JP2011196640A - ゼーベック素子と熱レンズ効果を用いた太陽輻射発電パネル - Google Patents

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Abstract

【課題】
市街地における太陽輻射エネルギーの利用は可視光領域に限られ、いわゆる太陽光発電装置では電気エネルギーへの変換率が低く、未利用のエネルギーは熱として放出されてきた。太陽輻射の半分近くを占める赤外線と、未利用の熱(可視光から変化したもの)を利用可能なエネルギー転換にする必要がある。
【解決手段】
熱電導性吸熱板と熱レンズ効果をもつゼーベック素子(熱電変換素子)および熱交換器を備えた太陽輻射発電パネルを提供する。熱電変換によって電力を供給すると同時に熱を給湯や暖房の熱源として利用可能にするパネル状の装置である。パネルは建物外壁の大部分を覆うことが可能で外断熱部材としても機能する。これにより太陽輻射エネルギーの多くを利用可能なエネルギーに転換可能とする装置。
【選択図】図2

Description

本発明は太陽輻射エネルギーを電気および利用可能な熱に転換する簡易な装置であり、屋上部分を含めた建物外壁全体から太陽輻射エネルギーを回収すると同時に、建物全体としては外断熱構造体として機能する一体化されたパネル構造に関する。
太陽輻射の可視光部分については、シリコンなどを用いる太陽電池によって電気エネルギーへの転換が行なわれてきた。一方で主として赤外線領域に属する太陽熱の利用も古くから試みられてきた課題であり、民生用の暖房熱源あるいは温水製造を目的として広く利用されてきた。また物質に温度差を与えると内部に起電力が発生するゼーベック効果(熱電効果)も知られ、大気圏外では原子崩壊の熱を利用して発電が行なわれている。しかしゼーベック素子による熱電変換(発電)は、可視光を中心とする太陽光発電に比してエネルギー変換効率が低く、さらに素子からの排熱が大きな問題となるため、市街地における実用的な発電装置は開発されていなかった。太陽輻射の可視光部分を最大限に利用しようとすれば輻射中の熱エネルギー利用(温水製造)が低下し、逆に熱源として用いるだけでは電気エネルギーへの転換は難しくなる。すなわち利用に当たって可視光か赤外部分かの選択を迫られるため、輻射エネルギーの有効利用に限界が生じてきた。
実際に太陽光(主として可視光)発電では、太陽の輻射エネルギーに含まれる赤外線領域は電力に転換されず、却って太陽電池パネルの温度上昇を惹起して起電力の低下が生じる。太陽電池の一部には赤外線領域の輻射エネルギーを電気に変換するものが知られているが、変換効率が比較的低いため可視光のみを利用する場合と大きな差異が見られない。可視光に含まれる輻射エネルギーと赤外領域のエネルギーが同程度であり、いわゆる太陽電池のエネルギー変換効率は最大でも二割程度と考えられている。仮に太陽輻射の一割が太陽電池パネルによって電気に転換されたとしても、残りの九割は利用されないまま熱として放出される。したがって現在の太陽電池とくに可視光を電気に転換する方式では、太陽輻射エネルギーの大部分が利用できない。このため太陽輻射の全帯域を利用する装置が必要である。
特許公開平7ー27424 特許公開平11ー31835 特許公開2008ー25516 これらは太陽輻射を反射鏡などによって集光し、熱源として利用しようとするものである。なぜなら太陽光のエネルギー密度は低く、産業用の熱源として用いるにはエネルギー密度の上昇が必要だからである。しかるに集光された高エネルギー密度の輻射は市街地においては極めて危険である。また熱エネルギーを電気などに転換するためには、機械的にも複雑な機構(熱発電装置)を必要とする。これらのため装置の大型化と複雑化が生じ、市街地への設置は不可能と考えられる。
特許公開2009ー123779 これは集光と同時にドーム上の光熱発電素子によって発電しようとする試みであり、構造体の外壁部分全体を覆う装置と言えるが、透過光を集光しようとする点は上記と同じである。さらに一般的な建物外壁に設置できる装置ではなく、専用の発電設備と考えられる。
特許公開2007ー214235 太陽輻射を集めて太陽光発電を行ない、未利用の熱を温水として利用しようとする試みであるが、集光の過程で輻射のエネルギー密度が上昇するため太陽電池の変換効率が低下するという問題は回避できない。またガリレオ式光学装置によって集光するためには別に光学装置が必要であり、装置自体の危険性とともに市街地での設置が困難なのは言うまでもない。
特許公開平7ー310956 太陽光発電パネルを水で冷却すると言う発想は幾つか見られるが、大規模な装置を前提とする限り立地条件は限られてしまう。また発電効率を高めるために冷却水を消費すれば、水資源の浪費であると同時に排熱が回収できなくなる。たとえば道路の切り通し部分(法面)に融雪用の配管を埋没して、パネルの冷却に用いるというアイデアであるが、市街地における実用化は不可能である。また遠隔地で発電された電力の利用可能性は乏しく、道路照明に利用するだけであれば設置費用に見合わない。以上のアイデアは発電装置の大型化と電力消費の地域的隔離という欠点を有していると言えよう。もともと発電量が太陽輻射量によって限定されるため、発電装置あるいは温水供給装置は市街地にあって、転換されたエネルギーがそのまま利用されるのでなければならない。
特許公開2000ー241030 屋根を含めた建物の外壁に発電装置を設置しようとする提案は限られるが、既存の温水パネルと太陽電池を一体化しようとするものがある。具体的には太陽光パネルの裏側に集熱管を設けるという提案であるが、こうした方法では太陽光パネルと集熱管の間に空気層が介在してしまうため、十分に熱エネルギーが伝達されず実用化できない。また既設の温水製造装置を流用しようとする限り、建物の上面のみに限定され、十分な設置スペースを確保し難い。
解決しようとする課題は、市街地でも利用可能な太陽輻射エネルギーを、周囲環境に影響を及ぼさずに電力と温水など利用可能なエネルギーに転換することである。しかも太陽輻射エネルギーの半分近くが赤外領域に含まれる事実を考えれば、可視光と赤外線を同時に利用可能なエネルギーへ転換する輻射発電こそ太陽エネルギー利用の重要な鍵となる。これには可視光を熱エネルギーに転換して、さらに発電用の熱源として用いることが前提となるが、この場合には太陽輻射のエネルギー密度を上昇させる必要が生じる。しかしながら別に集光装置を設置することは市街地では不可能であり、パネル状の吸光熱装置を開発する必要が生じる。熱エネルギーを直接に電気へ変換する熱電変換を利用することになるが、現在知られている熱電変換(ゼーベック効果)の効率が低いことから、単に熱電変換素子を外壁に貼付すれば済む課題ではない。言い換えれば熱エネルギーを集める熱レンズ効果を実現しなければ、可視光を熱エネルギーに転換しても利用可能性は限られてしまう。
一方で太陽輻射エネルギー中の熱を建物外壁から排除して集蓄熱すれば、夏季には冷房の必要性が低下し、冬期には暖房の熱源として利用することも可能となる。考えてみれば建物外壁(天井部分も含めて)の温度が上昇しなければ、室温上昇が抑制されるため冷暖房の必要性が低下するのは当然である。この原理にしたがって建物の外断熱工法が実施されてきたが、断熱しただけでは地表近くの気温上昇を高めるだけに過ぎない。なぜなら外断熱工法によって達成されるのは、輻射熱の室内への侵入を遅延させるだけであり、建物外壁における熱エネルギーの放出量そのものは不変である。時間の経過とともに建物内外の気温は平衡に近づくため室温は上昇せざるを得ない。外部のエネルギー源によって室内温度を低下させる手段を採った場合、放出されたエネルギーは最終的に外気温を上昇させる。このため地表近くの気温上昇を惹起して、いわゆるヒートアイランド現象を助長することになる。
良好な居住環境を維持したまま社会全体の化石燃料消費を抑制するには、建物構造体が受ける太陽輻射とくに熱を回収し、熱レンズ効果によってエネルギー密度を高めた上で利用することが必要となる。こうした課題は熱力学の原理にしたがって解決しなければならないが、以下に具体的な箇条として纏める。
(1)可視光を電気に転換する太陽電池(太陽光発電装置)は既に開発されているが、可視光の一部を電気エネルギーとして回収するだけでは不十分で、赤外線を含めた輻射エネルギー全体を利用可能な形のエネルギーに転換する必要がある。
(2)輻射エネルギーの一部は電気に転換されることが望ましく、また残余のエネルギーは利用可能な形で蓄積されなければならない。蓄積されたエネルギーの利用形態を考えれば、温水として蓄積されることが現実的である。
(3)太陽電池パネル(太陽光発電装置)を用いる場合、輻射エネルギーの大部分が熱に転換される課題を解決しなければならない。太陽電池パネルの温度上昇は変換効率を著しく低下させ、パネル温度が3度上昇すると効率は1パーセント前後も低下すると言われ、夏季の外壁温度が60度近くに達する地域では発電能力が低下してしまう。
(4)ゼーベック効果(熱電変換)を持つ素子の場合、素子表面の温度差によって電子の移動が生じるため、外壁に設置しただけでは直ぐに起電力が低下してしまう。いわゆる排熱の問題を解決しない限り、実用的な発電装置とはならない。現実的には熱を冷媒によって運搬して貯蔵ないし利用する手段が案出されなければならない。
(5)周辺の環境に悪影響を与えず、小規模な建物にも設置できる安全で簡便な装置が望ましい。とくに市街地での設置条件を考えると占有面積の少ないものでなければならない。また可動部分から発生する騒音や振動など居住環境を悪化させる要因を回避する必要が生じる。遠隔地で発生されたエネルギーを市街地に伝達して発散するシステムは最終的に都市の環境を悪化させてしまう。同時に太陽輻射は人間以外の生物にとっても必須なエネルギー源であり、全てを電力に転換してしまえば他の生物が生存のために利用できなくなってしまう。言い換えれば広大な土地に太陽輻射発電装置を大規模に展開することは、不毛な大地を作り出すことを意味する。また遠隔地に発電装置を設置した場合、送電過程で失われるエネルギー量が増加するため、利用可能な電力量は途中で減少してしまう。したがって他地域の環境に影響を与えず、送電過程での損失を最小限に抑えるエネルギーの自給自足は、現代社会にとって喫緊の課題となっている。
熱電導性素材の建物外壁を可視光から熱に転換する吸熱板として用い、太陽輻射エネルギーの大部分を熱として吸収する。この熱をゼーベック(熱電変換)素子を通じて熱交換器に導き、昇温した冷媒(たとえば温水)を貯蔵タンク内に集める。一方、低温の冷媒(たとえば水)を外壁内側の熱交換器に流し込んで吸熱板を冷却する。この際、ゼーベック素子の断面積(熱電導方向と直交する面積)を小さくすることで、熱エネルギーを集める熱レンズ効果を実現する。
本発明はエネルギー源として太陽輻射を利用し、大半を電気および利用可能な熱エネルギーに転換するため、建物あるいは地表面への輻射量(とくに熱)を減少させる。ゼーベック素子によって熱電変換された電気は、素子を冷却するための冷媒(たとえば水)ポンプを駆動し、さらに余剰部分は地域送電網に供給される。
電気に転換されなかった熱は最終的に温水として貯蔵され、建物の内部温度に直接の影響を与えない。なぜなら外壁全体に伝達された熱は、最終的に冷媒(温水)を昇温するだけであり、エネルギー恒存則によって室温の上昇が抑制される。また逆に冬は装置そのものが断熱体として機能し、貯蔵された温水は給湯および暖房に利用されるため、建物内部の温度変動は抑制される。言い換えれば外断熱によって熱は建物外部に侵入せず、電気と温水エネルギーとして利用可能な形態に変化することになる。ちょうど水冷式の外断熱壁を建物周囲に設けたのと同じ効果と言って構わない。
図1に示すように熱電導性の外壁素材(吸熱板)は単に太陽輻射エネルギーを熱に転換するだけでなく、太陽輻射によって発生した熱をゼーベック素子に伝える機能を有している。吸熱板とゼーベック素子および熱交換器は熱伝導性素材によって接着されており、建物壁との間は断熱材によって遮蔽されている。
図2に示すように、ゼーベック効果を持つ素子は熱交換器に熱を伝導するが、熱電導性の外壁素材(吸熱板)の表面積に対してゼーベック効果を持つ素子の断面積を小さくすることで、素子そのものが熱エネルギーに対するレンズ効果(熱エネルギーのボトルネック現象)を発揮する。単位時間当たりに吸熱板で輻射エネルギーから転換される熱電子は、同時間に熱電変換素子を通過する熱電子量に等しく、さらに熱交換器で冷媒の温度を上昇させる熱量とも等しくなる。仮に吸熱板の表面積に対してゼーベック素子の面積(熱電導方向と直交する平面積)が十分の一であれば、単位時間中に素子を通過する熱電子の密度は十倍になる。もちろん個々の熱電子のエネルギーは不変であるが、単位面積当たりの通過エネルギー量は熱電子の密度に比例して上昇する。
ゼーベック素子の起電力は単位面積当たりの通過エネルギーに比例するため、熱レンズ効果によって発電能力は増加し、極大値は吸熱板と冷媒の温度差によって決定される。一般的にゼーベック素子の熱伝導率は高く、高温側と低温側の間に十分な温度差が発生し難いと考えられてきたが、これはゼーベック素子の面積に対して十分な密度の熱電子を供給できなかったからである。
熱電導性素材とゼーベック素子および熱交換器の熱電導率が充分に高ければ、吸熱板の表面積を拡大しても素子および熱交換器の面積を増やす必要がない。言い換えれば本発明における熱レンズ効果は、ゼーベック素子の面積と付随する熱交換器の通過熱量に応じて発現するもので、輻射エネルギーを熱に転換する吸熱板の表面積は最終的に熱交換器の容量によってのみ決定される。すなわちゼーベック素子は吸熱板の熱電子を集めて熱交換器に導く作用を担い、通過する熱電子量(熱エネルギー量)に応じて電気エネルギーを発生するが、吸熱板と熱交換器の間に熱レンズ効果(熱的なボトルネック)を生じさせることが可能である。
ゼーベック素子を通過する熱エネルギーは一部が電気に転換されるため減少するが、図3に示すようにゼーベック効果を持つ素子を多層化することで、発電量を増やすことが可能である。また吸熱板の外側に可視光を吸収して電気エネルギーに変換する太陽光発電パネル(いわゆる太陽電池)を重層することも可能であり、この場合には吸熱板が太陽電池の冷却装置として機能するため、温度上昇による太陽電池の起電力低下が抑制される。
本発明は吸熱板とゼーベック素子および熱交換器のみからなり、冷媒の循環ポンプ以外に可動部分が存在しない。装置の占有体積あるいは断面積が吸熱板の面積に比較して小さく設定されるため外断熱パネルの内部に納まる。
図4に示すように、吸熱板と建物の本体の間に設けられる断熱層(外断熱パネル)は、外部からの熱侵入を阻止する外断熱装置を兼ねる。すなわちゼーベック効果をもつ素子と熱交換器以外では吸熱板が熱的に遮断されているため、吸熱板からの熱輻射は建物本体に到達しない。さらに外断熱パネルは屋外と室内の熱移動を遅延させる装置でしかないが、本発明の場合は温度変化した冷媒を循環させることで外壁から吸熱する装置となる。
周囲の視線を意識する必要のない屋根(屋上)部分の最外層には、吸熱板の外側(上)太陽電池パネルを貼付することも可能だが、垂直の外壁部分では建物外観に適合した色調の吸熱板を置く。すなわち吸熱板の色調は可視光の吸収率が高い黒色が最良であるが、一般的な建物外壁では黒以外の色調を自由に選択できる。もちろん可視光の吸収効率は黒色に較べて低下するが、赤外線領域の輻射吸収は色調と平行する訳ではない。なぜなら一般住宅などの外観は外壁の色調に左右されるため、色彩自由度の高い外壁素材構造が選好されるからである。
図5に示すように、傾斜した屋根や単独で太陽輻射発電パネルを設置する場合、日陰側のスペースに風力発電機を設置することも可能である。こうした構造上の自由度は、本発明の軽量薄型という特徴による。
図1は熱レンズ効果を持つ吸熱板、ゼーベック素子と熱交換器の説明図である。 図2は熱レンズ効果(熱的ボトルネック現象)の説明図である。 図3はゼーベック素子の多層化と太陽光発電パネルの重層化による発電量の増強を示す説明図である。 図4は太陽輻射発電パネルを備えた家屋の断面説明図であり、壁面および日陰側屋根にも発電パネルを設けてある(実施例1)。 図5は屋上などに設置する太陽輻射発電パネルの断面説明図である。最外層には太陽電池パネルを加え、日陰側屋根の上部には風力発電機を設置する場合の風洞構造を追加している(実施例2)。 図6は非市街地域における太陽輻射発電装置の設置例である(実施例3)。 図7は水源に乏しい乾燥地帯(砂漠など)に太陽輻射発電装置を設置する場合の説明図であり、電力供給線以外では外部と連結していない(実施例4)。 図8は工場あるいは学校等の平坦な屋上に設置する場合の説明図であり、給湯経路と電力供給線によって外部地域と連結している(実施例5)。
図4は屋根を含めた建物外壁に太陽輻射発電パネルを設置する場合の説明図である。太陽輻射によって発生する熱は壁面の一部に設けられたゼーベック素子を通じて熱交換器に導かれ、冷媒たとえば水の温度を上昇させる。吸熱した温水は貯湯槽に溜められて給湯源として利用される。ゼーベック素子で発電された電力は冷媒の循環ポンプを駆動すると同時に電化製品に供給されるが、残余部分は蓄電池によって貯留されるか外部へ給電される。
図5では屋根部分の最外層に太陽光発電パネル(いわゆる太陽電池)を貼付しており、建物外壁全体には吸熱板が設置してある実施例である。日陰側屋根の上部に風力発電機を設置する風洞構造が設置可能となる。
図6は市街化の進行していない地域(離散的な居住区ないし農村など)に、太陽輻射発電装置を独立して設置する例である。家屋の屋根あるいは外壁に設置するのではなく、独立した地域の熱電供給システムの一部としても、太陽輻射発電装置の実用化が可能であることを示した。周辺の住宅に電力を供給するだけでなく、農業用ハウスの暖房用熱源などにも温水を利用できる。
図7は水源の乏しい乾燥地帯に独立して太陽輻射発電パネルを設置する実施例である。冷却モジュールから回収された温水は地下の貯水槽に集められて地温によって冷却される。一定の温度まで低下したところで、再び冷却モジュールに還流する。この場合には太陽電池パネルとの重層化によって発電量を増大させることが主となり、外部とは電力供給線のみによって連結される。ゼーベック素子による熱電変換発電と冷却用熱交換器によって、太陽光発電パネルのエネルギー変換効率が上昇するに留まるが、熱エネルギーの直接的な利用が困難な場合にも、利用可能な電気エネルギーを増大させる効果がある。
図8は工場あるいは学校等の平坦な屋上に設置した場合の説明図である。屋上の表面積が大きい施設では温水の供給が過剰となるため、周辺の住宅などに安価で温水を供給することができる。同時に発電された余剰電力は売却可能である。
本発明は屋根(屋上)を含む建物外壁全体を利用し、太陽輻射エネルギーの大部分を利用可能なエネルギー(電気および熱源)として利用および蓄積するもので、あらゆる人為的な構造体に応用できる。そもそも人為的建造物(とくに建物)の基本性能を考えると、外部の侵害性刺激を遮断して内部の居住環境を至適条件に保つことが第一であり、太陽輻射エネルギーは主要な侵害刺激の一部と考えられる。太陽輻射に含まれるエネルギーを利用可能な状態に変換することができれば、建物内部に侵入する侵害刺激が(太陽輻射エネルギー)が減少するため、室内の居住環境を一定に保つのに必要なエネルギー量も減り、生活上の利便性が拡大することは間違いない。たとえば砂漠地帯を考えてみると、過剰な太陽輻射エネルギーを減少ないし吸収しなければ哺乳類の生存に適さないため、地中(地下)以外に至適な居住環境は存在しないと考えられる。しかし穴居を続ける限り社会生活が著しく制限されてしまう。このような環境下でも樹木や岩石の影では輻射エネルギーの相当部分が吸収されて居住環境も改善される。したがって太陽輻射エネルギーの大部分を吸収して利用可能な形態に転換してしまえば、それだけでも居住環境が改善される。どのようにして太陽輻射を遮断ないし減少させる方策すなわち建物こそ、伝統的な居住環境の改善手段であった。しかし単なる遮断あるいは減少に留まらず、輻射エネルギーを積極的に利用する取り組みも見られる。たとえば建物近くに植樹を行なえば太陽輻射を適度に緩和することが可能であり、さらに果実などを採取すれば太陽輻射を利用可能なエネルギーに転換したことになる。このような目的を実現する手段として太陽光発電が行なわれて来たが、産業利用という現実的な課題を考えると複数の問題点が浮かび上がる。第一は地表面における太陽光(とくに可視光線)のエネルギー密度が低く、気象条件などによって大きく左右される。第二にシリコン等による光から電気エネルギーへの変換効率が低く、温度上昇による変換効率の低下や経年劣化も著しい。しかも大量に稀少な素材を必要とするなど、エネルギー変換装置そのものに多くの問題点を抱えている。第三に可視光の一部しか利用可能とならないため、赤外線を含めた輻射エネルギーの大部分は地表近くで未利用のまま散乱する。これらの欠点によって産業への利用可能性が限られてきた。これに対して本発明の太陽輻射発電パネルは、主として可視光領域のエネルギーを電気に転換するばかりではなく、輻射エネルギーの半分程度を占める赤外線と未利用の可視光および紫外線領域を熱エネルギーに転換し、ゼーベック効果(熱電効果)による発電を実施した上で、残余エネルギーを利用可能な温水の形で蓄積する装置である。本発明における太陽輻射エネルギーの転換は三段階(太陽電池パネルにおける直接発電を含まない)に及ぶが、いずれも周囲の環境に負荷を与えず、建物本体の周辺(外部)において完結する。このため市街地のヒートアイランド現象を抑制するのみならず、全体として化石燃料の浪費を減少せしめることができる。装置全体が吸熱と同時に断熱を行なう構造であり、いわゆる外断熱材としても機能する。またゼーベック素子は熱電子の通過路となるだけであり、太陽輻射に暴露されないことから半永久的に使用可能である。いわゆる太陽光発電に用いられるシリコン素子に較べて小型かつ安価に製造可能であり、経年劣化による交換の必要性もない。民生用電力の消費(冷暖房など)を抑制するだけでなく、産業用電力の自給に寄与するとともに、地域におけるエネルギー供給プラントとして用いることができる。さらに装置の構造が簡単で廃棄物の再利用も難しくない。さらに機械的な可動部分が少なく維持費用も無視できる。いわゆる太陽電池パネルに比較して、軽微な初期投資で永続的にエネルギー源を確保する手段である。また建物の外観が自由に設計できるため、市街地の美観を損なうこともない。以上のことから産業利用上の可能性は高く、しかも広範囲に及ぶ。
1 吸熱板
2 ゼーベック効果を持つ素子
3 熱交換器
4 太陽輻射発電パネル
5 太陽光発電パネル
6 フレーム
7 制御装置
8 配管
9 電力供給線

Claims (3)

  1. ゼーベック素子と熱レンズ効果を応用した太陽輻射発電パネルと吸蓄熱装置。
  2. 熱電導性の吸熱板によって太陽輻射エネルギーは自由熱電子に転換され、吸熱板に比較して面積の小さなゼーベック(熱電変換)素子を通過して熱交換器に導かれる装置。
  3. 吸熱板の表面積とゼーベック素子および熱交換器の接触面積の比率に応じて、熱電子の集中(ボトルネック現象)すなわち熱レンズ効果が発生することを特徴とする。
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