JP2011154875A - 配線用遮断器の無停電試験装置および無停電試験方法 - Google Patents

配線用遮断器の無停電試験装置および無停電試験方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 負荷電流の供給を維持した状態で、配線用遮断器の過電流遮断機能試験を実施する。
【解決手段】 配電線PLと負荷3との間に設置される配線用遮断器2の過電流遮断機能試験を実施する無停電試験装置1であって、試験電流dtを供給する低電圧大電流絶縁式電源11と、低電圧大電流絶縁式電源11による電圧を検出する電圧検出手段12と、電圧検出手段12で検出した電圧が所定の電圧以上になると、低電圧大電流絶縁式電源11を遮断する電源遮断手段13と、配線用遮断器2と低電圧大電流絶縁式電源11との接続を切り替える切替手段14と、配線用遮断器2が試験電流dtにより遮断されると、配線用遮断器2に接続された負荷3に配電線PLから負荷電流dを供給するバイパス回路15とを備える。
【選択図】 図1

Description

この発明は、電線と負荷との間に設置される配線用遮断器の過電流遮断機能試験を実施する配線用遮断器の無停電試験装置および無停電試験方法に関する。
配線用遮断器(MCCB:Molded Case Circuit Breaker、NFB:No Fuse Breakerなど。)は、電線と負荷との間に設置され、短絡などにより負荷側に異常な電流が流れた時に、回路を遮断することで負荷や電線などを損傷から保護するものである。この配線用遮断器の遮断機能が正常であるか否かを判定するため、過電流遮断機能試験を実施する必要がある。過電流遮断機能試験は、配線用遮断器の主回路へ大電流を通電するので、配線用遮断機に接続されている電気機器などの負荷を損傷などの被害から保護するためには、配線用遮断器に接続されている負荷を切り離し、専用の試験装置を用いて実施しなければならない(例えば、特許文献1参照。)。
特開2008−271682号公報
しかし、上記の試験を実施するために、配線用遮断器に接続されている負荷を切り離したり、取り付けしたりする際には、負荷側の回路全体を停電する必要がある。このため、防災設備などの停電が困難な回路に用いられる配線用遮断器の過電流遮断機能試験は、実施が困難な状況にある。その結果、配線用遮断器の遮断特性の劣化状態を把握することが困難になり、遮断特性が劣化している場合には、そのような配線用遮断器が継続して使用される状態となってしまう恐れがある。
また、配線用遮断機を主回路に接続した状態で配線用遮断器の過電流遮断機能試験を実施可能な場合であっても、配線用遮断器が試験電流により遮断した場合には、配線用遮断器に接続された負荷側の回路全体が停電してしまう。
そこでこの発明は、配線用遮断器に接続された負荷への負荷電流の供給を維持した状態で、過電流遮断機能試験が実施可能な配線用遮断器の無停電試験装置および無停電試験方法を提供することを目的とする。
前記の課題を解決するために、請求項1の発明は、電線と負荷との間に設置される配線用遮断器の過電流遮断機能試験を実施する無停電試験装置であって、前記配線用遮断器に試験電流を供給する試験電源供給手段と、前記試験電源供給手段による電圧を検出する電圧検出手段と、前記電圧検出手段で検出した電圧が所定の電圧以上になると、前記試験電源供給手段を遮断する電源遮断手段と、前記配線用遮断器と前記試験電源供給手段との接続を切り替える切替手段と、前記配線用遮断器が前記試験電流により遮断されると、前記配線用遮断器に接続された負荷に前記電線から負荷電流を供給するバイパス手段と、を備えることを特徴とする。
請求項2の発明は、電線と負荷との間に設置される配線用遮断器の過電流遮断機能試験を実施する無停電試験方法であって、配線用遮断器に試験電流を供給し、配線用遮断器が試験電流により遮断されると、配線用遮断器に接続された負荷に前記電線から負荷電流をバイパスして供給し、前記試験電流が流れることで発生する電圧が所定値以上になると、試験電流の供給を遮断する、ことを特徴とする。
これらの発明によれば、負荷が接続された配線用遮断器の過電流遮断機能試験を実施し、配線用遮断機が動作して負荷側の回路が遮断されると、配線用遮断器に接続された負荷に電線から負荷電流がバイパス供給される。
請求項1および2に記載の発明によれば、前記試験電流が流れる回路において所定値以上の電圧が検出されると、前記試験電流の供給を遮断するので、配線用遮断器に接続されている負荷に大電流が流れる恐れがない。このため、配線用遮断器に接続されている負荷が損傷する恐れがないので、配線用遮断器に接続されている負荷を取り外さずに、配線用遮断器の過電流遮断機能試験を実施することができる。
また、過電流遮断機能試験の実施中に配線用遮断器が動作し遮断しても、配線用遮断器に接続された負荷に対して電線から負荷電流がバイパス供給されるため、負荷が停電することがない。このため、配線用遮断器の過電流遮断機能試験に伴う停電対策などが不要となり、防災設備に電力を供給している電気回路などの停電が困難で重要な回路に使用されている配線用遮断器についても、過電流遮断機能試験を容易に実施することができる。
この発明の実施の形態に係る配線用遮断器の無停電試験装置の概略構成図である。 図1の無停電試験装置における正極側の過電流遮断機能試験の初期状態を示す回路図である。 図2の状態に続く過電流遮断機能試験における配線用遮断器の正極側が先行して遮断した時点の状態を示す回路図である。 図3の状態に続く過電流遮断機能試験における配線用遮断器が完全に遮断した時点の状態を示す回路図である。 図4の状態に続く過電流遮断機能試験における試験電流遮断の状況を説明する回路図である。 図1の無停電試験装置における負極側の過電流遮断機能試験の初期状態を示す回路図である。
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
図1は、この実施の形態に係る配線用遮断器の無停電試験装置1の概略構成図であり、図2〜6は、この無停電試験装置1による試験方法を示す図である。
無停電試験装置1は、配電線(電線)PLと負荷3との間に設置された配線用遮断器2の過電流遮断機能試験を行う装置であり、主として、試験電流dtを供給する低電圧大電流絶縁式電源(試験電源供給手段)11と、低電圧大電流絶縁式電源11の電圧を検出する電圧検出手段12と、所定値以上の電圧が検出された場合に低電圧大電流絶縁式電源11を遮断する電源遮断手段13と、配線用遮断器2の試験極(正極、負極)と低電圧大電流絶縁式電源11との接続を切り替える切替手段14と、配電線PLからの負荷電流dを負荷3に供給するバイパス回路(バイパス手段)15とを備えている。ここで、この実施の形態では、配線用遮断器2の定格電流として例えば5A、接点インピーダンスとして例えば50mΩを想定している。
無停電試験装置1は、電源端子T1、T2を介して商用電源(電力供給源)に接続され、商用電源からの電力が第1の開閉器CB1を介して低電圧大電流絶縁式電源11に供給されるようになっている。この低電圧大電流絶縁式電源11は、商用電源からの電力を過電流遮断機能試験に適合した電圧、電流に変換して、試験電流dtを出力するものであり、この実施の形態では、例えば定格電圧を略5V以下、定格電流を略100Aと想定している。また、装置1への逆電流防止回路を備えている。
このような低電圧大電流絶縁式電源11が、第2の開閉器CB2と第3の開閉器CB3を介して切替手段14に接続されている。また、低電圧大電流絶縁式電源11と並列に、かつ、第2の開閉器CB2と第3の開閉器CB3との間に、電圧検出手段12が接続されている。この電圧検出手段12は、低電圧大電流絶縁式電源11の電圧を検出するための低抵抗素子であり、この実施の形態では、例えば略1Ωに設定されている。このようにして、低電圧大電流絶縁式電源11と、電圧検出手段12と、切替手段14とが並列に接続されている。
電源遮断手段13は、電圧検出手段12に並列に接続され、変換回路(A/D:Analog/Digital)と、演算装置であるマイクロプロセッサ(MPU:Microprocessor)とから構成されている。この電源遮断手段13は、電圧検出手段12において所定値(例えば上記の想定で3V)以上の電圧が検出された場合に、後述するようにして、開閉器CB1〜CB3を遮断するよう制御信号を送信するものである。
切替手段14は、第1の切替スイッチSW1と第2の切替スイッチSW2とからなり、切替スイッチSW1およびSW2を切り替えることで、試験電流dtの方向、つまり試験回路を正極側または負極側に切り替えられるようになっている。具体的には、第1の切替スイッチSW1は、負荷側正極端子P2に接続された正極側端子SW11と、電線側負極端子N1に接続された負極側端子SW12と、ニュートラル端子SW13とを備えている。同様に、第2の切替スイッチSW2は、電線側正極端子P1に接続された正極側端子SW21と、負荷側負極端子N2に接続された負極側端子SW22と、ニュートラル端子SW23とを備えている。
さらに、この切替手段14と端子P1、N1、P2、N2との間に、バイパス回路15が接続されている。すなわち、このバイパス回路15は、第4の遮断器CB4と、電線側正極端子P1側から負荷側正極端子P2側への電流の流れのみを許容する正極側ショットキーバリアダイオードSBDPと、負荷側負極端子N2側から電線側負極端子N1側への電流の流れのみを許容する負極側ショットキーバリアダイオードSBDNとを備えている。そして、ダイオードSBDPと第4の遮断器CB4とを介して、電線側正極端子P1と負荷側正極端子P2とが接続され、ダイオードSBDNと第4の遮断器CB4とを介して、電線側負極端子N1と負荷側負極端子N2とが接続されている。ここで、第4の遮断器CB4は、配線用遮断器2の定格遮断容量に適合するものが選択されている。
次に、このような構成の配線用遮断器の無停電試験装置1の作用および、この実施の形態に係る配線用遮断器の無停電試験方法について説明する。まず、配線用遮断器2の正極側接点の過電流遮断機能試験について説明する。ここで、配電線PLと配線用遮断器2、および配線用遮断器2と負荷3とは、正極側電線LPと負極側電線LNとによって接続されているものとする。
最初に、配線用遮断器2に接続されている負荷3を可能な範囲で停止し、過電流遮断機能試験の実施中に配線用遮断器2へ流れる負荷電流dが最小になるようにする。次に、無停電試験装置1のすべての開閉器CB1〜CB4を開放した状態で、切替手段14の第1の切替スイッチSW1および第2の切替スイッチSW2を正極側端子SW11、SW21に切り替える。そして、低電圧大電流絶縁式電源11の出力を10Aに設定する。次に、試験装置1の電線側正極端子P1と、配線用遮断器2の正極側電線LP側の配電線PL側とを試験線4で接続し、電線側負極端子N1と配線用遮断器2の負極側電線LN側の配電線PL側とを試験線4で接続する。同様に、試験装置1の負荷側正極端子P2と、配線用遮断器2の正極側電線LP側の負荷3側とを試験線4で接続し、負荷側負極端子N2と配線用遮断器2の負極側電線LN側の負荷3側とを試験線4で接続する。
このような状態で、第1の開閉器CB1を投入して低電圧大電流絶縁式電源11を充電し、第3の開閉器CB3および第4の開閉器CB4を投入する。このときバイパス回路15にはダイオードSBDP、SBDNが直列に接続されていて、配線用遮断器2よりインピーダンスが高いため、負荷電流dの大部分は配線用遮断器2に流れる。
続いて、図2に示すように、第2の開閉器CB2を投入し、配線用遮断器2の正極側接点に試験電流dtを通電する。このとき、上記のような想定例の場合、試験回路の抵抗値は、電圧検出手段12の抵抗値である1Ωと、配線用遮断器2の接点インピーダンスである50mΩとの並列抵抗値である0.0476Ωとなる。このため、設定した電流である10Aを流すために、低電圧大電流絶縁式電源11の出力電圧は0.476Vとなる。また、電圧検出手段12の両端にかかる電圧は0.476Vとなり、電源遮断手段13のMPUで設定した遮断電圧である3V未満であるため、遮断器CB1〜CB3の不要な遮断動作は発生しない。また、パイパス回路15に直列に接続されたダイオードSBDP、SBDNの整流作用により、試験電流dtはバイパス回路15には流れない。
次に、低電圧大電流絶縁式電源11より出力された試験電流dt(10A)は、配線用遮断器2の正極側接点へ略9.5A(={1Ω/(1Ω+0.05Ω)}×10A)通電され、定格電流である5Aを大きく上回るため、図3に示すように、配線用遮断器2の正極側接点が遮断する。この実施の形態では正極側接点が先行して遮断した例で説明するが、機械的な構造により負極側接点が先行して遮断した場合であっても同様である。
図3は、配線用遮断器2の正極側接点が先行して遮断した時点を示した図である。このとき、正極側の負荷電流dは、正極側電線LPより正極側ショットキーバリアダイオードSBDPからCB4を介して負荷3へ流れる。一方、負極側の負荷電流dは、配線用遮断器2の負極側接点は遮断していないため、負荷3から配線用遮断器2を介して負極側電線LNに流れる。このようにして、配線用遮断器2の正極側接点が先行して遮断した場合であっても、負荷電流dの供給が維持される。また、正極側接点が先行して遮断されると、配線用遮断器2は一瞬不揃い状態になるが、機械的なラッチが外れているため負極側接点も時間を置くことなく遮断され、配線用遮断器2は完全に遮断される。
そして、配線用遮断器2が完全に遮断した後は、図4に示すように、負荷電流dは、正極側電線LPより正極側ショットキーバリアダイオードSBDPからCB4を介して負荷3へ流れ、さらに、負荷3よりCB4から負極側ショットキーバリアダイオードSBDNを介して負極側電線LNへ流れる。このようにして、配線用遮断器2が完全に遮断した場合であっても、負荷3側への負荷電流dの供給が維持される。
さらに、配線用遮断器2が完全に遮断した後は、図5に示すように、低電圧大電流絶縁式電源11から出力される電流10Aはすべて電圧検出手段12を流れることになり、低電圧大電流絶縁式電源11に係る電圧(電源遮断手段13へ入力される電圧)は、電源遮断手段13のMPUに設定されている遮断電圧3Vより大きくなるため、電源遮断手段13のMPUから第3の開閉器CB3へ遮断信号が出力される。続いて、電源遮断手段13のMPUから第1の開閉器CB1へ遮断信号が出力された後に、電源遮断手段13のMPUから第2の開閉器CB2へ遮断信号が出力され、試験電流dtの通電が停止される。
一方、配線用遮断器2の負極側接点を過電流遮断機能試験する場合には、無停電試験装置1のすべての開閉器CB1〜CB4を開放した状態で、切替手段14の第1の切替スイッチSW1および第2の切替スイッチSW2を負極側端子SW12、SW22に切り替える。そして、上記正極側の場合と同様の手順によって(図6参照)、過電流遮断機能試験を行うものである。図6は、開閉器CB1〜CB4が順次投入され、配線用遮断器2の負極側接点に試験電流dtを通電した初期状態を示している。
以上のように、この配線用遮断器2の無停電試験装置1および無停電試験方法によれば、配線用遮断器2が通電された状態で、過電流遮断機能試験を実施することが可能となる。
また、配線用遮断器2が動作し遮断しても、負荷3へ負荷電流dを継続して供給することができるので、配線用遮断器2に接続されている負荷3が停電することがない。このため、配線用遮断器2の過電流遮断機能試験に伴う停電対策などが不要となり、防災設備に供給している電気回路など停電が困難で重要な回路に使用されている配線用遮断器2についても、過電流遮断機能試験を容易に実施することができる。この結果、配線用遮断器2の劣化状態を把握することができるようになり、配線用遮断器2を含む電気設備の安全性をより高めることが可能となる。
さらに、配線用遮断器3の試験極を切替手段14のスイッチ操作のみで切り替えることができるので、試験極の切替時に、作業員が配電線PLなどの活線で試験線4の接続を切り替える作業が不要になる。このため、危険を伴う作業を低減できるので、作業者の熟練度に関わらず試験を実施することができ、また、試験時間を短縮することもできる。
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の趣旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、上記の実施の形態1では、バイパス回路15の整流素子としてショットキーバリアダイオードとして説明したが、ダイオードなどの整流作用をもつ電子素子であればよい。
1 無停電試験装置
2 配線用遮断器
3 負荷
4 試験線
11 低電圧大電流絶縁式電源(試験電源供給手段)
12 電圧検出手段
13 電源遮断手段
14 切替手段
15 バイパス回路(バイパス手段)
CB1 第1の開閉器
CB2 第2の開閉器
CB3 第3の開閉器
CB4 第4の開閉器
SW1 第1の切替スイッチ
SW2 第2の切替スイッチ
T1 試験電源側端子
T2 試験電源側端子
P1 電線側正極端子
N1 電線側負極端子
P2 負荷側正極端子
N2 負荷側負極端子
PL 配電線(電線)
LP 正極側電線
LN 負極側電線

Claims (2)

  1. 電線と負荷との間に設置される配線用遮断器の過電流遮断機能試験を実施する無停電試験装置であって、
    前記配線用遮断器に試験電流を供給する試験電源供給手段と、
    前記試験電源供給手段による電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記電圧検出手段で検出した電圧が所定の電圧以上になると、前記試験電源供給手段を遮断する電源遮断手段と、
    前記配線用遮断器と前記試験電源供給手段との接続を切り替える切替手段と、
    前記配線用遮断器が前記試験電流により遮断されると、前記配線用遮断器に接続された負荷に前記電線から負荷電流を供給するバイパス手段と、を備えることを特徴とする配線用遮断器の無停電試験装置。
  2. 電線と負荷との間に設置される配線用遮断器の過電流遮断機能試験を実施する無停電試験方法であって、
    前記配線用遮断器に試験電流を供給し、
    前記配線用遮断器が前記試験電流により遮断されると、前記配線用遮断器に接続された負荷に前記電線から負荷電流をバイパスして供給し、
    前記試験電流が流れることで発生する電圧が所定値以上になると、前記試験電流の供給を遮断する、ことを特徴とする配線用遮断器の無停電試験方法。
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