JP2011195005A - 画像表示装置および画像表示装置用プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】所定の対地高度を維持可能であり地形により目標から遮蔽される飛行ルートを適切に判断可能な画像表示装置等を提供する。
【解決手段】画像表示装置1を、目標Oの周囲の地形Tの標高データを蓄積した地形データベース40と、地形データベースを用いて、目標からの見上げ角αが最大となる地点を、目標を中心とした所定の方位範囲にわたって抽出する最大見上げ角抽出手段60と、目標と見上げ角が最大となる地点とを結ぶ見通し線VLとその直下における地形との高度差である高度クリアランスを目標の周囲における異なった座標位置ごとに演算する高度差演算手段60と、高度クリアランスが所定の閾値C以下である領域を目標の周囲のマップに重畳して表示する表示装置70とを備える構成とする。
【選択図】図8

Description

本発明は、例えば航空機の機上あるいは地上等で飛行支援や、飛行ルートの策定、ミッションプランニング等に用いられる画像表示装置および画像表示装置用プログラムに関するものである。
例えば地上の脅威に対し空対地攻撃を行う戦闘ヘリコプター等においては、脅威が有するレーダ等の探知手段に探知されることなく脅威に接近し、近い距離から攻撃を行うことが求められる。
このためには、脅威に対して自機が山や丘陵などの地形に遮蔽されるよう低空を飛行することが有効である。
このような低空飛行を支援するための装置として、例えば特許文献1には、デジタル化された地形情報と自機の現在高度とを用いて、現在の高度を維持した場合に対空設備からの危険が迫る領域、地形への衝突が生じうる領域等をマップ表示する航空機用航法装置が記載されている。
特開平3―9211号公報
しかし、上述したような航法装置において、画面上では地形と衝突しないことになっていても、地形により遮蔽される境界線(上限線)である見通し線の近傍に標高の高い山などがあった場合には、見通し線の下側を飛行する際に必ずしも安全な対地高度を確保できるとは限らない。
本発明の課題は、所定の対地高度を維持可能であり地形により目標から遮蔽される飛行ルートを適切に判断可能な画像表示装置および画像表示装置用プログラムを提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、上述した課題を解決する。
請求項1の発明は、目標の周囲の地形の標高データを蓄積した地形データベースと、前記地形データベースを用いて、前記目標からの見上げ角が最大となる地点を、前記目標を中心とした所定の方位範囲にわたって抽出する最大見上げ角抽出手段と、前記目標と前記見上げ角が最大となる地点とを結ぶ見通し線とその直下における地形との高度差を前記目標の周囲における異なった座標位置ごとに演算する高度差演算手段と、前記高度差が所定の閾値以下である領域を前記目標の周囲のマップに重畳して表示する表示装置とを備える画像表示装置である。
請求項2の発明は、前記見通し線が所定の飛行高度以下となる領域を前記マップに重畳して表示することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置である。
請求項3の発明は、前記高度差が所定の閾値以下である領域内を領域外とは異なった色を付して表示することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像表示装置である。
請求項4の発明は、目標の周囲の地形の標高データを用いて、前記目標からの見上げ角が最大となる地点を、前記目標を中心とした所定の方位範囲にわたって抽出するステップと、前記目標と前記見上げ角が最大となる地点とを結ぶ見通し線とその直下における地形との高度差を前記目標の周囲における異なった座標位置ごとに演算するステップと、前記高度差が所定の閾値以下である領域を前記目標の周囲のマップに重畳して画像表示装置に表示するステップとを備える画像表示装置用プログラムである。
本発明によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)見通し線とその直下における地形との高度差(クリアランス)が所定の閾値以下である領域を、目標の周囲のマップに重畳して表示することによって、低空飛行により目標から遮蔽された状態で飛行する際に、安全な対地高度を確保することが困難な危険領域(高度制限領域)をユーザに認知させることができる。ユーザはこれによって目標から探知されること回避しつつ目標周辺を飛行するルートを適切に判断することができる。
(2)見通し線が所定の飛行高度以下となる領域(暴露領域)をマップに重畳して表示することによって、所定の飛行高度を維持した場合に目標から暴露する領域をユーザに認知させることができる。ここで、所定の飛行高度は、例えば自機の現在高度や、飛行ルート策定の段階で設定される任意の高度とすることができる。
(3)高度差が所定の閾値以下である領域内を領域外とは異なった色を付して表示することによって、上述した高度制限領域を目視しやすくすることができる。
本発明を適用した画像表示装置のシステム構成を模式的に示すブロック図である。 図1の画像表示装置の動作概要を示すフローチャートである。 図1の画像表示装置における標高データの切り出し手法を示す模式図である。 図1の画像表示装置における見上げ角度及び見通し距離の演算手法を示す模式図である。 図1の画像表示装置における暴露距離の演算手法を示す模式図である。 図1の画像表示装置における高度クリアランスの演算箇所を示す模式図であって、ピクセル位置とレンジとの関係を示す図である。 図1の画像表示装置における高度クリアランスの演算手法を示す模式図であって、地形、見通し線と高度クリアランスとの関係を示す図である。 図1の画像表示装置における画面表示の一例を示す図である。 図1の画像表示装置における画面表示の他の例を示す図である。
本発明は、所定の対地高度を維持可能であり地形により目標から遮蔽される飛行ルートを適切に判断可能な画像表示装置等を提供する課題を、目標から見て地形に遮蔽される境界線である見通し線から、その直下の地表までの高度差(クリアランス)が所定の閾値以下の領域を、高度制限領域としてマップに重畳表示することによって解決した。
以下、本発明を適用した画像表示装置の実施例について説明する。
また、この画像表示装置は、本発明を適用した画像表示装置用プログラムを実行するものである。
実施例の画像表示装置は、例えば、空対地攻撃装備を有する戦闘用ヘリコプターに航法支援用として搭載されるものである。
図1に示すように、実施例の画像表示装置1は、レーダ10、デジタル無線システム20、航法センサ30、地形データベース40、脅威データベース50、プロセッサ60、表示装置70等を備えて構成されている。
レーダ10は、自機Hによる攻撃目標(脅威)となる目標Oを探知し識別する索敵手段である。レーダ10は、目標Oの自機Hに対する相対方位及び相対距離を検出する。
レーダ10としては、例えば、ミリ波レーダが用いられ、そのレーダ反射パターンはプロセッサ60に伝達される。プロセッサ60は、レーダ反射パターンに基づいて、目標Oの種類を判別する。
デジタル無線システム20は、デジタルデータリンクを介して他の航空機や偵察部隊等とデータ通信を行い、目標Oの位置及び種別に関する情報を取得し、プロセッサ60に伝達する。
航法センサ30は、自機Hの高度及び位置に関する情報を取得し、プロセッサ60に伝達する。
航法センサ30は、例えば、慣性航法装置、GPS、電波高度計等を備えている。
地形データベース40は、目標Oの周辺における地形Tに関するデータを蓄積したデータベースである。地形データベース40は、目標O周辺の任意の位置座標における地表、樹木や構造物等の標高データを読み出し可能となっている。
脅威データベース50は、自機Hとの遭遇が予測され、画像表示装置1における目標Oとなり得る地対空脅威が有するレーダ等の索敵装置の探知距離に関するデータを蓄積したデータベースである。
地形データベース40及び脅威データベース50は、例えば、光学式、磁気式等のディスクドライブ装置や、大容量のフラッシュメモリ等の記憶装置に格納されている。
このような記憶装置は、自機H内に搭載してもよいが、地上や他の機体等に設置し、デジタル無線システム20を介してプロセッサ60がアクセスするようにしてもよい。
プロセッサ60は、レーダ10、デジタル無線システム20、航法センサ30、地形データベース40、脅威データベース50等からの入力に応じて、表示装置70に表示される画像データを生成する情報処理装置である。画像データの一例及びその生成方法については後に詳しく説明する。
表示装置70は、例えば、自機Hのコクピットに搭載されたLCD等を備えている。
次に、上述した画像処理装置1の動作を、図2に示すフローチャートのステップ毎に順を追って説明する。
<ステップS01:目標座標の入力>
プロセッサ60は、レーダ10が検出する目標Oの自機Hに対する相対方位及び相対距離と、航法センサ30が検出する自機Hの位置とに基づいて、目標Oの座標を算出する。また、このような算出に代えて、デジタル無線システム20から目標位置の座標そのものを取得するようにしてもよい。
さらに、例えば目標Oが車両等の移動体である場合には、必要に応じて、時間経過に伴う目標現在位置推定を行う。
その後、ステップS02に進む。
<ステップS02:見通し領域の計算>
プロセッサ60は、目標Oを基準としてここから見たときに、あらゆる対地高度の航空機等が地形に遮蔽されることなく暴露する距離である見通し距離Lを算出する。
先ず、図3に示すように、地形データベース40に蓄積された標高データの切り出しを行う。地形データベース40は、図3に示す格子状のメッシュの各位置について、標高データを保持している。プロセッサ60は、目標Oの位置を基準として、目標Oからの方位Aのメッシュ標高データを切り出す。
ここで、方位Aは、例えば目標Oを中心とする全方位(360°)あるいは必要な所定範囲にわたって、必要とされる計算精度に応じて求められる分解能で順次設定される。この標高データの切り出しは、少なくとも脅威データベース50から取得した目標Oの探知距離円内をカバーするように行われる。
次に、図4に示すように、切り出した各標高データによって再現される方位A上の地形Tに基づいて、目標Oから見たときに、例えば直近に存在する山の稜線などのように、地形Tが視認可能な最高の見上げ角度(以下、単に「見上げ角度」と称する)αを算出する。
さらに、目標Oから見上げ角αに沿って引かれた直線である見通し線VLと地形Tとが接する地点と、目標Oとの水平距離を算出し、これを見通し距離Lとする。
見通し距離Lの範囲内では、自機Hは高度に関わらず暴露し、地形Tに遮蔽された状態での飛行は不可能となる。
また、見通し距離Lの範囲外では、自機Hは見通し線VLよりも低い高度を飛行することで、目標Oから地形Tによって遮蔽される。
以上の演算を所定の方位範囲にわたって行った後、ステップS03に進む。
<ステップS03:暴露領域の計算>
プロセッサ60は、上述した見上げ角度α及び目標Oと自機Hとの高度差ΔHに基づいて、自機Hが現在高度を維持した場合に目標Oから探知され得る(地形Tにより遮蔽されなくなる)距離である暴露距離Dを算出する。
図5に示すように、暴露距離Dは、自機Hと目標Oとの高度差ΔHを、見上げ角度αの正接であるtanαで除することによって算出される。
すなわち、暴露距離Dは、見通し線VLが現在の飛行高度を横切る箇所までの目標Oからの水平距離と等しい。
以上の演算を所定の方位範囲にわたって行った後、ステップS04に進む。
<ステップS04:高度制限領域の演算>
プロセッサ60は、表示装置70に表示される地図画像上の各ピクセル点(画素位置)において、逐次見通し線VLと地形Tとの間の鉛直方向の高度クリアランスを算出する。
この演算は、図6、図7に示すように、表示装置70に表示される画像の各ピクセルPに関して、当該位置における見通し線VLの高度を目標Oからの距離、目標Oの高度、見通し角度αに基づいて算出するとともに、当該位置における地表の標高データを地形データベース40から読み出して、これらの差分をとることによって行う。
そして、クリアランスが所定の閾値C以下となったピクセル点については、当該位置を高度制限領域内であると判定する。この高度制限領域は、暴露領域ではないが、安全な飛行に必要な高度を確保することが困難な危険な領域を意味している。
その後、ステップS05に進む。
<ステップS05:表示画像の生成>
プロセッサ60は、表示装置70に表示される画像の生成を行う。
表示画像は、目標O周辺の少なくとも探知距離円内を含む2次元マップに、上述した見通し領域(見通し距離)、暴露領域(暴露距離)、高度制限領域を重畳したものである。
2次元マップは、地形Tの起伏を例えば濃淡あるいは色相のグラデーションによって表示したものである。
見通し領域及び暴露領域は、例えば、その外周縁部の輪郭(見通し距離及び暴露距離)を所定の色のラインにより表示している。
また、高度制限領域は、その内部に含まれる各ピクセルの表示色を所定の色とすることによって、画像上では塗りつぶされたように表示される。
その後、一連の処理を終了(リターン)する。
図8は、表示装置70に表示される画像の一例を示す模式図である。ただし、図8においては、2次元マップにおいて地形を示すグラデーションは図示を省略している。
図8において、見通し領域の輪郭(見通し距離)を実線、暴露領域の輪郭(暴露距離)を点線、高度制限領域の輪郭を一点鎖線でそれぞれ図示している。
これを見た搭乗員等のユーザは、見通し領域及び暴露領域を極力避けて目標Oに接近可能な飛行ルートを画面上で探す。また、高度制限領域についても、目標Oに探知されないためには、対地高度が閾値C以下となり安全性を確保し難い低空飛行を要求されるため、可能な限り避けることが推奨される。
一方、暴露領域内であっても、高度制限領域外である場合がありうる。このような箇所は、地形Tに沿って高度を下げることによって、目標Oに探知されることを防止しつつ安全な対地高度を維持して飛行可能な領域である。
図9は、表示装置70に表示される表示画像の他の例を示す模式図である。
図9においては、図8において図示を省略した地形を示すグラデーションも図示している。
図9においては、2つの目標O1,O2が存在し、各目標O1,O2それぞれの探知円距離、高度制限領域、見通し領域、暴露距離を重畳して表示している。
なお、図9では、高度制限領域及び見通し領域は危険エリアということでは同一視できることから、同じ色(例えば赤等の危険を示す色)に塗りつぶしている。
以上説明した実施例によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)見通し線VLとその直下における地形Tとの高度差であるクリアランスが所定の閾値C以下である領域を、目標Oの周囲の2次元マップに重畳して表示することによって、低空飛行により目標Oから遮蔽された状態で飛行しようとした場合に、安全な対地高度の確保が困難な危険領域である高度制限領域を搭乗員等に認知させることができる。搭乗員等はこれによって目標Oからの探知を回避しつつ安全な対地高度を維持して飛行可能なルートを適切に判断することができる。
(2)見通し線VLが自機Hの飛行高度以下となる暴露領域(暴露距離)を2次元マップに重畳して表示することによって、現在の飛行高度を維持した場合に目標Oから暴露する領域をユーザに認知させることができる。
(3)高度制限領域内をその他の領域とは異なった色で塗りつぶして表示することによって、上述した高度制限領域を目視しやすくすることができる。
(変形例)
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
例えば、実施例では画像表示装置は例えば戦闘ヘリコプターに搭載されるものであったが、他用途のヘリコプターや固定翼機等の他種の航空機に搭載したり、地上等で飛行ルートの検討、策定、ミッションプランニング等に用いるために用いることもできる。
また、実施例では高度制限領域を判別する閾値は1つのみ用いているが、例えば複数の閾値を用いて、クリアランスの異なる複数段階の高度制限領域を表示してもよい。
また、実施例では目標(脅威)を探索する索敵装置としてレーダを使っているが、これに代えて、あるいはこれと併用してカメラ等他種の索敵装置を用いてもよい。
また、表示画像内で地形を表示する手法は、実施例のような濃淡グラデーションに限らず、例えば等高線を表示する、標高をカラー表示する等他の手法であってもよい。
1 画像表示装置 10 レーダ
20 デジタル無線システム 30 航法センサ
40 地形データベース 50 脅威データベース
60 プロセッサ 70 表示装置
O,O1,O2 目標(脅威) P ピクセル
VL 見通し線 H 自機
T 地形

Claims (4)

  1. 目標の周囲の地形の標高データを蓄積した地形データベースと、
    前記地形データベースを用いて、前記目標からの見上げ角が最大となる地点を、前記目標を中心とした所定の方位範囲にわたって抽出する最大見上げ角抽出手段と、
    前記目標と前記見上げ角が最大となる地点とを結ぶ見通し線とその直下における地形との高度差を前記目標の周囲における異なった座標位置ごとに演算する高度差演算手段と、
    前記高度差が所定の閾値以下である領域を前記目標の周囲のマップに重畳して表示する表示装置と
    を備える画像表示装置。
  2. 前記見通し線が所定の飛行高度以下となる領域を前記マップに重畳して表示すること
    を特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
  3. 前記高度差が所定の閾値以下である領域内を領域外とは異なった色を付して表示すること
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像表示装置。
  4. 目標の周囲の地形の標高データを用いて、前記目標からの見上げ角が最大となる地点を、前記目標を中心とした所定の方位範囲にわたって抽出するステップと、
    前記目標と前記見上げ角が最大となる地点とを結ぶ見通し線とその直下における地形との高度差を前記目標の周囲における異なった座標位置ごとに演算するステップと、
    前記高度差が所定の閾値以下である領域を前記目標の周囲のマップに重畳して画像表示装置に表示するステップと
    を備える画像表示装置用プログラム。
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