JP2011162421A - カーボンナノ構造物の製造方法及びカーボンナノ構造物製造装置 - Google Patents

カーボンナノ構造物の製造方法及びカーボンナノ構造物製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】カーボンナノ構造物の成長速度を向上させ、高い成長効率を達成することが可能となるカーボンナノ構造物の製造方法及びカーボンナノ構造物製造装置を実現する。
【解決手段】炭素源となる原料ガスを、800℃より高く、1000℃以下に加熱されたガス予備加熱部で予備加熱する予備加熱工程と、予備加熱された原料ガスを、650℃より高く、800℃以下に加熱された反応部に導入して、触媒と接触させることによってカーボンナノ構造物を生成させる反応工程とを含むカーボンナノ構造物の製造方法、及び、800℃より高く、1000℃以下に保たれているガス予備加熱部と、650℃より高く、800℃以下に保たれている反応部とを備えるカーボンナノ構造物製造装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、カーボンナノ構造物の製造方法及びカーボンナノ構造物製造装置に関するものである。
カーボンナノチューブ、カーボンナノコイルなどのカーボンナノ構造物を製造する方法として、反応管に炭素源となる原料ガスを導入し、原料ガスを熱分解して触媒と接触させ目的物質を成長させる化学的気相成長法(CVD法、Chemical Vapor Deposition)が知られている。
かかるCVD法では、カーボンナノ構造物の生成温度は通常700℃以上であるため、反応領域である触媒の近傍を700℃以上に加熱し、原料ガスを熱分解して触媒と接触させている。
このとき供給される原料ガスによる反応領域の温度低下を防ぐために、原料ガスは通常予備加熱される。従来、500℃以上で加熱された原料ガスは分解するため、原料ガスの予備加熱は500℃以下の低温で行われている。これは、原料ガスが分解すると、オイル系のタールが形成され、これがカーボンナノ構造物の成長を阻害するので、原料ガスの分解を避けるためである。また、タールの形成を防ぐために650℃以下で、炭化水素ガスを予備加熱するとの報告がある。
但し、特殊な場合として、触媒を担持する基板の材質上の制約により低温CVDが必要とされる場合に、原料ガスをCVD反応管内の高温領域にて分解し、450〜650℃の低温領域でCVDを行う技術が報告されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−32071号公報(2001年2月6日公開)
しかしながら、原料ガスの予備加熱を500℃以下の低温で行う上記従来の方法では、カーボンナノ構造物の成長効率が十分ではないという問題がある。
また、上記特許文献1に記載の方法では、反応領域の温度が450〜650℃と低いため成長効率が低い。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、タール形成の問題がなく、且つ、高い成長効率を達成することができるカーボンナノ構造物の製造方法及びカーボンナノ構造物製造装置を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、カーボンナノ構造物の生成温度を大きく超える高温で、炭素源となる原料ガスの予備加熱を行ったところ、意外にもタールが形成されないことを見出した。すなわち、本発明に係るカーボンナノ構造物の製造方法は、上記課題を解決するために、炭素源となる原料ガスを、800℃より高く、1000℃以下に加熱されたガス予備加熱部で予備加熱する予備加熱工程と、予備加熱された原料ガスを、650℃より高く、800℃以下に加熱された反応部に導入して、触媒と接触させることによってカーボンナノ構造物を生成させる反応工程と、を含むことを特徴としている。
上記の構成によれば、高温で予備加熱を行い且つタール形成を防ぐことができる。それゆえ、カーボンナノ構造物の成長速度を向上させることができ、高い成長効率を達成することが可能となる。
本発明に係るカーボンナノ構造物の製造方法では、上記原料ガスを、850℃より高く、1000℃以下に加熱されたガス予備加熱部で予備加熱することが好ましい。
これにより、本発明の製造方法でカーボンナノコイルを製造する場合に、高い成長効率を達成することができるとともに、炭化物層の層厚を減少させることができる。
本発明に係るカーボンナノ構造物の製造方法では、上記原料ガスを、900℃以上、1000℃以下に加熱されたガス予備加熱部で予備加熱することが好ましい。
これにより、本発明の製造方法でカーボンナノコイルを製造する場合に、カーボンナノコイルのコイル径を小さくすることができる。
本発明に係るカーボンナノ構造物製造装置は、上記課題を解決するために、炭素源となる原料ガスを予備加熱するガス予備加熱部と、当該ガス予備加熱部で予備加熱された原料ガスを、触媒と接触させることによってカーボンナノ構造物を生成させる反応部を備えるカーボンナノ構造物製造装置において、上記ガス予備加熱部は800℃より高く、1000℃以下に保たれており、上記反応部は650℃より高く、800℃以下に保たれていることを特徴としている。
上記の構成によれば、高温で予備加熱を行い且つタール形成を防ぐことができる。それゆえ、カーボンナノ構造物の成長速度を向上させることができ、高い成長効率を達成することが可能となる。
本発明に係るカーボンナノ構造物製造装置では、上記ガス予備加熱部は850℃より高く、1000℃以下に保たれていることが好ましい。
これにより、本発明のカーボンナノ構造物製造装置を用いてカーボンナノコイルを製造する場合に、高い成長効率を達成することができるとともに、炭化物層の層厚を減少させることができる。
本発明に係るカーボンナノ構造物製造装置では、上記ガス予備加熱部は900℃以上、1000℃以下に保たれていることが好ましい。
これにより、本発明のカーボンナノ構造物製造装置を用いてカーボンナノコイルを製造する場合に、カーボンナノコイルのコイル径を小さくすることができる。
本発明に係るカーボンナノ構造物の製造方法は、以上のように、炭素源となる原料ガスを、800℃より高く、1000℃以下に加熱されたガス予備加熱部で予備加熱する予備加熱工程と、予備加熱された原料ガスを、650℃より高く、800℃以下に加熱された反応部に導入して、触媒と接触させることによってカーボンナノ構造物を生成させる反応工程とを含む構成を備えているので、高温で予備加熱を行い且つタール形成を防ぐことができる。それゆえ、カーボンナノ構造物の成長速度を向上させることができ、高い成長効率を達成することが可能となる。
本発明に係るカーボンナノ構造物製造装置は、以上のように、ガス予備加熱部と、反応部とを備え、上記ガス予備加熱部は800℃より高く、1000℃以下に保たれており、上記反応部は650℃より高く、800℃以下に保たれているので、高温で予備加熱を行い且つタール形成を防ぐことができる。それゆえ、カーボンナノ構造物の成長速度を向上させることができ、高い成長効率を達成することが可能となる。
本発明に係るカーボンナノ構造物製造装置の一実施形態を示す断面図である。 本発明の実施例及び比較例において、ガス予備加熱部の温度を変化させて、カーボンナノコイルの成長を走査型電子顕微鏡で観察した結果を示す図である。 本発明の実施例及び比較例において、ガス予備加熱部の温度を変化させて、カーボンナノコイルを成長させたときの、炭化物層の層厚とガス予備加熱部の温度との関係を示すグラフである。 本発明の実施例及び比較例において、ガス予備加熱部の温度を変化させて、カーボンナノコイルを成長させたときの、コイル径とガス予備加熱部の温度との関係を示すグラフである。 アセチレン分解のアレニウスプロットを示す図である。
本発明者らは、カーボンナノ構造物の生成温度を大きく超える800℃超で原料ガスの予備加熱を行ったところ、意外にもタールが形成されないことを見出した。その理由は、原料ガスを高温で予備加熱したために、予備加熱した原料ガスの温度をカーボンナノ構造物の生成温度以下に下げることなく、反応部に導入できるためであると考えられる。
さらに、本発明者らは、炭素源となる原料ガスを、800℃より高く、1000℃以下に加熱されたガス予備加熱部で予備加熱しカーボンナノコイルを製造した。
CVD法によるカーボンナノコイルの成長では、目的のカーボンナノコイル以外に、繊維状カーボンナノ構造物及び非繊維状の炭化物が高密度で形成されている炭化物層が形成される。合成のために供給された原料ガスは、係る炭化物層の形成のためにも使われるため、炭化物層の層厚が大きくなると、カーボンナノコイルの成長効率が低下する。また、目的物であるカーボンナノコイルを剥離するときに、炭化物層の層厚が小さい程剥離されたカーボンナノコイル中の不純物量も小さくなる。
従来CVD法によるカーボンナノコイルの成長では、不純物となる上記炭化物層の層厚を減少させること、及び、炭化物層の層厚を減少させながらカーボンナノコイルの収率を高めることは困難であると考えられている。しかしながら、上記本発明の製造方法でカーボンナノコイルを製造した結果、高い成長効率を達成することができるとともに、炭化物層の層厚を減少させることができるという全く予期していなかった効果が得られることが見出された。
さらに、上記本発明の製造方法でカーボンナノコイルを製造した結果、予備加熱温度が高いほど、カーボンナノコイルのコイル径が細くなるとの知見が初めて得られた。従来、カーボンナノコイルのコイル径を制御するためには、コイル径が触媒の組成や粒子径に依存することを利用して、触媒作製の段階で組成や粒子径を調整している。しかし、今回見出された知見は、同一触媒を用いても、予備加熱温度を選択することにより、カーボンナノコイルのコイル径を制御することができることを示している。予備加熱温度に依存して、コイル径が変化する理由としては、予備加熱温度により原料ガスの分解状態が変化するためであることが考えられる。
以下、本発明の一実施形態について図1〜図5に基づいて説明する。なお、本発明において、「カーボンナノ構造物」とは炭素原子から構成されるナノサイズの物質をいい、例えば、カーボンナノチューブ、カーボンナノチューブにビーズが形成されたビーズ付カーボンナノチューブ、カーボンナノチューブが多数林立したカーボンナノブラシ、カーボンナノチューブが捩れを有したカーボンナノツイスト、コイル状のカーボンナノコイル等を含む趣旨である。
また、「X℃に加熱されたガス予備加熱部」におけるX℃とは、ガス予備加熱部において加熱装置が設置された領域に設置した熱電対により測定される、ガス予備加熱部の温度をいう。同様に、「X℃に加熱された反応部」におけるX℃とは、反応部において加熱装置が設置された領域に設置した熱電対により測定される反応部の温度をいう。
(I)カーボンナノ構造物製造装置
本発明に係るカーボンナノ構造物製造装置の一実施形態について説明する。図1は、本発明に係るカーボンナノ構造物製造装置の一実施形態を示す断面図である。本実施形態に係るカーボンナノ構造物製造装置100は、炭素源となる原料ガスを予備加熱するガス予備加熱部2と、当該ガス予備加熱部2で予備加熱された原料ガスを、触媒と接触させることによってカーボンナノ構造物を生成させる反応部1とを備えている。
ガス予備加熱部2は、炭素源となる原料ガスを予備加熱する部材であり、ガス予備加熱管8及びその内部をいう。ガス予備加熱管8の外周部には、加熱装置11がガス予備加熱管8の長手方向に沿って設置される。加熱装置11が設置される位置は、予備加熱した原料ガスの温度をカーボンナノ構造物の成長温度以下に下げずに、反応部1に導入することができるようになっていれば特に限定されるものではない。しかし、ガス予備加熱管8の反応部1に隣接した部分の外周部には、加熱装置11が設置されることが好ましい。なお、本実施形態では、加熱装置11はガス予備加熱管8の外周部に設置されているが、加熱装置は、ガス予備加熱管8の内部に設置されていてもよい。
加熱装置11は、ガス予備加熱管8を加熱し、少なくとも加熱装置11が設置された部分におけるガス予備加熱部2の温度を一定温度にするための装置である。これにより、ガス予備加熱部2に供給された原料ガスを予備加熱することができる。なお、原料ガスは多くの場合、キャリアガスとともにカーボンナノ構造物製造装置に供給される。かかる場合は、当然原料ガスおよびキャリアガスがガス予備加熱部2で予備加熱される。
加熱装置11としては従来公知の加熱装置を用いればよく、例えば、電気炉、赤外線炉、IH加熱器、マントルヒーター、ベルトヒーター、リボンヒーターなどを用いることができる。
ガス予備加熱管8は、特に限定されるものではないが、例えば、石英、SUS系金属、セラミック系、内部にセラミックをコートした金属等からなり、供給される原料ガスおよび/またはキャリアガスを通すようになっている。
また、ガス予備加熱管8の内径と、反応部1を構成する反応管3の内径との比は特に限定されるものではないが、ガス予備加熱管8の内径が、反応部1を構成する反応管3の内径の等倍から数倍程度であることがより好ましく、より具体的には、反応管3の内径の1倍以上10倍未満である。これにより、反応部1の容積と比較して大量の原料ガスおよび/またはキャリアガスを予備加熱して、高温の原料ガスおよび/またはキャリアガスを連続的に且つ速い流速で反応部1に供給することが可能となる。また、ガス予備加熱管8の内径を反応管3の内径より大きくすることにより、ガス予備加熱管8内における原料ガスの流速を遅くし原料ガス分子へ熱エネルギーを効率的に伝達させることができる。しかし、ガス予備加熱管8の内径は、必ずしも反応部1を構成する反応管3の内径よりも大きくなくてもかまわない。
なお、ガス予備加熱部2は、上記温度の範囲内であれば、複数の温度ゾーンによる多段の予備加熱を行うようになっていてもよい。
本実施形態において、ガス予備加熱部2には、原料ガスを効率的に予備加熱するために、加熱補助手段が備えられていてもよい。かかる構成により、流速を速めてもガス分子を効率的に加熱することができる。
かかる加熱補助手段としては、例えば、上記ガス予備加熱部に設置または充填された加熱補助材料9、10を用いることができる。当該加熱補助材料は、赤外線を吸収し、ガス対流による熱エネルギー損失が小さいものであることが好ましい。さらに、当該加熱補助材料は、熱容量が大きいものであることが好ましい。また、ガスを効率的に加熱するために上記の加熱補助材料はガスの通り道に設置することが好ましい。
上記加熱補助材料としては、例えば無機繊維9及び熱伝導性粒子10を用いることができる。当該加熱補助材料においては、例えば、熱伝導性粒子10が、無機繊維9中に分散された状態で存在している。
無機繊維9は、ガスとの反応性が低く、その加熱温度で変質しない材料であれば特に限定されるものではないが、例えば、SiO綿(シリカ繊維)、ガラス繊維、グラスウール、ロックウール、石英ウール、スラグウール等の天然または人造鉱物繊維;SUS系の繊維等の金属繊維;セラミックスなどを好適に用いることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。かかる無機繊維9は、投入される原料ガスとの反応性が低いため好ましい。
また、熱伝導性粒子10としても、熱伝導性を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えばAl粒子、SiO粒子、SUS系粒子等を好適に用いることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。かかる熱伝導性粒子10を用いることにより、効率的に熱エネルギーを伝達できるため好ましい。
また、上記熱伝導性粒子10の大きさおよび量は特に限定されるものではなく、原料ガスおよび/またはキャリアガスがスムーズに流れることのできるサイズと量であればよい。
また、上記加熱補助材料は無機繊維9及び熱伝導性粒子10を含んでいる構成に限定されず、無機繊維9又は熱伝導性粒子10を単独で含んでいてもよい。
さらに、上記加熱補助手段は、原料ガスを効率的に予備加熱することができるようになっていれば、上記加熱補助材料に限られるものではない。
ガス予備加熱部2に上記加熱補助手段が備えられている場合には、ガス予備加熱部2と反応部1との間には、上記加熱補助材料が、ガス予備加熱部2から反応部1へ移動することを防止するための目皿12が設置されている。目皿12の構造は、上記加熱補助材料がガス予備加熱部2から反応部1へ移動することを防止でき、且つ、原料ガスおよび/またはキャリアガスがスムーズに流れることができるものであれば特に限定されるものではない。例えば、多孔板、メッシュ(網体)等、またはこれらを組合わせたものを用いることができる。なお、図1では、目皿12はガス予備加熱管8に設置されているが、目皿12は、上記加熱補助材料がガス予備加熱部2から反応部1へ移動することを防止することができる位置であれば、反応管3に設置されていてもよい。
また、目皿12の材質も熱膨張に対してガス予備加熱管8または反応管3が破損しないものであれば特に限定されるものではない。例えば、ガス予備加熱管8または反応管3と同じ材料を用いた目皿を好適に用いることができる。
本発明に係るカーボンナノ構造物製造装置は、図1に示されるような、ガス予備加熱部2及び反応部1が水平方向に延びる横型炉に限られず、鉛直方向に延びる縦型炉であってもよい。カーボンナノ構造物製造装置が縦型炉であって、原料ガスの投入が下部から行われるとともに、流動床法が採用されている場合には、流動させる触媒を載置するための分散板が設置されていれば目皿12を設置しなくてもよい。
上記反応部1はガス予備加熱部2で予備加熱された原料ガスを、触媒4と接触させることによってカーボンナノ構造物を生成させる部材であり、反応管3及びその内部をいう。反応管3の外周部には、加熱装置6が反応管3の長手方向に沿って設置される。加熱装置6が設置される位置は、予備加熱した原料ガスの温度をカーボンナノ構造物の成長温度以下に下げずに、原料ガスが触媒4に接触するようになっていれば特に限定されるものではない。少なくとも反応管3の原料ガスが触媒4に接触する部分の外周部には、加熱装置6が設置される。なお、本実施形態では、加熱装置6は反応管3の外周部に設置されているが、加熱装置6は、反応管3の内部に設置されていてもよい。
加熱装置6は、反応管3を加熱し、少なくとも加熱装置6が設置された部分における反応部1の温度を一定温度にするための装置である。これにより、ガス予備加熱部2で予備加熱されて導入された原料ガス、触媒4が担持された触媒担持用基材5を加熱することができるとともに、上記触媒上で上記原料ガスとを反応させる間に反応領域を加熱することができる。加熱装置6としては、上述した加熱装置11と同様の加熱装置を用いることができる。
反応部1の所定位置には、触媒4が担持された触媒担持用基材5として、触媒4が担持された板状の基板が配置されている。反応部1は、ガス予備加熱部2で予備加熱されて導入された原料ガスを通すようになっており、触媒4に達した原料ガスが触媒5と接触してカーボンナノ構造物を生成させる。
反応管3は、石英、SUS系金属、セラミック系、内部にセラミックをコートした金属等からなっている。反応管3が、これらの材料からなることにより、投入される原料ガスとの反応性が低いため好ましい。
触媒4としては、カーボンナノ構造物を製造するために用いられる触媒であれば特に限定されるものではないが、例えば、Fe系触媒、Ni系触媒、Co系触媒、これらの合金;またはこれらの触媒とMo、Al、アルミナ等とを併用する多元触媒系;Fe−Sn系触媒、Fe−Sn−In系触媒等を用いることができる。
用いられる触媒4の種類によって、得られるカーボンナノ構造物におけるカーボンナノチューブ、カーボンナノコイル等の種類、比率および量は異なる。カーボンナノコイルを製造する場合には、Fe−Sn系触媒、すなわち、FeとSnとを含む2成分系触媒、または、Fe−Sn−In系触媒、すなわち、FeとSnとInとを含む3成分系触媒を好適に用いることができる。また、カーボンナノチューブを製造する場合には、Fe、Ni、Co等を好適に用いることができる。
また、上記基板としては、例えば、アルミナ基板、シリカ基板、酸化マグネシウム基板、石英基板、ガラス基板、シリコンウェーハ基板、サファイア基板等を好適に用いることができる。さらに、本実施形態では、触媒担持用基材5として板状の基板を用いているが、触媒担持用基材5としては、板状の基板の他、例えば球状等の粒子状基材、繊維状基材、棒状基材等も好適に用いることができる。触媒担持用基材5として、粒子状基材、繊維状基材、棒状基材等を用いる場合も、これらは、アルミナ、シリカ、酸化マグネシウム、石英、ガラス、シリコンウェーハ、サファイア等からなるものであればよい。
また、上記触媒担持用基材に触媒を担持させる方法は特に限定されるものではなく、どのような方法であってもよい。また、上記触媒担持用基材に担持させる触媒の量も特に限定されるものではなく、触媒や目的とするカーボンナノ構造物に応じて適宜選択すればよい。
さらに、反応部1の構成は、上述した触媒4が担持された基板が配置されている基板法の構成に限定されるものではなく、流動層法によりカーボンナノ構造物を製造するための構成であってもよいし、浮遊法によりカーボンナノ構造物を製造するための構成であってもよい。
流動層法によりカーボンナノ構造物を製造するための構成においては、反応部1は、ガス予備加熱部2で予備加熱されて導入された原料ガスを通すようになっている点は、上記基板法の場合と同様であるが、上記基板のかわりに、触媒粒子又は触媒を担持した粒子状の触媒担持用基材を流動させる流動床が設置されている。流動床には、触媒粒子又は触媒を担持した粒子状の触媒担持用基材が堆積されており、気流により触媒粒子又は触媒を担持した粒子状の触媒担持用基材を流動させることができるようになっている。流動層法では、触媒粒子又は触媒を担持した粒子状の触媒担持用基材を流動させながら、反応部1を流れる原料ガスを、流動する触媒と接触させることによってカーボンナノ構造物を生成させる。
浮遊法によりカーボンナノ構造物を製造するための構成においては、反応部1は、ガス予備加熱部2で予備加熱されて導入された原料ガスを通すようになっている点は、上記基板法の場合と同様であるが、上記基板のかわりに噴霧ノズルが設置されている。噴霧ノズルは、触媒微粒子を噴霧するためのノズルであり、反応部1のガス予備加熱部2に隣接する端部に設置されている。浮遊法では、当該ノズルから触媒微粒子を噴射し、反応部1を流れる原料ガスを、噴射されて浮遊する触媒微粒子と接触させることによってカーボンナノ構造物を生成させる。
また、いずれの構成においても、本発明に係るカーボンナノ構造物製造装置は、ガス予備加熱部2及び反応部1が水平方向に延びる構成に限らず、鉛直方向に延びる構成であってもよい。
(II)カーボンナノ構造物の製造方法
本製造方法を実施するための装置としては、本発明に係るカーボンナノ構造物製造装置を用いることができる。本実施の形態に係るカーボンナノ構造物の製造方法について、例えば、上記カーボンナノ構造物製造装置100を用いる場合を例に挙げて説明する。
本発明に係るカーボンナノ構造物の製造方法は、炭素源となる原料ガスを、800℃より高く、1000℃以下に加熱されたガス予備加熱部2で予備加熱する予備加熱工程と、予備加熱された原料ガスを、650℃より高く、800℃以下に加熱された反応部1に導入して、触媒4と接触させることによってカーボンナノ構造物を生成させる反応工程と、を含んでいればよい。
(II−1)予備加熱工程
本工程では、上記ガス予備加熱部2には矢印の方向から原料ガス及び/又はキャリアガスが供給され、供給された原料ガス及び/又はキャリアガスは、800℃より高く、1000℃以下に加熱されたガス予備加熱部2で予備加熱される。
原料ガスを800℃より高く、1000℃以下に加熱されたガス予備加熱部2で予備加熱することにより、高温で予備加熱を行い且つ原料ガスの分解により起こるタール形成を防ぐことができる。それゆえ、カーボンナノ構造物の成長速度を向上させることができ、高い成長効率を達成することが可能となる。これは、ガス予備加熱部2の温度が上記範囲内であることにより、分解したガスの温度が高いため、分解したガスの温度をカーボンナノ構造物の成長温度より高く保つことができるためであると考えられる。また、上記ガス予備加熱部2に上記(I)で説明した加熱補助手段が設置されていることにより、原料ガスを効率的に予備加熱できることに加えて、予備加熱した原料ガスの温度をカーボンナノ構造物の成長温度以下になることをより効果的に防ぐことができると考えられる。
また、本工程は、炭素源となる原料ガスを、850℃より高く、1000℃以下に加熱されたガス予備加熱部2で予備加熱する工程であることがより好ましい。これにより、本発明の製造方法でカーボンナノコイルを製造する場合に、高い成長効率を達成することができるとともに、炭化物層の層厚を減少させることができる。これは、原料ガスを850℃より高く、1000℃以下に加熱されたガス予備加熱部2で予備加熱することにより、原料ガスの分解量が増大するとともに、水素ガスが発生することによると考えられる。
さらに、本工程は、炭素源となる原料ガスを、900℃以上、1000℃以下に加熱されたガス予備加熱部2で予備加熱する工程であることがより好ましい。これにより、本発明の製造方法でカーボンナノコイルを製造する場合に、カーボンナノコイルのコイル径を小さくすることができる。これは、原料ガスを900℃以上、1000℃以下に加熱されたガス予備加熱部2で予備加熱することにより、原料ガスの分解量が増大するとともに、水素ガスが発生することによると考えられる。
上記ガス予備加熱部2に、原料ガス及び/又はキャリアガスが供給されるときの流速は、0.001m/s〜10.0m/sである。なおここで、流速とは、ガス予備加熱部2断面の単位面積当たりの流量、すなわち、流量(m/s)をガス予備加熱部2の断面積(m)で割った値をいう。
上記原料ガスはカーボンナノ構造物を成長させる炭素源ガスであれば特に限定されるものではなく、炭化水素のみならず、窒素含有有機ガス、硫黄含有有機ガスおよびリン含有有機ガス等の有機ガスが広く利用される。中でも、原料ガスとしては、余分な物質を生成しない意味で炭化水素が好適である。
上記炭化水素としては、メタン、エタン、エチレン、ブタジエン、アセチレン、ベンゼン、トルエン、スチレン、ナフタリン、フェナントレン、シクロプロパン、シクロヘキサン等の炭化水素を用いることができる。上記炭化水素は、単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。上記炭化水素は、アセチレン、エチレン、メタン、エタン、ベンゼン等であることがより好ましい。
また、上記キャリアガスとしても、通常キャリアガスとして用いられるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、He、Ne、Ar、N、H等を好適に用いることができる。キャリアガスは上記原料ガスを搬送するガスであり、原料ガスが反応により消費されるのに対して、キャリアガスは全く無反応で消耗しないガスが使用される。
(II−2)反応工程
本工程では、予備加熱された原料ガスを、650℃より高く、800℃以下に加熱された反応部1に導入して、触媒4と接触させることによってカーボンナノ構造物を生成させる。
すなわち、反応部1は加熱装置6によって650℃より高く、800℃以下に加熱される。すなわち、加熱温度は原料ガスが触媒により分解される最低温度以上に調節されればよい。従って、触媒の種類及び原料ガスの種類によって加熱温度は適宜調整される。
かかる反応部1に、上記予備加熱工程で予備加熱された原料ガスが導入されるときの流速は、1mm/s〜100m/sとすることが可能である。
また、反応部1の圧力も特に限定されるものではなく、真空下でも、加圧下でも反応させることができる。
(II−3)その他
上述したように、上記本発明の製造方法でカーボンナノコイルを製造する場合、同一触媒を用いても、予備加熱工程におけるガス予備加熱部2の温度を選択することにより、カーボンナノコイルのコイル径を制御することができる。それゆえ、本発明には、炭素源となる原料ガスを、900℃以上、1000℃以下に加熱されたガス予備加熱部で予備加熱する予備加熱工程と、予備加熱された原料ガスを、650℃より高く、800℃以下に加熱された反応部に導入して、触媒と接触させることによってカーボンナノ構造物を生成させる反応工程とを含むことを特徴とするカーボンナノコイルの製造方法であって、ガス予備加熱部の温度を上記範囲内で変化させることにより、カーボンナノコイルのコイル径を制御する方法も含まれる。
図1に示されるカーボンナノ構造物製造装置を用いて、本発明のカーボンナノ構造物の製造方法により、基板法でカーボンナノコイルを製造した。
<触媒付き基板の製造>
触媒付き基板として、アルミナ基板に、膜厚が200nm程度の、Fe・In・Sn酸化物薄膜を形成した。
<カーボンナノ構造物製造装置の構成>
ガス予備加熱部2を構成するガス予備加熱管8としては、内径27mm、長さ800mmの石英管を用いた。ガス予備加熱管8の内部に、平均粒子径3mmのAl粒子(アズワン社製、商品名アルミナボール)100gを、5gのSiO綿(東ソー社製、商品名石英ウール)に分散させた加熱補助材料を充填した。なお、当該加熱補助材料は、ガス予備加熱部2の、反応部1に隣接する側から約2/3の体積を占めるように充填した。ガス予備加熱部2と反応部1との間には目皿12を設置した。
ガス予備加熱部2には、ガス予備加熱管8の外周部に、加熱装置11として管状炉(アサヒ理科社製、長さ500mm)をガス予備加熱管8の長手方向に沿って、ガス予備加熱管8の中央に位置するように(加熱装置11の両端が、それぞれ、ガス予備加熱管8の両端から150mm内側に位置するように)設置した。また、ガス予備加熱部2の加熱装置11が設置された領域の中央部に、ガス予備加熱部2の温度を測定するための熱電対(商品名k型熱電対)を設置した。
合成部1には、内径10.3mm、長さ800mmの石英管を反応管3として用い、加熱装置6として管状炉(アサヒ理科社製、長さ500mm)を反応管3の長手方向に沿って、反応管3の中央に位置するように(加熱装置6の両端が、それぞれ、反応管3の両端から150mm内側に位置するように)設置した。また、合成部1の加熱装置6が設置された領域の中央部に、合成部1の温度を測定するための熱電対(商品名k型熱電対)を設置した。
上述した方法で準備した触媒付き基板を、当該触媒付き基板が管状炉の中心にくるようにセットした。
〔実施例1〕
<カーボンナノコイルの合成>
ガス予備加熱部2とガスラインとを接続し、アルゴンガスで15分間ガス予備加熱部2及び反応部1をパージした。キャリアガスとしてアルゴンガスを用い、アルゴンガスの流速は、ガス予備加熱部2では0.15m/s、反応部1では1m/sであった。
続いて、ガス予備加熱部2を850℃まで加熱し、反応部1を700℃まで加熱した。ガス予備加熱部2が850℃で安定し、且つ、反応部1の温度が700℃で安定したら、アセチレンガスを流した。アルゴンガスとアセチレンガスとのトータルガスの流速は、ガス予備加熱部2では0.15m/s、反応部1では1m/sであった。また、アルゴンガスとアセチレンガスとの混合ガス中のアセチレンガス濃度は4vol%〜5vol%であった。
アセチレンガスを一定時間流した後、ガス予備加熱部2及び反応部1を自然冷却した。
<得られたカーボンナノコイルの走査型電子顕微鏡(SEM)による観察>
得られたカーボンナノコイルを、走査型電子顕微鏡により観察した。走査型電子顕微鏡による観察は、JSM−7401(JEOL製)を用いて行った。図2に走査型電子顕微鏡により観察した結果を示す。なお、図2中のスケールバーは10μmを示す。また、走査型電子顕微鏡像より炭化物層の層厚を読み取った。なお、炭化物層は、走査型電子顕微鏡像中、カーボンナノコイルが生成している層の直下に位置する黒く見える部分である。さらに、生成したカーボンナノコイルのコイル径を、倍率を上げて読み取った。
〔実施例2〕
ガス予備加熱部2を900℃まで加熱した以外は実施例1と同様にして、カーボンナノコイルを合成し、走査型電子顕微鏡による観察を行った。
〔実施例3〕
ガス予備加熱部2を950℃まで加熱した以外は実施例1と同様にして、カーボンナノコイルを合成し、走査型電子顕微鏡による観察を行った。
〔比較例〕
ガス予備加熱部2を500℃、700℃、及び、800℃まで、それぞれ加熱した以外は実施例1と同様にして、カーボンナノコイルを合成し、走査型電子顕微鏡による観察を行った。
図3は、本発明の実施例及び比較例において、ガス予備加熱部2の温度を変化させて、カーボンナノコイルを成長させたときの、炭化物層の層厚とガス予備加熱部2の温度との関係を示すグラフである。図3中、縦軸(図中、「炭化物層厚」と表示)は炭化物層の層厚(単位:μm)を示し、横軸(図中、「予備加熱温度」と表示)はガス予備加熱部2の温度(単位:℃)を示す。
図2及び図3より、ガス予備加熱部2を700℃まで加熱した場合と、ガス予備加熱部2を800℃まで加熱した場合とを比較すると、ガス予備加熱部2の温度を700℃から800℃に変化させることによって、炭化物層の層厚が増加することが判る。これに伴い合成のために供給された原料ガスは、係る炭化物層の形成のためにも使われるため、カーボンナノコイルの成長効率が低下していると考えられる。
これに対して、図2及び図3より、ガス予備加熱部2を850℃まで加熱した場合と、ガス予備加熱部2を900℃まで加熱した場合と、ガス予備加熱部2を950℃まで加熱した場合とを比較すると、ガス予備加熱部2の温度を850℃、900℃、950℃と高くするにつれて、炭化物層の層厚が減少し、カーボンナノコイルが生成している層の層厚が増大することが判る。これに伴い、ガス予備加熱部2の温度を850℃、900℃、950℃と高くするにつれて、合成のために供給された原料ガスが炭化物層の形成のために使われる量が減少し、カーボンナノコイルの成長効率が上昇していると考えられる。
また、図4は、本発明の実施例及び比較例において、ガス予備加熱部2の温度を変化させて、カーボンナノコイルを成長させたときの、コイル径とガス予備加熱部2の温度との関係を示すグラフである。図4より、ガス予備加熱部2を850℃まで加熱した場合と、ガス予備加熱部2を900℃まで加熱した場合と、ガス予備加熱部2を950℃まで加熱した場合とを比較すると、ガス予備加熱部2の温度を850℃、900℃、950℃と高くするにつれて、カーボンナノコイルのコイル径が小さくなっていることが判る。
また、CNCができるまでの時間、具体的にはアセチレンガスの投入時間を比較すると、ガス予備加熱部2を900℃まで加熱した場合は3分であり、ガス予備加熱部2を500℃まで加熱した場合は20分であった。かかる結果より、ガス予備加熱部2を900℃まで加熱した場合は、ガス予備加熱部2を500℃まで加熱した場合と比較して、成長速度が著しく向上していた。
また、図5に示すように、アセチレン分解のアレニウスプロットから、ガス予備加熱部2を900℃まで加熱した場合、ガス予備加熱部2を加熱しない場合と比較して、アセチレンガスが1桁程度多く分解してCVDに参加することが判った。これは、CVDの成長温度以上でガス予備加熱を行うことで予備加熱の無い場合よりもアセチレンガスが少ない条件でカーボンナノ構造物が成長することを意味する。すなわち、投入する原料ガスを少なくすることが可能となる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明にかかるカーボンナノ構造物の製造方法及びカーボンナノ構造物製造装置を用いれば、高温で予備加熱を行い且つタール形成を防ぐことができる。それゆえ、カーボンナノ構造物の成長速度を向上させることができ、高い成長効率を達成することが可能となる。
また、本発明にかかるカーボンナノ構造物の製造方法及びカーボンナノ構造物製造装置を用いてカーボンナノコイルを製造する場合、高い成長効率を達成することができるとともに、炭化物層の層厚を減少させることができ、さらには、同一触媒を用いても、予備加熱温度を選択することにより、カーボンナノコイルのコイル径を制御することができる。
それゆえ、本発明は、カーボンナノ構造物の製造工業において利用可能であるのみならず、さらにはこれを組み込んだ各種製品を製造する電子機器製造工業等においても利用可能であり、しかも非常に有用であると考えられる。
特に、カーボンナノコイルは、導電性を有しかつコイル形状であることから高性能な電磁波吸収材料としての利用が期待されるとともに、マイクロマシンのスプリングやアクチュエーターの材料としても注目されていることから、これらの用途に応用することができ、非常に有用であると考えられる。また、電磁波吸収用に細径のカーボンナノコイルが求められていることから、同一触媒を用いても、予備加熱温度を選択することにより、カーボンナノコイルのコイル径を小さくすることが可能となれば、電磁波吸収用のカーボンナノコイルの製造に有用である。
1 反応部
2 ガス予備加熱部
3 反応管
4 触媒
5 触媒担持用基材
6 加熱装置
7 熱電対
8 ガス予備加熱管
9 加熱補助材料
10加熱補助材料
11加熱装置
12目皿
13圧力計
14ガス排気口

Claims (6)

  1. 炭素源となる原料ガスを、800℃より高く、1000℃以下に加熱されたガス予備加熱部で予備加熱する予備加熱工程と、
    予備加熱された原料ガスを、650℃より高く、800℃以下に加熱された反応部に導入して、触媒と接触させることによってカーボンナノ構造物を生成させる反応工程と、
    を含むことを特徴とするカーボンナノ構造物の製造方法。
  2. 上記原料ガスを、850℃より高く、1000℃以下に加熱されたガス予備加熱部で予備加熱することを特徴とする請求項1に記載のカーボンナノ構造物の製造方法。
  3. 上記原料ガスを、900℃以上、1000℃以下に加熱されたガス予備加熱部で予備加熱することを特徴とする請求項1または2に記載のカーボンナノ構造物の製造方法。
  4. 炭素源となる原料ガスを予備加熱するガス予備加熱部と、
    当該ガス予備加熱部で予備加熱された原料ガスを、触媒と接触させることによってカーボンナノ構造物を生成させる反応部とを備えるカーボンナノ構造物製造装置において、
    上記ガス予備加熱部は800℃より高く、1000℃以下に保たれており、
    上記反応部は650℃より高く、800℃以下に保たれていることを特徴とするカーボンナノ構造物製造装置。
  5. 上記ガス予備加熱部は850℃より高く、1000℃以下に保たれていることを特徴とする請求項4に記載のカーボンナノ構造物製造装置。
  6. 上記ガス予備加熱部は900℃以上、1000℃以下に保たれていることを特徴とする請求項4または5に記載のカーボンナノ構造物製造装置。
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