JP2011176483A - 量子化装置、プログラム及び方法、並びに、動画像符号化装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明は、動画像符号化処理に用いられる変換係数の量子化を行う量子化装置に関する。そして量子化装置は、変換係数をスケーリングする手段と、スケーリングされた変換係数の絶対値について小数点以下の切り捨てにより整数化した第1の係数レベル侯補と、第1の係数レベル候補よりも絶対値が1大きい第2の係数レベル候補を決定する手段と、係数レベル候補相異に伴う歪変化量と、係数レベル候補の相異に伴うエントロピー符号化に要する符号量の変化量とを利用して、係数レベル候補の相異に伴うレートレート歪コストの変化量を算出する手段と、算出したレート歪コストの変化量に応じて、係数レベル候補から量子化に適用する係数レベルを選択する手段とを有することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
(1)式において、J(λ,cij,lij)は、変換係数cijを係数レベルlijに量子化して符号化する場合のRDコストであり、以下の(2)式にように示すことができる。
+λbits(lij) …(2)
(2)式において、量子化誤差err(cij,lij)は、以下の(3)式のように示すことができる。
(3)式において、rijは、係数レベルlijを逆量子化することによって得られる値であり、以下の(4)式のように示すことができる。
(3)式及び(4)式において、N(QP%6,i,j),R(QP%6,i,j)はそれぞれH.264で用いられる整数変換の、正規化マトリックス、逆量子化スケールマトリックスであり、QPは量子化パラメータである。なお、QP/6,QP%6は、QPを6で割った商と余りを表す。
lij floor=floor(lij float) …(6)
lij ceil=lij floor+1 …(7)
lij round=
floor{(|cij|Q(QP%6,i,j)+0.5)/215+QP/6} …(8)
以下、本発明による量子化装置、プログラム及び方法、並びに、動画像符号化装置の第1の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。なお、第1の実施形態の量子化装置は、量子化部であるものとして説明する。
(A−1−1)動画像符号化装置の全体構成について
図2は、この実施形態の動画像符号化装置10の全体構成を示すブロック図である。
次に、量子化部13による処理の概要について説明する。
ここで、△J,△E,μ,△Rの意味について説明する。
すなわち、量子化ステップサイズq倍された正規直交変換の近似変換と見なすことができる。
ciとliは同符号で、2乗されているので、符号を無視して絶対値のみで評価してもよく、それぞれの絶対値をai,uiで表すと、以下の(12)式のようになる。
そして、uiとしてtiとti+1を選んだ場合の量子化誤差の変化量は、以下の(13)式のようになる。
=2q2(1/2−(ai−ti)) …(13)
そして、全体を1/(2q2)倍にスケールして評価すれば、以下の(14)式のように乗算無しで評価できる。
=1/2−(ai−ti) …(14)
この時、μを以下の(15)式のようにおけば、RDコストJの変化量を1/(2q2)でスケールした値△Jが、上述の(9)式で評価できる。
このとき、△Rは、符号量の変化量なので、uiとしてtiもしくはti+1を選択したときに、符号量の変化するシンタックスエレメントのみの符号量の変化量を求めれば良い。
図1は、量子化部13の機能的構成について示したブロック図である。
ここで、Q(QP%6,j,k)は、量子化時のスケールマトリックス、QP/6,QP%6はそれぞれ、QPを6で割った商と余り、215+QP/6による除算は、実数としての除算である。
si=sign(ci) …(19)
また以下の説明で、これらの値に対する演算を実数演算のように記述するが、適当な精度の固定少数表現によって、整数演算器で処理することも可能である。なお、上記スケーリング時の右シフトは、gjkの絶対値に対して行うようにしてもよい。
そして、スケールされた係数ciに対する係数レベルliの絶対値uiの候補として、tiと、ti+1の少なくとも2つを候補とする(△Rの評価をスキップして、tiを選択する場合も含む)。
レート変化量計算部133では、CABAC、CAVLC等のそれぞれのエントロピー符号化器によって両候補に対して発生するであろう符号量の変化量△Rを求める。レート変化量計算部133の処理については、後述する動作説明において詳述する。
次に、以上のような構成を有する第1の実施形態の動画像符号化装置10について、量子化部13の動作を中心に説明する。
e=0 …(23)
r=bits(coded=1)−bits(coded=0)
(i0==−1のとき) …(24)
r=bits(lastk=0)−bits(lastk=1)
(i0≧0のとき) …(25)
次に、候補範囲内(i=i0+1,…,i1)で、k、e、rの更新を繰り返す(S203、S204)。
−bits(ui=0))…(26)
b=e+△Ei+μ(r+bits(ui=1,lasti=1) …(27)
[b<0の場合について]
k=iに更新する。
r=bits(lastk=0)−bits(lastk=1)…(29)
p≧0の場合には、e及びrについて、以下の(30)式及び(31)式のように求める。
r=bits(ui=0)−bits(ui=1,lasti=0) …(31)
[b≧0の場合について]
p<0の場合には、e及びrについて、以下の(32)式及び(33)式のように求める。
r=r+bits(ui=1,lasti=0) …(33)
p≧0の場合には、rについて以下の(34)式のように求める。
上述のように、ステップS203、S204によるk、e、rの更新が行われた後、得られたkを最終非ゼロ係数位置とする(S205)。ただし、k=−1の場合は、対象ブロックは係数なしとする。
△Ji=△Ei+μ△Ri …(36)
ここで、さらに符号量の変化量△Riについては、CABACでの係数レベルの表現方法に依存して、tiの大きさに応じて、以下の4つの場合ごとに、効率的に求めることができる。CABACの算術符号による符号量は、確率状態変数に依存し、繰り返し使用される確率状態変数については、正確には状態遷移させつつ評価したほうがよいが、状態遷移なしで近似してもよい。
この場合、△Riは、確率状態変数に依存しなくなり、coeff_abs_level_minus1のsuffix部分長さの違いのみとなり、△Riは0もしくは2となる。
この場合、△Riは、coeff_abs_level_minus1に関する1つの確率状態変数のみに依存し、tiが13通り、確率状態変数が、128通りの、△Riのテーブルをあらかじめ作成しておくことができる。
この場合、△Riは、coeff_abs_level_minus1に関する2つの確率状態変数に依存するが、2つのbinの符号量差のみを求めればよい。
この場合、△Riは、significant_coeff_flagとcoeff_abs_level_minus1の最初のbinのみに関係し、これに関する2つの確率状態変数から求めることができる。
第1の実施形態によれば、非特許文献1に記載のRDOQのCABACアルゴリズムと同様にレート歪み的に最適な係数レベルの選択を、より少ない処理量(演算量)で行うことができる。
以下、本発明による量子化装置、プログラム及び方法、並びに、動画像符号化装置の第2の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。なお、第2の実施形態の量子化装置は、量子化部であるものとして説明する。
第2の実施形態の量子化部及び動画像符号化装置も、図1により示すことができる。
また、量子化部13では、係数レベルliの絶対値ui候補として、以下の(38)によりtiを求め、以下の(39)により歪変化量△Eiを求める。
△Ei=△E(ai,ti)=1/2−(ai−ti) …(39)
ここで、△Ei≧0であるiについては、ui=tiとし、以降の処理では、ti+1は候補としない。
なお、上述したように、△Ei≧0であるiについては、ui=tiとし、この判断をスキップする。
ti>1の場合は、coeff−tokenに影響しないので、無視できる。
ti>0の場合は、total_zeros,run_beforeに影響しないので、無視できる。
suffixLengthの更新に影響がなければ、i番目以外の係数レベルに関するtrailing_ones_sign_flag,level_prefix,level_suffix等は無視できる。なお、suffixLengthへの影響を無視して、常にi番目以外の係数レベルに関するシンタックスを無視する処理としてもよい。
level_prefixに変化がなければ、△Ri=0である。
第2の実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
以下、本発明による量子化装置、プログラム及び方法、並びに、動画像符号化装置の第3の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。なお、第3の実施形態の量子化装置は、量子化部であるものとして説明する。
第3の実施形態の量子化部及び動画像符号化装置も、図1により示すことができる。
次に、量子化部13では、ciの絶対値aiについて、係数レベルliの絶対値uiの候補として、以下の(41)式によりtiを求め、さらに、以下の(41)式により歪変化量△Eiが求められる。
△Ei=△E(ai,ti)=1/2−(ai−ti) …(42)
ここで、△Ei≧0であるiについては、ui=tiとし、以降の処理では、ti+1は候補としない。
e=△Ek …(44)
r=bits(uk=1,lastk=1) …(45)
次に、量子化部13は、i=i1−1、…、0について、それぞれ△Ei、p、bを求め、その結果に応じてui、k、e、rの更新し、i0がみつかるまで繰り返す(S502、S503)。ただし、ti>1ならこのときのiを、i0=iとしてi0がみつかったものとし(S504),後述するステップS507に進む。
uiを以下の(46)式により更新し、rを以下の(47)式により更新し、次のiの処理に進む。
r=r+bits(ui=0) …(47)
[△Ei≦0の場合]
この場合、まずpを以下の(48)とおき、p及び後述するbの結果に応じた処理が行われる。
−bits(ui=0)) …(48)
[△Ei≦0、かつ、p<0の場合]
まず、uiを下記の(49)式により更新し、bを以下の(50)式とおくものとする。
b=e+μ(r+bits(lasti=0)
−bits(lasti=1)) …(50)
そして、b>0の場合には、k、e、rを、それぞれ以下の、(51)式、(52)式、(53)式により更新する。
e=△Ek …(52)
r=bits(uk=1,lastk=1) …(53)
一方、b<=0の場合には、e、rをそれぞれ以下の(54)式、(55)式により更新する。
r=r+bits(ui=1,lasti=0) …(55)
[△Ei≦0、かつ、p≧0の場合]
まず、uiを下記の(56)式により更新し、bを以下の(57)式とおくものとする。
b=e+△Ei+μ(r+bits(ui=0)
−bits(uk=1,lasti=1)) …(57)
そして、b>0の場合には、k、e、rを、それぞれ以下の、(58)式、(59)式、(60)式により更新する。
e=△Ek …(59)
r=bits(uk=1,lastk=1) …(60)
一方、b<=0の場合には、rを以下の(61)により更新する。
以上のように、ステップS502、S503の繰り返しにより、i0の探索が行われると、量子化部13では、その処理結果について判定が行われ(S504)、i0がみつかった場合(ti>1がみつかった場合)には、後述するステップS507の処理が行われ、i0が見つからなかった場合(ti>1がみつからなかった場合)には、後述するステップS505の処理が行われる。
b = e + μ(r + bits(coded=1) - bits(coded=1)) …(63)
そして、b>0ならば、対象ブロックは係数なしとして(S506)、図7の処理を終了し、そうでなければ後述するステップS508の処理に進む。
−bits(lasti=1)…(64)
次に、図7の処理において用いられている変数について説明する。
△Ji=△Ei+μ△Ri …(66)
なお、上述したように、△Ei≧0であるiについては、ui=tiとし、この判断をスキップするようにしても良い。
第3の実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加えて、以下のような効果を奏することができる。
以下、本発明による量子化装置、プログラム及び方法、並びに、動画像符号化装置の第4の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。なお、第4の実施形態の量子化装置は、量子化部であるものとして説明する。
第4の実施形態の量子化部及び動画像符号化装置も、図1により示すことができる。
△Ei=△E(ai,ti)=1/2−(ai−ti)…(68)
ここで、△Ei≧0であるiについては、ui=tiとし、以降の処理では、ti+1は候補としないようにしても良い(ただし、△Ei≧0であっても、ti=0の場合は、未選択とし、後の未選択係数レベルの選択時に処理することとしてもよい)。
すなわち、△Ji<0の場合にti+1を選択する.選択されたui用いて、係数レベルliを順次更新していく。
一方、ti>0の場合は、変数suffixLengthが確定していれば、△Riは、suffixLengthで選択される可変長符号のテーブルにおける符号長の差として、効率的に求めることができる。
符号量の変化量△Riの算出時には必要に応じて、初期値のままの、あるいは、それまでの処理により更新された場合は更新された係数レベルliを参照して算出する。△Riの計算は、第2の実施形態で記載したのと同様に、tiを選択した場合と、ti+1を選択した場合の間で、符号量に変化のあるシンタックスエレメントのみを考慮すればよく、効率的に△Riの計算処理に関連するシンタックスエレメントを絞り込むことができる。
第4の実施形態によれば、第2の実施形態の効果に加えて、以下のような効果を奏することができる。
以下、本発明による量子化装置、プログラム及び方法、並びに、動画像符号化装置の第5の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。なお、第5の実施形態の量子化装置は、量子化部であるものとして説明する。
第5の実施形態では、第1〜第4の実施形態のような、係数ブロック単位での量子化処理ののち、複数の係数ブロックを含む、より大きな単位での量子化結果の最適化処理を行う。
歪変化量総和計算部136は、対象ブロック全体にわたる歪の変化量の総和△Eを、以下の(73)式により求める。△Eは、対象係数ブロックをすべて係数なしとした場合から、ブロック単位での量子化結果の状態(絶対値1の係数が含まれる)へのスケールされた歪の変化量となる。
レート変化量計算部137は、符号量の変化量として、係数ブロックjを、CABACもしくはCAVLC等のエントロピー符号化器で符号化する場合の符号量をrjとして求める。そして、レート変化量計算部137は、△Rをこれらの総和と、coded_block_patternにより、これらすべての符号語を符号化しない場合の差として、以下の(74)式により求める。ただし、(74)式の第2項のbits()の差は、coded_block_patternの、対象としている8×8領域全体の係数の有無を制御した場合の符号量の差であり、使用するCABAC,CAVLC等のエントロピー符号化によって決まる値である。また、この符号量の差が非常に小さいものとみなして無視(計算しない)する構成としてもよい。
そして、係数レベル選択部138は、得られた△Eと△Rと、スケールされたラグランジュ乗数μを用いて、複数ブロックを同時に係数なしとする場合と、ブロックごとの量子化処理による係数レベルを使用する場合のRDコストの変化量△Jを、以下の(75)式により求め、△J≧0の場合は、対象ブロックをすべて係数なしとする。△J<0の場合、もしくは、上記で処理対象としなかった、絶対値2以上の係数レベルを含む場合等は、ブロックごとの量子化処理結果をそのまま出力する。
(E−2)第5の実施形態の効果
第5の実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するような変形実施形態も挙げることができる。
Claims (9)
- 動画像符号化処理において、符号化対象の動画像を構成する入力画像と上記入力画像の予測画像との誤差信号に係る変換係数を、量子化する量子化装置において、
上記変換係数に対して量子化のためのスケーリングを施すスケーリング手段と、
スケーリングされた上記変換係数の絶対値について小数点以下の切り捨てにより整数化した第1の係数レベル侯補と、第1の係数レベル候補よりも絶対値が1大きい第2の係数レベル候補を決定する係数レベル候補決定手段と、
上記第1の係数レベル侯補を選択した場合と、上記第2の係数レベル候補を選択した場合の、量子化誤差の差に相当するスケール化された歪変化量、及び、エントロピー符号化する場合に必要となる符号量の変化量を求め、求めた歪変化量と符号量の変化量とを利用して、上記第1の係数レベル侯補を適用した場合と、上記第2の係数レベル侯補を適用した場合とのレート歪コストの変化量を算出するレート歪コスト変化量算出手段と、
上記レート歪コスト変化量算出手段の算出結果に応じて、上記第1の係数レベル候補又は上記第2の係数レベル候補のいずれかを、上記変換係数の量子化に適用する係数レベルとして選択する係数レベル選択手段と
を有することを特徴とする量子化装置。 - 当該量子化装置は、上記動画像符号化処理において、量子化された上記変換係数をエントロピー符号化するものであって、上記変換係数における係数成分のスキャン順で最終非ゼロ係数であることを表すシンタックスを有する符号化手段へ、量子化した上記変換係数を供給し、
上記スケーリング手段は、上記変換係数を量子化パラメータにしたがってスケーリングし、
上記レート歪コスト変化量算出手段は、上記変換係数の各係数成分で、最終非ゼロ係数成分位置を探索する範囲を決定し、この範囲について、スキャンの順方向に、ある最終非ゼロ係数成分位置を選択した場合と、別の最終非ゼロ係数成分位置を選択した場合のレート歪コストの変化量を求め、このレート歪コストの変化量の符号に応じて、最終非ゼロ係数成分位置を決定し、決定した最終非ゼロ係数成分位置から、スキャンの逆方向に各係数成分について、上記第1の係数レベル侯補を適用した場合と、上記第2の係数レベル侯補を適用した場合とのレート歪コストの変化量を求め、
上記係数レベル選択手段は、上記レート歪コスト変化量算出手段が算出したレート歪コストの変化量の符号に応じて、上記変換係数の各係数成分に適用する係数レベルを選択する
ことを特徴とする請求項1に記載の量子化装置。 - 当該量子化装置は、上記動画像符号化処理において、量子化された上記変換係数をエントロピー符号化するものであって、ゼロ係数のランレングス符号化を含む符号化手段へ、量子化した上記変換係数を供給し、
上記スケーリング手段は、上記変換係数を量子化パラメータにしたがってスケーリングし、
上記レート歪コスト変化量算出手段は、上記スケーリング手段によりスケール化された上記変換係数の各係数成分を絶対値の小さい順にソートし、上記第1の係数レベル候補及び上記第2の係数レベル候補を、所定の量子化処理で量子化した値に初期化し、上記変換係数の各係数成分について、ソートされた順番で、上記第1の係数レベル侯補を適用した場合と、上記第2の係数レベル侯補を適用した場合とのレート歪コストの変化量を求め、
上記係数レベル選択手段は、上記レート歪コスト変化量算出手段が算出したレート歪コストの変化量の符号に応じて、上記変換係数の各係数成分に適用する係数レベルを選択する
ことを特徴とする請求項1に記載の量子化装置。 - 当該量子化装置は、量子化された上記変換係数をエントロピー符号化するものであって、上記変換係数の各係数成分のスキャン順で最終非ゼロ係数であることを表すシンタックスを有する符号化手段へ、量子化した上記変換係数を供給し、
上記スケーリング手段は、上記変換係数を量子化パラメータにしたがってスケーリングし、
上記レート歪コスト変化量算出手段は、上記変換係数の各係数成分のスキャンの逆順に最終非ゼロ係数位置の探索開始位置を決定し、上記探索開始位置からスキャンの逆順に0を係数レベル候補としない係数成分まで、ある最終非ゼロ係数成分位置を選択した場合と、別の最終非ゼロ係数成分位置を選択した場合のレート歪コストの変化量を求め、このレート歪コストの変化量の符号判断によって、適用する最終非ゼロ係数成分位置を決定し、探索範囲の係数レベルを決定し、探索の停止位置から、スキャンの逆方向に各係数成分について、上記第1の係数レベル侯補を適用した場合と、上記第2の係数レベル侯補を適用した場合とのレート歪コストの変化量を求め、
上記係数レベル選択手段は、上記レート歪コスト変化量算出手段が算出したレート歪コストの変化量の符号に応じて、上記変換係数の各係数成分に適用する係数レベルを選択する
ことを特徴とする請求項1に記載の量子化装置。 - 当該量子化装置は、当該量子化装置が量子化した変換係数をエントロピー符号化するものであって、ゼロ係数のランレングス符号化と、量子化された係数レベルの符号化順に現れる係数レベルの絶対値の大きさに依存して、非ゼロ係数レベルの符号化に使用する符号が変化する符号化を含む符号化手段へ、量子化した上記変換係数を供給し、
上記スケーリング手段は、上記変換係数を量子化パラメータにしたがってスケーリングし、
上記レート歪コスト変化量算出手段は、上記変換係数の各係数成分について係数レベルの符号化順に、当該係数成分に対応する上記第1の係数レベル候補又は上記第2の係数レベル候補のうちいずれかの係数レベルが0である場合には、当該係数成分に適用する係数レベルを、所定の量子化処理で量子化した値に初期化し、当該係数成分の符号化に使用する符号が確定する場合には、当該係数成分について、上記第1の係数レベル侯補を適用した場合と、上記第2の係数レベル侯補を適用した場合とのレート歪コストの変化量を求めて係数レベルを選択し、さらに、以上の処理で、まだレート歪コストの変化量が求められていない係数成分についても、レート歪コストの変化量を求め、
上記係数レベル選択手段は、上記レート歪コスト変化量算出手段が算出したレート歪コストの変化量の符号に応じて、上記変換係数の各係数成分に適用する係数レベルを選択する
ことを特徴とする請求項1に記載の量子化装置。 - 動画像符号化処理において、符号化対象の動画像を構成する入力画像と上記入力画像の予測画像との誤差信号に係る変換係数を、量子化する量子化装置において、
当該量子化装置は、量子化した結果をエントロピー符号化するものであって、複数の変換係数ブロックにわたって、係数レベルが全てゼロであることを表現できる符号化を含む符号化手段へ、量子化した上記変換係数を供給し、
量子化対象となる複数の変換係数ブロックを構成する各変換係数ブロックについて、請求項1〜5のいずれかに記載の量子化装置により量子化する単位量子化手段と、
上記ブロック単位量子化手段により、量子化された変換係数ブロックのうち、係数レベルが非ゼロのものについて、係数レベル0を適用する場合からのスケールされた歪変化量の総和を求める歪変化量総和計算手段と、
上記ブロック単位量子化手段により量子化された変換係数ブロックを、エントロピー符号化する場合に必要となる符号量と、上記各変換係数ブロックの係数レベルが全てゼロであることを表現する場合の符号量との変化量を求める符号量変化量算出手段と、
上記歪変化量総和計算手段により求められた歪変化量の総和と、上記符号量変化量算出手段により求められた符号量の変化量とを用いて、上記ブロック単位量子化手段により量子化された変換係数ブロックと、上記各変換係数ブロックの係数レベルが全てゼロである場合とのレート歪コストの変化量を求め、このレート歪コストの変化量に応じて、上記各変換係数ブロックの量子化結果について、係数レベルを全てゼロとするか、上記ブロック単位量子化手段の量子化結果とするかを決定する係数レベル選択手段と、
を有することを特徴とする量子化装置。 - 動画像符号化処理において、符号化対象の動画像を構成する入力画像と上記入力画像の予測画像との誤差信号に係る変換係数を、量子化する量子化プログラムにおいて、
コンピュータを、
上記変換係数に対して量子化のためのスケーリングを施すスケーリング手段と、
スケーリングされた上記変換係数の絶対値について小数点以下の切り捨てにより整数化した第1の係数レベル侯補と、第1の係数レベル候補よりも絶対値が1大きい第2の係数レベル候補を決定する係数レベル候補決定手段と、
上記第1の係数レベル侯補を選択した場合と、上記第2の係数レベル候補を選択した場合の、量子化誤差の差に相当するスケール化された歪変化量、及び、エントロピー符号化する場合に必要となる符号量の変化量を求め、求めた歪変化量と符号量の変化量とを利用して、上記第1の係数レベル侯補を適用した場合と、上記第2の係数レベル侯補を適用した場合とのレート歪コストの変化量を算出するレート歪コスト変化量算出手段と、
上記レート歪コスト変化量算出手段の算出結果に応じて、上記第1の係数レベル候補又は上記第2の係数レベル候補のいずれかを、上記変換係数の量子化に適用する係数レベルとして選択する係数レベル選択手段と
して機能させることを特徴とする量子化プログラム。 - 動画像符号化処理において、符号化対象の動画像を構成する入力画像と上記入力画像の予測画像との誤差信号に係る変換係数を、量子化する量子化方法において、
スケーリング手段、係数レベル候補決定手段、変化量算出手段、係数レベル選択手段を有し、
上記スケーリング手段は、上記変換係数に対して量子化のためのスケーリングを施し、
上記係数レベル候補決定手段は、スケーリングされた上記変換係数の絶対値について小数点以下の切り捨てにより整数化した第1の係数レベル侯補と、第1の係数レベル候補よりも絶対値が1大きい第2の係数レベル候補を決定し、
上記レート歪コスト変化量算出手段は、上記第1の係数レベル侯補を選択した場合と、上記第2の係数レベル候補を選択した場合の、量子化誤差の差に相当するスケール化された歪変化量、及び、エントロピー符号化する場合に必要となる符号量の変化量を求め、求めた歪変化量と符号量の変化量とを利用して、上記第1の係数レベル侯補を適用した場合と、上記第2の係数レベル侯補を適用した場合とのレート歪コストの変化量を算出し、
上記係数レベル選択手段は、上記レート歪コスト変化量算出手段の算出結果に応じて、上記第1の係数レベル候補又は上記第2の係数レベル候補のいずれかを、上記変換係数の量子化に適用する係数レベルとして選択する
ことを特徴とする量子化方法。 - 動画像符号化装置において、符号化対象の動画像を構成する入力画像と上記入力画像の予測画像との誤差信号に係る変換係数を、量子化する量子化装置を備え、上記量子化装置として、請求項1〜6のいずれかに記載された量子化装置を適用したことを特徴とする動画像符号化装置。
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