JP2011181994A - 無線基地局および無線通信システム、ならびに無線通信方法 - Google Patents

無線基地局および無線通信システム、ならびに無線通信方法 Download PDF

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Abstract

【課題】基地局間の通信機能がない無線通信システムにおいても、各基地局が干渉の増減から隣接基地局の混雑状況を把握し、リソース割当て帯域を自動制御できるようにし、基地局間の干渉を低減する。
【解決手段】基地局は、基地局に接続されるひとつ以上の端末に対して、システム帯域を全体を使って通信する全帯域通信モードと、システム帯域を複数の帯域に分割帯域を使って通信を行なう部分帯域通信モードとを有し、基地局それぞれに対し、前記分割帯域のひとつを優先帯域として割当てておき、基地局それぞれは、上り回線の雑音電力と干渉電力との和を測定し、その値を予め設定された第1の閾値と比較した結果によって、全帯域通信モードあるいは、優先帯域を用いた部分帯域通信モードを選択し、端末と通信を行なう。
【選択図】 図8

Description

本発明は、移動体無線通信技術に関し、特に、セル間の干渉回避を目的とした無線リソース割当ての制御技術に関する。
セルラ型の移動体無線通信システムでは、複数の基地局あるいはアンテナが地理的に分散して配置され、それら基地局あるいはアンテナからの電波が到達する範囲にセルと呼ばれる無線通信のサービスエリアが形成される。移動体端末は、端末における受信信号品質が最も高い基地局に接続するように制御される。受信信号品質とは、一般には希望信号の受信電力と、干渉信号の干渉電力、受信機雑音電力の比で表現され、CINR(Carrier to Interference-plus-Noise Ratio 信号電力/(干渉電力+雑音電力))で表記されることが多い。また、移動体無線通信システムは、端末の移動に伴って、接続する基地局を次々にハンドオーバすることで、移動しながら無線通信を維持できる仕組みを持っている。移動時の接続性を確保するために、各基地局あるいはアンテナが形成するサービスエリアの境界は重なりあっている。各基地局あるいは各アンテナから送信される信号は、その基地局あるいはアンテナを介して通信を行なっている複数の端末に向けた情報であり、他の基地局あるいはアンテナを介して通信を行なっている端末にとっては干渉となってしまう。干渉はその端末に向けた通信にとっては妨害であり、通信品質やスループットの劣化を招く。
図1は、一般的な移動体無線通信システムの構成例を示す図である。
図1において、基地局101〜103はコアネットワークに接続し、コア側装置100とデータ通信を行っている。基地局装置101は、コア側装置100から得た情報を高周波信号に変換し、無線信号により端末104に送信する。端末104はその無線信号を受信し、信号処理を行なって情報に変換して、コア側装置100との通信を実現する。一方、端末104が生成した情報は、端末104において高周波信号に変換され、無線信号により基地局101に送信される。端末104から送信され、基地局101が受信した無線信号は、信号処理によって情報に変換され、コア側装置100に送られる。
図1の例では、複数の基地局101〜103がコア側装置100と接続し、それぞれが地理的に離れた場所で信号を送信している。端末104が、基地局101以外の基地局が送信する信号を受信した場合、その信号は干渉波として端末104に受信される。
基地局間の干渉を低減するための1つの方法としてセグメンテーション(Segmentation)が知られている。セグメンテーションは、複数の基地局装置が、互いに利用できる周波数リソースを分けることで特定の周波数帯での干渉の発生を抑え、セルカバレージを改善しようとするものである。
次に、図2を使ってセグメンテーションについて説明する。
図2はセグメンテーションによる干渉低減方法を適用した基地局における無線リソースの割当て例を示す図である。
図2には、互いに隣接する基地局AおよびBの無線リソース割当て例を示している。図2において、縦軸は周波数軸、横軸は時間軸を示している。図示した例では、周波数方向は10MHzの帯域があり、それを3つの周波数f1、f2、f3に分割している。400で示す部分はプリアンブルを配置する領域を示す。401で示す部分は制御チャネル(WiMAXの例ではチャネル割当を端末に通知するためのMAC情報)が配置される領域を示す。403で示す部分は共通チャネル(Shared Channel)と呼ばれる部分であり、主にユーザ情報の伝送に利用される領域が配置される。
図2に示すように、隣接する基地局A、Bでは、使用する周波数帯が異なっている。基地局Aでは周波数f1が使用される。基地局Bでは周波数f2が使用される。セグメンテーションによる干渉低減方法を適用した場合は、このように、隣接する基地局間においては、同じ周波数を使わないようにしている。
無線リソースのリユースについて図2を用いて説明する。図2において、上図の基地局Aと下図の基地局Bでは、それぞれで使用される周波数が異なっていることを説明した。すなわち、基地局Aは低周波数側の402を利用し、隣接基地局Bは中間の周波数502を利用する。隣接基地局Bでは低周波数側となる504は使わない。つまり、周波数を3つのセグメントに分け、各基地局は3つのセグメントの内1つのセグメントしか利用しない。このようにすると、互いに隣接する3つの基地局のセル境界では全帯域を再利用していることになる。これを、リユース3(周波数繰返し3)で運用しているという。お互いに隣接する基地局が使用する周波数が異なれば、互いの通信は干渉しない。このようなセグメンテーションによる干渉低減方法を適用したシステムでは、干渉する無線信号を送信する基地局は、隣接基地局ではなく、そのまた次の隣接基地局となる。次の隣接基地局は隣接基地局より距離が遠いため、次の隣接基地局から受信する干渉電力は、端末が接続している基地局からの無線信号に比べて小さくなると期待できる。セグメンテーションは、このような考え方に基づき、干渉の影響を低減しようとする技術である。
次に図3を用いて、セグメンテーションによる干渉低減方法を適用した場合の複数の基地局間のリソース割り当てについて説明する。
図3では、6つの基地局(600〜606)の配置が示されている。
それぞれ基地局は3つのセクタから構成され、それぞれが基地局(600〜606)を中心とした扇型のエリアをカバーしている。中央にある基地局603に注目する。基地局603は図面の上方を0度と考え時計周りに角度を定義すると、0度、120度、240度の方向に境界を持つセクタを構成している。セクタとは、1つの場所に置かれた基地局がアンテナの指向性を使って空間を角度によって分割して構成したセルの呼び方である。
図3の例では、1つの基地局が3つのセクタを構成していて、それぞれのセクタは、あたかも異なる基地局に制御されている空間であるかのように制御される。例えば、図2に戻ると、基地局Aと書かれた上図のフレームフォーマットを持つ第1のセクタと基地局Bと書かれた下図のフレームフォーマットを持つ第2のセクタが、1つの基地局(図3で黒の四角で記載)に搭載されている。各セクタでは、“f1”、“f2”、“f3”の3つの周波数が使い分けられ、隣接基地局から受ける干渉を低減している。図2と図3を対応づけて説明すると、f1は図2の上図では403で示されるゾーンであり、f2は図2の上図では404で示されるゾーンであり、f3は図2の上図では405で示されるゾーンである。
3GPP TS36.423 8.3.1章 Load Indication
前述のセグメンテーションはセクタ毎に周波数を使い分けることにより、隣接セル間の干渉に対して強いという性質を持つ。但し、システム帯域を3分割してしまうため、利用できる周波数帯域が限られ、そのためにシステムスループットが低下してしまう。他方、セグメンテーションを行なわない場合には、セル境界では大きな干渉が発生してしまい、やはりスループットができなくなる。
1つの基地局の配下に存在する端末数は、基地局によってバラツキがある。例えば、主要ターミナルでは、人口密度が非常に高くなるが、その周辺は必ずしもそうとは限らない。結果的に主要ターミナルをカバーする基地局と、主要ターミナル周辺をカバーする基地局とでは、配下に存在する端末数には大きな差が発生する。このような状況で、端末毎のフェアネスを実現するためには、主要ターミナル周辺の基地局は、前述のセグメンテーションを行なって一部の帯域の無線リソースの使用を自粛すること、さらに、無線リソースの使用を自粛した帯域では干渉が低減することを主要ターミナルをカバーする基地局を含む周辺の基地局に宣言することが望ましい。一部の新しい標準規格の無線通信システムでは、そうしたインターフェースが実装されている(例えば非特許文献1のLoad Indication)。しかしながら、そうしたインターフェースを持たず、既に運用が始まっている標準規格の無線通信システムもある。そのようなシステムにおいても、基地局間の干渉の低減を実現する手段が必要とされていた。
上記課題を解決するために、本発明においては、端末とOFDM変調された無線信号により通信を行なう複数の基地局を含む無線通信システムにおいて、基地局は、基地局に接続されるひとつ以上の端末に対して、無線通信システムにおいて使用可能なシステム帯域を全体を使って通信するノンセグメンテーション通信と、システム帯域を複数の帯域に分割したうちの少なくともひとつの分割帯域を使って通信を行なうセグメンテーション通信のいずれかを選択する機能を有し、
予め複数の基地局それぞれに対し、分割帯域のひとつを優先帯域として割当てておき、
基地局のそれぞれは、基地局が持つ伝搬路推定回路において、上り回線の雑音電力と干渉電力との和を測定し、その値を予め設定された第1の閾値と比較した結果によって、ノンセグメンテーション通信あるいは、優先帯域を用いたセグメンテーション通信を選択し、前記端末と通信を行なうようにしたものである。
または、基地局のそれぞれは、端末へ送信するデータをスタックするメモリ部を有し、メモリ部のキューへのスタック量を監視し、そのスタック量を予め設定された第2の閾値と比較し、スタック量が第2の閾値より多い場合には、上りの雑音電力と干渉電力との和を予め設定された第1の閾値と比較した結果によらず、ノンセグメンテーション通信を選択するようにしたものである。
また、端末毎に割当てるリソースが、優先帯域か否かを判断し、その判定結果によって送信の際に使う変調符号方式を切替えるようにしたものである。
その際、再送制御を考慮し、使用する変調符号化方式として、より高い変調符号化方式を選択するようにしたものである。
本発明によれば、基地局間で、それぞれのリソース利用状況を通信しなくても、各基地局が自律的に干渉の増減から周囲の混雑状況を把握し、それに応じてセグメンテーションを利用するか利用しないかを自動制御することができ、基地局間の干渉を低減することができる。
一般的な移動体通信システムの構成を示す図である。 セグメンテーションによる干渉低減方法を適用した基地局における無線リソースの割当て例を示す図である。 セグメンテーションによる干渉低減方法を適用した場合の複数の基地局間のリソース割当て例について説明する図である。 本発明の第1の実施例における基地局の構成例を示す図である。 本発明の第1の実施例における周波数リソース割当ての一例を説明する図である。 本発明の第1の実施例における周波数リソース割当ての一例を説明する図である。 本発明の第1の実施例における隣接基地局の閑散/混雑を判定する方法を説明するフローチャートである。 本発明の第1の実施例におけるセグメンテーションのオン/オフ切替え方法を説明するフローチャートである。 本発明の第1の実施例における変調符号化方式の判定方法を説明するフローチャートである。 本発明の第2の実施例におけるセグメンテーションのオン/オフ切替えの判断論理を説明するための図である。
本発明の第1の実施例を図4、図5、図6、図7、図8、図9を使って説明する。
図4は、本発明の第1の実施例における基地局の構成例を示す図である。
図5は、本発明の第1の実施例における周波数リソース割当ての一例を説明する図である。
図6は、本発明の第1の実施例における周波数リソース割当ての一例を説明する図である。
図7は、本発明の第1の実施例における隣接基地局が閑散か混雑かを判定するための判断方法を説明するフローチャートである。
図8は、本発明の第1の実施例におけるセグメンテーションのオン/オフ切替え方法を説明するフローチャートである。
図9は、本発明の第1の実施例における変調符号化方式(MCS:Modulation and Coding Scheme)を決定する方法を説明するためのフローチャートである。
図4は、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)の基地局101の構成例を示している。
本発明の第1の実施例の特徴となる「隣接基地局の閑散/混雑の判定」「利用リソースの決定(セグメンテーションのオン/オフの決定)」「MCSの決定」に関する演算(フロー)は基地局のDSP(Digital Signal Processor)215により具現化されている。
まず、図4を用いて基地局の受信処理について説明する。
基地局のアンテナが受信した信号はRF部201に左側から入力され、信号増幅、ダウンコンバート処理、アナログ−デジタル変換等の処理を通じて、ベースバンド帯域のデジタル信号に変換される。デジタル変換された信号は、CPE(Cyclic Prefix Extraction)部202で基地局固有のタイミングにおいてCPが取り除かれる。CPとはCyclic Prefixの略であり、OFDM信号では遅延波の影響を除くために付けられている。CPE部202では、そのCPを削除し、FFT(Fast Fourier Transform)処理を掛けるための前処理を行う。CPが取り外された受信信号はFFT部203において、FFTが掛けられる。FFT処理により時間領域の信号は周波数領域に変換され、サブキャリヤ毎の情報となる。DMX(Demultiplexing)部204では受信信号は周波数×時間で分割された情報として認識され、DSP部215内で具現化されているスケジューラによって決められたリソース割り当てに従ってチャネルの分解を行う。主にパイロット信号、制御信号、ユーザデータ信号に分割される。ここで、パイロット信号(あるいはリファレンス信号)は、CE(Channel Estimation)部205に送られ、伝搬路の推定に利用される。また、CE部205では、上りチャネルがアサインされていないタイミング、あるいは周波数の情報をDSP部215から受け、そのリソースの受信電力を測定することで、隣接局に接続する端末からの干渉と自局のもつ熱雑音を加えた干渉+熱雑音の電力を測定することができる。その結果はDSP部215に報告される。DSP部215は報告された結果をメモリ部220に格納する。
制御信号はDEM(Demodulation)部208に送られ、CE部205にて計算された伝搬推定結果を使ってMMSE(最小自乗平均誤差 Minimum Mean Square Error)あるいは類似の方法を使って復調し、伝搬路符号化の復号を行う。制御信号として端末から送られてくる情報には、下り回線のパケット伝送の成否を示すACK/NACK、端末で測定された該当基地局のCINR、受信信号電力RSSI(受信信号強度 Received Signal Strength IndicationまたはIndicator)、ハンドオーバを目的とした隣接基地局の受信レベルなどが含まれる。復号によって得られたこうした制御情報はDSP215のメモリ220に蓄積され、DSP215内に具現化されたスケジューラがサポート情報として利用する。
ユーザデータ信号はMLD(最尤推定検出:Maximum Likelihood detection)部206に送られ、CE部205にて計算された伝搬路推定結果を使ってMLDを行う。MLD部206によって計算された対数尤度比はDEC(Decoding)部207に入力され、DEC部207にてターボ復号処理が行われる。得られた情報はDSP215に入力され、L2(レイヤ2)処理を施した後にネットワークインターフェース216を介して、ここには記載されていないコア側装置に送られる。
引き続き、図4を用いて本発明からなる基地局の送信処理について説明する。
コア側装置から伝送されてきた情報は、ネットワークインターフェース216を介してメモリ220に記録される。ここにスタックされているトラヒック量(キューのスタック量)は監視装置によりDSP部215で把握されている。DSP215内に具現化されたスケジューラにより、適切なリソース割り当てが実施され、その結果に基づいて変調処理が行われてアンテナから送信される。メモリ220に入ったユーザデータ情報は、スケジューラの指示により取り出され、MOD(Modulation)部209にてターボ符号化、インタリーブ等の符号化処理とQPSK符号などへの変調処理が実施される。変調された情報はMUX部211にてスケジューラに指示されたリソースに配置される。このときパイロット生成部210が生成するパイロットと、制御チャネル変調部219が作成した制御チャネルが一緒に配置される。制御チャネルは情報をDSP215が作成し、制御チャネル変調部219が変調処理をしたものである。MUX(Multiplexinf)部211によって統合された送信情報はIFFT(Inverse FFT)部213にて時間領域に変換される。そしてCPI(Cyclic Prefix Insertor)部214にてCPが付けられてRF(Radio Frequency)部201に入力される。RF部201ではデジタル信号から高周波信号への変換・増幅が実施されて、図には記載されていないアンテナに出力される。
本発明では、基地局装置はHARQ(Hybrid ARQ(Automatic Report Request))送信を行う。HARQ送信では、端末からACK信号が届かない場合には、受信でパケットエラーが発生したとして、同一の情報の再送を行う。端末は、復号までの軟判定状態の情報を保持し、再送がある度に、上記の軟判定時の情報として加算処理する。すると、過去に受信された情報は軟判定状態として加算されるため、再送の度に尤度情報として確からしい情報に高めることができ、パケットエラー率を改善することができる。本技術を使えば、CINRが低い環境においても、再送を繰り返すことによってダイバーシチ利得が得られ、やがてはパケットの送信を成功させることができる。逆に言えば、HARQを用いることによって、要求されるCIRが高いが、高いスループットの出る、高いMCSの符号化方式、すなわちよりアグレッシブな符号を選択して、送信を行うこともできる。例えばQPSK1/2に対して64QAM5/6はよりアグレッシブな符号方式といえる。
図5、あるいは図6は下りのリソースの割当てを行う領域を説明する図である。利用リソースの決定は図4のDSP215内に具現化されたスケジューラが担っている。ここでは該当基地局がAであるとして説明する。上りのリソースは時分割、あるいは周波数分割によって送信されてくるが、本発明の効果はその方法には依存しない。ここでは例として時分割で送信されてくる場合を例にとって説明する。時分割の場合には、図5、6で示す時間帯とは異なる時間帯において上り情報が送信されてくる。基地局は上りと下りの時間帯を管理して下りが送信されるべきタイミングにおいて、図5,6に示すフレームの情報を送信する。図5,6で該当基地局は領域401で制御情報を、領域413でユーザデータを送っている。パイロット信号は401、413、403のそれぞれの領域にばらまかれていて、周波数変動や時間変動に追従した伝搬路推定が可能となっている。
図5は、該当基地局およびその隣接基地局ともにトラヒックが多く、混雑した状態と判定した場合に選択されるリソース割当てである。
該当基地局基地局Aでは、10MHzの帯域のうち、1/3となるハッチの領域(413)だけにリソース割当てを行う。隣接基地局のBでも同様に1/3のハッチの領域(513)だけにリソース割当てを行う。基地局AとBでは、共通チャネルにおいてセグメンテーションが実施されることとなり、互いの干渉はない。
図6は、該当基地局はトラフィックが多いが、隣接する基地局のトラヒックは少なく、閑散状態と判定した場合に選択されるリソース割当てである。
該当基地局Aでは、10MHzの帯域全てとなるハッチの領域(414)を使ってリソース割当てを行う。但し、リソース割当てでは、太枠で囲った領域(420)と領域414の他の部分では、MCSの設定方法が異なる。まず、太枠で囲った領域は、図にあるように、基地局Bはセグメンテーションモードで動作している場合には干渉がない。したがってより高いMCSを選択して送信しても通信エラーになることがない。この周波数を優先帯域と呼ぶこととする。すなわち、基地局Aが優先帯域になっている周波数では、高いMCSを選択するような制御を行い、他局が優先帯域になる周波数では、端末が報告してくるCINRの情報に従ってMCSを決定する仕組みをもっている。
図7は、隣接基地局が閑散か混雑かを判定する方法を説明するフロー図である。
本フローはDSP215に格納されている。基地局はしかるべくタイミングにおいて、本フローを実施し、周囲が閑散であるか、混雑であるかを判定している。この隣接基地局の閑散、混雑判定を行うタイミングとしては、例えば、予め定めた周期、基地局のトラフィックが予め定めた閾値を越えた場合などが考えられる。先に述べたようにCE部205では、DSP部215からの上りリソース割当ての情報を元に、基地局に接続する端末が送信していないリソースを使って干渉電力+熱雑音電力を測定している。但し、本発明は干渉+熱雑音電力の測定方法には依存しないので、他の方法、例えば伝搬路推定の線形補間による干渉+熱電力測定などの電力測定方法によって測定された干渉+熱雑音電力測定結果でもよい。測定された結果はDSP部215に報告されている。DSP部215内のプログラムでは、図7のステップ701において、干渉+熱雑音電力の測定結果が取り込まれる。
続くステップ702では測定結果が閾値と比較判定される。閾値と比べ、測定値が大きい場合には、周囲の基地局に接続する端末からの干渉が大きいと考えられるため、隣接基地局の上りトラヒックが混雑していると推測される。上り回線だけが混雑しているとは考えにくいため、当然、下りも混雑していると考える。その結果、周囲の基地局は混雑していると判定する(ステップ704)。逆に、測定値が閾値と比較して小さい場合には、干渉が小さいと考えられるため、隣接基地局の上りトラヒックが閑散としていると推測される。同様に下りも閑散としていると考える(ステップ703)。このようにして、上りの干渉+熱雑音測定から、隣接基地局が閑散状態か、あるいは混雑しているかを判定することができる。
図8は隣接基地局が閑散状態か、あるいは混雑しているかの判定結果から、スケジューリングを変える方法について説明するフローチャートである。
本フローはDSP215に格納されている。
まず、ステップ801では、図7の結果から、隣接基地局が閑散であるかを判定する。閑散と判定していた場合、ステップ803に進み、全サブチャネルを対象にリソース割当てを実施する(ノンセグメンテーションを実施)。この時の割当て例が図6の割当て方法である。また、ステップ801において、閑散ではないと判断された場合、ステップ802に進み、予め指定されたサブチャネルを対象に割当てを実施する(セグメンテーションを実施)。この時の割当て例が図5の割当て方法である。このように図7で説明した、隣接基地局の閑散あるいは混雑の判定によって、リソースの割当て方法が自立的に調整される仕組みが実現できた。よって課題は解決される。
図9はMCSの決定方法の一例を説明するフローチャートである。
本フローはDSP215に格納されている。リソース割当ては、リソース毎に行われる。ここでは、割当てを行うリソースと通信相手となる端末が特定されているとして説明を行う。まず、ステップ910で、該当リソースが優先帯域かを判定する。優先帯域であった場合、ステップ912に進み、端末から報告されているCINR値に、オフセットを加えてMCSを決定する。オフセットは正の値を持ち、オフセットを加えることにより、CINR報告値は改善されたように見える。CINR報告値は、端末がパイロット、あるいはプリアンブルを用いて測定したものである。端末は、CINRをワイドバンド特性として報告されていて、特定のサブキャリヤの特性が干渉回避によって改善されていることを知らずに報告している。そのため、干渉がないことによるオフセットを加えることで、報告値と現実との差を補正する。
ここでは、隣接する他の基地局がセグメンテーションにより、該当する優先帯域にはリソース割当てを実施しにくいことを想定している。そのため、高いCINRが実現されていると期待する。ただ、他の基地局がセグメンテーションしていない場合もあり得るため、上記のHARQの動作を期待する。すなわち、CINRが良好であるとの仮定が正しいとしたMCSによる信号送信を行う。仮定が正しい場合、端末は受信に成功する。但し仮定が正しくなかった場合、端末で受信に成功しないので、端末はNACK信号を基地局に送信する。それを受信した基地局は、HARQによる再送を行い、高いMCSで送信してしまったパケットを再送する。端末では、軟判定レベルで、先に受信したパケットと、新たに再送されたパケットを合成し、その後に復号化処理を行う。この動作によって、ダイバーシチ利得が得られ、高いMCSで送信してしまった信号も、再送による複数のリソースを使うことでパケット送信を成功させることができる。
他方、ステップ901にて、優先帯域ではないと判断した場合には、ステップ902に進み、端末から報告されているCINR値をそのまま使ってMCSを決定する。このようにすることで、端末からの報告値は変えずに、基地局側の補正によって、被干渉のある、あるいはないという可能性を考慮したMCSを割りつけることができる。よって課題は解決できる。
図7で説明した干渉+熱雑音電力と比較する閾値、図8で説明した予め指定されたサブチャネル、図9で説明したオフセットは、いずれもコア側装置から指定された値である。基地局毎に異なる値を指定してもよい。また、セクタ構成では、同一場所に置かれた複数の基地局は、互いのセグメンテーションが被らないようにサブチャネルを配置するように指定されている。
本発明によれば、基地局に、優先帯域を設定しておくことで、空きを作るリソースと、空きを作らないリソースが予め設定されることになる。基地局は、隣接基地局に接続する端末からの干渉を監視し、干渉が別途設定されている閾値よりも高い状況では、隣接基地局のトラヒックが高いと判断し、空きを作るリソースへのリソース割当てを自粛する。空きを作らないリソースだけを利用してリソース割当てを行う。
つまり、各基地局に予め設定された空きを作りやすいリソースと、空きを作らないリソースを設け、上りの干渉測定によって自律的にリソース割当てを制御し、隣接基地局のリソースが混雑していると判断される場合には、特定のリソースに空きを発生させて、セグメンテーションモードに移行する。逆に、隣接基地局のリソースが閑散としている場合には、ノンセグメンテーションモードとして動作し、全てのリソースを使って通信するようリソース割当ての制御を行なうものである。
図7で説明した閑散か混雑かの判定では、ステップ701において実施される測定1回で判定を定めるのではなく、数回の測定結果を移動平均してから判定することによって、判定結果のバタツキを抑え、安定した動作とすることができる。
上記図5、図6では論理的な並びのチャネルで、無線リソースを表現している。実際の物理的なチャネルの並びにおいては、スクランブル(あるいはパーミュテーション)が掛けられている。その場合においても、周波数的な衝突という意味で、本書で説明する論理的な並びとの性質は変わらない。よって、パーミュテーションを行う場合においても、本特許の範疇となる。
本発明の第1の実施例では、周囲の基地局からの干渉波を測定することだけで、該当基地局のリソース割当ての範囲をセグメンテーションとするか、あるいは全帯域で送信を行う、ノンセグメンテーションとするかを決めていた。
しかしながら、該当基地局の下りの送信キューにスタックされるトラヒックが多い場合、セグメンテーションしてしまうと、割当て可能なリソース量が減ってしまうので、必ずしも好ましい結果にならない。そこで、該当基地局の下りのキューにスタックされているトラヒック量を総和し、その総和と、予め定められた閾値とを比較し、総和が閾値よりも大きい場合には図6に示す、全サブチャネルを使った送信を行うのが本実施例の特徴である。但し、この際には、端末からのCINR報告を使い、下りのCINRが悪い端末、すなわち、セル境界に位置すると考えられる端末を優先帯域に割り当てるようにする。優先帯域外では、他セルからの干渉を受けるが、基地局付近の端末であれば、他セルからの干渉は低いと予測され、高いCINRをベースとした高いMCSによる通信が可能となる。
該当基地局の下りのキューにスタックされているトラヒック総量が小さい場合には、第1の実施例で示した通り、他局からの干渉量に応じて、セグメンテーションを行うか、あるいは全帯域で送信を行うかを決定する。
図10は、本発明の一実施例におけるセグメンテーションのオン/オフ切替えの判断論理を説明するための図である。
左右の軸は自セルのトラヒック量が閾値に比べて大きいのか、小さいのかを分類している。また上下の軸は他セルからの干渉が大きいのか、小さいのかを分類している。まず、該当基地局のトラヒックを判断し、閾値よりも大きい場合には、全帯域で送信することを決定する。該当基地局のトラヒックが閾値よりも小さい場合には、次のステップとして、他セルからの干渉を判定し、その大小からセグメンテーションするかを判定する。ここでは、他セルからの干渉が閾値よりも大きい場合にはセグメンテーションを行う。また、他セルからの干渉が閾値よりも小さい場合には全帯域で送信する。
以上のように制御することで、セルのトラヒックが高い場合にも、他セルとの干渉を考慮しながら、基地局間で連携した干渉制御が可能となる。よって課題は解決できる。
図7で説明した干渉+熱雑音電力と比較する閾値、図8で説明した予め指定されたサブチャネル、図9で説明したオフセット、図10を使って説明したセルのトラヒックと比較する閾値は、いずれもコア側装置から指定された値である。基地局毎に異なる値を指定してもよい。また、セクタ構成では、同一場所に置かれた複数の基地局は、互いのセグメンテーションが被らないようにサブチャネルを配置するように指定されている。
100...コア側装置、101〜103...基地局、104...端末、201...RF部、202...CPE部、203...FFT部、204...DMX部、205...CE部、206...MLD部、207...DEC部、208...DEM部、209...MOD部、210...Pilot生成部、211...MUX部、213...IFFT部、214...CPI部、215...DSP、216...ネットワークインターフェース部、219...制御チャネルMOD部、220...メモリ。

Claims (9)

  1. 端末とOFDM変調された無線信号により通信を行なう複数の無線基地局装置を含む無線通信システムにおいて、
    前記無線基地局装置に接続されるひとつ以上の端末に対して、無線通信システムにおいて使用可能なシステム帯域を全体を使って通信する全帯域通信モードと、前記システム帯域を複数の帯域に分割したうちの少なくともひとつの分割帯域を使って通信を行なう部分帯域通信モードとを有し、
    予め前記複数の無線基地局装置それぞれに対し、前記分割帯域のひとつを優先帯域として割当て、
    前記無線基地局装置のそれぞれは、無線基地局装置が持つ伝搬路推定回路において、上り回線の雑音電力と干渉電力との和を測定し、その値を予め設定された第1の閾値と比較した結果によって、前記全帯域通信モードあるいは、前記優先帯域を用いた部分帯域通信モードを選択し、前記無線基地局装置に接続された端末と通信を行なうことを特徴とする無線通信システム。
  2. 前記無線基地局装置のそれぞれは、前記端末へ送信するデータをスタックするメモリ部を有し、該メモリ部のキューへのスタック量を監視し、そのスタック量を予め設定された第2の閾値と比較し、スタック量が第2の閾値より多い場合には、無線基地局装置が持つ伝搬路推定回路において、上りの雑音電力と干渉電力との和を測定し、その値を予め設定された第1の閾値と比較した結果によらず、前記全帯域通信モードによる送信を選択することを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
  3. 前記無線通信システムは、前記複数の無線基地局装置を制御するコア装置を有し、該コア装置は、前記複数の無線基地局装置に対し、前記優先帯域および/または前記第1の閾値および/または前記第2の閾値を通知することを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
  4. 端末とOFDM変調された無線信号により通信を行なう無線基地局装置であって、
    前記無線基地局装置に接続されるひとつ以上の端末に対して、無線通信システムにおいて使用可能なシステム帯域を全体を使って通信する全帯域通信モードと、前記システム帯域を複数の帯域に分割したうちの少なくともひとつの分割帯域を使って通信を行なう部分帯域通信モードとを有し、
    前記部分帯域通信モードで使用する帯域はとして、予め優先帯域が予め設定され、
    伝搬路推定回路において、上り回線の雑音電力と干渉電力との和を測定し、その値を予め設定された第1の閾値と比較した結果によって、前記全帯域通信モードあるいは、前記優先帯域を用いた部分帯域通信モードを選択し、前記無線基地局装置に接続された端末と通信を行なうことを特徴とする無線基地局装置。
  5. 前記無線基地局装置は、前記端末へ送信するデータをスタックするメモリ部を有し、該メモリ部のキューへのスタック量を監視し、そのスタック量を予め設定された第2の閾値と比較し、スタック量が第2の閾値より多い場合には、無線基地局装置が持つ伝搬路推定回路において、上りの雑音電力と干渉電力との和を測定し、その値を予め設定された第1の閾値と比較した結果によらず、前記全帯域通信モーによる送信を選択することを特徴とする請求項4に記載の無線基地局装置。
  6. 請求項4または5記載の無線基地局装置であって、
    端末毎に割当てるリソースが、予め設定されている優先帯域か否かを判断し、その判定結果および端末の受信信号品質に基づいて送信の際に使う変調符号方式を選択することを特徴とする無線基地局装置。
  7. さらに、再送制御による受信品質の期待値に基づいて、より高い変調符号方式を選択することを特徴とする請求項6に記載の無線基地局装置。
  8. 端末とOFDM変調された無線信号により通信を行なう複数の無線基地局装置を含む無線通信システムにおける無線通信方法であって、
    前記無線基地局装置に接続されるひとつ以上の端末に対して、無線通信システムにおいて使用可能なシステム帯域を全体を使って通信する全帯域通信モードと、前記システム帯域を複数の帯域に分割したうちの少なくともひとつの分割帯域を使って通信を行なう部分帯域通信モードとを有し、
    予め前記複数の無線基地局装置それぞれに対し、前記分割帯域のひとつを優先帯域として割当て、
    前記無線基地局装置のそれぞれは、上り回線の雑音電力と干渉電力との和を測定し、その値を予め設定された第1の閾値と比較した結果によって、前記全帯域通信モードあるいは、前記優先帯域を用いた部分帯域通信モードを選択し、前記無線基地局装置に接続された端末と通信を行なうことを特徴とする無線通信方法。
  9. 前記無線基地局装置のそれぞれは、前記端末へ送信するトラフィック量を監視し、そのトラフィック量を予め設定された第2の閾値と比較し、トラフィック量が第2の閾値より多い場合には、上り回線の雑音電力と干渉電力の測定結果を予め設定された第1の閾値と比較した結果によらず、前記全帯域通信モードによる送信を選択することを特徴とする請求項8に記載の無線通信方法。
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