JP2011142714A - 開閉器端子間の絶縁性確保方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 低い費用で高い端子間耐電圧を確保する。
【解決手段】 上方に延び上端側に端子41〜43が設けられたブッシング31〜33が3対配設されている。中央に位置するブッシングを調整ブッシング32として、この調整ブッシング32の端子42に絶縁カバー5を装着し、隣接する調整ブッシング32の端子42と他のブッシング31、33の端子41、43との間で、所定の端子間耐電圧が得られるようにする。
【選択図】 図4
【解決手段】 上方に延び上端側に端子41〜43が設けられたブッシング31〜33が3対配設されている。中央に位置するブッシングを調整ブッシング32として、この調整ブッシング32の端子42に絶縁カバー5を装着し、隣接する調整ブッシング32の端子42と他のブッシング31、33の端子41、43との間で、所定の端子間耐電圧が得られるようにする。
【選択図】 図4
Description
この発明は、開閉器の端子間(相間)の耐電圧を高めるための開閉器端子間の絶縁性確保方法に関する。
例えば、ガス絶縁開閉装置(開閉器)は、遮断器や断路器などの開閉装置を、六フッ化硫黄ガスなどの絶縁性ガスが満たされた密閉容器内に収容し、各相の絶縁導出部にブッシング(碍管)が設けられている(例えば、特許文献1参照。)。そして、各相の端子(導電部)の対地耐電圧として、公称電圧(電路を代表する線間電圧)などに応じた値が得られるように設定されている。すなわち、ブッシングの上端側に端子が設けられ、所定の対地耐電圧が得られるようにブッシングの高さが設定されている。さらに、各相のブッシングが同じ高さに設定され、従って各相の端子の高さ位置も同じで、各相の端子間の距離も一定となっている。そして、このようなブッシングを備えた既製の開閉器では、公称電圧や汚損区分(塩分付着性)ごとに、ブッシングの高さが規定されている。
ところで、開閉器が運用される環境によっては、端子間の耐電圧・絶縁性(端子間耐電圧)がより大きく求められる場合がある。すなわち、変圧器の高圧側巻線に衝撃性異常電圧(雷サージなど)が侵入し、低圧側巻線に移行する電圧(静電移行電圧、3次移行電圧)が発生すると、対地耐電圧よりも大きな端子間耐電圧が必要となる。このような場合、上記のような既製の開閉器で高い端子間耐電圧を確保しようとすると、公称電圧(電圧階級)が高いクラスの開閉器を採用する必要があり、設備費がかさむことになる。また、高い端子間耐電圧を有する開閉器を個々に開発、製作するには多大な費用を要する。
そこでこの発明は、低い費用で高い端子間耐電圧を確保することが可能な開閉器端子間の絶縁性確保方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、上方に延び上端側に端子が設けられた碍管が複数配設された開閉器の開閉器端子間の絶縁性確保方法であって、少なくともひとつの碍管を調整碍管とし、前記調整碍管の端子に絶縁カバーを装着し、隣接する前記調整碍管の端子と他の碍管の端子との間で所定の端子間耐電圧が得られるようにする、ことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、複数の碍管のうちの少なくともひとつを調整碍管とし、この調整碍管の端子に絶縁カバーを装着することで、隣接する調整碍管の端子と他の碍管の端子との間で所定の端子間耐電圧が得られるようにする。このように、調整碍管の端子に絶縁カバーを装着するだけでよいため、低い費用で高い端子間耐電圧を確保することが可能となる。すなわち、公称電圧(対地耐電圧)が同じ既製の開閉器を利用して、調整碍管の端子に絶縁カバーを装着することで、公称電圧が高いクラスの開閉器を採用したり、高い端子間耐電圧を有する開閉器を開発、製作したりすることなく、低い費用で高い端子間耐電圧を確保することが可能となる。
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
図1は、この発明の実施の形態に係る開閉器端子間の絶縁性確保方法の対象となる開閉器1を示す正面図であり、図2は、開閉器1の側面図である。この開閉器1は、この実施の形態では、ガス絶縁開閉装置であり、遮断器や断路器などの開閉装置が、六フッ化硫黄ガスなどの絶縁性ガスが満たされたタンク2(密閉容器)内に収容され、電力線の各相(3相)に対応して3対のブッシング(碍管)31〜33が設けられている。このブッシング31〜33は、筒状の磁器で上方に延び、上端に電力線を接続する端子41〜43が配設されている。
そして、第1のブッシング31と第1のブッシング31とが、互いに対向し、かつ下方から上方に向って互いの距離が離れるように斜め上方に延びて配設されている。第2のブッシング32と第3のブッシング33も同様に配設されている。また、すべてのブッシング31〜33の形状、高さが同寸法で、各端子41〜43の高さも同位置となっている。さらに、各ブッシング31〜33間の間隔も一定で、各端子41〜43間の距離L1も同一となっている。ここで、ブッシング31〜33の高さ、つまり端子41〜43の高さ位置は、開閉器1の公称電圧などに基づいて所定の対地耐電圧が得られるように設定されている。また、各端子41〜43には、上方に延びる接続部41a〜43aを有し、この接続部41a〜43aに電力線100が接続されている。
このような開閉器1に対して、高い端子間耐電圧を確保する必要がある場合、次のようにして所定の端子間耐電圧が得られるようにする。すなわち、図3に示すように、中央に位置する一対の第2のブッシング32を調整ブッシングとし、この調整ブッシング32の端子42に絶縁カバー5を装着する。これにより、隣接する調整ブッシング32の端子42と他のブッシング31、33の端子41、43との間で、所定の端子間耐電圧が得られるようにする。このように、中央に位置するブッシングを調整ブッシング32としているのは、この調整ブッシング32に絶縁カバー5を装着することで、第2の端子42と両隣に位置する第1の端子41および第3の端子43との絶縁性を高めることができるからである。つまり、少ない絶縁カバー5で、高い端子間耐電圧を確保することができるからである。
ここで、絶縁カバー5は、絶縁性で略椀型の2つのカバー体51、52で構成され、図4、5に示すように、カバー体51、52の開口縁を合わせることで、第2の端子42全体を筒み込むようになっている。また、カバー体51、52は、複数のスナップボタン53で脱着自在となっており、上側開口部5aと電力線100との間および、下側開口部5bと調整ブッシング32との間には、防水パッキン(図示せず)が配設されている。
このような絶縁カバー5の材質および肉厚、つまり絶縁性は、次のようにして設定する。まず、必要となる端子間耐電圧(フラッシュオーバ電圧)、すなわち雷サージなどの衝撃性異常電圧によって発生する3次移行電圧(静電移行電圧)を、避雷器の制限電圧(避雷器に放電電流が流れている時の避雷器の端子間電圧)、耐圧係数、気象係数、相間電圧の波高値(最大値)に基づいて算出する。次に、算出した端子間耐電圧と端子間距離L1とに基づいて、絶縁カバー5の所要絶縁性を算出して、絶縁カバー5の材質および肉厚を決定するものである。
以上のように、この開閉器端子間の絶縁性確保方法によれば、中央に位置するブッシングを調整ブッシング32とし、この調整ブッシング32の端子42に絶縁カバー5を装着するだけで、所定の端子間耐電圧が得られる。このため、低い費用で高い端子間耐電圧を確保することが可能となる。すなわち、公称電圧が同じ既製の開閉器1を利用して、ひとつの調整ブッシング32のみに絶縁カバー5を装着することで、公称電圧が高いクラスの開閉器を採用したり、高い端子間耐電圧を有する開閉器を開発、製作したりすることなく、低い費用で高い端子間耐電圧を確保することが可能となる。このように、公称電圧や所要対地耐電圧に適合した開閉器1をそのまま使用し、かつ既存のブッシング31〜33を活用して、容易かつ低コストで高い端子間耐電圧を確保することが可能となる。
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、上記の実施の形態では、2つのカバー体51、52で第2の端子42全体を筒み込むようにしているが、筒体の側面にスリット状の開口を設け、この開口を介して筒体内に第2の端子42を収容し、その後、開口を塞ぐようにしてもよい。また、開閉器1がガス絶縁開閉装置の場合について説明したが、気中開閉器や真空開閉器などにも適用することができることは勿論である。
1 開閉器
2 タンク
31〜33 ブッシング(碍管)
41〜43 端子
5 絶縁カバー
51、52 カバー体
53 スナップボタン
100 電力線
2 タンク
31〜33 ブッシング(碍管)
41〜43 端子
5 絶縁カバー
51、52 カバー体
53 スナップボタン
100 電力線
Claims (1)
- 上方に延び上端側に端子が設けられた碍管が複数配設された開閉器の開閉器端子間の絶縁性確保方法であって、
少なくともひとつの碍管を調整碍管とし、前記調整碍管の端子に絶縁カバーを装着し、隣接する前記調整碍管の端子と他の碍管の端子との間で所定の端子間耐電圧が得られるようにする、ことを特徴とする開閉器端子間の絶縁性確保方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010000806A JP2011142714A (ja) | 2010-01-05 | 2010-01-05 | 開閉器端子間の絶縁性確保方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010000806A JP2011142714A (ja) | 2010-01-05 | 2010-01-05 | 開閉器端子間の絶縁性確保方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011142714A true JP2011142714A (ja) | 2011-07-21 |
Family
ID=44458164
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010000806A Pending JP2011142714A (ja) | 2010-01-05 | 2010-01-05 | 開閉器端子間の絶縁性確保方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2011142714A (ja) |
-
2010
- 2010-01-05 JP JP2010000806A patent/JP2011142714A/ja active Pending
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