JP2011115273A - カフ部材及びカフ部材付きカテーテル - Google Patents

カフ部材及びカフ部材付きカテーテル Download PDF

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Abstract

【課題】カフ部材を生体に装着するに際し、皮膚を切除する面積が小さくて済むか又は皮膚を切除することが不要なカフ部材及びこのカフ部材付きカテーテルを提供する。
【解決手段】カフ部材1は、中心孔2aを有した略円筒状の筒状部2と、該筒状部2から放射状に張り出した略円形のフランジ部3とを有している。フランジ部3は、筒状部2の皮下組織内への挿入方向の先端側に設けられている。筒状部2は、全体が多孔質材により構成されている。フランジ部3は、芯材4と、該芯材4の外面を覆っている、多孔質材よりなる多孔質層5とを有している。カフ部材1は、フランジ部3が筒状部2よりもカテーテル6の生体への刺入方向の先端側に位置するように、カテーテル6に取り付けられる。カテーテル6を腹腔内に刺入する場合、カフ部材1は、フランジ部3を先頭にして皮下組織内に挿入される。これにより、カフ部材1のフランジ部3が皮下脂肪層内に配置される。
【選択図】図2

Description

本発明はカフ部材に係り、詳しくは、例えば腹膜透析法において、腹腔内に差し込まれて透析液を注排液するために使用されるカテーテルに取り付けられるカフ部材に係り、特にカテーテルに外嵌する筒状部と、該筒状部から放射状に張り出したフランジ部とを備えたカフ部材に関する。また、本発明は、このカフ部材が取り付けられたカテーテルに関する。
腹膜透析療法においては、透析液(透析灌流液)を腹腔内に注入し、一定時間経過後に透析液の排液を腹腔外に排出するといった手技がなされる。このような透析液の注入と排液の排出は、腹腔内に留置されている腹腔内留置カテーテルと、このカテーテルに接続される透析液交換システムとにより行われる。
カテーテルの生体内への留置が長期間に及ぶ場合、生体内への細菌の侵入や体液水分の揮発等を防止するために、カテーテルにカフ部材を装着し、このカフ部材によって擬似的にカテーテル刺入部を密閉することが行われている。
特開平9−313602号(特許文献1)には、このカフ部材として、コラーゲンを主材料とした多孔質材よりなる、円筒状のものが記載されている。このカフ部材は、カテーテルに外嵌され、腹膜皮下に固定される。このコラーゲンを主材料とする多孔質材からなるカフ部材が腹膜皮下に固定されると、このカフ部材が生体組織に置換されると共に、カテーテルの経皮部付近の生体組織がカフ部材内に入り込み、コラーゲンが生成される。これにより、カテーテルの周辺の生体組織をカテーテルの周囲に密集させることができる。
WO 2005/084742号(特許文献2)には、このようにカテーテルに外嵌されて皮下組織内に配置される筒状部と、該筒状部の皮下組織内への挿入方向の後端側から放射方向に張り出したフランジ部とを備え、これらが、連通性のある多孔性三次元網状構造を有する多孔質材により構成されたカフ部材が記載されている。
上記特許文献2のカフ部材にあっては、この筒状部がカテーテルと共に皮下組織内に挿入されると共に、この筒状部の後端側のフランジ部が皮下組織表面に重なるように配置される。この筒状部及びフランジ部の網状構造の内部に皮下組織が浸潤することにより、カフ部材と皮下組織とが頑強に癒着する。また、このフランジ部が筒状部の周囲の広い範囲にわたって皮下組織と癒着するため、カテーテルの振動や、患者の体位の変化、あるいは刺入部の消毒作業時等にカテーテルや該刺入部周辺の皮膚が動くことなどによって皮下組織とカフ部材との接着界面に生じる応力が分散される。その結果、これらの応力負荷によってカフ部材と皮下組織との癒着性が低下することが防止される。
特開平9−313602号 WO 2005/084742号
上記特許文献2のカフ部材を取り付けたカテーテルを生体に装着する場合、皮膚を切開してカテーテル及びカフ部材の筒状部の刺入部を形成すると共に、該刺入部の周囲の皮膚をフランジ部が重なる分だけ切除して皮下組織を露出させ、カテーテル及び筒状部を生体内に刺入した後、この露出した皮下組織の表面にフランジ部を重ねる。
このように、特許文献2のカフ部材を取り付けたカテーテルを生体に装着する場合には、フランジ部と皮下組織とを癒着させるために、刺入部の周囲の皮膚を大きく切除する必要があるため、患者への負担が大きい。また、このように皮膚を切除してフランジ部を重ねた部分においては、本来、皮膚が有する発汗等の生体機能が失われるため、このことが生体に与える影響が懸念される。さらに、カフ部材を装着している間、大面積のフランジ部が生体表面に露出しているため、患者に不快感を与え、QOL(クオリティーオブライフ)を低下させるおそれがある。
また、治療の終了やカテーテルの刺入位置の変更等によりカテーテル及びカフ部材を取り外す場合、このフランジ部が皮下組織表面の広い領域に癒着しているため、これを切除するのには患者に大きな負担がかかる。また、カフ部材を取り外した後には、フランジ部が重なっていた部分の皮下組織を皮膚で覆う必要がある。その場合、一般的に、このフランジ部が重なっていた部分の周辺の皮膚を引き伸ばして縫合する。しかしながら、フランジ部と同等の広い面積を覆う必要があるため、引き伸ばした皮膚がほつれたり、フランジ部が重なっていた部分に段差が生じたりし、それが傷跡に残ることがある。
本発明は、このような問題点を解決し、カテーテルに外嵌する筒状部と、該筒状部から放射状に張り出すフランジ部とを備え、該筒状部とフランジ部とが多孔質材により構成されたカフ部材において、該カフ部材を生体に装着するに際し、皮膚を切除する面積が小さくて済むか又は皮膚を切除することが不要なカフ部材と、このカフ部材を備えたカテーテルとを提供することを目的とする。
本発明(請求項1)のカフ部材は、生体に刺入されるカテーテルに取り付けられるカフ部材であって、カテーテルに外嵌し、生体の皮下組織内に挿入される筒状部と、該筒状部から放射方向に張り出したフランジ部とを備え、該筒状部とフランジ部とが多孔質材により構成されたカフ部材において、該フランジ部は、該筒状部の皮下組織内への挿入方向の先端側に設けられていることを特徴とするものである。
請求項2のカフ部材は、請求項1において、前記フランジ部の前記挿入方向の後端側の端面から前記筒状部の該後端側の端面までの距離Hは、生体の皮膚から皮下脂肪層までの距離と略同等となっていることを特徴とするものである。
請求項3のカフ部材は、請求項2において、前記フランジ部の前記後端側の端面から前記筒状部の該後端側の端面までの距離Hは10〜50mmであることを特徴とするものである。
請求項4のカフ部材は、請求項1ないし3のいずれか1項において、前記筒状部と前記フランジ部とは、共通の多孔質材により一体的に構成されていることを特徴とするものである。
請求項5のカフ部材は、請求項1ないし4のいずれか1項において、前記フランジ部は、前記多孔質材よりも硬質の材料よりなる芯材と、該芯材の外面の少なくとも一部を覆っている、多孔質材よりなる多孔質層とを備えていることを特徴とするものである。
請求項6のカフ部材は、請求項5において、前記多孔質層は、前記芯材の少なくとも前記後端側の外面を覆っていることを特徴とするものである。
請求項7のカフ部材は、請求項6において、前記多孔質層は、さらに、前記芯材の側面及び前記先端側の外面を覆っていることを特徴とするものである。
請求項8のカフ部材は、請求項5ないし7のいずれか1項において、前記芯材は、中心孔を有する略円盤状のものであり、前記筒状部と略同心状に配置されていることを特徴とするものである。
請求項9のカフ部材は、請求項1ないし8のいずれか1項において、前記筒状部及びフランジ部を構成する多孔質材は、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂からなる、平均孔径が100〜650μmであり、乾燥状態における見掛け密度が0.01〜0.1g/cmである多孔性三次元網状構造を有することを特徴とするものである。
本発明(請求項10)のカフ部材付きカテーテルは、生体に刺入されるカテーテルと、前記筒状部が該カテーテルに外嵌した、請求項1ないし9のいずれか1項に記載のカフ部材とを備えてなるものである。
請求項11のカフ部材付きカテーテルは、請求項10において、前記フランジ部は、前記筒状部よりも前記カテーテルの生体への刺入方向の先端側に配置されていることを特徴とするものである。
本発明(請求項1)のカフ部材にあっては、筒状部の皮下組織への挿入方向の先端側にフランジ部が設けられているので、このカフ部材が生体に装着された状態にあっては、フランジ部は皮下組織内に配置されている。即ち、このカフ部材にあっては、筒状部の後端側には、皮下組織の表面に重なるフランジ部が設けられていない。そのため、このカフ部材を生体に装着するに際しては、前述の特許文献2のようにフランジ部が重なる部分の皮膚を切除して皮下組織を露出させることは不要である。これにより、カフ部材を生体に装着するに際し、皮膚を切除する面積が小さくて済むか又は皮膚を切除することが不要となるため、患者への負担が軽減される。また、これにより、刺入部付近における皮膚の生体機能も維持される。しかも、カフ部材を装着しても、生体表面にはこのカフ部材は殆ど露出しないか、又は比較的面積の小さい筒状部の後端面のみが生体表面に露出するため、患者に不快感を与えにくく、QOL(クオリティーオブライフ)の低下が防止ないし緩和される。また、治療の終了やカテーテルの刺入位置の変更等によりカフ部材を取り外す際にも、刺入部を切開すれば、該刺入部の周囲の皮膚を殆ど又は全く切除することなく、カフ部材を取り外すことができるため、カフ部材を取り外す際の患者への負担も小さい。また、カフ部材を取り外した後、刺入部の周囲の皮膚を引き伸ばして縫合する必要が殆ど又は全くないので、刺入部の縫合作業を容易に行うことが可能であると共に、治癒後の傷跡の審美性を良好なものとすることが可能である。
本発明のカフ部材にあっては、生体に装着された状態にあっては、筒状部の先端側から放射状に張り出したフランジ部が皮下組織内に配置されているので、カフ部材と皮下組織との接触面積が大きい。これらの筒状部及びフランジ部に周囲の皮下組織が浸潤することにより、カフ部材と皮下組織とが頑強に癒着する。また、このようにカフ部材と皮下組織との癒着面積が大面積となっていることにより、カテーテルの振動や、患者の体位の変化、あるいは刺入部の消毒作業時等にカテーテルや該刺入部周辺の皮膚が動くことなどによって皮下組織とカフ部材との接着界面に生じる応力が広範囲に分散されるため、これらの応力負荷によってカフ部材と皮下組織との癒着性が低下することが防止される。
請求項2の通り、フランジ部の後端面と筒状部の後端面との距離が生体の皮膚から皮下脂肪層までの距離と略同等となっていることが好ましく、具体的には、例えば請求項3の通り、フランジ部の後端面と筒状部の後端面との距離が10〜50mmであることが好ましい。この請求項2,3の態様にあっては、フランジ部を生体の皮下脂肪層内に配置することができる。このようにフランジ部を生体の皮下脂肪層内に配置することにより、
(1)留置するために切開、切除する表皮の面積が小さい
(2)表皮直下にフランジ部が配置された場合には、カテーテル周辺の表皮への栄養補給が、器質化されたフランジ部を介して行われるのではなく直接生体組織から行われるために、表皮の退縮が少なくて済む
(3)装着時に表皮へ露出する人工物の面積が小さく審美性が向上する
(4)カテーテル抜去の際の傷跡も小さい
(5)幹細胞が豊富な組織層であり、速やかな器質化が期待できる
などという効果が奏される。
請求項4の通り、筒状部とフランジ部とは、共通の多孔質材により一体的に構成されていることが好ましい。このように構成することにより、カフ部材が皮下組織内に配置された状態にあっては、周囲の皮下組織が筒状部とフランジ部とに跨って浸潤することができるので、筒状部とフランジ部とに略均等に皮下組織が浸潤するようになる。
請求項5の態様にあっては、フランジ部は、硬質材料よりなる芯材と、この芯材の外面を覆っている多孔質層とを有しているので、カテーテルからカフ部材に対し傾転させるような荷重が加わっても、フランジ部が変形しにくく、フランジ部の略全体でこの荷重を受けることができる。これにより、カテーテルからの荷重が広範囲に分散され、患者への負担が軽減される。また、この芯材を覆う多孔質層に周囲の皮下組織が浸潤するので、カフ部材の外面の広い範囲にわたって皮下組織が癒着するようになる。
請求項6の通り、この多孔質層は、芯材の少なくとも後端面を覆っていることが好ましい。これにより、筒状部から少なくともフランジ部の後端面側にかけて連続して皮下組織が癒着することができるため、カフ部材と皮下組織との癒着強度が高いものとなる。
請求項7の通り、この多孔質層は、さらに芯材の側面及び先端面を覆っていること、即ち該芯材の外面の略全体を覆っていることが好ましい。これにより、皮下組織がカフ部材の外面の略全体にわたって癒着することができるため、カフ部材と皮下組織とを強固に癒着させることが可能となる。
請求項8の通り、この芯材は、中心孔を有する略円盤状のものであり、筒状部と略同心状に配置されていることが好ましい。このように構成することにより、カテーテルからの荷重がフランジ部を介してカフ部材の周囲の皮下組織に略均等に分散されるようになる。
請求項9の通り、筒状部及びフランジ部を構成する多孔質材は、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂からなる、平均孔径が100〜650μmであり、乾燥状態における見掛け密度が0.01〜0.1g/cmである多孔性三次元網状構造を有するものであることが好ましい。筒状部及びフランジ部がこのような多孔性三次元網状構造を有する多孔質材によって構成されることにより、カフ部材の周囲の皮下組織が十分に筒状部及びフランジ部に浸潤することができる。
本発明(請求項10)のカフ部材付きカテーテルは、かかる本発明のカフ部材の筒状部をカテーテルに外嵌させてなるものである。このカフ部材のカテーテルへの取り付けに際しては、請求項11の通り、フランジ部は、筒状部よりもカテーテルの生体への刺入方向の先端側に配置される。このカフ部材付きカテーテルを腹腔内に刺入した場合には、カフ部材は、フランジ部を先頭にして皮下組織内に挿入される。これにより、カフ部材のフランジ部が皮下組織内に配置されるため、上記の通り、このカフ部材の筒状部及びフランジ部に周囲の皮下組織が浸潤することにより、カフ部材と皮下組織とが頑強に癒着すると共に、このカフ部材と皮下組織との癒着面積が大面積であることにより、カテーテルの振動や、患者の体位の変化、あるいは刺入部の消毒作業時等にカテーテルや該刺入部周辺の皮膚が動くことなどによって皮下組織とカフ部材との接着界面に生じる応力が広範囲に分散され、これらの応力負荷によってカフ部材と皮下組織との癒着性が低下することが防止される。
実施の形態に係るカフ部材付きカテーテルの斜視図である。 図1のカフ部材付きカテーテルを生体に刺入した状態を示す断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
第1図は実施の形態に係るカフ部材付きカテーテルの斜視図であり、第2図は第1図のカフ部材付きカテーテルを生体に刺入した状態を示す断面図である。
このカフ部材1は、中心孔2aを有した略円筒状の筒状部2と、該筒状部2から放射状に張り出した略円形のフランジ部3とを有している。このフランジ部3は、該筒状部2の皮下組織内への挿入方向の先端側(以下、この筒状部2の皮下組織内への挿入方向の先端側を単に先端側といい、これと反対側を後端側という。)に設けられている。この実施の形態では、該筒状部2は、全体が多孔質材により構成されている。フランジ部3は、芯材4と、該芯材4の外面を覆っている、多孔質材よりなる多孔質層5とを有している。該芯材4は、多孔質層5を構成する多孔質材よりも硬質の材料により構成されている。この実施の形態では、筒状部2とフランジ部3の多孔質層5とは、連通性を有する共通の多孔質材により一体的に形成されている。この筒状部2及びフランジ部3の多孔質層5を構成する多孔質材は、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂からなる、平均孔径が100〜650μmであり、乾燥状態における見掛け密度が0.01〜0.1g/cmである多孔性三次元網状構造を有していることが好ましい。なお、この筒状部2及びフランジ部3の多孔質層5を構成する多孔質材の詳細については後述する。この筒状部2の外周面の直径D(第1図)は5〜50mm特に10〜30mmであることが好ましく、フランジ部3の外周面の直径D(第1図)は30〜100mm特に30〜60mm(又は筒状部2の直径Dの1.1〜3.0倍特に1.3〜2.0倍)であることが好ましい。筒状部2の中心孔2aの直径は、このカフ部材1が装着されるカテーテル6の外径と略同等となっている。
この実施の形態では、フランジ部3の後端面と筒状部2の後端面との距離H(第2図)は、このカフ部材1が取り付けられたカテーテル6が刺入される生体の皮膚から皮下脂肪層(図示略)までの距離と略同等となっている。第2図の通り、このカフ部材1がフランジ部3を先頭にして皮下組織内に挿入され、該フランジ部3が皮下脂肪層内に配置された場合、筒状部2の後端面が皮膚と略同レベルとなる。具体的には、フランジ部3の後端面と筒状部2の後端面との距離Hは10〜50mm特に10〜30mmであることが好ましい。
この実施の形態では、フランジ部3の厚さT(第1図)は、カフ部材1を生体に装着したときにこのフランジ部3が配置される皮下脂肪層の厚みと同等かそれよりも小さいものとなっている。具体的には、このフランジ部3の厚さTは1〜10mm特に2〜5mmであることが好ましい。
この実施の形態では、フランジ部3の芯材4は、中心孔4aを有した略円盤状のものであり、盤面を該筒状部2の筒軸心線方向と略直交方向として該筒状部2と略同心状に配置されている。この芯材4の中心孔4aの直径も、カフ部材1が装着されるカテーテル6の外径と略同等となっている。この芯材4を構成する材料としては、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、ポリ四フッ化エチレン、ポリプロピレン、シリコン樹脂等が好適である。この芯材4の厚さは0.1〜2.0mm特に0.5〜1.5mmであることが好ましい。この実施の形態では、多孔質層5は、芯材4の外面の略全体、即ち芯材4の後端面、側周面及び先端面を連続して覆っている。この芯材4の周囲の多孔質層5の厚さは0.5〜2.0mm特に0.5〜1.5mmであることが好ましい。なお、芯材4の後端面を覆う多孔質層5の厚さと、芯材4の側周面を覆う多孔質層5の厚さと、芯材4の先端面を覆う多孔質層5の厚さとは、同等であってもよく、異なっていてもよい。この芯材4及び多孔質層5の厚さは、フランジ部3の強度や、多孔質層5への皮下組織の浸潤量、前記フランジ部3の厚さの好適範囲などを考慮して決定される。
このカフ部材1は、カテーテル6に外嵌される。即ち、第1,2図の通り、このカフ部材1の筒状部2の中心孔2a及び芯材4の中心孔4aにカテーテル6が挿通されてカフ部材付きカテーテルとされる。その際、カフ部材1は、フランジ部3が筒状部2よりもカテーテル6の生体への刺入方向の先端側に位置するように取り付けられる。このカテーテル6の外周面と筒状部2の中心孔2a及び芯材4の中心孔4aの内周面とは好ましくは接着剤等によって接着される。
このカフ部材付きカテーテルを生体に装着する場合には、まず、メス等で生体の皮膚及び皮下組織を切開し、カテーテル刺入部を形成する。そして、この刺入部からカテーテル6を腹腔内に刺入する。この際、第2図の通り、カフ部材1は、フランジ部3を先頭にして皮下組織内に挿入される。このフランジ部3を皮下脂肪層内に配置する。なお、前述の通り、この実施の形態では、フランジ部3の後端面と筒状部2の後端面との距離Hは、この生体の皮膚から皮下脂肪層までの距離と略同等となっているので、フランジ部3が皮下脂肪層内に配置されると、筒状部2の後端面は皮膚と略同レベルとなる。施術後、このカフ部材1の筒状部2及びフランジ部3の多孔質層5に周囲の皮下組織が浸潤することにより、カフ部材1と皮下組織とが癒着する。また、皮膚組織が筒状部2の後端面を覆うようなる。
以上の通り、このカフ部材1にあっては、筒状部2の皮下組織への挿入方向の先端側(即ち筒状部2よりもカテーテル6の生体への刺入方向の先端側)にフランジ部3が設けられているので、このカフ部材1が生体に装着された状態にあっては、フランジ部3は皮下組織内に配置されている。即ち、このカフ部材1にあっては、筒状部2の後端側に、皮下組織の表面に重なるフランジ部が設けられていない。そのため、このカフ部材1を生体に装着するに際しては、前述の特許文献2のようにフランジ部が重なる部分の皮膚を切除して皮下組織を露出させることは不要である。これにより、カフ部材1を生体に装着するに際し、皮膚を切除する面積が小さくて済むか又は皮膚を切除することが不要となるため、患者への負担が軽減される。また、これにより、刺入部付近における皮膚の生体機能も維持される。しかも、カフ部材1を装着しても、生体表面にはこのカフ部材1は殆ど露出しないか、又は比較的面積の小さい筒状部2の後端面のみが生体表面に露出するため、患者に不快感を与えにくく、QOL(クオリティーオブライフ)の低下が防止ないし緩和される。また、治療の終了やカテーテル6の刺入位置の変更等によりカテーテル6及びカフ部材1を取り外す際にも、刺入部を切開すれば、該刺入部の周囲の皮膚を殆ど又は全く切除することなく、カテーテル6及びカフ部材1を取り外すことができるため、カテーテル6及びカフ部材1を取り外す際の患者への負担も小さい。また、カテーテル6及びカフ部材1を取り外した後、刺入部の周囲の皮膚を引き伸ばして縫合する必要が殆ど又は全くないので、縫合作業を容易に行うことが可能であると共に、治癒後の傷跡の審美性を良好なものとすることが可能である。
このカフ部材1にあっては、生体に装着された状態にあっては、筒状部2の先端側から放射状に張り出したフランジ部3が皮下組織内に配置されているので、カフ部材1と皮下組織との接触面積が大きい。これらの筒状部2及びフランジ部3の多孔質層5に周囲の皮下組織が浸潤することにより、カフ部材1と皮下組織とが頑強に癒着する。特に、この実施の形態では、フランジ部3の外面の略全体が多孔質層5によって覆われているため、この大面積のカフ部材1の外面の略全体にわたって皮下組織が癒着するようになり、カフ部材1と皮下組織との癒着がきわめて強固なものとなる。また、このようにカフ部材1と皮下組織との癒着面積が大面積となっていることにより、カテーテル6の振動や、患者の体位の変化、あるいは刺入部の消毒作業時等にカテーテル6や該刺入部周辺の皮膚が動くことなどによって皮下組織とカフ部材1との接着界面に生じる応力が広範囲に分散されるため、これらの応力負荷によってカフ部材1と皮下組織との癒着性が低下することが防止される。
この実施の形態では、フランジ部3の後端面と筒状部2の後端面との距離Hが生体の皮膚から皮下脂肪層までの距離と略同等となっており、カフ部材1が生体に装着された状態にあっては、フランジ部3は皮下脂肪層内に配置されている。これにより、
(1)留置するために切開、切除する表皮の面積が小さい
(2)表皮直下にフランジ部が配置された場合には、カテーテル周辺の表皮への栄養補給が、器質化されたフランジ部を介して行われるのではなく直接生体組織から行われるために、表皮の退縮が少なくて済む
(3)装着時に表皮へ露出する人工物の面積が小さく審美性が向上する
(4)カテーテル抜去の際の傷跡も小さい
(5)幹細胞が豊富な組織層であり、速やかな器質化が期待できる
などという効果が奏される。
この実施の形態では、筒状部2とフランジ部3とは、共通の多孔質材により一体的に構成されている。そのため、このカフ部材1が皮下組織内に配置された状態においては、周囲の皮下組織が筒状部2とフランジ部3とに跨って浸潤することができる。これにより、筒状部2とフランジ部3とに略均等に皮下組織が浸潤するようになる。
この実施の形態では、フランジ部3は、硬質材料よりなる芯材4と、この芯材4の外面を覆っている多孔質層5とを有しているので、カテーテル6からカフ部材1に対し傾転させるような荷重が加わっても、フランジ部3が変形しにくく、フランジ部3の略全体でこの荷重を受けることができる。これにより、カテーテル6からの荷重が広範囲に分散され、患者への負担が軽減される。また、前述の通り、この芯材4を覆う多孔質層5に周囲の皮下組織が浸潤するので、カフ部材1の外面の広い範囲にわたって皮下組織が癒着するようになる。この実施の形態では、該芯材4は、筒状部2と略同心状に配置された、中心孔4aを有する略円盤状のものとなっているので、カテーテル6からの荷重がフランジ部3を介してカフ部材1の周囲の皮下組織に略均等に分散されるようになる。
この実施の形態では、筒状部2及びフランジ部3の多孔質層5を構成する多孔質材は、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂からなる、平均孔径が100〜650μmであり、乾燥状態における見掛け密度が0.01〜0.1g/cmである多孔性三次元網状構造を有するものであるため、カフ部材1の周囲の皮下組織が十分に筒状部2及びフランジ部3の多孔質層5に浸潤することができる。
[カフ部材1のその他の構成]
上記実施の形態では、筒状部2とフランジ部3の多孔質層5とは一体的に形成されているが、これらは、別々に形成された後、接着等により結合されてもよい。なお、これらを一体的に形成することにより、カフ部材1の製造作業が容易化される。
フランジ部3の多孔質層5は、上記の実施の形態のように、芯材4の外面の全体(即ち芯材4の後端面、側周面及び先端面)を覆っていることが最も好ましいが、この多孔質層5は、芯材4の後端面と側周面のみ、あるいは芯材4の後端面のみを覆うように形成されてもよい。
多孔質層5のみでも十分な強度が確保できる場合には、芯材4は省略されてもよい。
上記の実施の形態では、筒状部2は全体が多孔質材により構成されているが、この筒状部2を構成する多孔質材中にも、例えば略円筒形状の補強用の芯材が埋設されていてもよい。この場合、筒状部2の芯材とフランジ部3の芯材4とが一体に設けられてもよい。
上記の実施の形態では、フランジ部3は筒状部2の最先端に形成されているが、フランジ部3を生体の皮下脂肪層内に配置することが可能であれば、フランジ部3は筒状部2の筒軸心線方向の途中部に形成されてもよい。
上記の実施の形態では、フランジ部3の後端面と筒状部2の後端面との距離Hが生体の皮膚から皮下脂肪層までの距離と略同等となっているが、このカフ部材1が量産品の場合、予め設定された距離Hが、個人差等により生体の皮膚から皮下脂肪層までの距離と合致しない場合もある。そのため、例えば、この距離Hが生体の皮膚から皮下脂肪層までの距離よりも大きい場合には、これらが略合致するように筒状部2をカットしてもよく、あるいは筒状部2の後端面が皮膚の外面から突出するようにカフ部材1を設置してもよい。また、この距離Hが生体の皮膚から皮下脂肪層までの距離よりも小さい場合には、筒状部2の後端面が皮下組織内に位置するようにカフ部材1を設置してもよい。
[筒状部2及びフランジ部3の多孔質層5を構成する多孔質材について]
筒状部2及びフランジ部3の多孔質層5を構成する多孔質材としては、コラーゲンを主材料としたものであってもよいが、連続気孔を有した多孔質合成樹脂が好適である。
この筒状部2及びフランジ部3の多孔質層5を構成する多孔質材は、好ましくは、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂からなる、連通性を有した、平均孔径が50〜1,000μm特に100〜650μm程度、乾燥状態における見掛け密度が0.01〜0.5g/cm特に0.01〜0.1g/cmの多孔性三次元網状構造を有する。
この平均孔径及び見掛け密度の測定方法は次の通りである。
[平均孔径の測定]
両刃カミソリで切断した試料の平面(切断面)を電子顕微鏡(トプコン社製、SM200)にて撮影した写真を使用し、同一平面上の個々の孔を三次元網状構造の骨格により包囲された図形として画像処理(画像処理装置はニレコ社のLUZEX APを使用し、画像取り込みCCDカメラはソニー株式会社のLE N50を使用。)し、個々の図形の面積を測定する。これを真円面積とし、対応する円の直径を求め孔径とする。ただし、多孔体形成時の相分離の効果によって多孔体の骨格部分に穿孔された微細孔を無視し、同一平面上の連通孔のみを測定する。
[見掛け密度の測定]
多孔質構造体を約10mm×10mm×3mmの直方体に両刃カミソリで切断し、投影機(Nikon,V−12)にて測定して得た寸法より体積を求め、その重量を体積で除した値から見掛け密度を求める。
このような多孔性三次元網状構造部を構成する熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂としては、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、エポシキ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂及びメタクリル樹脂並びにそれらの誘導体が例示される。これらは単独で用いられてもよく、2種以上組み合わされて用いられてもよい。これらのうち特にポリウレタン樹脂が好適であり、とりわけセグメント化ポリウレタン樹脂が好適である。
セグメント化ポリウレタン樹脂は、ポリオール、ジイソシアネート及び鎖延長剤の3成分から合成されたものであり、いわゆるハードセグメント部分とソフトセグメント部分を分子内に有するブロックポリマー構造によるエラストマー特性を有する。そのため、このセグメント化ポリウレタン樹脂を使用した場合に得られる弾性特性は、患者やカテーテル又はカニューレが動いた場合や、消毒作業時等に刺入部周辺の皮膚が動いた場合に皮下組織とカフ部材1との界面に生じる応力を減衰させる効果が期待できる。
以下に、筒状部2及びフランジ部3の多孔質層5を構成する熱可塑性ポリウレタン樹脂よりなる多孔性三次元網状構造体の製造方法の一例を説明する。
熱可塑性ポリウレタン樹脂よりなる多孔性三次元網状構造体を製造するには、まず、ポリウレタン樹脂と、孔形成剤としての後述の水溶性高分子化合物と、ポリウレタン樹脂の良溶媒である有機溶媒とを混合してポリマードープを製造する。具体的には、ポリウレタン樹脂を有機溶媒に混合して均一溶液とした後、この溶液中に水溶性高分子化合物を混合分散させる。有機溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン、テトラヒドロフランなどがあるが、熱可塑性ポリウレタン樹脂を溶解することができればこの限りではない。なお、有機溶媒を減量するか又は使用せずに熱の作用でポリウレタン樹脂を融解し、ここに孔形成剤を混合することも可能である。
孔形成剤としての水溶性高分子化合物としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アルギン酸、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロースなどが挙げられるが、熱可塑性樹脂と均質に分散してポリマードープを形成するものであればこの限りではない。また、熱可塑性樹脂の種類によっては、水溶性高分子化合物でなく、フタル酸エステル、パラフィンなどの親油性化合物や塩化リチウム、炭酸カルシウムなどの無機塩類を使用することも可能である。また、高分子用の結晶核剤などを利用して凝固時の二次粒子の生成、即ち、多孔体の骨格形成を助長することも可能である。
次に、熱可塑性ポリウレタン樹脂、有機溶媒及び水溶性高分子化合物などより製造されたポリマードープを、熱可塑性ポリウレタン樹脂の貧溶媒を含有する凝固浴中に浸漬し、該凝固浴中に有機溶媒及び水溶性高分子化合物を抽出除去する。このようにして有機溶媒及び水溶性高分子化合物の一部又は全部を除去することにより、ポリウレタン樹脂からなる多孔性三次元網状構造材料を得ることができる。ここで用いる貧溶媒としては、水、低級アルコール、低炭素数のケトン類などが例示できる。ポリウレタン樹脂が凝固した後、多孔性三次元網状構造材料を水などで洗浄し、該多孔性三次元網状構造材料に残留している有機溶媒や孔形成剤を除去する。
この多孔性三次元網状構造材料は、さらに、その網状構造を構築している骨格基材自体にも微細な孔が形成されていることが好ましい。特に、この多孔性三次元網状構造材料は、平均孔径が100〜650μmであり、且つ乾燥状態における見掛け密度が0.10g/cm以下の連通性の三次元網状構造を形成しており、なお且つ、その網状構造を構築している骨格基材自体が空隙率70%以上の多孔質体であり、且つ該骨格基材の表層は、微細孔が点在する緻密な層となっていることが好ましい。この微細孔は、骨格基材の表面を平滑な表面でなく複雑な凹凸のある表面とするため、コラーゲンや細胞増殖因子などの保持にも有効であり、結果として細胞の生着性を高めることが可能である。ただし、この骨格基材自体の微細孔は、本発明でいう多孔性三次元網状構造部の平均孔径の計算の概念には含まれない。
このように、多孔性三次元網状構造材料の網状構造を構築する骨格基材自体が高空隙率の多孔質であり、且つ該骨格基材の表層は微細孔が点在する緻密な層となっており、この表層の微細孔を介して骨格基材内部の空孔が外部に連通していることにより、次のような効果が奏される。即ち、多孔性三次元網状構造材料の骨格基材が多孔質であるために、この骨格基材にコラーゲンなどの細胞外マトリックス、アルブミン、酸素、老廃物、水、電解質などが浸潤し、該骨格基材と生体組織との間でこれらの拡散・交換が行われる。これにより、この骨格基材を介して多孔性三次元網状構造材料全体に酸素や栄養分を補給することができる。なお、細胞の骨格基材内部への浸潤は、骨格基材表層の緻密層によってバリアされるため、骨格基材の内部には細胞成分は存在しない。これにより、骨格基材の内部が目詰まりすることが防止され、この骨格基材を介して多孔性三次元網状構造材料全体に酸素や栄養分を補給する機能が維持される。この結果、良好な組織の浸潤、生着、成熟、血管新生という生体埋入材料として有用な機能が発現される。
このポリウレタン製多孔性三次元網状構造材料の骨格基材の空隙率を求めるには、まず、平均孔径の測定を前記の通り行う。即ち、多孔性三次元網状構造材料の切断面を撮影し、その写真において樹脂部分を白とし、空隙(空気部分)を黒として画像処理法により白部分の面積と黒部分の面積とを計算する。画像処理により得られた測定視野総面積と、空隙部分総面積と、JIS K7311によるポリウレタン樹脂の比重とより計算上の見掛け密度を求める。この見掛け密度は、一般に実測値よりも約10倍以上大きな値となる。この誤差は、多孔性三次元網状構造材料の骨格部分がポリウレタン樹脂からなる中実構造であると仮定したことにより生じる。そこで、計算上の見掛け密度Aと実測値の見掛け密度Bとを計算式(A−B)/A×100(%)に代入して計算することにより、多孔性三次元網状構造材料の骨格基材自体の空隙率を求めることが可能となる。計算上の見掛け密度が0.91g/cmであり、実測値の見掛け密度が0.077g/cmの場合、多孔性三次元網状構造材料の骨格基材は、空隙率91.5%の多孔質であると計算される。
このポリウレタン製多孔性三次元網状構造材料では、骨格基材の表面に微細孔が存在しているが、これは細胞が浸潤し得るサイズではなく、あくまで細胞の生着の助けになる凹凸を形成する程度のものである。即ち、前述の通り、この微細孔により、骨格基材の表面が複雑な凹凸のある表面となるため、細胞の生着性が高いものとなる。ただし、この微細孔は、細胞が浸潤し得るサイズではないものの、栄養分や酸素、水などは浸潤しうるサイズであるため、この微細孔を介して骨格基材と生体組織との間で栄養分や酸素、水などの拡散・交換が行われる。即ち、この骨格基材を介して多孔性三次元網状構造材料全体に酸素や栄養分を補給することができる。
上記の各実施の形態は、いずれも本発明の一例を示すものであり、本発明は上記の構成に限定されない。
1 カフ部材
2 筒状部
2a 中心孔
3 フランジ部
4 芯材
4a 中心孔
5 多孔質層
6 カテーテル

Claims (11)

  1. 生体に刺入されるカテーテルに取り付けられるカフ部材であって、
    カテーテルに外嵌し、生体の皮下組織内に挿入される筒状部と、
    該筒状部から放射方向に張り出したフランジ部と
    を備え、
    該筒状部とフランジ部とが多孔質材により構成されたカフ部材において、
    該フランジ部は、該筒状部の皮下組織内への挿入方向の先端側に設けられていることを特徴とするカフ部材。
  2. 請求項1において、前記フランジ部の前記挿入方向の後端側の端面から前記筒状部の該後端側の端面までの距離Hは、生体の皮膚から皮下脂肪層までの距離と略同等となっていることを特徴とするカフ部材。
  3. 請求項2において、前記フランジ部の前記後端側の端面から前記筒状部の該後端側の端面までの距離Hは10〜50mmであることを特徴とするカフ部材。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、前記筒状部と前記フランジ部とは、共通の多孔質材により一体的に構成されていることを特徴とするカフ部材。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、前記フランジ部は、
    前記多孔質材よりも硬質の材料よりなる芯材と、
    該芯材の外面の少なくとも一部を覆っている、多孔質材よりなる多孔質層と
    を備えていることを特徴とするカフ部材。
  6. 請求項5において、前記多孔質層は、前記芯材の少なくとも前記後端側の外面を覆っていることを特徴とするカフ部材。
  7. 請求項6において、前記多孔質層は、さらに、前記芯材の側面及び前記先端側の外面を覆っていることを特徴とするカフ部材。
  8. 請求項5ないし7のいずれか1項において、前記芯材は、中心孔を有する略円盤状のものであり、前記筒状部と略同心状に配置されていることを特徴とするカフ部材。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項において、前記筒状部及びフランジ部を構成する多孔質材は、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂からなる、平均孔径が100〜650μmであり、乾燥状態における見掛け密度が0.01〜0.1g/cmである多孔性三次元網状構造を有することを特徴とするカフ部材。
  10. 生体に刺入されるカテーテルと、前記筒状部が該カテーテルに外嵌した、請求項1ないし9のいずれか1項に記載のカフ部材とを備えてなるカフ部材付きカテーテル。
  11. 請求項10において、前記フランジ部は、前記筒状部よりも前記カテーテルの生体への刺入方向の先端側に配置されていることを特徴とするカフ部材付きカテーテル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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