JP2011122706A - 作業車両のクラッチ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】最適なタイミングでクラッチカットオフを作動させる作業車両のクラッチ制御装置を提供する。
【解決手段】コントローラは、作業車両の制動力が所定の制動力以上であり、かつ、トルクコンバータの速度比が所定の速度比以下の場合に、前進クラッチを解放するクラッチカットオフを作動させる。所定の速度比は、エンジン回転数の増加に比例して大きくなるように設定されている。
【選択図】図2
【解決手段】コントローラは、作業車両の制動力が所定の制動力以上であり、かつ、トルクコンバータの速度比が所定の速度比以下の場合に、前進クラッチを解放するクラッチカットオフを作動させる。所定の速度比は、エンジン回転数の増加に比例して大きくなるように設定されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、作業車両のクラッチ制御装置に関する。
ホイールローダ等の作業車両では、例えばダンプトラックに土砂等を積み込む作業を行う場合には、ダンプトラックへ接近する際にブレーキを踏んで車両を減速させながら、作業機装置(バケット)を上方へ上げるためにアクセルペダルを踏み込んでエンジン回転数を高回転で維持するようにしている。そこで、ブレーキの作動状態をたとえばブレーキ液圧で検出し、検出されたブレーキ液圧が所定の値を超えると、前後進用のクラッチを解放して駆動力の伝達を遮断するクラッチカットオフ装置が知られている(特許文献1参照)。
しかし、上述したクラッチカットオフ装置では、前後進用のクラッチの解放タイミングをブレーキの作動状態だけで判断しているため、作業車両の作業状態や路面の傾斜の程度によっては、前後進用のクラッチの解放タイミングが適切ではなくなってしまう。
(1)請求項1の発明による作業車両のクラッチ制御装置は、作業車両の制動力を検出する制動力検出手段と、エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、トランスミッションにエンジンの動力を伝達するトルクコンバータの速度比を検出する速度比検出手段と、作業車両の制動力が所定の制動力以上であり、かつ、トルクコンバータの速度比が所定の速度比以下であると判断した場合に、前進クラッチを解放するように前進クラッチの係合/解放を制御するクラッチ制御手段とを備え、所定の速度比は、エンジン回転数検出手段によって検出されるエンジン回転数に応じて大きくなるように設定されていることを特徴とする。
(2)請求項2の発明は、請求項1に記載の作業車両のクラッチ制御装置において、所定の速度比は、エンジン回転数の増加に比例して大きくなるように設定されていることを特徴とする。
(3)請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の作業車両のクラッチ制御装置において、所定の速度比は、作業車両における作業機装置の上昇動作を伴う積み込み作業において、予め設定したタイミングで前進クラッチが解放されるように最大値が設定されていることを特徴とする。
(4)請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の作業車両のクラッチ制御装置において、所定の速度比は、作業車両の傾斜路での走行停止時に、予め設定したタイミングで前進クラッチが解放されるように最小値が設定されていることを特徴とする。
(5)請求項5の発明は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の作業車両のクラッチ制御装置において、トランスミッションの設定速度段を検出する速度段検出手段と、速度段検出手段によって検出されるトランスミッションの設定速度段に基づいて、クラッチ制御手段におけるクラッチカットオフ条件を自動で切り換える切替手段とをさらに備えることを特徴とする。
(6)請求項6の発明は、請求項5に記載の作業車両のクラッチ制御装置において、トランスミッションは、複数の速度段を有し、速度段検出手段によって、トランスミッションが低速の速度段に設定されていると検出されると、切替手段は、クラッチカットオフ条件を自動で切り換えることを特徴とする。
(7)請求項7の発明は、請求項6に記載の作業車両のクラッチ制御装置において、少なくとも、前進クラッチを早いタイミングで解放する第1段階と、前進クラッチを遅いタイミングで解放する第2段階との間で、前進クラッチの解放タイミングを選択可能なタイミング選択手段をさらに備え、切替手段は、タイミング選択手段によって第1段階が選択されている場合に、トランスミッションが低速の速度段に設定されていると検出されると、前進クラッチを解放するタイミングが遅くなるように、クラッチカットオフ条件を自動で切り換えることを特徴とする。
(8)請求項8の発明によるホイールローダは、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の変速制御装置を備えることを特徴とする。
(2)請求項2の発明は、請求項1に記載の作業車両のクラッチ制御装置において、所定の速度比は、エンジン回転数の増加に比例して大きくなるように設定されていることを特徴とする。
(3)請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の作業車両のクラッチ制御装置において、所定の速度比は、作業車両における作業機装置の上昇動作を伴う積み込み作業において、予め設定したタイミングで前進クラッチが解放されるように最大値が設定されていることを特徴とする。
(4)請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の作業車両のクラッチ制御装置において、所定の速度比は、作業車両の傾斜路での走行停止時に、予め設定したタイミングで前進クラッチが解放されるように最小値が設定されていることを特徴とする。
(5)請求項5の発明は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の作業車両のクラッチ制御装置において、トランスミッションの設定速度段を検出する速度段検出手段と、速度段検出手段によって検出されるトランスミッションの設定速度段に基づいて、クラッチ制御手段におけるクラッチカットオフ条件を自動で切り換える切替手段とをさらに備えることを特徴とする。
(6)請求項6の発明は、請求項5に記載の作業車両のクラッチ制御装置において、トランスミッションは、複数の速度段を有し、速度段検出手段によって、トランスミッションが低速の速度段に設定されていると検出されると、切替手段は、クラッチカットオフ条件を自動で切り換えることを特徴とする。
(7)請求項7の発明は、請求項6に記載の作業車両のクラッチ制御装置において、少なくとも、前進クラッチを早いタイミングで解放する第1段階と、前進クラッチを遅いタイミングで解放する第2段階との間で、前進クラッチの解放タイミングを選択可能なタイミング選択手段をさらに備え、切替手段は、タイミング選択手段によって第1段階が選択されている場合に、トランスミッションが低速の速度段に設定されていると検出されると、前進クラッチを解放するタイミングが遅くなるように、クラッチカットオフ条件を自動で切り換えることを特徴とする。
(8)請求項8の発明によるホイールローダは、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の変速制御装置を備えることを特徴とする。
本発明によれば、種々の状況に対応した最適なタイミングでクラッチカットオフを作動させることができる。
《第1の実施の形態》
以下、図1〜9を参照して、本発明に係る作業車両のクラッチ制御装置の第1の実施の形態について説明する。図1は、第1の実施の形態に係るクラッチ制御装置が適用される作業車両の一例であるホイールローダの側面図である。ホイールローダ100は、アーム111、作業機装置であるバケット112、タイヤ113等を有する前部車体110と、運転室121、エンジン室122、タイヤ123等を有する後部車体120とで構成される。アーム111はアームシリンダ114の駆動により上下方向に回動(俯仰動)し、バケット112はバケットシリンダ115の駆動により上下方向に回動(ダンプまたはクラウド)する。前部車体110と後部車体120はセンタピン101により互いに回動自在に連結され、ステアリングシリンダ(不図示)の伸縮により後部車体120に対し前部車体110が左右に屈折する。
以下、図1〜9を参照して、本発明に係る作業車両のクラッチ制御装置の第1の実施の形態について説明する。図1は、第1の実施の形態に係るクラッチ制御装置が適用される作業車両の一例であるホイールローダの側面図である。ホイールローダ100は、アーム111、作業機装置であるバケット112、タイヤ113等を有する前部車体110と、運転室121、エンジン室122、タイヤ123等を有する後部車体120とで構成される。アーム111はアームシリンダ114の駆動により上下方向に回動(俯仰動)し、バケット112はバケットシリンダ115の駆動により上下方向に回動(ダンプまたはクラウド)する。前部車体110と後部車体120はセンタピン101により互いに回動自在に連結され、ステアリングシリンダ(不図示)の伸縮により後部車体120に対し前部車体110が左右に屈折する。
図2は、ホイールローダ100の概略構成を示す図である。エンジン1の出力軸にはトルクコンバータ2(以下、トルコンと呼ぶ)の入力軸21(図3参照)が連結され、トルコン2の出力軸22(図3参照)はトランスミッション3に連結されている。トルコン2は周知のインペラ,タービン,ステータからなる流体クラッチであり、エンジン1の回転はトルコン2を介してトランスミッション3に伝達される。トランスミッション3は、後述するようにその速度段を1速〜4速に変速する液圧クラッチを有し、トルコン2の出力軸の回転はトランスミッション3で変速される。変速後の回転が、プロペラシャフト4,アクスル5を介してタイヤ113,123に伝達されて、ホイールローダが走行する。
アクスル5には、ホイールローダ100を減速、停止させるためのブレーキ部5aが設けられている。ブレーキ部5aは、ブレーキバルブ32を介してブレーキフルード(作動油)が供給されると、作動油の圧力に応じた制動力を発生させる。ブレーキバルブ32は、作動油の油圧源30から供給される圧油をスプリング32aの圧縮力に応じた圧力に減圧する減圧弁である。運転室121内に設けられたブレーキペダル31がオペレータによって踏み込まれると、ブレーキペダル31の踏み込み力に応じてスプリング32aが圧縮される。したがって、ブレーキバルブ32は、作動油の油圧源30から供給される圧油をブレーキペダル31の踏み込み力に応じた圧力となるように減圧する。ブレーキバルブ32は、スプリング32aの圧縮力(すなわちブレーキペダル31の踏み込み力)が高くなるほど、高い圧力の作動油をブレーキ部5aに供給するように、作動油の圧力を減圧する。34は作動油タンクである。
なお、不図示の作業用油圧ポンプはエンジン1により駆動され、この油圧ポンプからの吐出油は不図示の方向制御弁を介して作業用アクチュエータ(例えばアームシリンダ114)に導かれる。方向制御弁は不図示の操作レバーの操作により駆動され、操作レバーの操作量に応じてアクチュエータを駆動できる。
トルコン2は入力トルクに対し出力トルクを増大させる機能、つまりトルク比を1以上とする機能を有する。トルク比は、トルコン2の入力軸21の回転数Niと出力軸22の回転数Ntの比であるトルコン速度比e(=Nt/Ni)の増加に伴い小さくなる。たとえばエンジン回転数が一定状態で走行中に走行負荷が大きくなると、トルコン2の出力軸22の回転数、つまり車速が減少し、トルコン速度比eが小さくなる。このとき、トルク比は増加するため、より大きな走行駆動力(牽引力)で車両走行可能となる。
ここで、トランスミッション3の構成について説明する。図3は、トランスミッション3の概略構成を示す図である。トランスミッション3は、複数のクラッチシャフトSH1〜SH3、アウトプットシャフトSH4、複数のギヤG1〜G13、前進用の油圧クラッチ(前進クラッチ)18、後進用の油圧クラッチ(後進クラッチ)19、1〜4速用の油圧クラッチC1〜C4を備える。各油圧クラッチ18,19,C1〜C4は、トランスミッション制御装置20を介して供給される圧油(クラッチ圧)により係合または解放する。すなわち油圧クラッチ18,19,C1〜C4に供給されるクラッチ圧が増加するとクラッチ18,19,C1〜C4は係合し、クラッチ圧が減少すると解放する。
トルコン2の出力軸22は、クラッチシャフトSH1に連結され、アウトプットシャフトSH4の両端部は、図2のプロペラシャフト4を介して車両前後のアクスル5に連結されている。図3では、前進クラッチ18と1速用クラッチC1とが係合状態で、他のクラッチ19,C2〜C4が解放状態にある。この場合には、ギヤG1とクラッチシャフトSH1が一体になって回転するとともに、ギヤG6とクラッチシャフトSH2が一体になって回転する。
このときエンジン1の出力トルクは、図3に太線で示すようにトルコン2の入力軸21、出力軸22、クラッチシャフトSH1、前進クラッチ18、ギヤG1,G3,G5,G6、1速用クラッチC1、クラッチシャフトSH2、ギヤG8,G12を介してアウトプットシャフトSH4に伝達される。これにより1速走行が可能となる。
1速から2速に変速する場合には、トランスミッション制御装置20を介して供給されるクラッチ圧により1速用クラッチC1を解放し、2速用クラッチC2を係合する。これによりエンジン1の出力トルクは、トルコン2の入力軸21、出力軸22、クラッチシャフトSH1、前進クラッチ18、ギヤG1,G3,G7、2速用クラッチC2、クラッチシャフトSH2、ギヤG8,G12を介してアウトプットシャフトSH4に伝達され、2速走行が可能となる。1速から2速以外の変速、すなわち2速から3速、3速から4速、4速から3速、3速から2速、2速から1速への変速も同様にクラッチC1〜C4を制御することで行われる。
自動変速制御には、トルコン速度比eが所定値に達すると変速するトルコン速度比基準制御と、車速が所定値に達すると変速する車速基準制御の2つの方式がある。本実施の形態では、トルコン速度比基準制御によりトランスミッション3の速度段を制御する。
図4は、トルコン速度比eと速度段の関係を示す図である。走行負荷が低くなり、トルコン速度比eが増加してトルコン速度比eが所定値eu以上になると、速度段は1段シフトアップする。これによりトルコン速度比eがe1(ed<e1<eu)となる。反対に走行負荷が高くなり、トルコン速度比eが低下してトルコン速度比eが所定値ed以下になると、速度段は1段シフトダウンする。これによりトルコン速度比eがe2(ed<e2<eu)となる。所定値eu,edは、予めコントローラ10に設定されている。
図2に示すコントローラ10は、CPU,ROM,RAM,その他の周辺回路などを有する演算処理装置を含んで構成される。コントローラ10には、アクセルペダル12の操作量を検出するペダル操作量検出器12aと、トルコン2の入力軸21の回転数Niを検出する回転数検出器14と、トルコン2の出力軸22の回転数Ntを検出する回転数検出器15と、トランスミッション3の出力軸の回転速度、つまり車速vを検出する車速検出器16と、エンジン回転速度(回転数)Neを検出するエンジン回転数センサ25とが接続されている。コントローラ10には、車両の前後進を指令する前後進切換スイッチ7と、1速〜4速の間で最大速度段を指令するシフトスイッチ8と、クラッチカットオフ(後述)を行うか否かを選択するクラッチカットオフ選択スイッチ9とが接続されている。また、コントローラ10には、トランスミッション3における変速を自動で行うか手動で行うかを切り替える変速手段切替装置35と、後述するように前後進用のクラッチ18,19をカットオフする際の条件を切り替えるクラッチカットオフ作動段階切り替えスイッチ36とが接続されている。
コントローラ10には、ブレーキペダル31の操作量を検出するペダル操作量検出器31aと、ブレーキ部5aに供給される作動油の圧力を検出する圧力センサ33とが接続されている。コントローラ10は、ペダル操作量検出器12aで検出したアクセルペダル12の操作量に応じてエンジン1の回転速度(回転数)を制御する。
たとえば、ホイールローダ100でダンプトラックに土砂等を積み込む作業を行う場合などには、オペレータは、ダンプトラックへ接近する際にブレーキペダル31を踏み込んでホイールローダ100を減速させながら、バケット112を上方へ上げるためにアクセルペダル12も踏み込んでエンジン1の回転数を高回転で維持するようにしている。コントローラ10は、クラッチカットオフを作動するようにクラッチカットオフ選択スイッチ9が選択されている場合には、後述するクラッチカットオフ条件が満たされたと判断されると、前後進用のクラッチ18,19を解放(カットオフ)するための制御信号(カットオフ信号)をトランスミッション制御装置20に出力する。トランスミッション制御装置20では、カットオフ信号を受信すると、トランスミッション制御装置20に設けられているクラッチカットオフ弁17(図2)がクラッチ18,19のクラッチ圧を減少させる。これにより、クラッチ18,19が解放され、走行駆動力(以下、単に駆動力と呼ぶ)の伝達が遮断される。
上述のように、土砂等を積み込む作業を行う際に接近する対象物(以下、接近対象物と呼ぶ)へ接近したと判断されたとき等にクラッチ18,19を解放することを、クラッチカットオフと呼んでいる。なお、コントローラ10は、クラッチカットオフをしないようにクラッチカットオフ選択スイッチ9が選択されている場合には、クラッチカットオフ条件が満たされてもカットオフ信号を出力しない。したがって、クラッチカットオフをしないようにクラッチカットオフ選択スイッチ9が選択されている場合には、上述したクラッチカットオフは行われない。
図5は、土砂等をダンプトラックへ積み込む方法の1つであるVシェープローディングについて示す図である。Vシェープローディングでは、まず、矢印aで示すように、ホイールローダ100を前進させて土砂等をすくい込み、その後、矢印bで示すように、ホイールローダ100を一旦後退させる。そして、矢印cで示すように、ダンプトラックに向けてホイールローダ100を前進させて、すくい込んだ土砂等をダンプトラックに積み込み、矢印dで示すように、ホイールローダ100を元の位置に後退させる。
図5の矢印cで示す土砂等のダンプトラックへの積み込みの際には、掘削時のように大きな駆動力が必要ではないため、オペレータは、シフトスイッチ8によって最大速度段を2速に設定するか、変速手段切替装置35でトランスミッション3における変速を手動で行うように切り替えた上で、速度段を2速に固定するように設定している。
図6は、図5の矢印cで示す土砂等のダンプトラックへの積み込みの際のホイールローダ100の状態を説明する図である。説明の便宜上、接近対象物であるダンプトラックへ接近する(アプローチする)際の初期の段階であって、ホイールローダ100を加速させる段階をアプローチ初期と呼ぶ。ダンプトラックへアプローチする際の中期の段階であって、ホイールローダ100を減速し始めてからホイールローダ100が停止するまでの段階をアプローチ中期と呼ぶ。ホイールローダ100が停止してから、バケット112内の土砂等をダンプトラックに放土し終えるまでの段階をアプローチ後期と呼ぶ。
図6に示すように、アプローチ初期では、ホイールローダ100を加速させるとともにバケット112を上昇させるため、アクセルペダル12が最大限に踏み込まれる。アプローチ中期では、バケット112を上昇させるため、アクセルペダル12が最大限に踏み込まれるが、ホイールローダ100を減速させるためにブレーキペダル31も徐々に踏み込まれる。アプローチ後期では、ホイールローダ100を停止させておくためにブレーキペダル31が最大限に踏み込まれる。クラッチカットオフをするようにクラッチカットオフ選択スイッチ9が選択されている場合には、アプローチ中期のオペレータによるブレーキペダル31の踏み込みなどによって、後述するクラッチカットオフ条件が満たされると、上述したように、クラッチカットオフが行われる。
したがって、ダンプトラックへの接近時に駆動力の伝達が遮断されるので、駆動力に抗してホイールローダ100を減速および停止させる必要がない。これにより、クラッチカットオフをせずに駆動力に抗してホイールローダ100を減速および停止させたときと比べて、ブレーキ部5aに対する負担を減らすことができ、ブレーキ部5aの温度上昇を抑制し、ブレーキ部5aの各部の消耗を抑制できる。また、クラッチカットオフを作動させた場合は、エンジン1の回転数が高い状態を維持させつつホイールローダ100を減速、停止させても、入力軸21と出力軸22の回転数比であるトルコン速度比eがほぼ1の状態であり、エンジン1からトルコン2への入力トルクが非常に小さいので、トルコン2における動力損失を低減して、燃料消費量を低減できる。
しかし、クラッチカットオフのタイミングが適切でない場合には、クラッチカットオフによって駆動力の伝達が突然遮断されることとなるので、ホイールローダ100の駆動力が急激に減少してホイールローダ100のピッチングを誘発する恐れがある。土砂等を積み込む作業を行う場合などには、バケット112の位置が高いため、ピッチングがより大きくなる傾向にある。そのため、ピッチングを嫌うオペレータが、従来のホイールローダにてダンプトラックに土砂等を積み込む作業を行う場合などには、クラッチカットオフをしないようにクラッチカットオフ選択スイッチ9を選択して、上述したクラッチカットオフが行われないようにしていることがある。この場合には、上述したようなピッチングを誘発する恐れはないが、ブレーキ部5aの各部の消耗や、トルコン2における動力損失の増大を招くこととなる。
一方、図7に示すように、急勾配(たとえば傾斜角度が20度程度)の傾斜路を走行する場合、一般的に、トランスミッション3の速度段は低速の1速または2速に設定されている。傾斜路でブレーキを作動させる場合、オペレータはアクセルペダル12を解放し、エンジン回転数Neが低下し、さらに車速が十分に低下した状態でブレーキペダル31を踏み込んでホイールローダ100を停止させる。ブレーキペダル31の踏込み操作によってホイールローダ100に対する制動力が十分に高くなった状態で、上述したクラッチカットオフを作動させる。
傾斜路においては、ホイールローダ100の自重がホイールローダ100が下がる方向(後退する方向)への走行負荷として作用するため、平地と同じ条件でクラッチカットオフを行うとクラッチカットオフのタイミングが早過ぎる。クラッチカットオフのタイミングが早過ぎる場合、制動力が十分ではない状態でクラッチカットオフによって走行駆動力が断たれてしまうため、ホイールローダ100がそれまでとは逆に傾斜路を下降し始めてしまう。この場合、オペレータがさらにブレーキペダルを踏み込んでホイールローダ100を停止させようとするので、ホイールローダ100が急停止して、上述したようなピッチングを誘発する恐れがある。
以上説明したように、平地でのバケット112の上昇を伴う土砂等の積み込み作業においては、早めにクラッチカットオフを作動させるとともに、急な傾斜路での走行停止時においては、遅めにクラッチカットオフを作動させることが望ましい。上述したクラッチカットオフ作動段階切り替えスイッチ36は、オペレータの操作によって手動で、クラッチカットオフのタイミングを早い(第1段階)、中程度(第2段階)、および遅い(第3段階)の間で切り換えることができるように構成されている。しかし、オペレータにとっては、走行/作業状況に応じてどの段階を選択すればよいのかを判断することが困難であり、また、クラッチカットオフのタイミングを変更するたびにクラッチカットオフ作動段階切り替えスイッチ36を操作する必要があり、煩わしい。
そこで、第1の実施の形態のホイールローダ100では、クラッチカットオフ条件を以下に述べるように設定することで、種々の走行/作業状況に応じてクラッチカットオフのタイミングが適切となるようにしている。
−−−クラッチカットオフ条件−−−
第1の実施の形態では、上述したような種々の走行/作業状況に対応した最適なタイミングでのクラッチカットオフを実現するために、以下のようにクラッチカットオフの作動タイミングを決定する。ここで、「最適なタイミング」とは、種々の走行/作業状況において駆動力が遮断されてもホイールローダ100の車体にピッチングが生じないように予め設定されたタイミングである。ピッチングは、例えば、ホイールローダ100の前進方向に強い駆動力が作用しているときに車体が後方に傾斜し車体前部が持ち上がるような走行状況において、駆動力が遮断されると、発生する。そこで、クラッチカットオフにより駆動力を遮断しても車体が後方に傾斜し車体前部が持ち上がるような状態変化がない、もしくは状態変化が少ないような状態であれば、ピッチングが生じないと判断し、このような状態のトルコン速度比eを「最適なタイミング」を実現するための条件として予め設定しておく。
(1)平地でのバケット112の上昇を伴う土砂等の積み込み作業においては、早めにクラッチカットオフを作動させるために、ホイールローダ100の制動力が低い、すなわちトルコン速度比eが大きいときに、クラッチカットオフを作動させる。
(2)急な傾斜路での走行停止時においては、遅めにクラッチカットオフを作動させるために、ホイールローダ100の制動力が高く、トルコン速度比eが小さくなってから、クラッチカットオフを作動させる。登坂走行時は、傾斜路の傾斜角度、および車両重量に応じて、平地での走行に比べてホイールローダ100の走行抵抗が上昇するため、トルコン速度比eが小さくなる。そこで、このトルコン速度比eの低下分を考慮して、クラッチカットオフ条件としてのトルコン速度比設定値を設定する。
第1の実施の形態では、上述したような種々の走行/作業状況に対応した最適なタイミングでのクラッチカットオフを実現するために、以下のようにクラッチカットオフの作動タイミングを決定する。ここで、「最適なタイミング」とは、種々の走行/作業状況において駆動力が遮断されてもホイールローダ100の車体にピッチングが生じないように予め設定されたタイミングである。ピッチングは、例えば、ホイールローダ100の前進方向に強い駆動力が作用しているときに車体が後方に傾斜し車体前部が持ち上がるような走行状況において、駆動力が遮断されると、発生する。そこで、クラッチカットオフにより駆動力を遮断しても車体が後方に傾斜し車体前部が持ち上がるような状態変化がない、もしくは状態変化が少ないような状態であれば、ピッチングが生じないと判断し、このような状態のトルコン速度比eを「最適なタイミング」を実現するための条件として予め設定しておく。
(1)平地でのバケット112の上昇を伴う土砂等の積み込み作業においては、早めにクラッチカットオフを作動させるために、ホイールローダ100の制動力が低い、すなわちトルコン速度比eが大きいときに、クラッチカットオフを作動させる。
(2)急な傾斜路での走行停止時においては、遅めにクラッチカットオフを作動させるために、ホイールローダ100の制動力が高く、トルコン速度比eが小さくなってから、クラッチカットオフを作動させる。登坂走行時は、傾斜路の傾斜角度、および車両重量に応じて、平地での走行に比べてホイールローダ100の走行抵抗が上昇するため、トルコン速度比eが小さくなる。そこで、このトルコン速度比eの低下分を考慮して、クラッチカットオフ条件としてのトルコン速度比設定値を設定する。
具体的には、クラッチカットオフ作動段階切り替えスイッチ36が第1段階に設定されている場合には、コントローラ10は、ブレーキ液圧Plbが設定値以上、かつ、トルコン速度比eが設定値es以下の場合に、クラッチカットオフ条件が満たされたと判断して、カットオフ信号をトランスミッション制御装置20に出力する。
第1段階におけるブレーキ液圧Plbの設定値は、第1のブレーキ液圧カットオフ閾値P1とする。P1は、オペレータがブレーキペダル31を踏み込んだことを判定できるように、ブレーキの性能等を考慮して例えばP1=0.5MPaとする。トルコン速度比eの設定値esは、エンジン回転数センサ25で検出されるエンジン回転数Neに応じて変化するように設定する。トルコン速度比eは、回転数検出器14,15で検出したトルコン2の入力軸21の回転数Niおよび出力軸22の回転数Ntから算出される。
図8に、エンジン回転数Neとトルコン速度比eの設定値esとの関係を示す。トルコン速度比設定値esは、エンジン回転数Neが大きくなるほど大きくなるように設定されている。具体的には、エンジン回転数Neが、ローアイドル相当の回転数NLo(約800rpm)よりも大きい第1の所定値Na(=1300rpm)以下の領域では、トルコン速度比設定値esは最小値eaに固定されている。エンジン回転数Neが第1の所定値Naから第2の所定値Nb(=1800rpm)までの領域では、エンジン回転数Neの増加に応じて、トルコン速度比設定値esが最小値eaから最大値ebまで比例的に増加する。エンジン回転数Neが第2の所定値Nb以上、ハイアイドル相当の回転数NHi(約2100rpm)までの領域では、トルコン速度比設定値esは最大値ebに固定されている。ここで、トルコン速度比設定値esが最小値eaの場合、最大値ebの場合よりも走行負荷が高い状態となる。
トルコン速度比設定値esの最大値ebは、例えば図6に示すような平地におけるバケット112の上昇を伴う土砂等の積み込み作業において、最適なタイミングでクラッチカットオフが行われるような値に設定されている。最大値ebは、例えばeb=0.7とする。
また、トルコン速度比設定値esの最小値eaは、例えば、図7に示すような登坂走行における停止時に、最適なタイミングでクラッチカットオフが行われるような値に設定されており、例えばea=0.3とする。エンジン回転数Neが同じ場合、トルコン速度比設定値esが小さいほうがクラッチカットオフが作動するときの制動力が高いことを意味する。すなわち、最小値eaを適切な値に設定することで、例えば傾斜角度が20度程度の傾斜路を走行中にブレーキをかけた際に、クラッチ18,19が解放されてもホイールローダ100が傾斜路を下がらない程度に制動力が発生した状態でクラッチカットオフを作動させることができる。
エンジン回転数Neが第1の所定値Naと第2の所定値Nbとの中間値Nc(=1550rpm)の場合、トルコン速度比設定値esは、例えば0.5とする。なお、ブレーキ液圧Plbの設定値や、エンジン回転数Neとトルコン速度比設定値esとの関係は、トルコン2の容量やブレーキの性能、車重等で変わり、上述した第1のブレーキ液圧カットオフ閾値P1、第1の所定値Na、第2の所定値Nb,トルコン速度比設定値esの最小値ea、および最大値eb等は、上述した値には限定されない。
クラッチカットオフ作動段階切り替えスイッチ36が第1段階に設定されている際のクラッチカットオフ条件を上述のように設定することで、平地での土砂の積み込み作業、および傾斜路での走行停止時のそれぞれの状況に最適なタイミングでクラッチカットオフを作動させることが可能となる。
具体的には、上述した平地での積み込み作業におけるアプローチ中期に、アクセルペダル12が最大限に踏み込まれている状態で、ブレーキペダル31が踏み込まれた場合、ブレーキ液圧Plbが第1のブレーキ液圧カットオフ閾値P1以上となり、かつ、トルコン速度比eが最大値eb以下となると、クラッチカットオフ条件が満たされて、クラッチカットオフが行われる。アクセルペダル12を最大限に踏み込んだエンジン回転数Neの高い状態では、図8に示すようにトルコン速度比設定値esが最大値ebに設定されているので、オペレータがブレーキペダル31を踏込み操作すると適切なタイミングで速やかにクラッチカットオフが作動する。
一方、傾斜路での走行停止時には、アクセルペダル12を離してからブレーキペダル31が操作される。この場合、ブレーキ液圧Plbが第1のブレーキ液圧カットオフ閾値P1以上となり、かつ、トルコン速度比eが最小値ea以下となると、クラッチカットオフ条件が満たされて、クラッチカットオフが行われる。アクセルペダル12が解放され、エンジン回転数Neが低い状態では、図8に示すようにトルコン速度比設定値esが最小値eaに設定されているので、走行負荷が高い、すなわちホイールローダ100に十分な制動力が作用しているときに、適切なタイミングでクラッチカットオフが作動する。
クラッチカットオフ作動段階切り替えスイッチ36が第2段階、または第3段階に設定されている場合は、トルコン速度比eは考慮せず、ブレーキ液圧Plbが設定値以上となるとクラッチカットオフを作動する。具体的には、第2段階に設定されている場合には、ブレーキ液圧Plbが設定値(第2のブレーキ液圧カットオフ閾値P2)以上の場合に、クラッチカットオフ条件が満たされたと判断して、カットオフ信号をトランスミッション制御装置20に出力する。第2のブレーキ液圧カットオフ閾値P2は、第1段階における第1のブレーキ液圧カットオフ閾値P2よりも大きな値、例えばP2=1.5MPaに設定されている。これにより、第1段階が選択されている場合に比べて、遅いタイミングでクラッチカットオフが作動する。
また、クラッチカットオフ作動段階切替スイッチ36が第3段階に設定されている場合には、ブレーキ液圧Plbが設定値(第3のブレーキ液圧カットオフ閾値P3)以上の場合に、クラッチカットオフ条件が満たされたと判断して、カットオフ信号をトランスミッション制御装置20に出力する。第3のブレーキ液圧カットオフ閾値P3は、第2段階における第2のブレーキ液圧カットオフ閾値P3よりも大きな値、例えばP3=2.5MPaに設定されている。これにより、第2段階が選択されている場合に比べて、遅いタイミングでクラッチカットオフが作動する。
−−−フローチャート−−−
図9は、第1の実施の形態のホイールローダ100におけるクラッチ制御処理の動作を示したフローチャートである。ホイールローダ100の不図示のイグニッションスイッチがオンされると、図9に示す処理を行うプログラムが起動され、コントローラ10で繰り返し実行される。ステップS1において、エンジン回転数センサ25で検出されたエンジン回転数Neの情報、圧力センサ33で検出されたブレーキ液圧Plbの情報、および、回転数検出器14,15で検出されたトルコン2の入力軸21の回転数Niおよび出力軸22の回転数Ntの情報を取得して、ステップS3へ進む。ステップS3において、クラッチカットオフをするようにクラッチカットオフ選択スイッチ9が選択されているか否かを判断する。
図9は、第1の実施の形態のホイールローダ100におけるクラッチ制御処理の動作を示したフローチャートである。ホイールローダ100の不図示のイグニッションスイッチがオンされると、図9に示す処理を行うプログラムが起動され、コントローラ10で繰り返し実行される。ステップS1において、エンジン回転数センサ25で検出されたエンジン回転数Neの情報、圧力センサ33で検出されたブレーキ液圧Plbの情報、および、回転数検出器14,15で検出されたトルコン2の入力軸21の回転数Niおよび出力軸22の回転数Ntの情報を取得して、ステップS3へ進む。ステップS3において、クラッチカットオフをするようにクラッチカットオフ選択スイッチ9が選択されているか否かを判断する。
ステップS3が肯定判断されると、すなわち、クラッチカットオフをするようにクラッチカットオフ選択スイッチ9が選択されていると判断されるとステップS5へ進み、クラッチカットオフ作動段階切り替えスイッチ36が第1段階に設定されているか否かを判断する。ステップS5が肯定判断されると、すなわち、クラッチカットオフ作動段階切り替えスイッチ36が第1段階に設定されていると判断されるとステップS7へ進み、ステップS1で取得したブレーキ液圧Plbが第1のブレーキ液圧カットオフ閾値P1以上であるか否かを判断する。ステップS7が肯定判断されるとステップS9へ進む。
ステップS9では、図8に従って、ステップS1で取得したエンジン回転数Neに対応するトルコン速度比設定値esを算出する。ステップS11では、ステップS1で取得したトルコン2の入力軸21の回転数Niおよび出力軸22の回転数Ntからトルコン速度比eを算出し、算出したトルコン速度比eが、ステップS9で算出したトルコン速度比設定値es以下であるか否かを判断する。ステップS11が肯定判断されるとステップS13へ進み、上述したカットオフ信号をトランスミッション制御装置20に出力してリターンする。
ステップS5が否定判断されるとステップS15へ進み、クラッチカットオフ作動段階切り替えスイッチ36が第2段階に設定されているか否かを判断する。ステップS15が肯定判定されると、すなわちクラッチカットオフ作動段階切り替えスイッチ36が第2段階に設定されていると判断されるとステップS17へ進み、ステップS1で取得したブレーキ液圧Plbが第2のブレーキ液圧カットオフ閾値P2以上であるか否かを判断する。ステップS17が肯定判断されるとステップS13へ進む。
ステップS15が否定判断されると、すなわちクラッチカットオフ作動段階切り替えスイッチ36が第3段階に設定されていると判断されると、ステップS19へ進み、ステップS1で取得したブレーキ液圧Plbが第3のブレーキ液圧カットオフ閾値P3以上であるか否かを判断する。ステップS19が肯定判断されるとステップS13へ進む。
ステップS3、S7,S11、またはS19が否定判断されると、リターンする。
第1の実施の形態によれば以下のような作用効果を奏することができる。
(1) コントローラ10は、ホイールローダ100の制動力が所定の制動力以上であり、かつトルコン速度比eが所定の速度比es以下であると判断した場合に、前後進クラッチ18,19を解放するようにクラッチカットオフを作動させる。トルコン2の所定の速度比esは、エンジン回転数Neに応じて大きくなるように設定されている。これにより、種々の走行/作業状況に対応した最適なタイミングでクラッチカットオフを作動させることができる。
(1) コントローラ10は、ホイールローダ100の制動力が所定の制動力以上であり、かつトルコン速度比eが所定の速度比es以下であると判断した場合に、前後進クラッチ18,19を解放するようにクラッチカットオフを作動させる。トルコン2の所定の速度比esは、エンジン回転数Neに応じて大きくなるように設定されている。これにより、種々の走行/作業状況に対応した最適なタイミングでクラッチカットオフを作動させることができる。
(2) 所定の速度比esは、図8に示すように、エンジン回転数Neの増加に比例して大きくなるように設定されている。これにより、例えば平地での土砂の積み込み作業等のように、アクセルペダル12を最大に踏み込み、エンジン回転数Neが高い状況において、早めにクラッチカットオフを作動させることができる。一方、例えば急な傾斜路での走行停止時のように、アクセルペダル12を解放し、エンジン回転数Neが低い状況において、遅めにクラッチカットオフを作動させることができる。
(3) 所定の速度比esは、ホイールローダ100におけるバケット(作業機装置)112の上昇動作を伴う積み込み作業において、最適なタイミングで前後進クラッチ18,19が解放されるように最大値ebが設定されている。したがって、アクセルペダル12が最大に踏み込まれ、エンジン回転数Neが高い状態では、トルコン速度比esが最大値eb以下となると速やかにクラッチカットオフが作動する。これにより、例えば平地での土砂の積み込み作業等において早いタイミングでクラッチカットオフを作動させることができる。
(4) 所定の速度比esは、ホイールローダ100の傾斜路での走行停止時に、最適なタイミングで前後進クラッチ18,19が解放されるように最小値eaが設定されている。したがって、アクセルペダル12が解放され、エンジン回転数Neが低い状態では、トルコン速度比esが最小値ea以下となるまでクラッチカットオフが作動しない。これにより、例えば傾斜路での走行停止時において遅いタイミングでクラッチカットオフを作動させることができる。
《第2の実施の形態》
上述した本発明の第1の実施の形態においては、クラッチカットオフ条件の1つであるトルコン速度比eの設定値esを、エンジン回転数Neに応じて変化するように設定した。第2の実施の形態においては、さらに、トランスミッション3の設定速度段に基づいてクラッチカットオフ条件を自動で切り換える。第2の実施の形態におけるクラッチ制御装置の基本構成は、上述した第1の実施の形態と同様である。以下では、第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
上述した本発明の第1の実施の形態においては、クラッチカットオフ条件の1つであるトルコン速度比eの設定値esを、エンジン回転数Neに応じて変化するように設定した。第2の実施の形態においては、さらに、トランスミッション3の設定速度段に基づいてクラッチカットオフ条件を自動で切り換える。第2の実施の形態におけるクラッチ制御装置の基本構成は、上述した第1の実施の形態と同様である。以下では、第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
第2の実施の形態では、種々の走行/作業状況に対応した最適なタイミングでのクラッチカットオフを実現するために、以下のようにクラッチカットオフの作動タイミングを決定する。
(1)上述したように、トランスミッション3の速度段が2速に設定された状態で行われる、平地でのバケット112の上昇を伴う土砂等の積み込み作業等においては、早めにクラッチカットオフを作動させる。
(2)図10に示すように、急勾配(たとえば傾斜角度が20度程度)の傾斜路を上りながら作業を行う場合には、一般的に大きな駆動力を必要とするため、トランスミッション3の速度段は低速の1速に設定されている。急な傾斜路では、ホイールローダ100の自重がホイールローダ100が下がる方向(後退する方向)への走行負荷として作用するため、平地と同じ条件でクラッチカットオフを行うとクラッチカットオフのタイミングが早過ぎる。クラッチカットオフのタイミングが早過ぎる場合、制動力が十分ではない状態でクラッチカットオフによって走行駆動力が断たれてしまうため、ホイールローダ100がそれまでとは逆に傾斜路を下降し始めてしまう。したがって、トランスミッション3の速度段が1速に設定された状態で行われる、急な傾斜路での作業等においては、遅めにクラッチカットオフを作動させる。
(1)上述したように、トランスミッション3の速度段が2速に設定された状態で行われる、平地でのバケット112の上昇を伴う土砂等の積み込み作業等においては、早めにクラッチカットオフを作動させる。
(2)図10に示すように、急勾配(たとえば傾斜角度が20度程度)の傾斜路を上りながら作業を行う場合には、一般的に大きな駆動力を必要とするため、トランスミッション3の速度段は低速の1速に設定されている。急な傾斜路では、ホイールローダ100の自重がホイールローダ100が下がる方向(後退する方向)への走行負荷として作用するため、平地と同じ条件でクラッチカットオフを行うとクラッチカットオフのタイミングが早過ぎる。クラッチカットオフのタイミングが早過ぎる場合、制動力が十分ではない状態でクラッチカットオフによって走行駆動力が断たれてしまうため、ホイールローダ100がそれまでとは逆に傾斜路を下降し始めてしまう。したがって、トランスミッション3の速度段が1速に設定された状態で行われる、急な傾斜路での作業等においては、遅めにクラッチカットオフを作動させる。
具体的には、トランスミッション3の設定速度段、圧力センサ33で検出されたブレーキ液圧Plbの情報に基づいて、クラッチカットオフ条件を自動的に切り換える。以下に、クラッチカットオフ制御を、図11のフローチャートを用いて説明する。
図11は、第2の実施の形態のホイールローダ100におけるクラッチ制御処理の動作を示したフローチャートである。ホイールローダ100の不図示のイグニッションスイッチがオンされると、図11に示す処理を行うプログラムが起動され、コントローラ10で繰り返し実行される。ステップS1において、エンジン回転数センサ25で検出されたエンジン回転数Neの情報、圧力センサ33で検出されたブレーキ液圧Plbの情報、回転数検出器14,15で検出されたトルコン2の入力軸21の回転数Niおよび出力軸22の回転数Ntの情報、および、トランスミッション3の現在の設定速度段の情報を取得して、ステップS3へ進む。ステップS3において、クラッチカットオフをするようにクラッチカットオフ選択スイッチ9が選択されているか否かを判断する。
ステップS3が肯定判断されると、すなわち、クラッチカットオフをするようにクラッチカットオフ選択スイッチ9が選択されていると判断されるとステップS5へ進み、クラッチカットオフ作動段階切り替えスイッチ36が第1段階に設定されているか否かを判断する。ステップS5が肯定判断されると、すなわち、クラッチカットオフ作動段階切り替えスイッチ36が第1段階に設定されていると判断されるとステップS5Aへ進み、トランスミッション3の設定速度段が1速であるか否かを判断する。ステップS5Aが否定判定されると、すなわち2速、3速、または4速のいずれかが設定されていると、ステップS7へ進む。
ステップS7では、ステップS1で取得したブレーキ液圧Plbが第1のブレーキ液圧カットオフ閾値P1以上であるか否かを判断する。ステップS7が肯定判断されると、ステップS9へ進み、図8に従って、ステップS1で取得したエンジン回転数Neに対応するトルコン速度比設定値esを算出する。ステップS11では、ステップS1で取得したトルコン2の入力軸21の回転数Niおよび出力軸22の回転数Ntからトルコン速度比eを算出し、算出したトルコン速度比eが、ステップS9で算出したトルコン速度比設定値es以下であるか否かを判断する。ステップS11が肯定判断されるとステップS13へ進み、上述したカットオフ信号をトランスミッション制御装置20に出力してリターンする。
ステップS5が否定判断されるとステップS15へ進み、クラッチカットオフ作動段階切り替えスイッチ36が第2段階に設定されているか否かを判断する。ステップS15が肯定判定されると、すなわちクラッチカットオフ作動段階切り替えスイッチ36が第2段階に設定されていると判断されるとステップS15Aへ進み、トランスミッション3の設定速度段が1速であるか否かを判断する。ステップS15Aが否定判定されると、すなわち2速、3速、または4速のいずれかが設定されていると、ステップS17へ進む。ステップS17では、ステップS1で取得したブレーキ液圧Plbが第2のブレーキ液圧カットオフ閾値P2以上であるか否かを判断する。ステップS17が肯定判断されるとステップS13へ進む。
ステップS15が否定判断されると、すなわちクラッチカットオフ作動段階切り替えスイッチ36が第3段階に設定されていると判断されると、ステップS19へ進み、ステップS1で取得したブレーキ液圧Plbが第3のブレーキ液圧カットオフ閾値P3以上であるか否かを判断する。ステップS19が肯定判断されるとステップS11へ進む。
一方、ステップS5Aが肯定判断されると、ステップS19へ進む。すなわち、クラッチカットオフ作動段階切り替えスイッチ36が第1段階に設定された状態で、トランスミッション3の設定速度段が1速であると判断されると、ステップS19においてブレーキ液圧Plbが第3のブレーキ液圧カットオフ閾値P3以上であるか否かを判断する。ステップS19が肯定判断されると、ステップS13に進む。このように、クラッチカットオフ作動段階切り替えスイッチ36が第1段階に設定されていても、トランスミッション3が1速に設定されていると、クラッチカットオフ条件が自動的にクラッチカットオフの作動タイミングを遅くするように切り換わる。
また、ステップS15Aが肯定判断されると、ステップS19へ進む。すなわち、クラッチカットオフ作動段階切り替えスイッチ36が第2段階に設定された状態で、トランスミッション3の設定速度段が1速であると判断されると、ステップS19においてブレーキ液圧Plbが第3のブレーキ液圧カットオフ閾値P3以上であるか否かを判断する。ステップS19が肯定判断されると、ステップS13に進む。このように、クラッチカットオフ作動段階切り替えスイッチ36が第2段階に設定されていても、トランスミッション3が1速に設定されていると、クラッチカットオフ条件が自動的にクラッチカットオフの作動タイミングを遅くするように切り換わる。
ステップS3、S7、S11、S17、またはS19が否定判断されると、リターンする。
クラッチカットオフ条件を上述のように自動的に切り換えるように構成することで、平地での土砂の積み込み作業、および傾斜路での作業時のそれぞれの状況に最適なタイミングでクラッチカットオフを作動させることが可能となる。さらに、オペレータにとっては、クラッチカットオフ作動段階切り替えスイッチ36の切り替え操作を頻繁に行う必要がないため、操作性がよい。
上述した第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態による効果に加えて、以下のような作用効果を奏することができる。
(1) コントローラ10は、トランスミッション3の設定速度段に基づいて、クラッチカットオフ条件を自動で切り換える。これにより、オペレータが手動でクラッチカットオフ作動段階切り替えスイッチ36を操作することなく、種々の状況に応じてクラッチカットオフのタイミングを自動的に適切なタイミングに変更することができる。また、走行/作業状況に応じた適切なタイミングでクラッチカットオフが作動するのでホイールローダ100の動きが滑らかになる。
(1) コントローラ10は、トランスミッション3の設定速度段に基づいて、クラッチカットオフ条件を自動で切り換える。これにより、オペレータが手動でクラッチカットオフ作動段階切り替えスイッチ36を操作することなく、種々の状況に応じてクラッチカットオフのタイミングを自動的に適切なタイミングに変更することができる。また、走行/作業状況に応じた適切なタイミングでクラッチカットオフが作動するのでホイールローダ100の動きが滑らかになる。
(2) 複数の速度段を有するトランスミッション3が低速の速度段に設定されていると検出されると、コントローラ10は、クラッチカットオフ条件を自動で切り換える。トランスミッション3が低速の速度段に設定されている場合、すなわち、ホイールローダ100が大きな駆動力を必要とする急な傾斜路での作業等を行っている場合には、クラッチカットオフ条件を自動で変更するので、作業状況に応じた適切なタイミングでクラッチカットオフを作動させることができる。
(3) クラッチカットオフ作動段階切り替えスイッチ36は、少なくとも、前後進クラッチ18,19を早いタイミングで解放する第1段階と、前後進クラッチ18,19を遅いタイミングで解放する第2段階との間で、解放タイミングを選択可能に構成されている。クラッチカットオフ作動段階切り替えスイッチ36によって第1段階が設定されている場合に、トランスミッション3が低速の速度段に設定されていると検出されると、コントローラ10は、前後進クラッチ18,19を解放するタイミングが遅くなるように、クラッチカットオフ条件を自動で切り換える。これにより、ホイールローダ100が大きな駆動力を必要とする急な傾斜路での作業等を行っている場合には、クラッチカットオフの作動タイミングが早い第1段階が選択されていたとしても、クラッチカットオフの作動タイミングが遅くなるように切り換えられる。したがって、オペレータがクラッチカットオフ作動段階切り替えスイッチ36を操作することなく、適切なタイミングでクラッチカットオフが作動することになる。
−−−変形例−−−
(1) 上述の説明では、クラッチカットオフ条件として、ブレーキ液圧Plbを考慮するようにしているが、本発明はこれに限定されない。ブレーキ液圧Plbに代えて、たとえばペダル操作量検出器31aで検出したブレーキペダル31の操作量(ペダルストロークまたはペダル角度)や、不図示の検出器で検出するブレーキペダル31の踏み込み力をクラッチカットオフ条件として考慮するようにしてもよい。すなわち、ブレーキの作動状態(制動力の大きさ)を直接的にもしくは間接的に検出できるパラメータであれば、クラッチカットオフ条件として考慮するパラメータはブレーキ液圧Plbに限られない。
(1) 上述の説明では、クラッチカットオフ条件として、ブレーキ液圧Plbを考慮するようにしているが、本発明はこれに限定されない。ブレーキ液圧Plbに代えて、たとえばペダル操作量検出器31aで検出したブレーキペダル31の操作量(ペダルストロークまたはペダル角度)や、不図示の検出器で検出するブレーキペダル31の踏み込み力をクラッチカットオフ条件として考慮するようにしてもよい。すなわち、ブレーキの作動状態(制動力の大きさ)を直接的にもしくは間接的に検出できるパラメータであれば、クラッチカットオフ条件として考慮するパラメータはブレーキ液圧Plbに限られない。
(2) 上述の説明では、クラッチカットオフ作動段階切り替えスイッチ36が第1段階に設定されていた場合に、トルコン速度比設定値esをエンジン回転数Neに応じて変化するように設定したが、本発明はこれに限定されない。エンジン回転数Neに代えて、例えばペダル操作量検出器12aで検出したアクセルペダル12の操作量(踏込み量)に応じてトルコン速度比設定値esを設定するようにしてもよい。
(3) 上述の説明では、クラッチカットオフ作動段階切り替えスイッチ36が第2段階、または第3段階に設定されていた場合は、クラッチカットオフ条件としてブレーキ液圧Plbのみを用いたが、本発明はこれには限定されない。第2段階または第3段階が選択されている場合にも、クラッチカットオフ条件としてさらにトルコン速度比eを考慮するように構成してもよい。
(4) 上述の説明では、クラッチカットオフ作動段階切り替えスイッチ36の操作によってクラッチカットオフ条件を1段階〜3段階のいずれかに設定できるように構成したが、本発明はこれに限定されない。例えば、クラッチカットオフ作動段階を2段階として、クラッチカットオフのタイミングを「早い」と「遅い」のいずれかから選択できるようにしてもよい。すなわち、クラッチカットオフ作動段階は、少なくとも2段階以上であって、クラッチカットオフのタイミングを少なくとも「早い」と「遅い」のいずれかに設定できればよい。
(5) 上述の説明では、エンジン回転数Neとトルコン速度比設定値esとの関係を、図8に示すように設定したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、上述したようにトルコン速度比設定値esの最小値eaおよび最大値ebを設定するとともに、エンジン回転数Neまたはアクセルペダル12の操作量の増加に応じてトルコン速度比設定値esが大きくなるように設定すれば、比例的に変化するものには限定されない。
(6) 上述の説明では、クラッチカットオフを行う場合には、前後進用のクラッチ18,19をカットオフするためのカットオフ信号をコントローラ10がトランスミッション制御装置20に出力するように構成しているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、クラッチカットオフを行う時点で係合している方のクラッチのみをカットオフするようにカットオフ信号をコントローラ10がトランスミッション制御装置20に出力するように構成してもよい。すなわち、ホイールローダ100が前進しているときにクラッチカットオフを行う場合には、前進用のクラッチ18だけをカットオフするようにカットオフ信号をコントローラ10がトランスミッション制御装置20に出力するように構成してもよい。
(7) 上述の説明では、トランスミッション3における選択可能な速度段の段数は4段であったが、本発明はこれに限定されず、3段でもよく、5段以上であってもよい。また上述の説明では、作業車両の一例としてホイールローダ100を例に説明したが、本発明はこれに限定されず、たとえば、フォークリフト、テレハンドラー、リフトトラック等、他の作業車両であってもよい。
(8) 上述した各実施の形態および変形例は、それぞれ組み合わせてもよい。
なお、本発明は、上述した実施の形態のものに何ら限定されず、作業車両の制動力を検出する制動力検出手段と、エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、トランスミッションにエンジンの動力を伝達するトルクコンバータの速度比を検出する速度比検出手段と、作業車両の制動力が所定の制動力以上であり、かつ、トルクコンバータの速度比が所定の速度比以下であると判断した場合に、前進クラッチを解放するように前進クラッチの係合/解放を制御するクラッチ制御手段とを備え、所定の速度比は、エンジン回転数検出手段によって検出されるエンジン回転数に応じて大きくなるように設定されていることを特徴とする各種構造の作業車両のクラッチ制御装置を含むものである。
1:エンジン、2:トルクコンバータ、3:トランスミッション、10:コントローラ、12:アクセルペダル、18,19:前後進クラッチ、20:トランスミッション制御装置、25:エンジン回転数センサ、31:ブレーキペダル、33:圧力センサ、36:クラッチカットオフ作動段階切り替えスイッチ、100:ホイールローダ、112:バケット
Claims (8)
- 作業車両の制動力を検出する制動力検出手段と、
エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、
トランスミッションに前記エンジンの動力を伝達するトルクコンバータの速度比を検出する速度比検出手段と、
前記作業車両の制動力が所定の制動力以上であり、かつ、前記トルクコンバータの速度比が所定の速度比以下であると判断した場合に、前進クラッチを解放するように前記前進クラッチの係合/解放を制御するクラッチ制御手段とを備え、
前記所定の速度比は、前記エンジン回転数検出手段によって検出されるエンジン回転数に応じて大きくなるように設定されていることを特徴とする作業車両のクラッチ制御装置。 - 請求項1に記載の作業車両のクラッチ制御装置において、
前記所定の速度比は、前記エンジン回転数の増加に比例して大きくなるように設定されていることを特徴とする作業車両のクラッチ制御装置。 - 請求項1または請求項2に記載の作業車両のクラッチ制御装置において、
前記所定の速度比は、前記作業車両における作業機装置の上昇動作を伴う積み込み作業において、予め設定したタイミングで前記前進クラッチが解放されるように最大値が設定されていることを特徴とする作業車両のクラッチ制御装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の作業車両のクラッチ制御装置において、
前記所定の速度比は、前記作業車両の傾斜路での走行停止時に、予め設定したタイミングで前記前進クラッチが解放されるように最小値が設定されていることを特徴とする作業車両のクラッチ制御装置。 - 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の作業車両のクラッチ制御装置において、
前記トランスミッションの設定速度段を検出する速度段検出手段と、
前記速度段検出手段によって検出される前記トランスミッションの設定速度段に基づいて、前記クラッチ制御手段におけるクラッチカットオフ条件を自動で切り換える切替手段とをさらに備えることを特徴とする作業車両のクラッチ制御装置。 - 請求項5に記載の作業車両のクラッチ制御装置において、
前記トランスミッションは、複数の速度段を有し、
前記速度段検出手段によって、前記トランスミッションが低速の速度段に設定されていると検出されると、前記切替手段は、前記クラッチカットオフ条件を自動で切り換えることを特徴とする作業車両のクラッチ制御装置。 - 請求項6に記載の作業車両のクラッチ制御装置において、
少なくとも、前記前進クラッチを早いタイミングで解放する第1段階と、前記前進クラッチを遅いタイミングで解放する第2段階との間で、前記前進クラッチの解放タイミングを選択可能なタイミング選択手段をさらに備え、
前記切替手段は、前記タイミング選択手段によって前記第1段階が選択されている場合に、前記トランスミッションが前記低速の速度段に設定されていると検出されると、前記前進クラッチを解放するタイミングが遅くなるように、前記クラッチカットオフ条件を自動で切り換えることを特徴とする作業車両のクラッチ制御装置。 - 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の変速制御装置を備えることを特徴とするホイールローダ。
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