JP2011200532A - 放射線撮影システムの制御装置及び制御方法 - Google Patents

放射線撮影システムの制御装置及び制御方法 Download PDF

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    • A61B6/48Diagnostic techniques
    • A61B6/484Diagnostic techniques involving phase contrast X-ray imaging

Abstract

【課題】一般的な回転陽極型の放射線源において、回転陽極に回転ぶれが生じた場合でも焦点の見かけ上の寸法を小さくすることを可能とする。
【解決手段】X線源(放射線源)は、フィラメントから回転陽極に電子ビームを照射することによりX線を発生する回転陽極型のX管を有しており、被検体を介して対向配置されたFPD(放射線検出器)とによりX線撮影システムを構成している。X線撮影システムの制御部は、回転陽極の回転周期Tに同期するようにフィラメントと回転陽極との間に高電圧を印加する高電圧発生回路をON/OFF制御することにより、1回の曝射期間内に回転周期Tに同期したパルス状の高電圧信号Vhを発生させる。これにより、放射線が回転周期Tに同期して間欠照射され、回転陽極に回転ぶれが生じた場合でもX線焦点の見かけ上の寸法が小さくなる。
【選択図】図3

Description

本発明は、X線等の放射線により被検体の撮影を行う放射線撮影システムの制御装置及び制御方法に関し、特に、回転陽極型の放射線管を備えた放射線撮影システムの制御装置及び制御方法に関する。
X線により被検体を検査するX線撮影システムに用いられるX線管は、真空容器内に、陽極と陰極とが対向配置され、陰極側に設けられたフィラメントより発生した熱電子を電子ビームとして陽極(ターゲット)に衝突させることにより、X線を発生するように構成されており、陽極上の電子ビームの衝突点がX線焦点である。
電子ビームの照射は、フィラメントを加熱し、陽極と陰極との間に高電圧を印加することにより行われるが、電子ビームの総エネルギーのうち、X線に変換されるエネルギーの変換率は1%に満たず、残りの99%以上は熱となって陽極を加熱する。
X線管には、陽極が固定された固定陽極型と、陽極が回転する回転陽極型とが知られている。固定陽極型のX線管は、駆動部が存在しないため小型化が可能であるとともに、小焦点化が可能であるため、マイクロフォーカスX線源に採用されている。しかし、固定陽極型では、フィラメントからの電子ビームを1点で受けることにより熱が集中するため、固定陽極の熱伝導効果による冷却能力を超える熱負荷を受けやすく、陽極の金属表面が蒸発して劣化が生じるという問題がある。このように、固定陽極型のX線管は、構造上熱負荷に弱いため、X線を高出力化することはできない。
被検体のX線検査を行う場合、X線を高出力化し、X線量を多くして撮影を行えば、短い撮影時間で鮮明なX線画像を得ることができる。特に、医用X線検査の場合には、被検体である患者に動きが生じやすいため、X線を高出力化することが望まれている。
一方の回転陽極型のX線管は、回転により、回転陽極上のX線の衝突位置を分散させるものであり、単位時間に単位面積が受けるエネルギーが低いため、固定陽極型に比べて熱負荷に対して強く、X線を高出力化することができる。このため、X線の高出力化が望まれる医用分野では、歯科用途などの一部の例外を除き、殆どの装置で、回転陽極型のX線管が用いられている。
ただし、回転陽極型のX線管は、回転陽極に回転ぶれが生じるため、この回転ぶれによりX線焦点が振動して、X線焦点の見かけ上の寸法(実効的な寸法)が大きくなるといった問題がある(例えば、特許文献1参照)。X線焦点の寸法が大きくなると、X線画像の鮮鋭度が低下するため、X線焦点の寸法は、できるだけ小さいほうが好ましい。特に、被検体からX線検出器を離して撮影する拡大撮影法では、小焦点が必要とされる。また、近年、X線が被検体を通過するときの屈折に生じる位相変化を検出し、この位相変化を画像化する位相イメージングの開発が進んでおり、この位相イメージングにおいても小焦点化が望まれている。
特許文献1では、回転陽極を組み立てた後に、回転陽極を回転させながら、電子ビームが衝突するターゲット面を加工して、ターゲット面のぶれを抑制することで、小焦点化を図っている。
特開2005−158589号公報
しかしながら、特許文献1に記載のX線管は、ターゲット面のぶれを抑制するための特別な加工工程が要されるため、一般的なX線管とは異なり、製造コストがかさむという問題がある。また、特許文献1に記載のX線管は、製造後に経時劣化により生じる回転ぶれを抑えることができないといった問題がある。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、一般的な回転陽極型の放射線源において、回転陽極に回転ぶれが生じた場合でも焦点の見かけ上の寸法を小さくすることができる放射線撮影システムの制御装置及び制御方法を適用することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の放射線撮影システムの制御装置は、フィラメントから回転陽極に電子ビームを照射することにより放射線を発生する放射線管を有する放射線源と、前記放射線源に対向配置され、被検体を透過した放射線を検出する放射線検出器とを備えた放射線撮影システムの制御装置であって、前記放射線源を制御し、前記回転陽極の回転周期に同期するように放射線を間欠照射させることを特徴とする。ここで、「回転周期に同期」とは、1周期内の特定のタイミングを切り出してパルス状の照射を行うことを意味している。また、「間欠照射」とは、パルス状の放射線を一定時間間隔で照射することを意味している。
なお、具体的には、前記回転陽極の回転周期の整数倍の周期で放射線を間欠照射させることが好ましい。ここで、整数倍とは、正の整数(1、2、3、・・・)の倍数であることを意味している。この場合には、回転周期の1周期内で切り出す上記タイミングの位置(周期に対する位相)は制限されないという利点がある。
また、前記フィラメントから前記回転陽極への電子ビームの照射を制御することにより、放射線を前記被検体に間欠照射させることが好ましい。
この場合には、前記フィラメントと前記回転陽極との間への高電圧の印加を制御することにより、前記電子ビームの照射を制御することが好適である。
また、前記フィラメントへの加熱電流の供給を制御することにより、前記電子ビームの照射を制御することも好適である。
さらに、前記フィラメントと前記回転陽極との間にグリッドが設けられており、前記フィラメントに対する前記グリッドのバイアス電圧を制御することにより、前記電子ビームの照射を制御することも好適である。
また、前記放射線源と前記被検体との間に放射線シャッタ装置が設けられており、前記放射線シャッタ装置による放射線の遮蔽及び通過を制御することにより、放射線を前記被検体に間欠照射させることも好ましい。
この場合には、前記放射線シャッタ装置はロータリシャッタであり、前記ロータリシャッタを前記回転陽極の回転周期に同期するように回転させることが好適である。
また、前記放射線検出器は、フォトンカウンティング型イメージャであり、前記回転陽極の回転周期に同期するようにカウンタをスイッチング制御することも好ましい。
また、前記放射線撮影システムは、前記放射線源と前記放射線検出器との間に第1及び第2の格子を備え、前記第2の格子を前記第1の格子に対して相対移動させながら、各相対位置で縞画像を取得することにより位相コントラスト画像を生成するものであることが好ましい。
また、本発明の放射線撮影システムの制御方法は、フィラメントから回転陽極に電子ビームを照射することにより放射線を発生する放射線管を有する放射線源と、前記放射線源に対向配置され、被検体を透過した放射線を検出する放射線検出器とを備えた放射線撮影システムの制御方法において、前記放射線源を制御し、前記回転陽極の回転周期に同期するように放射線を間欠照射させることを特徴とする。
本発明によれば、回転陽極の回転周期に同期するように放射線を間欠照射させるように放射線源を制御することにより、一般的な回転陽極型の放射線源において、回転陽極に回転ぶれが生じた場合でも焦点の見かけ上の寸法を小さくすることができる。
本発明の第1実施形態に係るX線撮影システムの構成を示す模式図である。 X線源の構成を示す模式図である。 (a)は高電圧発生回路、(b)はフィラメント加熱回路、(c)はグリッド回路の制御タイミングを示すタイミングチャートである。 フラットパネル検出器の構成を示す模式図である。 第1及び第2の吸収型格子の構成を示す概略側面図である。 縞走査法を説明するための説明図である。 縞走査に伴って変化する画素データ(強度変調信号)を例示するグラフである。 回転ぶれが正弦的である場合に、回転周期の1/2倍の周期で高電圧発生回路のスイッチング制御を行う場合のタイミングチャートである。 回転ぶれが正弦的でない場合に、回転周期の1/2倍の周期で高電圧発生回路のスイッチング制御を行う場合のタイミングチャートである。 回転ぶれが正弦的でない場合に、回転周期に同期した特定のタイミングで高電圧発生回路のスイッチング制御を行う場合のタイミングチャートである。 フォトンカウンティング型イメージャを使用した場合のカウンタの制御タイミングを示すタイミングチャートである。 本発明の第2実施形態に係る制御タイミングを示すタイミングチャートであり、(a)は高電圧発生回路、(b)はフィラメント加熱回路、(c)はグリッド回路の制御タイミングを示す。 本発明の第3実施形態に係る制御タイミングを示すタイミングチャートであり、(a)は高電圧発生回路、(b)はフィラメント加熱回路、(c)はグリッド回路の制御タイミングを示す。 本発明の第4実施形態に係るX線撮影システムの構成を示す模式図である。
(第1実施形態)
図1において、本発明の第1実施形態に係るX線撮影システム10は、被検体HにX線を照射するX線源11と、X線源11に対向配置され、X線源11から被検体Hを透過したX線を検出して画像データを生成する撮影部12と、撮影部12から読み出された画像データを記憶するメモリ13と、メモリ13に記憶される複数の画像データを画像処理して位相コントラスト画像を生成する画像処理部14と、画像処理部14により生成された位相コントラスト画像が記録される画像記録部15と、操作部やモニタからなるコンソール16と、コンソール16から入力される操作信号に基づいてX線撮影システム10の全体を統括的に制御する制御部17とから構成されている。
撮影部12には、半導体回路からなるフラットパネル検出器(FPD)20、被検体HによるX線の位相変化(角度変化)を検出し位相イメージングを行うための第1の吸収型格子21及び第2の吸収型格子22が設けられている。FPD20は、X線源11から照射されるX線の光軸Aに沿う方向(以下、z方向という)に検出面が直交するように配置されている。
第1の吸収型格子21は、z方向に直交する面内の一方向(以下、y方向という)に延伸した複数のX線遮蔽部21aが、z方向及びy方向に直交する方向(以下、x方向という)に所定のピッチpで配列されたものである。同様に、第2の吸収型格子22は、y方向に延伸した複数のX線遮蔽部22aが、x方向に所定のピッチpで配列されたものである。X線遮蔽部21a,22aの材料としては、X線吸収性に優れる金属が好ましく、例えば、金や鉛等が好ましい。
また、撮影部12には、第2の吸収型格子22を格子方向に直交する方向(x方向)に並進移動させることにより、第1の吸収型格子21に対する第2の吸収型格子22との相対位置を変化させる走査機構23が設けられている。走査機構23は、例えば、圧電素子等のアクチュエータにより構成される。走査機構23は、後述する縞走査の際に、制御部17の制御に基づいて駆動されるものである。詳しくは後述するが、メモリ13には、縞走査の各走査ステップで撮影部12により得られる画像データがそれぞれ記憶される。
画像処理部14は、縞走査の各走査ステップで撮影部12により撮影され、メモリ13に記憶された複数の画像データに基づき、位相微分像を生成する位相微分像生成部24と、位相微分像をx方向に沿って積分することにより、位相コントラスト画像を生成する位相コントラスト画像生成部25とを備える。位相コントラスト画像生成部25により生成された位相コントラスト画像は、画像記録部15に記録された後、コンソール16に出力されてモニタ(図示せず)に表示される。
コンソール16は、モニタの他、操作者が撮影指示やその指示内容を入力する入力装置(図示せず)を備えている。この入力装置としては、例えば、スイッチ、タッチパネル、マウス、キーボード等が用いられ、入力装置の操作により、X線管の管電圧、管電流、X線照射時間等のX線撮影条件、撮影タイミング等が入力される。モニタは、液晶ディスプレイやCRTディスプレイからなり、X線撮影条件等の文字や、上記位相コントラスト画像を表示する。
図2において、X線源11は、X線管30、高電圧発生回路31、フィラメント加熱回路32、グリッド回路33から構成されている。X線管30は、熱電子を電子ビームとして放出するフィラメント34を有する陰極35と、電子ビームが照射されることによりX線を放出する回転陽極(ターゲット)36と備え、フィラメント34及び回転陽極36は、真空(10−7mmHg程度)の管容器37の中に配置されている。
陰極35は、管容器37の所定箇所に固設されている。回転陽極36の中央には、回転シャフト38が接続されている。この回転シャフト38は、管容器37に設けられた2組の軸受39a,39bにより回転自在に軸支されている。また、回転シャフト38は、管容器27を介して回転シャフト38の周囲に設けられたコイル40と共に誘導型モータを構成して回転するようになっている。
回転陽極36は、金属材(タングステンやタングステン合金など)によりほぼ円盤形状に形成されており、その周辺部が所定の角度で傾斜してターゲット面36aを形成している。高電圧発生回路31は、回転陽極36と陰極35との間に高電圧を印加する。フィラメント加熱回路32は、陰極35を介してフィラメント34に加熱電流を供給する。
フィラメント加熱回路32によりフィラメント34が加熱されると、フィラメント34は熱電子を発生する。この熱電子は、高電圧発生回路31により印加される高電圧により加速され、電子ビームとなって回転陽極36のターゲット面36aに衝突し、ターゲット面36aに形成されるX線焦点41からX線が放射される。なお、電子ビームのエネルギーは、管電圧(50kV程度)と管電流(電子ビームの電流値、200mA程度)との積で表されるが、このエネルギーのうちX線に変換されるエネルギーは1%に満たず、99%以上は熱エネルギーに変換される。
管容器37の一部には、回転陽極36から放射されたX線を外部に放出するための透過部37aが形成されている。回転陽極36から放射されたX線は、透過部37aを通過し、コリメータ(図示せず)を介して被検体Hに照射される。
また、フィラメント34と回転陽極36との間には、グリッド42が配設されている。グリッド回路33は、グリッド42にバイアス電圧(−100V程度)を印加して、フィラメント34に対してグリッド42の電位を低くする。これにより、X線を照射しない期間におけるフィラメント34からの不要な熱電子の放出を阻止する。
高電圧発生回路31、フィラメント加熱回路32、グリッド回路33、及び、回転シャフト38とコイル40で構成される誘導型モータは、制御部17により動作制御される。
図3は、制御部17による高電圧発生回路31、フィラメント加熱回路32、及びグリッド回路33の制御タイミングを示す。制御部17は、曝射期間が開始すると、誘導型モータを制御して回転陽極36を所定の回転速度(3000〜9000rpm程度)で回転させるとともに、フィラメント加熱回路32をOFF状態からON状態とし、グリッド回路33をON状態からOFF状態とする。
フィラメント加熱回路32は、OFF状態からON状態となるとフィラメント34に加熱電流の供給を開始する。グリッド回路33は、ON状態では、グリッド42にバイアス電圧を印加して、フィラメント34からの不要な熱電子の放出を阻止しており、OFF状態となると上記バイアス電圧を解除して熱電子の放出を可能とする。
この曝射期間中において、制御部17は、高電圧発生回路31のON/OFF制御を行い、回転陽極36の回転周期T(7ms〜20ms程度)と同一の周期で、パルス状の高電圧信号Vhを高電圧発生回路31から出力させる。この高電圧信号Vhのパルス幅wは、回転周期Tより短い値(例えば、4分の1周期(T/4)程度)となっている。この高電圧信号Vhは、フィラメント34と回転陽極36との間に印加される。高電圧信号Vhが印加されている間のみ、フィラメント34に生じた熱電子が電子ビームとして回転陽極36のターゲット面36aに照射され、X線焦点41からX線が放射される。
そして、制御部17は、曝射期間が終了すると、フィラメント加熱回路32をON状態からOFF状態とし、グリッド回路33をOFF状態からON状態とする。
このように、回転陽極36の回転周期Tと同一の周期で電子ビームを間欠的に照射(間欠照射)することで、毎回、ほぼ同一の位置からX線が発生することになり、回転陽極36の回転ぶれによって発生するX線焦点41の見かけ上の寸法(実効的な寸法)の増大が防止される。これは、回転陽極36の回転ぶれは、回転陽極36または回転シャフト38の偏心に起因しており、回転ぶれによって生じるX線管30の振動やターゲット面36a上における電子ビームの衝突位置のずれが回転周期Tと同期する(すなわち、X線焦点が1周期ごとに同じ位置に戻る)ことに基づいている。
1回の曝射期間における高電圧信号Vhのパルス数は、1回の曝射に要されるFPD20の露光時間に基づいて決定される。例えば、1回の曝射に0.1sの露光時間が必要であり、回転周期Tを20ms、パルス幅wをT/4とした場合には、高電圧信号Vhのパルス数は“20”と決定される。
図4において、FPD20は、X線を電荷に変換して蓄積する複数の画素50が、x方向及びy方向に沿ってアクティブマトリクス基板上に2次元配列されてなる受像部51と、受像部51からの電荷の読み出しタイミングを制御する走査回路52と、各画素50に蓄積された電荷を読み出し、電荷を画像データに変換して記憶する読み出し回路53とから構成されている。なお、走査回路52と各画素50とは、行毎に走査線54によって接続されており、読み出し回路53と各画素50とは、列毎に信号線55によって接続されている。画素50の配列ピッチは、x方向及びy方向にそれぞれ100μm程度である。
画素50は、アモルファスセレン等の変換層(図示せず)によりX線を電荷に直接変換し、変換された電荷を変換層の下部の電極に接続されたキャパシタ(図示せず)に蓄積する直接変換型のX線検出素子として構成することができる。各画素50には、TFTスイッチ(図示せず)が接続され、TFTスイッチのゲート電極が走査線54、ソース電極がキャパシタ、ドレイン電極が信号線55に接続される。走査回路52からの駆動パルスによってTFTスイッチがON状態になると、キャパシタに蓄積された電荷が信号線55に読み出される。
なお、画素50は、酸化ガドリニウム(Gd)やヨウ化セシウム(CsI)等からなるシンチレータ(図示せず)でX線を一旦可視光に変換し、変換された可視光をフォトダイオード(図示せず)で電荷に変換して蓄積する間接変換型のX線検出素子として構成することも可能である。また、本実施形態では、放射線画像検出器としてTFTパネルをベースとしたFPDを用いているが、これに限られず、CCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子をベースとした各種の放射線画像検出器を用いることも可能である。
読み出し回路53は、積分アンプ、補正回路、A/D変換器(いずれも図示せず)等により構成されている。積分アンプは、各画素50から信号線55を介して出力された電荷を積分して電圧信号(画像信号)に変換する。A/D変換器は、積分アンプにより変換された画像信号を、デジタルの画像データに変換する。補正回路は、画像データに対して、オフセット補正、ゲイン補正、及びリニアリティ補正等を行い、補正後の画像データをメモリ13に入力する。
図5において、第1の吸収型格子21のX線遮蔽部21aは、x方向に所定のピッチpで、互いに所定の間隔dを空けて配列されている。同様に、第2の吸収型格子22のX線遮蔽部22aは、x方向に所定のピッチpで、互いに所定の間隔dを空けて配列されている。X線遮蔽部21a,22aは、それぞれ不図示のX線透過性基板(例えば、ガラス基板)上に配置されたものである。第1及び第2の吸収型格子21,22は、入射X線に位相差を与えるものでなく、強度差を与えるものであるため、振幅型格子とも称される。なお、スリット部(上記間隔d,dの領域)は空隙でなくてもよく、高分子や軽金属等のX線低吸収材が充填されていてもよい。
第1及び第2の吸収型格子21,22は、タルボ干渉効果の有無に係らず、スリット部を通過したX線を線形的に投影するように構成されている。具体的には、間隔d,dを、X線源11から照射されるX線のピーク波長より十分大きな値とすることで、照射X線に含まれる大部分のX線をスリット部で回折させずに、直進性を保ったまま通過するように構成する。例えば、前述のX線管30において、管電圧を50kVとした場合には、X線源11から放射されるX線のピーク波長は、約0.4Åである。この場合には、間隔d,dを、1μm〜10μm程度とすれば、スリット部で大部分のX線が回折されずに線形的に投影される。この場合、格子ピッチp,pは、2μm〜20μm程度の大きさである。
X線源11から照射されるX線は、平行ビームではなく、X線焦点41を発光点としたコーンビーム(放射光)であるため、第1の吸収型格子21を通過して射影される投影像(以下、この投影像をG1像または縞画像と称する)は、X線焦点41からの距離に比例して拡大される。第2の吸収型格子22の格子ピッチp及び間隔dは、そのスリット部が、第2の吸収型格子22の位置におけるG1像の明部の周期パターンとほぼ一致するように決定されている。すなわち、X線焦点41から第1の吸収型格子21までの距離をL、第1の吸収型格子21から第2の吸収型格子22までの距離をLとした場合に、格子ピッチp及び間隔dは、次式(1)及び(2)の関係を満たすように決定される。
Figure 2011200532
Figure 2011200532
第1の吸収型格子21から第2の吸収型格子22までの距離Lは、タルボ干渉計の場合には、第1の回折格子の格子ピッチとX線波長とで決まるタルボ干渉距離に制約されるが、本実施形態の撮影部12では、第1の吸収型格子21が入射X線を回折させずに投影させる構成であって、第1の吸収型格子21のG1像が、第1の吸収型格子21の後方のすべての位置で相似的に得られるため、該距離Lを、タルボ干渉距離と無関係に設定することができる。
上記のように本実施形態の撮影部12は、タルボ干渉計を構成するものではないが、第1の吸収型格子21でX線の回折が生じ、タルボ干渉効果が生じていると仮定した場合のタルボ干渉距離Zは、第1の吸収型格子21の格子ピッチp、X線波長(ピーク波長)λ、及び正の整数mを用いて、次式(3)で表される。
Figure 2011200532
本実施形態では、前述のように距離Lをタルボ干渉距離と無関係に設定することができるため、撮影部12のz方向への薄型化を目的とし、距離Lを、m=1の場合の最小のタルボ干渉距離Zより短い値に設定する。すなわち、距離Lは、次式(4)を満たす範囲の値に設定される。
Figure 2011200532
X線遮蔽部21a,22aは、コントラストの高い周期パターン像を生成するためには、X線を完全に遮蔽(吸収)することが好ましいが、上記したX線吸収性に優れる材料(金、鉛等)を用いたとしても、吸収されずに透過するX線が少なからず存在する。このため、X線の遮蔽性を高めるためには、X線遮蔽部21a,22aのそれぞれの厚み(z方向の厚さ)をできるだけ厚くすること(すなわち、アスペクト比を高めること)が好ましい。例えば、X線管の管電圧が50kVの場合に、照射X線の90%以上を遮蔽することが好ましく、この場合には、X線遮蔽部21a,22aの厚みは、金(Au)換算で30μm以上であることが好ましい。
以上のように構成された第1及び第2の吸収型格子21,22では、第1の吸収型格子21のG1像(縞画像)と第2の吸収型格子22との重ね合わせにより強度変調された縞画像がFPD20によって撮像される。第2の吸収型格子22の位置におけるG1像のパターン周期と、第2の吸収型格子22の格子ピッチpとは、製造誤差や配置誤差により若干の差異が生じており、この微小な差異により、強度変調された縞画像にはモアレ縞が生じる。
X線源11と第1の吸収型格子21との間に被検体Hを配置すると、FPD20により検出される縞画像は、被検体Hにより変調を受ける。この変調量は、被検体Hによる屈折効果によって偏向したX線の角度に比例する。したがって、FPD20で検出された縞画像を解析することによって、被検体Hの位相コントラスト画像を生成することができる。
次に、縞画像の解析方法について説明する。同図には、被検体Hのx方向に関する位相シフト分布Φ(x)に応じて屈折される1つのX線が例示されている。符号60は、被検体Hが存在しない場合に直進するX線の経路を示しており、この経路60を進むX線は、第1及び第2の吸収型格子21,22を通過してFPD20に入射する。符号61は、被検体Hが存在する場合に、被検体Hにより屈折されて偏向したX線の経路を示している。この経路61を進むX線は、第1の吸収型格子21を通過した後、第2の吸収型格子22のX線遮蔽部22aにより遮蔽される。
被検体Hの位相シフト分布Φ(x)は、被検体Hの屈折率分布をn(x,z)、zをX線の進む方向として、次式(5)で表される。
Figure 2011200532
第1の吸収型格子21から第2の吸収型格子22の位置に投射されたG1像は、被検体HでのX線の屈折により、その屈折角φに応じた量だけx方向に変位することになる。この変位量Δxは、X線の屈折角φが微小であることに基づいて、近似的に次式(6)で表される。
Figure 2011200532
ここで、屈折角φは、X線波長λと被検体Hの位相シフト分布Φ(x)を用いて、次式(7)で表される。
Figure 2011200532
このように、被検体HでのX線の屈折によるG1像の変位量Δxは、被検体Hの位相シフト分布Φ(x)に関連している。そして、この変位量Δxは、FPD20で検出される各画素50の強度変調信号の位相ズレ量ψ(被検体Hがある場合とない場合とでの各画素50の強度変調信号の位相のズレ量)に、次式(8)のように関連している。
Figure 2011200532
したがって、各画素50の強度変調信号の位相ズレ量ψを求めることにより、式(8)から屈折角φが求まり、式(7)を用いて位相シフト分布Φ(x)の微分量が求まるから、これをxについて積分することにより、被検体Hの位相シフト分布Φ(x)、すなわち被検体Hの位相コントラスト画像を生成することができる。本実施形態では、上記位相ズレ量ψを、下記に示す縞走査法を用いて算出する。
縞走査法では、第1及び第2の吸収型格子21,22の一方を他方に対して相対的にx方向に並進移動させながら撮影を行う(すなわち、両者の格子周期の位相を変化させながら撮影を行う)。各撮影では、X線源11により、図3に示したように、回転陽極36の回転周期Tと同一の周期で高電圧信号Vhに基づく曝射が行われる。
本実施形態では、前述の走査機構23により第2の吸収型格子22を移動させながら上記曝射を伴う撮影を行う。第2の吸収型格子22の移動に伴って、モアレ縞が移動し、並進距離(x方向への移動量)が、第2の吸収型格子22の格子周期の1周期(格子ピッチp)に達すると(すなわち、位相変化が2πに達すると)、モアレ縞は元の位置に戻る。このように、格子ピッチpの整数分の1ずつ第2の吸収型格子22を移動させながら、FPD20で縞画像を撮影し、撮影した複数の縞画像から各画素の強度変調信号を取得し、前述の画像処理部14内の位相微分像生成部24で演算処理することにより、各画素の強度変調信号の位相ズレ量ψを得る。この位相ズレ量ψの2次元分布が位相微分像に相当する。
図6は、格子ピッチpをM(2以上の整数)個に分割した走査ピッチ(p/M)ずつ第2の吸収型格子22を移動させる様子を模式的に示している。走査機構23は、k=0,1,2,・・・,M−1のM個の各走査位置に、第2の吸収型格子22を順に並進移動させる。なお、同図では、第2の吸収型格子22の初期位置を、被検体Hが存在しない場合における第2の吸収型格子22の位置でのG1像の暗部が、X線遮蔽部22aにほぼ一致する位置(k=0)としているが、この初期位置は、k=0,1,2,・・・,M−1のうちいずれの位置としてもよい。
まず、k=0の位置では、主として、被検体Hにより屈折されなかったX線が第2の吸収型格子22を通過する。次に、k=1,2,・・・と順に第2の吸収型格子22を移動させていくと、第2の吸収型格子22を通過するX線は、被検体Hにより屈折されなかったX線の成分が減少する一方で、被検体Hにより屈折されたX線の成分が増加する。特に、k=M/2の位置では、主として、被検体Hにより屈折されたX線のみが第2の吸収型格子22を通過する。k=M/2の位置を超えると、逆に、第2の吸収型格子22を通過するX線は、被検体Hにより屈折されたX線の成分が減少する一方で、被検体Hにより屈折されなかったX線の成分が増加する。
k=0,1,2,・・・,M−1の各位置で、FPD20により撮影を行うと、各画素50について、M個の画素データが得られる。以下に、このM個の画素データから上記各画素50の強度変調信号の位相ズレ量ψを算出する方法を説明する。第2の吸収型格子22の位置kにおける各画素50の画素データをI(x)と標記すると、I(x)は、次式(9)で表される。
Figure 2011200532
ここで、xは、画素のx方向に関する座標であり、Aは入射X線の強度であり、Aは強度変調信号のコントラストに対応する値である(ここで、nは正の整数である)。また、φ(x)は、上記屈折角φを画素50の座標xの関数として表したものである。
次いで、次式(10)の関係式を用いると、上記屈折角φ(x)は、式(11)のように表される。
Figure 2011200532
Figure 2011200532
ここで、arg[ ]は、偏角の抽出を意味しており、上記位相ズレ量ψに対応する。したがって、各画素50で得られたM個の画素データ(強度変調信号)から、式(11)に基づいて位相ズレ量ψを算出することにより、屈折角φ(x)が求まり、位相シフト分布Φ(x)の微分量が求まる。
具体的には、各画素50で得られたM個の画素データは、図7に示すように、第2の吸収型格子22の位置kに対して、格子ピッチpの周期で周期的に変化する。同図中の破線は、被検体Hが存在しない場合の画素データの変化を示しており、同図中の実線は、被検体Hが存在する場合の画素データの変化を示している。この両者の波形の位相差が上記位相ズレ量ψに対応する。
以上の説明では、画素50のy方向に関するy座標を考慮していないが、各y座標について同様の演算を行うことにより、x方向及びy方向に関する2次元的な位相ズレの分布ψ(x,y)が得られる。この位相ズレの分布ψ(x,y)が位相微分像に対応する。
この位相微分像は、位相コントラスト画像生成部25に入力される。位相コントラスト画像生成部25は、入力された位相微分像をx軸に沿って積分することにより、被検体Hの位相シフト分布Φ(x,y)を生成し、これを位相コントラスト画像として画像記録部15に記録する。
以上のように構成されたX線撮影システム10では、X線源11とFPD20との間に被検体Hを配した状態で、操作者により、撮影指示がコンソール16から入力されると、制御部17によりX線撮影システム10の各部が制御され、第2の吸収型格子22を第1の吸収型格子21に対して移動させながら、各走査位置で、X線源11による曝射及びFPD20による検出動作が行われる。
X線源11は、各走査位置における曝射期間中に、回転陽極36の回転周期Tと同一の周期で高電圧信号Vhに基づく曝射を行うため、回転陽極36に回転ぶれによるX線焦点41の振動が抑制され、見かけ上の寸法(実効的な寸法)の増大が防止される。このようにX線焦点41の小焦点化が図られるため、鮮鋭な位相コントラスト画像が得られる。
なお、上記実施形態では、高電圧発生回路31は、回転周期Tと同一の周期で高電圧信号Vhを発生しているが、回転周期Tを2以上の整数倍の周期で高電圧信号Vhを発生する(すなわち、回転周期Tの2以上の整数倍の周期でX線の間欠照射を行う)ようにしてもよい。この場合にも上記と同一の効果が得られる。
また、図8に示すように、仮に、回転陽極36の回転ぶれが正弦的に変化しているとすると、回転ぶれのぶれ量(変位量)が回転周期Tの半周期ごとに“0”となるため、回転ぶれの中心(変位量が“0”の位置)に高電圧信号Vhの発生タイミングを同期させれば、回転周期Tの1/2倍等の半整数倍の周期でX線の間欠照射を行うことによっても上記と同一の効果が得られる。
ただし、実際には、回転陽極36の回転ぶれは、回転陽極36の偏心の程度により、正弦的な変化から歪んだ状態となるとが考えられる。この場合においても、回転ぶれは、当然、回転周期Tの周期で周期的に変化するため、回転周期Tの整数倍(1,2,3,・・・)で高電圧信号Vhを発生すれば、上記と同一の効果が得られる。また、このように回転ぶれの変位量が正弦的に変化しない場合においても、図9に示すように、半周期ごと変位量が同一となる位相が必ず存在するため、この位相に高電圧信号Vhの発生タイミングを同期させれば、回転周期Tの1/2倍等の半整数倍の周期でX線の間欠照射を行うことによっても上記と同一の効果が得られる。
さらには、図10に示すように、所定の変位量を基準値として、回転ぶれの変位量が該基準値に一致するタイミングに同期するように高電圧信号Vhを発生すれば、上記と同一の効果が得られる。この場合には、高電圧信号Vhの発生タイミングは、等時間間隔ではないが、回転周期T内の特定のタイミングを切り出したものであり、回転周期Tに同期していると言える。
したがって、特許請求の範囲に記載の「回転周期Tに同期して」という文言は、上記説明したすべての高電圧信号Vhの発生タイミングでX線の間欠照射を行うことを含んでいる。
また、上記実施形態において、位相コントラスト画像を更に鮮鋭化するために、X線源11の直後に、いわゆるマルチスリット(線源格子)を配置してもよい。このマルチスリットは、第1及び第2の吸収型格子21,22と同様な構成の吸収型格子であり、一方向(本実施形態では、y方向)に延伸した複数のX線遮蔽部を、第1及び第2の吸収型格子21,22のX線遮蔽部21a,22aと同一方向(本実施形態では、x方向)に周期的に配列することにより構成される。このマルチスリットは、X線源11からのX線を部分的に遮蔽してx方向に関する実効的な焦点サイズを縮小するとともに、x方向に多数の点光源(分散光源)を形成することにより、G1像のボケを抑制する。この結果、より鮮鋭な位相コントラスト画像が得られる。
また、上記実施形態では、第1及び第2の吸収型格子21,22を、そのスリット部を通過したX線を線形的に投影するように構成しているが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、スリット部でX線を回折することにより、いわゆるタルボ干渉効果が生じる構成(国際公開WO2004/058070号公報等に記載の構成)としてもよい。ただし、この場合には、第1及び第2の吸収型格子21,22の間の距離Lをタルボ干渉距離に設定する必要がある。また、この場合には、第1の吸収型格子21に代えて、位相型回折格子を用いることも可能である。
また、上記実施形態では、第2の吸収型格子22が設けられているが、この第2の吸収型格子22は必ずしも必要ではなく、特開平2009−133823号公報等に開示された構成のX線画像検出器を用いることにより、第2の吸収型格子22を排することが可能である。特開平2009−133823号公報に記載のX線画像検出器では、上記ピッチpで複数の線状電極が配列されてなる電荷収集電極(格子パターンに相当)によりG1像(縞画像)の強度変調が行われる。
また、上記実施形態では、X線画像検出器としてFPDが用いられているが、X線画像検出器として、フォトンカウンティング型イメージャを用いることも好適である。フォトンカウンティング型イメージャは、画素ごとに、X線検出素子及びカウンタ(いずれも図示せず)を備えたものである。X線検出素子は、テルル化カドミウム(CdTe)などからなり、X線フォトンが1個入射するたびに発生する電荷を検出する。カウンタは、X線検出素子により所定のエネルギーの電荷が検出されるたびに計数を行う。カウンタによる1曝射期間中の計数値が画素データに相当する。
このようにフォトンカウンティング型イメージャを用いた場合には、図11に示すように、回転陽極36の回転周期Tと同一の周期(X線の間欠照射と同一の周期)でカウンタのON/OFF制御を行う。これにより、X線の検出期間がX線の照射期間に限定されるため、回転陽極36に回転ぶれによるX線焦点41の見かけ上の寸法の増大が防止されるとともに、X線の非照射時におけるノイズ電荷の検出が防止される。
なお、前述のように、回転周期Tと同一の周期でなく、回転周期Tに同期したその他のタイミングでX線の間欠照射を行う場合には、該タイミングに合わせて、カウンタのON/OFF制御を行えばよい。
さらに、上記実施形態では、被検体HをX線源11と第1の吸収型格子21との間に配置しているが、被検体Hを第1の吸収型格子21と第2の吸収型格子22との間に配置した場合にも同様に位相コントラスト画像の生成が可能である。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態として、制御部17によるX線源11の制御方法の変形例について説明する。本第実施形態では、制御部17は、図12に示す制御タイミングにより、高電圧発生回路31、フィラメント加熱回路32、及びグリッド回路33を制御する。
上記第1実施形態では、回転陽極36の回転周期Tと同一の周期で高電圧発生回路31のON/OFF制御を行っているが、本実施形態では、高電圧発生回路31に代えて、回転周期Tと同一の周期でフィラメント加熱回路32のON/OFF制御を行う。すなわち、曝射期間中に高電圧発生回路31をON状態としたまま、フィラメント加熱回路32からフィラメント34に、間欠的に加熱電流を供給して(間欠的にON状態として)、ターゲット面36aに対する電子ビームの照射をパルス状(パルス幅w)に行う。
本実施形態でも第1実施形態と同様に、回転周期Tと同一の周期で電子ビームの間欠照射が行われ、回転陽極36に回転ぶれによるX線焦点41の見かけ上の寸法の増大が防止される。
なお、本実施形態においても同様に、回転周期Tと同一の周期に限られず、回転周期Tに同期したその他のタイミングでフィラメント加熱回路32のON/OFF制御を行ってもよい。その他の構成については、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態として、制御部17によるX線源11の制御方法の別の変形例について説明する。本第実施形態では、制御部17は、図13に示す制御タイミングにより、高電圧発生回路31、フィラメント加熱回路32、及びグリッド回路33を制御する。
本実施形態では、回転陽極36の回転周期Tと同一の周期でグリッド回路33のON/OFF制御を行う。すなわち、曝射期間中に高電圧発生回路31及びフィラメント加熱回路32をON状態としたまま、グリッド回路33からグリッド42に供給しているバイアス電圧を、間欠的に解除して(間欠的にOFF状態として)、電子ビームの照射をパルス状(パルス幅w)に行う。
本実施形態でも第1実施形態と同様に、回転周期Tと同一の周期で電子ビームの間欠照射が行われ、回転陽極36に回転ぶれによるX線焦点41の見かけ上の寸法の増大が防止される。
なお、本実施形態においても同様に、回転周期Tと同一の周期に限られず、回転周期Tに同期したその他のタイミングでグリッド回路33のON/OFF制御を行ってもよい。その他の構成については、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
なお、上記第1〜第3実施形態では、高電圧発生回路31、フィラメント加熱回路32、及びグリッド回路33のいずれか1つをON/OFF制御することにより、電子ビームの間欠照射を行っているが、高電圧発生回路31、フィラメント加熱回路32、及びグリッド回路33から2つ以上のものを同時にON/OFF制御して電子ビームの間欠照射を行うようにしてもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、グリッド42を備えたX線管30を例示しているが、グリッドを有していないX線管も一般的であり、本発明には、このようなグリッドのないX線管を用いることも可能である。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態は、図14に示すように、X線源11の直後にロータリシャッタ70とこれを回転駆動するモータ71とを設け、制御部17によりモータ71を制御することにより、X線の間欠照射を可能とするものである。
ロータリシャッタ70は、X線遮蔽部材により形成されており、X線を通過させるための切り欠き部70aが形成されている。この切り欠き部70aは、ロータリシャッタ70の一部を扇状に切り欠いた部分であり、例えば、ロータリシャッタ70の回転軸を中心として全体の4分の1を切り欠いた部分(中心角90度の扇状)に相当する。
ロータリシャッタ70は、その回転に伴って、X線源11から放射されるX線の遮蔽と、切り欠き部70aによるX線の通過とを交互に繰り返すように配置されている。ロータリシャッタ70の回転周期に対するX線の通過期間の割合は、切り欠き部70aの大きさにより決まり、本実施形態では、4分の1周期に相当する。
制御部17は、曝射期間が開始すると、X線管30の誘導型モータを制御して回転陽極36を所定の回転速度(3000〜9000rpm程度)で回転させるとともに、高電圧発生回路31をON状態、フィラメント加熱回路32をON状態、グリッド回路33をOFF状態として、ロータリシャッタ70を、回転陽極36の回転周期Tと同一の周期で回転させる。
これにより、ロータリシャッタ70を通過して被検体Hに照射されるX線は、回転陽極36の回転周期Tに同期したパルス状のビームとなるため、回転陽極36に回転ぶれによるX線焦点41の見かけ上の寸法の増大が防止される。
なお、本実施形態においても同様に、回転周期Tと同一の周期に限られず、回転周期Tに同期したその他のタイミングでX線の間欠照射が行われるようにロータリシャッタ70を回転させてもよい。その他の構成については、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
なお、ロータリシャッタ70は、X線焦点41と被検体Hとの間であればいずれの位置に配置してもよく、例えば、コリメータに組み込んでもよい。また、ロータリシャッタ70に代えて、その他のX線シャッタ装置を用いてもよい。
以上説明した第1〜第4実施形態は、医療診断用の放射線撮影システムのほか、工業用等のその他の放射線撮影システムに適用することが可能である。
10 X線撮影システム(放射線撮影システム)
11 X線源(放射線源)
12 撮影部
14 画像処理部
17 制御部(制御装置)
20 フラットパネル検出器(FPD)
21 第1の吸収型格子(第1の格子)
21a X線遮蔽部
22 第2の吸収型格子(第2の格子)
22a X線遮蔽部
23 走査機構
24 位相微分像生成部
25 位相コントラスト画像生成部
27 管容器
30 X線管
31 高電圧発生回路
32 フィラメント加熱回路
33 グリッド回路
34 フィラメント
35 陰極
36 回転陽極
36a ターゲット面
37 管容器
37a 透過部
38 回転シャフト
39a 軸受
40 コイル
41 X線焦点
42 グリッド
50 画素
70 ロータリシャッタ
70a 切り欠き部

Claims (11)

  1. フィラメントから回転陽極に電子ビームを照射することにより放射線を発生する放射線管を有する放射線源と、前記放射線源に対向配置され、被検体を透過した放射線を検出する放射線検出器とを備えた放射線撮影システムの制御装置であって、
    前記放射線源を制御し、前記回転陽極の回転周期に同期するように放射線を間欠照射させることを特徴とする放射線撮影システムの制御装置。
  2. 前記回転陽極の回転周期の整数倍の周期で放射線を間欠照射させることを特徴とする請求項1に記載の放射線撮影システムの制御装置。
  3. 前記フィラメントから前記回転陽極への電子ビームの照射を制御することにより、放射線を前記被検体に間欠照射させることを特徴とする請求項1に記載の放射線撮影システムの制御装置。
  4. 前記フィラメントと前記回転陽極との間への高電圧の印加を制御することにより、前記電子ビームの照射を制御することを特徴とする請求項3に記載の放射線撮影システムの制御装置。
  5. 前記フィラメントへの加熱電流の供給を制御することにより、前記電子ビームの照射を制御することを特徴とする請求項3に記載の放射線撮影システムの制御装置。
  6. 前記フィラメントと前記回転陽極との間にグリッドが設けられており、前記フィラメントに対する前記グリッドのバイアス電圧を制御することにより、前記電子ビームの照射を制御することを特徴とする請求項3に記載の放射線撮影システムの制御装置。
  7. 前記放射線源と前記被検体との間に放射線シャッタ装置が設けられており、前記放射線シャッタ装置による放射線の遮蔽及び通過を制御することにより、放射線を前記被検体に間欠照射させることを特徴とする請求項1に記載の放射線撮影システムの制御装置。
  8. 前記放射線シャッタ装置はロータリシャッタであり、前記ロータリシャッタを前記回転陽極の回転周期に同期するように回転させることを特徴とする請求項7に記載の放射線撮影システムの制御装置。
  9. 前記放射線検出器は、フォトンカウンティング型イメージャであり、前記回転陽極の回転周期に同期するようにカウンタをスイッチング制御することを特徴とする請求項1から8いずれか1項に記載の放射線撮影システムの制御装置。
  10. 前記放射線撮影システムは、前記放射線源と前記放射線検出器との間に第1及び第2の格子を備え、前記第2の格子を前記第1の格子に対して相対移動させながら、各相対位置で縞画像を取得することにより位相コントラスト画像を生成するものであることを特徴とする請求項1から9いずれか1項に記載の放射線撮影システムの制御装置。
  11. フィラメントから回転陽極に電子ビームを照射することにより放射線を発生する放射線管を有する放射線源と、前記放射線源に対向配置され、被検体を透過した放射線を検出する放射線検出器とを備えた放射線撮影システムの制御方法において、
    前記放射線源を制御し、前記回転陽極の回転周期に同期するように放射線を間欠照射させることを特徴とする放射線撮影システムの制御方法。
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