JP2011185885A - 放射線計測装置,核医学診断装置 - Google Patents

放射線計測装置,核医学診断装置 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体検出器において、エネルギー測定範囲が広く、エネルギー分解能を向上させた放射線計測装置を提供する。
【解決手段】半導体検出器から得られる信号波形を2系統の波形変形回路で変形し、一方の比較的長い時定数を有する変換回路8から得られる波高値をHs、もう一方の比較的時定数の短い変換回路9から得られHsに対して規格化された波高値をHf、kを測定系に依存して最適化すべき係数であるとしたとき、波高値Hを、H=Hs+k×(Hs−Hf)とする、または、H=Hs+k×(Hs−Hf)×Hs/HfあるいはH=Hs×exp(k×(Hs−Hf)/Hf)とすることでエネルギー分解能が向上する。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体を検出素子として用いた放射線計測装置およびそれを用いた核医学診断装置に関するものである。
放射線検出器としての半導体検出器は、測定するX線やガンマ線に対するエネルギー分解能がシンチレータ検出器と比較して優れているという特徴を有する。そのためX線やガンマ線のエネルギーを正確に測定するためにシリコンやゲルマニウムなどの半導体放射線検出器が利用されている。しかしシリコンは原子番号が14と小さくかつ密度も約2.3g/cm3と小さいため、高エネルギーX線やガンマ線の吸収能力が小さいという問題がある。またゲルマニウムは原子番号が32、密度は5.4g/cm3とシリコンより大幅に吸収能力が高いが、バンドギャップが0.7eVと小さく、液体窒素温度程度まで冷却して使用しなければならない問題がある。一方、X線やガンマ線の吸収能力が高くかつ室温使用可能な半導体検出器が近年開発されてきている。代表的なものがテルル化カドミウム(CdTe)やテルル化亜鉛カドミウム(CdZnTe)で、例えばCdTeは実効原子番号が50、密度が5.8g/cm3とゲルマニウムよりさらに吸収能力が優れ、またバンドギャップが1.4eVと大きく室温での使用が可能である。しかしテルル化カドミウムやテルル化亜鉛カドミウムなどの化合物半導体はシリコンやゲルマニウムよりも電子やホールなどのキャリヤの結晶内での輸送能力が低い問題がある。半導体を放射線検出器として使用する場合、ガンマ線が結晶内で光電効果が生じると、キャリヤが生成され、このキャリヤを外部回路で電荷量あるいは電流という形で計測する。そのため半導体検出器の善し悪しを示す指標として、キャリヤの移動度と寿命との積であるμτ積が使用されている。概してこのμτ積が大きいほどエネルギー分解能が良好で優れており、小さいとエネルギー分解能が悪化するため良くない。テルル化カドミウムやテルル化亜鉛カドミウムなどの半導体はシリコンやゲルマニウムと比較するとμτ積が小さく、エネルギー分解能は劣る。そのためX線やガンマ線のエネルギーの精密な測定には不向きである。しかし例えばガンマカメラや単光子放射断層撮影(SPECT)などの核医学診断装置や、屋外で使用される放射性物質探知装置などは従来シンチレータが使用されており、それを半導体検出器に置き換えてエネルギー分解能が良くなれば機能向上としては十分である。
テルル化カドミウムやテルル化亜鉛カドミウムなどの材料は前述のようにシリコンやゲルマニウムと比較するとμτ積が小さい。特にホールのμτ積が小さいことが問題である。その中でもテルル化亜鉛カドミウムは特にホールのμτ積が小さく、それを回避するため非特許文献1に示した電極構造および読出し回路の工夫によりホールの影響を受けない構造が提案され使用されている。この方法は電子のみで信号の読み取りを行う優れた方法であるが、電極がホールからの誘導電荷の影響を受けにくいように陽極を細かく分割し、陰極との距離を大きくする必要がある。そのため比較的大型の結晶に向いた方法であるが、結晶内で特性が一定である必要があり、大型かつ均一な結晶を製作するという困難さがある。一方テルル化カドミウムはテルル化亜鉛カドミウムほどホールのμτ積は小さくないため、テルル化亜鉛カドミウムのような複雑な電極構造はほとんど使用されず平板電極型(プレーナ型)で使用されることが多い。しかし電極間距離すなわち素子厚を大きくするとホールのμτ積が小さい影響がエネルギー分解能に現れるため、0.5mm〜1.0mm厚という比較的薄い素子が通常使用されている。
特許文献1に開示されている方法は、異なった時定数を有する2系統のシェーピング回路を用いる方法である。この方法はホールのμτ積が小さいことを前提に補正を行うものであり、エネルギー分解能の向上が期待できる。具体的な補正方法に関しては非特許文献2および非特許文献3に記載されている方法が開示されており、2系統のシェーピング回路からの出力のうち高速シェーピング回路出力をVf、低速シェーピング回路出力をVsとするとVf/Vsを使用する方法である。また、非特許文献4はバイパラメトリック補正と呼ばれる補正方法の基本原理が記載されているもので、電子による誘導電荷の立ち上がりとホールによる誘導電荷の立ち上がりの違いを利用する方法である。
特許第3622967号公報
P.N.Luke,"Unipolar charge sensing with coplanar electrodes-application to semiconductor detectors", IEEE Transactions on Nuclear Science, Vol.42 No.4, pp.207-213 N. Auricchino, A. Basili, E. Caroli, A. Donati, T. Franceschini, F. Frontera, M. Hage-Ali, G. Landini, A. Roggio, F. Schiavone, J. B. Stephen, and G. Ventura, "Compensation of CdZnTe Signals Using a Twin Shaping Filter Technique", IEEE Transactions on Nuclear Science, Vol.51(5), pp.2485-2491, 2004. N. Auricchino, L. Amati, A. Basili, E. Caroli, A. Donati, T. Franceschini, F. Frontera, G. Landini, A. Roggio, F. Schiavone, J. B. Stephen, and G. Ventura,"Twin Shaping Filter Techniques to Compensate the Signals From CZT/CdTe Detectors", IEEE Transactions on Nuclear Science, Vol.52(5), pp.1982-1988, 2005. Y. Eisen, Y. Horovitz,"Correction of incomplete charge collection in CdTe detectors", Nuclear Instruments and Methods in Physics Research section A, vol.353, pp.60-66, 1994.
テルル化カドミウムはテルル化亜鉛カドミウムと比較するとホールのμτ積が大きく、平板型電極のものが主として使用されている。しかしその厚さは高々0.5〜1mm程度であり、これを例えばSPECT装置に用いる場合は非常に多数の素子を平面上に並べる必要があった。しかし必要とする解像度より小型の素子しか使用できない場合、素子数が多いと余分なコストが多くかかるだけでなく、不感領域も増えるという問題が生じる。素子厚は厚い方が素子数は減らすことができるが、従来は厚い素子を用いるとエネルギー分解能が悪化するために素子厚増大には限界があるという課題があった。ひとつの解決方法として電圧を大きくしてキャリヤの移動を高速化する方法もあるが、同じ性能を得るためには素子厚の2乗に比例した電圧が必要である。例えば1mm厚素子で電圧500Vの場合と同じ性能を得るためには2mm厚素子では4倍の2000Vの電圧を印加しなければならない。これは信頼性の面で極めて不利であり、実用的とはいえない。そのため印加電圧の極端上昇を招くことなく、エネルギー分解能の向上を図る方法が望まれていた。非特許文献2および非特許文献3の方法でも効果はあるものの、さらに効果が大きい補正方法が望まれている。
半導体結晶から構成される放射線検出器と、前記放射線検出器にバイアス電圧を印加するための電源と、前記放射線検出器からのパルス信号を増幅する前置増幅器と、前置増幅器からの出力信号を波形整形する波形整形回路を2系統有し、前記波形整形回路は互いに異なる時定数で出力信号波形を整形する機能を有し、前記2系統の波形整形回路からの信号を演算処理することでガンマ線のエネルギーを決定する機能を有する放射線計測装置において、求めるガンマ線のエネルギー値を前記2系統の波形整形回路から得られる2つのパルス波高値の差分を利用して求めることを特徴とする放射線計測装置。
本発明により、厚い半導体素子を用いた場合でも、印加すべき電圧を素子厚の2乗まで増大させることなく良好なエネルギー分解能を得られる効果がある。またVf/Vsを利用した場合よりもその効果が大きい。
本発明の適用の前提となる放射線計測装置の回路を模式的に示した図。 本発明を実施しない場合の図1で得られるガンマ線計測結果を示した図。 実施例1の662keVガンマ線計測結果を示した図。 実施例1における122keV,662keV,1173keVおよび1333keVのガンマ線測定結果を示した図。 実施例2の662keVガンマ線計測結果を示した図。 実施例3の662keVガンマ線計測結果を示した図。 実施例4の放射線計測装置の回路を模式的に示した図。 本実施例の放射線計測装置を搭載したSPECT装置の構成を模式的に示した斜視図。
以下、放射線計測装置およびそれを用いた核医学診断装置について実施例を説明する。
放射線計測装置における検出器には電離箱,シンチレーション検出器,半導体検出器,積算線量計などがあり、用途に応じて使い分けられている。ガンマ線やX線の線量だけでなく、そのエネルギー情報を得たい場合、半導体検出器が使用されるのが一般的である。これは半導体に入射したガンマ線やX線が半導体内でエネルギー変換されて多量の電子やホールといったキャリヤ電荷を発生させ、その電荷量がガンマ線やX線のエネルギーに比例するからである。すなわち電荷量を計測することでエネルギーを知ることができるため、高精度な測定結果が得られる。シンチレーション検出器においても同様にガンマ線やX線を光に変換した後、光電子増倍管やフォトダイオードでその光量を測定してエネルギーを求めることはできるが、一度光に変換するために高精度なエネルギー情報を得ることは困難である。そのため半導体検出器が専ら使用されるのである。
半導体検出器として用いられる材料としては、シリコン,ゲルマニウム,テルル化カドミウム,テルル化亜鉛カドミウムなどが知られている。シリコンはICなどでも使用されている最も知られている材料であるが、原子番号が14と小さく密度も低いためガンマ線やX線が結晶内で反応する確率が低く、主として元素分析装置などX線のエネルギーが低い用途に使用されている。ゲルマニウムは原子番号が32で若干大きく、キャリヤの移動度も大きくエネルギー識別能力(エネルギー分解能)が極めて良好な検出器である。しかしゲルマニウムはそのバンドギャップが約0.7eVと小さいために漏れ電流が大きく、使用する際には低温に冷却する必要がある。テルル化カドミウムやテルル化亜鉛カドミウムはバンドギャップが1.4eV〜1.6eV程度であり、室温でも漏れ電流が小さく放射線検出器として使用できるものである。また平均原子番号も50程度と大きく、ガンマ線やX線に対する感度が高い。テルル化亜鉛カドミウムは3種類の元素を用いるもので、結晶を歩留まり良く得るのが困難であるが、2種類の元素からなるテルル化カドミウムは歩留まりが比較的良く、近年量産することが可能となってきた材料である。
テルル化カドミウムは前述のように室温で使用でき、X線やガンマ線に対する感度が高い放射線検出器である。この材料は通常はダイオード化して逆バイアス電圧を印加して使用されるものである。しかしこのテルル化カドミウム等の化合物半導体はホール移動度やホール寿命が小さい場合が多く、放射線検出器の性能を表わす指標として使用されるμτ積が小さいことが多い。具体的にはシリコンやゲルマニウムにおけるホールのμτ積(単位:cm2/V)はそれぞれ33および40程度であるのに対して、テルル化カドミウムでは1×10-4、テルル化亜鉛カドミウムでは1×10-5程度と極めて小さい。そのためテルル化カドミウムやテルル化亜鉛カドミウムでは結晶内でキャリヤが生じた位置に応じて特にホールが電極に達する前に消滅する場合がある。その結果、ガンマ線が光電効果を生じる結晶内の厚さ方向の位置に応じて電極まで移動できる電荷量が変化する。半導体検出器では電荷量からガンマ線のエネルギーを求めているため、電荷量の変化は観測されるエネルギー値の変動となり、エネルギー分解能を悪化させる要因となる。そのため横軸を電荷量すなわちガンマ線のエネルギーを反映したパルス波高値,縦軸を計数としたエネルギースペクトルを見ると、ガンマ線のエネルギーに相当する主ピークがあり、それが低エネルギー側にテールを引く形状となる。この低エネルギー側へのテールが主としてホールのμτ積が小さいために生じるものであり、エネルギー分解能を悪化させる要因である。なおエネルギースペクトルでガンマ線のエネルギーに対応するピークが細くて高い鋭い形状であるほどエネルギー分解能は良く、そのピーク高さの半値幅をピークの横軸位置で除した数値がエネルギー分解能として評価される。
上記に示したように化合物半導体を用いた放射線検出器ではホールのμτ積が小さいという問題がある。そのための対策がこれまで提案されている。例えばテルル化亜鉛カドミウムでは電荷信号のうち、ホールが寄与する分を小さくしてほとんど電子による電荷信号を利用する方法が知られている。これは非特許文献1に示されているが、陽極側の電極を細かく分割する方法である。ホールは陰極側へ収集されるため、陽極からは遠ざかる。陽極は細かく分割されているためその誘導電荷も分散して生じ、個々の陽極に誘導される電荷はわずかになる。一方電子は陽極に接近するときに大きな誘導電荷を生じ、大きな信号電荷となる。このようにテルル化亜鉛カドミウムでは陽極を分割して用いられることが多い。ただしこの方法は陽極を細かくして陰極と陽極との距離を大きくする必要があり、大型で均質な結晶が求められるが、実際の製作は困難で高い歩留まりを得にくい。一方テルル化カドミウムはホールのμτ積がテルル化亜鉛カドミウムよりは10倍程度大きい。そのため前述のテルル化亜鉛カドミウムと同様の手法が採用されることも稀にあるが、多くの場合は電極を分割せずに単純な平板対向電極で用いるか、あるいは目的がホールの影響除去ではなくピクセル分割であり比較的薄い素子が電極分割して用いられることが多い。この場合はホールの輸送能力の低さの影響を強く受けるため、素子厚さは1mm程度までとされることが多い。すなわち素子厚さ方向のどの位置でキャリヤが生じても、1mm程度までであればホールのほとんどが陰極に達する程度の厚さとなっている。しかしそれでもホールは完全に収集されるわけではなく、わずかに低エネルギー側のテールは残る。また、素子厚さを2倍の2mm程度とする場合、ホールの陰極での収集効率を1mmの場合と同等とするためには4倍の電圧が必要であり、例えば1mmで500Vで済んだ印加電圧は2mmの場合は2000Vが必要で、これは信頼性の面から現実的な値とは言い難い。このホールのμτ積が小さい問題に対する解決策として提案されたもう一つの方法が、バイパラメトリック補正と呼ばれる補正方法である。これは非特許文献4にその基本原理が記載されているもので、電子による誘導電荷の立ち上がりとホールによる誘導電荷の立ち上がりの違いを利用する方法である。電子のμτ積はホールのμτ積より1桁以上大きいため、電極で観測される電荷信号の立ち上がり速度も両者の異なるものが重畳して現れる。そのためこの立ち上がりを計測すれば、結晶内の厚さ方向でガンマ線が光電効果を生じた位置がわかり、位置に応じて電荷量を後から補正することができる。また電荷信号の立ち上がりを直接測定するのは複雑な専用の回路が必要となるが、そのような専用の回路を用いることなく、従来用いられているシェーピング回路を2系統、異なる時定数で用いる方法が非特許文献2に開示されている。この場合シェーピング回路の1系統は速い時定数として電子の寄与が大きい信号を取得し、他の1系統を遅い時定数として電子とホールとの両方の寄与する信号を取得するものである。
ここで課題となるのが、得られた2つの信号からどのようにもとのエネルギー値に近い値を得るかということである。ここで非特許文献2では高速シェーピング回路の出力をVf、低速シェーピング回路の出力をVsとするとVf/Vsの値を利用して補正を行う方法が示されている。しかしこの方法による補正精度や、それが広いエネルギー範囲でも成立する妥当性に関しては示されておらず、より精度が高く、広いエネルギー範囲に適用可能な方法が求められていた。
この課題は、入力されたパルスを低速シェーピング回路で処理した出力をHs、高速シェーピング回路で処理した出力をHsで規格化した値Hfを用い、Hs−Hfという差分を用いることで解決される。さらに(Hs−Hf)をHfで除した(Hs−Hf)/Hfの値を補正に用いるとより大きな効果が得られる。またさらにその(Hs−Hf)/Hfに対して指数関数、すなわちexp(k(Hs−Hf)/Hf))を補正に用いても大きな効果が得られる。なおkは補正強度を調節するための係数である。またHfやHsはオフセットなどの誤差の影響を差し引いたものであり、使用されるシステムにより誤差を増減させることもある数値である。
本実施例により、広いエネルギー範囲における妥当性を保ちつつ、高い精度でエネルギー値を補正することが可能となった。比較的薄い素子でわずかに残っているホールによる低エネルギー側のテールも、本発明を用いることで低減でき高いエネルギー分解能を実現できる。
以上の効果は性能が良好な放射線計測装置を得るばかりでなく、低コストの核医学診断装置を得るためにも好適である。例えばSPECT装置では大面積のピクセル型検出器が必要であるが、これは2mm程度の厚さのテルル化カドミウム素子ならば効率よく製作することができる。すなわち素子厚が1mm程度まで小さいと位置分解も必然的に1mm程度となるが、これは過剰な位置分解能であり多数の素子が必要なため製造コストが増大する。2mm厚程度のテルル化カドミウムならば素子数は半分またはそれ以下で済むため製造コストの大幅な抑制が可能である。よって低コストのSPECT装置の製作には本発明は有効であり、その結果安価に診断装置の利用が可能になるという重要な効果が得られる。
以下、各実施例について図面を用いて説明する。尚、異なる図面について同じ符号を付した構成は説明を省略する。
実施例1で、低速シェーピング回路出力をHs、高速シェーピング回路出力をHsで規格化した値Hfを用い、Hs−Hfという差分を用いることを説明する。実施例2で(Hs−Hf)にHsを乗じHfで除する(Hs−Hf)Hs/Hfを用いることを説明する。さらに実施例3で、(Hs−Hf)をHfで除した(Hs−Hf)/Hfの値を補正に用いるとより大きな効果が得られることを説明する。実施例4で、さらにその(Hs−Hf)/Hfに対して指数関数、すなわちexp(k(Hs−Hf)/Hf))を補正に用いても大きな効果が得られる。なおkは補正強度を調節するための係数である。またHfやHsはオフセットなどの誤差の影響を差し引いたものであり、使用されるシステムにより誤差を増減させることもある数値である。
次に、本発明の実施形態を、放射線計測装置を例に詳細に説明する。
本実施例の前提となる放射線計測装置における放射線検出器および演算器までの回路構成を図1に示す。図1の放射線計測装置の回路構成は、半導体素子を有し放射線を検出する検出器1,高電圧を検出器に印加する高電圧電源2,増幅回路3,高速シェーピング回路8,低速シェーピング回路9,A/D変換器10,A/D変換器11,演算器12から構成されている。テルル化カドミウム半導体からなる検出器1はダイオードと等価であり、通常は逆バイアスで使用される。図1における高電圧電源2の出力は負極性となっているため、ダイオードとしての接続は図示の方向でよい。
まず、放射線計測時の動作を説明する。半導体放射線検出器である検出器1には高電圧電源2から負極性かつ直流のバイアス電圧が印加されている。これはダイオードの逆バイアスに相当し、検出器1内では空乏層が形成されるため、ガンマ線14の入射がなければ検出器1には直流の漏れ電流がわずかに流れるだけである。検出器1にガンマ線14が入射すると内部にキャリヤ電荷が生じ、ガンマ線の1フォトンあたりのエネルギーに応じた電荷量のパルス電流信号が検出信号として流れる。この検出信号は高周波パルス電流であり、コンデンサ6を通過し、増幅回路3へ達する。増幅回路3の入力側端子と出力側端子の間には並列にコンデンサ4,抵抗5が接続される。増幅回路3の動作はコンデンサ4により積分回路となっており、パルス電流信号は積分されて電荷の値が得られる。そのまま積分を続けると次々とパルス電流信号が入ってきて飽和するため、それを防ぐために抵抗5が接続されている。したがって増幅回路3からは検出器1から出た電荷量に対応した波高を有し、コンデンサ4と抵抗5とで決まる時定数で減衰するパルス電圧波形が出力される。次に増幅回路3から出力されたパルス電圧は高速シェーピング回路8および低速シェーピング回路9の両方に入力される。高速シェーピング回路8は短い時定数を有するバンドパスフィルタとなっており、ここからは検出器1からの速い電流信号成分すなわち電子の移動による速い変化に比例した成分がバンドパスフィルタによって取りだされ、増幅される。そのため高速シェーピング回路8からは、検出器1においてキャリヤが陰極付近で生成した場合は電子の走行距離が長いため大きい波高値のパルスが、キャリヤが陽極付近で生成した場合は電子の走行距離が短いため小さい波高値のパルスが出力される。一方低速シェーピング回路9は長い時定数を有するバンドパスフィルタとなっており、電子およびホールの両方の電荷を十分積分し、検出器1にてガンマ線14により生じた全キャリヤ電荷量に比例した成分がバンドパスフィルタによって取りだされ、増幅される。そのため低速シェーピング回路9からの出力パルスはその波高値がガンマ線14のエネルギーを反映したものとなる。ただしホールが電極で収集される前に再結合して消滅するような場合は電荷量が減少するため、エネルギー精度が低下すなわちエネルギー分解能は低下する。
低速シェーピング回路9から出力されるパルスの波高値はホールのμτ積が小さいために生じる再結合の影響を受けてガンマ線エネルギーの反映精度が低下する。この精度低下は検出器1におけるガンマ線14の光電効果が生じる位置を反映したものである。陽極付近で光電効果が生じるとホールは検出器1の陽極付近から陰極までの長い距離を移動しなければならないため、再結合するものが多くなる。光電効果が陰極付近で生じれば再結合はほとんど生じない。よって光電効果が生じた位置がわかればその値の補正は可能である。一方高速シェーピング回路8はほぼ電子のみの電流信号によるパルス波高を出力するが、これは検出器1において光電効果が生じた位置を強く反映したものである。したがって高速シェーピング回路8からのパルス波高値を利用して、低速シェーピング回路9の波高値を補正すれば再結合の影響をキャンセルすることができる。その結果ホールの再結合の影響を抑制でき、高いエネルギー分解能を得ることができる。
高速シェーピング回路8の波高値はピークホールド機能付きのA/D変換器10によりディジタル化され、また低速シェーピング回路9の波高値はピークホールド機能付きのA/D変換器11によりディジタル化されてともに演算器12へ送られる。なおピークホールドは信号パルスの波高値を一定時間維持してA/D変換するために用いられるものである。A/D変換されたデータは演算器12で所定の演算をおこなって最終的にガンマ線のエネルギーを決定する。次に実際の測定例に関して説明する。検出器1に2.3mm厚のテルル化カドミウムを用いて、バイアス電圧を800V印加し、ガンマ線14がセシウム137から発せられる662keVである場合の、高速シェーピング回路8および低速シェーピング回路9からの信号の相関関係をプロットしたものを図2に示す。図2の上図は横軸(Slow)が低速シェーピング回路9の波高値、縦軸(Fast)が高速シェーピング回路8の波高値としてプロットしたものである。なお縦軸の数値は、横軸の数値と最大値がほぼ同じとなるように規格化したものである。図2の下図は低速シェーピング回路9の波高値によって得られるエネルギースペクトルである。また縦軸および横軸は他に図3,図5,図6に関しても同様のことを意味するものである。図2において、662keVフォトピーク22は広がり21をもっている。2.3mmという厚さに対して800Vという電圧で全く補正を行わないと、広がり21のようにシンチレータと同程度のエネルギー分解能しか得られない。この広がり21が大きいことはエネルギー分解能が良くないことを意味するので、エネルギー分解能を良くするためには広がり21を極力狭くする必要がある。
測定ではガンマ線1フォトンに対して高速シェーピング回路8の波高値と低速シェーピング回路9の波高値との2つの値が取得される。それを1点ずつプロットしたのが図2の上図、多数の入射フォトンに対して低速シェーピング回路9の波高値のヒストグラムを表わしたのが図2の下図となる。ここで主としてホールの再結合により失われる電荷分を補正する式として、本実施例による式を用いる。具体的には補正後波高値Hs′を、
Hs′=Hs+0.26×(Hs−Hf) …(1)
としてプロットし直した結果を図3に示す。なおここでHsは測定された低速シェーピング回路9の波高値、Hfは高速シェーピング回路8の波高値をHsに対して規格化した波高値である。また(1)式における0.26という係数は測定条件や測定装置により最適な値が変化するため、測定系に応じて最適化すべきものである。また高速シェーピング回路8の波高値を規格化する理由はシェーピング時定数が異なる回路の出力レベルが異なるためで、補正時にはそれらを合わせる必要があるためである。規格化のやり方は別のやりかたでもよく、両方を共通の基準値で割ることにより規格化することなどが挙げられる。図2における662keVフォトピークの集まり23は補正後は図3における集まり33に示されるように縦になっており、エネルギーのばらつきが減少していることを示している。また図3の下図のスペクトルから662keVのフォトピークに対するエネルギー分解能が著しく改善されていることがわかる。
なお(1)式とは異なり、(Vf/Vs)を用いて補正を行う方法が非特許文献2に記載されている。ここでVfは高速シェーピング回路からの波高値、Vsは低速シェーピング回路からの波高値である。この方法でもほぼ同様の効果が得られるが、十分とはいえない。それはVfやVsの値が小さいときにはその補正精度が悪化するためである。本実施例は(Vf/Vs)ではなく(Hs−Hf)を用いている。これは差分を用いることでHsやHfが小さいときの補正量も小さくなり、補正精度の悪化を防ぐという新規の効果がある。そのため(1)式と全く同じ式、同じ測定装置,同じ検出器を使用して、662keVの他に57Coの122keV,60Coの1173keVおよび1333keVに適用したときの結果を図4に示す。図4に示したように、本実施例の補正式は差分を用いるため、広いエネルギー範囲で精度よく補正を行うことができる。その結果、広いエネルギー範囲で良好なエネルギー分解能が得られるのである。
なお本実施例では検出器1にテルル化カドミウムを用いたが、これはその材料を限定するものではない。なぜなら他の化合物半導体でもホールのμτ積が電子のμτ積より小さい場合があるためで、そのような性質の半導体であれば本処理方法は有効である。また本処理方法は単に放射線計測装置にとどまらず、核医学診断装置の低コスト化および性能向上に顕著な効果がある。これは厚い素子を使用することで著しく低コスト化でき、また厚い素子でも従来とは異なりエネルギー分解能を広いエネルギー範囲にわたって良好に保持できるからである。また、本処理方法により、放射線計測装置あるいは核医学診断装置に従来より厚いCdTe素子を用いることができ、例えばSPECT装置用に多くのテルル化カドミウム素子を使用する場合、その使用個数を減らすことでコストを低減する効果がある。
(1)式は(Hs−Hf)という2種類の異なる時定数のシェーピング回路の波高値の差分を用いたものであった。しかし図3の上図における662keVに相当するプロット点の集合は湾曲が残っており、さらに補正の余地がある。この湾曲を極力直線的とするため、(Hs−Hf)にHsを乗じHfで除する(Hs−Hf)Hs/Hfを用いるとよいことを見出した。Hsを乗じるのは電子とホールとを合わせた全体の電荷量が多い場合に補正量を多くし、Hfで除するのは電子の寄与が小さいすなわちホールの寄与が大きい場合に補正量を増やすためである。なおHs/Hfを用いると非特許文献2のVFast/VSlowを用いる場合と同様にHsやHfの値が小さいときに補正精度の低下が懸念されるが、(Hs−Hf)が乗じられていることでその影響は小さくなる。結局、図2における測定値に対して実施例1の場合と同様に補正後波高値Hs′を次式とした。
Hs′=Hs+0.215×(Hs−Hf)Hs/Hf …(2)
本式により補正したHs′を横軸に、Hfを縦軸として図2の測定値をプロットし直した結果が図5である。図5における広がり51は実施例1の結果を示す図3における広がり31よりも狭く、良好なエネルギー分解能が得られることがわかる。なお図示していないが、(2)式を用いた場合も広いエネルギー範囲にわたってエネルギー分解能の改善効果が得られることを確認した。
また、HsとHfとの差分である(Hs−Hf)に対して、電子の寄与が小さいすなわちホールの寄与が大きい場合に補正量を増やすためHfで除した演算すなわち(Hs−Hf)/Hfを用い、さらにそれに指数関数を適用することでも良好な結果が得られる。すなわち図2における測定値に対して実施例1の場合と同様に補正後波高値Hs′を次式とした。
Hs′=Hs×exp(0.225×(Hs−Hf)/Hf) …(3)
本式により補正したHs′を横軸に、Hfを縦軸として図2の測定値をプロットし直した結果が図6である。実施例3の場合も実施例1の場合と同様に、広がり61は広がり31より狭く、良好なエネルギー分解能が得られることがわかる。実施例2の結果である図5の結果とほとんど変わらないように見えるが、実際にはわずかであるが図5より図6の方が改善されている。これは半導体におけるキャリヤの運動が指数関数で表わされるため、補正式も指数関数を用いることで良好な補正が可能なためである。なお図示していないが、(3)式を用いた場合も実施例1および実施例2の場合と同様に、広いエネルギー範囲にわたってエネルギー分解能の改善効果が得られることを確認した。
実施例1〜3では図1に示したように1個の検出器に対して2個のシェーピング回路を使用した回路構成とした。上述した実施例はさらに別の回路構成に対しても適用可能である。図7は第4の実施例を示した回路構成で、本実施例ではアレイ検出器71を使用した場合を示している。なおこの構成は特許文献1で開示されているものと同じものであるが、特許文献1では上述した実施例に示した効果が大きい方法は開示されていなかった。アレイ検出器71はガンマ線70の入射位置も判定するために用いられものである。アレイ検出器71はピクセル数16に対して接続線が合計8本出ており、図7はそのうちの2本に対する接続を示したものである。増幅回路73および増幅回路83,コンデンサ74およびコンデンサ84,抵抗75および抵抗85,コンデンサ76およびコンデンサ86はそれぞれ図1における増幅回路3,コンデンサ4,抵抗5,コンデンサ6と機能は全く同じである。ただし図7では高電圧電源2側からも信号を取得するための抵抗77が接続され、増幅回路73の後段には高速シェーピング回路78とA/D変換器79との1系統のみが、増幅回路83の後段には低速シェーピング回路88とA/D変換器89との1系統のみがそれぞれ接続される。
アレイ検出器71は16ピクセルを有しており、もし個々のピクセルに専用の増幅回路を接続すると増幅回路は16個、シェーピング回路はその2倍の32個が必要となる。しかし本実施例の接続方法を用いれば増幅回路は8個、シェーピング回路も高速と低速とを合わせて8個用意すれば済み、回路系統数を大幅に減らすことができる。このような構成に上述した補正処理方法は適用可能であり、特に多くのピクセルを必要とするガンマカメラやSPECT装置など核医学診断装置に対してその低コスト効果が著しいものである。
放射線、とりわけガンマ線の計測において正確なエネルギー情報を得るためには、エネルギー弁別能力が高い半導体検出器を用いることが有効で、本発明はホールのμτ積が電子のμτ積より著しく小さい半導体放射線検出器を用いた放射線計測装置全般に適用されるものである。また、核医学診断装置に対しても同様であり、本発明の第一の実施例の放射線計測装置を搭載した単光子放射断層撮影装置(SPECT装置)を図8に示す。SPECT装置は、SPECT装置本体201,コリメータを内蔵した検出器プレート207および検出器プレート208,被検体を載せるベッド202,データ処理装置203,表示装置204を有する。被検体206はベッド202に寝かせられて、計測空間205内へ配置され、SPECT装置で放射線を計測される。外観は従来のSPECT装置と同様であるが、検出器にエネルギー弁別能力に優れた半導体を用いている。そのため放射性薬剤が発するガンマ線が途中体内で散乱されて生じるノイズ成分の除去能力が高く、高い画質が得られる。本発明により厚い半導体検出素子が使用できるため、低コストで装置を製作することが可能である。また性能は薄い半導体検出器と同等であり、半導体検出器の良好なエネルギー分解能という特徴は失われていない。そのため従来のシンチレータを使用したSPECT装置よりも高画質が実現されつつ、高価であるという欠点を有する半導体検出器によるコスト増加を抑制することができる。その他PET装置にも適用できる。
1 検出器
2 高電圧電源
3,73,83 増幅回路
4,6,74,76,84,86 コンデンサ
5,7,75,77,85 抵抗
8 高速シェーピング回路
9 低速シェーピング回路
10,11 A/D変換器
12 演算器
13 データ出力
14 ガンマ線
71 アレイ検出器
201 SPECT装置本体
202 ベッド
203 データ処理装置
204 表示装置
205 計測空間
206 被検体
207,208 検出器プレート

Claims (7)

  1. 半導体結晶から構成される放射線検出器と、前記放射線検出器にバイアス電圧を印加するための電源と、前記放射線検出器からのパルス信号を増幅する前置増幅器と、前置増幅器からの出力信号を波形整形する波形整形回路を2系統有し、前記波形整形回路は互いに異なる時定数で出力信号波形を整形する機能を有し、前記2系統の波形整形回路からの信号を演算処理することでガンマ線のエネルギーを決定する機能を有する放射線計測装置において、求めるガンマ線のエネルギー値を前記2系統の波形整形回路から得られる2つのパルス波高値の差分を利用して求めることを特徴とする放射線計測装置。
  2. 請求項1に記載の放射線計測装置において、
    求めるガンマ線のエネルギー値を前記2系統の波形整形回路から得られる2つのパルス波高値の差分と、前記2系統の波形整形回路からの信号のうち短い時定数を有する側の回路から得られるパルス波高値の逆数とを利用して求めることを特徴とする放射線計測装置。
  3. 請求項1に記載の放射線計測装置において、
    前記2系統の波形整形回路からの信号のうち長い時定数を有する側の回路から得られるパルス波高値をHs、短い時定数を有する側の回路から得られHsに対して正規化したパルス波高値をHf、係数をkとすると、最終的に波高値HをH=Hs+k(Hs−Hf)と演算することにより求めることを特徴する放射線計測装置。
  4. 請求項2に記載の放射線計測装置において、
    前記2系統の波形整形回路からの信号のうち長い時定数を有する側の回路から得られるパルス波高値をHs、短い時定数を有する側の回路から得られHsに対して正規化したパルス波高値をHf、係数をkとすると、最終的に波高値HをH=Hs+k・(Hs−Hf)Hs/Hfと演算することにより求めることを特徴する放射線計測装置。
  5. 請求項2に記載の放射線計測装置において、
    前記2系統の波形整形回路からの信号のうち長い時定数を有する側の回路から得られるパルス波高値をHs、短い時定数を有する側の回路から得られHsに対して正規化したパルス波高値をHf、係数をkとすると、最終的に波高値HをH=Hs・exp(k(Hs−Hf)/Hf)と演算することにより求めることを特徴する放射線計測装置。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれかに記載された放射線計測装置において、
    前記半導体結晶がテルル化カドミウムである放射線計測装置。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれかに記載された放射線計測装置を搭載した核医学診断装置。
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