JP2011147506A - 鼓膜温度検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】安全に鼓膜の接触温度を検出することができるようにする。
【解決手段】鼓膜温度検出装置10は、熱電対を備えると共に、外耳道に挿入されたときに鼓膜に接触する先端の鼓膜接触部32に熱電対の接点を設け、かつ、鼓膜接触部32の接触荷重により弾性変形する針状部30と、針状部30の熱電対の出力に基づいて、鼓膜接触に接触した部分の温度を検出する出力変換部16及び測定装置とを含んで構成されている。針状部30を外耳道に挿入させて、熱電対の接点を設けられた鼓膜接触部32を鼓膜に接触させる。そして、出力変換部16及び測定装置によって、針状部30の熱電対の出力に基づいて、鼓膜接触部32に接触した鼓膜の温度を検出する。
【選択図】図1
【解決手段】鼓膜温度検出装置10は、熱電対を備えると共に、外耳道に挿入されたときに鼓膜に接触する先端の鼓膜接触部32に熱電対の接点を設け、かつ、鼓膜接触部32の接触荷重により弾性変形する針状部30と、針状部30の熱電対の出力に基づいて、鼓膜接触に接触した部分の温度を検出する出力変換部16及び測定装置とを含んで構成されている。針状部30を外耳道に挿入させて、熱電対の接点を設けられた鼓膜接触部32を鼓膜に接触させる。そして、出力変換部16及び測定装置によって、針状部30の熱電対の出力に基づいて、鼓膜接触部32に接触した鼓膜の温度を検出する。
【選択図】図1
Description
本発明は、鼓膜温度検出装置に係り、特に、鼓膜の温度を検出する鼓膜温度検出装置に関する。
従来より、本体と測定部との間に設けられたシール部によって、耳孔入口を密閉して耳孔内を閉鎖空間とすると共に、この閉鎖空間中に測定部及びカバー部をのぞませて、体温測定を行うことができる体温計が知られている(特許文献1)。
また、耳内から発せられる赤外線の強度を検出することにより体温を測定する耳式体温計が知られている(特許文献2)。
しかしながら、上記特許文献1、2に記載の技術では、鼓膜の放射温度を測定しているため、鼓膜の接触温度を検出することができない、という問題がある。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、安全に鼓膜の接触温度を検出することができる鼓膜温度検出装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために本発明に係る鼓膜温度検出装置は、熱電対を備えると共に、外耳道に挿入されたときに鼓膜に接触する先端部に前記熱電対の接点を設け、かつ、前記先端部の接触荷重により弾性変形する針状部と、前記針状部の前記熱電対の出力に基づいて、前記先端部に接触した部分の温度を検出する温度検出部とを含んで構成されている。
本発明に係る鼓膜温度検出装置によれば、針状部を外耳道に挿入させて、熱電対の接点を設けられた先端部を鼓膜に接触させる。そして、温度検出部によって、針状部の熱電対の出力に基づいて、先端部に接触した部分の温度を検出する。
このように、先端部の接触荷重により弾性変形する針状部を外耳道に挿入して、熱電対の接点を設けられた先端部に鼓膜を接触させることにより、安全に鼓膜の接触温度を検出することができる。
本発明に係る先端部は、熱電対の接点を樹脂で被覆することにより球状に形成されているようにすることができる。また、本発明に係る針状部の太さを、0.4mm〜0.6mmとすることができる。これによって、鼓膜に先端が接触しても、鼓膜を突き破らずに安全に鼓膜の接触温度を検出することができる。
本発明に係る鼓膜温度検出装置は、針状部を貫通させるように設けられ、かつ、外耳道に挿入される針状部の長さを調整するために針状部の長さ方向に可動な調整部を更に含むことができる。
本発明に係る針状部を、熱電対を樹脂で被覆して形成することができる。
本発明に係る熱電対の材料を、銅及びコンスタンタンとすることができる。
以上説明したように、本発明の鼓膜温度検出装置によれば、先端部の接触荷重により弾性変形する針状部を外耳道に挿入して、熱電対の接点を設けられた先端部に鼓膜を接触させることにより、安全に鼓膜の接触温度を検出することができる、という効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、第1の実施の形態に係る鼓膜温度検出装置10は、鼓膜の接触温度を検出するために外耳道に挿入される外耳挿入部12と、外耳道に挿入される長さを調整するための挿入ストッパ部14と、外耳挿入部12によって得られる出力を変換する出力変換部16と、ケーブル18と、熱電対用コネクタ20とを備えている。
また、図2に示すように、鼓膜温度検出装置10は、熱電対用コネクタ22と、中継ケーブル24と、熱電対用コネクタ26と、鼓膜の接触温度を演算して表示させる測定装置28とを更に備えている。なお、出力変換部16及び測定装置28が、本発明に係る温度検出部の一例である。
外耳挿入部12は、熱電対を備えた針状部30と、針状部30の先端に設けられ、かつ、熱電対の測定接点(第1の接点)を備えた鼓膜接触部32とから構成されている。図3に示すように、針状部30は、例えばテフロン(登録商標)チューブによって被覆した熱電対素線30Aで構成されている。図4の断面図に示すように、2本の熱電対素線30Aの各々を塩ビ30Bによって被覆すると共に、それらを更にテフロン(登録商標)チューブ30Cによって被覆することによって構成されている。なお、2本の熱電対素線の材料として、例えば、銅及びコンスタンタンを用いればよく、例えば、直径0.1mmの銅線及びコンスタンタン線を用いる。
針状部30は、鼓膜接触部32の接触荷重により弾性変形するように、太さ(幅)が例えば0.4mm〜0.6mmであって厚みが例えば0.2mmとなるように形成されている。針状部30は、鼓膜に触れれば曲がる程度の弾力性を有しており、鼓膜接触部32が鼓膜に接触しても鼓膜を破らない程度の弾力性を有し、塑性変形しない程度の強度を有している。また、針状部30の先端から基端までの長さは、例えば、30mmである。
鼓膜接触部32は、熱電対の測定接点が針状部30の先端に露呈する形で接着剤で固着されることによって形成された、例えば直径1.0mmの球状部32Aを備えている。
挿入ストッパ部14には、針状部30が貫通している。挿入ストッパ部14は、針状部30の長さ方向に移動可能であると共に、挿入ストッパ部14と針状部30との間の摩擦により、挿入ストッパ部14の位置が固定される。挿入ストッパ部14の位置を移動させることにより、外耳道に挿入される外耳挿入部12の長さ(鼓膜接触部32の先端から挿入ストッパ部14までの距離)を調整することができる。また、挿入ストッパ部14は、イヤーカフやインナーイヤホンのように外耳にフィットする形状となるように形成されている。なお、挿入ストッパ部14の材料は、例えば、発泡性ポリマーや発泡性ウレタン、ゴム、シリコン、エラストマー等である。
出力変換部16は、熱電対で生じた起電力を検出して、ディジタル信号に変換し、ケーブル18に出力する。なお、出力変換部16は、例えば、エポキシ樹脂によって被覆したPINチップで構成されている。
ケーブル18は、ビニールチューブによって被覆したコンスタンタン線及び銅線を並べて構成されており、厚さが例えば0.8mm、幅が例えば2.0mmとなっている。
ケーブル18は、オス型の熱電対用コネクタ20に接続されており、オス型の熱電対用コネクタ20は、メス型の熱電対用コネクタ22に着脱可能に接続される。
中継ケーブル24の一端には、メス型の熱電対用コネクタ22が設けられ、他端には、オス型の熱電対用コネクタ26が設けられている。中継ケーブル24は、ワイヤ入りチューブによって被覆したコンスタンタン線及び銅線を並べて構成されている。コンスタンタン線及び銅線として、例えば直径0.3mmのものを用いており、コンスタンタン線及び銅線の各々が塩ビによって被覆されて太さが3.5mmとなり、それぞれをワイヤ入りチューブで更に被覆することによってそれぞれの外径が5mmとなる。これによって、中継ケーブル24の厚みが例えば5mm、幅が例えば1.1mmとなっている。
このように、中継ケーブル24に、太いケーブルを用いることにより、オペ室での断線から保護することができる。
オス型の熱電対用コネクタ26は、測定装置28に着脱可能に接続され、測定装置28は、入力された熱電対の出力信号に基づいて、鼓膜の接触温度を演算して表示させる。
図5は、鼓膜温度検出装置10の電気的構成を概略的に示すブロック図である。図5において、外耳挿入部12の先端に設けられた測定部(鼓膜接触部)32は、出力変換部16内の検温部40に接続されている。また、出力変換部16内には、検温部40からの検出信号をA/D(アナログ−ディジタル)変換するためのA/D変換部42が備えられている。
A/D変換部42は、測定装置28内の制御部44に接続されている。また、測定装置28内には、記憶部46及び表示部48が備えられている。
上述したように針状部12から外部に露出している測定部32は、熱電対の一部を構成しており、例えば、この測定部32を第1接点として、針状部12内には第2接点(図示省略)が設けられている。この熱電対には、検温部40が接続されている。第1の接点である測定部32が、鼓膜に接触して、温度上昇し、これと熱的に分離された針状部12内の第2の接点との間で熱勾配が生じると、熱電対に起電力が生じるようになっている。この起電力に基づく電流は、出力変換部16内の検温部40により検出されるようになっている。そして、検温部40からの検出電流は、A/D変換部42により、ディジタル信号(検温信号)に変換されて制御部44に送られる。
制御部44は、例えばCPUやこれと同等の機能を果たす電子回路等でなる演算手段を有しており、温度演算を行う。記憶部46は、例えば鼓膜温度計測処理に必要とされるソフトウエアを制御部44が読みだすためのROM(リードオンリーメモリ)と制御部44による処理作業に必要なRAM(ランダムアクセスメモリ)等からなる。
電源スイッチ(図示省略)がオンされると、制御部44は、上記A/D変換部42からのディジタル信号(検温信号)を所定時間毎に演算(温度演算)する。この演算結果は、制御部44の指示により、表示部48にて上記所定時間毎に温度表示されるとともに、逐次記憶部46に格納される。そして、予め設定された計測時間が経過すると、制御部44は、記憶部46に保持されている計測時間内の最高温度を求めて、表示部48に連続表示させ、この表示は、電源スイッチがオフされるまで保持される。
次に、本実施の形態に係る鼓膜温度検出装置10の作用について説明する。
鼓膜温度検出装置10を使用する場合には、まず、ユーザによって、外耳道に挿入する長さに応じて、挿入ストッパ部14の位置を移動させる。そして、測定装置28の電源スイッチをオンとし、外耳挿入部12、挿入ストッパ部14、及び出力変換部16を手に持って、挿入ストッパ部14の正面側の平面を耳殻57に向け、挿入ストッパ部14の位置を耳孔に合わせて、押しつける。これにより、図6に示されているように、挿入ストッパ部14は、耳孔の外耳導入口51に密着される。
ここで、図6において示されているように、外耳導入口51より内側の耳孔内は、外側から内側に向かって、順次、軟骨部外耳道52と、骨部外耳道53と続くようになっており、その奥に鼓膜54が存在する。そして、鼓膜54のさらに奥には三半規管55があり、耳管56がさらに奥へ延びている。
このとき、軟骨部外耳道52、骨部外耳道53内には、針状部12が奥行き方向に細く延びており、針状部12の先端の鼓膜接触部32が、鼓膜54に接触する。また、鼓膜接触部32の接触荷重により、図6、図7に示すように、針状部12が、弾性変形する。
鼓膜接触部32が、鼓膜に接触することにより、熱電対の第1接点である測定部32は、鼓膜54の温度とほぼ一致する温度まで上昇する。
これにより、上述した測定部32と熱電対の第2接点との間で温度差が生じて起電力が発生するので、図5で示す電気的構成に基づいて、鼓膜の温度が検出され、検出結果が表示部48に表示される。
以上説明したように、本実施の形態に係る鼓膜温度検出装置によれば、鼓膜接触部の接触荷重により弾性変形する針状部を外耳道に挿入して、熱電対の接点を設けられた鼓膜接触部に鼓膜を接触させることにより、耳鼻咽喉科分野で信頼されていない鼓膜の放射温度ではなく鼓膜の接触温度を安全に検出することができる。また、鼓膜の接触温度を、非侵襲な脳温代用温度として測定できる。
また、鼓膜に鼓膜接触部が接触しても、鼓膜を突き破らずに安全に鼓膜の接触温度を検出することができる。
測定装置から中継ケーブルが延びているため、例えばCT撮影などの際には、外耳挿入部を外すことなく検査室へ移動可能である。また、床上の中継ケーブルは、人や機器等に多少踏まれても破損しない。
なお、球状部の材料、針状部の被覆材料、挿入ストッパ部の材料、出力変換部の被覆材料、ケーブルの被覆材料、中継ケーブルの被覆材料は、上記の実施の形態で説明したものに限定されるものではなく、他の材料を用いてもよい。
10 鼓膜温度検出装置
12 外耳挿入部
12 針状部
14 挿入ストッパ部
16 出力変換部
18 ケーブル
20、22、26 熱電対用コネクタ
24 中継ケーブル
28 測定装置
30C テフロン(登録商標)チューブ
30B 塩ビ
30 針状部
30A 熱電対素線
32A 球状部
32 鼓膜接触部(測定部)
40 検温部
42 A/D変換部
44 制御部
54 鼓膜
12 外耳挿入部
12 針状部
14 挿入ストッパ部
16 出力変換部
18 ケーブル
20、22、26 熱電対用コネクタ
24 中継ケーブル
28 測定装置
30C テフロン(登録商標)チューブ
30B 塩ビ
30 針状部
30A 熱電対素線
32A 球状部
32 鼓膜接触部(測定部)
40 検温部
42 A/D変換部
44 制御部
54 鼓膜
Claims (6)
- 熱電対を備えると共に、外耳道に挿入されたときに鼓膜に接触する先端部に前記熱電対の接点を設け、かつ、前記先端部の接触荷重により弾性変形する針状部と、
前記針状部の前記熱電対の出力に基づいて、前記先端部に接触した部分の温度を検出する温度検出部と、
を含む鼓膜温度検出装置。 - 前記先端部は、前記熱電対の接点を樹脂で被覆することにより球状に形成されている請求項1記載の鼓膜温度検出装置。
- 前記針状部の太さを、0.4mm〜0.6mmとした請求項1又は2記載の鼓膜温度検出装置。
- 前記針状部を貫通させるように設けられ、かつ、外耳道に挿入される前記針状部の長さを調整するために前記針状部の長さ方向に可動な調整部を更に含む請求項1〜請求項3の何れか1項記載の鼓膜温度検出装置。
- 前記針状部を、前記熱電対を樹脂で被覆して形成した請求項1〜請求項4の何れか1項記載の鼓膜温度検出装置。
- 前記熱電対の材料を、銅及びコンスタンタンとした請求項1〜請求項5の何れか1項記載の鼓膜温度検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010009327A JP2011147506A (ja) | 2010-01-19 | 2010-01-19 | 鼓膜温度検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010009327A JP2011147506A (ja) | 2010-01-19 | 2010-01-19 | 鼓膜温度検出装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011147506A true JP2011147506A (ja) | 2011-08-04 |
Family
ID=44535089
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010009327A Pending JP2011147506A (ja) | 2010-01-19 | 2010-01-19 | 鼓膜温度検出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2011147506A (ja) |
-
2010
- 2010-01-19 JP JP2010009327A patent/JP2011147506A/ja active Pending
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