JP2011152195A - 遊技機 - Google Patents

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敏男 小倉
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真史 大西
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Abstract

【課題】特定遊技状態において可変入賞装置に遊技媒体が入賞しにくくなるように遊技媒体が流下する方向を変更させる流下方向変更部材が設定され、これにより特定遊技状態の消化に要する時間が長くなることによる遊技者の不満を抑える。
【解決手段】確変潜伏大当たりまたは時短大当たりに基づいて制御された第1大当たり遊技状態では、全15ラウンドのうちの3つのラウンドがラウンド開始からの経過時間の計測対象としてランダムに選ばれる。各ラウンドは、大入賞口を開放状態とするが、開始から30秒を経過したことの他に10個の遊技球が入賞したことを以て終了する。遊技店の設定により釘を閉めて大入賞口に遊技球が入賞しにくくなっていると、ラウンドの消化に時間がかかることになる。経過時間の計測対象としたラウンドにおいて開始からの経過時間が基準時間に達すると、第1大当たり遊技状態の終了後に確率変動状態に制御されるか否かが報知される。
【選択図】図3

Description

本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関し、特に特定遊技状態に制御されている間に、該特定遊技状態の終了後に通常遊技状態と確率変動状態の何れに制御されるかが特定不能となる遊技機に関する。
パチンコ遊技機は、遊技領域に打ち出された遊技球が始動入賞口を入賞したことを契機として大当たり抽選を行っており、該抽選に当選することで大当たり遊技状態に制御される。また、大当たりの種類として通常大当たりと、これより有利な確率変動大当たりとがあり、確率変動大当たりとなったときには、大当たり遊技状態が終了した後の遊技状態が、次の大当たり抽選確率が通常よりも高くなる確率変動状態に制御される。
このような大当たりの発生は、特図ゲームと呼ばれる液晶表示器などの変動表示装置で図柄を変動表示させ、そこに所定の出目の図柄(一般的には、同一種類の図柄)を導出させることによって報知される。また、このような大当たりの発生により制御される大当たり遊技状態は、一般に、始動入賞口とは別に遊技領域に設けられた大入賞口を閉鎖状態から開放状態と変化させるラウンドを何回か繰り返すものである。大当たり遊技状態における各ラウンドは、例えば、入賞した遊技球の数が所定の基準数に到達することによって終了され、未だ他のラウンドが残っていれば、新たなラウンドへと移行する。
ところで、パチンコ遊技機において、遊技者は、遊技領域に打ち出された遊技球が入賞口に入賞することで賞球を獲得することができるものとなっているが、この遊技領域を構成する遊技盤上には、各入賞口の他に、釘や風車など遊技球が流下する方向を変える部材が配されている。そして、このような釘や風車の向きを変えることで、同じように遊技領域に遊技球を打ち出しても遊技球が流下する方向が変わり、遊技球が各入賞口に入賞しやすくしたり入賞しにくくしたりすることができるようになっている。また、遊技球を如何に打ち出すかによっても、遊技球の各入賞口への入賞しやすさは変わってくる。
このように遊技球の入賞のしやすさに違いが生じることから、大当たり遊技状態に制御されているときに開放されている大入賞口に入賞する遊技球が基準数となるまでに要する時間にも違いが生じてくる。そこで、大当たり遊技状態における各ラウンドが最短で終了するタイミングよりも先に演出が終了するように、演出の実行を制御するパチンコ遊技機があった(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−288193号公報
ところで、パチンコ遊技機における遊技では、遊技者は、何よりも大当たりの発生を期待しており、その大当たりの発生を喜ばしく感じるものである。もっとも、単純に大当たりを発生しやすくしたのでは遊技店が利益を得られない。そこで、例えば、上記のような釘や風車の向きの調整で、遊技球が始動入賞口に入賞しやすくして大当たりを発生しやすくする代わりに、遊技球が大入賞口に入賞しにくくして大当たり中の出玉を抑えるといったことが、しばしば行われている。この場合、大当たり遊技状態におけるラウンドを消化するのに非常に時間がかかってしまう。
この場合、大当たり遊技状態におけるラウンドが最短で終了するタイミングに合わせて演出を制御したのでは、ラウンドが終了するのよりかなり前に演出が終了してしまって、遊技の興趣を削いでしまうことになりかねない。特許文献1のパチンコ遊技機では、大当たり遊技状態におけるラウンドの消化に時間がかかった場合に長期に亘って継続する演出を実行することも考慮はされている。
しかしながら、長期に亘って継続する演出を実行することで、ラウンドの消化に時間がかかっていることを遊技者に気付かせてしまうこととなる。ラウンドの消化に時間がかかっていることを気付かせてしまうということは、大入賞口に遊技球があまり入賞していないということであり、遊技領域に打ち出されている遊技球の数が一定であれば、入賞しないで損失となってしまった遊技球が多くなっていることも遊技者に気付かせてしまうこととなる。このため、本来は遊技者の期待感を向上させるべく実行している演出が、却って遊技者の不満を招いてしまうということになっていた。
本発明は、特定遊技状態において可変入賞装置に遊技媒体が入賞しにくくなるように遊技媒体が流下する方向を変更させる流下方向変更部材が設定され、これにより特定遊技状態の消化に要する時間が長くなることによる遊技者の不満を抑えることができる遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明にかかる遊技機は、
遊技領域に打ち出された遊技媒体(遊技球)の通過に基づいて成立する所定の始動条件の成立に応じて複数種類の識別情報を変動表示させ、表示結果を導出することで遊技の結果を確定する変動表示装置(可変表示装置9)と、前記遊技領域に設けられ、遊技者にとって有利な状態に変化する可変入賞装置(大入賞口21)とを備える遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記遊技領域に設けられ、該遊技領域に打ち出された遊技媒体が流下する方向を変更させる流下方向変更部材(風車22、アタッカー周辺釘23)と、
前記始動条件の成立に基づいて、前記変動表示において特定遊技結果とするか否かを決定する特定決定手段(CPU56:大当たり抽選)と、
前記特定遊技結果とする旨が決定されたときに、前記特定決定手段により前記特定遊技結果とする旨が決定される確率を通常遊技状態よりも高くする確率変動状態(確率変動状態)に制御するか否かを決定する特別決定手段(CPU56:大当たり種別抽選)と、
前記変動表示装置に導出された表示結果により前記特定遊技結果となったときに、前記可変入賞装置を前記有利な状態に変化させるラウンド制御を所定回行う特定遊技状態(第1大当たり遊技状態)に遊技状態を制御する特定遊技状態制御手段(CPU56:第1大当たり遊技状態への制御)と、
前記確率変動状態に制御する旨が決定されているときに、前記特定遊技状態が終了した後に前記確率変動状態に制御する確率変動状態制御手段(CPU56:確率変動状態への制御)と、
遊技の進行に応じて実行される演出のモード(演出モード)を、遊技状態が前記通常遊技状態と前記確率変動状態の何れに制御されているかが特定不能である特定不能モード(確変潜伏モード)を含む複数種類のモードの何れかに制御するモード制御手段(表示制御基板80の表示制御用CPU:図5、図6(a)、(b))とを備え、
前記特定遊技状態制御手段は、前記ラウンド制御の実行中に少なくとも前記可変入賞装置に入賞した遊技媒体の数が特定基準数に達したことを条件として、該ラウンド制御を終了させるラウンド制御手段(CPU56:第1大当たり遊技状態の各ラウンドは、入賞した遊技球が10個に到達したことによっても終了)を含み、
前記遊技機は、
前記特定遊技状態に制御されている間に、該特定遊技状態の消化に要している時間を判定する消化時間判定手段(表示制御基板80の表示制御用CPU:ラウンド開始コマンドの受信からラウンド終了コマンドの受信までの時間を計測)と、
前記消化時間判定手段により所定の基準よりも長い時間を要していると判定されたときに、前記確率変動状態に遊技状態が制御されるか否かを示す情報(大当たりラウンド演出における太陽の画像と雨の画像)を報知する特別報知手段(表示制御基板80の表示制御用CPU:大当たりラウンド演出における太陽の画像と雨の画像は、計測している時間が基準時間を越えたときに表示)とをさらに備える
ことを特徴とする。
上記遊技機では、特定決定手段の決定に基づいて特定遊技結果とする旨が決定されたときには、さらに確率変動状態に制御するか否かが特別決定手段により決定される。特別決定手段の決定により特定遊技状態が終了した後に確率変動状態に制御されると、通常遊技状態に制御されているときよりも特定遊技結果とする旨が決定される確率が高くなる(すなわち、新たな特定遊技状態に制御されやすくなる)が、演出モードを特定不能モードに制御することによって、遊技者は、確率変動状態に制御される(或いは、制御されている)のか通常遊技状態に制御される(或いは、制御されている)のかを判断することができなくなる。
また、特定決定手段の決定に基づいて特定遊技結果とする旨が決定されると、これに基づいて特定遊技状態に遊技状態が制御される。特定遊技状態は、可変入賞装置を有利な状態に変化させるラウンド制御を所定回行うものであるが、このラウンド制御は、少なくとも可変入賞装置に入賞した遊技媒体の数が特定基準数に達すると終了させられる。ここで、遊技領域に打ち出された遊技媒体が流下する方向は、流下方向変更部材の設定により変えられるが、可変入賞装置の方向に向けて遊技媒体が流下しにくくなるように設定が行われると、可変入賞装置に入賞した遊技媒体の数が特定基準数に達するまで、すなわち特定遊技状態におけるラウンド制御が終了するまでに長い時間を要してしまうことになる。
こうして特定遊技状態におけるラウンド制御が終了するまでに長い時間を要していること、すなわち特定遊技状態に制御されていても特定領域を通過する遊技媒体の割合が相対的に小さくなって損失(可変入賞装置への入賞を含めて入賞しなかった遊技媒体が損失を生じさせている)も大きくなっていることに遊技者が気付いて、不満を生じさせてしまう虞がある。
もっとも、特に流下方向変更部材の設定等に基づいて特定遊技状態の消化に所定の基準よりも長い時間を要していると判定されると、当該特定遊技状態の終了後に確率変動状態に遊技状態が制御されるか否かを示す情報が報知されることとなる。つまり、特定遊技状態の消化に要する時間が長くなる(損失も大きくなる)ことで、特定遊技状態の消化に要する時間が短くて済む(損失が小さくて済む)場合には知り得ない確率変動状態に制御されるか否かを遊技者が知り得るので、流下方向変更部材の設定により可変入賞装置に遊技媒体が入賞しにくくなることに起因する遊技者の不満を抑えることができるようになる。
また、流下方向変更部材の設定により可変入賞装置に遊技媒体が入賞しにくくしても遊技者の不満を抑えられることから、遊技店にとって、流下方向変更部材を可変入賞装置に遊技媒体が入賞しにくく設定することがやりやすい。こうして特定遊技状態において生じる遊技店にとっての利益を小さくすることができることによって逆に、特定決定手段により特定遊技結果とする旨が決定されやすくする(流下方向変更部材を始動条件が成立しやすいように設定したり、特定遊技結果とする旨の決定確率を高くするなど)ことができるようになり、変動表示の表示結果により特定遊技結果とする遊技者にとっての最大の期待に応えやすくなる。
なお、前記特別報知手段は、前記確率変動状態に遊技状態が制御されるか否かを確定的に示す情報を報知するものとしても、前記確率変動状態に遊技状態が制御されるか否かを示唆する情報を報知するものとしてもよい。後者の場合、前記消化時間判定手段により判定された前記特定遊技状態の消化に要している時間に応じて、報知する情報の正確性を変化させるものとしてもよい。
上記遊技機において、
前記特定遊技状態制御手段は、前記特定遊技状態が終了するまでに、前記ラウンド制御を予め定められた複数の特定回数(15ラウンド)だけ行うものであってもよい。この場合において、
前記消化時間判定手段は、前記複数の特定回数の所定の回のラウンド制御において、前記ラウンド制御を終了するまでに要している時間を判定することで前記特定遊技状態の消化に要している時間を判定するものとすることができる(15ラウンドのうちからランダムに選ばれた3つのラウンドで、ラウンド開始コマンドの受信からラウンド終了コマンドの受信までの時間を計測)。
ここで、さらに、
前記消化時間判定手段は、前記複数の特定回数の2以上の所定の回において、前記ラウンド制御を終了するまでに要している時間を判定するものとすることもできる(15ラウンドのうちからランダムに選ばれた3つのラウンドで、ラウンド開始コマンドの受信からラウンド終了コマンドの受信までの時間を計測)。
この場合、特定遊技状態が終了するまでにラウンド制御が複数回行われるが、所定の回のラウンド制御を終了するまでに要している時間を判定することで、特定遊技状態に制御されている間でラウンド制御が行われない期間があっても、この期間を消化時間判定手段の判定対象から除外でき、より正確な時間の判定を行うことができる。また、消化時間判定手段の判定対象となる所定の回のラウンド制御を2以上とすることで、さらに正確な時間の判定を行うことができる。
なお、前記消化時間判定手段の判定対象となる所定の回のラウンド制御は、前記複数の特定回数の可状態のうちで予め定められた回のラウンド制御としてもよい。或いは、前記複数の特定回数の可状態のうちからランダムに選択された回のラウンド制御としてもよい。さらには、2以上の所定の回のラウンド制御を前記消化時間判定手段の判定対象とする場合には、前記複数の特定回数のラウンド制御の全てとしてもよい。
上記遊技機において、
前記演出制御手段は、前記特定遊技状態に制御されている間に、所定の特定演出(大当たりラウンド演出)を実行する特定演出実行手段(表示制御基板80の表示制御用CPU)を含むものとしてもよい。この場合において、
前記特別報知手段は、前記確率変動状態に制御する旨が決定されていないときには実行され得ない、または実行されがたい特別演出(大当たりラウンド演出における太陽の画像)を前記特定演出として前記特定演出実行手段に実行させることで、前記確率変動状態に遊技状態が制御される旨を示す情報を報知するものとすることができる。
上記遊技機において、
前記演出制御手段は、前記特定遊技状態に制御されている間に、所定の特定演出(大当たりラウンド演出)を実行する特定演出実行手段(表示制御基板80の表示制御用CPU)を含むものとしてもよい。この場合において、
前記特別報知手段は、前記確率変動状態に制御する旨が決定されていないときには実行され得ない、または実行されがたい非特別演出(大当たりラウンド演出における雨の画像)を前記特定演出として前記特定演出実行手段に実行させることで、前記確率変動状態に遊技状態が制御されない旨を示す情報を報知するものとすることもできる。
これらの場合、特定遊技状態に制御されている間に実行される特定演出として特別演出および/または非特別演出が実行される場合があるが、これらの特別演出や非特別演出は、特別報知手段による報知のために実行される。特定遊技状態の消化に所定の基準よりも長い時間を要しているときに特別報知手段による報知が行われるものであるため、特定演出として実行される特別演出および/または非特別演出は、特定遊技状態の消化に所定の基準よりも長い時間を要しているときにおいて特定演出として出現することとなる。これにより、特定遊技状態の消化に所定の基準よりも長い時間を要しているときに実行される特定演出において希少性を高めさせることができる。
上記遊技機において、
前記モード制御手段は、
前記特定不能モードと、該特定不能モードよりも前記確率変動状態に制御されていることの期待度が低い通常モード(通常モード)とを含む複数種類のモードの何れかに制御するものであって、
前記特定不能モードに制御されているときにおいて予め定められた転落条件が成立したときに、前記通常モードに制御する転落制御手段(図6(a):転落抽選に当選すると、通常モードに制御)と、
前記転落制御手段により前記通常モードに制御された後に予め定められた昇格条件が成立したときに、前記特定不能モードに制御する昇格制御手段(図6(b):昇格抽選に当選すると、確変潜伏モードに制御)とを含むものとすることができる。
ここで、特定不能モードは、確率変動状態に制御されているか否かを特定することはできないものの、確率変動状態に制御されていることの期待度が通常モードよりも高いので、遊技者は、特定不能モードに制御されているということで、一定の期待感を得ることはできる。が、この特定不能モードにしても、予め定められた転落条件が成立すると、通常モードに転落してしまう。もっとも、特定不能モードから通常モードに転落しても、予め定められた昇格条件が成立すると、特定不能モードに再び昇格制御されることがある。これにより、特定不能モードから通常モードに転落した後にも、再び特定不能モードに制御されることの期待感を遊技者に与えて、遊技の興趣を向上させることができる。
上記のように、前記特定不能モードと前記通常モードとの間での転落、昇格がある場合において、
前記特定不能モードが、前記確率変動状態に制御されていることの期待度が互いに異なる複数種類の特定不能モード(確変潜伏(高)モード、確変潜伏(中)モード、確変潜伏(低)モード)を含む場合には、
前記昇格制御手段は、前記複数種類の特定不能モードのうちで前記転落制御手段により前記通常モードに制御される直前に制御されていた特定不能モード、または該直前に制御されていた特定不能モードよりも前記確率変動状態に制御されていることの期待度が高い特定不能モードに制御するものとすることができる(図6(b):転落前が確変潜伏(高)モードであれば確変潜伏(高)モードのみに制御可能、転落前が確変潜伏(中)モードであれば確変潜伏(中)モードまたは確変潜伏(高)モードにのみ制御可能、転落前が確変潜伏(低)モードであれば確変潜伏(低)モード、確変潜伏(中)モード、確変潜伏(高)モードの何れにも制御可能)。
ここでは、特定不能モードから通常モードに一旦転落した後に、そこから再び特定不能モードに昇格制御させられるときには、通常モードに制御される直前に制御されていた特定不能モード、または該直前に制御されていた特定不能モードよりも確率変動状態に制御されていることの期待度が高い特定不能モードに制御されることとなっている。これにより、特定不能モードと特定不能モードの間で一旦通常モードに転落させられていたということが、遊技者の期待感を削いでしまうことがない。
また、上記のように、前記特定不能モードと前記通常モードとの間での転落、昇格がある場合において、
前記通常モードが、所定の確率で前記昇格条件が成立する第1通常モード(通常(昇格あり)モード)と、該第1通常モードよりも低い確率で前記昇格条件が成立する、または該昇格条件が成立し得ない第2通常モード(通常(昇格なし)モード)とを含む場合には、
前記モード制御手段は、前記遊技機の電源が投入されたときに、直前に電源が遮断されたときに制御されていたモードに関わらず、且つ遊技状態が前記所定遊技状態であるか前記確率変動状態であるかに関わらず、前記第2通常モードに制御する起動時制御手段(電源をONしたときには、通常(昇格なし)モードにセット)をさらに備えるものとすることができる。
ここでは、通常モードには、所定の確率で特定不能モードへの昇格条件が成立する第1通常モードと、これよりも低い確率で昇格条件が成立する、または該昇格条件が成立し得ない第2通常モードとがあるが、遊技機の電源が投入されたときには、直前に電源が遮断されたときに制御されていた特定不能モードの種類に関わらず、且つ遊技状態が前記所定遊技状態であるか前記確率変動状態であるかに関わらず、必ず第2通常モードに制御されることとなっている。このため、新たに電源を投入した直後(最も多くは、遊技店の開店時)の状態(特に設定値が変更されたか、確率変動状態に制御されているか)が遊技者に分かりにくくなり、射倖性を抑制することができる。
また、上記のように、前記特定不能モードと前記通常モードとの間での転落、昇格がある場合において、
前記通常モードが、所定の確率で前記昇格条件が成立する第1通常モード(通常(昇格あり)モード)と、該第1通常モードよりも低い確率で前記昇格条件が成立する、または該昇格条件が成立し得ない第2通常モード(通常(昇格なし)モード)とを含み、
前記遊技機が、前記事前決定手段の決定結果に基づいて前記特定遊技状態に制御される可能性があることを報知する予告演出を、複数種類の予告演出態様のうちから選択された予告演出態様で実行する予告演出実行手段(表示制御基板80の表示制御用CPU:図7)をさらに備える場合には、
前記予告演出実行手段は、前記通常モードに制御されているときに、前記第1通常モードに制御されているか前記第2通常モードに制御されているかに応じて異なる選択割合で、前記複数種類の予告演出態様のうちから実行すべき予告演出の予告演出態様を選択するものとすることができる(通常(昇格なし)モードと他の演出モードで、リーチ予告の種別振り分けが異なる:図7)。
また、制御されている特定不能モードの種類とは別に、特定決定手段の決定結果に基づいて特定遊技結果となる表示結果が導出される可能性があることを報知する予告演出が、複数種類の予告演出態様のうちから選択された予告演出態様で実行されるものとなっている。ここで、通常モードには、所定の確率で特定不能モードへの昇格条件が成立する第1通常モードと、これよりも低い確率で昇格条件が成立する、または該昇格条件が成立し得ない第2通常モードとがあるが、何れの通常モードに制御されているかに応じて異なる選択割合で、予告演出の予告演出態様が選択されるものとなっている。これにより、通常モードに転落してしまっても、このときには実行される予告演出に遊技者を注目させることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
本発明の実施の形態にかかるパチンコ遊技機の正面図である。 図1のパチンコ遊技機の制御回路の構成を示すブロック図である。 (a)は、大当たり判定用テーブルを示す図であり、(b)、(c)は、大当たり種別判定用テーブルを示す図である。 特別図柄の変動パターンの種別決定用テーブルを示す図である。 演出モードの振り分けを行うためのテーブルを示す図である。 (a)は、確変潜伏モードから通常モードへの転落を決定するためのテーブルを示す図であり、(b)は、通常モードから確変潜伏モードへの昇格を決定するためのテーブルを示す図である。 転落/昇格煽り演出の態様選択用テーブルを示す図である。 予告演出決定テーブルを示す図である。 主基板の制御部により実行される2msタイマ割り込み処理を示すフローチャートである。 表示制御基板の表示制御CPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、この実施の形態に適用されるパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)と、を含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の前面には、チャンスボタン16が設けられている。チャンスボタン16は、可変表示装置9などの演出手段において所定の種類の演出が実行されているときに、遊技者がこれを操作し、その操作が所定の操作条件を満たしたか否かにより、演出の結果を変化させることができるボタンである。
打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、回転操作することにより遊技領域7に遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7には、遊技領域7を流下する遊技球の進路を決定する風車22やアタッカー周辺釘23が配置されている(図示するアタッカー周辺釘23以外にも遊技領域7には多数の釘が配置されているが、図では、特に特別可変入賞装置20の位置に遊技球が入賞しやすくするか否かに重要なものだけを示している)。風車22は、その中央にある釘の角度を変化させることで上下左右に位置を予め微調整することができる。また、アタッカー周辺釘23等の各釘も、上下左右に角度を微調整することができる。
全く同じように遊技領域7に打ち出された遊技球でも、風車22やアタッカー周辺釘23などの釘の調整の違いで、流下する進路が異なることになる。そして、風車22やアタッカー周辺釘23などの釘は、特別可変入賞装置20の位置に遊技球が入賞しやすくなるように調整する(以下、釘を開けると言う)ことも、特別可変入賞装置20の位置に遊技球が入賞しにくくなるように調整する(以下、釘を閉めると言う)こともできる。後述するように大入賞口21が開放状態となっているときにおいて同じように遊技球を遊技領域7に打ち出しても、釘を開けていれば大入賞口21に入賞する遊技球の割合が高くなり、釘を閉めていれば大入賞口21に入賞する遊技球の割合が低くなる。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)により構成される可変表示装置9とを備えている。可変表示装置9の周囲を取り巻く円形状の枠の中に、演出手段としての装飾ランプ25a〜25cと、役物26とが設けられている。遊技領域7の可変表示装置9よりも下側には、2つの始動入賞口14a、14bが上下に並べて配置されている。下側にある始動入賞口14bには、開放状態となることで遊技球の入賞を容易にする可変入賞装置(アタッカー)15が設けられている。可変入賞装置15が閉鎖状態となっているときには、始動入賞口14bへの遊技球の入賞が困難になるが、完全に不可能となってしまう訳ではない。
始動入賞口14a、14bの下方には、大入賞口21が開放状態とされる特別可変入賞装置20が設けられている。特別可変入賞装置20が閉鎖状態となっているときには、大入賞口21に遊技球が全く入賞し得なくなる。特別可変入賞装置20が設けられている位置は、遊技者が可変表示装置9を見て遊技を進めている場合には、大入賞口21が開放状態となっているのかどうかが遊技者にほとんど分からないような位置となっている。特別可変入賞装置20の両側には、7セグメントLEDにより構成される特別図柄表示器10a、10bとが設けられている。特別図柄表示器10a、10bでは、7セグメントLEDによって表示される特別図柄の変動表示を行なっている。
特別図柄表示器10aは、始動入賞口14aへの遊技球の入賞に基づいて特別図柄の変動表示を行い、特別図柄表示器10bは、始動入賞口14bへの遊技球の入賞に基づいて特別図柄の変動表示を行う。特別図柄表示器10a、10bの両方で同時に特別図柄の変動表示が行われることはなく、特別図柄表示器10aまたは10bで特別図柄の変動表示が終了した後に、特別図柄表示器10a、10bの両方で変動表示を開始させるための条件が成立しているときには、いわゆる電チューサポートがされる方の特別図柄表示器10bで優先的に特別図柄の変動表示が行われることとなる。
特別図柄表示器10a、10bに表示される表示結果のうち特定表示結果(大当たり図柄)には、第1特定表示結果(確率変動大当たり図柄)と、第2特定表示結果(確変潜伏大当たり図柄)と、第3特定表示結果(突然確変大当たり図柄)と、第4特定表示結果(時短大当たり図柄)とが含まれる。第1特定表示結果、第2特定表示結果、第3特定表示結果、第4特定表示結果以外の表示結果は、ハズレ図柄となる。
特別図柄表示器10a、10bの表示結果の態様は、7つのセグメントの点灯/非点灯の組み合わせにより、2^7−1=127通りある(^は、べき乗を表し、7セグメントの全てを非点灯する態様が特別図柄表示器10a、10bの表示結果として除かれるため、1だけマイナスされている)。第1特定表示結果、第2特定表示結果、第3特定表示結果、第4特定表示結果には、「0」〜「9」の数字などの遊技者にとって比較的分かり易い図柄を含んでいてよいが、意味のある文字とは認識できない7つのセグメントの点灯/非点灯の組み合わせも採用しており、特別図柄表示器10a、10bの表示結果だけからは大当たりの種類を特定することが非常に困難なものとなっている。
特別図柄表示器10a、10bに第1特定表示結果(確率変動大当たり図柄)を表示した後には、後述する第1大当たり遊技状態に遊技状態を制御する。第1大当たり遊技状態の終了後に、次の大当たり(種類を問わず)が発生するまでの間、時短状態(特別図柄及び普通図柄の変動表示の時間が短縮される状態)に遊技状態が制御されるとともに、通常遊技状態(或いは、確率変動状態とならない時短状態)よりも大当たり確率が高くなる確率変動状態に遊技状態が制御される。
特別図柄表示器10a、10bに第2特定表示結果(確変潜伏大当たり図柄)を表示した後には、後述する第1大当たり遊技状態に遊技状態を制御する。第1大当たり遊技状態の終了後に、次の大当たり(種類を問わず)が発生するまでの間、時短状態(特別図柄及び普通図柄の変動表示の時間が短縮される状態)に遊技状態が制御されるとともに、前記した確率変動状態に遊技状態が制御される。
特別図柄表示器10a、10bに第3特定表示結果(突然確変大当たり図柄)を表示した後には、後述する第2大当たり遊技状態に遊技状態を制御する。第2大当たり遊技状態の終了後に、次の大当たり(種類を問わず)が発生するまでの間、時短状態(特別図柄及び普通図柄の変動表示の時間が短縮される状態)に遊技状態が制御されるとともに、前記した確率変動状態に遊技状態が制御される。
特別図柄表示器10a、10bに第4特定表示結果(時短大当たり図柄)を表示した後には、後述する第1大当たり遊技状態に遊技状態を制御する。第1大当たり遊技状態の終了後に、特別図柄表示器10a、10bにおいて100回の変動表示が行われるまでの間は時短状態に遊技状態が制御されるものの、次の大当たり発生までの大当たり確率を通常とする(確率変動状態の大当たり確率よりも低くなる)通常遊技状態に制御される。通常遊技状態において何れかの種類の大当たりが発生することを、初当たりという。
また、可変表示装置9では、横方向に3つ並べられた飾り図柄表示領域9a〜9cにて飾り図柄(例えば、「0」〜「9」の10種類)を縦方向にスクロールさせる変動表示を行っている。可変表示装置9は、特別図柄表示器10a、10bで行われる変動表示の内容を、飾り図柄の変動表示によって演出効果を高めて遊技者に表示するための変動表示装置である。特別図柄表示器10a、10bで特別図柄の変動表示が継続されている限り、飾り図柄の変動表示が一旦停止(仮停止)していても、大当たり抽選及び大当たり種別抽選に対する確定的な表示結果が示されたことにはならない。なお、後述する確変潜伏モードでは、他の演出モードとは異なり、3つの飾り図柄表示領域が縦方向に並べられ、各飾り図柄表示領域で飾り図柄を横方向にスクロールさせるものとなっている。
また、可変表示装置9においては、飾り図柄が変動表示されるのに合わせてキャラクタの表示などによる演出(後述するリーチ予告などの各種演出)が行われる。さらに、可変表示装置9は、特別図柄の変動表示に合わせて飾り図柄の変動表示を行うため以外に、大当たりラウンド演出を行うためにも用いられる。また、可変表示装置9には、各種演出の画像に対して背景画像が表示されるが、この背景画像の色は、後述する演出モードに応じて選択されるものとなっている。また、可変表示装置9において実行される演出の内容も、後述する演出モードに応じて異なるものとなっている。
なお、第1特定表示結果(確率変動大当たり図柄)の表示によっても、第2特定表示結果(確変潜伏大当たり図柄)の表示によっても、第1大当たり状態から確率変動状態への制御(+時短)という遊技状態の制御には全く変わりがない。もっとも、特別図柄表示器10a、10bに第1特定表示結果(確率変動大当たり図柄)が表示されたときには、この時点で可変表示装置9に表示される飾り図柄を「1」または「7」で揃えて、確率変動状態に制御される旨が報知される。
これに対して、第2特定表示結果(確変潜伏大当たり図柄)が表示されたときには、この時点では可変表示装置9に表示される飾り図柄を第4特定表示結果(時短大当たり図柄)が表示されたときと同様に「1」または「7」以外の図柄で揃えて確率変動状態に制御される旨が報知されない。第4特定表示結果(時短大当たり図柄)が表示されたときには、可変表示装置9に表示される飾り図柄を「1」または「7」以外の図柄で揃える。また、第2特定表示結果(確変潜伏大当たり図柄)の表示でも第4特定表示結果(時短大当たり図柄)の表示でも、少なくとも第1大当たり遊技状態の終了から100回の変動表示が終了するまでは時短状態に制御されるので、可変表示装置9に表示された飾り図柄と可変入賞装置15の開放だけからでは、確率変動状態に制御されているのかいないのかを遊技者が区別することはできない。
第3特定表示結果(突然確変大当たり図柄)が表示されたときには、可変表示装置9に表示される飾り図柄を同じ種類の図柄で揃えずに、ハズレのときと同じ結果が表示される。なお、突然確率大当たりによって制御される第2大当たり遊技状態は、後述するように大入賞口21の開放が極短期間で終了し、大当たりラウンド演出も実行されずに次の変動表示の開始までハズレ図柄を表示したままとしておく。もっとも、第2大当たり遊技状態が終了して次の変動表示が開始されたときには、確率変動状態に制御されていることとなる。
また、特別図柄表示器10aまたは10bにて特別図柄の変動表示が行われ、可変表示装置9にて飾り図柄の変動表示が行われているときに、装飾ランプ25a〜25cの点灯や役物26の駆動などによる演出が実行されることがある。なお、パチンコ遊技機1において実行される演出には、大きく分けて予告と告知とがあるが、予告とは、それによって示される内容が生じる可能性があることの報知であり、それによって示される内容が生じることを確定的に示す報知である告知と区別される。但し、一連の演出の終了間際までは可能性を示すだけであるが、当該一連の演出の最終部分で確定的な報知がなされる場合は、最終部分が告知、それよりも前の部分が予告としての意味を持つ演出となる。
可変表示装置9の表示領域のうちの下部の表示領域に、始動入賞口14a、14bに遊技球が入り始動条件が成立したが未だ特別図柄表示器10a、10bの開始条件(例えば、前回の特別図柄の変動表示の終了、大当たり遊技状態の終了)が成立していない始動条件の成立回数として後述する主基板31のRAM55(図2参照)に記憶された保留記憶数をそれぞれ表示する保留記憶数表示手段として特別図柄保留記憶表示部11a、11bが設定されている。
特別図柄保留記憶表示部11aは、4つのアイコンの表示部を備え、始動入賞口14aへの有効始動入賞(本実施形態では、保留記憶数が4未満のときの始動入賞)がある毎に、表示するアイコンをその時点で表示されているアイコンの右側に1つ追加し、特別図柄表示器10aにて特別図柄の変動表示が開始される毎に、最も左側に表示されていたアイコン(今回開始した変動表示に対応していたもの)を消去するとともに、他に表示されていたアイコンを1つずつ左にずらして表示する。すなわち、表示するアイコンの数を1つ減らす。特別図柄保留記憶表示部11bについても、同様に、始動入賞口14bへの有効始動入賞がある毎に、アイコンを1つ増やし、特別図柄表示器10bにて特別図柄の変動表示が開始される毎に、アイコンを1つ減らす。
RAM55(図2参照)には、特別図柄表示器10aにおける特別図柄の始動条件が成立(遊技球が始動入賞口14aへ入賞)したときに主基板31のCPU56(図2参照)により抽出された大当たり判定用乱数等の各種乱数の抽出順番を特定可能に記憶する4つの保留記憶バッファが設けられている。特別図柄保留記憶表示部11aは、保留記憶バッファのうちで各種乱数の記憶された保留記憶バッファの数(保留記憶数)を特定可能に表示する。保留記憶バッファには、抽出された各種乱数のうち未だ開始条件(例えば、前回の特別図柄の変動表示の終了、大当たり遊技状態の終了)が成立していない数値データが予め定められた上限数として4個まで記憶される。特別図柄保留記憶表示部11bについても、同様の保留記憶バッファが設けられている。
上記した始動入賞口14a、14bに入った入賞球は、それぞれ遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ62a、62b(図2参照)によって検出される。可変入賞装置15は、ソレノイド71(図2参照)によって開放状態とされる。後述する普通図柄の変動表示の結果に応じてソレノイド71により可変入賞装置15が開放状態となることにより、遊技球が始動入賞口14bに入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態となる。
また、特別可変入賞装置20は、ソレノイド72(図2参照)により可動して大入賞口21に遊技球が入賞可能な受入可能状態と、大入賞口21に遊技球が入賞不能な受入不能状態とに変化可能であり、受入可能状態において大入賞口21が開放状態とされるものとなる。また、特別可変入賞装置20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球は、カウントスイッチ63(図2参照)で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口21内の経路を切り換えるためのソレノイド73(図2参照)も設けられている。
特別可変入賞装置20は、第1大当たり遊技状態において、大入賞口21の開放から一定時間経過するまで、または所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するまで大入賞口21を開放状態とする。大入賞口21が開閉されてから一定期間(例えば、第1大当たり遊技状態においては30秒、第2大当たり遊技状態においては1秒)経過するまで、または所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口21に入賞するまでが1ラウンドである。大当たり遊技状態は、このような大入賞口21の開放が所定回数(例えば、15回)に亘って繰り返して提供される遊技状態である。
特別可変入賞装置20は、また、第2大当たり遊技状態において、大入賞口21を極めて短い時間(例えば、0.2〜0.5秒程度)で2回だけ開放状態とする。突然確変大当たりしたときに確率変動状態に制御される前の遊技状態が、この第2大当たり遊技状態である。第2大当たり遊技状態は、大入賞口21の開放が極めて短い期間しか行われないため、遊技球が1つも大入賞口21に入賞しないまま終了して、確率変動状態に制御されることとなる場合も多く、第2大当たり遊技状態に制御されたこと自体が遊技者に気づかれない場合も多い。
また、遊技領域7の右側には、「○」及び「×」と付された左右一対のLEDからなる普通図柄表示器12が設けられている。この普通図柄表示器12は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」及び「×」)を変動表示可能なものである。
ゲート28a、28bを遊技球が通過したことがゲートスイッチ61(図2参照)で検出されると、普通図柄当たり判定用乱数が抽出されて主基板31(図2参照)に搭載されるRAM55(図2参照)の普通図柄バッファに格納される。この実施の形態では、RAM55(図2参照)の普通図柄バッファに記憶可能な普通図柄当たり判定用乱数の記憶数の上限は、4個となっている。普通図柄表示器12において普通図柄の表示状態が変化(「○」および「×」が交互に点灯)する変動表示を開始できる状態(前回の普通図柄表示器12における変動表示の終了)であれば、普通図柄表示器12において普通図柄の変動表示が開始される。
普通図柄表示器12の上方には、普通図柄バッファに格納される普通図柄当たり判定用乱数の記憶数を表示する所定数(この実施の形態では4つ)のLEDを有する普通図柄保留記憶表示器13が設けられている。この普通図柄保留記憶表示器13は、ゲート28a、28bを遊技球が通過したことがゲートスイッチ61で検出されて新たに普通図柄当たり判定用乱数が記憶されると、点灯するLEDを1つ増やす。普通図柄表示器12にて普通図柄(例えば、「○」及び「×」)の変動表示が開始される毎に点灯しているLEDを1減らす。
普通図柄表示器12にて、○と×の付された左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって普通図柄の変動表示が行われ、変動表示は所定時間(例えば、時短状態であれば2.9秒、時短状態でなければ29.2秒)継続する。そして、変動表示の終了時に○の付された左側のランプが点灯すれば当たりとなる。普通図柄表示器12における変動表示の表示結果が当たりである場合には、可変入賞装置15が所定時間(例えば、時短状態であれば2.9秒、時短状態でなければ1.4秒)だけ開放状態になる。
普通図柄の変動表示の結果を当たりとするか否かは、ゲート28a、28bを遊技球が通過し、ゲートスイッチ61で遊技球が検出されたときに抽出された普通図柄当たり判定用乱数の値が所定の普通図柄当たり判定値と合致したか否かによって決定される。この当たり確率は、時短状態では非常に高い(例えば、35/36)が、時短状態でなければ低い(例えば、1/36)となっている。時短状態は、このように可変入賞装置15が開放状態にある割合が非常に多いので、遊技者の手持ちの遊技球を減少させずに(或いは、減少したとしても減少量はごく僅かで)、遊技を進められる状態となっている。
ゲート28aの左方及び下方、並びにゲート28bの下方及び右方には、それぞれ入賞口29a〜29dが設けられている。入賞口29a〜29dに遊技球が入賞したことが入賞口スイッチ64a(図2参照)で検出されると、所定数の遊技球が払い出される。遊技球の払い出しは、始動入賞口14a、14b、大入賞口21への遊技球の入賞によっても行われるが、ゲート28a、28bを遊技球が通過しても行われない。
遊技盤6の遊技領域7の下部には、入賞しなかった遊技球が取り込まれるアウト口30が設けられている。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ40、枠ランプ左41および枠ランプ右42が設けられている。
また、図1には示していないが。パチンコ遊技機1には打球操作ハンドル5を操作することにより駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置45(図2参照)が設けられている。打球発射装置45から発射された遊技球は、遊技盤6に遊技領域7を囲むように円形状に載設された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。始動入賞口14a、14b、大入賞口21、入賞口29a〜29dのいずれにも入賞しなかった遊技球は、アウト口30から排出されるものとなっている。
図2は、本実施形態に係るパチンコ遊技機1の回路構成の概要を表したブロック図である。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路53が搭載されている。基本回路53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って遊技の信号を制御するCPU56、及び表示制御基板80等に制御信号を送信するI/Oポート部57を含む。
この実施の形態では、ROM54、RAM55、CPU56及びI/Oポート部57を含む基本回路53は、1チップマイクロコンピュータとして構成されているが、この基本回路53を構成する1チップマイクロコンピュータには、パチンコ遊技機1の電源が遮断されている間にもバックアップバッテリから電力が供給されている。すなわち、RAM55に記憶されているデータは、バックアップバッテリから電力が供給される限りにおいて、パチンコ遊技機1の電源が遮断されている間も保持される。
なお、CPU56はROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、CPU56が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているCPUについても同様である。また、この実施の形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータとは、主基板31に搭載されるCPU56、ROM54、RAM55、I/Oポート部57、等の周辺回路のことである。
また、ゲートスイッチ61、始動口スイッチ62a、62b、カウントスイッチ63、入賞口スイッチ64、余剰球受皿4がいっぱいになったときに検出する満タンスイッチ(図示しない)、カウントスイッチ短絡信号(図示しない)、からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路32、可変入賞装置15を開閉するソレノイド71、特別可変入賞装置20を開閉するソレノイド72、大入賞口21内に設けられたシーソーを可動するソレノイド73、等を基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路33、電源投入時に基本回路53をリセットするためのシステムリセット回路(図示しない)、基本回路53から与えられるデータに従って、第1、第2大当たり遊技状態の発生を示す大当たり情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路34、も主基板31に搭載されている。
また、電源起動時において内部状態(RAM55)をリセットするリセットスイッチ93、及び電源のON/OFF切り替えを行うメインスイッチ94も、主基板31に接続されており、これらのスイッチの検出信号を基本回路53へと送る。これらのスイッチ93、94は、パチンコ遊技機1の内部に設けられている。
また、主基板31に搭載されたCPU56は、特別図柄表示器10a、10bの表示制御、普通図柄表示器12、およびラウンド数表示器19の表示制御を行う。さらに、普通図柄保留記憶表示器13の発光制御を行う。
主基板31に設けられた遊技制御用マイクロコンピュータ(CPU56及びROM54、RAM55等の周辺回路)は、プリペイドカード等が挿入されることによって球貸しを可能にするカードユニット50、遊技盤6に設けられた複数の入賞口にて遊技球の入賞を検出したことにより賞球払い出しを行う球払出装置44、を制御する払出制御基板36に払出制御信号を送信する。また、遊技制御用マイクロコンピュータは、打球操作ハンドル5を操作することにより打球発射装置45を駆動制御して遊技球を遊技領域7に向けて発射制御する発射制御基板37に発射制御信号を送信する。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータは、表示制御基板80に演出制御コマンド(演出制御信号)を送信する。演出制御コマンドを受信することにより表示制御基板80に設けられた表示制御用マイクロコンピュータ(表示制御用CPU(図示しない)、RAM(図示しない)、ROM(図示しない)、I/Oポート部(図示しない)、等の周辺回路)は、可変表示装置9の表示制御を行う。表示制御用マイクロコンピュータにも、パチンコ遊技機1の電源が遮断されている間もバックアップバッテリから電力が供給され、そのRAMに記憶されたデータも、パチンコ遊技機1の電源が遮断されている間も保持される。
表示制御用CPUは、ROMに格納されたプログラムに従って動作し、主基板31から演出制御コマンドを受信すると、受信した演出制御コマンドに従って可変表示装置9の表示制御を行う。具体的には、画像表示を行う表示制御機能及び高速描画機能を有するVDP(図示しない)により可変表示装置9の表示制御を行う。表示制御用CPUは、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示しない)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、可変表示装置9に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、怪物、文字、図形または記号等を予め格納しておくためのものである。
そして、表示制御用CPUは、キャラクタROMから読み出したデータをVDPに出力する。VDPは、表示制御用CPUからデータが入力されたことに基づいて動作する。この実施の形態では、可変表示装置9の表示制御を行うVDP(図示しない)が表示制御基板80に搭載されている。また、VDPは、表示制御用CPUとは独立した二次元のアドレス空間を持ち、そこにVRAM(図示しない)をマッピングしている。VDPは、キャラクタ画像データに従って可変表示装置9に表示するための画像データを生成し、VRAMに展開する。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのフレームバッファメモリである。そして、可変表示装置9に出力する。なお、可変表示装置9の表示制御には、特別図柄の変動表示、大当たりラウンド演出、保留記憶のアイコン表示などが含まれる。
また、表示制御基板80には、スイッチ回路(図示しない)を介してチャンスボタン16が接続されており、チャンスボタン16の操作によって内容が変化される演出を可変表示装置9において実行しているときには、チャンスボタン16の操作を検出した検出信号に基づいて、可変表示装置9における画像の表示を制御するものとしている。
また、この実施の形態では、表示制御基板80に設けられた表示制御用マイクロコンピュータは、音声出力基板70にスピーカ27の駆動信号を出力することによりスピーカ27の音声出力制御を行うとともに、ランプドライバ基板35に役物、ランプ・LEDの駆動信号を出力することによりパチンコ遊技機1に設けられた役物、ランプ・LEDの発光制御を行う。すなわち、表示制御基板80に搭載される表示制御用マイクロコンピュータは、主基板31から送信される可変表示装置9の表示制御、ランプ・LEDの点灯制御、遊技音発生等の演出の制御に関する指令情報としての演出制御コマンド(制御信号)に基づいて可変表示装置9、スピーカ27、パチンコ遊技機1に設けられるランプ・LED等の発光体の制御を行う演出制御用マイクロコンピュータである。
以下、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1における特別図柄表示器10a、10bにおける特別図柄の変動表示、及び可変表示装置9における飾り図柄の変動表示について説明する。特別図柄の変動表示の結果を大当たりとするか否か、大当たりとする場合にはいずれの種類の大当たりとするか、さらには特別図柄の変動パターンをいずれとするかは、始動入賞時に抽出される各種乱数に基づいて、特別図柄表示器10a、10bにおける特別図柄の変動表示の始動条件が成立したときに決定される。
まず、大当たりの決定について説明する。図3(a)は、ROM54に記憶されている大当たり判定用テーブルを示す図である。図3(a)の大当たり判定用テーブルは、所定の設定値のものについて示しているが、これ以外の設定値についても同様の構成(但し、大当たりと判定される乱数の範囲が異なる)の大当たり判定用テーブルが用意されている。大当たり判定用テーブルは、設定値に応じて参照されるものとなる。
特別図柄の変動表示の結果を大当たりとするか否かは、図3(a)の大当たり判定用テーブルと、始動入賞時に抽出された乱数のうちの大当たり判定用乱数(ランダムR:0〜65535)の値とに基づいて決定される。通常時(非確率変動時)においては、大当たり判定用乱数の値が1000〜1059、13320〜13477であれば、大当たりとすることを決定し、それ以外の値であれば、ハズレとすることを決定する。一方、確率変動時においては、大当たり判定用乱数の値が1020〜1519、13320〜15004であれば、大当たりとすることを決定し、それ以外の値であれば、ハズレとすることを決定する。
次に、大当たり種別の決定について説明する。図3(b)及び図3(c)は、ROM54に記憶されている大当たり種別判定用テーブルを示す図である。ここで、図3(b)は、特別図柄表示器10bで特別図柄の可変表示を行う場合に大当たり種別を決定するための大当たり種別判定用テーブルであり、図3(c)は、特別図柄表示器10aで特別図柄の可変表示を行う場合に大当たり種別を決定するための大当たり種別判定用テーブルである。
特別図柄表示器10bで特別図柄の可変表示を行う場合には、大当たり判定用乱数及び大当たり判定用テーブルに基づいて特別図柄の変動表示の結果を大当たりとする旨が決定された場合、さらに始動入賞時に抽出された乱数のうちの大当たり種別判定用乱数(ランダムQ:0〜9)の値が0、3、5または7であれば確率変動大当たりと決定し、1であれば確変潜伏大当たりと決定し、9であれば突然確変大当たりと決定し、2、4、6または8であれば時短大当たりと決定する。
一方、特別図柄表示器10aで特別図柄の可変表示を行う場合には、大当たり判定用乱数及び大当たり判定用テーブルに基づいて特別図柄の変動表示の結果を大当たりとする旨が決定された場合、さらに始動入賞時に抽出された乱数のうちの大当たり種別判定用乱数(ランダムQ:0〜9)の値が3、5または7であれば確率変動大当たりと決定し、1であれば確変潜伏大当たりと決定し、0または9であれば突然確変大当たりと決定し、2、4、6または8であれば時短大当たりと決定する。
ところで、確率変動状態では、30分の1の確率で大当たりとなるが、新たな大当たりが発生するまで特別図柄の可変表示が実行される回数の制限なく、時短状態に制御される。時短状態では、可変入賞装置15が開放状態にある割合が非常に高く、特別図柄表示器10aよりも優先される特別図柄表示器10bにて特別図柄の可変表示を行わせるための始動入賞口14bの入賞による保留記憶が途切れることが少ない。また、第1大当たり遊技状態に制御されている間の時間は非常に長いので、ほとんど例外なく、第1大当たり遊技状態が終了するまでに始動入賞口14aの入賞による保留記憶も、始動入賞口14bの入賞による保留記憶を何れも一杯になる。
特別図柄表示器10aで特別図柄の可変表示を行う場合に確率変動大当たりまたは確変潜伏大当たりとなる確率は、大当たりとなった場合の2/5(=4/10)であるのに対して、特別図柄表示器10bで特別図柄の可変表示を行う場合に確率変動大当たりまたは確変潜伏大当たりとなる確率は、大当たりとなった場合の1/2(=5/10)もある。つまり、一旦確率変動大当たりまたは確変潜伏大当たりが発生すると、それに基づく第1大当たり遊技状態が終了してから、さらに遊技者が多くの遊技球を獲得することができる第1大当たり遊技状態を介して次も確率変動状態となる割合が高いものとなる。
次に、特別図柄の変動パターンの決定について説明する。特別図柄の変動パターンは、開始条件が成立したとき(すなわち、特別図柄及び飾り図柄の変動表示が開始するとき)に、特別図柄の変動表示の結果(大当たりとするか否か、大当たりとする場合は大当たりの種別)に応じて決定されるものとなる。また、変動パターンを決定する場合、まず始動入賞時に抽出された乱数のうちの変動種別判定用乱数の値に基づいて変動パターンの種別を決定し、さらに始動入賞時に抽出された変動パターン判定用乱数の値に基づいて変動パターンを決定するものとなる。
変動パターンの種別には、ハズレとすることが決定された場合には、非リーチハズレ、ノーマルリーチ、スーパーリーチの3種類がある。確率変動大当たり、確変潜伏大当たりまたは時短大当たりとすることが決定された場合には、ノーマルリーチ、スーパーリーチの2種類がある。突然確変大当たりとすることが決定された場合には、突然確変の1種類であるが、これは、飾り図柄の変動に関しては非リーチハズレと基本的に同じものになる。
ここで、ノーマルリーチ、スーパーリーチは、何れも変動表示の過程において1番目、2番目にそれぞれ停止される左と右の飾り図柄(確変潜伏モードでは上と下の飾り図柄)が同一の種類の図柄で揃うリーチ表示態様が出現するパターンであるが、ノーマルリーチは、中の飾り図柄の変動表示の態様がハズレの場合と異ならない(最終的に停止される図柄は異なる)変動パターンであり、変動表示の開始から終了までに要する時間が非リーチハズレと比べて通常の場合には変わりがない。一方、スーパーリーチは、リーチ表示態様が出現した後、最後に停止される中の飾り図柄の変動表示が通常とは異なる態様となる演出表示が行われる変動パターンとなっており、変動表示に要する時間が非リーチハズレやノーマルリーチと比べると、かなり長くなっている。
もっとも、保留記憶の数が3以上となったときには、選択された変動パターンの本来の変動表示時間よりも特別図柄及び飾り図柄の変動表示が実行される時間が短縮される(4となったときには、3となったときよりも一層短縮される)。非リーチハズレとノーマルリーチでは、通常の場合に変動表示が実行される時間に変わりがないものの、ノーマルリーチでは一旦リーチ表示態様を出現させてから表示結果を導出させるという過程を経ることになるため、短縮された変動時間については、このような過程を経ないでよい非リーチハズレよりもノーマルリーチハズレの方が長くなる。また、スーパーリーチの変動パターンでは、中の飾り図柄における演出表示が(全部または一部)省略されて飾り図柄の変動表示の結果が表示されることがある。
次に、ハズレが決定されたときの変動パターンの種別の振り分けについて詳細に説明する。図4は、ROM54に記憶されている変動パターンの種別決定用テーブルのうちで、ハズレが決定されたときに適用される変動パターンの種別決定用テーブルを示す図である。ハズレが決定されたときには、保留記憶の数に応じて種別の振り分けが異なっている。図4の例では、変動種別判定用の乱数が0〜251の範囲の値を取るものとして説明する。
図示するように、保留記憶の数が2以下であるときには、変動種別判定用の乱数の値が0〜99だと非リーチハズレ、100〜229だとノーマルリーチハズレ、230〜251だとスーパーリーチハズレとなる。一方、保留記憶の数が3以上であるときには、変動種別判定用の乱数の値が0〜199だと非リーチハズレ、200〜229だとノーマルリーチハズレ、230〜251だとスーパーリーチハズレとなる。つまり、スーパーリーチハズレに振り分けられることとなる乱数の範囲は、保留記憶の数に関わらずに同じであるのに対して、非リーチハズレとノーマルリーチハズレに振り分けられる乱数の範囲は、保留記憶の数に応じて異なっていることになる。
一方、図示を省略するが、確率変動大当たりが決定されたときに適用される変動パターンの種別決定用テーブル、確変潜伏大当たりが決定されたときに適用される変動パターンの種別決定用テーブル、時短大当たりが決定されたときに適用される変動パターンの種別決定用テーブル、突然確変大当たりが決定されたときに適用される変動パターンの種別決定用テーブルでは、保留記憶の数に応じた種別の振り分けの違いはない。つまり、ノーマルリーチ、スーパーリーチの各々に振り分けられることとなる乱数の範囲は、保留記憶の数に関わらずに同じである。また、スーパーリーチに振り分けられる比率は、ハズレが決定されたときよりも高くなっている。
変動パターンの種別が決定されると、そこからより細かく変動パターンが決定される。ここで、変動パターンの種別が非リーチハズレ、確率変動大当たり、確変潜伏大当たりまたは時短大当たりでノーマルリーチの場合に選択される変動パターンは、それぞれ1種類だけである。ノーマルリーチハズレの場合に選択される変動パターンには、飾り図柄のすべりコマ数が異なる複数の変動パターン(1コマ前、1コマ後、2コマ後)がある。スーパーリーチハズレの場合に選択される変動パターンには、飾り図柄のすべりコマ数が異なる複数の変動パターン(1コマ前、1コマ後、2コマ後)がある。
ところで、特別図柄表示器10aにおける特別図柄の変動表示と、特別図柄表示器10bにおける特別図柄の変動表示では、変動パターンの種別、種類に違いがなく、その変動表示の結果が同じもの同士を比較すれば、変動パターン種別の選択確率にも違いはない。もっとも、特別図柄表示器10aにおいて特別図柄の変動表示を行う場合は、特別図柄表示器10bの場合よりも、突然確変大当たりまたは突然時短大当たりの確率が高く、確率変動大当たりまたは時短大当たりの確率が低くなっている。これを加味すると、特別図柄表示器10a、10bの何れにおいて特別図柄の変動表示を行うかによって、変動パターンの種別、種類の選択に違いが生じてくる。
また、特別図柄表示器10a、10bにおける特別図柄の変動表示の開始条件は、当該変動表示を行わせることとなる始動入賞よりも先の始動入賞に基づく全ての変動表示が終了していることによって成立する(但し、第1、第2大当たり遊技状態に制御されたときには、その終了によって成立する)。従って、保留記憶が全くない状態で始動入賞した場合には、当該始動入賞によって直ちに特別図柄の変動表示の開始条件が成立することとなる。
これに対して、未だ先の始動入賞に基づく変動表示が終了していないときの始動入賞(特定始動入賞とする)によって保留記憶がされていた場合には、特定始動入賞よりも1つだけ先の始動入賞(先始動入賞とする)に基づく特別図柄の変動表示が終了したときに、特定始動入賞に基づく特別図柄の変動表示の開始条件が成立する。このとき、先始動入賞に基づく特別図柄の変動表示の終了後に、遅滞なく特定始動入賞に基づく特別図柄の変動表示が開始されることとなる。
前述したとおり、特別図柄表示器10a、10bにおいて特別図柄が変動表示されるときにおいては、可変表示装置9において飾り図柄が変動表示される。特別図柄表示器10a、10bにおける特別図柄の変動表示は、開始条件の成立によって直ちに開始されるものとなるが、可変表示装置9における飾り図柄の変動表示は、開始条件の成立によって直ちに開始されるのではなく、開始条件の成立から一定の遅延時間を経過してから開始されるものとなっている。なお、特別図柄の変動表示は、開始条件が成立してから選択された変動パターンに応じて定められた変動表示時間を経過するまで実行されることとなる。
上記したように、特別図柄の変動パターンは、大当たり抽選及び大当たり種別抽選の結果がハズレ、確率変動大当たり、確変潜伏大当たり、時短大当たり、突確大当たりの何れであるかに応じて振り分けられる。もっとも、その結果が出現するまでに選択された変動パターンに応じて一定の時間を要するものとなる。また、ハズレのリーチあり、突確大当たり以外の大当たりの変動パターンでリーチが出現するまでにも一定の時間を要するものとなる。これらの時間を経過するまで飾り図柄の変動表示だけでは、遊技者は、リーチ表示態様が出現するか、スーパーリーチに発展するか、或いは飾り図柄の変動表示の結果が大当たりとなるかを知ることはできない。
また、確変潜伏大当たりまたは時短大当たりが発生したときには、大入賞口21が30秒15ラウンドで開放される第1大当たり遊技状態に制御されるが、この第1大当たり遊技状態が終了した後に確率変動状態に制御されているか否かは、確変潜伏大当たりまたは時短大当たりの発生時における飾り図柄の表示態様や、第1大当たり遊技状態が終了した後に可変入賞装置15が如何に開放されるか(但し、100回の変動表示を終了するまで)ということから、区別することができない。このように確率変動状態に制御されているか否かを区別できないからと言って、遊技者が確率変動状態に制御されていることを期待していない訳ではない。
また、第1大当たり遊技状態に制御されている間は、大当たりラウンド演出が実行されるが、この第1大当たり遊技状態は、大入賞口21の開放から10個の遊技球の入賞または30秒の経過を条件として終了されるラウンドが、断続的に15ラウンド提供されるものである。各ラウンドの終了条件は、遊技領域7に遊技球が同じように打ち出されるものと仮定した場合、釘を開ければ短い時間で成立する(30秒経過前の短い時間で10個の遊技球が入賞する)が、釘を閉めれば成立までに長い時間を要する(10個の遊技球が入賞するまでの時間が長くなるか、10個の遊技球が入賞する前に30秒が経過する)。
大当たりラウンド演出は、大入賞口21が開放状態となっている各ラウンドで実行されるラウンド中演出と、ラウンド間で実行されるラウンド間演出と、15ラウンド全てを終了した後に実行されるエンディング演出とからなるが、各ラウンドの終了条件の成立までに要する時間が長くなれば、ラウンド中演出の実行時間も長くなる。ラウンド中演出が長い間実行されていることに遊技者が気付くと、大入賞口21が開放状態となっても入賞していない遊技球が多くなっている、すなわち遊技者の損失分が大きくなっていることが分かってしまう。
そこで、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1では、このような遊技者の期待感を煽るために、飾り図柄の変動表示とは別の演出により、スーパーリーチに発展する可能性があることを報知する(スーパーリーチに発展する可能性を報知すると言うことは、スーパーリーチの選択比率が高い確率変動大当たり、確変潜伏大当たり、または時短大当たりとなる可能性を報知することにもなる)リーチ予告を行うものとしている。また、確変潜伏大当たりまたは時短大当たりに基づく第1大当たり遊技状態の終了後の演出モードを確変潜伏モードに制御するものとしている(但し、大当たりラウンド演出で遊技状態が報知されていた場合を除く)。
さらに、大当たりラウンド演出の実行が長くなって損失分が大きくなっていることに遊技者が気付くことで、遊技者の期待感を減退させないようにするため、特に確変潜伏大当たりまたは時短大当たりに基づいて制御された第1大当たり遊技状態における大当たりラウンド演出では、当該第1大当たり遊技状態の終了後に確率変動状態に制御されるか否かを報知する態様の演出を実行するものとしている。なお、確率変動大当たりに基づいて制御された第1大当たり遊技状態では、大入賞口21に遊技球が入賞しづらく、ラウンドの消化に時間がかかったとしても後に確率変動状態に制御されることが分かっているので、遊技者の期待感の減退も比較的少なく、何らの手当もしていない。
リーチ予告や演出モードといった飾り図柄の変動表示が実行されているときに該飾り図柄の変動表示以外に可変表示装置9において実行される演出も、全て表示制御基板80の表示制御用CPUが決定し、制御するものとなっている。さらに、飾り図柄の変動表示についても、具体的に表示される飾り図柄の種類は、主基板31のCPU56によって行われた大当たりの決定、大当たり種別の決定、及び小当たりの決定、並びに変動パターンの決定に従うことを条件として、表示制御基板80の表示制御用CPUが決定するものとなっている。さらに、大当たりラウンド演出も、表示制御基板80の表示制御用CPUにより実行される。
これらを表示制御基板80の表示制御用CPUが行えるようにするため、始動入賞口14aまたは14bに遊技球が入賞したときに、このときに抽出された大当たり判定用乱数、大当たり種別判定用乱数、及び変動種別判定用乱数の値(さらに、変動パターン判定用乱数の値を含んでいてよい)、並びに遊技球が入賞した始動入賞口の種類を始動入賞毎の識別情報と対応付けた始動入賞コマンドが、主基板31のCPU56から表示制御基板80の表示制御用CPUへと送信されるものとなっている。
また、特別図柄表示器10aまたは10bにて特別図柄の変動表示を開始させるときに、これを開始させた始動入賞の識別情報と、大当たりとするか否か及び大当たり種別と、決定された変動パターンとを示す開始時コマンドが、主基板31のCPU56から表示制御基板80の表示制御用CPUへと送信されるものとなっている。また、遊技状態が変化したときに、変化した後の遊技状態を示す遊技状態コマンドが、主基板31のCPU56から表示制御基板80の表示制御用CPUへと送信されるものとなっている。
また、特別図柄表示器10aまたは10bに第1特定表示結果、第2特定表示結果または第4特定表示結果が導出されて、第1大当たり遊技状態に制御されたときには、各ラウンドが開始される度に当該ラウンド数を示す大当たりラウンドコマンドが、主基板31のCPU56から表示制御基板80の表示制御用CPUへと送信されるものとなっている。各ラウンドが終了したときにも、ラウンドの終了を示すラウンド終了コマンドが、主基板31のCPU56から表示制御基板80の表示制御用CPUへと送信されるものとなっている。
さらに、パチンコ遊技機1の電源を立ち上げたときには、前回の電源遮断時のデータがクリアされずにRAM55に記憶されてれば該電源遮断時の状態(始動入賞口14a、14bの保留記憶がある場合もあり)から、RAM55がクリアされていれば初期状態(始動入賞口14a、14bの何れの保留記憶の数も0)から、遊技の進行を開始させることとなるが、このときに、始動入賞口14a、14bの保留記憶に関する情報と遊技状態を示す情報とを含む起動時コマンドが、主基板31のCPU56から表示制御基板80の表示制御用CPUへと送信されるものとなっている。
表示制御基板80の表示制御用CPUは、この起動時コマンドで示される保留記憶に関する情報が示す始動入賞口14a、14bの保留記憶の数に対して、始動入賞コマンドを受信したときに保留記憶の数を増加カウントし、開始時コマンドを受信したときに保留記憶の数を減算カウントすることで、始動入賞口14a、14bの保留記憶の数をリアルタイムで把握できるものとなっている。
以下、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機において、表示制御基板80の表示制御用CPUにより実行される演出の制御について説明する。表示制御基板80の表示制御用CPUは、開始時コマンドを受信すると、次に説明するように飾り図柄の種類を選択し、開始時コマンドが示す変動パターンで飾り図柄を可変表示装置9において変動表示させた後、選択した種類の飾り図柄を可変表示装置9に表示して、変動表示の結果を示すものとしている。
まず、停止すべき飾り図柄の選択について説明する。前述したように、飾り図柄の変動表示において具体的に表示される飾り図柄の種類は、主基板31のCPU56によって行われた大当たりの決定、大当たり種別の決定、変動パターンの決定に従うことを条件として、表示制御基板80の表示制御用CPUが決定するものとなっている。例えば、確率変動大当たりが決定されているときには、最終的に停止される飾り図柄は、3つとも「1」または「7」の同じ図柄となり、確変潜伏大当たりまたは時短大当たりが決定されているときには、最終的に停止される飾り図柄は、3つとも「1」または「7」以外の同じ図柄となる。
確変潜伏大当たりまたは時短大当たりでは、最終的に停止される図柄を「1」または「7」以外の同じ図柄としなければならないため、その前提で表示されるリーチ表示態様も「1」または「7」以外の同じ図柄が2つ停止した態様となる。スーパーリーチにおいて再抽選はあっても、そこでの降格はできないため、最終的に停止される図柄を「1」または「7」以外の同じ図柄とするには、リーチ表示態様も「1」または「7」以外の同じ図柄が2つ停止した態様としなければならないからである。
確率変動大当たりでは、最終的に停止される図柄を「1」または「7」の同じ図柄としなければならないので、再抽選のないノーマルリーチの変動パターンで確率変動大当たり図柄を表示させるためには、その前提で表示されるリーチ表示態様も「1」または「7」の同じ図柄が2つ停止した態様としなければならない。一方、再抽選のあるスーパーリーチでは、「1」または「7」以外の同じ図柄を一旦揃えてから、「1」または「7」の同じ図柄を揃えた態様に変更することができるため、リーチ表示態様は「1」または「7」以外の同じ図柄が2つ停止した態様とすることができる。
ノーマルリーチハズレ及びスーパーリーチハズレでは、最終的に停止される飾り図柄は、左と右については同じ図柄が選択される(何れかを均等に選択するものとしても、「1」と「7」などの特定の図柄の選択比率を変えるものとしてもよい)が、中については、選択された変動パターンにおけるすべりコマ数に従って、これと異なる図柄が選択される。非リーチハズレ及び突然確変大当たりでは、左、中、右について互いに異なる図柄が選択される。
上記のように確率変動大当たりとなるときのリーチ表示態様として、確変大当たり図柄を構成する「1」または「7」とは異なる図柄でのリーチ表示態様を表示させるものとすると、このままでは、確変大当たり図柄を構成する「1」または「7」によるリーチ表示態様が、大当たりとなる場合のうちで確率変動大当たりとなる場合の割合よりも低い割合でしか表示されないこととなってしまう。
一方、ノーマルリーチハズレまたはスーパーリーチハズレの場合に表示されるリーチ表示態様を構成する飾り図柄として「1」または「7」を選択する割合は、一般には、大当たりとなる場合のうちで確率変動大当たりとなる場合の割合と同程度に設定されており、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1でも、確変潜伏モードに制御されているときにおいて実際の遊技状態が確率変動状態に制御されているとき以外では、これに倣ってノーマルリーチハズレまたはスーパーリーチハズレの場合に表示されるリーチ表示態様を構成する飾り図柄を選択するものとしている。すると、確変大当たり図柄を構成する「1」または「7」によるリーチ表示態様は、大当たりとなる確率が低いリーチ表示態様という現象が生じてしまう。
これに対して、確変潜伏モードに制御されているときにおいて実際の遊技状態が確率変動状態に制御されているときには、ノーマルリーチハズレまたはスーパーリーチハズレの場合に表示されるリーチ表示態様を構成する飾り図柄として確変大当たり図柄を構成する「1」または「7」が選択される割合を、大当たりとなる場合のうちで確率変動大当たりとなる場合の割合よりも高くしている。確変潜伏モード以外の演出モードに制御されているとき、確変潜伏モードに制御されていても確率変動状態に制御されていないときには、ノーマルリーチハズレまたはスーパーリーチハズレの場合に表示されるリーチ表示態様を構成する飾り図柄として確変大当たり図柄を構成する「1」または「7」が選択される割合は、一般の場合と同じく大当たりとなる場合のうちで確率変動大当たりとなる場合の割合と同程度にしている。
次に、大当たりラウンド演出について説明する。大当たりラウンド演出は、第1大当たり遊技状態に制御されているときの各ラウンドでラウンド中演出が行われるが、このラウンド中演出は、例えば、巡回して表示されるような動画像(最終コマまで表示されると次に最初のコマが表示され、最終コマと最初のコマで内容が繋がっている)を可変表示装置9に表示させることにより行われる。通常の大当たりラウンド演出では、後述するような太陽や雨の画像が前面に表示されることはないが、太陽や雨の画像を全面的に表示させても違和感のないような動画像(例えば、キャラクタが屋外を歩いている)となっている。
確率変動大当たりに基づいて実行される大当たりラウンド演出では、第1大当たり遊技状態が終了した後に確率変動状態に制御されることが分かっているので、各ラウンドを消化する時間の違いによって演出の内容が変わることはない(但し、確変潜伏大当たりまたは時短大当たりに基づいて実行される大当たりラウンド演出とは、異なる内容の演出としてもよい)。これに対して、確変潜伏大当たりまたは時短大当たりに基づいて実行される大当たりラウンド演出では、第1大当たり遊技状態が終了した後に確率変動状態に制御されるか否かが未だ遊技者に分からない。
このように第1大当たり遊技状態が終了した後に確率変動状態に制御されるか否かが分からない確変潜伏大当たりまたは時短大当たりに基づいて大当たりラウンド演出を実行させるときには、表示制御基板80の表示制御CPUは、確変潜伏大当たりまたは時短大当たりが発生した時点において、ラウンドの消化に要する時間の計測対象となるラウンドを3つ決定する。決定したラウンド以外のラウンドでは、当該ラウンドを消化するまで、そのままラウンド演出を実行させ、ラウンドの終了とともにラウンド中演出(15ラウンドの場合はエンディング演出)に移行する。
表示制御基板80の表示制御用CPUは、決定した各ラウンドについての大当たりラウンドコマンドを受信してから(すなわち、第1大当たり遊技状態のラウンドの開始(ラウンド中演出の開始)から)の経過時間を内部タイマを利用して計測する。所定の基準時間(例えば、28秒)を消化するまでに当該ラウンドについてのラウンド終了コマンドを受信した場合には、そのまま当該ラウンドのラウンド中演出を終了させる。
一方、ラウンド終了コマンドを受信するよりも前に計測している大当たりラウンドコマンドの受信からの経過時間が基準時間に到達したときには、表示制御基板80の表示制御用CPUは、実行中の大当たりラウンド演出が確変潜伏大当たりと時短大当たりの何れに基づいて開始されたのか、すなわち第1大当たり遊技状態の終了後に制御されることとなる遊技状態が確率変動状態となるか否かを判定する。
確率変動大当たりに基づくもの、すなわち第1大当たり遊技状態の終了後に確率変動状態に制御されると判定された場合には、ラウンド中演出の画像の前面側に太陽の画像を表示させる。一方、時短大当たりに基づくもの、すなわち第1大当たり遊技状態の終了後に確率変動状態に制御されないと判定された場合には、ラウンド中演出の画像の前面側に雨の画像を表示させる。なお、前面側に表示された太陽の画像または雨の画像は、当該ラウンドが終了した後のラウンド間演出またはエンディング演出においても表示される。
次に、演出モードの選択について説明する。「演出モード」は、第1大当たり遊技状態に制御されているとき以外で遊技状態に応じて決められる演出の実行状態(可変表示装置9に表示される背景画像の色及び飾り図柄のスクロール方向)を指すものであり、通常モードと、確変モードと、確変潜伏モードとがある。ここで、通常モードは、確率変動状態に制御されていないことを示すモード(但し、後述するように確変潜伏モードから転落した通常モードは、極僅かながら確率変動状態に制御されている可能性がある)である。確変モードは、確率変動状態に制御されていることを示すモードである。
一方、確変潜伏モードは、確率変動状態に制御されているか制御されていないかが分からないようにしたモードである。確変潜伏モードには、確率変動状態に制御されている期待度の高さに応じて、確変潜伏(高)モード、確変潜伏(中)モード、確変潜伏(低)モードの3種類がある。また、通常モードには、確変潜伏モードへの昇格が可能な通常(昇格あり)モードと、確変潜伏モードへの昇格が不可能な通常(昇格なし)モードの2種類がある。
演出モードを詳細に区分すると、確変モード、確変潜伏(高)モード、確変潜伏(中)モード、確変潜伏(低)モード、通常(昇格あり)モード、通常(昇格なし)モードの6種類があるが、通常(昇格あり)モードと通常(昇格なし)モードとでは同じ色の背景画像が可変表示装置9に表示される。確変モード、確変潜伏(高)モード、確変潜伏(中)モード、確変潜伏(低)モードでは、通常モードとは異なる色で演出モード毎に異なる色の背景画像が可変表示装置9に表示されるものとなる。また、確変モード及び通常モード(昇格あり、昇格なしの何れも含む)では、飾り図柄は縦方向にスクロールさせられるが、確変潜伏モード(高、中、低の何れも含む)では、飾り図柄のスクロール方向が横方向に変化させられる。
演出モードの振り分けは、まず、第1大当たり遊技状態または第2大当たり遊技状態が終了したことを契機として、表示制御基板80の表示制御用CPUにより行われる。図5は、表示制御基板80の表示制御マイクロコンピュータに含まれるROMに記憶された第1大当たり遊技状態または第2大当たり遊技状態の終了時において演出モードの振り分けを行うためのテーブルである。演出モードの振り分けは、第1大当たり遊技状態または第2大当たり遊技状態に制御させる原因となった大当たりの種類と、第1大当たり遊技状態における大当たりラウンド演出で遊技状態が報知されているか否かと、表示制御用CPUが抽出するモード振り分け用乱数の値に従って決定される。なお、演出モードには通常(昇格あり)モードもあるが、第1大当たり遊技状態または第2大当たり遊技状態の終了直後に、通常(昇格あり)モードに振り分けられることはない。
図示するように、確率変動大当たりに基づく第1大当たり遊技状態が終了した後には、100%の確率で確変モードに制御される。確変潜伏大当たりに基づく第1大当たり遊技状態が終了した後には、大当たりラウンド演出において確率変動状態に制御される旨が報知されていれば、100%の確率で確変モードに制御される。大当たりラウンド演出において確率変動状態に制御される旨が報知されていなければ、60%の確率で確変潜伏(高)モードに、30%の確率で確変潜伏(中)モードに、10%の確率で確変潜伏(低)モードに制御される。
時短大当たりに基づく第1大当たり遊技状態が終了した後には、大当たりラウンド演出において確率変動状態に制御されない旨が報知されていれば、100%の確率で通常(昇格なし)モードに制御される。大当たりラウンド演出において確率変動状態に制御されない旨が報知されていなければ、5%の確率で確変潜伏(高)モードに、15%の確率で確変潜伏(中)モードに、30%の確率で確変潜伏(低)モードに、50%の確率で通常(昇格なし)モードに制御される。突然確変大当たりに基づく第2大当たり遊技状態が終了した後には、100%の確率で確変モードに制御される。
特別図柄表示器10a、10bの大当たりが発生した場合における確変潜伏大当たりの割合は1/10で、時短大当たりの割合は4/10であるので、第1大当たり遊技状態の終了時において確率変動状態に制御されていることの期待度は、確変潜伏(高)モードでは、(60×(1/10))/(60×(1/10)+5×(4/10))×100=75(%)となる。確変潜伏(中)モードでは、(30×(1/10))/(30×(1/10)+15×(4/10))×100≒33.3(%)となる。確変潜伏(低)モードでは、(10×(1/10))/(10×(1/10)+3×(4/10))×100≒7.7(%)となる。
後述するように通常(昇格あり)モードに一旦転落し、その後に確変潜伏(高)モード、確変潜伏(中)モード、或いは確変潜伏(低)モードに昇格したときに確率変動状態に制御されていることの期待度は、上記の数値とは異なるものとなるものの、何れにしても、確変潜伏(高)モードは確変潜伏(中)モードよりも、確変潜伏(中)モードは確変潜伏(低)モードよりも、確率変動状態に制御されていることの期待度が高いモードとなる。
通常モード(昇格あり、昇格なしとも)は、後述するように確変潜伏モードから転落して制御された場合には、依然として確率変動状態に制御されている可能性を残しているが、第1大当たり遊技状態が終了した直後から通常(昇格なし)モードに制御されたときには、時短大当たりに基づいて制御されたことになるので、確率変動状態に制御されているという可能性はない。但し、後述するようにパチンコ遊技機1の電源を立ち上げることで通常(昇格なし)モードに制御されたときには、確率変動状態に制御されている可能性がある。
上記したように、確変潜伏大当たりに基づく第1大当たり遊技状態が終了した後には100%の割合で、或いは時短大当たりに基づく第1大当たり遊技状態が終了した後には50%の割合で、何れかの確変潜伏モードに制御されることとなるが、この確変潜伏モードは、必ずしも次の大当たりが発生するまで続くものとは限らない。
すなわち、確変潜伏モードに制御されているときには、可変表示装置9にて飾り図柄の変動表示が開始する度(特別図柄表示器10aまたは10bにて特別図柄の変動表示が開始する度)に、転落抽選が行われ、これに当選すると通常モードに演出モードが制御されることとなる。
図6(a)は、表示制御基板80の表示制御マイクロコンピュータに含まれるROMに記憶された転落抽選において確変潜伏モードから通常モードに転落させるか否かを決定するためのテーブルである。図示するように、確変潜伏モードから通常モードに転落させることを決定する確率は、確変潜伏モードの種類と、制御されている遊技状態に応じて異なっている。図6(a)から分かるように、確変潜伏(低)モードは確変潜伏(中)モードよりも、確変潜伏(中)モードは確変潜伏(高)モードよりも通常モードへの転落確率が高くなっている。また、確率変動状態に制御されていないときには、確率変動状態に制御されているときに比べて通常モードへの転落確率が高くなっている。
なお、前述したように、通常モードには、確変潜伏モードへの昇格があり得る通常(昇格あり)モードと、昇格があり得ない通常(昇格なし)モードがあるが、何れに制御されるかは、第1大当たり遊技状態の終了後に最初に確変潜伏モードに制御されてから実行された飾り図柄(特別図柄)の変動表示の回数に応じて決まるものとなっている。すなわち、第1大当たり遊技状態の終了後に最初に確変潜伏モードに制御されてから実行された変動表示の回数が70回以下であるときには、通常(昇格あり)モードに制御され、70回を越えるときには、通常(昇格なし)モードに制御される。
通常(昇格あり)モードに制御されているときには、可変表示装置9にて飾り図柄の変動表示が開始する度(特別図柄表示器10aまたは10bにて特別図柄の変動表示が開始する度)に、昇格抽選が行われ、これに当選すると確変潜伏モードに演出モードが制御されることとなる。昇格抽選によって確変潜伏モードに制御させるか、制御させる場合に何れの確変潜伏モードに制御されるかは、遊技状態と、通常モードに転落する前に制御されていた確変潜伏モードの種類に応じて決定されるものとなる。
図6(b)は、表示制御基板80の表示制御マイクロコンピュータに含まれるROMに記憶された昇格抽選において通常(昇格あり)モードから確変潜伏モードに昇格させるか否か、さらには何れの種類の確変潜伏モードに昇格させるかを決定するためのテーブルである。図示するように、確変潜伏モードから通常(昇格あり)モードに転落した後、再び確変潜伏モードに昇格させることを決定する確率、及び昇格される確変潜伏モードの種類を選択する確率は、通常(昇格あり)モードに転落する直前に制御されていた確変潜伏モードの種類と、制御されている遊技状態に応じて異なっている。確率変動状態に制御されているときには、確率変動状態に制御されていないときに比べて確変潜伏モードへ再昇格される確率が高くなっている。
また、図6(b)から分かるように、通常(昇格あり)モードから確変潜伏モードに昇格させられる場合における確変潜伏モードの種類は、通常(昇格あり)モードに転落する前に制御されていた確変潜伏モードと同じ種類の確変潜伏モード、或いは通常(昇格あり)モードに転落する前に制御されていた確変潜伏モードよりも確率変動状態に制御されていることの期待度が高い確変潜伏モードだけとなっている。
例えば、通常(昇格あり)モードに転落する前に確変潜伏(低)モードに制御されていたときには、確変潜伏(低)モード、確変潜伏(中)モード、確変潜伏(高)モードの何れにも制御され得るが、通常(昇格あり)モードに転落する前に確変潜伏(中)モードに制御されていたときには、確変潜伏(中)モード、確変潜伏(高)モードの何れにも制御され得るものとなり、確変潜伏(低)モードには制御され得ない。通常(昇格あり)モードに転落する前に確変潜伏(高)モードに制御されていたときには、確変潜伏(高)モードにのみ制御され得るものとなり、確変潜伏(低)モード、確変潜伏(中)モードには制御され得ない。
上記のように確変潜伏モードから通常モードへの転落が決定されたとき、或いは、通常モードから確変潜伏モードへの昇格が決定されたときには、演出モードが切り替えられる。演出モードの切り替えは、切り替え前の演出モードの画像に対して切り替え後の演出モードの画像をワイプインさせることにより行われる。
確変潜伏(高)モード、確変潜伏(中)モード、または確変潜伏(低)モードから通常(昇格あり)モードまたは通常(昇格なし)モードに切り替えられるときには、1)上下左右、2)上下、または、3)左右の何れかから通常モードの画像がワイプインしてくる。通常(昇格あり)モードから確変潜伏(高)モード、確変潜伏(中)モード、または確変潜伏(低)モードに切り替えられるときには、1)上下左右、2)上下、または、3)左右の何れかから確変潜伏(高)モード、確変潜伏(中)モード、または確変潜伏(低)モードの画像がワイプインしてくる。切り替え後の演出モードの画像をどの方向からワイプインさせる可については、例えば、ランダムに選ばれる。
なお、確変潜伏モードから通常モードへの転落、及び通常モードから確変潜伏モードへの昇格は、第1大当たり遊技状態の終了後に最初に確変潜伏モードに制御されてから実行された変動表示の回数が70回以下である限り、何度でも行われる可能性がある。このような場合でも、通常モードとして通常(昇格あり)モードに制御されることとなる変動表示の回数の起算点は、第1大当たり遊技状態の終了後に最初に確変潜伏モードに制御されたときとなることに注意を要する。
また、パチンコ遊技機1において、主基板31のRAM55と表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータのRAMは、何れもバッテリバックアップされているので、電源をONしたときには、直前に電源をOFFしたときの状態から遊技が再開されることとなる(但し、新たな設定値を設定しなかった場合)。もっとも、演出モードについては、直前に電源をOFFしたときの演出モードに関わらず、また、遊技状態に関わらず、演出モードは、通常(昇格なし)モードにセットされるものとなっている。
上記のように、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1では、可変表示装置9にて飾り図柄の変動表示が開始する度に、確変潜伏モードにおいては転落抽選が行われ、これに当選すると通常モードに転落させられ、通常モード(昇格あり)においては昇格抽選が行われ、これに当選すると確変潜伏モードに再度昇格させられる。これにより、遊技者は、通常モード(昇格あり)に制御されているときには、確変潜伏モードに再昇格させられないかと期待しながら遊技を行うものとなる。一方、確変潜伏モードに制御されているときには、通常モードに転落させられないかと不安を感じながら遊技を行い、通常モードへの転落がなければ安堵する。
このような遊技者の期待感や不安感を煽るため、確変潜伏モードにおいて転落抽選に当選しなかったときに通常モードへの転落の不安感を煽る転落煽り演出を実行する場合があり、通常(昇格あり)モードにおいて昇格抽選に当選しなかったときに確変潜伏モードへの昇格の期待感を煽る昇格煽り演出を実行する場合がある。ここで、転落煽り演出は、確変潜伏モードの画像に対して通常モードの画像を中途までワイプインさせるが、結果的にワイプインさせずに終了させてしまうという態様で実行される。ワイプインの方向は、確変潜伏モードの画像から通常モードの画像への切り替えの場合と同様に、1)上下左右、2)上下、3)左右の3種類がある。
一方の昇格煽り演出も、通常モードの画像に対して確変潜伏モードの画像を中途までワイプインさせるが、結果的にワイプインさせずに終了させてしまうという態様で実行される。ワイプインの方向は、通常モードの画像から確変潜伏モードの画像への切り替えの場合と同様に、1)上下左右、2)上下、3)左右の3種類がある。なお、中途までワイプインしてくる確変潜伏モードの画像は、通常(昇格あり)モードに転落する前に制御されていた種類の確変潜伏モードに対応した画像となっている。また、転落煽り演出、昇格煽り演出の態様(上下左右、上下、左右からのワイプイン)の選択は、第1大当たり遊技状態の終了後に最初に確変潜伏モードに制御されてからの飾り図柄の変動表示の回数に応じて行われるものとなっている。
次に、転落煽り演出の態様の選択について説明する。図7(a)は、表示制御基板80の表示制御マイクロコンピュータに含まれるROMに記憶された転落煽り演出の態様を選択するためのテーブルを示す図である。図示するように、第1大当たり遊技状態の終了後に最初に確変潜伏モードに制御されてからの飾り図柄の変動表示の回数が10回以下であるときには、上下左右からのワイプインが2%の確率で選択され、上下からのワイプインが4%の確率で選択され、左右からのワイプインが8%の確率で選択され、残りの86%では何れの態様の転落煽り演出も実行しないことが選択される。
飾り図柄の変動表示の回数が11回以上30回以下であるときには、上下左右からのワイプインが5%の確率で選択され、上下からのワイプインが20%の確率で選択され、左右からのワイプインが5%の確率で選択され、残りの70%では何れの態様の転落煽り演出も実行しないことが選択される。飾り図柄の変動表示の回数が31回以上であるときには、上下左右からのワイプインが30%の確率で選択され、上下からのワイプインが20%の確率で選択され、左右からのワイプインが10%の確率で選択され、残りの40%では何れの態様の転落煽り演出も実行しないことが選択される。
図7(a)から分かるように、何らかの態様で転落煽り演出が実行されることとなる割合は、第1大当たり遊技状態の終了後に最初に確変潜伏モードに制御されてからの飾り図柄の変動表示の回数が大きくなるほど高くなっている。これは、実際の遊技状態が確率変動状態に制御されているのであれば、1/30(所定の設定値の場合)という非常に高い確率で次の大当たりが発生するので、大当たりとならずに実行される変動表示の回数が大きくなればなるほど、確率変動状態に制御されていない可能性が高まることによるものである。
特に第1大当たり遊技状態の終了後に最初に確変潜伏モードに制御されてからの飾り図柄の変動表示の回数が31回以上となったときに転落煽り演出を実行させる確率を60%という高い割合にするのは、確率変動状態での大当たり発生までの期待ゲーム数が30ゲーム(所定の設定値の場合)となるので、これを越える回数の変動表示が行われて大当たりが発生していないときには、確率変動状態に制御されていない可能性の方が高いと考えられるからである。
次に、昇格煽り演出の態様の選択について説明する。図7(b)は、表示制御基板80の表示制御マイクロコンピュータに含まれるROMに記憶された昇格煽り演出の態様を選択するためのテーブルを示す図である。図示するように、第1大当たり遊技状態の終了後に最初に確変潜伏モードに制御されてからの飾り図柄の変動表示の回数が30回以下であるときには、上下左右からのワイプインが30%の確率で選択され、上下からのワイプインが20%の確率で選択され、左右からのワイプインが10%の確率で選択され、残りの40%では何れの態様の昇格煽り演出も実行しないことが選択される。
飾り図柄の変動表示の回数が31回以上50回以下であるときには、上下からのワイプインが20%の確率で選択され、左右からのワイプインが10%の確率で選択され、残りの70%では何れの態様の転落煽り演出も実行しないことが選択される。上下左右からのワイプインが選択されることはない。飾り図柄の変動表示の回数が51回以上70回以下(70回を越えると、何れにしても通常(昇格なし)モードになる)であるときには上下からのワイプインが5%の確率で選択され、左右からのワイプインが10%の確率で選択され、残りの85%では何れの態様の転落煽り演出も実行しないことが選択される。上下左右からのワイプインが選択されることはない。
図7(b)から分かるように、何らかの態様で昇格煽り演出が実行されることとなる割合は、第1大当たり遊技状態の終了後に最初に確変潜伏モードに制御されてからの飾り図柄の変動表示の回数が大きくなるほど低くなっている。これも、実際の遊技状態が確率変動状態に制御されているのであれば、1/30(所定の設定値の場合)という非常に高い確率で次の大当たりが発生するので、大当たりとならずに実行される変動表示の回数が大きくなればなるほど、確率変動状態に制御されていない可能性が高まることによるものである。
特に第1大当たり遊技状態の終了後に最初に確変潜伏モードに制御されてからの飾り図柄の変動表示の回数が30回以下であるとき昇格煽り演出を実行させる確率を60%という高い割合にするのは、確率変動状態での大当たり発生までの期待ゲーム数が30ゲーム(所定の設定値の場合)となるので、これ以下の回数の変動表示で大当たりが発生していなくても、確率変動状態に制御されている可能性は十分に高いと考えられるからである。
また、昇格煽り演出の態様として上下左右からのワイプインは、第1大当たり遊技状態の終了後に最初に確変潜伏モードに制御されてからの飾り図柄の変動表示の回数が30回以下であるときにしか実行されることがない。これは、変動表示の回数が30回以下であるときには、未だ大当たりが発生していなくても確率変動状態に制御されている可能性は十分に高いと考えられるので、上下左右からのワイプインによる昇格煽り演出を、確率変動状態に制御されている可能性が未だ十分に高いと考えられる昇格煽り演出としてプレミア性を持たせるためである。
次に、リーチ予告について説明する。リーチ予告は、当該変動表示の間でスーパーリーチに発展するか否かを予告する演出である(確率変動大当たり、確変潜伏大当たりまたは時短大当たりの場合は、ハズレまたは突然確変大当たりよりもスーパーリーチの選択比率が高いので、確率変動大当たり、確変潜伏大当たりまたは時短大当たりとなるか否かの予告とも言える)。リーチ予告は、例えば、飾り図柄が変動表示されてからスーパーリーチにおける演出表示が最も早く出現し得ることとなるタイミングとなるまでの期間で、可変表示装置9において変動表示されている飾り図柄の前面側に所定のキャラクタを表示することによって行われる。リーチ予告には、複数の種類の態様があるが、それぞれに1種類以上の態様が属する種別が定められている。
リーチ予告の種別は、変動パターンを示すコマンドを受信すると、演出モードや転落/昇格演出の決定に続けて、このコマンドに基づいて表示制御用CPUが決定するものとなる。リーチ予告の種別には、ステップアップ演出のステップ1、ステップアップ演出のステップ2、ステップアップ演出のステップ3、演出A、演出Bといったものがあるが、何れのリーチ予告も行わないことをリーチ予告の種別として決定することもある。
ステップアップ演出は、第1段階から第3段階までのうちの何れかの段階まで演出が段階的に変化する演出であり、第1段階だけを実行して終了するもの(ステップ1)と、第1段階と第2段階を順に実行して終了するもの(ステップ2)と、第1段階から第3段階までを順次実行して終了するもの(ステップ3)がある。ステップアップ演出のステップ1とステップ2とステップ3は、別の種別に属するが、第1段階までの演出の態様は全く同じである。ステップ2とステップ3における第2段階までの演出の態様も全く同じである。後述するように、ステップ3は、スーパーリーチに発展する場合にしか選択されないので、スーパーリーチの発展を告知する演出と言うこともできる。
また、リーチ予告は、本来的には、当該変動表示の間でスーパーリーチに発展するか否かを予告する演出であり、何れのリーチ予告も実行されない(つまり、リーチ予告なしの種別が決定される)確率と、何らかのリーチ予告が実行される(リーチ予告なし以外の種別が決定される)確率とは、当該変動表示においてスーパーリーチに発展するか否かによって異なっている。もっとも、何らかのリーチ予告が実行される場合において、その種別の振り分けは、演出モードが通常(昇格なし)モードに制御されているか、通常(昇格あり)を含む他のモードに制御されているかに応じて異なっている。
図8は、表示制御基板80の表示制御マイクロコンピュータに含まれるROMに記憶されたリーチ予告の種別決定用テーブルである。図示するように、リーチ予告の種別は、今回の変動表示の変動パターンが非リーチハズレまたはノーマルリーチハズレであるか、ノーマルリーチ大当たり(確率変動大当たり、確変潜伏大当たり、または時短大当たりにおけるノーマルリーチ)であるか、またはスーパーリーチ(ハズレの場合も、確率変動大当たり、確変潜伏大当たり、または時短大当たりの何れかの場合も含む)であるかに応じて決定されるものとなる。また、演出モードが通常(昇格なし)モードか他のモードであるかに応じて決定されるものとなっている。
図8において、a0〜a5、b0〜b5、c0〜c5、d0〜d5は、何れも表中の条件で各種別のリーチ予告が選択される確率を示すが、ここで、a0及びb0の値はc0及びd0の値よりも小さく、今回の変動表示の変動パターンが非リーチハズレまたはノーマルリーチハズレ、若しくはノーマルリーチ大当たりであるときよりも、スーパーリーチであるときの方が高い確率で実行されるものとなっている。ステップ3の選択確率であるa3、b3、c3、d3のうちのa3とb3の値は0であり、今回の変動表示の変動パターンが非リーチハズレまたはノーマルリーチハズレ、若しくはノーマルリーチ大当たりであるときには、ステップ3が選択されないものとなっている。
また、a1:a2:a4:a5=c1:c2:c4:c5であり、演出モードが通常(昇格なし)モードであるときにステップ3以外の何らかのリーチ予告が行われる場合における種別の振り分け比率は、今回の変動表示の変動パターンが非リーチハズレまたはノーマルリーチハズレ、若しくはノーマルリーチ大当たりであるときも、スーパーリーチであるときも同じとなっている。同様に、b1:b2:b4:b5=d1:d2:d4:d5であり、通常(昇格なし)モード以外のモードであるときにステップ3以外の何らかのリーチ予告が行われる場合における種別の振り分け比率は、今回の変動表示の変動パターンが非リーチハズレまたはノーマルリーチハズレ、若しくはノーマルリーチ大当たりであるときも、スーパーリーチであるときも同じとなっている。
しかし、a1:a2:a4:a5≠b1:b2:b4:b5(c1:c2:c4:c5≠d1:d2:d4:d5)であり、今回の変動表示の変動パターンが非リーチハズレまたはノーマルリーチハズレ、若しくはノーマルリーチ大当たりであるときも、スーパーリーチであるときも、演出モードが通常(昇格なし)モードであるか他のモードであるかによってリーチ種別の選択の振り分けが異なっている。
以下、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1において遊技の進行のために行われる処理について説明する。まず、電源起動時の処理について説明する。リセットスイッチ93をON状態とした状態でメインスイッチ94をON状態としてパチンコ遊技機1を起動すると、RAM55の格納領域のうち使用中スタック領域を除く全ての格納領域を初期化する。そして、遊技を進行させるための処理を開始させることができる。
一方、リセットスイッチ93をOFF状態でメインスイッチ94をON状態としてパチンコ遊技機1を起動した場合は、RAM55のデータが壊れているかどうかを診断し、RAM55のデータが壊れていなかった場合、すなわち前回のパチンコ遊技機1の電源をOFFしたときのデータが正常なままで残っている場合には、RAM55に記憶されているデータはそのままとして、前回にパチンコ遊技機1の電源をOFFしたときの状態から、遊技を進行させるための処理を開始させることができる。
パチンコ遊技機1において遊技を進行させるための処理は、2ms毎に実行されるタイマ割り込みに従って実行される。なお、打球操作ハンドル5の操作に基づく遊技領域7への遊技球の発射だけは、2ms毎のタイマ割り込み処理とは独立して行われるものとなっている。
図9は、CPU56が実行するメイン処理にて2ms毎に実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、レジスタの退避処理(ステップS21)を行った後、ステップS22〜S36の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、CPU56は、まず、スイッチ回路32を介して、ゲートスイッチ61、始動口スイッチ62a、62b、カウントスイッチ63、クリアスイッチ65、等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定するスイッチ処理を行う(ステップS22)。
次に、遊技制御に用いられる大当たり判定用の乱数、大当たり種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS23)。CPU56は、更に、初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理(ステップS24)及び表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS25)。
更に、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて特別図柄表示器10a、10b、可変表示装置9、特別可変入賞装置20、等を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器12の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。普通図柄プロセス処理を実行することにより普通図柄表示器12の表示制御および可変入賞装置15の開閉制御が実行される。
次いで、CPU56は、特別図柄プロセス処理でRAM55の所定の領域に設定され、可変表示装置9等において各種演出を行うためのコマンドを表示制御基板80に送出する特別図柄コマンド制御処理を行う(ステップS28)。また、普通図柄プロセス処理でRAM55の所定の領域に設定された普通図柄に関するコマンドを送出する普通図柄コマンド制御処理を行う(ステップS29)。
更に、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当たり情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
また、CPU56は、始動口スイッチ62a、62b、カウントスイッチ63等の検出信号に基づく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、始動口スイッチ62a、62b、カウントスイッチ63等の何れかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板36に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板36に搭載されている払出制御用CPUは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置44を駆動する。
そして、CPU56は、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS32)。記憶処理においては、始動口スイッチ62a、62bの検出信号に基づいて大当たり判定用乱数等の各種乱数を抽出し、抽出した乱数の値を始動口スイッチ62a、62bの別に保留記憶させる。
また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS33)。更に、所定の条件が成立したときにソレノイド回路33に駆動指令を行う(ステップS34)。可変入賞装置15、特別可変入賞装置20、を開放状態または閉鎖状態としたり、大入賞口21内の遊技球通路を切り替えたりするために、ソレノイド回路33は、駆動指令に応じてソレノイド71〜73を駆動する。その後、レジスタの内容を復帰させ(ステップS35)、割込許可状態に設定する(ステップS36)。
次に、ステップS26の特別図柄プロセス処理について説明する。特別図柄プロセス処理では、CPU56は、まず、遊技盤6に設けられている始動入賞口14a、14bに遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ62がオンしているかどうか、すなわち遊技球が始動入賞口14a、14bに入賞する始動入賞が発生しているかどうかを判定し、始動入賞が発生していたら始動口スイッチ通過処理を行う。始動口スイッチ通過処理では、大当たり判定用乱数大当たり、種別判定用乱数、変動種別判定用乱数、及び変動パターン判定用乱数を抽出し、抽出した乱数の値と遊技球が入賞した始動入賞口の種類を始動入賞毎の識別情報と対応付けた開始時コマンドを表示制御基板80へと送信する。
その後、特別図柄プロセスフラグの状態に応じて、次に説明する特別図柄通常処理、変動パターン設定処理、演出設定処理、特別図柄変動処理、特別図柄停止処理、大入賞口開放前処理、大入賞口開放中処理、大当たり終了処理の何れかの処理を行う。
特別図柄通常処理:特別図柄の変動表示を開始できる状態になるのを待つ。CPU56は、特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)を確認する。保留記憶カウンタのカウント値が0でなければ、特別図柄の変動表示の結果、大当たり判定用乱数の値に基づいて大当たりとするか否か(特定表示結果とするか否か)を決定し、大当たりとする場合には、大当たり種別判定用乱数の値に基づいて大当たりの種別も決定する。また、大当たりとしない場合には、小当たり判定用乱数の値に基づいて小当たりとするか否かを決定する。始動入賞口14a、14bの何れについても保留記憶カウンタの値が0でないときには、始動入賞口14bの保留記憶から優先して大当たり等の決定が行われる。
変動パターン設定処理:特別図柄表示器10a、10bにおける特別図柄の変動パターン種別を、始動入賞時に抽出した変動種別判定用乱数の値と保留記憶の数とに応じて選択する。そして、選択した変動パターンの種別と始動入賞発生時に抽出した変動パターン判定用乱数の値に応じて予め定められた複数種類の変動パターンの中から選択する。決定された変動パターンに基づいて、特別図柄の変動時間を特別図柄プロセスタイマ(ダウンタイマにより構成される)にセットした後、特別図柄プロセスタイマをスタートさせる。このとき、特別図柄表示器10aまたは10bに特別図柄の変動表示開始を指示する信号を出力するとともに、大当たりとするか否か及び大当たり種別並びに小当たりとするか否かを示すとともに選択した変動パターンを示す開始時コマンドとを、直後の特別図柄コマンド制御処理(ステップS28)で表示制御基板80に対して送信される状態に設定する。
特別図柄変動処理:変動パターン設定処理で選択された変動パターンに応じて変動時間のセットされた特別図柄プロセスタイマの計時時間を監視し、当該変動時間が経過して特別図柄プロセスタイマがタイムアウトすると、次に特別図柄停止処理に移行させるよう制御を行う。
特別図柄停止処理:特別図柄表示器10a、10bにて変動表示する特別図柄の変動表示を停止するとともに、特別図柄の停止を示す信号を特別図柄表示器10a、10bに出力される状態に設定するとともに、図柄の停止を示す図柄停止コマンドを、直後の特別図柄コマンド制御処理(ステップS28)で表示制御基板80に送信される状態に設定する。
大入賞口開放前処理:大当たりまたは小当たり後に最初にこの処理が行われるときには大入賞口21のラウンド数を設定した後、大入賞口21を開放する制御を開始する。具体的には、ソレノイド72を駆動して大入賞口21を開放状態として特別可変入賞装置20を開放状態とする。また、大入賞口21の開放されたラウンド数をカウントすると共に、開放タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定する。
大入賞口開放中処理:第1大当たり遊技状態中および第2大当たり遊技状態中のラウンド表示のためのラウンドコマンド及びラウンド終了コマンドを、直後の特別図柄コマンド制御処理(ステップS28)で表示制御基板80に送信される状態に設定する処理や、大入賞口21の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。
大当たり終了処理:第1大当たり遊技状態または第2大当たり遊技状態が終了して遊技状態が変化したことを示す遊技状態コマンドを、直後の特別図柄コマンド制御処理(ステップS28)で表示制御基板80に送信される状態に設定する。
一方、表示制御基板80などのサブ側の各種基板においては、主基板31の基本回路53から送信されたコマンドに基づいて、特別図柄の変動表示に合わせて可変表示装置9において飾り図柄の変動表示を実行したり、演出モードを変化させたり、リーチ予告や転落/昇格煽り演出などの各種演出を実行したり、第1大当たり遊技状態に制御されているときに大当たりラウンド演出を実行する処理を行う。図10は、表示制御基板80の表示制御用CPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
このメイン処理では、まず、表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータに含まれるRAMのうちで必要な領域を初期化する初期化処理を行う(ステップS701)。次に、所定時間(例えば、2ms)毎に実行されるタイマ割り込み処理によってセットされるタイマ割り込みフラグの状態が1となっているかどうかを判定し(ステップS702)、タイマ割り込みフラグの状態が1となるまでステップS702の処理を繰り返して行う。
タイマ割り込みフラグの状態が1となっている後、まず、このタイマ割り込みフラグを0にクリアし(ステップS703)、主基板31の基本回路53から送信されたコマンドを受信したかどうかをチェックし、コマンドを受信している場合には、その内容を解析するコマンド解析処理を実行する(ステップS704)。
次に、コマンド解析処理におけるコマンドの解析結果に基づいて、可変表示装置9において飾り図柄を変動表示させたり、大当たりラウンド演出を実行させたりする演出制御プロセス処理を実行する(ステップS705)。また、コマンドの解析結果に基づいて、演出モードを変化させたり、転落/再昇格煽り演出やリーチ予告などの各種演出を実行させる予告制御プロセス処理を実行する(ステップS706)。さらに、予告態様判定用乱数などの乱数を更新する乱数更新処理を実行して(ステップS707)、ステップS702の処理に戻る。
以上説明したように、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1では、始動入賞口14a、14bに遊技球が始動入賞したことに基づいて大当たり抽選が行われ、大当たり抽選に当選したときには、さらに大当たり種別抽選が行われる。ここで、大当たり種別抽選により決定される大当たりの種別には、確率変動大当たり、確変潜伏大当たり、時短大当たり、及び突然確変大当たりがある。ここで、確率変動大当たりが発生したときは、可変表示装置9において飾り図柄が「1」または「7」で揃えられるので、第1大当たり遊技状態を経て確率変動状態に制御されることが遊技者に分かる。また、突然確変大当たりが発生したときには、他の種類の大当たりとは異なる態様で大入賞口21が開放されるので第2大当たり遊技状態を経て確率変動状態に制御されることが遊技者に分かる。
一方、確変潜伏大当たりまたは時短大当たりが発生したときには、何れも可変表示装置9において飾り図柄が「1」または「7」以外で揃えられるので、ここからは第1大当たり遊技状態の終了後に確率変動状態に制御されるか否かが遊技者に分からない。また、確変潜伏大当たりの発生に基づく第1大当たり遊技状態の終了後は、次の大当たりまで時短状態に制御され、時短大当たりの発生に基づく第1大当たり遊技状態の終了後は、100回の変動表示が行われるまで時短状態に制御される。
ここで、100回という変動表示の回数は、確率変動状態に制御されているならば、消化までに大当たりが発生しないことはほとんど考えられないという程度の回数であり、少なくとも第1大当たり遊技状態の終了から100回の変動表示を消化するまでは、始動入賞口14bに設けられた可変入賞装置15の開放態様を見比べても、確率変動状態に制御されているのか否かが遊技者に分からない。
確変潜伏大当たりによっても時短大当たりによっても15ラウンドの第1大当たり遊技状態に制御され、同じ大当たりラウンド演出が実行されるので、ラウンド数表示器19や大当たりラウンド演出の内容(但し、前面側の太陽の画像及び雨の画像の表示を除く)を見ても、確率変動状態に制御されているのか否かが遊技者に分からない。第1大当たり遊技状態の終了後に制御される演出モードの違いによって、ある程度は確率変動状態に制御されているのか否かの判断材料とはなるものの、確率変動状態に制御されているのか否かが完全に遊技者に分かってしまう訳ではない。
もっとも、確変潜伏大当たりが発生したのか時短大当たりが発生したのか、及び確率変動状態に制御されているのか否かが遊技者の見た目上では全く分からないとしても、実際に確率変動状態に制御されているのであれば、確率変動状態に制御されていないときに比べて次の大当たり確率が非常に高くなるので、遊技者は、確率変動状態に制御されることを期待する。
また、確変潜伏大当たりまたは時短大当たりが発生したときに制御される第1大当たり遊技状態(確率変動大当たりが発生したときにも制御されるが)は、大入賞口21を最大で30秒の間だけ開放状態として遊技領域7に打ち出された遊技球を入賞可能とするラウンドが、合計15ラウンド提供される。第1大当たり遊技状態の各ラウンドは、開始からの経過時間が30秒に達したとき以外に、入賞した遊技球の数が10個に達したときに終了させられる。
ここで、遊技領域7に打ち出された遊技球が流下する方向は、風車22やアタッカー周辺釘23などの調整によって変えることができ、第1大当たり遊技状態における各ラウンドで大入賞口21が開放状態になっているときにおいて遊技領域7への遊技球の打ち出しが同じであったとしても、釘が閉められていると、大入賞口21に入賞する遊技球の割合が低くなる。このように大入賞口21に入賞する遊技球の割合が低くなると、大入賞口21に入賞した遊技球の数が10個に達するまでの時間、すなわち各ラウンドが終了させられるまでに要する時間が長くなる。
また、確変潜伏大当たりの発生に基づいて第1大当たり遊技状態に制御されたときも時短大当たりの発生に基づいて第2大当たり遊技状態に制御されたときも、全く同じ内容(但し、前面側の太陽の画像及び雨の画像を除く)の大当たりラウンド演出が実行されることとなっている。大当たりラウンド演出は、ラウンド中演出、ラウンド間演出、及びエンディング演出を含むが、上記のように釘が閉められてラウンドの終了までに要する時間が長くなると、ラウンド中演出が継続して実行されている時間も長くなる。
そして、ラウンド中演出が継続して実行されている時間が長くなることで、遊技者が普段と変わらずに遊技領域7に遊技球を打ち出していたとしてもラウンドの消化に時間がかかっていること、すなわち大入賞口21に入賞する遊技球の割合が相対的に小さくなって損失(大入賞口21等の入賞口に入賞せずにアウト口30から排出された遊技球が、遊技者にとっての損失となる)も大きくなっていることに遊技者を気付かせて、遊技者に不満を感じさせてしまう虞がある。
もっとも、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1では、釘が閉められていることなどに基づいて第1大当たり遊技状態のラウンドを終了するまでの時間が28秒に達すると、当該ラウンドが経過時間の計測対象として決定されたラウンドであれば、第1大当たり遊技状態の終了後に確率変動状態に制御されるか否かに応じて太陽の画像または雨の画像が、大当たりラウンド演出の画像の前面側に表示されるものとなっている。こうして表示された太陽の画像または雨の画像を見れば、遊技者は、第1大当たり遊技状態の終了後に確率変動状態に制御されるのか否かが分かる。
このように第1大当たり遊技状態のラウンドを消化するまでに要している時間が長くなる場合(この場合は、遊技者の損失が大きくなっている)には、短い時間でラウンドを消化した場合(この場合は、遊技者の損失が小さくて済む)には知り得ない確率変動状態に制御されるか否かという情報を遊技者が知り得るので、大入賞口21に遊技球が入賞しにくくなるように遊技店が釘を閉めても、これに起因する遊技者の不満を抑えることができるようになる。
また、釘を閉めて大入賞口21に遊技球が入賞しにくくしても遊技者の不満を抑えられることから、遊技店にとっては、大入賞口21が開放されても遊技球が入賞しにくくなるように釘を閉めるということがやりやすい。こうして第1大当たり遊技状態における遊技者の利益を小さくすることができることによって逆に、始動入賞口14a、14bには遊技球が入賞しやすくなるように釘を調整して大当たりが発生しやすくすることができるようになり、大当たりそのものが発生しやすくなるという遊技者にとっての最大の期待に応えることができるようになる。
また、第1大当たり遊技状態の全体の開始から終了までの間には、大入賞口21が開放状態となっているラウンドに制御される期間が15ラウンドあるほかに、各ラウンドの間に大入賞口21が閉鎖状態となっている期間がある。第1大当たり遊技状態に制御されている間に経過時間の計測対象となっているのは、大入賞口21が開放状態となっている15ラウンドのうちの3ラウンドだけであるので、遊技球が入賞し得ない大入賞口21が閉鎖状態となっている期間を経過時間の計測対象から除外でき、より正確な時間の判定を行うことができる。
また、15ラウンドのうちでラウンド開始からの計測対象とするラウンドが3ラウンドあるため、釘を閉めているのに大入賞口21に遊技球が数多く入賞したラウンドが偶然に生じてしまっても、それ以外の計測対象となったラウンドで釘の閉め方の程度に応じてラウンドの消化に時間がかかれば確率変動状態に制御されるか否かが遊技者に報知されることとなるので、遊技者に不利益を与えない。
ここで、ラウンド開始からの経過時間の計測対象となる3つのラウンドは、予め固定されているのではなく、大当たりラウンド演出が実行される度に、すなわち第1大当たり遊技状態に制御される度に、ランダムに選択されている。可変表示装置9に「1」または「7」以外の飾り図柄が揃えて停止されたときには、確変潜伏大当たりまたは時短大当たりとなっているので、遊技者は、第1大当たり遊技状態の終了後に確率変動状態に制御されるかどうかが分からない。
一方、ラウンドの消化に28秒以上を要すれば、太陽の画像または雨の画像が表示されて、確率変動状態に制御されるかどうかが分かるものとなる。ここで、各ラウンドの消化時間は、遊技球の打ち出しを調整して大入賞口21に遊技球が10個入賞しないようにすることで、意図的に長くすることも可能である。もっとも、第1大当たり遊技状態の各ラウンドの終了条件には、大入賞口21への遊技球の入賞個数だけではなく、開始からの経過時間(30秒)も定められている。
もし遊技者がラウンドの開始から28秒を経過するまで意図的に大入賞口21に入賞する遊技球の個数を調整しても、計測対象として決定されたラウンドでなかったならば、第1大当たり遊技状態の終了後に確率変動状態に制御されるか否かは分からない。大入賞口21に入賞した遊技球が10個未満のままで28秒が経過すると、そのまま10個未満のままで30秒が経過し、当該ラウンドが終了して大入賞口21が閉鎖し、遊技者がラウンドの利益をフルに受けられないものになる。これにより、意図的なラウンドの引き延ばしにより確率変動状態に制御されるか否かを知ろうとした遊技者にペナルティを与えることができるとともに、意図的なラウンドの引き延ばしが行われるのを防ぐことができるようになる。
また、大当たりラウンド演出が実行されているときに、その大当たり演出の画像と一体的な画像として太陽の画像または雨の画像が表示されることがあるが、これら太陽の画像の表示や雨の画像の表示は、第1大当たり遊技状態の終了後に確率変動状態に制御されるか否かを報知するために用いられている。これにより、ラウンドの開始からの経過時間の計測対象としたラウンドの消化に基準時間とする28秒よりも長い時間を要したときに実行される大当たりラウンド演出の希少性を高めさせることができる。
また、確変潜伏大当たりまたは時短大当たりの発生に基づく第1大当たり遊技状態が終了した後に制御される確変潜伏モード(但し、大当たりラウンド演出で確率変動状態に制御されるか否かが報知されない場合)は、確率変動状態に制御されているかどうかを特定することができない演出モードであるものの、通常モード(時短大当たりに基づく第1大当たり遊技状態における大当たりラウンド演出で確率変動状態に制御されない旨が報知され得る場合には確率変動状態に制御されている可能性はない)に制御されているときに比べて、確率変動状態に制御されている可能性が高いので、遊技者は、一定の期待感を得ることができる。が、第1大当たり遊技状態が終了して確変潜伏モードに制御されても、変動表示が開始される度に行われる転落抽選に当選すると、通常モードに転落してしまう。
もっとも、確変潜伏モードから通常モードに転落しても、第1大当たり遊技状態の終了後に最初に確変潜伏モードに制御された後の変動表示の回数が70回以下であれば、その通常モードは、昇格抽選に当選することで確変潜伏モードに再昇格し得る通常(昇格あり)モードとなる。このように確変潜伏モードから通常モードに転落しても、再び確変潜伏モードに制御されることの期待感を遊技者に与えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、確変潜伏モードから通常モードに一旦転落した後、昇格抽選により再び確変潜伏モードに昇格制御させられるときには、通常モードに転落する前に制御されていたのと同じ確変潜伏モードか、これよりも確率変動状態に制御されていることの期待度が高い確率潜伏モードに制御される(例えば、通常モードに転落する前に確変潜伏(中)モードに制御されていたのであれば、確変潜伏(中)モードまたは確変潜伏(高)モードのみに制御され、確変潜伏(低)モードに制御されることはない)。これにより、確変潜伏モードと特別モードの間で一旦通常モードに転落させられていたということが、遊技者の期待感を削いでしまうことがない。
また、確変潜伏モードから通常モードに転落したときに、その通常モードが確変潜伏モードへの昇格可能性がある通常(昇格あり)モードとなるのは、第1大当たり遊技状態の終了後に最初に確変潜伏モードに制御された後の変動表示の回数が70回以下である場合に限られている。確率変動状態における大当たり確率は1/30(所定の設定値の場合)であるため、70回もの変動表示を繰り返しても大当たりしないということは確率変動状態に制御されている可能性がほぼ0に近いことになってしまう。確率変動状態に制御されている可能性がほぼ0であると遊技者も認識しているような場面で無駄な確変潜伏モードへの移行を行って遊技者を煩わせることがない。
また、確変潜伏モードに制御されているときには、ここから通常モードに転落する可能性が常にあるものの、実際には転落抽選に当選しないことの方が多い。もっとも、遊技者は、新たに飾り図柄の変動表示が開始される度に通常モードへ転落しないかという不安感を持って遊技を進めると考えられる。転落抽選に当選しなかったときには、通常モードへの切り替え時の態様と途中までの態様が同じな転落煽り演出を所定の割合で行うこととしているので、遊技者の不安感を適度に煽ることができ、これによって遊技の興趣を向上させることができる。
そして、この転落煽り演出には3種類の態様があるが、何れかの態様で転落煽り演出を行うこととなる頻度と、転落煽り演出の態様の選択割合の振り分けは、第1大当たり遊技状態の終了後に最初に確変潜伏モードに制御された後の変動表示の回数が10回以下、11〜30回、31回以上の何れであるかによって異なっている。同じ種類の確変潜伏モードに制御されているときでも、実行された変動表示の回数が多くなればなるほど確率変動状態に制御されていることの期待度は小さくなる。転落煽り演出は、この確率変動状態に制御されていることの期待度に応じた遊技者の感覚に即して実行することができるものとなる。
また、確変潜伏モードから転落して通常モードに制御されているときにおいて、第1大当たり遊技状態の終了後に最初に確変潜伏モードに制御された後の変動表示の回数が70回以下で通常(昇格あり)モードとなっていれば、ここから確変潜伏モードに昇格する可能性があるものの、実際には昇格抽選に当選しないことの方が多い。もっとも、遊技者は、新たに飾り図柄の変動表示が開始される度に確変潜伏モードに昇格しないかという期待感を持って遊技を進めていると考えられる。昇格抽選に当選しなかったときには、切り替え時の態様と途中までの態様が同じな昇格煽り演出を所定の割合で行うこととしているので、遊技者の期待感を煽ることができ、これによって遊技の興趣を向上させることができる。
そして、この昇格煽り演出にも3種類の態様があるが、何れかの態様で転落煽り演出を行うこととなる頻度と、昇格煽り演出の態様の選択割合の振り分けも、第1大当たり遊技状態の終了後に最初に確変潜伏モードに制御された後の変動表示の回数が30回以下、13〜50回、51回〜70回の何れであるかによって異なっている。通常モードに転落したときでも、未だ実行された変動表示の回数が少なければ確率変動状態に制御されていることの期待度も高くなる。昇格煽り演出は、この確率変動状態に制御されていることの期待度に応じた遊技者の感覚に即して実行することができるものとなる。
さらに、昇格煽り演出の3種類の態様のうちの上下左右からのワイプインは、第1大当たり遊技状態の終了後に最初に確変潜伏モードに制御されてからの飾り図柄の変動表示の回数が30回以下であるときにしか実行されることがない。変動表示の回数が30回以下であるときには、この変動表示の回数だけで考えれば未だ確率変動状態に制御されていることの可能性は十分に高くなっている(実際に1/2以上となる)と考えられる。これにより、上下左右からのワイプインによる昇格煽り演出に、確率変動状態に制御されている可能性が高いときのみの演出としてプレミア性を持たせることができる。
また、主基板31のRAM55及び表示制御基板80のRAMもバッテリバックアップされているので、パチンコ遊技機1の電源がONされたときには、直前に電源をOFFしたときの状態から遊技が再開されるものとなっている。もっとも、パチンコ遊技機1の電源がONされたときの演出モードは、新たに設定値を設定したか否かに関わらず、直前に電源をOFFしたときに制御されていた演出モードに関わらず、且つ確率変動状態に制御されているか否かに関わらず、確変潜伏モードへの昇格の可能性がない通常(昇格なし)モードに制御される。このため、新たに電源をONした直後(最も多くは、遊技店の開店時)の状態(特に設定値が変更されたか、確率変動状態に制御されているか)が遊技者に分かりにくくなり、射倖性を抑制することができる。
また、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1では、何れの種類の演出モードに制御されているときにおいても、リーチ予告が行われるものとなっている。リーチ予告には、複数種類の態様があり、そのうちの何れかの種類の態様で実行されるものとなっている(何れの態様のリーチ予告も実行されない場合もある)。ここで、リーチ予告の各態様は、通常(昇格なし)モードに制御されているときと、通常(昇格あり)モードを含む他の演出モードに制御されているときとで異なる割合で選択されるものとなっている。これにより、通常モードに転落してしまっても、このときには実行されるリーチ予告に遊技者を注目させることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
ところで、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1では、始動入賞口14aの始動入賞に基づく特別図柄の変動表示は特別図柄表示器10aで、始動入賞口14bの始動入賞に基づく特別図柄の変動表示は特別図柄表示器10bで実行されるものとなっている。始動入賞口14a、14bのそれぞれの入賞に対してRAM55に保留記憶バッファが別々に設けられ、特別図柄保留記憶表示部11a、11bも別々に設けられている。可変入賞装置15が設けられ、いわゆる電チューサポートが行われるのは始動入賞口14bだけであるが、始動入賞口14aの始動入賞による保留記憶と、始動入賞口14bの始動入賞による保留記憶の双方があるときには、始動入賞口14bに対応した保留記憶が優先して特別図柄表示器10bで特別図柄の変動表示を行わせるものとなっている。
ここで、いわゆる電チューサポートのない始動入賞口14aに遊技球が入賞しても、電チューサポートのある始動入賞口14bに遊技球が入賞しても、遊技状態とが同じであれば、大当たり確率に違いはない。電チューサポートのない始動入賞口14aへの始動入賞に基づいて大当たりしたときには、第1大当たり遊技状態(30秒、15ラウンド)を経て確率変動状態に制御される確率変動大当たりとなる確率は3/10、第2大当たり遊技状態(0.2〜0.5秒、2ラウンド)を経て確率変動状態に制御される突確大当たりとなる確率は2/10である。
これに対して、電チューサポートのある始動入賞口14bへの始動入賞に基づいて大当たりしたときに第1大当たり遊技状態(30秒、15ラウンド)を経て確率変動状態に制御される確率変動大当たりとなる確率は4/10であり、第2大当たり遊技状態(0.2〜0.5秒、2ラウンド)を経て確率変動状態に制御される突確大当たりとなる確率は1/10である。時短状態においては、電チューサポートにより始動入賞口14bに入賞しやすくなり、確率変動状態に制御されても第1大当たりに制御されずに遊技球が増えず、遊技者を落胆させてしまうという状態を低減させることができ、遊技者の利益を高めさせることができる。
また、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1では、大当たり抽選の結果がハズレである場合における変動パターンの種別の選択を、スーパーリーチハズレは保留記憶の数に関わらずに共通のものとしているが、非リーチハズレとノーマルリーチハズレは保留記憶の数に応じて異ならせるものとしている。これにより、スーパーリーチハズレの種別に属する変動パターンを常に一定の割合で選択しつつ、保留記憶の数に応じて非リーチハズレとノーマルリーチハズレを選択する割合を容易に変えることができる。
また、保留記憶の数の違いに応じて変動パターンの種別の選択に違いが生じても、スーパーリーチの変動パターンの判断に全く影響を与えずに済むものとなる。また、保留記憶の数が3以上となっている場合、変動時間が短縮されるが、短縮時にはより変動時間が短い非リーチハズレを選択する割合が大きくなる。このため、保留記憶の数が多いときには、特別図柄及び飾り図柄の変動表示が平均的に早く消化されるため、変動表示の表示結果が導出されるのを待っている間に保留記憶可能な数を越えて始動入賞することが少なくなり、せっかくの始動入賞を無駄にしなくて済むようになる。
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について説明する。
上記の実施の形態では、確率変動大当たり、確変潜伏大当たり、または突然確変大当たりの発生に基づいて確率変動状態に制御された場合、当該確率変動状態は、次に大当たりが発生するまで無制限で継続されるものとなっていた(但し、次の大当たりが確率変動大当たり、確変潜伏大当たり、または突然確変大当たりであれば、改めて確率変動状態に制御される)。もっとも、確率変動状態において実行される特別図柄の変動表示の回数を無制限とせずに、一定回数までとするものとしてもよい。
1回の確率変動状態において実行される特別図柄の変動表示の最大回数は、確率変動状態における大当たり確率の逆数よりも大きい回数(例えば、100回)とすることもできる。或いは、保留記憶の数程度(例えば、第1大当たり遊技状態(大当たりラウンド演出中)における先読み予告の対象となる始動入賞口14bについての保留記憶数である4、或いは始動入賞口14a、14bについての保留記憶数の合計である8)とすることもできる。確率変動状態において実行される特別図柄の変動表示の回数を一定回数に限る場合、時短状態に制御する回数も、これに合わせることができる。
上記の実施の形態では、パチンコ遊技機1の電源投入時において、始動入賞口14a、14bの保留記憶に関する情報を含む起動時コマンドを主基板31から表示制御基板80に送信し、表示制御基板80の表示制御用CPUは、起動時コマンドにより特定される保留記憶の数を始動入賞コマンドと開始時コマンドの受信時に増減して、保留記憶の数をリアルタイムで把握するものとなっていた。これに対して、始動入賞コマンドおよび/または開始時コマンドに始動入賞口14a、14bの保留記憶の数を示す情報を含めるものとし、ここから直接に表示制御基板80の表示制御用CPUが保留記憶の数を把握できるようにしてもよい。
上記の実施の形態では、大当たりの種別として確率変動大当たり、確変潜伏大当たり、時短大当たり、及び突然確変大当たりの4種類があり、前三者が発生したときには第1大当たり遊技状態に制御されるものとなっていた。これに対して、突然確変大当たりが発生したときには大入賞口20の開放ラウンド数及び1回当たりの開放時間とも少ない第2大当たり遊技状態に制御されるが、その後に確率変動状態に制御されるものとなっていた。
これに対して、第2大当たり遊技状態と全く同様に制御される小当たり遊技状態の終了後に、それ以前と同じ遊技状態に制御されることとなる小当たりを設けるものとしてもよい。小当たりを発生させるか否かは、大当たり抽選とは別に(例えば、大当たり抽選でハズレとなったときに)実行される小当たり抽選の結果により、決定するものとすることができる。小当たりは、あくまでも大当たり抽選の結果としてはハズレであるので、小当たりが決定されたときの変動表示で選択される変動パターンは、ハズレのときに選択される変動パターンと同じになる。
このような小当たりを設けたパチンコ遊技機では、第1大当たり遊技状態と第2大当たり遊技状態(小当たり遊技状態)に代えて、大入賞口21が開放されるラウンド数が互いに同じ(例えば、8ラウンド)であるが、1ラウンド当たりの大入賞口21の開放時間をそれぞれ30秒、0.5秒とした長期大当たり遊技状態と短期大当たり遊技状態とを設けるものとしてもよい(1ラウンド当たりの大入賞口21の開放時間と大入賞口21が開放されるラウンド数は、あくまで一例)。
そして、上記の実施の形態における第1大当たり遊技状態を長期大当たり遊技状態に置き換え、第2大当たり遊技状態を短期大当たり遊技状態に置き換えるものとすることができる。小当たりが発生したときに制御される小当たり遊技状態は、短期大当たり遊技状態と同じに制御される遊技状態と置き換えることができる。
このように、長期大当たり遊技状態と短期大当たり遊技状態とでは、1ラウンド当たりでの大入賞口21の開放時間が互いに異なるものの、大入賞口21が開放状態となるラウンド数が異なることはない。このため、大当たり遊技状態のラウンド数を報知するラウンド数表示器19をパチンコ遊技機1に設けないでも済むようになる。そして、ラウンド表示器19をパチンコ遊技機1に設けないで済むようになることから、突然確変大当たりに基づいて短期大当たり遊技状態に制御されているときに、これを小当たりに基づいて小当たり遊技状態に制御されているのと区別することが完全に不可能になる。
上記の実施の形態では、ラウンド開始から(大当たりラウンドコマンドの受信から)の経過時間の計測対象となるラウンドとして、大当たりラウンド演出を実行する前においてランダムに3つのラウンドを決めていた。もっとも、ラウンド開始からの経過時間の計測対象とするラウンドは、3つに限るものではなく任意の数とすることができ、1つだけであっても、或いは15ラウンド全てとしてもよい。ここで、複数のラウンドをラウンド開始からの経過時間の計測対象とする場合には、各ラウンドの消化時間の合計または平均が基準時間に到達したか否かによって、第1大当たり遊技状態の終了後に確率変動状態に制御されるか否かを報知するものとすることができる。
また、ラウンド開始からの経過時間の計測対象とするラウンドは、確変潜伏大当たりまたは時短大当たりに基づく大当たりラウンド演出のうちの予め定められたラウンドとしてもよい(例えば、第3ラウンド、第8ラウンド、第13ラウンドを計測対象となる)。或いは、大当たりラウンド演出の開始までに予め、或いは抽選によってラウンド開始からの経過時間の計測対象とするラウンドを決めておくのではなく、各ラウンドが開始する度に、当該ラウンドを開始からの経過時間の計測対象とするかを決定してもよい。
さらには、ラウンド毎の開始からの経過時間を計測するのではなく、第1大当たり遊技状態の開始から終了までの経過時間(大入賞口21が開放状態となってラウンド中演出が実行されている時間だけではなく、大入賞口21が閉鎖状態となってラウンド間演出が実行されている時間を含む)を計測し、これが基準時間を越えたときに確率変動状態に制御されるか否かを報知するものとしてもよい。
或いは、連続した複数のラウンド(例えば、第5ラウンド〜第8ラウンド)の開始から終了までの経過時間(大入賞口21が開放状態となってラウンド中演出が実行されている時間だけではなく、大入賞口21が閉鎖状態となってラウンド間演出が実行されている時間を含む)を計測し、これが基準時間を越えたときに確率変動状態に制御されるか否かを報知するものとしてもよい。ここで、計測対象となる連続した複数のラウンドは、予め定められたものとしても、確変潜伏大当たりまたは時短大当たりに基づいて大当たりラウンド演出が実行される度に決定するものとしてもよい。
上記の実施の形態では、第1大当たり遊技状態は、大入賞口21を開放状態とするラウンドを15ラウンドに亘って提供するものであった。もっとも、大入賞口21を開放状態とするラウンド数はこれに限るものではなく、1または複数の任意のラウンドとすることができる。例えば、第1大当たり遊技状態で1ラウンドだけが提供されるものである場合、大入賞口21が開放されているラウンド中のみを経過時間の計測対象としたり、ラウンドの前後に設けられる大入賞口21が開放していない期間(大当たりラウンド演出の開始演出やエンディング演出が実行される期間など)を含む第1大当たり遊技状態の全体での経過時間を計測対象とすることができる。
上記の実施の形態では、第1大当たり遊技状態における1ラウンド当たりの大入賞口21の最大開放時間及び最大入賞球数を、それぞれ30秒及び10個としていたが、これに限るものではなく、任意に設定することができる。各ラウンドの終了条件としては、少なくとも入賞した遊技球の個数を終了条件として定めるなら、大入賞口21が開放されてからの時間を終了条件に定めなかったり、他の終了条件(例えば、遊技領域7に打ち出された遊技球の数など)を併せて定めるものとすることもできる。
上記の実施の形態では、ラウンド開始からの経過時間の計測対象としたラウンドで計測している経過時間が28秒に達したときに、当該ラウンドの残りのラウンド中演出と、次のラウンド間演出またはエンディング演出が実行されている間だけ、第1大当たり遊技状態の終了後に確率変動状態に制御されるか否かに応じて、太陽の画像または雨の画像を前面側に表示するものとしていた。もっとも、ここで表示した太陽の画像または雨の画像の表示は、大当たりラウンド演出を終了するまでの任意のタイミングまで(大当たりラウンド演出の終了までとしてもよい)、継続させることができる。
上記の実施の形態では、確変潜伏大当たりまたは時短大当たりに基づいて実行される大当たりラウンド演出において、計測対象としたラウンドにおける開始からの経過時間が28秒に到達したことを条件として、太陽の画像または雨の画像を第1大当たり遊技状態の終了後に確率変動状態に制御されるか否かに応じて表示するものとしていた。もっとも、第1大当たり遊技状態の終了後に確率変動状態に制御されることが分かる確率変動大当たりに基づいて実行された大当たりラウンド演出においても、太陽の画像を表示させてもよい。また、確率変動状態に制御されないことが確定する種類の大当たりがある場合は、この大当たりに基づいて実行された大当たりラウンド演出においても、雨の画像を表示させてもよい。
何れにしても、大当たりの発生時には第1大当たり遊技状態の終了後に確率変動状態に制御されるか否かが分からない場合には、太陽の画像と雨の画像の表示は、当該第1大当たり遊技状態(のラウンド)の消化時間に応じて表示させることを条件とした上で、第1大当たり遊技状態の終了後に確率変動状態に制御されないときには太陽の画像が表示されることはなく、第1大当たり遊技状態の終了後に確率変動状態に制御されるときには雨の画像が表示されることがなければよい。
上記の実施の形態では、ラウンド開始から(大当たりラウンドコマンドの受信から)の経過時間の計測対象となるラウンドを、大当たりラウンド演出を実行する前においてランダムに決めることで、遊技者による意図的なラウンドの引き延ばしを防止していた。もっとも、ランダムに決めた3つのラウンドのうちの最初のラウンドを意図的に引き延ばして確率変動状態に制御されるか否かを報知させてしまえば、遊技者は、以後のラウンドを意図的に引き延ばす必要はなくなり、各ラウンドで提供される本来の利益を得ることができる。これでは、意図的なラウンドの引き延ばしに対するペナルティの意味が薄れてしまう。
そこで、ラウンド開始から(大当たりラウンドコマンドの受信から)の経過時間の計測対象となるラウンドを、大当たりラウンド演出を実行する前においてランダムに決め、決定したラウンドで開始からの経過時間が28秒に達したら第1大当たり遊技状態の終了後に確率変動状態に制御されるか否かを報知するものと決定するが、その報知は、必ずエンディング演出(或いは、最終ラウンドで28秒に到達した後)で行うものとしてもよい。
このように第1大当たり遊技状態の終了後に確率変動状態に制御されるか否かの報知がエンディング演出を待って行われるものとすると、確率変動状態に制御されるか否かを確実に報知させるためには、遊技者は、15ラウンドのうちの少なくとも13ラウンド(計測対象が3ラウンドの場合)でラウンド消化の意図的な引き延ばしを行わなければならない。ラウンド消化の意図的な引き延ばしを行うと、各ラウンドで提供される本来の利益を受けられなくなるラウンド数が増えるので、意図的な引き延ばしに対するペナルティを遊技者に確実に与えることができるようになる。
また、ラウンドの消化の意図的な引き延ばしを防止するためには、遊技領域7に打ち出された遊技球を検知するセンサを設け、このセンサにより一定量の遊技球が遊技領域7に打ち出されるのが検知されているのにも関わらず、経過時間の計測対象となるラウンドでのラウンド開始からの経過時間が28秒に達したことを条件として、確変潜伏大当たりまたは時短大当たりに基づく第1大当たり遊技状態の終了後に確率変動状態に制御されるか否かを報知するものとしてもよい。
この場合、経過時間の計測対象となるラウンドでのラウンド開始からの経過時間が28秒に達しても一定量の遊技球が遊技領域7に打ち出されていなければ確率変動状態に制御されるか否かは報知されないので、遊技者による意図的なラウンドの引き延ばしを確実に防止することができるようになる。なお、遊技領域7に打ち出された遊技球を検知する代わりに、アウト口30から排出される遊技球を検知するセンサを設け、これにより遊技領域7に打ち出されている遊技球が一定量に達しているかを判断することもできる。
上記の実施の形態では、ラウンド開始からの経過時間の計測対象としたラウンドで計測している経過時間が28秒に達したときに、第1大当たり遊技状態の終了後に確率変動状態に制御されるか否かの報知は、大当たりラウンド演出の画像の前面側に太陽の画像または雨の画像を表示するという、大当たりラウンド演出と一体となった演出として行っていた。もっとも、第1大当たり遊技状態の終了後に確率変動状態に制御されるか否かの報知は、大当たりラウンド演出とは独立した演出によって報知するものとしてもよく、例えば、大当たりラウンド演出の実行に用いている可変表示装置9とは全く別の演出手段(役物やランプ類)を用いて報知するものとしてもよい。
上記の実施の形態では、ラウンド開始からの経過時間の計測対象としたラウンドで計測している経過時間が28秒に達したときに、第1大当たり遊技状態の終了後に確率変動状態に制御されるのであれば必ず太陽の画像を、確率変動状態に制御されないのであれば必ず雨の画像を表示させるものとしていた。つまり、太陽の画像の表示は、確率変動状態に制御されることの確定を告知するものとなり、雨の画像の表示は、確率変動状態に制御されないことの確定を告知するものとなっていた。
これに対して、第1大当たり遊技状態の終了後に確率変動状態に制御されることとなる場合に太陽の画像を表示するのよりも低い確率であれば雨の画像を表示することがあってもよく、反対に、第1大当たり遊技状態の終了後に確率変動状態に制御されないこととなる場合に雨の画像を表示するのよりも低い確率であれば太陽の画像を表示することがあってもよい。つまり、太陽の画像と雨の画像の表示は、第1大当たり遊技状態の終了後に確率変動状態に制御されるか否かの可能性を予告するだけのものであってもよい。
ここで、計測している時間が基準時間に達するのと同時に太陽の画像や雨の画像を表示しなくてもよい場合は、第1大当たり遊技状態の終了後に確率変動状態に制御されることとなる場合に雨の画像を表示する確率や、第1大当たり遊技状態の終了後に確率変動状態に制御されないこととなる場合に太陽の画像を表示する確率は、ラウンドの開始からの経過時間に応じて異ならせることができる。例えば、ラウンドの開始からの経過時間が20秒に達すると太陽の画像または雨の画像の表示が行われるものとなるが、その経過時間が長くなるほど確率変動状態に制御される場合の雨の画像の表示確率や確率変動状態に制御されない場合の太陽の画像の表示確率を低くして、予告の信頼度を高くすることができる。
このようにラウンド開始からの経過時間が基準時間に達したときに、第1大当たり遊技状態の終了後に確率変動状態に制御されるか否かを確定的に告知するのではなく、その可能性を予告するだけとしても、予告すら行われない場合に比べれば、遊技者に有用な情報が提供されることとなる。これにより、大入賞口21に遊技球が入賞しにくいように遊技店が釘を閉めてしまっても、これに起因する遊技者の不満を抑えることができるようになる。さらに、ラウンドの開始からの経過時間が長くなるほど予告の信頼度を高くすることで、釘を大きく閉めて大入賞口21に遊技球が非常に入賞しにくくなるようにしても、これに起因する遊技者の不満を抑えることができるようになる。
また、ラウンド開始からの経過時間の計測対象としたラウンドで計測している経過時間が28秒に達したときに行う報知は、太陽の画像と雨の画像という2段階だけで行うものでなく、より多くの段階での報知を行うものとしてもよい。例えば、ラウンド開始からの経過時間が基準時間に達したときに、第1大当たり遊技状態に制御されるか否かに応じて選択確率が異なる4種類の画像(太陽の画像(確率変動状態に制御されることの確定)、雲の画像(確率変動状態に制御される可能性が高い)、雨の画像(確率変動状態に制御される可能性が低い)、嵐の画像(確率変動状態に制御されないことの確定))の何れかを表示させるものとしてもよい。
なお、ラウンド開始からの経過時間の計測対象とするラウンドが複数ラウンドあり、その開始からの経過時間に応じて第1大当たり遊技状態の終了後に確率変動状態に制御されるか否かを予告するだけのものでは、ラウンド毎に予告される内容が異なっていてもよい。確率変動状態に制御されるか否かを告知する場合と、それぞれの可能性を予告する場合とを併用したものでは、何れかのラウンドで確率変動状態に制御されるか否かを確定的に告知した後は、同じ第1大当たり遊技状態の後のラウンドで予告を行わないものとすることができる。
上記の実施の形態では、確変潜伏モードから通常モードへの転落は、何れの確変潜伏モードにおいても可変表示装置9にて飾り図柄の変動表示が開始するときに行われる転落抽選に当選することによって、行われるものとしていた。この転落抽選の当選確率は、確変潜伏モードの種類と遊技状態(確率変動状態か否か)とによって異なるものとなっていたが、さらに、第1大当たり遊技状態が終了して最初に確変潜伏モードに制御されたときから実行された飾り図柄の変動表示の回数に応じても、転落抽選の当選確率を異ならせるものとしてもよい。
また、確変潜伏モードから通常モードへの転落を、転落抽選の結果に従って行うのではなく、第1大当たり遊技状態が終了して最初に確変潜伏モードに制御されたときから実行された飾り図柄の変動表示の回数に従って行うものとしてもよい。通常モードに転落するまでの変動表示の回数は、確変潜伏モードの種類毎に異なっていてもよい。例えば、確率変動状態に制御されている期待度が低い確変潜伏(低)モードからは、確率変動大当たりにおける大当たり抽選の当選確率の逆数である30回の変動表示(所定の設定値の場合)を消化して31回目の変動が開始されたときに通常モードに転落させるものとするが、確変潜伏(中)モードからは46回目、確変潜伏(高)モードからは61回目の変動表示が開始されたときに通常モードに転落させるものとしてもよい。変動表示の回数による通常モードへの転落と、転落抽選の当選による通常モードへの転落とを併用してもよい。
上記の実施の形態では、確率変動状態に制御されていることの期待度に応じて確変潜伏(高)モード、確変潜伏(中)モード、確変潜伏(低)モードがあったが、確率の違いはあるものの、何れの確変潜伏モードからも通常モードに転落することがあるものとなっていた。これに対して、確率変動状態に制御されているか否かを特定することはできない(すなわち、確変潜伏大当たり及び時短当たりの何れに基づく第1大当たり遊技状態の終了後にも制御され得る)が、通常モードに転落することのない確変潜伏(固定)モードを設けるものとしてもよい。この確変潜伏(固定)モードは、通常モードへの転落可能性がある他の何れの確変潜伏モードよりも確率変動状態に制御されていることの期待度が高いものとすることができる。
上記の実施の形態では、通常モードとして、確変潜伏モードへの昇格の可能性がある通常(昇格あり)モードと、確変潜伏モードへの昇格の可能性がない通常(昇格なし)モードとが定められていた。この通常(昇格なし)モードに変えて、或いはこれに加えて、確変潜伏モードへの昇格の可能性が全くない訳ではないが、極めて低い確率(通常(昇格あり)モードの1割以下程度)でしか確変潜伏モードに昇格し得ない通常(昇格薄)モードを通常モードとして定めるものとしてもよい。また、通常(昇格なし)モードに変えて、或いはこれに加えて、直前に制御されていた種類の確変潜伏モードと同じ、或いはこれよりも確率変動状態の期待度が低い確変潜伏モードにしか昇格し得ない通常(昇格低)モードを通常モードとして定めるものとしてもよい。
ここで、例えば、通常モードとして通常(昇格あり)モード、通常(昇格薄)モード(或いは通常(昇格低)モード)、通常(昇格なし)モードの3種類がある場合は、第1大当たり遊技状態が終了して最初に確変潜伏モードに制御されたときから実行された飾り図柄の変動表示の回数が50回以下であれば通常(昇格あり)モードに、51回以上70回以下であれば通常(昇格薄)モード(或いは通常(昇格低)モード)に、71回以上であれば通常(昇格なし)モードに制御するものとすることもできる。
上記の実施の形態では、確変潜伏モードにおける転落煽り演出の態様の振り分けは、第1大当たり遊技状態が終了して最初に確変潜伏モードに制御されたときから実行された飾り図柄の変動表示の回数に応じて変化させられていたが、さらに、確変潜伏モードの種類に応じて変化させるものとしてもよい。例えば、確率変動状態に制御されていることの期待度が相対的に高い確変潜伏(高)モードでは何らかの態様の転落煽り演出を選択する確率を低くし、確率変動状態に制御されていることの期待度が相対的に低い確変潜伏(低)モードでは何らかの態様の転落煽り演出を選択する確率を高くするものとしてもよい。
上記の実施の形態では、通常(昇格あり)モードにおいて選択される昇格煽り演出の態様として上下左右からのワイプは、当該通常(昇格あり)モードに制御される前に第1大当たり遊技状態が終了して最初に確変潜伏モードに制御されたときから実行された飾り図柄の変動表示の回数が30回以下であるときに限って選択可能となっていた。これに対して、確変潜伏モードにおいて選択される転落煽り演出の態様としての上下左右からのワイプも、例えば、最初に確変潜伏モードに制御されたときから実行された飾り図柄の変動表示の回数が31回以上であることを条件として選択されるものとしてもよい。
上記の実施の形態では、通常(昇格あり)モードにおける昇格煽り演出の態様の選択振り分けを、当該通常(昇格あり)モードに制御される前に第1大当たり遊技状態が終了して最初に確変潜伏モードに制御されたときから実行された飾り図柄の変動表示の回数に応じて変化させるものとしていた。これに対して、通常(昇格あり)モードに転落してから実行された飾り図柄の変動表示の回数に応じて、昇格煽り演出の態様の選択振り分けを変化させるものとしてもよい。
上記の実施の形態では、何れかの確変潜伏モードから通常モード、或いは通常(昇格あり)モードから何れかの確変潜伏モードに演出モードを切り替えは、切り替え前のモードの画像に対して切り替え後のモードの画像が、1)上下左右、2)上下、または、3)左右の何れかからワイプインすることにより行われるものとなっていたが、何れの態様により演出モードの切り替えを行うかは、ランダムに選ばれるものとなっていた。
これに対して、ワイプインをせずに切り替え前のモードの画像から切り替え後のモードの画像に瞬時に切り替える態様を追加し、何れかの確変潜伏モードから通常モード、或いは通常(昇格あり)モードから何れかの確変潜伏モードに演出モードを切り替えるときに、図7(a)、(b)のテーブルに従って画像切り替えの態様を選択する(図7(a)、(b)のテーブルに従って上下左右、上下、左右の何れも選択されないときには、瞬時に切り替えを選択する)ものとしてもよい。
上記の実施の形態では、演出モードが確変潜伏モードに制御されても通常モードに転落させられる場合があるとともに、通常(昇格あり)モードに転落させられても、さらに確変潜伏モードに再昇格させられる場合があるものとしていた。そして、この確変潜伏モードから通常モードへの転落、通常(昇格あり)モードから確変潜伏モードへの再昇格を煽るために、転落煽り演出や再昇格煽り演出を行うものとしていた。
これに対して、同じ確変潜伏モードの中でも、確変潜伏(高)モードから確変潜伏(中)モードや確変潜伏(低)モードに降格させられたり、確変潜伏(中)モードから確変潜伏(低)モードに降格させられたりする場合があるとともに、確変潜伏(低)モードから確変潜伏(高)モードや確変潜伏(中)モードに昇格させられたり、確変潜伏(中)モードから確変潜伏(高)モードに昇格させられたりする場合があるものとしてもよい。
このように確変潜伏モードの中での降格や昇格があるものとした場合も、確変潜伏モードの中での降格や昇格を煽るための演出(降格煽り演出及び昇格煽り演出)も、上記の実施の形態における転落煽り演出や再昇格煽り演出と同様に行うものとすることができる。降格煽り演出及び昇格煽り演出の態様も、上記の実施の形態における転落煽り演出や再昇格煽り演出と同様に、複数種類のものを設けることができる。
降格煽り演出の態様、降格煽り演出の実行頻度、および/または降格煽り演出の態様の選択割合についても、転落煽り演出と同様に、第1大当たり遊技状態が終了して確変潜伏モードに制御されたときからの変動表示の回数に応じて異ならせることができる。また、昇格煽り演出の態様、昇格煽り演出の実行頻度、および/または昇格煽り演出の態様の選択割合についても、再昇格煽り演出と同様に、第1大当たり遊技状態が終了して確変潜伏モードに制御されたときからの変動表示の回数、或いは期待度の低い確変潜伏モードに降格させられたときからの変動表示の回数に応じて異ならせることができる。
上記の実施の形態では、始動入賞時において大当たり判定用乱数、大当たり種別判定用乱数、及び変動種別判定用乱数の値を示す始動入賞コマンドを主基板31から表示制御基板80に送信するものとしていたが、この始動入賞コマンドに基づいた処理を行うことはなかった。もっとも、表示制御基板80の表示制御用CPUは、始動入賞コマンドを解析することで、当該始動入賞に基づく変動表示の結果が確率変動大当たり、確変昇格大当たり、または時短大当たりとなるかどうか(或いは、スーパーリーチの変動パターンとなるかどうか)を判断し、先読み予告をすることも可能となる。
もっとも、先読み予告をするにしても、表示制御基板80の表示制御用CPUが始動入賞時に判断する必要があるのは、確率変動大当たり、確変昇格大当たり、または時短大当たりとなるかどうか(スーパーリーチを先読み予告する場合には、スーパーリーチの変動パターンとなるかどうか)だけであるので、主基板31のCPU56が始動入賞時に抽出した大当たり判定用乱数、大当たり種別判定用乱数、及び変動種別判定用乱数の値に基づいて確率変動大当たり、確変昇格大当たり、または時短大当たりとなるかどうか(スーパーリーチを先読み予告する場合には、スーパーリーチの変動パターンとなるかどうか)を判断し、確率変動大当たり、確変昇格大当たり、または時短大当たりとなるかどうか(スーパーリーチを先読み予告する場合には、スーパーリーチの変動パターンとなるかどうか)を示す始動入賞コマンドを表示制御基板80に送信するものとしてもよい。
なお、スーパーリーチの変動パターンで実行されるものが含まれているか否かについて先読み予告を実行することが可能となるのは、スーパーリーチの種別に属する変動パターンとなる変動種別判定用乱数の範囲は、変動表示の開始時に保留記憶の数が幾つになったとしても変わりがないので、スーパーリーチとなることだけは始動入賞コマンドで特定できるからである。
上記の実施の形態では、飾り図柄の変動パターンは、主基板31のCPU56が、変動種別判定用乱数の値に基づいて種別を決定した後、決定した種別と変動パターン判定用乱数の値に基づいて詳細なパターンとして決定されるものとしていた。もっとも、スーパーリーチの変動パターンとなるか否かは、変動種別判定用乱数の値に基づく変動パターンの種別の決定までで確定されるものとなる。主基板31のCPU56が決定するのは変動パターンの種別までとし(但し、この場合は、種別毎に変動表示の時間が確定されるものとする)、詳細な変動パターンの決定(例えば、スーパーリーチが決定されたときのすべりコマ数の決定)は、表示制御基板80の表示制御用CPUが行うものとしてもよい。
上記の実施の形態では、確率変動大当たりまたは確変潜伏大当たりが発生したときには、第1大当たり遊技状態の終了後に次の大当たりが発生するまで、確率変動状態に制御されるとともに時短状態に制御され、時短大当たりが発生したときには、第1大当たりの終了後に特図ゲームが100回実行されるまで、時短状態に制御されるものとしていた。これに対して、第1、第2大当たり遊技状態以外の遊技状態として、確率変動状態には制御され得るが、時短状態に制御され得ないパチンコ遊技機(時短大当たりの代わりに、確率変動状態に制御されないだけの通常大当たりを設ける)にも、本発明を適用することができる。この場合、確率変動状態に制御されている間に、電チューサポートのない始動入賞口14aに対する先読み予告を行わないものとすることができる。
上記の実施の形態では、大当たり抽選及び大当たり種別抽選の結果に関わらず、変動パターンとして疑似連を選択することはなかった。これに対して、変動パターンとして一定の割合で疑似連を選択できるようにしてもよい。ここで、疑似連とは、特別図柄の変動表示に応じて可変表示装置9で飾り図柄が変動表示されるが、1回分の特別図柄の変動表示(すなわち、1回の始動入賞)に対して、飾り図柄表示領域9a〜9iの全てにおいて飾り図柄の変動表示を仮停止(図柄の更新を停止しているが確定はしていない状態であって、揺り動かすなどの状態としていてもよい)させた後に、全ての飾り図柄を再度変動表示させる再変動表示を1回または複数回実行する飾り図柄の変動パターンを指す。
上記の実施の形態では、第1大当たり遊技状態の各ラウンドにおいて、その終了条件が成立するまで大入賞口21の開放を継続していた。これに対して、第1大当たり遊技状態の各ラウンドは、所定の終了条件(30秒または10個の入賞)が成立するまで、大入賞口21の開放と閉鎖を所定時間毎(例えば、1.5秒)に繰り返すことで提供してもよい。また、いわゆる羽根モノで大当たり時に開放/閉鎖を繰り返す役物のようなものを、大入賞口21に代えて適用してもよい。
1 パチンコ遊技機
9 可変表示装置
10a、10b 特別図柄表示器
14a、14b 始動入賞口
21 大入賞口
22 風車
23 アタッカー周辺釘
31 主基板
54 ROM
55 RAM
56 CPU
80 表示制御基板

Claims (5)

  1. 遊技領域に打ち出された遊技媒体の通過に基づいて成立する所定の始動条件の成立に応じて複数種類の識別情報を変動表示させ、表示結果を導出することで遊技の結果を確定する変動表示装置と、前記遊技領域に設けられ、遊技者にとって有利な状態に変化する可変入賞装置とを備える遊技機であって、
    前記遊技領域に設けられ、該遊技領域に打ち出された遊技媒体が流下する方向を変更させる流下方向変更部材と、
    前記始動条件の成立に基づいて、前記変動表示において特定遊技結果とするか否かを決定する特定決定手段と、
    前記特定遊技結果とする旨が決定されたときに、前記特定決定手段により前記特定遊技結果とする旨が決定される確率を通常遊技状態よりも高くする確率変動状態に制御するか否かを決定する特別決定手段と、
    前記変動表示装置に導出された表示結果により前記特定遊技結果となったときに、前記可変入賞装置を前記有利な状態に変化させるラウンド制御を所定回行う特定遊技状態に遊技状態を制御する特定遊技状態制御手段と、
    前記確率変動状態に制御する旨が決定されているときに、前記特定遊技状態が終了した後に前記確率変動状態に制御する確率変動状態制御手段と、
    遊技の進行に応じて実行される演出のモードを、遊技状態が前記通常遊技状態と前記確率変動状態の何れに制御されているかが特定不能である特定不能モードを含む複数種類のモードの何れかに制御するモード制御手段とを備え、
    前記特定遊技状態制御手段は、前記ラウンド制御の実行中に少なくとも前記可変入賞装置に入賞した遊技媒体の数が特定基準数に達したことを条件として、該ラウンド制御を終了させるラウンド制御手段を含み、
    前記遊技機は、
    前記特定遊技状態に制御されている間に、該特定遊技状態の消化に要している時間を判定する消化時間判定手段と、
    前記消化時間判定手段により所定の基準よりも長い時間を要していると判定されたときに、前記確率変動状態に遊技状態が制御されるか否かを示す情報を報知する特別報知手段とをさらに備える
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 前記特定遊技状態制御手段は、前記特定遊技状態が終了するまでに、前記ラウンド制御を予め定められた複数の特定回数だけ行い、
    前記消化時間判定手段は、前記複数の特定回数の所定の回のラウンド制御において、前記ラウンド制御を終了するまでに要している時間を判定することで前記特定遊技状態の消化に要している時間を判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記消化時間判定手段は、前記複数の特定回数の2以上の所定の回において、前記ラウンド制御を終了するまでに要している時間を判定する
    ことを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
  4. 前記演出制御手段は、前記特定遊技状態に制御されている間に、所定の特定演出を実行する特定演出実行手段を含み、
    前記特別報知手段は、前記確率変動状態に制御する旨が決定されていないときには実行され得ない、または実行されがたい特別演出を前記特定演出として前記特定演出実行手段に実行させることで、前記確率変動状態に遊技状態が制御される旨を示す情報を報知する
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の遊技機。
  5. 前記演出制御手段は、前記特定遊技状態に制御されている間に、所定の特定演出を実行する特定演出実行手段を含み、
    前記特別報知手段は、前記確率変動状態に制御する旨が決定されていないときには実行され得ない、または実行されがたい非特別演出を前記特定演出として前記特定演出実行手段に実行させることで、前記確率変動状態に遊技状態が制御されない旨を示す情報を報知する
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の遊技機。
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