JP2011111760A - 起伏ゲート式防波堤における係留機構の弾性係数決定方法 - Google Patents

起伏ゲート式防波堤における係留機構の弾性係数決定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】係留機構の小型化を図る。
【解決手段】扉体先端の隙間を隣接する扉体ブロックB間の隙間の2.5倍未満とした扉体2が浮力により起立する起伏ゲート式防波堤1における係留機構11の弾性係数を決定する方法である。扉体2の長さに対する扉体先端の動揺振幅である扉体2の許容動揺角Xと、波によって扉体に作用する波力に対して係留機構が受け持つ係留力の割合である係留機構の負担率Yの関係をY=3.74E−06×X−1.485とし、この式に設定した扉体2のゲート係留部2dから係留機構11の係留フック15が外れない範囲で動揺する扉体の設計動揺角を、扉体の許容動揺角Xとして代入して、係留機構の負担率Yを求める。この求めた負担率Yを係留機構の設計負担率として、前記弾性係数を決定する。
【効果】係留機構の弾性係数を最適に決定できるので、小型化が図れる。
【選択図】図4

Description

本発明は、例えば高潮対策として港湾に設置される起伏ゲート式防波堤の、係留機構を構成する伸縮装置の弾性係数を決定する方法に関するものである。
従来の起伏ゲート式防波堤として、浮力によって扉体の起伏を行うものがある(例えば特許文献1)。
このような起伏ゲート式防波堤では、扉体に設けた空気室に給気しつつ、空気室内の海水を排水することで、扉体を浮上させるので、空気室への給気・空気室からの排水を行うための給気装置が必要である。
しかしながら、前記起伏ゲート式防波堤の場合、停電時であっても必要な圧縮空気を供給できるよう、常に蓄圧タンクに圧縮空気を蓄えておく必要がある。また、格納状態の扉体の空気室には海水が充満して、扉体の重量により格納位置に着床しているので、蓄圧タンクの圧力、扉体の転倒モーメント(扉体先端部の重量)及び傾斜角を常時監視しておく必要がある。但し、この場合も、腐食等により空気室に孔が開いてしまうような異常の検出はできない。さらに、堆積物等により扉体の重量が増加した場合は、浮上操作または浚渫等のメンテナンスを行う必要がある等、維持管理の負担が大きい。
また、例えば地震発生時に津波警報が発令されて防波堤を起立させる場合には、浮上指令に基づいて、給気弁を開操作して空気室への給気・空気室からの排水を行うので、防波堤の起立に時間がかかり、津波の侵入を遮断するのに間に合わない場合がある。
そこで、出願人は、格納状態にある扉体の裏面と相対する部分に転向ガイドを設置し、一端側を扉体の裏面に取付けた係留ロープの他端側を、前記転向ガイドを介して水面上に引出し、固定装置で固定する起伏ゲート式防波堤を提案した(特願2009−106841号)。
この起伏ゲート式防波堤は、扉体先端の隙間を隣接する扉体ブロック間の隙間に対して2.5倍未満とすることで、扉体を倒伏状態に保持するために必要な係留力を軽減するものである。
この起伏ゲート式防波堤では、扉体を固定して係留しているので、波によって生じる扉体回転軸周りのモーメントとしての作用荷重を係留機構が負担することになるが、係留負担率が明確でなかったため、安全率を大きくして係留機構の安全性を担保していた。なお、係留負担率とは、波によって扉体に作用する流体力に対して係留機構が受け持つ係留力の割合をいう。
特開2003−227125号公報
本発明が解決しようとする問題点は、出願人が提案した起伏ゲート式防波堤では、係留負担率が明確でなかったため、安全率を大きくして係留機構の安全性を担保していたので、係留機構の小型化が図れなかったという点である。
本発明の起伏ゲート式防波堤における係留機構の弾性係数決定方法は、
扉体を動揺させることにより、扉体に作用する流体力と係留機構が受け持つ係留力とを相殺させる場合の係留機構の弾性係数を最適に決定して係留機構の小型化を図るために、
扉体先端の隙間が隣接する扉体ブロック間の隙間の2.5倍未満となるように、幅方向に並設した扉体ブロックを連結した扉体が、空気室への給気によって得られた浮力により起立する起伏ゲート式防波堤における係留機構の弾性係数を決定する方法であって、
前記係留機構は、
格納状態にある前記扉体の裏面に取付けたゲート係留部と相対する位置に、軸中心周りの回転が自在なように設置されたトルクシャフトと、
このトルクシャフトの、前記ゲート係留部との係合位置に取付けられた係留フックと、
前記扉体を水中で格納する収納部において、格納状態にある扉体の裏面と相対する部分に設置された一方の転向リンク部材と、
前記収納部において、格納状態にある扉体裏面側の一方側外側に設置された他方の転向リンク部材と、
前記トルクシャフトに一端側を取付けられたトルクアームの他端側に一端側が接続され、他端側は前記両転向リンク部材を介して水面上に引き出されたロッド部材と、
ピストンロッドの先端に滑車を取り付けたフック着脱用シリンダ装置と、
一端側が前記ロッド部材の他端に接続され、他端側は前記滑車を介して扉体の動揺に伴って伸縮する伸縮装置と接続するワイヤ部材とを備え、
前記扉体の長さに対する扉体先端の動揺振幅である扉体の許容動揺角をX、波によって扉体に作用する流体力に対して前記係留機構が受け持つ係留力の割合である係留機構の負担率をYとした場合、
前記扉体の許容動揺角Xと前記係留機構の負担率Yの関係を下記A式とし、
このA式に、設定したゲート係留部から係留フックが外れない範囲で動揺する扉体の設計動揺角を、扉体の許容動揺角Xとして代入して、係留機構の負担率Yを求め、
この求めた係留機構の負担率Yを係留機構の設計負担率として、前記伸縮装置の弾性係数を決定することを最も主要な特徴としている。
Y=3.74E−06×X−1.485 …A式
本発明は、扉体に作用する入射波及び伸縮装置の弾性係数を変化させながら測定した複数のデータから近似式を得、この近似式から扉体の設計動揺角に対する必要な係留機構の設計負担率を求めるので、係留機構が受け持つ係留負担率が明確になる。
本発明では、入射波及び弾性係数を変化させながら測定した複数のデータから得た近似式を用いて、扉体の設計動揺角に対する必要な係留機構の設計負担率を算定するので、係留機構が受け持つ係留負担率を評価する手法を確立することができる。従って、係留機構を構成する伸縮装置の弾性係数を最適に決定することが可能になって、係留機構を小型化でき、コストダウンも図れる。
(a)は本発明の伸縮装置の弾性係数決定方法を適用する起伏ゲート式防波堤の格納時の倒伏状態を説明する概略図、(b)は扉体先端部の拡大図である。 本発明の伸縮装置の弾性係数決定方法を適用する起伏ゲート式防波堤を港口幅に連続して設置した状態を示す概略図で、(a)はテンションロッドを省略した斜視図、(b)は側面図である。 扉体の頂端と収納部との間隔、及び扉体ブロックの両側端部の開口幅について説明する図で、(a)は側面図、(b)は立面図である。 係留機構の詳細図で、(a)は収納部側の構成を示す斜視図、(b)は制御装置側の構成を示す詳細図である。 一方の転向リンク部材が複数個設けられている時の係留機構の状態を説明する概略図である。 (a)は扉体が係留されている時の係留機構の状態を説明する概略図、(b)は(a)のA−A矢視図である。 (a)〜(d)は扉体の倒伏に伴うゲート係留ピンと係留フックの相対位置関係を、順を追って説明する図である。 (a)は扉体の係留が解除されている時の係留機構の状態を説明する概略図、(b)は(a)のA−A矢視図である。 扉体の動揺を許容した場合に必要な係留力を説明する図である。 扉体の倒伏状態を保持するのに必要な係留力を説明する図である。 扉体への作用流体に対して係留機構が負担する係留力の割合の関係を示した図で、(a)は扉体先端の隙間が隣接する扉体ブロック間の隙間に対して1.0倍の場合、(b)は同じく2.5倍の場合である。 (a)は係留負担率の定義を説明する図、(b)は許容動揺角の定義を説明する図である。 発明方法により決定したばね定数が安全側の選定であることを説明する図である。
本発明では、係留機構の小型化を図るという目的を、入射波及び弾性係数を変化させながら測定した複数のデータから求めた近似式を用いて、扉体の設計動揺角に対する必要な係留機構の設計負担率を算定することで実現した。
以下、本発明を実施するための形態を、図1〜図13を用いて詳細に説明する。
図1は本発明の伸縮装置の弾性係数決定方法を適用する起伏ゲート式防波堤の格納時の倒伏状態を説明する概略図である。
図1において、1は起伏ゲート式防波堤であり、例えば、扉体2と、この扉体2の浮上時に扉体2が転倒しないように、港湾Rの港外側に設けられた複数のテンションロッド3を備えた構成である。
港口幅の広い水域に設置する場合、前記扉体2は、図2に示すように、幅方向に複数組の扉体ブロックBを一定の間隔を存して並設したもので、隣接した扉体ブロックB同士をロープで連結している。
前記扉体2では、隣接する前記各扉体ブロックB間の一方側の中心から、他方側の中心までを扉体ブロック一単位として、扉体ブロック一単位の幅から扉体ブロックBの幅を差し引いた値を扉体ブロックBの両側端部の開口幅d1(図3(b)参照)とする。
この扉体ブロックBの両側端部の開口幅d1は、例えば津波対応の起伏ゲート式防波堤1では、津波発生時に港内への漏水量が大きくなりすぎないように、扉体ブロックBの幅に対して1%としたものを基本とする。隣接する扉体ブロックB間の開口幅について、扉体ブロック一単位は幅方向に一定間隔を存して並設しているので、(d1/2)×2=d1となり、扉体ブロックBの幅に対して1%である。なお、扉体ブロックBの両側端部の開口幅d1は、小さくしすぎると異物の挟み込みの問題が生じる。
前記扉体2は、基端側の回転軸2aを、例えば港湾Rの底部に一体構造で設けた収納部4の基台4aに、軸受5によって回転自在に枢支することで、前記回転軸2aを支点として起伏する。
この起伏動作を円滑に行うために、扉体2の頂端と前記収納部4の間にも間隔d2(図3(b)参照)を存在させている。従って、倒伏状態の扉体2の上側の空間S1と、下側の空間S2は、図3(a)に示すように、各扉体ブロックBの両側端部の開口幅d1と各扉体ブロックBの頂端と収納部4の間の間隔d2によって連通している。
また、前記テンションロッド3は、例えばその中間の連結部3aで二つに折れ曲がるように形成されている。そして、扉体2の起立時に上端側に位置する一方端部3bは前記扉体2の頂部側に、前記起立時に下端側に位置する他方端部3cは、扉体2が倒伏する側の前記回転軸2aから所定の距離だけ離れた位置に、それぞれ回転が自在なように枢支されている。
前記扉体2の例えば頂部側には空気室2bが設けられ、図示省略した給気装置(レシーバタンクとコンプレッサ)により、前記空気室2bに給気することによって、扉体2の浮上に必要な浮力を得るように構成されている。
11は、浮力を有した状態の前記扉体2を、水中に係留する係留機構であり、図4のように構成されている。
12、13はベルクランク状の転向リンク部材であり、一方の転向リンク部材12は前記扉体2を水中で格納する収納部4の、図1(a)に示す格納時の倒伏状態にある扉体2の裏面2cと相対する部分に設置されている。また、他方の転向リンク部材13は、格納時の前記倒伏状態にある扉体2の裏面2cと相対する部分の、前記収納部4における前記扉体2の一方端外側に設置されている。
14は、軸中心周りの回転が自在なトルクシャフトであり、格納状態にある前記扉体2の裏面2cにおける例えば頂端部側(起立時は扉体の上端側)に取付けたゲート係留部2dと相対する位置に設置されている。そして、このトルクシャフト14の、前記ゲート係留部2dとの係合位置に係留フック15が取付けられている。なお、16は前記係留フック15のゲート係留部2dへの係合を開放する方向にトルクシャフト14を回転させるカウンタウエイトである。
17は、前記トルクシャフト14の軸方向中間位置に一端側を取付けられたトルクアーム18の他端側に一端側が接続され、他端側は前記一方の転向リンク部材12、前記他方の転向リンク部材13を介して水面上に引き出されたロッド部材である。
このロッド部材17は、一方の鉛直ロッド17a、水平ロッド17b、他方の鉛直ロッド17cから構成されている。
このうち一方の鉛直ロッド17aは、一方端部に長孔17aaを設け、この長孔17aaに前記トルクアーム18の他端側に設けたピン18aを挿入する一方、他方端部は一方の転向リンク部材12の一方側端部12aに枢支している。
また、水平ロッド17bは、一方端部を一方の転向リンク部材12の他方側端部12bに枢支し、他方端部は他方の転向リンク部材13の一方側端部13aに枢支している。一方の転向リンク部材12が複数個設けられている場合は、水平ロッド17bはこの複数個の一方の転向リンク部材12の他方側端部12bと枢支して、他方端部を他方の転向リンク部材13の一方側端部13aに枢支する(図5参照)。
また、他方の鉛直ロッド17cは、一方端部を他方の転向リンク部材13の他方側端部13bに枢支し、他方端部は水面上に引き出されて以下の構成の制御装置21に接続されている。
19は、一方の転向リンク部材12の一方側端部12aの回転軌跡上に設置された動作制限ストッパであり、一方の転向リンク部材12の一方端部12aが動作制限ストッパ19に接触することにより、一方の転向リンク部材12の動作範囲を制限する。
22は、前記係留フック15をゲート係留部2dに着脱するためのフック着脱用シリンダ装置であり、底部を固定されたシリンダ22aから出退するピストンロッド22bの先端に滑車23を取り付けている。
24は、前記滑車23に巻き回したワイヤ部材であり、その一端側がロードセル25を介して前記他方の鉛直ロッド17cの他端に接続され、他端側は扉体2の動揺に伴って伸縮する伸縮装置、例えばばね装置26と接続されている。ばね装置26に使用するばねは、細長い金属線を螺旋状に巻いたコイルばねを使用している。
前記フック着脱用シリンダ装置22にはピストンロッド22bの出退量を検出するストロークセンサ22cが、また前記ばね装置26には、ばねのストロークを測定するストロークセンサ26a及びストロークインジケータが設けられている。
以上の構成からなる係留装置11では、収納部4に係留した扉体2の上を波浪が通過した際に扉体2に生じる浮上力に起因する動揺を、ばね装置26の伸縮により許容して波力を相殺するが、前記浮上力はできるだけ小さい方が望ましいことは言うまでもない。そのため、各扉体ブロックBの頂端部側の開口面積を、各扉体ブロックBの両側端部の開口面積の2.5倍未満としている。
上記構成の起伏ゲート式防波堤1は、次に述べる操作によって、扉体2の格納や起立を行う。
(係留準備動作:図4、図6参照)
フック着脱用シリンダ装置22のピストンロッド22bを出動作させ、一方の転向リンク部材12の一方側端部12aを動作制限ストッパ19に当接させる。
その後、ばね装置26のストロークセンサ26aまたはロードセル25を監視しながら、扉体2の係留時における基準となる浮力が作用する時と同等の係留力(以下、所定係留力という。)が作用するまで、フック着脱用シリンダ装置22のピストンロッド22bを出動作させ、その時のフック着脱用シリンダ装置22のピストンロッド22bのストローク位置をストロークセンサ22cにより検出し、基準位置として記憶する。
この時、動作制限ストッパ19から制御装置21間のリンク部材およびばね装置一式(一方の転向リンク部材12、ロッド部材17b、17c、他方の転向リンク部材13、ロードセル25、ワイヤ部材24、ばね装置26)は所定係留力相当が作用して伸びている状態である。
一方の転向リンク部材12と係留フック15の姿勢の相対関係は判っているため、前記記憶している基準位置においての一方の転向リンク部材12の姿勢で、一方の転向リンク部材12が動作制限ストッパ19に接触している位置から係留フック15が水平状態となる位置に相当する一方の転向リンク部材12の位置までのストローク分相当量(所定のストローク相当量)、フック着脱用シリンダ装置22のピストンロッド22bを退動作させる。
上記状態で、フック着脱用シリンダ装置22のピストンロッド22bを所定のストロークだけ退動作させた時、先ず、伸ばされていた前記リンク部材及びばね装置一式が縮むと共に、この記憶している基準位置に位置している一方の転向リンク部材12の一方端部12aが動作制限ストッパ19から離れて所定のストローク相当量だけ退動作し、係留フック15は、前記リンク部材及びばね装置一式の縮み相当分、水平状態から下方に傾いた位置となる。これで、係留準備動作を完了する。
(係留動作:図7参照)
上記係留準備操作を完了した状態で、扉体2の上端部に設けた排気弁を開放して、浮力室2b内の空気を排気しつつ、浮力室2b内に海水を入れて扉体2を倒伏させる。
扉体2の倒伏に伴い、扉体2に設けたゲート係留部2dが係留フック15を押し下げると同時に、トルクアーム18のピン18aが一方の鉛直ロッド17aの長孔17aaの下部に移動する(図7(a)から図7(b))。
扉体2のゲート係留部2dが係留フック15を通過すると、カウンタウエイト16の作用により、係留フック15はゲート係留部2dをかわして水平状態から少し下方に傾いた位置に戻る(図7(c))。
倒伏完了後、浮力室2b内に圧縮空気を供給し、浮力室2b内の海水を排水する。これにより扉体2が浮上し、ゲート係留部2dが前記係留フック15を押し上げ、扉体2の浮力を伝達する。同時に、ロッド部材17、一方の転向リンク部材12、他方の転向リンク部材13、ワイヤ部材24、ばね装置26は扉体2の浮力による係留力が作用して伸ばされ、変位する。変位した分、係留フック15は上方へ移動する。
その後、ばね装置26のストロークセンサ26aまたはロードセル25を監視し、所定係留力が作用していることを確認して浮力室2bへの給気を停止する。このとき、係留フックは15は水平状態となる。
(扉体2の浮上操作時:図8参照)
フック着脱用シリンダ装置22の油圧力を開放して保持力を緩めることにより、他方の鉛直ロッド17c、他方の転向リンク部材13、水平ロッド17b、一方の転向リンク部材12、一方の鉛直ロッド17a、トルクアーム18のピン18aを介して係留フック15の係留力を緩め、扉体2の浮力及びカウンタウエイト16の力により係留フック15は押し上げられ、ゲート係留部2dとの係合を解除する。
その後、ばね装置26が縮んでいることを確認すると共に、ロードセル25により係留力がないことを確認する。
上記構成の起伏ゲート式防波堤1では、ばね装置26によって扉体2の動揺を許容して係留する。この場合、扉体2が上方に変位することで扉体2の下側の空間S2が負圧になり、扉体2の上面との圧力差によって扉体2に対して下向きに作用する力が発生する(図9参照)。
これにより、波によって生じる扉体2の回転軸2a周りのモーメントとしての作用荷重を全て係留機構が負担しなければならない(図10参照)、扉体2を固定して係留する場合よりも、扉体2の係留に必要な荷重は少なくなる。
発明者等は、扉体の許容動揺角と係留機構の負担率の関係を、模型実験により得ることにした。図11は、入射波及びばね装置のばね定数を様々に変えて係留機構の負担率と許容動揺角の関係を収集した結果の一例を示したものである。
ここで、係留機構の負担率とは、先に説明したように、波によって扉体2に作用する流体力Fwに対して前記係留機構11が受け持つ係留力Fmの割合(Fm/Fw)を示す。また、扉体2の許容動揺角とは、扉体2の長さLに対する扉体先端の動揺振幅Wとして示している(=W/L)(図12参照)。
図11は、扉体先端の隙間が隣接する扉体ブロック間の隙間に対して1.0倍の場合((a)図)と2.5倍の場合((b)図)の結果を示した図である。これら両図より、扉体先端の隙間を狭くする(扉体先端の隙間を隣接する扉体ブロック間の隙間の2.5倍未満)、或いは許容動揺角を大きくすることで係留負担率が減少することが分かる。
図11中の破線は実験結果より求めた実験式である。この実験式は、それぞれの許容動揺角に対して係留負担率が最大となった場合の結果を集め、累乗の指数が負となる指数関数を用いて、近似式を与えたものである。この近似式は、図11(a)の扉体先端の隙間が隣接する扉体ブロック間の隙間の1.0倍の場合はY=3.74E−06×X−1.485、図11(b)の2.5倍の場合はY=1.38E−02×X−0.5607である。指数が負となる指数関数を使用した理由は、許容動揺角を無限大としたとき、係留負担率が0となることを前提としたためである。
前記実験式は、係留負担率が最大となる各実験ケースより得たものであるため、実際の係留負担率は実験式よりも十分小さくなることが想定され、これらは安全側の検討といえる。例えば、図11(a)の場合、実験式を用いて、許容動揺角が0.001では0.107、許容動揺角が0.002では0.038、許容動揺角が0.003では0.021というように、係留機構の負担率を求めることができる。
通常、起伏ゲートの扉体先端の隙間は、隣接する扉体ブロック間の隙間よりも小さくなる(1.0倍以下となる)ように設計されるため、より係留負担率は軽減されて、前記近似式の関係を用いた必要な係留力の算定は安全側の検討となる。但し、係留機構の負担率が1を超えることはないので、前記近似式の仕様範囲には留意が必要である。
次に、前記近似式を用いてコイルばねの選定、及び係留機構に生じる荷重評価を行う方法について説明する。
先ず、起伏ゲート式防波堤の基本寸法から、係留フックのゲート係留部への係合代を確保して、不用意な開放を避けるために許容される許容動揺振幅を決定する。
実験式の誤差や波浪の不確実性を考慮し、係留機構を安全に利用するために設計動揺振幅を前記の許容動揺振幅以下に設定する。設計動揺振幅は、許容動揺振幅の0.5倍程度にすることが望ましい。
続いて、起伏ゲート式防波堤設備の基本寸法である扉体長さ、および設計動揺振幅から設計動揺角X(=設計動揺振幅/扉体長さ:図12(b)参照)を求める。
扉体先端の隙間、および隣接する扉体ブロック間の隙間を設定し、前記実験式(Y=3.74E−06×X−1.485)から設計動揺角Xに対する設計係留負担率Yを求める。
波浪条件等の現地の自然条件から、波による流体力(波の周期4〜16秒の規則波を倒伏した扉体に作用する時の作用荷重の最大値)Pmax(N)を計算して求める。
波によって扉体2に作用する流体力Fw、および設計係留負担率Yから、必要な係留力(動揺振幅に対する係留力増減量)Fm(=Fw×Y:図12(a)参照)を求める。
求められた必要な係留力Fmを使って、ばね装置のばね定数(=Fm/W)を求め、この求めたばね定数から、以下のようにしてばね装置の選定を行う。
求めたばね定数は、図13に示すグラフの「理想:経済設計」に位置している。
ばね装置の選定は、安全側を見て、ばね定数は「理想:経済設計」より若干大きめに選定する。
ばね定数を「理想:経済設計」通りに設定すれば、必要な係留力が低くなって経済設計となるが、安全性が落ちるので好ましくないからである。反対に、ばね定数を高めに設定しすぎると、必要な係留力は高くなり、また、動揺振幅は小さくなるが、安全すぎて係留機構の規模や製作コストが増加するからである。
以上のようにばね定数を決定することで、波による外力に対して係留機構が受け持つ係留負担率が明確になって、係留機構の経済設計が可能になる。
本発明は、前記の例に限るものではなく、各請求項に記載の技術的思想の範疇であれば、適宜実施の形態を変更しても良いことは言うまでもない。
B 扉体ブロック
1 起伏ゲート式防波堤
2 扉体
2a 回転軸
2b 空気室
2c 裏面
2d ゲート係留部
4 収納部
5 軸受
11 係留機構
12 一方の転向リンク部材
13 他方の転向リンク部材
14 トルクシャフト
15 係留フック
17 ロッド部材
18 トルクアーム
22 フック着脱用シリンダ装置
22b ピストンロッド
23 滑車
24 ワイヤ部材
26 ばね装置

Claims (1)

  1. 扉体先端の隙間が隣接する扉体ブロック間の隙間の2.5倍未満となるように、幅方向に並設した扉体ブロックを連結した扉体が、空気室への給気によって得られた浮力により起立する起伏ゲート式防波堤における係留機構の弾性係数を決定する方法であって、
    前記係留機構は、
    格納状態にある前記扉体の裏面に取付けたゲート係留部と相対する位置に、軸中心周りの回転が自在なように設置されたトルクシャフトと、
    このトルクシャフトの、前記ゲート係留部との係合位置に取付けられた係留フックと、
    前記扉体を水中で格納する収納部において、格納状態にある扉体の裏面と相対する部分に設置された一方の転向リンク部材と、
    前記収納部において、格納状態にある扉体裏面側の一方側外側に設置された他方の転向リンク部材と、
    前記トルクシャフトに一端側を取付けられたトルクアームの他端側に一端側が接続され、他端側は前記両転向リンク部材を介して水面上に引き出されたロッド部材と、
    ピストンロッドの先端に滑車を取り付けたフック着脱用シリンダ装置と、
    一端側が前記ロッド部材の他端に接続され、他端側は前記滑車を介して扉体の動揺に伴って伸縮する伸縮装置と接続するワイヤ部材とを備え、
    前記扉体の長さに対する扉体先端の動揺振幅である扉体の許容動揺角をX、波によって扉体に作用する流体力に対して前記係留機構が受け持つ係留力の割合である係留機構の負担率をYとした場合、
    前記扉体の許容動揺角Xと前記係留機構の負担率Yの関係を下記A式とし、
    このA式に、設定したゲート係留部から係留フックが外れない範囲で動揺する扉体の設計動揺角を、扉体の許容動揺角Xとして代入して、係留機構の負担率Yを求め、
    この求めた係留機構の負担率Yを係留機構の設計負担率として、前記伸縮装置の弾性係数を決定することを特徴とする起伏ゲート式防波堤における係留機構の弾性係数決定方法。
    Y=3.74E−06×X−1.485 …A式
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