JP2011124873A - 音源分離装置、方法及びプログラム - Google Patents

音源分離装置、方法及びプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2011124873A
JP2011124873A JP2009282025A JP2009282025A JP2011124873A JP 2011124873 A JP2011124873 A JP 2011124873A JP 2009282025 A JP2009282025 A JP 2009282025A JP 2009282025 A JP2009282025 A JP 2009282025A JP 2011124873 A JP2011124873 A JP 2011124873A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sound
signal
frequency
target
component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009282025A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5170465B2 (ja
Inventor
Makoto Morito
誠 森戸
Takashi Yato
隆 矢頭
Kei Yamada
圭 山田
Tetsunori Kobayashi
哲則 小林
Kenzo Akagiri
健三 赤桐
Tetsuji Ogawa
哲司 小川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Waseda University
Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Waseda University
Oki Electric Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Waseda University, Oki Electric Industry Co Ltd filed Critical Waseda University
Priority to JP2009282025A priority Critical patent/JP5170465B2/ja
Publication of JP2011124873A publication Critical patent/JP2011124873A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5170465B2 publication Critical patent/JP5170465B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Obtaining Desirable Characteristics In Audible-Bandwidth Transducers (AREA)
  • Circuit For Audible Band Transducer (AREA)

Abstract

【課題】音源分離性能の劣化を少なくする。
【解決手段】本発明の音源分離装置は、目的音と、目的音の音源とは異なる音源から発生した妨害音とを分離するものであり、所定の受音処理に従って2個の音入力部から入力した入力音を受音信号に変換する1又は複数の入力手段と、各入力手段からの各受音信号の周波数成分を分析する1又は複数の周波数分析手段と、各受音信号の周波数成分に基づいて複数の受音信号の周波数成分の特性を正規化する1又は複数の信号特性補正手段と、正規化された各受音信号の周波数成分に基づき目的音の到来方向以外の所定方向から到来した音の周波数成分を抑圧して得た1又は複数の第1音信号成分と、目的音の到来方向から音の周波数成分を抑圧して得た第2音信号成分とを分離する1又は複数の分離手段と、各第1音信号成分と第2音信号成分とを用いて目的音特性成分を求める除去手段とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、音源分離装置、方法及びプログラムに関し、例えば、目的音と、この目的音の到来方向以外の任意の方向から到来する妨害音とを分離する音源分離装置、方法及びプログラムに適用し得るものである。
例えば、音声操作が可能な機器(例えば、カーナビゲーションシステム、対話型ロボット等)は音声を正確に認識することが求められる。又例えば、電話システム等においてメッセージを録音する場合には、聞き取りやすい音声を録音することが求められる。
このように、音声認識の利用、あるいは電話メッセージ録音の利用を行う場合、マイクロフォンから音声を入力するが、周囲雑音等が一緒に入力されることによって音声認識の精度が極度に劣化したり、あるいは録音した音声が雑音のために聞き取りにくい等の問題が生じ得る。
このため、マイクロフォンアレーにより指向特性を制御する等して、所望の音声だけを選択的に収録する試みがなされているが、このような指向特性の制御だけでは、所望の音声を背景雑音から分離して取り出すことは困難であった。
なお、マイクロフォンアレーによる指向特性の制御技術自体は、公知の技術であり、例えば、遅延和アレー(DSA:Delayed Sum Array、または以下ではBF:Beam-Formingと呼ぶこともある。)による指向特性制御に関する技術、あるいはDCMP(Directionally Constrained Minimization of Power)アダプティブアレーによる指向特性制御に関する技術等がある。
一方、遠隔発話による音声を分離する技術として、複数の固定マイクロフォンの出力信号を狭帯域スペクトル分析し、周波数帯域毎に最も大きな振幅を与えたマイクロフォンにその周波数帯域の音を割り当てる技術(SAFIAと称されている。)もある(特許文献1参照)。
この帯域選択(BS:Band Selection)による音声の分離技術は、所望の音声を得るために、所望の音声を発する音源に最も近いマイクロフォンを選び、そのマイクロフォンに割り当てられた周波数帯域の音成分を使って音声を合成するという技術である。
また、更なる技術として、帯域選択の方法に改良を加えた方法として、特許文献2に記載される技術がある。この特許文献2に記載の音源分離方法について、図8を用いて簡単に説明する。
図8に示す音源分離装置300は、2個のマイクロフォン321、322が、目的音到来方向と直角又は略直角をなす方向に並べて配置されている。
目的音優勢信号生成手段330は、時間領域上又は周波数領域上で、2個のマイクロフォン321、322のうちの一方のマイクロフォンからの受音信号と、他方のマイクロフォンからの受音信号に遅延処理を施した後の信号との差をとって第1の目的音優勢の信号を生成する第1目的音優勢信号生成手段331と、時間領域上又は周波数領域上で、他方のマイクロフォンの受音信号と、一方のマイクロフォンの受音信号に遅延処理を施した後の信号との差をとって第2の目的音優勢の信号を生成する第2目的音優勢信号生成手段332とを備えて構成されている。
目的音劣勢信号生成手段340は、時間領域上又は周波数領域上で、2個のマイクロフォン321、322の受音信号の差をとり、目的音劣勢の信号を生成する構成を備えている。
第1目的音優勢信号生成手段331、第2目的音優勢信号生成手段332及び目的音劣勢信号生成手段340から出力される第1の目的音優勢の信号、第2の目的音優性の信号及び目的音劣勢の信号は、周波数解析手段350で周波数分析される。
そして、第1分離手段361において、
(第1の目的音優勢の信号のスペクトル)−(目的音劣勢の信号のスペクトル)
が演算され、目的音を含む一方の分離音のスペクトルを得る。
また、第2分離手段362において
(第2の目的音優勢の信号のスペクトル)−(目的音劣勢の信号のスペクトル)
が演算され、目的音を含む他方の分離音のスペクトルを得る。
次に、統合処理363において、一方の分離音のスペクトルと他方の分離音のスペクトルとの両者を加えることにより、分離された目的音のスペクトルを得ている。
特開平10−313497号公報 特開2006−197552号公報
前述した特許文献1に記載されるようなSAFIAでは、2個の音が重なった状況において、両者を精度良く分離することができるが、音源が3個以上となると、理論的には分離可能とされているものの、分離性能は極端に劣化する。従って、複数の雑音源が存在する状況下で、これら複数の雑音から目的音を精度良く分離することは困難であるという問題がある。
一方、特許文献2に記載の方法は、各音源からの音声が適切に強調された各周波数特性を算出し、これらの各周波数特性における同一の周波数帯域の振幅値同士の大小比較を適切に行い、妨害音を排除している。
図8において、第1目的音優勢信号生成手段331、第2目的音優勢信号生成手段332及び目的音劣勢信号生成手段340には、空間フィルタと呼ばれるフィルタが使われている。
ここで、空間フィルタについて、図6を用いて簡単に説明する。
図6(A)は、抑圧角度=θの場合の空間フィルタの利得特性を示す図である。図6(A)において、2個のマイクロフォン(マイク1、マイク2)を結ぶ線に対して垂直方向を正面とする。また、正面方向に対して角度θ(ここでは左方向を正とする。)から到来する音が入力するものとし、この角度θ方向から到来する音を抑圧する場合を例示する。
このとき、図6(B)に示すように、間隔dで配置された2個のマイク1及びマイク2の間で、角度θで到来する音の伝播距離はd×sinθの距離差が生じる。その結果として、マイク1及びマイク2に到来する音は、式(1)で与える時間差τが生じる。
τ=(d×sinθ)/(音の伝播速度) …(1)
そこで、マイク2の出力信号X(t)から、マイク1の出力信号X(t)を時間差τだけ遅延させた出力信号X(t−τ)を減じると、お互いが相殺され、抑圧角度θ方向からの音は抑圧される。
第1目的音優勢信号生成手段331及び第2目的音優勢信号生成手段332は、抑圧角度を、例えば、−90度、90度に設定した空間フィルタを用いて、正面から到来する目的音成分を抽出するとともに、妨害音成分を抑圧している。
一方、目的音劣勢信号生成手段340は、抑圧角度0度の空間フィルタを用いて、目的音成分を抑圧するとともに、妨害音声成分を抽出している。
ところで、これらの空間フィルタは、2個のマイクロフォンからの入力信号を利用している。
しかし、一般に、マイクロフォンは、製造誤差等により、音圧に対する電圧変換効率(以下、マイクゲインと呼ぶ。)が大きく異なる。また、マイク入力回路にも使われる抵抗などの製造誤差により、マイクロフォンから入力した受音信号の周波数特性が異なることがある。
図7は、抑圧角度θ=0のときの空間フィルタの特性を示す図である。図7において、横軸はマイクに対する角度を表し、縦軸は空間フィルタの利得特性を表す。破線は、2個のマイクのマイクゲインが同じ場合の空間フィルタ特性を示し、実線は、一方のマイクのマイクゲインが0.9の場合(他方のマイクのマイクゲインは1.0の場合)の空間フィルタ特性を示す。
図7に示すように、2個のマイクのマイクゲインが同じ場合(破線)、抑圧角度において空間フィルタ特性は「0」になっており、抑圧角度方向から到来した音成分を抑圧できることがわかる。
一方、片方のマイクのマイクゲインが0.9の場合(実線)、2個のマイクのマイクゲインが揃っていないため、抑圧角度でも空間フィルタの特性が「0」になっていないので、十分に抑圧角度からの音を抑圧できておらず、抑圧性能が低下していることがわかる。すなわち、抑圧角度方向から到来した音成分を十分に抑圧できていないことがわかる。
このように、空間フィルタにおいて、所望の特性を得るためには、2個のマイクロフォンのマイクゲイン、受音信号の周波数特性が同一であることが必要となる。
そのため、目的音と、この目的音の到来方向以外の任意の方向から到来する妨害音とを分離するものであって、配置された2個のマイクロフォンのマイクゲイン、受音信号の周波数特性を同一にし、空間フィルタ特性を所望の特性に修正することができる音源分離装置及びプログラムが求められている。
そこで、本発明は、上記課題に鑑み、例えば製造誤差等によるマイク特性を補正することにより、空間フィルタ特性を所望の特性として、音源分離性能の劣化を少なくした音源分離装置、方法及びプログラムを提供する。
かかる課題を解決するために、第1の本発明の音源分離装置は、目的音と、目的音の音源とは異なる音源から発生した妨害音とを分離する音源分離装置において、(1)所定の受音処理に従って、2個の音入力部から入力した入力音を受音信号に変換する1又は複数の入力手段と、(2)各入力手段からの各受音信号の周波数成分を分析する1又は複数の周波数分析手段と、(3)各周波数分析手段からの各受音信号の周波数成分に基づいて、複数の受音信号の周波数成分の特性を正規化する1又は複数の信号特性補正手段と、(4)各信号特性補正手段により周波数成分の特性が正規化された各受音信号の周波数成分に基づき、目的音の到来方向以外の所定方向から到来した音の周波数成分を抑圧して得た1又は複数の第1音信号成分と、目的音の到来方向から音の周波数成分を抑圧して得た第2音信号成分とを分離する1又は複数の分離手段と、(5)各分離手段からの1又は複数の第1音信号成分と第2音信号成分とを用いて、目的音の特性を示す目的音特性成分を求める除去手段とを備えることを特徴とする。
第2の本発明の音源分離方法は、目的音と、目的音の音源とは異なる音源から発生した妨害音とを分離する音源分離装置の音源分離方法において、(1)入力手段が、所定の受音処理に従って、2個の音入力部から入力した入力音を受音信号に変換する入力工程と、(2)周波数分析手段が、入力手段からの各受音信号の周波数成分を分析する周波数分析工程と、(3)信号特性補正手段が、周波数分析手段からの各受音信号の周波数成分に基づいて、複数の受音信号の周波数成分の特性を正規化する信号特性補正工程と、(4)分離手段が、信号特性補正手段により周波数成分の特性が正規化された各受音信号の周波数成分に基づき、目的音の到来方向以外の所定方向から到来した音の周波数成分を抑圧して得た1又は複数の第1音信号成分と、目的音の到来方向から音の周波数成分を抑圧して得た第2音信号成分とを分離する分離工程と、(5)除去手段が、分離手段からの1又は複数の第1音信号成分と第2音信号成分とを用いて、目的音の特性を示す目的音特性成分を求める除去工程とを有することを特徴とする。
第3の本発明の音源分離プログラムは、目的音と、目的音の音源とは異なる音源から発生した妨害音とを分離する音源分離プログラムにおいて、所定の受音処理に従って、2個の音入力部から入力した入力音を受音信号に変換する1又は複数の入力手段を備える音源分離装置を、(1)各入力手段からの各受音信号の周波数成分を分析する周波数分析手段、(2)周波数分析手段からの各受音信号の周波数成分に基づいて、複数の受音信号の周波数成分の特性を正規化する信号特性補正手段、(3)信号特性補正手段により周波数成分の特性が正規化された各受音信号の周波数成分に基づき、目的音の到来方向以外の所定方向から到来した音の周波数成分を抑圧して得た1又は複数の第1音信号成分と、目的音の到来方向から音の周波数成分を抑圧して得た第2音信号成分とを分離する分離手段、(4)分離手段からの1又は複数の第1音信号成分と第2音信号成分とを用いて、目的音の特性を示す目的音特性成分を求める除去手段として機能させることを特徴とする。
本発明によれば、配置されたマイクロフォンのマイクゲイン、受音信号の周波数特性とが同一となるように補正することができ、空間フィルタ特性を所望の特性に修正することができるので、妨害音から目的音を分離する音源分離性能の劣化を少なくすることができる。
第1の実施形態の音源分離装置の内部構成を示すブロック図である。 第1の実施形態のゲイン算出部の内部構成示すブロック図である。 第2の実施形態の音源分離装置の内部構成を示すブロック図である。 第2の実施形態のゲイン算出部の内部構成示すブロック図である。 第3の実施形態の音源分離装置の内部構成を示すブロック図である。 空間フィルタによる妨害音除去の処理を説明する説明図である。 空間フィルタ利得特性を説明する説明図である。 従来の音源分離装置の内部構成を示すブロック図である。
(A)第1の実施形態
以下では、本発明の音源分離装置、方法及びプログラムの第1の実施形態を図面を参照しながら説明する。
第1の実施形態では、目的音と、この目的音の到来方向以外の任意の方向から到来する音(妨害音)とを分離する音源分離装置に本発明を適用した場合の実施形態を例示する。
なお、第1の実施形態の音源分離装置の用途は特に限定されるものではなく、例えば、音声認識装置や音声録音装置の前処理装置としての雑音除去装置、ハンズフリー通話が可能な電話機(携帯電話機、固定電話機を含む)等が音声を捕捉する初期処理装置など広く適用することができる。
(A−1)実施形態の構成及び動作
図1は、第1の実施形態の音源分離装置10Aの内部構成を示すブロック図である。
図1において、第1の実施形態の音源分離装置10Aは、大きくは、入力手段20、分析手段30、分離手段40、除去手段50、生成手段60を有して構成されるものである。
音源分離装置10Aの各構成要素は、それぞれ専用のハードウェア(例えば半導体チップ等)で構成されても良く、又プロセッサ(例えばCPU等)を有する装置に、後述する各構成要素の機能を実行するためのプログラムを搭載することによりソフトウェア処理によって実現するようにしても良い。
入力手段20は、音源からの音を捕捉し、捕捉した受音信号を分析手段30に与えるものである。入力手段20は、所定の間隔を置いて配置された2個のマイクロフォンM21及びマイクロフォンM22を音捕捉手段として有する。
マイクロフォンM21及びM22は、捕捉した音声を電気信号に変換するものである。ここで、マイクロフォンM21及びM22は、既存のマイクロフォンを適用することができるが、捕捉した音声を電気信号に変換する際に、所定のマイクゲインにより電気信号に変換する。
また、入力手段20は、図示しないアナログ/ディジタル変換器を有する。この図示しないアナログ/ディジタル変換器は、マイクロフォンM21及びM22から出力される受音信号(アナログ信号)をディジタル変換するものであり、ディジタル受音信号を分析手段30に与えるものである。
例えば、アナログ/ディジタル変換器は、入力されたアナログ受音信号を、標本化周期T毎に標本化して得られたディジタル信号を、受音信号として分析手段30に出力する。例えば、標本化周期Tは、通常用いられる31.25マイクロ秒〜125マイクロ秒程度を適用することができる。
なお、マイクロフォンM21から出力されるディジタル受音信号をx1(n)とし、マイクロフォンM22から出力されるディジタル受音信号をx2(n)とする。ここで、nは、n番目のサンプルデータであることを示す。
ここで、音声分離装置10では、同一時間区間における、N個の連続するx1(n)、x2(n)を1つの分析単位(以下、フレームともいう。)として処理を行う。例えば、N=1024(個)とすることができる。そして、処理対象の分析単位に対する当該音源分離の一連の処理が終了すると、x1(n)、x2(n)のうち後半の(3N/4)個のデータを前半にシフトし、新たに入力された連続する(N/4)個のデータを後半に接続することにより、新たなN個の連続するx1(n)、x2(n)を生成し、1つの分析単位として新たな処理を行い、このような処理対象分析単位の処理を繰り返すようになされている。
なお、第1の実施形態では、入力手段20においてマイクロフォンM21及びM22が捕捉した音をディジタル受音信号とする場合を例示しているが、これに限定されるものではない。例えば、記録媒体等から読み出された音信号を当該ディジタル受音信号としても良いし、又例えば、他の装置から通信によって与えられたディジタル信号を当該ディジタル受音信号としても良い。
分析手段30は、入力手段20から受け取ったディジタル受音信号x1(n)、x2(n)に対して周波数分析を行うものである。また、分析手段30は、ディジタル受音信号x1(n)、x2(n)の周波数分析結果を用いて、入力手段20でのマイクゲインの正規化を行うものである。
分析手段30は、図1に示すように、周波数分析部31、周波数分析部32、信号特性補正手段70を少なくとも有する。また、信号特性補正手段70は、乗算部33、乗算部34、ゲイン算出部35を少なくとも有する。
周波数分析部31及び周波数分析部32は、妨害音(例えば雑音等)が混在したディジタル受音信号x1(n)及びx2(n)を入力し、このディジタル受音信号x1(n)及びx2(n)の周波数分析処理を行うものである。
周波数分析部31は、ディジタル受音信号x1(n)の周波数分析を行い、周波数分析部32は、ディジタル受音信号x2(n)の周波数分析を行う。
ここで、周波数分析方法としては、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)に限定されず、離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)や、一般的調和解析(GHA:Generalized Harmonic Analysis)等の周波数分析方法を広く適用することができる。
例えば、FFT処理を適用する場合、周波数分析部31及び周波数分析部32は、N個の連続するディジタル受音信号x1(n)、x2(n)に対して、窓関数をかける。この窓関数w(n)としては、各種の窓関数を適用可能であるが、例えば、式(2)に示すような、ハニング窓を適用することができる。窓処理は、後述するように生成手段60における分析単位の接続処理を考慮してなされる処理である。
Figure 2011124873
ただし、周波数分析部31及び周波数分析部32において、窓関数をかけることは好ましいが、必須ではないことに注意されたい。
周波数分析部31は、ディジタル受音信号x1(n)に対する周波数分析処理により得られた信号C1(m)を、乗算部33及びゲイン算出部35に与える。また、周波数分析部32は、ディジタル受音信号x2(n)に対する周波数分析処理により得られた信号C2(m)を、乗算部34及びゲイン算出部35に与える。なお、このC1(m)及びC2(m)は複素数である。
なお、分析手段30において、当該音源分離装置10Aを搭載する装置によっては、他の目的の処理を行う構成を備えるようにしても良い。例えば、当該音源分離装置10Aの搭載装置がIP電話機の場合には、IPパケットのペイロードにはFFT出力信号を符号化したものを挿入するため、そのペイロードに含まれるFFT出力信号を獲得するための復号手段を、周波数分析部31及び32に代えて当該分析手段30が有するような構成としても良い。
ゲイン算出部35は、周波数分析部31及び周波数分析部32から周波数分析された出力信号C1(m)及びC2(m)を受け取り、これら出力信号C1(m)及びC2(m)に基づき、マイクロフォンM21及びマイクロフォンM22による利得(マイクゲイン)のばらつきを補正するものである。
ここで、ゲイン算出部35によるゲインの補正処理の一例を、図2を参照しながら説明する。図2は、ゲイン算出部35の内部構成を示すブロック図である。
図2において、ゲイン算出部35は、第1パワー算出部351、第2パワー算出部352、第1ゲイン計算部353、第2ゲイン計算部354を有する。
第1パワー算出部351及び第2パワー算出部352は、周波数分析部31から出力されたC1(m)及びC2(m)に基づいて、マイクロフォンM21及びマイクロフォンM22から出力された受音信号のパワー値を求めるものである。
第1パワー算出部351は、マイクロフォンM21から出力された受音信号のパワー値を求めるものであり、第2パワー算出部352は、マイクロフォンM21から出力された受音信号のパワー値を求めるものである。
ここで、パワー値の算出方法の一例として、第1パワー算出部351及び第2パワー算出部352は、式(3)及び式(4)に従ってそれぞれのパワー値p1及びP2を求める。
Figure 2011124873
例えば、式(3)は、マイクロフォンM21から出力された受音信号の信号成分C1(m)を自乗したものを1フレーム区間で加算して、1フレーム区間のパワー値p1を求めることを示す。式(4)も、マイクロフォンM22から出力された受話信号について同様である。
第1ゲイン計算部353は、第1パワー算出部351からのパワー値p1と第2パワー算出部352からのパワー値p2とに基づいて、マイクロフォンM21による利得(ゲイン)を補正するものである。また、第1ゲイン計算部353は、その補正したゲイン値G1を乗算部33に与える。
第2ゲイン計算部354も、同様に、第1パワー算出部351からのパワー値p1と第2パワー算出部352からのパワー値p2とに基づいて、マイクロフォンM22による利得(ゲイン)を補正し、補正したゲイン値G2を乗算部34に与える。
ここで、ゲイン値の補正方法の一例として、第1ゲイン計算部353及び第2ゲイン計算部354は、式(5)及び式(6)に従って、補正したゲイン値G1及びG2を求める。
Figure 2011124873
例えば、式(5)は、パワー値p1とパワー値p2とを加算したものを(2×p1)で割ったものの平方根を示す。式(6)についても同様である。これにより、マイクロフォンM21及びマイクロフォンM22でのマイクゲインの修正を行うことができる。
乗算部33は、ゲイン算出部35により補正されたゲイン値G1を受け取り、式(7)に示すように、周波数分析部31から出力されたC1(m)にゲイン値G2を乗じるものである。
乗算部34も、ゲイン算出部35により補正されたゲイン値G2を受け取り、式(8)に示すように、周波数分析部32から出力されたC2(m)にゲイン値G1を乗じるものである。
乗算部33及び乗算部34による処理により、マイクロフォンM21及びマイクロフォンM22のマイクゲインのばらつきを補正したゲイン値で修正したものを出力することができる。
Figure 2011124873
乗算部33及び乗算部34は、上記のようしてマイクゲインのばらつきを補正した演算結果D1(m)及びD2(m)を分離手段40に与える。
分離手段40は、乗算部33及び34により正規化された出力信号D1(m)及びD2(m)を受け取り、これらD1(m)及びD2(m)に基づいて、2個のマイクロフォンM21及びM22を結ぶ線に対して、垂直平面上に音源S及びSからの音(目的音)を抽出するものである。
分離手段40は、図1に示すように、3個の空間フィルタ41、42及び43と、最小選択部44とを有する。
これから説明する分離手段40における処理は、スペクトルC(m)の性質C(m)=C*(N−m)(ただし、1≦m≦(N/2)−1、C*(N−m)はC(N−m)の共役複素数を表す。)から、0≦m≦N/2の範囲で行えば良い。
空間フィルタ41は、特定の指向性(例えば、2個のマイクロフォンM21及びM22を結ぶ線に対する垂直平面に対して右側90度の指向性)を持った空間フィルタを生成する。例えば、図6(A)に示す抑圧角度θが時計回り90度の場合である。
空間フィルタ41は、次式(9)の演算を行い、時計回り方向の90度の方向から入力してきた音成分を抑圧し、これを目的音成分を強調した目的音優勢スペクトル(第1目的音優勢スペクトル)である出力E1(m)を得る。
Figure 2011124873
ここで、Fはサンプリング周波数を示し、例えば1600Hzを適用することができる。またjは虚数単位を示す。
空間フィルタ42は、2個のマイクロフォンM21及びM22を結ぶ線に対する垂直平面に対して空間フィルタ41の指向性と対称の方向の指向性(例えば、2個のマイクロフォンM21及びM22を結ぶ線に対する垂直平面に対して左側90度の指向性)を持った空間フィルタを生成する。例えば、図6(A)に示す抑圧角度θが反時計回り90度の場合である。
空間フィルタ42は、次式(10)の演算を行い、反時計回り方向の90度の方向から入力してきた音成分を抑圧し、これを目的音優勢スペクトル(第2目的音優勢スペクトル)である出力E2(m)を得る。
Figure 2011124873
空間フィルタ43は、2個のマイクロフォンM21及びM22を結ぶ線方向の音(妨害音)を抽出するものであり、例えば、図6(A)に示す抑圧角度θが0度の場合である。
空間フィルタ43は、次式(11)の演算を行い、抑圧角度0度としているので、正面方向からの音成分を抑圧し、目的音成分とは異なる角度から入力してきた音成分(妨害音成分)を強調した目的音抑圧スペクトルである出力N(m)を得る。
Figure 2011124873
最小選択部44は、空間フィルタ41から出力される目的音優勢スペクトルE1(m)の絶対値と、空間フィルタ42から出力される目的音優勢スペクトルE2(m)の絶対値のうち、最小値M(m)を選択して、除去手段50に与えるものである。
Figure 2011124873
除去手段50は、最小選択部44により選択された最小値M(m)と、空間フィルタ43により求められた目的音抑圧スペクトルである出力N(m)とに基づいて、式(13)に従って、目的音優勢スペクトルの特徴的なスペクトル成分S(m)を抽出するものである。
Figure 2011124873
式(13)では、目的音優勢スペクトルの大きさが目的音抑圧スペクトルの大きさ以上の場合には、当該目的音優勢スペクトルが目的音の特徴的なスペクトル部分であるとし、そのスペクトル成分を抽出し、それ以外の場合には「0」とすることを示す。
さらに、除去手段50は、0≦m≦N/2の範囲で求められたS(m)に対して、式(14)に示すように、受音信号を乗算することにより、除去手段50の出力である分離スペクトルH(m)を求めるものである。
Figure 2011124873
なお、式(13)及び式(14)において、分離スペクトルH(m)は、(M(m)−N(m))1/2と、マイクロフォンM21から入力された信号である複素信号D1(m)の位相を使って求める場合を例示するが、マイクロフォンM22からの信号の位相成分を用いるようにしても良い。
また、除去手段50は、H(m)=H*(N−m)(ただし、(N/2)+1≦m≦N−1)の性質を利用して、0≦m≦N−1の範囲の分離スペクトルH(m)を求め、これを生成手段60に与える。これにより、目的音優勢スペクトルから目的音抑圧スペクトルを分離した分離スペクトルH(m)を求めることができる。
生成手段60は、除去手段50から分離スペクトルH(m)を受け取り、目的音を分離した音源分離信号を再生するものである。生成手段60は、分離スペクトルH(m)をN点逆FFT処理を行い、音源分離信号h(n)を求め、現在の音源分離信号h(n)と、直前の分析単位についての音源分離信号h’(n)の後半の3N/4個のデータを加算して、出力y(n)を得るものである。
Figure 2011124873
ここで、相前後する分析単位でデータ(サンプル)を重複させるように、N/4個のデータをシフトしながら、上述した処理を行うのは、波形接続を円滑に行うためであり、この手法は良く用いられている。1つの分析単位に対し、分析手段30から当該生成手段60までの上述した一連の処理に許される時間は、NT/4となる。
なお、音源分離装置10Aの用途によっては、生成手段60を省略したり、他の装置が有する生成部を流用したりすることができる。
例えば、音源分離装置10Aが音声認識装置に利用される場合であれば、分離スペクトルH(m)を認識用特徴量として用いるようにして生成手段60を省略することができる。
また例えば、音源分離装置10AがIP電話機に利用される場合であれば、IP電話機が生成部を有するので、その生成部を流用するようにしても良い。
(A−2)第1の実施形態の効果
以上のように、第1の実施形態によれば、入力手段における複数のマイクロフォンのマイクゲインのばらつきに関わらず、所望の空間フィルタ特性を得ることができ、その結果、分離後の合成音を非常に聞きやすくすることができる。
(B)第2の実施形態
次に、本発明の音源分離装置、方法及びプログラムの第2の実施形態を図面を参照しながら説明する。
(B−1)第2の実施形態の構成及び動作
図3は、第2の実施形態の音源分離装置10Bの内部構成を示すブロック図である。
図3において、第2の実施形態の音源分離装置10Aが、第1の実施形態の音源分離装置10Aと異なる点は、分析手段30が、信号特性補正手段70に代えて信号特性補正手段80を備える点である。
なお、図3において、図1に示す構成要素と同様のものには、同様の番号を付している。また、以下では、第2の実施形態に特有の構成及び処理を詳細に説明し、第1の実施形態ですでに説明した構成要素の処理の詳細な説明は重複するので省略する。
図3において、信号特性補正手段80は、乗算部33及び34と、平均算出部36とを有する。
平均算出部36は、周波数分析部31及び周波数分析部32から周波数分析結果C1(m)及びC2(m)を受け取り、これらC1(m)及びC2(m)に基づき、マイクロフォンM21及びマイクロフォンM22に入力される受音信号の周波数特性のばらつきを補正するものである。
ここで、平均算出部36による受音信号の周波数特性の補正処理の一例を、図4を参照しながら説明する。
平均算出部36は、周波数分析部31及び32からの出力信号C1(m)及びC2(m)の周波数特性を平均化するものである。
つまり、2個のマイクロフォンM21及びM22が、同一平面上に配置されており、さらに両者の配置間隔の距離が非常に小さい場合、2個のマイクロフォンM21及びM22に入力する受音信号は位相特性のみが異なり、振幅特性は同じと想定することができる。
そこで、平均算出部36は、マイクロフォンM21及びM22からの出力信号の振幅特性が同じとなるようにゲイン値を補正し、その補正したゲイン値を用いて受音信号の周波数特性を正規化する。
図4は、平均算出部36の内部構成を示すブロック図である。図4において、平均算出部36は、第1振幅値算出部361、第2振幅値算出部362、第1ゲイン計算部363、第2ゲイン計算部364を有する。
第1振幅値算出部361及び第2振幅値算出部362は、周波数分析部31から出力されたC1(m)及びC2(m)に基づいて、マイクロフォンM21及びマイクロフォンM22から出力された受音信号の振幅値を求めるものである。
第1振幅値算出部361は、マイクロフォンM21から出力された受音信号の振幅値A1(m)を求めるものであり、第2パワー算出部362は、マイクロフォンM21から出力された受音信号の振幅値A2(m)を求めるものである。
ここで、振幅値の算出方法の一例として、第1振幅値算出部361及び第2振幅値算出部362は、式(16)及び式(17)に従ってそれぞれの振幅値A1(m)
及びA2(m)を求める。
Figure 2011124873
例えば、式(16)は、マイクロフォンM21からの出力信号C1(m)の絶対値を、振幅値とすることを示す。式(17)も、マイクロフォンM22から出力された受話信号について同様である。
第1ゲイン計算部363は、第1振幅値算出部361からの振幅値A1(m)と第2振幅値算出部362からの振幅値A2(m)とに基づいて、マイクロフォンM21から出力される受音信号に与える利得(ゲイン)を求めるものである。また、第1ゲイン計算部363は、その補正したゲイン値GG1(m)を乗算部33に与える。
第2ゲイン計算部364も、同様に、第1振幅値算出部361からの振幅値A1(m)
と第2振幅値算出部362からの振幅値A2(m)とに基づいて、マイクロフォンM22から出力される受音信号に与える利得(ゲイン)を求め、その補正したゲイン値G1を乗算部33に与える。
ここで、ゲイン値の算出方法の一例として、第1ゲイン計算部363及び第2ゲイン計算部364は、式(18)及び式(19)に従って、求めたゲイン値GG1(m)及びGG2(m)を求める。
Figure 2011124873
乗算部33及び乗算部34は、平均算出部36が求めたゲイン値GG1(m)及びゲイン値GG2(m)を受け取り、式(20)及び式(21)に示すように、周波数分析部31及び32からの信号C1(m)及びC2(m)に、ゲイン値GG1(m)及びゲイン値GG2(m)を乗算することで、信号C1(m)及びC2(m)の周波数成分を補正する。
Figure 2011124873
なお、その後の処理は、第1の実施形態と同様の処理である。
(B−2)第2の実施形態の効果
以上のように、第2の実施形態によれば、マイクの実装、回路構成による振幅特性のばらつきに関わらず、所望の空間フィルタ特性を得ることができ、その結果、分離後の合成音を非常に聞きやすくすることができる。
(C)第3の実施形態
次に、本発明の音声分離装置、方法及びプログラムの第3の実施形態を図面を参照しながら説明する。
第1及び第2の実施形態では、2個のマイクロフォンを用いた場合の実施形態を例示したが、第3の実施形態では、2個以上のマイクロフォンを用いた場合の実施形態を例示する。
(C−1)第3の実施形態の構成及び動作
図5は、第3の実施形態の音声分離装置10Cの内部構成を示すブロック図である。図5において、第3の実施形態の音声分離装置10Cは、音源分離手段110A、音源分離手段110B、除去手段51、生成手段60を少なくとも有して構成される。
第3の実施形態では、音源分離装置10Cが、4個のマイクロフォンM21、マイクロフォンM22、マイクロフォンM121及びマイクロフォンM122を備える場合を例示する。勿論、6個、8個、…のマイクロフォンを用いるようにしても良い。
音源分離装置10Cは、第1の実施形態、第2の実施形態で説明した、入力手段20、分析手段30、分離手段40を備える音源分離手段110Aを複数有する構成であり、図5の例では、2個の音源分離手段110A及び音源分離手段110Bを有する。
なお、音源分離手段110Bは、入力手段20、分析手段30、分離手段40に相当する、入力手段120、分析手段130、分離手段140を備える。
音源分離手段110A及び音源分離手段110Bにおける処理は、第1の実施形態、第2の実施形態で説明してあるので、第3の実施形態では、除去手段51が、2個の音源分離手段110A及び110Bからの出力信号に基づいて、妨害音成分を除去する処理を中心に説明する。
除去手段51は、2個の音源分離手段110A及び110Bからの出力信号に基づいて、妨害音成分を除去するものである。除去手段51は、分離手段40から最小選択された出力信号MA(m)及び出力信号NA(m)と、分離手段140から最小選択された出力信号MB(m)及び出力信号NB(m)とを受け取る。
除去手段51は、分離手段40及び分離手段140から受け取った信号に基づいて、例えば式(22)に従って、妨害音成分の除去を行い、その結果信号S(m)を取得する。なお、その後、H(m)の算出については、第1の実施形態、第2の実施形態と同様である。
Figure 2011124873
以上のようにすることで、4個のマイクロフォンを備える場合にも適用することができる。
また、第3の実施形態では、4個のマイクロフォンを例示したが、3個のマイクロフォンを備える場合にも適用できる。
この場合、3個のうち、1個のマイクロフォンを、音源分離手段110A及び音源分離手段110Bが共通に用いる構成とすることで実現できる。この場合、マイクロフォンの数を少なくすることができ、又共通の演算があるため、最終的な演算量を少なくすることができるので実用的である。
(C−2)第3の実施形態の効果
以上のように、第3の実施形態によれば、マイクロフォンの個数を3個以上とする場合にも適用することができる。
(D)他の実施形態
(D−1)第1〜第3の実施形態で説明した音源分離装置及びプログラムは、例えば、音声認識が必要なロボットとの対話、音声認識による音声操作を行うカーナビゲーションシステム等の車載機器、音声メッセージを録音することができる電話システムや電話会議システム、他の装置からの音響又は音声を録音するシステム等幅広く適用することができる。
例えば、遠隔発話を行う複数の話者による混合音声から任意の話者の音声を分離する場合、あるいは遠隔発話を行う話者の音声とその他の音との混合音から話者の音声を分離する場合等に利用でき、より具体的には、例えば、ロボットとの対話、カーナビゲーションシステム等の車載機器についての音声による操作、会議の議事録作成等に用いることができる。
(D−2)第1〜第3の実施形態では、2個のマイクロフォンが平行に配置されている場合の実施形態を例示した。しかし、第1〜第3の実施形態の信号特性補正手段70及び80が、複数のマイクロフォン間のマイクゲインの補正や、それぞれのマイクロフォンから出力する受音信号の周波数特性を補正することができれば、複数個のマイクロフォンの配置位置は特に限定されるものではない。例えば、2個のマイクロフォンが垂直平面上に並べて配置されている場合にも適用できる。
分離手段40、除去手段50及び生成手段60における処理は、第1〜第3の実施形態で説明した処理に限定されるものではなく、種々の処理を広く適用することができる。
(D−3)第1〜第3の実施形態において、周波数領域上の信号(スペクトル)で多くの処理を行っているが、その処理のいくつかを、時間軸上の信号で実行するようにしても良い。例えば、第1、第2の実施形態において、信号特性補正手段70及び80は、周波数分析部31及び32の前段に設け、マイクロフォン21及び22からの受音信号を用いて時間軸上でゲインを同一に正規化するようにしても良い。また、周波数分析部31及び32が、空間フィルタ41、42及び43の後段に設けるようにしても良い。
10A、10B、10C…音源分離装置、
20及び120…入力手段、M21、M22、M121及びM122…マイクロフォン、
30及び131…分析手段、31及び32…周波数分析部、
70及び80…信号特性補正手段、33及び34…乗算部、35…ゲイン算出部、
36…平均算出部、351…第1パワー算出部、352…第2パワー算出部、
353及び363…第1ゲイン算出部、354及び364…第2ゲイン算出部、
361…第1振幅値算出部、362…第2振幅値算出部、
40…分離手段、41、42、43…空間フィルタ、44…最小選択部、
50及び51…除去手段、60…生成手段。

Claims (5)

  1. 目的音と、上記目的音の音源とは異なる音源から発生した妨害音とを分離する音源分離装置において、
    所定の受音処理に従って、2個の音入力部から入力した入力音を受音信号に変換する1又は複数の入力手段と、
    上記各入力手段からの上記各受音信号の周波数成分を分析する1又は複数の周波数分析手段と、
    上記各周波数分析手段からの上記各受音信号の周波数成分に基づいて、上記複数の受音信号の周波数成分の特性を正規化する1又は複数の信号特性補正手段と、
    上記各信号特性補正手段により周波数成分の特性が正規化された上記各受音信号の周波数成分に基づき、上記目的音の到来方向以外の所定方向から到来した音の周波数成分を抑圧して得た1又は複数の第1音信号成分と、上記目的音の到来方向から音の周波数成分を抑圧して得た第2音信号成分とを分離する1又は複数の分離手段と、
    上記各分離手段からの上記1又は複数の第1音信号成分と上記第2音信号成分とを用いて、上記目的音の特性を示す目的音特性成分を求める除去手段と
    を備えることを特徴とする音源分離装置。
  2. 上記各信号特性補正手段が、
    上記複数の受音信号の周波数成分に基づく所定時間区間のパワー値に応じて、上記各受音信号に付与する利得を補正する利得補正部と、
    上記利得補正部により求められた補正された利得を用いて、上記周波数分析手段からの上記各受音信号の周波数成分の特性を補正する受音信号補正部と
    を有することを特徴とする請求項1に記載の音源分離装置。
  3. 上記各信号特性補正手段が、
    上記複数の受音信号の周波数成分の振幅値を用いて、上記各受音信号に付与する利得を補正する利得補正部と、
    上記利得補正部により求められた補正された利得を用いて、上記周波数分析手段からの上記各受音信号の周波数成分の特性を補正する受音信号補正部と
    を有することを特徴とする請求項1に記載の音源分離装置。
  4. 目的音と、上記目的音の音源とは異なる音源から発生した妨害音とを分離する音源分離装置の音源分離方法において、
    入力手段が、所定の受音処理に従って、2個の音入力部から入力した入力音を受音信号に変換する入力工程と、
    周波数分析手段が、上記入力手段からの上記各受音信号の周波数成分を分析する周波数分析工程と、
    信号特性補正手段が、上記周波数分析手段からの上記各受音信号の周波数成分に基づいて、上記複数の受音信号の周波数成分の特性を正規化する信号特性補正工程と、
    分離手段が、上記信号特性補正手段により周波数成分の特性が正規化された上記各受音信号の周波数成分に基づき、上記目的音の到来方向以外の所定方向から到来した音の周波数成分を抑圧して得た1又は複数の第1音信号成分と、上記目的音の到来方向から音の周波数成分を抑圧して得た第2音信号成分とを分離する分離工程と、
    除去手段が、上記分離手段からの上記1又は複数の第1音信号成分と上記第2音信号成分とを用いて、上記目的音の特性を示す目的音特性成分を求める除去工程と
    を有することを特徴とする音源分離方法。
  5. 目的音と、上記目的音の音源とは異なる音源から発生した妨害音とを分離する音源分離プログラムにおいて、
    所定の受音処理に従って、2個の音入力部から入力した入力音を受音信号に変換する1又は複数の入力手段を備える音源分離装置を、
    上記各入力手段からの上記各受音信号の周波数成分を分析する周波数分析手段、
    上記周波数分析手段からの上記各受音信号の周波数成分に基づいて、上記複数の受音信号の周波数成分の特性を正規化する信号特性補正手段、
    上記信号特性補正手段により周波数成分の特性が正規化された上記各受音信号の周波数成分に基づき、上記目的音の到来方向以外の所定方向から到来した音の周波数成分を抑圧して得た1又は複数の第1音信号成分と、上記目的音の到来方向から音の周波数成分を抑圧して得た第2音信号成分とを分離する分離手段、
    上記分離手段からの上記1又は複数の第1音信号成分と上記第2音信号成分とを用いて、上記目的音の特性を示す目的音特性成分を求める除去手段
    として機能させることを特徴とする音源分離プログラム。
JP2009282025A 2009-12-11 2009-12-11 音源分離装置、方法及びプログラム Active JP5170465B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009282025A JP5170465B2 (ja) 2009-12-11 2009-12-11 音源分離装置、方法及びプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009282025A JP5170465B2 (ja) 2009-12-11 2009-12-11 音源分離装置、方法及びプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011124873A true JP2011124873A (ja) 2011-06-23
JP5170465B2 JP5170465B2 (ja) 2013-03-27

Family

ID=44288314

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009282025A Active JP5170465B2 (ja) 2009-12-11 2009-12-11 音源分離装置、方法及びプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5170465B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015114674A1 (ja) * 2014-01-28 2015-08-06 三菱電機株式会社 集音装置、集音装置の入力信号補正方法および移動機器情報システム

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09199961A (ja) * 1996-01-22 1997-07-31 Oki Electric Ind Co Ltd Agc装置
JP2001100800A (ja) * 1999-09-27 2001-04-13 Toshiba Corp 雑音成分抑圧処理装置および雑音成分抑圧処理方法
JP2005027273A (ja) * 2003-06-12 2005-01-27 Alpine Electronics Inc 音声補正装置
JP2006197552A (ja) * 2004-12-17 2006-07-27 Univ Waseda 音源分離システムおよび音源分離方法、並びに音響信号取得装置
JP2006319786A (ja) * 2005-05-13 2006-11-24 Sony Corp 音場測定装置及び音場測定方法
WO2007018293A1 (ja) * 2005-08-11 2007-02-15 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha 音源分離装置、音声認識装置、携帯電話機、音源分離方法、及び、プログラム

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09199961A (ja) * 1996-01-22 1997-07-31 Oki Electric Ind Co Ltd Agc装置
JP2001100800A (ja) * 1999-09-27 2001-04-13 Toshiba Corp 雑音成分抑圧処理装置および雑音成分抑圧処理方法
JP2005027273A (ja) * 2003-06-12 2005-01-27 Alpine Electronics Inc 音声補正装置
JP2006197552A (ja) * 2004-12-17 2006-07-27 Univ Waseda 音源分離システムおよび音源分離方法、並びに音響信号取得装置
JP2006319786A (ja) * 2005-05-13 2006-11-24 Sony Corp 音場測定装置及び音場測定方法
WO2007018293A1 (ja) * 2005-08-11 2007-02-15 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha 音源分離装置、音声認識装置、携帯電話機、音源分離方法、及び、プログラム

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015114674A1 (ja) * 2014-01-28 2015-08-06 三菱電機株式会社 集音装置、集音装置の入力信号補正方法および移動機器情報システム
CN105830152A (zh) * 2014-01-28 2016-08-03 三菱电机株式会社 集音装置、集音装置的输入信号校正方法以及移动设备信息系统
JP6048596B2 (ja) * 2014-01-28 2016-12-21 三菱電機株式会社 集音装置、集音装置の入力信号補正方法および移動機器情報システム
JPWO2015114674A1 (ja) * 2014-01-28 2017-03-23 三菱電機株式会社 集音装置、集音装置の入力信号補正方法および移動機器情報システム
US9674607B2 (en) 2014-01-28 2017-06-06 Mitsubishi Electric Corporation Sound collecting apparatus, correction method of input signal of sound collecting apparatus, and mobile equipment information system

Also Published As

Publication number Publication date
JP5170465B2 (ja) 2013-03-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4986248B2 (ja) 音源分離装置、方法及びプログラム
JP4912036B2 (ja) 指向性集音装置、指向性集音方法、及びコンピュータプログラム
JP3940662B2 (ja) 音響信号処理方法及び音響信号処理装置及び音声認識装置
US7991166B2 (en) Microphone apparatus
JP5383867B2 (ja) オーディオ信号の分解および修正のためのシステムおよび方法
JP2004187283A (ja) マイクロホン装置および再生装置
US8462962B2 (en) Sound processor, sound processing method and recording medium storing sound processing program
JP5620689B2 (ja) 残響抑圧装置及び残響抑圧方法
JP5772151B2 (ja) 音源分離装置、プログラム及び方法
US11647344B2 (en) Hearing device with end-to-end neural network
JP2011203414A (ja) 雑音及び残響抑圧装置及びその方法
JP2011119898A (ja) 音声取得装置、音声取得方法、音声取得プログラム
JP5105336B2 (ja) 音源分離装置、プログラム及び方法
JP6840302B2 (ja) 情報処理装置、プログラム及び情報処理方法
JP5170465B2 (ja) 音源分離装置、方法及びプログラム
CN113223544A (zh) 音频的方向定位侦测装置及方法以及音频处理系统
JP4886616B2 (ja) 収音装置、収音方法、その方法を用いた収音プログラム、および記録媒体
JP5635024B2 (ja) 音響信号強調装置、遠近判定装置、それらの方法、及びプログラム
Wang et al. Two-stage enhancement of noisy and reverberant microphone array speech for automatic speech recognition systems trained with only clean speech
JP2001313992A (ja) 収音装置および収音方法
JP2007028391A (ja) マイクロホンアレー装置
JP2012049715A (ja) 音源分離装置、音源分離方法、及び、プログラム
US10249286B1 (en) Adaptive beamforming using Kepstrum-based filters
JP7270869B2 (ja) 情報処理装置、出力方法、及び出力プログラム
EP4064726A1 (en) Sound pick-up device, sound pick-up method and sound pick-up program

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120110

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120308

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120612

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120907

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20120918

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121204

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121218

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5170465

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150