JP2011169638A - テラヘルツ分光用デバイスおよびその製造方法、ならびにテラヘルツ分光装置 - Google Patents

テラヘルツ分光用デバイスおよびその製造方法、ならびにテラヘルツ分光装置 Download PDF

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Abstract

【課題】極薄い液体セル、プリズム光学系、およびシリコンロッドなどを用いずに、テラヘルツ波に対して大きな吸収を有する物質のテラヘルツ透過スペクトル測定を良好に行うことを可能にする。
【解決手段】基板10を貫通する複数の孔部(空孔12)と、基板10において、入力端11と出力端13との間でテラヘルツ波が伝搬されるように、周囲が複数の孔部に囲まれることによって形成されたフォトニック結晶型の導波路14とを備える。被測定対象物を収容するための収容部15を、導波路14の周囲において、導波路14を伝搬するテラヘルツ波がエバネッセント波として伝搬する領域を含む領域に形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、テラヘルツ波を用いた液体試料のスペクトル分析を行うのに好適なテラヘルツ分光用デバイスおよびその製造方法、ならびにテラヘルツ分光装置に関する。
近年、テラヘルツ波を利用した技術が注目を集めており、テラヘルツ波を用いた分光やイメージングが産業応用として期待されている。例えば、テラヘルツ波の応用分野として、フォトンエネルギーがX線に比べて極めて小さいことを利用して安全な透視検査装置としてテラヘルツイメージングを行う技術や、分子の振動準位や回転準位に起因する物質の吸収スペクトルや複素誘電率を求めて物質の状態や同定を行う分光技術がある。また、半導体基板のキャリア濃度や移動度の評価、またLSIチップにフェムト秒レーザを照射することにより発生するテラヘルツから配線欠陥位置を検知する技術などが開発されている。
中でも特許文献1ないし3に開示されているように、テラヘルツ波を用いて分光光学的手法により物質を分析する方法が知られている。これは、テラヘルツ波を被測定対象試料に照射し、透過もしくは反射したテラヘルツ波のスペクトルを得ることで分析を行うものである。
特許第4154388号公報 特許第4002173号公報 特開2007−71610号公報
ところで水は、テラヘルツ波のうち0.3THzから30THzの周波数領域に非常に強い吸収スペクトルを有しているため、水を多く含む試料のテラヘルツ分光には数μm〜数10μm程度のごく薄い液体セルを用意しなければならない。さらに時間領域でのテラヘルツ分光を行う場合には、試料界面での反射や試料内での干渉の影響を考慮すると共に、試料厚さの正確な測定が必要となる。このため水を含む試料のテラヘルツ透過スペクトルを得ることは従来では困難であった。
そこで、水などの非常に強い吸収スペクトルをテラヘルツ領域に持つ物質の中に含まれる分子などの吸収スペクトルや複素誘電率を求める方法として、非特許文献1に開示されているような全反射減衰分光法と呼ばれる方法が知られている。これは、プリズムを用いた光学系での全反射時に発生するテラヘルツエバネッセント波を利用する方法である。エバネッセント波は、波数ベクトル方向に指数関数的に減衰する電磁場であり、この方法によりテラヘルツ吸収係数を実効的に低減させることで水などの非常に強いテラヘルツ吸収物質中の分子などの分光分析が可能となっている。しかしプリズム光学系を用いた方法では、装置構成が複雑であり、かつ高精度の組み立て技術が必要である。
それに対して非特許文献2に開示されているようにシリコンのロッドをテラヘルツ導波路として、導波路周囲に発生するエバネッセント波をも用いる方法が提案されている。しかしながらこの方法では、シリコンロッドの高精度加工が要求されることや、エバネッセント波の発生条件を容易には調整できないこと、またシリコンロッドの保持が難しい、という問題があり装置構成の複雑化や組み立て技術の高精度化が避けられない。
また特許文献1に開示されているような導波路構造と流路の組み合わせを利用して、流路に充填した液体試料のテラヘルツ波透過スペクトルを得る方法が知られているが、テラヘルツ波伝播方向の流路の厚みを正確に調整しなければならないため、高精度の組み立て技術が必要である。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、極薄い液体セル、プリズム光学系、およびシリコンロッドなどを用いずに、テラヘルツ波に対して大きな吸収を有する物質のテラヘルツ透過スペクトル測定を良好に行うことを可能にするテラヘルツ分光用デバイスおよびその製造方法、ならびにテラヘルツ分光装置を提供することにある。
本発明によるテラヘルツ分光用デバイスは、テラヘルツ波が入力される入力端とテラヘルツ波が出力される出力端とを含む基板と、基板を貫通する複数の孔部と、基板において、入力端と出力端との間でテラヘルツ波が伝搬されるように、周囲が複数の孔部に囲まれることによって形成されたフォトニック結晶型の導波路と、導波路の周囲において、導波路を伝搬するテラヘルツ波がエバネッセント波として伝搬する領域を含む領域に形成され、被測定対象物が収容される収容部とを備えたものである。
本発明によるテラヘルツ分光装置は、テラヘルツ波を発生する発生手段と、発生手段で発生されたテラヘルツ波が入力されるテラヘルツ分光用デバイスと、テラヘルツ分光用デバイスを伝搬した後のテラヘルツ波を検出する検出手段とを備えている。
そして、そのテラヘルツ分光用デバイスを、上記本発明のテラヘルツ分光用デバイスで構成したものである。
本発明によるテラヘルツ分光用デバイスまたはテラヘルツ分光装置では、フォトニック結晶型の導波路にテラヘルツ波を伝搬させることで、その導波路の近傍にエバネッセント波を発生させる。そのエバネッセント波が伝搬する領域を含む領域に収容部を形成し、被測定対象物を収容することで、テラヘルツ波と被測定対象物とを相互作用させる。これにより、プリズム光学系やシリコンロッドを用いずとも、水などの強いテラヘルツ吸収物質によるテラヘルツ吸収係数を実効的に小さくすることが可能となり、水などの強いテラヘルツ吸収物質中の分子などの吸収スペクトルを良好に得ることが可能となる。
本発明によるテラヘルツ分光用デバイスの製造方法は、上記本発明のテラヘルツ分光用デバイスを、紫外線硬化樹脂を含む材料を用いて、インプリント成型または光造形により製造するようにしたものである。
本発明によるテラヘルツ分光用デバイスの製造方法では、上記本発明のテラヘルツ分光用デバイスを、インプリント成型または光造形により大量生産することが可能となる。インプリント成型または光造形により製造可能であるのは、本発明のテラヘルツ分光用デバイスが、例えば数μmの基板製造誤差が分光性能に大きな影響を与えるということはなく、基板製造時の寸法公差による分光性能への影響を低減できるような構造とされているためである。本発明のテラヘルツ分光用デバイスで用いられているテラヘルツ領域でのフォトニック結晶構造は、例えば光通信帯のフォトニック結晶構造と比べて数10倍から数100倍の結晶格子サイズと結晶格子間隔であるため紫外線硬化樹脂を含む材料を用いた光造形やインプリント成型による大量製造生産が可能である。
本発明のテラヘルツ分光用デバイスまたはテラヘルツ分光装置によれば、フォトニック結晶型の導波路にテラヘルツ波を伝搬させ、またそれによって発生したエバネッセント波が伝搬する領域を含む領域に収容部を形成して、テラヘルツ波と被測定対象物とを相互作用させるようにしたので、プリズム光学系やシリコンロッドを用いずとも、水などの強いテラヘルツ吸収物質によるテラヘルツ吸収係数を実効的に小さくすることが可能となる。これにより、極薄い液体セル、プリズム光学系、およびシリコンロッドなどを用いずに、テラヘルツ波に対して大きな吸収を有する物質のテラヘルツ透過スペクトル測定を良好に行うことが可能となる。
本発明のテラヘルツ分光用デバイスの製造方法によれば、上記本発明のテラヘルツ分光用デバイスを、紫外線硬化樹脂を含む材料を用いて、インプリント成型または光造形により製造するようにしたので、大量生産が可能である。これは、上記本発明のテラヘルツ分光用デバイスが、例えば光通信用のフォトニック結晶構造に比べて高精度な製造公差が要求されないことなどによる。
本発明の一実施の形態に係るテラヘルツ分光用デバイスの構成例を示す平面図である。 図1に示したテラヘルツ分光用デバイスの寸法の一例を示す平面図である。 図1に示したテラヘルツ分光用デバイスを組み込んだテラヘルツ分光装置の一例を示す構成図である。 図1に示したテラヘルツ分光用デバイスをテラヘルツ分光装置に導入する場合の設置方法の一例を示す斜視図である。 (A)は図4に示したテラヘルツ分光装置によって検出されるテラヘルツ波の検出結果の一例を示す波形図であり、(B)は(A)の波形に基づいて得られるテラヘルツ波のスペクトル波形を示す波形図である。 図1に示したテラヘルツ分光用デバイスの収容部に被測定対象物が収容されていない状態で得られるテラヘルツ波のスペクトル波形の一例を示す波形図である。 図1に示したテラヘルツ分光用デバイスの収容部に被測定対象物を収容した状態で得られるテラヘルツ波のスペクトル波形の一例を示す波形図である。 図6のスペクトル波形と図7のスペクトル波形とから求められる被測定対象物のテラヘルツ波に対する吸収スペクトル波形を示す波形図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[テラヘルツ分光用デバイス1の構成]
図1は、本発明の一実施の形態に係るテラヘルツ分光用デバイス1の構成例を示している。また図2は、このテラヘルツ分光用デバイス1の具体的な寸法例を示している。このテラヘルツ分光用デバイス1は、測定を行おうとするテラヘルツ波の波長に対して透明もしくは所定の透過率を持つ材料からなる基板10を備えている。基板10は、全体として例えば単一の材料(紫外線硬化樹脂を含む材料等)からなる。基板10は全体として平板状であり、図2に示したように、厚みが例えば0.1mm〜10mm程度、横方向および縦方向の長さが例えば10mm〜300mm程度となっている。
基板10には、入力端11および出力端13と、入力端11と出力端13との間でテラヘルツ波の伝搬を行うフォトニック結晶型の導波路14とが設けられている。入力端11には、例えばフェムト秒レーザと光伝導アンテナとを用いて発生させたテラヘルツ波16が入力される。出力端13からは導波路14を伝搬した後のテラヘルツ波17が出力される。
基板10には、第1の面(表面)およびこれに対向する第2の面(裏面)を貫通する孔部(空孔12)が多数設けられている。空孔12は、基板10において入力端11と出力端13との間で、テラヘルツ波が伝搬されるフォトニック結晶型の導波路14が形成されるように、導波路14の周囲を囲むようにして設けられている。空孔12は円柱状であり、その孔径は用いるテラヘルツ波の波長に応じて例えば数μm〜数100μmとなっている。隣接する空孔12の間隔は例えば数μm〜数100μmとなっている。
ただし、このテラヘルツ分光用デバイス1では、基板10の材料を用いてフォトニックバンドギャップを発現させ、それによる導波によってテラヘルツエバネッセント波を発生させることが目的であるので、空孔12の形状と寸法は上記したものに限るものではない。また空孔12は、内部が完全な空洞でなくとも、基板10の材料に対して、フォトニック結晶構造を実現可能な適当な屈折率差を有する材料が内部に充填された構造であっても良い。
基板10にはまた、被測定対象物(例えば液体試料)が収容される収容部15が設けられている。収容部15には、例えば注射器などを用いて液体試料が注入される。収容部15は、導波路14の周囲において、導波路14を伝搬するテラヘルツ波がエバネッセント波として伝搬する領域を含む領域に形成されている。図1の例では、平面形状および断面形状が矩形状の収容部15が1つのみ設けられている構造例を示しているが、収容部15が2つ以上、設けられていても良い。例えば導波路14を挟んで反対側にもう1つ収容部15が設けられていても良い。また、収容部15は被測定対象物を充填させるための空間となっていれば良く、その形状は矩形状に限るものではない。
収容部15は、基板10における第1の面(表面)側が開放されると共に、第1の面に対向する第2の面(裏面)側が閉じた領域とされた掘り込み型の構造を有している。収容部15における第2の面側の厚みは、テラヘルツ波の波長未満の厚みとされていることが好ましい。テラヘルツ波の波長未満の厚みとすることで、収容部15におけるテラヘルツ波の放射損失を最低限に抑えることができる。
[テラヘルツ分光用デバイス1による作用および効果]
このテラヘルツ分光用デバイス1では、単一の基板10内に存在するフォトニック結晶型の導波路14によりテラヘルツ波を伝搬させることで、その導波路14の近傍にエバネッセント波を発生させる。そのエバネッセント波が伝搬する領域を含む領域に収容部15を形成し、被測定対象物を収容することで、テラヘルツ波と被測定対象物とを相互作用させる。ここで発生するテラヘルツエバネッセント波は、波数ベクトル方向に指数関数的に減衰する電磁波であるが、フォトニック結晶の設計パラメータである結晶格子サイズと結晶格子間隔、そして用いる材料によりその減衰距離の制御が可能である。このため、上述の収容部15で起こるテラヘルツ波と被測定対象物との相互作用の大小を制御することが可能である。
このような方法により、プリズム光学系やシリコンロッドなどを用いずとも、水などの強いテラヘルツ吸収物質によるテラヘルツ吸収係数を実効的に小さくすることが可能となり、水などの強いテラヘルツ吸収物質中の分子などの吸収スペクトルを良好に得ることが可能となる。この場合、例えば数μmの基板製造誤差が分光性能に大きな影響を与えるということはなく、基板製造時の寸法公差による分光性能への影響を低減できる。また、このテラヘルツ分光用デバイス1で用いられているテラヘルツ領域でのフォトニック結晶構造は、例えば光通信帯のフォトニック結晶構造と比べて数10倍から数100倍の結晶格子サイズと結晶格子間隔であるため、比較的高精度な製造公差は要求されず、紫外線硬化樹脂を含む材料を用いた光造形やインプリント成型による大量製造生産が可能である。
以上のように本実施の形態に係るテラヘルツ分光用デバイス1によれば、極薄い液体セル、プリズム光学系、およびシリコンロッドなどを用いずに、テラヘルツ波に対して大きな吸収を有する物質のテラヘルツ透過スペクトル測定を良好に行うことが可能となる。
[テラヘルツ分光装置への適用例]
図3は、テラヘルツ分光用デバイス1を用いたテラヘルツ分光装置の一例を示している。このテラヘルツ分光装置は、フェムト秒レーザ90と、ビームスプリッタ91と、光伝導アンテナ92A,92Bと、シリコンレンズ93A,93Bと、放物面鏡94,96と、シリコンレンズ95A,95Bと、反射鏡97と、時間遅延器98とを備えている。
フェムト秒レーザ90と光伝導アンテナ92Aは、本発明における「発生手段」の一具体例に相当する。また、主として光伝導アンテナ92Bが、本発明における「検出手段」の一具体例に相当する。
図4は、図1に示したテラヘルツ分光用デバイス1を図3に示したテラヘルツ分光装置に導入する場合の設置方法の一例を示している。テラヘルツ分光用デバイス1は、エバネッセント波を用いた測定を行うため、例えばデバイスの底面が床面に密着または密接した状態で測定を行うと、放射損失によって測定に悪影響を及ぼすおそれがある。そこで、デバイスの底面および表面近傍には、障害物が無い状態で測定を行うことが好ましい。例えば導波路14および収容部15から離れた位置において基板10を部分的に支持することにより、テラヘルツ分光用デバイス1を空間中に浮かせた状態で測定を行うことが好ましい。図4に示した設置例では、土台用基板40の上で、柱状の支持部41によって四隅でテラヘルツ分光用デバイス1を部分的に支持することによりデバイス全体を空間中に浮かせた状態にしている。支持部41は、導波路14を伝搬するテラヘルツ波が発生するエバネッセント波が及ばない十分な距離(例えば10mm以上)離して設置する。なお、図4の設置例では、デバイスの下側から支持部41で支持する構造であるが、上側からデバイスを支持する構造であっても良い。例えば図4の設置例とは上下逆に、土台用基板40を最も上側に配置して、そこから支持部41を介してデバイス全体を吊り下げるような構造であっても良い。
[テラヘルツ分光装置による測定動作]
図3に示したテラヘルツ分光装置において、フェムト秒レーザ90から100fs(フェムト秒)程度のパルス幅を持つレーザパルスを発生させる。そのレーザパルスをビームスプリッタ91で分け、一方を低温成長させたGaAs(ガリウムヒ素)等で作製され、バイアスされた光伝導アンテナ92Aのギャップ部に照射してテラヘルツ波を発生させる。そのテラヘルツ波を、光伝導アンテナ92Aの直後に設置したシリコンレンズ93Aで集め、放物面鏡94およびシリコンレンズ95Aを経て、テラヘルツ分光用デバイス1の入力端11(図1)に入射させ、内部の導波路14に結合する。テラヘルツ分光用デバイス1に入力されたテラヘルツ波は、導波路14を伝搬する間に、上述したようにエバネッセント波によって被測定対象物との相互作用がなされて、出力端13から出力される。テラヘルツ分光用デバイス1から出力されたテラヘルツ波は、シリコンレンズ95B、放物面鏡96、およびシリコンレンズ93Bを経て光伝導アンテナ92Bに結合する。
一方で、ビームスプリッタ91で分割された他方のレーザパルスが、時間遅延器98、および反射鏡97を経て、到達時間がずれた状態で光伝導アンテナ92Bに結合する。この到達時間のずらされた各遅延時間における光伝導アンテナ92Bからの光電流を測定することで、例えば図5(A)に示したようなテラヘルツ波の電界時間波形100を得ることができる。これをフーリエ変換することで、例えば図5(B)に示したようなテラヘルツ波のスペクトル101を得ることができる。
次に、図6〜図8を参照して、被測定対象物のスペクトルが得られる測定手順を説明する。図6は、テラヘルツ分光用デバイス1の収容部15に被測定対象物が収容されていない状態で、図3のテラヘルツ分光装置によって得られるテラヘルツ波のスペクトル波形20を模式的に示している。図7は、テラヘルツ分光用デバイス1の収容部15に被測定対象物を収容した状態で得られるテラヘルツ波のスペクトル波形21を模式的に示している。
このように、被測定対象物が収容されていない状態で得られたスペクトル波形20と、被測定対象物を収容した状態で得られたスペクトル波形21とを測定し、さらにそれらの比を求める。これにより、例えば図8に示したように、被測定対象物のテラヘルツ波に対する吸収スペクトル波形22を得ることができる。
<他の実施の形態>
本発明は、上記実施の形態に限定されず種々の変形実施が可能である。
例えば、テラヘルツ波の発生手段は、図3に示したようなフェムト秒レーザ90と光伝導アンテナ92Aとを用いたものに限らない。例えば量子カスケードレーザや光パラメトリック発振によって発生させたものを用いても良い。
1…テラヘルツ分光用デバイス、10…基板、11…入力端、12…空孔(孔部)、13…出力端、14…導波路、15…収容部、16,17…テラヘルツ波、40…土台用基板、41…支持部、90…フェムト秒レーザ、91…ビームスプリッタ、92A,92B…光伝導アンテナ、93A,93B…シリコンレンズ、94,96…放物面鏡、95A,95B…シリコンレンズ、97…反射鏡、98…時間遅延器。

Claims (6)

  1. テラヘルツ波が入力される入力端と前記テラヘルツ波が出力される出力端とを含む基板と、
    前記基板を貫通する複数の孔部と、
    前記基板において、前記入力端と前記出力端との間で前記テラヘルツ波が伝搬されるように、周囲が前記複数の孔部に囲まれることによって形成されたフォトニック結晶型の導波路と、
    前記導波路の周囲において、前記導波路を伝搬するテラヘルツ波がエバネッセント波として伝搬する領域を含む領域に形成され、被測定対象物が収容される収容部と
    を備えたテラヘルツ分光用デバイス。
  2. 前記収容部は、前記基板における第1の面側が開放されると共に、前記第1の面に対向する第2の面側が閉じた領域とされた掘り込み型の構造を有し、
    前記収容部における前記第2の面側の厚みは、前記テラヘルツ波の波長未満の厚みとされている
    請求項1に記載のテラヘルツ分光用デバイス。
  3. 前記基板は、前記テラヘルツ波を透過する単一の材料からなる
    請求項1または2に記載のテラヘルツ分光用デバイス。
  4. テラヘルツ波を発生する発生手段と、
    前記発生手段で発生されたテラヘルツ波が入力されるテラヘルツ分光用デバイスと、
    前記テラヘルツ分光用デバイスを伝搬した後のテラヘルツ波を検出する検出手段と
    を備え、
    前記テラヘルツ分光用デバイスは、
    前記テラヘルツ波が入力される入力端と前記テラヘルツ波が出力される出力端とを含む基板と、
    前記基板を貫通する複数の孔部と、
    前記基板において、前記入力端と前記出力端との間で前記テラヘルツ波が伝搬されるように、周囲が前記複数の孔部に囲まれることによって形成されたフォトニック結晶型の導波路と、
    前記導波路の周囲において、前記導波路を伝搬するテラヘルツ波がエバネッセント波として伝搬する領域を含む領域に形成され、被測定対象物が収容される収容部と
    を有するテラヘルツ分光装置。
  5. 前記導波路および前記収容部から離れた位置において前記基板を部分的に支持することにより、前記テラヘルツ分光用デバイスを空間中に浮かせた状態で測定を行う
    請求項4に記載のテラヘルツ分光装置。
  6. テラヘルツ波が入力される入力端と前記テラヘルツ波が出力される出力端とを含む基板と、
    前記基板を貫通する複数の孔部と、
    前記基板において、前記入力端と前記出力端との間で前記テラヘルツ波が伝搬されるように、周囲が前記複数の孔部に囲まれることによって形成されたフォトニック結晶型の導波路と、
    前記導波路の周囲において、前記導波路を伝搬するテラヘルツ波がエバネッセント波として伝搬する領域を含む領域に形成され、被測定対象物が収容される収容部と
    を備えたテラヘルツ分光用デバイスを、
    紫外線硬化樹脂を含む材料を用いて、インプリント成型または光造形により製造する
    テラヘルツ分光用デバイスの製造方法。
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