JP2011180487A - 液晶装置および電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】比較的簡単な構成により高コントラストの画像を表示可能である液晶装置を提供する。
【解決手段】液晶装置15の光学補償部28を構成する第1位相差板15aや第2位相差板15eを、入射側LIにマイクロレンズアレイ(集光基板)が形成された液晶層15cと第2偏光板15dとの間に配置することによって、マイクロレンズアレイで集光されて液晶層15cを透過した後の光LRの光学的な異方性を補償するので、出射光(画像)のコントラストを良好に維持できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶装置およびこれを備えた電子機器に関し、詳しくは、液晶装置のコン
トラストを向上させる技術に関する。
液晶装置は、例えば、電卓や電子辞書、テレビ、デジタルカメラのディスプレイ、カ
ーナビゲーションシステムのモニター、携帯電話やコンピューターのモニター、プロジェ
クターの表示素子など、様々な電子機器のディスプレイとして用いられている。
このような液晶装置は、液晶層の動作モードの違いによりいくつかの種類に分類する
ことができる。例えば、TN(Twisted Nematic)‐LCD、VA(Ve
rtical Alignment Nematic)‐LCD、IPS(In‐Plan
e Switching)‐LCD、OCB(Optically Compensato
ry Bend)‐LCDなどが知られている。これら液晶装置のうち、何れの動作モー
ドの液晶装置が用いられるかは、電子機器の使用環境や必要とする性能に応じて選択され
る。
例えば、垂直配向膜の間にネマティック液晶を封入し、液晶層に電圧を印加しない状
態で液晶分子が略垂直配向するようにつくられる。このVAモードの液晶装置は、液晶層
に電圧を印加していない状態(無電圧状態)で、液晶分子が基板に対して略垂直になるた
め、VAモードの液晶装置を正面視した時の黒色の表示は、液晶層を挟み込むようにクロ
スニコル配置で設けられた偏光板の特性と略一致するため、非常に高いコントラストを実
現できることが知られている。
こうした特徴によって、高いコントラストが要求される液晶装置では、VAモードの
液晶装置が多く採用されている。しかし、このVAモードの液晶装置は、正面視した場合
には非常に良いコントラストが得られるが、他の液晶装置と同様に、斜め方向から観察す
る場合には、コントラストの低下や中間階調色を表示する際に明るさが逆転する階調反転
現象が起きるなど、表示特性が悪化してしまう。こうした課題を改善し、コントラストを
向上させる技術として、例えば、位相差板を液晶ライトバルブに対して傾斜させて配置す
る技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2006−11298号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術のように位相差板を傾斜させて配置する
場合、液晶分子の配向方向に応じて、位相差板を傾斜させる必要がある。この場合、プロ
ジェクタの内部において、例えば空気の循環による冷却効果の観点などによって、位相差
板を傾斜させるための空間が限定されているため、コントラストを高めることが困難にな
る可能性があるという技術的な問題点がある。或いは、この位相差板を傾斜させる機構が
複雑になってしまい、組み立て工程において、位相差板を傾斜させる調整が技術的に困難
となってしまう。
本発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであり、比較的簡単な構成により高コ
ントラストの画像を表示可能である液晶装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、比較的簡単な構成により高コントラストの画像を表示可能な電子機
器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のいくつかの態様は次のような液晶装置を提供し
た。
すなわち、本発明の液晶装置は、それぞれに配向膜を有する一対の基板と、前記一対
の基板間に挟持され、前記配向膜によってプレチルトを付与された液晶分子からなる垂直
配向型の液晶層と、前記液晶層を挟んで配置され、光の入射側を成す第1偏光板および光
の出射側を成す第2偏光板と、前記第1偏光板から入射した光を集光させて前記液晶層に
向けて出射するマイクロレンズアレイと、前記液晶層を透過した光の位相差を低減する光
学補償部と、備え、
前記光学補償部は、一軸性の屈折率異方性を保持すると共に前記一軸性の屈折率異方
性の一軸性光軸が厚さ方向に沿う第1屈折率異方性を保持すると共に、前記第1屈折率異
方性の第1光軸が前記プレチルトによる前記光の特性変化を打ち消す第1方向に傾斜した
第1位相差板、および/または、第2屈折率異方性を保持すると共に、前記第2屈折率異
方性の第2光軸が前記特性変化を打ち消すと共に前記第1方向と異なる第2方向に傾斜し
た第2位相差板を少なくとも有し、前記光学補償部は、前記液晶層と前記第2偏光板との
間に配置されることを特徴とするとする。
このような液晶装置によれば、光学補償部は入射側にマイクロレンズアレイが形成さ
れた液晶層と第2偏光板との間に配置される。こうした光学補償部をマイクロレンズアレ
イの前段側、即ち第1偏光板とマイクロレンズアレイとの間に形成すると、入射光の光学
的な異方性を光学補償部で補償した後に、マイクロレンズアレイで集光して液晶層に入射
させることになる。これによって、光学的な異方性を補償した後の光が集光によってその
特性が損なわれてしまい、液晶装置から出射された光のコントラストが低下してしまう懸
念がある。しかし、本発明の液晶装置のように、光学補償部を構成する第1位相差板や第
2位相差板を、入射側にマイクロレンズアレイが形成された液晶層と第2偏光板との間に
配置することによって、マイクロレンズアレイで集光されて液晶層を透過した後の光の光
学的な異方性を補償するので、出射光のコントラストを良好に維持できる。
また、本発明の液晶装置は、それぞれに配向膜を有する一対の基板と、前記一対の基
板間に挟持され、前記配向膜によってプレチルトを付与された液晶分子からなる垂直配向
型の液晶層と、前記液晶層を挟んで配置され、光の入射側を成す第1偏光板および光の出
射側を成す第2偏光板と、前記第1偏光板から入射した光の位相差を低減する光学補償部
と、備え、
前記光学補償部は、一軸性の屈折率異方性を保持すると共に前記一軸性の屈折率異方
性の一軸性光軸が厚さ方向に沿う第1屈折率異方性を保持すると共に、前記第1屈折率異
方性の第1光軸が前記プレチルトによる前記光の特性変化を打ち消す第1方向に傾斜した
第1位相差板、および/または、第2屈折率異方性を保持すると共に、前記第2屈折率異
方性の第2光軸が前記特性変化を打ち消すと共に前記第1方向と異なる第2方向に傾斜し
た第2位相差板を少なくとも有し、
前記第1偏光板から入射した光を集光手段を介在させずに前記液晶層に入射させ、前
記光学補償部は、前記第1偏光板と前記液晶層との間に配置されることを特徴とする。
液晶層の入射側にマイクロレンズアレイなどの集光手段が形成されていない構成では
、第1偏光板と液晶層との間に、第1位相差板や第2位相差板などからなる光学補償部を
配置することによって、入射光の光学的な異方性を光学補償部で補償した後に、集光手段
等を介さずに液晶層に入射させることで、出射光(画像)のコントラストを良好に維持で
きる。
前記光学補償部は、前記第2位相差板を一対の前記第1位相差板の間に配置すればよ
い。
これにより、出射光のコントラストをより一層高めることが可能になる。
前記光学補償部には防塵機能を付与してもよい。
光学補償と防塵の機能を一体化させることによって、液晶装置の部品点数を減らすこ
とができ、低コストに液晶装置を製造することができる。
前記第1方向と前記第2方向とは、前記プレチルトが付与された液晶分子の長軸方向
を挟む位置関係にあればよい。
これによって、液晶分子の長軸方向と、第1方向に沿って延びる第1屈折率異方性の
第1光軸とが交わる角度を大きくさせることが可能であると共に、液晶分子の長軸方向と
、第2方向に沿って延びる第2屈折率異方性の第2光軸とが交わる角度を大きくさせるこ
とが可能である。そして、液晶分子と、第1及び第2位相差板とによって形成される屈折
率楕円体を三次元的に屈折率球体へ近づけることができるので、液晶分子の光学的な異方
性を光学的な等方性へ向かうようにより適切に補償し、より高コントラストでより高品位
な表示を得ることができる。
前記第1位相差板及び前記第2位相差板のうち少なくとも一方は、前記基板の一面に
対する法線方向を回転軸にして回転可能であればよい。
これにより、少なくとも一方の位相差板を上述した法線方向を回転軸として回転させ
ることで、少なくとも一方の位相差板の屈折率異方性の光軸が傾斜する方向、及び、少な
くとも一方の位相差板の屈折率異方性の光軸が第1基板と交わる角度を調整することで、
液晶パネルの液晶分子の光学的な異方性を容易に且つ高精度に補償することができる。
本発明の電子機器は、前記各項記載の液晶装置を備えたことを特徴とする。
このような電子機器によれば、電子機器を構成する液晶装置がマイクロレンズアレイ
を備えている否かに応じて、光学補償部の形成位置を液晶層と第2偏光板との間、または
第1偏光板と液晶層との間のいずれかにすることによって、出射光、即ち画像のコントラ
ストを高めることが可能になる。
本発明の液晶装置を備えた液晶表示装置(LCD)の一例を示す概略構成図である(第1実施形態)。 本実施形態に係る液晶パネルの全体構成図(図2(a))及び、当該図2(a)のH−H’線に沿う断面構成図(図2(b))である。 本実施形態に係る液晶装置の構成を示す説明図である。 本実施形態に係る図3における各構成部材の光学軸配置を示す図である。 本実施形態に係る第1位相差板を構成する屈折率異方性媒質と、第1位相差板に対応される基板との相対的な位置関係を規定する蒸着方向等を図式的に示した外観斜視図(図5(a))、第2位相差板を構成する屈折率異方性媒質と、第2位相差板に対応される基板との相対的な位置関係を規定する蒸着方向等を図式的に示した外観斜視図(図5(b))並びに第1位相差板を構成する屈折率異方性媒質と第2位相差板を構成する屈折率異方性媒質とを合成した屈折率異方性媒質と基板との相対的な位置関係を図式的に示した外観斜視図(図5(c))である。 本実施形態に係る第1及び第2位相差板を構成する屈折率異方性媒質の光軸と、液晶パネルを構成する液晶分子の光軸との相対的な位置関係を図式的に示した平面図(図6(a))及び立面図(図6(b))である。 本実施形態に係る第1位相差板を構成する屈折率異方性媒質と第2位相差板を構成する屈折率異方性媒質とを合成した屈折率異方性媒質の光学的異方性と、液晶パネルを構成する液晶分子の光学的異方性とが合成されて、光学的等方性が実現される様子を概念的に示した模式図である。 本発明の液晶装置を備えた液晶表示装置の別な一例を示す概略構成図である(第2実施形態)。 図8における液晶パネルの要部拡大断面図である。 本発明の別な実施形態を示す要部拡大断面図である(第3実施形態)。 本発明の別な実施形態を示す要部拡大断面図である(第4実施形態)。 本発明の別な実施形態を示す概略構成図である(第5実施形態)。 本発明の別な実施形態を示す概略構成図である(第6実施形態)。 本発明の別な実施形態を示す概略構成図である(第7実施形態)。 本発明の別な実施形態を示す概略構成図である(第8実施形態)。 本発明の電子機器の一実施形態であるプロジェクターを示す概略構成図である(第9実施形態)。 本発明の実施例の測定条件を示す説明図である。 本発明の実施例の測定結果を示すグラフである(第1実施例)。 本発明の実施例の測定結果を示すグラフである(第2実施例)。 本発明の実施例の測定結果を示すグラフ、表である(第3実施例)。
以下、図面を参照して、本発明に係る液晶装置の一実施形態について説明する。なお
、本実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、
特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。また、以下の説明で用いる図面は
、本発明の特徴をわかりやすくするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示してい
る場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
(第1実施形態)
図1は、本発明の液晶装置を備えた液晶表示装置(LCD)の概要を示す構成図であ
る。
液晶表示装置10は、光源(バックライト)12と、インテグレータ21と、液晶装
置15とを備えている。光源12は、例えば、赤色光、緑色光及び青色光を含む白色光を
供給する発光ダイオード(LED)などから構成されている。インテグレータ21は、光
源12から照射された光の照度分布を均一化させる。
液晶装置15は、光源12からインテグレータ21を介して入射された光、例えば白
色光を画像信号に応じて変調する透過型の液晶装置(電気光学装置)である。液晶装置1
5は、入射側LIから出射側LOに向けて順に、第1偏光板15b、液晶パネル15c、
光学補償部28、及び第2偏光板15dを備えている。更に、光学補償部28は、第1位
相差板15aと第2位相差板15eとから構成されている。
入射側LIから液晶装置15に入射した光LRは、第1偏光板15bを透過して例え
ばs偏光に変換される。液晶パネル15cは、入射したs偏光を画像信号に応じた変調に
よってp偏光(中間調であれば円偏光又は楕円偏光)に変換する。さらに、第2偏光板1
5dは、s偏光を遮断してp偏光を透過させる偏光板である。したがって、液晶装置15
は、画像信号に応じて光LRを変調し、変調した光LRを射出する構成となっている。
次に、液晶装置15について詳述する。
図2は、本実施形態に係る液晶装置の全体構成図(図2(a))及び、この図2(a
)のH−H’線に沿う断面構成図(図2(b))である。また、図3は、本実施形態に係
る液晶装置の構成を示す説明図である。図4は、図3における各構成部材の光学軸配置を
示す図である。
液晶パネル15cは、図2に示すように、互いに対向して配置された対向基板31と
TFTアレイ基板32とを備え、シール材33を介して両者を貼り合わせた構成である。
対向基板31、TFTアレイ基板32、及びシール材33に囲まれた領域内に、液晶層3
4が封入されている。液晶層34は、負の誘電率異方性を有する液晶からなり、本実施形
態の液晶パネル15cでは、図3に示すように、液晶分子51が配向膜43、98の間で
所定の傾き(プレチルト角)を有して垂直配向した構成である。
液晶パネル15cは、TFTアレイ基板32、対向基板31及びシール材33で区画
された領域に封止された液晶層34を有している。液晶パネル15cのうちシール材33
の形成領域の内側には、額縁或いは周辺見切りとなる遮光膜35が形成されている。シー
ル材33の外周側の角部には、TFTアレイ基板32と対向基板31との電気的導通をと
るための基板間導通材57が配設されている。
TFTアレイ基板32のうち平面視でシール材33の形成領域の外側となる領域に、
データ線駆動回路71及び外部回路実装端子75と、2個の走査線駆動回路73とが形成
されている。さらに、TFTアレイ基板32の上記領域には、上記画像表示領域の両側に
設けられた走査線駆動回路73の間を接続するための複数の配線74も形成されている。
データ線駆動回路71及び走査線駆動回路73をTFTアレイ基板32上に形成する代わ
りに、例えば、駆動用LSIが実装されたTAB(TapeAutomatedBonding)基板とTFT
アレイ基板32の周辺部に形成された端子群とを異方性導電膜を介して電気的及び機械的
に接続してもよい。
対向基板31は、図2(b)に示すように、複数のマイクロレンズを平面的に配列さ
せたマイクロレンズアレイ(集光基板)95を備えている。対向基板31は、基板92と
、樹脂層93と、カバーガラス94とを主体として構成されている。
基板92及びカバーガラス94は、ガラス等からなる透明基板であり、石英やホウ珪
酸ガラス、ソーダライムガラス(青板ガラス)、クラウンガラス(白板ガラス)等からな
る基板を用いることもできる。基板92の液晶層34側(図示下面側)には、複数の凹部
(マイクロレンズ)によってなるマイクロレンズアレイ95が形成されている。マイクロ
レンズアレイ95は、液晶層34と反対側から基板92に入射する光を集光して液晶層3
4側に射出する。
樹脂層93は、基板92のマイクロレンズアレイ95上に充填された樹脂材料からな
る層であり、光を透過可能な樹脂材料、例えばアクリル系樹脂等を用いて形成される。樹
脂層93は、基板92の一面側を覆い、マイクロレンズアレイ95の凹状の内部を充填す
るように設けられている。樹脂層93の上面は平坦面とされ、かかる平坦面にカバーガラ
ス94が貼り付けられている。
カバーガラス94の液晶層34側の面には、遮光膜35と、共通電極97と、配向膜
98とが形成されている。遮光膜35は平面視略格子状を成してカバーガラス94上に形
成されている。マイクロレンズアレイ95は、遮光膜35の間に位置して、液晶パネル1
5cの画素領域(画素電極42の形成領域)に平面視で重なる領域にそれぞれ配置されて
いる。配向膜98は液晶層34を構成する液晶分子を基板面に対して略垂直に配向させる
垂直配向膜であり、例えば、斜方蒸着により柱状構造を有して形成されたシリコン酸化物
膜や、配向処理を施されたポリイミド膜等からなるものである。
TFTアレイ基板32は、ガラスや石英等からなる透明の基板41と、基板41の液
晶層34側面に形成された画素電極42と、画素電極を駆動するTFT44と、配向膜4
3とを主体として構成されている。
画素電極42は、例えばITO等の透明導電材料からなる平面視略矩形状の導電膜で
あり、図2(a)に示すように、基板41上に平面視マトリクス状に配列され、平面視で
マイクロレンズアレイ95と重なる領域に形成されている。
TFT44は、図示を簡略化しているが、画素電極42の各々に対応して基板41上
に形成されており、通常は平面視で対向基板31側の遮光膜35と重なる領域(非表示領
域、遮光領域)に配置されている。
画素電極42を覆って形成された配向膜43は、先の配向膜98と同様に、斜方蒸着
により形成されたシリコン酸化物膜等からなる垂直配向膜である。
配向膜43、98は、互いの配向方向(柱状構造物の配向方向)が平面視でほぼ平行
になるように形成されており、液晶層34を構成する液晶分子を基板面に対して所定の傾
きを有してほぼ垂直に配向させるとともに、液晶分子の傾き方向を基板面方向で一様なも
のとするべく機能する。
なお、基板41の液晶層34側の表面のうち平面視でシール材33の形成領域の内側
となる領域には、画素電極42やTFT44を接続するデータ線(図示略)や走査線(図
示略)が形成されている。データ線及び走査線は、平面視で遮光膜35と重なる領域に形
成されている。そして、遮光膜35やTFT44、データ線、走査線によって縁取られた
領域が液晶パネル15cの画素領域とされる。そして、複数の画素領域が平面視マトリク
ス状に配列されて画像表示領域を構成している。
図3に示すように、液晶装置15は、上述した液晶パネル15cと、液晶パネル15
cの対向基板31の外側に配置された第1偏光板15bと、TFTアレイ基板32の外側
に配置された光学補償部28と、光学補償部28の外側に配置された第2偏光板15dと
から構成されている。更に、光学補償部28は、第1位相差板15aと、第1位相差板1
5aの外側に配置された第2位相差板15eとから構成されている。
なお、本実施形態の液晶装置15では、第1偏光板15bが配設された側(図示上側
)が入射側LIであり、第2偏光板15dが配設された側が射出側LOである。液晶パネ
ル15cにおいて、液晶層34を挟持して対向する配向膜43,98は、例えば基板法線
方向から50°程度ずれた斜め方向からシリコン酸化物を蒸着して形成されている。膜厚
はいずれも40nm程度である。図3の配向膜43,98に付した矢印により表される配
向方向43a、98aは、形成時の蒸着方向のうち基板面内の方向に一致している。配向
膜43における配向方向43aと配向膜98における配向方向98aとは互いに平行であ
る。
そして、配向膜43,98の配向規制力により、液晶分子51は基板法線から2°〜
8°程度傾いた状態で配向するとともに、液晶分子51のダイレクタの方向(プレチルト
方向P)が基板面方向で配向方向43a、98aに沿った方向となるように配向している
第1偏光板15b及び第2偏光板15dは、例えば、染色されたPVA(ポリビニル
アルコール)からなる偏光素子151を、TAC(トリアセチルセルロース)からなる2
枚の保護膜152で挟み込んだ三層構造を備えている。図4に示すように、第1偏光板1
5bの透過軸151bと、第2偏光板15dの透過軸151dは直交して配置されている
。これらの偏光板15b、15dの透過軸151b、151dの方向は、液晶パネル15
cの配向膜43の配向方向(蒸着方向)43aに対して平面視で略45°ずれた方向とな
っている。
第1位相差板15aは、第1基板1501aと、一軸性の屈折率異方性を保持する屈
折率異方性媒質255cが垂直蒸着された垂直蒸着膜1501cと、第1屈折率異方性を
保持する屈折率異方性媒質が斜方蒸着された第1蒸着膜1503aと、第3基板1502
aとを備えて構成されている。
図3の第1位相差板15aの第1蒸着膜1503aの側方には、この屈折率異方性媒
質255aの屈折率楕円体における光軸方向の主屈折率が示されている。本実施形態では
、主屈折率nx’、ny’、nz’は、nx’>ny’>nz’なる関係を満たす構成と
されている。すなわち、基板1501a又は基板1502aの法線方向から傾いた方向の
屈折率nx’が他の方向の屈折率ny’、nz’より大きく、屈折率楕円体では米粒型と
なる。
図3の第1位相差板15aの垂直蒸着膜1501cの側方に、垂直蒸着膜1501c
の屈折率異方性媒質255cの平均的な屈折率楕円体を模式的に示している。この図にお
いて、nxc’、nyc’はそれぞれ垂直蒸着膜1501cの面方向の主屈折率を示して
おり、nzc’は垂直蒸着膜1501cの厚さ方向の主屈折率を示している。本実施形態
では、主屈折率nxc’、nyc’、nzc’は、nxc’=nyc’>nzc’なる関
係を満たす構成とされている。すなわち、厚さ方向の屈折率nzc’が他の方向の屈折率
より小さく、屈折率楕円体では円盤型となる。この屈折率異方性媒質255cの屈折率楕
円体は、垂直蒸着膜1501cの板面に対して平行に配向されており、垂直蒸着膜150
1cの光軸方向(屈折率楕円体の短軸方向)は板面法線方向と平行である。
第2位相差板15eは、第2基板1501eと、屈折率異方性を保持する屈折率異方
性媒質255eが斜方蒸着された第2蒸着膜1503eと、第4基板1502eとを備え
て構成されている。図3の第2位相差板15eの側方には、この屈折率異方性媒質255
eの屈折率楕円体における光軸方向の主屈折率が示されている。本実施形態では、主屈折
率nx’’、ny’’、nz’’は、nx’’>ny’’>nz’’なる関係を満たす構
成とされている。すなわち、第2基板1501e又は第4基板1502eの法線方向から
傾いた方向の屈折率nx’’が他の方向の屈折率ny’’、nz’’より大きく、屈折率
楕円体では米粒型となる。
特に、第2位相差板15e(又は第1位相差板15a)の法線方向から見て、第2位
相差板15eの主屈折率nx’’の光軸が傾斜する方向と、上述した第1位相差板15a
の主屈折率nx’の光軸が傾斜する方向とは直交することが好ましい。なお、これら第1
位相差板15a及び第2位相差板15eの詳細については後述する。
具体的には、これら屈折率異方性媒質255a(又は屈折率異方性媒質255e)の
典型例として、二軸プレートを挙げることができる。
ここで、図5〜図7を参照して、本実施形態に係る第1及び第2位相差板の詳細な構
成について説明する。図5は、本実施形態に係る第1位相差板を構成する屈折率異方性媒
質と、第1位相差板に対応される基板との相対的な位置関係を規定する蒸着方向及び蒸着
角度を図式的に示した外観斜視図(図5(a))、第2位相差板を構成する屈折率異方性
媒質と、第2位相差板に対応される基板との相対的な位置関係を規定する蒸着方向及び蒸
着角度を図式的に示した外観斜視図(図5(b))並びに第1位相差板を構成する屈折率
異方性媒質と第2位相差板を構成する屈折率異方性媒質とを合成した屈折率異方性媒質と
基板との相対的な位置関係を図式的に示した外観斜視図(図5(c))である。図6は、
本実施形態に係る第1及び第2位相差板を構成する屈折率異方性媒質の光軸と、液晶パネ
ルを構成する液晶分子の光軸との相対的な位置関係を図式的に示した平面図(図6(a)
)及び立面図(図6(b))である。図7は、本実施形態に係る第1位相差板を構成する
屈折率異方性媒質と第2位相差板を構成する屈折率異方性媒質とを合成した屈折率異方性
媒質の光学的異方性と、液晶パネルを構成する液晶分子の光学的異方性とが合成されて、
光学的等方性が実現される様子を概念的に示した模式図である。
図5(a)に示されるように、第1位相差板15aを構成する垂直蒸着膜1501c
においては、屈折率異方性媒質255cは、上述したように第1基板1501aに垂直蒸
着されている。具体的には、上述したように、垂直蒸着膜1501cの主屈折率nxc’
、nyc’、nzc’は、nxc’=nyc’>nzc’なる関係を満たす構成とされて
いる。
また、第1位相差板15aを構成する屈折率異方性媒質255aは、第1蒸着膜15
03aとして、第1所定方向、即ち、第1蒸着方向に沿って第1基板1501aに斜方蒸
着されている。本実施形態に係る第1蒸着方向は、3時と9時とを結ぶ方向である。これ
により、屈折率異方性媒質255aの主屈折率nx’は、3時と9時とを結ぶ方向に沿っ
て延びている。なお、本実施形態における方向は、時計の短針の方向によって表現する。
具体的には、1時30分の方向とは、図5(a)の第1基板又は第2基板の平面に置いた
時計が1時30分を示す場合における短針の方向を示す。
更に、屈折率異方性媒質255aは、屈折率異方性媒質255aの主屈折率nx’に
対応される光軸が、第1基板1501aの平面方向と第1所定角度、即ち、第1蒸着角度
を有するように斜方蒸着されている。この第1蒸着角度は、基板1501aの法線と屈折
率異方性媒質255aの主屈折率nx’に対応される光軸と間の角度を、90度から差し
引いた値と言い換えることができる。或いは、この第1蒸着角度は、屈折率異方性媒質2
55aの主屈折率nx’に対応される光軸と、第1蒸着方向と間の角度と言い換えること
ができる。
図5(b)に示されるように、第2位相差板15eを構成する屈折率異方性媒質25
5eは、第2蒸着膜1503eとして、第2所定方向、即ち、第2蒸着方向に沿って基板
1501eに斜方蒸着されている。本実施形態に係る第2蒸着方向は、0時と6時とを結
ぶ方向である。これにより、屈折率異方性媒質255eの主屈折率nx’’は、0時と6
時とを結ぶ方向に沿って延びている。
更に、屈折率異方性媒質255eは、屈折率異方性媒質255eの主屈折率nx’’
に対応される光軸が、第2基板1501eの平面方向と第2所定角度、即ち、第2蒸着角
度を有するように斜方蒸着されている。この第2蒸着角度は、第1基板1501eの法線
と屈折率異方性媒質255eの主屈折率nx’’に対応される光軸と間の角度を、90度
から差し引いた値と言い換えることができる。或いは、この第2蒸着角度は、屈折率異方
性媒質255eの主屈折率nx’’に対応される光軸と、第2蒸着方向と間の角度と言い
換えることができる。
図5(c)に示されるように、第1位相差板15aを構成する屈折率異方性媒質と第
2位相差板15eを構成する屈折率異方性媒質とを合成した屈折率異方性媒質255ae
の主屈折率nx’’’は、4時30分と10時30分とを結ぶ方向に沿って延びている。
何故ならば、上述した3時と9時とを結ぶ方向に沿って延びている屈折率異方性媒質25
5aの主屈折率nx’と、上述した0時と6時とを結ぶ方向に沿って延びている屈折率異
方性媒質255eの主屈折率nx’’とが合成されるからである。
更に、第1位相差板15aを構成する垂直蒸着膜1501cによって形成される屈折
率異方性媒質255cの一軸性の光軸が延びる方向、即ち、主屈折率nzc’の方向は、
第1基板1501a又は第1基板1501aの平面の法線方向である。
詳しくは、液晶パネル15cに封入される液晶分子51と、第1位相差板15aを構
成する屈折率異方性媒質255aと、第2位相差板15eを構成する屈折率異方性媒質2
55eとの相対的な位置関係に着目すると、図6(a)に示されるように、第1基板15
01a(又は第2基板1501e)の法線方向から平面的に見て、第1位相差板15aの
基板1501aに斜方蒸着された屈折率異方性媒質255aの主屈折率nx’の光軸が延
びる方向と、プレチルトが付与された液晶分子の長軸方向とは、例えば45度付近の角度
で交わる位置関係にある。
また、第2基板1501e(又は第1基板1501a)の法線方向から平面的に見て
、第2位相差板15eの基板1501eに斜方蒸着された屈折率異方性媒質255eの主
屈折率nx’’の光軸が延びる方向と、プレチルトが付与された液晶分子の長軸方向とは
例えば45度付近の角度で交わる位置関係にある。
なお、図6(a)において、プレチルトが付与された液晶分子の長軸方向は、所謂、
明視方向の1時30分の方向である。また、液晶分子の長軸方向は、液晶分子の長軸の2
つの頂点のうち光が入射される側に近い方の軸の頂点が向いている方向を意味する。
図6(b)に示されるように、第1基板1501aの垂直平面方向から立面的に見て
、屈折率異方性媒質255aの主屈折率nx’の光軸が、第1基板1501aの平面と第
1所定角度、即ち、第1蒸着角度(不図示)で交わる。加えて、第2基板1501eの垂
直平面方向から立面的に見て、屈折率異方性媒質255eの主屈折率nx’’の光軸が、
第2基板1501eの平面と第2所定角度、即ち、第2蒸着角度(図示)で交わる。
即ち、屈折率異方性媒質255aの主屈折率nx’の光軸と、屈折率異方性媒質25
5eの主屈折率nx’’の光軸とは、ねじれの位置関係にあってよい。或いは、屈折率異
方性媒質255aの主屈折率nx’の光軸と、液晶分子の長軸方向とは、ねじれの位置関
係にあってよい。或いは、屈折率異方性媒質255eの主屈折率nx’’の光軸とは、液
晶分子の長軸方向とは、ねじれの位置関係にあってよい。尚、これらの第1蒸着角度又は
第2蒸着角度は、90度から液晶分子のプレチルトの角度を差し引いた角度よりも小さく
なってよい。
これにより、第1位相差板15aの光軸、即ち、屈折率異方性媒質255aの主屈折
率nx’の光軸が延びる方向が、プレチルトの角度だけ傾斜した液晶分子51の長軸方向
に交わるので、第1基板1501aの平面方向及び垂直平面方向において、第1位相差板
15aの光軸が液晶分子51の光学的な異方性を光学的な等方性へ向かうように補償する
また、第2位相差板15eの光軸、即ち、屈折率異方性媒質255eの主屈折率nx
’’の光軸が延びる方向が、プレチルトの角度だけ傾斜した液晶分子51の長軸方向に交
わるので、第2基板1501eの平面方向及び垂直平面方向において、第2位相差板15
eの光軸が液晶分子51の光学的な異方性を光学的な等方性へ向かうように補償する。
より具体的には、図7に示されるように、液晶分子51によって形成される屈折率楕
円体の長軸と、第1位相差板15aを構成する屈折率異方性媒質と第2位相差板15eを
構成する屈折率異方性媒質とを合成した屈折率異方性媒質255aeによって形成される
屈折率楕円体の長軸とが交わるので、液晶分子と、第1及び第2位相差板とによって形成
される屈折率楕円体を三次元的に屈折率球体へ近づけることができる。
なお、第1位相差板15aを構成する屈折率異方性媒質と第2位相差板15eを構成
する屈折率異方性媒質とを合成した屈折率異方性媒質255aeによって、所謂、Oプレ
ートが近似的に実現されていることを付記しておく。ここで言うOプレート(2軸性複屈
折体)は、2軸性の複屈折体であり、第2位相差板15eはOプレートを含むものである
また、上述した第1位相差板15aを構成する垂直蒸着膜1501cの一軸性の光軸
(即ち、本発明に係る一軸性光軸の一具体例)、言い換えると、屈折率異方性媒質255
cの主屈折率nxc’(又は主屈折率nyc’)の光軸が延びる方向、即ち、垂直蒸着膜
1501cの平面方向が、プレチルトの角度だけ傾斜した液晶分子51の長軸方向に交わ
る。これにより、液晶分子51と、垂直蒸着膜1501cと、第1蒸着膜1503aと、
第2蒸着膜1503eとの四者によって形成される屈折率楕円体を三次元的に屈折率球体
へ近づけることができる。
従って、第1位相差板15a及び第2位相差板15eによって液晶において生じる位
相差(言い換えれば、複屈折効果)を打ち消す(即ち、補償する)ことができる。この結
果、液晶装置の動作時に、光源から出射された光が例えばプレチルト角だけ傾斜した液晶
分子から構成された液晶を通過することで発生する光の位相差を、第1位相差板15a及
び第2位相差板15eによって補償することができる。
よって、液晶パネルを通過した光が出射側の偏光板に対し、位相がずれた状態で入射
するのを防止することができる。この結果、例えば出射側の偏光板において、本来通過さ
せないはずの光が漏れる可能性は小さくなり、コントラストの低下や視野角の縮小を防止
することができる。
なお、上述した実施形態では、光学補償部28は、光の入射側から順に第1位相差板
15a、第2位相差板15eの2枚の位相差板で構成しているが、光学補償部28はこれ
に限定されるものではない。例えば、光学補償部を第2位相差板15eだけから構成した
り、第2位相差板15eを2枚設けたり、あるいは第2位相差板15eを2枚と第1位相
差板15aを1枚など、任意の構成(組み合わせ)をとることができる。
ここで、例えば液晶装置15において、これらの第1位相差板15a及び第2位相差
板15eが備えられない場合、液晶パネル15cに封入された液晶層34は、光学的に正
の一軸性を示すもので、液晶分子51のダイレクタ方向の屈折率が他の方向の屈折率より
大きくなっている。すなわち液晶層34は、上述した図3に平均的な屈折率楕円体250
aを示すように、ラグビーボール型の屈折率楕円体を有するものとなっている。ここで、
液晶層34の液晶分子51はプレチルト方向Pに沿って斜めに配向しており、黒表示の際
に残留位相差を生じ、また斜め方向から観察したときの楕円形状が異なるために視角依存
の位相差を有する。この位相差が黒表示における光漏れの原因となり、液晶パネルのコン
トラスト比を低下させることになる。
第1位相差板15aの光軸は、屈折率異方性媒質255aの蒸着によって、液晶分子
51の光学的な異方性を補償するように、第1所定方向、いわゆる、第1蒸着方向に向か
って、第1基板1501aと第1所定角度、所謂、第1蒸着角度で交わる。従って、第1
位相差板15aを構成する屈折率異方性媒質255aが蒸着される第1蒸着方向及び第1
蒸着角度を調整することで、液晶パネルの液晶分子51の光学的な異方性を容易に且つ高
精度に補償することができる。
また、第2位相差板15eの光軸は、屈折率異方性媒質255eの蒸着によって、液
晶分子51の光学的な異方性を補償するように、第2所定方向、所謂、第2蒸着方向に向
かって、第2基板1501eと第2所定角度、所謂、第2蒸着角度で交わる。従って、第
2位相差板15eを構成する屈折率異方性媒質255eが蒸着される第2蒸着方向及び第
2蒸着角度を調整することで、液晶パネルの液晶分子51の光学的な異方性を容易に且つ
高精度に補償することができる。
そして、第1位相差板15aを構成する垂直蒸着膜1501cの光軸の短軸及び長軸
は、液晶分子51の光学的な異方性を補償するように、基板1501aに垂直蒸着してい
る。従って、第1位相差板15aを構成する垂直蒸着膜1501cの一軸性光軸の主屈折
率を調整することで、液晶パネルの液晶分子51の光学的な異方性を容易に且つ高精度に
補償することができる。
特に、上述した屈折率異方性媒質255c、屈折率異方性媒質255a、及び屈折率
異方性媒質255eという3種類の屈折率異方性媒質が個別に夫々が、液晶分子の光学的
な異方性を補償することで、その補償の効果を顕著に向上させることができる。典型的に
は、上述した3つのパラメータ、即ち、屈折率異方性媒質255cにおける一軸性光軸の
主屈折率、屈折率異方性媒質255aにおける第1蒸着方向及び第1蒸着角度、並びに、
屈折率異方性媒質255eにおける第2蒸着方向及び第2蒸着角度というより多くの物理
量を調整することで、液晶分子の光学的な異方性をより高精度に補償することができる。
また、液晶パネルの液晶分子51の光学的な異方性を補償するために、第1位相差板
15a及び第2位相差板15eを傾斜させる必要が殆ど又は完全にないので、組み立て工
程において、第1位相差板15a及び第2位相差板15eを傾斜させる調整工程を省略す
ることができ、簡便且つ低コストに、液晶分子の光学的な異方性を補償し、コントラスト
を高めることができる。
本発明の液晶装置15によれば、光学補償部28は入射側にマイクロレンズアレイ(
集光基板)95が形成された液晶層34と第2偏光板15dとの間に配置される。こうし
た光学補償部をマイクロレンズアレイ95の前段側、即ち第1偏光板15bとマイクロレ
ンズアレイ95との間に形成すると、光源からの入射光の光学的な異方性を光学補償部で
補償した後に、マイクロレンズアレイ95で集光して液晶層34に入射させることになる
。これによって、光学的な異方性を補償した後の光が集光によってその特性が損なわれて
しまい、液晶装置15から出射された光(画像)のコントラストが低下してしまう懸念が
ある。
しかし、本発明の液晶装置15のように、光学補償部28を構成する第1位相差板1
5aや第2位相差板15eを、入射側にマイクロレンズアレイ(集光基板)95が形成さ
れた液晶層34と第2偏光板15dとの間に配置することによって、マイクロレンズアレ
イ95で集光されて液晶層34を透過した後の光の光学的な異方性を補償するので、出射
光(画像)のコントラストを良好に維持できる。
(第2実施形態)
図8は、本発明の液晶装置を備えた液晶表示装置(LCD)の概要を示す構成図であ
る。なお、以下の説明においては、第1実施形態と同様の構成には同一の番号を附し、重
複した説明を省略する。
液晶表示装置60は、光源12と、インテグレータ21と、液晶装置65とを備えて
いる。液晶装置65は、入射側LIから出射側LOに向けて順に、第1偏光板15b、光
学補償部28、液晶パネル65c、及び第2偏光板15dを備えている。光学補償部28
は、第1位相差板15aと第2位相差板15eとから構成されている。
図9に示すように、液晶パネル65cは、互いに対向して配置された対向基板61と
TFTアレイ基板32とを備え、シール材33を介して両者を貼り合わせた構成である。
対向基板61、TFTアレイ基板32、及びシール材33に囲まれた領域内に、液晶層3
4が封入されている。
対向基板61は、カバーガラス94を成し、例えば、ガラス等からなる透明基板であ
る。こうした対向基板61は、入射側LI、即ち第1偏光板15bから入射した光を集光
手段を介在させずに液晶層34に入射させる。つまり、対向基板61には、光を集光させ
るためのマイクロレンズアレイなどの集光手段は形成されておらず、単に光を平行に透過
させるカバーガラス94のみから構成されている。
そして、本実施形態のように、液晶層34の入射側にマイクロレンズアレイなどの集
光手段が形成されていない構成では、第1偏光板15bと液晶層34との間に、第1位相
差板15a、第2位相差板15eの順で光学補償部28が配置される。
これによって、光源12からの入射光の光学的な異方性を光学補償部28で補償した
後に、集光手段等を介さずに液晶層34に入射させることで、出射光(画像)のコントラ
ストを良好に維持できる。
(第3実施形態)
図10は、本発明の液晶装置を構成する液晶パネルを示す要部拡大断面図である。
この実施形態では、液晶パネル75cは、互いに対向して配置された対向基板31と
TFTアレイ基板32とを備え、シール材33を介して両者を貼り合わせた構成である。
対向基板31、TFTアレイ基板32、及びシール材33に囲まれた領域内に、液晶層3
4が封入されている。
対向基板31は、複数のマイクロレンズを平面的に配列させたマイクロレンズアレイ
(集光基板)95を備えている。対向基板31は、基板92と、樹脂層93と、カバーガ
ラス94とを主体として構成されている。
そして、対向基板31の表面、即ち入射側には、防塵ガラス76が形成されている。
こうした防塵ガラス76は、入射側から液晶層34に向けて微細なコンタミネーション等
が侵入することを防止するものである。
基板92の液晶層34側(図示下面側)には、複数の凹部(マイクロレンズ)によっ
てなるマイクロレンズアレイ95が形成されている。マイクロレンズアレイ95は、液晶
層34と反対側から基板92に入射する光を集光して液晶層34側に射出する。
TFTアレイ基板32の下面、即ち出射側には、光学補償付き防塵ガラス77が形成
されている。この光学補償付き防塵ガラス77は、防塵ガラスと一体に、第1実施形態で
詳細に説明した第1位相差板15aや第2位相差板15eなどの光学補償部28の機能を
搭載したものである。光学補償付き防塵ガラス77は、例えば、防塵ガラスに無機物を斜
方蒸着することによって形成できる。
こうした光学補償付き防塵ガラス77は、液晶層34の入射側LIにマイクロレンズ
アレイ95が形成されている構成では、液晶層34の出射側に配置される。これによって
、マイクロレンズアレイ95で集光されて液晶層34を透過した後の光の光学的な異方性
を補償するので、出射光(画像)のコントラストを良好に維持できる。
また、出射側からTFTアレイ基板32に向けて微細なコンタミネーション等が侵入
することを防止する。そして、光学補償部と防塵ガラスとの機能を一体化させた光学補償
付き防塵ガラス77を用いることによって、液晶パネル75cの部品点数を減らすことが
でき、低コストに液晶装置を製造することができる。
(第4実施形態)
図11は、本発明の液晶装置を構成する液晶パネルを示す要部拡大断面図である。
この実施形態では、液晶パネル85cは、互いに対向して配置された対向基板31と
TFTアレイ基板32とを備え、シール材33を介して両者を貼り合わせた構成である。
対向基板31、TFTアレイ基板32、及びシール材33に囲まれた領域内に、液晶層3
4が封入されている。
対向基板61は、カバーガラス94を成し、例えば、ガラス等からなる透明基板であ
る。こうした対向基板61は、入射側から入射した光を集光させることなく液晶層34に
入射させる。つまり、対向基板61には、光を集光させるためのマイクロレンズアレイな
どは形成されておらず、単に光を平行に透過させるカバーガラス94のみから構成されて
いる。
そして、対向基板61の表面、即ち入射側には、光学補償付き防塵ガラス77が形成
されている。この光学補償付き防塵ガラス77は、防塵ガラスと一体に、第1実施形態で
詳細に説明した第1位相差板15aや第2位相差板15eなどの光学補償部28の機能を
搭載したものである。光学補償付き防塵ガラス77は、例えば、防塵ガラスに無機物を斜
方蒸着することによって形成できる。
また、TFTアレイ基板32の下面、即ち出射側には、防塵ガラス76が形成されて
いる。こうした防塵ガラス76は、出射側からTFTアレイ基板32に向けて微細なコン
タミネーション等が侵入することを防止するものである。
この実施形態のように、光学補償付き防塵ガラス77は、液晶層34の入射側LIに
マイクロレンズアレイなどの集光手段が形成されていない構成では、液晶層34の前段側
(入射側)に配置される。これによって、光源からの入射光の光学的な異方性を光学補償
付き防塵ガラス77で補償した後に、集光手段等を介さずに液晶層34に入射させること
で、出射光(画像)のコントラストを良好に維持できる。
(第5実施形態)
図12は、本発明の液晶装置を示す概略構成図である。
この実施形態の液晶装置105は、光LRの入射側LIから出射側LOに向けて順に
、第1偏光板15b、液晶パネル15c、光学補償部108、及び第2偏光板15dを備
えている。更に、光学補償部108は、一対の第2位相差板15e,15eの間に第1位
相差板15aを設けてなる。また、液晶パネル15cを構成する液晶層34の入射側には
、マイクロレンズアレイ95が形成されている。
このように、液晶層34の入射側にマイクロレンズアレイ95が形成されている場合
には、光学補償部108は液晶層34と第2偏光板15dとの間に配置される。そして、
光学補償部108が2枚の第2位相差板15e,15eと1枚の第1位相差板15aとか
ら構成されるときには、2枚の第2位相差板15e,15eの間に1枚の第1位相差板1
5aを配置することによって、出射光(画像)のコントラストを良好にすることができる

(第6実施形態)
図13は、本発明の液晶装置を示す概略構成図である。
この実施形態の液晶装置115は、光LRの入射側LIから出射側LOに向けて順に
、第1偏光板15b、光学補償部108、液晶パネル15c、及び第2偏光板15dを備
えている。更に、光学補償部108は、一対の第2位相差板15e,15eの間に第1位
相差板15aを設けてなる。また、液晶パネル15cを構成する液晶層34の入射側には
、単にカバーガラスが形成されているだけであり、マイクロレンズアレイ等の集光手段は
持たない構成である。
このように、液晶層34の入射側にマイクロレンズアレイ等の集光手段が形成されな
い場合には、光学補償部108は第1偏光板15bと液晶層34との間に配置される。そ
して、光学補償部108が2枚の第2位相差板15e,15eと1枚の第1位相差板15
aとから構成されるときには、2枚の第2位相差板15e,15eの間に1枚の第1位相
差板15aを配置することによって、出射光(画像)のコントラストを良好にすることが
できる。
(第7実施形態)
図14は、本発明の液晶装置を示す概略構成図である。
この実施形態の液晶装置125は、光LRの入射側LIから出射側LOに向けて順に
、第1偏光板15b、液晶パネル125c、光学補償ユニット128、及び第2偏光板1
5dを備えている。光学補償ユニット128は、第1位相差板15aと第2位相差板15
eとが一体になった第1光学補償部128aと、第2位相差板15eからなる第2光学補
償部128bとから構成されてなる。また、液晶パネル125cを構成する液晶層34の
入射側には、マイクロレンズアレイ95が形成されている。
こうした構成の液晶装置125では、第1光学補償部128aを成す第1位相差板1
5aに対面する位置に、第2位相差板15eからなる第2光学補償部128bを配置する
。例えば、図14(a)のように、光学補償ユニット128の入射側に、第1位相差板1
5aが出射側となるように第1光学補償部128aを配置して、この後段に第2光学補償
部128bを配置する。また、例えば、図14(b)のように、第2光学補償部128b
を光学補償ユニット128の入射側に配置して、この後段に第1位相差板15aが入射側
となるように第1光学補償部128aを配置する。そして、これら第1光学補償部128
aや第2光学補償部128bからなる光学補償ユニット128が液晶層34と第2偏光板
15dとの間に配置される。こうした構成をとることによって、出射光(画像)のコント
ラストを良好にすることができる。
(第8実施形態)
図15は、本発明の液晶装置を示す概略構成図である。
この実施形態の液晶装置135は、光LRの入射側LIから出射側LOに向けて順に
、第1偏光板15b、光学補償ユニット128、液晶パネル135c、及び第2偏光板1
5dを備えている。光学補償ユニット128は、第1位相差板15aと第2位相差板15
eとが一体になった第1光学補償部128aと、第2位相差板15eからなる第2光学補
償部128bとから構成されてなる。また、液晶パネル135cを構成する液晶層34の
入射側には、単にカバーガラスが形成されているだけであり、マイクロレンズアレイ等の
集光手段は持たない構成である。
こうした構成の液晶装置135では、第1光学補償部128aを成す第1位相差板1
5aに対面する位置に、第2位相差板15eからなる第2光学補償部128bを配置する
。例えば、図15(a)のように、光学補償ユニット128の入射側に、第1位相差板1
5aが出射側となるように第1光学補償部128aを配置して、この後段に第2光学補償
部128bを配置する。また、図15(b)のように、第2光学補償部128bを光学補
償ユニット128の入射側に配置して、この後段に第1位相差板15aが入射側となるよ
うに第1光学補償部128aを配置する。そして、これら第1光学補償部128aや第2
光学補償部128bからなる光学補償ユニット128が第1偏光板15bと液晶層34と
の間に配置される。こうした構成をとることによって、出射光(画像)のコントラストを
良好にすることができる。
(第9実施形態)
次に、本発明の液晶装置を備えた電子機器の一実施形態として、本発明の液晶装置を
備えた液晶プロジェクタについて説明する。
図16は、本発明の電子機器の一実施形態であるプロジェクターを示す概略構成図で
ある。
プロジェクター210は、前方に設けられたスクリーン211に映像を投射する前方
投影型のプロジェクタである。プロジェクター210は、光源212と、ダイクロイック
ミラー213、214と、本発明の液晶装置を成す液晶ライトバルブ(液晶装置)215
〜217と、投射光学系218と、クロスダイクロイックプリズム219と、リレー系2
0とを備えている。
光源212は、例えば、赤色光、緑色光及び青色光を含む光を供給する超高圧水銀ラ
ンプで構成されていればよい。ダイクロイックミラー213は、光源212からの赤色光
LRを透過させるとともに緑色光LG及び青色光LBを反射する構成となっている。また
、ダイクロイックミラー214は、ダイクロイックミラー213で反射された緑色光LG
及び青色光LBのうち青色光LBを透過させるとともに緑色光LGを反射する構成となっ
ている。
このように、ダイクロイックミラー213、214は、光源212から射出された光
を赤色光LRと緑色光LGと青色光LBとに分離する色分離光学系を構成する。ダイクロ
イックミラー213と光源212との間には、インテグレータ221及び偏光変換素子2
22が光源212から順に配置されている。インテグレータ221は、光源212から照
射された光の照度分布を均一化する。偏光変換素子222は、光源212からの光を例え
ばs偏光のような特定の振動方向を有する偏光に変換する。
本発明の液晶装置の一例である液晶ライトバルブ(液晶装置)215は、ダイクロイ
ックミラー213を透過して反射ミラー223で反射した赤色光LRを画像信号に応じて
変調する透過型の液晶装置(電気光学装置)である。液晶ライトバルブ215は、第1の
偏光板215b、液晶パネル215c、第1位相差板215a(第1実施形態の第1位相
差板15aに相当)、第2位相差板215e(第1実施形態の第2位相差板15eに相当
)、及び第2の偏光板215dを備えている。
ここで、液晶ライトバルブ(液晶装置)215に入射した赤色光LRは、第1の偏光
板215bを透過して例えばs偏光に変換される。液晶パネル215cは、入射したs偏
光を画像信号に応じた変調によってp偏光(中間調であれば円偏光又は楕円偏光)に変換
する。さらに、第2の偏光板215dは、s偏光を遮断してp偏光を透過させる偏光板で
ある。したがって、液晶ライトバルブ215は、画像信号に応じて赤色光LRを変調し、
変調した赤色光LRをクロスダイクロイックプリズム219に向けて射出する構成となっ
ている。液晶パネル215cには、マイクロレンズアレイ295が形成されている。
この実施形態においても、液晶パネル215cがマイクロレンズアレイ295を備え
ているため、第1位相差板215aや第2位相差板215eからなる光学補償部228は
、液晶パネル215cを構成する液晶層234と、第2の偏光板215dとの間に配置さ
れる。
液晶ライトバルブ(液晶装置)216は、ダイクロイックミラー213で反射した後
にダイクロイックミラー214で反射した緑色光LGを、画像信号に応じて緑色光LGを
変調し、変調した緑色光LGをクロスダイクロイックプリズム219に向けて射出する透
過型の液晶装置である。液晶ライトバルブ216は、液晶ライトバルブ215と同様に、
第1の偏光板216b、液晶パネル216c、第1位相差板216a、第2位相差板21
6e、及び第2の偏光板216dを備えている。液晶パネル216cには、マイクロレン
ズアレイ295が形成されている。そして、液晶パネル216cがマイクロレンズアレイ
295を備えているため、第1位相差板216aや第2位相差板216eからなる光学補
償部228は、液晶パネル216cを構成する液晶層234と、第2の偏光板216dと
の間に配置される。
液晶ライトバルブ217は、ダイクロイックミラー213で反射し、ダイクロイック
ミラー214を透過した後でリレー系220を経た青色光LBを画像信号に応じて変調し
、変調した青色光LBをクロスダイクロイックプリズム219に向けて射出する透過型の
液晶装置である。液晶ライトバルブ217は、液晶ライトバルブ215、216と同様に
、第1の偏光板217b、液晶パネル217c、第1位相差板217a、及び第2位相差
板217e、第2の偏光板217dを備えている。液晶パネル217cには、マイクロレ
ンズアレイ295が形成されている。そして、液晶パネル217cがマイクロレンズアレ
イ295を備えているため、第1位相差板217aや第2位相差板217eからなる光学
補償部228は、液晶パネル217cを構成する液晶層234と、第2の偏光板217d
との間に配置される。
リレー系220は、リレーレンズ224a、224bと反射ミラー225a、225
bとを備えている。リレーレンズ224a、224bは、青色光LBの光路が長いことに
よる光損失を防止するために設けられている。リレーレンズ224aは、ダイクロイック
ミラー214と反射ミラー225aとの間に配置されている。
リレーレンズ224bは、反射ミラー225a、225bの間に配置されている。反
射ミラー225aは、ダイクロイックミラー214を透過してリレーレンズ224aから
出射した青色光LBをリレーレンズ224bに向けて反射するように配置されている。反
射ミラー225bは、リレーレンズ224bから出射した青色光LBを液晶ライトバルブ
217に向けて反射するように配置されている。
クロスダイクロイックプリズム219は、2つのダイクロイック膜219a、219
bをX字型に直交配置した色合成光学系である。ダイクロイック膜219aは青色光LB
を反射して緑色光LGを透過する。ダイクロイック膜219bは赤色光LRを反射して緑
色光LGを透過する。
したがって、クロスダイクロイックプリズム219は、液晶ライトバルブ215〜2
17のそれぞれで変調された赤色光LRと緑色光LGと青色光LBとを合成し、投射光学
系218に向けて射出するように構成されている。投射光学系218は、投影レンズ(図
示略)を有しており、クロスダイクロイックプリズム219で合成された光をスクリーン
211に投射するように構成されている。
なお、赤色用及び青色用の液晶ライトバルブ(液晶装置)215,217にλ/2位
相差板を設け、これらの液晶ライトバルブ215,217からクロスダイクロイックプリ
ズム219に入射する光をs偏光とし、液晶ライトバルブ216にはλ/2位相差板を設
けない構成として液晶ライトバルブ216からクロスダイクロイックプリズム219に入
射する光をp偏光とする構成も採用できる。
クロスダイクロイックプリズム219に入射する光を異なる種類の偏光とすることで
、ダイクロイック膜219a、219bの反射特性を考慮して最適化された色合成光学系
を構成できる。一般に、ダイクロイック膜219a、219bはs偏光の反射特性に優れ
ているので、上述したようにダイクロイック膜219a、219bで反射される赤色光L
R及び青色光LBをs偏光とし、ダイクロイック膜219a、219bを透過する緑色光
LGをp偏光とするとよい。
こうした本発明の液晶装置を備えた電子機器の一例であるプロジェクター210にお
いても、液晶ライトバルブ(液晶装置)215〜217を構成する液晶パネル215c〜
217cにマイクロレンズアレイ295が形成されている時には、液晶層234と第2の
偏光板215d〜217dとの間に光学補償部228を配置することによって、スクリー
ン211に高コントラストの画像を投射することができる。
本発明の効果を検証するため、以下に示す条件で液晶装置のコントラストを測定した

<測定条件>
光学系は3LCDプロジェクターを一軸投影機に改造したものを用いた。
一軸投影機のFno.:照明Fno.2.5 投射Fno.1.5
光源は256W
測定波長はG光
表示素子のサイズは0.8”、アスペクト比は4:3、画素数は1024×768(
XGA)
<コントラストの測定方法>
照度計で9点を照度測定する。
測定ポイントはANSIルーメン計測とする。
投射サイズは40インチ(60cm×80cm)とする。
全白(5V)、全黒(0V)の照度を測定する。
全白/全黒=コントラストとする。
なお、投射サイズと測定点については図17を参照。
(実施例1)
まず、第1実施形態(マイクロレンズアレイ有:グラフ中ではMありと表記)、およ
び第2実施形態(マイクロレンズアレイ無:グラフ中ではMなしと表記)において、光学
補償部を入射配置(第1偏光板と液晶層との間に配置)または出射配置(液晶層と第2偏
光板との間に配置)にした場合の、それぞれのコントラストを測定した。この実施例1の
測定結果を図18に示す。
図18に示す結果によれば、マイクロレンズアレイを形成した場合(Mあり)には、
光学補償部を出射配置(液晶層と第2偏光板との間に配置)にすることで、入射配置した
場合よりも高いコントラストが得られることが確認された。
また、マイクロレンズアレイを形成しない場合(Mなし)には、光学補償部を入射配
置(第1偏光板と液晶層との間に配置)することで、出射配置した場合よりも高いコント
ラストが得られることが確認された。
(実施例2)
次に、第5実施形態(マイクロレンズアレイ有:グラフ中ではMありと表記)、およ
び第6実施形態(マイクロレンズアレイ無:グラフ中ではMなしと表記)において、1枚
の第1位相差板(グラフ中では1軸と表記)と、2枚の第2位相差板(グラフ中では2軸
と表記)によって光学補償部を構成した時の、第1位相差板と第2位相差板との配列の違
いによる、それぞれのコントラストを測定した。なお、グラフ中では入射側から順に配置
を列記している。この実施例2の測定結果を図19に示す。
図19に示す結果によれば、マイクロレンズアレイを形成した場合(Mあり)、およ
びマイクロレンズアレイを形成しない場合(Mなし)のいずれも、2枚の第2位相差板の
間に第1位相差板を配置する構成が、他の組み合わせよりも高いコントラストが得られる
ことが確認された。また、全般的にマイクロレンズアレイを形成した場合(Mあり)のほ
うが、マイクロレンズアレイを形成しない場合(Mなし)よりも、高いコントラストが得
られることが確認された。
(実施例3)
次に、マイクロレンズアレイを形成した場合(Mあり)、およびマイクロレンズアレ
イを形成しない場合(Mなし)において、位相差板の一例であるOプレートとCプレート
の組み合わせによるコントラストを、入射側(第1偏光板と液晶層との間)配置または出
射側(液晶層と第2偏光板との間)配置のそれぞれで測定した。この実施例2の測定結果
を図20に示す。
図20に示す結果によれば、Oプレート単独、複数のOプレート、およびOプレート
とCプレートの組み合わせのいずれにおいても、マイクロレンズアレイを形成した場合(
Mあり)には、これら光学補償部を出射側(液晶層と第2偏光板との間)配置することで
、入射側配置の場合よりも高いコントラストが得られることが確認された。
また、マイクロレンズアレイを形成しない場合(Mなし)には、これら光学補償部を
入射側(第1偏光板と液晶層との間)配置することで、出射側配置した場合よりも高いコ
ントラストが得られることが確認された。
さらに、OプレートやCプレートなどの光学補償部をより多く(多数枚)組み合わせ
るほど、コントラストが高くなる傾向がみられた。
15…液晶装置、15a…第1位相差板、15b…第1偏光板、15c…液晶パネル
、15d…第2偏光板、15e…第2位相差板、28…光学補償部、34…液晶層。

Claims (7)

  1. それぞれに配向膜を有する一対の基板と、
    前記一対の基板間に挟持され、前記配向膜によってプレチルトを付与された液晶分子
    からなる垂直配向型の液晶層と、
    前記液晶層を挟んで配置され、光の入射側を成す第1偏光板および光の出射側を成す
    第2偏光板と、
    前記第1偏光板から入射した光を集光させて前記液晶層に向けて出射するマイクロレ
    ンズアレイと、
    前記液晶層を透過した光の位相差を低減する光学補償部と、備え、
    前記光学補償部は、一軸性の屈折率異方性を保持すると共に前記一軸性の屈折率異方
    性の一軸性光軸が厚さ方向に沿う第1屈折率異方性を保持すると共に、前記第1屈折率異
    方性の第1光軸が前記プレチルトによる前記光の特性変化を打ち消す第1方向に傾斜した
    第1位相差板、
    および/または、第2屈折率異方性を保持すると共に、前記第2屈折率異方性の第2
    光軸が前記特性変化を打ち消すと共に前記第1方向と異なる第2方向に傾斜した第2位相
    差板を少なくとも有し、
    前記光学補償部は、前記液晶層と前記第2偏光板との間に配置されることを特徴とす
    る液晶装置。
  2. それぞれに配向膜を有する一対の基板と、
    前記一対の基板間に挟持され、前記配向膜によってプレチルトを付与された液晶分子
    からなる垂直配向型の液晶層と、
    前記液晶層を挟んで配置され、光の入射側を成す第1偏光板および光の出射側を成す
    第2偏光板と、
    前記第1偏光板から入射した光の位相差を低減する光学補償部と、備え、
    前記光学補償部は、一軸性の屈折率異方性を保持すると共に前記一軸性の屈折率異方
    性の一軸性光軸が厚さ方向に沿う第1屈折率異方性を保持すると共に、前記第1屈折率異
    方性の第1光軸が前記プレチルトによる前記光の特性変化を打ち消す第1方向に傾斜した
    第1位相差板、
    および/または、第2屈折率異方性を保持すると共に、前記第2屈折率異方性の第2
    光軸が前記特性変化を打ち消すと共に前記第1方向と異なる第2方向に傾斜した第2位相
    差板を少なくとも有し、
    前記第1偏光板から入射した光を集光手段を介在させずに前記液晶層に入射させ、
    前記光学補償部は、前記第1偏光板と前記液晶層との間に配置されることを特徴とす
    る液晶装置。
  3. 前記光学補償部は、前記第2位相差板を一対の前記第1位相差板の間に配置してなる
    ことを特徴とする請求項1または2記載の液晶装置。
  4. 前記光学補償部には防塵機能を付与してなることを特徴とする請求項1ないし3いず
    れか1項記載の液晶装置。
  5. 前記第1方向と前記第2方向とは、前記プレチルトが付与された液晶分子の長軸方向
    を挟む位置関係にあることを特徴とする請求項1ないし4いずれか1項記載の液晶装置。
  6. 前記第1位相差板及び前記第2位相差板のうち少なくとも一方は、前記基板の一面に
    対する法線方向を回転軸にして回転可能であることを特徴とする請求項1ないし5いずれ
    か1項記載の液晶装置。
  7. 前記請求項1ないし6のいずれか一項記載の液晶装置を備えたことを特徴とする電子
    機器。
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