JP2011169224A - 中空カムシャフトおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成で、カムシャフトの表面または周囲の種々の摺動部に対してオイルを供給可能にする。
【解決手段】本発明は、管部材を加工することにより一体的に形成された中空カムシャフト10を提供する。中空カムシャフト10は、中空シャフト部12と、該中空シャフト部12と一体的に形成されたカム部14であって内部が中空シャフト部12の内部に連通するカム部14と、中空シャフト部12およびカム部14の少なくとも一方に形成されたオイル孔18とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンの吸気弁および/または排気弁を開閉動作させるための中空カムシャフトおよびその製造方法に関する。
従来、自動車等に用いられるエンジンでは、吸排気弁を所定のタイミングで開閉させるべく、カムシャフトが用いられている。カムシャフトは、単一のシリンダあるいは複数のシリンダ用に単一のあるいは複数のカムを備える。そして、カムシャフトを回転自在に支持するために滑り軸受や転がり軸受を用いることが可能である。
また、カムシャフトとしては、例えば別々に製造されたシャフト部材とカム部材とを組み立てる(結合する)ことによって得られる組立式カムシャフトが知られている。例えば、特許文献1は、挿入工程と、拡管締結工程と、面成形工程と、曲り矯正工程とを経ることで製造されるエンジン用組立式カムシャフトを開示する。それら工程のうちの一部について説明すると、挿入工程においては、所定数のカム部材に中空シャフト部材が挿入され、所定数のカム部材が中空シャフト部材に位置決めされる。そして、拡管締結工程においては、マンドレルを中空シャフト部材の中に挿通し、中空シャフト部材を拡管させてカシメることによって、カム部材が中空シャフト部材に機械的に締結される。
他方、単一の材料パイプから他の個別部材なしで複数回の成形によってカムシャフトを製造することを特許文献2は開示する。特許文献2の記載によれば、単一の材料パイプに対して予備成形を行う工程と、予備成形された材料パイプに対して仕上げ成形を行う工程とを経ることで、中空シャフト部とカム部とが一体的に形成された中空カムシャフトが製造される。
特開2004−19494号公報 特表平09−505379号公報
ところで、エンジンのカムシャフトはその表面または周囲に種々の摺動部を有し、それらの摺動部にはオイルが供給される。それら摺動部へオイルを供給するためには、例えば、オイル供給部材を別途備えることが必要であり、製造コスト削減等の観点からはそのような部材の削減ないしは低減が望まれる。
そこで、本発明はかかる点に鑑みて創案されたものであり、その目的は、簡易な構成で、カムシャフトの表面または周囲の種々の摺動部に対してオイルを供給可能にすることにある。
本発明は中空カムシャフトを提供する。本発明に係る中空カムシャフトは、管部材を加工することにより一体的に形成された中空カムシャフトであって、中空シャフト部と、該中空シャフト部と一体的に形成されたカム部であって内部が前記中空シャフト部の内部に連通するカム部と、中空シャフト部およびカム部の少なくとも一方に形成されたオイル孔とを備えたことを特徴とする。好ましくは、オイル孔は、カムシャフトの内部を流れるオイルを中空シャフト部に設けた軸受に供給するように、位置付けられる。軸受は転がり軸受であり、オイル孔は該オイル孔と対応する軸受のコロとを結ぶ線がカムシャフトの軸線に平行になるように位置付けられているとよい。
また、本発明は、カムシャフトの製造方法を提供する。本発明に係るカムシャフトの製造方法は、管部材の周囲に型部材を設置する型設置工程と、管部材の一部が型部材の内側に突出するように管部材を変形させてカム部を形成するカム部形成工程と、カム部にオイル孔を加工するオイル孔加工工程とを備えることを特徴とする。好ましくは、一体型軸受を管部材に固定する軸受固定工程がさらに備えられる。具体的には、軸受固定工程は、管部材の周囲に軸受を位置付ける軸受位置付け工程と、該軸受位置付け工程によって位置付けられた軸受を管部材に固定するべく軸受の内側または周囲の管部材の部位を外方に突出変形させる軸受固定用変形工程とを備えることができる。なお、カムシャフトは、管部材の複数の部位を該複数の部位のうちの一端部側部位から他端部側部位へ順に加工することにより得られることができる。
本発明に係る第1実施形態のカムシャフトの一部の断面模式図である。 図1のカムシャフトのA−A線断面模式図である。 図1のカムシャフトのB−B線断面模式図である。 図1のカムシャフトの製造工程を説明するための図である。 本発明に係る第2実施形態のカムシャフトの一部の断面模式図である。 図5のカムシャフトの製造工程を説明するための図である。 本発明に係る第3実施形態のカムシャフトの一部の断面模式図である。 図7のカムシャフトの製造工程を説明するための図である。
以下、本発明に係る実施形態が添付図面に基づいて説明される。まず、第1実施形態が説明される。
図1は第1実施形態のカムシャフト10の一部の断面模式図であり、図2はカムシャフト10の模式的なA−A線断面図であり、図3はカムシャフト10の模式的なB−B線断面図である。カムシャフト10は、エンジン用のカムシャフトであり、エンジンの吸気弁および排気弁のいずれか一方あるいは両方を開閉動作させるために用いられ得る。
カムシャフト10は、中空カムシャフトであり、中空の概ね段差のない真っ直ぐな管部材から作製される。カムシャフト10は、当初より一体的に形成された中空シャフト部12およびカム部14を備える。そしてカムシャフト10は、さらに軸受16を備える。なお、本第1実施形態のカムシャフト10は、複数のカム部14と複数の軸受16とを有するが、本発明に係るカムシャフトにおけるカム部の数は1つであってもよく、また軸受の数は1つであってもよい。また、図示しないが、カムシャフト10には、ベルトあるいはチェーンによって回転駆動されるスプロケットが締結される。このスプロケットの取り付けには、種々の方法または手段が採用され得る。
中空シャフト部12は、上記管部材の形状そのものに概ね対応する形状を有する。中空シャフト部12は、カムシャフト10の軸線αの方向に対して直交する断面が円形を有するように構成される(図2および図3参照)。
複数のカム部14の各々は、管部材の対応する部分が外側に突出して所定形状を有するように管部材を塑性変形させることで、中空シャフト部12に連続して一体形成される。それ故、カム部14の内部空間は中空シャフト部12の内部空間に連通する。複数のカム部14の各々は、エンジンの気筒に対応すると共に吸気弁および排気弁のいずれか一方または両方に対応する位置であってカムシャフト10の軸線αの方向における所定位置に位置するように形成される。なお、各カム部14は、クランク角に対応させた位相差をもつように構成される。ここでは、各カム部14は、液圧成形によって形成される。カム部14の形成方法は、後で詳述する。
複数の軸受16は、カムシャフト10の所定位置(第2所定位置)に固定される。カムシャフト10では、軸受16は、圧入により、管部材つまり中空シャフト部12に固定される。そして、ここでは、その所定位置は、エンジンの気筒間の位置に対応する位置であるが、他の位置であってもよい。各軸受16は、一体型(非分割型)の転がり軸受である。各軸受16は、図2から明らかなように、内輪16a、外輪16b、および複数のコロ(転動体)16cを備える。なお、転動体として玉が用いられてもよい。また、各軸受16は、分割型の転がり軸受であってもよいが、それよりも一体型の軸受である方が好ましい。また、軸受16は滑り軸受等の他の軸受とされてもよい。
このようなカムシャフト10は、図1〜図3から明らかなように、内部が中空である。カムシャフト10の内部つまり中空シャフト部12およびカム部14の内部はオイルが流れる給油通路(油路)として構成される。そのようなカムシャフト10の内部空間には、ポンプを含むオイル供給装置(不図示)からオイルが供給される。なお、カムシャフト10の両端部または一方の端部は、図示しないが、例えば、オイル孔を設けられたり、オイル孔以外の所定部分を閉じられたりし得る。カムシャフト10の両端または一方の端部は閉じられなくてもよい。
さらに、上記したカム部14にはオイル孔18が設けられている。このオイル孔18は、カムシャフト10の内部を流れるオイルが流通可能な孔として構成されている。より具体的には、オイル孔18は、カムシャフト10の内部つまり中空シャフト部12およびカム部14の内部を流れるオイルがカムシャフト10の外部へ流出可能な孔である。オイル孔18は、軸受16に面するカム部14の側面に形成されている。オイル孔18の位置は、カムシャフト10の回転に伴い、軸受16に適切にオイルを供給可能にするように定められている。具体的には、オイル孔18と対応する軸受16のコロ116cとを結ぶ線βがカムシャフト10の軸線αに平行になるように、オイル孔18は位置付けられて形成されるとよい。なお、図1には、オイルの流れの一例が矢印で模式的に表されている。
次に、カムシャフト10の作製工程を説明する。カムシャフト10は、上記の如く管部材から作製される。図1のカムシャフト10は、概して、管部材の複数の部位(部分)を、これらのうちの一端部側部位から他端部側部位へ順に加工することにより作られる。それ故、一体型の軸受16を用いることが可能になる。図1に表した部分のみに関して作製順序を簡単に説明すると、図中左端の軸受16の取り付け(固定)、その右隣のカム部14の形成、さらにその右隣のカム部14の形成、さらにその右隣の軸受16の取り付け、さらにその右隣のカム部14の形成、さらにその右隣のカム部14の形成、さらにその右隣の軸受16の取り付けが順に行われる。そして、これらカム部14の形成および軸受16の取り付けの間にまたはそれらの後にカム部14に孔を開ける加工を行うことでオイル孔18が形成され得る。
これらのうちの2つのカム部14(図1中、左側の2つのカム部14)を例にとって、カム部14の形成方法を図4の模式図を用いて説明する。
まず、管部材20が準備される。図4(a)に表すように、管部材20の所定部20aの周囲に一対の割り型部材22が位置決めされて設置される(型設置工程)。このとき、カムシャフト10は図4中左端側から右端側へ順につくられていくので、型部材22の左側までつまり管部材20の所定部20aの左端まで管部材20に芯金24が挿入されて嵌め込まれる。その芯金24の先端部24a周りの位置において管部材20を囲むように一対の割り押え型26が設置される。他方、型部材22の右側までつまり管部材20の所定部20aの右端まで管部材20を覆うように円管である押え型28が設置される。押え型28と管部材20との間に隙間はほとんど無く、押え型28内に管部材20が挿入されて嵌め込まれるように、押え型28は設置される。この状態で、管部材20の右端側から管部材20内部に液圧(図中の白抜き矢印参照)が及ぼされ、カム部の形成が図られる(カム部形成工程)。
液圧を及ぼすことで、所定部20aで、管部材20が外側に突出するように管部材20を変形させる(拡径させる)。管部材20は、図4(b)および図4(c)に表すように、所定部20aで型部材22の内形状に適合する形状を有するまで、液圧が及ぼされる。このとき、上記の如く、芯金24、一対の割り押え型26、押え型28によって管部材20の他の部分の変形は適切に抑制されているので、所定部20aへの図中右側から左側への管部材20の収縮は生じるが、その他の意図しない変形は実質的に生じないようにされ得る。なお、このような管部材20の変形時、管部材20は、図4中右端側から圧縮装置または圧縮手段によって圧縮力を及ぼされるとよい。
このようにしてカム部14が形成されると、形成されたカム部14に対して図中右隣のカム部14の形成が行われる。図4(d)に表されるように、管部材20の隣の所定部20bの周囲に一対の割り型部材22が位置決めされて設置される(型設置工程)。そして、上記図4(a)の場合と同様に、芯金24が管部材20内に嵌め込まれ、その芯金24の先端部周りの位置において管部材20を囲むように一対の割り押え型26が設置される。また、同様に、押え型28が設置される。この状態で、上記図4(a)〜(c)の場合と同様に、管部材20の右端側から管部材20内部に液圧が及ぼされて、カム部14が形成される。
そして、このように形成されたカム部14にオイル孔18を開ける加工が行われる(オイル孔加工工程)。図1のカムシャフト10では、カム部14が形成されると共に軸受16が取り付けられた後、オイル孔18が形成される。
しかし、各オイル孔18の加工は、対応する軸受16の取り付けの前に行われるとよい。例えば、上記したように、管部材の複数の部位(部分)をそれらのうちの一端部側部位から他端部側部位へ順に加工してカムシャフトを得る場合、形成されたカム部にオイル孔が加工された後、そのカム部の隣に軸受が取り付けられるとよい。この場合、加工開始側の端部に位置する軸受は、その加工順序に反して、その隣のカム部の形成およびそのカム部へのオイル孔の加工の後に、取り付けられ得る。このようにすることで、オイル孔の加工を簡単に行うことができる。このようなオイル孔の加工順序を図1のカムシャフトの作製に適用した場合、加工開始側の端部に位置する軸受以外の軸受には、該軸受の図中左側に位置するオイル孔のみからオイルが供給される。つまり、この場合、加工開始側の端部に位置する軸受以外の軸受は、対応するオイル孔を、図中左隣のカム部に有する。
こうして作製されたカムシャフト10は、一体的で連続した中空シャフト部12およびカム部14を備える。したがって、カムシャフト10の使用中、長期に亘って、中空シャフト部12に対するカム部14の位置が適切に維持され、カムシャフト10の信頼性を高めることができる。また、カムシャフト10の製造過程から溶接等の接合手段の使用を省くことができるので、溶接部における亀裂発生、割れ発生等を防ぐことができ、この点においてもカムシャフト10の信頼性を高めることが可能になる。
また、上記のように、概して一端部側から他端部側へと順にカムシャフト10は作られるので、カムシャフト10には一体型の転がり軸受である軸受16を取り付けることができる。したがって、軸受16を分割型の軸受にする場合よりも、軸受16の信頼性を高めることができる。
さらに、このようにして作製されたカムシャフト10では、中空シャフト部12の内部空間とカム部14の内部空間とは図1から明らかなようにつながっている。それ故、カムシャフト10内部を油路として用いることができる。そして、カムシャフト10の内部を流れるオイルは、カム部14のオイル孔18を介してカムシャフト10外部に流出することができる。カムシャフト10外部に流出したオイルは、オイル孔18が上記したように位置付けられているので、主として、軸受16に供給され得る。
このように、カムシャフト10は、軸受16への給油機能を有する。したがって、軸受16へオイルを供給するための給油通路または機構を別途設けることを省略することが可能になる。故に、カムシャフト10を備えたエンジンの製造コストを低く抑制することが可能になる。
なお、カムシャフト10は、エンジンのシリンダヘッドに形成されたブラケット(固定支持部材)と、該ブラケットにボルト等の固定手段を用いて取り付けられるカムキャップ(キャップ部材)との間に挟持されることで、回転自在に支持される。なお、カムシャフト10は、他の箇所において支持されることも可能であり、または、他の支持構造体を用いて支持されることもできる。ただし、上記の場合、ブラケットおよびカムキャップは、カムシャフト10の軸受16周囲を囲むように取り付けられる。
次に、本発明に係る第2実施形態のカムシャフト100を説明する。カムシャフト100は、上記カムシャフト10と比べて、管部材を積極的に塑性変形させることにより固定された軸受を備えるという特徴を有する。カムシャフト100は、それ以外の点ではカムシャフト10と概ね同じ構成を備え同様の効果を奏し、カムシャフト10と同様の上記したような変更が適用され得る。それ故、以下では、その相違点に関して主に説明し、既に説明した構成要素に対応する構成要素には対応する符号を付して、重複する説明を省略する。なお、概ね、カムシャフト100の製造方法は、カムシャフト10の製造方法と同じである。
カムシャフト100の一部の断面模式図を図5に示す。軸受116は、一体型の転がり軸受である。軸受116の内側の管部材の部位つまり中空シャフト部112の所定の部位が外側に隆起するように管部材を塑性変形させることで、軸受116の内輪116aはしっかりと管部材つまり中空シャフト部112に固定される。
軸受116の管部材への固定方法を図6に基づいてより詳細に説明する。図6は、図5に表されているカムシャフト100の部分を管部材120から得る作製工程を説明するための図であり、(a)〜(f)に至るに連れて、その作製工程が進むように表されている。ただし、図6(a)〜(c)は、図4(a)〜(c)に対応するので、それらの説明は省略される。
カム部114が作製された管部材120の第2所定部120cの周囲に軸受116が位置付けられる(軸受位置付け工程)。軸受116の内輪116aの内径はここでは管部材120の外径よりも大きくされているので、それらの間には隙間がある。なお、このような隙間はなくてもよい。この軸受116を支持すると共に位置決めするように、一対の割り押え型126および押え型128が軸受116を挟んで設置される。ただし、このとき、軸受116の中心軸線(回転軸線)と管部材120の軸線とが重なるように、軸受116が保持されるとよく、そのためにさらなる保持部材ないしは保持手段が用いられてもよい。なお、カム部114を形成するときの押え型と軸受116を固定するときの押え型は異なってもよい。加えて、芯金124が、図6中右側に第2所定部120c近傍まで管部材120内を押し進められる。このとき、芯金124の先端部と一対の割り押え型126との位置関係は、図4において説明された対応する部材24、26間の位置関係と同様である。その状態で、図6(d)に表すように、管部材120の右端側から管部材120内部に液圧が及ぼされ、軸受116の管部材120への固定が図られる(軸受固定用変形工程)。
液圧が及ぼされることで、図6(e)に表すように、管部材120は、第2所定部120cで管部材120が外方に突出変形するように変形する。その結果、軸受116の内輪116aと管部材120との間の隙間は消失し、内輪116aが管部材120にしっかりと嵌まる。このようにして、図6(f)に表すように、軸受116は管部材20に固定される。
なお、軸受116を固定するために管部材120に及ぼされる液圧は、カム部114を形成するために管部材120に及ぼされる液圧よりも小さいとよい。軸受116を固定するための液圧は、軸受116を適切に固定するが、軸受116の精度および寿命を害さない程度の圧力であるとよい。
このように、軸受116は管部材120の塑性変形により固定されるので、管部材120の外形に対して高精度が要求されない。したがって、カムシャフト100およびカムシャフト100を用いたエンジンの製造コストを低く抑えることができる。
なお、上記軸受位置付け工程と上記軸受固定用変形工程とを備えて、軸受固定工程が構成される。
なお、ここでは、カム部114が形成された後かつ軸受116が取り付けられる前に、そのカム部114にはオイル孔118が形成される(図6参照)。カムシャフト10に関して既に説明したのと同様に、カム部114の形成および軸受116の取り付け後にオイル孔118が形成されてもよいが、このようにカム部114にオイル孔118が形成された後、該カム部114の隣に軸受116が取り付けられるとよい。
次に、本発明に係る第3実施形態のカムシャフト200を説明する。カムシャフト200は、上記カムシャフト10に比べて、管部材を積極的に塑性変形させることにより固定された軸受を備えるという特徴を有する。つまり、カムシャフト200は、カムシャフト100と同様の特徴を有する。しかし、カムシャフト200における軸受の固定方法と、カムシャフト100における軸受の固定方法との間には違いがある。カムシャフト200は、それ以外の点ではカムシャフト100と概ね同じ構成を備え同様の効果を奏し、カムシャフト100と同様の上記したような変更が適用され得る。それ故、以下では、その相違点に関して主に説明し、既に説明した構成要素に対応する構成要素には対応する符号を付して、重複する説明を省略する。なお、概ね、カムシャフト200の製造方法は、カムシャフト10、100の製造方法と同じである。
カムシャフト200の一部の断面模式図を図7に示す。軸受216は、一体型の転がり軸受である。軸受216の周囲の管部材の部位つまり中空シャフト部212の所定の部位が外側に隆起するように管部材を塑性変形させることで、軸受216の内輪216aはしっかりと管部材に固定される。
軸受216の管部材への固定方法を図8に基づいてより詳細に説明する。図8は、図7に表されているカムシャフト200の部分を管部材220から得る作製工程を説明するための図であり、(a)〜(f)に至るに連れて、その作製工程が進むように表されている。ただし、図8(a)〜(c)は、図4(a)〜(c)に対応するので、それらの説明は省略される。
カム部214が作製された管部材220の第2所定部220cの周囲に軸受216が位置付けられる(軸受位置付け工程)。軸受216の内輪216aの内径は、ここでは、管部材220の外径よりもわずかに大きくされている。したがって、それらの間には明らかな隙間はないが、管部材220の周囲に軸受216を容易に位置付けることは可能にされている。この軸受216に対して、管部材220の軸線の方向においてその両側に概ね等間隔の隙間を形成した状態で、一対の割り押え型227および押え型228が設置される。この一対の割り押え型227は、カム部214を形成するための一対の割り押え型226とは異なるが、これらは同じ型とされることができる。加えて、芯金224が、図8中右側に第2所定部220c近傍まで管部材220内を押し進められる。このとき、芯金224の先端部と一対の割り押え型227との位置関係は、図4において説明された対応する部材24、26の位置関係と同様である。その状態で、図8(d)に表すように、管部材220の右端側から管部材220内部に液圧が及ぼされ、軸受216の管部材220への固定が図られる(軸受固定用変形工程)。なお、このとき、軸受216を第2所定部220cに的確に位置付けるように、さらなる保持部材が用いられるとよい。また、このとき、軸受216の中心軸線(回転軸線)と管部材220の軸線とが重なるように、軸受216が保持されるとよい。
液圧が及ぼされることで、図8(e)に表すように、管部材220は、第2所定部220cの周囲の部位つまり軸受216の周囲の部位が外方に突出変形するように変形する。その結果、軸受216は、管部材220の隆起部220d間にしっかりと嵌め込まれたようになって保持されるようになる。このようにして、図8(f)に表すように、軸受216は管部材220に固定される。なお、このような管部材220の塑性変形に伴って、第2所定部の部位そのものでも、管部材220が外方に突出するように変形するので、軸受216はより適切に固定される。
なお、第2実施形態の軸受固定工程と同様に、本第3実施形態でも、上記軸受位置付け工程と、上記軸受固定用変形工程とを備えて、軸受固定工程が構成される。
なお、ここでは、カム部214が形成された後かつ軸受216が取り付けられる前に、そのカム部214にはオイル孔218が形成される(図8参照)。カムシャフト10に関して既に説明したのと同様に、カム部214の形成および軸受216の取り付け後にオイル孔218が形成されてもよいが、このようにカム部214にオイル孔218が形成された後、該カム部214の隣に軸受216が取り付けられるとよい。
なお、上記3つの実施形態では、オイル孔はカム部に設けられたが、中空シャフト部に設けられることができる。オイル孔は、カム部と中空シャフト部との両方に設けられてもよい。オイル孔は、カムシャフト内のオイルつまり中空シャフト部およびカム部の内部のオイルが、カムシャフトの表面または周囲の種々の摺動部に対して供給されるように、カムシャフトの種々の位置に形成されることができる。
また、上記実施形態の説明では、1つのカム部は管部材の1回の塑性変形で作製されたが、段階的に複数回の塑性変形を管部材に生じさせることで、1つのカム部は作製されてもよい。なお、この場合、複数の段階的な塑性変形に適合した複数の型が用いられるとよい。
以上、本発明を上記3つの実施形態およびその変形例等に基づいて説明した。しかし、本発明は、それら実施形態等に限定されず、他の実施形態を許容する。本発明には、特許請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が含まれる。したがって本発明は、限定的に解釈されるべきではなく、本発明の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
10、100、200 カムシャフト
12、112、212 中空シャフト部
14、114、214 カム部
16、116、216 軸受
18、118、218 オイル孔

Claims (7)

  1. 管部材を加工することにより一体的に形成された中空カムシャフトであって、
    中空シャフト部と、
    該中空シャフト部と一体的に形成されたカム部であって内部が前記中空シャフト部の内部に連通するカム部と、
    前記中空シャフト部および前記カム部の少なくとも一方に形成されたオイル孔と
    を備えたことを特徴とする中空カムシャフト。
  2. 前記オイル孔は、前記カムシャフトの内部を流れるオイルを前記中空シャフト部に設けた軸受に供給するように、位置付けられていることを特徴とする請求項1に記載の中空カムシャフト。
  3. 前記軸受は転がり軸受であり、前記オイル孔は該オイル孔と対応する軸受のコロとを結ぶ線がカムシャフトの軸線に平行になるように位置付けられていることを特徴とする請求項2に記載の中空カムシャフト。
  4. 管部材の周囲に型部材を設置する型設置工程と、
    前記管部材の一部が前記型部材の内側に突出するように前記管部材を変形させてカム部を形成するカム部形成工程と、
    前記カム部にオイル孔を加工するオイル孔加工工程と
    を備えることを特徴とする中空カムシャフトの製造方法。
  5. 一体型軸受を前記管部材に固定する軸受固定工程をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の中空カムシャフトの製造方法。
  6. 前記軸受固定工程は、
    前記管部材の周囲に前記軸受を位置付ける軸受位置付け工程と、
    該軸受位置付け工程によって位置付けられた前記軸受を前記管部材に固定するべく前記軸受の内側または周囲の前記管部材の部位を外方に突出変形させる軸受固定用変形工程と
    を備えることを特徴とする請求項5に記載の中空カムシャフトの製造方法。
  7. 前記管部材の複数の部位を該複数の部位のうちの一端部側部位から他端部側部位へ順に加工することによりカムシャフトを得ることを特徴とする請求項4から6のいずれかに記載の中空カムシャフトの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014066246A (ja) * 2012-09-26 2014-04-17 Mahle Internatl Gmbh 内燃機関用カムシャフト
KR101518950B1 (ko) * 2013-12-17 2015-05-11 현대자동차 주식회사 차량용 캠 샤프트 유닛

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