JP2011174793A - 圧力センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】電極形成の手間を省き、圧力センサ電流比を大きくすることができる圧力センサを提供する。
【解決手段】絶縁性基板と、前記絶縁性基板の表面に備えたゲート電極と、前記ゲート電極表面に接して配置したゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜に接して配置した有機半導体膜と、前記有機半導体膜の前記ゲート絶縁膜に接しない面に配置されたドレイン電極と、前記有機半導体膜の前記ゲート絶縁膜に接しない面に配置されたソース電極とを備えた有機トランジスタを用いている圧力センサにおいて、前記有機トランジスタの前記ドレイン電極または前記ソース電極がある面に、保護部材と、感圧導電ゴムと、上部電極と、カバーとをこの順に積層し、前記保護部材の前記ドレイン電極または前記ソース電極と接する部分の少なくとも一部に貫通孔を備える。
【選択図】図2
【解決手段】絶縁性基板と、前記絶縁性基板の表面に備えたゲート電極と、前記ゲート電極表面に接して配置したゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜に接して配置した有機半導体膜と、前記有機半導体膜の前記ゲート絶縁膜に接しない面に配置されたドレイン電極と、前記有機半導体膜の前記ゲート絶縁膜に接しない面に配置されたソース電極とを備えた有機トランジスタを用いている圧力センサにおいて、前記有機トランジスタの前記ドレイン電極または前記ソース電極がある面に、保護部材と、感圧導電ゴムと、上部電極と、カバーとをこの順に積層し、前記保護部材の前記ドレイン電極または前記ソース電極と接する部分の少なくとも一部に貫通孔を備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、圧力センサに関する。
圧力センサをロボットハンドと物が接触する部位に触覚センサとして設置して、ロボットハンドが物に触れたことを検出したり、床やテーブルに圧力センサを設置して、床やテーブル上に物を置かれた際の重量変化を圧力センサで検出して物の有無を検知したりする用途で使用することが検討されている。圧力センサの設置数が増えると配線が複雑になるため、圧力センサを2次元マトリクス状に構成する構造が有利であり、次のような圧力センサが知られている。
特許文献1では、図11に示すように、有機トランジスタおよび圧力センサを集積化した構造を有するフレキシブル検知装置が開示されている。このフレキシブル検知装置は、高分子フィルム131、ゲート電極132、ゲート絶縁膜133、有機半導体層134、ソース電極135、ドレイン電極136、高分子フィルム137、スルーホール電極138、感圧導電ゴムシート139、電極140、高分子フィルム141から構成されている。しかし、このフレキシブル検知装置は、高分子フィルム137にスルーホール電極138を形成する必要があり、製作プロセスが増えるという問題点がある。
特許文献2では、図12に示す面状素子の構造を開示している。この面状素子は、有機電界効果トランジスタ231(面部材222、ゲート絶縁膜233、パリレン保護膜238)、ゲート電極232、加圧導電ゴム層240、銅箔241、ポリイミドフィルム242、ビアホール239、電極パッド239a、ソース電極236、有機チャネル235、ドレイン電極237、電極層234から構成されている。しかし、この面状素子の製造には、パリレン保護膜にビアホールを開け電極を形成する製作プロセスが必要であり、製作プロセスが増えるという問題点がある。また最適なトランジスタ特性が開示されていないため、最適な抵抗値やトランジスタ特性が不明という問題点がある。
特許文献3では、図13に示す圧力センサの構造を開示している。この圧力センサは、基板(振動板)301、ゲート電極302、PVPゲート誘電体303、ドレイン電極304、活性ペンタセン層305、保護皮膜層306、ソース電極307から構成されている。しかし、この圧力センサは、基板と共にトランジスタ部分も変形し、故障の要因になりやすいという問題点がある。
特許文献4では、図14に示す圧力センサの構造を開示している。この圧力センサは、基板410、ソース電極430、ドレイン領域460、チャネル領域445、有機半導体層440、ゲート絶縁膜420、コンタクトホール425、データ線406、ゲート電極450、突起部470、保護膜480から構成されている。しかし、この圧力センサは、各突起部470の位置を正確に配置しなければならず、位置決め精度を高くしなければならないという問題点がある。
特許文献5では、図15に示す圧力センサデバイスの構造を開示している。この圧力センサデバイスは、フレキシブル基板501、半導体層502、ドレイン503、ソース504、絶縁層505、ゲート506、圧電ポリマー層507、表面保護層508から構成されている。しかし、この圧力センサデバイスは、加圧を受けた圧電ポリマー層507のピエゾ効果により生じる電圧を有機FETで検出しているので、圧力検出感度が低いという問題点がある。
上記の背景技術における問題点を鑑み、本発明の課題は、従来に比べて電極形成の手間を省いた製作プロセスを提供し、圧力センサ電流比が大きい圧力センサを提供することである。
上記課題を解決するため、本発明に係る圧力センサは、絶縁性基板と、前記絶縁性基板の表面に備えたゲート電極と、前記ゲート電極表面に接して配置したゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜に接して配置した有機半導体膜と、前記有機半導体膜の前記ゲート絶縁膜に接しない面に配置されたドレイン電極と、前記有機半導体膜の前記ゲート絶縁膜に接しない面に配置されたソース電極とを備えた有機トランジスタを用いている圧力センサにおいて、前記有機トランジスタの前記ドレイン電極または前記ソース電極がある面に、保護部材と、感圧導電ゴムと、上部電極と、カバーとをこの順に積層し、前記保護部材の前記ドレイン電極または前記ソース電極と接する部分の少なくとも一部に貫通孔を備えることを特徴とする。
このように圧力センサを構成すると、無圧時には、保護部材によってドレイン電極またはソース電極と感圧導電ゴムとが離され、加圧時には、保護部材の貫通孔内側でドレイン電極またはソース電極と感圧導電ゴムが直接接触するので、貫通孔に別の電極を形成する手間を省くことができる。
より具体的な第1の発明としては、前記圧力センサにおいて、前記ソース電極が前記貫通孔部分に重なって配置され、前記上部電極が接地されていることを特徴とする。
このように圧力センサを構成すると、感圧導電ゴムに圧力が加わって上部電極が感圧導電ゴムを介してソース電極と導通すると、感圧導電ゴムの圧力に応じて感圧導電ゴムの抵抗値が変化し、それに対応してドレイン電極を流れる電流も変化する。このドレイン電極の電流もしくは電圧を計測器で測定する。
このように圧力センサを構成すると、感圧導電ゴムに圧力が加わって上部電極が感圧導電ゴムを介してソース電極と導通すると、感圧導電ゴムの圧力に応じて感圧導電ゴムの抵抗値が変化し、それに対応してドレイン電極を流れる電流も変化する。このドレイン電極の電流もしくは電圧を計測器で測定する。
また、より具体的な第2の発明としては、前記圧力センサにおいて、前記ドレイン電極が前記貫通孔部分に重なって配置され、前記ソース電極が接地され、前記上部電極が電圧を印加されることを特徴とする。
このように圧力センサを構成すると、感圧導電ゴムに圧力が加わって上部電極が感圧導電ゴムを介してドレイン電極と導通すると、感圧導電ゴムの圧力に応じて感圧導電ゴムの抵抗値が変化し、それに対応してドレイン電極を流れる電流も変化する。このドレイン電極の電流もしくは電圧を計測器で測定する。
また、より具体的な第3の発明としては、これらの前記圧力センサにおいて、前記ドレイン電極と前記ソース電極との間のチャネル長Lとチャネル幅Wの比W/Lが、100以上であることが望ましく、1000以上であるとより望ましく、5000以上であるとさらに望ましい。
W/Lの値が大きいほど電流が増加するため、このように圧力センサを構成すると、圧力に対する電流の比が大きな圧力センサを作製することができる。
また、前記第1の発明または第3の発明のいずれか一つに記載の圧力センサにおいて、複数の前記圧力センサからなる組を1つ以上備え、前記各圧力センサの前記上部電極間を電気的に接続し、前記組内でゲート電極間を電気的に接続したゲート配線と、前記ドレイン電極と接続するドレイン配線であって、前記組が1つの場合は圧力センサ毎に個別に前記ドレイン電極と接続し、前記組が2つ以上の場合は異なる組の前記ドレイン電極間を電気的に接続したドレイン配線と、作動する圧力センサを切り替えるために、作動するゲート配線およびドレイン配線を切り替える駆動回路を備えることを特徴とする。
また、前記第1の発明または第3の発明のいずれか一つに記載の圧力センサにおいて、複数の前記圧力センサからなる組を1つ以上備え、前記各圧力センサの前記上部電極間を電気的に接続し、前記組内でゲート電極間を電気的に接続したゲート配線と、前記ドレイン電極と接続するドレイン配線であって、前記組が1つの場合は圧力センサ毎に個別に前記ドレイン電極と接続し、前記組が2つ以上の場合は異なる組の前記ドレイン電極間を電気的に接続したドレイン配線と、作動する圧力センサを切り替えるために、作動するゲート配線およびドレイン配線を切り替える駆動回路を備えることを特徴とする。
このように圧力センサを構成すると、上部電極を共通化できるので、上部電極の位置合わせの要求精度が緩和されるという効果がある。
また、前記第2の発明または第3の発明のいずれか一つに記載の圧力センサにおいて、複数の前記圧力センサからなる組を1つ以上備え、前記組内で上部電極間を電気的に接続した上部配線と、前記ゲート電極と接続するゲート配線であって、前記組が1つの場合は圧力センサ毎に個別に前記ゲート電極と接続し、前記組が2つ以上の場合は異なる組の各前記ゲート電極間を電気的に接続したゲート配線と、前記組内でソース電極間を電気的に接続したソース配線と、作動する圧力センサを切り替えるために、作動する上部配線およびゲート配線を切り替える駆動回路を備えることを特徴とする。
また、前記第2の発明または第3の発明のいずれか一つに記載の圧力センサにおいて、複数の前記圧力センサからなる組を1つ以上備え、前記組内で上部電極間を電気的に接続した上部配線と、前記ゲート電極と接続するゲート配線であって、前記組が1つの場合は圧力センサ毎に個別に前記ゲート電極と接続し、前記組が2つ以上の場合は異なる組の各前記ゲート電極間を電気的に接続したゲート配線と、前記組内でソース電極間を電気的に接続したソース配線と、作動する圧力センサを切り替えるために、作動する上部配線およびゲート配線を切り替える駆動回路を備えることを特徴とする。
このように構成した圧力センサにおいて、ドレイン電流をIds、感圧導電ゴム抵抗をRdとし、ゲート電極に外部ゲート電圧Vgsを印加し、上部電極に外部ドレイン電圧Vdsを印加した状態で、圧力センサが加圧されてドレイン電極と上部電極と感圧導電ゴムが接触すると、ドレイン電極6の電位はIdsxRdだけ低くなり、内部ドレイン電圧はVds−IdsxRdとなる。また内部ゲート電圧はVgsのままとなる。
また、前記第3の発明に記載の圧力センサにおいて、前記各組内の前記上部電極と前記上部配線が一体となったストライプ状電極であることを特徴とする。
このように圧力センサを構成すると、組毎に上部電極を共通化できるので、上部電極の位置合わせの要求精度が緩和されるという効果がある。圧力センサ使用時には、このストライプ電極に外部電圧が印加される。
このように圧力センサを構成すると、組毎に上部電極を共通化できるので、上部電極の位置合わせの要求精度が緩和されるという効果がある。圧力センサ使用時には、このストライプ電極に外部電圧が印加される。
また、本発明に係るこれらの圧力センサは、前記絶縁性基板、保護部材およびカバーを可撓性材料で作製しても良い。このように圧力センサを構成すると、圧力センサ全体をフレキシブルにでき、曲面に圧力センサを設置できるようになる。
本発明によれば、製作プロセスが簡素化され、圧力に対する電流の比が大きな圧力素子を作製することができる。
以下、本発明の実施形態を図1〜図10を参照しながら実施例に基づいて説明する。同一の構成要素については、同一の符号を付け、重複する説明は省略する。なお、本発明は、下記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施することができるものである。
(実施例1)
本発明に係る第1の実施形態について、図1から図5を用いて説明する。
(実施例1)
本発明に係る第1の実施形態について、図1から図5を用いて説明する。
図1は、第1の実施形態における圧力センサ素子の等価回路図である。図1のように、第1の実施形態における圧力センサ素子は、感圧導電ゴム8が加圧されると、感圧導電ゴム8の一端がトランジスタのソース電極5に接続し、感圧導電ゴム8の他端を上部電極9に接続する構成とした。上部電極は、カバーの裏面に形成されており、各圧力センサ素子間の上部電極が一体に形成されており、共通電極9とした。
図2は、第1の実施例の圧力センサ素子の側断面構造図である。絶縁性フィルム基板1の上にゲート電極2およびゲート配線(ワード配線)21を形成するためにゲート電極とゲート配線のパターンがつくられたマスクで絶縁性フィルム基板1を覆い、クロムを厚さ5nmおよび金を厚さ50nmでマスク蒸着する。次に、スピンコート法によりゲート絶縁膜3であるポリイミド絶縁膜を塗布し、200℃で1時間ベーキングする。次に、有機半導体のパターンが作られたマスクでゲート絶縁膜3を覆い、有機半導体膜4として厚さ120nmのペンタセンをマスク蒸着する。次に、ソース電極、ドレイン配線およびドレイン電極のパターンがつくられたマスクで有機半導体膜4上を覆い、ソース電極5、ドレイン配線31およびドレイン電極6として金を厚さ50nmでマスク蒸着する。このようにして有機トランジスタ60’を作製する。次いで、ソース電極5の一部を露出するように貫通孔12を開けた保護フィルム7を、貫通孔12とソース電極の一部が重なるように位置決め配置し、感圧導電ゴム8を積層し、上部電極(共通電極)9として金を厚さ50nmに蒸着したカバーフィルム10を積層した。これにより有機トランジスタ60と、貫通孔12を開けた保護フィルム7と、感圧導電ゴム8と、上部電極9を感圧導電ゴム8と接する面に備えたカバーフィルム10とを積層した圧力センサ素子1個を構成した。
図3に第1の実施形態における圧力センサの2次元圧力センサマトリクスの等価回路図を示す。m列n行からなる2次元圧力センサマトリクスを構成するため、x方向のm個の各圧力センサ素子のトランジスタのそれぞれのゲート電極を連結してn本のゲート配線(ワード配線)とし、y方向のn個の各圧力センサ素子のトランジスタのそれぞれのドレイン電極を連結してm本のドレイン配線(ビット配線)とした。図示しないが、作動する圧力センサを切り替えるために、作動するゲート配線21およびドレイン配線31を切り替える駆動回路を備えている。n本のワード配線を順次、時分割で選択し、m本の各ビット配線での電流を同時測定することで、座標が(m、n)の感圧導電ゴム8の加圧の有無を判定できる。また加圧力に対する電流の校正曲線をあらかじめ取得しておけば、測定された電流から加圧力を算出することができる。
ここで圧力センサの動作について考察する。圧力センサは、有機トランジスタと感圧導電ゴム8の直列からなる。有機トランジスタのチャネル長をL、チャネル幅をW、ゲート絶縁膜容量をC、移動度をμ、ゲート電圧をVgs、ドレイン電圧をVds、しきい値電圧をVtとすると、ドレイン電流Idsは次の式で表される。
ソース電極5に感圧導電ゴム8を接続し、上部電極9を接地し、ゲート電極2に外部ゲート電圧Vgs、上部電極9に外部ドレイン電圧Vdsを印加した場合、ドレイン電流がIdsで感圧導電ゴム抵抗がRsとするとソース電極の電位はIdsxRsだけ高くなり、内部ドレイン電圧はVds−IdsxRsとなる。また内部ゲート電圧はVgs−IdsxRsとなる。これらを線形領域の式1に代入すると次の式を得られる。
この式を解くと、次のように計算される。
また飽和領域の式2に代入すると、次のように計算される。
チャネル幅Wおよびチャネル長Lを、W=1mm,L=10μm、W=10mm,L=10μm、W=50mm,L=10μmの3通りについて、感圧導電ゴム抵抗Rsを変えたときの圧力センサ電流の計算値を求めた結果を図4に示す。なお計算ではトランジスタはn型としVgs=30V、Vds=30V、μ=0.2cm2/Vs、C=3.54x10−9(F/cm2)、Vth=−0.1Vとした。図4より感圧導電ゴム8に圧力を加えて抵抗値が小さくなると電流が増えている。その増え方はチャネル幅Wが大きいほど顕著である。感圧導電ゴム8が100Ω時の圧力センサ電流と任意の抵抗での圧力センサのドレイン電流の比を図5に示す。感圧導電ゴム抵抗Rsが1x105Ω付近から圧力センサ電流比が増え、その増え方はチャネル幅Wが大きいほど顕著である。従ってチャネル長Lとチャネル幅Wの比W/Lは、100以上が望ましく、さらに1000以上が望ましく、さらに5000以上が望ましい。
実施例1ではカバーフィルム10に形成されている共通電極9がm×nのマトリクス全体を覆っているため、カバーフィルム10の位置あわせの精度がそれほど要求されないというメリットがある。特許文献1では高分子フィルム137にスルーホール電極138を形成する必要があるが、実施例1では必要な部分にのみ貫通孔を開けた保護フィルム7を用いることで電極形成の手間を省くことができる。
(実施例2)
図6は、第2の実施形態における圧力センサ素子の等価回路図である。図7は、第2の実施例の圧力センサ素子の側断面構造図である。図6に示したように、感圧導電ゴム8の一端を有機トランジスタのドレイン電極6に接続し、感圧導電ゴム8の他端を上部電極11に接続した。この上部電極は、上部配線(ビット配線)32と電気的に接続している。
(実施例2)
図6は、第2の実施形態における圧力センサ素子の等価回路図である。図7は、第2の実施例の圧力センサ素子の側断面構造図である。図6に示したように、感圧導電ゴム8の一端を有機トランジスタのドレイン電極6に接続し、感圧導電ゴム8の他端を上部電極11に接続した。この上部電極は、上部配線(ビット配線)32と電気的に接続している。
絶縁性フィルム基板1の上にゲート電極2およびゲート配線(ワード配線)21を形成するためにゲート電極とゲート配線のパターンがつくられたマスクで絶縁性フィルム基板1を覆い、クロムを厚さ5nmおよび金を厚さ50nmでマスク蒸着する。次に、スピンコート法によりゲート絶縁膜3であるポリイミド絶縁膜を塗布し、200℃で1時間ベーキングする。次に、有機半導体のパターンが作られたマスクでゲート絶縁膜3を覆い、有機半導体膜4として厚さ120nmのペンタセンをマスク蒸着する。次に、ソース電極、ソース配線およびドレイン電極のパターンがつくられたマスクで有機半導体膜4上を覆い、ソース電極5、ソース配線51およびドレイン電極6として金を厚さ50nmでマスク蒸着する。このようにして有機トランジスタ60’を作製する。次いで、ドレイン電極6の一部を露出するように貫通孔12を開けた保護フィルム7を、貫通孔12とドレイン電極の一部が重なるように位置決め配置し、感圧導電ゴム8を積層し、上部電極11および上部配線(ビット配線)32として金を厚さ50nmでマスク蒸着したカバーフィルム10を、上部電極11と貫通孔12とドレイン電極6が重なるように配置して積層した。これにより有機トランジスタ60’と、貫通孔12を開けた保護フィルム7と、感圧導電ゴム8と、上部電極11を感圧導電ゴム8と接する面に備えたカバーフィルム10とを積層した圧力センサ素子1個を構成した。
図8に2次元圧力センサマトリクスの等価回路を示す。2次元圧力センサマトリクスの面における各圧力センサの位置を、x方向とy方向とが交差した座標で表現する。m列n行からなる2次元圧力センサマトリクスを構成するため、x方向のm個の各圧力センサ素子のトランジスタのそれぞれのゲート電極2を連結してn本のゲート配線(ワード配線)21とし、y方向のn個の各圧力センサ素子のトランジスタのそれぞれのソース電極5を連結して接地電極とした。図示しないが、作動する圧力センサを切り替えるために、作動する上部配線32およびゲート配線21を切り替える駆動回路を備えている。n本のゲート配線(ワード配線)を順次、時分割で選択し、m本の各上部配線(ビット配線)32での電流を同時測定することで、座標が(m、n)の感圧導電ゴム8の加圧の有無を判定できる。また加圧力に対する電流の校正曲線をあらかじめ取得しておけば、測定された電流から加圧力を計測することができる。
ここで圧力センサの動作について考察する。ドレイン電流をIds、感圧導電ゴム抵抗をRdとし、ゲート電極2に外部ゲート電圧Vgsを印加し、上部電極11に外部ドレイン電圧Vdsを印加した状態で、圧力センサが加圧されてドレイン電極6と上部電極11と感圧導電ゴム8が接触すると、ドレイン電極6の電位はIdsxRdだけ低くなり、内部ドレイン電圧はVds−IdsxRdとなる。また内部ゲート電圧はVgsのままとなる。これらを線形領域の式1に代入すると次の式を得られる。
また飽和領域の式は式2のままである。
チャネル幅Wおよびチャネル長Lを、W=1mm,L=10μm、W=10mm,L=10μm、W=50mm,L=10μmの3通りについて、感圧導電ゴム抵抗Rsを変えたときの圧力センサ電流の計算値を求めた結果を図9に示す。なお計算ではトランジスタはn型としVgs=30V、Vds=30V、μ=0.2cm2/Vs、C=3.54x10−9(F/cm2)、Vth=−0.1Vとした。図9より感圧導電ゴムに圧力を加えて抵抗値が小さくなると電流が増えている。その増え方はチャネル幅Wが大きいほど顕著である。感圧導電ゴム8が100Ω時の圧力センサ電流と任意の抵抗での圧力センサのドレイン電流の比を図10に示す。感圧導電ゴム抵抗Rsが1x105Ω付近から圧力センサ電流比が増え、その増え方はチャネル幅Wが大きいほど顕著である。従ってチャネル長Lとチャネル幅Wの比W/Lが、100以上が望ましく、さらに1000以上が望ましく、さらに5000以上が望ましい。
チャネル幅Wおよびチャネル長Lを、W=1mm,L=10μm、W=10mm,L=10μm、W=50mm,L=10μmの3通りについて、感圧導電ゴム抵抗Rsを変えたときの圧力センサ電流の計算値を求めた結果を図9に示す。なお計算ではトランジスタはn型としVgs=30V、Vds=30V、μ=0.2cm2/Vs、C=3.54x10−9(F/cm2)、Vth=−0.1Vとした。図9より感圧導電ゴムに圧力を加えて抵抗値が小さくなると電流が増えている。その増え方はチャネル幅Wが大きいほど顕著である。感圧導電ゴム8が100Ω時の圧力センサ電流と任意の抵抗での圧力センサのドレイン電流の比を図10に示す。感圧導電ゴム抵抗Rsが1x105Ω付近から圧力センサ電流比が増え、その増え方はチャネル幅Wが大きいほど顕著である。従ってチャネル長Lとチャネル幅Wの比W/Lが、100以上が望ましく、さらに1000以上が望ましく、さらに5000以上が望ましい。
なお、以上のいずれの実施例においても、次のように適宜変更して実施可能である。すなわち、フィルム基板は、ポリイミドフィルム、PENフィルム、PEIフィルム、PEEKフィルム、PESフィルム、PSFフィルムなど様々な材質が適用可能である。電極材料は、クロムや金に限定されない。絶縁膜やゲート絶縁膜は、ポリイミドに限定されない。有機半導体膜は、ペンタセンに限定されない。保護膜や表面保護膜は、ポリパラキシリレン膜に限定されない。各層の形成法は、蒸着法の他に塗布法も適用可能である。塗布法は、ディップ法、スピンコート法、スクリーン印刷法、スタンプ法、インクジェット法、ディスペンサ法、スプレー法などが適用可能である。各層のパターニングは、フォトプロセスに限定されず、マスク蒸着やスクリーン印刷法、スタンプ法、インクジェット法、ディスペンサ法、スプレー法も可能である。上部配線11、ゲート配線21およびドレイン配線31は、3つの配線方向のうち1つが別方向であればよく、図示した以外の縦横四方向のどの方向に対しても取り出すことが可能である。略環状部を持つパターンをマスク蒸着で形成する場合は、電流電圧特性に影響を与えないような、略環状部の内側部分と外側部分を繋ぐ細線部を有するため、略環状部は完全な環状ではなく、その層の平面図には図示していない不連続部が形成される。
1 絶縁性フィルム基板
2 ゲート電極
3 ゲート絶縁膜
4 有機半導体膜
5 ソース電極
6 ドレイン電極
7 保護フィルム
8 感圧導電ゴム
9 共通電極(実施例1の上部電極)
10 カバーフィルム
11 実施例2の上部電極
12 貫通孔
21 ゲート配線(ワード配線)
31 ドレイン配線(ビット配線)
32 上部配線(ビット配線。実施例2の上部電極と接続)
51 ソース配線
60 有機トランジスタ
60’ 有機トランジスタ
2 ゲート電極
3 ゲート絶縁膜
4 有機半導体膜
5 ソース電極
6 ドレイン電極
7 保護フィルム
8 感圧導電ゴム
9 共通電極(実施例1の上部電極)
10 カバーフィルム
11 実施例2の上部電極
12 貫通孔
21 ゲート配線(ワード配線)
31 ドレイン配線(ビット配線)
32 上部配線(ビット配線。実施例2の上部電極と接続)
51 ソース配線
60 有機トランジスタ
60’ 有機トランジスタ
Claims (10)
- 絶縁性基板と、前記絶縁性基板の表面に備えたゲート電極と、前記ゲート電極表面に接して配置したゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜に接して配置した有機半導体膜と、前記有機半導体膜の前記ゲート絶縁膜に接しない面に配置されたドレイン電極と、前記有機半導体膜の前記ゲート絶縁膜に接しない面に配置されたソース電極とを備えた有機トランジスタを用いている圧力センサにおいて、
前記有機トランジスタの前記ドレイン電極または前記ソース電極がある面に、保護部材と、感圧導電ゴムと、上部電極と、カバーとをこの順に積層し、
前記保護部材の前記ドレイン電極または前記ソース電極と接する部分の少なくとも一部に貫通孔を備えたことを特徴とする圧力センサ。 - 前記請求項1の圧力センサにおいて、前記ソース電極が前記貫通孔部分に重なって配置され、前記上部電極が接地されていることを特徴とする圧力センサ。
- 前記請求項1の圧力センサにおいて、前記ドレイン電極が前記貫通孔部分に重なって配置され、前記ソース電極が接地され、前記上部電極が電圧を印加されることを特徴とする圧力センサ。
- 請求項2または3の圧力センサにおいて、前記ドレイン電極と前記ソース電極との間のチャネル長Lとチャネル幅Wの比W/Lが100以上であることを特徴とする圧力センサ。
- 請求項2または3の圧力センサにおいて、前記ドレイン電極と前記ソース電極との間のチャネル長Lとチャネル幅Wの比W/Lが1000以上であることを特徴とする圧力センサ。
- 請求項2または3の圧力センサにおいて、前記ドレイン電極と前記ソース電極との間のチャネル長Lとチャネル幅Wの比W/Lが5000以上であることを特徴とする圧力センサ。
- 請求項2、4、5または6のいずれか一項に記載の圧力センサにおいて、
複数の前記圧力センサからなる組を1つ以上備え、
前記各圧力センサの前記上部電極間を電気的に接続し、
前記組内でゲート電極間を電気的に接続したゲート配線と、
前記ドレイン電極と接続するドレイン配線であって、前記組が1つの場合は圧力センサ毎に個別に前記ドレイン電極と接続し、前記組が2つ以上の場合は異なる組の前記ドレイン電極間を電気的に接続したドレイン配線と、
作動する圧力センサを切り替えるために、作動するゲート配線およびドレイン配線を切り替える駆動回路を備えることを特徴とする圧力センサ。 - 請求項3、4、5または6のいずれか一項に記載の圧力センサにおいて、
複数の前記圧力センサからなる組を1つ以上備え、
前記組内で上部電極間を電気的に接続した上部配線と、
前記ゲート電極と接続するゲート配線であって、前記組が1つの場合は圧力センサ毎に個別に前記ゲート電極と接続し、前記組が2つ以上の場合は異なる組の各前記ゲート電極間を電気的に接続したゲート配線と、
前記組内でソース電極間を電気的に接続したソース配線と、
作動する圧力センサを切り替えるために、作動する上部配線およびゲート配線を切り替える駆動回路を備えることを特徴とする圧力センサ。 - 請求項8に記載の圧力センサにおいて、前記各組内の前記上部電極と前記上部配線が一体となったストライプ状電極であることを特徴とする圧力センサ。
- 請求項1ないし9のいずれか一項に記載の圧力センサにおいて、
前記絶縁性基板、前記保護部材および前記カバーが可撓性材料で作られていることを特徴とする圧力センサ。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2010038566A JP2011174793A (ja) | 2010-02-24 | 2010-02-24 | 圧力センサ |
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JP2010038566A JP2011174793A (ja) | 2010-02-24 | 2010-02-24 | 圧力センサ |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101453857B1 (ko) | 2013-02-07 | 2014-10-22 | 한국기계연구원 | 압력 센서 및 그 제조 방법 |
JP2018507643A (ja) * | 2015-02-09 | 2018-03-15 | ノキア テクノロジーズ オサケユイチア | 感知用の装置及び方法 |
-
2010
- 2010-02-24 JP JP2010038566A patent/JP2011174793A/ja active Pending
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