JP2011185238A - 可変容量式スクロール型圧縮機 - Google Patents

可変容量式スクロール型圧縮機 Download PDF

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Shigeru Kawano
茂 川野
Masami Sanuki
政美 佐貫
Takahiro Ishihara
孝宏 石原
Akira Inagaki
章 稲垣
Masashi Higashiyama
匡志 東山
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Abstract

【課題】可変容量式スクロール型圧縮機において、可変容量動作時の圧縮効率低下を抑制する。
【解決手段】固定スクロールの固定基板部に、固定スクロールと旋回スクロールとを係合して形成する一対の圧縮室Va、Vbのうち、一方の圧縮室Vbのみと吸入室22eとを連通させるバイパスポート22gを形成する。これにより、可変容量動作時には、一対の圧縮室Va、Vbにおける一方の圧縮室Vb内の冷媒のみがバイパスポート22gを介して吸入室22eに流れる。そして、他方の圧縮室Vaでは、吸入室22eから供給された冷媒が吸入室22eに流れることなく圧縮される。従って、可変容量動作時において、圧縮過程における流体の圧縮が緩やかとなり、圧縮室からの冷媒漏れを抑制することができるので、可変容量動作時の圧縮効率低下を抑制することが可能となる。
【選択図】図2

Description

本発明は、可変容量式のスクロール型圧縮機に関する。
従来、固定スクロールと旋回スクロールとを係合させて、両者の間に生ずる一対の密閉空間(圧縮室)で冷媒の圧縮を行うスクロール型圧縮機が知れられている。スクロール型圧縮機は、旋回スクロールを固定スクロールに対して複数回(例えば、2回)公転させることで、吸入した吸入冷媒を圧縮するものであり、往復式圧縮機等に比べて、冷媒の圧縮が緩やかで圧縮室における冷媒漏れが少ないといった特徴を有する。
このスクロール型圧縮機には、固定スクロールにバイパス孔を設け、冷媒を圧縮する圧縮過程において、各スクロールの係合によって形成される一対の圧縮室内の冷媒を、バイパス孔を介して吸入室に戻すことにより、冷媒の吐出容量を変化させるものがある(例えば、特許文献1参照)。
なお、一対の圧縮室は、各スクロールの渦巻き中心を挟んで形成され、その容積が同等となる一対の密閉空間である。換言すれば、一対の圧縮室は、一方が固定スクロールの内側と旋回スクロールの外側とで区画形成され、他方が固定スクロールの外側と旋回スクロールの内側とで区画形成される一対の密閉空間である。
特許2901267号公報
ところで、特許文献1の如く、各スクロールとの間に形成される一対の圧縮室内の冷媒それぞれを、バイパス孔を介して吸入室に戻す構成とすると、冷媒を圧縮する圧縮過程を短縮することとなり、実質的に各スクロールの巻き数を減少させることになってしまう。例えば、最大容量動作時(100%容量時)に旋回スクロールを2回公転させて吸入冷媒を圧縮する圧縮機では、可変容量動作時に、吸入冷媒を圧縮する際に旋回スクロールを1回公転させて吸入冷媒を圧縮して吐出するので、圧縮過程を短縮することとなる。
このような可変容量式スクロール型圧縮機では、可変容量動作時に冷媒の圧縮が緩やかとならず、圧縮室における冷媒漏れが生じ易くなるので、可変容量動作時の圧縮効率低下を招く虞がある。
本発明は上記点に鑑みて、可変容量式スクロール型圧縮機において、可変容量動作時の圧縮効率低下を抑制することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、平板状の第1基板部(22a)および第1基板部(22a)に突設された渦巻状の固定歯部(22b)を有する固定スクロール(22)と、平板状の第2基板部(21a)および第2基板部(21a)に突設された旋回歯部(21b)を有し、旋回歯部(21b)を固定歯部(22b)に係合させて一対の圧縮室(Va、Vb)を形成する旋回スクロール(22)と、旋回スクロール(22)の最外周側に形成され、一対の圧縮室(Va、Vb)に流体を供給する吸入室(22e)と、第1基板部(22a)の中央側に形成され、一対の圧縮室(Va、Vb)にて圧縮された前記流体を吐出する流体吐出部(22f)と、を備え、第1基板部(22a)には、一対の圧縮室(Va、Vb)のうち一方の圧縮室(Vb)のみと吸入室(22e)とを連通するバイパスポート(22g)が設けられていることを特徴とする。
このように、第1基板部(22a)に、一方の圧縮室(Vb)のみに吸入室(22e)と連通するバイパスポート(22g)を形成する構成としているので、可変容量動作時には、一対の圧縮室(Va、Vb)における一方の圧縮室(Vb)内の流体のみがバイパスポート(22g)を介して吸入室(22e)に流れる。そして、他方の圧縮室(Va)では、吸入室(22e)から供給された流体が吸入室(22e)に流れることなく圧縮される。つまり、可変容量動作時に、他方の圧縮室(Va)では、流体を圧縮する圧縮過程を短縮することなく、最大容量動作時(100%容量時)と同様の作動で流体が圧縮されることとなる。
従って、本発明の可変容量式スクロール型圧縮機では、可変容量動作時において、圧縮過程における流体の圧縮が緩やかとなり、圧縮室(V)からの冷媒漏れを抑制することができるので、可変容量動作時の圧縮効率低下を抑制することが可能となる。
具体的には、請求項2に記載の発明のように、請求項1に記載の可変容量式スクロール型圧縮機において、バイパスポート(22g)を開閉する開閉手段(27、29)を備え、開閉手段(27、29)にてバイパスポート(22g)を開閉することで吐出容量を変化させること、すなわち、最大容量動作と可変容量動作とを実現することが可能となる。
また、請求項3に記載の発明のように、請求項1または2に記載の可変容量式スクロール型圧縮機において、バイパスポート(22g)を、旋回歯部(21b)における第1基板部(22a)と当接する部位によって、一方の圧縮室(Va)と吸入室(22e)との連通を遮断されるような大きさとすることができる。
ところで、バイパスポート(22g)を、流体吐出部(22f)に近い位置、すなわち旋回歯部(21b)の内側の巻き始め端部(21e)に近い位置に形成すると、バイパスポート(22g)が圧縮行程の終期段階で開放されることとなり、他方の圧縮室(Vb)内の冷媒が圧縮される虞がある。
そこで、請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の可変容量式スクロール型圧縮機において、バイパスポート(22g)は、旋回歯部(21b)における外側の巻き終り端部(21d)から内側の巻き始め端部(21e)に向かって360°以内の角度範囲に存する部位と第1基板部(22a)とが当接する位置に形成されていることを特徴とする。
これによれば、バイパスポート(22g)を、旋回歯部(21b)の巻き終り端部(21d)から巻き始め端部(21e)に向かって360°以内の角度範囲に存する部位と第1基板部(22a)とが当接する位置に形成することで、圧縮行程の初期段階でバイパスポート(22g)を開放することができるので、他方の圧縮室(Vb)内の流体が圧縮されてしまうことを抑制することができる。
ここで、可変容量動作時において、一方の圧縮室(Va)と他方の圧縮室(Vb)とが連通すると、圧縮室(V)の容積増大による膨張行程が生じ、旋回スクロール(21)に旋回方向と逆向きのトルクが作用する虞がある。
そこで、請求項5に記載の発明では、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の可変容量式スクロール型圧縮機において、一方の圧縮室(Va)と他方の圧縮室(Vb)との間の連通を遮断可能に構成されたシール手段(22k)を備えることを特徴とする。
これによれば、可変容量動作時において、一方の圧縮室(Va)と他方の圧縮室(Vb)との連通を遮断することが可能となるので、膨張行程の発生を防止することができ、旋回スクロール(21)に旋回方向と逆向きのトルクが作用すること防止することができる。
また、請求項6に記載の発明では、平板状の第1基板部(22a)、および第1基板部(22a)に突設され、渦巻状の第1固定歯(221a)と第1固定歯(221a)を渦巻き中心に半回転させた際の形状を有する渦巻き状の第2固定歯(221b)とを渦中心部で結合して構成された固定歯部(22b)を有する固定スクロール(22)と、平板状の第2基板部(21a)、および第2基板部(21a)に突設され、渦巻状の第1旋回歯(211a)と第1旋回歯(211a)を渦巻き中心に半回転させた際の形状を有する渦巻き状の第2旋回歯(211b)とから構成された旋回歯部(21b)を有し、第1旋回歯(211a)を第1固定歯(221a)の内周および第2固定歯(221b)の外周に係合させて第1旋回歯(211a)の内周側および外周側それぞれに第1の圧縮室(Vc、Vd、Ve)を形成すると共に、第2旋回歯(211b)を第1固定歯(221a)の外周および第2固定歯(221b)の内周に係合させて第2旋回歯(211b)の内周側および外周側それぞれに第1の圧縮室(Vc、Vd、Ve)から独立した第2の圧縮室(Vf、Vg、Vh)を形成する旋回スクロール(21)と、旋回スクロール(21)の最外周側に形成され、第1の圧縮室(Vc、Vd、Ve)および第2の圧縮室(Vf、Vg、Vh)それぞれに流体を供給する吸入室(22e)と、第1基板部(22a)の中央側に形成され、第1の圧縮室(Vc、Vd、Ve)にて圧縮された流体を吐出する第1流体吐出部(223a)と、第1基板部(22a)の中央側に形成され、第2の圧縮室(Vf、Vg、Vh)にて圧縮された流体を吐出する第2流体吐出部(223b)とを備え、第1基板部(22a)には、第1の圧縮室(Vc、Vd、Ve)および第2の圧縮室(Vf、Vg、Vh)のうち一方のみと吸入室(22e)とを連通するバイパスポートが設けられていることを特徴とする。
このように、第1基板部(22a)に、第1の圧縮室(Vc、Vd、Ve)および第2の圧縮室(Vf、Vg、Vh)の一方のみに吸入室(22e)と連通するバイパスポートを形成する構成としているので、可変容量動作時には、第1の圧縮室(Vc、Vd、Ve)および第2の圧縮室(Vf、Vg、Vh)の一方の圧縮室内の流体のみがバイパスポート(22g)を介して吸入室(22e)に流れ、他方の圧縮室では、吸入室(22e)から供給された流体が吸入室(22e)に流れることなく圧縮される。つまり、可変容量動作時に、他方の圧縮室では、流体を圧縮する圧縮過程を短縮することなく、最大容量動作時(100%容量時)と同様の作動で流体が圧縮されることとなる。
従って、本発明の可変容量式スクロール型圧縮機では、可変容量動作時において、圧縮過程における流体の圧縮が緩やかとなり、圧縮室(V)からの冷媒漏れを抑制することができるので、可変容量動作時の圧縮効率低下を抑制することが可能となる。
なお、本発明では、第1の圧縮室(Vc、Vd、Ve)と第2の圧縮室(Vf、Vg、Vh)とは、互いに独立した密閉空間を構成しており、第1の圧縮室(Vc、Vd、Ve)と第2の圧縮室(Vf、Vg、Vh)とが連通せず、可変容量動作時に膨張行程が生じない構成となっている。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
第1実施形態に係る可変容量式スクロール型圧縮機の軸方向断面図である。 第1実施形態に係る可変容量式スクロール型圧縮機の径方向断面図である。 第1実施形態に係る可変容量式スクロール型圧縮機の作動を説明する説明図である。 圧縮室内の圧力と旋回スクロールの回転角度との関係を説明する説明図である。 第2実施形態に係る可変容量式スクロール型圧縮機の径方向断面図である。 第2実施形態に係る可変容量式スクロール型圧縮機の作動を説明する説明図である。 第3実施形態に係る可変容量式スクロール型圧縮機の径方向断面図である。 他の実施形態に係る可変容量式スクロール型圧縮機の径方向断面図である。 他の実施形態に係る可変容量式スクロール型圧縮機の径方向断面図である。 他の実施形態に係る可変容量式スクロール型圧縮機の径方向断面図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態について図1〜図3に基づいて説明する。本実施形態の可変容量式スクロール型圧縮機10(以下、単に圧縮機10と略称する。)は、車両に搭載される車両用空調装置(図示略)の冷媒圧縮機として用いられるものである。この車両用空調装置は、圧縮機→放熱器→膨張弁→蒸発器→圧縮機の順で冷媒を循環させる周知の蒸気圧縮式冷凍機(冷凍サイクル)であり、蒸発器において冷媒が蒸発する際に車室内送風空気から吸熱することで、車室内送風空気を冷却するものである。なお、冷媒としては、通常のフロン系冷媒の他、HC系、二酸化炭素等を採用することができる。
圧縮機10は、上記の冷凍サイクルにおいて冷媒を吸入・圧縮して吐出する機能を担うものである。なお、圧縮機10は、図示しないVベルト、プーリ、電磁クラッチ等の動力伝達手段を介して車両走行用エンジン(以下、単にエンジンという。)により駆動される。
圧縮機10の詳細については、図1、図2により説明する。図1は本実施形態の圧縮機10の軸方向断面図であり、図2は本実施形態の圧縮機10の径方向断面図(図1のA−A断面図)である。
図1に示すように、圧縮機10は、アルミニウム合金製のフロントハウジング11およびリアハウジング12を備えている。
フロントハウジング11内には、軸受13を介してシャフト14が回転可能に支持されている。このシャフト14は、図示しない電磁クラッチを介してエンジンの回転駆動力を受け、回転中心軸αを中心に回転する。なお、シャフト14の回転速度は、エンジンの回転数に応じて変動する。
シャフト14は、リアハウジング12側における軸受13に対向する部位で大径部14aとなっている。シャフト14の大径部14aは、リアハウジング12側の端面に、リアハウジング12側に突出するクランクシャフト15が圧入等の締結手段にて連結されている。
クランクシャフト15は、シャフト14の大径部14aにおけるシャフト14の回転中心軸αに対して中心軸βが偏心した位置に連結されている。クランクシャフト15の外周には、軸受15aおよびブッシュ15bを介して旋回スクロール21が回転可能に連結されている。
さらに、クランクシャフト15は、回転中心軸αを挟んで対向する位置にバランスウエイト15cを有しており、バランスウエイト15cによって、クランクシャフト15に作用する偏心力を相殺、すなわち、偏心に伴う回転アンバランスを調整している。
旋回スクロール21は、平板状の旋回基板部(第2基板部)21a、渦巻き状の旋回歯部21bおよびクランクシャフト15との連結部21cを有して構成される。旋回基板部21aは回転中心軸αに対して垂直に配置され、旋回基板部21aのリアハウジング12側端面から回転中心軸αに平行に突き出すように旋回歯部21bが配置される。この旋回歯部21bは、後述する固定スクロール22の固定歯部22bに接触して噛み合わされるように配置される。なお、本実施形態の旋回歯部21bの巻き数は、2巻きの歯部を用いている。
旋回基板部21aのシャフト14側端面の中央部には、クランクシャフト15との連結部21cが形成されている。なお、クランクシャフト15は、軸受15aおよびブッシュ15bを介して旋回基板部21aの連結部21cに回転自在に係合されている。
旋回基板部21aのシャフト14側端面には、旋回スクロール21の自転を防止するための自転防止ピン23が圧入されている。そして、フロントハウジング11の旋回基板部21aに対向する部位には、自転防止ピン23に隣接する位置に自転防止ピン24が圧入されている。各自転防止ピン23、24は、円環上のリング部材25により拘束されている。このリング部材25、各自転防止ピン23、24によって、旋回スクロール21の自転が防止される。つまり、リング部材25、各自転防止ピン23、24により、旋回スクロール21の自転防止機構が形成されている。
従って、シャフト14に連結されたクランクシャフト15の回転は、クランクシャフト15に係合された旋回スクロール21の公転運動として伝達され、旋回スクロール21は自転を伴わない公転を行うこととなる。換言すれば、シャフト14が回転すると、旋回スクロール21は回転中心軸αの周囲を旋回回転するようになっている。
固定スクロール22は、平板状の固定基板部(第1基板部)22a、渦巻き状の固定歯部22bおよびフロントハウジング11との結合部となる外周部22cを有して構成される。固定基板部22aは回転中心軸αに直交するように配置され、固定基板部22aのフロントハウジング11側端面から回転中心軸αに平行に突き出すように固定歯部22bが配置される。
前述の如く、この固定歯部22bには、旋回歯部21bが接触して噛み合わされるように配置されており、旋回歯部21bと固定歯部22bとの間に冷媒が圧縮される一対の圧縮室Va、Vbが形成される。以下、一対の圧縮室Va、Vbを圧縮室Vともいう。
この一対の圧縮室Va、Vbは、後述する冷媒吐出ポート22fを挟んで形成され、その容積(体積)が同等となる一対の密閉空間である。両スクロール21、22によって構成された一対の圧縮室Va、Vbは、その容積が、旋回スクロール21の旋回に応じて縮小して、冷媒が圧縮される。なお、本実施形態では、固定歯部22bの内周側と旋回歯部21bの外周側とで区画形成される密閉空間を第1圧縮室Vaとし、固定歯部22bの外周側と旋回歯部21bの内周側とで区画形成される密閉空間を第2圧縮室Vbとする(図2参照)。
固定スクロール22の外周部22cおよびフロントハウジング11は、図示しないシール材を介してネジ止めされており、結合部から冷媒が漏れないように結合されている。さらに、外周部22cには蒸発器下流側の冷媒を圧縮室Vの最外周部へ冷媒を吸入させる冷媒吸入口22d(図2参照)および吸入室22eが設けられている。
また、固定基板部22aの中央側には、固定歯部22bの巻き始め端部22iに隣接する位置に、圧縮室Vの最内周部から冷媒を吐出させる冷媒吐出ポート(流体吐出部)22fが設けられている(図2参照)。この冷媒吐出ポート22fは、圧縮室Vの最内周部とリアハウジング12内部の吐出室12aとを連通させる冷媒通路を構成している。そして、冷媒吐出ポート22fの吐出室12a側には、吐出室12aから圧縮室Vに流体が逆流することを防止するリード弁状の吐出弁12bが配置されている。なお、吐出弁12bは、吐出弁12bの最大開度を規制する弁止板(弁押え)12cと共に、ボルト12dにより固定基板部22aに配設されている。
リアハウジング12は、内部に吐出室12aを形成するとともに、吐出弁12bや弁止板12c等を配置する空間を形成している。さらに、リアハウジング12には、吐出室12a内部の冷媒を放熱器上流側へ吐出する冷媒吐出口(図示略)が設けられている。
また、リアハウジング12は、固定基板部22aの固定歯部22b側と反対側の端面に、図示しないシール材を介してネジ止め等で結合されており、結合部から冷媒が漏れないようになっている。なお、本実施形態の旋回スクロール21、および固定スクロール22はアルミニウム合金製である。
ここで、本実施形態の固定基板部22aには、圧縮行程中の第2圧縮室Vbと吸入室22eとをバイパス通路(図示略)を介して連通させる長孔形状のバイパスポート(バイパス孔)22gが形成されている。バイパスポート22gは、固定基板部22aにおける固定歯部22bの外周側に隣接する位置に、固定歯部22bの外周面に沿うように開口している(図2参照)。なお、第1圧縮室Vaは、上述のように、固定歯部22bの内周側と旋回歯部21bの外周側とで形成される密閉空間としているので、固定歯部22bの外周側に形成されたバイパスポート22gによって、第1圧縮室Vaと吸入室22eとは連通しない。
また、バイパスポート22gは、旋回歯部21bにおける固定基板部22aと当接する部位によって、第2圧縮室Vbと吸入室22eの連通を遮断可能な大きさに形成されている。つまり、旋回スクロール21が旋回する毎に、旋回歯部21bにおける固定基板部22aと当接する部位によって、バイパスポート22gが閉鎖されるようになっている。具体的には、バイパスポート22gにおける短径の幅寸法Xが旋回歯部21bの厚さ方向の幅寸法Yよりも小さくなる幅寸法としている。
ここで、バイパスポート22gを、冷媒吐出ポート22fに近い位置、すなわち旋回歯部21bの内側の巻き始め端部21eに近い位置に形成すると、バイパスポート22gが圧縮行程の終期段階で開放され、圧縮行程の終期段階となるまで、第2圧縮室Vbにて冷媒が圧縮されてしまう虞がある。
そこで、バイパスポート22gは、旋回歯部21bにおける外側の巻き終り端部21dから内側の巻き始め端部21eに向かって360°以内の角度範囲(θa≦360°)に存する部位と固定基板部22aとが当接する位置に形成している。
具体的に本実施形態では、最外周側に形成された第2圧縮室Vbの容積が減少し始める際(吸入行程完了時)に、旋回歯部21bの巻き終り端部21dから巻き始め端部21eに向かって360°の角度(θa=360°)に存する部位(旋回歯部21bにおける固定歯部22bに接触する部位)と固定基板部22aとが当接する位置に形成している。
これにより、バイパスポート22gが圧縮行程の初期段階で開放されるので、第2圧縮室Vbにて冷媒が圧縮されることを抑制することが可能となる。
また、固定基板部22aの内部には、回転中心軸αに直行する方向に直線状に延びるシリンダボア(円柱状の穴)22hが形成されている。このシリンダボア22h内には、バイパスポート22gを開閉するスプール弁体27が摺動可能に配設されている。
このスプール弁体27には、シリンダボア22hの内径寸法と同等の外径寸法を有してバイパスポート22gを開閉する第1弁部27a、およびシリンダボア22hの内径寸法よりも小さい外径寸法を有してバイパスポート22gから流出する冷媒の通路を構成する第1ロッド部27cが形成されている。なお、第1ロッド部27cは、バイパスポート22gが開放された際に、バイパスポート22gから流出する冷媒をバイパス通路(図示略)に導く冷媒通路を構成している。
そして、スプール弁体27の摺動方向(図1における紙面上下方向)一端側(図1における紙面上方側)には、スプール弁体27の摺動方向他端側(図1における紙面下方側)に向けてスプール弁体27を押圧する弾性力を発揮するコイルスプリング(弾性手段)28が配設されている。なお、スプール弁体27の摺動方向一端側には、コイルスプリング28の弾性力に加えて、バイパス通路(図示略)を介して、吸入室22eにおける吸入圧力Psが作用している。
一方、スプール弁体27の摺動方向他端側には、吐出室12aにおける吐出圧力Pdを減圧調整し、減圧調整した制御圧Pcをスプール弁体27の摺動方向他端側に作用させる圧力調整手段29が設けられている。なお、吐出室12aは、スプール弁体27の摺動方向他端側における制御圧Pcが作用する空間(制御圧室30)と固定絞り31を介して連通している。
この圧力調整手段29は、吸入室22eと制御圧室30とを連通させる制御通路29aと、制御通路29aを開閉する電磁弁29bとから構成されている。なお、本実施形態の電磁弁29bは、非通電時開(ノーマルオープン)型の電磁弁を採用している。
この電磁弁29bが開かれた場合には、制御通路29aが開放され、吐出室12aから固定絞り31にて減圧された冷媒が制御圧室30を介して吸入室22e側に流れる。なお、吐出室12a内の冷媒は、固定絞り31にて充分に減圧された状態で制御圧室30に流れるので、電磁弁29bを開いたときには、吐出室12aよりも吸入室22e側からの圧力の方が、制御圧室30の圧力に大きく影響を及ぼすこととなる。このため、電磁弁29bを開いたときには、制御圧室30の圧力(制御圧)Pcが吸入圧Psに近い圧力にまで低下する。
なお、電磁弁29bが閉じられた場合には、制御通路29aが閉鎖され、吐出室12aから固定絞り31にて減圧された冷媒が制御圧室30に流れて、制御圧室30の圧力(制御圧)Pcが吐出圧Pdまで上昇する。
次に、上記の構成において圧縮機10の作動について説明する。
圧縮機10のシャフト14に対して、Vベルト、プーリ、電磁クラッチ等の動力伝達手段を介して車両走行用エンジンの動力が伝達されると、シャフト14が回転し、当該シャフト14の回転に応じて、クランクシャフト15に連結された旋回スクロール21が回転中心軸αの周囲を旋回運動する。このとき、自転防止機構(自転防止ピン23、24、リング部材25)の作用によって旋回スクロール21はクランクシャフト15の中心軸β周りに自転することなく回転中心軸αの周囲を公転することとなる。
この公転によって、旋回歯部21bと固定歯部22bとの間に形成される圧縮室Vが外周側から内周側へ体積を縮小しながら移動する。これにより、吸入室22eから圧縮室Vの最外周部に吸入された冷媒が、外周側から内周側に移動しながら圧縮されて高圧となり、圧縮室Vの最内周部から冷媒吐出ポート22fを介して吐出室12aに吐出される。
その結果、本実施形態の圧縮機10は、車両用空調装置の冷媒圧縮機として機能して、冷媒吸入口22dより蒸発器下流側の冷媒を吸入して、冷媒吐出口(図示略)から放熱器上流側へ冷媒を吐出することができる。
ここで、圧縮機10の最大容量動作時(100%容量時)の作動を説明すると、図2に示すように、最大容量動作時には、電磁弁29bへの通電を遮断することにより、制御通路29aが開放される。このとき、制御圧Pcは吸入圧Psとなるので、スプール弁体27の摺動方向一端側にコイルスプリング28の弾性力によって、第1弁部27aがバイパスポート22gを閉鎖する位置(図1の第1弁部27aの位置)に摺動変位する。
これにより、バイパスポート22gが閉鎖された状態、すなわち、圧縮機10の吐出容量が最大容量となった状態で、吸入室22eから圧縮室Vの最外周部に吸入された冷媒が、一対の圧縮室Va、Vbそれぞれで圧縮されて、冷媒吐出ポート22fを介して吐出室12aに吐出される。
次に、圧縮機10の可変容量動作時の作動について図3に基づいて説明する。ここで、図3は、圧縮機10の可変容量動作時の作動を説明する説明図である。図3の(a)は、第2圧縮室Vbにおける吸入行程完了時の状態であって、回転角度θ=0°(θ=360°)を示し、(b)は、回転角度θ=90°(θ=450°)の状態、(c)は回転角度θ=180°(θ=540°)の状態、(d)は回転角度θ=270°(630°)の状態を示している。なお、図3では、第2圧縮室Vbにおける吸入行程完了時の回転角度を0°とする(図3(a)参照)。
圧縮機10の可変容量動作時には、電磁弁29bへ通電することにより、制御通路29aが閉鎖される。このとき、コイルスプリング28を押し縮めるように、スプール弁体27の摺動方向他端側に吐出圧Pdが作用して、第1弁部27aがスプール弁体27の摺動方向一端側(図1における紙面上方側)に摺動変位して、バイパスポート22gが開放される。
これにより、バイパスポート22gが開放された状態、すなわち、第1圧縮室Vaにて冷媒を圧縮し、第2圧縮室Vbにて冷媒の圧縮を行わない可変容量状態となり、吸入室22eから圧縮室Vの最外周部に吸入された冷媒が、第1圧縮室Vaのみで圧縮されて、冷媒吐出ポート22fを介して吐出室12aに吐出される。
なお、本実施形態では、スプール弁体27および圧力調整手段29にてバイパスポート22gを開閉する構成であり、スプール弁体27および圧力調整手段29が本発明の開閉手段を構成している。
ここで、一対の圧縮室(第1圧縮室Vaおよび第2圧縮室Vb)とバイパスポート22gとの関係に注目して本実施形態の可変容量動作時の作動を説明すると、第1圧縮室Vaは、バイパスポート22gと連通しない構成であるため、第1圧縮室Vaにおける吐出容量は、最大容量動作時と同様となる。
具体的には、第1圧縮室Vaでは、図3(c)中のVa1で示す容積となった際に、冷媒の吸入行程を完了する(回転角度θ=180°)。その後、図3(d)中のVa2→図3(a)中のVa3→図3(b)中のVa4→図3(c)中のVa5→図3(d)中のVa6へと容積を縮小しながら移行する。
そして、図3(a)中のVa7で示す容積へと移行した際に、第1圧縮室Vaと冷媒吐出ポート22fが連通し、第1圧縮室Vaにて圧縮された冷媒が、冷媒吐出ポート22fを介して吐出室12aに吐出される。
一方、第2圧縮室Vbでは、図3(a)中のVb1で示す容積で冷媒の吸入行程を完了する(回転角度θ=0°)。この状態では、バイパスポート22gが旋回歯部21bにおける固定基板部22aと当接する部位にて閉鎖されるので、第2圧縮室Vb内の冷媒はバイパスポート22g側に流れることはない。
その後、図3(b)中のVb2で示す容量(回転角度θ=90°での容量)へと移行する際に、バイパスポート22gが開口して、第2圧縮室Vb内の冷媒が、バイパスポート22gを介して吸入室22eへと流れる。つまり、第2圧縮室Vbでは、冷媒の圧縮ができない状態となる。
そして、第2圧縮室Vbと吸入室22eとが連通した状態のまま、図3(c)中のVb3(回転角度θ=180°での容量)→図3(d)中のVb4(回転角度θ=270°での容量)へと容積を縮小しながら移行する。つまり、図3(a)に示す状態(第2圧縮室Vbの吸入行程が完了した状態)以降、第2圧縮室Vb内の冷媒は、バイパスポート22gを介して吸入室22eへと流れ、第2圧縮室Vbでは冷媒の圧縮を行わないこととなる。
そして、図3(a)中のVb4→図3(b)中のVb5で示す容積へと移行する際に、第2圧縮室Vb、第1圧縮室Va、および冷媒吐出ポート22fが連通し、容積が小さくなり吐出圧に達すると、第2圧縮室Vb内の冷媒が冷媒吐出ポート22fを介して吐出室12aに吐出される。
以上説明した本実施形態によれば、固定スクロール22の固定基板部22aに、第2圧縮室Vbのみに吸入室22eに連津するバイパスポート22gを形成する構成としているので、可変容量動作時において、第2圧縮室Vb内の冷媒のみをバイパスポート22gを介して吸入室22eに戻すと共に、第1圧縮室Vaにて、冷媒を圧縮することができる。つまり、可変容量動作時には、第1圧縮室Vaのみで冷媒を圧縮する構成としているので、冷媒の圧縮過程を短縮することなく、最大容量動作時と同様の圧縮過程で冷媒を圧縮することができる。
従って、本実施形態の圧縮機10では、可変容量動作時において、圧縮過程における冷媒の圧縮が緩やかとなり、圧縮室Vからの冷媒漏れを抑制することができるので、可変容量動作時の圧縮効率低下を抑制することが可能となる。
また、本実施形態では、バイパスポート22gを、固定基板部22aにおける固定歯部22bに隣接する位置であって、旋回歯部21bにおける外側の巻き終り端部21dから内側の巻き始め端部21eに向かって略360°の角度に存する部位と固定基板部22aとが当接する位置に形成している。
これにより、バイパスポート22gが圧縮行程の初期段階で開放されるので、第2圧縮室Vbにて冷媒が圧縮されることを抑制することが可能となる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図4〜図6に基づいて説明する。上記第1実施形態と同様または均等な部分について同一の符号を付し、その説明を省略する。ここで、図4は、可変容量動作時の圧縮機10の圧縮室V内の圧力Pと旋回スクロール21(シャフト14)の回転角度θとの関係を説明する説明図である。図4の(a)が可変容量動作時の圧縮室V内の圧力Pと旋回スクロール21の回転角度θの理論P−θ線図を示し、(b)が第1実施形態における第1圧縮室Va内の圧力Pと旋回スクロール21の位相θのP−θ線図を示している。なお、図4における回転角度θは、第1圧縮室Vaの吸入行程完了時の回転角度を基準(θ=0°)としている。
図4(a)の理論P−θ線図に示すように、可変容量式スクロール型圧縮機では、理論上、回転角度θが大きくなるにつれて、圧縮室の容積Vが減少し、所定の圧縮カーブに沿って圧縮室内の圧力Pが上昇する(PVκ=一定)。
しかし、図4(b)のP−θ線図に示すように、第1実施形態の圧縮機10では、可変容量動作時において、圧縮室V内の冷媒を吐出する際に、冷媒を圧縮する第1圧縮室Vaと冷媒を圧縮しない第2圧縮室Vbとが連通(合流)してしまう。このため、旋回スクロール21の回転角度が大きくなっているにも関わらず、第1圧縮室Vaと第2圧縮室Vbとが連通するタイミングで膨張行程が生ずる(第1圧縮室Va内の圧力が低下する)。この膨張行程では、旋回スクロール21に対して回転方向と逆向きの力(トルク)が作用するので、自転防止機構(自転防止ピン23、24およびリング部材25)の信頼性悪化を招いたり、騒音や振動の発生を招いたりする可能性がある。
そこで、本実施形態では、可変容量動作時において、圧縮室V内の冷媒を吐出する際に、冷媒を圧縮する第1圧縮室Vaと冷媒を圧縮しない第2圧縮室Vbとの連通(合流)を防止可能な圧縮機10を提供する。
本実施形態の圧縮機10について図5に基づいて説明する。図5は、本実施形態に係る圧縮機10の径方向断面図である。
図5に示すように、本実施形態の圧縮機10は、固定スクロール22の巻き始め端部22iにおける旋回スクロール21の巻き始め端部21eの内周部位に対向する部位に、中心側に向かって直線状に延びるベーン溝部22jが形成されている。このベーン溝部22j内には、圧縮室V内の冷媒を吐出する際の第1圧縮室Vaと第2圧縮室Vbとの連通を遮断するための細長状のベーン22kが摺動可能に配設されている。なお、ベーン22kは、図5の矢印で示す方向、すなわち、旋回スクロール21の内周面に近づく方向および遠ざかる方向に摺動可能にベーン溝部22j内に配設されている。
また、固定基板部22aには、吐出圧力Pdを減圧調整した圧力を、ベーン22kの摺動方向一端側(ベーン22kにおける旋回スクロール21の内周面に対向する先端部の反対側)に作用させる背圧調整手段(図示略)が設けられている。なお、吐出室12aは、吐出室12aとベーン溝部22jとベーン22kとで区画される密閉空間(背圧室)と固定絞り(図示略)を介して連通している。
この背圧調整手段は、圧力調整手段29と同様の構成であって、吸入室22eと背圧室とを連通させる連通路(図示略)と、当該連通路を開閉する電磁弁(図示略)とから構成されている。なお、背圧調整手段の電磁弁は、非通電時開(ノーマルオープン)型の電磁弁を採用している。
そして、背圧調整手段の電磁弁が閉じられた場合には、吐出室12aから固定絞りにて減圧された冷媒が背圧室に流れ、背圧室の圧力(背圧)が吐出圧Pdに近い圧力にまで上昇する。この場合には、ベーン22kの先端部が旋回スクロール21の内周面と接触するように、ベーン22kの摺動方向一端側に吐出圧Pdが作用して、ベーン22kが、旋回スクロール21の巻き始め端部21eの内周部位に当接する。つまり、第1圧縮室Vaと第2圧縮室Vbとの連通が遮断される。この際、第2圧縮室Vbは、吐出室12aとの連通も遮断される。
一方、背圧調整手段の電磁弁が開かれた場合には、吐出室12aから固定絞りにて減圧された冷媒が背圧室を介して吸入室22e側に流れ、背圧室の圧力(背圧)が吸入圧Psに近い圧力にまで低下する。この場合には、圧縮室V内の圧力(吐出圧Pdに近い圧力)が、ベーン22kの先端側に作用して、ベーン22kが、摺動方向一端側に摺動変位して旋回スクロール21の巻き始め端部21eの内周部位に当接した状態が解除される。つまり、第1圧縮室Vaと第2圧縮室Vbとが連通可能な状態となる。
なお、本実施形態では、ベーン溝部22j、ベーン22k、および背圧調整手段にて、第1圧縮室Vaと第2圧縮室Vbとの間の連通を遮断可能に構成しており、ベーン溝部22j、ベーン22k、および背圧調整手段が本発明のシール手段を構成している。
ここで、上述のように、背圧調整手段の電磁弁を閉じて、第1圧縮室Vaと第2圧縮室Vbとの連通を遮断する場合には、第2圧縮室Vbと吐出室12aとの連通が遮断される。このため、本実施形態の固定基板部22aには、固定歯部22bの巻き始め端部22iの外周に、第2圧縮室Vbと吸入室22eとを冷媒戻し通路(図示略)を介して連通させる冷媒戻し孔22lが形成されている。
この冷媒戻し孔22lは、固定基板部22aにおける固定歯部22bの巻き始め端部22iの外周側に隣接する位置に開口している。そして、冷媒戻し孔22lは、第2圧縮室Vbにて圧縮行程が完了した際に、旋回歯部21bにおける固定基板部22aと当接する部位によって、第2圧縮室Vbと吸入室22eの連通を遮断可能な大きさに形成されている。つまり、第2圧縮室Vbにて圧縮行程が完了する毎に、旋回歯部21bにおける固定基板部22aと当接する部位によって、冷媒戻し孔22lが閉鎖されるようになっている。
これにより、第1圧縮室Vaと第2圧縮室Vbとの連通を遮断する場合であっても、第2圧縮室Vbと吸入室22eとが連通するので、第2圧縮室Vb内の冷媒を吸入室22eに戻すことができる。なお、冷媒戻し孔22lは、バイパスポート22gと同様に第2圧縮室Vb内の冷媒を吸入室22eに流す冷媒通路を構成している。
また、本実施形態では、固定基板部22a内に形成されたシリンダボア22hを冷媒戻し孔22lが形成された位置まで延長し、シリンダボア22h内を摺動するスプール弁体27にて、バイパスポート22gに加えて冷媒戻し孔22lを開閉するようにしている。
具体的には、本実施形態のスプール弁27は、第1弁部27aと第1ロッド部27cに加えて、冷媒戻し孔22lを開閉する第2弁部27b、および第1弁部27aと第2弁部27bとを連結する第2ロッド部27dが形成されている。この第2弁部27bは、第1弁部27aにてバイパスポート22gを閉鎖する際に、冷媒戻し孔22lを閉鎖し、第1弁部27aにてバイパスポート22gを開放する際に、冷媒戻し孔22lを開放するように構成されている。なお、第2ロッド部27dは、シリンダボア22hの内径寸法よりも小さい外径寸法を有し、冷媒戻し孔22lが開放された際に、冷媒戻し孔22lから流出する冷媒を冷媒戻し通路(図示略)に導く冷媒通路を構成している。
これにより、圧力調整手段29の電磁弁29bへの通電を遮断すると、第1弁部27aにてバイパスポート22gが閉鎖されると共に、第2弁部27bにて冷媒戻し孔22lが閉鎖される。一方、圧力調整手段29の電磁弁29bへ通電すると、第1弁部27aにてバイパスポート22gが開放されると共に、第2弁部27bにて冷媒戻し孔22lが開放される。
次に、本実施形態の圧縮機10の作動について説明する。
まず、圧縮機10の最大容量(100%)運転時の作動を説明すると、図5に示すように、最大容量動作時には、圧力調整手段の電磁弁29bへの通電を遮断することにより、制御通路29aが開放され、第1弁部27aにてバイパスポート22gが閉鎖と共に、第2弁部27bにて冷媒戻し孔22lが閉鎖される。
さらに、背圧調整手段の電磁弁(図示略)への通電を遮断することにより、連通路(図示略)が開放され、ベーン22kを摺動方向一端側に摺動変位して、第2圧縮室Vbと第1圧縮室Vaとを連通可能な状態となる(図6のベーン22kの位置参照)。
これにより、バイパスポート22gおよび冷媒戻し孔22lが閉鎖された状態、すなわち、圧縮機10の吐出容量が最大容量となった状態で、吸入室22eから圧縮室Vの最外周部に吸入された冷媒が、一対の圧縮室Va、Vbそれぞれで圧縮されて、冷媒吐出ポート22fを介して吐出室12aに吐出される。
一方、圧縮機10の可変容量動作時の作動について図6に基づいて説明する。ここで、図6は、圧縮機10の可変容量動作時の作動を説明する説明図である。図6の(a)は、第2圧縮室Vbにおける吸入行程完了時の状態であって、回転角度θ=0°(θ=360°)を示し、(b)は、回転角度θ=90°(θ=450°)の状態、(c)は回転角度θ=180°(θ=540°)の状態、(d)は回転角度θ=270°(630°)の状態を示している。なお、図6では、第2圧縮室Vbにおける吸入行程完了時の回転角度を0°とする。
まず、圧縮機10の可変容量動作時には、圧力調整手段の電磁弁29bへ通電することにより、制御通路29aが閉鎖され、バイパスポート22gおよび冷媒戻し孔22lが開放される。
さらに、背圧調整手段の電磁弁(図示略)へ通電することにより、連通路(図示略)が開放され、ベーン22kの先端部が、旋回スクロール21の巻き始め端部21eの内周部位に当接して、第1圧縮室Vaと第2圧縮室Vbとの連通が遮断される(図6のベーン22kの位置参照)。
これにより、バイパスポート22gおよび冷媒戻し孔22lが開放されて、第1圧縮室Vbにて冷媒を圧縮し、第2圧縮室Vbにて冷媒の圧縮を行わない可変容量状態となり、吸入室22eから圧縮室Vの最外周部に吸入された冷媒が、第1圧縮室Vaのみで圧縮されて、冷媒吐出ポート22fを介して吐出室12aに吐出される。なお、第2圧縮室Vb内の冷媒は、バイパスポート22gおよび冷媒戻し孔22lを介して吸入室22eへと流れる。
加えて、可変容量動作時には、第1圧縮室Vaと第2圧縮室Vbとの連通が遮断されるので、圧縮行程において、第1圧縮室Va内の圧力が低下する膨張行程の発生を防止することができる。
ここで、一対の圧縮室(第1圧縮室Vaおよび第2圧縮室Vb)とバイパスポート22gおよび冷媒戻し孔22lとの関係に注目して本実施形態の可変容量動作時の作動を説明すると、第1圧縮室Vaは、バイパスポート22gおよび冷媒戻し孔22lと連通しない構成であるため、第1圧縮室Vaにおける吐出容量は、最大容量動作時と変化しない。
具体的には、第1圧縮室Vaでは、図6(c)中のVa1で示す容量となった際に、冷媒の吸入行程を完了する(回転角度θ=180°)。その後、図6(d)中のVa2→図6(a)中のVa3→図6(b)中のVa4→図6(c)中のVa5へと容積を縮小しながら移行する。
そして、図6(d)中のVa6で示す容量および図6(a)中のVa7で示す容量へと移行すると、第1圧縮室Vaと冷媒吐出ポート22fが連通し、第1圧縮室Vaにて圧縮された冷媒が、冷媒吐出ポート22fを介して吐出室12aに吐出される。なお、ベーン22kによって、第1圧縮室Vaと第2圧縮室Vbと連通が遮断されているため、第1圧縮室Vaの圧力が低下する膨張行程が生じることなく、第1圧縮室Vaにて圧縮された冷媒が、冷媒吐出ポート22fを介して吐出室12aに吐出される。
一方、第2圧縮室Vbでは、図6(a)中のVb1で示す容量で冷媒の吸入行程を完了する(回転角度θ=0°)。その後、図6(b)中のVb2で示す容量(回転角度θ=90°での容量)へと移行する際に、バイパスポート22gが開口し、第2圧縮室Vb内の冷媒がバイパスポート22gを介して吸入室22eへと流れる。
そして、第2圧縮室Vbと吸入室22eとが連通した状態のまま、図6(c)中のVb3(回転角度θ=180°での容量)→図6(d)中のVb4(回転角度θ=270°での容量)へと容積を縮小しながら移行する。なお、図6(c)中のVb3に示す容積から図6(d)中のVb4に示す容積へと移行する際に、冷媒戻し孔22lが開口し、バイパスポート22gおよび冷媒戻し孔22lそれぞれから第2圧縮室Vb内の冷媒が吸入室22eへと流れる。
そして、図6(a)中のVb5(回転角度θ=360°)→図6(b)中のVb6(回転角度θ=450°)へと移行すると、冷媒戻し孔22lを介して、第2圧縮室Vb内の冷媒が吸入室22eへと戻される。この際、ベーン22kによって、第1圧縮室Vaと第2圧縮室Vbと連通が遮断されているため、第2圧縮室Vb内の冷媒は、第1圧縮室Vaに流入することなく、吸入室22eへと流れる。なお、図6(b)では、Vb6を網掛け領域で示している。
以上説明した本実施形態によれば、第2圧縮室Vbのみに吸入室22eに連津するバイパスポート22gおよび冷媒戻し孔22lを形成し、第1圧縮室Vaのみで冷媒を圧縮する構成としているので、冷媒の圧縮過程を短縮することなく、最大容量動作時と同様の圧縮過程で冷媒を圧縮することができる。
従って、本実施形態の圧縮機10では、第1実施形態の構成と同様の作用効果を奏することができる。
さらに、本実施形態では、可変容量動作時には、第1圧縮室Vaと第2圧縮室Vbとの連通を遮断する構成としているので、圧縮行程において、第1圧縮室Va内の圧力が低下する膨張行程の発生を防止することができる。
従って、本実施形態の構成では、膨張行程によって生ずる自転防止機構(自転防止ピン23、24およびリング部材25)の信頼性悪化、および騒音や振動の発生を防止することが可能となる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図7に基づいて説明する。ここで、図7は、本実施形態に係る圧縮機10の径方向断面図である。なお、説明の便宜上、図7では、固定歯部22bおよび旋回歯部21bそれぞれを網掛けで表示している。
上述の第1、第2実施形態では、可変容量動作時において、固定スクロール22の固定歯部22bと旋回スクロール21の旋回歯部21bとが噛み合わせた際に形成される一対の圧縮室Va、Vbのうち一方の圧縮室Vaのみで冷媒を圧縮する構成としている。
これに対して、本実施形態では、圧縮機10を独立した2組の圧縮室Vを有する構成とし、可変容量動作時において、2組の圧縮室Vうち一方のみで冷媒を圧縮する構成としている点が第1、第2実施形態と異なっている。本実施形態では、上記第1、第2実施形態と異なる部分について説明し、同様または均等な部分についての説明を省略する。
図7に示すように、本実施形態の固定スクロール22は、固定基板部22aに突設された渦巻状の第1固定歯221aおよび第2固定歯221bを渦中心部(互いの巻き始め端部)にて結合して構成された固定歯部22bを有している。この固定歯部22bでは、第2固定歯221bを、第1固定歯221aを渦巻き中心に半回転(略180°回転)させた形状としている。
また、本実施形態の旋回スクロール21は、旋回基板部21aに突設された渦巻き状の第1旋回歯211aおよび第2旋回歯211bといった二枚の旋回歯で構成された旋回歯部21bを有している。この旋回歯部21bでは、第2旋回歯211bを、第1旋回歯211aを渦巻き中心に半回転(略180°回転)させた形状としている。
また、第1旋回歯211aは、第1固定歯221aの内周と第2固定歯221bの外周とで形成される空間に配置され、第2旋回歯211bは、第1固定歯221aの外周と第2固定歯221bの内周とで形成される空間に配置されている。
具体的には、第1旋回歯211aは、その外周が第1固定歯221aの内周に接触して噛み合わされると共に、その内周が第2固定歯221bの外周に接触して噛み合わされるように配置されている。そして、第1旋回歯211aの外周側と第1固定歯221aの内周側との間、および第1旋回歯211aの内周側と第2固定歯221bの外周側との間に、冷媒を圧縮する第1の圧縮室Vc、Vd、Veが形成される。
また、第2旋回歯211bは、その内周が第1固定歯221aの外周に接触して噛み合わされると共に、その外周が第2固定歯221bの内周に接触して噛み合わされるように配置されている。そして、第2旋回歯211bの内周側と第1固定歯221aの外周側との間、および第2旋回歯211bの外周側と第2固定歯221bの内周側との間に、冷媒を圧縮する第2の圧縮室Vf、Vg、Vhが形成される。
第1の圧縮室Vc、Vd、Veおよび第2の圧縮室Vf、Vg、Vhは、固定歯部22bにて仕切られており、互いに独立した密閉空間を構成している。
また、本実施形態の固定基板部22aには、第1固定歯221aと第2固定歯221bとの結合部222に隣接する位置に、吐出室12aに連通する一対の冷媒吐出ポート(一対の流体吐出部)223a、223bが形成されている。
一対の冷媒吐出ポート223aのうち、一方の冷媒吐出ポート(第1流体吐出部)223aは、第1旋回歯211aの内側の巻き始め端部に対向する位置に形成され、第1の圧縮室Vc、Vd、Veと吐出室12aとを連通する冷媒通路を構成する。また、他方の冷媒吐出ポート(第2流体吐出部)223bは、第2旋回歯211bの内側の巻き始め端部に対向する位置に形成され、第2の圧縮室Vf、Vg、Vhと吐出室12aとを連通する冷媒通路を構成している。なお、本実施形態の吸入室22eは、各歯部21b、22bの最外周側と固定スクロール22の外周部22cとで区画される空間で構成されている。
さらに、本実施形態の固定スクロール22の固定基板部22aには、第1の圧縮室Vc、Vd、Veおよび第2の圧縮室Vf、Vg、Vhのうち、一方の圧縮室のみと吸入室22eとを連通させるバイパスポート(図示略)が形成されている。
このバイパスポートは、第1実施形態および第2実施形態にて説明した開閉手段(スプール弁体27および圧力調整手段29)にて開閉可能に構成されている。なお、バイパスポートは、バイパスポートが開放された状態で、2組の圧縮室(第1の圧縮室および第2の圧縮室)Vのうち、一方の圧縮室にて冷媒が圧縮されないように、固定基板部22aに少なくとも1つ形成されている。
本実施形態の圧縮機10の作動は、最大容量動作時(100%容量時)には、バイパスポートを閉鎖する。これにより、圧縮機10の吐出容量が最大容量となった状態で、吸入室22eから圧縮室Vの最外周部に吸入された冷媒が、第1の圧縮室Vc、Vd、Veおよび第2の圧縮室Vf、Vg、Vhそれぞれで圧縮されて、冷媒吐出ポート22fを介して吐出室12aに吐出される。
一方、圧縮機10の可変容量動作時には、バイパスポート22gを開放する。これにより、第1の圧縮室Vc、Vd、Veおよび第2の圧縮室Vf、Vg、Vhの一方の圧縮室にて冷媒を圧縮し、他方の圧縮室にて冷媒の圧縮を行わない可変容量状態となる。
このように、本実施形態の圧縮機10では、第1の圧縮室Vc、Vd、Veおよび第2の圧縮室Vf、Vg、Vhといった、互いに独立した密閉空間を有する構成となっている。
そして、2組の圧縮室(第1の圧縮室および第2の圧縮室)Vのうち、一方の圧縮室内のみと吸入室22eとを連通するバイパスポートを形成する構成としている。このため、圧縮機10の可変容量動作時には、一方の圧縮室内の冷媒のみがバイパスポートを介して吸入室22eに流れ、他方の圧縮室では、吸入室22eから吸入した冷媒を吸入室22eに流れることなく圧縮される。つまり、可変容量動作時には、他方の圧縮室では、冷媒を圧縮する圧縮過程を短縮することなく、最大容量動作時と同様の作動で冷媒が圧縮されることとなる。
このため、本実施形態の圧縮機10では、可変容量動作時において、圧縮過程における流体の圧縮が緩やかとなり、圧縮室Vからの冷媒漏れを抑制することができるので、可変容量動作時の圧縮効率低下を抑制することが可能となる。
さらに、本実施形態では、互いに独立した圧縮室Vを有する構成としているので、第2実施形態の構成と同様に、膨張行程によって生ずる自転防止機構(自転防止ピン23、24およびリング部材25)の信頼性悪化、および騒音や振動の発生を防止することが可能となる。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、以下のように種々変形可能である。
(1)上述の実施形態では、バイパスポート22gを、固定基板部22aにおける旋回歯部21bの巻き終り端部21dから巻き始め端部21eに向かって360°の角度(θa=360°)に存する部位と固定基板部22aとが当接する位置に形成しているが、これに限定されるものではない。バイパスポート22gの形成位置は、固定基板部22aにおける固定歯部22bの外周側に隣接する位置であって、固定基板部22aにおける旋回歯部21bの巻き終り端部21dから巻き始め端部21eに向かって360°の角度範囲内に存する部位と固定基板部22aとが当接する位置であればよい。
例えば、第1実施形態の圧縮機10において、バイパスポート22gを、図8に示すように、旋回歯部21bの巻き終り端部21dから巻き始め端部21eに向かって315°の角度(θa=315°)に存する部位と固定基板部22aとが当接する位置、図9に示すように、旋回歯部21bの巻き終り端部21dから巻き始め端部21eに向かって270°の角度(θa=270°)に存する部位と固定基板部22aとが当接する位置、図10に示すように、旋回歯部21bの巻き終り端部21dから巻き始め端部21eに向かって225°の角度(θa=225°)に存する部位と固定基板部22aとが当接する位置等に形成してもよい。
(2)上述の実施形態では、バイパスポート22gを長孔形状としているが、これに限定されず、丸孔形状としてもよい。また、複数の丸孔を組み合わせてバイパスポート22gを形成してもよい。
(3)上述の実施形態では、スプール弁体27および圧力調整手段29にてバイパスポート22gや冷媒戻し孔22lを開閉する構成としているが、バイパスポートおよび冷媒戻し孔22lを開閉可能な開閉手段であれば、他の形態を採用してもよい。
(4)上述の第2実施形態では、ベーン22kおよび背圧調整手段にて、第1圧縮室Vaおよび第2圧縮室Vbの連通を遮断可能なシール手段を構成したが、第1圧縮室Vaおよび第2圧縮室Vbの連通を遮断可能な構成であれば、他の形態を採用してもよい。
(5)上述の実施形態では、自転防止機構を自転防止ピン23、24およびリング部材25によって構成しているが、自転防止機構の構成はこれに限定されない。例えば、いわゆるオルダムリング式、ボールカップリング式等を採用してもよい。
(6)本発明の可変容量式スクロール型圧縮機の適用は、車両用空調装置の冷媒圧縮機に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであれば、上述の実施形態に限定されるものではない。
10 圧縮機(可変容量式スクロール型圧縮機)
21 旋回スクロール
21a 旋回基板部(第2基板部)
21b 旋回歯部
211a 第1旋回歯
211b 第2旋回歯
22 固定スクロール
22a 固定基板部(第1基板部)
22b 固定歯部
22e 吸入室
22f 冷媒吐出ポート(流体吐出部)
22g バイパスポート
22k ベーン(シール手段)
221a 第1固定歯
221b 第2固定歯
27 スプール弁体(開閉手段)
29 圧力調整手段(開閉手段)

Claims (6)

  1. 平板状の第1基板部(22a)および前記第1基板部(22a)に突設された渦巻状の固定歯部(22b)を有する固定スクロール(22)と、
    平板状の第2基板部(21a)および前記第2基板部(21a)に突設された旋回歯部(21b)を有し、前記旋回歯部(21b)を前記固定歯部(22b)に係合させて一対の圧縮室(Va、Vb)を形成する旋回スクロール(22)と、
    前記旋回スクロール(22)の最外周側に形成され、前記一対の圧縮室(Va、Vb)に流体を供給する吸入室(22e)と、
    前記第1基板部(22a)の中央側に形成され、前記一対の圧縮室(Va、Vb)にて圧縮された前記流体を吐出する流体吐出部(22f)と、を備え、
    前記第1基板部(22a)には、前記一対の圧縮室(Va、Vb)のうち一方の圧縮室(Vb)のみと前記吸入室(22e)とを連通するバイパスポート(22g)が設けられていることを特徴とする可変容量式スクロール型圧縮機。
  2. 前記バイパスポート(22g)を開閉する開閉手段(27、29)を備え、
    前記開閉手段(27、29)にて前記バイパスポート(22g)の開閉することで吐出容量を変化させることを特徴とする請求項1に記載の可変容量式スクロール型圧縮機。
  3. 前記バイパスポート(22g)は、前記旋回歯部(21b)における前記第1基板部(22a)と当接する部位によって、前記一方の圧縮室(Va)と前記吸入室(22e)との連通が遮断可能な大きさに形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の可変容量式スクロール型圧縮機。
  4. 前記バイパスポート(22g)は、前記旋回歯部(21b)における外側の巻き終り端部(21d)から内側の巻き始め端部(21e)に向かって360°以内の角度範囲に存する部位と前記第1基板部(22a)とが当接する位置に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の可変容量式スクロール型圧縮機。
  5. 前記一方の圧縮室(Va)と前記他方の圧縮室(Vb)との間の連通を遮断可能に構成されたシール手段(22k)を備えることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の可変容量式スクロール型圧縮機。
  6. 平板状の第1基板部(22a)、および前記第1基板部(22a)に突設され、渦巻状の第1固定歯(221a)と前記第1固定歯(221a)を渦巻き中心に半回転させた際の形状を有する渦巻き状の第2固定歯(221b)とを渦中心部で結合して構成された固定歯部(22b)を有する固定スクロール(22)と、
    平板状の第2基板部(21a)、および前記第2基板部(21a)に突設され、渦巻状の第1旋回歯(211a)と前記第1旋回歯(211a)を渦巻き中心に半回転させた際の形状を有する渦巻き状の第2旋回歯(211b)とから構成された旋回歯部(21b)を有し、前記第1旋回歯(211a)を前記第1固定歯(221a)の内周および前記第2固定歯(221b)の外周に係合させて前記第1旋回歯(211a)の内周側および外周側それぞれに第1の圧縮室(Vc、Vd、Ve)を形成すると共に、前記第2旋回歯(211b)を前記第1固定歯(221a)の外周および前記第2固定歯(221b)の内周に係合させて前記第2旋回歯(211b)の内周側および外周側それぞれに前記第1の圧縮室(Vc、Vd、Ve)から独立した第2の圧縮室(Vf、Vg、Vh)を形成する旋回スクロール(21)と、
    前記旋回スクロール(21)の最外周側に形成され、前記第1の圧縮室(Vc、Vd、Ve)および前記第2の圧縮室(Vf、Vg、Vh)それぞれに流体を供給する吸入室(22e)と、
    前記第1基板部(22a)の中央側に形成され、前記第1の圧縮室(Vc、Vd、Ve)にて圧縮された流体を吐出する第1流体吐出部(223a)と、
    前記第1基板部(22a)の中央側に形成され、前記第2の圧縮室(Vf、Vg、Vh)にて圧縮された流体を吐出する第2流体吐出部(223b)と、を備え、
    前記第1基板部(22a)には、前記第1の圧縮室(Vc、Vd、Ve)および前記第2の圧縮室(Vf、Vg、Vh)のうち一方のみと前記吸入室(22e)とを連通するバイパスポートが設けられていることを特徴とする可変容量式スクロール型圧縮機。
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