JP2011153841A - 腐食リスク調査方法および腐食リスク調査装置 - Google Patents

腐食リスク調査方法および腐食リスク調査装置 Download PDF

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Abstract

【課題】対象とする設備の腐食リスク調査を、多くの手間を必要とせずに、より容易に正確に行えるようにする。
【解決手段】腐食リスク調査装置は、測定対象となる屋外設備の表面にX線を照射して屋外設備の表面に付着している腐食原因物質を構成している元素からの蛍光X線強度を測定する蛍光X線測定部101と、蛍光X線測定部101により測定された蛍光X線強度から、上記屋外設備の表面に付着している腐食原因物質の付着量を算出する付着量算出部102とを備える。
【選択図】 図1A

Description

本発明は、屋外設備に付着した腐食性原因物質を測定する腐食リスク調査方法および腐食リスク調査装置に関するものである。
一般に、屋外におかれた設備の腐食リスク調査では、設備の配置されている周辺の大気中に存在する腐食の原因となり得る物質の測定を一定期間継続し、得られた測定結果より腐食リスクを間接的に評価している。腐食の原因となり得る大気中の成分には、海塩粒子、海塩粒子の溶解した水粒子、亜硫酸ガスなどがある。これらの中で、亜硫酸ガスは、主に向上などより発生しているが、脱硫装置が用いられている現在では、大気中の成分としては低い値となっている。
上述した亜硫酸ガスに対し、海塩粒子および海塩粒子の溶解した水粒子(以下、簡単のため両者をあわせて飛来塩分と呼ぶ)は、自然に存在するものであり、いわゆる塩害と呼ばれて問題となっている。飛来塩分は、塩化ナトリウム、次いで塩化マグネシウムを主たる成分としている。この飛来塩分は、設備に付着した後、大気中の水分を得て液膜を形成して塩化物イオンを生じる。このようにして生じた塩化物イオンは、設備を構成する金属材料を腐食させる反応につながっている。
例えば、海に近い地域では、海水からの飛来塩分による塩害の発生頻度は大きくなる。しかしながら、海に近い地域では、塗装などによる塩害対策が普及し、塩害による被害があまり生じていない。一方、風により飛来塩分の輸送は、海から離れた地域にまでおよぶこともある。海から離れた地域では、塩害対策があまり普及していないため、却って海から離れた地域で塩害を生じる場合が発生している。
このため、腐食リスクの調査として、対象となる地域ごとに飛来塩分の量を記録することと同時に、複数の地域における飛来塩分の量を地図上に表示すること、いわゆる塩害リスクマップを作成することが、腐食リスクを評価する上で重要となる。地域ごとに飛来塩分の量を記録し、時間的変化を観察し、また、塩害リスクマップを作成するには、対象となる地域で、決められた同じ手段で飛来塩分を測定する必要がある。
日本工業規格には、JIS Z 2382「大気環境の腐食性を評価するための環境因子の測定」があり、塩化物イオンを測定する方法として、ドライガーゼ法、ウェットキャンドル法が規定されている。
ドライガーゼ法を簡単に説明すると、降雨の影響を受けない曝露台にガーゼを一定期間大気曝露し、一定期間の大気曝露の後、ガーゼをイオン交換水に浸漬して塩分を溶出し、塩分が抽出されたイオン交換水の吸引濾過を行い、フィルターを透過させた後、イオンクロマトグラフィーで塩化物イオン濃度を測定するものである。
このトライガーゼ法では、図9に示すように、実験室において、清浄なガーゼを調製し(S901)、これを対象となる設備901が配置されている場所に運搬し(S902)、上述した曝露台に設置する(S903)。この状態で、大気902に一定期間(1ヶ月超)曝露する(S904)。この曝露により、大気902に含まれている塩分903が設置したガーゼに付着する。一定期間の後、ガーゼを回収し(S905)、実験室に搬送する(S906)。
実験室では、回収したガーゼを水に浸漬して付着した塩分を溶出させ(S907)、溶出した水を吸引濾過し(S908)、フィルター濾過し(S909)、水に溶解していない物質を除去する。この後、イオンクロマトグラフィー分析により、塩化物イオンの濃度を測定し(ステップS910)、塩化物イオン濃度の定量値を得る(ステップS911)。
また、ウェットキャンドル法は、アクリル棒に巻いたガーゼを、グリセリン溶液の入ったビンに差しこみ、これを、対象の箇所において一定の期間曝露する。この後、ガーゼを接触させていたグリセリン溶液を調製し、これをイオンクロマトグラフィー分析により測定し、含まれている塩化物イオン濃度を測定する。この方法は、ガーゼをグリセリン溶液に接触させたガーゼを用い、このグリセリン溶液を分析する点以外は、前述したドライガーゼ法と同様の手順により測定を行う。
ここで、上述した測定方法では、いずれも、イオンクロマトグラフィー分析を用いており、分析では、一般に、陽イオンおよび陰イオンを同時に測定することができない。このため、上述した測定では、ナトリウム、マグネシウムなどの陽イオンについては、別途に測定することになる。
上述した測定方法に対し、特許文献1に記載されている「大気環境調査方法」では、金属板の表面を清浄にし、これらの金属を大気中に曝露し、この金属表面に生成した大気中元素を分析することで、大気中の塩素を測定している。
特許文献1に記載されている測定方法について、図10を用いて説明する。まず、実験室において、研磨などにより清浄な金属板を調製し(S1001)、これを対象となる設備1001が配置されている場所に運搬し(S1002)、設置する(S1003)。この状態で、大気1002に一定期間(1ヶ月超)曝露する(S1004)。この曝露により、大気1002に含まれている塩分1003が設置した金属板に付着する。一定期間の後、金属板を回収し(S1005)、実験室に搬送する(S1006)。
実験室では、回収した金属板に付着している物質を、蛍光X線分析により測定し(ステップS1007)、塩化物イオン濃度の定量値を得る(ステップS1008)。この方法では、分析方法として、蛍光X線分析が挙げられており、原理的にはナトリウム、マグネシウムについても測定できるため、飛来塩分のうちの塩化ナトリウムと塩化マグネシウムの割合を推定することが可能である。
特開平6−094655号公報
しかしながら、上述した大気環境の測定では、以下に示すような問題がある。
第1に、上述した測定では、対象とした設備に実際に付着した成分ではなく、大気中成分を測定しており、設備の腐食リスクが間接的にしか評価できていないという問題がある。このような測定による評価が妥当であるためには、設備に付着する大気中の腐食原因成分の割合が、時間、地域、対象設備の状態などの条件によらずに一定であることが重要となる。しかしながら、時間および地域によって天候が異なり、また、露天状態の設備もあり、雨ざらしの状態とされている設備もある。このように条件が異なれば、設備に付着する大気中の腐食原因成分の割合も必然的に異なる。
上述したように、条件によって腐食原因成分の付着状態が異なる設備に対し、前述した測定では、ガーゼや金属板などを雨のかからない曝露台に収容して行っているため、腐食原因成分の量は両者で異なることになる。これでは、測定結果が対象設備の状態を反映していない場合が発生し、正確な評価ができない。
第2に、ガーゼによる測定および金属板による測定のいずれにおいても、これらを設置した後の環境しか測定できず、調査開始以前に既に付着している設備の状態が評価できないという問題がある。
第3に、上述した測定方法では、ある程度の曝露時間が必要になり、測定に時間を要するという問題がある。前述した測定方法では、通常、最低1ヶ月間程度の曝露時間が必要であり、迅速な評価ができない。
第4に、ドライガーゼ法、ウェットキャンドル法、特許文献1の「大気環境調査方法」のいずれも、曝露するガーゼや金属板に高い清浄性が求められ、これらの調製が容易ではないという問題がある。さらに、ドライガーゼ法やウェットキャンドル法では、分析の段階において、イオン交換水などの清浄な試料調製が求められる。
以上のように、前述した技術による腐食リスク調査として、大気環境を測定する方法は、多くの手間を必要とし、また、正確な評価ができないという問題がある。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、対象とする設備の腐食リスク調査を、多くの手間を必要とせずに、より容易に正確に行えるようにすることを目的とする。
本発明に係る腐食リスク調査方法は、屋外設備の表面にX線を照射する第1ステップと、屋外設備の表面に付着している腐食原因物質を構成している元素からの蛍光X線強度を測定する第2ステップと、測定された蛍光X線強度から屋外設備の表面に付着している腐食原因物質の付着量を算出する第3ステップとを少なくとも備える。
上記腐食リスク調査方法において、屋外設備の位置に付着量を対応させた地図を作成する第4ステップを備えるようにしてもよい。
本発明に係る腐食リスク調査装置は、屋外設備の表面にX線を照射して屋外設備の表面に付着している腐食原因物質を構成している元素からの蛍光X線強度を測定する蛍光X線測定手段と、測定された蛍光X線強度から屋外設備の表面に付着している腐食原因物質の付着量を算出する付着量算出手段とを少なくとも備える。
上記腐食リスク調査装置において、付着量算出手段により算出された付着量を屋外設備の位置に対応させた地図を作成する地図作成手段を備えるようにしてもよい。また、蛍光X線測定手段が蛍光X線強度を測定している場所で蛍光X線強度の情報を記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶された蛍光X線強度の情報を読み出す情報読み出し手段とを備えるようにしてもよい。
以上説明したように、本発明によれば、屋外設備の表面にX線を照射し、屋外設備の表面に付着している腐食原因物質を構成している元素からの蛍光X線強度を測定するようにしたので、対象とする設備の腐食リスク調査を、多くの手間を必要とせずに、より容易に正確に行えるという優れた効果が得られる。
本発明の実施の形態1における腐食リスク調査装置の構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態1における腐食リスク調査装置の動作(腐食リスク調査方法)について説明するためのフローチャートである。 本発明の実施の形態2における腐食リスク調査装置の構成示す構成図である。 実施の形態2における腐食リスク調査方法について説明する説明図である。 本発明の実施の形態3における腐食リスク調査装置の構成を示す構成図である。 実施の形態3における腐食リスク調査方法について説明する説明図である。 本発明の実施の形態4における腐食リスク調査装置の構成示す構成図である。 複数の測定地点において測定を行い、測定地点における腐食原因物質の付着量を、地図上に表示した一例を示す説明図である。 本発明の実施の形態5における腐食リスク調査装置の構成を示す構成図である。 トライガーゼ法について説明する説明図である。 特許文献1に記載されている測定方法について説明する説明図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
[実施の形態1]
はじめに、本発明の実施の形態1について説明する。図1Aは、本発明の実施の形態1における腐食リスク調査装置の構成を示す構成図である。この腐食リスク調査装置は、まず、測定対象となる屋外設備の表面にX線を照射して屋外設備の表面に付着している腐食原因物質を構成している元素からの蛍光X線強度を測定する蛍光X線測定部101を備える。また、蛍光X線測定部101により測定された蛍光X線強度から、上記屋外設備の表面に付着している腐食原因物質の付着量を算出する付着量算出部102を備える。
以下、本実施の形態における腐食リスク調査装置の動作(腐食リスク調査方法)について、図1Bのフローチャートを用いて説明する。まず、ステップS101で、蛍光X線測定部101が、測定対象の屋外設備の表面にX線を照射する。次に、ステップS102で、蛍光X線測定部101が、屋外設備の表面に付着している腐食原因物質を構成している元素からの蛍光X線強度を測定する。次に、ステップS103で、付着量算出部102が、測定された蛍光X線強度から屋外設備の表面に付着している腐食原因物質の付着量を算出する。
以上に説明したように、本実施の形態によれば、対象となる設備に付着している腐食原因物質を、設備が配置されている場所で、直接測定するので、まず、設備の腐食リスクを直接的に評価することができるようになる。また、例えば、既に飛来塩分が付着して腐食リスクが高くなっている設備の状態を評価することができるようになる。また、ガーゼなどを用いる場合のような曝露期間が不要となり、測定時間を非常に短縮することができるようになる。また、曝露する試験片を用いないので、清浄な試験片や、イオン交換水などの清浄な環境を準備する必要がなくなるなど、測定が容易に行えるようになる。
また、付着量算出部により算出された付着量を屋外設備の位置に対応させた地図を作成する地図作成部を加え、屋外設備の位置に付着量を対応させた地図を作成するようにしてもよい(第4ステップ)。
さらに、算出された当該物質の種類と付着量を示すデータおよび該データを得た測定条件を、測定箇所に設置したデータキャリアに記録し、また読み出す構成とすることが可能であり、測定されたデータを搬送することなく、既に求められている腐食原因物質の種類および付着量などの測定結果、およびこの測定条件を容易に知ることができる。このようにすることで、例えば、異なる測定時期における腐食原因物質の付着量の大小を比較することが可能となり、腐食原因物質の付着量の時間的変化についても知ることができるようになる。
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2について説明する。図2は、本発明の実施の形態2における腐食リスク調査装置の構成示す構成図である。本実施の形態2では、屋外にある設備201の表面に付着している腐食原因物質を構成している元素を、いわゆるガン型の携帯型蛍光X線装置202で分析(測定)する。
設備201は金属製であり、例えば、鋼管柱、通信鉄塔、つり線、支線、橋梁、RSBM(遠隔加入者収容モジュール)ボックスなどの通信に関する設備である。また、携帯型蛍光X線装置202は、X線発生ボタン203を押下すると、内蔵するX線発生部(不図示)から、X線出射口兼検出口204を介し、一次X線205を設備201に照射する。
蛍光X線は、元素に特有の一定以上のエネルギーをもつX線を照射することによって、原子の内殻の電子が励起されて生じた空孔に、外殻の電子が遷移する際に放出されるX線である。このような蛍光X線の波長は内殻と外殻のエネルギー差に対応する。内殻・外殻のエネルギー差は元素ごとに固有であり、蛍光X線のエネルギー(波長)も元素に固有である。このことから、蛍光X線のエネルギーを求めれば、測定対象の腐食原因物質を構成する元素の分析を行うことができる。また、蛍光X線の強度を測定することにより、測定対象の腐食原因物質を構成する元素の濃度を求めることができる。
従って、一次X線205が照射された設備201の表面では、ここに付着している腐食原因物質を構成する元素の量に応じた強度の蛍光X線206が、放射される。このように放射された蛍光X線206は、X線出射口兼検出口204を介し、携帯型蛍光X線装置202が内蔵するX線検出器(不図示)で検出される。
携帯型蛍光X線装置202が内蔵するX線検出器は、検出した蛍光X線のエネルギーごとの強度を測定することが可能であり、表示部207に、横軸を光子エネルギー、縦軸を強度とする蛍光X線スペクトル208を表示させることができる。前述したように、蛍光X線のエネルギーは元素に特有なエネルギーであるので、例えば、表示部207に表示させた蛍光X線スペクトル208より読み取る蛍光X線のエネルギーから、元素種を決定できる。また、蛍光X線スペクトル208より読み取る強度は、元素の量と比例関係または正の相関があるので、この強度から元素の量を決定することが可能である。
また、本実施の形態では、携帯型蛍光X線装置202の内部のメモリーなどの記録部に記録されたデータを、携帯型蛍光X線装置202ごと事業所210に持ち帰り、計算機209により、蛍光X線の強度のデータから元素の量を算出する。計算機209には、あらかじめ蛍光X線の強度と元素の量との関係が記憶されており、計算機209を用いることで、蛍光X線の強度のデータから元素の量を算出することができる。計算機209が備える付着量算出手段により、上述した算出を行う。
次に、本実施の形態における腐食リスク調査方法について、図3の説明図を用いて説明する。まず、上述した携帯型蛍光X線装置を用いて蛍光X線分析により、設備201に付着している腐食原因物質の構成元素の分析を行う(S301)。本実施の形態では、対象となる設備201の周囲の大気302の環境を測定するのではなく、設備201自身を蛍光X線分析で測定し、スペクトル情報を有する電子的なデータを得る。
次に、得られたデータを事業所に持ち運び(S302)、事業所において、得られたデータから、元素種および元素量を計算し(S303)、定量値などの計算結果を得る(S304)。この計算は、前述した計算機209で行う。あらかじめ、蛍光X線のエネルギーと元素種との対応関係、各元素の強度と各元素の量との関係を組み込んだ計算機209によって、蛍光X線のエネルギーから元素種が、当該元素の強度から各元素の量を得ることができる。
蛍光X線のエネルギーと元素種との対応関係は蛍光X線の原理から自明である。各元素の強度と各元素の量との関係は、図2における設備201の位置にあらかじめ量の分かっている標準試料を配し、これを測定することによって得られる検量線によって与えられる。各元素の強度と各元素の量との関係はたいてい比例関係にあり、この場合、準備・測定する標準試料は1つでよい。各元素の強度と各元素の量との関係が比例関係でなくとも、正の相関があり、この場合、準備・測定する標準試料を5つ程度用意して、検量線を作成すればよい。
上述した本実施の形態における方法によれば、直接的に、設備201の表面に付着した腐食の原因となる元素を測定することができ、腐食リスクを評価することができる。また、既に飛来塩分(腐食原因物質)が付着してる設備の状態を評価することができるようになる。また、例えば1ヶ月間曝露しておく必要がなく、短時間で測定行うことができる。また、試験片を用いないので、測定が容易に行えるようになる。
なお、携帯型蛍光X線装置202は、日本では、株式会社リガクが販売する携帯型成分分析計(ホームページhttp://www.rigaku.co.jp/products/p/xfni0001/)やポニー工業株式会社が販売するハンドヘルド型蛍光X線分析計(ホームページhttp://www.ponyindustry.co.jp/)がある。
[実施の形態3]
以下、本発明の実施の形態3について説明する。図4は、本発明の実施の形態3における腐食リスク調査装置の構成を示す構成図である。本実施の形態3でも、屋外にある設備401の表面に付着している腐食原因物質を構成している元素を、いわゆるガン型の携帯型蛍光X線装置402で測定する。
設備401は金属製であり、例えば、鋼管柱、通信鉄塔、つり線、支線、橋梁、RSBM(遠隔加入者収容モジュール)ボックスなどの通信に関する設備である。また、携帯型蛍光X線装置402は、X線発生ボタン403を押下すると、内蔵するX線発生部(不図示)から、X線出射口兼検出口404を介し、一次X線405を設備401に照射する。
一次X線405が照射された設備401の表面では、ここに付着している腐食原因物質を構成する元素の量に応じた強度の蛍光X線406が、放射される。このように放射された蛍光X線406は、X線出射口兼検出口404を介し、携帯型蛍光X線装置402が内蔵するX線検出器(不図示)で検出される。
携帯型蛍光X線装置402が内蔵するX線検出器は、検出した蛍光X線のエネルギーごとの強度を測定することが可能であり、表示部407に、横軸を光子エネルギー、縦軸を強度とする蛍光X線スペクトルを表示させることができる。蛍光X線のエネルギーは元素に特有なエネルギーであるので、例えば、表示部407に表示させた蛍光X線スペクトルより読み取る蛍光X線のエネルギーから、元素種を決定できる。また、蛍光X線スペクトルより読み取る強度は、元素の量と比例関係または正の相関があるので、この強度から元素の量を決定することが可能である。以上のことは、前述した実施の形態2と同様である。
本実施の形態では、携帯型蛍光X線装置402に、通信ケーブル408で接続する携帯型の計算機409を備える。計算機409は、いわゆるノート型パソコンなどである。通信ケーブル408による接続形態としては、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)やLAN(ローカル・エリア・ネットワーク)などがある。また、携帯型蛍光X線装置402と計算機409との接続は、通信ケーブル408を用いる形態に限らず、無線LANやブルートゥース(Bluetooth)などの無線通信を用いてもよい。
本実施の形態では、前述した実施の形態2とは異なり、携帯型蛍光X線装置402の内部のメモリーなどの記録部に記録されたデータを、事業所に持ち帰る必要がない。本実施の形態では、あらかじめ蛍光X線の強度と元素の量との関係を記憶させた計算機409により、転送された蛍光X線の強度のデータから元素の量を算出することができる。このように構成した本実施の形態によっても、直接的に、設備の表面に付着した腐食の原因となる元素を測定することができ、設備401の配置されている場所で、腐食リスクを評価することができる。
次に、本実施の形態における腐食リスク調査方法について、図5の説明図を用いて説明する。まず、上述した携帯型蛍光X線装置を用いて蛍光X線分析により、設備401に付着している腐食原因物質の構成元素の分析を行う(S501)。本実施の形態でも、対象となる設備401の周囲の大気502の環境を測定するのではなく、設備401自身を蛍光X線分析で測定し、スペクトル情報を有する電子的なデータを得る。
次に、得られたデータを計算機に転送し(S502)、計算機において、得られたデータから元素種および元素量を計算し(S503)、定量値などの計算結果を得る(S504)。この計算は、前述した計算機409で行う。あらかじめ、蛍光X線のエネルギーと元素種との対応関係、各元素の強度と各元素の量との関係を組み込んだ計算機409によって、蛍光X線のエネルギーから元素種が、当該元素の強度から各元素の量を得ることができる。このように、本実施の形態によれば、直接的に、設備の表面に付着した腐食の原因となる元素を測定することが可能であり、設備401が配置されている場所で、腐食リスクを評価することができる。
[実施の形態4]
次に、本発明の実施の形態4について説明する。図6は、本発明の実施の形態4における腐食リスク調査装置の構成示す構成図である。本実施の形態4では、屋外にある設備601の表面に付着している腐食原因物質を構成している元素を、ガン型の携帯型蛍光X線装置602で測定する。
携帯型蛍光X線装置602は、X線発生ボタン603を押下すると、内蔵するX線発生部(不図示)から、X線出射口兼検出口604を介し、一次X線605を設備601に照射する。一次X線605が照射された設備601の表面では、ここに付着している腐食原因物質を構成する元素の量に応じた強度の蛍光X線606が、放射される。このように放射された蛍光X線606は、X線出射口兼検出口604を介し、携帯型蛍光X線装置602が内蔵するX線検出器(不図示)で検出される。
携帯型蛍光X線装置602が内蔵するX線検出器は、検出した蛍光X線のエネルギーごとの強度を測定することが可能であり、表示部607に、横軸を光子エネルギー、縦軸を強度とする蛍光X線スペクトルを表示させることができる。前述したように、蛍光X線のエネルギーは元素に特有なエネルギーであるので、例えば、表示部607に表示させた蛍光X線スペクトルより読み取る蛍光X線のエネルギーから、元素種を決定できる。また、蛍光X線スペクトルより読み取る強度は、元素の量と比例関係または正の相関があるので、この強度から元素の量を決定することが可能である。
また、携帯型蛍光X線装置602の内部のメモリーなどの記録部に記録されたデータを、携帯型蛍光X線装置602ごと事業所210に持ち帰り、計算機609により、蛍光X線の強度のデータから元素の量を算出する。計算機609には、あらかじめ蛍光X線の強度と元素の量との関係が記憶されており、計算機609を用いることで、蛍光X線の強度のデータから元素の量を算出することができる。以上のことは、前述した実施の形態2と同様である。
本実施の形態では、上述した構成に加え、現在位置(位置情報)を取得する測位装置608を備える。測位装置608を用いることで、設備601の位置情報(x,y)を得る。x座標は、経度に対応し、y座標は、緯度に対応する。例えば、測位装置608を設備601に付帯させることで、設備601の位置情報を得ればよい。測位装置608は、例えば、GPS(Global Positioning System)機能を備える携帯電話であればよい。測位装置608により得られた位置情報は、測位装置608の内部のメモリーなどの記録部に記録し、これを事業所610に持ち帰って計算機609に転送すればよい。また、測位装置608としてGPS機能付き携帯電話を用いる場合、測位した位置情報を、携帯電話の無線通信網を経由して、ネットワークに接続された計算機609に送信してもよい。
あらかじめ蛍光X線の強度と腐食の原因となる元素の量との関係を記憶させた計算機609により、蛍光X線の強度のデータから元素の量を算出する。計算機609は、表示装置611を有し、例えば、表示装置611の画面上の座標(x1,y1)および(x2,y2)(ただし、x1≠x2、y1≠y2)と、現実世界の位置情報(X1,Y1)および(X2,Y2)(ただし、X1≠X2、Y1≠Y2)とを対応させ、現実世界の位置情報(X1,Y1)と(X2,Y2)を対角の2頂点とする長方形の範囲の地図を、(x1,y1)と(x2,y2)を対角の2頂点の長方形に合わせて表示する。
この表示における縮尺率は、x軸およびy軸で、(x2−x1)/(X2−X1)、(y2−y1)/(Y2−Y1)で求められるが、計算機609では、縮尺率1/n=(x2−x1)/(X2−X1)=(y2−y1)/(Y2−Y1)となるように、(x1,y1)と(x2,y2)を定める。設備601の位置情報が(X,Y)のとき、計算機609の表示装置611の画面上では、(x、y)=(x1+(X−X1)/n,y1+(Y−Y1)/n)で表される。これに加え、表示される位置に、算出してある腐食の原因となる元素の量を表示する。
上述した測定対象の設備の位置への腐食原因物質の測定結果の表示を、測定した複数の設備について同様に行うことで、計算機609の表示装置611の画面上に、腐食リスクマップを表示させることができる。また、表示された腐食リスクマップを印刷すれば、紙面上で腐食リスクマップを確認できる。このように、本実施の形態では、計算機609が備える付着量算出手段により、腐食原因物質の付着量を算出し、計算機609が備える地図作成手段により、腐食リスクマップ(付着量を屋外設備の位置に対応させた地図)を作成する。
図7に、複数の測定地点において測定を行い、測定地点における腐食原因物質の付着量を、地図上に表示した一例を示す。図7は、いわゆる腐食リスクマップの一例となる塩害リスクマップである。例えば、測定される塩素の量、測定されるマグネシウムの量から、海塩の平均的な成分比を用い、塩化ナトリウムと塩化マグネシウムの量を計算することができる。これらの結果を図7に棒グラフで表示した。棒グラフの左が塩化ナトリウムの量を示し、棒グラフの右が塩化マグネシウムの量を示している。なお、このような表示に限らず、塩素などの元素の量を表示することも可能である。
ここで、前述した市販されている携帯型蛍光X線装置では、ナトリウムを含んでナトリウムより小さい原子番号の元素については感度よく検出することができない。このため、例えば、図7の例のように、塩化ナトリウムの量を求めるには、以下のようにする。まず、分析された飛来塩分のうちの塩化物の内訳として、塩化ナトリウムと塩化マグネシウムが支配的であるとし、この重量をAとBとする。ナトリウム、マグネシウム、および塩素の原子量をN,M,Cとすると、マグネシウムのモル数はB/(M+2C)、塩素のモル数はA/(N+C)+2B/(M+2C)と示すことができる。従って、測定されたマグネシウムの重量=MB/(M+2C)から塩化マグネシウムの重量Bが得られる。次いで、測定された塩素の重量=CA/(N+C)+2CB/(M+2C)と、上述したBの値から、塩化ナトリウムの重量Aを得ることができる。
このように、測定地点における腐食原因物質の付着量を、地図上に表示することにより、例えば、地点Aにおける飛来塩分量と地点Bにおける飛来塩分量から、ある条件の下で、地点Aと地点Bの中間にある地点Cの飛来塩分量を推定することが可能となり、測定地点だけに限らず、塩害リスクの評価をすることが可能になる。
[実施の形態5]
次に、本発明の実施の形態5について、図8を用いて説明する。図8は、本発明の実施の形態5における腐食リスク調査装置の構成を示す構成図である。本実施の形態5でも、屋外にある設備801の表面に付着している腐食原因物質を構成している元素を、いわゆるガン型の携帯型蛍光X線装置802で測定する。
設備801は金属製であり、例えば、鋼管柱、通信鉄塔、つり線、支線、橋梁、RSBM(遠隔加入者収容モジュール)ボックスなどの通信に関する設備である。また、携帯型蛍光X線装置802は、X線発生ボタン803を押下すると、内蔵するX線発生部(不図示)から、X線出射口兼検出口804を介し、一次X線805を設備801に照射する。
一次X線805が照射された設備801の表面では、ここに付着している腐食原因物質を構成する元素の量に応じた強度の蛍光X線806が、放射される。このように放射された蛍光X線806は、X線出射口兼検出口804を介し、携帯型蛍光X線装置802が内蔵するX線検出器(不図示)で検出される。
携帯型蛍光X線装置802が内蔵するX線検出器は、検出した蛍光X線のエネルギーごとの強度を測定することが可能であり、表示部807に、横軸を光子エネルギー、縦軸を強度とする蛍光X線スペクトルを表示させることができる。蛍光X線のエネルギーは元素に特有なエネルギーであるので、例えば、表示部807に表示させた蛍光X線スペクトルより読み取る蛍光X線のエネルギーから、元素種を決定できる。また、蛍光X線スペクトルより読み取る強度は、元素の量と比例関係または正の相関があるので、この強度から元素の量を決定することが可能である。
また、本実施の形態では、携帯型蛍光X線装置802に、通信ケーブル808で接続する携帯型の計算機809を備える。計算機809は、いわゆるノート型パソコンなどである。本実施の形態では、携帯型蛍光X線装置802の内部のメモリーなどの記録部に記録されたデータを、事業所に持ち帰る必要がない。本実施の形態では、あらかじめ蛍光X線の強度と元素の量との関係を記憶させた計算機809により、転送された蛍光X線の強度のデータから元素の量を算出することができる。このように構成した本実施の形態によっても、直接的に、設備の表面に付着した腐食の原因となる元素を測定することができ、設備801の配置されている場所で、腐食リスクを評価することができる。
以上のことは、前述した実施の形態3と同様である。
本実施の形態では、上述した構成に加え、データキャリアとしてのICタグ811を設備801に設け、また、ICタグ811に対してデータを記憶させ、またICタグ811よりデータを読み取るICタグリーダライタ812を備える。ICタグリーダライタ812は、通信ケーブル813により計算機809に接続される。ICタグリーダライタ812と計算機809との接続形態としては、USBやLANなどがある。また、ICタグリーダライタ812と計算機809との接続は、通信ケーブル8138を用いる形態に限らず、無線LANやブルートゥース(Bluetooth)などの無線通信を用いてもよい。
本実施の形態では、測定対象の設備において様々なデータを記録するためのデータキャリアを設置し、このデータキャリアに、測定(算出)された腐食原因物質の種類と付着量を示すデータおよびこれらのデータを得た測定条件をなどを記録し、また、データキャリアより記録されているデータを読み出すようにした。腐食原因物質の付着量の算出の方法は、実施の形態3と同様である。
また、腐食原因物質の種類と付着量を示すデータおよびこれらのデータを得た測定条件としては、測定日時,天候,測定者名,測定者の所属,測定場所,設備の名称,設備を示す記号,設備の属する地域,設備を管理する事業者,測定した設備の部分の高さなどの位置,蛍光X線装置の加速電圧,電流,対陰極の種類,X線照射時間,蛍光X線のフィルター種類,および測定モード(軽元素用モードなど)などが項目として考えられる。必要に応じ、この項目すべて、あるいは測定日時を含む一部を用いることができる。
携帯型蛍光X線装置802で得られた、光子エネルギーごとの強度データは、光子エネルギーと元素種との対応関係、各元素の強度と各元素の量との関係を組み込んだ持ち運び可能な計算機809によって、光子エネルギーから元素種が、当該元素の強度から各元素の量を測定した場所で得ることがでる。このようにして得られた各元素種および各元素の量を新たなデータとし、計算機809の内部記録装置に記録できる。また、計算機809は、キーボードなどの入力装置を備え、測定された元素種および各元素種の量以外の、前述した測定条件に関する項目の情報を入力でき、計算機809の内部記録装置に記録できる。
計算機809は、通信ケーブル813で接続したICタグリーダライタ812により、計算機809の内部記録装置に記録された上述した各データおよび測定条件を、ICタグリーダライタ812に送る。ICタグリーダライタ812は、各データや測定条件などを、ICタグ811のユーザ領域と呼ばれる書き込み可能な領域に書き込む。さらに、以前の腐食原因物質の種類と付着量を示すデータおよび測定条件を、ICタグ811から読み出すこともできる。従って、本実施の形態によれば、測定対象の設備801における腐食リスク調査結果(履歴)を、データキャリアとしてのICタグ811より取得することができる。
なお、ICタグとしては、ユーザ領域として2000文字まで書き込み可能な製品も市販されており(大日本印刷株式会社 IM-0505-R118、参考URL http://www.dnp.co.jp/semi/j/tag_new/contents/eledev_ictag/5_051.html#special)、上述した腐食原因物質の種類と付着量を示すデータおよび測定条件に相当するデータ量を1つのICタグに書き込むことは十分に可能である。また、機種によっては、ICタグリーダライタ1つで、ICタグリーダライタ812と計算機809の機能を兼ねることも可能である。
このように、本実施の形態によれば、データを常時携帯することなく、例えば、異なる測定回における腐食原因物質の付着量の大小を比較することができ、記録される測定条件の中に最低限測定日時を入れておけば、腐食原因物質の付着量の時間的変化についても知ることができる。
以上のように、本実施の形態によれば、算出された腐食原因物質の付着量および腐食原因物質の付着量を得た測定条件を、測定対象の設備に設置したデータキャリアに記録したり、読み出したりすることができる。このため、データを持ち歩くことなく、過去の調査(測定)履歴を得ることができ、以前の腐食原因物質の付着量および腐食原因物質の付着量を得た測定条件を知ることができる。これにより、例えば、異なる測定回における腐食原因物質の付着量の大小を比較することができ、腐食原因物質の付着量の時間的変化についても知ることができる。
以上、説明したように、本発明によれば、対象とする設備の腐食リスク調査を、多くの手間を必要とせずに、より容易に正確に行えるようになる。
例えば、ガーゼを用いる方法では、多くの手間と時間がかかり、大型の分析装置が必要であった。加えて、大気環境調査の結果はこの曝露期間に限ったものであり、さらに、対象設備自体ではなく、対象設備の周囲の大気環境の腐食原因物質の定量値から、大気環境にある設備の腐食リスクを評価するものであった。
同様に、特許文献1に測定方法でも、ガーゼ法ほどではないが、多くの手間と時間がかかり、大型の分析装置が必要であった。また、清浄な金属表面を作成するためには研磨やスパッタリングなどが必要であるなど、多くの手間と時間がかかり、また、作成した時点から作成した場所における大気環境により腐食が始まってしまうため、輸送などの過程で、不活性ガス中に保存するなどの方法が必要であった。加えて、この測定においても、大気環境調査の結果はこの曝露期間に限ったものであり、さらに、対象設備自体ではなく、対象設備の周囲の大気環境の腐食原因物質の定量値から、大気環境にある設備の腐食リスクを評価するものであった。
これらの測定方法に対し、本発明によれば、上述したように、設備の腐食リスクを直接的に評価することができ、また、既に飛来塩分が付着して腐食リスクが高くなっている設備の状態を評価することができる。また、測定において、曝露時間を不要とすることができるようになる。また、曝露する試験片を用いないので、清浄な試験片や、イオン交換水などの清浄な環境を準備する必要をなくすることができるため、より直接的で、簡便な腐食リスク調査方法および装置を提供することができる。
さらに、算出した腐食原因物質の種類および付着量を示すデータおよびこれらデータを得た測定条件など、測定対象の設備に設置したデータキャリアに記録し、また読み出すことができるため、データを持ち歩くことなく、腐食原因物質の種類や付着量および測定条件などの履歴データを知ることができ、異なる時期における腐食原因物質の付着量の大小を比較することができ、腐食原因物質の付着量の時間的変化についても知ることができるようになる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形が実施可能であることは明白である。
101…蛍光X線測定部、102…付着量算出部。

Claims (5)

  1. 屋外設備の表面にX線を照射する第1ステップと、
    前記屋外設備の表面に付着している腐食原因物質を構成している元素からの蛍光X線強度を測定する第2ステップと、
    測定された前記蛍光X線強度から前記屋外設備の表面に付着している腐食原因物質の付着量を算出する第3ステップと
    を少なくとも備えることを特徴とする腐食リスク調査方法。
  2. 請求項1記載の腐食リスク調査方法において、
    前記屋外設備の位置に前記付着量を対応させた地図を作成する第4ステップを備える
    ことを特徴とする腐食リスク調査方法。
  3. 屋外設備の表面にX線を照射して前記屋外設備の表面に付着している腐食原因物質を構成している元素からの蛍光X線強度を測定する蛍光X線測定手段と、
    測定された前記蛍光X線強度から前記屋外設備の表面に付着している腐食原因物質の付着量を算出する付着量算出手段と
    を少なくとも備えることを特徴とする腐食リスク調査装置。
  4. 請求項3記載の腐食リスク調査装置において、
    前記付着量算出手段により算出された付着量を前記屋外設備の位置に対応させた地図を作成する地図作成手段を備えることを特徴とする腐食リスク調査装置。
  5. 請求項3または4記載の腐食リスク調査装置において、
    前記蛍光X線測定手段が前記蛍光X線強度を測定している場所で前記蛍光X線強度の情報を記憶する記憶手段と、
    この記憶手段に記憶された蛍光X線強度の情報を読み出す情報読み出し手段と
    を備えることを特徴とする腐食リスク調査装置。
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