<<実施の形態1>>
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態である実施の形態1について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る遊技機1の構成を示すブロック図である。この遊技機1は、主制御部10と、後段部20と、周辺部30とを備えている。主制御部10は、データ記憶手段11と、決定手段12と、個体検査値生成手段13と、同期コード生成手段14と、動作コード生成手段15とを備えている。データ記憶手段11には、主制御部10で用いられるプログラム等のデータが記憶されている。決定手段12は、データ記憶手段11に記憶されているデータのうち所定のデータを分割する数である分割数を決定する。ここで、所定のデータとは、データ記憶手段11に記憶されているデータの全部又は一部である。個体検査値生成手段13は、主制御部10の個体としての正当性(アイデンティティ)を認証するために用いる個体検査値を生成する。具体的には、個体検査値生成手段13は、データ記憶手段11に記憶されている所定のデータを決定手段12が決定した分割数で分割し、分割された各データに対して結合法則を満たす2項演算(例えば、加算、乗算、排他的論理和)を行って、分割数分(分割数と同数)の個体検査値を生成する。
同期コード生成手段14は、主制御部10の動作順序を検証し、主制御部10による処理(動作)が継続して実行されていることを認証するための動作検査値の一つとして、制御コマンドの送信に伴って生成されるパケット情報を含んだ同期コードを生成する。同期コードは、主制御部10による制御コマンドの送信が継続して実行されていることを検証するための情報である。また、同期コード生成手段14は、個体検査値生成手段13によって生成された個体検査値の数(決定手段13によって決定された分割数)に基づいて、複数種類のパケット情報の中から同期コードの生成に用いるパケット情報の種類を選択する。なお、パケット情報の種類は、選択されたパケット情報の連続する二つのパケット情報間の相関関係によって定まる。
動作コード生成手段15は、主制御部10の動作の継続性を認証するための動作検査値の一つとして、主制御部10が行う処理において一定の関係性をもって変動する値を用いて生成される。例えば、主制御部10によって実行されるプログラムにおいて所定の機能を実行するための処理ごとに予め重複なく割り当てられた番号(以下、機能番号という)や、主制御部10における認証処理の実行回数(以下、認証回数という)などである。
そして、主制御部10は、生成された分割数分の個体検査値に暗号化処理を施して得られた分割数分の個体認証データのそれぞれと、同期コードや動作コードからなる動作検査値に暗号化処理を施して得られた動作認証データを、出力する制御コマンドに付加して周辺部30を介して後段部20に送信する。
一方、後段部20は、演算値記憶手段21と、個体認証手段22と、動作認証手段23とを備えている。演算値記憶手段21には、主制御部10を構成するデータ記憶手段11に記憶されている所定のデータを用いて2項演算を行って得られた演算値(以下、個体認証用期待値という)が予め記憶されている。個体認証手段22は、制御コマンドに付加されて主制御部10より周辺部30を介して送信された個体検査値に対して上記結合法則を満たす2項演算を行い、この演算結果と、演算値記憶手段21に記憶されている個体認証用期待値とが一致するか否かに基づいて主制御部10を認証(個体認証)する。
動作認証手段23は、動作検査値(同期コード及び動作コード)を用いて主制御部10の動作の継続性を認証(動作認証)する。動作認証手段23は、同期コードを用いて主制御部10の動作認証を行う際、個体認証手段22による個体認証が成功したときの個体検査値の数(結合数)に基づいて、主制御部10より周辺部30を介して送信され同期コードを生成する際に生成したと認識するパケット情報の種類を特定して動作認証を行う。
そして、後段部20は、個体認証手段22又は動作認証手段23が得た認証結果を周辺部30に送信する。これにより、周辺部30は、認証結果に応じた処理を行う。
図2は、本発明の実施の形態1に係る遊技機の1つであるパチンコ遊技機1の外観構成を示す正面図である。また、図3は、図2に示すパチンコ遊技機1の電気的構成を示すブロック図である。
本実施の形態1に係るパチンコ遊技機1は、遊技盤101を備えている。遊技盤101の図2において右下方であって、枠部材110の右下部には、遊技者によって操作され、発射部292(図3参照)を作動させるための操作ハンドル113が設けられている。操作ハンドル113は、遊技者側に突出する形状を呈している。操作ハンドル113は、発射部292を作動させて遊技球を発射させる発射指示部材114を備えている。発射指示部材114は、操作ハンドル113の外周部において、遊技者から見て右回りに回転可能に設けられている。発射部292は、発射指示部材114が遊技者によって直接操作されている場合に、遊技球を発射させる。公知の技術であるため説明を省略するが、操作ハンドル113には、遊技者が発射指示部材114を直接操作していることを検出するセンサなどが設けられている。
発射部292の作動によって発射された遊技球は、レール102a,102b間を上昇して遊技盤101の上部位置に達した後、遊技領域103内を落下する。遊技領域103には、複数の釘(図示略)や、遊技球の落下方向を変化させる風車(図示略)や、入球口が配設されており、遊技球を各種の方向に向けて落下させるようにしている。ここで、「入球口」は、いずれも後述する第1始動口105、第2始動口120、普通入賞口107、第1大入賞口109c、第2大入賞口129cの総称である。
遊技盤101の略中央部分には、図柄表示部104が配置されている。図柄表示部104は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイパネル(PDP)等のディスプレイを有している。図柄表示部104の下方には、遊技領域103に向けて打ち込まれた遊技球を受入れ可能な第1始動口105が配置されている。第1始動口105の下方には、第2始動口120が配置されている。第2始動口120は、一対の可動片(図示略)が閉状態であるときは遊技球を受け入れることが不可能又は受け入れ困難となっており、この一対の可動片が開状態であるときは、第1始動口105よりも遊技球の受け入れが容易となる。
また、図柄表示部104の左側には、入賞ゲート106が配設されている。入賞ゲート106は、遊技球の通過を検出し、第2始動口120を一定時間だけ開放させる普通図柄の抽選を行うために設けられている。図柄表示部104の左側部や下方等には、複数の普通入賞口107が配設されている。各普通入賞口107に遊技球が入球すると、所定の賞球数(例えば、10個)の払い出しが行われる。遊技領域103の最下部には、どの入球口にも入球しなかった遊技球を回収する回収口108が設けられている。
図柄表示部104は、後述する演出制御部203(図3参照)から第1始動口105又は第2始動口120に遊技球が入球したことが報知されたときに、複数の装飾図柄の変動表示を開始し、所定時間経過後に当該装飾図柄の変動を停止させる。この停止時に特定図柄(例えば、「777」)が揃うと、遊技者は第1大当たり遊技(長当たり遊技)を実行する権利を獲得したこととなり、その後、第1大当たり遊技(長当たり遊技)が開始される。第1大当たり遊技(長当たり遊技)が開始されると、遊技領域103の下方に位置する第1大入賞口開閉装置109における第1大入賞口開閉扉109aが、一定の期間開放する動作を所定回数(例えば、15回)繰り返し、入球した遊技球に対応する賞球が払い出される。
一方、図柄表示部104における上記装飾図柄の停止時に上記特定図柄とは別の特定図柄(例えば、「737」)が揃うと、遊技者は第2大当たり遊技(短当たり遊技)を実行する権利を獲得したこととなり、その後、第2大当たり遊技(短当たり遊技)が開始される。第2大当たり遊技(短当たり遊技)が開始されると、第1大入賞口開閉装置109の右斜め上方に位置する第2大入賞口開閉装置129における第2大入賞口開閉扉129aが、第1大入賞口開閉扉109aの開閉動作に比して短い時間にて一定の期間開放する動作を所定回数(例えば、15回)繰り返し、入球した遊技球がある場合、これに対応する賞球が払い出される。
また、遊技盤101の遊技領域103の外周には、枠部材110が設けられ、開口部から遊技領域103が遊技者側に露出している。枠部材110は、遊技者側に突出する形状を呈している。枠部材110において、遊技領域103の左上部及び右下部には、演出ライト(ランプユニット)111a及び111bがそれぞれ設けられている。各演出ライト111a及び111bは、複数のライト112を備えている。各演出ライト111a及び111bは、上下駆動モータ(図示略)でそれぞれ駆動されることにより、それぞれが備える複数のライト112から照射される光の方向を上下方向、すなわち、パチンコ遊技機1の正面にいる遊技者の頭部と腹部を結ぶ方向に平行な方向に変更可能に構成されている。
また、各ライト112は、各演出ライト111a及び111bを構成する回転駆動モータ(図示略)で駆動されることにより、それぞれ所定半径を有する円の円周方向に移動する。上記構成により、各ライト112から照射された光を回転移動させつつ、各演出ライト111a及び111b全体から照射された光を上下移動させる演出を行うことができる。さらに、枠部材110の下部には、遊技球が供給される受け皿ユニット119が設けられている。この受け皿ユニット119には、貸し玉装置(図示略)から貸し出される遊技球が供給される。
図2において、図柄表示部104の右側には、演出用の役物(以下、「演出役物」という)115が設けられている。演出役物115は、キャラクターとして人間の上半身(特に頭部)を模式的に表している。演出役物115は、キャラクターの瞼部116を開閉して、キャラクターが瞬きをするが如くに、瞼部116を上下方向に沿って移動可能に設けられている。また、演出役物115は、キャラクターの頭部を左右方向に移動可能に設けられている。
また、枠部材110において、操作ハンドル113の左側には、遊技者により操作されるチャンスボタン117が設けられている。チャンスボタン117の操作は、例えば、遊技中における特定のリーチ演出に際し、チャンスボタン117の操作を促すガイダンスが表示されている間だけ有効となる。
加えて、枠部材110には、演出効果音又は不正を知らしめる音響を出力するスピーカ277(図3参照)が組み込まれている。このスピーカ277は、高音・中音・低音の領域を出力できるタイプのものであり、通常演出時は高音・中音・低音をバランスよく出力するが、例えば、特別演出時又は不正等があった場合には、周りによく聞こえるように高音領域を高く出力するように制御される。
次に、本発明の実施の形態1に係るパチンコ遊技機1の電気的構成について、図3に示すブロック図を参照して説明する。パチンコ遊技機1は、電気的な構成上は、制御手段200に、第1始動口検出部221等の各種検出手段や、図柄表示部104等の各種演出手段、役物作動装置231、払出部291、発射部292などが接続されて構成されている。制御手段200は、図3に示す例では、主制御部10と、後段部20と、演出制御部203と、賞球制御部204と、ランプ制御部205とから構成されている。
<主制御部>
主制御部10は、CPU10aと、ROM10bと、RAM10cと、カウンタ回路(タイマ)(図示略)等を備えている。CPU10aは、パチンコ遊技機1の遊技に係る基本動作を制御し、ROM10bに予め記憶されているプログラム(プログラムコード)に基づき、遊技内容の進行に伴う基本処理を実行する。ROM10bには、CPU10aがパチンコ遊技機1の遊技内容の進行に伴う基本処理を実行するためのプログラムコードが予め記憶されている。ROM10bの全部又は一部は、例えば、図1に示すデータ記憶手段11に対応させることができる。RAM10cは、CPU10aがパチンコ遊技機1の遊技内容の進行に伴う基本処理を実行する際に行う演算処理において、データ等のワークエリアとして機能する。カウンタ回路(タイマ)は、経過時間をカウントする。
この主制御部10では、第1始動口105又は第2始動口120への遊技球の入球を契機として、大当たりの抽選を行うとともに、この抽選結果に基づいて、ROM10bに記憶されている演出に係わるコマンドの選択を行う。
主制御部10の入力側には、第1始動口検出部221と、第2始動口検出部225と、ゲート検出部222と、普通入賞口検出部223と、第1大入賞口検出部214と、第2大入賞口検出部224とが接続されている。第1始動口検出部221は、第1始動口105に遊技球が入球したことを検出して検出結果を主制御部10に送信する。第2始動口検出部225は、第2始動口120に遊技球が入球したことを検出して検出結果を主制御部10に送信する。ゲート検出部222は、入賞ゲート106を遊技球が通過したことを検出して検出結果を主制御部10に送信する。普通入賞口検出部223は、普通入賞口107に入球した遊技球を検出して検出結果を主制御部10に送信する。第1大入賞口検出部214は、第1大入賞口109cに入球した遊技球を検出して検出結果を主制御部10に送信する。第2大入賞口検出部224は、第2大入賞口129cに入球した遊技球を検出して検出結果を主制御部10に送信する。上記各検出部は、例えば、近接スイッチなどを用いて構成することができる。
また、この主制御部10の出力側には、役物作動装置231が接続されている。本実施の形態1では、役物作動装置231は、第1大入賞口開閉扉109a及び第2大入賞口開閉扉129aをそれぞれ開閉させる第1大入賞口開閉ソレノイド109b及び第2大入賞口開閉ソレノイド129bと、第2始動口120を開閉させる第2始動口開閉ソレノイド120bとから構成されている。
役物作動装置231は、主制御部10によって制御され、長当たり遊技時に、第1大入賞口開閉ソレノイド109bを通電して第1大入賞口開閉扉109aを開放したり、短当たり遊技及び小当たり遊技時に、第2大入賞口開閉ソレノイド129bを通電して第2大入賞口開閉扉129aを開放したり、また、上記普通図柄の当選によって第2始動口開閉ソレノイド120bを通電して第2始動口120を開閉したりする。
また、主制御部10は、以上概略説明した、パチンコ遊技機1の遊技に係る基本動作制御の他、本実施の形態1の特徴である、不正防止のために主制御部10の認証に関する処理を実行する手段を備えている。この認証に関する処理を実行する手段は、CPU10aがROM10bに予め記憶されているプログラム(プログラムコード)を実行することにより実現される。この認証に関する処理は、以下に示す[1]〜[7]の通りであるが、[3]に示す暗号化処理については必要に応じて実行される。
[1]分割数の決定
主制御部10は、ROM10bに予め記憶されている所定のデータ、例えば、所定のプログラムコード(命令コードや固定データ)を分割する数である分割数を決定する。以下、所定のデータの一例として、所定のプログラムコードを用いて説明する。主制御部10は、例えば、乱数生成回路(図示略)や上記プログラムコードを構成する乱数生成プログラムによって生成された値を分割数としたり、主制御部10の他の処理において生成される値を所定のタイミングで参照し、その値を分割数としたりすることができる。この場合、分割数の上限を予め設定しておいてもよい。上記分割数を決定する処理を実行する手段は、例えば、図1に示す決定手段12に対応させることができる。本実施の形態1では、主制御部10は乱数を用いて分割数を決定しているが、これは分割数を決定するための一実施例であって、乱数を用いないで分割数を決定するようにしてもよい。例えば、主制御部10に予め分割数を決定するためのテーブルを保持させておき、分割数を決定するタイミング等で主制御部10がそのテーブルから予め定めた規則に応じて分割数を取得するようにしてもよい。
[2]個体検査値の生成
次に、主制御部10は、ROM10b内の所定のプログラムコードが予め記憶されている記憶領域を[1]の処理において決定された分割数で分割する。そして、主制御部10は、ROM10bの分割された各記憶領域に記憶されているプログラムコードに対して2項演算を行って、主制御部10を認証するための分割数分の個体検査値を生成する。なお、個体検査値の生成方式(例えば、個体検査値の生成に用いる結合法則を満たす2項演算の種類等)については、主制御部10と後段部20との間で同一のものを予め設定しておけばよい。
「結合法則を満たす2項演算」とは、2項間の演算を行う2項演算のうち、演算子を§とし、任意の数をa,b,cとした場合、式(1)が成立する2項演算をいう。
(a§b)§c=a§(b§c)=a§b§c ・・・(1)
すなわち、「結合法則を満たす2項演算」とは、演算対象a,b,cについて、1度に2項演算を行う演算対象としてどのように分割して演算子§により演算した場合であっても、得られる演算結果が同一値となるような2項演算をいう。ただし、任意の数a,bに対してa♪bの演算結果が常に0になるような演算子♪は、演算子§から除く。上記結合法則を満たす2項演算の定義された集合を一般に半群と呼ぶことから、このような2項演算を以下では半群演算と呼ぶことにする。半群演算としては、例えば、加算、乗算、排他的論理和がある。
以下、半群演算の簡単な具体例を2つ挙げる。
まず、所定のプログラムコードを分割して得られた各データブロックを構成する各データをD0,D1,D2,・・・,DN(Nは各データブロックの最終アドレス)とする。
(A)半群演算として加算(演算子+)が選択されている場合は、式(2)を計算する。
D0+D1+D2+・・・+DN …(2)
(B)半群演算として排他的論理和(演算子XOR)が選択されている場合は、式(3)を計算する。
D0 XOR D1 XOR D2 XOR ・・・ DN …(3)
各個体検査値の生成方法について、図4を参照して説明する。
図4は、主制御部10における個体検査値の生成方法を模式的に示す説明図である。個体検査値は、主制御部10がROM10bに予め記憶されている所定のデータを用いて生成する。より詳細には、主制御部10は、ROM10bの所定の記憶領域を任意の分割数で分割した上で、分割した記憶領域にそれぞれ記憶されたプログラムコードに対して結合法則を満たす2項演算(半群演算)を行って個体検査値を算出する。半群演算としては、上記のように、例えば、加算、乗算や排他的論理和演算などが挙げられる。
(個体検査値生成の計算例)
個体検査値生成の計算の一例を以下に示す。
図4に示すプログラムコード記憶領域400には、12個のプログラムコード(「0x01」〜「0x09」,「0x0A」〜「0x0C」)が記憶されている。分割数を3とした場合、プログラムコード記憶領域400は、例えば、4個のプログラムコードを含む第1ブロック400a、3個のプログラムコードを含む第2ブロック400b、5個のプログラムコードを含む第3ブロック400cに分割できる。主制御部10は、これらの各ブロックに記憶されたプログラムコードに対してそれぞれ半群演算を行って個体検査値を算出する。なお、上記ブロック内のプログラムコード数は例示である。分割したブロック内のプログラムコード数は固定値としてもよいし、ランダムに決定してもよい。
例えば、半群演算として式(2)の加算を用いる方法を方式Aとすると、第1ブロック400aに記憶された4個のプログラムコード「0x01」、「0x02」、「0x03」、「0x04」を加算して第1個体検査値「0x0A」が得られる。同様に、第2ブロック400bに記憶された3個のプログラムコード「0x05」、「0x06」、「0x07」を加算して第2個体検査値「0x12」が、第3ブロック400cに記憶された5個のプログラムコード「0x08」、「0x09」、「0x0A」、「0x0B」、「0x0C」を加算して第3個体検査値「0x32」がそれぞれ得られる。
また、例えば、半群演算として式(3)の排他的論理和演算を用いる方法を方式Bとすると、第1ブロック400aに記憶された4個のプログラムコード「0x01」、「0x02」、「0x03」、「0x04」に排他的論理和演算を行い第1個体検査値「0x04」が得られる。同様に、第2ブロック400bに記憶された3個のプログラムコード「0x05」、「0x06」、「0x07」に排他的論理和演算を行い第2個体検査値「0x04」が、第3ブロック400cに記憶された5個のプログラムコード「0x08」、「0x09」、「0x0A」、「0x0B」、「0x0C」に排他的論理和演算を行い第3個体検査値「0x0C」がそれぞれ得られる。
本実施の形態1では、主制御部10は、後述するように、主制御部10を認証するためのデータを生成し、生成したデータを制御コマンドに付加して演出制御部203を介して後段部20に送信する。ここでは、制御コマンドに付加される主制御部10の個体としての正当性を認証するためのデータを総称して「個体認証データ」と呼ぶことにする。個体認証データは、各個体検査値、又はこれら個体検査値に対して暗号化処理を施すことにより得られたデータである。また、制御コマンドに付加される主制御部10の動作の継続性を認証するためのデータを総称して「動作認証データ」と呼ぶことにする。動作認証データは、各動作検査値、又はこれら動作検査値に対して暗号化処理を施すことにより得られたデータである。以下、本実施の形態1では、個体認証データ又は動作認証データは、個体検査値又は動作検査値に暗号化処理を施して得られたデータとして説明するが、本発明はこれに限定されず、個体検査値又は動作検査値そのものを個体認証データ又は動作認証データとして認証に関する処理を行ってもよい。この場合、主制御部10において個体検査値又は動作検査値に暗号化処理を施す必要がなく、後段部20で個体検査値又は動作検査値を抽出する際に個体認証データ又は動作認証データの復号化処理を施す必要がないため、認証に関する処理を簡易化することができ、処理負荷の増大を抑制することができる。
なお、上記個体検査値を生成する処理を実行する手段は、例えば、図1に示す個体検査値生成手段13に対応させることができる。
[3]個体認証データの生成
主制御部10は、上記[2]の処理で生成した各個体検査値に対して暗号化処理を施し、制御コマンド(制御コマンドデータ及び付随データ)に付加する個体認証データを生成する。ここで、暗号化方式としては、例えば、シーザー暗号、単一換字暗号、エニグマなど、比較的簡易なものを採用することができる。以下において用いる暗号化方式についても同様である。シーザー暗号は、メッセージ(平文)を構成する文字を一定の文字数だけずらすことによって暗号化する暗号化方式である。単一換字暗号は、平文を構成する文字を別の文字に変換することによって暗号化する暗号化方式である。エニグマは、鍵暗号鍵を用いたエニグマの設定、エニグマを用いた通信鍵の暗号化、通信鍵を用いたエニグマの再設定、平文の暗号化及び、暗号化された通信鍵と暗号化された平文の結合による通信文の生成という過程を経る暗号化方式である。
主制御部10において、各個体検査値に対して暗号化処理を施すことにより得た各個体認証データ303を後段部20に送信した場合には、何らの処理も施していない各個体検査値をそのまま後段部20に送信する場合と比較して、各個体検査値を不正行為者により分析される可能性を低減することができる。なお、主制御部10は、各個体検査値に対して異なる暗号化処理を施してもよい。
上記暗号化処理に対して、更に所定の加工処理を加えてもよい。所定の加工処理としては、例えば、暗号化処理が施された各個体検査値を用いた四則演算又は論理演算等を行って所定のデータ長を有する演算データを得る処理、これらの四則演算又は論理演算等により得られた演算データのビット配列を並び変える処理、上記演算データのビットをシフト又はロテイト(rotate)する処理、暗号化処理が施された各個体検査値を構成する複数のビットを取り出して所定の規則に従って並べて1つのデータを生成する処理などが考えられる。
また、主制御部10は、暗号化処理等の方式を予め複数用意しておき、[1]の処理において決定された今回の分割数(データブロックの数)に基づいて、複数の暗号化処理の中から次回の個体認証データの生成に用いる1個の暗号化処理を選択するようにしてもよい。具体的には、主制御部10は、例えば、今回の分割数が奇数の場合は次回の暗号化処理を今回用いた暗号化処理と異なるものを選択し、今回の分割数が偶数の場合は次回の暗号化処理を今回用いた暗号化処理と同一のものを選択する。
(個体認証データ生成の計算例)
個体認証データ生成の計算の一例を以下に示す。
図4に示す第1個体検査値「0x0A」から個体認証データを生成することを例にとって説明する。上記の暗号化処理として、個体検査値に制御コマンドデータを加算し、次に、得られたデータから「0x03」を減算する処理を採用する。主制御部10は、第1の個体検査値に上記の暗号化処理を施して個体認証データを生成する。
この個体認証データを付加する制御コマンドデータ及び付随データの値を仮に「0xEE」、及び「0x01」とする。暗号化処理では、第1個体検査値「0x0A」に制御コマンドデータの値「0xEE」を加算するので、「0xF8」が得られる。次に、この「0xF8」から「0x03」を減算すると、個体認証データの値「0xF5」が得られる。
同様に、図4に示すプログラムコード記憶領域400に記録された、第2個体検査値「0x12」から個体認証データを生成すると「0xF2」の値、第3個体検査値「0x32」から個体認証データを生成すると「0x1D」の値となる。
なお、個体認証データとともに送信される制御コマンドデータ又はその付随データの少なくともいずれか一方のデータと個体検査値とを併せたデータに暗号化処理を施すことにより個体認証データを生成してもよい。また、個体認証データには、個体認証データとともに送信される制御コマンドデータや付随データに関するデータを含ませてもよい。制御コマンドデータや付随データに関するデータとは、制御コマンドデータや付随データに対して上記加工処理や、ハッシュ関数による演算やパリティチェック、巡回冗長検査(Cyclic Redundancy Check:CRC)、チェックサムなどの演算を行って得られた値などである。
個体認証データとともに送信する制御コマンドデータや付随データを用いて個体認証データを生成することにより、不正な制御部によって個体認証データを再利用された場合であっても、個体認証データと制御コマンドの整合がとれず、不正を検知することができる。また、誤動作により制御コマンドデータが変更された場合であっても、認証は成功しないため、上記雑音等に起因して変更された制御コマンドデータに対応した制御コマンドの実行を防止することもできる。
また、個体認証データに制御コマンドデータや付随データに関するデータを含ませる場合、主制御部10は制御コマンドデータや付随データに関するデータと個体検査値とを合わせて暗号化処理を施して、個体認証データを生成する処理を行ってもよい。
なお、主制御部10が、各個体検査値を生成するタイミングと、各個体検査値を用いて個体認証データを生成するタイミングとは、特に制限はなく、主制御部10の制御プログラム中に、各個体検査値を生成する処理と、各個体検査値を用いて個体認証データを生成する処理とを行うプログラムを組み込んでおけばよい。
[4]動作検査値の生成
主制御部10は、後段部20において主制御部10の動作の継続性を認証するために、制御コマンドデータ及び付随データに付加されて後段部20に送信される動作検査値として、同期コード及び動作コードの2種類のコードを生成し、RAM10cの所定の記憶領域である動作検査値用メモリに記憶する。RAM10cの動作検査値用メモリは、同期コードを記憶させるための同期コード用メモリと、動作コードを記憶させるための動作コード用メモリに分かれている。以下に、同期コード及び動作コードの生成について詳細に説明する。
{1}同期コードの生成
主制御部10は、動作検査値の一つとして主制御部10の動作の継続性を認証するために、主制御部10の継続性を有する動作に伴って生成されるパケット情報を生成し、生成されたパケット情報を取得して同期コードを作成する。パケット情報は、主制御部10が連続して動作していることを認証可能な情報であって、連続した生成タイミングのパケット情報を比較したときに、パケット情報同士はお互いの生成間隔(所定の時間間隔や所定のクロック数間隔、又は命令実行数間隔など)に起因する所定の相関関係を有している。本実施の形態1では、主制御部10の制御コマンドの送信に伴ってパケット情報を生成するとし、連続した制御コマンドの送信タイミングに準じた生成タイミングで生成されたパケット情報同士の相関関係が、予め設定された所定の相関関係を有しているか否かによって、主制御部10の動作の継続性を認証する。なお、主制御部10がパケット情報を生成するタイミングと取得するタイミングの関係としては、パケット情報が生成されるタイミングごとに取得するように設定したり、パケット情報が生成されるタイミングとは別のタイミングで取得するように設定したりできるが、本実施の形態1では、パケット情報が生成されるタイミングごとに取得することとする。
主制御部10の動作に伴って生成されるパケット情報は、その生成間隔によって、例えば、次の2種類に分類することができる。具体的には、主制御部10は制御コマンドの送信に伴って連続して生成されるパケット情報(連続パケット情報)と、制御コマンドの送信に伴って特定の間隔ごとに生成されるパケット情報(間欠パケット情報)である。
連続パケット情報とは、主制御部10によって生成される少なくとも2つの(2回分の)連続するタイミングによって生成されたパケット情報である。ここで、連続パケット情報の生成タイミングとして、主制御部10の処理速度に応じた生成タイミングを例に説明すると、1クロックタイミングごとにパケット情報を生成可能であれば1クロックタイミングごとが連続パケット情報の生成タイミングとなり、4クロックタイミングごとにパケット情報を生成可能であれば、4クロックタイミングごとが連続パケット情報の生成タイミングとなる。このとき、主制御部10は、1クロックタイミングごとにパケット情報を生成させ、1クロックタイミングごとにパケット情報を取得して連続パケット情報とする。
間欠パケット情報とは、主制御部10によって生成されるパケット情報のうち少なくとも2つの(2回分の)タイミング(特定の間隔ごとのタイミング)によって生成されたパケット情報である。ここで、特定の間隔ごとのタイミングとは、例えば、連続した生成タイミングが特定の間隔を有して間欠的であることを意味している。この間隔の基準は、1クロックタイミングごとや4クロックタイミングごとといったクロックタイミングを基準としてもよいし、1秒、0.5秒などの時間を基準としてもよい。
具体的には、間欠パケット情報とは、主制御部10によって連続パケット情報が生成される所定の生成タイミングのうちの一部の生成タイミングである、特定の間隔ごとに間欠的に生成された少なくとも2つの(2回分の)パケット情報である。間欠パケット情報の生成タイミングは、例えば、主制御部10が、1クロックタイミングごとにパケット情報を生成可能である場合に、2クロックタイミングごとを間欠パケット情報の生成タイミングと設定することができる。このとき、主制御部10は、2クロックタイミングごとにパケット情報を生成させ、2クロックタイミングごとにパケット情報を取得して間欠パケット情報とする。
このように、パケット情報を用いて同期コードを生成する場合、それぞれのパケット情報は、所定の生成間隔、例えば、所定の時間間隔や所定のクロック数間隔、又は命令実行数間隔などに設定された生成タイミングで生成される。このとき、連続した生成タイミングのパケット情報同士は、所定の相関関係を有する情報として生成される。すなわち、連続して生成されたパケット情報同士の相関関係は、連続的に絶え間なく生成された連続パケット情報と、特定の間隔を有して間欠的に生成された間欠パケット情報とで異なるが、連続パケット情報及び間欠パケット情報においてそれぞれ所定の相関関係を有する。従って、連続する生成タイミングの複数のパケット情報同士の相関関係を求めることによって主制御部10の動作の継続性を認証することができる。
なお、パケット情報を用いて同期コードを生成する場合、一つのパケット情報を用いて一つの同期コードを生成してもよいし、複数のパケット情報を用いて一又は複数の同期コードを生成してもよい。但し、後述する後段部20での動作認証において、送信されたパケット情報同士の相関関係を確認できるよう、一つのパケット情報を用いて一つの同期コードを生成する場合は、複数個の同期コードを生成し、後段部20へ一又は複数回の送信を行うこととする。また、同期コードは、パケット情報として生成した値をそのまま利用してもよいし、これらの値に所定の演算を施して暗号化した値を利用してもよい。これらのことは、後述する動作コードの生成の際にも当てはまる。
主制御部10は、同期コードの生成に用いるパケット情報の種類を、分割数に基づいて選択することができる。より詳細には、主制御部10は、間欠パケット情報を用いて同期コードを生成するか、連続パケット情報を用いて同期コードを生成するかを、分割数に基づく所定の取り決めに従って選択することができる。所定の取り決めは、主制御部10と後段部20とで共有されており、例えば、次の(選択例1)や(選択例2)のようなものがある。図5に、主制御部10におけるパケット情報の選択方法とする所定の取り決めを模式的に示す。
(選択例1:分割数/Xの余り値)
図5に示す選択例1では、分割数として決定された値を予め決められている特定値Xで除算した際の余り値に基づいて、同期コードの生成に用いるパケット情報の種類を選択する。例えば、特定値X=3、分割数=3であれば、余り値=0となり、図5の選択例1では、間欠パケット情報を選択し、特定値X=3、分割数=4であれば、余り値=1となり、図5の選択例1では、連続パケット情報を選択する。
(選択例2:|前回の分割数−今回の分割数|の絶対値)
図5に示す選択例2では、前回決定された分割数と今回決定された分割数の減算した際の絶対値に基づいて、同期コードの生成に用いるパケット情報を選択する。例えば、前回の分割数=3、今回の分割数=5であれば、絶対値|−2|=2となり図5の選択例2では、連続パケット情報を選択する。
その他、所定の取り決めとしては、例えば、分割数2の場合は間欠パケット、分割数3の場合は連続パケット・・・というように、選択するパケット情報を分割数ごとに決めておく方法や、分割数が偶数の場合は同期コードの生成に用いるパケット情報の種類を変更し、分割数が奇数の場合は現在用いている種類のパケット情報を継続して用いる方法などがある。
同期コードを用いて主制御部10の動作順序を検証することによって不正な制御部に信号切替回路等が搭載された場合であっても、同期コードによって認証した動作順序が連続していなければ主制御部10から送信された制御コマンド以外の不正な制御部から送信された制御コマンドであると判断し、不正制御を検知することができる。
また、主制御部10は、主制御部10のみが知る分割数の値に基づいて同期コードの生成に用いるパケット情報の種類を選択することにより、不正行為者に同期コードの生成にどの種類のパケット情報を用いているかを知られることを防止できる。これにより、同期コードが不正に生成されることを防止することができる。以下、本実施の形態1では、所定の取り決めとして図5に示す(選択例1)を採用し、特定値XをX=3として説明する。また、上記同期コードを生成する処理を実行する手段は、例えば、図1に示す同期コード生成手段14に対応させることができる。
本実施の形態1では、主制御部10の制御コマンドの送信に伴って、毎回の送信の度にパケット情報を生成する連続パケット情報と、主制御部10の制御コマンドの送信に伴うが、毎回の送信の度ではなく特定の間隔ごとにパケット情報を生成する間欠パケット情報との2種類を用いて、同期コードを生成するが、本発明において同期コードの生成タイミングはこれに限定されず、同期コードは、制御コマンドの送信処理以前のタイミングで生成してもよい。具体的には、同期コードは、主制御部10の利用者(遊技者ではなく、例えば、主制御部10を遊技機に搭載する管理者や、業者など)の設定するタイミングに応じた同期コードを生成できる。このような構成にすることによって、同期コードを第三者にとってより解析の困難な情報とすることができる。
{2}動作コードの生成
また、主制御部10は、動作検査値の一つとして主制御部10の動作の継続性を認証するために、主制御部10の継続性を有する動作(ここでは、制御コマンドの送信とする)の動作順序を検証するための情報である動作コードを生成する。動作コードは、機能番号や認証回数などの一定の関係性で変動する値を用いて生成される。以下に、機能番号又は認証回数を用いて動作コードとして生成する場合について説明するが、動作コードが何を用いて生成されているかについては、後段部20との間で予め決定されている。動作コードは、機能番号及び認証回数の両方を用いて生成した動作コードなどのように、主制御部10の動作順序を検証するための情報を複数含んでもよい。
まず、機能番号を用いて動作コードを生成する場合について説明する。主制御部10では、実行される各種のプログラム(例えば、大当たりコマンド等)において所定の機能を実行するための処理毎に機能番号が予め重複なく割り当てられている。主制御部10は、機能番号が割り当てられたプログラムを実行すると、所定の機能を実行する毎に機能番号を取得する。主制御部10は、取得した機能番号を動作コードとしてRAM10cの所定の記憶領域である動作コード用メモリに、取得した順番が判別可能な状態で記憶する。例えば、主制御部10は、取得した複数の機能番号(動作コード)を、取得した順番に並べて記憶する。この取得された順番に並べられて記憶された複数の動作コードは、主制御部10が各種のプログラムを実行した際の動作順序を示している。
機能番号の割り当て方の具体例について説明する。機能番号は、例えば、大当たりリーチコマンド、大当たり開始コマンド及びそれに続く大当たりコマンド(例えば、15ラウンド分)等の連続して生成される制御コマンドに対して割り当てることができる。この場合、大当たりリーチコマンドに機能番号1を割り当てる。次に、大当たり開始コマンドに機能番号2を割り当てる。次に、15ラウンドの大当たりコマンドの各コマンドのそれぞれに機能番号3〜18を割り当てる。このように、時系列的に連続して発生する制御コマンドに連続する機能番号を割り当て、連続して発生する機能番号の連続性を検査することにより、主制御部10の動作順序の連続性を検証することができる。なお、機能番号は、連続して実行されるプログラムの所定の機能毎に割り当てればよく、そのプログラムの所定の機能の粒度(granularity)については特に制限されない。
次に、認証回数を用いて動作コードを生成する場合について説明する。認証回数とはパチンコ遊技機1の電源がオンになってからの認証処理の総回数であり、認証処理とは個体認証処理と動作認証処理を併せた処理の総称である。すなわち、認証回数とは、主制御部10が個体検査値の生成処理を行った回数である。主制御部10は、この認証回数を動作コードとしてRAM10cの所定の記憶領域である動作コード用メモリに記憶している。主制御部10は、認証処理が行われる度にRAM10cに記憶された認証回数の値に+1して、新たな認証回数の値、すなわち新たな動作コードを生成し、この動作コードをRAM10cに記憶する。なお、動作コードを生成する処理を実行する手段は、例えば、図1に示す動作コード生成手段15に対応させることができる。
[5]動作認証データの生成
主制御部10は、上記[4]の{1}の処理で生成した各同期コード、及び上記[4]の{2}の処理で生成した各動作コードに対して暗号化処理を施してもよい。ここで、暗号化方式としては、個体認証データの生成の際に用いた方式と同様のものが考えられる。なお、個体認証データの生成の際に施す暗号化処理と、各同期コードに施す暗号化処理と、各動作コードに施す暗号化処理とは、同じ暗号化処理でもよく、それぞれ異なる暗号化処理でもよい。また、同期コードごとや動作コードごとで異なる暗号化処理を施してもよい。これらのことは、後述する後段部20での中間処理情報305に関する処理にも同様に当てはまる。
ここで、主制御部10は、動作コードの生成において機能番号を用いて複数の動作コードを生成した場合、複数の動作コードが生成された順番、すなわち主制御部10の動作順序の情報を維持したまま、同期コードと併せて複数の動作認証データを生成する。例えば、主制御部10は、取得した順番に並べられた複数の機能番号(動作コード)の配列を維持したまま、動作コードのそれぞれに同期コードと併せて暗号化処理を施して、複数の動作認証データを生成する。したがって、配列された複数の動作認証データは、複数の動作コードと同様に、主制御部10が各種のプログラムを実行した際の動作順序を示している。
主制御部10において暗号化処理を施された各同期コード及び各動作コードを後段部20に送信した場合には、何らの処理も施していない各同期コード及び各動作コードをそのまま後段部20に送信する場合と比較して、各同期コード及び各動作コードを不正行為者により分析される可能性を低減することができる。
また、同期コードとともに送信される制御コマンドデータ又はその付随データの少なくともいずれか一方のデータと同期コードとを併せたデータに暗号化処理を施してもよい。同様に、動作コードとともに送信される制御コマンドデータ又はその付随データの少なくともいずれか一方のデータと動作コードとを併せたデータに暗号化処理を施してもよい。また、同期コード及び動作コードには、これらとともに送信される制御コマンドデータや付随データに関するデータを含ませてもよい。また、上記暗号化処理に対して、個体認証データの生成の際と同様、更に所定の加工処理を加えてもよい。
なお、主制御部10は、暗号化処理等の方式を予め複数用意しておき、[1]の処理において決定された今回の分割数(データブロックの数)に基づいて、複数の暗号化処理の中から次回の動作認証データの生成に用いる1個の暗号化処理を選択するようにしてもよい。具体的には、主制御部10は、例えば、今回の分割数が奇数の場合は次回の暗号化処理を今回用いた暗号化処理と異なるものを選択し、今回の分割数が偶数の場合は次回の暗号化処理を今回用いた暗号化処理と同一のものを選択する。
[6]制御信号へのデータ付加
主制御部10は、演出制御部203を介して後段部20に送信される制御コマンドデータ及び付随データへ、個体認証データ及び動作認証データを付加して認証データ付制御信号を生成する。以下、個体認証データ及び動作認証データを併せて認証データともいう。
[7]制御信号の送信
主制御部10は、認証データ付制御信号を演出制御部203を介して後段部20に送信する。
ここで、主制御部10が演出制御部203を介して後段部20に送信する制御信号のデータフォーマットの一例について、図6に示す模式図を参照して説明する。なお、機能番号を動作コードとして動作検査値を生成する場合は複数の動作認証データが生成されるが、図6では簡単のため1つの動作認証データのみを示す。図6(1)には、制御コマンドデータ301及び付随データ302が含まれる通常の制御信号300を示す。制御コマンドデータ301は、制御コマンド固有のデータである。また、付随データ302は、制御コマンドデータ301に付随するデータであり、例えば、現在の遊技状態を示すデータなど制御コマンドデータ301に対応する処理を実行するために必要な制御データである。
一方、主制御部10は、演出制御部203を介して後段部20に認証データを送信する場合、図6(2)に示すように、制御コマンドデータ301及び付随データ302に加え、個体認証データ303及び動作認証データ304を含んだ認証データ付制御信号310を生成し、出力する。動作認証データ304は、同期コード304a及び動作コード304bを含んでいる。
なお、図6には示していないが、通常の制御信号300及び認証データ付制御信号310には、一般的なデータ通信で伝送される制御信号と同様に、BCC(Block Check Character)等が含まれている場合もある。BCCは、データ伝送の過程で発生するデータ誤りなどをチェックするために、伝送ブロックごとに付加される誤り検出符号である。
なお、認証データ付制御信号は、図6(2)に示すような制御コマンドデータ301、付随データ302、個体認証データ303、同期コード304a及び動作コード304bの順で配置された認証データ付制御信号310に限らず、これらを任意の順番で配置してもよい。例えば、個体認証データ303又は動作認証データ304を制御信号の先頭に設けたり、制御コマンドデータ301と付随データ302との間に個体認証データ303又は動作認証データ304を挿入したりしてもよい。また、同期コード304a及び動作コード304bを逆に配置したり、分離して配置したりしてもよい。
このように、個体認証データ303及び動作認証データ304を制御信号に含めることによって、個体認証データ303又は動作認証データ304を単体で送信する場合と比較して、主制御部10と演出制御部203との間の通信負荷の増大を抑えることができる。また、個体認証データ303及び動作認証データ304を制御信号に含めることによって、個体認証データ303及び動作認証データ304を単体で送信する場合と比較して、通信データ中から個体認証データ303及び動作認証データ304が抽出され、解析されてしまう危険性を低減することができる。
<後段部>
後段部20は、CPU20aと、ROM20bと、RAM20c等を備えている。CPU20aは、ROM20bに予め記憶されているプログラム(プログラムコード)に基づき処理(以下、中間処理という)を実行する。ROM20bには、CPU20aが中間処理を実行するためのプログラムコードと、主制御部10を構成するROM10bに予め記憶されている分割対象の所定のプログラムコードを用いて、複数の半群演算をそれぞれ行って得られた複数の個体認証用期待値とが予め記憶されている。ROM20bの記憶領域のうち、上記複数の個体認証用期待値が予め記憶されている記憶領域は、例えば、図1に示す演算値記憶手段21に対応させることができる。RAM20cは、CPU20aが中間処理を実行する際に行う演算のワークエリアとして機能する。
本実施の形態1において、この中間処理は、以下の[1]〜[6]の通りである。
[1]制御信号の受信
後段部20は、主制御部10から演出制御部203を介して、制御コマンドデータ301及び付随データ302のみからなる通常の制御信号、又は制御コマンドデータ301、付随データ302、個体認証データ303及び動作認証データ304(同期コード304a及び動作コード304b)からなる認証データ付制御信号を受信する。
[2]個体検査値、動作検査値の抽出
後段部20は、認証データ付制御信号から個体認証データ303、動作認証データ304(同期コード304a及び動作コード304b)を抽出する。次に後段部20は、個体認証データ生成時に使用した暗号化処理に対応する復号化処理を抽出した個体認証データに施し、個体検査値を抽出する。後段部20は、抽出した個体検査値をRAM20cの所定の記憶領域である個体検査値用メモリに記憶する。また、後段部20は、抽出した動作認証データ304から同期コード304a及び動作コード304bを抽出し、RAM20cの所定の記憶領域である同期コード用メモリ及び動作コード用メモリに記憶する。なお、同期コード304a及び動作コード304bに主制御部10において暗号化処理が施されている場合、後段部20は、施された暗号化処理に対応する復合化処理を抽出した同期コード304a及び動作コード304bに施す。
本実施の形態1において、主制御部10の動作検査値生成の際に使用するRAM10cの動作検査値用メモリと、後段部20の動作検査値抽出の際に使用するRAM20cの動作検査値用メモリとは、特に混乱なく識別することができるため、これ以降、特筆しない限り両者区別なく動作検査値用メモリという用語を使用する。同期コード用メモリや動作コード用メモリなども同様とする。
[3]個体認証
後段部20は、個体検査値用メモリ内に記憶されているすべての個体検査値に対して、以下に示す順序で半群演算を行うことにより、主制御部10が正規の主制御部であるか否かについて、主制御部10の個体を認証することによる主制御部10の個体としての正当性(以下、単に正当性という)を認証する個体認証処理を行う。
{1}後段部20は、上記個体検査値用メモリ内に記憶されているすべての個体検査値を用いて半群演算(以下、結合処理という)を行う。
{2}後段部20は、予め記憶されている個体認証用期待値をROM20bの所定の記憶領域から読み出す。
{3}後段部20は、上記{1}の処理における演算結果(以下、結合結果という)と、上記{2}の処理で読み出した個体認証用期待値が一致するか否か判断する(以下、照合処理という)。
後段部20は、結合結果と個体認証用期待値が一致した場合には、個体認証に成功したと判断する。
半群演算は上記結合法則を満たしているため、主制御部10のROM10bに予め記憶されている所定のプログラムコードのすべてに対して半群演算を行って得られた結果である個体認証用期待値と、所定のプログラムコードから生成された分割数分の個体検査値に対して半群演算を行って得られた結合結果とは一致する。このとき、すなわち主制御部10に対する個体認証が成功したときは、結合処理の対象となった個体検査値の数(以下、結合数という)と、分割数とは当然に一致する。これにより、後段部20は、主制御部10の正当性を認証する。
一方、後段部20は、結合結果と個体認証用期待値が一致しなかった場合には、個体認証に成功しなかったと判断する。
{4}{3}の処理で個体認証に成功した場合、後段部20は、個体認証が成功したことを示す個体認証結果を生成し、RAM20cの個体検査値用メモリに記憶されている全ての個体検査値を消去する。
{5}{3}の処理で個体認証が成功しなかった場合、後段部20は、主制御部10から受信した個体認証データの数が所定数以上か否かを判断する。所定数は、今回の結合数(分割数)以上かつプログラムコード記憶領域400(図4参照)に記憶されているプログラムコードを分割可能な数(最大分割数)以下の範囲内の任意の数である。
{5−1}受信した個体認証データの数が所定数未満の場合、後段部20は、まだ個体認証が行える段階ではないと判断して個体認証結果に換えて、認証中途データとして、例えば、個体認証結果のデータ長と同一のデータ長を有する任意の値(例えば、オール0又はオール1)を生成する。
{5−2}受信した個体認証データの数が所定数以上の場合、後段部20は、個体認証が成功しなかったと判断して、個体認証が成功しなかったことを示す個体認証結果を生成する。
(個体認証用期待値生成の計算例)
個体認証用期待値の生成方法について、図4を参照して説明する。
後段部20は、プログラムコード記憶領域400に記憶された分割対象の所定のプログラムコード全体に対して半群演算を行った値を個体認証用期待値として保持している。例えば、方式Aの場合の個体認証用期待値は「0x01」〜「0x0C」の和である「0x4E」となる。また、方式Bの場合の個体認証用期待値は「0x01」〜「0x0C」の排他的論理和である「0x0C」となる。後段部20では、主制御部10による個体検査値生成方法である半群演算の数と同数の個体認証用期待値を保持している。
後段部20が照合に用いる個体認証用期待値は、例えば、製造時など、予め後段部20を構成するROM20bの所定の記憶領域に記憶させてもよいが、これに限定されず他の構成部から後段部20に送信することとしてもよい。他の構成部としては、例えば、賞球制御部204や個体認証用期待値を生成するための専用の処理部(以下、個体認証用期待値算出部という)などがある。なお、個体認証用期待値算出部は、予め記憶されている個体認証用期待値を後段部20に送信してもよい。また、外部接続用インターフェイス(図示略)を介して、外部の機器から後段部20や個体認証用期待値算出部に個体認証用期待値を算出するために必要な係数などを送信してもよい。このように、後段部20を構成するROM20bの所定の記憶領域に、予め個体認証用期待値を記憶させずに、他の構成部から取得することとすれば、個体検査値を事後的に変更することが可能となる。
[4]動作認証
後段部20は、動作認証データ304から抽出された動作検査値である同期コード304a及び動作コード304bのそれぞれを用いて、以下に示す順序で主制御部10の動作の継続性を認証する。なお、後段部20は、動作認証に先立って、個体認証が成功した際の、結合処理の対象となった個体検査値の数(結合数)を特定する。
{1}同期コードを用いた動作認証
後段部20は、同期コード用記メモリに記憶されている同期コード304aを用いて主制御部10の動作順序を検証する。同期コード304aには所定の生成タイミングによって生成された複数のパケット情報の少なくとも一つが含まれている。後段部20は、これら複数のパケット情報の差分を求めることによって、パケット情報同士が、予め特定されたパケット情報の種類に応じた所定の相関関係が維持されているか否かを判断することができる。
{1−1}後段部20は、主制御部10の同期コード生成時に生成されたと認識するパケット情報の種類を、結合数に基づいた所定の取り決めに従って特定する。所定の取り決めは、主制御部10が同期コード生成時に用いたパケット情報の種類を選択するために使用した所定の取り決めと同一のものである。本実施の形態1では、所定の取り決めとして上記選択例1を採用している。選択例1の場合、後段部20は、個体認証が成功した際の結合数を、主制御部10との間で予め決められている特定値X(ここではX=3)で除算した際の余り値に基づいて、パケット情報の種類を特定する。例えば、特定値X=3、結合数=3であれば、余り値=0となり、間欠パケット情報とする。
{1−2}後段部20は、あるタイミングで生成されたパケット情報と、このパケット情報から所定の生成間隔だけ経過したタイミングで生成されたパケット情報との差分を求め、この差分が、{1−1}の処理で特定されたパケット情報の種類に応じた所定の相関関係を有しているかを検証する。
{1−3}パケット情報同士の差分が所定の相関関係を有している場合、後段部20は、主制御部10が正しい動作順序で制御コマンド送信処理を行っていると判断し、主制御部10に対する同期コードを用いた動作認証が成功したと判断する。動作認証に成功した場合、後段部20は、動作認証が成功であったことを示す動作認証結果を生成する。
{1−4}パケット情報同士の差分が所定の相関関係を有していない場合、後段部20は、主制御部10が正しい動作順序で制御コマンド送信処理を行っておらず、不正な制御コマンド送信処理が行われていると判断し、主制御部10に対する同期コードを用いた動作認証が成功しなかったと判断する。動作認証に成功しなかった場合、後段部20は、動作認証が不成功であったことを示す動作認証結果を生成する。
なお、主制御部10において同期コードに暗号化処理が施されている場合、後段部20は、主制御部10の暗号化処理の内容に応じた復号化処理を施して同期コードを取得する。そして、この同期コードが、主制御部10の動作が正しい動作順序であることを表すものであった場合、主制御部10の動作は継続性があると認証する。なお、後段部20は、直接同期コードを受信した場合には、この同期コードを用いて主制御部10の動作の継続性の認証を行う。
(同期コードを用いた動作認証の計算例)
以下、後段部20における同期コード304aを用いた動作認証の計算例を説明する。後段部20は、連続した生成タイミングで生成された2つのパケット情報同士の相関関係から同期状態を検証する。例えば、1回目のパケット(以下、「パケット1」という)の基本値=0x03、2回目のパケット(以下「パケット2」という)の基本値=0x05であり、パケット1とパケット2との相関条件(認証成功条件)は「+2」となる。そして主制御部10から送信するパケット1の検査値は、基本値のまま0x03となり、パケット2の検査値は、パケット1+パケット2すなわち0x03+0x05となり「0x08」が送信される。
そして、後段部20において受信するパケット1は、基本値のまま0x03となり、パケット2は、0x08となる。そして、パケット2の基本値を算出するため、受信したパケット2からパケット1を引き、0x08−0x03=0x05を求める。
パケット1とパケット2との双方の基本値が求まると、2つのパケットの相関関係を求める。すなわち、パケット2基本値−パケット1基本値=0x05−0x03となり、相関値は0x02となる。この値は、パケット1の基本値とパケット2の基本値との相関条件(+2であること)を満たすので動作認証が成功したと判断される。動作認証が成功した後、RAM20cの同期コード用メモリに記憶されている同期コードを消去する。
なお、パケット1とパケット2を用いた演算処理において、演算結果が桁あふれしないように桁数を調整してもよいし、桁あふれしない数値範囲でパケット1とパケット2の基本値を選定してもよいし、さらに、符号なし演算として計算してもよい。また、認証強度を上げるために、認証処理ごとに相関条件を変更してもよい。例えば、1回目の相関条件は「+2」、2回目の相関条件は「+5」、3回目の相関条件は「+1」などとしてもよい。ただし、上述のような相関関係の変更ルールを適用する場合には、予め主制御部10と後段部20との相互で共有しておくか、通知する手段や工程を用意しておく。
また、単純に連続するパケット情報を送信しただけでは、第三者にパケット情報の差分を解析されてしまう可能性もある。したがって、解析を防ぐために基本値に前処理を施してもよい。例えば、パケット情報の基本値に排他的論理和演算などの各種演算処理を施してもよい。また、基本値への前処理は、パケット1とパケット2のような任意の間隔ごとに予め設定された生成タイミングによって生成された2つのパケット情報のうちのいずれか一方にのみ施してもよいし、双方に施してもよい。
{2}動作コードを用いた動作認証
後段部20は、動作コード用記メモリに記憶されている動作コード304bを用いて主制御部10の動作順序を検証する。後段部20は、主制御部10が生成する動作コードが、時系列的に所定の関係性を維持しながら生成されているかを検証するための情報として、動作コードの生成方法の種類(機能番号を用いた生成や認証回数を用いた生成など)のそれぞれに対応する動作コード用期待値を記憶している。機能番号を用いた動作コードに対応する動作コード用期待値は、主制御部10の動作順序を判別可能なように複数の動作コードが関連付けられて形成されたデータ、例えば、複数の動作コードが主制御部10の動作順序を示す順番で配列されたデータテーブルなどである。
また、認証回数を用いた動作コードに対応する動作コード用期待値は、認証回数を示す値である。この場合、後段部20は、動作認証処理が行われる度に動作コード用期待値を更新する。具体的には、後段部20は、主制御部10と同様に、動作認証処理が行われる度にRAM20cに記憶された動作コード用期待値(認証回数)の値に+1して、新たな動作コード用期待値(認証回数)として記憶する。以下に、動作コードが機能番号又は認証回数を用いて生成された場合の動作認証について説明するが、動作コードが何を用いて生成されているかについては、主制御部10との間で予め決定されている。
{2−1}動作コードが機能番号を用いて生成されている場合、動作コード用メモリから読み出した複数の動作コード304bと、動作コード用期待値としてのデータテーブルとを用いて、複数の動作認証データが正規の順序で配列されているかを判断する照合処理を行う。照合処理の結果、複数の動作認証データが正規の順序で配列されていた場合には、後段部20は、動作認証に成功したと判断する。一方、複数の動作認証データが正規の順序で配列されていなかった場合には、後段部20は、動作認証に成功しなかったと判断する。
{2−2}動作コードが認証回数を用いて生成されている場合、動作コード用メモリから読み出した複数の動作コード304bと、動作コード用期待値としての認証回数とが一致するか否かを判断する照合処理を行う。照合処理の結果、動作コードと動作コード用期待値とが一致した場合には、後段部20は、動作認証に成功したと判断する。一方、動コードと動作コード用期待値とが一致しなかった場合には、後段部20は、動作認証に成功しなかったと判断する。そして後段部20は、認証回数を示す動作コード用期待値を更新する。
{2−3}上記{2−1}、{2−2}の処理で、動作認証に成功した場合、後段部20は、動作認証が成功したことを示す認証結果を生成し、動作認証に成功しなかった場合、後段部20は、動作認証が成功しなかったことを示す認証結果を生成する。
なお、主制御部10において同期コード及び動作コードに所定の演算が施されている場合、後段部20は、主制御部10の演算処理の内容に応じて所定の演算を行って同期コード及び動作コードを取得する。そして、この同期コード及び動作コードが、主制御部10の動作が正しい順序の動作であることを表す動作検査値であった場合、主制御部10の動作の継続性が確保されていると判断する。なお、後段部20は、直接同期コード及び動作コードを受信した場合には、この同期コード及び動作コードを用いて主制御部10の動作の継続性の認証を行う。以下、本実施の形態1では、動作コードが機能番号を用いて生成されるとして説明する。
[5]中間処理情報の生成
後段部20は、[3]の個体認証処理、[4]の動作認証処理で得られた各認証結果の少なくともいずれか一つが認証不成功を示す結果であった場合、認証不成功の結果に基づいて認証不成功信号を生成する。このとき後段部20は、認証不成功信号に対して主制御部10で個体認証データを生成した際と同様に暗号化処理を施してもよい。以下、個体認証処理及び動作認証処理を併せて認証処理ともいう。
[6]認証不成功信号の送信
後段部20は、認証不成功信号を演出制御部203に送信する。なお、これらの中間処理([1]〜[6]の処理)の詳細については、後述する。また、上記の個体認証処理、及び動作認証処理を実行する手段は、例えば、図1に示す個体認証手段22、及び動作認証手段23に対応させることができる。
<演出制御部>
演出制御部203は、CPU203aと、ROM203bと、RAM203cと、VRAM203d等を備えている。CPU203aは、主に遊技中における演出を制御し、ROM203bに予め記憶されているプログラム(プログラムコード)に基づき、主制御部10より送信される制御コマンドに基づいて演出の抽選及び演出処理を実行する。ROM203bには、CPU203aが演出の抽選及び演出処理を実行するためのプログラムコードと、過去の演出パターンとが予め記憶されている。RAM203cは、CPU203aが演出の抽選及び演出処理を実行する際に行う演算処理において、データ等のワークエリアとして機能する。VRAM203dには、図柄表示部104に表示させるための画像データが書き込まれる。
この演出制御部203は、主制御部10より送信される演出に係る制御コマンドを受信すると、この制御コマンドに基づいて抽選を行い、演出背景パターン、リーチ演出パターン、登場キャラクター等の演出を確定するとともに、当該確定した演出の制御を行う。
また、演出制御部203の出力側には、図柄表示部104が接続されており、抽選によって決定された内容のとおりに、図柄表示部104に、例えば、図柄変動の演出表示を展開する。
そして通常、CPU203aがROM203bに記憶されたプログラムを読み込んで、背景画像表示処理、図柄画像表示及び変動処理、キャラクター画像表示処理など各種画像処理を実行し、必要な画像データをROM203bから読み出してVRAM203dに書き込む。背景画像、図柄画像、キャラクター画像は、表示画面上において図柄表示部104に重畳表示される。
すなわち、図柄画像やキャラクター画像は背景画像よりも手前に見えるように表示される。このとき、同一位置に背景画像と図柄画像が重なる場合、Zバッファ法など周知の陰面消去法により各画像データのZバッファのZ値を参照することで、図柄画像を優先してVRAM203dに記憶させる。
また、演出制御部203は、以上概略説明した処理の他に、主制御部10や後段部20から送信された制御信号の種類に応じて、ROM203bに予め記憶されているプログラムに基づき、以下の[1]〜[4]に示す認証に関する処理を実行する。
[1]制御信号の受信
演出制御部203は、主制御部10から送信された制御信号が、制御コマンドデータ301及び付随データ302のみからなる通常の制御信号か、制御コマンドデータ301及び付随データ302に個体認証データ303又は動作認証データ304が付加された認証データ付制御信号を受信する。
[2]後段部への制御信号の送信
演出制御部203は、主制御部10から送信された制御信号の種類に関わらず、受信した制御信号をそのまま後段部20へ送信する。なお、送信する制御信号が認証データ付制御信号の場合には、認証データ付制御信号から認証データ303を抽出し、認証データだけを後段部20に送信してもよい。
[3]制御コマンドに基づく処理の実行
演出制御部203は、主制御部10から送信された制御信号の種類に拘わらず、受信した制御信号に含まれる制御コマンドに基づく処理を行う。
[4]認証不成功信号に基づく処理
演出制御部203は、後段部20から認証不成功信号を受信した場合、認証が不成功の旨を報知する。
なお、これら認証に関する処理の詳細については、後述する。
演出制御部203の入力側には、上記チャンスボタン117が操作されたことを検出するチャンスボタン検出部220が接続されている。また演出制御部203の出力側には、スピーカ277が接続されており、演出制御部203において確定したとおりに、音声が出力されるようにしている。
また演出制御部203の出力側には、ランプ制御部205を備えている。
<その他の制御部>
ランプ制御部205は、演出制御部203より送信された制御コマンドに基づきROM205bから読み込んだプログラムを作動させて演出処理を実行するCPU205aと、上記プログラム及び各種演出パターンデータを記憶するROM205bと、CPU205aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能するRAM205c等を備えている。ランプ制御部205は、ランプ262、演出ライト111a及び111b、演出役物作動装置254を制御する。演出役物作動装置254は、演出役物115等の、演出用の役物を作動させるモータやソレノイド等によって構成されている。
ランプ制御部205は、遊技盤101や台枠等に設けられている各種ランプ262に対する点灯制御等を行い、また、演出ライト111a及び111bをそれぞれ構成する複数のライト112に対する点灯制御等を行い、各ライト112からの光の照射方向を変更するためにモータに対する駆動制御等を行う。
また、ランプ制御部205は、演出制御部203より送信された制御コマンドに基づき、演出役物115を動作させる演出役物作動装置254のソレノイドや、瞼部116を動作させる演出役物作動装置254のモータに対する駆動制御等を行う。
賞球制御部204は、主制御部10と送受信可能に接続されている。賞球制御部204は、ROM204bに記憶されたプログラムに基づき、賞球制御を行う。この賞球制御部204は、ROM204bに記憶されたプログラムを作動して賞球制御の処理を実行するCPU204aと、CPU204aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能するRAM204c等を備えている。
賞球制御部204は、接続される払出部291に対して、各入球口(第1始動口105、第2始動口120、普通入賞口107、第1大入賞口109c、第2大入賞口129c)に入球した遊技球に対応した賞球数を払い出す制御を行う。また、賞球制御部204は、発射部292に対する遊技球の発射の操作を検出し、遊技球の発射を制御する。発射部292は、遊技のための遊技球を発射するものであり、遊技者による遊技操作を検出するセンサ(図示略)と、遊技球を発射させるソレノイド等(図示略)を備えている。賞球制御部204は、発射部292のセンサにより遊技操作を検出すると、検出された遊技操作に対応してソレノイド等を駆動させて遊技球を間欠的に発射させ、遊技盤101の遊技領域103に遊技球を送り出す。
払出部291は、遊技球の貯留部から所定数を払い出すためのモータ等からなる。
上記構成の主制御部10と、後段部20と、演出制御部203と、賞球制御部204と、ランプ制御部205とは、それぞれ異なるプリント基板(例えば、主制御部10は主制御基板、後段部20は中間基板、演出制御部203は演出制御基板、賞球制御部204は賞球制御基板、ランプ制御部205はランプ制御基板)に搭載されている。これらのうち、中間基板、演出制御基板、賞球制御基板及びランプ制御基板の総称として、「周辺基板」を用いる。なお、例えば、後段部20は、演出制御部203と同一のプリント基板上に搭載することもできる。また、賞球制御部204は、主制御部10と同一のプリント基板上に搭載することもできる。
次に、上記構成のパチンコ遊技機1の動作について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、「制御コマンドを送信する」とは、「当該制御コマンドを示すデータ(制御コマンドデータ)を含む制御信号を送信する」という意味であり、例えば、図6に示す個体認証データや動作認証データや付随データの有無は考慮しないものとする。
主制御部10による演出制御部203及び賞球制御部204への制御コマンド送信を含む処理について、図7及び図8に示すフローチャートを参照して説明する。
まず、主制御部10は、パチンコ遊技機1の電源投入に伴う初期設定処理を実行(ステップS1)した後、ステップS2へ進む。なお、パチンコ遊技機1に電源が投入された際には、周辺基板が主制御基板から受信する制御コマンドを確実に取り込むために、周辺基板が立ち上がってRAM領域の初期化処理を行い、待機状態となった後、主制御基板が立ち上がるように構成されている。主制御部10は、初期設定処理として、例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定するとともに、後段部20、演出制御部203及び賞球制御部204が待機状態になることを待つために、所定時間(例えば、約1秒間)だけ待機する。
ステップS2では、主制御部10は、演出制御部203及び賞球制御部204に電源投入コマンドを送信した後、ステップS3へ進む。電源投入コマンドを受信すると、演出制御部203は、図柄表示部104やランプ制御部205のそれぞれに対して電源投入時の演出用の制御コマンド、具体的には、遊技機が非遊技状態における客待ちのデモ画面を表示するための客待ちデモコマンド、あるいは、ランプの点灯等を行うための制御コマンドを送信する。
なお、電源投入コマンドは、電源投入後に電源投入に伴う処理を実行させるための制御コマンドを示し、各制御基板が立ち上がった後に、主制御部10が演出制御部203、賞球制御部204、及び演出制御部203を介して後段部20とランプ制御部205に送信する制御コマンドであって、電源投入後の立ち上げ時における遊技を制御するための初期制御情報、例えば、制御モード、バックアップデータ等を送信するための制御コマンド、あるいは初期演出表示の制御を行うための制御コマンド、例えば、客待ちデモ等の各種のデモ表示を開始させるための制御コマンドである。また、この電源投入コマンドは遊技機のリセットボタンを押圧したときに実行される、上記制御モード、バックアップデータ等を送信するための制御コマンドも含む。
ステップS3では、主制御部10は、RAM10cに記憶されている未抽選入賞回数データを参照して、未抽選入賞回数が0回であるか否かを判断する。ここで、未抽選入賞回数とは、第1始動口検出部221又は第2始動口検出部225で検出された遊技球の数(入賞回数)から、当該遊技球の入球に対応する抽選が行われた回数(既抽選回数)を減じた数である。ステップS3の判断結果が「NO」の場合、すなわち、未抽選入賞回数が0回でない場合には、主制御部10は、後述するステップS10へ進む。一方、ステップS3の判断結果が「YES」の場合、すなわち、未抽選入賞回数が0回である場合には、主制御部10は、ステップS4へ進む。
ステップS4では、主制御部10は、電源投入時のデモが開始されてから経過した時間を計測した後、ステップS5へ進む。ステップS5では、主制御部10は、電源投入時のデモが開始されてから所定時間が経過したか否かを判断する。ステップS5の判断結果が「YES」の場合、すなわち、電源投入時のデモが開始されてから所定時間が経過した場合には、主制御部10は、ステップS6へ進む。なお、上記電源投入時のデモを開始するための制御コマンドは、客待ちデモコマンドとしてもよい。
ステップS6では、主制御部10は、演出制御部203に客待ちデモコマンドを送信した後、ステップS7へ進む。客待ちデモコマンドを受信すると、演出制御部203は、図柄表示部104やランプ制御部205のそれぞれに対して客待ちデモ用の制御信号を送信する。
一方、ステップS5の判断結果が「NO」の場合、すなわち、電源投入時のデモ(又は客待ちデモ)が開始されてから所定時間が経過していない場合には、主制御部10は、ステップS7へ進む。ステップS7では、主制御部10は、第1始動口検出部221で第1始動口105への遊技球の入球が検出されたか又は第2始動口検出部225で第2始動口120への遊技球の入球が検出されたか否かを判断する。ステップS7の判断結果が「YES」の場合、すなわち、第1始動口検出部221で第1始動口105への遊技球の入球が検出されたか又は第2始動口検出部225で第2始動口120への遊技球の入球が検出された場合には、主制御部10は、ステップS8へ進む。
一方、ステップS7の判断結果が「NO」の場合、すなわち、第1始動口検出部221で第1始動口105への遊技球の入球が検出されず、かつ、第2始動口検出部225で第2始動口120への遊技球の入球が検出されない場合には、主制御部10は、ステップS4へ戻り、ステップS4以降の処理を繰り返す。
ステップS8では、主制御部10は、客待ちデモ(又は電源投入時のデモ)が開始されてから計測していた時間をクリアした後、ステップS9へ進む。ステップS9では、主制御部10は、未抽選入賞回数に1を加算する。なお、第1始動口検出部221又は第2始動口検出部225で複数の遊技球の入球が検出された場合、このステップS9では、主制御部10は、未抽選入賞回数に入球に相当する数を加算する。そして、主制御部10は、ステップS10へ進む。ステップS10では、主制御部10は、予め用意された乱数カウンタ(例えば、0〜250をカウント)から1つの大当たり判定用乱数を無作為に取得した後、ステップS11へ進む。ステップS11では、主制御部10は、未抽選入賞回数から1を減算した後、ステップS12へ進む。
ステップS12では、主制御部10は、例えば、予めROM10bに記憶されている大当り判定データテーブルを参照して、ステップS10の処理で取得した大当たり判定用乱数が、この大当り判定データテーブルに記憶されている大当たりの乱数値であるか否かを判断する。また、ステップS12では、主制御部10は、取得した大当たり判定用乱数がはずれの乱数の場合には、例えば、大当り判定データテーブルを参照して、さらに「リーチ有りのはずれ」又は「リーチ無しのはずれ」であるかについても判断する。ステップS12の判断結果が「YES」の場合、すなわち、ステップS10で取得した大当たり判定用乱数が予め定められた大当たり乱数である場合には、主制御部10は、ステップS13へ進む。
ステップS13では、主制御部10は、演出制御部203に、例えば、大当たりの種別コード(通常当りか確率変動当りか等)、リーチ有り、図柄変動時間、等の制御データ(付随データ)を含む大当たりリーチコマンド(図柄変動コマンド)を送信した後、ステップS14へ進む。ステップS14では、主制御部10は、図柄変動時間が経過したか否かを判断する。ステップS14の判断結果が「NO」の場合、すなわち、図柄変動時間が経過していない場合には、主制御部10は、同判断を繰り返す。そして、図柄変動時間が経過すると、ステップS14の判断結果が「YES」となり、主制御部10は、ステップS15へ進む。
ステップS15では、主制御部10は、演出制御部203に図柄停止コマンドを送信した後、ステップS16へ進む。ステップS16では、主制御部10は、演出制御部203に大当たり開始コマンドを送信した後、ステップS17へ進む。ステップS17では、主制御部10は、演出制御部203に大当たり中の各ラウンドに対応するコマンド(大当たりコマンド)を順次送信し、すべてのラウンドの大当たりコマンドの送信を終了した後、ステップS18へ進む。ステップS18では、主制御部10は、演出制御部203に大当たり終了コマンドを送信した後、ステップS22へ進む。
一方、ステップS12の判断結果が「NO」の場合、すなわち、ステップS10の処理で取得した大当たり判定用乱数が予め定められた大当たり乱数でない場合には、主制御部10は、ステップS19へ進む。ステップS19では、主制御部10は、「リーチ有りのはずれ」の場合には「はずれリーチコマンド(図柄変動コマンド)」を、「リーチ無しのはずれ」の場合には「はずれコマンド(図柄変動コマンド)」を演出制御部203に送信した後、ステップS20へ進む。
ステップS20では、主制御部10は、図柄変動時間が経過したか否かを判断する。ステップS20の判断結果が「NO」の場合、すなわち、図柄変動時間が経過していない場合には、主制御部10は、同判断を繰り返す。そして、図柄変動時間が経過すると、ステップS20の判断結果が「YES」となり、主制御部10は、ステップS21へ進む。ステップS21では、主制御部10は、演出制御部203に図柄停止コマンドを送信した後、ステップS22へ進む。
ステップS22では、主制御部10は、パチンコ遊技機1の電源がオフにされたか否かを判断する。ステップS22の判断結果が「NO」の場合、すなわち、パチンコ遊技機1の電源がオフにされていない場合には、主制御部10は、図7に示すステップS3へ戻り、ステップS3以降の処理を繰り返す。
一方、ステップS22の判断結果が「YES」の場合、すなわち、パチンコ遊技機1の電源がオフにされた場合には、主制御部10は、ステップS23へ進む。ステップS23では、主制御部10は、演出制御部203に終了処理コマンドを送信した後、一連の処理を終了する。
ここで、図9に、大当たり関連コマンド(大当たりリーチコマンド、大当たり開始コマンド、大当たりコマンド、大当たり終了コマンド)の送信タイミングの一例であるタイミングチャートを示す。図9(1)に示す大当たりリーチコマンドは、ランダムに送信される。また、図9(2)に示す大当たり開始コマンドは、実際に大当たりが発生した場合に、大当たり状態に移行する際に1度だけ送信される。さらに、図9(3)に示す大当たりコマンドは、大当たり状態に移行した後、ラウンドごとに継続的に送信される。また、図9(4)に示す大当たり終了コマンドは、大当たり状態のすべてのラウンドが終了し、通常の状態に移行する際に1度だけ送信される。
次に、演出制御部203による処理について説明する。以下では、図柄変動時(大当たりリーチコマンド(図8に示すステップS13参照)又は、はずれリーチコマンド(図8に示すステップS19参照)を受信した場合)及び、大当たり時の演出制御部203の処理について説明する。
まず、演出制御部203による図柄変動処理について、図10に示すフローチャートを参照して説明する。
演出制御部203は、主制御部10から、図柄変動コマンドである大当たりリーチコマンド(図8に示すステップS13参照)又ははずれリーチコマンド(図8に示すステップS19参照)のいずれかを受信したか否かを判断する(図10のステップS31参照)。この判断結果が「NO」の場合には、演出制御部203は、同判断を繰り返す。そして、大当たりリーチコマンド又ははずれリーチコマンドのいずれかを受信すると、ステップS31の判断結果が「YES」となり、演出制御部203は、ステップS32へ進む。
ステップS32では、演出制御部203は、予め用意された乱数(例えば、0〜250)から1つの変動演出選択用乱数を無作為に取得した後、ステップS33へ進む。ステップS33では、演出制御部203は、ステップS32の処理で取得した変動演出選択用乱数に基づいて変動演出の種類を選択した後、ステップS34へ進む。
ステップS34では、演出制御部203は、図柄表示部104やランプ制御部205に変動演出別の演出開始コマンドを送信した後、ステップS35へ進む。ステップS35では、演出制御部203は、変動演出の演出時間が経過したか否かを判断する。ステップS35の判断結果が「NO」の場合、すなわち、変動演出の演出時間が経過していない場合には、演出制御部203は、ステップS36へ進む。
ステップS36では、演出制御部203は、主制御部10から図柄停止コマンド(図8に示すステップS15及びS21参照)を受信したか否かを判断する。ステップS36の判断結果が「NO」の場合、すなわち、図柄停止コマンドを受信していない場合には、演出制御部203は、ステップS35へ戻り、ステップS35以降の処理を繰り返す。
一方、ステップS36の判断結果が「YES」の場合、すなわち、図柄停止コマンドを受信した場合には、演出制御部203は、ステップS37へ進む。また、ステップS35の判断結果が「YES」の場合、すなわち、変動演出の演出時間が経過した場合にも、演出制御部203は、ステップS37へ進む。ステップS37では、演出制御部203は、図柄表示部104やランプ制御部205に演出停止コマンドを送信した後、一連の処理を終了する。
次に、演出制御部203による大当たり時の処理について、図11に示すフローチャートを参照して説明する。
まず、演出制御部203は、主制御部10から大当たり開始コマンド(図8に示すステップS16参照)を受信したか否かを判断する(図11のステップS41参照)。この判断結果が「NO」の場合には、演出制御部203は、同判断を繰り返す。そして、大当たり開始コマンドを受信すると、ステップS41の判断結果が「YES」となり、演出制御部203は、ステップS42へ進む。
ステップS42では、演出制御部203は、図柄表示部104やランプ制御部205に大当たり開始処理コマンドを送信した後、ステップS43へ進む。ステップS43では、演出制御部203は、主制御部10からラウンド別の大当たりコマンド(図8に示すステップS17参照)を受信したか否かを判断する。この判断結果が「NO」の場合には、演出制御部203は、同判断を繰り返す。そして、ラウンド別の大当たりコマンドを受信すると、ステップS43の判断結果が「YES」となり、演出制御部203は、ステップS44へ進む。
ステップS44では、演出制御部203は、図柄表示部104やランプ制御部205に受信したラウンド別の大当たりコマンドに対応するラウンド別処理コマンドを送信した後、ステップS45へ進む。ステップS45では、主制御部10から大当たり終了コマンド(図8に示すステップS18参照)を受信したか否かを判断する。この判断結果が「NO」の場合には、演出制御部203は、同判断を繰り返す。そして、大当たり終了コマンドを受信すると、ステップS45の判断結果が「YES」となり、演出制御部203は、ステップS46へ進む。ステップS46では、演出制御部203は、図柄表示部104やランプ制御部205に、受信した大当たり終了コマンドを送信した後、一連の処理を終了する。
次に、ランプ制御部205によるランプ制御処理について説明する。ここでは、演出制御部203から図柄変動コマンドを受信した場合(図柄変動時)の処理について、図12に示すフローチャートを参照して説明する。
まず、ランプ制御部205は、演出制御部203から演出開始コマンド(図10に示すステップS34参照)を受信したか否かを判断する(図12のステップS51参照)。この判断結果が「NO」の場合には、ランプ制御部205は、同判断を繰り返す。そして、演出開始コマンドを受信すると、ステップS51の判断結果が「YES」となり、ランプ制御部205は、ステップS52へ進む。
ステップS52では、ランプ制御部205は、例えば、ROM205bから予めコマンド別に記憶されているデータを読み出した後、ステップS53へ進む。ステップS53では、ランプ制御部205は、コマンド別の選択ルーチンを実行した後、ステップS54へ進む。ステップS54では、ランプ制御部205は、ランプデータをセットした後、ステップS55へ進む。
ステップS55では、ランプ制御部205は、ランプ262にランプデータを出力した後、ステップS56へ進む。これにより、ランプ262は、ランプ制御部205から出力されたランプデータに基づいて、点灯又は消灯する。ステップS56では、ランプ制御部205は、演出制御部203から演出停止コマンド(図10に示すステップS37参照)を受信したか否かを判断する。この判断結果が「NO」の場合には、ランプ制御部205は、ステップS55へ戻り、ステップS55以降の処理を繰り返す。一方、ステップS56の判断結果が「YES」の場合、すなわち、演出制御部203から演出停止コマンドを受信した場合には、ランプ制御部205は、ステップS57へ進む。ステップS57では、ランプ制御部205は、ランプデータの出力を停止した後、一連の処理を終了する。
以上説明したように、演出制御部203及びランプ制御部205は、主制御部10から送信される制御コマンドに基づいて各種の処理を行っている。賞球制御部204についても同様である。以下、演出制御部203、賞球制御部204及びランプ制御部205の総称として、「周辺部」を用いる。従って、図1に示す本実施の形態1に係る遊技機1の周辺部30は、演出制御部203の機能を有する演出制御手段、賞球制御部204の機能を有する賞球制御手段及びランプ制御部205の機能を有するランプ制御手段を備えている。
ところで、上記のように、遊技機に対し行われる不正行為や、雑音等に起因する遊技機の誤動作により、遊技とは無関係に遊技媒体が払い出され遊技店が多大な損害を被ってしまうことがある。そこで、上記不正行為及び雑音等に起因する遊技機の誤動作を防止するため、本実施の形態1に係るパチンコ遊技機1では、演出制御部203の後段に後段部20を設けている。
そして、本実施の形態1においては、主制御部10は、所定のプログラムコードを用いて分割数分の個体認証データを生成し、また、動作認証データを生成し、これら個体認証データ、動作認証データを制御コマンドに付加して演出制御部203を介して後段部20に送信する。
後段部20は、主制御部10から受信した個体認証データから得られた各個体検査値を用いて主制御部10が正規の主制御部であるか否かの認証を行う。また、後段部20は、動作認証データから各動作検査値(同期コード及び動作コード)を用いて主制御部10の動作順序が正しいか否か、制御信号が正しい制御信号か否かの認証を行う。次に、後段部20は、上記認証処理で得られた認証結果が認証不成功の場合には認証不成功信号を演出制御部203に送信する。そして、演出制御部203は、後段部20から受信した認証不成功信号に基づき、その旨の報知を行う。このように、後段部20を認証者、主制御部10を被認証者とした認証処理を行い、主制御部10の個体の正当性及び主制御部10から送信される制御コマンドの継続性を認証する。この認証処理によって、上記不正行為を検知して、パチンコ遊技機1への不正を防止することができるとともに、外部から加えられる電気的な雑音や機械的な振動等に起因するパチンコ遊技機1の誤動作を低減することもできる。
以下、主制御部10と後段部20及び周辺部30との間で行う認証に関する処理について説明する。以下、主制御部10と後段部20との間の認証に関する処理について、図13及び図14に示すフローチャートを参照して説明するが、主制御部10と賞球制御部204との間の認証に関する処理も同様の手順で行われる。
図13は、主制御部10による制御信号の送信処理の手順を示すフローチャートである。主制御部10は通常の制御信号の送信を行いながら(ステップS61)、認証データの送信タイミングであるか否かを判断する(ステップS62)。この判断結果がNOの場合には、主制御部10は、ステップS61に戻り、再びステップS62の判断を行う。認証データの送信タイミングになると、すなわち、出力する制御コマンドが所定の制御コマンドとなると、ステップS62の判断結果が「YES」となり、主制御部10はステップS63に進み分割数を決定する。分割数の決定方法は任意である。また、分割数は認証データの送信タイミングとなる前に決定されてもよい。
次に、主制御部10は、決定した分割数で所定のプログラムコードを分割し、分割された各データそれぞれに対して半群演算を行って個体検査値を算出し(ステップS64)、個体検査値に対して暗号化処理を施して個体認証データを生成する(ステップS65)。この処理により、分割数分の個体検査値及び個体認証データが生成される。なお、個体検査値の生成は、認証データの送信タイミングとなる前に行っておいてもよい。
次に、主制御部10は、ステップS63で決定した分割数に基づいて、同期コードの生成に用いるパケット情報の種類を選択する(ステップS66)。具体的には、間欠パケット情報又は連続パケット情報のいずれかを選択する。そして、選択したパケット情報を生成して、そのパケット情報を元にして同期コードを生成する(ステップS67)。なお、ステップS66とステップS67とを入れ替えて、間欠パケット情報及び連続パケット情報の両方をそれぞれ用いて2つの同期コードを生成しておき、どちらの同期コードを利用するかを後から選択するようにしてもよい。また、主制御部10は、機能番号を用いて動作コードを生成する(ステップS68)。
続いて、主制御部10は、個体検査値(個体認証データ)、同期コード及び動作コード(動作認証データ)を制御コマンドデータに付加して(ステップS69)、演出制御部203に認証データ付制御信号を送信する(ステップS70)。認証データ付制御信号は連続して送信してもよいし、通常の制御信号に混ぜて送信してもよい。また、認証データの送信順序も任意である。主制御部10は、全ての認証データ(個体認証データ及び動作認証データ)を送信するまで(ステップS71:NO)、ステップS70に戻り、認証データ付制御信号の送信を繰り返す。なお、主制御部10は、生成した認証データのうち未送信の認証データがある場合(ステップS71:NO)、新たに認証データを生成せず、必ずステップS70に戻り認証データ付制御信号の送信を行う。また、認証データを付加する制御コマンドは特に制限されず任意の制御コマンドでよい。そして、全ての認証データを送信すると(ステップS71:YES)、本フローチャートによる処理を終了する。
次に、後段部20による主制御部10の認証処理について説明する。図14は、後段部20による主制御部10の認証処理の手順を示すフローチャートである。まず、後段部20は、主制御部10から送信された図5に示すような制御信号を受信したか否かを判断する(ステップS81)。この判断結果が「NO」の場合には、後段部20は、同判断を繰り返す。そして、主制御部10から送信された制御信号を受信すると(ステップS81:YES)、後段部20は、ステップS82へ進む。
ステップS82では、後段部20は、受信した制御信号に各認証データが含まれているか否かを判断する。受信した制御信号に各認証データが含まれている場合(ステップS82:YES)、後段部20は、ステップS83へ進む。ここで、制御信号に各認証データが含まれているか否かの判断は、例えば、制御信号のデータ量が通常の制御信号よりも多いか否かや、制御信号において、制御コマンドデータ301又は付随データ302を構成する任意のビット又は別個に設けられている識別データ(図示略)が各認証データが含まれていることを示しているか否かを判断することによって行う。なお、ステップS82の処理において、後段部20は、受信した制御信号に各認証データが含まれているか否かを判断するのではなく、制御信号に含まれる制御コマンドデータ301が所定の制御コマンドの制御コマンドデータであるか否かを判断してもよい。
受信した制御信号に各認証データが含まれている場合(ステップS82:YES)、すなわち、受信した制御信号が認証データ付制御信号の場合、後段部20は、受信した認証データ付制御信号に含まれている個体認証データを抽出して復号化処理を行って個体検査値を取得するとともに、認証データ付制御信号に含まれている動作認証データを抽出して復号化処理を行って同期コード及び動作コードを取得する(ステップS83)。
後段部20は、取得した個体検査値を個体検査値用メモリに、同期コードを同期コード用メモリに、動作コードを動作コード用メモリに記憶して(ステップS84)する。次に、後段部20は、個体検査値用メモリ内の全ての個体検査値に対して半群演算(結合処理)を行う(ステップS85)。個体検査値用メモリ内の検査値が1つの場合は、結合処理を行わずにそのままステップS86に移行する。
そして、後段部20は、結合処理の演算結果(結合結果)と保持している個体認証用期待値とを照合して、結合結果と個体認証用期待値とが一致するか否かを判断する(ステップS86)。結合結果と個体認証用期待値とが一致する場合(ステップS86:YES)、後段部20は、主制御部10の個体認証を成功させる(ステップS87)主制御部10の個体認証が成功すると、後段部20は、認証結果に基づいて結合数を特定する(ステップS88)。
続いて、後段部20は、結合数に基づいて同期コードの生成に用いられたとするパケット情報の種類を特定する(ステップS89)。そして、ステップS89で特定したパケット情報に対応する方法で、同期コードを用いた動作認証を行う(ステップS90)。同期コードを用いた動作認証は、同期コードに含まれるパケット情報の相関関係がパケット情報の種類に応じた所定の相関関係であるか否かを判断することにより行う。同期コードを用いた動作認証が成功すると(ステップS91:YES)、後段部20は、動作コードを用いた動作認証を行う(ステップS92)。なお、同期コードを用いた動作認証と動作コードを用いた動作認証とは、順番を入れ替えてもよい。
動作コードを用いた動作認証が成功し(ステップS93:YES)、同期コード及び動作コードの双方に対する動作認証が成功すると、後段部20は、受信した制御信号が正しい信号であるとして認証し(ステップS94)、個体検査値用メモリ、同期コード用メモリ及び動作コード用メモリの内のデータを削除して(ステップS95)、本フローチャートによる処理を終了する。
一方、ステップS86において、結合結果と個体認証用期待値が一致しない場合(ステップS86:NO)、後段部20は、所定数以上の個体認証データ303を受信するまで(ステップS96:NO)、ステップS81に戻り、個体認証データ303の受信及び個体検査値の結合処理を繰り返す。所定数以上の個体認証データ303を受信すると(ステップS96:YES)、後段部20は、主制御部10の個体認証を不成功とする(ステップS97)。個体認証が不成功となると、後段部20は、認証不成功の認証結果に基づいて認証不成功信号を生成して演出制御部203に送信し(ステップS98)、本フローチャートによる処理を終了する。
また、同期コードを用いた動作認証又は動作コードを用いた動作認証のいずれかが成功しなかった場合(ステップS91:NO又はステップS93:NO)、後段部20は受信した制御信号を不正な制御信号として検知し(ステップS99)、主制御部10の動作認証を不成功とする。動作認証が不成功となると、後段部20は、認証不成功の認証結果に基づいて認証不成功信号を生成して演出制御部203に送信し(ステップS98)、本フローチャートによる処理を終了する。
また、ステップS82で、受信した制御信号に各認証データが含まれていない場合、すなわち、受信した制御信号が通常の制御信号300である場合(ステップS82:NO)、後段部20は、認証処理を行わず、受信した通常の制御信号300の制御コマンドデータ301及び付随データ302を破棄して(ステップS100)、本フローチャートによる処理を終了する。
このように、後段部20において、同期コードおよび動作コードの2種類の動作検査値を用いて主制御部10の動作順序を検証する。2種類の動作検査値を用いて二重に認証処理を行うことにより、後段部20による動作認証処理の強度を向上させることができるとともに、主制御部10の動作順序を検証することによって、主制御部10の動作の連続性を認証することができ、例えば信号切替回路などを搭載した不正な制御基板を検知することができる。
また、個体認証データの復号化及び個体検査値と個体認証用期待値との照合といった個体認証処理、及び動作認証データを用いた動作認証処理は、後段部20のみが実行するので、演出制御部203を構成するCPU203aの処理負荷が増大することはない。このため、演出制御部203の処理速度が低下し、演出のための表示がスムーズに行われないなどの問題が発生することを防止することができる。
なお、本実施の形態1では、認証処理が成功したのち、ステップS95において各メモリ内のデータを削除しているが、これに限定されない。例えば、各メモリ内に最後に記憶された、すなわち主制御部10で最後に生成された同期コード及び動作コードを残してメモリ内のデータを削除し、今回の認証に関する処理の最後に生成された同期コード及び動作コードと、次回の認証に関する処理で生成される同期コード及び動作コードとを用いて、主制御部10の動作認証を行ってもよい。これにより、今回の認証に関する処理と次回の認証に関する処理との間で動作認証を行うことができる。
次に、演出制御部203による認証に関する処理について説明する。図15は、演出制御部203による認証に関する処理の一例を示すフローチャートである。まず、演出制御部203は、主制御部10から制御信号を受信したか否かを判断する(ステップS111)。この判断結果が「NO」の場合には、演出制御部203は、同判断を繰り返す。そして、主制御部10から制御信号を受信すると、ステップS111の判断結果が「YES」となり、演出制御部203は、ステップS112へ進む。
ステップS112では、演出制御部203は、受信した制御信号が通常の制御信号か、あるいは認証データ付制御信号かに関わらず、受信した制御信号をそのまま後段部20に送信するとともに(ステップS112)、これらの制御信号に含まれる制御コマンドデータ301及び付随データ302に基づく処理を開始する(ステップS113)。
ステップS114では、演出制御部203は、後段部20から送信された認証不成功信号を受信したか否かを判断する。後段部20から認証不成功信号を受信していない場合は(ステップS114:NO)、演出制御部203は、後段部20において主制御部10の認証に成功したと判断して、本フローチャートによる処理を終了する。
一方、後段部20から認証不成功信号を受信した場合には(ステップ114:YES)、演出制御部203は、後段部20において主制御部10の認証に成功しなかったと判断して、ステップS113の処理で開始した制御コマンドデータ301及び付随データ302に基づく処理を中断するとともに、不正行為を報知するための報知信号を図柄表示部104やランプ制御部205、あるいはパチンコ遊技機1を管理するセンター制御装置などに送信した後(ステップS115)、本フローチャートによる処理を終了する。
なお、ステップS106の処理では、演出制御部203は、データの破棄と報知のいずれか一方のみを行うようにしてもよい。
図柄表示部104やランプ制御部205等は、受信した報知信号に基づいて、主制御部10に不正が行われたおそれがある旨を報知する演出を実行する。この演出は、例えば、図柄表示部104に通常出現しないキャラクターを出現させたり、通常出現するキャラクターを通常とは異なる方法で出現させるなどである。また、図柄表示部104の輝度を変えたり、色を変えたり、ランプ制御部205に対して所定のランプを表示制御するようにしてもよい。いずれにせよ、遊技店の従業員が当該パチンコ遊技機1の前を通過した際に、その状態に気付くようにしてあればよい。また、この演出は、顧客がその状態に気付かないような演出でもよく、また、顧客が容易に気付く演出であってもよい。顧客が容易に気付く演出にすれば、不正行為を効率的に抑止することができる。
また、報知信号に「大当たり中」や「確率変動中」などのパチンコ遊技機1の遊技状態に関する情報を含めてもよい。これらの遊技状態に関する情報に基づいて、パチンコ遊技機1を管理するセンター制御装置などによって不正行為が行われているか否かの判断を行ってもよい。例えば、大当たり中や確率変動中は入賞が集中していても正常である場合がある。よって、大当たり中や確率変動中は、その他の状態とは異なる条件で不正行為のおそれがあるか否かについて判断するのがよい。また、遊技状態に関する情報は、報知信号に含めずに別信号として出力するようにしてもよい。この場合、従業員は、報知信号と遊技状態に関する情報の両方に基づいて、不正行為のおそれがあるか否かについて判断する。
また、演出制御部203は、制御信号の種類に関わらず主制御部10より送信された制御信号をそのまま後段部20へ送信し、後段部20にて制御信号の種類を判断しているが、演出制御部203は、認証データ付制御信号のみを後段部20へ送信することとしてもよい。受信した制御信号が認証データ付制御信号であるか否かの判断は、例えば、制御信号のデータ量が通常の制御信号よりも多いか否かや、制御信号において、制御コマンドデータ301又は付随データ302を構成する任意のビット又は別個に設けられている識別データ(図示略)が、認証データ(個体認証データ303又は動作認証データ304)が含まれていることを示しているか否かを判断するか、あるいは、制御信号に含まれる制御コマンドデータ301が、認証処理を行うために予め設定した所定の制御コマンドの制御コマンドデータであるか否かを判断してもよい。この場合、演出制御部203は、認証データ付制御信号から認証データを抽出し、認証データだけを後段部20に送信してもよい。
次に、図13及び図14に示す処理のうち、同期コードの生成に用いるパケット情報選択処理の具体例について説明する。図16は、主制御部10及び後段部20間のデータの流れの一例を示すシーケンス図である。図16においては、分割数に基づいたパケット情報の種類の選択例として、図5に示した選択例1(ここでは、X=3とする)によって利用するパケット情報の種類を選択するものとする。なお、本実施の形態1では、後段部20は、主制御部10が送信した認証データを周辺部30(演出制御部203)を介して受信するが、図16のシーケンス図では説明簡略化のために周辺部30の処理の記載を省略している。
まず、主制御部10は、ステップS121の処理へ進み、任意の方法で今回の個体認証処理に用いる分割数を決定した後、ステップS122へ進む。主制御部10は、例えば、今回の分割数を3と決定する。ステップS122では、主制御部10は、ROM10bの記憶領域に予め記憶されている所定のプログラムコードを3個のブロック(記憶領域)に分割し、各ブロックに記憶されているプログラムコードを用いて3つの個体検査値を生成し、これらの個体検査値に暗号化処理を施し個体認証データを生成する(ステップS122)。
次に、主制御部10は、分割数に基づいて、同期コードの生成に用いるパケット情報を選択する(ステップS123)。具体的には、分割数(この場合「3」)をXの値(この場合「3」)で割り、その余りの値によってパケット情報を選択する。この場合、3を3で割った余りは0であるため、主制御部10は間欠パケット情報を選択する。主制御部10は、間欠パケット情報を用いて同期コードを生成するとともに、動作コードを生成する(ステップS124)。そして、主制御部10は、個体認証データ、同期コード及び動作コードを含む認証データ付制御信号を演出制御部203を介して後段部20に送信する(ステップS125)。
続いて、後段部20における処理について説明する。後段部20は、主制御部10から演出制御部203を介して送信された認証データ付制御信号を受信する(ステップS126)。そして、認証データ付制御信号から個体検査値を抽出し、個体検査値に対して結合処理を行う(ステップS127)。結合結果を個体認証用期待値と照合し、結合結果が個体認証用期待値と一致すると後段部20は主制御部10の個体認証を成功させる(ステップS128)。今回の場合は、3つの個体検査値を用いて結合処理を行った際に個体認証用期待値と一致する(結合数=3)。
後段部20は、結合数に基づいて、同期コードの生成に用いられているパケット情報の種類を特定する(ステップS129)。具体的には、今回の場合は、結合数である3をXである3で割った余りは0であるため、間欠パケット情報であると判別する(図5参照)。続いて、後段部20は、特定したパケット情報に対応した方法で同期コードを用いた動作認証を行うとともに(ステップS130)、動作コードを用いた動作認証を行う(ステップS131)。同期コードを用いた動作認証及び動作コードを用いた動作認証の両方が成功すると、後段部20は、制御信号を正しい信号として認証し、動作の継続性を認証する(ステップS132)。ここまでが一連の選択処理の流れである。
2回目の処理の説明に移り、主制御部10は、ステップS133の処理へ進み、再び任意の方法で今回の認証処理に用いる分割数を決定した後、ステップS134へ進む。主制御部10は、例えば、今回の分割数を4と決定する。ステップS134では、主制御部10は、ROM10bの記憶領域に予め記憶されている所定のプログラムコードを4個のブロック(記憶領域)に分割し、各ブロックに記憶されているプログラムコードを用いて4つの個体検査値を生成し、これらの個体検査値に暗号化処理を施し個体認証データを生成する(ステップS134)。
次に、主制御部10は、分割数に基づいて、同期コードの生成に用いるパケット情報を選択する(ステップS135)。具体的には、分割数(この場合「4」)をXの値(この場合「3」)で割る。この余りの値は1であるため、主制御部10は連続パケット情報を選択する。主制御部10は、連続パケット情報を用いて同期コードを生成するとともに動作コードを生成する(ステップS136)。そして、主制御部10は、個体認証データ、同期コード及び動作コードを含む認証データ付制御信号を演出制御部203を介して後段部20に送信する(ステップS137)。
続いて、後段部20は、主制御部10から演出制御部203を介して送信された認証データ付制御信号を受信し(ステップS138)、個体検査値を抽出して結合処理を行う(ステップS139)。結合結果を個体認証用期待値と照合し、結合結果が個体認証用期待値と一致すると後段部20は主制御部10の個体認証を成功させる(ステップS140)。今回の場合は、4つの個体検査値を用いて結合処理を行った際に個体認証用期待値と一致する(結合数=4)。結合結果が個体認証用期待値と一致すると、周辺部は、結合数に基づいて、同期コードの生成に用いられているパケット情報の種類を特定する(ステップS141)。具体的には、今回の場合は、結合数である4をXである3で割った余りは1であるため、連続パケット情報であると判別する。
そして、後段部20は、特定したパケット情報に対応した方法で同期コードを用いた動作認証を行うとともに(ステップS142)、動作コードを用いた動作認証を行う(ステップS143)。同期コードを用いた動作認証及び動作コードを用いた動作認証の双方が成功すると、後段部20は、制御信号を正しい信号として認証し、動作の継続性を認証する(ステップS144)。以上が一連の流れとなる。
この場合、主制御部10は、ROM10bに記憶された所定のプログラムコードを分割し、その分割数に基づいて同期コードの生成方式(同期コードの生成に用いられるパケット情報の種類)を変更する。分割数は主制御部10のみが知る値であるので、不正行為者は同期コード生成に用いられるパケット情報の種類を知ることができない。このため、上記不正行為及び遊技機の誤動作を検知することができる。
なお、後段部20は、個体認証データを用いた個体認証処理について、個体認証データを受信する度に行うのではなく、複数の個体認証データを受信した時点で行うこととしてもよい。この場合、後段部20は、例えば、第1の制御コマンドの第1の制御コマンドデータ及び第1の付随データとともに第1の個体認証データを受信した場合、認証処理を行わずに、制御コマンドの第1の制御コマンドデータ及び第1の付随データに基づく処理を行う。そして、後段部20は、第2の制御コマンドの第2の制御コマンドデータ及び第2の付随データとともに第2の個体認証データを受信した場合、第2の制御コマンドの第2の制御コマンドデータ及び第2の付随データに基づく処理を行う前に、第1の個体認証データを用いた認証処理を行う。このとき、後段部20は、第1の個体認証データと第2の個体認証データの両方を用いて認証処理を行ってもよい。
また、後段部20は、認証が不成功の場合のみ認証不成功信号を生成し演出制御部203へ送信するとしたが、認証が成功の場合も認証成功信号を生成し演出制御部203へ送信してもよい。
また、後段部20は、認証不成功信号のみを演出制御部203に送信し、演出制御部203は、認証不成功信号を受信した場合に制御コマンドに基づく処理を中断するとしたが、これに限定されない。例えば、後段部20は、認証成功信号も演出制御部203へ送信し、演出制御部203は、後段部20から認証成功信号を受信するまで制御コマンドに基づく処理を保留し、認証成功信号を受信してから制御コマンドに基づく処理を実行してもよい。これにより、演出制御部203が不正行為や誤動作に起因する不正な制御コマンドを実行することを防止することができる。
また、認証処理を実行する後段部20と、主として演出処理を実行する演出制御部203とが別個独立しているため、認証用のプログラムと演出用のプログラムとは別個に設計することができる。これにより、演出制御部203の演出処理に認証機能を追加する場合と比較して、認証機能を追加するタイミングの設計・機能の実装・機能の検証などより簡単に、少ない作業工数で実現することができる。
また、従来のように、演出制御部203が認証処理と演出処理の両方を行う構成において、上記いずれか一方のプログラムの設計変更を行う必要が生じた場合に生じる以下の(a)〜(c)に示すような問題が発生することはない。
(a)プログラムが複雑になってしまうため、他の機能と整合性を保つことが難しくなる(この場合、予期せぬエラーが生じる虞がある)。
(b)認証処理はパチンコ遊技機1の機種が異なっても共通にすることはできるが、演出処理はパチンコ遊技機1の機種ごとに異なる場合が多い。したがって、共通化可能な認証処理を含めた演出制御部203が実行する処理のプログラム全体の設計をパチンコ遊技機1の機種ごとに行う必要があり、設計に多大な時間がかかるとともに、作業効率が悪い。
(c)認証用の認証アルゴリズムを変更する場合、所定の処理を行う周辺部30での処理を変更しなくてはならない。この変更により、所望の認証機能が得られるか否かを確認する検証に多大の時間と労力を要し、遊技機の開発に時間と手間が大幅にかかってしまうという問題があり、認証アルゴリズムの変更は簡単にできない。
さらに、本実施の形態1では、演出制御部203の後段に後段部20を設けているので、主制御部10を構成するCPU10aと演出制御部203を構成するCPU203aとの間の処理能力の差異や、主制御部10を構成するROM10bと演出制御部203を構成するROM203bとの間の記憶容量の差異を、後段部20において吸収することができる。これにより、主制御部10と演出制御部203との間で処理能力や記憶容量に差異があるにもかかわらず、主制御部10と演出制御部203との間のセキュリティレベルを維持することができる。
例えば、主制御部10を構成するCPU10aの処理能力や主制御部10を構成するROM10bの記憶容量が演出制御部203を構成するCPU203aの処理能力や演出制御部203を構成するROM203bの記憶容量と比較して余裕がある場合、主制御部10は各個体検査値に対して複雑又は高度な暗号化処理を施して得られた個体認証データ303を演出制御部203を介して後段部20に送信し、後段部20は受信した上記個体認証データ303から得られた各個体検査値を用いて主制御部10を認証した認証結果に対して比較的簡易又は低度な暗号化処理を施して得られた認証成功信号又は認証不成功信号(以下、認証成功信号等という)を演出制御部203に送信する。そして、演出制御部203で認証成功信号等から得られた認証結果に応じた処理を行う。このように構成することにより、複雑又は高度な認証方式を採用しなくても、比較的簡易な認証方式を採用した認証処理を行えば、主制御部10と後段部20との間及び後段部20と演出制御部203との間において、高度のセキュリティレベルを維持することができる。
また、演出制御部203を構成するCPU203aの処理能力や演出制御部203を構成するROM203bの記憶容量が主制御部10を構成するCPU10aの処理能力や主制御部10を構成するROM10bの記憶容量と比較して余裕がある場合、主制御部10は各個体検査値をそれぞれ個体認証データ303としてそのままあるいは比較的簡易又は低度な暗号化処理を施して得られた個体認証データ303を演出制御部203を介して後段部20に送信し、後段部20は受信した上記個体認証データ303から得られた各個体検査値を用いて主制御部10を認証した認証結果に対して複雑又は高度な再暗号処理を施したり、上記個体認証データ303から得られた各個体検査値に対して復号化処理等を施した後により複雑又は高度な再暗号化処理を施したりする中間演算を行って得られた中間処理情報305を演出制御部203に送信する。そして、演出制御部203で認証成功信号等から得られた認証結果に応じた処理を行う。このように構成することにより、複雑又は高度な認証方式を採用しなくても、比較的簡易な認証方式を採用した認証処理を行えば、主制御部10と後段部20との間及び後段部20と演出制御部203との間において、可能な限りセキュリティレベルを維持することができる。
このようなことは、主制御部10及び演出制御部203をそれぞれ構成するCPU10a及び203aの処理能力やROM10b及び203bの記憶容量における余裕に差異がある場合だけでなく、このような差異はないが、主制御部10を構成するCPU10a又は演出制御部203を構成するCPU203aがそれぞれ実行するプログラムの一方の全部又は一部が変更された場合(バージョンアップなど)や、各個体検査値又は中間演算結果等のデータ構造等において、主制御部10と演出制御部203との間で形式的な差異が発生した場合についても同様に当てはまる。
<<実施の形態2>>
以下、本発明の実施の形態2に係るパチンコ遊技機について説明する。本実施の形態2のパチンコ遊技機は、主制御部10においてROM10bに予め記憶されている所定のデータを分割する方法が、実施の形態1のパチンコ遊技機と異なる。これ以外の点は、基本的に実施の形態1のパチンコ遊技機と同様である。以下、実施の形態1のパチンコ遊技機と同一の部材には同一の符号を付してその詳細な説明は省略し、異なる点について重点的に説明する。
以下、主制御部10における所定のデータの分割方法について詳細に説明する。
主制御部10は、個体検査値生成の対象となる各データブロックを構成するデータの量(以下、データ量という)を決定する。データ量の決定方法は、例えば、乱数生成回路(図示略)や上記プログラムコードを構成する乱数生成プログラムによって生成された値をデータ量とする方法であったり、主制御部10の他の処理において生成される値を所定のタイミングで参照し、その値をデータ量としたりする方法が考えられる。主制御部10は、例えば、ROM10bに記憶されている所定のプログラムコードの全てを用いて個体検査値を生成するまで、データ量を決定する。上記データ量を決定する処理を実行する手段は、例えば、図1に示す決定手段12に対応させることができる。
次に、主制御部10は、ROM10b内の所定のプログラムコードを、決定手段12で決定したデータ量で分割する。そして、主制御部10は、各データブロック毎に半群演算を行って、主制御部10を認証するための分割したデータブロック数分の個体検査値を生成する。すなわち、本実施の形態2では、分割して得られたデータブロックの数が分割数になる。
主制御部10は、例えば、1つの個体検査値を生成するごとに、その生成に用いるデータ量を決定する。この場合、主制御部10は、ROM10bの所定領域内の全てのプログラムコードを用いた個体検査値の生成が完了するまで、データ量の決定と個体検査値の生成とを繰り返す。このため、本実施の形態2では、いくつの個体検査値が生成されるか(すなわち、分割数がいくつになるか)は、ROM10bの所定領域内の全てのプログラムコードを用いた個体検査値の生成が完了するまでわからない。
なお、1つの個体検査値を生成するごとにデータ量を決定するのではなく、予め個体検査値の生成に用いるデータ量を決定しておいてもよい。また、全ての個体検査値の生成に用いるデータ量を等しくするようにしてもよい。この場合、データ量を決定した時点で分割数が予測可能となる。
(個体検査値生成の計算例)
半群演算として加算を用いる方式Aにより個体検査値を生成する一例を図4を用いて説明する。図4に示すプログラムコード記憶領域400には、12個のプログラムコード(「0x01」〜「0x09」,「0x0A」〜「0x0C」、1つのプログラムコードのデータ量は1バイト)が記憶されている。
まず、1つ目の個体検査値の生成に用いるデータ量を4バイトと決定した場合、プログラムコード記憶領域400に記憶されたプログラムコードから、4バイト分のプログラムコード(「0x01」,「0x02」,「0x03」,「0x04」)を分割し、第1ブロック400aとする。次に、第1ブロック400aに記憶されたプログラムコード「0x01」,「0x02」,「0x03」,「0x04」を加算して第1個体検査値「0x0A」が得られる。
続いて、2つ目の個体検査値の生成に用いるデータ量を3バイトと決定した場合、プログラムコード記憶領域400に記憶されたプログラムコードのうち第1ブロック400aに記憶されたプログラムコードを除いたプログラムコードから、3バイト分のプログラムコード(「0x05」,「0x06」,「0x07」)を分割し、第2ブロック400bとする。次に、第2ブロック400bに記憶されたプログラムコード「0x05」,「0x06」,「0x07」を加算して第2個体検査値「0x12」が得られる。
続いて、3つ目の個体検査値の生成に用いるデータ量を7バイトと決定した場合、プログラムコード記憶領域400に記憶されたプログラムコードのうち第1ブロック400a及び第2ブロック400bに記憶されたプログラムコードを除いたプログラムコードは、5バイト分しかないので、5バイト分(「0x08」,「0x09」,「0x0A」,「0x0B」,「0x0C」)のプログラムコードを第3ブロック400cとする。次に第3ブロック400cに記憶されたプログラムコード「0x08」,「0x09」,「0x0A」,「0x0B」,「0x0C」を加算して第3個体検査値「0x32」が得られる。主制御部10は、プログラムコード記憶領域400に記憶された12個のプログラムコード全てを用いて個体検査値を生成したので個体検査値の生成を終了する。
以下、主制御部10における認証に関する処理について説明する。図17は、主制御部10による認証に関する処理の一例を示すフローチャートである。本フローチャートでは、個体検査値を生成する毎にデータ量を決定し、所定のプログラムコードを分割する場合の処理について説明する。主制御部10は、通常の制御信号の送信を行いながら(ステップS151)認証データの送信タイミングであるか否かを判断する(ステップS152)。この判断結果がNOの場合には、主制御部10は、ステップS151に戻り、再びステップS152の判断を行う。認証データの送信タイミングになると(ステップS152:YES)、主制御部10は個体検査値の生成に用いるプログラムコードのデータ量を決定する(ステップS153)。データ量の決定方法は任意である。
次に、主制御部10は、例えば、プログラムコード記憶領域400の先頭から、ステップS153で決定したデータ量のプログラムデータを読み出し、読み出したデータに対して半群演算を行って個体検査値を生成し(ステップS154)、さらに暗号化処理を行って個体認証データを生成する(ステップS155)。個体検査値の生成方法(生成に用いる演算の種類など)は、予め決定されている。
プログラムコード記憶領域400内の全てのデータを用いて個体検査値を生成するまで(ステップS156:NO)、主制御部10は、ステップS153に戻り、以降の処理を繰り返す。ここで、「プログラムコード記憶領域400内の全てのデータを用いて」とは、プログラムコード記憶領域400内のデータをもれなく、かつ重複なく用いて、という意味である。主制御部10は、例えばプログラムコード記憶領域400の先頭から順番にデータを読み出して個体検査値の生成に用いる。2つ目以降の個体検査値を生成する場合は、前の個体検査値の生成に用いたプログラムコードの次の領域に書き込まれたデータを、ステップS153で決定した量だけ読み出して個体検査値を生成する。なお、最後の個体検査値を生成する際は、ステップS153で決定したデータ量に足りない可能性があるが、主制御部10は、取得できる分のプログラムデータのみを用いて個体検査値を生成する。主制御部10では、プログラムコード記憶領域400内の全てのプログラムコードを用いて個体検査値を生成すると(ステップS156:YES)、生成した個体検査値の数、すなわちプログラムコードをデータ量で分割して得られたデータブロックの数が判明し、今回の分割数が判明する。なお、個体認証データの生成は、制御コマンドの送信タイミングとなる前に行っておいてもよい。
次に、主制御部10は、ステップS154で生成した個体検査値の個数、すなわち分割数に基づいて、同期コードの生成に用いるパケット情報の種類を選択する(ステップS157)。具体的には、間欠パケット情報又は連続パケット情報のいずれかを選択する。そして、選択したパケット情報の種類に応じたパケット情報を生成して、そのパケット情報を元にして同期コードを生成する(ステップS158)。なお、ステップS157とステップS158とを入れ替えて、間欠パケット情報及び連続パケット情報の両方をそれぞれ用いて2つの同期コードを生成しておき、どちらの同期コードを利用するかを後から選択するようにしてもよい。また、主制御部10は、機能番号を用いて動作コードを生成する(ステップS159)。
続いて、主制御部10は、個体認証データ、同期コード及び動作コード(動作認証データ)を制御コマンドデータに付加して(ステップS160)、演出制御部203を介して後段部20に認証データ付制御信号を送信する(ステップS161)。認証データ付制御信号は連続して送信してもよいし、通常の制御信号に混ぜて送信してもよい。また、認証データの送信順序も任意である。主制御部10は、全ての個体認証データ及び動作認証データを送信するまで(ステップS162:NO)、ステップS161に戻り、認証データ付制御信号の送信を繰り返す。なお、主制御部10は、生成した認証データのうち未送信の認証データがある場合(ステップS162:NO)、新たに認証データを生成せず、必ずステップS161に戻り認証データ付制御信号の送信を行う。また、認証データを付加する制御コマンドは特に制限されず任意の制御コマンドでよい。そして、全ての認証データを送信すると(ステップS162:YES)、本フローチャートによる処理を終了する。
後段部20及び演出制御部203における認証に関する処理は、実施の形態1と同様である。すなわち、後段部20は、主制御部10から送信された認証データ付制御信号から個体認証データ及び動作認証データを抽出し、これらの認証データを用いて認証処理を行い、認証不成功の場合に認証不成功信号を演出制御部203に送信する。演出制御部203は、後段部20から認証不成功信号を受信した場合、制御コマンドに基づく処理を中断するとともに報知信号を送信する。
次に、図14及び図17に示す処理のうち、同期コードの生成に用いるパケット情報選択処理の具体例について説明する。図18は、制御部間のデータの流れの一例を示すシーケンス図である。図18においては、分割数に基づいたパケット情報の種類の選択例として、図5に示した選択例1(ここでは、X=3とする)によって利用するパケット情報の種類を選択するものとする。図18では、説明の便宜上、個体検査値の生成に用いるデータ量を一括して決定するように示しているが、図17のフローチャートのように、個体検査値を生成するごとにデータ量を決定してもよい。なお、本実施の形態2では、後段部20は、主制御部10が送信した認証データを周辺部30(演出制御部203)を介して受信するが、図18のシーケンス図では説明簡略化のために周辺部30の処理の記載を省略している。
まず、主制御部10は、任意の方法で個体検査値の生成に用いるデータ量を決定する。例えば、全データ量が12バイトあり、個体検査値の生成に用いるデータ量を、それぞれ4バイト、3バイト、5バイトとすると、3つの個体検査値を生成することになり、分割数=3となる(ステップS171)。主制御部10は、プログラムコード記憶領域400の先頭から順に4バイト、3バイト、5バイトのデータを読み出し、それぞれのデータを用いて3つの個体検査値を生成し、これらの個体検査値に暗号化処理を施し個体認証データを生成する(ステップS172)。
次に、主制御部10は、分割数に基づいて、同期コードの生成に用いるパケット情報を選択する(ステップS173)。具体的には、分割数(この場合「3」)をXの値(この場合「3」)で割り、その余りの値によってパケット情報を選択する。この場合、3を3で割った余りは0であるため、主制御部10は間欠パケット情報を選択する。主制御部10は、間欠パケット情報を用いて同期コードを生成するとともに、動作コードを生成する(ステップS174)。そして、主制御部10は、個体認証データ、同期コード及び動作コードを含む認証データ付制御信号を演出制御部203を介して後段部20に送信する(ステップS175)。
続いて、後段部20における処理について説明する。後段部20は、主制御部10から送信された認証データ付制御信号を受信する(ステップS176)。そして、認証データ付制御信号から個体検査値を抽出し、個体検査値に対して結合処理を行う(ステップS177)。結合結果を個体認証用期待値と照合し、結合結果が個体認証用期待値と一致すると後段部20は主制御部10の個体認証を成功させる(ステップS178)。今回の場合は、3つの個体検査値を用いて結合処理を行った際に期待値と一致する(結合数=3)。
後段部20は、結合数に基づいて、同期コードの生成に用いられているパケット情報の種類を特定する(ステップS179)。具体的には、今回の場合は、結合数である3をXである3で割った余りは0であるため、間欠パケット情報であると判別する(図5参照)。続いて、後段部20は、特定したパケット情報に対応した方法で同期コードを用いた動作認証を行うとともに(ステップS180)、動作コードを用いた動作認証を行う(ステップS181)。同期コードを用いた動作認証及び動作コードを用いた動作認証の双方が成功すると、後段部20は、制御信号を正しい信号として認証し、動作の継続性を認証する(ステップS182)。ここまでが一連の選択処理の流れである。
2回目の処理の説明に移り、主制御部10は、再び任意の方法で個体検査値の生成に用いるデータ量を決定する。例えば、個体検査値の生成に用いるデータ量を、それぞれ4バイト、3バイト、2バイト、3バイトとすると、4つの個体検査値を生成することになり、分割数=4となる(ステップS183)。主制御部10は、プログラムコード記憶領域400の先頭から順に4バイト、3バイト、2バイト、3バイトのデータを読み出し、それぞれのデータを用いて4つの個体検査値を算出し、これらの個体検査値に暗号化処理を行って個体認証データを生成する(ステップS184)。
また、主制御部10は、分割数に基づいて、同期コードの生成に用いるパケット情報を選択する(ステップS185)。具体的には、分割数(この場合「4」)をXの値(この場合「3」)で割る。この余りの値は1であるため、主制御部10は連続パケット情報を選択する。主制御部10は、連続パケット情報を用いて同期コードを生成するとともに動作コードを生成する(ステップS186)。そして、主制御部10は、個体認証データ、同期コード及び動作コードを含む認証データ付制御信号を演出制御部203を介して後段部20に送信する(ステップS186)。
続いて、後段部20は、主制御部10から送信された認証データ付制御信号を受信し(ステップS188)、個体検査値を抽出して結合処理を行う(ステップS189)。結合結果を個体認証用期待値と照合し、結合結果が個体認証用期待値と一致すると後段部20は主制御部10の個体認証を成功させる(ステップS190)。今回の場合は、4つの個体検査値を用いて結合処理を行った際に個体認証用期待値と一致する(結合数=4)。結合結果が個体認証用期待値と一致すると、後段部20は、結合数に基づいて、同期コードの生成に用いられているパケット情報の種類を特定する(ステップS191)。具体的には、今回の場合は、結合数である4をXである3で割った余りは1であるため、連続パケット情報であると判別する。
そして、後段部20は、特定したパケット情報に対応した方法で同期コードを用いた動作認証を行うとともに(ステップS192)、動作コードを用いた動作認証を行う(ステップS193)。同期コードを用いた動作認証及び動作コードを用いた動作認証の双方が成功すると、後段部20は、制御信号を正しい信号として認証し、動作の継続性を認証する(ステップS194)。以上が一連の流れとなる。
以上説明したように、本実施の形態2にかかるパチンコ遊技機1は、主制御部10において、分割数そのものを決定するのではなく、個体認証データの生成に用いるデータ量を決定する。このため、分割数が不正に窃取される可能性を低減することができる。本実施の形態2においては、本実施の形態1により得られる効果も当然に得られる。
<<実施の形態3>>
上記実施の形態1,2では、後段部20と演出制御部203とは別個のハードウェア構成とする例を示したが、これに限定されない。
例えば、実施の形態1に関していえば、後段部20を構成するCPU20aが有する機能と演出制御部203を構成するCPU203aが有する機能を1個のCPUが有するように構成するとともに、後段部20を構成するROM20bに記憶されているプログラムコードやそれ以外の固定データと演出制御部203を構成するROM203bに記憶されているプログラムコードやそれ以外の固定データを1個のROMに記憶するように構成してもよい。この場合、後段部20と演出制御部203との間におけるデータや認証データ付制御信号等の送信及び受信は、例えば、後段部20を構成するRAM20cのワークエリアとして機能するとともに、演出制御部203を構成するRAM203cのワークエリアとして機能する1個のRAMにおいて、ある記憶領域から他の記憶領域へのデータの複写や参照すべきアドレスの書き換えなどにより実現することができる。
但し、上記のような場合、1個のCPUが2個のCPUの機能を備えることになるので、一般的には処理負荷が増大する。そこで、例えば、デュアルCPUの構成により後段部20の処理を行う、などが考えられる。
本実施の形態3のパチンコ遊技機1は後段部20と演出制御部203とを1個のソフトウェアで構成したので、実施の形態1及び2において得られる効果の他に、さらに以下に示す効果が得られる。
1.並行開発及び情報セキュリティ向上
演出制御部と後段部とがソフトウェア構成上分離独立している場合は、演出制御部及び後段部をそれぞれ並行して個別に開発することが可能であり、これにより、例えば、以下に示す効果が得られる。
[1]演出制御部と後段部とについて同時に設計、開発を行うことができるため、並行開発できない場合と比較して、製品の開発期間を短縮することができる。
[2]演出制御部と後段部とについてそれぞれ独立した開発体制をとることができるため、演出制御部と後段部の設計製造検証を行う際の業務上の機密情報(例えば、認証処理の方式など、遊技に関する処理など)を、それぞれの開発体制外に流出させる可能性を減らすことができる。
2.認証機能の導入容易性及び他の機種へ移植容易性
後段部の認証処理は既存の遊技処理と独立しているため、後段部の認証処理と既存の遊技処理との間の認証情報の送信は、既存の遊技処理のために設けられているインターフェイスを用いて行うことができる。したがって、認証機能を導入することが容易になる。
また、遊技機の新機種を設計開発検証する際に、遊技機の新機種の機能と以前の機種の機能との差異が後段部の実装とは余り関連しない可能性が高い。したがって、後段部に関して以前の機種から新機種への移行を行う際に、設計変更が軽微なもので済む可能性が高い。
3.検証の容易性
演出制御部と後段部とがソフトウェア構成上分離独立している場合は、演出制御部及び後段部に対しそれぞれ個別に検証を行うことが可能である。したがって、演出制御部と後段部とが分離されていないものに対する検証を行う場合と比較し、それぞれの機能が狭い機能で閉じているため、短期間かつ少人数で検証を行うことができる。
4.認証方式の変更容易性
認証方式を変更したり、認証アルゴリズムをバージョンアップしたりする場合、主制御部及び後段部だけで変更又はバージョンアップを図ればよく、演出制御部の認証に関する処理を変更しなくて済む。
5.認証用のハードウェアとして、演出制御部とは別個のCPU又は専用集積回路などを設けることができない場合であっても、ソフトウェアで容易に認証機能を追加することができる。
6.演出制御部の処理負荷軽減
後段部に実装する認証機能を演出制御部のソフトウェアで実装する場合、演出制御部の既存の遊技処理に認証機能を追加することにより、演出制御部の処理負荷が増大することになる。そこで、演出制御部を構成するCPUとしてデュアルコアCPUを用いることが考えられる。認証処理を実現するための処理負荷をデュアルコアCPUを利用することによって、処理の分散を図ることが可能になるため、演出制御部の既存の遊技処理をできる限り影響しないように、認証機能を追加することができ、認証機能の実現が容易になる。
<その他の実施の形態>
本発明の具体的な構成は上記各実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、実施の形態1では、演出制御部203の後段に後段部20を設ける例を示したが、これに限定されず、賞球制御部204の後段に後段部20を設けてもよい。この場合、賞球制御部204は報知手段を備えていないが、主制御部10と賞球制御部204との間は双方向通信が可能であるので、認証が不成功となった場合には、賞球制御部204から主制御部10に対して、制御コマンドデータ301及び付随データ302とともに認証が不成功となった旨のデータを送信するように構成してもよい。そして、主制御部10は、上記不成功となった旨のデータを演出制御部203に送信し、演出制御部203において、不成功となった旨のデータに基づいて、不正行為が行われたことを報知させる。
また、上記各実施の形態では、後段部20をCPU、ROM、RAM等を備えて構成しているが、同様の機能を持たせたLSI等の集積回路として実現するようにしてもよい。
また、実施の形態1〜3に係るパチンコ遊技機1において、主制御部10は、同期コードに含まれるパケット情報として連続パケット情報及び間欠パケット情報の2種類のパケット情報から選択するとしたが、これに限定されず、複数種類のパケット情報から選択してもよい。パケット情報の種類は、連続して生成されたパケット情報間の相関条件の値(例えば、パケット情報の基本値の差分値)によって決まる。複数種類のパケット情報は、それぞれ異なる相関関係を有する異なる種類のパケット情報である。この場合、主制御部10は、分割数(データブロックの数)に基づいて複数種類のパケット情報から一つを選択し、選択したパケット情報を用いて同期コードを生成する。後段部20は、結合数に基づいて、複数種類のパケット情報から今回の同期コードの生成に用いられたパケット情報の種類を特定する。後段部20は、同期コードに含まれているパケット情報が、特定したパケット情報の種類に対応した相関関係を満たしているか否かに基づいて同期コードを用いた動作認証を行う。
また、実施の形態1〜3に係るパチンコ遊技機1において、個体認証データの生成を、動作認証データを構成する同期コードや動作コードの一部又は全部を用いて行ってもよい。具体的には、主制御部10は、個体認証データの生成より前に、動作認証データを生成する。次に、主制御部10は、複数の個体検査値を生成し、生成した複数の個体検査値に暗号化処理を施して個体認証データを生成する際に、生成された複数の個体検査値の内のいずれか1つと動作認証データを構成する同期コードや動作コードの一部又は全部とを併せて暗号化処理を施して個体認証データを生成する。個体認証データの生成に用いる動作認証データは所定の決定方法で決定される。この場合、後段部20は、受信した動作認証データから個体認証データの生成に用いられた動作認証データを主制御部10と同じ所定の決定方法で決定し、決定した動作認証データと記憶手段11に記憶されている所定のデータとを併せて半群演算を行った値を個体認証用検査値として個体認証を行えばよい。このように、動作認証データを構成する同期コードや動作コードの一部又は全部を用いて個体認証データを生成することにより、不正な制御部によって動作認証データを再利用された場合であっても、個体認証処理の際に、動作認証データの整合がとれず、不正を検知することができる。また、誤動作により動作認証データが変更された場合であっても、認証は成功しないため、上記雑音等に起因する誤動作を防止することもできる。
また、実施の形態1〜3に係るパチンコ遊技機1において、動作認証データを構成する同期コードや動作コードに暗号化処理を施す際に個体認証データの一部又は全部と併せて行ってもよい。具体的には、主制御部10は、同期コード及び動作コードの暗号化処理より前に、個体認証データを生成する。次に、主制御部10は、同期コード及び動作コードの暗号化処理を施す際に、同期コード及び/又は動作コードと個体認証データの一部又は全部とを併せて暗号化処理を施す。暗号化処理に用いる個体認証データは所定の決定方法で決定される。この場合、後段部20は、受信した個体認証データから暗号化処理に用いられた個体認証データを主制御部10と同じ所定の決定方法で決定し、決定した個体認証データを用いて同期コード及び動作コードを抽出して動作認証を行えばよい。このように、個体認証データの一部又は全部を用いて同期コードや動作コードに暗号化処理を施すことにより、不正な制御部によって個体認証データを再利用された場合であっても、動作認証処理の際に、個体認証データの整合がとれず、不正を検知することができる。また、誤動作により個体認証データが変更された場合であっても、認証は成功しないため、上記雑音等に起因する誤動作を防止することもできる。
また、実施の形態1〜3に係るパチンコ遊技機1は、制御コマンドを送信する際に、個体認証データ又は動作認証データの少なくともいずれか一方を制御コマンドに付加すると説明したが、本発明に係る遊技機はこれに限定されない。主制御部10が認証データ付制御信号を任意のタイミングで出力してもよい。例えば、所定時間毎に認証データ付制御信号を出力してもよい。
また、主制御部10は、個体認証データ及び動作認証データが付加された認証データ付制御信号の他に、制御コマンドデータ及び付随データに個体認証データのみを付加した個体認証データ付制御信号や、制御コマンドデータ及び付随データに動作認証データのみを付加した動作認証データ付制御信号を各々、演出制御部203を介して後段部20に送信するようにしてもよい。また、動作認証データを構成する同期コードと動作コードとを別の制御信号に付加し、それぞれ別々に、演出制御部203を介して後段部20に送信してもよい。但し、個体認証データ及び動作認証データを別々に送信する場合(個体認証データ付制御信号及び動作認証データ付制御信号をそれぞれ送信する場合)で且つ個体認証データが動作認証データを用いて生成されている場合は、個体認証が行われる前に動作認証データを送信する必要がある。同様に、動作認証データが個体認証データを用いて暗号化処理を施されている場合は、動作認証が行われる前に個体認証データを送信する必要がある。
また、本実施の形態1〜3に係るパチンコ遊技機1では、所定のタイミング、例えば、所定の制御コマンドを送信する場合にのみ個体認証データ及び動作認証データを付加するようにしてもよい。この場合、主制御部10は、制御コマンドが所定の制御コマンドか否かを判断し、所定の制御コマンドの場合に個体認証データ及び動作認証データを生成する。主制御部10は、生成した個体認証データ及び動作認証データを制御コマンドに付加した認証データ付制御信号を演出制御部203を介して後段部20に送信する。なお、主制御部10は、生成した個体認証データ及び動作認証データの全てを送信するまでは、所定のタイミング(例えば、所定の制御コマンドの送信タイミング)になっても新たに個体認証データ及び動作認証データを生成せずに認証データ付制御信号の送信を行う。このように、所定のタイミングのときにのみ個体認証データ及び動作認証データを生成することにより、認証データの生成回数を制限することができ、認証処理による処理負荷を低減することができる。
また、本実施の形態1〜3に係るパチンコ遊技機1では、所定のタイミング、例えば、所定の制御コマンドを送信する場合にのみ個体認証データ、同期コード又は動作コードの少なくともいずれかを制御コマンドに付加して送信するようにしてもよい。この場合、主制御部10は、制御コマンドが所定の制御コマンドか否かを判断し、所定の制御コマンドのときにのみ個体認証データ、同期コード又は動作コードの少なくともいずれかを制御コマンドに付加した認証データ付制御信号を演出制御部203を介して後段部20に送信し、所定の制御コマンド以外の制御コマンドのときは通常の制御信号を演出制御部203を介して後段部20に送信する。また、後段部20は、制御コマンドが所定の制御コマンドか否かを判断するか、若しくは制御コマンドに個体認証データ、同期コード又は動作コードの少なくともいずれか一方が付加されているか否かを判断する。後段部20は、通常の制御信号が送信されてきた場合は通常の制御信号をそのまま演出制御部203に送信し、演出制御部201は、受信した通常の制御信号に基づいて処理を行う。
ここで、所定の制御コマンドとは、パチンコ遊技機1の通電中において、パチンコ遊技機1の動作(例えば、初期化動作や演出動作あるいは客待ちデモンストレーションなど)を指示するために、各種の制御コマンドの中から任意に選定した特定の制御コマンドをいう。所定の制御コマンドとは、より具体的に例を挙げれば、大当たり状態の継続中に送信される大当たりコマンド、大当たり状態の処理を開始させるための大当たり開始コマンド、大当たり状態の処理を終了させるための大当たり終了コマンド、周辺部に大当たり前のリーチ状態の処理を実行させるための大当たりリーチコマンド、周辺部に電源投入時の処理を実行させるための電源投入コマンド、周辺部に非遊技状態におけるデモ表示を実行させるための客待ちデモコマンド、周辺部に非遊技状態におけるデモ表示を停止させるための客待ちデモ停止コマンド、周辺部に抽選時の抽選結果がはずれの場合の処理を実行させるためのはずれコマンド、普通電動役物(電動チューリップ)の開放抽選やいわゆるフェイクと呼ばれる大当たりと同様に特別電動役物が短時間だけ開放するような小当たり状態の継続中に送信される小当たりコマンドなどをいう。所定の制御コマンドとしては、上記のものの他、例えば、電源オフコマンド、はずれリーチコマンド、はずれ非リーチコマンド、ラウンド開始コマンド、ラウンド終了コマンドなどがある。
このように構成されるパチンコ遊技機1では、所定の制御コマンドを送信するタイミングで、主制御部10の正当性を認証するための認証データを用いて認証処理を行う。認証処理を行うことによって主制御部10や演出制御部203の処理負荷が増大するのは、所定の制御コマンドの制御コマンドデータ301を受信している期間のみであり、主制御部10や演出制御部203の処理負荷が増大する割合を抑えることができる。
また、所定の制御コマンドの制御コマンドデータ301にのみ認証データ303が付加されるので、演出制御部203が実行するプログラムには所定の制御コマンドに関する認証処理を追加するだけでよい。したがって、演出制御部203が実行するプログラム全体にわたる新たなタイミングの設計する必要がないので、すべての制御コマンドの制御コマンドデータ301に認証データ303が付加される場合と比較して、認証機能を追加するタイミングの設計、機能の実装、機能の検証など、より簡単に、少ない作業工数で実現することができる。
また、主制御部10は、後段部20に所定の制御コマンドを送信する場合のみ、制御コマンドデータ301に個体認証データ303又は動作認証データの少なくともいずれかを付加する場合、認証処理が行われるのは所定の制御コマンドの制御コマンドデータの送信時のみであるので、主制御部10や演出制御部203の処理負荷が認証処理によって増大する割合を抑えることができる。所定の制御コマンドが大当たりコマンドである場合、大当たりコマンドは大当たり中のラウンドごとに送信されるため、大当たり状態にある一定期間中に複数回の認証処理を行うこととなり、認証処理の強度を向上させることができる。
また、所定の制御コマンドが大当たり開始コマンドや大当たり終了コマンドである場合、大当たり開始コマンドや大当たり終了コマンドは、大当たり状態を開始又は終了させる制御コマンドであり、他の制御コマンドと比較して、送信頻度が低い。したがって、制御信号の中から認証データ303が抽出される可能性を低減することができる。また、制御信号の中から認証データ303が抽出されても、取得できるサンプル数が少ないため、認証データ303が解析される危険性を低減することができる。
また、所定の制御コマンドが大当たりリーチコマンドである場合、大当たりリーチは、大当たりと比較して発生頻度が高い。また、大当たりリーチの発生タイミングはランダム性を有する。したがって、大当たりリーチコマンドデータを送信する際に認証処理を行うことにより、時間軸上における認証処理の実施位置が分散される。そして、このように時間軸上における認証処理の実施位置を分散することによって、認証処理の信頼性を向上させることができる。これは、認証データの通信不具合や認証データの改ざんが一定の期間行われた場合であっても、時間をおいてランダムに認証処理が行われるので、通信不具合や改ざんの影響を回避できる可能性が高くなるためである。
さらに、所定の制御コマンドが電源投入コマンドである場合、電源投入コマンドは、パチンコ遊技機1の電源の投入時やリセット時など、パチンコ遊技機1の初期化処理を行う際に送信される。初期化処理は、パチンコ遊技機1のメインの処理である遊技(ゲーム進行)関連処理とは異なる処理区分に分類される。したがって、本発明のように、初期化処理中に認証処理を組み込めば、遊技関連処理中に認証処理を組み込む場合と比較して、プログラム設計やテストにかかる工程(工数)が増加する割合を低減することができる。すなわち、初期化処理中に認証処理を組み込むことによって、開発コストの低減や品質管理上のメリットを得ることができる。また、初期化処理中に認証処理を組み込めば、パチンコ遊技機1の起動直後に認証処理を行うため、遊技店が閉店した後に不正が行われた場合などであっても、顧客が入店する前に不正を検出することができる。よって、不正による被害が発生する危険性を低減することができる。
また、所定の制御コマンドが客待ちデモコマンド又は客待ちデモ停止コマンドである場合、客待ちデモコマンド又は客待ちデモ停止コマンドは、パチンコ遊技機1が非遊技状態、すなわち、パチンコ遊技機1のメインの処理である遊技(ゲーム進行)関連処理が行われていない場合に送信されるので、認証処理による処理負荷の増大が遊技関連処理に影響を与えることがない。このため、主制御部10や演出制御部203が高度な処理能力を有していない場合や、遊技関連処理の処理負荷が大きいパチンコ遊技機1であっても、認証処理機能を追加することができる。また、客待ちデモコマンド及び客待ちデモ停止コマンドは、顧客がパチンコ遊技機1を操作する前に発行されるコマンドであるので、顧客がパチンコ遊技機1を操作する前に不正行為を検出することができる。
さらに、所定の制御コマンドがはずれコマンドである場合、「はずれ」は、抽選時の抽選結果として最も発生頻度が高いので、はずれコマンドデータの送信時に制御コマンドに認証データ303を付加することとすれば、抽選から認証処理への流れをパチンコ遊技機1の処理の基本形とみなすことができる。一方、大当たりリーチ時や大当たり時の処理は、パチンコ遊技機1の機種ごとに演出方法が変更されるなど、特殊な処理に区分されるが、はずれ時の処理はパチンコ遊技機1の機種ごとの差異が少ない。このため、本実施の形態1のように、はずれ時の処理に認証処理を組み込めば、認証処理の流れに大きな変更を加えることなく、パチンコ遊技機1の本体を他の機種に再利用することが可能となる。
また、後段部20は、演出制御部203に所定の制御コマンドを送信する場合のみ、認証成功信号等を送信するようにしてもよい。この場合、後段部20と演出制御部203との間で認証に関する処理が行われるのは所定の制御コマンドの送信時のみであるので、演出制御部203の処理負荷が認証処理によって増大する割合を抑えることができる。
また、実施の形態1〜3に係るパチンコ遊技機1は、所定の半群演算を用いて個体検査値を生成し、所定の個体認証用期待値を用いて個体認証処理を行うとしたが、これに限定されない。主制御部10は、複数の半群演算を予め用意しておき、今回の分割数に基づいて、複数の半群演算の中から次回の個体検査値の生成に用いる1個の半群演算を選択するように構成し、後段部20は、主制御部10における個体検査値生成方法の切り替えに対応して、結合数に基づいて個体認証用期待値を切り替えるように構成してもよい。具体的には、主制御部10は、例えば、今回の分割数が奇数の場合は次回の半群演算を今回用いた半群演算と異なるものを選択し、今回の分割数が偶数の場合は次回の半群演算を今回用いた半群演算と同一のものを選択する。また、後段部20は、分割数及び結合数が奇数の場合には個体検査値生成方法及び個体認証用期待値を切り替え、分割数及び結合数が偶数の場合には前回用いた個体検査値生成方法及び個体認証用期待値を継続して使用する。この場合、初回の半群演算については、主制御部10と後段部20との間で同一の方式を利用するものと予め設定しておく。分割数は主制御部10のみが知る値であり、後段部20は個体認証が成功した時に初めてその値を結合数として知ることができる。よって、不正行為者は分割数及び結合数を知ることができず、個体検査値生成方法の切り替えタイミングを知ることができない。これにより、不正行為者によって個体検査値が不正に生成されることを防止することができる。
また、実施の形態1〜3に係るパチンコ遊技機1は、所定の生成方式を用いて動作コードを生成し、所定の動作コード期待値を用いて動作コードによる動作認証処理を行うとしたが、これに限定されない。主制御部10は、複数の動作コード生成方式を予め用意しておき、今回の分割数に基づいて、複数の動作コード生成方式の中から次回の動作コードの生成に用いる1個の動作コード生成方式を選択するように構成し、後段部20は、主制御部10における動作コード生成方式の切り替えに対応して、結合数に基づいて動作コード生成方式及び動作コード用期待値を切り替えるように構成してもよい。具体的には、主制御部10は、例えば、今回の分割数が奇数の場合は次回の動作コード生成方式を今回用いた動作コード生成方式と異なるものを選択し、今回の分割数が偶数の場合は次回の動作コード生成方式を今回用いた動作コード生成方式と同一のものを選択する。また、後段部20は、結合数が奇数の場合には動作コード生成方式及び動作コード用期待値を切り替え、結合数が偶数の場合には前回用いた動作コード生成方式及び動作コード用期待値を継続して使用する。この場合、初回の動作コード生成方式については、主制御部10と後段部20との間で同一の方式を利用するものと予め設定しておく。分割数は主制御部10のみが知る値であり、後段部20は個体認証が成功した時に初めてその値を結合数として知ることができる。よって、不正行為者は分割数及び結合数を知ることができず、動作コード生成方式の切り替えタイミングを知ることができない。これにより、不正行為者によって個体検査値が不正に生成されることを防止することができる。
また、実施の形態1〜3に係るパチンコ遊技機1において、動作コードとして機能番号を用いる場合、機能番号を主制御部10によって実行されるプログラムの所定の機能を実行するための処理毎に実行される順番に従って連続して増加又は減少する番号を重複なく割り当てておいてもよい。このように機能番号を割り当てることにより、後段部20は、受信した動作認証データから動作コードを復元し、受信した順に動作コードの値が連続しているか否かを判定することで動作認証を行うことができる。すなわち、後段部20は、動作認証を行うために、予め動作コード用期待値を記憶しておいたり、動作コードと動作コード用期待値とを用いて照合処理を行ったりする必要がない。これにより、後段部20の動作認証による処理負荷や、後段部20の記憶領域を占める動作コードによる動作認証に関するデータ量を低減することができる。
また、実施の形態1〜3に係るパチンコ遊技機1において、動作コードとして機能番号及び認証回数を例示したが、動作コードとして制御コマンドの送信回数を用いてもよい。この場合、後段部20は、受信した制御コマンドの数、すなわち、制御コマンドの受信回数を動作認証用の期待値として動作認証処理を行えばよい。主制御部10は、制御コマンドの送信タイミングになったら、RAM10cの動作コード用メモリに記憶されている制御コマンドの送信回数の値を+1して更新し、更新した送信回数を動作コードとして取得する。主制御部10は、取得した動作コードに所定の演算や暗号化処理を施して動作認証データを生成し、生成した動作認証データを上記制御コマンドに付加して後段部20に送信する。後段部20は、動作認証データを付加された制御コマンドを受信したら、動作認証データを抽出するとともにRAM20cに記憶されている動作コード用期待値の値を+1して更新し、抽出した動作認証データと更新した動作コード用期待値とを用いて動作認証を行う。
また、動作コードとして主制御部10が生成した個体検査値の数(すなわち分割数の総数)を用いてもよい。この場合、後段部20は、主制御部10から送信された個体認証データの数(すなわち、結合数の総数)を動作コード用期待値として認証処理を行えばよい。主制御部10は、動作コードの更新タイミングになったら、動作コードとしてRAM10cに記憶されている個体検査値の数に今回新たに生成した個体検査値の数を加算して個体検査値の数(動作コード)を更新する。後段部20は、動作コード用期待値の更新タイミングになったら、RAM20cに記憶されている動作コード用期待値の値に今回の個体認証処理の対象となった個体検査値の数(すなわち、今回の結合数)を加算して動作コード用期待値を更新する。
また、上記各実施の形態では、本発明をパチンコ遊技機に適用する例を示したが、これに限定されず、本発明は、雀球遊技機、アレンジボール等のパチンコ遊技機以外の弾球遊技機、スロットマシン等の回胴式遊技機などの他の遊技機にも適用することができる。これらの遊技機においても、上記各実施の形態と同様に構成することにより、上記各実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、上記各実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用することができる。