JP2011136898A - 単結晶育成用反応容器の再生方法および単結晶の育成方法 - Google Patents

単結晶育成用反応容器の再生方法および単結晶の育成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アルミナ、イットリアまたはイットリウム・アルミニウム・ガーネットからなる反応容器内にナトリウムを含む融液を収容した状態でフラックス法によって単結晶を育成した後に、反応容器を再生し、次の単結晶育成時に透明な単結晶を育成できる方法を提供する。
【解決手段】アルミナ、イットリアまたはイットリウム・アルミニウム・ガーネットからなる反応容器内にナトリウムを含む融液を収容した状態でフラックス法によって単結晶を育成する。次いで、反応容器を超音波洗浄し、次いで反応容器を酸化性雰囲気下で1300〜1600℃で5〜20時間にわたって加熱することによって,反応容器を再利用可能とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、いわゆるNaフラックス法により単結晶を育成する方法およびこれに使用する反応容器の再生方法に関するものである。
窒化ガリウム薄膜結晶は、優れた青色発光素子として注目を集めており、発光ダイオードにおいて実用化され、光ピックアップ用の青紫色半導体レーザー素子としても期待されている。
Naフラックス法を用いて窒化ガリウム単結晶を育成する方法が研究されている。この際、反応性のきわめて高いナトリウム等をルツボに入れて高温で長時間加熱することから、これに耐えるルツボ材質が要求されている。
特許文献1(特開2004−300024)には、窒化ホウ素やアルミナ製のルツボが開示されている。特許文献2(特開2005−263622)にもアルミナ製のルツボが開示されている。特許文献3(特開2005−263535)にはイットリア製のルツボが開示されている。
更に、本出願人は、特許文献4(特願2009−1737)において、イットリウム・アルミニウムガーネットからなるルツボを用いることによって、得られた単結晶中への酸素、珪素等の不純物の取り込み量を著しく削減できることを開示した。
特開2004−300024 特開2005−263622 特開2005−263535 特願2009−1737
しかし、アルミナ製のルツボは、単結晶育成中に高温のナトリウムにより腐蝕されるために、基本的に使い捨てであり、再利用が困難であった。イットリアやイットリウム・アルミニウムガーネット製のルツボも、アルミナ製ルツボほどではないが、高温のナトリウムによって腐蝕される傾向があり、再利用すると、得られた単結晶中が着色して不良品になり易く、再利用が困難であった。
本発明の課題は、アルミナ、イットリアまたはイットリウム・アルミニウム・ガーネットからなる反応容器内にナトリウムを含む融液を収容した状態でフラックス法によって単結晶を育成した後に、反応容器を再生し、次の単結晶育成時に透明な単結晶を育成できるようにすることである。
本発明は、アルミナ、イットリアまたはイットリウム・アルミニウム・ガーネットからなる反応容器内にナトリウムを含む融液を収容した状態でフラックス法によって単結晶を育成した後に、反応容器を再生する方法であって、
反応容器を超音波洗浄する洗浄工程、および
次いで反応容器を酸化性雰囲気下で1300〜1600℃で5〜20時間にわたって加熱する加熱処理工程
を有することを特徴とする。
また、本発明に係る単結晶の育成方法は、
アルミナ、イットリアまたはイットリウム・アルミニウム・ガーネットからなる反応容器内にナトリウムを含む融液を収容した状態でフラックス法によって単結晶を育成する第一の育成工程、
次いで反応容器を超音波洗浄する洗浄工程、
次いで反応容器を酸化性雰囲気下で1300〜1600℃で5〜20時間にわたって加熱する加熱処理工程、および
次いで反応容器内にナトリウムを含む融液を収容した状態でフラックス法によって単結晶を育成する第二の育成工程、
を有することを特徴とする。
アルミナ、イットリア、およびアルミニウム・イットリウムガーネットは、育成時の高温のナトリウムによって還元され、酸素を奪われる。その結果、反応容器の表面は灰色〜黒色に変色する。育成が長時間にわたると、反応容器の内部まで変色が進行する。反応容器材質が還元されて酸素欠陥を多く含むようになると、もろくなる。単結晶育成後にエタノール等によるフラックス処理を行うと、さらに劣化部にアルカリ成分(水酸化ナトリウムなど)が混入する。水洗いや超音波洗浄程度では、劣化部に混入したアルカリ成分を除去できないため、再利用は不可能であった。
こうした酸素欠陥を多く含む劣化部に混入したアルカリ成分を除去し、酸素欠陥を修復し、さらに強度を保つ再生方法を見いだした。これによって、フラックス法での単結晶育成に用いた前記特定材質の反応容器を再利用できるようになり、製造コストが著しく低減される。そして、再利用時の単結晶の着色も防止できる。
使用前の新品の育成容器、使用後の育成容器、および再生処理後の育成容器を示す写真である。 割れが発生したアルミナルツボの外観を示す写真である。 左上の写真は、単結晶育成を5回繰り返した後のルツボ蓋の外観を示す。右上の写真は、これを再生処理した後の外観を示す。左下の写真は、単結晶育成を1回行った後のルツボ蓋の外観を示す。右下の写真は、これを再生処理した後のルツボ蓋の外観を示す。
発明の実施の形態
以下、本発明の方法を工程順に説明する。
(第一の育成工程および第二の育成工程)
最初に単結晶の育成工程について述べる。
育成工程では、アルミナ、イットリアまたはイットリウム・アルミニウム・ガーネットからなる反応容器内にナトリウムを含む融液を収容した状態でフラックス法によって単結晶を育成する。
本発明に言う反応容器は、フラックスの液体や蒸気に対して接触する容器全般を意味しており、例えばルツボ、ルツボ蓋、圧力容器、ルツボを収容する外側反応容器を含む概念である。本発明は、フラックスを直接に収容して溶融させるためのルツボに適用したときに特に効果的である。
反応容器を構成する、アルミナ、イットリア、イットリウム・アルミニウム・ガーネットは、単結晶であってよく、また多結晶(セラミックス)であってよい。セラミックスはHIP処理などで、相対密度を高めた、いわゆる透光性を持たせたものであってよい。
アルミナ多結晶、イットリア多結晶、イットリウム・アルミニウム・ガーネット多結晶の平均粒径は、1μm以上、100 μm以下であることが、フラックスに対する耐蝕性の点で特に好ましく、この観点からは、原料粉末の粒度を0.1μm以上、10μm以下とすることが更に好ましい。
また、反応容器を構成する材質のヤング率は、100GPa以上であることが好ましく、200GPa以上であることが更に好ましい。これによって、反応容器の耐久性が一層向上する。
また、反応容器を構成する材質の相対密度は、フラックスに対する耐蝕性の観点からは、98%以上であることが好ましい。
反応容器を構成するアルミナ、イットリア、イットリウム・アルミニウム・ガーネットの製造方法は限定されない。各セラミックスを製造するには、例えば原料粉末を混合し、成形する。この成形方法としては一軸プレス法、コールドアイソスタティックプレス法、キャスティング法を例示できる。また、成形時にはPVA(ポリビニルアルコール)、PVB(ポリビニルブチラール)のようなバインダーを使用することもできる。
成形工程後に脱脂を行うこともできる。脱脂温度は特に限定されないが、例えば300℃以上、更には400℃以上とすることもできる。また、脱脂温度の上限は特にないが、600℃以下、更には500℃以下とすることもできる。
焼成方法は特に限定されず、還元性雰囲気下での常圧焼結やホットプレス、ホットアイソスタティックプレス法、放電プラズマ焼結を例示できる。焼成温度は限定されず、例えば1700〜2000℃とすることもできる。
アルミナ、イットリア、イットリウム・アルミニウム・ガーネットが単結晶である場合には、チョクラルスキー法、カイロポーラス法、EFG法(Edge-defined
Film-fed Growth Method)で製造することが好ましい。
反応容器を構成するイットリウム・アルミニウム・ガーネットのイットリウム部位は、イットリウム以外の希土類によって一部元素置換されていてよい。こうした希土類としては、ガドリニウム、セリウム、イッテルビウム、ネオジウム、ランタン、エルビウム、スカンジウムを例示できる。また、イットリウム部位の他元素による置換割合は、50mol%以下であることが好ましく、10mol%以下であることが更に好ましい。
反応容器を構成するイットリウム・アルミニウム・ガーネットのアルミニウム部位は、アルミニウム以外の遷移金属によって一部元素置換されていてよい。こうした遷移金属としては、鉄、ガリウム、クロムを例示できる。また、アルミニウム部位の他元素による置換割合は、50mol%以下であることが好ましく、10mol%以下であることが更に好ましい。
反応容器を構成するアルミナ、イットリア、イットリウム・アルミニウム・ガーネットの純度は、育成時の単結晶へのドーピングのおそれを最小限にするためには、99.0重量%以上が好ましく、99.9重量%以上が更に好ましい。
第一および第二の育成工程では、反応容器内にナトリウムを含む融液を収容した状態でフラックス法によって単結晶を育成する。
好適な実施形態においては、フラックスを収容したルツボを圧力容器内に収容し、熱間等方圧プレス装置を用いて高圧下で加熱する。この際には、窒素を含む雰囲気ガスを所定圧力に圧縮し、圧力容器内に供給し、圧力容器内の全圧および窒素分圧を制御する。
フラックスはナトリウムを含有しているが、更に例えば、ガリウム、アルミニウム、インジウム、ホウ素、亜鉛、ケイ素、錫、アンチモン、ビスマスを添加することができる。また、フラックス中には、目的とする窒化物の原料が含有されている。
各育成方法によって、例えば以下の単結晶を好適に育成できる。また、第一の育成工程と第二の育成工程とにおいて、異なる単結晶を育成することもできる。
GaN、AlN、InN、これらの混晶(AlGaInN)、BN。
単結晶育成工程における加熱温度、圧力は、単結晶の種類によって選択するので特に限定されない。加熱温度は例えば800〜1500℃とすることができる。好ましくは800〜1200℃であり、更に好ましくは800〜1100℃である。圧力も特に限定されないが、圧力は1MPa以上であることが好ましく、2MPa以上であることが更に好ましい。圧力の上限は特に規定しないが、例えば200MPa以下とすることができ、100MPa以下が好ましい。
以下、更に具体的な単結晶およびその育成手順について例示する。
(窒化ガリウム単結晶)
本発明を利用し、少なくともナトリウム金属を含むフラックスを使用して窒化ガリウム単結晶を育成できる。このフラックスには、ガリウム原料物質を溶解させる。ガリウム原料物質としては、ガリウム単体金属、ガリウム合金、ガリウム化合物を適用できるが、ガリウム単体金属が取扱いの上からも好適である。
このフラックスには、ナトリウム以外の金属、例えばリチウムを含有させることができる。ガリウム原料物質とナトリウムなどのフラックス原料物質との使用割合は、適宜であってよいが、一般的には、ナトリウム過剰量を用いることが考慮される。もちろん、このことは限定的ではない。
この実施形態においては、窒素ガスを含む混合ガスからなる雰囲気下で、全圧1MPa以上、200MPa以下の圧力下で窒化ガリウム単結晶を育成する。全圧を1MPa以上とすることによって、例えば800℃以上の高温領域において、更に好ましくは850℃以上の高温領域において、良質の窒化ガリウム単結晶を育成可能であった。
好適な実施形態においては、育成時雰囲気中の窒素分圧を1MPa以上、200MPa以下とする。この窒素分圧を1MPa以上とすることによって、例えば800℃以上の高温領域において、フラックス中への窒素の溶解を促進し、良質の窒化ガリウム単結晶を育成可能であった。この観点からは、雰囲気の窒素分圧を2MPa以上とすることが更に好ましい。また、窒素分圧は実用的には100MPa以下とすることが好ましい。
雰囲気中の窒素以外のガスは限定されないが、不活性ガスが好ましく、アルゴン、ヘリウム、ネオンが特に好ましい。窒素以外のガスの分圧は、全圧から窒素ガス分圧を除いた値である。
好適な実施形態においては、窒化ガリウム単結晶の育成温度は、800℃以上であり、850℃以上とすることが更に好ましい。このような高温領域においても良質な窒化ガリウム単結晶が育成可能である。また、高温・高圧での育成により、生産性を向上させ得る可能性がある。
窒化ガリウム単結晶の育成温度の上限は特にないが、育成温度が高すぎると結晶が成長しにくくなるので、1500℃以下とすることが好ましく、この観点からは、1200℃以下とすることが更に好ましい。
窒化ガリウム結晶をエピタキシャル成長させるための育成用基板の材質は限定されないが、サファイア、AlNテンプレート、GaNテンプレート、GaN自立基板、シリコン単結晶、SiC単結晶、MgO単結晶、スピネル(MgAl)、LiAlO、LiGaO、LaAlO,LaGaO,NdGaO等のペロブスカイト型複合酸化物を例示できる。また組成式〔A1−y(Sr1−xBa〕〔(Al1−zGa1−u・D〕O(Aは、希土類元素である;Dは、ニオブおよびタンタルからなる群より選ばれた一種以上の元素である;y=0.3〜0.98;x=0〜1;z=0〜1;u=0.15〜0.49;x+z=0.1〜2)の立方晶系のペロブスカイト構造複合酸化物も使用できる。また、SCAM(ScAlMgO)も使用できる。
(AlN単結晶の育成例)
少なくともアルミニウムとアルカリ土類を含むフラックスを含む融液を特定の条件下で窒素含有雰囲気中で加圧することによって、AlN単結晶を育成できる。
(有機溶媒でフラックスを処理する工程)
第一の育成工程後、フラックスからナトリウムを除去し、単結晶を分離する必要がある。この際には単結晶を機械的に分離することもできるが、好ましくは有機溶媒でフラックスを処理してナトリウムを除去する。この工程では、育成工程で劣化した反応容器にナトリウムが侵入し、ナトリウムの除去がいっそう難しくなるので、本発明の再生方法が特に有効である。
こうした有機溶媒としては、以下を例示できる。
エタノール、イソプロパノール(IPA)、灯油、アセトン
また、有機溶媒による処理温度は、−15〜30°Cが好ましい。
(反応容器を超音波洗浄する洗浄工程)
後述の加熱処理工程の前に反応容器を超音波洗浄する。この工程がないと、加熱処理後の育成容器に若干の着色が残り、次の第二の育成工程で得られた単結晶に不純物ピークが観測されることがある。
この超音波洗浄を行うための媒体としては、以下が好ましい。
純水(イオン交換水)、希塩酸(濃度10%以下)。
フラックス成分の金属ガリウム残渣が目視で確認されるときには、希塩酸を用いると良い。
また、超音波洗浄を行う際の媒体の温度は、本発明の観点からは、50℃以上が好ましい。また、超音波洗浄時の媒体の温度は、媒体の沸点以下であり、(媒体の沸点マイナス10°C)以下が更に好ましい。実用的には100℃以下がさらに好ましい。
(反応容器を酸化性雰囲気下で1300〜1600℃で5〜20時間にわたって加熱する加熱処理工程)
処理温度を1300℃以上とすることによって、反応容器に浸潤したナトリウムの除去を促進できる。また、処理温度を1600℃以下とすることによって、反応容器の材質の微細組織が粒成長するのを防止でき、これによって反応容器の強度低下を防止できる。
処理温度での保持時間を5時間以上とすることによって、反応容器に浸潤したナトリウムの除去を促進でき、育成された単結晶の着色を防止できる。また、処理温度での保持時間を20時間以下とすることによって、反応容器材質の微細組織の粒成長を防止でき、これによる反応容器の強度低下を防止できる。
加熱処理時の雰囲気は酸化性雰囲気である。酸化性雰囲気は、酸素のみであってよく、酸素と不活性気体との混合物であってよい。酸化性雰囲気の圧力は0.01〜100MPaが好ましい。また、不活性気体は窒素,ヘリウム、アルゴンが好ましい。酸化性雰囲気における酸素の割合は、1重量%以上が好ましく、100重量%であってよい。また大気も好適に利用できる。
(実施例1)
アルゴン雰囲気のグローブボックス中にて、純度99.9999%の金属ガリウム(Ga)
30g、純度99.95%の金属ナトリウム(Na)
40g、添加物として純度99%の炭素0.08g、および直径2インチの窒化ガリウム自立基板を、相対密度99%、純度99.99%のアルミナ製円筒丸底ルツボ(外径86mm、内径80mm、高さ50mm)内に秤量し、充填した。ルツボには相対密度99%、純度99.99%のアルミナ円板をふたとしてかぶせた。これらをステンレス容器に密閉し、グローブボックスから出して、育成装置に移した。育成条件は、窒素圧力4.5MPa、平均温度875℃にして、100時間保持し、結晶育成を行った(第一の育成工程)。
10時間かけて室温までルツボを冷却したのち、ルツボを回収し、育成原料の残渣をエタノールを用いて除去し、結晶を回収した(有機溶媒でフラックスを処理する工程)。GaN結晶は無色透明であり、約1.5mm成長していた。このとき、アルミナルツボとふたは、灰色から黒色に変色していた。(図1中央参照)
エタノール処理後のルツボを、熱湯(95℃)を用いて30分超音波洗浄した(超音波洗浄工程)。次いでルツボを乾燥し、大気炉(ヒーター材質:カンタルスーパー)にて、1500℃にて15時間の熱処理を行った。昇温および冷却速度は300℃/hrとした(加熱処理工程)。熱処理後のアルミナ坩堝は白色で、変形もほとんど無かった。(図1右参照)
この熱処理後のルツボを再使用し、上述の第一の育成工程と同じ条件にて、GaN単結晶を育成した。この結果、第一の育成工程と同様に、透明なGaN結晶が約1.5mm成長した。結晶に不純物発光帯発光はほとんど観測されなかった。また、GaN結晶のSIMS分析を行ったところ、酸素濃度は5×1016/atoms/cm3と新品のアルミナ坩堝を使用したときと同レベルであった。Si濃度は1×1015/atoms/cm3と新品のアルミナ坩堝を使用したときと同レベルであった。
(実施例2〜6)
実施例1と同様にして育成試験およびルツボの再生を行った。ただし、加熱温度、加熱時間は表1に示すように変更した。第二の育成工程で得られた結晶の状態と不純物帯発光の有無を表1に示す。
(比較例1)
実施例1と同様に実験を行った。ただし加熱温度を1100℃とし,加熱時間を15時間とした。このルツボを再利用したところ、原料表面に白い物質が浮いていた。GaN単結晶は厚さ0.5mmしか成長せず、かつ焦げ茶色に着色していた。この白い物質を分析したところ、水酸化ナトリウムであることがわかった。
(比較例2)
実施例1と同様に実験を行った。ただし加熱温度を1700℃とし,加熱時間を15時間とした。この結果、ルツボがもろくなり、またいびつに変形してしまい、再利用は困難であった。
(比較例3)
実施例1と同様に実験を行った。ただし加熱温度を1500℃とし,加熱時間を1時間とした。熱処理後のルツボは部分的に白色に戻っていたが、灰色のままの領域が存在した。このルツボを再利用したところ、原料表面に白い物質が浮いていた。GaN結晶は1mm成長したが、成長初期の約0.5mmの領域が黒く着色していた。この黒く着色した領域をEDXにより分析したところ、数100ppmのナトリウム、酸素、珪素が検出された。
(比較例4、5)
実施例1と同様に実験を行った。ただし加熱温度を1500℃とし,加熱時間を50時間または25時間とした。加熱時間が長かったために、ルツボが収縮し、そのためにルツボに割れが発生した場合もあった(図2参照)。また、ルツボの変形は無くとも、もろくなるために、再利用したところ、昇温時に坩堝にひびが入り、育成原料がもれてしまい、育成実験は失敗した。
(比較例6)
実施例1と同様に実験を行った。ただし、フラックス処理後のルツボを超音波洗浄しなかった。この結果、ルツボの内面に、フラックス残渣の影響と思われる、茶色や緑色に変色した部分が多数見られた。この変色部は再び熱処理を行っても変化しなかった。この坩堝を再利用したところ、透明な結晶が1.5mm成長したが、不純物帯発光の強度が強かった。(バンド端発光強度/不純物帯発光強度はほぼ1であった)
(比較例7)
実施例1と同様に実験を行った。ただし加熱温度を1200℃とし,加熱時間を15時間とした。熱処理後のルツボは部分的に白色に戻っていたが、灰色のままの領域が存在した。このルツボを再利用したところ、原料表面に白い物質が浮いていた。GaN結晶は1mm成長したが、成長初期の約0.5mmの領域が黒く着色していた。この黒く着色した領域をEDXにより分析したところ、数100ppmのナトリウム、酸素、珪素が検出された。
Figure 2011136898
Figure 2011136898
(実施例7〜12:比較例8〜14)
アルゴン雰囲気のグローブボックス中にて、純度99.9999%の金属ガリウム(Ga)
3g、純度99.95%の金属ナトリウム(Na)
4.4g、添加物として純度99%の炭素0.015g、および13×18mmの窒化ガリウム自立基板を、相対密度 98 %、純度99.99%のイットリア製円筒丸底ルツボ(外径19.5mm、内径17mm、高さ50mm)内に秤量し、充填した。これらをステンレス容器に密閉し、グローブボックスから出して、育成装置に移した。育成条件は、窒素圧力4.5MPa、平均温度875℃にして、100時間保持し、結晶育成を行った(第一の育成工程)。
10時間かけて室温までルツボを冷却したのち、ルツボを回収し、育成原料の残渣をエタノールを用いて除去し、結晶を回収した(有機溶媒でフラックスを処理する工程)。GaN結晶は無色透明であり、約1.5mm成長していた。このとき、ルツボは、灰色から群青色に変色していた。
エタノール処理後のルツボを、熱湯(95℃)を用いて30分超音波洗浄した(超音波洗浄工程)。次いでルツボを乾燥し、大気炉(ヒーター材質:カンタルスーパー)にて熱処理を行った。昇温および冷却速度は300℃/hrとした(加熱処理工程)。熱処理の温度と時間は表2に示す。ただし、比較例13では超音波洗浄を行っていない。各例の結果を表2に示す。
Figure 2011136898
Figure 2011136898
(実施例13〜18:比較例15〜21)
アルゴン雰囲気のグローブボックス中にて、純度99.9999%の金属ガリウム(Ga)
30g、純度99.95%の金属ナトリウム(Na)
40g、添加物として純度99%の炭素0.08g、および直径2インチの窒化ガリウム自立基板を、相対密度98%、純度99.99%のイットリウム・アルミニウム・ガーネットセラミックス製円筒丸底ルツボ(外径86mm、内径80mm、高さ50mm)内に秤量し、充填した。ルツボには、相対密度98%、純度99.99%のイットリウム・アルミニウム・ガーネットセラミックス円板をふたとしてかぶせた。これらをステンレス容器に密閉し、グローブボックスから出して、育成装置に移した。育成条件は、窒素圧力4.5MPa、平均温度875℃にして、100時間保持し、結晶育成を行った(第一の育成工程)。
10時間かけて室温までルツボを冷却したのち、ルツボを回収し、育成原料の残渣をエタノールを用いて除去し、結晶を回収した(有機溶媒でフラックスを処理する工程)。GaN結晶は無色透明であり、約1.5mm成長していた。このとき、ルツボとふたは、くすんだ水色に変色していた(図3の左下の写真(1回使用後)を参照)。
エタノール処理後のルツボを、熱湯(95℃)を用いて30分超音波洗浄した(超音波洗浄工程)。次いでルツボを乾燥し、大気炉(ヒーター材質:カンタルスーパー)にて熱処理を行った。昇温および冷却速度は300℃/hrとした(加熱処理工程)。熱処理の温度と時間は表3に示す。ただし、比較例20では超音波洗浄を行っていない。各例の結果を表3に示す。また、実施例7の熱処理後のルツボ蓋の写真を図3(右下の写真:1回目再生品)に示す。くすんだ水色に変色した部分が、もとの白色に戻っていた。
Figure 2011136898
Figure 2011136898
実施例13の一連の工程を5回繰り返した後のルツボ蓋の写真を、図3に示す。図3の左上の写真(繰り返し使用5回目)では、著しい変色が見られる。図3の右上の写真(再生5回目後)では、再生処理後も赤茶色の着色が若干見られるが、結晶育成には問題なく使用でき、透明な結晶が得られた。結晶の不純物帯発光も、1回目とほとんど変わらなかった。

Claims (7)

  1. アルミナ、イットリアまたはイットリウム・アルミニウム・ガーネットからなる反応容器内にナトリウムを含む融液を収容した状態でフラックス法によって単結晶を育成した後に、前記反応容器を再生する方法であって、
    前記反応容器を超音波洗浄する洗浄工程、および
    次いで前記反応容器を酸化性雰囲気下で1300〜1600℃で5〜20時間にわたって加熱する加熱処理工程
    を有することを特徴とする、単結晶育成用反応容器の再生方法。
  2. 前記反応容器がアルミナからなることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 前記単結晶が窒化物単結晶であることを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
  4. アルミナ、イットリアまたはイットリウム・アルミニウム・ガーネットからなる反応容器内にナトリウムを含む融液を収容した状態でフラックス法によって単結晶を育成する第一の育成工程、
    次いで前記反応容器を超音波洗浄する洗浄工程、
    次いで前記反応容器を酸化性雰囲気下で1300〜1600℃で5〜20時間にわたって加熱する加熱処理工程、および
    次いで前記反応容器内にナトリウムを含む融液を収容した状態でフラックス法によって単結晶を育成する第二の育成工程、
    を有することを特徴とする、単結晶の育成方法。
  5. 前記反応容器がアルミナからなることを特徴とする、請求項4記載の方法。
  6. 前記単結晶が窒化物単結晶であることを特徴とする、請求項4または5記載の方法。
  7. 前記第一の育成工程後および前記洗浄工程前に、前記反応容器内の前記フラックスを有機溶媒と接触させてナトリウムを除去することを特徴とする、請求項4〜6のいずれか一つの請求項に記載の方法。
JP2010268232A 2009-12-02 2010-12-01 単結晶育成用反応容器の再生方法および単結晶の育成方法 Active JP5496071B2 (ja)

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