JP2011201404A - 車両特性情報推定装置及びそれを用いた警告装置 - Google Patents

車両特性情報推定装置及びそれを用いた警告装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 走行環境において、低コストに、車両の重心位置及び慣性モーメント、タイヤのコーナリングパワーを同時にリアルタイムに推定できる車両特性情報推定装置を提供する。
【解決手段】 車両特性情報推定装置10は、車両の速度、ヨーレート、横加速度、前後加速度、及び舵角を含むセンサ情報を取得して、これらのセンサ情報に基づいて車両の重心位置、慣性モーメント、及びタイヤのコーナリングパワーを含む車両特性情報を推定する。車両特性情報推定装置10は、速度、ヨーレート、横加速度から横滑り角を推定する横滑り角推定部14と、速度、ヨーレート、横加速度、前後加速度、舵角、及び横滑り角推定部14にて推定された横滑り角に、車両の運動モデルを適用することで、その運動モデルに含まれるパラメータを推定するパラメータ推定部15と、このパラメータを変換することで、車両特性情報を求めるデータ変換部16とを備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両の重心位置、慣性モーメント、及びタイヤのコーナリングパワーを含む車両特性情報を推定する車両特性情報推定装置及びそれを用いた警告装置に関する。
従来より、実験室において車両を懸架し、その振動の減衰モードを測定することで、車両の重心位置やヨー慣性モーメントを測定する方法が知られている。このように実験室環境で重心位置やヨー慣性モーメントを測定する方法は、非常に精度の高い測定が可能であるが、大規模かつ特殊な実験設備を必要とし、一般的に利用できる方法ではなく、コストが非常に高くなる。また、実験室環境での測定では、走行環境におけるリアルタイムの測定は不可能であり、搭載物等による重心位置や慣性モーメントの変化を知ることはできない。
一方、近年、電気自動車のようにモータにより直接タイヤを駆動するタイプの車両に関する関心が高まってきている。このタイプの車両は、従来のエンジンによって駆動するタイプの車両に比べて、制御システムによる入力が実際にタイヤのトルクとなって作用するまでの遅延時間を非常に短くことが可能であり、よりアクティブなタイヤトルク制御によって、車両運動をコントロールすることが可能である。このようなアクティブ制御を行うためには、車両の重心位置や慣性モーメント、及びタイヤのコーナリングパワーを動的に推定し、車両制御へ正しく反映する必要があり、実際に車両を運転している走行環境で、搭載物等による重心位置や慣性モーメントの変化、及びタイヤのコーナリングパワーの経年変化を推定する必要がある。
特許文献1では、走行環境において、動的に車両の重心位置やヨー慣性モーメントを測定する方法が提案されている。この方法では、車速、前後加速度、横加速度、ヨーレート(角速度)、及び前後左右の各タイヤの路面に対する接地面に働く路面との間の摩擦力を直接センシングし、これらをダランベール(D'Alembert)の原理から導かれる運動方程式に適用することで、車両の重心位置及びヨー慣性モーメントを推定している。
また、特許文献2では、応答特性に基づく観測値からのシステム同定結果として、重心の高さとロール慣性モーメント及びコーナリングパワーを動的に推定する方法が提案されている。この方法では、車両のモデルの運動方程式に基づく理論的な伝達特性を用意して、センサの観測値に対して、その伝達特性の式を当てはめて、システム同定をすることにより、重心の垂直方向位置、ロール慣性モーメント及びコーナリングパワーを推定している。なお、このシステム同定において、車両の水平方向の重心位置とヨー慣性モーメントは既知と仮定されている。
本発明に関連する先行技術文献として、以下の文献がある。
特開2008−265545号公報 特開2009−229412号公報
安部正人著「自動車の運動と制御」、東京電機大学出版局、2008年発行
しかしながら、特許文献1の方法では、走行環境において車両の重心位置及び慣性モーメントを推定するために、各タイヤに働くトルクを直接測定する特殊なセンサを用いている。このように、この方法によれば、現在の一般的な車両には通常は搭載されていない特殊なセンサを必要とし、コストが高くなる。また、車両を正確にアクティブ制御するためには、タイヤのコーナリングパワーに関する情報も必要となるが、特許文献1では、その計測方法については述べられていない。
特許文献2の方法では、応答特性に基づく観測値からのシステム同定の結果として、重心の高さとロール慣性モーメント及びコーナリングパワーが動的に推定されるが、車両の重心位置とヨー慣性モーメントは既知であると仮定されている。従って、車両の重心位置とヨー慣性モーメントが動的に変化する場合には、正しくシステム同定ができない。また、通常、システム同定においては、広い範囲の周波数を含むような信号を入力として与えないと、推定誤差が大きくなってしまう。従って、実際に観測されるセンサ値がこのような条件を満たしていない場合には、推定誤差が大きくなるという問題がある。
さらに、特許文献2では、コーナリングパワーが推定されるものの、タイヤのコーナリング力が横滑り角に対して非線形性を有することまでは考慮されていない。実際には、車両を制御するためには、非線形性を考慮することが重要であり、特許文献2の方法では不十分である。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、走行環境において、低コストに、車両の重心位置、慣性モーメント、及びタイヤのコーナリングパワーをいずれもリアルタイムに推定できる車両特性情報推定装置を提供する。また、本発明は、非線形性を考慮してコーナリングパワーを推定できる車両特性情報推定装置を提供する。さらに、本発明は、上記の車両特性情報推定装置によって推定された車両特性情報に基づいて、ドライバに警告を出す警告装置を提供する。
本発明の一態様は、車両の速度、ヨーレート、横加速度、前後加速度、及び舵角を含むセンサ情報を取得して、前記センサ情報に基づいて車両の重心位置、慣性モーメント、及びタイヤのコーナリングパワーを含む車両特性情報を推定する車両特性情報推定装置であって、この車両特性情報推定装置は、前記速度、前記ヨーレート、前記横加速度から横滑り角を推定する横滑り角推定部と、前記速度、前記ヨーレート、前記横加速度、前記前後加速度、前記舵角、及び前記横滑り角推定部にて推定された横滑り角に車両の運動モデルを適用することで、前記運動モデルに含まれるパラメータを推定するパラメータ推定部と、前記パラメータを変換することで、前記車両特性情報を求めるデータ変換部とを備えている。
この構成によれば、車両の速度、ヨーレート、横加速度、前後加速度、及び舵角という一般的な車両に搭載されているセンサで得られるセンサ情報に基づいて車両特性情報を推定できるので、コストの上昇を招くことなく、走行環境においてリアルタイムに車両特性情報を推定できる。
上記の車両特性情報推定装置において、前記パラメータ推定部は、前記横滑り角に応じて前記速度、前記ヨーレート、前記横加速度、前記前後加速度、及び前記舵角を複数の区間に振り分けるデータ振り分け部と、前記区間ごとに前記パラメータを推定する区間パラメータ推定部と、前記横滑り角に対する各区間のコーナリング力をクラスタリングして、クラスタごとに線形近似し、各クラスタについて前記コーナリングパワーを求めるクラスタリング部とを備え、各区間の前記パラメータ及び各クラスタのコーナリングパワーを出力してよい。
この構成によれば、タイヤのコーナリング力が横滑り角に対して有する非線形性を考慮して、より正確なコーナリングパワーを推定できる。
上記の車両特性情報推定装置において、前記データ変換部は、各区間について前記重心位置及び前記慣性モーメントを求めてよく、前記車両特性情報推定装置は、さらに、各区間について前記重心位置及び前記慣性モーメントの平均値に対する分散に基づいて、前記車両特性情報の推定の信頼度を求める信頼度評価部を備えていてよい。
この構成によれば、重心位置及び慣性モーメントの推定値とともに、その推定値の信頼度の情報が得られる。
上記の車両特性情報推定装置は、前記速度、前記横加速度、前記前後加速度、及び前記舵角が、所定のトリガー条件を満たすか否かを判定するトリガー判定部をさらに備えていてよく、前記パラメータ推定部が、前記トリガー判定部にて、前記トリガー条件を満たす場合に前記パラメータを推定するようにしてよい。
この構成によれば、推定結果の正確性が確保できる条件で推定を行うので、推定結果の信頼度が向上する。
上記の車両特性情報推定装置は、取得した前記センサ情報を補正する補正部をさらに備えていてよく、前記横滑り角推定部及び前記パラメータ推定部が、前記補正部にて補正されたセンサ情報を使用して、それぞれ前記横滑り角及び前記パラメータを推定するようにしてよい。
この構成によれば、車両特性情報を求めるための元の情報となるセンサ情報が補正されるので、車両特性情報をより正確に推定できる。
上記の車両特性情報推定装置において、前記センサ情報は、さらに車両の重量を含んでいてよく、前記横滑り角推定部及び前記パラメータ推定部が、前記センサ情報として取得した車両の重量を用いて、それぞれ前記横滑り角及び前記パラメータを推定するようにしてよい。
この構成によれば、乗員や積載物による重量の変化も考慮して、横滑り角及びパラメータを推定するので、車両特性情報をより正確に推定できる。
本発明の別の態様は、車両のドライバに警告を出す警告装置であって、この警告装置は、上記の車両特性情報推定装置と、前記車両特性情報推定装置にて推定された車両特性情報を取得して、該車両特性情報に基づいて、危険性を判定するハザード判定部と、前記ハザード判定部にて危険性があると判定されたことに応じて、警告を出力する出力部とを備えている。
この構成によれば、車両特性情報に基づいて、危険性を判定して、警告を出すことができる。
本発明の警告装置において、前記ハザード判定部が、前記車両特性情報に含まれるコーナリングパワーの推定値が所定の閾値を下回った場合に、危険性があると判定するようにしてよい。
この構成によれば、タイヤの経年変化によって、コーナリングパワーが低下したのに応じて、警告を出すことができる。
上記の警告装置は、さらに、過去に推定された前記コーナリングパワーを保存するデータベースを備えていてよく、前記ハザード判定部が、前記車両特性情報推定装置から取得したコーナリングパワーが前記データベースに保存された過去のコーナリングパワーから急激に変化しているときに、危険性があると判定するようにしてよい。
この構成によれば、スリップ等の原因により、タイヤのコーナリングパワーが急激に低下したことに応じて、警告を出すことができる。
上記の警告装置は、さらにデータベースを備えていてよく、前記ハザード判定部が、位置情報取得装置より車両の現在位置の位置情報を取得して、危険性があると判定したときの位置情報を前記データベースに保存し、前記ハザード判定部が、前記データベースを参照して、車両の現在位置又はその付近の位置について、過去に危険性があると判定している場合に、危険性があると判定するようにしてよい。
この構成によれば、車両が、過去に警告を出された位置又はその付近に来たときに、警告を出すことができる。
上記の警告装置は、さらに外部サーバと通信する通信部を備えていてよく、前記ハザード判定部が、位置情報取得装置より車両の現在位置の位置情報を取得して、危険性があると判定したときの位置情報を、前記通信部を介して前記外部サーバに保存し、前記ハザード判定部が、前記通信部を介して前記外部サーバから受信した情報を参照して、車両の現在位置又はその付近の位置について、過去に危険性があると判定している場合に、危険性があると判定するようにしてよい。
この構成によれば、外部サーバに複数の車両が情報を送信することで、車両が、他の車両において過去に警告を出された位置又はその付近に来たときに、警告を出すことができる。
本発明のさらに別の態様は、車両の速度、ヨーレート、横加速度、前後加速度、及び舵角を含むセンサ情報に基づいて、車両の重心位置、慣性モーメント、及びタイヤのコーナリングパワーを含む車両特性情報を推定する車両特性情報推定方法であって、この方法は、前記センサ情報を取得するセンサ情報取得ステップと、前記速度、前記ヨーレート、前記横加速度から横滑り角を推定する横滑り角推定ステップと、前記速度、前記ヨーレート、前記横加速度、前記前後加速度、前記舵角、及び前記横滑り角推定ステップにて推定された横滑り角に車両の運動モデルを適用することで、前記運動モデルに含まれるパラメータを推定するパラメータ推定ステップと、前記パラメータを変換することで、前記車両特性情報を求めるデータ変換ステップとを含んでいる。
この構成によっても、上記の車両特性情報推定装置と同様に、車両の速度、ヨーレート、横加速度、前後加速度、及び舵角という一般的な車両に搭載されているセンサで得られるセンサ情報に基づいて車両特性情報を推定できるので、コストの上昇を招くことなく、走行環境においてリアルタイムに車両特性情報を推定できる。
本発明のさらに別の態様は、コンピュータを、車両の速度、ヨーレート、横加速度、前後加速度、及び舵角を含むセンサ情報を取得して、前記センサ情報に基づいて車両の重心位置、慣性モーメント、及びタイヤのコーナリングパワーを含む車両特性情報を推定する車両特性情報推定装置として機能させるためのプログラムであって、該プログラムは、コンピュータに、前記速度、前記ヨーレート、前記横加速度から横滑り角を推定する横滑り角推定ステップと、前記速度、前記ヨーレート、前記横加速度、前記前後加速度、前記舵角、及び前記横滑り角推定ステップにて推定された横滑り角に車両の運動モデルを適用することで、前記運動モデルに含まれるパラメータを推定するパラメータ推定ステップと、前記パラメータを変換することで、前記車両特性情報を求めるデータ変換ステップと実行させる。
この構成によっても、上記の車両特性情報推定装置と同様に、車両の速度、ヨーレート、横加速度、前後加速度、及び舵角という一般的な車両に搭載されているセンサで得られるセンサ情報に基づいて車両特性情報を推定できるので、コストの上昇を招くことなく、走行環境においてリアルタイムに車両特性情報を推定できる。
本発明によれば、車両の速度、ヨーレート、横加速度、前後加速度、及び舵角という一般的な車両に搭載されているセンサで得られるセンサ情報に基づいて車両特性情報を推定できるので、コストの上昇を招くことなく、走行環境においてリアルタイムに車両特性情報を推定できる。
本発明の実施の形態における警告装置の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態における車両に関するパラメータの定義を示す図 本発明の実施の形態における各区間について求められたタイヤのコーナリング力を示すグラフ 本発明の実施の形態における区間の置き換えを説明する図 本発明の実施の形態におけるコーナリング力の区分線形近似及びクラスタの境界値を示すグラフ 本発明の実施の形態における警告発生の判定条件を説明するための図 本発明の実施の形態における警告装置の動作フロー図 本発明の実施の形態の第3の変形例における推定値の補正のフロー図
以下、本発明の実施の形態の車両特性情報推定装置及びそれを用いた警告装置について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施の形態の警告装置の構成を示すブロック図である。図1を参照して本実施の形態の警告装置の構成を説明する前に、まず、図2を参照して本明細書で使用される各種のパラメータについて説明する。
図2は、車両に関するパラメータの定義を示す図である。図中、点Oは車両の中心位置を示している。この点に原点を固定した直交座標系x−yを車両座標系と呼ぶ。x軸は車両の前後方向に選ぶ。また、点Gは車両の重心位置を示している。重心位置Gは、パラメータl, l, d, dによって定義される。l,lについては、前後車軸間の距離をホイールベースlとして、次式(1)が成立する。
また、d,dについては、左右タイヤ間の距離をトレッド長dとして、次式(2)が成立する。
なお、一般的には、トレッド長dは、車両の前後で一致しないこともあるが、本実施の形態では、説明の簡潔性のために、車両の前後で一致するものとする。但し、以下の説明は、トレッド長dが車両の前後で一致しない場合にも適用できるものである。
また、図2中のKfr,Kfl,Krr,Krlは、それぞれ、前方右側タイヤ、前方左側タイヤ、後方右側タイヤ、後方左側タイヤのコーナリングパワーを示している。以下の説明では、説明の簡潔性のために、前方右側タイヤ及び前方左側タイヤのコーナリングパワーは等しいものとしてこれをKと表記し(即ち、Kfr=Kfl=K)、後方右側タイヤ及び後方左側タイヤのコーナリングパワーは等しいものとしてこれをKと表記する(即ち、Krr=Krl=K)。その他、車速V、ヨーレートγ、舵角δ、横滑り角βを図2のとおり定義する。
車両質量mは、一般に乗員や積載物の重量に比べて十分に大きいものとして、本実施の形態では、既知の定数であるとする。但し、mを変数として重量変化を考慮することも可能である。
本実施の形態において、ある時間変数に対する時間に関する1階微分は、その変数の上に1つのドットを付すか、その変数の右上に「′」を付して表記する。また、ある時間変数に対する時間に関する2階微分は、その変数の上に2つのドットを付すか、その変数の右上に「″」を付して表記する。例えば、「β′」は横滑り角の時間に関する1階微分を示し、「y″」は横方向の位置の時間に関する2階微分(即ち横加速度)を示す。
次に、図1を参照して本実施の形態の警告装置の構成を説明する。警告装置1は、車両に備えられて、車両の状態に応じてドライバに警告を出す装置である。警告装置1は、車両特性情報推定装置10及び警告出力装置20を備えている。車両特性情報推定装置10は、車両の各種のセンサからセンサ値を入力して、車両の重心位置、ヨー慣性モーメント、及びコーナリングパワーの推定値を出力する装置である。以下、この車両の重心位置、ヨー慣性モーメント、及びコーナリングパワーをまとめて、車両特性情報ともいう。但し、本発明において、車両特性情報は上記の情報に限られない。例えば、車両特性情報推定装置10がロール慣性モーメントを推定し、車両特性情報がロール慣性モーメントを含んでいてもよい。ロール慣性モーメントの推定については、以下に説明するヨー慣性モーメントの推定を参照して実行できる。警告出力装置20は、車両特性情報推定装置10から出力された車両特性情報に基づいて警告を出す装置である。
車両特性情報推定装置10は、第1補正部11、第2補正部12、トリガー判定部13、横滑り角推定部14、パラメータ推定部15、データ変換部16、及び信頼度評価部17を備えている。車両特性情報推定装置10は、車両に設けられた図示しない速度センサ、ヨーレートセンサ、横加速度センサ、前後加速度センサ、舵角センサから、センサ値としてそれぞれ車速V、ヨーレートγ、横加速度y″、前後加速度x″、舵角δを取得する。これらのセンサ値として得られる情報をセンサ情報ともいう。
一般的に、センサ情報には、バイアスが存在している可能性がある。例えば、車速がゼロであるにも関わらず、センサ情報として得られる横加速度y″や前後加速度x″が0でないことがある。このようなバイアスは、以下に説明する推定処理に大きく影響するため、車両特性情報推定装置10は、まず、入力したセンサ情報の補正を行う。但し、車速Vは、停車時には正確にゼロとなるので、車速Vについてはバイアスがないものとして、補正は行わない。
第1補正部11は、車速V、ヨーレートγ、横加速度y″、及び前後加速度x″を入力して、ヨーレートγ、横加速度y″、及び前後加速度x″を補正する。第1の補正部11は、まず、車速Vが所定の一定時間以上0である場合に、ヨーレートγ、横加速度y″、及び前後加速度x″のセンサ値を蓄積して、それらのそれぞれの定常値を推定する。そして、第1補正部11は、各定常値を、対応するセンサ値に含まれるバイアス値として、対応するセンサ値から差し引くことで、対応するセンサ値を補正する。これらのバイアス値は、時間の経過に伴って変化する可能性があるので、蓄積した情報は一定時間後に破棄し、再度新たな定常値を推定することが望ましい。
同様に、舵角δにもバイアスが存在する可能性がある。即ち、直進走行をしているにもかかわらず舵角δが0にならないことがある。第2補正部12は、車速V、補正後の横加速度y″及び前後加速度x″を入力して、車速Vが一定値以上であり、補正後の横加速度y″及び前後加速度x″が所定の非常に小さい正の値以下である場合(即ち、車両が等速直線運動を行っている場合)に、舵角δの値を蓄積して、その定常値を求める。そして、第2補正部12は、その定常値をバイアス値として、入力した舵角δから差し引くことで、舵角δを補正する。これにより、等速直線運動を行う時には、補正後の舵角δがほぼ0となるようにする。
車両特性情報推定装置10は、トリガー判定部13を備えている。前後加速度x″が大きい場合、又は舵角δが大きい場合には、車両運動の非線形性の効果が大きくなり、データ処理の方法が複雑となる。このため、本実施の形態では、線形近似が十分良く成り立つように、前後加速度x″と舵角δの絶対値が十分に小さい場合にのみ、車両パラメータの推定を行う。また、舵角δが常に0であるような場合も、運動の横方向の自由度が失われてしまうため、舵角δが所定の値以上である場合にのみ、車両パラメータの推定を行う。このために、トリガー判定部13は、前後加速度x″の絶対値がある所定の閾値x″以下であり、かつ、舵角δが所定の値δ以上で、所定の値δ以下であるという条件が満たされる場合に、車両パラメータの推定処理を開始し、上記の条件が満たされなくなった場合に、車両パラメータの推定処理を中断するという制御を行う。
横滑り角推定部14は、車速V、補正されたヨーレートγ、及び補正された横加速度y″を用いて横滑り角βを推定する。車速V、ヨーレートγ、横加速度y″、及び横滑り角βの間には、次式(3)の運動学的関係式(運動モデル)が成り立つ(非特許文献1を参照)。
横滑り角推定部14は、式(3)を直接積分することで、次式(4)の通り、横滑り角βを推定する。
式(4)において、(t)は、β(t)が横滑り角βの時刻tにおける値であることを示している。tは積分の開始時刻である。この時刻tは、舵角δが0となる度にリセットされる。また、時刻tがリセットされるときには横滑り角βの値も0にリセットされる。即ち、次式(5)の関係が成り立つとものとする。
このように、区分的に直接積分をすることで、直接積分による誤差の蓄積を小さく抑えることができる。
パラメータ推定部15は、入力データに基づいて、車両特性情報を求めるためのパラメータを推定する。パラメータ推定部15には入力データとして、横滑り角推定部14にて推定された横滑り角β、速度センサにて取得された車速V、第1補正部11にて補正されたヨーレートγ、横加速度y″、及び前後加速度x″、並びに第2補正部12にて補正された舵角δが入力される。なお、上述のように、本実施の形態では、説明の簡潔性のために、車両重心の横方向の位置は、中心線上に位置するもの(即ち、d=d=d/2)とし、前後方向の重心位置(l又はl)のみを推定する。但し、以下の説明は、横方向の重心位置を求める場合にも、同様に拡張することができる。
パラメータ推定部15は、データ振り分け部151、区間パラメータ推定部152、及びクラスタリング部153を有している。データ振り分け部151は、横滑り角βの大きさに応じて、入力データを複数の区間に振り分ける。区間パラメータ推定部152は、各区間においてパラメータ推定を行う。クラスタリング部153は、各区間について推定されたパラメータをクラスタリングすることで、非線形性を有するコーナリング力Y,Yを区分的に線形近似する。
パラメータ推定部15において、データ振り分け部151及びクラスタリング部153は、タイヤのコーナリング力の非線形性を考慮して、コーナリングパワーを求めるための構成である。従って、タイヤのコーナリング力の非線形性を考慮しない場合には、区間パラメータ推定部にて、区間に分けられていない入力データに基づいて、パラメータを推定すればよい。以下では、理解を容易にするために、まず、タイヤのコーナリング力の非線形性を考慮しない場合、即ち入力データを区間に振り分けない場合のパラメータの推定について説明する。その後に、タイヤのコーナリング力の非線形性を考慮するために、入力データを複数の区間に分けた上で、各区間についてパラメータを求める場合について説明する。
入力データを区間に振り分けない場合、即ち区間数が1である場合、車両運動は、次の運動方程式(6)で表現される運動モデルによって説明される(非特許文献1参照)。
式(6)において、Iは車両のヨー慣性モーメント、mは車両の質量である。ここで、上述のように、車両の質量mは、搭載貨物や乗員の質量に比べて十分に大きいものと仮定し、搭載貨物や乗員の質量は無視する。
本実施の形態では、この運動方程式(6)を車両パラメータに関する重線形回帰を表す式であるとみなし、式(1)の関係を利用して、式(6)を次式(7)のように書き改める。
なお、式(7)において、各独立変数、係数、及び従属変数は、次式(8)のように定義してある。
さらに、次式(9)のベクトル表現を用いると、式(7)における独立変数、係数、従属変数は、次式(10)〜(14)の通りまとめることができる。
式(14)は、式(7)と同値である。また、式(13)の右辺の行列において、非対角の部分にあるのは、ゼロベクトルである。
従属変数(10)、係数(11)、及び係数(12)は、センサ情報から計算されるものであり、既知のデータである。従って、式(14)は、独立変数(9)に関する連立線形方程式である。
センサ情報は、実際には時間的に連続的に得られるわけではなく、一定の周期で取得される離散的なものである。従って、時間に関する微分は、差分によって置き換えられる。差分の定義は一意的ではないが、その定義が以下の説明に影響することもない。従って、本実施の形態では、次式(15)のような簡単な定義を利用する。
ここで、kは、センサ情報が取得された順番を表す整数値であり、Δtは、センサ情報を取得する時間間隔である。なお、ここでは、一定の周期でセンサ情報を取得するものとしたが、センサ情報を取得する時間間隔が一定でない場合にも拡張できる。
式(14)を各時刻で解くことも可能であるが、各センサ情報には観測誤差が含まれているので、式(14)を各時刻で解くのは好ましくない。そこで、パラメータ推定部15は、複数の観測データを蓄積し、それらの全体について最適化する。このために、パラメータ推定部15は、次式(16)の目的関数を定義して、この目的関数が最小になるように変数ξを決める。即ち、パラメータ推定部15は、次の極値条件(17)を解くことによって(即ち最小二乗法によって)、変数ξの値を決定する。
なお、式(16)は、k=0,1,……,Tについてデータが得られていることを表している。パラメータ推定部15は、このようにして求めたパラメータξをデータ変換部16に出力する。
データ変換部16は、パラメータ推定部15から得たパラメータの値ξから、式(18)によって、重心位置l,l、ヨー慣性モーメントI、コーナリングパワーK,Kを求め、これらを車両特性情報の推定値として出力する。
なお、データ変換部16は、式(18)以外の式で車両特性情報の推定値を求めてもよい。例えば、データ変換部16は、これらのパラメータの推定結果を平均化して、次式(19)によって車両特性情報の推定値を求めてもよい。
式(19)によって、推定結果を平滑化することが可能となる。
次に、パラメータ推定部15が、入力データ(V,γ,y″,x″,β)を複数の区間に振り分けて(区間数は2以上)、各区間についてパラメータを推定する場合について説明する。区間の数は、各センサのサンプリングレート、各区間の大きさ、及び考慮する横滑り角βの範囲の大きさ等に基づいて設定される。区間の大きさは、できるだけ小さい方がよいが、その区間にあるデータ数が十分に多く集まるだけの大きさは確保しなければならない。本実施の形態では、簡単のために、横滑り角βの範囲を8個の区間に分割する場合を例にして説明する。なお、後述するように、この区間数は、非線形性を有するコーナリング力をクラスタリングして区分線形的に近似する際のクラスタの数とは異なる。ここで考える区間は、コーナリング力の非線形性の区分的線形近似のクラスタ数よりも十分に大きくなるように選ぶ。データ振り分け部151は、横滑り角βを8つの区間に分けて、区間ごとに入力データを区間パラメータ推定部152に渡す。
区間パラメータ推定部152は、各区間について、タイヤのコーナリング力Y,Yを求める。なお、入力データを区間に分けない上記の例では、パラメータ推定部15は、パラメータξを求めてこれをデータ変換部16に出力し、データ変換部16にてパラメータξに基づいて車両特性情報を算出したが、入力データを複数の区間に振り分けて、コーナリング力の非線形性を考慮する場合には、区間パラメータ推定部152は、パラメータξに基づいて、コーナリングパワーK,Kまで求める。
区間パラメータ推定部152では、まず、タイヤのコーナリング力Y,Yと横滑り角βとの関係を次式(20)のように一般化する。
ここで、F、K、F、Kは、区間ごとに決まる定数である。この関係を用いた場合、車両の運動方程式(6)は、次式(21)ように修正される。
この修正に対応して、式(7)は、次式(22)のように修正される。
従って、この場合には、独立変数として式(8)以外に、次式(23)の独立変数を加えて考えればよいということになる。
区間パラメータ推定部152は、入力データを複数の区間に分けない上記の場合と同様にして、入力データから式(22)における式(8)及び式(23)の変数の値を推定する。
区間パラメータ推定部152は、式(23)の推定値から、次式(24)によって、式(20)におけるF、Fの値を求めることができる。
なお、区間パラメータ推定部152は、式(19)と同様に、次式(25)で平滑化してF、Fの値を求めてもよい。
但し、ここでは、式(19)を次式(26)のように修正したものを利用する。
区間パラメータ推定部152は、各区間について、上記のようにしてF,K,F,Kを推定することで、式(20)を用いて各区間におけるタイヤのコーナリング力Y,Yを求める。
図3は、各区間について求められたタイヤのコーナリング力を示すグラフである。区間パラメータ推定部15が各区間においてコーナリング力Yを求めることで、図3に示すような直線の集合が得られる。なお、以下の説明では、前タイヤのコーナリングパワーK及び後タイヤのコーナリングパワーKを区別することなく、タイヤのコーナリングパワーKと表記し、前タイヤのコーナリング力Y及び後タイヤのコーナリング力Yを区別することなく、タイヤのコーナリング力Yと表記して説明する。
クラスタリング部153は、図3に示す複数の直線を所定の数のグループ(クラスタ)に分ける(クラスタリングする)。本実施の形態では、簡単のために2つのクラスタへ分ける例を説明する。このクラスタ数は、コーナリング力Yの非線形性をいくつの区分で線形近似するかによって決まるものである。
クラスタリング部153では、クラスタリングのために、直線間の類似度が次式(27)のように定義されている。
ここで、F,Kの上添字は、クラスタリングにおけるクラスタを区別するためのものである。
本実施の形態では、クラスタリング部153は、平均法を用いてクラスタリングを行う。ここで、複数のクラスタのうちの1つのクラスタに対しては、その代表点が原点を通る直線(F=0)であるという制約条件を課す。これにより、一般性を損なうことなく、それを第1のクラスタに選ぶことができる。即ち、第1のクラスタに関しては、常に次式(28)が成立する。
式(28)では、クラスタに対する値であることを示すティルダ記号を変数の上に付けている。また、上添字はクラスタを区別するためのラベルである。
本実施の形態では、クラスタリング部153は、クラスタリングにおける制約条件として、式(28)以外に、1つのクラスタに属する区間全体の和集合は連続した区間であるという条件を課す。各区間は、横滑り角βの大きさによって、自然に、順序付けられているので、クラスタリング部153は、上記の制約条件を実現するために、クラスタ内でこの順序が連続するように区間を置き換える。また、最も順序が小さい区間は、常に第1のクラスタに属するものとし、最も順序が大きな区間は、最大のクラスタラベルをもつようにする。
図4は、区間の置き換えを説明する図である。クラスタリング部153は、上記の制約条件の下で、平均法におけるクラスタのラベル付けを行った後に、図4に示すように、順序の小さい区間から、順序の大きい区間へ、順次クラスタラベルを走査していき、順序の大きい区間のクラスタラベルが、順序の小さい区間のクラスタラベルに比べてが大きい場合には何もせず、次の順序が大きい区間へ進み、順序の大きい区間のクラスタラベルが、順序の小さい区間のクラスタラベルに比べてが小さい場合には、順序が大きい区間のラベルを順序が小さい区間のクラスタラベルに置き換える。このようにすることで、上記の制約を満たすことができる。
上記のようなクラスタリングの結果、図5に示すようなコーナリング力Yの区分線形近似が得られる。図5において、横滑り角がβ≦βであるときは、クラスタ1を採用し、横滑り角がβ>βであるときは、クラスタ2を採用する。ここで、βは、2つのクラスタの間の境界値である。クラスタリングによってコーナリング力Yが3つ以上のグループに分けられる場合には、境界値は2つ以上になる。
パラメータ推定部15では、区間ごとにパラメータξが決定されるので、それらをデータ変換部16に出力する。また、パラメータ推定部15は、クラスタリングによって得られたクラスタの境界値、及び各クラスタにおけるF,K,F,Kもデータ変換部16に出力する。
データ変換部16は、車両特性情報の一つとして、クラスタごとにコーナリングパワーK,Kを出力する。一方、重心位置及び慣性モーメントについては、区間の分割を行って各区間について重心位置及び慣性モーメントの推定値を得た場合には、理論的には各区間の重心位置及び慣性モーメントは一致すべきであり、どの区間の重心位置及び慣性モーメントを採用してもよいはずである。しかしながら、実際には、観測誤差及び統計的な誤差のために、全区間の重心位置及び慣性モーメントがすべて一致するとは限らない。従って、データ変換部16は、各区間の重心位置l,l及びヨー慣性モーメントIを求めて、それらの平均値を計算し、その平均値をその車両の重心位置及びヨー慣性モーメントとして出力する。
この場合、さらに、その平均値に対する分散の大小は、推定が全体として、どれくらい信頼性よく評価できているかを示す指標と捉えることができる。即ち、この分散値が小さいということは、独立な推定が互いに一致する評価を多く出していることを意味し、推定値に対する信頼度が高いということを意味する。一方、この分散が大きいということは、それぞれの推定値に不一致が多く生じていることを意味し、推定値に対する信頼性が低いということを意味する。そこで、データ変換部16は、各区間の重心位置l,l及びヨー慣性モーメントIを信頼度評価部17に出力する。信頼度評価部17は、これらの重心位置l,l及びヨー慣性モーメントIの平均値に対する分散を計算して、分散に応じた推定信頼度を出力する。なお、パラメータξの時系列に対して、さらにフィルタリングなどを適応し、データの平滑化を行ってもよい。
このようにして、車両特性情報推定装置10は、車両特性情報として、走行環境において推定した重心位置l,l及びヨー慣性モーメントI、各クラスタのコーナリングパワーK,K及びそのクラスタの境界値、並びに推定信頼度を出力する。これらの車両特性情報は、車両をアクティブ制御する際に利用することができる。本実施の形態では、車両特性情報推定装置10が警告装置1に組み込まれており、これらの車両特性情報を用いて、ドライバに警告を出す。以下、警告を出すための構成について説明する。
警告装置1は、警告を出すための構成として、警告出力装置20を備えている。警告出力装置20は、第3補正部21、ハザード判定部22、推定値ログデータベース23、出力部24、及び通信部25を備えている。警告出力装置20は、車両特性情報推定装置10にて得られた車両特性情報を保存する。車両特性情報推定装置10が、継続的にパラメータの推定を実施することで、警告出力装置20は、車両における乗員や搭載物の重量の変化やそれらの搭載位置の変化に応じた重心位置やヨー慣性モーメントの変化、及びタイヤのコーナリングパワーの急激な変化や経年変化等を検出して、必要な場合に警告を出す。このために、ハザード判定部22は、車両特性情報推定装置10から、車両特性情報として、重心位置、ヨー慣性モーメント、及びコーナリングパワーを取得する。
以下、ハザード判定部22の構成として、タイヤのコーナリングパワーの急激な変化や経年変化等を検出して、必要な場合に警告を出す構成を説明する。タイヤの劣化や路面状態の変化があると、タイヤのコーナリングパワーが所定の基準値以下に低下することがある。コーナリングパワーは、路面との摩擦力の効果によって大きく変化する。従って、コーナリングパワーの推定値が急激に変化したということは、路面摩擦係数が大きく変化したことを意味する。よって、このような場合にはドライバに警告を出す。
このために、ハザード判定部22は、車両特性情報推定装置10から入力されたコーナリングパワーを推定値ログデータベース23に保存する。なお、上記で説明したように、車両特性情報推定装置10では、クラスタごとにコーナリングパワーK,Kが推定されるが、ハザード判定部22には、タイヤのコーナリングパワーの急激な変化や経年変化等を検出して、必要な場合に警告を出すために、クラスタ1のコーナリングパワーK,Kの情報を利用する。以下の説明では、前後のコーナリングパワーK,Kを区別することなくKと表記する。
図6は、ハザード判定部22における警告発生の判定条件を説明するための図である。図6では、推定値推移1及び推定値推移2という2つの推定値の推移が示されている。ハザード判定部22は、推定値ログデータベース23を参照することで図6の推定値推移を得ることができる。図6では、便宜上、2つの推定値推移を同一のグラフに表しているが、推定値推移1は、例えば5分毎の推定値の推移であり、推定値推移2は、例えば月毎の推定値(月平均の推定値)の推移である。ハザード判定部22は、推定値推移1を参照することで、コーナリングパワーの急激な変化を検出して、警告を出し、推定値推移2を参照することで、コーナリングパワーの経年変化を検出して、警告を出す。
ハザード判定部22は、コーナリングパワーの急激な変化を検出するために、推定値推移1について、過去の推定値の平均値とその平均値の分散を求めて、平均値から分散の所定数倍の余裕をもって閾値を設定する。そして、車両特性情報推定装置10から入力された新しいコーナリングパワーKの推定値がその分散値に基づいて決められた所定の範囲を越えて変化した場合、即ち閾値を超えた場合(図6では、時刻t)に、警告を出すと判定し、出力部24に警告情報を出力する。
ハザード判定部22は、車両の位置情報を参照して、車両が、過去に警告が出された地点又はその付近に来たときに、警告を出す。このために、警告出力装置20には、位置情報取得装置としての図示しないGPSから位置情報が入力される。位置情報は、警告出力装置20の第3補正部21に入力される。位置情報をGPSによって取得する場合は、たとえ停車時であっても、観測される位置は揺らぎを持つ。従って、第3補正部21は、このような揺らぎをカルマンフィルターなどの時系列データへのフィルタ処理によって補正する。なお、地図情報とのマッチングが可能であれば、マップマッチングによる補正を行うことが望ましい。
ハザード判定部22は、警告を出すと判定した時点の位置情報をそのときの推定値とともに推定値ログデータベース23に保存する。ハザード判定部22は、第3補正部21から得た位置情報に基づいて、車両が推定値ログデータベース23に保存されている位置情報が示す位置又はその近くに来たと判断したときには、警告を出すと判定し、出力部24に警告情報を出力する。この構成により、過去にその車両に対して警告が出された地点に車両が来たときに、警告を出してドライバに注意喚起をすることで、その地点で危険な状態となることを未然に防止できる。
ハザード判定部22は、また、ハザード判定部22は、警告を出すと判定した時点の位置情報を推定値とともに通信部25に出力する。通信部25は、これらの情報を外部サーバ50に送信する。また、ハザード判定部22は、第3補正部21から得た位置情報に基づいて、車両が、通信部25が受信した位置情報が示す位置又はその近くに来たと判断したときには、警告を出すと判定し、出力部24に警告情報を出力する。この構成により、過去に、他の車両に対して警告が出された地点に当該車両が来たときに、警告を出してドライバに注意喚起をすることで、当該車両が危険な状態となることを未然に防止できる。
また、ハザード判定部22は、推定値推移2を参照して、月平均の推定値が所定の閾値以下になったとき(図6では、時刻t)に警告を出すと判定し、出力部24に警告情報を出力する。これにより、経年変化によってタイヤのコーナリングパワーが所定の加減地位かとなった場合に、ユーザに注意喚起できる。
出力部24は、音声によって警告を出力する。出力部24は、メーターやディスプレイへの視覚的な表示によって警告を出力してもよい。
次に、以上のように構成された警告装置1の動作を説明する。図7は、警告装置1の動作フロー図である。警告装置1は、まず車両の各センサからセンサ情報(車速V、ヨーレートγ、横加速度y″、前後加速度x″、舵角δ)を取得する(ステップS71)。そして、これらのセンサ情報について、第1補正部11にてヨーレートγ、横加速度y″、前後加速度x″を補正し、第2補正部12にて舵角δを補正する(ステップS72)。次に、横滑り角推定部13にて、車速Vと、補正されたヨーレートγ及び横加速度y″とを用いて、横滑り角βを推定する(ステップS73)。
そして、トリガー判定部13にてトリガー条件を満たしているか否かを判定し(ステップS74)、トリガー条件を満たしている場合は(ステップS74にてYES)、パラメータ推定部15にて、パラメータの推定が行われる(ステップS75〜ステップS77)。トリガー判定部13にてトリガー条件を満たしていないと判定されたときは(ステップS74にてNO)、ステップS71に戻って、新たにセンサ情報を取得する。
パラメータの推定においては、まず、データ振り分け部151は、車速V、第1補正部11で補正されたヨーレートγ、横加速度y″、及び前後加速度x″、第2補正部12で補正された舵角δ、及び横滑り角推定部13にて推定された横滑り角βを含む入力データを複数の区間に振り分ける(ステップS75)。次に、区間パラメータ推定部152は、区間ごとにパラメータξを推定する(ステップS76)。区間パラメータ推定部152は、推定された区間ごとのパラメータξをデータ変換部16に出力するとともに、パラメータξからコーナリングパワーKを求めて、クラスタリング部153に出力する。クラスタリング部153は、横滑り角βに対するコーナリング力Yの非線形性を区分線形的に近似するために、区間のクラスタリングを行う(ステップS77)。
パラメータ推定部15にて、パラメータが推定されると、データ変換部16はそのパラメータを変換して、車両の重心位置l,l、ヨー慣性モーメントI、コーナリングパワーK,Kを含む車両特性情報出力する(ステップS78)。
警告出力装置20では、データ変換部16から出力された車両特性情報を推定値ログデータベースに記録し(ステップS79)、必要に応じて通信部25に出力した上で、ハザード判定部22がハザード判定を行う(ステップS80)。ハザード判定にて警告を出すと判定された場合は(ステップS80にてYES)、ハザード判定部22が出力部24に警告情報を出力し、出力部24が音声等で警告を出力する(ステップS81)。ハザード判定にて警告を出さないと判定された場合は(ステップS80にてNO)、警告を出さずに処理を終了する。
以上のように、本実施の形態の車両特性情報推定装置10によれば、車両の速度、ヨーレート、横加速度、前後加速度、及び舵角という一般的な車両に搭載されているセンサで得られるセンサ情報に基づいて、横滑り角推定部14にて横滑り角を推定して、パラメータ推定部15にて車両特性情報を推定するので、コストの上昇を招くことなく、走行環境においてリアルタイムに車両特性情報を推定できる。
また、本実施の形態の車両特性情報推定装置10では、パラメータ推定部15にて、入力データを複数の区間に振り分けで、区間ごとに運動方程式のパラメータを求め、各区間のコーナリング力をクラスタリングして、横滑り角に対して非線形性を有するコーナリング力を区分的に線形近似するので、コーナリング力の非線形性を考慮して、より正確なコーナリングパワーを推定できる。
さらに、本実施の形態の車両特性情報推定装置10では、パラメータ推定部15にて、入力データを複数の区間に振り分けで、区間ごとに運動方程式のパラメータを求め、各区間の重心位置及びヨー慣性モーメントの分散値に基づいて、推定の信頼度を求めるので、車両特性情報推定装置10によって推定された車両特性情報がどの程度信頼できるかを知ることができる。
また、本実施の形態の警告装置1は、ハザード判定部22が、車両特性情報に含まれるコーナリングパワーの推定値が所定の閾値を下回った場合に、危険性があると判定するので、タイヤの経年変化によってコーナリングパワーが低下したのに応じて、警告を出すことができる。
また、本実施の形態の警告装置1では、過去に推定されたコーナリングパワーを推定値ログデータベース23に保存し、ハザード判定部22が、車両特性情報推定装置10から取得したコーナリングパワーが推定値ログデータベース23に保存された過去のコーナリングパワーから急激に変化しているときに、危険性があると判定するので、スリップ等の原因により、タイヤのコーナリングパワーが急激に低下したことに応じて、警告を出すことができる。
また、本実施の形態の警告装置1では、ハザード判定部22が、車両の現在位置の位置情報を取得して、危険性があると判定したときの位置情報を推定値ログデータベース23に保存するとともに、推定値ログデータベース23を参照して、車両の現在位置又はその付近の位置について、過去に危険性があると判定している場合に、危険性があると判定するので、車両が、過去に警告を出された位置又はその付近に来たときに、警告を出すことができる。
また、本実施の形態の警告装置1では、ハザード判定部22が、車両の現在位置の位置情報を取得して、危険性があると判定したときの位置情報を、通信部25を介して外部サーバ50に保存するとともに、通信部25を介して外部サーバ50から受信した情報を参照して、車両の現在位置又はその付近の位置について、過去に危険性があると判定している場合に、危険性があると判定するので、外部サーバ50に複数の車両が情報を送信することで、車両が、他の車両において過去に警告を出された位置又はその付近に来たときに、警告を出すことができる。
なお、上記の実施の形態は、例示に過ぎず、本発明の車両特性情報推定装置及び警告装置は別の形態でも実施され得る。
(第1の変形例)
例えば、上記の実施の形態では、車両の重量mは、既知の固定された値であるとしたが、車両の重量を変数として車両特性情報を推定してもよい。この場合、車両には、シート位置を計測するセンサ、及びシート上に置かれた物体や乗員の重量を計測するセンサが備えられ、車両特性情報推定装置10は、これらのセンサ値もセンサ情報として取得して、車両特性情報を推定する。この変形例によれば、乗員や積載物の重量も考慮して、動的に車両特性情報を補正できるので、車両のアクティブ制御に有用な情報を与えることができる。
(第2の変形例)
上記の実施の形態では、車両特性情報である重心位置、ヨー慣性モーメント、コーナリングパワーについて初期値を考慮しなかったが、これらの情報について所定の初期値を考慮して、車両特性情報を推定してもよい。この場合には、重心位置、ヨー慣性モーメント、コーナリングパワーについて所定の初期値を決めておき、区間ごとのパラメータの推定において、次式(29)の制約を課す。
ここで、Kf0,Kr0,I,lf0は、あらかじめ定めた値、又は上記の第1の変形例のような補正を追加したものである。λ,λ,λなどのパラメータは、これらの設定値を考慮する度合いを示すものである。これらを0とすると、初期値を考慮せずに推定を行うことになる。一方、これらのパラメータの値を大きくすると、初期値を大きく考慮して推定を行うことになる。第2の変形例では、この式(29)を式(16)の代わりに使う。
また、式(16)による推定結果と所定の初期値とを単純に混合してもよい。次式(30)は、Kについて式(16)による推定結果と初期値Kf0とを混合する場合の式である。
ここで、ハット記号が付いたものが、式(16)による推定値であり、αは混合割合を表すパラメータであって、0から1の値を取る。その他の車両特性情報についても同様にして、式(16)による推定結果と初期値とを混合できる。
(第3の変形例)
上記の実施の形態又は変形例によって、車両特性情報を取得した後に、これらの値を補正する処理を追加してもよい。このために、まず、式(6)において、次式(31)のように時間微分を差分化したものを考える。
ここで、yの時間微分y′は、次式(32)のように、yの2階時間微分y″を積分して求める。
推定された車両特性情報を用いて、式(31)により、k番目の観測値からk+1番目の値を推定した値には、ハット記号を付けて表記する。次式(33)のように、この値と観測値との差を考える。
そして、この差分が所定の値よりも大きい場合には、車両特性情報の補正を行う。なお、常に補正を行う場合には、この所定の値を0とする。
補正は以下のように行う。まず、式(33)の各パラメータによる微分は、次式(34)、(35)のようになる。
次式(36)に従って、これらの値に小さな正のパラメータεを掛けて、k番目の観測値に対する計算でしようとする車両特性情報に加えることで、パラメータを更新する。
ここで、K,K,l,Iの上添字は、k番目の観測値に対する計算でしようとする車両特性情報であることを示している。式(36)の更新は、新しい観測値に対して、値が収束するまで実行する。値の収束は、小さな正数θに対して、次式(37)の不等式が成り立つことで判定する。
式(37)は、Kの収束条件を示しているが、その他の車両特性情報についても同様である。なお、以上の処理を式(21)の場合にも、同様に拡張できる。
図8は、第3の変形例における推定値の補正のフロー図である。このフローは、図7で説明した上記の実施の形態のフローにおけるデータ変換の処理の後、即ちステップS78に続けて実行される。推定値の補正では、まず、観測値が取得される(ステップS81)。ここでいう観測値とは、即ち、図7のステップS71〜ステップS78を実行することで得られた車両特性情報のことである。
次に、k番目の横加速度y″及びヨー加速度γ′をそれぞれ積分する(ステップS83)。そして、式(31)及び式(32)を利用して、k番目の横速度及びヨーレートの値からk+1番目の横速度及びヨーレートを推定する(ステップS84)。その後、k+1番目の推定値と観測値との差分が所定の値以上であるか否かを判断する(ステップS85)。差分が所定の値以上である場合は(ステップS83にてYES)、式(34)〜式(36)を用いて、観測値を補正する(ステップS86)。
観測値を補正した後には、式(37)等によって、各観測値が収束しているかを判断し(ステップS87)、収束している場合は(ステップS87にてYES)、処理を終了し、収束していない場合(ステップS87にてNO)は、ステップS81に戻って上記の処理を繰り返す。また、推定値と観測値との差分が所定の値に満たない場合は(ステップS85にてNO)、補正を行わずにステップS81に戻って、上記の処理を繰り返す。
本発明は、車両の速度、ヨーレート、横加速度、前後加速度、及び舵角という一般的な車両に搭載されているセンサで得られるセンサ情報に基づいて、車両の重心位置、慣性モーメント、及びタイヤのコーナリングパワーを含む車両特性情報を推定できるので、コストの上昇を招くことなく、走行環境においてリアルタイムに車両特性情報を推定できるという優れた効果を有し、車両特性情報を推定する車両特性情報推定装置及びそれを用いた警告装置等に適用することができる。
1 警告装置
10 車両特性情報推定装置
11 第1補正部
12 第2補正部
13 トリガー判定部
14 横滑り角推定部
15 パラメータ推定部
16 データ変換部
17 信頼度評価部
20 警告出力装置
21 第3補正部
22 ハザード判定部
23 推定値ログデータベース
24 出力部
25 通信部
50 外部サーバ

Claims (13)

  1. 車両の速度、ヨーレート、横加速度、前後加速度、及び舵角を含むセンサ情報を取得して、前記センサ情報に基づいて車両の重心位置、慣性モーメント、及びタイヤのコーナリングパワーを含む車両特性情報を推定する車両特性情報推定装置であって、
    前記速度、前記ヨーレート、前記横加速度から横滑り角を推定する横滑り角推定部と、
    前記速度、前記ヨーレート、前記横加速度、前記前後加速度、前記舵角、及び前記横滑り角推定部にて推定された横滑り角に車両の運動モデルを適用することで、前記運動モデルに含まれるパラメータを推定するパラメータ推定部と、
    前記パラメータを変換することで、前記車両特性情報を求めるデータ変換部と、
    を備えたことを特徴とする車両特性情報推定装置。
  2. 前記パラメータ推定部は、
    前記横滑り角に応じて前記速度、前記ヨーレート、前記横加速度、前後加速度、及び舵角を複数の区間に振り分けるデータ振り分け部と、
    前記区間ごとに前記パラメータを推定する区間パラメータ推定部と、
    前記横滑り角に対する複数の区間のコーナリング力をクラスタリングして、クラスタごとに線形近似し、各クラスタについて前記コーナリングパワーを求めるクラスタリング部と、
    を備え、各区間の前記パラメータ及び各クラスタのコーナリングパワーを出力することを特徴とする請求項1に記載の車両特性情報推定装置。
  3. 前記データ変換部は、各区間について前記重心位置及び前記慣性モーメントを求め、
    前記車両特性情報推定装置は、さらに、前記複数の区間の前記重心位置及び前記慣性モーメントの平均値に対する分散に基づいて、前記車両特性情報の推定の信頼度を求める信頼度評価部を備えたことを特徴とする請求項2に記載の車両特性情報推定装置。
  4. 前記速度、前記横加速度、前記前後加速度、及び前記舵角が、所定のトリガー条件を満たすか否かを判定するトリガー判定部をさらに備え、
    前記パラメータ推定部は、前記トリガー判定部にて、前記トリガー条件を満たす場合に前記パラメータを推定することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の車両特性情報推定装置。
  5. 取得した前記センサ情報を補正する補正部をさらに備え、前記横滑り角推定部及び前記パラメータ推定部は、前記補正部にて補正されたセンサ情報を使用して、それぞれ前記横滑り角及び前記パラメータを推定することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の車両特性情報推定装置。
  6. 前記センサ情報は、さらに車両の重量を含み、前記横滑り角推定部及び前記パラメータ推定部は、前記センサ情報として取得した車両の重量を用いて、それぞれ前記横滑り角及び前記パラメータを推定することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の車両特性情報推定装置。
  7. 車両のドライバに警告を出す警告装置であって、
    請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の車両特性情報推定装置と、
    前記車両特性情報推定装置にて推定された車両特性情報を取得して、該車両特性情報に基づいて、危険性を判定するハザード判定部と、
    前記ハザード判定部にて危険性があると判定されたことに応じて、警告を出力する出力部と、
    を備えたことを特徴とする警告装置。
  8. 前記ハザード判定部は、前記車両特性情報に含まれるコーナリングパワーの推定値が所定の閾値を下回った場合に、危険性があると判定することを特徴とする請求項7に記載の警告装置。
  9. 過去に推定された前記コーナリングパワーを保存するデータベースをさらに備え、
    前記ハザード判定部は、前記車両特性情報推定装置から取得したコーナリングパワーが前記データベースに保存された過去のコーナリングパワーから急激に変化しているときに、危険性があると判定することを特徴とする請求項7に記載の警告装置。
  10. データベースをさらに備え、
    前記ハザード判定部は、位置情報取得装置より車両の現在位置の位置情報を取得して、危険性があると判定したときの位置情報を前記データベースに保存し、
    前記ハザード判定部は、前記データベースを参照して、車両の現在位置又はその付近の位置について、過去に危険性があると判定している場合に、危険性があると判定することを特徴とする請求項7ないし請求項9のいずれかに記載の警告装置。
  11. 外部サーバと通信する通信部をさらに備え、
    前記ハザード判定部は、位置情報取得装置より車両の現在位置の位置情報を取得して、危険性があると判定したときの位置情報を、前記通信部を介して前記外部サーバに保存し、
    前記ハザード判定部は、前記通信部を介して前記外部サーバから受信した情報を参照して、車両の現在位置又はその付近の位置について、過去に危険性があると判定している場合に、危険性があると判定することを特徴とする請求項7ないし請求項9のいずれかに記載の警告装置。
  12. 車両の速度、ヨーレート、横加速度、前後加速度、及び舵角を含むセンサ情報に基づいて、車両の重心位置、慣性モーメント、及びタイヤのコーナリングパワーを含む車両特性情報を推定する車両特性情報推定方法であって、
    前記センサ情報を取得するセンサ情報取得ステップと、
    前記速度、前記ヨーレート、前記横加速度から横滑り角を推定する横滑り角推定ステップと、
    前記速度、前記ヨーレート、前記横加速度、前記前後加速度、前記舵角、及び前記横滑り角推定ステップにて推定された横滑り角に車両の運動モデルを適用することで、前記運動モデルに含まれるパラメータを推定するパラメータ推定ステップと、
    前記パラメータを変換することで、前記車両特性情報を求めるデータ変換ステップと、
    を含むことを特徴とする車両特性情報推定方法。
  13. コンピュータを、車両の速度、ヨーレート、横加速度、前後加速度、及び舵角を含むセンサ情報を取得して、前記センサ情報に基づいて車両の重心位置、慣性モーメント、及びタイヤのコーナリングパワーを含む車両特性情報を推定する車両特性情報推定装置として機能させるためのプログラムであって、該プログラムは、コンピュータに、
    前記速度、前記ヨーレート、前記横加速度から横滑り角を推定する横滑り角推定ステップと、
    前記速度、前記ヨーレート、前記横加速度、前記前後加速度、前記舵角、及び前記横滑り角推定ステップにて推定された横滑り角に車両の運動モデルを適用することで、前記運動モデルに含まれるパラメータを推定するパラメータ推定ステップと、
    前記パラメータを変換することで、前記車両特性情報を求めるデータ変換ステップと、
    を実行させることを特徴とするプログラム。
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