JP2011133261A - 杭の水平載荷試験方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】1回の静的水平載荷試験により多数の杭の水平抵抗を求める杭の水平載荷試験方法を提供する。
【解決手段】施工された複数の本杭のうち、1本を試験杭、少なくとも1本は試験杭と異種であるn(nは1以上の整数)本を反力杭として選択する。そして、試験杭および反力杭の各々に荷重評価装置を設け、試験杭および反力杭の各々に変位計を設ける。そして、試験杭および反力杭に荷重を載荷し、荷重評価装置により試験杭および前記反力杭の各々の荷重を計測し、変位計により試験杭および反力杭各々の変位量を計測する。そして、試験杭および反力杭各々の荷重−変位量曲線を作成し、荷重−変位量曲線により杭の水平抵抗を評価する杭の水平載荷試験方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、杭の水平抵抗を計測する水平載荷試験方法に関する。
杭の水平載荷試験は、施工現場において、杭の水平抵抗に関する各種のデータを得ることを目的として行われる。そして、水平載荷試験には静的水平載荷試験(例えば、特許文献1)と動的水平載荷試験がある。一般に静的水平載荷試験の方が精度の高いデータを取得できるとされている。
もっとも、静的水平載荷試験は、1本の試験杭で行われる動的水平載荷試験と異なり、1本以上の反力杭を必要とする。このため、比較的、試験費が高く、かつ、試験準備にも時間がかかる。したがって、複数回の静的水平載荷試験を行って、杭の水平抵抗を取得することは、経費や工期の関係から、実質的には困難である。
そして、特に、建築物の施工現場では異種の杭を本杭として用いる場合があり、このような場合であっても、杭の水平抵抗に関する情報を効果的かつ多量に取得する試験方法が望まれる。
特開2005−315611号公報
本発明は、上記事情を考慮してなされたものであり、その目的とするところは、1回の静的水平載荷試験により、異種の杭を含む多数の杭の水平抵抗を求める杭の水平載荷試験方法を提供することにある。
本発明の一態様の杭の水平載荷試験方法は、施工された複数の本杭のうち、1本を試験杭、少なくとも1本は前記試験杭と異種であるn(nは1以上の整数)本を反力杭として選択し、前記試験杭および前記反力杭の各々に荷重評価装置を設け、前記試験杭および前記反力杭の各々に変位計を設け、前記試験杭および前記反力杭に荷重を載荷し、前記荷重評価装置により前記試験杭および前記反力杭の各々の荷重を計測し、前記変位計により前記試験杭および前記反力杭各々の変位量を計測し、前記試験杭および前記反力杭各々の荷重−変位量曲線を作成し、前記荷重−変位量曲線により杭の水平抵抗を評価することを特徴とする。
上記態様の杭の水平載荷試験方法において、n(nは2以上の整数)本の前記反力杭のうち、少なくとも1本は前記試験杭と同種となるよう選択し、同種の杭の前記荷重−変位量曲線の各々を比較することにより、杭の水平抵抗のばらつきを評価することが望ましい。
本発明によれば、1回の静的水平載荷試験により、異種の杭を含む多数の杭の水平抵抗を求める杭の水平載荷試験方法を提供することが可能となる。
第1の実施の形態の杭の水平載荷試験方法に用いる水平載荷試験装置の平面図である。 第1の実施の形態の杭の水平載荷試験方法に用いる水平載荷試験装置の立面図である。 建築物の本杭の配列の一例を示す平面図である。 第1の実施の形態における試験杭と反力杭の選択を示す図である。 第2の実施の形態における試験杭と反力杭の選択を示す図である。 第2の実施の形態の杭の水平載荷試験方法に用いる水平載荷試験装置の平面図である。 第3の実施の形態の杭の水平載荷試験方法に用いる水平載荷試験装置の平面図である。 第3の実施の形態の杭の水平載荷試験方法に用いる水平載荷試験装置の立面図である。 第3の実施の形態における試験杭と反力杭の選択を示す図である。 第4の実施の形態における試験杭と反力杭の選択を示す図である。 第4の実施の形態の杭の水平載荷試験方法に用いる水平載荷試験装置の平面図である。 実施例の荷重−変位量曲線である。
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。なお、本明細書中、試験杭とは試験において最も着目される杭であり、原則として試験に用いられる杭のなかで最大の荷重が載荷される杭を意味する。また、反力杭とは試験杭に載荷される荷重の反力がかかる杭を意味する。また、本杭とは、施工現場において構造物の基礎として施工した杭を意味する。載荷試験には、試験杭に本杭を用いるものと捨て杭を用いるものの2種類がある。本杭は構造物の基礎として施工した杭であるため、試験時に損傷を与えることは避けなければならない。捨て杭は試験の為に施工した杭であり、損傷を与えることができるため終局強度の確認を必要とする場合に用いる。
また、本明細書中、杭の水平抵抗とは、杭自身の抵抗と地盤抵抗の双方を成分として含む抵抗を意味する。
また、本明細書中、異種の杭とは、例えば、杭の材質、杭径、杭長、杭厚等の杭諸元が異なっており、工学的に同じ杭とみなせない杭を意味する。一方、同種の杭とは、工学的に同じとみなせる杭を意味する。
(第1の実施の形態)
本実施の形態の杭の水平載荷試験方法は、施工された複数の本杭のうち、1本を試験杭、少なくとも1本は試験杭と異種であるn(nは1以上の整数)本を反力杭として選択する。そして、試験杭および反力杭の各々に荷重評価装置を設け、試験杭および反力杭の各々に変位計を設ける。そして、試験杭および反力杭に荷重を載荷し、荷重評価装置により試験杭および反力杭の各々の荷重を計測し、変位計により試験杭および反力杭各々の変位量を計測する。そして、試験杭および反力杭各々の荷重−変位量曲線を作成し、荷重−変位量曲線により杭の水平抵抗を評価する。
図1は、本実施の形態の杭の水平載荷試験方法で用いられる水平載荷試験装置を模式的に示す平面図である。図2は、図1の水平載荷試験装置の立面図である。本実施の形態では、交番試験により杭の水平抵抗を計測する場合を例に説明する。
水平載荷試験装置10は、1本の試験杭12と、2本の反力杭14a、14bを備えている。そして、反力杭14a、14bの配置が試験杭12に対して直列となっている。試験杭12および反力杭14a、14bはすべて本杭である。
水平載荷試験装置10は、交番試験を行うために仮設枠体16が設けられている。また、加力(載荷)のための2つのジャッキ18a、18bを備えている。さらに、不動梁(基準梁)20a、20b、20cが設けられ、試験杭12と、2本の反力杭14a、14bの各々に変位計22a、22b、22cが設けられる。また、試験杭12と、2本の反力杭14a、14bの各々に荷重評価装置としてロードセル24a、24b、24c、24dが設けられている。
試験杭12は、例えば、コンクリート杭または鋼管杭である。そして、試験杭12と2本の反力杭14a、14bはすべて異種の杭である。ここでは、3本の杭がすべて異なる杭径を有している。
試験杭12と反力杭14a、14bには、加力装置であるジャッキ18a、18bから仮設枠体16を介して水平載荷試験をすることができる。この仮設枠体16は、試験杭12と反力杭14a、14bのひずみおよびたわみに比べ無視できる剛性があるように設計されており、例えばH型鋼16a、PC鋼棒16b等で構成される。
杭に作用する主な水平荷重は、土圧や水圧のような定時の一方向水平荷重と地震のような短期の交番水平荷重である。特に、近年は地震による基礎の被害報告も多く、杭基礎についても耐震設計のために交番の水平載荷試験を行うことが望ましい。
本実施の形態の水平載荷試験装置10は、2つのジャッキ18a、18bを用いることにより、交番水平載荷試験ができるよう構成されている。そして、荷重評価装置であるロードセル24a、24b、24c、24dにより試験杭12、反力杭14a、14bそれぞれにかかる荷重の計測が行われる。なお、荷重の計測はロードセルに限らず、圧力変換器等の公知の計測装置を用いることが可能である。
試験杭12の加力(載荷)点は、杭に局部的な破壊や変形が生じないよう適当な補強を施し、載荷点の高さは、杭が実際に荷重を受ける状態に最も近い位置にすることが望ましい。
変位計22aは、不動梁20aに取り付けられ、試験杭12の加力点高さの水平変位量を計測する。また、変位計22bと22cは、それぞれ、不動梁20bと20cに取り付けられ、反力杭14aと14bの加力点高さの水平変位量を計測する。変位計22a、22b、22cとしては、例えば直読式ダイアルゲージ、電気式変位計等、公知の変位計を用いることが可能である。
不動梁20a、20b、20cは、基準点の間隔に応じた十分な剛性を有するものであり、外気温の影響を受けにくいように支持される。
水平載荷試験には、単純に荷重を段階的に増加させて計画最大荷重まで載荷して終了するもの(一サイクル方式)と、各段階または数段階ごとに減荷して0に荷重を戻す手順を繰り返しながら計画載荷荷重を増大させて計画最大載荷荷重に達するもの(多サイクル方式)とがある。
以下、本実施の形態の杭の水平載荷試験方法の具体的手順について説明する。ここでは多サイクル方式を例に説明する。
図3は、建築物の本杭の配列の一例を示す平面図である。本杭はその配置位置によって鉛直支持力の分担が異なっている。
例えば、建築物の重量が平面的に均等で、図3のように杭が等間隔に配置されているとする。P1の配置にある本杭は、ハッチ領域で概念的に示す重量を分担するとする。そうすると、P2の位置ではP1の2倍、P3では3倍、P4では4倍の重量を分担することになる。したがって、通常は、本杭の配置により杭の諸元、例えば杭径が異なることになる。ここでは図3に示すように、P1の杭径<P2の杭径<P3の杭径<P4の杭径という関係が成立する。
まず、本実施の形態の杭の水平載荷試験方法では、例えば、図3のように施工された複数の本杭のうち、1本を試験杭、試験杭と異種である2本を反力杭として選択する。図4は本実施の形態における試験杭と反力杭の選択を示す図である。黒丸が選択される本杭である。
そして、選択した試験杭と反力杭について、図1、図2に示すような水平載荷試験装置を準備する。図4のように選択することで、3本の杭がすべて異なる杭径を有し、試験杭12の杭径>反力杭14aの杭径>反力杭14bの杭径という関係になる。
次に、図1、2において、ジャッキ18aが無い状態で、ジャッキ18bを用いて荷重を計画載荷荷重まで段階的に増加させ水平載荷する。これにより試験杭12は紙面左方向に変位し、反力杭14aと14bは紙面右方向に変位する。この時、試験杭12に加えられる荷重はロードセル24bで求められる。反力杭14a、14bの加えられる荷重はロードセル24b、24c、24dから求められる。
その後、段階的に減荷して0に荷重を戻し、ジャッキ18bをとりはずしてジャッキ18aを装着する。そして、ジャッキ18aを用いて荷重を計画載荷荷重まで段階的に増加させて水平載荷する。これにより、試験杭12は紙面右方向に変位し、反力杭14aと14bは紙面左方向に変位する。この時、試験杭12に加えられる荷重はロードセル24aから求められる。また、反力杭14a、14bの加えられる荷重はロードセル24b、24c、24dから求められる。その後、段階的に減荷して0に荷重を戻す。
上記手順を1サイクルとし、このサイクルを繰り返しながらサイクル毎に計画載荷荷重を増大させ、計画最大載荷荷重(あるいは計画最大変位)に達するまで水平載荷を行う。この間、試験杭12の各段階の荷重に対する変位量を変位計22aで計測する。また、反力杭14aと14bの各段階の荷重に対する変位量を、それぞれ変位計22bと22cで計測する。
その後、試験杭12について得られた荷重の計測値と変位量の計測値から荷重−変位量曲線を作成する。荷重−変位量曲線を作成する際、各段階で先の段階で加えられた荷重を超える荷重(新規荷重または処女荷重)に対する計測値のみを用いることが望ましい。後に、反力杭14a、14bの荷重−変位量曲線との比較が容易になるからである。
次に、試験杭12と同様に、反力杭14aと14bについて得られた荷重の計測値と変位量の計測値から荷重−変位量曲線を作成する。荷重−変位量曲線を作成する際、各段階で先の段階で加えられた荷重を超える荷重(新規荷重または処女荷重)に対する計測値のみを用いることが望ましい点についても試験杭12の場合と同様である。
以上のように作成された試験杭の荷重−変位量曲線、および、反力杭の荷重−変位量曲線により杭の水平抵抗を評価する。
このように、各々の杭に荷重評価装置を設ける本実施の形態によれば、杭種の異なる現場であっても、1回の静的水平載荷試験により、杭の水平抵抗を複数の箇所について容易に求めることが可能となる。したがって、1回の静的水平載荷試験により、杭の水平抵抗に関する情報を効果的かつ多量に取得することが可能となる。
なお、ここでは2本の反力杭を選択する場合を例に説明したが、反力杭は1本または3本以上であってもかまわない。
(第2の実施の形態)
本実施の形態の杭の水平載荷試験方法は、n(nは2以上の整数)本の反力杭のうち、少なくとも1本は試験杭と同種となるよう選択し、同種の杭の荷重−変位量曲線の各々を比較することにより、杭の水平抵抗のばらつきをも評価する点で、第1の実施の形態と異なっている。この点以外は、第1の実施の形態と同様である。したがって、第1の実施の形態と重複する内容については記載を省略する。
図5は本実施の形態における試験杭と反力杭の選択を示す図である。黒丸が選択される本杭である。
図6は、本実施の形態の杭の水平載荷試験方法で用いられる水平載荷試験装置を模式的に示す平面図である。水平載荷試験装置20は、1本の試験杭12と、2本の反力杭14a、14bを備えている。そして、反力杭14a、14bの配置が試験杭12に対して直列となっている。試験杭12および反力杭14a、14bはすべて本杭である。図5のように選択することで、水平載荷試験装置20では、試験杭12と、反力杭14aが同種の杭となり、試験杭12の杭径=反力杭14aの杭径>反力杭14bの杭径という関係になる。
本実施の形態では、第1の実施の形態同様、作成された試験杭の荷重−変位量曲線、および、反力杭の荷重−変位量曲線により杭の水平抵抗を評価する。さらに、同種の杭である試験杭12と、反力杭14aの荷重−変位量曲線を比較することにより杭の水平抵抗のばらつきを評価する。
ここで、試験杭12、反力杭14aは、同種の杭である。このため、地盤抵抗もほぼ等しければ、2つの荷重−変位量曲線、すなわち、試験杭12の荷重−変位量曲線と、反力杭14aの荷重−変位量曲線とがほぼ同じ傾向を示すはずである。
したがって、試験杭12の荷重−変位量曲線と、反力杭14aの荷重−変位量曲線とで大きな不一致が見られる場合には、杭の水平抵抗がばらついていると判断できる。言い換えれば、杭自身の抵抗と地盤抵抗のいずれかまたは双方がばらついていると判断できる。
実際には、反力杭に生じる荷重は、試験杭に生じる荷重よりは小さくなる。本実施の形態とは異なるが、仮に、試験杭と反力杭がすべて同種であるとすると、反力杭がn本の場合、反力杭に生じる荷重は試験杭に生じる荷重の1/nである。したがって、反力杭で計測される荷重−変位量曲線の範囲は、おおよそ試験杭の荷重−変位量曲線の1/nの範囲である。しかしながら、反力杭の荷重−変位量曲線は、試験杭の荷重−変位量曲線を参考にすれば傾向は推定できる。よって、試験杭と反力杭の水平抵抗のばらつきは把握可能である。
このように、本実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果に加え、同種の杭の荷重−変位量曲線により、杭の水平抵抗のばらつきも評価することが可能となる。
(第3の実施の形態)
本実施の形態の杭の水平載荷試験方法は、第1の実施の形態では複数の反力杭の配置が試験杭に対して直列であるのに対し、並列である点で異なっている。
図7は、本実施の形態の杭の水平載荷試験方法で用いられる水平載荷試験装置を模式的に示す平面図である。図8は、図7の水平載荷試験装置の立面図である。本実施の形態では、交番試験により杭の水平抵抗を計測する場合を例に説明する。
水平載荷試験装置30は、1本の試験杭32と、3本の反力杭34a、34b、34cを備えている。そして、反力杭34a、34b、34cの配置が試験杭32に対して並列となっている。試験杭32および反力杭34a、34b、34cはすべて本杭である。
そして、交番試験を行うために仮設枠体36が設けられている。また、加力(載荷)のための2つのジャッキ38a、38bを備えている。さらに、不動梁(基準梁)40a、40b、変位計42a、42b、42c、42dを備えている。さらに、試験杭32および反力杭34a、34b、34cの各々に荷重評価装置としてロードセル44a、44b、44c、44d、44e、44f、44g、44hが設けられている。
試験杭32は、例えば、コンクリート杭または鋼管杭である。また、試験杭32と3本の反力杭34a、34b、34cはすべて異種の杭である。ここでは、4本の杭がすべて異なる杭径を有している。
試験杭32と反力杭34a、34b、34cには、加力装置であるジャッキ38aから仮設枠体36を介して水平載荷試験をすることができる。この仮設枠体36は、試験杭32と反力杭34a、34b、34cのひずみおよびたわみに比べ無視できる剛性があるように設計されており、例えばH型鋼36a、PC鋼棒36b等で構成される。また、試験杭32と反力杭34a、34b、34cには、加力装置であるジャッキ38bからH型鋼37を介して水平載荷試験をすることができる。なお、PC鋼棒36bとH型鋼37は構造上非接触となっている。
杭に作用する主な水平荷重は、土圧や水圧のような定時の一方向水平荷重と地震のような短期の交番水平荷重である。特に、近年は地震による基礎の被害報告も多く、杭基礎についても耐震設計のために交番の水平載荷試験を行うことが望ましい。
本実施の形態の水平載荷試験装置30は、2つのジャッキ38a、38bを用いることにより、交番水平載荷試験ができるよう構成されている。そして、ロードセル44a、44bにより試験杭32にかかる荷重の計測が行われる。また、反力杭34a、34b、34cの各々に設けられたロードセル44c、44d、44e、44f、44g、44hにより、反力杭34a、34b、34cにかかる荷重を個々に独立に計測することが可能である。なお、荷重の計測はロードセルに限らず、圧力変換器等、公知の計測装置を用いることが可能である。
試験杭32の加力(載荷)点は、杭に局部的な破壊や変形が生じないよう適当な補強を施し、載荷点の高さは、杭が実際に荷重を受ける状態に最も近い位置にすることが望ましい。
変位計42aは、不動梁40aに取り付けられ、試験杭32の加力点高さの水平変位量を計測する。また、変位計42b、42c、42dは、それぞれ、不動梁40bに取り付けられ、反力杭34a、34b、34cの加力点高さの水平変位量を計測する。変位計42a、42b、42c、42dとしては、例えば直読式ダイアルゲージ、電気式変位計等、公知の変位計を用いることが可能である。
不動梁40a、40bは、基準点の間隔に応じた十分な剛性を有するものであり、外気温の影響を受けにくいように支持される。
まず、本実施の形態の杭の水平載荷試験方法では、例えば、図3のように施工された複数の本杭のうち、1本を試験杭、試験杭と異種である3本を反力杭として選択する。図9は本実施の形態における試験杭と反力杭の選択を示す図である。黒丸が選択される本杭である。
そして、選択した試験杭と反力杭について、図7、図8に示すような水平載荷試験装置を準備する。図9のように選択することで、4本の杭がすべて異なる杭径を有し、試験杭32の杭径>反力杭34cの杭径>反力杭34b>反力杭34aの杭径という関係になる。
本実施の形態の杭の水平載荷試験方法の具体的手順については、基本的に第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様、杭種の異なる現場であっても、1回の静的水平載荷試験により杭の水平抵抗を複数の箇所について容易に求めることが可能となる。したがって、1回の静的水平載荷試験により、杭の水平抵抗に関する情報を効果的かつ多量に取得することが可能となる。
なお、ここでは3本の反力杭を選択する場合を例に説明したが、反力杭は2本または4本以上であってもかまわない。
(第4の実施の形態)
本実施の形態の杭の水平載荷試験方法は、試験杭とn(nは2以上の整数)本の反力杭のうち、少なくとも2本は同種となるよう選択し、同種の杭の荷重−変位量曲線の各々を比較することにより、杭の水平抵抗のばらつきをも評価する点で、第3の実施の形態と異なっている。この点以外は、第1の実施の形態と同様である。したがって、第3の実施の形態と重複する内容については記載を省略する。
図10は本実施の形態における試験杭と反力杭の選択を示す図である。黒丸が選択される本杭である。
図11は、本実施の形態の杭の水平載荷試験方法で用いられる水平載荷試験装置を模式的に示す平面図である。水平載荷試験装置40は、1本の試験杭32と、3本の反力杭34a、34b、34cを備えている。そして、反力杭34a、34b、34cの配置が試験杭32に対して並列となっている。試験杭32および反力杭34a、34b、34cはすべて本杭である。水平載荷試験装置40では、図10のように選択することで、試験杭32と、反力杭34a、34bの3本が同種の杭となり、試験杭32の杭径=反力杭34aの杭径=反力杭34bの杭径>反力杭34cの杭径という関係になる。
本実施の形態では、第3の実施の形態同様、作成された試験杭の荷重−変位量曲線、および、反力杭の荷重−変位量曲線により杭の水平抵抗を評価する。さらに、同種の杭である試験杭32と、反力杭34a、34bの荷重−変位量曲線を比較することにより杭の水平抵抗のばらつきを評価する。
ここで、試験杭32、反力杭34a、34bは、同種の杭であるため、3つの荷重−変位量曲線、すなわち、試験杭32の荷重−変位量曲線と、反力杭34a、34bの荷重−変位量曲線とがほぼ同じ傾向を示すはずである。
したがって、試験杭32の荷重−変位量曲線、反力杭34a、34bのいずれかの荷重−変位量曲線で大きな不一致が見られる場合には、杭の水平抵抗がばらついていると判断できる。言い換えれば、杭自身の抵抗と地盤抵抗のいずれかまたは双方がばらついていると判断できる。
もし、試験杭32、反力杭34a、34bの荷重−変位量曲線がほぼ同じ傾向を示せば、本杭の杭体および地盤剛性にばらつきがなく,試験杭が施工した同種の杭の代表と評価できることを意味していると判断できる。
このように、本実施の形態によれば、第3の実施の形態の効果に加え、同種の杭の荷重−変位量曲線により、杭の水平抵抗のばらつきも評価することが可能となる。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。上記、実施の形態はあくまで、例として挙げられているだけであり、本発明を限定するものではない。また、実施の形態の説明においては、杭の水平載荷試験方法について、本発明の説明に直接必要としない部分等については記載を省略したが、必要とされる杭の水平載荷試験方法に関わる要素を適宜選択して用いることができる。
例えば、実施の形態においては、多サイクル方式の水平交番載荷試験を例に説明したが、一サイクル方式の水平載荷試験、または、一方向の水平載荷試験にも本発明の杭の水平載荷試験方法を適用することができる。
また、実施の形態では異種の杭として杭径が異なる場合を例に説明したが、杭径以外の杭諸元が異なっている杭であってもかまわない。
また、本杭の選択について、直列と並列が組み合わさった選択を行ってもかまわない。例えば、図9において、P3を本杭とする構成であってもかまわない。
また、載荷試験の載荷方式には、段階載荷方式と連続載荷方式がある。段階載荷方式は荷重または変位を段階的に増減させ、荷重または変位を一定時間保持する方法で載荷する。連続載荷方式は荷重または変位を連続的に差異化する方法である。実施の形態では段階載荷方式で説明したが、連続載荷方式を適用しても構わない。
また、第2、第4の実施の形態では、反力杭の少なくとも1本が試験杭と同種の場合について説明した。試験杭が正常か否かを判断したい場合はこの形態が望ましい。しかし、試験杭と同種の杭が反力杭の中にない形態であっても、少なくとも2本の同種の反力杭があれば、この2本の間でばらつきを評価することは可能である。
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全ての杭の水平載荷試験方法は、本発明の範囲に包含される。本発明の範囲は、特許請求の範囲およびその均等物の範囲によって定義されるものである。
以下に、本発明の実施例を説明する。
表1の仕様の試験杭と反力杭を用い、第4の実施の形態で説明した図11の水平載荷試験装置40を用いて、第4の実施の形態と同様の杭の水平載荷試験方法をおこなう。表1のように、反力杭のうちの1本である反力杭34cのみが杭径の異なる異種の杭である。
Figure 2011133261
図12は、実施例の荷重−変位量曲線である。ここでは交番試験の片側のみを図示している。なお、試験杭の荷重−変位量曲線と、反力杭の荷重−変位量曲線の比較を容易にするために、反力杭の変位量と荷重の値の符号を反転させている。
試験杭32と、これと同種の反力杭34a、34bの荷重−変位量曲線は、ほぼ同じ傾向を示し、杭の水平抵抗にばらつきのないことがわかる。また、異種の杭である反力杭34cについても、荷重−変位量曲線が求められる。
このように、杭種の異なる現場であっても、1回の静的水平載荷試験により、試験杭の水平抵抗のばらつきの確認と、異種杭の荷重−変位量曲線を求めることができる。また、杭の水平抵抗を複数の箇所について容易に求められる。
10 水平載荷試験装置
12 試験杭
14a、b 反力杭
16 仮設枠体
18a、b ジャッキ
20a〜c 不動梁
22a〜c 変位計
24a、b、c、d ロードセル
30 水平載荷試験装置
32 試験杭
34a〜c 反力杭
36 仮設枠体
38a、b ジャッキ
40a、b 不動梁
42a〜d 変位計
44a〜h ロードセル

Claims (2)

  1. 施工された複数の本杭のうち、1本を試験杭、少なくとも1本は前記試験杭と異種であるn(nは1以上の整数)本を反力杭として選択し、
    前記試験杭および前記反力杭の各々に荷重評価装置を設け、
    前記試験杭および前記反力杭の各々に変位計を設け、
    前記試験杭および前記反力杭に荷重を載荷し、
    前記荷重評価装置により前記試験杭および前記反力杭の各々の荷重を計測し、
    前記変位計により前記試験杭および前記反力杭各々の変位量を計測し、
    前記試験杭および前記反力杭各々の荷重−変位量曲線を作成し、
    前記荷重−変位量曲線により杭の水平抵抗を評価することを特徴とする杭の水平載荷試験方法。
  2. n(nは2以上の整数)本の前記反力杭のうち、少なくとも1本は前記試験杭と同種となるよう選択し、
    同種の杭の前記荷重−変位量曲線の各々を比較することにより、杭の水平抵抗のばらつきを評価することを特徴とする請求項1記載の杭の水平載荷試験方法。


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