51に設けられた貫通孔を通じて、左ケース52に設けられた雌ネジ部にねじ込むことで、右ケース51と左ケース52とは締結される。
図4から図7に示すように、左ケース52は、第1ベアリング保持部521と、ペダルクランク軸挿通孔522と、モータ配置部523と、モータ軸挿通孔525と、第3ベアリング保持部524と、モータ固定部526と、第1収容空間形成部527と、第2収容空間形成部528と、第3収容空間形成部529と、を備えている。
第1ベアリング保持部521は、クランク軸受け20Lを保持する部位である。クランク軸受け20Lは、ボールベアリングからなり、ペダルクランク軸17を左端部近傍において、左ケース52に対して回転自在に軸支するための軸受けである。
ペダルクランク軸挿通孔522は、ペダルクランク軸17の左端部近傍を挿通される孔であり、第1ベアリング保持部521を左右方向に貫通するように設けられている。
モータ配置部523は、左ケース52の左側面に位置する。モータ配置部523には、ブラシレスモータ15が配置される。
モータ軸挿通孔525は、モータ軸57が挿通される孔であり、モータ配置部523を左右方向に貫通するように設けられている。
第3ベアリング保持部524は、出力軸受け69を保持する部位である。出力軸受け69は、ボールベアリングからなり、出力軸64を左端部近傍において、左ケース52に対して回転自在に軸支するための軸受けである。
モータ固定部526は、ブラシレスモータ15を左ケース52に固定する部位である。モータ固定部526には、モータ固定用雌ネジ526A(図14参照)と、環状凹部526B(図6、図14参照)と、インロー当接部526D(図6、図18参照)と、が形成されている。環状凹部526Bは、モータ固定部526の左側面に右方向に凹むように形成されており、環状に延びている。環状凹部526BにOリング526Cを挿入した状態で、モータ固定部526の右端面に、ブラシレスモータ15のモータヨーク部75のつば部754(後述)が当接される。
インロー当接部526Dは、モータ配置部523の内周面に形成されており、周方向に離間して6個設けられている。インロー当接部526Dは、モータ配置部523の内周面からモータ軸挿通孔525(モータ軸57)に向けて突出している。インロー当接部526Dは、モータヨーク部75(ブラシレスモータ15)と左ケース52とのインロー固定時において、ステータ85の外周面に当接する。
第1収容空間形成部527は、左ケース52における第1収容空間501を形成する部位であり、左ケース52の前上方において、右側に開口している。
第2収容空間形成部528は、左ケース52における第2収容空間502を形成する部位であり、左ケース52の後方において、右側に開口している。
第3収容空間形成部529は、左ケース52における第3収容空間503を形成する部位であり、左ケース52の前下方において、右側に開口している。
次に、右ケース51について説明する。
図4、図5、図8及び図9に示すように、右ケース51は、第1ベアリング保持部511と、ペダルクランク軸挿通孔512と、第2ベアリング保持部513と、第3ベアリング保持部514と、出力軸挿通孔515と、アイドラ固定部516と、第2収容空間形成部518と、第3収容空間形成部519と、を備えている。
第1ベアリング保持部511は、クランク軸受け20Rを保持する部位である。クランク軸受け20Rは、ボールベアリングからなり、ペダルクランク軸17を右端部近傍において、右ケース51に対して回転自在に軸支するための軸受けである。
ペダルクランク軸挿通孔512は、ペダルクランク軸17の右端部近傍が挿通される孔であり、第1ベアリング保持部511を左右方向に貫通するように設けられている。
第2ベアリング保持部513は、モータ軸受け91を保持する部位である。モータ軸受け91は、ボールベアリングからなり、モータ軸57を右ケース51に対して回転自在に軸支するための軸受けである。
第3ベアリング保持部514は、出力軸受け68を保持する部位である。出力軸受け68は、ボールベアリングからなり、出力軸64を右ケース51に対して回転自在に軸支するための軸受けである。
出力軸挿通孔515は、出力軸64が挿通される孔であり、第3ベアリング保持部514を左右方向に貫通するように設けられている。
アイドラ固定部516は、アイドラ25を、アイドラ固定部材25B及びアイドラ軸25Aを介して右ケース51に固定する部位である。アイドラ固定部材25Bは、アイドラ軸25Aを回転自在に軸支する。
第2収容空間形成部518は、右ケース51における第2収容空間502を形成する部位であり、右ケース51の後方において、左側に開口している。
第3収容空間形成部519は、左ケース52における第3収容空間503を形成する部位であり、右ケース51の前下方において、左側に開口している。
次に、第1収容空間501に収容される構成について説明する。
図4から図9に示すように、第1収容空間501には、ペダルクランク軸17、外挿軸部材210、磁歪式トルクセンサ220、クランク軸受け20R,20L等が収容されている。
ペダルクランク軸17における一端部(左端部)は、クランク軸受け20Lにより左ケース52に対して回転自在に軸支されている。ペダルクランク軸17におけるクランク軸受け20Lが装着される部分の右側には、第1ワンウェイクラッチ26の内輪27がペダルクランク軸17に一体的に設けられている。
外挿軸部材210は、ペダルクランク軸17におけるクランク軸受け20Lとクランク18Rとの間の部分の大部分に亘って、外挿されている。外挿軸部材210は、その右端部近傍においてクランク軸受け20Rにより右ケース51に対して回転自在に軸支されている。右ケース51のペダルクランク軸挿通孔512から突出した外挿軸部材210における外周部には、駆動スプロケット21が固定されている。外挿軸部材210の内周部における第1ワンウェイクラッチ26の内輪27と対向する部分には、第1ワンウェイクラッチ26の外輪33が、一体的に設けられている。
このような第1ワンウェイクラッチ26によれば、運転者がペダル19L,19Rを踏んでペダルクランク軸17を正転させた場合には、ペダル19L,19Rからの踏力は、外挿軸部材210に伝達される。一方、運転者がペダル19L,19Rを踏んでペダルクランク軸17を逆転させた場合や運転者が走行中にペダル19L,19Rを踏むのを止めた場合には、第1ワンウェイクラッチ26がスリップする。そのため、ペダルクランク軸17の逆転が可能となり、また、駆動スプロケット21のトルクがペダル19L,19Rに伝わることもない。
従って、運転者がペダル19L,19Rを踏むことでペダルクランク軸17に加わる踏力トルクは、第1ワンウェイクラッチ26を介して外挿軸部材210に伝達される。この踏力トルクは、駆動スプロケット21に伝達され、さらに、チェーン22及び従動スプロケット23を介して、後輪WRに伝達される。一方、アシストユニット16からアシストスプロケット24に加わる補助トルクは、チェーン22及び従動スプロケット23を介して、後輪WRに伝達される。
つまり、外挿軸部材210は、第1ワンウェイクラッチ26が繋がった状態においてペダルクランク軸17及び駆動スプロケット21が一体的に回転するように、ペダルクランク軸17に外挿されている。
磁歪式トルクセンサ220は、磁歪に起因する磁気特性の変化に基づいて、ペダルクランク軸17に作用する踏力トルク(踏力によるトルク)を検出するセンサである。図4及び図13に示すように、磁歪式トルクセンサ220は、外挿軸部材210の外周面における第1ワンウェイクラッチ26の外輪33とクランク軸受け20Rとの間の領域に配設される。磁歪式トルクセンサ220における左側の端部は、外挿軸部材210における段差部に当接する形で、左方向へのスラスト方向の移動が規制され、位置決めされる。磁歪式トルクセンサ220における左側の端部近傍と外挿軸部材210の外周面との間には、外挿軸部材210における段差部に近接して、プレーンベアリング273が配設されている。なお、プレーンベアリング273に代えて、ブッシュを用いることもできる。
磁歪式トルクセンサ220における右側の端部近傍は、クランク軸受け20Rの左側に設けられるカラー部材271、スラストワッシャ272等により、右方向へのスラスト方向の移動が規制され、位置決めされる。
磁歪式トルクセンサ220は、外挿軸部材210の外周面に軸方向に所定間隔をおいて互いに逆方向の異方性を有するように設けられた2つの磁歪膜(例えば、Ni−Feめっきなどの磁気異方性を有する磁歪膜)221,221と、各磁歪膜221,221に対向配置された2つの検出コイル222,222と、各検出コイル222,222に接続された検出回路(図示せず)と、を備えている。
検出回路は、各磁歪膜221,221にトルクが作用したときに発生する逆磁歪特性に起因して生じる各検出コイル222,222のインダクタンスの変化を電圧変化に変換して、第1の制御基板101(後述)に出力する。第1の制御基板101は、検出回路の出力に基づいて、ペダルクランク軸17に作用する踏力トルクを算出する。
このようにして得られた踏力トルクに応じた補助駆動力は、ブラシレスモータ15から出力される。
次に、ブラシレスモータ15について、図2から図12を参照しながら説明する。
ブラシレスモータ15は、直流電源によって駆動される直流ブラシレスモータである。図4、図11及び図12に示すように、ブラシレスモータ15は、モータ軸57と、モータ軸57に固定された(インナー)ロータ86と、ロータ86を囲むように配設されたステータ85と、ステータ85を保持するモータヨーク部75と、磁極センサ手段としての磁極センサ装置250と、モータ軸受け92と、を備えている。
モータヨーク部75は、ステータ85を保持する部位である。モータヨーク部75は金属板材により形成される。モータヨーク部75は、第2ベアリング保持部751と、凹部752と、外周部753と、つば部754と、ブラケット93と、を備える。
第2ベアリング保持部751は、モータ軸57の一方端側の軸受けであるモータ軸受け92を保持する部位である。モータ軸受け92は、ボールベアリングからなり、モータ軸57をモータヨーク部75に対して回転自在に軸支するための軸受けである。第2ベアリング保持部751の底部とモータ軸受け92との間には、ウェーブワッシャ756が配設されている。ウェーブワッシャ756は、第2ベアリング保持部751におけるモータ軸受け92のスラスト方向のガタを抑制するために設けられる。
凹部752は、第2ベアリング保持部751の周囲に、つまり、モータ軸受け92の位置の径方向の周囲に設けられる。凹部752は、右方向に凹んでいる(左方向に開口している)。凹部752は、ブラシレスモータ15におけるロータ86の対向部に(ロータ86と対応する位置に)設けられる。
外周部753は、凹部752の位置の径方向の周囲に設けられる。
第2ベアリング保持部751及び外周部753は、モータヨーク部75の左側部のうち凹部752が形成されていない部分ということもできる。
また、モータヨーク部75(ブラシレスモータ15)は、ステータ85の外径部にて左ケース52にインロー固定される。詳述すると、図14及び図17に示すように、ステータ85の外径部を左ケース52のモータ配置部523に圧入することで、ステータ85に固定されているモータヨーク部75は、左ケース52にインロー固定される。
モータヨーク部75は、モータヨーク部75の右側の開口周縁部から環状に形成されたつば部754を備える。つば部754は、モータヨーク部75の中心から車体左右方向と直交する方向の外側に延出している。
図11及び図12に示すように、ブラケット93は、つば部754の外方に一体的に、複数(本実施形態では3個)設けられている。図14に示すように、このブラケット93の貫通孔にボルトB93を通し、ボルトB93を左ケース52の雌ネジ526Aにねじ込むことにより、ブラシレスモータ15をユニットケース50における左ケース52のモータ配置部523に配置した状態で、ブラシレスモータ15をモータ固定部526に固定することができる。
ロータ86は、複数(本実施形態では8個)の永久磁石90がステータ85と対向するように配設されると共に、モータ軸57の回りを回転自在とされて構成されている。永久磁石90におけるステータ85と対向する面には、磁極が発生している。磁極は、N極とS極と交互になるように配設されている。ステータ85とロータ86(永久磁石90)との間には、一定間隔の空隙が形成されている。
ステータ85は、ステータコア88にステータコイル89が巻き付けられて構成されている。ステータ85は、モータヨーク部75の内周面に沿って、複数(本実施形態では12個)が配設されている。
モータ軸57の一方端(左端)は、モータヨーク部75にモータ軸受け92を介して支持される。モータ軸57の一方端におけるモータ軸受け92の位置は、クランク軸受け20R,20Lの幅内に位置している。モータ軸57における左側の大部分には、ロータ86が嵌合されている。
モータ軸57の他方端(右端)には、ピニオンギヤ58が形成されている。ピニオンギヤ58の歯面部の長さは、モータ軸57を挿入した左ケース52を左側に越えて、ブラシレスモータ15のロータ86側まで延在している。ピニオンギヤ58の歯面部は、モータ軸57に設けられる磁極センサ装置250のマグネット253と軸方向(車体左右方向)でラップして設けられる。
モータ軸57は、ピニオンギヤ58を右ケース51及び左ケース52の内部に臨ませるように、ユニットケース50の外側方から左ケース52に挿入される。この状態で、ブラシレスモータ15は、ユニットケース50の左ケース52に固定される。
モータ軸57の他方端(右端)は、左ケース52に挿入されるとともに、ピニオンギヤ58の外端部の位置で、右ケース51にモータ軸受け91を介して支持される。つまり、モータ軸57は、両端部において2点支持構造となっており、回転自在に構成されている。
次に、ペダルクランク軸17、モータ軸57及び出力軸64それぞれに設けられる軸受けの容量について説明する。
図5及び図13から図16に示すように、ペダルクランク軸17は、それぞれクランク軸受け20R,20Lを介して、右ケース51及び左ケース52に支持されている。
本実施形態においては、右ケース51側のクランク軸受け20Rの容量を、左ケース52側のクランク軸受け20Lの容量よりも大きく設定している。
本実施形態においては、モータ軸57の他方端(右ケース51側)を支持するモータ軸受け91の容量を、モータ軸57の一方端(左ケース52側)を支持するモータ軸受け92の容量よりも大きく設定している。
出力軸64は、それぞれ出力軸受け68,69を介して、右ケース51及び左ケース52に支持される。
本実施形態においては、右ケース51側の出力軸受け68の容量を、左ケース52側の出力軸受け69の容量よりも大きく設定している。
次に、磁極センサ装置250について説明する。
図5、図14及び図15に示すように、磁極センサ装置250は、ブラシレスモータ15のモータ軸57上に設けられ、ブラシレスモータ15のロータ86の回転角度を検出するためのセンサ装置である。磁極センサ装置250は、モータ軸57の軸方向にピニオンギヤ58とロータ86との間に配置される。磁極センサ装置250は、モータ軸57を介してロータ86と一体で回転する磁極マグネット部251と、磁極マグネット部251の回転を検出するセンサ部261と、を有する。
磁極マグネット部251は、磁極マグネット本体252と、マグネット253と、延出部254と、シール手段としてのシール部材255と、を備えている。
磁極マグネット本体252は、モータ軸57に一体的に固定されている。
マグネット253は、磁極マグネット本体252における(モータ軸57の)径方向外側に設けられる。
延出部254は、磁極マグネット本体252から右向きにピニオンギヤ58の歯面上へ延出する部位である。延出部254は、磁極マグネット本体252よりも小径の筒状に形成されている。
磁極マグネット部251の磁極マグネット本体252は、延出部254の反対側でロータ86に当接される。
シール部材255は、リング状であり、延出部254における(モータ軸57の)径方向外周側に当接する。シール部材255は、マグネット253よりも小径の範囲に配置される。
磁極マグネット本体252とシール部材255とは、モータ軸57の軸方向(車体左右方向)に隣接して配置される。
図10に示すように、センサ部261は、センサ部本体262と、センサ部本体262の内部に設けられるホール素子263と、を備える。図14及び図15に示すように、センサ部261は、磁極マグネット部251における(モータ軸57の)径方向外側からマグネット253に対向する。
ホール素子263は、3個設けられており、マグネット253に対して、モータ軸57の径方向に所定の空隙を有して配設されている。ホール素子263により、センサ部261と対向する位置に移動してきたマグネット253におけるN極を検出することができる。
ステータ85に巻き付けられたステータコイル89は、所定の順序で電気的に接続されており、3相(U,V,W相)の入力端子(図示せず)を有している。この入力端子に印加される電圧は、第2の制御基板102により制御されて、バッテリ13から供給されている。前記入力端子に位相が120度ずつ異なるパルス電圧が印加されると、複数のステータ85の磁極がN極、S極交互に現れ、且つ、このパルスの周波数に応じてステータ85の磁極が移動する。よって、センサ部261により、磁極センサ装置250におけるマグネット253の位置を検出することができる。検出されたマグネット253の位置に基づいてステータ85に印加するパルス電圧を調整することにより、モータ軸57を回転させることができる。さらに、入力端子に印加されるパルス電圧のパルス幅を制御するPWM制御により、ロータ86の回転速度(つまり、モータの出力)を制御することができる。
なお、センサ部261は、このセンサ部261と対向する位置に移動してきたマグネット253のN極を検出している。そのため、この検出回数をカウントすることにより、モータ軸57の回転数(回転速度)を算出することができる。
次に、第2収容空間502に収容される構成について説明する。
図4及び図16に示すように、出力軸64は、モータ軸57と平行な軸線を有し、出力軸受け68,69により回転自在に軸支されている。
減速ドリブンギヤ63は、ピニオンギヤ58と噛み合うギヤであり、出力軸64に連結されている。
出力軸64及び減速ドリブンギヤ63の構造は、2種類の構造を採用することができる。
1番目の構造は、出力軸64と減速ドリブンギヤ63とを第2ワンウェイクラッチ65を介して連結する構造である。2番目の構造は、出力軸64と減速ドリブンギヤ63とを第3ワンウェイクラッチ66を介して連結する構造である。
これらの1番目の構造と2番目の構造とは相容れない構造であるが、ここでは便宜上、両構造を併せて説明する。また、1番目の構造における出力軸64及び減速ドリブンギヤ63についてそれぞれ符号「64A」及び「63A」を付している。また、2番目の構造における出力軸64及び減速ドリブンギヤ63についてそれぞれ符号「64B」及び「63B」を付している。
図16に示すように、出力軸64の中心線CLを境界として、車体前側に1番目の構造を示し、車体後ろ側に2番目の構造を示すものとする。
1番目の構造においては、出力軸64Aと減速ドリブンギヤ63Aとは、ラチェット式ワンウェイクラッチからなる第2ワンウェイクラッチ65を介して連結されている。第2ワンウェイクラッチ65の内輪65Aは、出力軸64Aに連結されている。第2ワンウェイクラッチ65の外輪65Bは、減速ドリブンギヤ63Aに連結されている。減速ドリブンギヤ63Aは、硬質の樹脂材料により一体的に形成されている。ギヤを樹脂材料により一体的に形成すれば、ギヤの軽量化やギヤの噛み合い時の低騒音化を図ることができる。
2番目の構造においては、出力軸64Bと減速ドリブンギヤ63Bとは、ローラー式ワンウェイクラッチからなる第3ワンウェイクラッチ66を介して連結されている。減速ドリブンギヤ63Bにおいては、内周側(出力軸64B側)の内周部63Dが金属材料から形成され、また、外周側(歯が設けられている側)の外周部63Cが硬質の樹脂材料から形成されている。締結用ボルトB63を、外周部63Cに設けられた貫通孔を通じて、内周部63Dに設けられた雌ネジ部にねじ込むことで、内周部63Dと外周部63Cとは締結される。
1番目の構造のようにギヤを樹脂材料により一体的に形成すれば、ギヤの軽量化やギヤの噛み合い時の低騒音化を図ることができるが、その一方で、ギヤの強度が不足する虞がある。そこで、2番目の構造においては、ギヤの噛み合い時の騒音の主な発生源となる外周部63Cを樹脂材料から形成すると共に、出力軸64からトルクが掛かり、強度が要求される内周部63Dを金属材料から形成している。これにより、減速ドリブンギヤ63Bの全体として、ある程度のギヤの軽量化を図りつつ、ギヤの噛み合い時の低騒音化を十分に図っている。
1番目の構造においては、第2ワンウェイクラッチ65は、ラチェット式ワンウェイクラッチからなるため、安価に構成することができる。また、2番目の構造においては、第3ワンウェイクラッチ66は、ローラー式ワンウェイクラッチからなるため、ガタが少なく、出力軸64B等の作動時の騒音を低減することができる。
アシストスプロケット24は、出力軸64における右ケース51から延出した端部近傍に連結されている。
ブラシレスモータ15の作動に伴う回転は、減速されてアシストスプロケット24に伝達されるが、ブラシレスモータ15の作動が停止したときや、アシストスプロケット24の回転よりも駆動スプロケット21の回転の方が速い場合には、ワンウェイクラッチの働きにより、出力軸64の空転が許容される。従って、ペダル19L,19Rからの踏力トルクによるアシストスプロケット24の回転が妨げられることはない。
一方、出力軸64B及び減速ドリブンギヤ63の側にワンウェイクラッチを設けないようにすることもできる。その場合には、後輪WR側にワンウェイクラッチを設けていることにより、電動アシスト自転車1の動力伝達機構全体として同等の構造を実現することができる。
次に、第3収容空間503に収容される構成について説明する。
図5、図7及び図9に示すように、第3収容空間503には、第1の制御基板101と、第2の制御基板102とが収容されている。第1の制御基板101と第2の制御基板102とは、図示しないケーブルにより電気的に接続されている。
第1の制御基板101は、コントローラ用の制御基板である。第1の制御基板101は、ペダルクランク軸17に作用する踏力トルクを検出するように、磁歪式トルクセンサ220を制御する。また、第1の制御基板101は、ロータ86の回転角度を検出するように磁極センサ装置250を制御する。
第1の制御基板101と磁歪式トルクセンサ220とは、トルクセンサ用ケーブル141を介して電気的に接続されている。第1の制御基板101と磁極センサ装置250とは、磁極センサ用ケーブル151を介して電気的に接続されている。
第1の制御基板101は、ボス519Aを介して右ケース51の第3収容空間形成部519の内面側に固定されている。第1の制御基板101における右ケース51の側には、CPU114が実装されている。第1の制御基板101における左ケース52の側には、コンデンサ119が実装されている。
第1の制御基板101における左ケース52の側には、トルクセンサ用ケーブル141がコネクタ142を介して接続されており、また、磁極センサ用ケーブル151がコネクタ152を介して接続されている。なお、図5においては、トルクセンサ用ケーブル141と磁極センサ用ケーブル151とを重ねて示している。また、コネクタ142とコネクタ152とを重ねて示している。
トルクセンサ用ケーブル141は、コネクタ143を介して磁歪式トルクセンサ220に接続されている。
磁極センサ用ケーブル151は、左ケース52に設けられた貫通孔532を介して、左ケース52の外側に取り回されており、磁極センサ装置250のセンサ部261に電気的に接続されている。
第2の制御基板102は、ドライバ用の制御基板である。第2の制御基板102は、磁極センサ装置250により検出されたロータ86の回転角度に基づいて、ブラシレスモータ15の通電を制御するドライバ手段として機能する。
第2の制御基板102とブラシレスモータ15とは、モータ用ケーブル161を介して電気的に接続されている。第2の制御基板102における右ケース51の側には、モータ用ケーブル161がコネクタ162を介して接続されている。モータ用ケーブル161は、左ケース52に設けられた貫通孔531を介して、左ケース52の外側に取り回されており、ブラシレスモータ15に電気的に接続されている。
第2の制御基板102は、ボス529Aを介して左ケース52の第3収容空間形成部529に固定されている。第2の制御基板102における左ケース52の側には、FET117が設けられている。第2の制御基板102における左ケース52の側には、ヒートシンク113が設けられている。ヒートシンク113は、第2の制御基板102とヒートシンク113との間にFET117を位置させた状態で、第2の制御基板102に設けられている。
本実施形態に係る電動アシスト自転車1においては、人力によって、ペダル19L,19Rが駆動方向(正転方向)に踏み込まれると、ペダルクランク軸17が回転する。ペダルクランク軸17が回転すると、第1ワンウェイクラッチ26を介して、外挿軸部材210が回転する。この回転により、外挿軸部材210に固定されている駆動スプロケット21が回転する。駆動スプロケット21が回転すると、チェーン22を介して後輪WRに駆動力が付与される。駆動スプロケット21に係るトルクは、運転者がペダル19L,19Rを踏む込む力、つまり踏力トルクとして検出される。
第2の制御基板102には、ブラシレスモータ15が負荷として接続され、また、電源としてバッテリ13が接続されている。
第2の制御基板102において、ブラシレスモータ15のドライブ回路は、FET117、コンデンサ119、ダイオード(図示せず)などから構成されている。ブラシレスモータ15のプラス端子には、バッテリ13のプラス電極が接続され、マイナス端子には、FET117を介してバッテリ13のマイナス電極が接続される。
ブラシレスモータ15に供給される電流は、CPU114からFET117のゲートに印加される電圧によって決定される。CPU114は、踏力値に対応する踏力トルク値/電圧テーブルを参照したり、予定の演算式に従って演算したりすることにより、踏力トルク値に対応する電圧値を求め、その電圧をFET117のゲートに印加する。CPU114に入力される踏力トルク値が増大するのに伴って、ブラシレスモータ15の出力が増大するように、踏力トルク値/電圧テーブル又は演算式を設定することが好ましい。
運転者がペダル19L,19Rを踏み込み、踏力トルクが掛かっているときには、ブラシレスモータ15は、第2の制御基板102により駆動されて、アシストユニット16のアシストスプロケット24からチェーン22に補助トルクが加わる。
さらに運転者による踏力トルクがペダル19L,19Rに加わることで、車速が増加して所定の速度を超えると、ブラシレスモータ15を停止して、補助トルクがチェーン22に加わらないようにする。
以上のように構成された本実施形態によれば、例えば、以下の効果が奏される。
本実施形態によれば、モータ軸57は、一方端がモータヨーク部75にモータ軸受け92を介して支持され、他方端がピニオンギヤ58の外端部の位置で右ケース51で支持される2点支持構造となっている。そのため、支持のスパンを長く取ることができ、軸支強度を確保しつつ、ブラシレスモータ15の軸支構造を簡素化することができる。従って、ブラシレスモータ15の軸支構造を複雑にすることを抑制することができる。
また、ピニオンギヤ58の歯面部の長さは、モータ軸57を挿入した左ケース52を越えてブラシレスモータ15のロータ86側まで延在している。そのため、ピニオンギヤ58の歯面部の長さを長く設定して、大きなトルクを有効に受け止める(伝達させる)構造とすることができる。従って、ブラシレスモータ15を高出力化(高トルク化)しつつ、ブラシレスモータ15の軸支構造を複雑にすることを抑制することができる。
本実施形態によれば、ピニオンギヤ58から遠いため比較的負荷が小さいモータヨーク部75側(モータ軸57の一方端側)のモータ軸受け92の容量を小さくすることで、モータヨーク部75を小型化することができる。また、ピニオンギヤ58に近いため比較的負荷が大きいピニオンギヤ58側(モータ軸57の他方端側)のモータ軸受け91の容量を大きくすることで、ピニオンギヤ58側でモータ軸57を強固に効率よく軸支することができる。
本実施形態によれば、モータ軸57に磁極センサ装置250が設けられている形態において、ピニオンギヤ58の歯面部の長さを長く設定しながら、モータ軸57の全長が長くなることを抑制することができる。
本実施形態によれば、右ケース51側の出力軸受け68の容量を大きく設定したので、右ケース51について所定部位のみの強度を強固なものにすれば、他の部位について軽量化を図ることができる。このように、右ケース51についてメリハリのある強度の設定ができるため、モータ軸57の強固な支持と右ケース51の軽量化とを両立させやすい構造となる。
本実施形態によれば、右ケース51側のクランク軸受け20Rの容量を大きく設定したので、右ケース51についてメリハリのある強度の設定ができる。そのため、モータ軸57の強固な支持と右ケース51の軽量化とを両立させやすい構造となる。従って、ペダルクランク軸17の強固な支持と右ケース51の軽量化とを両立させやすい構造となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
例えば、前記実施形態においては、ブラシレスモータ15は、ユニットケース50の左ケース52に固定されているが、これに制限されず、右ケース51に固定してもよい。
前記実施形態においては、ペダルクランク軸17は、ユニットケース50に支持されているが、これに制限されず、車体フレームに支持させることができる。
1 電動アシスト自転車
15 ブラシレスモータ
16 アシストユニット
17 ペダルクランク軸
22 チェーン
24 アシストスプロケット(出力軸スプロケット)
50 ユニットケース
51 右ケース(右のケース)
52 左ケース(左のケース)
57 モータ軸
58 ピニオンギヤ
64 出力軸
68,69 出力軸受け
75 モータヨーク部
85 ステータ
86 ロータ
91,92モータ軸受け(軸受け)
250 磁極センサ装置(磁極センサ部材)
WR 後輪

Claims (5)

  1. 電動アシスト自転車(1)に備えられ、左右のケース(51,52)を含むユニットケース(50)を有するアシストユニット(16)と、前記左右のケース(51,52)のうちの一方のケースに設けられるブラシレスモータ(15)と、前記ブラシレスモータ(15)のモータ軸(57)に設けられ、前記ブラシレスモータ(15)の駆動力を前記アシストユニット(16)を介して前記電動アシスト自転車(1)の後輪(WR)へ伝達するピニオンギヤ(58)と、を有し、前記ピニオンギヤ(58)を前記左右のケース(51,52)内に臨ませるように前記モータ軸(57)を前記ユニットケース(50)の外側方から前記左右のケース(51,52)のいずれかに挿入した状態で前記ブラシレスモータ(15)を前記ユニットケース(50)に固定する、アシストユニットにおけるモータ軸支構造において、
    前記モータ軸(57)は、一方端が前記ブラシレスモータ(15)のステータ(85)を保持するモータヨーク部(75)に軸受け(92)を介して支持され、他方端が前記左右のケース(51,52)のうちの一方のケースに挿入されるとともに他方端が前記ピニオンギヤ(58)の外端部の位置で前記左右のケース(51,52)のうちの他方のケースで支持される2点支持構造となっており、
    前記ピニオンギヤ(58)の歯面部の長さは、前記モータ軸(57)を挿入した前記一方のケースを越えて前記ブラシレスモータ(15)のロータ(86)側まで延在している
    ことを特徴とするアシストユニットにおけるモータ軸支構造。
  2. 前記モータ軸(57)の前記一方端を支持する軸受け(92)の容量を、前記他方端を支持する軸受け(91)の容量よりも大きく設定した
    ことを特徴とする請求項1に記載のアシストユニットにおけるモータ軸支構造。
  3. 前記ピニオンギヤ(58)の前記歯面部は、前記モータ軸(57)に設けられる磁極センサ部材(250)と軸方向でラップして設けられる
    ことを特徴とする請求項1に記載のアシストユニットにおけるモータ軸支構造。
  4. 前記アシストユニット(16)は、前記ピニオンギヤ(58)からの駆動力を出力する出力軸(64)と、前記出力軸(64)に連結され且つ前記電動アシスト自転車(1)のチェーン(22)に噛合する出力軸スプロケット(24)と、を備え、
    当該出力軸(64)は、前記左右のケース(51,52)にそれぞれ軸受け(68,69)を介して支持され、
    前記他方のケース側の軸受け(68)の容量を、前記一方のケース側の軸受け(69)の容量よりも大きく設定した
    ことを特徴とする請求項1に記載のアシストユニットにおけるモータ軸支構造。
  5. 前記左右のケース(51,52)に、人力が印加されるペダルクランク軸(17)がそれぞれ軸受け(20R,20L)を介して支持され、
    前記他方のケース側の軸受け(20R)の容量を、前記一方のケース側の軸受け(20L)の容量よりも大きく設定した
    ことを特徴とする請求項1に記載のアシストユニットにおけるモータ軸支構造。
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