JP2011190724A - 多段往復動圧縮機及びその運転方法 - Google Patents

多段往復動圧縮機及びその運転方法 Download PDF

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康文 根橋
Osanori Kaneshima
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Abstract

【課題】圧縮気体を大風量から小風量まで切り換えて供給することができ、更に、従来よりも小風量の圧縮気体を負荷に応じた小さい消費動力で供給できるようにする。
【解決手段】第1シリンダ1と第2シリンダ2に備えた各吸入弁を開放状態に維持するための電磁弁47a,47b、48a,48bと、第2シリンダ2から吐出される圧縮気体の圧力に基づいて、第1シリンダ1のヘッド側室とロッド側室に備えた吸入弁を開放すると共に、第2シリンダ2のヘッド側室とロッド側室に備えた吸入弁の一方を開放し、第2シリンダ2のヘッド側室とロッド側室の他方のみを圧縮作動させて最小風量を得るように電磁弁47a,47b、48a,48bを制御する切換制御器50とからなる吐出容量制御装置53を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧縮気体を大風量から小風量まで切り換えて供給することができ、更に、小風量の圧縮気体を負荷に応じた小さい消費動力によって供給できるようにした多段往復動圧縮機及びその運転方法に関する。
多段往復動圧縮機としては、クランクケースと、電動モータ等により前記クランクケース内で回転するクランク軸と、前記クランクケース上に搭載されて空気等の気体を圧縮する低圧側のシリンダと、該低圧側のシリンダによって加圧された1次圧縮気体を更に加圧して2次圧縮気体を生成する高圧側のシリンダと、両シリンダの中間に配置して低圧の1次圧縮気体を冷却するためのインタークーラ等を備えた2段型往復動圧縮機が広く知られている。
この2段型往復動圧縮機は、前記クランク軸が電動モータ等によって回転駆動されると、クランク軸に接続されたコネクティングロッドを介して低圧側および高圧側のシリンダに備えたピストンが往復動し、低圧側のシリンダのヘッド側室とロッド側室に気体を交互に吸入し圧縮を行って1次圧縮気体を交互に吐出し、この1次圧縮気体を高圧側のシリンダのヘッド側室とロッド側室に交互に吸入し圧縮を行って2次圧縮気体を交互に吐出するようにしている。そして、高圧側のシリンダから吐出された圧縮気体はレシーバタンク内に貯えられて目的場所に送給される(特許文献1、2参照)。
上記従来の多段往復動圧縮機では、低圧側のシリンダのヘッド側室及びロッド側室と、高圧側のシリンダのヘッド側室及びロッド側室の全てを作動させることにより大風量の圧縮気体を吐出する状態と、低圧側のシリンダのヘッド側室とロッド側室の一方の圧縮を停止して他方のみを作動させる共に、高圧側のシリンダのヘッド側室とロッド側室の一方の圧縮を停止して他方のみを作動させることにより、前記大風量に対して半分の風量の圧縮気体を吐出する状態とに切り換えられるようになっている。
特開平07−139460号公報 特開平11−117870号公報
例えば、セメント搬送船に前記多段往復動圧縮機を搭載し、該多段往復動圧縮機により生成した圧縮気体を用いて搬送管によりセメントを空気搬送して陸揚げするような場合においては、セメントをサイロに供給する場合と、セメントをトラックに積載する場合とが存在する。ここで、セメントをサイロに供給する際には大風量の圧縮気体により短期間に効率良く搬送することが要求され、又、セメントをトラックに積載する場合には小風量の圧縮気体で搬送することが要求される。
このため、セメント搬送船に多段往復動圧縮機を搭載する場合には、セメントを高効率でサイロに搬送できる大容量の多段往復動圧縮機を搭載し、セメントをサイロに搬送する際は最大風量を供給するようにし、セメントをトラックに積載する場合には、風量を半分に減少して供給するようにしている。
しかし、セメントをトラックに積載する場合には、風量を半分にしても風量が過多となってしまい、そのために、圧縮気体の圧力を減圧弁により調整して放風弁及び放風サイレンサ等により圧縮気体の一部を放風させ、この放風量を制御機器で制御することによって小風量の圧縮気体を得ている。
従って、小風量の圧縮気体が必要なときにも大きな負荷で多段往復動圧縮機を運転して余剰の空気を放風するようにしているため、小風量の圧縮気体を供給する際の多段往復動圧縮機の消費動力が増大するという問題を有していた。
又、前記したように大風量と小風量の圧縮気体が必要な場合に、大容量と小容量の専用の多段往復動圧縮機を設置することも考えられるが、こうした場合には、設備費用が増大してしまうと共に、設置面積も増加するという問題がある。
本発明は、斯かる実情に鑑みてなしたもので、圧縮気体を大風量から小風量まで切り換えて供給することができ、更に、従来よりも小風量の圧縮気体を負荷に応じた小さい消費動力で供給できるようにした多段往復動圧縮機及びその運転方法を提供しようとするものである。
請求項1に記載の発明は、クランク軸により往復移動するピストンを備えた第1シリンダと、前記クランク軸により往復移動するピストンを備え前記第1シリンダより小容量の第2シリンダとからなる1組のシリンダ装置を有し、前記各シリンダのヘッド側室とロッド側室の夫々には逆止構造の吸入弁と吐出弁が備えられ、前記各シリンダに備えた吸入弁は夫々吸入室に連通すると共に、前記各シリンダに備えた吐出弁は夫々吐出室に連通しており、前記第1シリンダの吐出室が第2シリンダの吸入室に連通した多段往復動圧縮機であって、前記第1シリンダと第2シリンダに備えた各吸入弁を開放状態に維持するための開放駆動手段と、第2シリンダから吐出される圧縮気体の圧力に基づいて、前記第1シリンダのヘッド側室とロッド側室に備えた吸入弁を開放すると共に、前記第2シリンダのヘッド側室とロッド側室に備えた吸入弁の一方を開放し、前記第2シリンダのヘッド側室とロッド側室に備えた吸入弁の他方のみを圧縮作動させて最小風量を得るように前記開放駆動手段を制御する切換制御器とからなる吐出容量制御装置を備えたことを特徴とする多段往復動圧縮機である。
請求項2に記載の発明は、前記1組のシリンダ装置が2組備えられ、切換制御器が、2組の一方のシリンダ装置における前記第2シリンダのヘッド側室とロッド側室に備えた吸入弁の1つのみを圧縮作動させ他の全ての吸入弁を開放するよう開放駆動手段を制御して最小風量を得るようにしたことを特徴とする請求項1に記載の多段往復動圧縮機である。
請求項3に記載の発明は、前記開放駆動手段が、プロセスガスを前記吸入弁に送って該吸入弁を開放させる電磁弁であることを特徴とする請求項1に記載の多段往復動圧縮機である。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の多段往復動圧縮機の運転方法であって、少なくとも、前記第1シリンダと第2シリンダの全ての吸入弁を作動させて最大風量の圧縮気体を得る最大風量ステップと、前記第2シリンダのヘッド側室とロッド側室に備えた1つの吸入弁のみを作動させて圧縮作動を行い、他の全ての吸入弁は開放駆動手段により開放して最小風量の圧縮気体を得る最小風量ステップとに切り換えるようにしたことを特徴とする多段往復動圧縮機の運転方法である。
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載の多段往復動圧縮機の運転方法であって、少なくとも、2組のシリンダ装置に備えられる全ての吸入弁を作動させて最大風量を得る最大風量ステップと、一方のシリンダ装置における第2シリンダのヘッド側室とロッド側室に備えた吸入弁の1つのみを作動させて圧縮作動を行い、他の全ての吸入弁は開放駆動手段により開放して最小風量を得る最小風量ステップとに切り換えるようにしたことを特徴とする多段往復動圧縮機の運転方法である。
本発明の多段往復動圧縮機及びその運転方法によれば、少なくとも、第1シリンダと第2シリンダの全ての吸入弁を作動させて最大風量の圧縮気体を得る最大風量ステップと、前記第2シリンダのヘッド側室とロッド側室に備えた1つの吸入弁のみを作動させて圧縮作動を行い、他の全ての吸入弁は開放駆動手段により開放して最小風量の圧縮気体を得る最小風量ステップとに切り換えるようにしたので、1台の多段往復動圧縮機によって大風量と従来より少ない小風量での運転が可能となり、しかも小風量の圧縮気体を負荷に応じた小さい消費動力で供給できるという優れた効果を奏し得る。
本発明の多段往復動圧縮機の基本構成である1組のシリンダ装置を備えた場合の概略正面図である。 図1の多段往復動圧縮機が最大風量ステップの場合の作動説明図である。 図1の多段往復動圧縮機が中間風量ステップの場合の作動説明図である。 図1の多段往復動圧縮機が最小風量ステップの場合の作動説明図である。 吸入弁の一例を示す断面図である。 2組のシリンダ装置を備えた多段往復動圧縮機の場合の概略正面図である。 (a)は図1の多段往復動圧縮機により吐出風量を段階的に変化させるときの各シリンダの作動のステップを示す説明図、(b)は(a)のステップに応じた吐出風量を示すグラフである。 (a)は図6の多段往復動圧縮機により吐出風量を段階的に変化させるときの各シリンダの作動のステップを示す説明図、(b)は(a)のステップに応じた吐出風量を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
図1は本発明を適用する多段往復動圧縮機の一例を示したもので、電動モータ等の駆動源4によって駆動されるクランク軸11が内蔵されたクランクケース5の外周に、大容量の第1シリンダ1と、該第1シリンダ1に比して容量が小さい小容量の第2シリンダ2とからなる1組のシリンダ装置3が配置されており、この第1シリンダ1と第2シリンダ2との組み合わせが基本の構成となっている。そして、フィルタ6から取り入れられた気体(空気)は、大容量の第1シリンダ1に導かれて加圧され、その加圧された1次圧縮気体はインタークーラ7に導かれて冷却された後、小容量の第2シリンダ2に導かれて更に加圧されることにより2次圧縮気体となり、続いて、アフタクーラ8により冷却された後、レシーバタンク9に導かれて圧力が調整され、目的場所に供給されるようになっている。前記インタークーラ7は冷却水によって冷却されており、又、前記第1シリンダ1及び第2シリンダ2、更にはオイルクーラ10等も冷却水によって冷却されている。
図2は、図1に示した基本の構成である1組のシリンダ装置3を備えた多段往復動圧縮機の概略と作動を示したものであり、図2に示す多段往復動圧縮機は、クランク軸11の回転によりコネクティングロッド12及びピストンロッド13を介して往復移動するピストン14を備えた第1シリンダ1と、前記クランク軸11の回転によりコネクティングロッド12及びピストンロッド13を介して往復移動するピストン15を備えた前記第1シリンダ1に比して小容量の第2シリンダ2とを備えている。前記第1シリンダ1のヘッド側室16aとロッド側室16bには、夫々逆止構造を有する吸入弁17a,17bと吐出弁18a,18bとが備えてあり、前記第1シリンダ1の外周には、前記第1シリンダ1に備えた吸入弁17a,17bに連通する吸入室19と、吐出弁18a,18bに連通する吐出室20とが区画壁21により区画されて形成されている。
又、前記第2シリンダ2のヘッド側室22aとロッド側室22bには、夫々逆止構造を有する吸入弁23a,23bと吐出弁24a,24bが備えてあり、前記第2シリンダ2の外周には、前記第2シリンダ2に備えた吸入弁23a,23bに連通する吸入室25と吐出弁24a,24bに連通する吐出室26とが区画壁27により区画されて形成されている。ここで、図2では、第1シリンダ1のヘッド側室16aとロッド側室16b、及び第2シリンダ2のヘッド側室22aとロッド側室22bの夫々に、吸入弁17a,17b、23a,23bと吐出弁18a,18b、24a,24bを夫々一個ずつ設けた場合について例示したが、上記吸入弁と吐出弁は、各シリンダ1,2のサイズに応じて複数個備えるようにしてもよく、このとき、吸入弁と吐出弁は同数で備えられる場合と異なる数で備えられる場合とがある。
前記第1シリンダ1の吸入室19には気体取入口28が設けてあり、又、前記第1シリンダ1の吐出室20は連通管20aによりインタークーラ7を介して第2シリンダ2の吸入室25に連通しており、更に、第2シリンダ2の吐出室26には吐出口29が形成してあり、該吐出口29はレシーバタンク9に連通している。
図5は前記吸入弁17a,17b、23a,23bの構成について、第1シリンダ1のヘッド側室16aに備えた吸入弁17aを代表例として示したものであり、図中30は第1シリンダ1に備えられた弁本体である。32は該弁本体30の一部を構成するバルブシートであり、該バルブシート32は、吸入室19とヘッド側室16aとに連通する開口31を有しており、バルブケージ52による押付けによって第1シリンダ1に固定されている。前記バルブシート32の下部には環状を有するバルブプレート33が配置され、更に、該バルブプレート33の下部には環状を有するバルブガイド34が配置されて固定ボルト34aによってバルブシート32に固定されている。更に、前記バルブガイド34の上面には押付け用の板バネ35が配置されており、前記バルブプレート33は前記板バネ35により押されてバルブシート32の弁座36に圧着されることにより前記開口31を閉塞する逆止構造が構成されている。
上記逆止構造は、図2のピストン14が下降して吸入室19に対しヘッド側室16aの圧力が低くなる吸入時には、その圧力差によりバルブプレート33が弁座36から離反するように下降して板バネ35を圧縮し、これにより開口31を通して吸入室19の流体がヘッド側室16a内に吸入され、又、ピストン14が上昇して吸入室19に対しヘッド側室16aの圧力が高くなる圧縮時には、その圧力差と板バネ35の反力によりバルブプレート33が弁座36に圧着されて開口31が閉塞されることで圧縮が行われるようになっており、この逆止構造は、前記吸入弁17a,17b、23a,23b、及び前記吐出弁18a,18b、24a,24bの夫々に備えられている。
一方、前記吸入弁17a,17b、23a,23bにおけるバルブシート32の上部には、アンローダヨーク37が配置してあり、該アンローダヨーク37の上側にはバルブケージ52に昇降可能に嵌合した移動軸38が一体に備えてあり、前記アンローダヨーク37の下方に延びたアーム37aの下端は前記バルブプレート33の上面に当接するようになっている。
又、前記移動軸38の上側のバルブケージ52内にはダイヤフラム39が設けてあり、該ダイヤフラム39の上側にはプロセスガス40を導くプロセスガス導孔41が設けてあり、プロセスガス導孔41にプロセスガス40を供給すると、前記ダイヤフラム39を介して前記移動軸38と共にアンローダヨーク37が下方に移動し、前記バルブシート32の弁座36に圧着されていたバルブプレート33が押下げられて前記開口31を開放する開放状態に維持されるようになっている。42はプロセスガス40の供給が無くなった時にアンローダヨーク37を上側へ戻すためのバネである。
図1のレシーバタンク9には、加圧気体をプロセスガス40として取り出すための配管43を介してヘッダタンク44が接続されており、該ヘッダタンク44内のプロセスガス40を前記吸入弁17a,17b、23a,23bの前記プロセスガス導孔41に夫々連通する導管45a,45b、46a,46bには、プロセスガスの供給・停止を行う電磁弁47a,47b、48a,48b(開放駆動手段)を備えている。又、前記レシーバタンク9の圧力(図1では配管43の圧力)を検出する圧力計49が設けてあり、該圧力計49の検出圧力を設定圧51が設定された切換制御器50に入力しており、該切換制御器50は、前記圧力計49の検出圧力に基づいて、電磁弁47a,47b、48a,48bに指令信号を出力して、吸入弁17a,17b、23a,23bのプロセスガス導孔41に対するプロセスガス40の供給を切り換えて吐出風量を調節する吐出容量制御装置53を構成している。
尚、図1では圧力計49の検出圧力に基づいて、電磁弁47a,47b、48a,48bを切り換える指令信号を出力する切換制御器50を備えた吐出容量制御装置53の場合について示したが、前記配管43に所定の作動圧で作動する複数の圧力開閉器を備え、該圧力開閉器が作動した時の信号により、リレー回路を介して前記電磁弁47a,47b、48a,48bの切り換えを行うようにしてもよい。
図2〜図4は、切換制御器50により電磁弁47a,47b、48a,48bの切り換えを行って、多段往復動圧縮機による圧縮気体の吐出量を切り換える状態を示しており、第1シリンダ1及び第2シリンダ2内にハッチングを施した部分は圧縮作動を行っている状態のものを示している。図2は、電磁弁47a,47b、48a,48bのいずれも作動しておらず、従って、いずれの吸入弁17a,17b、23a,23bにもプロセスガス40は供給されておらず、第1シリンダ1及び第2シリンダ2のヘッド側室16a,22aとロッド側室16b,22bの全てによって圧縮作動が行われており、この状態は多段往復動圧縮機による圧縮気体の吐出風量が最大(100%)とな最大風量ステップを示している。
又、図3は、電磁弁47b、48bが作動されて第1シリンダ1及び第2シリンダ2のロッド側室16b,22bに備えた吸入弁17b,23bが開放された状態を示しており、この状態では、ロッド側室16b,22bでは圧縮が行われず、ヘッド側室16a,22aのみで圧縮作動が行われることになるため、圧縮気体の吐出風量は前記最大風量の場合の50%となる中間風量ステップを示している。
又、図4では、電磁弁47a,47b、48bが作動されて第1シリンダ1のヘッド側室16aとロッド側室16b、及び第2シリンダ2のロッド側室22bの吸入弁17a,17b、23bが開放された状態を示しており、この状態では、第1シリンダ1では気体の圧縮が行われることなくそのまま通過し、第2シリンダ2に導かれてヘッド側室22aのみで圧縮が行われることになるため、第1シリンダ1に対する第2シリンダ2の容積が1/2の場合には、圧縮気体の吐出風量が25%となる最小風量ステップを示している。
以下に上記実施例の作動を説明する。
図1の多段往復動圧縮機においては、レシーバタンク9内の圧力を検出する圧力計49からの検出圧力が切換制御器50に入力されており、切換制御器50は、前記圧力計49からの検出圧力が設定圧51に保持されるように、図2に示した電磁弁47a,47b、48a,48b(開放駆動手段)のいずれも作動せずに、ヘッド側室16a,22aとロッド側室16b,22bによる圧縮が行われる最大風量ステップ、図3に示した電磁弁47b、48bを作動して吸入弁17b、23bを開放することによりヘッド側室16a,22aのみで圧縮が行われる中間風量ステップ、図4に示した電磁弁47a,47b、48bを作動して吸入弁17a,17b、23bを開放することによりヘッド側室22aのみで圧縮が行われる最小風量ステップ、に自動的に切り換えるようにしてあり、これにより、レシーバタンク9内の加圧気体は設定された圧力に自動的に制御されるようになっている。
前記多段往復動圧縮機をセメント搬送船に搭載して、セメントをサイロに供給する場合とトラックに積載する場合とに切り換えて使用するには、第1シリンダ1と第2シリンダ2を作動させることによって得られる最大風量が、セメントをサイロへ搬送するのに必要な目標風量が得られる容量の多段往復動圧縮機を選定して搭載する。
これにより、セメントをサイロへ搬送する際には、図2に示したように、第1シリンダ1と第2シリンダ2のヘッド側室16a,22aとロッド側室16b,22bによる圧縮が行われて、最大風量(100%)の圧縮気体をレシーバタンク9に供給することにより、レシーバタンク9内の圧力を略一定に保持した状態で、セメントを高効率でサイロに搬送することができる。又、何らかの要因でレシーバタンク9内の圧力が異常に上昇した場合には、切換制御器50からの指令信号により、図3に示したように、吸入弁17a,17b、23a,23bのいずれかを開放し、これによって多段往復動圧縮機からの吐出風量を減少させることで、レシーバタンク9内の圧力を所定値に保持することができる。
一方、セメントをトラックに積載する際には、レシーバタンク9から取り出される圧縮気体の風量が減少するために、レシーバタンク9内の圧力が上昇する傾向を示す。このため、切換制御器50は、図4に示したように電磁弁47a,47b、48bを作動させて吸入弁17a,17b、23bを開放することにより、ヘッド側室22aのみで圧縮が行われる最小風量ステップに自動的に切り換えられる。このとき、気体取入口28から取り入れられた空気は、第1シリンダ1では圧縮されることなく通過し、第2シリンダ2のヘッド側室22aのみで圧縮が行われることで25%の最小風量となり、この最小風量の圧縮空気によってセメントがトラックに搬送される。このように、従来の最小風量であった50%に比して少ない25%の最小風量によってセメントを搬送することができ、しかも、この25%の最小風量を得るために第2シリンダ2のヘッド側室22aによる加圧が行われるのみであるため、多段往復動圧縮機の消費動力を小さく抑えることができる。
尚、本発明の多段往復動圧縮機は、前記セメント搬送船以外の圧縮気体を必要とする場所に適用することができ、又、前記最大風量と最小風量の他に、中間風量を必要とする場合にも、圧縮作動させるヘッド側室16a,22aとロッド側室16b,22bを選定して切り換えることで適用することができる。
図6は、図1の基本の構成である第1シリンダ1と第2シリンダ2とからなる1組のシリンダ装置3を、クランクケース5の外周に対称に2組備えた場合を示しており、一方の組には符号にダッシ(')を付して示している。そして、第2シリンダ2,2'から吐出される二次圧縮気体は合流してアウタクーラ8及びレシーバタンク9に導かれている。
図6のように2組のシリンダ装置3,3'を備えた場合には、図1に示した4個の電磁弁47a,47b、48a,48bを備えた場合に対して倍の8個の電磁弁を備え、この電磁弁を切換制御器によって前記実施例と同様に切り換え制御するようにしている。従って、3組のシリンダ装置を備えた場合には、12個の電磁弁を備えることにより同様に対応することができる。
図7(a)は、図1に示したように、前記第1シリンダ1と第2シリンダ2からなる基本の構成のシリンダ装置3を1組備えた多段往復動圧縮機の場合を示したもので、第1シリンダ1及び第2シリンダ2内にハッチングを施した部分は圧縮作動を行っている室を示しており、図7(b)は吐出風量を示している。
図7(a)に示すように、1組のシリンダ装置3を備えた多段往復動圧縮機で、且つ第1シリンダ1に対する第2シリンダ2の容積が1/2の場合の吐出風量は、図7(b)に示すように、0%、25%、50%、100%のステップに風量を切り変えることができる。
図8(a)は、図6に示したように、前記第1シリンダ1と第2シリンダ2からなる基本の構成のシリンダ装置3を2組備えた多段往復動圧縮機の場合を示したもので、第1シリンダ1及び第2シリンダ2内にハッチングを施した部分は圧縮作動を行っている室を示しており、図8(b)は吐出風量を示している。
図8(a)に示すように、2組のシリンダ装置3,3'を備えた多段往復動圧縮機で、且つ第1シリンダ1に対する第2シリンダ2の容積が1/2の場合の吐出風量は基本的に、0%、12.5%、25%、50%、75%、100%のステップで風量を切り換えることができる。又、容積が2対1である第1シリンダ1と第2シリンダ2の休止と作動の組み合わせを変えることにより更に多段のステップで風量を切り換えることができる。例えば、第1シリンダ1と第2シリンダ2のみを作動した場合の50%風量のステップにおいて、第1シリンダ1,1'のみを作動した場合には約65%風量とすることができ、又、第2シリンダ2,2'のみを作動した場合には約35%風量とすることができる。
従って、上記したように2組のシリンダ装置3,3'を備えた多段往復動圧縮機によれば、1台の装置で、大きな最大風量から極めて少ない最小風量まで供給することができ、よって多段往復動圧縮機の適用範囲を更に拡大することができる。
尚、本発明の多段往復動圧縮機及びその運転方法は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、上述した1組のシリンダ装置を備えた多段圧縮機と2組のシリンダ装置を備えた多段圧縮機以外に、3組、4組のように組数を増加させた多段圧縮機にも適用できること、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
1,1' 第1シリンダ
2,2' 第2シリンダ
3,3' シリンダ装置
11 クランク軸
14 ピストン
15 ピストン
16a ヘッド側室
16b ロッド側室
17a,17b 吸入弁
18a,18b 吐出弁
19 吸入室
20 吐出室
22a ヘッド側室
22b ロッド側室
23a,23b 吸入弁
24a,24b 吐出弁
25 吸入室
26 吐出室
40 プロセスガス
47a,47b 電磁弁(開放駆動手段)
48a,48b 電磁弁(開放駆動手段)
50 切換制御器
53 吐出容量制御装置

Claims (5)

  1. クランク軸により往復移動するピストンを備えた第1シリンダと、前記クランク軸により往復移動するピストンを備え前記第1シリンダより小容量の第2シリンダとからなる1組のシリンダ装置を有し、前記各シリンダのヘッド側室とロッド側室の夫々には逆止構造の吸入弁と吐出弁が備えられ、前記各シリンダに備えた吸入弁は夫々吸入室に連通すると共に、前記各シリンダに備えた吐出弁は夫々吐出室に連通しており、前記第1シリンダの吐出室が第2シリンダの吸入室に連通した多段往復動圧縮機であって、前記第1シリンダと第2シリンダに備えた各吸入弁を開放状態に維持するための開放駆動手段と、第2シリンダから吐出される圧縮気体の圧力に基づいて、前記第1シリンダのヘッド側室とロッド側室に備えた吸入弁を開放すると共に、前記第2シリンダのヘッド側室とロッド側室に備えた吸入弁の一方を開放し、前記第2シリンダのヘッド側室とロッド側室に備えた吸入弁の他方のみを圧縮作動させて最小風量を得るように前記開放駆動手段を制御する切換制御器とからなる吐出容量制御装置を備えたことを特徴とする多段往復動圧縮機。
  2. 前記1組のシリンダ装置が2組備えられ、切換制御器が、2組の一方のシリンダ装置における前記第2シリンダのヘッド側室とロッド側室に備えた吸入弁の1つのみを圧縮作動させ他の全ての吸入弁を開放するよう開放駆動手段を制御して最小風量を得るようにしたことを特徴とする請求項1に記載の多段往復動圧縮機。
  3. 前記開放駆動手段が、プロセスガスを前記吸入弁に送って該吸入弁を開放させる電磁弁であることを特徴とする請求項1に記載の多段往復動圧縮機。
  4. 請求項1に記載の多段往復動圧縮機の運転方法であって、少なくとも、前記第1シリンダと第2シリンダの全ての吸入弁を作動させて最大風量の圧縮気体を得る最大風量ステップと、前記第2シリンダのヘッド側室とロッド側室に備えた1つの吸入弁のみを作動させて圧縮作動を行い、他の全ての吸入弁は開放駆動手段により開放して最小風量の圧縮気体を得る最小風量ステップとに切り換えるようにしたことを特徴とする多段往復動圧縮機の運転方法。
  5. 請求項2に記載の多段往復動圧縮機の運転方法であって、少なくとも、2組のシリンダ装置に備えられる全ての吸入弁を作動させて最大風量を得る最大風量ステップと、一方のシリンダ装置における第2シリンダのヘッド側室とロッド側室に備えた吸入弁の1つのみを作動させて圧縮作動を行い、他の全ての吸入弁は開放駆動手段により開放して最小風量を得る最小風量ステップとに切り換えるようにしたことを特徴とする多段往復動圧縮機の運転方法。
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