JP2011124694A - 画像処理装置と画像処理方式および撮像装置 - Google Patents

画像処理装置と画像処理方式および撮像装置 Download PDF

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Abstract

【課題】動被写体やエッジ部分のノイズ除去性能の低下を容易に軽減できるようにする。
【解決手段】第1重み係数設定部は、入力画像の画素毎に動き判定を行い、動き判定結果に応じて時間方向の平滑化強度を調整する第1重み係数を画素毎に設定する。第2重み係数設定部は、入力画像の画素毎にエッジ判定を行い、エッジ判定結果に応じて空間方向の平滑化強度を調整する第2重み係数を画素毎に設定する。重み係数統合部は、入力画像の画素毎に、第1重み係数と第2重み係数の正規化を行うことで、第1重み係数と第2重み係数を、時間方向の平滑化強度が弱い部分は空間方向の平滑化で補完し、空間方向の平滑化強度が弱い部分は時間方向の平滑化で補完するように調整する。平滑化部は、重み係数統合部で正規化された第1重み係数と第2重み係数を用いた演算を行い、入力画像に対して時空間方向平滑化処理が行われた出力画像を得る。
【選択図】 図2

Description

この発明は画像処理装置と画像処理方法および撮像装置に関する。詳しくは、画像信号に含まれるノイズの除去を行う画像処理装置と画像処理方式および撮像装置に関する。
近年、撮像装置の普及に伴い、不利な条件下で撮影されたディジタル画像を復元するニーズが増加してきている。例えば、監視カメラでは、夜間などの低照度時において監視カメラに入力される光量が少なくなると、ノイズの目立つ画像となってしまい、このノイズの影響により監視対象である人の顔や車のナンバーなどの判別が困難となってしまう。このため、ノイズを有する画像からノイズを除去して画像を復元するノイズリダクションと呼ばれる技術が必要となる。
また、ノイズリダクションでは、元画像の詳細部分を保存するようにしてノイズを除去できることが望ましい。例えば、ナンバープレートのノイズを除去するとき、ノイズ除去後の画像で文字が潰れてしまうと、ナンバーの判別が困難となってしまう。したがって、元画像の詳細部分を保存するようにノイズ除去を行うことで、ノイズ除去後の画像でナンバーの判別が可能となる。
このノイズリダクションの方式は、大きく分けて空間フィルタ方式と時間フィルタ方式の2つの方式がある。空間フィルタ方式は、現在のフレームにおいて、中心画素と周辺画素を用いてフィルタリングを行う方式である。時間フィルタ方式は、過去のフレームと現在のフレームの画素を用いてフィルタリングを行う方法である。
空間フィルタ方式では、エッジ判定を行い、エッジを保存するようにフィルタリングを行う。これは、フィルタリングによってエッジがボケて解像感が無くなることを避けるためである。よく用いられる手段としては、バイラテラルフィルタ(C Tomasi and R Manduchi,“Bilateral filtering for gray and color images”, Computer Vision, 1998)がある。バイラテラルフィルタは、重み付き平滑化フィルタの一種であり、重み係数を求める際に工夫することで、エッジ保存が可能なノイズリダクションとなる。このバイラテラルフィルタにおいて、重みの指標は、参照画素と周辺画素との輝度差であり、輝度差が大きいほど参照画素との関係性が低いとして、重み係数を小さくする。また、輝度差が小さいほど参照画素との関係性が高いとして重み係数を大きくする。このように、バイラテラルフィルタでは、輝度差によって重み係数が決められるため、エッジの保存性がよい。
また、時間フィルタ方式には、FIR(Finit Impulse Response)方式とIIR(Infinite Impulse Response)方式がある。FIR方式は、現在画像と複数枚の過去画像を入力とした非巡回型のフィルタである。IIR方式は、現在画像と前フレームのフィルタリング結果画像(以下「IIR画像」という)を入力とした巡回型のフィルタである。
FIR方式は、複数枚の過去画像をメモリに保存する必要がある。したがって、ハードウェアのリソースの面では、IIR方式が有利である。なお、FIR方式で、過去画像の数を1フレームとすれば、ハードウェアのリソースはIIR方式と同等になるが、ノイズ除去性能の面でFIR方式はIIR方式に劣る。これは、IIR方式は巡回型なので、擬似的に複数枚の過去画像を入力としたフィルタとなっているためである。
特許文献1や特許文献2の発明では、このような空間フィルタと時間フィルタを用いてノイズを除去することが行われている。
特開2002−10106号公報 特開2006−229749号公報
ところで、空間フィルタ方式でエッジを保存するようにフィルタリングを行うと、エッジ保存のために、平坦部分に比べてエッジ部分のノイズ除去性能は弱くなってしまう。また、時間フィルタでフィルタリングを行う場合、被写体が静止している場合は、弊害なく動作するが、動被写体が存在する場合は、過去フレームを用いることから動被写体部分にブラーが生じる。このため、時間フィルタ方式を用いる場合、動き判定を行い、動被写体部分はフィルタリングしないようにしてブラーの抑制を行うと、非動被写体部分に比べて動被写体部分のノイズ除去性能は弱くなってしまう。
さらに、特許文献1では、時間フィルタと空間フィルタを個々に設けていることから構成が複雑となる。
そこで、この発明では、動被写体やエッジ部分のノイズ除去性能の低下を容易に軽減できる画像処理装置と画像処理方法および撮像装置を提供することを目的とする。
この発明の第1の側面は、
入力画像の画素毎に動き判定を行い、動き判定結果に応じて時間方向の平滑化強度を調整する第1重み係数を画素毎に設定する第1重み係数設定部と、
前記入力画像の画素毎にエッジ判定を行い、エッジ判定結果に応じて空間方向の平滑化強度を調整する第2重み係数を画素毎に設定する第2重み係数設定部と、
前記入力画像の画素毎に、前記第1重み係数と前記第2重み係数の正規化を行うことで、前記第1重み係数と前記第2重み係数を、時間方向の平滑化強度が弱い部分は空間方向の平滑化で補完し、空間方向の平滑化強度が弱い部分は時間方向の平滑化で補完するように調整する重み係数統合部と、
前記重み係数統合部で正規化された第1重み係数と第2重み係数を用いた演算を行い、前記入力画像に対する時空間方向平滑化処理が行われた出力画像を得る平滑化部と、
を有する画像処理装置にある。
この画像処理装置では、第1重み係数設定部で動き判定を行うとき、判定を行う画素を基準とした第1の所定範囲の入力画像と、平滑化部で時空間方向平滑化処理された画像における第1の所定範囲に対応する位置の画像を用いる。また、第2重み係数設定部でエッジ判定を行うとき、判定を行う画素を基準とした第2の所定範囲の入力画像と、該判定を行う画素の周辺に位置する画素を基準とした第2の所定範囲の入力画像を用いる。
第1重み係数設定部は、第1の所定範囲である2つの画像を用いて、第1の所定範囲の各画素における画素信号の差分絶対値の総和を色毎に算出して、色毎に算出した差分絶対値の総和が動き判別閾値よりも大きいときは動き部分の画素として判別し、差分絶対値の総和が動き判別閾値以下のときは動き部分でない画素と判別して、動き部分の画素が動き部分でない画素よりも平滑化強度が強くなるように第1重み係数を設定する。第1重み係数設定部は、入力画像の画素毎にノイズ推定値の算出を行い、ノイズ推定値に応じて動き判別閾値を変化させて、ノイズが多いときに閾値を大きくする。ノイズ推定値の算出では、所定範囲における画素信号の総和が小さいほうの所定範囲の選択を行い、選択した所定範囲の基準である画素位置を基準として分散算出範囲をシフトさせて分散値の算出を行い、算出した分散値の平均値をノイズ推定値とする。
第2重み係数設定部は、第2の所定範囲である2つの画像を用いて、第2の所定範囲の各画素における画素信号の差分絶対値の総和を算出して、差分絶対値の総和がエッジ判別閾値よりも大きいときはエッジ部分の画素と判別し、差分絶対値の総和がエッジ判別閾値以下のときはエッジ部分でない画素と判別して、エッジ部分の画素がエッジ部分でない画素よりも平滑化強度が強くなるように第2重み係数を設定する。また、第2重み係数設定部も第1重み係数設定部と同様に、ノイズ推定値の算出や、ノイズ推定値に応じてエッジ判定閾値を変化させる。
平滑化部は、時空間方向平滑化処理を行う処理対象画素毎に、該処理対象画素に対する正規化された第1重み係数と第2重み係数と、時空間方向平滑化処理された画像における処理対象画素と等しい位置の画素の画素信号と、入力画像における処理対象画素の周辺画素の画素信号を用いて演算を行い、処理対象画素の時空間方向平滑化処理後の画素信号を生成する。
また、この発明の第2の側面は、
第1重み係数設定部で、入力画像の画素毎に動き判定を行い、動き判定結果に応じて時間方向の平滑化強度を調整する第1重み係数を画素毎に設定するステップと、
第2重み係数設定部で、前記入力画像の画素毎にエッジ判定を行い、エッジ判定結果に応じて空間方向の平滑化強度を調整する第2重み係数を画素毎に設定するステップと、
重み係数統合部で、前記入力画像の画素毎に、前記第1重み係数と前記第2重み係数の正規化を行うことで、前記第1重み係数と前記第2重み係数を、時間方向の平滑化強度が弱い部分は空間方向の平滑化で補完し、空間方向の平滑化強度が弱い部分は時間方向の平滑化で補完するように調整するステップと、
平滑化部で、前記重み係数統合部で正規化された第1重み係数と第2重み係数を用いた演算を行い、前記入力画像に対する時空間方向平滑化処理が行われた出力画像を得るステップとを有する画像処理方法にある。
さらに、この発明の第3の側面は、
被写体を撮像して画像信号を得る撮像部と、
前記画像信号を用いて画素毎に動き判定を行い、動き判定結果に応じて時間方向の平滑化強度を調整する第1重み係数を画素毎に設定する第1重み係数設定部と、
前記画像信号を用いて画素毎にエッジ判定を行い、エッジ判定結果に応じて空間方向の平滑化強度を調整する第2重み係数を画素毎に設定する第2重み係数設定部と、
画素毎に、前記第1重み係数と前記第2重み係数の正規化を行うことで、前記第1重み係数と前記第2重み係数を、時間方向の平滑化強度が弱い部分は空間方向の平滑化で補完し、空間方向の平滑化強度が弱い部分は時間方向の平滑化で補完するように調整する重み係数統合部と、
前記重み係数統合部で正規化された第1重み係数と第2重み係数を用いた演算を行い、前記画像信号に対して時空間方向平滑化処理が行われた出力画像信号を得る平滑化部と、
を有する撮像装置にある。
この発明によれば、画素毎に動き判定が行われて、動き判定の判定結果に応じて時間方向の平滑化強度を調整する第1重み係数の設定が行われる。また、画素毎にエッジ判定が行われて、エッジ判定の判定結果に応じて空間方向の平滑化強度を調整する第2重み係数の設定が行われる。この第1重み係数と第2重み係数の正規化を行うことで、第1重み係数と第2重み係数が、時間方向の平滑化強度が弱い部分は空間方向の平滑化で補完し、空間方向の平滑化強度が弱い部分は時間方向の平滑化で補完するように調整されて、正規化後の第1重み係数と第2重み係数を用いた演算によって、入力画像に対する時空間方向平滑化処理が行われた出力画像が生成される。このため、動被写体やエッジ部分のノイズ除去性能の低下を容易に軽減できる。
撮像装置の構成を示す図である。 ノイズ除去部の構成を示す図である。 第1重み係数設定部の構成を示す図である。 第1重み係数設定部における画像信号の抜き出し動作を例示した図である。 ノイズ推定値算出部の構成を示す図である。 第1重み係数を設定するためのコアリング関数を例示した図である。 差分絶対値和を用いた場合の動作を説明するための図である。 総和に基づいた差分を用いた場合の動作を説明するための図である。 第2重み係数設定部の構成を示す図である。 周辺画素を例示した図である。 第2重み係数設定部の構成を示す図である。 第2重み係数を設定するためのコアリング関数を例示した図である。 現在画像を示す図である。 IIR画像を示す図である。 在画像に対して空間方向の平滑化を行った場合の画像を示す図である。 現在画像に対してIIR画像を用いて時間方向の平滑化を行った場合の画像を示す図である。 現在画像に対して空間方向の平滑化を行ったのちIIR画像を用いて時間方向の平滑化を行った場合(あるいはIIR画像を用いて時間方向の平滑化を行ったのち空間方向の平滑化を行った場合)の画像を示す図である。 ノイズ除去部で、現在画像に対して時空間方向平滑化処理が行われた画像を示す図である。 ノイズ除去処理を示すフローチャートである。
以下、発明を実施するための形態について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.本発明の画像処理装置を備えた撮像装置の構成
2.本発明の画像処理装置の構成
3.本発明の画像処理装置の動作
<1.本発明の画像処理装置を備えた撮像装置の構成>
図1は、本発明の画像処理装置を備えた撮像装置の構成を例示している。撮像装置10は、撮像光学部11、駆動部12、撮像部13、タイミング信号発生部(TG部)14、前処理部15、ノイズ除去部20、後処理部31、システムコントローラ41等を備えている。
撮像光学部11は、被写体の光学像を撮像部13の撮像面に結像させるためのフォーカスレンズ、撮像面に結像される光学像の拡大/縮小を行うためのズームレンズ、光量を調整するためのアイリス、レンズやアイリスを駆動する駆動機構等を具備している。
駆動部12は、システムコントローラ41からの制御信号に基づいて、撮像光学部11の駆動機構等を駆動するための駆動信号を生成して撮像光学部11に出力する。
撮像部13は、光電変換素子例えばCCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子を用いて構成されている。撮像部13は、TG部14から出力された駆動信号に基づいて光電変換処理を行い、被写体の光学像に応じた電荷信号を生成して前処理部15に出力する。なお、以下の説明では、撮像部13で用いられる固体撮像素子が、例えばベイヤー配列のカラーフィルタを用いた単板方式の固体撮像素子である場合を示している。
TG部14は、システムコントローラ41からの制御信号に応じて駆動信号の生成を行い、生成した駆動信号を撮像部13に出力する。
前処理部15は、撮像部13から出力された撮像信号に対して、CDS(Correlated Double Sampling)処理、利得調整処理、A/D変換処理、撮像素子に起因する欠陥画素の補正処理、レンズに起因する明るさの不均一性(シェーディング)の補正処理等の信号処理を行う。前処理部15は、前処理後の画像信号をノイズ除去部20に出力する。
本発明の画像処理装置に相当するノイズ除去部20は、時空間方向平滑化処理によってノイズの除去を行う。すなわち、ノイズ除去部20は、動き部分に対して時間方向の平滑化強度を弱くして残像の発生を抑える。また、ノイズ除去部20は、エッジ部分に対して空間方向の平滑化強度を弱くしてエッジ部分の画像を保存する。さらに、ノイズ除去部20は、平滑化強度を弱くするとノイズ除去の効果が低下することから、動き部分について動きのない部分よりも空間方向の平滑化強度を強くする。また、ノイズ除去部20は、エッジ部分についてエッジでない部分よりも時間方向の平滑化強度を強くする。ノイズ除去部20は、このような時空間方向平滑化処理を行うことで、動被写体やエッジ部分のノイズ除去性能の低下を軽減させる。
後処理部31は、ノイズ除去部20から出力された画像信号に対して、ホワイトバランス調整処理やガンマ補正処理、輪郭補正処理、解像度変換処理、撮像信号を所定フォーマットの信号例えば輝度信号と色差信号に変換する変換処理等を行う。
システムコントローラ41は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などから構成されている。システムコントローラ41は、ROM等に記憶されたプログラムを実行して、図示していない操作部あるいは外部コントローラからの操作信号に応じて制御信号の生成を行う。システムコントローラ41は、生成した制御信号によって、駆動部12やTG部14、前処理部15、ノイズ除去部20、後処理部31等の動作を統括的に制御して、撮像被写体の好適な画像信号の生成を行う。
<2.本発明の画像処理装置の構成>
次に、本発明の画像処理装置に相当するノイズ除去部20について説明する。ノイズ除去部20は、時空間方向平滑化処理によってノイズの除去を行う。また、ノイズ除去部20は、ハードウェアのリソースやノイズ除去性能を考慮して、例えばIIR方式で時間方向平滑化処理を行う。
図2は、ノイズ除去部20の構成を示している。ノイズ除去部20は、第1重み係数設定部21、第2重み係数設定部23、重み係数統合部25、平滑化部27、フレームメモリ29を有している。
第1重み係数設定部21は、現在画像の画素毎に動き判定を行い、動き判定結果に応じて時間方向の平滑化強度を調整する第1重み係数Wiirの設定を画素毎に行う。第2重み係数設定部23は、現在画像の画素毎にエッジ判定を行い、エッジ判定結果に応じて空間方向の平滑化強度を調整する第2重み係数W0〜W(K-1)の設定を画素毎に行う。なお、Kは、判定を行う画素の周辺に位置しており空間方向の平滑化に用いられる周辺画素の数を示している。
重み係数統合部25は、第1重み係数設定部21から出力された重み係数Wiirと、第2重み係数設定部23から出力された重み係数W0〜W(K-1)の正規化を行うことで、第1重み係数Wiirと第2重み係数W0〜W(K-1)を、時間方向の平滑化強度が弱い部分は空間方向の平滑化で補完し、空間方向の平滑化強度が弱い部分は時間方向の平滑化で補完するように調整する。平滑化部27は、重み係数統合部25から出力された正規化後の第1重み係数W'iirと第2重み係数W'0〜W'(K-1)を用いて、現在画像に対する時空間方向平滑化処理を行い、ノイズの除去された現在画像の画像信号DVfilを生成して後処理部31に出力する。また、ノイズの除去された現在画像の画像信号DVfilをフレームメモリ29に書き込む。
第1重み係数設定部21は、判定を行う画素を基準とした第1の所定範囲の入力画像と、平滑化部で時空間方向平滑化処理された画像における第1の所定範囲に対応する位置の画像を用いて第1重み係数Wiirの設定を画素毎に行う。第1重み係数設定部21は、第1重み係数Wiirの設定において、第1の所定範囲である2つの画像を用いて、第1の所定範囲の各画素における画素信号の差分絶対値の総和を算出する。第1重み係数設定部21は、差分絶対値の総和が動き判別閾値よりも大きいときは動き部分の画素として判別し、差分絶対値の総和が動き判別閾値以下のときは動き部分でない画素と判別する。さらに、第1重み係数設定部21は、動き部分の画素が動き部分でない画素よりも平滑化強度が強くなるように第1重み係数Wiirを設定する。
図3は、第1重み係数設定部21の構成を示している。第1重み係数設定部21は、中心画素ブロック抜き出し部210,213、RGB抜き出し部211,214、R総和算出部212R,215R、G総和算出部212G,215G、B総和算出部212B,215Bを有している。また、第1重み係数設定部21は、R差分算出部216R、G差分算出部216G、B差分算出部216B、絶対値算出部217R,217G,217B、総和算出部218,219,220、ノイズ推定値算出部221、コアリング部222を有している。
中心画像ブロック抜き出し部210は、現在画像において、動き判定を行う画素(以下「動き判定画素」という)を中心とした所定画素数のブロックの画素信号を抜き出してRGB抜き出し部211と総和算出部219に出力する。
RGB抜き出し部211は、中心画像ブロック抜き出し部210で抜き出された所定画素数のブロックの画素信号から、R画素(赤画素)の画素信号を抜き出してR総和算出部212Rに出力する。同様に、RGB抜き出し部211は、所定画素数のブロックからG画素(緑画素)の画素信号を抜き出してG総和算出部212Gに出力し、B画素(青画素)の画素信号を抜き出してB総和算出部212Bに出力する。
図4は、第1重み係数設定部21における画像信号の抜き出し動作を例示している。例えば、図4の(A)に示すように、中心画像ブロック抜き出し部210は、動き判定画素Paを中心とした破線で示す5画素×5画素のブロックの画素信号を抜き出す。また、RGB抜き出し部211は、抜き出されたブロックの画像信号から図4の(B)に示すようにR画素の画素信号を抜き出してR総和算出部212Rに出力する。また、RGB抜き出し部211は、図4の(C)に示すように、G画素の画素信号を抜き出してG総和算出部212Gに出力する。さらに、RGB抜き出し部211は、図4の(D)に示すように、B画素の画素信号を抜き出してB総和算出部212Bに出力する。
図3のR総和算出部212Rは、RGB抜き出し部211で抜き出されたR画素の画素信号の総和を算出して、R差分算出部216Rに出力する。G総和算出部212Gは、RGB抜き出し部211で抜き出されたG画素の画素信号の総和を算出して、G差分算出部216Gに出力する。B総和算出部212Bは、RGB抜き出し部211で抜き出されたB画素の画素信号の総和を算出して、B差分算出部216Bに出力する。
中心画像ブロック抜き出し部213は、フレームメモリ29から読み出されたIIR画像において、動き判定画素と等しい位置を中心とした所定画素数のブロックの画素信号を抜き出してRGB抜き出し部214と総和算出部220に出力する。
RGB抜き出し部214は、中心画像ブロック抜き出し部213で抜き出された所定画素数のブロックの画素信号から、R画素の画素信号を抜き出してR総和算出部215Rに出力する。同様に、RGB抜き出し部214は、所定画素数のブロックからG画素の画素信号を抜き出してG総和算出部215Gに出力し、B画素の画素信号を抜き出してB総和算出部215Bに出力する。
R差分算出部216Rは、R総和算出部212Rで算出された総和値とR総和算出部215Rで算出された総和値の差分値を計算して絶対値算出部217Rに出力する。絶対値算出部217Rは、R差分算出部216Rで算出された差分値の絶対値を求めて総和算出部218に出力する。
G差分算出部216Gは、G総和算出部212Gで算出された総和値とG総和算出部215Gで算出された総和値の差分値を計算して絶対値算出部217Gに出力する。絶対値算出部217Gは、G差分算出部216Gで算出された差分値の絶対値を求めて総和算出部218に出力する。
B差分算出部216Bは、B総和算出部212Bで算出された総和値とB総和算出部215Bで算出された総和値の差分値を計算して絶対値算出部217Bに出力する。絶対値算出部217Bは、B差分算出部216Bで算出された差分値の絶対値を求めて総和算出部218に出力する。
総和算出部218は、絶対値算出部217R,217G,217Bで算出した差分値の絶対値の総和値ERaを計算してコアリング部222に出力する。
総和算出部219は、中心画像ブロック抜き出し部210で抜き出された所定画素数のブロック、すなわち現在画像における動き判定画素を基準としたブロック内の各画素の画素信号の総和値BTaを算出してノイズ推定値算出部221に出力する。総和算出部220は、中心画像ブロック抜き出し部213で抜き出された所定画素数のブロック、すなわちIIR画像における動き判定画素と等しい位置の画素を基準としたブロック内の各画素の画素信号の総和値BTiirを算出する。総和算出部220は、算出した総和値BTiirをノイズ推定値算出部221に出力する。
ノイズ推定値算出部221は、総和算出部219,220から出力された総和値を比較して、総和値が小さい画像の画像信号を用いてノイズ推定値の算出を行う。
図5は、ノイズ推定値算出部221の構成を示している。ノイズ推定値算出部221は総和値比較部221aと信号選択部221bとシフト分散値算出部221cを有している。
総和値比較部221aは、総和算出部219から出力された総和値BTaと、総和算出部220から出力された総和値BTiirを比較して、比較結果を信号選択部221bに出力する。
信号選択部221bは、総和算出部219から出力された総和値BTaが総和算出部220から出力された総和値BTiir以下であることを比較結果が示しているとき、現在画像の画像信号DVをシフト分散値算出部221cに出力する。また、信号選択部221bは、総和算出部219から出力された総和値BTaが総和算出部220から出力された総和値BTiirよりも大きいことを比較結果が示しているとき、IIR画像の画像信号DViirをシフト分散値算出部221cに出力する。
シフト分散値算出部221cは、信号選択部221bから出力された画像信号を用いてシフト分散値の算出を行い、算出したシフト分散値σaをノイズ推定値としてコアリング部222に出力する。
シフト分散値算出部221cは、式(1)からシフト分散値(ノイズ推定値)σaを算出する。なお、式(1)において、「n」は「(ブロックの横画素数−1)/2」、「m」は「(ブロックの縦画素数−1)/2」を示している。また、式(1)において、x(0,0)は、動き判定画素の画素信号であり、x(i,j)は、動き判定画素から横方向にi画素、縦方向にj画素だけ離れている画素の画素信号である。また、式(1)では、分散値を算出する画素と、この画素を基準として中心画像ブロック抜き出し部210,213で用いた所定画素数のブロックの画素の平均値との誤差の絶対値を算出している。しかし、ブロックサイズは、分散値の算出のためのブロックサイズを別個に設定してもよい。
式(1)では、画素x(i,j)の画素信号と、ブロック内(破線で示す範囲)の画素信号の平均値との誤差の絶対値を求める。さらに、画素x(i,j)をブロック内で移動して、画素x(i,j)の移動後の画素x(i,j)を基準としたブロック内の画素信号の平均値との誤差の絶対値をそれぞれ算出する。さらに、画素x(i,j)をブロック内で移動して求めた誤差の絶対値の平均をノイズ推定値σaとする。
このように、動き判定画素を基準としたブロック内の各画素について、分散値の算出のためにブロックにおける画素信号の平均値との誤差の絶対値を算出して、各画素について算出した絶対値の平均を動き判定画素のノイズ推定値σaとしている。
ここで、動き判定画素を基準としたブロック内の画素が被写体を構成する画素であってノイズでないときは、この画素の画素信号と分散値の算出に用いたブロックにおける画素信号の平均値との誤差が小さい。また、画素がノイズであるときは、被写体の画素と関連性がないことから誤差が大きい。したがって、動き判定画素を基準としたブロック内において、ノイズレベルが高い場合やノイズの画素が多いと、ノイズ推定値σaは大きくなる。すなわち、シフト分散値の算出によって、動き判定画素を基準としたブロックのノイズ量に応じた値であるノイズ推定値σaを得ることができるので、ノイズ推定のためのテーブルを予め設けておく必要がない。また、式(1)に示すノイズ推定値σaの算出では、演算のパイプライン化が可能となるため、より少ないハードウェアリソースで実装可能である。
コアリング部222は、総和算出部218で算出した総和値ERaに応じて動き判定を行い、動き判定結果に応じた重み係数Wiirを設定する。コアリング部222は、総和値ERaに応じた動き判定と、動き判定結果に応じた重み係数Wiirを設定できるコアリング関数を有している。
図6は、動き判定結果に応じた重み係数Wiirを設定するためのコアリング関数を例示している。コアリング関数では動き判定閾値THha,THlaが設定されている。コアリング部222は、総和値ERaが動き判定閾値THhaよりも大きい場合、動被写体の画素として判定して、重み係数Wiirを係数値Llaに設定する。コアリング部222は、総和値ERaが動き判定閾値THla以下である場合、動被写体の画素でない判定して、重み係数Wiirを係数値Llaよりも大きい係数値Lhaに設定する。また、総和値ERaが動き判定閾値THlaよりも大きく動き判定閾値THha以下である場合、動被写体の画素か動被写体の画素でないか、正しく判別できないとして、総和値ERaに応じて重み係数Wiirを係数値Lha〜Llaの範囲内で設定する。
また、コアリング関数の動き判定閾値THha,THlaは、ノイズ推定値σaに応じて変化させる。例えば「THha=αa×σa,THla=βa×σa」として、ノイズが多いときは動き判定閾値THha,THlaを大きくして、ノイズが少ないときは動き判定閾値THha,THlaを小さくする。なお、「αa」は動被写体の画素と判別するための動き判定閾値THhaを設定するためのパラメータである。また、「βa」は、動被写体の画素でないと判別するための動き判定閾値THlaを設定するためのパラメータである。なお、図6では、「αa」と「βa」が異なる場合を示しているが、「αa」と「βa」が等しくともよい。
このようなコアリング関数を用いて、ノイズ推定値σaに応じて動き判定閾値THha,THlaを変化させると、ノイズが多いときには、総和値ERaが大きくなければ動被写体の画素と判別されることがない。また、ノイズが少ないときには、総和値ERaが小さくとも動被写体の画素と判別される。
ここで、動き判定閾値THha,THlaを固定させた場合、ノイズの影響によって総和値ERaが大きくなると、動被写体でない画素が動被写体の画素と判別されてしまう場合がある。この場合、第1重み係数Wiirが小さくされるため、時間方向の平滑化強度が弱くなり、動被写体でない画素のノイズ除去効果が少なくなってしまう。また、動被写体の画素であっても総和値ERaが小さいと、動被写体でない画素と判別されてしまう場合がある。この場合、第1重み係数Wiirが大きくされるため、時間方向の平滑化強度が強くなり、ブラーを生じてしまう。しかし、ノイズ推定値σaに応じて動き判定閾値THha,THlaを可変すれば、ノイズの影響の少ない動き判定を行うことができる。すなわち、ノイズに対してロバストな動き判定を行うことができる。
また、第1重み係数設定部21は、差分絶対値和(以下「SAD」という)ではなく総和に基づいた差分を用いて動き判定を行う。
図7は、差分絶対値和を用いた場合の動作を説明するための図である。図7の(A)は、画像に動きがなくノイズを生じている場合を示している。なお、図の矢印はノイズを示している。また、図7の(B)は画像に動きがありノイズがない場合を示している、なお、図の矢印は動きを示している。ここで、図7の(A)の差分絶対値は図7の(C)となる。また、図7の(B)の差分絶対値は図7の(D)となる。したがって、画像に動きがなくノイズを生じている場合と、画像に動きがありノイズがない場合とで、SADが等しくなり場合が生じてしまうため、SADを用いたときノイズと動被写体の区別を行うことができないおそれがある。
図8は、総和に基づいた差分を用いた場合の動作を説明するための図である。図8の(A)は、画像に動きがなくノイズを生じている場合を示している。なお、図の矢印はノイズを示している。また、図8の(B)は画像に動きがありノイズがない場合を示している、なお、図の矢印は動きを示している。ここで、図8の(A)について総和に基づく差分を用いると図8の(C)に示すように差分値は「0」となる。また、図8の(B)について総和に基づく差分を用いると図1の(D)に示すように差分値は「0」にならないことから、ノイズと動被写体の区別を行うことができる。
このように、第1重み係数設定部21は、総和に基づいた差分を用いて動き判定を行うことで、ノイズと動被写体の区別を正しく行うことができるようになる。
さらに、ノイズ推定値算出部221は、総和算出部219から出力された総和値BTaが総和算出部220から出力された総和値BTiir以下であるとき、現在画像の画像信号DVを用いてノイズ推定値の算出を行う。ノイズ推定値算出部221は、総和算出部219から出力された総和値BTaが総和算出部220から出力された総和値BTiirよりも大きいとき、IIR画像の画像信号DViirを用いてノイズ推定値の算出を行う。ここで、ノイズが多い場合は総和値が大きくなることから、総和値が小さいほうの画像を選択するとノイズの少ない画像を選択することになる。したがって、ノイズ推定値σaも小さくなる。したがって、第1重み係数Wiirは、総和値ERaが小さくならないと係数値が大きくならず時間方向の平滑化強度も強くならないので、ブラーが発生し難くなる。
次に、第2重み係数設定部について説明する。第2重み係数設定部23は、判定を行う画素を基準とした第2の所定範囲の入力画像と、この判定を行う画素の周辺に位置する画素を基準とした第2の所定範囲の入力画像を用いて第2重み係数W0〜W(K-1)の設定を画素毎に行う。第2重み係数設定部23は、第2重み係数W0〜W(K-1)の設定において、第2の所定範囲である2つの画像を用いて、第2の所定範囲の各画素における画素信号の差分絶対値の総和を算出する。第2重み係数設定部23は、差分絶対値の総和がエッジ判別閾値よりも大きいときはエッジ部分の画素として判別し、差分絶対値の総和がエッジ判別閾値以下のときはエッジ部分でない画素と判別する。さらに、第2重み係数設定部23は、エッジ部分の画素がエッジ部分でない画素よりも平滑化強度が強くなるように第2重み係数0〜W(K-1)を設定する。
図9は、第2重み係数設定部23の構成を示している。第2重み係数設定部23では、現在画像を入力として、エッジ判定を行う画素(以下「エッジ判定画素」という)に対する各周辺画素の重み係数を算出して重み係数統合部25に出力する。周辺画素の数「K」は、式(2)から算出する。なお、式(2)において、「n」は「(ブロックの横画素数−1)/2」、「m」は「(ブロックの縦画素数−1)/2」を示している。

このように、式(2)から算出した数の周辺画素を用いて、第2重み係数設定部23-0〜23-(K-1)によって、周辺画素毎に重み係数の算出を並列に行う。
図10は、例えばブロックの横画素数と縦画素数が5画素である場合の周辺画素を例示している。ブロックの横画素数と縦画素数が5画素である場合、式(2)からK=8となるすなわち、図10において、丸印を付加した8画素が周辺画素である。
図11は、第2重み係数設定部23-0の構成を示している。第2重み係数設定部23-0は、中心画素ブロック抜き出し部230、RGB抜き出し部231,234、R総和算出部232R,235R、G総和算出部232G,235G、B総和算出部232B,235B、周辺画素ブロック抜き出し部233を有している。また、エッジ判定部は、R差分算出部236R、G差分算出部236G、B差分算出部236B、絶対値算出部237R,237G,237B、総和算出部238,239,240、ノイズ推定値算出部241、コアリング部242を有している。
中心画像ブロック抜き出し部230は、現在画像において、エッジ判定を行う画素(以下「エッジ判定画素」という)を中心とした所定画素数のブロックの画素信号を抜き出してRGB抜き出し部231と総和算出部239に出力する。
RGB抜き出し部231は、中心画像ブロック抜き出し部230で抜き出された所定画素数のブロックの画素信号から、R画素の画素信号を抜き出してR総和算出部232Rに出力する。同様に、RGB抜き出し部231は、所定画素数のブロックからG画素の画素信号を抜き出してG総和算出部232Gに出力し、B画素の画素信号を抜き出してB総和算出部232Bに出力する。
R総和算出部232Rは、RGB抜き出し部231で抜き出されたR画素の画素信号の総和を算出して、R差分算出部236Rに出力する。G総和算出部232Gは、RGB抜き出し部231で抜き出されたG画素の画素信号の総和を算出して、G差分算出部236Gに出力する。B総和算出部232Bは、RGB抜き出し部231で抜き出されたB画素の画素信号の総和を算出して、B差分算出部236Bに出力する。
周辺画像ブロック抜き出し部233は、現在画像において、周辺画素を中心とした所定画素数のブロックの画素信号を抜き出してRGB抜き出し部234と総和算出部240に出力する。例えば、図10の(B)において、右下の周辺画素を中心とした5画素×5画素のブロックの画素信号を抜き出す。
RGB抜き出し部234は、周辺画像ブロック抜き出し部233で抜き出された所定画素数のブロックの画素信号から、R画素の画素信号を抜き出してR総和算出部235Rに出力する。同様に、RGB抜き出し部234は、所定画素数のブロックからG画素の画素信号を抜き出してG総和算出部235Gに出力し、B画素の画素信号を抜き出してB総和算出部235Bに出力する。
R差分算出部236Rは、R総和算出部232Rで算出された総和値とR総和算出部235Rで算出された総和値の差分値を計算して絶対値算出部237Rに出力する。絶対値算出部237Rは、R差分算出部236Rで算出された差分値の絶対値を求めて総和算出部238に出力する。
G差分算出部236Gは、G総和算出部232Gで算出された総和値とG総和算出部235Gで算出された総和値の差分値を計算して絶対値算出部237Gに出力する。絶対値算出部237Gは、G差分算出部236Gで算出された差分値の絶対値を求めて総和算出部238に出力する。
B差分算出部236Bは、B総和算出部232Bで算出された総和値とB総和算出部235Bで算出された総和値の差分値を計算して絶対値算出部237Bに出力する。絶対値算出部237Bは、B差分算出部236Bで算出された差分値の絶対値を求めて総和算出部238に出力する。
総和算出部238は、絶対値算出部237R,237G,237Bで算出した差分値の絶対値の総和値ERbを計算してコアリング部242に出力する。
総和算出部239は、中心画像ブロック抜き出し部230で抜き出された所定画素数のブロック、すなわち現在画像におけるエッジ判定画素を基準としたブロック内の各画素の画素信号の総和値BTbを算出してノイズ推定値算出部241に出力する。総和算出部240は、周辺画像ブロック抜き出し部233で抜き出された所定画素数のブロック、すなわち現在画像における周辺画素を基準としたブロック内の各画素の画素信号の総和値BTrを算出してノイズ推定値算出部241に出力する。
ノイズ推定値算出部241は、総和算出部239,240から出力された総和値を比較して、総和値が小さい画像の画素位置を基準としてノイズ推定値の算出を行う。
ノイズ推定値算出部241は、第1重み係数設定部21のノイズ推定値算出部221と同様に構成されている。ノイズ推定値算出部241は、総和値が小さい領域の画素位置、すなわちエッジ判定画素あるいは周辺画素のいずれかを基準として、第1重み係数設定部21のノイズ推定値算出部221と同様にノイズ推定値σbを算出してコアリング部242に出力する。
コアリング部242は、総和算出部238で算出した総和値ERbに応じてエッジ判定を行い、エッジ判定結果に応じた重み係数W0を設定して、図3に示す重み係数統合部25に出力する。重み係数W0は、空間方向の平滑化強度を設定する係数であり、重み係数W0の値が大きいときは、空間方向の平滑化強度を強くする。コアリング部242は、総和値ERbに応じたエッジ判定と、エッジ判定結果に応じた重み係数W0を設定できるコアリング関数を有している。
図12は、エッジ判定結果に応じた重み係数W0を設定するためのコアリング関数を例示している。コアリング関数ではエッジ判定閾値THhb,THlbが設定されている。コアリング部242は、総和値ERbがエッジ判定閾値THhbよりも大きい場合、エッジ部分の画素として判定して、重み係数W0を係数値Llbに設定する。コアリング部242は、総和値ERbがエッジ判定閾値THlb以下の場合、エッジ部分の画素でない判定して、重み係数W0を係数値Llbよりも大きい係数値Lhbに設定する。また、総和値ERbがエッジ判定閾値THlbよりも大きくエッジ判定閾値Hhb以下の範囲内である場合、エッジ部分の画素かエッジ部分の画素でないか、正しく判別できないとして、総和値ERbに応じて重み係数W0を係数値Lhb〜Llbの範囲内で設定する。
また、コアリング関数のエッジ判定閾値THhb,THlbは、ノイズ推定値σbに応じて変化させる。例えば「THhb=αb×σb,THlb=βb×σb」として、ノイズが多いときはエッジ判定閾値THhb,THlbを大きくして、ノイズが少ないときはエッジ判定閾値THhb,THlbを小さくする。なお、「αb」はエッジ部分の画素と判別するためのエッジ判定閾値THhbを設定するためのパラメータである。また、「βb」は、エッジ部分の画素でないと判別するためのエッジ判定閾値THlbを設定するためのパラメータである。なお、図12では、「αb」と「βb」が異なる場合を示しているが、「αb」と「βb」が等しくともよい。
このようなコアリング関数を用いて、ノイズ推定値σbに応じてエッジ判定閾値THhb,THlbを変化させると、ノイズが多いときには、総和値ERbが大きくなければエッジ部分の画素と判別されることがない。また、ノイズが少ないときには、総和値ERbが小さくともエッジ部分の画素と判別される。
ここで、エッジ判定閾値THhb,THlbを固定させた場合、ノイズの影響によって総和値ERbが大きくなると、エッジ部分でない画素がエッジ部分の画素と判別されてしまう場合がある。この場合、第2重み係数W0が小さくされるため、空間方向の平滑化強度が弱くなり、エッジ部分でない画素のノイズ除去効果が少なくなってしまう。また、エッジ部分の画素であっても総和値ERbが小さいと、エッジ部分でない画素と判別されてしまう場合がある。この場合、第2重み係数W0が大きくされるため、空間方向の平滑化強度が強くなり、エッジ部分の解像感が低下してしまう。しかし、ノイズ推定値σbに応じてエッジ判定閾値THhb,THlbを可変すれば、ノイズの影響の少ないエッジ判定を行うことができる。すなわち、ノイズに対してロバストなエッジ判定を行うことができる。
さらに、ノイズ推定値算出部241は、総和算出部239から出力された総和値BTbと総和算出部240から出力された総和値BTrのいずれか総和値が小さいほうの画像を選択してノイズ推定値の算出を行う。ここで、ノイズ推定値算出部221について説明したように、ノイズが多い場合は総和値が大きくなることから、総和値が小さいほうの画像を選択するとノイズの少ない画像を選択することになり、ノイズ推定値σbも小さくなる。したがって、第2重み係数W0は、総和値ERbが小さくならないと係数値が大きくならず空間方向の平滑化強度も強くならないので、エッジ部分の解像感の低下が発生し難くなる。
また、第2重み係数設定部23-1〜23-(K-1)も第2重み係数設定部23-0と同様に構成されている。第2重み係数設定部23-1〜23-(K-1)は、ぞれぞれ互いに異なる周辺画素を基準として、空間方向の平滑化強度を設定するための重み係数W1〜W(K-1)の設定を並列して行い、設定した重み係数W1〜W(K-1)を重み係数統合部25に出力する。このように、エッジ判定部を構成することで、ノイズとエッジ部分の区別が可能となる。
図2に示す重み係数統合部25は、第1重み係数設定部21から出力された重み係数Wiirと、第2重み係数設定部23-0〜23-(K-1)から出力された重み係数W0〜W(K-1)の正規化を行い、正規化後の重み係数を平滑化部27に出力する。
重み係数統合部25は、例えば式(3)の演算を行い、第1重み係数設定部21から出力された重み係数wiirの正規化を行う。また、重み係数統合部25は、例えば式(4)の演算を行い、第2重み係数設定部23-0〜23-(K-1)から出力された重み係数W0〜W(K-1)の正規化を行う。なお、式(3),(4)において、「γ」は時間方向の平滑化と空間方向の平滑化のどちらを重視するかのパラメータであり、「γ」を大きくすると時間方向の平滑化が重視される。

このように重み係数Wiir,W0〜W(K-1)の正規化を行うと、正規化後の重み係数W'iirは、重み係数Wiirに対して重み係数W0〜W(K-1)の割合が大きいときには小さな値となり、重み係数W0〜W(K-1)の割合が小さくなると大きくなる。また、正規化後の重み係数W'0〜W'(K-1)は、重み係数W0〜W(K-1)に対して重み係数Wiirの割合が大きいときには小さな値となり、重み係数Wiirの割合が小さくなると大きくなる。このため、時間方向の平滑化強度が弱い画素に対しては空間方向の平滑化強度が強められて、空間方向の平滑化強度が弱い画素に対しては時間方向の平滑化強度が強くされる。すなわち、時間方向の平滑化強度が弱い部分は空間方向の平滑化で補完し、空間方向の平滑化強度が弱い部分は時間方向の平滑化で補完するように重み係数Wiir,W0〜W(K-1)が調整される。
また、パラメータ「γ」を用いることで、時間方向の平滑化と空間方向の平滑化のどちらを重視するか容易に調整できる。パラメータ「γ」が用いられいない場合、例えば第1重み係数や第2重み係数を設定するためのコアリング関数を変更する必要がある。しかしパラメータ「γ」を用いることで、コアリング関数の変更等を行わなくとも、パラメータ「γ」の値を変えるだけで、時間方向の平滑化と空間方向の平滑化のどちらを重視するか容易に調整できるようになる。
平滑化部27は、正規化後の重み係数W'iir,W'0〜W'(K-1)と、周辺画素の画素信号xkとIIR画像の画素信号xiirを用いた積和演算を行う。平滑化部27は、積和演算によって、現在画像に対して時空間方向平滑化処理を行い、ノイズが除去された現在画像の画像信号の画素信号xfilを算出して、図1に示す後処理部31に出力する。また、ノイズが除去された画像信号をフレームメモリ29にIIR画像の画像信号として書き込む。式(5)は、重み係数統合部25で行う積和演算を例示している。

<3.本発明の画像処理装置の動作>
次に、本発明の画像処理装置に相当するノイズ除去部20の動作について説明する。図13は現在画像、図14はIIR画像を示している。また、図15は現在画像に対して空間方向の平滑化を行った場合の画像、図16は現在画像に対してIIR画像を用いて時間方向の平滑化を行った場合の画像を示している。図17は、現在画像に対して空間方向の平滑化を行ったのちIIR画像を用いて時間方向の平滑化を行った場合(あるいはIIR画像を用いて時間方向の平滑化を行ったのち空間方向の平滑化を行った場合)の画像を示している。図18は、ノイズ除去部20で、現在画像に対して時空間方向平滑化処理が行われた画像を示している。
なお、被写体には、左方向に移動する動被写体(例えば人間)と、エッジを含む静止物体(例えば木)が含まれており、背景は一様とする。また、動作をわかりやすくするため、図13〜17において、ノイズレベルが高いノイズは星状のマーク、ノイズレベルが低いノイズは丸状のマークで示している。
図13に示す現在画像に対して空間方向の平滑化処理を行い、エッジ保存のためにエッジ部分で平滑化強度を弱くすると、図15に示すように、静止物体のエッジ部分ではS/Nが改善されていない画像となってしまう。
また、図13に示す現在画像と図14に示すIIR画像を用いて時間方向の平滑化処理を行い、ブラー抑制のために動被写体部分で平滑化強度を弱くすると、図16に示すように、動被写体部分でS/Nが改善されていない画像となってしまう。
さらに、現在画像に対して時間方向の平滑化を行った後に空間方向の平滑化を行った場合、または空間方向の平滑化を行った後に時間方向の平滑化を行った場合、動被写体は空間方向の平滑化のみが作用し、エッジ部分には時間方向の平滑化のみが作用する。さらに、背景部分には、時間方向と空間方向の平滑化が作用する。したがって、図17に示すように、背景部分に比べてエッジ部分と動被写体部分ではS/Nの改善が少なくなる。このように、背景のノイズが少なくエッジ部分と動被写体部分でノイズが残っていると、特にノイズ残留部分が目立ってしまう。
これらに対して、ノイズ除去部20の重み係数統合部25は、時間方向の平滑化強度を設定する重み係数と空間方向の平滑化強度を設定する重み係数の正規化が行われて、時間方向の平滑化強度が弱い部分は空間方向の平滑化によって補完される。さらに、空間方向の平滑化強度が弱い部分は時間方向の平滑化によって補完される。したがって、重み係数統合部25から出力された正規化後の重み係数を用いて平滑化部27で現在画像とIIR画像を用いた積和演算を行うと、一方の平滑化強度が弱いとき他方の平滑化で補完するように時空間平滑化処理が行われる。このため、ノイズ除去部20から出力される画像は、図18に示すように、背景部分だけでなくエッジ部分および動被写体部分でもS/Nが改善された画像を得ることができる。
また、上述の一連の処理はハードウェアだけでなく、ソフトウェア、あるいは両者の複合構成によって実行することが可能である。
図19は、上述の一連のノイズ除去処理を示すフローチャートである。ステップST1でノイズ除去部は、動き判定処理を行う。動き判定処理では、現在画像の画像信号DVとIIR画像の画像信号DVfilを用いて、現在画像における処理対象画素について動き判定を行い、その判定結果から第1重み係数Wiirを設定してステップST2に進む。
ステップST2でノイズ除去部は、エッジ判定処理を行う。エッジ判定処理では、現在画像の画像信号DVを用いて、現在画像における処理対象画素と処理対象画素の周辺に位置する周辺画素に基づき、周辺画素毎に処理対象画素のエッジ判定を行う。さらに、判定結果から第2重み係数W0〜W(K-1)を設定してステップST3に進む。
ステップST3でノイズ除去部は、重み係数統合処理を行う。重み係数統合処理では、動き判定結果から設定された第1重み係数と、エッジ判定結果から設定された第2重み係数の正規化を行う。正規化を行うと、時間方向の平滑化強度が弱いときは空間方向の平滑化強度を強くして、空間方向の平滑化強度が弱いときは時間方向の平滑化強度を強くするように、第1と第2重み係数が調整されてステップST4に進む。
ステップST4でノイズ除去部は、時空間方向平滑化処理を行う。時空間方向平滑化処理では、正規化後の第1および第2重み係数と、処理対象画素の周辺画素と、IIR画像における処理対象画素と等しい位置の画素とを用いて、現在画像における処理対象画素の時空間平滑化処理を行ってステップST5に進む。
ステップST5でノイズ除去部は、全画素について処理が完了したか否かを判別する。ここで、ノイズ除去対象の画像において処理が完了していない画素が残っているときはステップST6に進み、全画素について処理が終了しているときはノイズ除去処理を終了する。
ステップST6でノイズ除去部は、処理が完了していない画素を処理対象画素に設定してステップST1に戻る。
なお、図18では、動き判定処理を行ってからエッジ判定を行う場合を示しているが、エッジ判定処理を行ってから動き判定を行うようにしてもよい。さらに、マルチコアプロセッサ等を用いることで、並列処理が可能であるときは、動き判定処理やエッジ判定処理を並列して行うようにしてもよい。
このようなノイズ除去処理を行うプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれたコンピュータ内のメモリにインストールして実行させるか、あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させる。このようにすれば、ハードウェアに限らずソフトウェアでもノイズ除去処理を行うことができる。
なお、プログラムは、記録媒体としてのハードディスクやROMに予め記録しておくことができる。あるいは、プログラムはフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウェアとして提供することができる。
さらに、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、コンピュータに無線転送したり、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送し、コンピュータでは、そのようにして転送されてくるプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることもできる。
本発明では、時間方向の平滑化が弱いときには空間方向の平滑化によって、空間方向の平滑化が弱いときには時間方向の平滑化によって、それぞれ弱い部分の補完が行われるので、動被写体やエッジ部分のノイズ除去性能の低下を軽減できる。したがって、ノイズ除去後の画像は視認性が向上した画像となり、ノイズ除去を施す前では認識できなかった部分を認識可能とする画像を得ることができる。例えば、夜間時の車のナンバーがノイズにより見えなかった場合、本発明のノイズ除去を行うことでナンバーを読み取ることが可能となる。また、動き判定結果に基づいて設定された第1重み係数とエッジ判定結果に基づいて設定された第2重み係数を正規化して、正規化後の重み係数を用いて時空間方向平滑化処理の演算を行うことから、時間フィルタと空間フィルタを個々に設ける必要がなく、構成が容易となる。
また、コアリング部222,242では、ノイズ量に応じて閾値を変化させていることから、誤った動き判定によってブラーが生じてしまうことを防止できる。また、誤ったエッジ判定によってエッジ保存が達成されなくなってしまうことを防止できる。例えば、低照度下の撮像のため画像のS/Nが悪化してノイズの振幅と動被写体やエッジ部分の輝度差との区別が難しくなるような場合でも、ノイズ量に応じて閾値が変化されることから、動被写体やエッジ部分の判定を正しく行うことが可能となる。したがって、動被写体やエッジ部分のノイズ除去性能の低下をより確実に軽減できる。
また、ノイズは、周波数帯域では一様に分布するため、画像のデータ圧縮の際には、ノイズに多くのビットが割り振られることになる。その結果、データ圧縮率が低下したり、データ圧縮後の画像のノイズが非常に多くなり画質が悪化してしまう問題が発生する場合がある。しかし、本発明では動被写体やエッジ部分でも他の部分と同様にS/Nを改善することができるので、画像のデータ圧縮した場合、データ圧縮率の低下やデータ圧縮後の画像の画質悪化等の問題を解決することも可能となる。
なお、本発明は、上述した発明の実施の形態に限定して解釈されるべきではない。例えば、上述の実施の形態では、入力画像の画像信号がベイヤー方式の画像信号である場合を示したが、RGBの色毎に設けられた撮像素子から出力される画像信号等のように他の方式の画像信号を用いてもよい。この発明の実施の形態は、例示という形態で本発明を開示しており、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が実施の形態の修正や代用をなし得ることは自明である。すなわち、本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲を参酌すべきである。
この発明では、画素毎に動き判定の判定結果に応じて時間方向の平滑化強度を調整する第1重み係数が設定される。また、画素毎にエッジ判定の判定結果に応じて空間方向の平滑化強度を調整する第2重み係数が設定される。この第1重み係数と第2重み係数の正規化を行うことで、第1重み係数と第2重み係数が、時間方向の平滑化強度が弱い部分は空間方向の平滑化で補完し、空間方向の平滑化強度が弱い部分は時間方向の平滑化で補完するように調整されて、正規化後の第1重み係数と第2重み係数を用いた算によって、入力画像に対する時空間方向平滑化処理が行われた出力画像が生成されて、動被写体やエッジ部分のノイズ除去性能の低下が軽減される。したがって、撮像装置や画像信号の記録再生等を行う機器に適している。
10・・・撮像装置、11・・・撮像光学部、12・・・駆動部、13・・・撮像部、14・・・タイミング信号生成部(TG部)、15・・・前処理部、20・・・ノイズ除去部、21・・・第1重み係数設定部、23,23-0〜23-(K-1)・・・第2重み係数設定部、25・・・係数統合部、27・・・平滑化部、29・・・フレームメモリ、31・・・後処理部、41・・・システムコントローラ、210,213,230・・・中心画素ブロック抜き出し部、211,214,231,234・・・RGB抜き出し部、212R,215R,232R,235R・・・R総和算出部、212G,215G,232R,235R・・・G総和算出部、212B,215B,232B,235B・・・B総和算出部、216R,236R・・・R差分算出部、216G,236G・・・G差分算出部、216B,236B・・・B差分算出部、217R,217G,217B,237R,237G,237B・・・絶対値算出部、218,219,220,238,239,240・・・総和算出部、221,241・・・ノイズ推定値算出部、221a・・・総和値比較部、221b・・・信号選択部、221c・・・シフト分散値算出部、222,242・・・コアリング部、233・・・周辺画素ブロック抜き出し部、

Claims (9)

  1. 入力画像の画素毎に動き判定を行い、動き判定結果に応じて時間方向の平滑化強度を調整する第1重み係数を画素毎に設定する第1重み係数設定部と、
    前記入力画像の画素毎にエッジ判定を行い、エッジ判定結果に応じて空間方向の平滑化強度を調整する第2重み係数を画素毎に設定する第2重み係数設定部と、
    前記入力画像の画素毎に、前記第1重み係数と前記第2重み係数の正規化を行うことで、前記第1重み係数と前記第2重み係数を、時間方向の平滑化強度が弱い部分は空間方向の平滑化で補完し、空間方向の平滑化強度が弱い部分は時間方向の平滑化で補完するように調整する重み係数統合部と、
    前記重み係数統合部で正規化された第1重み係数と第2重み係数を用いた演算を行い、前記入力画像に対する時空間方向平滑化処理が行われた出力画像を得る平滑化部と
    を有する画像処理装置。
  2. 前記第1重み係数設定部は、判定を行う画素を基準とした第1の所定範囲の入力画像と、前記平滑化部で前記時空間方向平滑化処理された画像における前記第1の所定範囲に対応する位置の画像を用い、
    前記第2重み係数設定部は、判定を行う画素を基準とした第2の所定範囲の入力画像と、該判定を行う画素の周辺に位置する画素を基準とした第2の所定範囲の入力画像を用い、
    前記第1重み係数設定部は、前記第1の所定範囲である2つの画像を用いて、前記第1の所定範囲の各画素における画素信号の差分絶対値の総和を算出して、該差分絶対値の総和が動き判別閾値よりも大きいときは動き部分の画素として判別し、前記差分絶対値の総和が動き判別閾値以下のときは動き部分でない画素と判別して、動き部分の画素が動き部分でない画素よりも平滑化強度が強くなるように前記第1重み係数を設定し、
    前記第2重み係数設定部は、前記第2の所定範囲である2つの画像を用いて、前記第2の所定範囲の各画素における画素信号の差分絶対値の総和を算出して、該差分絶対値の総和がエッジ判別閾値よりも大きいときはエッジ部分の画素と判別し、前記差分絶対値の総和がエッジ判別閾値以下のときはエッジ部分でない画素と判別して、エッジ部分の画素がエッジ部分でない画素よりも平滑化強度が強くなるように前記第2重み係数を設定する請求項1記載の画像処理装置。
  3. 前記第1重み係数設定部と前記第2重み係数設定部は、前記入力画像の画素毎にノイズ推定値の算出を行い、該ノイズ推定値に応じて前記動き判別閾値および/またはエッジ判別閾値を変化させて、ノイズが多いときに閾値を大きくする請求項2記載の画像処理装置。
  4. 前記第1重み係数設定部と前記第2重み係数設定部は、前記所定範囲における画素信号の総和が小さいほうの所定範囲の選択を行い、選択した所定範囲を用いて前記ノイズ推定値の算出を行う請求項3記載の画像処理装置。
  5. 前記第1重み係数設定部と前記第2重み係数設定部は、前記選択した所定範囲の基準である画素位置を基準として分散算出範囲をシフトさせて分散値の算出を行い、算出した分散値の平均値を前記ノイズ推定値とする請求項4記載の画像処理装置。
  6. 前記平滑化部は、時空間方向平滑化処理を行う処理対象画素毎に、該処理対象画素に対する正規化された第1重み係数と第2重み係数と、前記時空間方向平滑化処理された画像における前記処理対象画素と等しい位置の画素の画素信号と、前記入力画像における前記処理対象画素の周辺画素の画素信号を用いて演算を行い、前記処理対象画素の時空間方向平滑化処理後の画素信号を生成する請求項2記載の画像処理装置。
  7. 前記入力画像はベイヤー方式の画像であり、
    前記第1重み係数設定部および前記第2重み係数設定部は、色毎に前記差分絶対値を算出する請求項2記載の画像処理装置。
  8. 第1重み係数設定部で、入力画像の画素毎に動き判定を行い、動き判定結果に応じて時間方向の平滑化強度を調整する第1重み係数を画素毎に設定するステップと、
    第2重み係数設定部で、前記入力画像の画素毎にエッジ判定を行い、エッジ判定結果に応じて空間方向の平滑化強度を調整する第2重み係数を画素毎に設定するステップと、
    重み係数統合部で、前記入力画像の画素毎に、前記第1重み係数と前記第2重み係数の正規化を行うことで、前記第1重み係数と前記第2重み係数を、時間方向の平滑化強度が弱い部分は空間方向の平滑化で補完し、空間方向の平滑化強度が弱い部分は時間方向の平滑化で補完するように調整するステップと、
    平滑化部で、前記重み係数統合部で正規化された第1重み係数と第2重み係数を用いた演算を行い、前記入力画像に対する時空間方向平滑化処理が行われた出力画像を得るステップとを有する画像処理方法。
  9. 被写体を撮像して画像信号を得る撮像部と、
    前記画像信号を用いて画素毎に動き判定を行い、動き判定結果に応じて時間方向の平滑化強度を調整する第1重み係数を画素毎に設定する第1重み係数設定部と、
    前記画像信号を用いて画素毎にエッジ判定を行い、エッジ判定結果に応じて空間方向の平滑化強度を調整する第2重み係数を画素毎に設定する第2重み係数設定部と、
    画素毎に、前記第1重み係数と前記第2重み係数の正規化を行うことで、前記第1重み係数と前記第2重み係数を、時間方向の平滑化強度が弱い部分は空間方向の平滑化で補完し、空間方向の平滑化強度が弱い部分は時間方向の平滑化で補完するように調整する重み係数統合部と、
    前記重み係数統合部で正規化された第1重み係数と第2重み係数を用いた演算を行い、前記画像信号に対して時空間方向平滑化処理が行われた出力画像信号を得る平滑化部と
    を有する撮像装置。
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