JP2011161741A - 段ボールシートの打抜き加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】段ボールシートに打抜き加工を行っても、打抜き範囲の外側に割れの発生を防止する。
【解決手段】打抜きによって、段ボールシート9にスリット91、手持ち用孔92等の切込み90を施す打抜き工程の前に、水分付与装置7に対して段ボールシート9を通過させることにより段ボールシート9に湿り気を与える水分付与工程を有し、打抜き工程の際に段ボールシート9の打抜き刃当接部の外側に割れの発生を抑える。打抜き工程の前に、段ボールシート9に湿り気を与えため、打抜き工程の際に刃が段ボールシート9に段ボールシート9が食い込んで、食い込み輪郭部の周囲に内向きの引っ張り力が生じても段ボールシート9表面のライナーが延びて、割れを生じることを防ぐことができる
【選択図】図3

Description

本発明は、段ボールシートに、スリット、孔、切込み線等の切込みを打抜き形成する打抜き加工方法に関するものである。
図7は、段ボール函を製造するための加工を施した段ボールシート(9)の裏面を示し、対向する3組のスリット(91)によって、函の底面及び天面を形成するためのフラップ(94)が形成され、胴部となる対向する2面に手持ち用孔(92)が設けられ、胴部の一端には接続代(95)が設けられている。
又、段ボールシート(9)を折る部分に線状に凹ませた罫線(93)が施されている。
段ボール函の製作は、定型の段ボールシートの表面への印刷工程、段ボールシートを図7に示すスリット(91)や手持ち用孔(92)の切込み(90)を打ち抜きによって形成する打抜き工程、段ボールシートに罫線(93)を施す罫線付け工程、それら工程を経た段ボールシートの必要箇所に糊付けして函形状に折る折り工程を経て行われる。
印刷から罫線付け工程までは、段ボールシートを走行させながらそれらを連続的に行なうことができる多機能の印刷機で実施されることが多い。しかし、印刷機能のみの印刷機で印刷した段ボールシートを1枚ずつ、トムソン式打抜き機で打抜き加工、及び罫線付け加工を行なうことも行われている。
段ボールシート(9)は公知の如く、波状に湾曲した中芯を2枚のライナーで挟んで形成されている。
前記何れの方法で打抜きや罫線付けを行っても、打抜き刃や罫線付け刃を段ボールシートに食い込ませることに変わりはなく、それら刃が段ボールシートに食い込む際に、中芯が潰されるために刃食い込み側のライナーに対して食込み輪郭線の外側部分を内側に引っ張る力が生じることは避けられない。
段ボールシートが乾燥しており、打抜き刃の様に段ボールシートを貫通するほど深く食い込む場合、上記引っ張り力によって食込み輪郭線の外側に割れ(列段)が発生して、商品価値を損なう問題があった。
本発明は、上記問題を解決できる打抜き加工方法を明らかにするものである。
請求項1の段ボールシートの打抜き加工方法は、打抜きによって、段ボールシート(9)にスリット(91)、手持ち用孔(92)等の切込み(90)を施す打抜き工程の前に、水分付与装置(7)に対して段ボールシート(9)を通過させることにより段ボールシート(9)に湿り気を与える水分付与工程を有し、打抜き工程の際に段ボールシート(9)の打抜き刃当接部の外側に割れの発生を抑える。
請求項2は、請求項1に記載の段ボールシートの打抜き加工方法において、打抜き工程と水分付与工程との間に、打抜き輪郭より少し外側にはみ出して段ボールシート(9)を押圧して少し凹ませる潰し工程を設ける。
請求項3は、請求項1に記載の段ボールシートの打抜き加工方法において、打抜き工程の前に、段ボールシート(9)を所定箇所で折り曲げるための罫線(93)を押圧形成する罫線付け工程、及び罫線付け工程の前に、罫線予定部に罫線より太い範囲で段ボールシート(9)を太線状に押圧する潰し工程を有する。
請求項4は、請求項1乃至3の何れかに記載の段ボールシートの打抜き加工方法において、段ボールシート(9)に印刷を施す印刷部(3)、切込みを施す打抜き部(6)及び水分付与装置(7)を有する印刷機を用いて行なう。
請求項5は、請求項1乃至3の何れかに記載の段ボールシートの打抜き加工方法において、水分付与装置(7)は、段ボールシート(9)を積層保管するスタッカー(1)の積層位置への搬送路に配備されている。
請求項6は、請求項1乃至5の何れかに記載の段ボールシートの打抜き加工方法において、水分付与装置(7)は、圧力空気に水を混合して霧状にして段ボールシート(9)に当てる。
請求項7は、請求項1乃至5の何れかに記載の段ボールシートの打抜き加工方法において、水分付与装置(7)は、段ボールシート(9)に接して回転する塗布ロール(71)と、該塗布ロールに回転可能に接触配備された水付けロール(72)と、該水付けロールに水を噴霧塗布する噴霧器(76)とによって構成され、水付けロール(72)にスクレーパ(74)が当接されている。
請求項1の段ボールシートの打抜き加工方法は、打抜き工程の前に、段ボールシート(9)に湿り気を与えるため、打抜き工程の際に刃が段ボールシート(9)が食い込んで、食い込み輪郭部の周囲に内向きの引っ張り力が生じても、段ボールシート(9)の刃食い込み側のライナーが引っ張られて、割れを生じることを防ぐことができる。
請求項2の段ボールシートの打抜き加工方法は、段ボールシート(9)に湿り気を与えた後、打抜き輪郭より少し外側にはみ出して段ボールシート(9)を押圧して少し凹ませてから、即ち、段ボールシート(9)の打抜き輪郭の外側のライナーを少し伸ばしておくから、段ボールシート(9)に刃が食い込む際にライナーを内側に引っ張る力が緩和され、割れの発生を一層効果的に防止できる。
請求項3の段ボールシートの打抜き加工方法は、請求項2と同様の理由により、罫線付け刃が段ボールシート(9)に食い込んだ際に、ライナーの割れを防止できる。
請求項4の段ボールシートの打抜き加工方法は、印刷機に多数の段ボールシート(9)を連続的に通して、印刷から打抜きまでを高能率で行なうことができる。
請求項5の段ボールシートの打抜き加工方法は、印刷を行なった段ボールシート(9)をスタッカー(1)に積層する際に、段ボールシート(9)に水分を付与して湿気させることができるので、次の打抜き工程において、段ボールシート(9)に割れを生じることを防ぐことができる。
請求項6の段ボールシートの打抜き加工方法は、水を霧状にして段ボールシート(9)に当てることができるから、段ボールシート(9)を過剰に湿気させることを防止できる。
請求項7の段ボールシートの打抜き加工方法では、段ボールシート(9)に付着していた紙粉が、段ボールシート(9)に接して回転する塗布ロール(71)を介して水付けロール(72)に移り、水付けロール(72)上の紙粉は噴霧器(76)からの噴霧によって流され、これがスクレーパ(74)によって更に掻き取られるので、段ボールシート(9)上の紙粉を能率的に除去できる。
水分付与装置を具えたスタッカーの概略側面図である。 第1実施例の水分付与装置の説明図である。 第2実施例の水分付与装置の説明図である。 第3実施例の水分付与装置の説明図である。 第4実施例の水分付与装置の斜視図である。 印刷機の概略図である。 函の展開状態に打ち抜いた段ボールシートの正面図である。
図1は、段ボールシート用スタッカー(1)を示している。
該スタッカー(1)は、印刷専用の印刷機(2a)から排出された印刷済み段ボールシート(9)を受けコンベア(14)で受け取り、登り傾斜の搬送手段(15)によって持ち上げて、支持アーム(13)(13)間に積み重ねる役割をなす。
積層された段ボールシート(9)は、所定枚数毎に次工程、例えばトムソン打抜き機による打抜き工程に移送される。
スタッカー(1)の構成については公知であるので説明は省略する。
スタッカー(1)には、従来のスタッカーには具えてない水分付与装置(7)が、前記搬送手段(15)に配備されている。
水分付与装置(7)は、段ボールシート(9)の印刷面(表側面)に対して裏面に、水分を付与して湿り気を付与するものであり、段ボールシート(9)が変色するほどに水を塗布するものではない。
水分付与装置(7)として次の第1乃至第4実施例を挙げる。
[第1実施例の水分付与装置(図2)]
水分付与装置(7)は、前記搬送手段(15)の下流端寄りにて、段ボールシート(9)の搬送路の下方に該搬送路に面して配備した塗布ロール(71)と、該塗布ロール(71)に接して配備した水付けロール(72)と、水を収容して上面が開口し前記水付けロール(72)の下部を浸けるための水容器(73)と、水付けロール(72)に接触して配備したスクレーパ(74)と、前記塗布ロール(71)との間で段ボールシート(9)を挟む受けロール(75)とによって構成される。
塗布ロール(71)の表面はウレタンゴムで形成されている。
水付けロール(72)は、表面には水溜まりとなる微細な凹部が密なるピッチで均一分布に施されているアニロックスロールである。
スクレーパ(74)は加圧調整装置(図示せず)に連繋されて、先端縁の水付けロール(72)への加圧調整及び水付けロール(72)からの離間が可能である。
塗布ロール(71)は段ボールシート(9)を送り方向へ、水付けロール(72)はその逆方向に回転する様に、回転駆動装置(図示せず)に連繋されている。
受けロール(75)も、段ボールシート(9)の搬送方向へ強制回転させてもよい。
印刷機(2a)によって表側面(上面)に印刷のみが施され、打抜き加工されていない段ボールシート(9)が、該印刷機から排出されてスタッカー(1)に積層される搬送途上で、段ボールシート(9)の裏面が、回転している塗布ロール(71)に接して該裏面に水が転写される。
第1実施例の場合、スクレーパ(74)の水付けロール(72)に対する加圧調整により、塗布ロール(71)への水の転写量、即ち、段ボールシート(9)への水の転写量を調節することは可能であるが、加圧を最大にしても、水付けロール(72)表面の微罪な凹部に溜まった水まで掻き取ることはできないので、段ボールシート(9)を必要以上に湿らせてしまうことがある。
但し、段ボールシート(9)の裏面に付着した紙粉や、段ボールシートの走行路近傍に舞い散った紙粉が塗布ロール(71)に付着し、これが水付けロール(72)に移ってスクレーパ(74)によって水タンク(73)に掻き落とされるので、紙粉を除去する思いがけない効果のあることが分かった。
[第2実施例の水分付与装置(図3)]
前記第1実施例と同様にして、塗布ロール(71)、水付けロール(72)、スクレーパ(74)、受けロール(75)を配備する。
水付けロール(72)の下方に水付けロール(72)から離して水容器(73)を配備する。
水付けロール(72)に側方に該水付けロール(72)にその長手方向の略全長に亘って水を霧状に噴霧する噴霧器(76)を配備する。
噴霧器(76)は管路によって前記水容器(73)に連繋され、該管路にフィルター(78)とポンプ(70)が設けられる。
ポンプ(70)によって吸引された水容器(73)内の水は、フィルター(78)で濾過されて噴霧器(76)から水付けロール(72)に噴霧される。
噴霧器(76)から噴霧された水は、水付けロール(72)から塗布ロール(71)に転移し、段ボールシート(9)の裏面に転写される。
第2実施例の場合は、第1実施例の様に水付けロール(72)を水タンク(73)に浸けておらず、噴霧によってロール表面を濡らすから、第1実施例に較べて、水付けロール(72)に過剰に水を塗布すること、即ち、段ボールシート(9)を過剰に湿らせることを防止できる。
第1実施例と同様に紙粉の除去効果を奏することができる。
[第3実施例の水分付与装置(図4)]
搬送手段(15)の段ボールシート(9)の移行路の下方に、該移行路に面して上面が開口した樋(83)を段ボールシート(9)の搬送方向に直交して配備し、該樋(83)に管状の噴霧器(81)を収容する。
噴射器(81)は、樋(83)の開口の長手方向に沿って密なるピッチで等間隔に多数の噴霧孔(82)を有している。
管状の噴霧器(81)の両端は管路(77)を介してコンプレッサー(79)と水容器(73)に連繋される。
管路(77)は、噴霧器(81)とコンプレッサー(79)を連繋するエアー管路(77a)と、水容器(73)とエアー管路(77a)とを連繋する水供給管路(77b)とからなり、両管路(77a)(77b)の交叉部は、エアーの流速によって水供給管路(77b)側が負圧となり、水がエアー管路(77a)側に吸引されて圧力空気に混じって噴霧器(81)の噴霧孔から霧状に噴射される様に構成されている。
噴霧器(81)から圧力空気に混じって霧状に噴射された水は、段ボールシート(9)の裏面を湿らせる。
第3実施例の水分付与装置(7)は、第1、第2実施例のように、塗布ロール(71)や水付けロール(72)の様に回転する構成物がないので、そのための回転駆動装置は必要ではなく、構成を簡素化できる。
[第4実施例の水分付与装置(図5)]
搬送手段(15)の段ボールシート(9)の移行路の下方に、該移行路に面して中空の杆体(84)を段ボールシート(9)の搬送方向に直交して配備する。
杆体(84)は上面に長手方向の略全長に亘って溝孔(85)を開口している。
杆体(84)の閉塞両端に水噴射ノズル(86)(86)先端を対向させて配備し、該水噴射ノズル(86)は圧力空気と一緒に水を供給する水供給パイプ(図示せず)を連繋する。
水噴射ノズル(86)(86)から杆体(84)内に霧状に噴射された水は、杆体(84)の溝孔(85)から立ち昇って搬送途上の段ボールシート(9)の裏面を湿気させる。
第4実施例の場合、第3実施例の様に、水噴射パイプ(81)のノズル孔(82)から直接に段ボールシート(9)に水を霧状に噴霧するのではなく、杆体(84)の溝孔(85)から立ち昇る霧状の水分を段ボールシート(9)の裏面に当てるから、段ボールシート(9)を少しだけ湿らせる場合に好都合である。
図6は、段ボールシート(9)に印刷から打抜きまでを連続的に行なうことができる印刷機(2)に水分付与装置(7)を実施した状態を示している。
印刷機(2)は、印刷色の異なる3基の印刷ユニット(31)(32)(33)からなる印刷部(3)の下流側に順に、水分付与ユニット(4)、潰しユニット(5)及び打抜きユニット(6)が配備されている。
印刷ユニット(31)(32)(33)は、夫々独立した印版を具えた版胴(34)(34a)(34b)とそれらの下方に配備された受けローラ(35)(35a)(35b)との間に定尺の段ボールシート(9)を通過させて、段ボールシート(9)の上面に印刷を行う。
水分付与ユニット(4)は、前記第1〜4実施例の何れかの水分付与装置(7)或いは他の構造の水分付与装置が配備され、段ボールシート(9)の下面を湿らせる。
潰しユニット(5)は、後工程の打抜きユニット(6)で段ボールシートのスリット(91)や手持ち孔(92)を打ち抜く打抜き予定輪郭より全体的に外側にはみ出る範囲を加圧して凹ませる加圧刃(51a)を具えた潰しローラ(51)と、該潰しローラ(51)の上方に配備した受けローラ(52)との間に段ボールシート(9)を通過させ、段ボールシート(9)の部分的に凹ませる。
打抜きユニット(6)は、打抜き刃(61a)を具えた打抜きロール(61)と該打抜きロールの上方に配備した受けローラ(62)との間に段ボールシート(9)を通過させ、上記潰し工程による潰し範囲の内側を打ち抜く。
上記説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論であ。
1 スタッカー
2 印刷機
4 水分付与ユニット
5 潰しユニット
6 打抜きユニット
7 水分付与装置
71 塗布ロール
72 水付けロール
73 水タンク
81 水噴射パイプ
83 樋
84 杆体
85 溝孔

Claims (7)

  1. 打抜きによって、段ボールシート(9)にスリット(91)、手持ち用孔(92)等の切込み(90)を施す打抜き工程の前に、水分付与装置(7)に対して段ボールシート(9)を通過させることにより段ボールシート(9)に湿り気を与える水分付与工程を有し、前記打抜き工程の際に段ボールシート(9)の打抜き刃当接部の外側に割れの発生を抑えることを特徴とする、段ボールシートの打抜き加工方法。
  2. 打抜き工程と水分付与工程との間に、打抜き輪郭より少し外側にはみ出して段ボールシート(9)を押圧して少し凹ませる潰し工程を設ける、請求項1に記載の段ボールシートの打抜き加工方法。
  3. 打抜き工程の前に、段ボールシート(9)を所定箇所で折り曲げるための罫線(93)を押圧形成する罫線付け工程、及び罫線付け工程の前に、罫線予定部に罫線より太い範囲で段ボールシートを太線状に押圧する潰し工程を有する、請求項1に記載の段ボールシートの打抜き加工方法。
  4. 段ボールシート(9)に印刷を施す印刷部(3)、切込み(90)を施す打抜き部(6)、及び水分付与装置(7)を有する印刷機(2)を用いて実施する、請求項1乃至3の何れかに記載の段ボールシートの打抜き加工方法。
  5. 水分付与装置(7)は、段ボールシート(9)を積層して一時的に保管するスタッカー(1)の積層位置への搬送路に配備されている、請求項1乃至3の何れかに記載の段ボールシートの打抜き加工方法。
  6. 水分付与装置(7)は、圧力空気に水を混合して霧状にして段ボールシート(9)に当てることができる、請求項1乃至5の何れかに記載の段ボールシートの打抜き加工方法。
  7. 水分付与装置(7)は、段ボールシート(9)に接して回転する塗布ロール(71)と、該塗布ロールに回転可能に接触配備された水付けロール(72)と、該水付けロールに水を噴霧塗布する噴霧器(76)とによって構成され、水付けロール(72)にスクレーパ(74)が当接されている、請求項1乃至5の何れかに記載の段ボールシートの打抜き加工方法。
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