JP2011173096A - 膜蒸留装置 - Google Patents

膜蒸留装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2011173096A
JP2011173096A JP2010040765A JP2010040765A JP2011173096A JP 2011173096 A JP2011173096 A JP 2011173096A JP 2010040765 A JP2010040765 A JP 2010040765A JP 2010040765 A JP2010040765 A JP 2010040765A JP 2011173096 A JP2011173096 A JP 2011173096A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
frame
recess
membrane
port
path
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010040765A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuya Ishii
徹哉 石井
Yoji Fujimori
洋治 藤森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP2010040765A priority Critical patent/JP2011173096A/ja
Publication of JP2011173096A publication Critical patent/JP2011173096A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Abstract

【課題】スタック内に圧力差が生じた場合、ポート孔の周囲の膜が枠から剥がれるのを防止し、抽出した溶媒と溶液がポート孔において混ざるのを防止する。
【解決手段】スタック2の枠30の内縁に外縁へ向かって凹む凹部35を形成する。ポート孔75を凹部35と交差させる。凹部35内に、剛性部材95及び透液性のスペーサ85を重ねて収容する。剛性部材95にポート孔75と連通する穴部95aを設ける。
【選択図】図8

Description

この発明は、海水等の溶液から溶媒を膜蒸留法(MD;Membrane Distillation法)にて蒸留して取り出す膜蒸留装置に関する。
例えば、ギャップ式の膜蒸留装置は、2種類の膜と3つ以上の枠を積層したスタックにて構成されている(特許文献1等参照)。2種類の膜の一方は、気体も液体も通さない不透過膜であり、もう片方は気体を通すが液体を通さない蒸留膜である。2つの枠の間に1つの膜が挟まれている。
各枠の内部は、抽出対象の溶液を通す一次液路、熱源にて加温後の上記溶液を通す二次液路、又は溶媒が抽出される抽出室の何れかを構成する。不透過膜によって一次液路と抽出室が仕切られている。蒸留膜によって抽出室と二次液路が仕切られている。
上記スタックの端部には、各枠及び各膜を貫く貫通孔状のポート孔が6つ形成されている。各ポート孔が、一次液路の入口又は出口、二次液路の入口又は出口、抽出室の取出口又はガス抜き口の何れかを構成している。
枠の内縁には、外縁へ向かって凹む凹部が形成されている。この凹部が、1つのポート孔と交差して該ポート孔と一体に連なっている。上記凹部における枠の厚さ方向(すなわちスタックの積層方向)の両側には、膜が被さり、更に該膜を介して隣の枠が被さっている。これら膜及び隣の枠の上記凹部に被さる部分を上記1つのポート孔が貫通している。
また、不透過膜を省略したダイレクト式の膜蒸留装置も知られている(特許文献2等参照)。ダイレクト式の膜蒸留装置では、一次液路が抽出室を兼ねている。一次液路(ないしは抽出室)に液体溶媒を流し、二次液路に溶液を流し、これら液路を蒸留膜にて仕切る。
特開昭60−197205号公報 特開昭60−118205号公報
各枠内の圧力は互いに同じでない。特に、一次液路の流れ方向と二次液路の流れ方向は、通常、互いに対向流であるため、圧力差が生じやすい。この圧力差によって、膜の上記凹部に被さる部分が、上記隣の枠から剥がれることがある(図8の二点鎖線を参照)。そうすると、上記隣の枠内の流体が上記剥がれた部分を通って、上記凹部と交差する1つのポート孔に漏れてしまう。特に、上記ポート孔が抽出室(ダイレクト式においては抽出室を兼ねる一次液路)の取出口を構成している場合、隣の枠内の海水等の溶液が漏れて、抽出室からの溶媒と混ざってしまう。
上記問題点を解決するために、溶液の溶媒を膜蒸留にて抽出する膜蒸留装置であって、
膜蒸留のための膜を枠を挟んで積層してなるスタックを備え、
前記枠の内縁には、外縁へ向かって凹む凹部が形成され、
前記スタックの周端部には、前記枠及び前記膜を貫き、前記凹部と交差するポート孔が設けられ、
前記凹部には、前記ポート孔と連通する穴部を有する剛性部材と、前記凹部に被さる膜に前記剛性部材が押し付けられる厚さを有する透液性のスペーサとが前記積層の方向に重ねられて収容されていることを特徴とする。
これにより、隣の枠の内圧が、当該凹部を有する枠の内圧より高くなっても、膜の前記凹部に被さる部分が隣の枠から剥がれるのを防止できる。この結果、隣の枠内から溶液(又は溶媒)が漏れて当該凹部に連なるポート孔を通る溶媒(又は溶液)と混ざるのを防止できる。
前記剛性部材が、前記枠より剛性が高いことが好ましい。
これによって、上記内圧差が大きくなっても剛性部材の変形を防止でき、膜の剥がれを確実に防止できる。
前記スペーサが、網材にて構成されていることが好ましい。
これによって、剛性部材を膜に確実に押し付けることができる。また、スペーサの網目を通して溶液又は溶媒が流通できる。スペーサが圧縮された場合でも、透液性を確実に維持できる。
本発明によれば、スタック内に圧力差が生じた場合でも、ポート孔の周囲の膜が枠から剥がれるのを防止できる。したがって、抽出した溶媒と溶液がポート孔において混ざるのを防止できる。
本発明の第1実施形態に係るギャップ式の膜蒸留装置の正面図である。 上記膜蒸留装置の第1枠の正面図である。 上記膜蒸留装置の第2枠の正面図である。 上記膜蒸留装置の第3枠の正面図である。 図1のV−V線に沿う上記膜蒸留装置の断面図である。 図1のVI−VI線に沿う上記膜蒸留装置の断面図である。 図1のVII−VII線に沿う上記膜蒸留装置の断面図である。 上記膜蒸留装置のスタックに内圧差が生じた状態を、図6の一部分を拡大して示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係るダイレクト式の膜蒸留装置の正面図である。 上記ダイレクト式の膜蒸留装置の第1枠の正面図である。 上記ダイレクト式の膜蒸留装置の第2枠の正面図である。 図9のXII−XII線に沿う上記ダイレクト式の膜蒸留装置の断面図である。 図9のXIII−XIII線に沿う上記ダイレクト式の膜蒸留装置の断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
図1〜図7は、例えば海水(溶液)から淡水(溶媒)を抽出するギャップ式の膜蒸留装置1を示したものである。図1に示すように、膜蒸留装置1は、スタック2と、ポートP1〜P6を備えている。
図5〜図7に示すように、スタック2は、第1〜第3の枠10,20,30と、膜蒸留のための2種類の膜40,50と、一対の外壁60,69を含む。これら要素10〜60,69は、互いに同じ大きさの四角形(長方形)になっている。
枠10,20,30は、海水等の溶液に対し耐腐蝕性を有していることが好ましく、ここではパッキン用のゴム材にて構成されているが、これに限られず、樹脂、その他の材料にて構成されていてもよい。各枠10,20,30の厚さは、例えば5mm程度である。(図5〜図8において、枠10,20,30の厚さは誇張されている。)
図2に示すように、第1枠10の枠内に、第1網材18が嵌め込まれている。第1網材18の網目空間が一次液路19になっている。一次液路19の上下端部の近くに整流部17が設けられている。図3に示すように、第2枠20の枠内に、第2網材28が嵌め込まれている。第2網材28の網目空間が二次液路29になっている。二次液路29の上下端部の近くに整流部27が設けられている。図4に示すように、第3枠30の枠内に、第3網材38が嵌め込まれている。第3網材38の網目空間が抽出室39になっている。抽出室39の上下端部の近くに整流部37が設けられている。網材18,28,38の材質は、溶液に対する耐蝕性の観点からPET、ポリエチレン等の樹脂であることが好ましく、更に耐熱性の観点からはPETであることがより好ましい。
不透過膜40は、気体も液体も通さず、かつ良好な伝熱性を有する。不透過膜40は、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の樹脂フィルムにて構成されているが、その他の材料からなるフィルムにて構成されていてもよい。
蒸留膜50は、例えば多孔質の膜で構成され、気体の透過を許容し、液体の透過を阻止する。蒸留膜50の材料としては、例えばPVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ポリプロピレン、ポリエチレン等の合成樹脂が挙げられる。
図5〜図7に示すように、これらスタック要素10〜50が、第1枠10、不透過膜40、第3枠30、蒸留膜50、第2枠20、蒸留膜50、第3枠30、不透過膜40、第1枠10…の順に積層されている。隣り合う2つの枠どうしの間に1つの膜40,50が配置されている。該膜40,50の周縁部が上記2つの枠にて挟持されている。膜40,50の周縁部が、その両隣の枠10,20,30に接着剤9(図11参照)にて接着されている。接着剤9としてエポキシ系接着剤等が挙げられる。膜40,50にコロナ処理等の表面処理を施したうえで、接着剤9を塗布することが好ましい。これにより、接着強度を増すことができる。接着に代えて、熱融着でもよい。
枠10,20,30及び各枠内の網材18,28,38によって、隣接する膜40,50どうし間の間隔が維持されている。不透過膜40によって一次液路19と溶媒抽出室39が仕切られている。蒸留膜50によって、二次液路29と溶媒抽出室39が仕切られている。
スタック2の積層方向の両外側には、それぞれ第1枠10(すなわち一次液路19)が配置され、更にその外側に外壁60,69が配置されている。外壁60,69は、海水等の溶液に対し耐腐蝕性を有していることが好ましく、ここでは樹脂にて構成されているが、その他の材料にて構成されていてもよい。
膜蒸留装置1のポート構造を説明する。
図1に示すように、スタック2の表側の外壁60に6つのポートP1〜P6が設けられている。第1ポートP1と第5ポートP5と第4ポートP4とが、スタック2の長手方向の一端部(図において下端部)に配置されている。これらポートP1,P5,P4は、スタック2の幅方向(図において左右)に間隔を置いて並べられている。第3ポートP3と第6ポートP6と第2ポートP2とが、スタック2の長手方向の他端部(図において上端部)に配置されている。これらポートP3,P6,P2は、スタック2の幅方向に間隔を置いて並べられている。
抽出対象の海水(溶液)の供給路101が、第1ポートP1に連なっている。第2ポートP2から加熱往路102が熱源(図示せず)へ向けて延びている。熱源は、太陽熱集熱器でもよく、エンジン等の排熱の回収部でもよく、電熱ヒータでもよい。熱源からの加熱復路103が第3ポートP3に連なっている。第4ポートP4から海水の排出路104が延びている。第5ポートP5から淡水(溶媒)の取り出し路105が延びている。第6ポートP6は、ガス抜き用であるが、淡水の取り出し用として用いてもよい。
図5〜図7に示すように、スタック2の内部には、各ポートP1〜P2に連続するポート孔71〜76が形成されている。ポート孔71〜76は、スタック要素10〜60を貫く貫通孔状になっている。
図2〜図4に示すように、各枠10,20,30の内縁の所定箇所には、外縁へ向かって凹む凹部11,12,23,24,35,36が形成されている。各ポート孔71〜76が、対応する凹部11,12,23,24,35,36と交差し、該凹部と連通している。
詳述すると、図2に示すように、第1枠10の左下部に第1凹部11が形成され、右上部に第2凹部12が形成されている。凹部11,12は、第1枠10の枠内空間19に一体に連なっている。図5及び図7に示すように、凹部11,12における枠10の厚さ方向(すなわちスタック2の積層方向)の両側には、不透過膜40が被さり、又は外壁60,69が被さっている。第1ポート孔71が、上記膜40又は外壁60,69における上記第1凹部11に被さる部分を貫通して、第1凹部11と交差している。第2ポート孔72が、上記膜40又は外壁60,69における上記第2凹部12に被さる部分を貫通して、第2凹部12と交差している。
図3に示すように、第2枠20の左上部に第3凹部23が形成され、右下部に第4凹部24が形成されている。凹部23,24は、第2枠20の枠内空間29に一体に連なっている。図5及び図7に示すように、凹部23,24における枠20の厚さ方向(すなわちスタック2の積層方向)の両側には、蒸留膜50が被さっている。第3ポート孔73が、蒸留膜50における上記第3凹部23に被さる部分を貫通して、第3凹部23と交差している。第4ポート孔74が、蒸留膜50における上記第4凹部24に被さる部分を貫通して、第4凹部24と交差している。
図4に示すように、第3枠20の下側の中央部に第5凹部35が形成され、上側の中央部に第6凹部36が形成されている。凹部35,36は、第3枠30の枠内空間39に一体に連なっている。図6に示すように、凹部35,36における枠30の厚さ方向(すなわちスタック2の積層方向)の一側には、不透過膜40が被さり、他側には、蒸留膜50が被さっている。第5ポート孔75が、膜40,50における上記第5凹部35に被さる部分を貫通して、第5凹部35と交差している。第6ポート孔76が、膜40,50における上記第6凹部36に被さる部分を貫通して、第6凹部36と交差している。
図2〜図5に示すように、各凹部11,12,23,24,35,36には、剛性部材91〜96及びスペーサ81〜86がスタック2の積層方向に重ねられて収容されている。
すなわち、図2及び図5に示すように、第1凹部11には、第1剛性部材91及び第1スペーサ81が収容されている。図2及び図7に示すように、第2凹部12には、第2剛性部材92及び第2スペーサ82が収容されている。図3及び図5に示すように、第3凹部23には、第3剛性部材93及び第3スペーサ83が収容されている。図3及び図7に示すように、第4凹部24には、第4剛性部材94及び第4スペーサ84が収容されている。図4及び図6に示すように、第5凹部35には、第5剛性部材95及び第5スペーサ85が収容されている。第6凹部36には、第6剛性部材96及び第6スペーサ86が収容されている。
剛性部材91〜96は、PET等の樹脂にて構成され、枠10,20,30より剛性が高い。剛性部材91〜96は、凹部11,12,23,24,35,36の形状に合わせた四角形の板状になっている。剛性部材91〜96の厚さは、例えば200μm程度である。(図5〜8において、剛性部材91〜96の厚さは誇張されている。)各剛性部材91〜96の中央部には、穴部91a〜96aが形成されている。第1剛性部材91の穴部91aが、第1ポート孔71と連通している。第2剛性部材92の穴部92aが、第2ポート孔72と連通している。第3剛性部材93の穴部93aが、第3ポート孔73と連通している。第4剛性部材94の穴部94aが、第4ポート孔74と連通している。第5剛性部材95の穴部95aが、第5ポート孔75と連通している。第6剛性部材96の穴部96aが、第6ポート孔76と連通している。
図5〜図7に示すように、スペーサ81〜86は、網材18,28,38の一部が、凹部11,12,23,24,35,36の内部に延出することによって構成されている。網材からなるスペーサ81〜86は、透液性を有している。ガス抜き用のポート孔76に対応するスペーサ86は、透液性であるからガスの透過性をも有している。ポート孔71〜76が、対応するスペーサ81〜86を貫通している。
網材18,28,38ひいてはスペーサ81〜86のスタック積層方向に沿う厚さは、無荷重状態では枠10,20,30の厚さとほぼ等しい。したがって、スペーサ81〜86は、剛性部材91〜96の厚さ分だけ厚さ方向に圧縮された状態で凹部11,12,23,24,35,36内に収容されている。これにより、図5に示すように、第1剛性部材91が不透過膜40の第1凹部11に被さる部分に押し付けられている。図7に示すように、第2剛性部材92が不透過膜40の第2凹部12に被さる部分に押し付けられている。図5に示すように、第3剛性部材93が蒸留膜50の第3凹部23に被さる部分に押し付けられている。図7に示すように、第4剛性部材94が蒸留膜50の第4凹部24に被さる部分に押し付けられている。図6に示すように、第5剛性部材95が不透過膜40又は蒸留膜50の第5凹部35に被さる部分に押し付けられている。第6剛性部材96が不透過膜40又は蒸留膜50の第6凹部36に被さる部分に押し付けられている。
上記構成の膜蒸留装置1の作用を説明する。
海水が供給路101を経て、第1ポートP1に供給される。この海水が、第1ポート孔71から第1凹部11を通り、一次液路19に導入され、一次液路19内を流通する。このとき、海水は、後述する水蒸気(溶媒)の凝縮熱により加温される。その後、海水は、第2凹部12を通り、第2ポート孔72から第2ポートP2に導出される。そして、加熱往路102を経て、熱源によって更に加温される。加温後の海水が、加熱復路103を経て、第3ポートP3に供給され、更に第3ポート孔73から第3凹部23を通って二次液路29に導入され、二次液路29内を流通する。このとき、海水中の水蒸気(溶媒ガス)が、蒸留膜50を透過して抽出室39に入る。この水蒸気が、不透過膜40を介して一次液路19の海水にて冷却されて凝縮される。こうして海水(溶液)から淡水(溶媒)を抽出できる。抽出された淡水(溶媒)は、第5凹部35を通り、第5ポート孔35から第5ポートP5を経て、取り出し路105にて導出される。
二次液路29の淡水抽出済みの海水は、第4凹部24を通り、第4ポート孔74から第4ポートP4を経て、排出路104にて排出される。
抽出室39内のガスは、第6凹部36を通り、第6ポート孔36から第6ポートP6を経て排出される。第6ポート孔36からも淡水(溶媒)を取り出すことにしてもよい。
各凹部11,12,23,24,35,36においては、剛性部材91〜96の穴部91a〜96aを通して、上記溶液や溶媒が流通できる。また、スペーサ81〜86は透液性であるから、溶液や溶媒の流通を許容できる。特に、スペーサ81〜86が網材にて構成されているため、圧縮状態でも溶液や溶媒の流通を確実に許容できる。
図8に示すように、上記スタック2の例えば第5ポート孔75の近くにおいて、一次液路19の内圧が抽出室39の内圧より大きくなることがある。すると、不透過膜40が抽出室39の側へ押される。一方、不透過膜40における凹部35に被さる部分は、該凹部35内の剛性部材95及びスペーサ85によって枠10に押し付けられている。したがって、上記内圧の差が大きくなっても、図8の実線にて示すように、不透過膜40と枠10の接着状態を維持でき、不透過膜40が剥がれて一次液路19が第5ポート孔75に連通する状態(図8の二点鎖線)になることはない。よって、一次液路19内の海水(溶液)が、第5ポート孔75に侵入するのを防止できる。
また、第5ポート孔75の近くにおいて、二次液路29の内圧が抽出室39の内圧より大きくなったときは、蒸留膜50が抽出室39の側へ押される。一方、蒸留膜50における凹部35に被さる部分は、該凹部35内のスペーサ85及び剛性部材95によって枠20に押し付けられている。これにより、上記内圧の差が大きくなっても、図8の実線にて示すように、蒸留膜50と枠20の接着状態を維持でき、蒸留膜50が剥がれて二次液路29が第5ポート孔75に連通する状態(図8の二点鎖線)になることはない。したがって、二次液路29内の海水(溶液)が、第5ポート孔75に侵入するのを防止できる。
よって、第5ポート孔75から取り出される淡水(溶媒)に海水(溶液)が混ざるのを防止することができる。
同様に、他の凹部31〜34,36においても、剛性部材91〜94,96及びスペーサ81〜84,86によって、膜40,50の該凹部に被さる部分を、隣の枠10,20,30に押え付け、膜40,50が隣の枠10,20,30から剥がれるのを防止できる。よって、各ポート孔における溶液と溶媒の混合を防止できる。
次に、本発明の他の実施形態を説明する。以下の実施形態において、既述の形態と重複する内容については、同一符号を付して説明を簡略化する。
図9〜図13は、ダイレクト式の膜蒸留装置1Aを示したものである。図12及び図13に示すように、膜蒸留装置1Aでは、第3枠30及び不透過膜40が省略されている。蒸留膜50が第1枠10と第2枠20の間に挟まれている。第1枠10内の一次液路19が抽出室39を兼ねている。
図9に示すように、膜蒸留装置1Aには、幅方向の中央のポートP5,P6が設けられていない。図10及び図11に示すように、枠10,20及び膜50には、幅方向の中央のポート孔75,76が形成されていない。したがって、ポート孔75,76に対応する剛性部材95,96及びスペーサ85,86を有しない。
図9及び図12に示すように、淡水往路101AがポートP1に接続されている。図9及び図13に示すように、ポートP2から淡水復路102Aが引き出されいる。したがって、一次液路19には淡水(液体溶媒)が通される。図示は省略するが、淡水復路102Aは、淡水往路101Aの基端部に接続されている。淡水往路101Aと一次液路19と淡水復路路102Aとにより、淡水(液体溶媒)の循環路が構成されている。往復路101A又は102Aから淡水取り出し路が分岐されている。
図9及び図12に示すように、熱源(図示せず)からの海水往路103AがポートP3に接続されている。図9及び図13に示すように、ポートP4から海水復路104Aが引き出されている。図示は省略するが、海水復路104Aには海水補充路が合流している。合流後の海水復路104Aが上記熱源に熱的に接続されている。海水往路103Aと二次液路29と海水復路104Aとにより、海水(溶液)の循環路が構成されている。
ダイレクト式の膜蒸留装置1Aは、次のように作動する。
淡水(液体溶媒)が、往路101AからポートP1に導入され、ポート孔71、第1凹部11を順次経て、一次液路19を流れる。また、熱源にて加温後の溶液が、往路103AからポートP3に導入され、ポート孔73、第3凹部23を順次経て、二次液路29を流れる。この海水中の水蒸気(溶媒蒸気)が、蒸留膜50を透過し、一次液路19の淡水に混入する。したがって、一次液路19の下流に向かうにしたがって、淡水流量が増大する。二次液路29の下流に向かうにしたがって、海水の流量が減少する。
一次液路19の淡水は、第2凹部12、ポート孔72、ポートP2を順次経て、復路102Aに導出される。上記増量分の淡水が、淡水取り出し路から取り出される。残りの淡水は、往路101Aにてスタック2へ送られる。したがって、淡水が、往復路101A,102Aとスタック2の間を循環する。
二次液路29の海水は、第4凹部24、ポート孔74、ポートP4を順次経て、復路104Aに導出される。上記減量分の海水が、海水補充路から復路104Aに補充される。補充後の海水が熱源にて加熱されたうえで、往路103Aにてスタック2へ送られる。したがって、海水が、往復路103A,104Aとスタック2の間を循環する。
第2実施形態においても、剛性部材91〜94及びスペーサ81〜84によって、膜40におけるポート孔71〜74の周辺部分が枠10,20から剥がれるのを防止できる点は、第1実施形態と同様である。
本発明は、上記実施形態に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の改変をなすことができる。
例えば、剛性部材は、対応するポート孔の少なくとも周縁に設けられていればよく、上記ポート孔の周縁に沿う環状(又はリング状)であってもよい。
凹部内のスペーサを挟んで両側にそれぞれ剛性部材を設けてもよい。
剛性部材及びスペーサは、少なくとも溶媒取り出し用のポート孔75に対応する凹部35に設けられていればよい。
凹部内のスペーサが、枠内の網材とは別の透液性の部材にて構成されていてもよい。
スペーサが剛性部材と一体になっていてもよい。
スタック2の枠10〜30、膜40,50の数ひいては路又は室19,29,39の数は、上記実施形態のものに限定されるものではなく、積層数を更に増やしてもよく、減らしてもよい。ギャップ式装置1においては、膜40,50はそれぞれ少なくとも1つ、枠は少なくとも3つあればよい。そして、積層数の多寡に拘わらず、一次液路19と二次液路29の間に抽出室39が挟まれるように配置するのが好ましく、積層方向の両外側には一次液路19を配置するのが好ましく、一次液路19の両側には抽出室39を配置するのが好ましく(ただし、上記両外側の一次液路19の一側には外壁を配置する。)、二次液路29の両側には抽出室39を配置するのが好ましい。ダイレクト式装置1Aにおいては、膜50は少なくとも1つ、枠は少なくとも2つあればよい。
抽出対象の溶液は、海水に限られず、塩水、泥水、汚水、灌水等でもよい。
本発明は、例えば海水から淡水を取り出す淡水化装置に適用可能である。
1,1A 膜蒸留装置
P1〜P6 ポート
2 スタック
10 第1枠
11 第1凹部
12 第2凹部
17 整流部
18 網材
19 一次液路
20 第2枠
23 第3凹部
24 第4凹部
27 整流部
28 網材
29 二次液路
30 第3枠
35 第5凹部
36 第6凹部
37 整流部
38 網材
39 抽出室
40 不透過膜(膜蒸留のための膜)
50 蒸留膜(膜蒸留のための膜)
60,69 外壁
71〜76 ポート孔
81〜86 スペーサ
91〜96 剛性部材
91a〜96a 穴部
101 海水供給路
102 加熱往路
103 加熱復路
104 海水排出路
105 淡水取り出し路
101A 淡水往路
102A 淡水復路
103A 海水往路
103A 海水復路
110 接着剤

Claims (3)

  1. 溶液の溶媒を膜蒸留にて抽出する膜蒸留装置であって、
    膜蒸留のための膜を枠を挟んで積層してなるスタックを備え、
    前記枠の内縁には、外縁へ向かって凹む凹部が形成され、
    前記スタックの周端部には、前記枠及び前記膜を貫き、前記凹部と交差するポート孔が設けられ、
    前記凹部には、前記ポート孔と連通する穴部を有する剛性部材と、前記凹部に被さる膜に前記剛性部材が押し付けられる厚さを有する透液性のスペーサとが前記積層の方向に重ねられて収容されていることを特徴とする膜蒸留装置。
  2. 前記剛性部材が、前記枠より剛性が高いことを特徴とする請求項1に記載の膜蒸留装置。
  3. 前記スペーサが、網材にて構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の膜蒸留装置。
JP2010040765A 2010-02-25 2010-02-25 膜蒸留装置 Pending JP2011173096A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010040765A JP2011173096A (ja) 2010-02-25 2010-02-25 膜蒸留装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010040765A JP2011173096A (ja) 2010-02-25 2010-02-25 膜蒸留装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011173096A true JP2011173096A (ja) 2011-09-08

Family

ID=44686484

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010040765A Pending JP2011173096A (ja) 2010-02-25 2010-02-25 膜蒸留装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011173096A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101753319B1 (ko) 모듈식 흐름 시스템
EP2934727B1 (en) Separation systems utilizing stacked membranes and spacers
CN101310838B (zh) 用于物质和热量传递的装置
US20140138299A1 (en) Membrane distillation apparatus
JP2009208013A (ja) 加湿膜モジュール
KR20140064853A (ko) 열 및 질량 전달을 위한 판 및 프레임 및 나선형으로 감긴 멤브레인 모듈
FI3443608T3 (fi) Sähkökemiallisia kennoja, joissa on suunnitellut virtauskentät, ja menetelmiä niiden tuottamiseksi
JP5657538B2 (ja) 流体カップリングを有する濾過システム
CN112811517A (zh) 反渗透膜元件、滤芯及反渗透净水器
KR20130030315A (ko) 강성 일회용 유로
JP2010137160A (ja) ガス分離膜モジュール
JP5657537B2 (ja) 渦巻状に巻かれた膜フィルターを有するフィルターモジュールおよびシステム並びにその製造方法
JP2011173096A (ja) 膜蒸留装置
JP2017064629A (ja) 正浸透膜分離用流路材、分離膜ユニット及び分離膜エレメント
JP2011173095A (ja) 膜蒸留装置
CN110121370B (zh) 换热器及人工肺
JP6633300B2 (ja) 分離膜ユニット及び分離膜エレメント
JP2001012775A (ja) 加湿装置、加湿エレメントの製造方法および加湿装置の製造方法
JP2011173097A (ja) 膜蒸留装置
WO2016199726A1 (ja) 分離膜エレメント及び膜分離装置
JP2011235241A (ja) 膜反応装置の製造方法
JP6336934B2 (ja) ガス分離膜エレメント、ガス分離膜モジュール、及び二酸化炭素の製造方法
JP2011173098A (ja) 膜蒸留装置
KR20130089495A (ko) 와권형 막 증류용 모듈
JP2011167599A (ja) 溶媒抽出装置及び方法