JP2011163754A - ガス・タービン用の燃焼器を制御する方法 - Google Patents

ガス・タービン用の燃焼器を制御する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ガス・タービンの燃焼器を制御する方法(600)を提供する。
【解決手段】燃焼筒(300)をガス・タービンの燃焼器内に動作可能に配置する(610)。燃焼筒(300)は、複数の燃焼器燃料ノズル(200)を備え、各燃焼器燃料ノズル(200)は、燃料噴射器を有し、液体燃料(26)、液体流体(46)、または液体燃料および液体流体を、燃料噴射器ノズル(10)に選択的に与える。燃料噴射器ノズル(10)は、複数の液体燃料噴流(23)、複数の液体流体噴流(43)、またはそれらの組み合わせをそれぞれ与え、これらの噴流自体は、噴霧液体燃料流れ、噴霧液体流体流れ、または噴霧され乳化された液体燃料−液体流体流れをそれぞれ与える。方法(600)は、ある量の燃料、流体、またはそれらの組み合わせを燃料噴射器ノズルに選択的に与えて(620)、噴霧された燃料流れ、噴霧された流体流れ、または噴霧され乳化された燃料−流体流れをそれぞれ生成する。
【選択図】図3

Description

天然ガスは、多くの場合、ガス・タービンを燃焼させるための最適な燃料である。なぜならば、代替的な燃料と比べてコストが低く燃焼特性が望ましいからである。しかしながら多くの燃焼タービンは、天然ガスまたは液体燃料(たとえば種々の等級のディーゼル燃料たとえばNo.1ディーゼル燃料)のどちらかを、コスト、利用可能性、および所望の燃焼特性に応じて燃焼させることができる。多くの場合、主に液体燃料システムが予備システムとして用いられる。一例として、現在の乾式低NO(DLN)燃焼器では一般的に、予備液体燃料システムを利用している。別の場合では、ガス・タービン設備では、コストが低くなるかまたは液体燃料の利用可能性が高まるために、季節によって液体燃料で稼働している。
液体燃料システムは、予備または代替的な燃料供給システムとして望ましいものであるが、それらの運転および維持費は現在のところ法外に高い。望ましい燃焼特性(たとえば、改善された排出およびタービン性能)を得るために、噴霧空気を用いて液体燃料の噴霧を行なうことが多い。噴霧空気システムは、圧縮機空気を抽出して、ポンプを用いて空気圧を液体燃料噴霧にとって十分なレベルにまで上げる必要がある。これらの結果、さらなる資本設備および維持費が課され、タービンおよびパワー・プラント効率が低下する。したがって、資本設備および維持費を減らし、システムの複雑さを減らし、パワー・プラント信頼性および発熱率を向上させるためには、噴霧空気システムをなくすことが望ましい。
米国特許第4,110,973号明細書
したがって、前述した不利点を回避する改善された液体燃料供給システムおよび燃料供給方法が望ましい。
本発明の一態様によれば、ガス・タービンの燃焼器を制御する方法が開示される。本方法は、燃焼筒をガス・タービンの燃焼器内に動作可能に配置することを含む。燃焼筒は複数の燃焼器燃料ノズルを備え、各燃焼器燃料ノズルは、燃料噴射器を有し、液体燃料、液体流体、または液体燃料および液体流体を、燃料噴射器ノズルに選択的に与えるように構成され、燃料噴射器ノズルは、複数の液体燃料噴流、複数の液体流体噴流、またはそれらの組み合わせをそれぞれ与えるように構成され、これらの噴流自体は、噴霧液体燃料流れ、噴霧液体流体流れ、または噴霧され乳化された液体燃料−液体流体流れをそれぞれ与えるように構成されている。また本方法は、ある量の液体燃料、液体流体、またはそれらの組み合わせを燃料噴射器ノズルに選択的に与えて、所定の噴霧液体燃料流れ、噴霧液体流体流れ、または噴霧され乳化された液体燃料−液体流体流れをそれぞれ生成することを含んでいる。
これらおよび他の優位性および特徴は、以下の説明とともに図面からより明らかとなる。
主題は、本発明とみなされるものであるが、特に明細書の終わりの請求項において指摘され明瞭に請求される。本発明の前述および他の特徴および優位性は、以下の詳細な説明とともに添付図面から明らかである。
本明細書で開示したような燃料噴射器ノズルの典型的な実施形態の正面斜視図である。 図1の燃料噴射器ノズルの後面斜視図である。 燃料噴射器ノズルの内部特徴を例示する想像線も含む図2の拡大図である。 図1の燃料噴射器ノズルを断面4〜4に沿って見た断面図である。 図2の燃料噴射器ノズルを断面5〜5に沿って見た断面図である。 燃料噴射器ノズルと燃料噴射器ノズルを取り入れた燃料噴射器との典型的な実施形態の斜視図である。 図6の典型的な実施形態を断面7〜7に沿って見た断面図である。 図6の典型的な実施形態を断面8〜8に沿って見た断面図である。 本明細書で開示したような燃焼器燃料ノズルの典型的な実施形態の断面図である。 本明細書で開示したような複数の燃焼器燃料ノズルと複数の燃焼器燃料ノズルを取り入れた燃焼筒との典型的な実施形態の正面斜視図である。 本明細書で開示したような燃料噴射器ノズルの第2の典型的な実施形態の断面図である。 燃料噴射器ノズルを作製する方法のフロー・チャートである。 ガス・タービンの燃焼器を制御する方法のフロー・チャートである。
詳細な説明によって、本発明の実施形態とともに優位性および特徴を、一例として図面を参照して説明する。
図1〜10を参照して、燃料噴射器ノズル10の典型的な実施形態について説明する。燃料噴射器ノズル10は、ノズル・ボディ12を備えている。ノズル・ボディ12は、燃料カートリッジまたは燃料噴射器100に取り付けられてこれと流体連絡するように構成されている。燃料カートリッジまたは燃料噴射器100は、ガス・タービン(図示せず)の燃焼器(図示せず)内で用いられ、液体燃料の噴流、または液体燃料および別の流体(たとえば水)の噴流を与えて、燃焼器の燃焼室(図示せず)内の燃焼用に燃料を噴霧するものである。ノズル・ボディ12は、任意の好適な形状(たとえば、図示したような直円柱形状)を有していても良く、一般的に、それが接合される燃料噴射器100(図6)に取り付けられるように構成された形状を有している。ノズル・ボディ12は、入口端14および対向する排出または出口端16を有している。
またノズル・ボディ12は、入口端14の燃料入口20から出口端16に配置された燃料出口22(または複数の燃料出口22)まで延びる燃料導管18を備える。燃料出口22は、出口端16に隣接して配置された燃料出口導管24(または複数の燃料出口導管24)と流体連絡している。燃料出口22は、燃料導管18および対応する燃料出口導管24と流体連絡して、その終端として機能する。たとえば、図1〜7に例示したように、複数の燃料出口導管24は、加圧液体燃料(矢印26で例示する)を分配するプレナムとして機能する単一の燃料導管18から延びていても良い。加圧液体燃料は、燃料入口20内に燃料導管18を通って流れ、燃料出口導管24内に流れる。燃料出口導管24では、加圧液体燃料は、液体燃料26の加圧フロー流れまたは噴流23として、出口端16の燃料出口22を通って排出される。液体燃料26は、ガス・タービンの燃焼室内での燃焼に適した任意の液体炭化水素を含んでいても良い。たとえば、種々の等級のディーゼル燃料(たとえば、No.1ディーゼル燃料)である。燃料導管18は、任意の好適なサイズおよび形状を有していても良い。図1〜7の典型的な実施形態においては、燃料導管18は半円形の断面形状を有し、その面積は、燃料入口20から離れるにつれてサイズが増加している。
燃料出口導管24は、入口27が、燃料導管18の半円形の断面内に配置されている。燃料出口導管24は、加圧液体燃料26の圧力を増加させ、所定の噴流特性(たとえば圧力、流量、噴流形状など)を有する液体燃料26の噴流23を与えるように、燃料導管18と比べて断面積が小さく断面形状が異なっていても良い。燃料出口導管24および燃料出口22は、その内部を流れる加圧液体燃料26の部分を用いて所定の噴流特性を有する噴流23を与えるために、任意の好適な断面形状、断面サイズ、長さ、空間的位置、および配向を有していても良い。所定の噴流特性を、本明細書で説明したような液体燃料の噴霧を与えるように選んでも良い。図1〜7の典型的な実施形態においては、燃料出口導管24は、対応する内部収束燃料出口導管軸28および燃料出口22を有し、燃料出口導管24は、出口端16から離れるにつれて内部に収束する液体燃料26の噴流23を与えるように離間に配置されている。図1〜7の典型的な実施形態においては、燃料出口22は、長手軸29の周りに半径方向および周方向に離間に配置されていて、対応する液体燃料の噴流23が、長手軸29に沿って、燃料噴流角度(α)(図7)によって決定される焦点に集中するようになっている。燃料噴流角度(α)は、燃料出口導管軸28が長手軸29となす角度によって画定される。燃料噴流角度(α)の選択は、本明細書で説明したように、噴流23の所定の衝突特性を液体流体の噴流を用いて与えて、所定の流れ特性を有する噴霧液体燃料26の最終的なフロー流れ25を与えるように行なっても良い。所定の流れ特性としては、流れ形状、サイズ、噴霧粒径(たとえば、平均粒径)および粒度分布、液体燃料質量流量などが挙げられる。
またノズル・ボディ12は、入口端14の流体入口40から、出口端16に配置された流体出口42または複数の流体出口42まで延びる流体導管38を備えている。流体出口42は、出口端16に隣接して配置された流体出口導管42または複数の導管44と流体連絡している。流体出口44は、流体導管38および対応する流体出口導管44と流体連絡して、その終端として機能する。たとえば、図1〜7に例示したように、複数の流体出口導管44は、加圧液体流体(矢印46で例示する)を分配するプレナムとして機能する単一の流体導管38から延びていても良い。加圧液体流体は、流体入口40内に流体導管38を通って流れ、流体出口導管44内に流れる。流体出口導管44では、加圧液体流体は、液体燃料46の加圧フロー流れまたは噴流43として、出口端16の流体出口42を通って排出される。流体導管38は、任意の好適なサイズおよび形状を有していても良い。図1〜7の典型的な実施形態においては、流体導管38は、その長さに沿ってノズル・ボディ12内で同じ半環状または輪状の断面形状を有している。
流体出口導管44は、入口47が、この流体導管38の半環状の断面内に配置されている。流体出口導管44は、加圧液体流体46の圧力を増加させ、所定の噴流特性(たとえば圧力、流量、噴流形状など)を有する液体流体46の噴流43を与えるように、流体導管38と比べて断面積が小さく断面形状が異なっていても良い。流体出口導管44および流体出口42は、その内部を流れる加圧液体流体46の部分から、所定の噴流特性を有する噴流43を与えるために、任意の好適な断面形状、断面サイズ、長さ、空間的位置、および配向を有していても良い。所定の噴流特性を、本明細書で説明したような液体燃料の噴霧26を与えるように選んでも良い。図1〜7の典型的な実施形態においては、流体出口導管44は、対応する内部収束流体出口導管軸48および流体出口42を有し、導管44は、出口端16から離れるにつれて内部に収束する液体流体46の噴流43を与えるように離間に配置されている。図1〜7の典型的な実施形態においては、流体出口42は、ノズル・ボディ12の長手軸29の周りに半径方向および周方向に離間に配置されていて、液体流体46の噴流43または複数の噴流43が、長手軸29に沿って、燃料噴流角度(α)および流体噴流角度(β)によって決定される焦点に集中して、液体燃料26の噴流23または複数の噴流に衝突するようになっている。ここで、角度βは、流体出口導管軸48が長手軸29となす角度によって画定される。この角度(β)の選択は、噴流23および噴流43の所定の衝突および衝突特性、たとえば所定の流れ特性を有する噴霧液体燃料26の最終的なフロー流れ25を与えるように行なっても良い。所定の流れ特性としては、流れ形状、サイズ、噴霧粒径(たとえば、平均粒径)および粒度分布、液体燃料質量流量などが挙げられる。
液体流体46の噴流43を、液体燃料26の噴流23に衝突させ、噴霧液体燃料26のフロー流れ25を形成するために用いる。1つの典型的な実施形態においては、液体流体46に液体燃料26が含まれて、噴流43が事実上噴流23となるようになっていても良い。この実施形態においては、液体燃料26の少なくとも2つの噴流23が互いに衝突して、液体燃料26を噴霧し、噴霧液体燃料26を含むフロー流れ25を形成する。任意の数の噴流23が互いに衝突して、本明細書で説明した所定の流れ特性(たとえば、液体燃料の所定の質量流量)を有する噴霧液体燃料26を含むフロー流れ25を与えても良い。この実施形態においては、各噴流23を、本明細書で説明したように配向して送って、やはり所望の衝突を与えるために配向され送られている少なくとも1つの他の噴流23と衝突させる。焦点31または衝突点を、長手軸29上にくるように選んでも良いし、燃料出口22および燃料出口導管24の適切な配向および場所によって、焦点31が長手軸29上でない出口端16の前方の場所に位置するように選んでも良い。これを図7に例示する。当然のことながら、本明細書で説明した衝突が得られるように配向された複数の噴流23対を画定することによって、対応する複数の焦点31を、出口端16の前方の対応する複数の場所に画定しても良く、また噴霧液体燃料26を含む対応する複数のフロー流れ25が、所定の複合流特性を有する複合フロー流れ25’を形成しても良い。この実施形態においては、液体燃料26を、図7に例示する構成(液体流体46が燃料)の場合と同様に、燃料導管18および流体導管38の両方を通して供給して、両方の導管が事実上燃料導管となるようにしても良いし、またはノズル・ボディが単純に、燃料出口導管24および流体出口導管44に供給するように構成された単一の燃料導管18を有して、それらが両方とも事実上燃料出口導管24となるようにしても良い。
別の典型的な実施形態においては、液体流体46は、所定の燃焼特性(たとえば燃焼器内の温度、タービン入口温度、または燃焼温度の低下)を与えるために水を含んでいても良い。この実施形態においては、液体燃料26の少なくとも1つの噴流23と液体流体46の少なくとも1つの噴流43とが互いに衝突して、液体燃料26および液体流体46(たとえば、水)を噴霧および乳化して、噴霧および乳化された液体燃料26−液体流体46を含むフロー流れ25を形成する。理論に束縛されるものではないが、液体燃料の噴流23と液体流体46の噴流43との衝突によって、液体燃料26および液体流体46の噴霧および混合の両方が行なわれて、液体燃料26−液体流体46の噴霧された乳剤が生成される。噴霧された乳剤には、噴霧された水滴が燃料で覆われたものかコーティングされたものが含まれていても良い。燃焼器から与えられる熱によって、水滴は急速に蒸発する。水の蒸発に付随する蒸発熱によって、燃焼器内の温度が下がって低下し、急速な蒸発によって液滴が爆発的に膨張し、その結果、さらに小さい燃料の液滴が与えられて、その噴霧および燃焼特性がさらに高まる。任意の数の噴流23が任意の数の噴流43と衝突して、本明細書に記載した所定の流れ特性を有する噴霧および乳化された液体燃料26−液体流体46を含むフロー流れ25が与えられても良い。この実施形態においては、液体燃料26の各噴流23を、本明細書で説明したように配向して送って、やはり所望の衝突を与えるために配向され送られた液体流体46の少なくとも1つの噴流43と衝突させる。焦点31または衝突点を、長手軸29上にくるように選んでも良いし、燃料出口22および燃料出口導管24とともに流体出口42および流体出口導管44の適切な配向および場所によって、焦点31を長手軸29上でない出口端16の前方の場所に位置するように選んでも良い。これを図7に例示する。当然のことながら、本明細書で説明した衝突が得られるように配向された複数の噴流23および噴流43対を画定することによって、対応する複数の焦点31を、出口端16の前方の対応する複数の場所に画定しても良く、また噴霧液体燃料26の対応する複数のフロー流れ25が、所定の複合流特性を有する複合フロー流れ25’を形成しても良い。
ノズル・ボディ12は、ノズル先端50およびアダプタ52を備えているが、任意の好適な形成方法(たとえば、ノズル・ボディ12を一体型の一片の構成部品として形成する)によって形成しても良く、また代替的に単一形式の区切りまたはハッチングによって表しても良い。ノズル・ボディ12を、インベストメント鋳造法を用いて一体型の構成部品として形成してアダプタ52の燃料導管18を形成し、次に従来の加工技術を用いて、アダプタ52の流体導管38とノズル先端50の燃料出口導管24および流体出口導管44とを形成しても良い。代替的に、ノズル・ボディ12を、燃料出口導管24および流体出口導管44が内部に形成された別個に形成したノズル先端50を、燃料導管18および流体導管38が内部に形成された別個に形成したアダプタ52に接合することによって形成しても良い。ノズル先端50とアダプタ52とを、それらの間に冶金的結合51を形成するのに適した任意の接合方法によって接合しても良い。接合方法としては種々の形式の溶接が挙げられ、したがって冶金的結合51には溶接部が含まれていても良い。またノズル先端50とアダプタ52とを蝋付けによって接合して、冶金的結合51を形成しても良い。冶金的結合51は、充填金属を2つ以上のぴったり合った部品間に毛細管作用を用いて分配して、ろう付け材料を部品間のスペース内に引き入れ、それらの間に冶金的結合を形成する金属接合プロセスであり、したがって冶金的結合51には、ろう付け継手が含まれていても良い。アダプタ52を、たとえば、インベストメント鋳造によって形成して、円柱型の外形および燃料導管18を形成し、次に従来の加工技術を用いて流体導管38を形成しても良い。
ノズル・ボディ12を、ガス・タービン燃焼器の燃焼温度(約2900°F)に耐えるように適合された任意の好適な高温材料から形成しても良い。典型的な実施形態においては、ノズル・ボディ12を、超合金(たとえばNi系超合金、一例としては、ハスタロイ(Hastalloy)X(UNSN06002)など)から形成しても良い。ノズル・ボディ12の出口端16は、任意の好適な形状プロファイルを有していても良い。たとえば、図7に示す内側に凹状または円錐状の形状である。
図6〜8を参照して、燃料噴射器ノズル10は、燃料噴射器100とともに使用してその中に配置されるように構成されている。燃料噴射器100は、任意の好適な断面形状および長さを有していても良い。たとえば、図6〜8に例示する実質的に円柱型の形状である。燃料噴射器100は、取付フランジ114内に配置された区分流体チューブ112を備えている。区分チューブ112は、入口端116から、ノズル・ボディ12の入口端14に接合された出口端118まで延びている。区分チューブ112の区分を、任意の好適な区分配置を用いて行なって、少なくとも2つの流体の通路を、チューブの長さに沿って入口端116から出口端118まで可能にしても良い(これを、図7および8に例示する)。典型的な実施形態においては、区分チューブ112の区分を、同心のチューブ配置(内側チューブ120が外側チューブ122内に同心円状に配置されている)を用いて行なう。内側チューブ120および外側チューブ122の対応する内径および外径のサイズは、内側チューブ120内に燃料回路124を画定し、内側チューブ120と外側チューブ122との間に流体回路126を画定するように取られている。典型的な実施形態においては、流体回路126は、本明細書で説明したように、加圧液体燃料を与えるための燃料回路であっても良い。別の典型的な実施形態においては、流体回路126は、本明細書で説明したように加圧液体流体46(たとえば、水)を与えても良い。ノズル・ボディ12を、区分チューブ112に、任意の好適な接合方法を用いて接合しても良い。たとえば、種々の形式の溶接である。区分チューブ112の入口端または端部116を、取付フランジ114内に形成されたはめ合い凹部128内に配置し、取付フランジ114に溶接部130によって接合しても良い。燃料回路124は、加圧液体燃料26の供給源との流体連絡を、種々のパイプまたは導管(図示せず)を備える外部の燃料回路132を通して行なっている。燃料回路132は、燃料噴射器100に、好適な着脱可能に取り付け可能なコネクタ134を用いて流体的に結合されていても良い。同様に、流体回路126は、加圧液体流体46の供給源との流体連絡を、液体流体46を伝達するための種々のパイプまたは導管(図示せず)を備える外部の流体回路136を通して行なっている。流体回路136は、燃料噴射器100および取付フランジ114に、着脱可能に取り付け可能なコネクタ138を通して着脱可能に取り外しても良い。また流体回路126は、流体回路126内に形成されこれと流体連絡している取付フランジ導管140を備えていても良い。
図9および10を参照して、燃料噴射器100を、天然ガスをガス・タービンの燃焼器用の主燃料として与えるために用いられる燃焼器燃料ノズル200内に配置しても良い。燃焼器燃料ノズル200は天然ガス回路210を備えている。天然ガス回路210は、一方の側で、内側チューブ212と隣接している。内側チューブ212は、燃料噴射器100を受け入れるように構成された燃料噴射器キャビティ214を画定している。燃料噴射器キャビティ214は、区分チューブ112およびノズル10を備え、ノズル・ボディ12の出口端16が、燃焼器ノズルの末端部218の開口部216内に配置されている。ノズル・ボディ12は、副または予備燃料を燃焼器内に噴霧液体燃料−液体流体乳剤として、開口部216を通して噴射するように、構成されている。図10に示すように、燃料噴射器100を備える複数の燃焼器燃料ノズル200を組み合わせて燃焼筒300を構成しても良い。複数の燃焼筒300(図示せず)(各燃焼筒は複数の燃焼器燃料ノズル200と燃料噴射器100とを備える)を、ガス・タービンの燃焼器部分(図示せず)の周りに従来の仕方で周方向に置いて、デュアル燃料能力を有するガス・タービンを与えても良いし、主(天然ガス)および副または予備(液体燃料)燃料供給能力を有するガス・タービンを与えても良い。
図11に、燃料噴射器ノズル10の第2の典型的な実施形態を例示する。燃料噴射器ノズル10は、ノズル・ボディ12と、本明細書で開示したようなノズルの他の要素とを備えている。この実施形態においては、アダプタ52の燃料導管18および流体導管38の配置を、一方の導管が他方の導管内に配置されるように、たとえば、一方の導管が他方の導管に対して同心円状に配置される構成となるように、行なっても良い。図11の典型的な実施形態においては、燃料導管18は流体導管38内に配置されており、より詳細には、燃料導管18は流体導管38内に同心円状に配置されている。しかし、この構成を逆にして、流体導管38が燃料導管18内に配置されるように、より詳細には、流体導管38が燃料導管18内に同心円状に配置されるようにしても良い。図11に例示する構成では、燃料導管18は、入口端14において燃料回路124と流体連絡するように構成され、ノズル先端50に隣接するアダプタ52の出口端15および出口17に向かって開く裁頭円錐形(frustoconical)の形状を有している。流体導管38は、入口端14において流体回路124と流体連絡するように構成され、ノズル先端50に隣接するアダプタ52の出口端15および出口19に向かって開くとともに燃料導管18を囲む裁頭円錐形のリング形状を有している。
複数の4つの燃料出口導管24が、長手軸29から半径方向に任意の好適な半径方向の間隔で離間に配置され、互いから周方向に任意の好適な周方向の間隔で離間に配置されている。図11の実施形態においては、導管は約90°間隔で一様に離間に配置されている。導管は、図11に示す2つの燃料出口導管24を含んでいる。燃料出口導管24は、長手軸29の周りで一様に半径方向に離間に配置され、180°離れて周方向に離間に配置されている。しかし任意の数の付加的な燃料出口導管24を、任意の好適な半径方向または周方向の間隔で用いても良い。燃料出口導管24は、入口27が燃料導管18の円形断面内に配置されている。燃料出口導管24は、加圧液体燃料26の圧力を増加させ、所定の噴流特性(たとえば、圧力、流量、噴流形状など)を有する液体燃料26の噴流23を与えるように、燃料導管18と比べて断面積が小さく断面形状が異なっていても良い。燃料出口導管24および燃料出口22は、その内部を流れる加圧液体燃料26の部分を用いて所定の噴流特性を有する噴流23を与えるために、任意の好適な断面形状、断面サイズ、長さ、空間的位置、および配向を有していても良い。所定の噴流特性は、本明細書で説明したような液体燃料の噴霧を与えるように選んでも良い。図11の典型的な実施形態においては、燃料出口導管24は、対応する内部収束燃料出口導管軸28および燃料出口22を有し、燃料出口導管24は、離間に配置されて、出口端16から離れるにつれて内部に収束する液体燃料26の噴流23を与える。図12の典型的な実施形態においては、燃料出口22は、長手軸29の周りに半径方向および周方向に離間に配置されていて、対応する液体燃料の噴流23が長手軸29に沿って、燃料噴流角度(α)によって決定される焦点31に集中するようになっている。燃料噴流角度(α)は、燃料出口導管軸28が長手軸29となす角度によって画定される。燃料噴流角度(α)の選択は、噴流23の所定の衝突特性を与えて、所定の流れ特性を有する噴霧液体燃料26の最終的なフロー流れ25を与えるように行なっても良い。所定の流れ特性としては、流れ形状、サイズ、噴霧粒径(たとえば、平均粒径)および粒度分布、液体燃料質量流量などが挙げられる。この実施形態においては、燃料噴射器100が、加圧液体燃料26の流れだけを用いて優位に動作される場合があり、また流体回路126内を流れる加圧液体流体46(たとえば水)を用いることなく、依然として、燃焼に対する噴霧液体燃料26の流れを与える場合がある。
複数の4つの流体出口導管44が、長手軸29から半径方向に任意の好適な半径方向の間隔で離間に配置され、互いから周方向に任意の好適な周方向の間隔で離間に配置されている。図11の実施形態においては、導管は90°間隔で一様に離間に配置されている。導管は、図11に示す2つの流体出口導管44を含んでいる。流体出口導管44は、長手軸29の周りで一様に半径方向に離間に配置され、180°離れて周方向に離間に配置されている。しかし任意の数の付加的な流体出口導管44を、任意の好適な半径方向または周方向の間隔で用いても良い。例示した実施形態においては、流体出口導管44の半径方向の間隔は、燃料出口導管24の半径方向の間隔よりも大きく、燃料出口導管24および燃料出口22が、流体出口導管44および流体導管42内に同心円状に配置されるようになっている。流体出口導管44は、入口47が流体導管38の環状または輪状の断面内に配置されている。流体出口導管44は、加圧液体流体46の圧力を増加させ、所定の噴流特性(たとえば、圧力、流量、噴流形状など)を有する液体流体46の噴流43を与えるために、流体導管38と比べて断面積が小さく断面形状が異なっていても良い。流体出口導管44および流体出口42は、その内部を流れる加圧液体流体46の部分から所定の噴流特性を有する噴流43を与えるために、任意の好適な断面形状、断面サイズ、長さ、空間的位置、および配向を有していても良い。所定の噴流特性を、本明細書で説明したようなさらなる液体燃料の噴霧26を与えるように選んでも良い。図11の典型的な実施形態においては、流体出口導管44は、対応する内部収束流体出口導管軸48および流体出口42を有し、導管44は、離間に配置されて、出口端16から離れるにつれて内部に収束する液体流体46の噴流43を与える。図11の典型的な実施形態においては、流体出口42は、ノズル・ボディ12の長手軸29の周りに半径方向および周方向に離間に配置されていて、液体流体46の噴流43または複数の噴流43が、長手軸29に沿って、燃料噴流角度(α)および流体噴流角度(β)によって決定される焦点に集中して、やはり液体燃料26の複数の噴流に衝突するようになっている。ここで、角度βは、流体出口導管軸48が長手軸29となす角度によって画定される。この角度(β)の選択は、噴流23および噴流43の所定の衝突および衝突特性、たとえば所定の流れ特性を有する噴霧液体燃料26の最終的なフロー流れ25を与えるように行なっても良い。所定の流れ特性としては、流れ形状、サイズ、噴霧粒径(たとえば、平均粒径)および粒度分布、液体燃料質量流量などが挙げられる。
この実施形態においては、液体流体46は、所定の燃焼特性(たとえば燃焼器内の温度、タービン入口温度、または燃焼温度の減少)を与えるために水を含んでいても良い。この実施形態においては、液体燃料26の複数の噴流23と液体流体46の複数の噴流43とが互いに衝突して、液体燃料26および液体流体46(たとえば水)を噴霧および乳化して、噴霧および乳化された液体燃料26−液体流体46を含むフロー流れ25を形成する。理論に束縛されるものではないが、液体燃料の噴流23と液体流体46の噴流43との衝突によって、液体燃料26および液体流体46の噴霧および混合の両方が行なわれて、液体燃料26−液体流体46の噴霧された乳剤が生成される。噴霧された乳剤には、噴霧された水滴が燃料で覆われたものかコーティングされたものが含まれていても良い。燃焼器から与えられる熱によって、水滴は急速に蒸発する。水の蒸発に付随する蒸発熱によって、燃焼器内の温度が下がって低下し、急速な蒸発によって液滴が爆発的に膨張し、その結果、さらに小さい燃料の液滴が与えられて、その噴霧および燃焼特性がさらに高まる。任意の数の噴流23が任意の数の噴流43と衝突して、本明細書に記載した所定の流れ特性を有する噴霧および乳化された液体燃料26−液体流体46を含むフロー流れ25が与えられても良い。この実施形態においては、液体燃料26の各噴流23を、本明細書で説明したように配向して送って、やはり所望の衝突を与えるために配向され送られた液体流体46の少なくとも1つの噴流43と衝突させる。焦点31または衝突点を、長手軸29上にくるように選んでも良いし、燃料出口22および燃料出口導管24とともに流体出口42および流体出口導管44の適切な配向および場所によって、焦点31を長手軸29上でない出口端16の前方の場所に位置するように選んでも良い。これを図7に例示する。当然のことながら、本明細書で説明した衝突が得られるように配向された複数の噴流23および噴流43対を画定することによって、対応する複数の焦点31を、出口端16の前方の対応する複数の場所に画定しても良く、また噴霧液体燃料26の対応する複数のフロー流れ25が、所定の複合流特性を有する複合フロー流れ25’を形成しても良い。
燃料噴射器ノズル10およびノズル・ボディ12を、一体型の構成部品として形成しても良いし、本明細書で説明したように、アダプタ52とノズル先端50とを接合することによって、二片構成部品として形成しても良い。
燃料噴射器ノズル10の入口端14は、燃料噴射器100の出口端118に配置されている。ノズル10は、燃料噴射器100上に、任意の好適な取付具または取り付け方法によって配置しても良いが、好ましくは、冶金的結合119を用いて取り付ける。任意の好適な冶金的結合119を用いても良い。たとえば、種々の形式の溶接によって形成しても良いろう付け継手または溶接部である。図11の典型的な実施形態においては、冶金的結合119は突き合わせ溶接部121を含んでいる。突き合わせ溶接部121の形成は、たとえば、最初に内側チューブ120をアダプタ52の入口端14の内側部分123に突き合わせ溶接することによって行なっても良い。突き合わせ溶接部121の内側部分の何らかの必要な検査の後で、外側チューブ122を、アダプタ52の入口端14の外側部分125に突き合わせ溶接しても良い。図11に示すように、ノズル・ボディ12の入口端14は段差13を備え、燃料噴射器100の出口端部118は段差113を備えており、これらの段差13、113は嵌合するように配置されている。これらのはめ合い段差を用いて接合を容易にすることを、溶接部を異なる平面内で別個の溶接作業を用いて作製できるようにすることで、行なっても良い。典型的な実施形態においては、入口端が外側に階段状で、入口端14の内側部分123がアダプタ52から離れるように外側に突出していて、一方で、燃料噴射器100の出口端が階段状で、内側チューブ120が、外側に突き出た外側チューブ122内に引っ込んで配置されていても良い。
図12を参照して、燃料噴射器ノズル10を作製する方法500は、ノズル・ボディ12を液体燃料26と流体連絡するように形成して510、液体燃料噴流23および液体流体46を生成し、流体噴流43を生成することを含むことは、本明細書で説明した通りである。本明細書で説明したように、形成すること510は、任意的に、一体型のノズル520ボディ12を、たとえばインベストメント鋳造または金属粉末成形体の焼結によって形成することを含んでいても良く、また加工、穿孔、および他の金属成形方法を用いてノズル・ボディ12の種々の特徴物を作製しても良い。代替的に、形成すること510はまた、二片ノズル・ボディ530の形成を、アダプタ52を形成すること532と、ノズル先端50を形成すること534と、アダプタ52をノズル先端50にたとえば本明細書で説明したように溶接または蝋付けによって接合すること536とによって行なうことを含んでいても良い。方法500はまた、ノズル・ボディ12の入口端14を燃料噴射器100の出口端118に接合すること540を含んでいても良く、ここでノズル・ボディ12の入口端は、段差13によって階段状であり、燃料噴射器100の出口端118で段差113とはめ合い嵌合するように構成されている。
図13を参照して、ガス・タービンの燃焼器を制御する方法600が開示されている。燃焼器およびガス・タービンは、任意の好適なデザインであっても良く、たとえば種々の従来の燃焼器およびガス・タービン・デザインが挙げられる。方法600は、本明細書で説明したように燃焼筒300をガス・タービンの燃焼器内に動作可能に配置すること610を含む。燃焼筒300は複数の燃焼器燃料ノズル200を備え、各燃焼器燃料ノズル200は、燃料噴射器100を有し、燃料噴射器100は、液体燃料、液体流体、または液体燃料および液体流体を燃料噴射器ノズル10に選択的に与えるように構成され、燃料噴射器ノズル10は、複数の液体燃料噴流、複数の液体流体噴流、またはそれらの組み合わせをそれぞれ与えるように構成され、これらの噴流自体は、噴霧液体燃料流れ、噴霧液体流体流れ、または噴霧され乳化された液体燃料−液体流体流れをそれぞれ与えるように構成されている。また方法600は、ある量の液体燃料、液体流体、またはそれらの組み合わせを燃料噴射器ノズルに選択的に与えて620、所定の噴霧液体燃料流れ、噴霧液体流体流れ、または噴霧され乳化された液体燃料−液体流体流れをそれぞれ生成することを含んでいる。
方法600を、たとえば、図11に例示する燃料噴射器100とともに用いて、加圧燃料のみを燃料導管18および燃料出口導管24を通して選択的に与え620、燃焼器内の燃焼用に噴霧液体燃料流れ25を生成しても良い。この動作構成を、ガス・タービンの所定の低負荷状態(燃焼温度を限定する必要がないか、またはたとえば燃焼器が所定の燃焼温度まで上昇中である)の間に用いても良い。典型的な実施形態においては、低負荷状態は、ガス・タービンのベース負荷の約30%以下の負荷であり、より詳細には、ベース負荷の約10%〜約30%の負荷状態である。高負荷状態は、ガス・タービンのベース負荷の約30%を超える負荷である。この構成を、たとえばガス・タービンの始動の間に用いて始動モードを規定することが優位な場合がある。始動時には、低負荷状態が存在しており、冷却液(たとえば水)を用いて燃焼器を冷却して排気物質を制御することは一般的には必要ではなくなっている。したがって、燃料の供給のみを始動時に用いても良いが、加圧燃料26を本明細書で説明したように噴霧して燃焼効率を向上させる。
また方法600を、たとえば、図11に例示する燃料噴射器100とともに用いて、加圧液体燃料を燃料導管18および燃料出口導管24を通して、また加圧流体(冷却液たとえば水を含む)を流体導管38および流体出口導管44を通して選択的に与えて620、噴霧され乳化された液体燃料26−液体流体46流れ25を燃焼器内での燃焼用に生成しても良い。この動作構成を、燃焼器の所定の動作状態であって、少なくとも1つの燃焼器燃料ノズル200が液体燃料および液体流体の両方を与えるように構成され、対応する液体燃料噴流および液体流体噴流が、噴霧され乳化された液体燃料−液体流体流れを燃焼器内での燃焼用に与える動作状態の間に用いても良い。この流れを用いて、たとえば、増加燃焼(所定の燃焼効率を含む)を、燃料の噴霧および乳化によって与えても良いことは、本明細書で説明した通りである。また液体流体(たとえば水)によって、燃焼温度として、燃焼器からの排気物質を、特に燃焼中に生成されるNOの量を減らすことによって制御するために用いても良く、また所定のプロファイルの排出成分および所定の燃焼温度を与えるために用いても良い燃焼温度が下がる。その結果、燃料噴射器から供給される液体燃料26および液体流体46の相対量を制御して、所定の燃焼効率、燃焼温度もしくは排出成分プロファイル、またはそれらの組み合わせを与えても良い。量の制御は、重量パーセントによって測定されようと体積パーセントによって測定されようと、100>X>0で行なっても良い。ここで、Xは、燃料の量を、液体燃料および液体流体の全体のうちの体積または重量パーセントで表したものであり、液体流体の量は1−Xによって規定される。噴霧され乳化された液体燃料26−液体流体46流れ25を、それらの量を燃焼器およびガス・タービンの広範囲の通常動作条件に渡って制御して動作モードを規定することによって、優位に使用される場合がある。これは、タービン速度および負荷がより高い(一般的に燃焼温度がより高い)状態における特定の優位性とともに用いても良い。排気物質の適合には、所定のプロファイルの排出成分を与えるために燃焼温度を低くすることが求められる。
また方法600を、たとえば、図11に例示する燃料噴射器100とともに用いて、加圧液体加圧液体流体のみを流体導管38および流体出口導管44を通して選択的に与えて620、噴霧液体流体流れ25を生成しても良い。この流れを、他の燃料噴射器であって、燃焼器を冷却するかまたは燃焼温度を下げて冷却モードを与えるために、噴霧された燃料26流れ25または噴霧され乳化された液体燃料26−液体流体46流れ25を燃焼用に供給している燃料噴射器とともに用いても良い。これは、タービン速度および負荷がより高い(一般的に燃料消費量および燃焼温度がより高い)状態における特定の優位性ととも用いても良い。排気物質の適合には、所定のプロファイルの排出成分を与えるためにさらに燃焼温度を低くすることが求められる。燃焼器の高負荷状態の間、少なくとも1つの燃焼器燃料ノズル200が、液体流体のみを与えるように構成され、対応する液体流体噴流は、燃焼器を冷却するかまたは燃焼温度を低くするための噴霧液体流体流れを与える。
また選択的に与えること620は、燃焼器の低負荷状態から動作状態に移行する間に、少なくとも1つの燃焼器燃料ノズル200を液体燃料26のみを与えるように構成することを含んでいても良く、対応する液体燃料噴流23が、低負荷状態の間に燃焼器内での燃焼用に噴霧液体燃料流れ25を与え、移行はまた、液体流体をこれらの燃焼器燃料ノズルに与えて、液体燃料噴流および液体流体噴流が、噴霧され乳化された液体燃料−液体流体流れを燃焼器内での燃焼用に与えるようにすることを含んでいる。代替的に、移行は、複数の他の燃焼器燃料ノズル200を液体燃料26および液体流体43の両方を同時に与えるように構成することを含んでいても良く、他の燃焼器燃料ノズル200の対応する液体燃料噴流26および液体流体噴流23は、噴霧され乳化された液体燃料−液体流体流れ25を燃焼器内での燃焼用に与える。移行の間に与えられる液体流体の量は、時間の関数として変えても良い。たとえば、液体流体の量を、時間の関数として所定のプロファイルに従って増やしても良い。これを用いて、たとえば、燃焼器の加熱速度または燃焼温度の上昇速度を制御して、所定の値の燃焼器温度、もしくは燃焼温度、もしくはそれらの組み合わせを得るか、または所定のプロファイルの排出成分を得ても良い。
また選択的に与えること620は、動作状態から冷却状態に移行する間に、少なくとも1つの燃焼器燃料ノズル200を液体燃料26および液体流体46を燃焼器燃料ノズル200に与えるように構成して、液体燃料噴流23および液体流体噴流43が、噴霧され乳化された液体燃料−液体流体流れ25を動作状態の間に燃焼器内の燃焼用に与えるようにすることを含んでいても良く、また移行は、燃焼器燃料ノズルから燃料を取り出して、液体流体噴流が噴霧液体流体流れを燃焼器内を冷却するために与えるようにすることを含んでいる。移行の間に与えられる液体燃料26の量は、時間の関数として変えても良い。たとえば、液体流体の量を、時間の関数として所定のプロファイルに従って増やしても良い。これを用いて、たとえば、燃焼器の冷却速度または燃焼温度の低下速度を制御して、所定の値の燃焼器温度、もしくは燃焼温度、もしくはそれらの組み合わせを得るか、または所定のプロファイルの排出成分を得ても良い。
本明細書で説明した、単一の燃焼器燃料ノズル200内に収容される単一の燃料噴射器100内で影響を受ける場合がある制御に加えて、制御は、単一の燃焼筒300の複数の燃焼器燃料ノズル200内で、またはガス・タービンの燃焼器内の複数の燃焼筒300の複数の燃焼器燃料ノズル200内で影響を受ける場合がある。たとえば、典型的な実施形態においては、燃焼器の燃焼筒300の一部または全部の構成を、本明細書で説明したように、始動モード、動作モード、もしくは冷却モード、またはそれらの組み合わせが、燃焼筒300の中で与えられるように設けても良い。
燃料噴射器ノズル10および燃料噴射器100を用いることによって、噴霧空気システムをなくすことができ、一方で燃料噴霧を改善して排出低下を実現することも、それらを取り入れたガス・タービン燃焼器の液体燃料動作中の動作温度を下げることによって行なえるのは、本明細書で説明した通りであり、その結果、それらの複雑性およびシステム、維持および運転コストが実質的に低くなる。現在、すでに水を噴射して動作温度を下げて液体燃料動作中の排出を減らしているが、燃料噴射器100および燃料噴射器ノズル10を用いることおよび本明細書で開示したそれらの使用方法によって、液体流体(たとえば、水)噴射を二重に用いて、液体燃料の噴霧も与えられ、さらなる著しい優位性が得られる。なぜならば、それらを、既存のガス・タービンの燃焼器に後付けすることは容易だからである。
本発明を限られた数の実施形態に関してのみ詳細に説明してきたが、本発明はこのような開示された実施形態に限定されないことが容易に理解されるはずである。むしろ、これまで説明してはいないが本発明の趣旨および範囲に見合う任意の数の変形、変更、置換、または等価な配置を取り入れるように、本発明を変更することができる。さらに加えて、本発明の種々の実施形態について説明してきたが、本発明の態様には、説明した実施形態の一部のみが含まれる場合があることを理解されたい。したがって本発明は、前述の説明によって限定されると考えるべきではなく、添付の請求項の範囲のみによって限定される。

Claims (10)

  1. ガス・タービンの燃焼器を制御する方法(600)であって、
    燃焼筒(610)をガス・タービンの燃焼器内に動作可能に配置することであって、燃焼筒(300)は複数の燃焼器燃料ノズル(200)を備え、各燃焼器燃料ノズル(200)は、燃料噴射器(100)を有するとともに、液体燃料(26)、液体流体(46)、または液体燃料および液体流体を、燃料噴射器ノズル(10)に選択的に与えるように構成され、燃料噴射器ノズル(10)は、複数の液体燃料噴流(23)、複数の液体流体噴流(43)、またはそれらの組み合わせをそれぞれ与えるように構成され、これらの噴流自体は、噴霧液体燃料流れ、噴霧液体流体流れ、または噴霧され乳化された液体燃料−液体流体流れをそれぞれ与えるように構成されている、配置することと、
    ある量の液体燃料(620)、液体流体(46)、またはそれらの組み合わせを燃料噴射器ノズル(10)に選択的に与えて、所定の噴霧液体燃料流れ、噴霧液体流体流れ、または噴霧され乳化された液体燃料−液体流体流れをそれぞれ生成することと、を含む方法(600)。
  2. 燃焼器の低負荷状態の間、少なくとも1つの燃焼器燃料ノズル(200)は、液体燃料(26)のみを与えるように構成され、対応する液体燃料噴流(23)は、噴霧液体燃料流れを燃焼器内の燃焼用に与える請求項1に記載の方法(600)。
  3. 複数の液体燃料噴流(23)は、焦点において互いに衝突することによって噴霧液体燃料流れを与える請求項2に記載の方法(600)。
  4. 低負荷状態が燃焼器の始動に付随する請求項2に記載の方法(600)。
  5. 燃焼器の動作状態の間、少なくとも1つの燃焼器燃料ノズル(200)は、液体燃料(26)および液体流体(46)の両方を与えるように構成され、対応する複数の液体燃料噴流(23)および複数の液体流体噴流(43)は、噴霧され乳化された液体燃料−液体流体流れを、燃焼器内の燃焼用に与える請求項1に記載の方法(600)。
  6. 複数の液体燃料噴流(23)および複数の液体流体噴流(43)は、焦点において互いに衝突することによって、噴霧され乳化された液体燃料−液体流体流れを与える請求項5に記載の方法(600)。
  7. 燃焼中に燃料噴射器によって供給される液体燃料(26)および液体流体(46)の量を制御して、所定の燃焼効率、燃焼温度、もしくは排出成分プロファイル、またはそれらの組み合わせを与えても良い請求項5に記載の方法(600)。
  8. 選択的に与えることは、燃焼器の低負荷状態から動作状態に移行することを含み、前記移行を、
    少なくとも2つの燃焼器燃料ノズル(200)を液体燃料(26)のみを与えるように構成することであって、対応する複数の液体燃料噴流(23)は、低負荷状態の間に燃焼器内の燃焼用に噴霧液体燃料流れを与える、構成することと、
    また、液体流体(46)をこれらの燃焼器燃料ノズル(200)に与えて、複数の液体燃料噴流(43)および複数の液体流体噴流が、噴霧され乳化された液体燃料−液体流体流れを燃焼器内の燃焼用に与えて動作状態に達するようにすることと、によって行なう請求項1に記載の方法(600)。
  9. 選択的に与えることは、動作状態から冷却状態に移行することを含み、前記移行を、
    液体燃料(26)および液体流体(46)を燃焼器燃料ノズル(200)に与えて、複数の液体燃料噴流(23)および複数の液体流体噴流(43)が、噴霧され乳化された液体燃料−液体流体流れを動作状態の間に燃焼器内の燃焼用に与えるようにすることと、
    燃焼器燃料ノズル(200)から燃料を取り出して、複数の液体流体噴流(43)が噴霧液体流体流れを与えて、冷却状態を実現し燃焼器を冷却するようにすることと、によって行なう請求項1に記載の方法(600)。
  10. 燃焼筒を動作可能に配置することは、複数の燃焼筒(300)をガス・タービンの燃焼器内に動作可能に配置する(610)ことを含む請求項1に記載の方法(600)。
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