JP2011158365A - 液状処理細胞診標本の作製方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単に均一な細胞標本を作成できる液状処理細胞診標本の作製方法を提供すること。
【解決手段】細胞診検体をスライドガラスに固定する液状処理細胞診標本の作製方法であって、前記細胞診検体と、スライドガラスコーティング液を含む細胞保護液とを混和してから、コーティング未処理スライドガラスに対して、混和された前記細胞診検体およびスライドガラスコーティング液を含む細胞保護液を塗抹することを特徴とする、液状処理細胞診標本の作製方法。
本発明によればスライドガラス上に容易に細胞を均一に固定することができることから、効率よく液状処理細胞診標本を作成することができ、より正確な細胞診を実施することに貢献することができる。
【選択図】図1
【解決手段】細胞診検体をスライドガラスに固定する液状処理細胞診標本の作製方法であって、前記細胞診検体と、スライドガラスコーティング液を含む細胞保護液とを混和してから、コーティング未処理スライドガラスに対して、混和された前記細胞診検体およびスライドガラスコーティング液を含む細胞保護液を塗抹することを特徴とする、液状処理細胞診標本の作製方法。
本発明によればスライドガラス上に容易に細胞を均一に固定することができることから、効率よく液状処理細胞診標本を作成することができ、より正確な細胞診を実施することに貢献することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、液状処理細胞診標本の作製方法に関し、詳細には細胞診検査に使用するための液状処理細胞診標本の作製方法に関する。
子宮頚がんの検査は、子宮頚部の細胞を採取して細胞診標本を作成し、顕微鏡検査により実施される。特に子宮頚がんの場合は細胞診の結果が子宮頚がんの発見や早期の効果的な処置に直結する場合が多いことから、細胞診の普及促進が期待されている。
前記の細胞診を実施する上で大切なポイントの一つは、いかに適切な細胞診標本を準備できるか、という点にある。
適切な細胞診標本を準備することができれば正確な細胞診検査を実施することができ、より正確な診断を実施することができる。
ところが検査の現場では適切な細胞診標本を準備することは容易ではなく、技術者の経験等に依存する面があるため、均質な細胞診標本を得ることが困難な場合がある。
適切な細胞診標本を準備することができれば正確な細胞診検査を実施することができ、より正確な診断を実施することができる。
ところが検査の現場では適切な細胞診標本を準備することは容易ではなく、技術者の経験等に依存する面があるため、均質な細胞診標本を得ることが困難な場合がある。
また適切な細胞診標本を準備することができたとしても、その過程に多大な時間や費用を要したのでは効率的に検査を行うことが妨げられる場合もある。
この様な背景から、より簡便に細胞診標本を作成し、細胞診検査を実施できる方法の開発が強く期待されている。
この様な背景から、より簡便に細胞診標本を作成し、細胞診検査を実施できる方法の開発が強く期待されている。
近年子宮頚がんの細胞診の一つの手法として、LBC法(liquid-based cytology、液状処理細胞診標本法)と呼ばれる細胞診標本の作製方法が着目されつつある(非特許文献1)。
このLBC法によれば、細胞診標本を作成する際の塗抹不良や乾燥等による不適正標本数の割合が減少する等の利点があるとされ、日本ベクトンディッキンソン社、オリンパス社、LGM International Inc.FL社(米国)、医学生物学研究所社等からLBC法に使用する各種検査キット等が発売されている。
このLBC法によれば、細胞診標本を作成する際の塗抹不良や乾燥等による不適正標本数の割合が減少する等の利点があるとされ、日本ベクトンディッキンソン社、オリンパス社、LGM International Inc.FL社(米国)、医学生物学研究所社等からLBC法に使用する各種検査キット等が発売されている。
ここで代表的なLBC法による液状処理細胞診標本の作製方法を説明すると次の通りである。
(1)まず採取した細胞を保存固定液の入った容器に30分以上浸して前記細胞を固定する
(2)次に洗浄液を遠心管に入れておき、よく攪拌した前記保存固定液を遠心管に入れる
(3)次に遠心管を10分間遠心処理した後、遠心管を傾けて上清を除く
(4)細胞沈渣に処理液を入れ、よく攪拌する
(5)数十μlの前記細胞保護液をコーティング処理したスライドガラスに塗抹して、直径1〜2cm程度の円に広げる
(6)室温で1〜2時間乾燥させる
(7)乾燥後、染色する
(1)まず採取した細胞を保存固定液の入った容器に30分以上浸して前記細胞を固定する
(2)次に洗浄液を遠心管に入れておき、よく攪拌した前記保存固定液を遠心管に入れる
(3)次に遠心管を10分間遠心処理した後、遠心管を傾けて上清を除く
(4)細胞沈渣に処理液を入れ、よく攪拌する
(5)数十μlの前記細胞保護液をコーティング処理したスライドガラスに塗抹して、直径1〜2cm程度の円に広げる
(6)室温で1〜2時間乾燥させる
(7)乾燥後、染色する
前記(1)〜(7)の操作により得られた細胞診標本に対して顕微鏡により検査を行うことができる。
なお前記LBC法に使用される保存固定液や細胞保護液の具体的な成分等については市販の検査キット等に明示された記載はなく、検査キットを提供する会社の技術力に応じてその内容が変化する部分となっている。
前記LBC法により得られた液状処理細胞診標本は細胞診検査に適したものである反面、前記(5)のスライドガラスに細胞保護液を塗抹して、直径1〜2cm程度の円に広げる操作等が容易ではなく、均一な細胞診標本を得ることが難しいとの問題があった。
この一方、より作製しやすい細胞診標本を目指して、前記LBC法による液状処理細胞診標本の作製方法と同様の操作により、細胞診標本を得る試みが報告されている(非特許文献2)。
この報告によると、Sheklee Basic H(中性洗剤、Shaklee社製)2ml、Surgipath STA-ON(コーティング剤、Surgipath社製)18mlおよび純水480mlからなるBSコーティング剤を調整しておき、このBSコーティング剤を塗布したスライドガラスを用いて前記(5)と同様の操作を行うとの言及がある。
未処理のスライドガラスに細胞保護液を塗抹することは容易ではないことから、通常は前記BSコーティング液に代表されるスライドガラスコーティング液をスライドガラスに塗布してから、細胞保護液の塗抹が実施される。
「子宮頸がん検診とヒトパピローマウイルスQ&A集」日本細胞診断学推進協会編
太田節子ら「婦人科頚部細胞診Liquid Based Cytology(以下LBC)の安価な標本作製法の試み 」日本臨床細胞学会岡山支部会誌 第27巻 第30〜31頁 2008年
しかしながら前記BSコーティング剤を塗布したスライドガラスを用いた場合、スライドガラスに対する細胞の接着性は改善されるものの、スライドガラス上の細胞が均一に広がらず、細胞診標本を得ることが依然として難しいとの問題があった。
本発明の目的は、より簡単に均一な細胞診標本を作製できる液状処理細胞診標本の作製方法を提供することにある。
本発明の目的は、より簡単に均一な細胞診標本を作製できる液状処理細胞診標本の作製方法を提供することにある。
前記課題を解決するため本発明者らが鋭意検討した結果、本来ならスライドガラスに塗布するべき前記BSコーティング剤を細胞保護液に添加するという逆転の発想により、コーティング未処理スライドガラス上の細胞が均一に広がり、容易に細胞診標本を得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
[1]細胞診検体をスライドガラスに固定する液状処理細胞診標本の作製方法であって、
前記細胞診検体と、スライドガラスコーティング液を含む細胞保護液とを混和してから、
コーティング未処理スライドガラスに対して、
混和された前記細胞診検体およびスライドガラスコーティング液を含む細胞保護液を塗抹することを特徴とする液状処理細胞診標本の作製方法を提供するものである。
[1]細胞診検体をスライドガラスに固定する液状処理細胞診標本の作製方法であって、
前記細胞診検体と、スライドガラスコーティング液を含む細胞保護液とを混和してから、
コーティング未処理スライドガラスに対して、
混和された前記細胞診検体およびスライドガラスコーティング液を含む細胞保護液を塗抹することを特徴とする液状処理細胞診標本の作製方法を提供するものである。
また本発明は、
[2]細胞診検体を固定するステップと、
固定された前記細胞診検体と、スライドガラスコーティング液を含む細胞保護液と、を混和するステップと、
固定された前記細胞診検体およびスライドガラスコーティング液を含む細胞保護液をコーティング未処理スライドガラスに塗抹するステップと、
前記スライドガラスを乾燥させるステップと、
固定された前記細胞診検体に対し染色を行うステップとを有する、液状処理細胞診標本の作製方法を提供するものである。
[2]細胞診検体を固定するステップと、
固定された前記細胞診検体と、スライドガラスコーティング液を含む細胞保護液と、を混和するステップと、
固定された前記細胞診検体およびスライドガラスコーティング液を含む細胞保護液をコーティング未処理スライドガラスに塗抹するステップと、
前記スライドガラスを乾燥させるステップと、
固定された前記細胞診検体に対し染色を行うステップとを有する、液状処理細胞診標本の作製方法を提供するものである。
また本発明は、
[3]前記細胞保護液が、寒天アルコール溶液を含み、
前記スライドガラスコーティング液が、中性洗剤とコーティング剤とを、(中性洗剤の体積:コーティング剤の体積=1:9)〜(中性洗剤の体積:コーティング剤の体積=9:1)の範囲で含む、請求項1または2に記載の液状処理細胞診標本の作製方法を提供するものである。
[3]前記細胞保護液が、寒天アルコール溶液を含み、
前記スライドガラスコーティング液が、中性洗剤とコーティング剤とを、(中性洗剤の体積:コーティング剤の体積=1:9)〜(中性洗剤の体積:コーティング剤の体積=9:1)の範囲で含む、請求項1または2に記載の液状処理細胞診標本の作製方法を提供するものである。
また本発明は、
[4]前記スライドガラスコーティング液に含まれるコーティング剤が、ゼラチン‐みょうばん水溶液、卵白‐グリセリン混合物、卵白‐アンモニア水溶液およびオルガノシラン有機溶液からなる群より選ばれる少なくとも一つである、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の液状処理細胞診標本の作製方法を提供するものである。
[4]前記スライドガラスコーティング液に含まれるコーティング剤が、ゼラチン‐みょうばん水溶液、卵白‐グリセリン混合物、卵白‐アンモニア水溶液およびオルガノシラン有機溶液からなる群より選ばれる少なくとも一つである、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の液状処理細胞診標本の作製方法を提供するものである。
また本発明は、
[5]前記スライドガラスコーティング液に含まれる中性洗剤が、界面活性剤を含み、
前記界面活性剤が、非イオン性界面活性剤からなる、前記[1]〜[4]のいずれかに記載の液状処理細胞診標本の作製方法を提供するものである。
[5]前記スライドガラスコーティング液に含まれる中性洗剤が、界面活性剤を含み、
前記界面活性剤が、非イオン性界面活性剤からなる、前記[1]〜[4]のいずれかに記載の液状処理細胞診標本の作製方法を提供するものである。
また本発明は、
[6]前記細胞保護液が、寒天、無水エタノール、ポリエチレングリコール、グリセリン、1−ブタノールおよび蒸留水を含む、前記[1]〜[5]のいずれかに記載の液状処理細胞診標本の作製方法を提供するものである。
[6]前記細胞保護液が、寒天、無水エタノール、ポリエチレングリコール、グリセリン、1−ブタノールおよび蒸留水を含む、前記[1]〜[5]のいずれかに記載の液状処理細胞診標本の作製方法を提供するものである。
また本発明は、
[7]前記[1]〜[6]のいずれかに記載の液状処理細胞診標本の作製方法を実施するための液状処理細胞診標本作成用キットであって、
細胞検体を、スライドガラスコーティング液を含む細胞保護液に混和させる手段を有することを特徴とする、液状処理細胞診標本作成用キットを提供するものである。
[7]前記[1]〜[6]のいずれかに記載の液状処理細胞診標本の作製方法を実施するための液状処理細胞診標本作成用キットであって、
細胞検体を、スライドガラスコーティング液を含む細胞保護液に混和させる手段を有することを特徴とする、液状処理細胞診標本作成用キットを提供するものである。
本発明によれば、スライドガラス上の細胞が均一に広がり、容易に細胞診標本が得られることから、従来は作製が容易ではなかった細胞診標本の作成に関する問題を解決することができる。
また本発明により、細胞診に必要な細胞診標本を短時間により提供できることから、単位時間当たりの検査数を向上させることができ、より多くの疾病兆候を把握することが可能となる。これにより早期の疾病対策が可能となるためより多くの患者の生命を救うことができる。
また従来は技術者の技能や経験に頼っていた細胞診標本の作製が誰でも簡単に実施することが可能となるばかりか、均質な細胞診標本を提供することが可能となることから、より正確な細胞診検査が促進されることになる。
さらには簡便な方法により本発明を実施することができることから、本発明の実施に高額な検査費用を必要とせず、経済的な側面から従来検査を躊躇していた層にも広く検査を推奨することが可能となり、疾病の早期発見、予防に大きく貢献することができる。
本発明に使用する細胞診検体としてはヒトから採取された剥離細胞等が挙げられる。
この様な細胞、例えばヒトの尿、体空液などから採取されたものを使用することができる。
この様な細胞、例えばヒトの尿、体空液などから採取されたものを使用することができる。
前記細胞診検体の採取方法に限定はなく、公知の方法により実施することができる。
得られた細胞診検体は顕微鏡検査のために固定される必要がある。
前記細胞診検体を固定する際には、検体をできるだけ生体にある状態と同じ状態で保存することが好ましい。この固定が不十分であると細胞診標本の作成の際の染色処理に影響が生じ、最終的に診断の結果に影響を及ぼす可能性がある。
前記細胞診検体を固定する際には、検体をできるだけ生体にある状態と同じ状態で保存することが好ましい。この固定が不十分であると細胞診標本の作成の際の染色処理に影響が生じ、最終的に診断の結果に影響を及ぼす可能性がある。
細胞診検体を固定する方法としては、例えば、得られた細胞診検体に市販の細胞固定液に30分以上浸たす方法が挙げられる。この方法等により固定された細胞診検体を得ることができる。
細胞診検体を固定する際には、95%エタノールを加えて固定する方法、同じくポリエチレングリコールを含む95%エタノールを加えて固定する方法等を用いてもよい。
次に固定された細胞診検体を遠心分離し、沈渣に細胞保護液を添加する。
前記細胞保護液としては、例えば、寒天とエタノール等を含む寒天アルコール溶液等が挙げられる。
前記細胞保護液としては、例えば、寒天とエタノール等を含む寒天アルコール溶液等が挙げられる。
また本発明においては、前記細胞保護液はスライドガラスコーティング液を含むことが必要である。
前記スライドガラスコーティング液を含む細胞保護液は、前記細胞保護液にスライドガラスコーティング液を添加するか、あるいはスライドガラスコーティング液に前記細胞保護液を添加することにより得ることができる。
前記スライドガラスコーティング液を含む細胞保護液は、前記細胞保護液にスライドガラスコーティング液を添加するか、あるいはスライドガラスコーティング液に前記細胞保護液を添加することにより得ることができる。
前記スライドガラスコーティング液は、細胞診検体をスライドガラス上に塗抹する作業を容易にするために使用されるものであり、スライドガラス表面に親水性を付与するものが通常使用される。
具体的には、前記スライドガラスコーティング液としては、市販のコーティング剤(例えば商品名STA-ON、Surgipath社製)等の他、ゼラチン‐みょうばん水溶液、卵白‐グリセリン混合物、卵白‐アンモニア水溶液、3 - Aminopropyl - triethoxysilanen等のオルガノシラン有機溶液等のコーティング剤を使用することができる。
本発明に使用するみょうばんはクロムみょうばんであれば好ましい。
オルガノシラン有機溶液に使用する有機溶媒としては親水性のものが好ましく、例えばアセトン、エタノール等が挙げられる。
本発明に使用するみょうばんはクロムみょうばんであれば好ましい。
オルガノシラン有機溶液に使用する有機溶媒としては親水性のものが好ましく、例えばアセトン、エタノール等が挙げられる。
また本発明に使用する前記スライドガラスコーティング液は、中性洗剤を含むものを使用することが好ましい。
前記中性洗剤としては、例えば、水素イオン濃度(pH)が6.0〜8.0のものを挙げることができる。
具体的には、例えば、界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル等を含む非イオン性界面活性剤(ノニオン性界面活性剤)等を挙げることができる。
具体的には、例えば、界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル等を含む非イオン性界面活性剤(ノニオン性界面活性剤)等を挙げることができる。
なお中性洗剤自体は公知であり、市販されているものを適宜選択して使用することができる。
本発明に使用する中性洗剤と前記コーティング剤との割合は、(中性洗剤の体積:コーティング剤の体積=1:9)〜(中性洗剤の体積:コーティング剤の体積=9:1)の範囲であることが好ましく、(中性洗剤の体積:コーティング剤の体積=6:4)〜(中性洗剤の体積:コーティング剤の体積=9:1)の範囲であればさらに好ましい。
前記中性洗剤の割合が1:9(中性洗剤の体積:コーティング剤の体積)よりも少なくなると細胞が凝集する傾向があり、また前記中性洗剤の割合が9:1(中性洗剤の体積:コーティング剤の体積)よりも多くなると細胞がスライドガラスから剥離する傾向がある。
次に前記検体およびスライドガラスコーティング液を含む細胞保護液をスライドガラスに塗抹するが、細胞保護液へのスライドガラスコーティング液への添加濃度は3%〜50%の範囲であることが好ましく、3%〜30%がより好ましく、3%〜15%であることがさらに好ましい。
なお本発明における百分率の表示は特に重量%と表示したものを除き体積%を意味する。以下同様である。
なお本発明における百分率の表示は特に重量%と表示したものを除き体積%を意味する。以下同様である。
スライドガラスに対して、前記検体およびスライドガラスコーティング液を含む細胞保護液をスポイトやピペット等の滴下手段により滴下すると、前記検体およびスライドガラスコーティング液を含む細胞保護液が円滑に広がるため、検体をスライドガラス上に均一に配置することができる。
次にスライドガラスを乾燥させる。
前記スライドガラスを乾燥させる際には、35〜55℃の範囲、好ましくは40〜55℃の範囲、さらに好ましくは45〜49℃の範囲で乾燥させることが好ましい。
乾燥に要する時間は、通常、5〜30分の範囲であり、10〜20分の範囲であれば好ましい。
前記スライドガラスを乾燥させる際には、35〜55℃の範囲、好ましくは40〜55℃の範囲、さらに好ましくは45〜49℃の範囲で乾燥させることが好ましい。
乾燥に要する時間は、通常、5〜30分の範囲であり、10〜20分の範囲であれば好ましい。
スライドガラスが乾燥した後、検体の染色を行う。染色はパパニコロウ染色等の方法により実施する。
なお本発明に使用する染色方法はパパニコロウ染色に限定されず、他の染色方法を採用することもできる。
なお本発明に使用する染色方法はパパニコロウ染色に限定されず、他の染色方法を採用することもできる。
前記の方法により、液状処理細胞診標本を提供することができる。
また本発明の一実施形態として、細胞診検体を、スライドガラスコーティング液を含む細胞保護液に混和させる手段を有する液状処理細胞診標本調製用キットとして提供することもできる。
固定化された細胞診検体を、スライドガラスコーティング液を含む細胞保護液と共にバイアル、サンプル瓶等の密閉容器に入れることにより、固定化された前記細胞診検体を、スライドガラスコーティング液を含む細胞保護液に混和させることができる。
具体的には前記液状処理細胞診標本作製キットとして、例えば、スライドガラスコーティング液を含む細胞保護液と、密閉容器とを少なくとも含む液状処理細胞診標本作製用キット等が挙げられる。
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は本実施例により何ら限定されるものではない。
女性患者から採取された子宮頚がん検査用の細胞をバイアルに入れて固定した。前記バイアルには細胞固定液10mlが予め入れられていて、前記バイアル内部で前記細胞を固定することができる。前記バイアルおよび細胞固定液はそれぞれ日本ベクトン・ディッキンソン社製のバイアルと婦人科用細胞保存液を使用した。
次に前記細胞を含む細胞固定液6mlを遠心管に移し、200Gで3分間遠心分離を実施した。
遠心分離操作後に、遠心管を静かに傾けて上清を除いた後、遠心管を上下逆にして約3分間静置した。
続いて前記遠心分離操作により得られた沈渣25μlに対して細胞保護液として寒天アルコール溶液(Alcoholic ager solution、以下、「Aas液」という。)を前記遠心管に175μl加えた。
なお実施例1に使用したAas液はスライドガラスコーティング液を含むものである。
Aas液およびスライドガラスコーティング液の調製は次の通りである。
なお実施例1に使用したAas液はスライドガラスコーティング液を含むものである。
Aas液およびスライドガラスコーティング液の調製は次の通りである。
[Aas液の調製]
使用した試薬は、Ager(培地用寒天。和光純薬社製、特級品)、ポリエチレングリコール(PEG、分子量3400)、エタノール(99.5%、比重0.789 g/cm3)、グリセリン(和光純薬社製、特級品、比重1.264 g/cm3)、1−ブタノール(和光純薬社製、特級品、0.812 g/cm3)および蒸留水である。
使用した試薬は、Ager(培地用寒天。和光純薬社製、特級品)、ポリエチレングリコール(PEG、分子量3400)、エタノール(99.5%、比重0.789 g/cm3)、グリセリン(和光純薬社製、特級品、比重1.264 g/cm3)、1−ブタノール(和光純薬社製、特級品、0.812 g/cm3)および蒸留水である。
まず500mlフラスコに蒸留水を130mlおよびAgerを0.8g加え、加熱して溶解させ、Ager水溶液を得た。
また500mlフラスコに蒸留水を130mlおよびPEGを20g加え、加熱して溶解させ、PEG水溶液を得た。
またPEG水溶液をAger水溶液に加え、加熱してAger-PEG水溶液を得た。
次に1000mlフラスコにエタノールを380ml(298 g)、グリセリンを20ml(25.3 g)、1−ブタノールを1ml(0.8 g)および蒸留水を130ml加え、よく攪拌してアルコール水溶液を得た。
次に1000mlフラスコにエタノールを380ml(298 g)、グリセリンを20ml(25.3 g)、1−ブタノールを1ml(0.8 g)および蒸留水を130ml加え、よく攪拌してアルコール水溶液を得た。
前記アルコール水溶液に対して、先のAger-PEG水溶液を加えて攪拌し、総量が1000mlとなるように蒸留水を加えてAas液を得た。
[スライドガラスコーティング液Aの調製]
使用した試薬は、Sheklee Basic H(ポリオキシエチレンアルキルエーテル30%および安定化剤を含む中性洗剤、Shaklee社製、比重1.005 g/cm3)、STA-ON(コーティング剤、Surgipath社製、比重1.00 g/cm3)および蒸留水である。
蒸留水480mlにSheklee Basic Hを2ml(2.0 g)、STA-ONを18ml(18.0 g)加えて攪拌し、スライドガラスコーティング液Aを得た。
使用した試薬は、Sheklee Basic H(ポリオキシエチレンアルキルエーテル30%および安定化剤を含む中性洗剤、Shaklee社製、比重1.005 g/cm3)、STA-ON(コーティング剤、Surgipath社製、比重1.00 g/cm3)および蒸留水である。
蒸留水480mlにSheklee Basic Hを2ml(2.0 g)、STA-ONを18ml(18.0 g)加えて攪拌し、スライドガラスコーティング液Aを得た。
[スライドガラスコーティング液含有Aas液の調製]
Aas液950mlにスライドガラスコーティング液Aを50ml加えてスライドガラスコーティング液5%含有Aas液を得た。
Aas液950mlにスライドガラスコーティング液Aを50ml加えてスライドガラスコーティング液5%含有Aas液を得た。
前記細胞を含むスライドガラスコーティング液含有Aas液をよく攪拌した後、前記細胞を含むスライドガラスコーティング液含有Aas液を75μl取り、コーティング未処理スライドガラス上に描いた直径15mmの円内に滴下した。
若干の細胞の凝集は見られるものの、前記細胞を含むスライドガラスコーティング液含有Aas液は円滑に広がり、細胞を前記コーティング未処理スライドガラス上に比較的均一に配置することができた。
続いて前記スライドガラスを48℃の伸展板で10分間乾燥させた。
次にパパニコロウ染色により前記細胞を染色し、液状処理細胞診標本を得た。得られたスライドガラス上の細胞は比較的均一でありスライドガラスからの剥離も見られず、細胞診に適した細胞診標本を得ることができた。
実施例1の場合において、スライドガラスコーティング液5%含有Aas液に代えて、Aas液970mlにスライドガラスコーティング液Aを30ml加えて得たスライドガラスコーティング液3%含有Aas液を使用した他は、実施例1の場合と全く同様に実験を行った。
実施例2の場合、細胞の拡散状態は実施例1にはやや劣るものの、前記細胞を含むスライドガラスコーティング液3%含有Aas液は円滑に広がり、細胞を前記コーティング未処理スライドガラス上に均一に配置することができた。また細胞のスライドガラスからの剥離も見られなかった。
実施例2の場合、細胞の拡散状態は実施例1にはやや劣るものの、前記細胞を含むスライドガラスコーティング液3%含有Aas液は円滑に広がり、細胞を前記コーティング未処理スライドガラス上に均一に配置することができた。また細胞のスライドガラスからの剥離も見られなかった。
実施例1の場合において、スライドガラスコーティング液5%含有Aas液に代えて、Aas液930mlにスライドガラスコーティング液Aを70ml加えて得たスライドガラスコーティング液7%含有Aas液を使用した他は、実施例1の場合と全く同様に実験を行った。
実施例3の場合、細胞の拡散状態は実施例1にはやや劣るものの、前記細胞を含むスライドガラスコーティング液7%含有Aas液は円滑に広がり、細胞を前記コーティング未処理スライドガラス上に均一に配置することができた。また細胞のスライドガラスからの剥離も見られなかった。
実施例3の場合、細胞の拡散状態は実施例1にはやや劣るものの、前記細胞を含むスライドガラスコーティング液7%含有Aas液は円滑に広がり、細胞を前記コーティング未処理スライドガラス上に均一に配置することができた。また細胞のスライドガラスからの剥離も見られなかった。
実施例1の場合において、スライドガラスコーティング液5%含有Aas液に代えて、Aas液900mlにスライドガラスコーティング液Aを100ml加えて得たスライドガラスコーティング液10%含有Aas液を使用した他は、実施例1の場合と全く同様に実験を行った。
実施例4の場合、細胞の拡散状態は実施例1にはやや劣るものの、前記細胞を含むスライドガラスコーティング10%液含有Aas液は円滑に広がり、細胞を前記コーティング未処理スライドガラス上に均一に配置することができた。また細胞のスライドガラスからの剥離も見られなかった。
実施例4の場合、細胞の拡散状態は実施例1にはやや劣るものの、前記細胞を含むスライドガラスコーティング10%液含有Aas液は円滑に広がり、細胞を前記コーティング未処理スライドガラス上に均一に配置することができた。また細胞のスライドガラスからの剥離も見られなかった。
[比較例1]
実施例1の場合において、スライドガラスコーティング液5%含有Aas液に代えて、スライドガラスコーティング液Aを含まないAas液のみを使用した他は、実施例1の場合と全く同様に実験を行った。
比較例1の場合、細胞の拡散状態は実施例1に比べて明らかに劣り、細胞が凝集していることを確認することができた。
実施例1の場合において、スライドガラスコーティング液5%含有Aas液に代えて、スライドガラスコーティング液Aを含まないAas液のみを使用した他は、実施例1の場合と全く同様に実験を行った。
比較例1の場合、細胞の拡散状態は実施例1に比べて明らかに劣り、細胞が凝集していることを確認することができた。
以上実施例1〜4および比較例1の結果から、スライドガラスコーティング液含有Aas液に対するスライドガラスコーティング液の割合は、3〜10%の範囲が好ましく、4〜6%の範囲であればより好ましく、5%が最も好ましいことが判明した。
実施例1の場合では、スライドガラスコーティング液AにおけるSheklee Basic H(中性洗剤、Shaklee社製)とSTA-ON(コーティング剤、Surgipath社製)との比が2ml:18mlであったが、この比を14ml:6mlとした他は、実施例1の場合と全く同様に実験を行った。
前記細胞を含むスライドガラスコーティング液含有Aas液は円滑に広がり、細胞を前記コーティング未処理スライドガラス上に実施例1の場合よりも均一に配置することができた。
前記細胞を含むスライドガラスコーティング液含有Aas液は円滑に広がり、細胞を前記コーティング未処理スライドガラス上に実施例1の場合よりも均一に配置することができた。
[比較例2]
実施例1の場合では、スライドガラスコーティング液AにおけるSheklee Basic H(中性洗剤、Shaklee社製)とSTA-ON(コーティング剤、Surgipath社製)との比が2ml:18mlであったが、この比を20ml:0mlとした他は、実施例1の場合と全く同様に実験を行った。
コーティング剤を添加しない場合には細胞がスライドガラスから剥離したため、観察に適したサンプルを調整することができなかった。
実施例1の場合では、スライドガラスコーティング液AにおけるSheklee Basic H(中性洗剤、Shaklee社製)とSTA-ON(コーティング剤、Surgipath社製)との比が2ml:18mlであったが、この比を20ml:0mlとした他は、実施例1の場合と全く同様に実験を行った。
コーティング剤を添加しない場合には細胞がスライドガラスから剥離したため、観察に適したサンプルを調整することができなかった。
[比較例3]
実施例1の場合では、スライドガラスコーティング液AにおけるSheklee Basic H(中性洗剤、Shaklee社製)とSTA-ON(コーティング剤、Surgipath社製)との比が2ml:18mlであったが、この比を10ml:10mlとした他は、実施例1の場合と全く同様に実験を行った。
比較例3の細胞の分散状態は実施例5の細胞の分散状態よりも劣る結果となった。
実施例1の場合では、スライドガラスコーティング液AにおけるSheklee Basic H(中性洗剤、Shaklee社製)とSTA-ON(コーティング剤、Surgipath社製)との比が2ml:18mlであったが、この比を10ml:10mlとした他は、実施例1の場合と全く同様に実験を行った。
比較例3の細胞の分散状態は実施例5の細胞の分散状態よりも劣る結果となった。
[比較例4]
実施例1の場合では、スライドガラスコーティング液AにおけるSheklee Basic H(中性洗剤、Shaklee社製)とSTA-ON(コーティング剤、Surgipath社製)との比が2ml:18mlであったが、この比を6ml:14mlとした他は、実施例1の場合と全く同様に実験を行った。
比較例4の細胞の分散状態は実施例5の細胞の分散状態よりも劣る結果となった。
実施例1の場合では、スライドガラスコーティング液AにおけるSheklee Basic H(中性洗剤、Shaklee社製)とSTA-ON(コーティング剤、Surgipath社製)との比が2ml:18mlであったが、この比を6ml:14mlとした他は、実施例1の場合と全く同様に実験を行った。
比較例4の細胞の分散状態は実施例5の細胞の分散状態よりも劣る結果となった。
[比較例5]
実施例1の場合では、スライドガラスコーティング液AにおけるSheklee Basic H(中性洗剤、Shaklee社製)とSTA-ON(コーティング剤、Surgipath社製)との比が2ml:18mlであったが、この比を0ml:20mlとした他は、実施例1の場合と全く同様に実験を行った。
比較例5の細胞の分散状態は実施例5の細胞の分散状態よりも劣る結果となった。
実施例1の場合では、スライドガラスコーティング液AにおけるSheklee Basic H(中性洗剤、Shaklee社製)とSTA-ON(コーティング剤、Surgipath社製)との比が2ml:18mlであったが、この比を0ml:20mlとした他は、実施例1の場合と全く同様に実験を行った。
比較例5の細胞の分散状態は実施例5の細胞の分散状態よりも劣る結果となった。
以上実施例5および比較例3〜5の結果から、スライドガラスコーティング液に含まれる中性洗剤とコーティング液との比(中性洗剤の体積:コーティング液の体積)は、9:1〜6:4の範囲が好ましく、8:2〜6:4の範囲がより好ましく、7:3が最も好ましいことが判明した。
[スライドガラスコーティング液Bの調製]
使用した試薬は、Sheklee Basic H(中性洗剤、Shaklee社製)、ゼラチン、クロムみょうばんおよび蒸留水である。
ゼラチンとクロムみょうばんは一般試薬として試薬会社から購入したものを使用した。
200mlの蒸留水に5mgのゼラチンを加え、攪拌して溶解させた。次にクロムみょうばん0.5mgを加えて溶かし、蒸留水を加えて全量を1000mlとし、ゼラチン‐クロムみょうばん水溶液を得た。
次に蒸留水480mlにSheklee Basic Hを18ml(18 g)、ゼラチン‐クロムみょうばん水溶液を2ml(2 g)加えて攪拌し、スライドガラスコーティング液Bを得た。
使用した試薬は、Sheklee Basic H(中性洗剤、Shaklee社製)、ゼラチン、クロムみょうばんおよび蒸留水である。
ゼラチンとクロムみょうばんは一般試薬として試薬会社から購入したものを使用した。
200mlの蒸留水に5mgのゼラチンを加え、攪拌して溶解させた。次にクロムみょうばん0.5mgを加えて溶かし、蒸留水を加えて全量を1000mlとし、ゼラチン‐クロムみょうばん水溶液を得た。
次に蒸留水480mlにSheklee Basic Hを18ml(18 g)、ゼラチン‐クロムみょうばん水溶液を2ml(2 g)加えて攪拌し、スライドガラスコーティング液Bを得た。
実施例1の場合で、スライドガラスコーティング液Aに代えてスライドガラスコーティング液Bを使用した他は実施例1の場合と全く同様に実験を行った。この結果、細胞の分散は実施例1の場合よりも良好であった。
実施例6の場合において、スライドガラスコーティング液5%含有Aas液に代えて、Aas液970mlにスライドガラスコーティング液Bを30ml加えて得たスライドガラスコーティング液3%含有Aas液を使用した他は、実施例6の場合と全く同様に実験を行った。
実施例7の場合、実施例6の場合と比較してやや劣るが細胞の拡散状態は実施例6の場合と同様、前記細胞を含むスライドガラスコーティング液3%含有Aas液は円滑に広がり、細胞を前記コーティング未処理スライドガラス上に均一に配置することができた。
実施例7の場合、実施例6の場合と比較してやや劣るが細胞の拡散状態は実施例6の場合と同様、前記細胞を含むスライドガラスコーティング液3%含有Aas液は円滑に広がり、細胞を前記コーティング未処理スライドガラス上に均一に配置することができた。
実施例6の場合において、スライドガラスコーティング液5%含有Aas液に代えて、Aas液930mlにスライドガラスコーティング液Bを70ml加えて得たスライドガラスコーティング液7%含有Aas液を使用した他は、実施例6の場合と全く同様に実験を行った。
実施例8の場合、細胞の拡散状態は実施例6と比較してやや劣るが、前記細胞を含むスライドガラスコーティング液7%含有Aas液は円滑に広がり、細胞を前記コーティング未処理スライドガラス上に均一に配置することができた。
実施例8の場合、細胞の拡散状態は実施例6と比較してやや劣るが、前記細胞を含むスライドガラスコーティング液7%含有Aas液は円滑に広がり、細胞を前記コーティング未処理スライドガラス上に均一に配置することができた。
実施例6の場合において、スライドガラスコーティング液5%含有Aas液に代えて、Aas液900mlにスライドガラスコーティング液Bを100ml加えて得たスライドガラスコーティング液10%含有Aas液を使用した他は、実施例6の場合と全く同様に実験を行った。
実施例9の場合、細胞の拡散状態は実施例6と比較してやや劣るが、前記細胞を含むスライドガラスコーティング液10%含有Aas液は円滑に広がり、細胞を前記コーティング未処理スライドガラス上に均一に配置することができた。
実施例9の場合、細胞の拡散状態は実施例6と比較してやや劣るが、前記細胞を含むスライドガラスコーティング液10%含有Aas液は円滑に広がり、細胞を前記コーティング未処理スライドガラス上に均一に配置することができた。
[比較例6]
実施例6の場合において、スライドガラスコーティング液5%含有Aas液に代えて、スライドガラスコーティング液Bを含まないAas液のみを使用した他は、実施例6の場合と全く同様に実験を行った。
比較例6の場合、細胞の拡散状態は実施例6に比べて明らかに劣り、細胞が凝集していることを確認することができた。
実施例6の場合において、スライドガラスコーティング液5%含有Aas液に代えて、スライドガラスコーティング液Bを含まないAas液のみを使用した他は、実施例6の場合と全く同様に実験を行った。
比較例6の場合、細胞の拡散状態は実施例6に比べて明らかに劣り、細胞が凝集していることを確認することができた。
実施例6〜9および比較例6の結果から、コーティング剤としてSTA-ON(コーティング剤、Surgipath社製)よりもゼラチン‐クロムみょうばん水溶液を使用することにより、より良い結果が得られることが判明した。
実施例6の場合では、スライドガラスコーティング液BにおけるSheklee Basic H(中性洗剤、Shaklee社製)とゼラチン‐クロムみょうばん水溶液(コーティング剤)との比が18ml:2mlであったが、この比を14ml:6mlとした他は、実施例6の場合と全く同様に実験を行った。
前記細胞を含むスライドガラスコーティング液含有Aas液は円滑に広がり、細胞を前記コーティング未処理スライドガラス上に実施例6の場合よりも均一に配置することができた。
前記細胞を含むスライドガラスコーティング液含有Aas液は円滑に広がり、細胞を前記コーティング未処理スライドガラス上に実施例6の場合よりも均一に配置することができた。
[比較例7]
実施例6の場合では、スライドガラスコーティング液BにおけるSheklee Basic H(中性洗剤、Shaklee社製)とゼラチン‐クロムみょうばん水溶液(コーティング剤)との比が18ml:2mlであったが、この比を20ml:0mlとした他は、実施例6の場合と全く同様に実験を行った。
コーティング剤を添加しない場合には細胞がスライドガラスから剥離する場合があるため、観察に適したサンプルを調整することが困難であった。
実施例6の場合では、スライドガラスコーティング液BにおけるSheklee Basic H(中性洗剤、Shaklee社製)とゼラチン‐クロムみょうばん水溶液(コーティング剤)との比が18ml:2mlであったが、この比を20ml:0mlとした他は、実施例6の場合と全く同様に実験を行った。
コーティング剤を添加しない場合には細胞がスライドガラスから剥離する場合があるため、観察に適したサンプルを調整することが困難であった。
[比較例8]
実施例6の場合では、スライドガラスコーティング液BにおけるSheklee Basic H(中性洗剤、Shaklee社製)とゼラチン‐クロムみょうばん水溶液(コーティング剤)との比が18ml:2mlであったが、この比を10ml:10mlとした他は、実施例6の場合と全く同様に実験を行った。
比較例8の細胞の分散状態は実施例10の細胞の分散状態よりも劣る結果となった。
実施例6の場合では、スライドガラスコーティング液BにおけるSheklee Basic H(中性洗剤、Shaklee社製)とゼラチン‐クロムみょうばん水溶液(コーティング剤)との比が18ml:2mlであったが、この比を10ml:10mlとした他は、実施例6の場合と全く同様に実験を行った。
比較例8の細胞の分散状態は実施例10の細胞の分散状態よりも劣る結果となった。
[比較例9]
実施例6の場合では、スライドガラスコーティング液BにおけるSheklee Basic H(中性洗剤、Shaklee社製)とゼラチン‐クロムみょうばん水溶液(コーティング剤)との比が18ml:2mlであったが、この比を6ml:14mlとした他は、実施例6の場合と全く同様に実験を行った。
比較例9の細胞の分散状態は実施例10の細胞の分散状態よりも劣る結果となった。
実施例6の場合では、スライドガラスコーティング液BにおけるSheklee Basic H(中性洗剤、Shaklee社製)とゼラチン‐クロムみょうばん水溶液(コーティング剤)との比が18ml:2mlであったが、この比を6ml:14mlとした他は、実施例6の場合と全く同様に実験を行った。
比較例9の細胞の分散状態は実施例10の細胞の分散状態よりも劣る結果となった。
[比較例10]
実施例6の場合では、スライドガラスコーティング液BにおけるSheklee Basic H(中性洗剤、Shaklee社製)とゼラチン‐クロムみょうばん水溶液(コーティング剤)との比が18ml:2mlであったが、この比を0ml:20mlとした他は、実施例6の場合と全く同様に実験を行った。
比較例10の細胞の分散状態は実施例10の細胞の分散状態よりも劣る結果となった。
実施例6の場合では、スライドガラスコーティング液BにおけるSheklee Basic H(中性洗剤、Shaklee社製)とゼラチン‐クロムみょうばん水溶液(コーティング剤)との比が18ml:2mlであったが、この比を0ml:20mlとした他は、実施例6の場合と全く同様に実験を行った。
比較例10の細胞の分散状態は実施例10の細胞の分散状態よりも劣る結果となった。
以上実施例10および比較例7〜10の結果から、スライドガラスコーティング液に含まれる中性洗剤とコーティング液との比は、9:1〜6:4(中性洗剤の体積:コーティング液の体積)の範囲が好ましく、8:2〜6:4がより好ましく、7:3が最も好ましいことが判明した。
実施例10の場合において、スライドガラスコーティング液5%含有Aas液に代えて、Aas液970mlにスライドガラスコーティング液Bを30ml加えて得たスライドガラスコーティング液3%含有Aas液を使用した他は、実施例10の場合と全く同様に実験を行った。
実施例11の場合、やや凝集は見られるものの前記細胞を含むスライドガラスコーティング液3%含有Aas液は円滑に広がり、細胞を前記コーティング未処理スライドガラス上に均一に配置することができた。
実施例11の場合、やや凝集は見られるものの前記細胞を含むスライドガラスコーティング液3%含有Aas液は円滑に広がり、細胞を前記コーティング未処理スライドガラス上に均一に配置することができた。
実施例10の場合において、スライドガラスコーティング液5%含有Aas液に代えて、Aas液930mlにスライドガラスコーティング液Bを70ml加えて得たスライドガラスコーティング液7%含有Aas液を使用した他は、実施例10の場合と全く同様に実験を行った。
実施例12の場合、前記細胞を含むスライドガラスコーティング液7%含有Aas液は円滑に広がり、細胞を前記コーティング未処理スライドガラス上に均一に配置することができた。
実施例12の場合、前記細胞を含むスライドガラスコーティング液7%含有Aas液は円滑に広がり、細胞を前記コーティング未処理スライドガラス上に均一に配置することができた。
実施例10の場合において、スライドガラスコーティング液5%含有Aas液に代えて、Aas液900mlにスライドガラスコーティング液Bを100ml加えて得たスライドガラスコーティング液10%含有Aas液を使用した他は、実施例10の場合と全く同様に実験を行った。
実施例13の場合、前記細胞を含むスライドガラスコーティング液10%含有Aas液は円滑に広がり、細胞を前記コーティング未処理スライドガラス上に均一に配置することができた。
実施例13の場合、前記細胞を含むスライドガラスコーティング液10%含有Aas液は円滑に広がり、細胞を前記コーティング未処理スライドガラス上に均一に配置することができた。
実施例10の場合において、スライドガラスコーティング液5%含有Aas液に代えて、Aas液800mlにスライドガラスコーティング液Bを200ml加えて得たスライドガラスコーティング液20%含有Aas液を使用した他は、実施例10の場合と全く同様に実験を行った。
実施例14の場合、前記細胞を含むスライドガラスコーティング液20%含有Aas液は円滑に広がり、細胞を前記コーティング未処理スライドガラス上に均一に配置することができた。
実施例14の場合、前記細胞を含むスライドガラスコーティング液20%含有Aas液は円滑に広がり、細胞を前記コーティング未処理スライドガラス上に均一に配置することができた。
実施例10の場合において、スライドガラスコーティング液5%含有Aas液に代えて、Aas液700mlにスライドガラスコーティング液Bを300ml加えて得たスライドガラスコーティング液30%含有Aas液を使用した他は、実施例10の場合と全く同様に実験を行った。
実施例15の場合、前記細胞を含むスライドガラスコーティング液30%含有Aas液は円滑に広がり、細胞を前記コーティング未処理スライドガラス上に均一に配置することができた。
実施例15の場合、前記細胞を含むスライドガラスコーティング液30%含有Aas液は円滑に広がり、細胞を前記コーティング未処理スライドガラス上に均一に配置することができた。
実施例10の場合において、スライドガラスコーティング液5%含有Aas液に代えて、Aas液600mlにスライドガラスコーティング液Bを400ml加えて得たスライドガラスコーティング液40%含有Aas液を使用した他は、実施例10の場合と全く同様に実験を行った。
実施例16の場合、前記細胞を含むスライドガラスコーティング液40%含有Aas液は円滑に広がり、細胞を前記コーティング未処理スライドガラス上に均一に配置することができた。
実施例16の場合、前記細胞を含むスライドガラスコーティング液40%含有Aas液は円滑に広がり、細胞を前記コーティング未処理スライドガラス上に均一に配置することができた。
実施例10の場合において、スライドガラスコーティング液5%含有Aas液に代えて、Aas液500mlにスライドガラスコーティング液Bを500ml加えて得たスライドガラスコーティング液50%含有Aas液を使用した他は、実施例10の場合と全く同様に実験を行った。
実施例17の場合、前記細胞を含むスライドガラスコーティング液50%含有Aas液は円滑に広がり、細胞を前記コーティング未処理スライドガラス上に均一に配置することができた。
実施例17の場合、前記細胞を含むスライドガラスコーティング液50%含有Aas液は円滑に広がり、細胞を前記コーティング未処理スライドガラス上に均一に配置することができた。
[比較例11]
実施例10の場合において、スライドガラスコーティング液5%含有Aas液に代えて、Aas液400mlにスライドガラスコーティング液Bを600ml加えて得たスライドガラスコーティング液60%含有Aas液を使用した他は、実施例10の場合と全く同様に実験を行った。
比較例11の場合、細胞の剥離は認められないが、細胞の凝集が認められるようになった。
実施例10の場合において、スライドガラスコーティング液5%含有Aas液に代えて、Aas液400mlにスライドガラスコーティング液Bを600ml加えて得たスライドガラスコーティング液60%含有Aas液を使用した他は、実施例10の場合と全く同様に実験を行った。
比較例11の場合、細胞の剥離は認められないが、細胞の凝集が認められるようになった。
[比較例12]
実施例10の場合において、スライドガラスコーティング液5%含有Aas液に代えて、スライドガラスコーティング液を使用せずAas液のみを使用した他は、実施例10の場合と全く同様に実験を行った。
比較例12の場合、細胞の剥離と凝集が認められた。
実施例10の場合において、スライドガラスコーティング液5%含有Aas液に代えて、スライドガラスコーティング液を使用せずAas液のみを使用した他は、実施例10の場合と全く同様に実験を行った。
比較例12の場合、細胞の剥離と凝集が認められた。
以上実施例11〜18および比較例11〜12の結果から、スライドガラスコーティング液含有Aas液に対するスライドガラスコーティング液の割合は、3〜50%の範囲が好ましく、3〜30%の範囲がより好ましい。また細胞の安定性の面からコーティング剤としてゼラチン‐クロムみょうばん水溶液を使用する場合には、スライドガラスコーティング液含有Aas液に対するスライドガラスコーティング液の割合は3〜15%の範囲であれば好ましく、7〜15%の範囲であればさらに好ましいことが判明した。
実施例6の場合において、スライドガラスコーティング液5%含有Aas液に代えて、Aas液930mlにスライドガラスコーティング液Bを70ml加えて得たスライドガラスコーティング液7%含有Aas液を使用した他は、実施例6の場合と全く同様に実験を行った。
実施例18の場合、細胞の拡散状態は実施例6の場合と同様の結果を得た。
実施例18の場合、細胞の拡散状態は実施例6の場合と同様の結果を得た。
実施例6の場合において、スライドガラスコーティング液5%含有Aas液に代えて、Aas液900mlにスライドガラスコーティング液Bを100ml加えて得たスライドガラスコーティング液10%含有Aas液を使用した他は、実施例6の場合と全く同様に実験を行った。
実施例19の場合、細胞の拡散状態は実施例6の場合と同様の結果を得た。
実施例19の場合、細胞の拡散状態は実施例6の場合と同様の結果を得た。
[比較例13]
実施例6の場合において、Sheklee Basic H(Shaklee社製。界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテルを30重量%含む中性洗剤)に代えて、市販の中性洗剤A(植物性除菌剤配合。界面活性剤として直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムおよびポリオキシエチレンアルキルエーテルを33重量%含む。その他、安定化剤として脂肪酸アルカノールアミドを含む中性洗剤)に代えた他は実施例6の場合と全く同様に実験を行った。
比較例13の場合、細胞に若干の凝集が見られた。
実施例6の場合において、Sheklee Basic H(Shaklee社製。界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテルを30重量%含む中性洗剤)に代えて、市販の中性洗剤A(植物性除菌剤配合。界面活性剤として直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムおよびポリオキシエチレンアルキルエーテルを33重量%含む。その他、安定化剤として脂肪酸アルカノールアミドを含む中性洗剤)に代えた他は実施例6の場合と全く同様に実験を行った。
比較例13の場合、細胞に若干の凝集が見られた。
[比較例14]
比較例13の場合において、スライドガラスコーティング液5%含有Aas液に代えて、Aas液930mlにスライドガラスコーティング液C(実施例6に使用されたスライドガラスコーティング液Bに含まれるSheklee Basic Hに代えて、中性洗剤Aを使用したもの)を70ml加えて得たスライドガラスコーティング液7%含有Aas液を使用した他は、実施例6の場合と全く同様に実験を行った。
比較例14の場合、細胞に若干の凝集が見られた。
比較例13の場合において、スライドガラスコーティング液5%含有Aas液に代えて、Aas液930mlにスライドガラスコーティング液C(実施例6に使用されたスライドガラスコーティング液Bに含まれるSheklee Basic Hに代えて、中性洗剤Aを使用したもの)を70ml加えて得たスライドガラスコーティング液7%含有Aas液を使用した他は、実施例6の場合と全く同様に実験を行った。
比較例14の場合、細胞に若干の凝集が見られた。
実施例6の場合において、Sheklee Basic H(Shaklee社製。界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテルを30重量%含む中性洗剤)に代えて、市販の中性洗剤A(植物性除菌剤配合。界面活性剤として直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムおよびポリオキシエチレンアルキルエーテルを33重量%含む。その他、安定化剤として脂肪酸アルカノールアミドを含む中性洗剤)に代えたことに加え、
スライドガラスコーティング液5%含有Aas液に代えて、Aas液900mlにスライドガラスコーティング液C(実施例6に使用されたスライドガラスコーティング液Bに含まれるSheklee Basic Hに代えて、中性洗剤Aを使用したもの)を100ml加えて得たスライドガラスコーティング液10%含有Aas液を使用した他は、実施例6の場合と全く同様に実験を行った。
実施例20の場合、細胞の拡散状態は実施例6の場合と同様の結果を得た。
スライドガラスコーティング液5%含有Aas液に代えて、Aas液900mlにスライドガラスコーティング液C(実施例6に使用されたスライドガラスコーティング液Bに含まれるSheklee Basic Hに代えて、中性洗剤Aを使用したもの)を100ml加えて得たスライドガラスコーティング液10%含有Aas液を使用した他は、実施例6の場合と全く同様に実験を行った。
実施例20の場合、細胞の拡散状態は実施例6の場合と同様の結果を得た。
[比較例15]
実施例6の場合において、Sheklee Basic H(Shaklee社製。界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテルを30重量%含む中性洗剤)に代えて、市販の中性洗剤B(植物性除菌剤配合。界面活性剤として直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムおよびポリオキシエチレンアルキルエーテルを16重量%含む。その他、安定化剤として脂肪酸アルカノールアミドを含む中性洗剤)に代えた他は実施例6の場合と全く同様に実験を行った。
比較例15の場合、細胞に凝集が見られた。
実施例6の場合において、Sheklee Basic H(Shaklee社製。界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテルを30重量%含む中性洗剤)に代えて、市販の中性洗剤B(植物性除菌剤配合。界面活性剤として直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムおよびポリオキシエチレンアルキルエーテルを16重量%含む。その他、安定化剤として脂肪酸アルカノールアミドを含む中性洗剤)に代えた他は実施例6の場合と全く同様に実験を行った。
比較例15の場合、細胞に凝集が見られた。
[比較例16]
比較例15の場合において、スライドガラスコーティング液5%含有Aas液に代えて、Aas液930mlにスライドガラスコーティング液D(実施例6に使用されたスライドガラスコーティング液Bに含まれるSheklee Basic Hに代えて、中性洗剤Bを使用したもの)を70ml加えて得たスライドガラスコーティング液7%含有Aas液を使用した他は、実施例6の場合と全く同様に実験を行った。
比較例16の場合、細胞に凝集が見られた。
比較例15の場合において、スライドガラスコーティング液5%含有Aas液に代えて、Aas液930mlにスライドガラスコーティング液D(実施例6に使用されたスライドガラスコーティング液Bに含まれるSheklee Basic Hに代えて、中性洗剤Bを使用したもの)を70ml加えて得たスライドガラスコーティング液7%含有Aas液を使用した他は、実施例6の場合と全く同様に実験を行った。
比較例16の場合、細胞に凝集が見られた。
[比較例17]
比較例15の場合において、スライドガラスコーティング液5%含有Aas液に代えて、Aas液900mlにスライドガラスコーティング液D(実施例6に使用されたスライドガラスコーティング液Bに含まれるSheklee Basic Hに代えて、中性洗剤Bを使用したもの)を100ml加えて得たスライドガラスコーティング液7%含有Aas液を使用した他は、実施例6の場合と全く同様に実験を行った。
比較例17の場合、細胞に凝集が見られた。
比較例15の場合において、スライドガラスコーティング液5%含有Aas液に代えて、Aas液900mlにスライドガラスコーティング液D(実施例6に使用されたスライドガラスコーティング液Bに含まれるSheklee Basic Hに代えて、中性洗剤Bを使用したもの)を100ml加えて得たスライドガラスコーティング液7%含有Aas液を使用した他は、実施例6の場合と全く同様に実験を行った。
比較例17の場合、細胞に凝集が見られた。
本発明に使用する中性洗剤に含まれる界面活性剤量は取り扱い性の面から25〜60重量%のものが好ましい。
また実施例19〜21および比較例13〜17の結果から、また、本発明に使用する中性洗剤に含まれる界面活性剤はポリオキシエチレンアルキルエーテル等の非イオン性界面活性剤であればさらに好ましい。
また実施例19〜21および比較例13〜17の結果から、また、本発明に使用する中性洗剤に含まれる界面活性剤はポリオキシエチレンアルキルエーテル等の非イオン性界面活性剤であればさらに好ましい。
本発明によれば、スライドガラス上に容易に検体を固定することができることから、液状処理細胞診標本の作製に作成者の技量や経験等が要求されず、簡単な操作を習得するだけで均一な標本を提供することができる。
図38は実施例13の方法により得られた正常婦人の子宮頸部細胞診標本の図面代用写真である。パパニコロウ染色を施し、光学顕微鏡により200倍に拡大したものである。
個々の子宮頸部の細胞は比較的均一に分布し、染色の色合いも良好である。
個々の子宮頸部の細胞は比較的均一に分布し、染色の色合いも良好である。
図39は実施例13の方法により得られた正常婦人の子宮頸部細胞診標本の図面代用写真である。パパニコロウ染色を施し、光学顕微鏡により400倍に拡大したものである。
一部に細胞の重なりは見られるものの、細胞核および細胞質の状態を容易に観察することができる。
一部に細胞の重なりは見られるものの、細胞核および細胞質の状態を容易に観察することができる。
図40は実施例13の方法により得られた婦人の子宮頸部細胞診標本の図面代用写真である。パパニコロウ染色を施し、光学顕微鏡により400倍に拡大したものである。
koilocytoe(コイロサイト、空胞形成細胞)と呼ばれるヒトパピローマウィルスHPV感染に特徴的な状態を観察することができる。
LSIL(low grade squamous intraepithelial lesion、軽度扁平上皮内病変)の可能性を指摘することができる。
koilocytoe(コイロサイト、空胞形成細胞)と呼ばれるヒトパピローマウィルスHPV感染に特徴的な状態を観察することができる。
LSIL(low grade squamous intraepithelial lesion、軽度扁平上皮内病変)の可能性を指摘することができる。
図41は実施例13の方法により得られた婦人の子宮頸部細胞診標本の図面代用写真である。パパニコロウ染色を施し、光学顕微鏡により400倍に拡大したものである。
クロマチンの増量が観察され、N/C比が増大していることからHSIL(high grade squamous intraepithelial lesion、高度扁平上皮内病変)の可能性を指摘することができる。
クロマチンの増量が観察され、N/C比が増大していることからHSIL(high grade squamous intraepithelial lesion、高度扁平上皮内病変)の可能性を指摘することができる。
Claims (7)
- 細胞診検体をスライドガラスに固定する液状処理細胞診標本の作製方法であって、
前記細胞診検体と、スライドガラスコーティング液を含む細胞保護液とを混和してから、
コーティング未処理スライドガラスに対して、
混和された前記細胞診検体およびスライドガラスコーティング液を含む細胞保護液を塗抹することを特徴とする、液状処理細胞診標本の作製方法。 - 細胞診検体を固定するステップと、
固定された前記細胞診検体と、スライドガラスコーティング液を含む細胞保護液と、を混和するステップと、
固定された前記細胞診検体およびスライドガラスコーティング液を含む細胞保護液をコーティング未処理スライドガラスに塗抹するステップと、
前記スライドガラスを乾燥させるステップと、
固定された前記細胞診検体に対し染色を行うステップとを有する、液状処理細胞診標本の作製方法。 - 前記細胞保護液が、寒天アルコール溶液を含み、前記スライドガラスコーティング液が、中性洗剤とコーティング剤とを、(中性洗剤の体積:コーティング剤の体積=1:9)〜(中性洗剤の体積:コーティング剤の体積=9:1)の範囲で含む、請求項1または2に記載の液状処理細胞診標本の作製方法。
- 前記スライドガラスコーティング液に含まれるコーティング剤が、ゼラチン‐みょうばん水溶液、卵白‐グリセリン混合物、卵白‐アンモニア水溶液およびオルガノシラン有機溶液からなる群より選ばれる少なくとも一つである、請求項1〜3のいずれかに記載の液状処理細胞診標本の作製方法。
- 前記スライドガラスコーティング液に含まれる中性洗剤が、界面活性剤を含み、
前記界面活性剤が、非イオン性界面活性剤からなる、請求項1〜4のいずれかに記載の液状処理細胞診標本の作製方法。 - 前記細胞保護液が、寒天、無水エタノール、ポリエチレングリコール、グリセリン、1−ブタノールおよび蒸留水を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の液状処理細胞診標本の作製方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の液状処理細胞診標本の作製方法を実施するための液状処理細胞診標本作成用キットであって、
細胞診検体を、スライドガラスコーティング液を含む細胞保護液に混和させる手段を有することを特徴とする、液状処理細胞診標本作成用キット。
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