次に、図面を参照して、本発明の無線中継局に相当するリレーノード、及び当該リレーノードを含む無線通信システムの第1実施形態〜第4実施形態及びその他の実施形態を説明する。以下の実施形態における図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
(1)第1実施形態
第1実施形態においては、(1.1)無線通信システムの構成、(1.2)リレーノードの構成、(1.3)無線通信システムの動作、(1.4)第1実施形態の効果について説明する。
(1.1)無線通信システムの構成
図1は、本実施形態に係る無線通信システム1の構成を示す図である。無線通信システム1は、例えば、第4世代(4G)携帯電話システムとして位置づけられているLTE-Advancedに基づく構成を有する。
無線通信システム1は、セルC1を形成する無線基地局100Aと、セルC2を形成する無線基地局100Bとを有する。セルC1は、無線基地局100Aに接続可能な通信エリアであり、セルC2は、無線基地局100Bに接続可能な通信エリアである。無線基地局100A及び100Bは、例えば、半径が数百m程度のセルC1及びC2をそれぞれ形成するマクロ基地局である。
セルC1及びC2は一部が重複した状態で互いに隣接しており、以下においては、無線基地局100Bを適宜「リレーノード200の隣接基地局」と称する。なお、図1では2つの無線基地局を例示しているが、当該2つの無線基地局に隣接して、さらに他の無線基地局が設置されていてもよい。
無線基地局100A及び無線基地局100Bは、有線通信網であるバックホールネットワーク(不図示)を介して接続されており、直接的に基地局間通信を行うことができる。LTEにおいて、このような基地局間通信インタフェースは、X2インタフェースと称される。
無線基地局100Aには無線端末300A〜300Dとリレーノード200とが無線リンクを介して接続している。無線端末300A〜300Dは、無線基地局100Aと直接的に通信する。本実施形態における無線端末は、移動可能に構成されている。リレーノード200は、セルC1の端部であって、セルC2の近傍に設置されている。
リレーノード200には、無線端末300E〜300Gが無線リンクを介して接続している。リレーノード200は、無線端末300E〜300Gと無線基地局100Aとの通信を中継する無線中継局である。本実施形態では、リレーノード200は固定型のタイプであるものとする。
無線端末300E〜300Gは、リレーノード200を介して無線基地局100Aと間接的に通信を行う。このような中継伝送により、無線端末300E〜300Gは、セルC1の外側においても無線基地局100Aとの通信が可能である。以下においては、リレーノード200に接続する無線端末300E〜300Gを適宜「リレーノード200配下の無線端末」と称する。
無線基地局100Bには無線端末300H及び300Iが無線リンクを介して接続している。無線端末300H及び300Iは、無線基地局100Bと直接的に通信する。以下においては、無線基地局100A,100Bを区別しないときは単に「無線基地局100」と称し、無線端末300A〜300Iを区別しないときは単に「無線端末300」と称する。
図1の例では、無線基地局100Aと直接的又は間接的に通信する無線端末は7つであり、無線基地局100Bと通信する無線端末は2つである。このため、無線基地局100Aは無線基地局100Bと比較して負荷が高い状態にある。
無線基地局100Aの負荷が高い場合(例えば、無線基地局100Aが取り扱うトラフィックが多い場合など)においては、リレーノード200に割り当てられる無線リソースが少なくなるため、無線基地局100Aとリレーノード200との間の通信容量が少なくなり、リレーノード200と無線端末300E〜300Gとの間の通信容量も少なくなる。このため、無線端末300E〜300Gのスループットが低くなる。
第1実施形態においては、無線基地局100Aの負荷が高い場合には、図2に示すように、リレーノード200が無線基地局100Aから隣接基地局(無線基地局100B)へ接続先を切り替えるハンドオーバ(以下、リレーハンドオーバ)を実行することで、無線端末300E〜300Gのスループットが低くなることを回避する。
(1.2)リレーノードの構成
次に、第1実施形態に係るリレーノード200の構成について説明する。図3は、第1実施形態に係るリレーノード200の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、リレーノード200は、第1通信部210、第2通信部220、中継部230、制御部240、及び記憶部250を有する。
第1通信部210は、RF回路やBB回路等を用いて構成され、無線基地局100との間で無線信号の送受信を行う。第1通信部210は、送信データを符号化及び変調して送信信号に変換し、送信信号を増幅及びアップコンバートして無線信号に変換し、アンテナ211から送出する。第1通信部210は、アンテナ211が受信した無線信号を増幅及びダウンコンバートして受信信号に変換し、受信信号を復調及び復号して受信データに変換する。
また、第1通信部210は、第1通信部210が受信する無線信号の無線品質を測定する。無線品質とは、例えば無線基地局100が周期的に送信している参照信号の受信電界強度(RSSI)、又は当該参照信号の搬送波対干渉雑音比(CINR)等である。
第2通信部220は、RF回路やBB回路等を用いて構成され、無線端末300との間で無線信号の送受信を行う。第2通信部220は、送信データを符号化及び変調して送信信号に変換し、送信信号を増幅及びアップコンバートして無線信号に変換し、アンテナ221から送出する。第2通信部220は、アンテナ221が受信した無線信号を増幅及びダウンコンバートして受信信号に変換し、受信信号を復調及び復号して受信データに変換する。
中継部230は、第1通信部210と第2通信部220との間でデータを中継する。具体的には、中継部230は、第1通信部210からの受信データを第2通信部220に送信データとして中継し、第2通信部220からの受信データを第1通信部210に送信データとして中継する。
制御部240は、例えばCPUを用いて構成され、リレーノード200が具備する各種の機能を制御する。記憶部250は、例えばメモリを用いて構成され、リレーノード200の制御等に用いられる各種の情報を記憶する。
制御部240は、第1通信部210、第2通信部220及び中継部230のそれぞれを制御する。制御部240は、負荷算出部241、ハンドオーバ要求部242、及びハンドオーバ制御部243を有する。
負荷算出部241は、第2通信部220がリレーノード200配下の無線端末300と行う通信の負荷であるリレーノード負荷を定期的に算出する。ここでリレーノード負荷とは、例えば、第2通信部220における無線リソース(リソースブロック)の必要量、又は第2通信部220が送受信すべきデータ量(トラフィック量)である。リレーノード負荷は、リレーノード200の配下の無線端末の全体的な負荷であり、上りリンクにおける負荷であるか下りリンクにおける負荷であるかを問わない。
また、負荷算出部241は、第1通信部210が無線基地局100Aと行う通信の負荷である基地局負荷を定期的に算出する。基地局負荷とは、例えば、第1通信部210における無線リソース(リソースブロック)の使用可能量、又は第1通信部210が送受信可能なデータ量(トラフィック量)である。基地局負荷は、無線基地局100Aの負荷の状態に依存するものであり、上りリンクにおける負荷であるか下りリンクにおける負荷であるかを問わない。
リレーノード負荷が基地局負荷と比較して相対的に高い状態である場合には、リレーノード200配下の無線端末300のスループットは頭打ちになる。そこで、本実施形態では、リレーノード負荷が、基地局負荷に応じて定まる負荷許容量よりも高い場合に、ハンドオーバ要求部242は、リレーハンドオーバを実行するためのリレーハンドオーバ要求を送信するように第1通信部210を制御する。負荷許容量は、基地局負荷の値そのものであってもよく、基地局負荷の値よりも若干小さい値でもよい。
また、ハンドオーバ要求部242は、リレーノード負荷を示すリレーノード負荷情報をリレーハンドオーバ要求に含めて送信するように第1通信部210を制御する。これにより、リレーハンドオーバ要求の送信先は、受信したリレーハンドオーバ要求に基づいて、必要とされる負荷を把握可能になる。
なお、リレーハンドオーバ要求の送信先の指定方法には、次の2つの方法がある。
第1の送信先指定方法では、ハンドオーバ要求部242は、第1通信部210のハンドオーバ候補であるリレーハンドオーバ候補に宛ててリレーハンドオーバ要求を送信するように第1通信部210を制御する。リレーハンドオーバ候補とは、予め定められた無線基地局であってもよく、第1通信部210が測定した無線品質が良好な無線基地局(ただし、無線基地局100Aを除く)であってもよい。第1の送信先指定方法の場合、ハンドオーバ要求部242は、リレーハンドオーバ候補を識別する識別情報(DeNB PCID)をリレーハンドオーバ要求に含める。無線基地局100Aは、リレーハンドオーバ要求を受信すると、リレーハンドオーバ要求に含まれる識別情報によって識別される無線基地局へリレーハンドオーバ要求を転送する。
第2の送信先指定方法は、特定の無線基地局を指定するのではなく、無線基地局100Aの任意の隣接基地局を指定する方法である。この場合、リレーハンドオーバ要求を受信する無線基地局100Aが、リレーハンドオーバ要求の転送先を決めることになる。第2の送信先指定方法の場合、ハンドオーバ要求部242は、第1通信部210が測定した無線品質の情報をリレーハンドオーバ要求に含める。無線基地局100Aは、リレーハンドオーバ要求を受信すると、リレーハンドオーバ要求に含まれる無線品質の情報から、リレーノード200にとって無線品質の良好な無線基地局を特定し、特定した無線基地局へリレーハンドオーバ要求を転送する。
ハンドオーバ制御部243は、リレーハンドオーバを指示する旨のハンドオーバ指示を無線基地局100Aから第1通信部210が受信した場合に、リレーハンドオーバを実行するように第1通信部210を制御する。例えば、ハンドオーバ指示には、新たな接続先(以下、ハンドオーバ先)との通信に使用される情報(ハンドオーバ先の識別情報やチャネル情報等)が含まれている。
第1通信部210は、ハンドオーバ制御部243の制御により、無線基地局100Aとの通信を終了し、ハンドオーバ先との通信を開始する。第1通信部210がハンドオーバ先との通信を行う際には、中継部230は、ハンドオーバ先とリレーノード200配下の無線端末300との間で送受信されるデータを中継する。
(1.3)無線通信システムの動作
次に、第1実施形態に係る無線通信システム1の動作について説明する。図4は、第1実施形態に係る無線通信システム1の動作を示すシーケンス図である。ここでは、リレーノード200が無線基地局100Aから無線基地局100Bへのリレーハンドオーバを行う一例について説明する。
ステップS201において、リレーノード200の第1通信部210は、無線基地局100Aを接続先としており、無線基地局100Aとの通信を行う。
ステップS202において、リレーノード200の第2通信部220は、リレーノード200配下の無線端末300の接続先であり、リレーノード200配下の無線端末300との通信を行う。
ステップS203において、リレーノード200のハンドオーバ要求部242は、リレーノード負荷と負荷許容量とを比較する。リレーノード負荷が負荷許容量を超えた場合には、ステップS204においてリレーノード200のハンドオーバ要求部242は、リレーハンドオーバ要求を無線基地局100Aに送信するように第1通信部210を制御する。第1通信部210から送信されたリレーハンドオーバ要求は、無線リンクを介して無線基地局100Aにより受信される。
ステップS205において、無線基地局100Aは、上述した第1の送信先指定方法又は第2の送信先指定方法に従って、リレーハンドオーバ要求を無線基地局100Bに送信する。無線基地局100Bは、X2インタフェースを介してリレーハンドオーバ要求を受信する。
ステップS206において、無線基地局100Bは、受信したリレーハンドオーバ要求に基づいて、リレーノード200を受け入れるか否かを判定する。例えば無線基地局100Bは、無線基地局100Bの負荷に、リレーハンドオーバ要求から把握されるリレーノード負荷を足した結果が、予め定められた閾値以下である場合には、リレーノード200を受け入れると判定する。
リレーノード200を受け入れると判定した場合(ステップS207;YES)、ステップS208において無線基地局100Bは、リレーハンドオーバを指示する旨のハンドオーバコマンドを無線基地局100Aに送信する。無線基地局100AはX2インタフェースを介してハンドオーバコマンドを受信する。
ステップS209において、無線基地局100Aは、リレーハンドオーバを指示する旨のハンドオーバ指示をリレーノード200に送信する。リレーノード200の第1通信部210は、無線リンクを介してハンドオーバ指示を受信する。
ステップS210において、リレーノード200のハンドオーバ制御部243は、無線基地局100Bへのリレーハンドオーバを実行するように第1通信部210を制御する。
ステップS211において、リレーノード200の第1通信部210は、無線基地局100Bを新たな接続先(ハンドオーバ先)として、無線基地局100Bとの通信を行う。
(1.4)第1実施形態の効果
以上説明したように、第1実施形態によれば、リレーノード200は、リレーノード負荷が負荷許容量を超える場合に、リレーハンドオーバを実行するためのリレーハンドオーバ要求を無線基地局100Aに送信する。
リレーハンドオーバが無線基地局100Bに受け入れられる場合には、リレーノード200は、ハンドオーバ指示に応じて無線基地局100Bへのリレーハンドオーバを実行する。そして、リレーノード200は、ハンドオーバ先の無線基地局100Bと、リレーノード200配下の無線端末300との間で送受信されるデータを中継する。
これにより、リレーノード200が、無線基地局100Aよりも負荷の小さい無線基地局100Bへのハンドオーバを行うことができるため、ハンドオーバ後において、リレーノード200配下の無線端末300の通信容量を増やすことができ、リレーノード200配下の無線端末300のスループットを改善できる。
また、無線基地局100Aは、リレーノード200配下の無線端末300による負荷が削減されるため、無線基地局100Aと直接的に通信する無線端末300A〜300Dのスループットも改善される。
本実施形態では、リレーノード200は、リレーハンドオーバ候補に宛ててリレーハンドオーバ要求を送信する。このため、リレーハンドオーバ要求をリレーハンドオーバ候補まで伝達することができ、リレーハンドオーバ候補による受け入れ判断を仰ぐことができる。
本実施形態では、リレーノード200は、リレーノード負荷を示すリレーノード負荷情報をリレーハンドオーバ要求に含めて送信する。これにより、リレーハンドオーバ候補がリレーノード負荷を考慮して受け入れ判断を行うことができ、リレーハンドオーバ後におけるハンドオーバ先の負荷が高くなり過ぎることを防止できる。
なお、リレーノード200には複数の無線端末300が接続し得るため、リレーハンドオーバは無線基地局100Aの負荷の削減効果が大きい。また、リレーノード200は、セル端やカバレッジホールへの設置が前提とされており、高度な無線通信機能を持つため、ハンドオーバ後においても良好な通信を実現できる可能性が高い。
(2)第2実施形態
次に、第2実施形態について、(2.1)リレーノードの構成、(2.2)無線通信システムの動作、(2.3)第2実施形態の効果の順に説明する。ただし、第1実施形態と異なる点を説明し、重複する説明は省略する。
第2実施形態においては、図5に示すように、リレーノード200配下の無線端末300が無線基地局100Aから無線基地局100Aの隣接基地局(無線基地局100B等)へ接続先を切り替える端末ハンドオーバに関して主に説明する。
(2.1)リレーノードの構成
図6は、第2実施形態に係るリレーノード200の構成を示すブロック図である。
図6に示すように、第2実施形態に係るリレーノード200は、制御部240の構成が第1実施形態と異なる。また、第2通信部220は、リレーノード200配下の無線端末300のそれぞれが測定する無線品質の測定結果を示す測定結果通知を受信する。
制御部240は、負荷算出部241、ハンドオーバ要求部242及びハンドオーバ指示部244を有する。
負荷算出部241は、第1実施形態で説明した機能に加えて、リレーノード200配下の無線端末300毎の負荷である端末負荷を算出する機能を有する。端末負荷とは、リレーノード200配下の無線端末300のそれぞれと、第2通信部220との通信の個別の負荷である。
本実施形態では、ハンドオーバ要求部242は、リレーノード負荷が負荷許容量よりも高い場合に、リレーノード200配下の無線端末300の少なくとも1つが端末ハンドオーバを実行するための端末ハンドオーバ要求を無線基地局100Aに送信するように、第1通信部210を制御する。
端末ハンドオーバを実行する無線端末の数は、リレーノード負荷に応じて定めてもよい。例えば、リレーノード負荷が負荷許容量よりも低くなる最小限の無線端末に端末ハンドオーバを実行させることができる。そのような方法については、第4実施形態で説明する。
また、ハンドオーバ要求部242は、端末ハンドオーバを実行させる無線端末に対応する端末負荷を示す端末負荷情報を端末ハンドオーバ要求に含めて送信するように第1通信部210を制御する。
なお、端末ハンドオーバ要求の送信先の指定方法には、第1実施形態と同様に、次の2つの方法がある。
第1の送信先指定方法では、ハンドオーバ要求部242は、リレーノード200配下の無線端末300のハンドオーバ候補である端末ハンドオーバ候補に宛てて端末ハンドオーバ要求を送信するように第1通信部210を制御する。端末ハンドオーバ候補とは、予め定められた無線基地局であってもよく、第2通信部220が受信する測定結果通知が示す無線品質が良好な無線基地局(ただし無線基地局100Aを除く)であってもよい。第1の送信先指定方法の場合、ハンドオーバ要求部242は、端末ハンドオーバ候補を識別する識別情報(DeNB PCID)を端末ハンドオーバ要求に含める。無線基地局100Aは、端末ハンドオーバ要求を受信すると、端末ハンドオーバ要求に含まれる識別情報によって識別される無線基地局へ端末ハンドオーバ要求を転送する。
第2の送信先指定方法は、特定の無線基地局を指定するのではなく、無線基地局100Aの任意の隣接基地局を指定する方法である。この場合、端末ハンドオーバ要求を受信する無線基地局100Aが、端末ハンドオーバ要求の転送先を決めることになる。第2の送信先指定方法の場合、ハンドオーバ要求部242は、第2通信部220が受信する測定結果通知が示す無線品質の情報を端末ハンドオーバ要求に含める。無線基地局100Aは、端末ハンドオーバ要求を受信すると、端末ハンドオーバ要求に含まれる無線品質の情報から、リレーノード200配下の無線端末300にとって無線品質の良好な無線基地局を特定し、特定した無線基地局へ端末ハンドオーバ要求を転送する。
ハンドオーバ指示部244は、端末ハンドオーバを指示する旨のハンドオーバ指示を無線基地局100Aから第1通信部210が受信した場合に、受信したハンドオーバ指示に対応する端末ハンドオーバ指示をリレーノード200配下の無線端末300に送信するように第2通信部220を制御する。例えば、ハンドオーバ指示には、ハンドオーバ先との通信に使用される情報(ハンドオーバ先の識別情報やチャネル情報等)が含まれている。
端末ハンドオーバ指示を受信した無線端末300は、リレーノード200との通信を終了し、ハンドオーバ先との通信を開始する。
(2.2)無線通信システムの動作
次に、第2実施形態に係る無線通信システム1の動作について説明する。図7は、第2実施形態に係る無線通信システム1の動作を示すシーケンス図である。ここでは、リレーノード200配下の無線端末300Eがリレーノード200から無線基地局100Bへのリレーハンドオーバを行う一例について説明する(図5参照)。
ステップS201及びステップS202は第1実施形態と同様である。
ステップS203において、リレーノード200のハンドオーバ要求部242は、リレーノード負荷と負荷許容量とを比較する。リレーノード負荷が負荷許容量を超えた場合には、ステップS204においてリレーノード200のハンドオーバ要求部242は、無線端末300Eの負荷情報を含む端末ハンドオーバ要求を無線基地局100Aに送信するように第1通信部210を制御する。第1通信部210から送信された端末ハンドオーバ要求は、無線リンクを介して無線基地局100Aにより受信される。
ステップS205において、無線基地局100Aは、上述した第1の送信先指定方法又は第2の送信先指定方法に従って、端末ハンドオーバ要求を無線基地局100Bに送信する。無線基地局100Bは、X2インタフェースを介して端末ハンドオーバ要求を受信する。
ステップS206において、無線基地局100Bは、受信した端末ハンドオーバ要求に基づいて、無線端末300Eを受け入れるか否かを判定する。例えば無線基地局100Bは、無線基地局100Bの負荷に、端末ハンドオーバ要求から把握される無線端末300Eの負荷を足した結果が、予め定められた閾値以下である場合には、リレーノード200を受け入れると判定する。
無線端末300Eを受け入れると判定した場合(ステップS207;YES)、ステップS208において無線基地局100Bは、端末ハンドオーバを指示する旨のハンドオーバコマンドを無線基地局100Aに送信する。無線基地局100AはX2インタフェースを介してハンドオーバコマンドを受信する。
ステップS209において、無線基地局100Aは、端末ハンドオーバを指示する旨のハンドオーバ指示をリレーノード200に送信する。リレーノード200の第1通信部210は、無線リンクを介してハンドオーバ指示を受信する。
ステップS210において、リレーノード200のハンドオーバ制御部243は、受信したハンドオーバ指示に対応する端末ハンドオーバ指示を無線端末300Eに送信するように第2通信部220を制御する。無線端末300Eは、無線リンクを介してハンドオーバ指示を受信し、ハンドオーバ指示に従って端末ハンドオーバを行う(ステップS211)。
ステップS212において、無線端末300Eは、無線基地局100Bを新たな接続先(ハンドオーバ先)として、無線基地局100Bとの通信を行う。
(2.3)第2実施形態の効果
以上説明したように、第2実施形態によれば、リレーノード200は、リレーノード負荷が負荷許容量を超える場合に、端末ハンドオーバを実行するための端末ハンドオーバ要求を無線基地局100Aに送信する。無線基地局100Aは、端末ハンドオーバ要求を受信して無線基地局100Bに送信する。
端末ハンドオーバが無線基地局100Bに受け入れられる場合には、リレーノード200は、端末ハンドオーバを指示するハンドオーバ指示を受信し、ハンドオーバ指示をリレーノード200配下の無線端末300に送信する。ハンドオーバ指示を受信した無線端末300は端末ハンドオーバを実行する。
これにより、リレーノード200配下の無線端末300が負荷の小さい無線基地局100Bへのハンドオーバを行うことができるため、端末ハンドオーバ後において当該無線端末300の通信容量を増やすことができ、スループットを改善できる。
本実施形態では、リレーノード200は、端末ハンドオーバ候補に宛てて端末ハンドオーバ要求を送信する。このため、端末ハンドオーバ要求を端末ハンドオーバ候補まで伝達することができ、端末ハンドオーバ候補による受け入れ判断を仰ぐことができる。
本実施形態では、リレーノード200は、無線端末300毎の負荷を示す端末負荷情報を端末ハンドオーバ要求に含めて送信する。これにより、端末ハンドオーバ候補が端末負荷を考慮して受け入れ判断を行うことができ、端末ハンドオーバ後におけるハンドオーバ先の負荷が高くなり過ぎることを防止できる。
(3)第3実施形態
次に、第3実施形態について、(3.1)リレーノードの構成、(3.2)無線通信システムの動作、(3.3)第3実施形態の効果の順に説明する。ただし、第1実施形態及び第2実施形態と異なる点を説明し、重複する説明は省略する。
(3.1)リレーノードの構成
図8は、第3実施形態に係るリレーノード200の構成を示すブロック図である。
図8に示すように、第3実施形態に係るリレーノード200は、制御部240の構成が第1実施形態及び第2実施形態と異なる。
制御部240は、負荷算出部241、通知要求部245、ハンドオーバ決定部249、ハンドオーバ先決定部246、ハンドオーバ要求部242、ハンドオーバ制御部243及びハンドオーバ指示部244を有する。
負荷算出部241は第1実施形態及び第2実施形態と同様の機能を有する。
通知要求部245は、端末ハンドオーバ候補及びリレーハンドオーバ候補のそれぞれの負荷通知を要求するための負荷通知要求を送信するように第1通信部210を制御する。負荷通知要求には、上述した第1の送信先指定方法が適用されるものとする。
ハンドオーバ決定部249は、第1通信部210が受信する負荷通知に基づいて、端末ハンドオーバ又はリレーハンドオーバを実行するか否かを決定する。例えば、ハンドオーバ先決定部246は、端末ハンドオーバ候補及びリレーハンドオーバ候補のそれぞれの負荷が所定量より高い場合には、端末ハンドオーバ又はリレーハンドオーバの何れもを実行しないと決定する。
ハンドオーバ先決定部246は、第1通信部210が受信する負荷通知に基づいてハンドオーバ先を決定する。例えば、ハンドオーバ先決定部246は、負荷通知に基づいて、端末ハンドオーバ候補及びリレーハンドオーバ候補の中から負荷が最も小さい又は負荷が所定量よりも小さいものをハンドオーバ先として決定する。
ハンドオーバ要求部242は、リレーノード負荷が負荷許容量を超える場合であって、且つ端末ハンドオーバ又はリレーハンドオーバを実行すると決定されたときに、ハンドオーバ要求を送信する。ハンドオーバ要求部242は、ハンドオーバ先決定部246が決定したハンドオーバ先に宛ててハンドオーバ要求を送信するように第1通信部210を制御する。具体的には、ハンドオーバ要求部242は、決定したハンドオーバ先を識別する識別情報をハンドオーバ要求に含める。
ハンドオーバ制御部243は、リレーハンドオーバを指示する旨のハンドオーバ指示を第1通信部210が受信した場合に、リレーハンドオーバを実行するように第1通信部210を制御する。
ハンドオーバ指示部244は、端末ハンドオーバを指示する旨のハンドオーバ指示を第1通信部210が受信した場合に、端末ハンドオーバ指示をリレーノード200配下の無線端末300に送信するように第2通信部220を制御する。
その他の構成については、第1実施形態及び第2実施形態と同様である。
(3.2)無線通信システムの動作
図9は、第3実施形態に係る無線通信システム1の全体動作を示すシーケンス図である。
ステップS301及びS302は上述した実施形態と同様である。
リレーノード負荷が負荷許容量を超えた場合(ステップS303;YES)、ステップS304においてリレーノード200の通知要求部245は、端末ハンドオーバ候補及びリレーハンドオーバ候補のそれぞれの負荷通知を要求するための負荷通知要求を送信するように第1通信部210を制御する。第1通信部210は、負荷通知要求を無線基地局100Aに送信する。無線基地局100Aは無線リンクを介して負荷通知要求を受信する。
ステップS305において、無線基地局100Aは、受信した負荷通知要求に含まれる識別情報に基づいて、負荷通知要求を無線基地局100Bに送信する。無線基地局100BはX2インタフェースを介して負荷通知要求を受信する。
ステップS306において、無線基地局100Bは、無線基地局100Bの負荷を通知する負荷通知を無線基地局100Aに送信する。無線基地局100AはX2インタフェースを介して負荷通知を受信する。
ステップS307において、無線基地局100Aは、負荷通知をリレーノード200に送信する。リレーノード200の第1通信部210は無線リンクを介して負荷通知を受信する。
ステップS308において、リレーノード200のハンドオーバ決定部249、ハンドオーバ先決定部246は、端末ハンドオーバ候補及びリレーハンドオーバ候補のそれぞれのの中からハンドオーバ先を決定する。ここでは、無線基地局100Bがハンドオーバ先として決定されたものとする。
ステップS309において、リレーノード200のハンドオーバ要求部242は、決定されたハンドオーバ先に宛ててハンドオーバ要求を送信するように第1通信部210を制御する。第1通信部210は、ハンドオーバ要求を無線基地局100Aに送信する。無線基地局100Aは無線リンクを介してハンドオーバ要求を受信する。
ステップS310において、無線基地局100Aは、受信したハンドオーバ要求に含まれる、ハンドオーバ先の識別情報に基づいて、ハンドオーバ要求を無線基地局100Bに送信する。無線基地局100BはX2インタフェースを介してハンドオーバ要求を受信する。
ステップS311において、無線基地局100Bは、ハンドオーバを受け付ける旨のハンドオーバコマンドを無線基地局100Aに送信する。無線基地局100AはX2インタフェースを介してハンドオーバコマンドを受信する。
ステップS312において、無線基地局100Aは、ハンドオーバ指示をリレーノード200に送信する。リレーノード200の第1通信部210は無線リンクを介してハンドオーバ指示を受信する。
リレーノード200の第1通信部210が受信したハンドオーバ指示がリレーノード200に対するハンドオーバ指示である場合(ステップS313;YES)、ステップS314においてリレーノード200のハンドオーバ制御部243は、ハンドオーバ指示に従って、無線基地局100Aから無線基地局100Bへのリレーハンドオーバを行うように第1通信部210を制御する。
第1通信部210が受信したハンドオーバ指示がリレーノード200配下の無線端末300に対するハンドオーバ指示である場合(ステップS313;NO)、ステップS315においてリレーノード200のハンドオーバ指示部244は、該当する無線端末に対してハンドオーバ指示を送信するように第2通信部220を制御する。第2通信部220はハンドオーバ指示を送信する。ハンドオーバ指示を受信した、リレーノード200配下の無線端末300は、無線基地局100Aから無線基地局100Bへの端末ハンドオーバを実行する。
なお、本動作シーケンスにおいては、ステップS303のYESでリレーノード200が負荷通知要求を送信しているが、負荷通知要求の送信を定期的に行うとしてもよい。この場合、予めハンドオーバ候補の負荷状況を把握しておくことができ、ハンドオーバに係る処理を早期に完了させることができる。
(3.3)第3実施形態の効果
以上説明したように、リレーノード200は、第1通信部210が受信する負荷通知に基づいてハンドオーバ先を決定し、決定したハンドオーバ先に宛ててハンドオーバ要求を送信する。これにより、ハンドオーバ候補の負荷を考慮してハンドオーバ先を決定することで、適切なハンドオーバ先を決定可能になる。
本実施形態では、リレーノード200は、ハンドオーバ候補の中から負荷が最も小さい又は負荷が所定量よりも小さいハンドオーバ候補をハンドオーバ先として決定する。これにより、ハンドオーバ後におけるハンドオーバ先の負荷が高くなり過ぎることを防止できる。
本実施形態では、リレーノード200は、第1通信部210が受信する負荷通知に基づいてハンドオーバを実行するか否かを決定する。これにより、全てのハンドオーバ候補の負荷が高い状態においては当該ハンドオーバ候補へのハンドオーバを中止することができる。
(4)第4実施形態
次に、第4実施形態について、(4.1)リレーノードの構成、(4.2)無線通信システムの動作、(4.3)第4実施形態の効果の順に説明する。ただし、第1実施形態〜第3実施形態と異なる点を説明し、重複する説明は省略する。
(4.1)リレーノードの構成
図10は、第4実施形態に係るリレーノード200の構成を示すブロック図である。
図10に示すように、第4実施形態に係るリレーノード200は、制御部240の構成が第1実施形態〜第3実施形態と異なる。制御部240は、負荷算出部241、ハンドオーバ候補決定部247、通知要求部245、ハンドオーバ決定部249、端末決定部248、ハンドオーバ要求部242、ハンドオーバ制御部243、及びハンドオーバ指示部244を有する。ここでは、第3実施形態と異なる点について簡単に説明する。
ハンドオーバ決定部249は、負荷通知とリレーノード負荷とから、リレーハンドオーバ候補へのリレーハンドオーバを行った場合のリレーハンドオーバ候補の負荷を算出し、算出した負荷に基づいて、リレーハンドオーバを実行するか否かを決定する。ハンドオーバ要求部242は、リレーハンドオーバを実行すると決定された場合に、リレーハンドオーバ要求を送信するように第1通信部210を制御する。
端末決定部248は、リレーハンドオーバを実行しないと決定された場合に、リレーノード負荷と無線端末毎の負荷である端末負荷とに基づいて、リレーノード負荷が負荷許容量以下に維持されるように端末ハンドオーバを実行させる無線端末を少なくとも1つ決定する。
(4.2)無線通信システムの動作
次に、第4実施形態に係る無線通信システム1の動作について、(4.2.1)全体動作、(4.2.2)ハンドオーバ候補決定処理、(4.2.3)ハンドオーバ先決定処理の順で説明する。
(4.2.1)全体動作
図11は、第4実施形態に係る無線通信システム1の全体動作を示すシーケンス図である。
ステップS401〜S403は上述した実施形態と同様である。
ステップS404において、リレーノード200のハンドオーバ候補決定部247は、ハンドオーバ候補を決定する。ここで、無線基地局100Bがハンドオーバ候補として決定されたものとする。ステップS404の詳細については後述する。
ステップS405において、リレーノード200の通知要求部245は、ハンドオーバ候補の負荷を通知する負荷通知を要求するための負荷通知要求を送信するように第1通信部210を制御する。第1通信部210は、負荷通知要求を無線基地局100Aに送信する。無線基地局100Aは無線リンクを介して負荷通知要求を受信する。
ステップS406において、無線基地局100Aは、受信した負荷通知要求に含まれる識別情報に基づいて、負荷通知要求を無線基地局100Bに送信する。無線基地局100BはX2インタフェースを介して負荷通知要求を受信する。
ステップS407において、無線基地局100Bは、無線基地局100Bの負荷を通知する負荷通知を無線基地局100Aに送信する。無線基地局100AはX2インタフェースを介して負荷通知を受信する。
ステップS408において、無線基地局100Aは、負荷通知をリレーノード200に送信する。リレーノード200の第1通信部210は無線リンクを介して負荷通知を受信する。
ステップS409において、リレーノード200のハンドオーバ決定部249、ハンドオーバ先決定部246及び端末決定部248は、リレーノード200及びリレーノード200配下の無線端末300の中から、ハンドオーバさせるノード(無線端末又はリレーノード)とハンドオーバ先とを決定する。ここでは、無線基地局100Bがハンドオーバ先として決定されたものとする。ステップS409の詳細については後述する。
ステップS410において、リレーノード200のハンドオーバ要求部242は、決定されたハンドオーバ先に宛ててハンドオーバ要求を送信するように第1通信部210を制御する。第1通信部210は、ハンドオーバ要求を無線基地局100Aに送信する。無線基地局100Aは無線リンクを介してハンドオーバ要求を受信する。
ステップS411において、無線基地局100Aは、受信したハンドオーバ要求に含まれる、ハンドオーバ先の識別情報に基づいて、ハンドオーバ要求を無線基地局100Bに送信する。無線基地局100BはX2インタフェースを介してハンドオーバ要求を受信する。
ステップS412において、無線基地局100Bは、ハンドオーバを受け付ける旨のハンドオーバコマンドを無線基地局100Aに送信する。無線基地局100AはX2インタフェースを介してハンドオーバコマンドを受信する。
ステップS413において、無線基地局100Aは、ハンドオーバ指示をリレーノード200に送信する。リレーノード200の第1通信部210は無線リンクを介してハンドオーバ指示を受信する。
リレーノード200の第1通信部210が受信したハンドオーバ指示がリレーノード200に対するハンドオーバ指示である場合(ステップS414;YES)、ステップS415においてリレーノード200のハンドオーバ制御部243は、ハンドオーバ指示に従って、無線基地局100Aから無線基地局100Bへのリレーハンドオーバを行うように第1通信部210を制御する。
第1通信部210が受信したハンドオーバ指示がリレーノード200配下の無線端末300に対するハンドオーバ指示である場合(ステップS414;NO)、ステップS416においてリレーノード200のハンドオーバ指示部244は、該当する無線端末に対してハンドオーバ指示を送信するように第2通信部220を制御する。第2通信部220はハンドオーバ指示を送信する。ハンドオーバ指示を受信した、リレーノード200配下の無線端末300は、無線基地局100Aから無線基地局100Bへの端末ハンドオーバを実行する。
(4.2.2)ハンドオーバ候補決定処理
次に、ハンドオーバ候補決定処理、すなわち図11のステップS404の詳細について説明する。図12は、図11のステップS404の詳細を示すフローチャートである。
リレーノード200の第1通信部210は、受信する無線信号の無線品質を測定し、測定結果をハンドオーバ候補決定部247に通知している。ステップS501においてハンドオーバ候補決定部247は、無線基地局100A以外の無線基地局のうち無線品質が最も良好なものをハンドオーバ候補の第1候補(リレーハンドオーバ候補)として決定する。ただし、無線基地局100A以外の無線基地局について無線品質が測定できない場合、又は測定できても所定の品質以下である場合には、第1候補は無しとする。
リレーノード200の第2通信部220は、リレーノード200配下の無線端末300が受信する無線信号の無線品質の測定結果を示す測定結果通知を定期的にリレーノード200配下の無線端末300から受信している。ステップS502においてハンドオーバ候補決定部247は、第2通信部220が受信した測定結果通知に基づいて、リレーノード200配下の無線端末300のそれぞれのハンドオーバ候補を決定する。具体的には、リレーノード200配下の無線端末300のそれぞれについて最も無線品質の良い無線基地局をハンドオーバ候補とする。無線基地局についての無線品質が測定できない場合、又は測定できても所定の品質以下である場合には、その無線端末に対するハンドオーバ候補は無しとする。
ステップS503において、ハンドオーバ候補決定部247は、ステップS502で列挙されたハンドオーバ候補に対して無線品質が良い順に第2候補、第3候補、・・・第N候補として優先順位を付ける。
ステップS501〜ステップS503の処理により、第1候補〜第N候補が決定される。
(4.2.3)ハンドオーバ先決定処理
次に、ハンドオーバ先決定処理、すなわち図11のステップS409の詳細について説明する。図13は、ステップS409の詳細を示すフローチャートである。
ステップS601において、負荷算出部241は、リレーノード200配下の無線端末300のそれぞれの負荷(端末負荷)を算出する。
ステップS602において、負荷算出部241及びハンドオーバ決定部249は、ステップS408で受信した負荷通知に対応する第1候補の負荷とリレーノード負荷とに基づき、リレーノード200が第1候補へハンドオーバを実行した場合の第1候補の負荷を算出する。
ステップS603において、ハンドオーバ決定部249は、ステップS602で算出されたハンドオーバ先の負荷に基づいて、第1候補にリレーノード200がハンドオーバ可能か否かを判定する。例えば、ハンドオーバ決定部249は、第1候補の負荷が所定値以下である場合にはハンドオーバ可能とし、それ以外の場合にはハンドオーバ不可とする。
第1候補にハンドオーバ可能と判定された場合、ハンドオーバ先決定部246は、第1候補をリレーノード200のハンドオーバ先として決定する。第1候補にハンドオーバ不可と判定された場合、リレーノード200のハンドオーバは諦め、ステップS604以降においてリレーノード200配下の無線端末300毎のハンドオーバの判定を行う。
ステップS605において、候補を示すnを2とする。
ステップS606において負荷算出部241及びハンドオーバ決定部249は、第n候補(ここでは第2候補)に対応する無線端末の端末負荷と、ステップS408で受信した負荷通知に対応する第n候補の負荷とに基づいて、第n候補に対応する無線端末が第n候補にハンドオーバした場合の第n候補の負荷を算出する。
ステップS606において、ハンドオーバ決定部249は、ステップS656で算出された第n候補の負荷に基づいて、第n候補に対応する無線端末が第n候補にハンドオーバ可能か否かを判定する。例えば、ハンドオーバ制御部132は、算出された第n候補の負荷が所定値以下である場合にはハンドオーバ可能とし、それ以外の場合にはハンドオーバ不可とする。第n候補にハンドオーバ可能と判定された場合、ハンドオーバ先決定部246は、第n候補を当該無線端末のハンドオーバ先として決定する。
ステップS607において端末決定部248は、当該無線端末がハンドオーバ先(第n候補)にハンドオーバすることによって、リレーノード200のリレーノード負荷が所定値以下となるか否かを判定する。リレーノード負荷が所定値以下となる場合、端末決定部248は当該無線端末をハンドオーバさせるノードとして決定し、ハンドオーバ先決定部246は第n候補をハンドオーバ先として決定し、処理を終える。
一方、第n候補にハンドオーバ不可と判定された場合、ハンドオーバ決定部249は、ステップS608においてn = n + 1とし、次の候補についての判定処理に進む。
ステップS609において、全ての候補について処理が完了したか否かを判定し、処理が完了していない候補がある場合には処理がステップS605に戻る。
全ての候補について処理が完了した場合(ステップS609;NO)であって、それまでの処理でハンドオーバ先が決定されているときには、端末決定部248は、決定されているハンドオーバ先に対応する無線端末をハンドオーバさせるノードとして決定する。全ての候補について処理が完了した場合(ステップS609;NO)であって、それまでの処理でハンドオーバ先が決定されていないときには、ハンドオーバ先無しとして処理を終える。
なお、ステップS607のYESとなって処理を終えた場合はリレーノード200の負荷が所定値以下となっているが、ステップS607のNOとなって処理を終えた場合はリレーノード200の負荷は所定値以下となっていない。リレーノード200配下の無線端末300を端末ハンドオーバ候補へハンドオーバさせ、リレーノード200の負荷を下げた状態であればリレーノード200をリレーハンドオーバ候補にハンドオーバさせることが可能となる場合にはこのようにしても良い。
(4.3)第4実施形態の効果
以上説明したように第4実施形態によれば、リレーノード200は、リレーハンドオーバ後のリレーハンドオーバ候補の負荷を事前に算出し、算出した負荷が許容される程度の負荷であればリレーハンドオーバを実行させ、リレーハンドオーバ後の負荷が許容できない程度の負荷であればリレーハンドオーバを実行させないようにすることができる。
リレーハンドオーバはハンドオーバ先での負荷を急増させてしまうことに繋がる。従って、リレーノード200は、無線基地局100Bの負荷が高いような状況下では、無線基地局100Bへのリレーハンドオーバではなく、代わりにリレーノード200配下の無線端末300毎の端末ハンドオーバを実行させる。
その際、リレーノード200は、リレーノード負荷が所定値以下になるように、リレーノード200配下の無線端末300の中から少なくとも1つの無線端末をハンドオーバさせる。これにより、端末ハンドオーバ後におけるリレーノード200の負荷とハンドオーバ先の負荷とのバランスが最適になるように、ハンドオーバさせる無線端末を決定できる。
(5)その他の実施形態
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。例えば、第1実施形態〜第4実施形態及びその他の実施形態のそれぞれは、相互に組み合わせて実施しても構わない。
以下においては、上述した各実施形態の変更例について説明する。
(5.1)変更例1
上述した各実施形態では、ステップS103,S203,S303,S403において、リレーノード負荷が負荷許容量を超えるか否かの判定を行っていた。しかしながら、このような判定に限らず、次のような判定を行ってもよい。
例えば、リレーノード負荷が急激に増加するような場合には、リレーノード負荷が負荷許容量を超える前の段階であっても、リレーノード負荷が負荷許容量を超えると予測して、ハンドオーバ要求や負荷通知要求等の処理へ移行してもよい。例えば、単位時間当たりのリレーノード負荷の増加量が所定の増加量を超える場合に、リレーノード負荷が負荷許容量を超えると予測できる。このような方法により、上述した実施形態に係るハンドオーバ処理をより早期に開始できる。
あるいは、リレーノード負荷が負荷許容量を超えると予測する方法として、次のような方法も採用できる。リレーノード200が第1通信部210から受信したデータは、第2通信部220から送信される前に送信バッファとしての記憶部250に一旦記憶されるが、第2通信部220が使用可能な無線リソースが少なく、第2通信部220が送受信可能なデータ量が少ない場合には、送信バッファとしての記憶部250にデータが蓄積されることになる。このため、送信バッファのデータ蓄積量が所定量を超えたといった予測基準により、リレーノード負荷が負荷許容量を超えると予測してもよい。
(5.2)変更例2
上述した第2実施形態〜第4実施形態では、リレーノード200配下の無線端末300それぞれの負荷及び無線品質を考慮して端末ハンドオーバに係る処理を行っていたが、リレーノード200配下の無線端末300それぞれのバッテリ残量をさらに考慮して端末ハンドオーバに係る処理を行ってもよい。
具体的には、第2通信部220は、リレーノード200配下の無線端末300のバッテリ残量を示すバッテリ通知を無線端末毎に受信する。端末決定部248は、第2通信部220が受信したバッテリ通知に基づいて、バッテリ残量が多い無線端末を優先して端末ハンドオーバを実行させる無線端末として決定する。
例えば、端末決定部248は、図12のステップS503において、バッテリ残量を元にハンドオーバ候補の優先付けを行っても良い。バッテリ残量の少ない無線端末300は無線基地局100Aよりも近くにあるリレーノード200に接続している方が送信電力が小さくて済むため、バッテリ残量の少ない無線端末300のバッテリセービングにつなげることができる。
(5.3)変更例3
上述した実施形態では、リレーノード200が固定型のタイプであるものと説明したが、移動可能に構成されていてもよい。また、上述した実施形態では、リレーノード200の無線品質を考慮してリレーノード200のハンドオーバ候補又はハンドオーバ先を決定していたが、固定型のリレーノード200についてはハンドオーバ候補又はハンドオーバ先を予め決定しておいてもよい。
(5.4)変更例4
上述した各実施形態では、リレーノード200及びリレーノード200配下の無線端末300が隣接基地局(無線基地局100B)へのハンドオーバを行うケースを例示したが、リレーノード200及びリレーノード200配下の無線端末300のハンドオーバ先は無線基地局に限らず、リレーノードであってもよい。リレーノード200が他のリレーノードへのハンドオーバを行う場合、リレーノード200の第1通信部210は当該他のリレーノードを接続先として当該他のリレーノードとの通信を行う。
(5.5)変更例5
上述した各実施形態では、リレーノード200が無線基地局100Aからハンドオーバ指示を受信するケースを例示したが、このような強制力の強いハンドオーバ指示に代えて、ハンドオーバを許可する旨のメッセージとしてもよい。
このように本発明は、ここでは記載していない様々な実施形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によってのみ限定されるものである。