JP2011178766A - 水中油型乳化組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】保湿性に優れ、結晶析出が抑制され、保存安定性も良好な水中油型乳化組成物を提供する。
【解決手段】次の成分(A)〜(E)を含有し、かつ成分(A)と(C)の質量比が、(A)/(C)=40/1〜1/10であることを特徴とする水中油型乳化組成物。
(A)バイオサーファクタント
(B)アクリル酸アルキル及び/又はメタクリル酸アルキルの重合体
(C)パラオキシ安息香酸エステル又はフェノキシエタノール
(D)HLB8以下の界面活性剤
(E)水
【選択図】なし
【解決手段】次の成分(A)〜(E)を含有し、かつ成分(A)と(C)の質量比が、(A)/(C)=40/1〜1/10であることを特徴とする水中油型乳化組成物。
(A)バイオサーファクタント
(B)アクリル酸アルキル及び/又はメタクリル酸アルキルの重合体
(C)パラオキシ安息香酸エステル又はフェノキシエタノール
(D)HLB8以下の界面活性剤
(E)水
【選択図】なし
Description
本発明は水中油型乳化組成物、更に詳しくは、保湿性に優れ、結晶析出が抑制され、乳化安定性が良好な、特に化粧料として有用な水中油型乳化組成物に関する。
従来、肌にうるおいを与え、肌を柔軟にするには、角質層の水分が重要であることが知られている。そして、当該水分の保持は、角質層に含まれている水溶性成分、すなわち遊離アミノ酸、有機酸、尿素又は無機イオンによるものであるとされ、これらの物質は単独であるいは組み合わせて薬用水中油型乳化組成物あるいは水中油型乳化組成物に配合して、肌あれの改善又は予防の目的で使用されている。
また、これとは別に水と親和性が高い多くの保湿性物質が開発され、同様の目的で使用されている。
更に、近年では、角質細胞間に存在する脂質が高い保湿能を有することが見出され、当該角質細胞間脂質成分の類似構造物質で構成される人工細胞間脂質によって、肌にうるおいを与え、柔軟化させることが行われ、比較的高い効果が得られている。
ところで、近年、様々な分野で両親媒性物質が利用されている。両親媒性物質とは親水性と親油性との二つの異なる性質を併せ持つ物質のことであって、このような性質を有する物質は界面活性物質と呼ばれている。例えば、糖脂質は、糖の性質に由来する親水性と脂質の性質に由来する親油性との二つの性質を併せ持ったものであり、界面活性物質の一例である。
石油化学工業の発展によって合成界面活性剤が開発され、生体成分由来の界面活性物質に比べて合成界面活性剤の生産量は飛躍的に増加し、今や日常生活には無くてはならない物質となった。
しかしながら、合成界面活性剤は生分解性が低いので、合成界面活性剤の使用量の拡大に伴って環境汚染が深刻な問題になりつつある。そこで、環境に対する負荷を低減するために、安全性が高いとともに生分解性が高いバイオサーファクタントが再び見直されており、様々な種類のバイオサーファクタントの開発が望まれるようになった。
上記バイオサーファクタントとしては、糖脂質系、アシルペプタイド系、リン脂質系、脂肪酸系および高分子化合物系の5種類のバイオサーファクタントを挙げることができる。
上記バイオサーファクタントのうち、リン脂質系バイオサーファクタントであるレシチンは、古くから乳化剤として用いられているばかりでなく、水に懸濁させると、当該リン脂質が会合して二重膜を形成し、水相を閉じこめたベシクルを形成することが知られている。このベシクルはリポソームとも呼ばれ、生体膜のモデルまたは化粧品や薬物の担体として利用されている。なお、リン脂質系以外のバイオサーファクタントにおいてベシクルを形成するものは、ほとんど知られていないのが現状である。
一方、糖脂質系のバイオサーファクタントとしては、細菌または酵母によって生産される、多くの種類のバイオサーファクタントが報告されている。糖脂質系のバイオサーファクタントは、生分解性が高く、低毒性であって環境に優しいばかりでなく、優れた生理機能を有している。例えば、糖脂質系のバイオサーファクタントは、それ自体が保湿効果が高いことが知られており、化粧品等の成分として用いることが期待されている。
代表的な糖脂質系バイオサーファクタントの一つにマンノシルエリスリトールリピッド(以下「MEL」と示すことがある)がある。MELは、Ustilago nuda(ウスチラゴ・ヌーダ)とShizonella melanogramma(シゾネラ・メラノグラマ)から発見された物質である(非特許文献1及び2参照)。その後、イタコン酸生産の変異株であるCandida属酵母(特許文献2及び非特許文献3参照)、Candida antarctica(キャンデダ・アンタークチカ)(現在はPseudozyma antarctica(シュードザイマ・アンタークチカ))(非特許文献4及び5参照)、Kurtzmanomyces(クルツマノマイセス)属(非特許文献6参照)等の酵母らによっても生産されることが報告されている。現在では、長時間の連続培養・生産を行うことで100g/L以上の生産が可能となっている。
MELには糖骨格のエリスリトールの光学異性体として、以下の一般式(1)に示されるような4−O−β−D−マンノピラノシル−meso−エリスリトール構造と1−O−β−D−マンノピラノシル−meso−エリスリトール構造(下記一般式(2))が存在する。
この1−O−β−D−マンノピラノシル−meso−エリスリトール構造を有するMELの1種を合成し、これとの比較によって従来のMELの糖骨格が上記一般式(1)の構造であることが証明されている(非特許文献7)。ごく最近、従来の4−O−β−D−マンノピラノシル−meso−エリスリトール構造を有するMELに対して、その光学異性体である上記一般式(2)の1−O−β−D−マンノピラノシル−meso−エリスリトール構造を有するMELをシュードザイマ・ツクバエンシス(Pseudozyma tsukubaensis)等の微生物を用いて生産することによって、量産できることが判明した(特許文献3)。
従来の4−O−β−D−マンノピラノシル−meso−エリスリトール構造を有するMELについては、抗菌性、抗腫瘍性、糖タンパク結合能をはじめ、様々な生理活性を有することが報告されている(非特許文献8)。また、この従来のMELは極めて特異な自己集合特性を示し、分子構造の僅かな違いが自己集合体の形成に多大な影響を与えるばかりでなく、それを活用したベシクル形成について、希薄溶液(6.3×10−2wt%以下)においてのみ報告されている(非特許文献9)。さらに、従来のMELの両連続スポンジ構造を用いた液晶乳化技術(特許文献4)についても報告している。
アール.エイチ.ハスキンス(R. H. Haskins),ジェイ.エー.トーン(J. A. Thorn),B. Boothroyd,「カナデアン ジャーナル オブ ケミストリー(Can. J. Microbiol.)」,1巻,p749−756(1955).
ジー.デム(G. Deml),ティ.アンケ(T. Anke),エフ.オーバーウインカー(F. Oberwinkler),ビー.エム.ジアネッティー(B. M. Giannetti),ダブリュ.ステグリッチ(W. Steglich),「フィトケミストリー(Phytochemistry)」,19巻,p83−87(1980).
ティ.ナカハラ(T. Nakahara),エイチ.カワサキ(H. Kawasaki),ティ.スギサワ(T. Sugisawa),ワイ.タカモリ(Y. Takamori),ティ.タブチ(T. Tabuchi),「ジャーナル オブ ファーメンテーション テクノロジー(J. Ferment.Technol.)」,(日本),日本発酵工学会,61巻,p19−23(1983).
ディ.キタモト(D. Kitamoto),エス.アキバ(S. Akiba),シー.ヒオキ(C. Hioki),ティ.タブチ(T. Tabuchi)「アグリカリチュラル アンド バイオロジカル ケミストリー(Agric. Biol. Chem.)」,(日本),日本農芸化学会,54巻.p31−36(1990).
エイチ.エス.キム(H.-S. Kim),ビー.ディ.ユーン(B.-D. Yoon),ディ.エイチ.チョン(D.-H. Choung),エイチ.エム.オー(H.-M. Oh),ティ.カツラギ(T. Katsuragi),ワイ.タニ(Y. Tani)「アプライド マイクロバイオロジー アンド バイオテクノロジー(Appl. Microbiol. Biotechnol.)」,(ドイツ),スプリンガー−バーラグ(Springer-Verlag),52巻,p713−721(1999).
角川(K. kakukawa),玉井(M. Tamai),今村(K. Imamura),宮本(K. Miyamoto),三好(S. Miyoshi),森永(Y. Morinaga),鈴木(O. Suzuki),宮川(T. Miyakawa)「バイオサイエンス,バイオテクノロジー アンド バイオケミストリー(Biosci. Biotechnol. Biochem.)」,(日本),日本農芸化学会,66巻,p188−191(2002).
ディ.クリッチ(D. Crich),エム.エー.モーラ(M. A. Mora),アール.クルツ(R. Cruz)「テトラヘドロン(Tetrahedron)」,(オランダ),エルゼビア(Elsevier),58巻,p35−44(2002).
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ティ.イムラ(T. Imura),エヌ.オオタ(N. Ohta),ケー.イノウエ(K. Inoue),エヌ.ヤギ(N. Yagi),エイチ.ネギシ(H. Negishi),エイチ.ヤナギシタ(H. Yanagishita),ディ.キタモト(D. Kitamoto)「ケミストリー ア ヨーロピアン ジャーナル(Chem. Eur. J)」,(米国),ワイリー(Wiley),12巻,p2434−2440(2006).
本発明は、保湿性に優れ、セラミド及びセラミド類似化合物の結晶析出が抑えられ、乳化安定性が良好な水中油型乳化組成物を提供することを目的とする。
かかる実情において、本発明者らは上記問題点を解決すべく鋭意研究を行ったところ、バイオサーファクタント、例えば上述のMELを用いて、バイオサーファクタントとパラベン等の防腐剤を、バイオサーファクタント/防腐剤=40/1〜1/10の質量比率で含有し、アルキル置換のアクリル酸共重合体により乳化して得られる水中油型乳化組成物に、特定の界面活性剤を少量加えることで、微細な結晶の析出が抑制され、安定性に優れた乳化組成物が得られることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下のような構成からなる。
(1)次の成分(A)〜(E)を含有し、かつ成分(A)と(C)の質量比が、(A)/(C)=40/1〜1/10であることを特徴とする水中油型乳化組成物。
(A)バイオサーファクタント
(B)アクリル酸アルキル及び/又はメタクリル酸アルキルの重合体
(C)パラオキシ安息香酸エステル又はフェノキシエタノール
(D)HLB8以下の界面活性剤
(E)水
(2)バイオサーファクタントが、マンノース骨格を有することを特徴とする(1)の水中油型乳化組成物。
(3)バイオサーファクタントが、マンノース骨格の1位の水酸基に糖アルコールがグリコシド結合していることを特徴とする(2)の水中油型乳化組成物。
(4)マンノース骨格を有するバイオサーファクタントがマンノシルエリスリトールリピッド(MEL)、マンノシルマンニトールリピッド(MML)、マンノシルソルビトールリピッド(MSL)、マンノシルアラビトールリピッド(MAraL)及びマンノシルリビトールリピッド(MRL)からなる群より選ばれた1種以上の化合物であることを特徴とする(2)または(3)の水中油型乳化組成物。
(5)MELが、マンノシルエリスリトールリピッドA(MEL−A)、マンノシルエリスリトールリピッドB(MEL−B)、マンノシルエリスリトールリピッドC(MEL−C)、マンノシルエリスリトールリピッドD(MEL−D)、MEL−Aのトリアシル体、MEL−Bのトリアシル体、MEL−Cのトリアシル体及びMEL−Dのトリアシル体からなる群より選ばれた1種以上の化合物であることを特徴とする(4)の水中油型乳化組成物。
(6)バイオサーファクタントが、飽和脂肪酸及び/又は不飽和脂肪酸を含有していることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかの水中油型乳化組成物。
(7)水中油型乳化組成物中、成分(A)を含む油相が30質量%以下であり、かつ成分(A)が油相中に50質量%以下であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかの水中油型乳化組成物。
(8)成分(A)と(B)の質量比が、(A)/(B)=40/1〜1/1であることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかの水中油型乳化組成物。
(9)成分(A)と(D)の質量比が、(A)/(D)=80/1〜1/1であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかの水中油型乳化組成物。
(1)次の成分(A)〜(E)を含有し、かつ成分(A)と(C)の質量比が、(A)/(C)=40/1〜1/10であることを特徴とする水中油型乳化組成物。
(A)バイオサーファクタント
(B)アクリル酸アルキル及び/又はメタクリル酸アルキルの重合体
(C)パラオキシ安息香酸エステル又はフェノキシエタノール
(D)HLB8以下の界面活性剤
(E)水
(2)バイオサーファクタントが、マンノース骨格を有することを特徴とする(1)の水中油型乳化組成物。
(3)バイオサーファクタントが、マンノース骨格の1位の水酸基に糖アルコールがグリコシド結合していることを特徴とする(2)の水中油型乳化組成物。
(4)マンノース骨格を有するバイオサーファクタントがマンノシルエリスリトールリピッド(MEL)、マンノシルマンニトールリピッド(MML)、マンノシルソルビトールリピッド(MSL)、マンノシルアラビトールリピッド(MAraL)及びマンノシルリビトールリピッド(MRL)からなる群より選ばれた1種以上の化合物であることを特徴とする(2)または(3)の水中油型乳化組成物。
(5)MELが、マンノシルエリスリトールリピッドA(MEL−A)、マンノシルエリスリトールリピッドB(MEL−B)、マンノシルエリスリトールリピッドC(MEL−C)、マンノシルエリスリトールリピッドD(MEL−D)、MEL−Aのトリアシル体、MEL−Bのトリアシル体、MEL−Cのトリアシル体及びMEL−Dのトリアシル体からなる群より選ばれた1種以上の化合物であることを特徴とする(4)の水中油型乳化組成物。
(6)バイオサーファクタントが、飽和脂肪酸及び/又は不飽和脂肪酸を含有していることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかの水中油型乳化組成物。
(7)水中油型乳化組成物中、成分(A)を含む油相が30質量%以下であり、かつ成分(A)が油相中に50質量%以下であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかの水中油型乳化組成物。
(8)成分(A)と(B)の質量比が、(A)/(B)=40/1〜1/1であることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかの水中油型乳化組成物。
(9)成分(A)と(D)の質量比が、(A)/(D)=80/1〜1/1であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかの水中油型乳化組成物。
本発明の水中油型乳化組成物は、バイオサーファクタントを含有するため、保湿性に優れ、結晶析出が抑制され、保存安定性も良好である水中油型乳化組成物が提供される。
本発明の水中油型乳化組成物は、バイオサーファクタント、特にMELを含むものである。それ故、本発明の水中油型乳化組成物は、優れた特性を示すという効果を奏する。
(バイオサーファクタント)
本発明の化粧料に固形脂の一部として使用される(A)バイオサーファクタントとは、生物によって生み出される界面活性能力や乳化能力を有する物質の総称であり、優れた界面活性や、高い生分解性を示すばかりでなく、様々な生理作用を有していることから合成界面活性剤とは異なる挙動・機能を発現する可能性がある。
本発明の化粧料に固形脂の一部として使用される(A)バイオサーファクタントとは、生物によって生み出される界面活性能力や乳化能力を有する物質の総称であり、優れた界面活性や、高い生分解性を示すばかりでなく、様々な生理作用を有していることから合成界面活性剤とは異なる挙動・機能を発現する可能性がある。
上記バイオサーファクタントとしては、マンノシルエリスリトールリピッド(MEL)、MEL以外のマンノシルアルジトールリピッド(MAL)としては、マンノシルマンニトールリピッド(MML)、マンノシルソルビトールリピッド(MSL)、マンノシルアラビトールリピッド(MAraL)、マンノシルリビトールリピッド(MRL)などが挙げられ、なかでも、ラメラ構造又は/及びベシクルを形成するバイオサーファクタントを利用するのが好ましく、MELが特に好ましい。
(MEL)
MELの構造を一般式(3)に示す。一般式(3)中、置換基R1は、同一でも異なっていてもよい炭素数4〜24の脂肪族アシル基である。MELは、マンノースの4位及び6位のアセチル基の有無に基づいて、MEL−A、MEL−B、MEL−C及びMEL−Dの4種類に分類される。
MELの構造を一般式(3)に示す。一般式(3)中、置換基R1は、同一でも異なっていてもよい炭素数4〜24の脂肪族アシル基である。MELは、マンノースの4位及び6位のアセチル基の有無に基づいて、MEL−A、MEL−B、MEL−C及びMEL−Dの4種類に分類される。
具体的には、MEL−Aは、一般式(3)中、置換基R2およびR3がともにアセチル基である。MEL−Bは、一般式(3)中、置換基R2はアセチル基であり、置換基R3は水素である。MEL−Cは、一般式(3)中、置換基R2が水素であり、置換基R3はアセチル基である。MEL−Dは、一般式(3)中、置換基R2及びR3がともに水素である。
上記MEL−A〜MEL−Dにおける置換基R1の炭素数は、MEL生産培地に含有させる油脂類であるトリグリセリドを構成する脂肪酸の炭素数、および、使用するMEL生産菌の脂肪酸の資化の程度によって変化する。また、上記、トリグリセリドが不飽和脂肪酸残基を有する場合、MEL生産菌が上記不飽和脂肪酸の二重結合部分まで資化しなければ、置換基R1として不飽和脂肪酸残基を含ませることも可能である。以上の説明から明らかなように、得られるMELは、通常、置換基R1の脂肪酸残基部分が異なる化合物の混合物の形態である。
本発明の組成物には一般式(4)または一般式(5)に示されている構造を有するマンノシルエリスリトールリピッドが含まれている。尚、一般式(4)中、置換基R1は同一でも異なっていてもよい炭素数4〜24の脂肪族アシル基であり、置換基R2は同一でも異なっていてもよい水素またはアセチル基であり、置換基R3は水素または炭素数2〜24の脂肪族アシル基である。また、一般式(5)中、置換基R1は同一でも異なっていてもよい炭素数4〜24の脂肪族アシル基であり、置換基R2は同一でも異なっていてもよい水素またはアセチル基であり、置換基R3は水素または炭素数2〜24の脂肪族アシル基である。
一般式(4)及び一般式(5)における置換基R1は、同一でも異なっていてもよい炭素数4〜24の脂肪族アシル基である。置換基R1の炭素数は上記範囲内であれば特に限定されないが、8個〜14個であることがさらに好ましい。
また、上記一般式(4)及び一般式(5)中の置換基R1は、飽和脂肪族アシル基であっても不飽和脂肪族アシル基であってもよく、特に限定されるものではない。不飽和結合を有している場合、例えば、複数の二重結合を有していても良い。炭素鎖は直鎖であっても分岐鎖状であってもよい。また、酸素原子含有炭化水素基の場合、含まれる酸素原子の数及び位置は特に限定されない。
MEL以外のMAL(マンノシルアルジトールリピッド)の構造は一般式(6)に示す(式中、置換基R2は同一でも異なっていてもよい水素またはアセチル基である)。エリスリトール以外の糖アルコール(アルジトール)としては、マンニトール、アラビトール、リビトール、ソルビトールが付加している(n=4:マンニトール、ソルビトール、n=2:アラビトール、リビトール)。一般式(6)に対応させれば、MALはマンノースの2位、3位に炭素数2〜20、好ましくは炭素数4〜18、より好ましくは炭素数6〜14の飽和又は不飽和の直鎖又は分枝を有するアルカノイル基を有する(式中、置換基R2は同一でも異なっていてもよい水素またはアセチル基である)
(式中、置換基R1は同一でも異なっていてもよい炭素数2〜20、好ましくは炭素数4〜18、より好ましくは炭素数6〜14の飽和又は不飽和の直鎖又は分枝を有するアルカノイル基を有し、式中、置換基R2は同一でも異なっていてもよい水素またはアセチル基である。好ましくは、式中、置換基R2のどちらもアセチル基である化合物である。)
(トリアシル体)
本発明に用いられるバイオサーファクタントは、MELのトリアシル体及びMEL以外のMALのトリアシル体でもよい。トリアシル体のバイオサーファクタントは、MELやMEL以外のMALよりもさらに高い疎水性を有するバイオサーファクタントである。例えば、MEL生産菌の培養液にも存在するし、大量に得る時は、酵素を用いてMELを種々の植物油と反応することによって製造することもできる。
本発明に用いられるバイオサーファクタントは、MELのトリアシル体及びMEL以外のMALのトリアシル体でもよい。トリアシル体のバイオサーファクタントは、MELやMEL以外のMALよりもさらに高い疎水性を有するバイオサーファクタントである。例えば、MEL生産菌の培養液にも存在するし、大量に得る時は、酵素を用いてMELを種々の植物油と反応することによって製造することもできる。
MELのトリアシル体、すなわちトリアシルマンノシルエリスリトールリピッド(トリアシルMELと称することがある)は、一般式(4)または一般式(5)中、置換基R1およびR3がいずれも脂肪族アシル基であればトリアシルMELとなり、置換基R2は同一でも異なっていてもよい水素またはアセチル基である。トリアシルMELもMELと同様、マンノースの4位及び6位のアセチル基の有無に基づいて、トリアシルMEL−A、トリアシルMEL−B、トリアシルMEL−C及びトリアシルMEL−Dの4種類に分類される。
トリアシルMELは、ジアシルMELとは異なった性質を示す。具体的には、高い疎水性を有することからエモリエント剤として従来のMELと比べても種々のオイル成分と馴染みやすい点で優れている。
本発明に好ましく用いられるバイオサーファクタントは、一般式(7)または一般式(8)にて示される構造を有するMEL−Bである。
(一般式(7)及び一般式(8)中、置換基R1は同一でも異なっていてもよい炭素数4〜24の脂肪族アシル基である)
なお、上記バイオサーファクタントは、単独で使用してもよいが、2種以上のバイオサーファクタントを併用することもできる。
(バイオサーファクタントの製造方法)
バイオサーファクタントの製造方法は特に制限されるものはないが、微生物を用いた発酵方法を任意に選択して行えば良い。例えばMEL (MEL−A、MEL−B、MEL−C)の培養生産は常法に従って、Pseudozyma antarctica(NBRC 1073)により生産することができ、微生物としてはPseudozyma antarctica、Pseudozyma sp.等を用いることができる。いずれの微生物でも容易にMEL混合物が得られることは周知の事実である。MEL混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製し、MEL−A、MEL−B及びMEL−Cを単離することが出来る。また、MEL−Bを生産する菌としては、Pseudozyma antarctica 、及びPseudozyma tsukubaensisが知られており、その菌を用いてもよい。MEL−Cを生産する菌としては、Pseudozyma hubeiensis、Pseudozyma graminicola等が知られており、その菌を用いてもよい。MELを生産する能力を有する微生物としては特に限定するものではなく、目的に応じて適宜使用することができる。
バイオサーファクタントの製造方法は特に制限されるものはないが、微生物を用いた発酵方法を任意に選択して行えば良い。例えばMEL (MEL−A、MEL−B、MEL−C)の培養生産は常法に従って、Pseudozyma antarctica(NBRC 1073)により生産することができ、微生物としてはPseudozyma antarctica、Pseudozyma sp.等を用いることができる。いずれの微生物でも容易にMEL混合物が得られることは周知の事実である。MEL混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製し、MEL−A、MEL−B及びMEL−Cを単離することが出来る。また、MEL−Bを生産する菌としては、Pseudozyma antarctica 、及びPseudozyma tsukubaensisが知られており、その菌を用いてもよい。MEL−Cを生産する菌としては、Pseudozyma hubeiensis、Pseudozyma graminicola等が知られており、その菌を用いてもよい。MELを生産する能力を有する微生物としては特に限定するものではなく、目的に応じて適宜使用することができる。
バイオサーファクタントを生産するときの発酵培地は、酵母エキス、ペプトン等のN源、グルコース、グリセロール、フルクトース等のC源、及び硝酸ナトリウム、リン酸水素二カリウム、硫酸マグネシウム7水塩等の無機塩類からなる一般的な組成の培地を用いることができ、これにオリーブ油、ダイズ油、ヒマワリ油、トウモロコシ油、キャノーラ油、ココナッツ油等の油脂類、並びに、流動パラフィン、テトラデカン等の炭化水素等の非水溶性基質の単独或いは2種以上を添加したものを使用することができる。
pHや温度等の発酵条件や培養時間等は任意に設定でき、発酵後の培養液をそのまま本発明のバイオサーファクタントとして使用することが可能である。また、発酵後の培養液を必要に応じて濾過、遠心分離、抽出、精製、滅菌等の任意の操作を適宜加えることも可能であり、得られたエキスを希釈、濃縮、乾燥することもできる。
原料とする油脂類としては植物油脂が好ましい。植物油脂は特に限定されず、目的に応じて適宜選定することができる。例えば、大豆油、菜種油、コーン油、ピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、パーム油などが挙げられ、これらの中でも、大豆油、オリーブ油がバイオサーファクタント(特にMEL)の生産効率(生産量、生産速度、及び収率)を向上させることができる点で特に好ましい。これらは、1種を単独で、または2種以上を併用しても構わない。
無機窒素源としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、硝酸アンモニウム、尿素、硝酸ナトリウム、塩化アンモニウム、硫安等が挙げられる。
バイオサーファクタントの回収、精製方法には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、培養液を遠心分離して油分を回収し、酢酸エチル等の有機溶媒で抽出濃縮することにより回収することができる。
抽出溶媒としては、水、アルコール類(例えば、メタノール、無水エタノール、エタノールなどの低級アルコール、またはプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコールなどの多価アルコール)、アセトンなどのケトン類、ジエチルエーテル、ジオキサン、アセトニトリル、酢酸エチルなどのエステル類、キシレン、ベンゼン、クロロホルムなどの有機溶媒を、単独であるいは2種類以上の混液を任意に組み合わせて使用することができ、また、各々の溶媒抽出物が組み合わされたものでも使用することができる。
抽出方法は特に制限されるものはないが、通常、常温から常圧下での溶媒の沸点の範囲であればよく、抽出後は濾過またはイオン交換樹脂を用い、吸着・脱色・精製して溶液状、ペースト状、ゲル状、粉末状とすればよい。多くの場合は、そのままの状態で利用できるが、必要であれば、その効力に影響のない範囲でさらに脱臭、脱色などの精製処理を加えてもよい。脱臭・脱色等の精製処理手段としては、活性炭カラムなどを用いればよく、抽出物質により一般的に適用される通常の手段を任意に選択して行えばよい。必要に応じて、シリカゲルカラムを用いて精製することにより、純度の高いバイオサーファクタントを得ることができる。
(トリアシル体製造方法)
バイオサーファクタントのトリアシル体を得る方法を、MELのトリアシル体を製造する方法を例として説明するが、本発明に用いられるバイオサーファクタントのトリアシル体はトリアシルMELに限定されない。
バイオサーファクタントのトリアシル体を得る方法を、MELのトリアシル体を製造する方法を例として説明するが、本発明に用いられるバイオサーファクタントのトリアシル体はトリアシルMELに限定されない。
例えば、トリアシルMELを得るためには、上記のようにして微生物を発酵して製造した培養液からトリアシルMEL画分を精製して得ることができる。また、大量に得るためには、MELを有機溶媒に溶かし、植物油などの脂肪酸誘導体を添加、加水分解酵素の存在下でエステル化反応またはエステル交換反応を行う。
MELのエリスリトール部に導入される脂肪酸は長鎖炭化水素の1価のカルボン酸であればよい。また、飽和脂肪酸であっても不飽和脂肪酸であってもよい。不飽和脂肪酸の場合、複数の二重結合を有していてもよい。炭素鎖は直鎖状であってもよく分岐鎖状であってもよい。さらに、脂肪酸の誘導体である脂肪酸誘導体を本発明に使用してもよいし、脂肪酸と脂肪酸誘導体の混合物を本発明に使用してもよい。MELのエリスリトール部に導入される脂肪酸または脂肪酸誘導体は、油類、高級脂肪酸、合成エステル由来であることが好ましい。
「油類」としては、植物油、動物油、鉱物油及びその硬化油であればよい。具体的には、アボカド油、オリーブ油、ゴマ油、ツバキ油、月見草油、タートル油、マカデミアンナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、ナタネ油、卵黄油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、キリ油、ホホバ油、カカオ脂、ヤシ油、馬油、パーム油、パーム核油、牛脂、羊脂、豚脂、ラノリン、鯨ロウ、ミツロウ、カルナウバロウ、モクロウ、キャンデリラロウ、スクワラン等の動植物油及びその硬化油。流動パラフィン、ワセリン等の鉱物油、トリパルミチン酸グリセリン等の合成トリグリセリンが挙げられる。好ましくはアボカド油、オリーブ油、ゴマ油、ツバキ油、月見草油、タートル油、マカデミアンナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、ナタネ油、卵黄油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、より好ましくはオリーブ油、大豆油である。
「高級脂肪酸」としては、例えばカプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、イソステアリン酸、ウンデシン酸、トール酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸などが挙げられる。好ましくはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアリン酸、ウンデシレン酸、より好ましくはオレイン酸、リノール酸、ウンデシレン酸である。
「合成エステル」としては、例えば、カプロン酸メチル、カプリル酸メチル、カプリン酸メチル、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸メチル、オレイン酸メチル、リノール酸メチル、リノレン酸メチル、ステアリン酸メチル、ウンデシン酸メチル、カプロン酸エチル、カプリル酸エチル、カプリン酸エチル、ラウリン酸エチル、ミリスチン酸エチル、パルミチン酸エチル、オレイン酸エチル、リノール酸エチル、リノレン酸エチル、ステアリン酸エチル、ウンデシン酸エチル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、オレイン酸ビニル、リノール酸ビニル、リノレン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、ウンデシン酸ビニル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、オレンイ酸デシル、ジメチルオクタン酸、乳酸セチル、乳酸ミリスチル等が挙げられる。好ましくはラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸メチル、オレイン酸メチル、リノール酸メチル、リノレン酸メチル、ステアリン酸メチル、ウンデシレン酸メチル、より好ましくはオレイン酸メチル、リノール酸メチル、ウンデシレン酸メチルである。
トリアシルMELは、上述のようにMELを有機溶媒に溶解して反応させることにより生産することができる。有機溶媒としては、MELを可溶化できるものであれば限定されない。全部を可溶化できなくても一部を可溶化できるものであればよい。また、有機溶媒は複数の有機溶媒の混合物でもよい。具体的には、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、プロパノン、ブタノン、ペンタン−2−オン、1,2−エタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジオキサン、アセトニトリル、2−メチル−ブタン−2−オール、第3級ブタノール、2−メチルプロパノール、4−ヒドロキシ−2−メチルペンタノン、テトラヒドロフラン、ヘキサン、DMF、DMSO、ピリジン、メチルエチルケトンなどを挙げることができる。好ましくはアセトン、テトラヒドロフラン、第3級ブタノール、アセトニトリル、ジオキサン、より好ましくはアセトンである。
加水分解酵素としては、リパーゼ、プロテアーゼ、エステラーゼが挙げられる。これらの中から選択される少なくとも1種を用いることが好ましく、複数の加水分解酵素を用いてもよい。好ましくはリパーゼ、エステラーゼ、より好ましくはリパーゼである。
具体的には、例えば、MEL生産微生物の培養液から精製したMELを有機溶媒(例えば、アセトン)に溶解し、これに市販のリパーゼ(例えば、ノボザイム435(ノボザイムズ社製)など)及び植物油脂を添加する。
この製造方法の場合、反応温度は10〜100℃、好ましくは20〜50℃、より好ましくは25〜40℃で、1日〜7日間攪拌すればよい。また、反応液にモレキュラーシーブスを添加してもよい。この製造方法により、材料として添加したMELがほぼ定量的にトリアシル体となる。
トリアシルMELの精製は、上述のMELの精製に準じて行うことができる。
(飽和脂肪酸側鎖有するMELの製造方法)
飽和側鎖有するMELの製造は、上述のバイオサーファクタントの製造方法に準じて行うことができる。その際、原料とする油脂類としては、オリーブ油、飽和脂肪酸あるいはそのエステル体、流動パラフィン、テトラデカン等の炭化水素等の非水溶性基質の単独あるいは2種以上を添加することにより行う。飽和側鎖有するMELの精製は、上述のMELの精製に準じて行うことができる。
飽和側鎖有するMELの製造は、上述のバイオサーファクタントの製造方法に準じて行うことができる。その際、原料とする油脂類としては、オリーブ油、飽和脂肪酸あるいはそのエステル体、流動パラフィン、テトラデカン等の炭化水素等の非水溶性基質の単独あるいは2種以上を添加することにより行う。飽和側鎖有するMELの精製は、上述のMELの精製に準じて行うことができる。
(MML等のMALの製造方法)
MML等のエリスリトール以外のアルジトールを有するMALの製造は、上述のバイオサーファクタントの製造方法に準じて行うことができる。その際、原料としては、マンニトール、アラビトール、リビトール、ソルビトール等のアルジトールの単独あるいは2種以上を添加することにより行う。MML等のエリスリトール以外のアルジトールを有するMALの精製は、上述のMELの精製に準じて行うことができる。
MML等のエリスリトール以外のアルジトールを有するMALの製造は、上述のバイオサーファクタントの製造方法に準じて行うことができる。その際、原料としては、マンニトール、アラビトール、リビトール、ソルビトール等のアルジトールの単独あるいは2種以上を添加することにより行う。MML等のエリスリトール以外のアルジトールを有するMALの精製は、上述のMELの精製に準じて行うことができる。
成分(A)は、1種以上を用いることができ、全組成中に0.01〜10質量%含有するのが好ましく、保湿性の効果の点から0.1〜10質量%であることが更に好ましい。
本発明の水中油型乳化組成物は、上記成分(A)以外に、通常化粧料に用いられる油性成分を含有することができる。かかる成分としては、液状、半固型及び固型状の、合成及び天然由来の油性成分、例えば炭化水素油、エステル油、エーテル油、シリコーン油、フッ素油等が含まれる。
液状油としては、例えば、ホホバ油、オリーブ油等の植物油;液状ラノリン等の動物油;流動パラフィン、スクワラン等の炭化水素油;脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル、グリセリン誘導体、アミノ酸誘導体等のエステル油;ジメチルポリシロキサン、ジメチルシクロポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、高級アルコール変性オルガノポリシロキサン等のシリコーン油;フルオロポリエーテル、パーフルオロアルキルエーテルシリコーン等のフッ素油などが挙げられる。
固型又は半固型状の油性成分としては、例えばホホバワックス等の植物油;グリセリンモノステアリルエーテル、グリセリンモノセチルエーテル等のアルキルグリセリルエーテル;セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコールなどが含まれる。また、油溶性の有効成分として、例えばβ−カロチン、酢酸DL−α−トコフェロール、DL−α−トコフェロール、ビタミンA油等の、油溶性ビタミン類などを配合することができる。
水中油型乳化組成物中における油相成分の総含有量は、保湿性と使用感(べたつき)の面から、全組成中に30質量%以下が好ましく、0.1〜30質量%であるのがより好ましく、更に0.5〜20質量%、特に1〜10質量%であるのが好ましい。さらに、成分(A)は油相中に50質量%以下、更に10〜30質量%であるのが好ましい。
本発明で用いる成分(B)は、アクリル酸アルキル及び/又はメタクリル酸アルキルの重合体である。ここでアルキル基としては、炭素数10〜30の直鎖又は分岐鎖のものが好ましい。かかる重合体としては、(メタ)アクリル酸アルキルのモノマーを1種以上含むものであれば良く、例えば(メタ)アクリル酸アルキル重合体;(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル共重合体が挙げられる。また、成分(B)は組成物の乳化剤として十分に機能するのであれば、他のモノマーを含有していても良い。このような共重合体としては、例えばアクリル酸アルキル及び/又はメタクリル酸アルキルの1種以上のモノマーとポリオキシエチレンアルキルエーテルとの共重合体等が挙げられる。尚、本明細書中において、(メタ)アクリルは、アクリル及びメタクリルを表す。
市販品としては、例えば、アクリル酸アルキル重合体として、アキュリン33(ISP社);(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリル酸アルキル共重合体として、カーボポール1382、ペムレンTR−1、ペムレンTR−2(以上、Noveon INC.)等が挙げられる。また、アクリル酸アルキル及び/又はメタクリル酸アルキルの1種以上のモノマーとポリオキシエチレンアルキルエーテルとの共重合体としては、アクリル酸アルキル・メタクリル酸アルキル・ポリオキシエチレンステアリルエーテル共重合体等が挙げられ、この市販品として、アキュリン22(ISP社)等が挙げられる。
成分(B)の重合体は、1種以上を用いることができ、全組成中に0.01〜1質量%、更に0.05〜0.5質量%含有するのが、乳化安定性が良好になるので好ましい。また、成分(A)と(B)の質量比は、(A)/(B)=40/1〜1/1、更に20/1〜1/1であるのが、より乳化安定性が良好になるので好ましい。
本発明で用いる成分(C)のうち、パラオキシ安息香酸エステルとしては、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸イソブチル等が挙げられる。また、成分(C)のフェノキシエタノールは、ハイソルブEPH(マツモト交商)等の市販品を用いることができる。
成分(C)は1種以上を用いることができ、パラオキシ安息香酸エステル及びフェノキシエタノールを組合わせて用いることもできる。成分(C)は、全組成中に0.01〜2質量%、更に0.1〜1質量%含有するのが、防腐性の効果の点で好ましい。また、成分(A)と(C)の質量比は、(A)/(C)=40/1〜1/10、好ましくは20/1〜1/1である。この範囲外では、保湿性及び防腐性が悪くなる。
本発明で用いる成分(D)の界面活性剤は、HLB8以下、好ましくはHLB2〜7のものである。ここで、非イオン界面活性剤のHLBは、下記の川上の式で算出される。
具体的には、ミリスチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル等のグリセリン脂肪酸エステル類;モノラウリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類;POE(5)硬化ヒマシ油、POE(7.5)硬化ヒマシ油、POE(10)硬化ヒマシ油等のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などが挙げられる。
成分(D)の界面活性剤は、1種以上を用いることができ、全組成中に0.01〜2質量%、更に0.05〜1質量%含有するのが、乳化安定性の点で好ましい。また、成分(A)と(D)の質量比は、(A)/(D)=80/1〜1/1、更に40/1〜1/1であるのが、セラミド及びセラミド類似化合物の結晶析出の抑制効果及び乳化安定性の点で好ましい。
成分(E)の水は、全組成中に40〜99質量%、更に50〜90質量%含有されるのが好ましい。
本発明の水中油型乳化組成物に用いられる水相の主成分は水であるが、それ以外にエタノールやプロパノール等の炭素数1〜4の低級アルコールや、水溶性2〜4価の多価アルコールなどのアルコール類を含むこともできる。このような多価アルコールとしては、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、1,2−ペンタンジオール、キシリット、ソルビット、ポリエチレングリコール等が含まれる。
本発明の水中油型乳化組成物における水相成分の総含有量は、保湿性と使用感(べたつきのなさ)の面から、全組成中に60〜99.9質量%、更に65〜95質量%、特に70〜90質量%であるのが好ましい。
本発明の水中油型乳化組成物は、さらに、乳化組成物に通常用いられる成分を含有することができる。例えば、増粘剤として、カルボキシビニルポリマー、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、グアーガム、キサンタンガム、カルボキシメチルキトサン、ヒアルロン酸ナトリウム等を含有できる。
また、各種抽出液として、オウバクエキス、カンゾウエキス、アロエエキス、スギナエキス、茶エキス、キューカンバーエキス、チョウジエキス、ニンジンエキス、ハマメリス抽出液、プラセンタエキス、海藻エキス、マロニエエキス、ユズエキス、ユーカリエキス、アスナロ抽出液等を含有できる。
さらに、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム等の中和剤;クエン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、リン酸塩、コハク酸塩、アジピン酸塩等のpH調整剤;アスコルビン酸、ニコチン酸アミド、ニコチン酸等の水溶性ビタミン類;色素、香料などを含有できる。
本発明の乳化組成物は、上記各成分を用い、例えば、成分(A)及び(D)を含む油相成分を混合溶解したものを、成分(B)、(C)及び(E)を含む水相成分を混合溶解したものに添加し、必要に応じて加熱し、ホモミキサー処理して均一な乳化組成物とする等の方法により、製造することができる。
本発明の乳化組成物は、水中油型(O/W)乳化組成物の形態を基本とする化粧料として適用することができ、例えば、乳液、クリーム、クレンジングクリーム、乳化ファンデーション等の剤型や形態をとることができる。
以下、本発明を実施例に基づき、より詳細に説明する。なお、本発明は、特に実施例に限定されるものではない。
(MEL−A及びトリアシルMEL−Aの製造)
種菌培養はPseudozyma antarctica NBRC 10736のコロニーを種培地(20ml/500ml坂口フラスコ)に1 loop植菌して実施した。30℃にて一晩培養した。得られた培養液を種菌とした。種培地組成は4% Glucose、0.3% NaNO3、0.02% MgSO4・7H2O、0.02% KH2PO4、0.1% yeast extractであった。培養は上記種菌75mlを生産培地1.5L(5L−jar)に植菌し、30℃、300rpm(攪拌回転)、0.5L/min(Air)の条件で5L−jarを用いて培養した。生産培地組成は、3% ダイズ油、0.02% MgSO4・7H2O、0.02% KH2PO4、0.1% yeast extractであった。培養液250mlを遠心(6500rpm、30min)し、上清を取り除き、沈殿(菌体)を回収した。沈殿に、50mlの酢酸エチルを加え、十分攪拌後、遠心(8500rpm、30min)し、沈殿と上清に分け、上清をエバポーレーターで濃縮した。シリカゲルを用いて、クロロホルム:アセトン=1:0、クロロホルム:アセトン=9:1、クロロホルム:アセトン1:1、クロロホルム:アセトン=3:7、クロロホルム:アセトン=0:1で溶出しMEL−A及びトリアシルMEL−A画分を得た。
種菌培養はPseudozyma antarctica NBRC 10736のコロニーを種培地(20ml/500ml坂口フラスコ)に1 loop植菌して実施した。30℃にて一晩培養した。得られた培養液を種菌とした。種培地組成は4% Glucose、0.3% NaNO3、0.02% MgSO4・7H2O、0.02% KH2PO4、0.1% yeast extractであった。培養は上記種菌75mlを生産培地1.5L(5L−jar)に植菌し、30℃、300rpm(攪拌回転)、0.5L/min(Air)の条件で5L−jarを用いて培養した。生産培地組成は、3% ダイズ油、0.02% MgSO4・7H2O、0.02% KH2PO4、0.1% yeast extractであった。培養液250mlを遠心(6500rpm、30min)し、上清を取り除き、沈殿(菌体)を回収した。沈殿に、50mlの酢酸エチルを加え、十分攪拌後、遠心(8500rpm、30min)し、沈殿と上清に分け、上清をエバポーレーターで濃縮した。シリカゲルを用いて、クロロホルム:アセトン=1:0、クロロホルム:アセトン=9:1、クロロホルム:アセトン1:1、クロロホルム:アセトン=3:7、クロロホルム:アセトン=0:1で溶出しMEL−A及びトリアシルMEL−A画分を得た。
(MEL−B及びトリアシルMEL−Bの製造)
0.2mlのPseudozyma tsukubaensisフローズンストックを20mlのYM培地/500ml容坂口フラスコに植菌し、26℃、180rpm、1晩培養させ、種種菌とした。0.2mlの種種菌を再度、20mlのYM種培地/500ml容坂口フラスコに植菌し、26℃、180rpm、1晩培養させ、種菌とした。20mlの種菌を2LのYM培地/5L Jarに植菌し、26℃ 300rpm(1/4VVM、0.5L air/min)で8日間培養した。培養液を7,900rpm 60min 4℃で遠心し、菌体(MEL−Bを含む)と上清に分離した。菌体画分にそれぞれ80mlの酢酸エチルを加え、菌体が十分懸濁するように上下に攪拌した後、7,900rpm 30min 4℃で遠心した。得られた上清に等量の飽和食塩水を加え攪拌し酢酸エチル層を得た。酢酸エチル層に無水硫酸Naを適量加え、30分間精置させた後、エバポレートしMEL−B粗精製品を得た。得られたMEL−B粗精製品を、シリカゲルカラムを用いて、ヘキサン:アセトン=5:1、ヘキサン:アセトン=1:1で溶出しMEL−B及びトリアシルMEL−B画分精製品を得た。
0.2mlのPseudozyma tsukubaensisフローズンストックを20mlのYM培地/500ml容坂口フラスコに植菌し、26℃、180rpm、1晩培養させ、種種菌とした。0.2mlの種種菌を再度、20mlのYM種培地/500ml容坂口フラスコに植菌し、26℃、180rpm、1晩培養させ、種菌とした。20mlの種菌を2LのYM培地/5L Jarに植菌し、26℃ 300rpm(1/4VVM、0.5L air/min)で8日間培養した。培養液を7,900rpm 60min 4℃で遠心し、菌体(MEL−Bを含む)と上清に分離した。菌体画分にそれぞれ80mlの酢酸エチルを加え、菌体が十分懸濁するように上下に攪拌した後、7,900rpm 30min 4℃で遠心した。得られた上清に等量の飽和食塩水を加え攪拌し酢酸エチル層を得た。酢酸エチル層に無水硫酸Naを適量加え、30分間精置させた後、エバポレートしMEL−B粗精製品を得た。得られたMEL−B粗精製品を、シリカゲルカラムを用いて、ヘキサン:アセトン=5:1、ヘキサン:アセトン=1:1で溶出しMEL−B及びトリアシルMEL−B画分精製品を得た。
(MEL−C及びトリアシルMEL−Cの製造)
0.2mlのPseudozyma hubeiensisフローズンストックを20mlのYM種培地/500ml容坂口フラスコに植菌し、26℃、180rpm、1晩培養させ、種種菌とした。0.2mlの種種菌を再度、20mlのYM種培地/500ml容坂口フラスコに植菌し、26℃、180rpm、1晩培養させ、種菌とした。20mlの種菌を2LのYM培地/5L Jarに植菌し、26℃ 300rpm(1/4VVM、0.5L air /min)で8日間培養した。培養液を7,900rpm 60min 4℃で遠心し、菌体(MEL−Cを含む)と上清に分離した。菌体画分にそれぞれ80mlの酢酸エチルを加え、菌体が十分懸濁するように上下に攪拌した後、7,900rpm 30min 4℃で遠心した。得られた上清に等量の飽和食塩水を加え攪拌し酢酸エチル層を得た。酢酸エチル層に無水硫酸Naを適量加え、30分間精置させた後、エバポレートしMEL−B粗精製品を得た。得られたMEL−C粗精製品を、シリカゲルカラムを用いて、ヘプタン:酢酸エチル=1:1、ヘプタン:酢酸エチル=1:2、ヘプタン:酢酸エチル=1:3で溶出しMEL−C及びトリアシルMEL−C画分精製品を得た。
0.2mlのPseudozyma hubeiensisフローズンストックを20mlのYM種培地/500ml容坂口フラスコに植菌し、26℃、180rpm、1晩培養させ、種種菌とした。0.2mlの種種菌を再度、20mlのYM種培地/500ml容坂口フラスコに植菌し、26℃、180rpm、1晩培養させ、種菌とした。20mlの種菌を2LのYM培地/5L Jarに植菌し、26℃ 300rpm(1/4VVM、0.5L air /min)で8日間培養した。培養液を7,900rpm 60min 4℃で遠心し、菌体(MEL−Cを含む)と上清に分離した。菌体画分にそれぞれ80mlの酢酸エチルを加え、菌体が十分懸濁するように上下に攪拌した後、7,900rpm 30min 4℃で遠心した。得られた上清に等量の飽和食塩水を加え攪拌し酢酸エチル層を得た。酢酸エチル層に無水硫酸Naを適量加え、30分間精置させた後、エバポレートしMEL−B粗精製品を得た。得られたMEL−C粗精製品を、シリカゲルカラムを用いて、ヘプタン:酢酸エチル=1:1、ヘプタン:酢酸エチル=1:2、ヘプタン:酢酸エチル=1:3で溶出しMEL−C及びトリアシルMEL−C画分精製品を得た。
(オリーブ油を用いたMELの製造)
実施例1におけるMELの製造では、生産原料にダイズ油を用いたが、その代わりにオリーブ油を用いて実施例1と同様の方法で培養しMEL−A、MEL−B、MEL−Cを単離精製する。この時得られるMEL画分を、実施例1のMELと区別するためMEL−A(OL)、MEL−B(OL)、MEL−C(OL)と呼ぶ。
実施例1におけるMELの製造では、生産原料にダイズ油を用いたが、その代わりにオリーブ油を用いて実施例1と同様の方法で培養しMEL−A、MEL−B、MEL−Cを単離精製する。この時得られるMEL画分を、実施例1のMELと区別するためMEL−A(OL)、MEL−B(OL)、MEL−C(OL)と呼ぶ。
(マンノシルマンニトールリピッド(MML)の製造)
シュードザイマ・パラアンタクティカ(Pseudozyma parantarctica)JCM 11752株の培養を行った。すなわち、保存培地(麦芽エキス3g/L、酵母エキス3g/L、ペプトン5g/L、グルコース10g/L、寒天30g/L)に保存しておいたシュードザイマ・パラアンタクティカ(Pseudozyma parantarctica)JCM 11752株を、グルコース20g/L、酵母エキス1g/L、硝酸ナトリウム3g/L、リン酸2水素カリウム 0.3g/L、及び硫酸マグネシウム0.3g/Lの組成の液体培地2mLが入った試験管に1白金耳接種し、30℃で1日間振とう培養を行った。続いて、得られた菌体培養液を、植物油脂としてオリーブ油50g/L、糖アルコールとしてマンニトール100g/L、酵母エキス1g/L、硝酸ナトリウム3 g/L、リン酸2水素カリウム0.3g/L、及び硫酸マグネシウム0.3g/Lの組成の液体培地30mLの入った坂口フラスコに接種して、34℃で7日間培養を行った。上記の培養液を採取し、培養液中のマンノシルアルジトールリピッドを酢酸エチルで抽出し、シリカゲルクロマトで精製後、13C−NMRと1H−NMRで生産物の構造解析を行い、構造を確認した。
シュードザイマ・パラアンタクティカ(Pseudozyma parantarctica)JCM 11752株の培養を行った。すなわち、保存培地(麦芽エキス3g/L、酵母エキス3g/L、ペプトン5g/L、グルコース10g/L、寒天30g/L)に保存しておいたシュードザイマ・パラアンタクティカ(Pseudozyma parantarctica)JCM 11752株を、グルコース20g/L、酵母エキス1g/L、硝酸ナトリウム3g/L、リン酸2水素カリウム 0.3g/L、及び硫酸マグネシウム0.3g/Lの組成の液体培地2mLが入った試験管に1白金耳接種し、30℃で1日間振とう培養を行った。続いて、得られた菌体培養液を、植物油脂としてオリーブ油50g/L、糖アルコールとしてマンニトール100g/L、酵母エキス1g/L、硝酸ナトリウム3 g/L、リン酸2水素カリウム0.3g/L、及び硫酸マグネシウム0.3g/Lの組成の液体培地30mLの入った坂口フラスコに接種して、34℃で7日間培養を行った。上記の培養液を採取し、培養液中のマンノシルアルジトールリピッドを酢酸エチルで抽出し、シリカゲルクロマトで精製後、13C−NMRと1H−NMRで生産物の構造解析を行い、構造を確認した。
(マンノシルアラビトールリピッド(MAraL)の製造)
実施例5の培養を糖アルコールとしてアラビトール100g/Lを含む培地で行う以外は、実施例5と同様に培養しMAraLを製造した。
実施例5の培養を糖アルコールとしてアラビトール100g/Lを含む培地で行う以外は、実施例5と同様に培養しMAraLを製造した。
(マンノシルソルビトールリピッド(MSL)の製造)
実施例5の培養を糖アルコールとしてソルビトール100g/Lを含む培地で行う以外は、実施例5と同様に培養しMSLを製造した。
実施例5の培養を糖アルコールとしてソルビトール100g/Lを含む培地で行う以外は、実施例5と同様に培養しMSLを製造した。
(マンノシルリビトールリピッド(MRL)の製造)
実施例5の培養を糖アルコールとしてリビトール100g/Lを含む培地で行う以外は、実施例5と同様に培養しMRLを製造した。
実施例5の培養を糖アルコールとしてリビトール100g/Lを含む培地で行う以外は、実施例5と同様に培養しMRLを製造した。
(水中油型乳化組成物の調製)
表1に示すような組成の水中油型乳化組成物を製造し、結晶析出状態及び保存安定性を評価した。結果を表1に併せて示す。
表1に示すような組成の水中油型乳化組成物を製造し、結晶析出状態及び保存安定性を評価した。結果を表1に併せて示す。
(製法)
成分(12)に成分(4)、(5)及び(13)を加え、80℃で加熱溶解したものに、成分(2)〜(3)を加え、80℃で溶解した。これに、成分(11)を加え、水相を調製した。別途、80℃で成分(1)、(6)〜(10)を均一に混合して油相を調製した。80℃で、この油相を、先に調製した水相に加え、予備乳化を行った。ホモミキサーにて乳化粒子を均一に調整した後、脱気、ろ過を行い、水中油型乳化組成物を得た。
成分(12)に成分(4)、(5)及び(13)を加え、80℃で加熱溶解したものに、成分(2)〜(3)を加え、80℃で溶解した。これに、成分(11)を加え、水相を調製した。別途、80℃で成分(1)、(6)〜(10)を均一に混合して油相を調製した。80℃で、この油相を、先に調製した水相に加え、予備乳化を行った。ホモミキサーにて乳化粒子を均一に調整した後、脱気、ろ過を行い、水中油型乳化組成物を得た。
(評価方法)
(1)結晶析出状態:
得られた乳化組成物について、結晶析出の有無を目視にて評価し、以下の基準で判定した。
○:結晶析出が認められない。
×:結晶析出が明らかに認められる。
(1)結晶析出状態:
得られた乳化組成物について、結晶析出の有無を目視にて評価し、以下の基準で判定した。
○:結晶析出が認められない。
×:結晶析出が明らかに認められる。
(2)保存安定性:
得られた乳化組成物を、5℃、室温(25℃)、50℃にて、1ヶ月保存した後、性状の変化(増粘、ゲル化、分離、結晶の析出等)の有無を評価した。
○:5℃、室温(25℃)、50℃のいずれにおいても、性状変化が認められない。
△:5℃、室温(25℃)、50℃において、性状変化が少し認められる。
×:5℃、室温(25℃)、50℃において、性状変化が明らかに認められる。
得られた乳化組成物を、5℃、室温(25℃)、50℃にて、1ヶ月保存した後、性状の変化(増粘、ゲル化、分離、結晶の析出等)の有無を評価した。
○:5℃、室温(25℃)、50℃のいずれにおいても、性状変化が認められない。
△:5℃、室温(25℃)、50℃において、性状変化が少し認められる。
×:5℃、室温(25℃)、50℃において、性状変化が明らかに認められる。
表1の結果より、本発明品1〜17の乳化組成物はいずれも結晶が析出せず、保存安定性も良好であった。これに対し、成分(D)を含有しない比較品1及び2、成分(B)を含有しない比較品3では、結晶の析出が認められた。
(乳液)
表2に示す組成の乳液を製造した。得られた乳液は、結晶析出状態、保存安定性において良好なものであった。
表2に示す組成の乳液を製造した。得られた乳液は、結晶析出状態、保存安定性において良好なものであった。
(製法)
精製水にグリセリン、ユーカリエキス及び成分(C)を加え、80℃で加熱溶解したものに、カルボキシビニルポリマー及び成分(B)を加え、80℃で溶解した。これに水酸化カリウムを加え、水相を調製した。別途、80℃で成分(A)、(D)、スクワラン、オリーブ油、コレステロール、ジメチルポリシロキサン及び香料を均一に混合して、油相を調製した。80℃で、この油相を、先に調製した水相に加え、予備乳化を行った。ホモミキサーにて乳化粒子を均一に調整した後、脱気、ろ過を行い、乳液を得た。
精製水にグリセリン、ユーカリエキス及び成分(C)を加え、80℃で加熱溶解したものに、カルボキシビニルポリマー及び成分(B)を加え、80℃で溶解した。これに水酸化カリウムを加え、水相を調製した。別途、80℃で成分(A)、(D)、スクワラン、オリーブ油、コレステロール、ジメチルポリシロキサン及び香料を均一に混合して、油相を調製した。80℃で、この油相を、先に調製した水相に加え、予備乳化を行った。ホモミキサーにて乳化粒子を均一に調整した後、脱気、ろ過を行い、乳液を得た。
(クリーム)
表3に示す組成のクリームを製造した。得られたクリームは、結晶析出状態、保存安定性において良好なものであった。
表3に示す組成のクリームを製造した。得られたクリームは、結晶析出状態、保存安定性において良好なものであった。
(製法)
精製水にグリセリン、アスナロ抽出液及び成分(C)を加え、80℃で加熱溶解したものに、成分(B)を加え、80℃で溶解した。これに水酸化カリウムを加え、水相を調製した。別途、80℃で成分(A)、(D)、スクワラン、オリーブ油、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ジメチルポリシロキサン及び香料を均一に混合して、油相を調製した。80℃で、この油相を、先に調製した水相に加え、予備乳化を行った。ホモミキサーにて乳化粒子を均一に調整した後、脱気、ろ過を行い、クリームを得た。
精製水にグリセリン、アスナロ抽出液及び成分(C)を加え、80℃で加熱溶解したものに、成分(B)を加え、80℃で溶解した。これに水酸化カリウムを加え、水相を調製した。別途、80℃で成分(A)、(D)、スクワラン、オリーブ油、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ジメチルポリシロキサン及び香料を均一に混合して、油相を調製した。80℃で、この油相を、先に調製した水相に加え、予備乳化を行った。ホモミキサーにて乳化粒子を均一に調整した後、脱気、ろ過を行い、クリームを得た。
本発明の水中油型乳化組成物は、保湿性に優れ、結晶析出が抑えられ、乳化安定性が良好であることから、特に医薬品や化粧品に関する産業界において、大きく寄与することが期待される。
Claims (9)
- 次の成分(A)〜(E)を含有し、かつ成分(A)と(C)の質量比が、(A)/(C)=40/1〜1/10であることを特徴とする水中油型乳化組成物。
(A)バイオサーファクタント
(B)アクリル酸アルキル及び/又はメタクリル酸アルキルの重合体
(C)パラオキシ安息香酸エステル又はフェノキシエタノール
(D)HLB8以下の界面活性剤
(E)水 - バイオサーファクタントが、マンノース骨格を有することを特徴とする請求項1に記載の水中油型乳化組成物。
- バイオサーファクタントが、マンノース骨格の1位の水酸基に糖アルコールがグリコシド結合していることを特徴とする請求項2に記載の水中油型乳化組成物。
- マンノース骨格を有するバイオサーファクタントがマンノシルエリスリトールリピッド(MEL)、マンノシルマンニトールリピッド(MML)、マンノシルソルビトールリピッド(MSL)、マンノシルアラビトールリピッド(MAraL)及びマンノシルリビトールリピッド(MRL)からなる群より選ばれた1種以上の化合物であることを特徴とする請求項2または3に記載の水中油型乳化組成物。
- MELが、マンノシルエリスリトールリピッドA(MEL−A)、マンノシルエリスリトールリピッドB(MEL−B)、マンノシルエリスリトールリピッドC(MEL−C)、マンノシルエリスリトールリピッドD(MEL−D)、MEL−Aのトリアシル体、MEL−Bのトリアシル体、MEL−Cのトリアシル体及びMEL−Dのトリアシル体からなる群より選ばれた1種以上の化合物であることを特徴とする請求項4に記載の水中油型乳化組成物。
- バイオサーファクタントが、飽和脂肪酸及び/又は不飽和脂肪酸を含有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の水中油型乳化組成物。
- 水中油型乳化組成物中、成分(A)を含む油相が30質量%以下であり、かつ成分(A)が油相中に50質量%以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の水中油型乳化組成物。
- 成分(A)と(B)の質量比が、(A)/(B)=40/1〜1/1であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の水中油型乳化組成物。
- 成分(A)と(D)の質量比が、(A)/(D)=80/1〜1/1であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の水中油型乳化組成物。
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---|---|---|---|
JP2010047379A JP2011178766A (ja) | 2010-03-04 | 2010-03-04 | 水中油型乳化組成物 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016515637A (ja) * | 2013-04-10 | 2016-05-30 | エボニック デグサ ゲーエムベーハーEvonik Degussa GmbH | コポリマーならびにスルホサクシネートおよび/またはバイオサーファクタントを含有する化粧品配合物 |
-
2010
- 2010-03-04 JP JP2010047379A patent/JP2011178766A/ja active Pending
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