JP2011102696A - 窒素酸化物検出センサとこれを使用した窒素酸化物濃度測定装置と窒素酸化物濃度測定方法および窒素酸化物検出センサ製造方法 - Google Patents

窒素酸化物検出センサとこれを使用した窒素酸化物濃度測定装置と窒素酸化物濃度測定方法および窒素酸化物検出センサ製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】検出光の必要光量を低減できる窒素酸化物センサを提供することを目的とする。
【解決手段】基体(12)の表面に、コバルトを中心金属とするポルフィリン、またはコバルトを中心金属とするポルフィリン骨格を有する誘導体の単独または混合物を分散した高分子からなる検知膜を形成するとともに、基体(12)の表面の光反射率が光学波長400nmから450nmの範囲でアルミナよりも高いことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、窒素酸化物検出センサに関するものである。
一酸化窒素(以下、NOと言う)は、筋弛緩因子の本体として発見されて以来、NOの生理作用が明らかになり、神経情報伝達物質や感染症のマーカとして利用できる。
特に、呼気中のNOガス分析は、近年増え続ける喘息やアレルギーによる気道感染のマーカとして注目されている。また患者に負担をかけない非侵襲での疾病の診断ができるとして注目されている。呼気中のNOガス濃度は、正常人では2ppb〜20ppbであるが、喘息やアレルギーなどの気道炎症時には約3倍に増大することが知られている。そのため、呼気NOガスを測定することで、患者の気道炎症程度の判定や、喘息治療薬の投薬量の決定など喘息の治療指針に利用できる。
従来、呼気用のNOの測定方法には、患者の呼気から集めたNOを減圧下でオゾンと反応させて、その際に発する光を検出する化学発光法NO測定器を用いていた。しかしながら、この化学発光法ではオゾン発生装置など高価な周辺装置が必要な上、保守管理が難しい。
そのため、喘息患者が病院もしくは自宅で毎日NOを測定し、喘息の自己管理を行うには、安価で、小型で、ガス選択性に優れ、高感度な呼気NO測定器が望まれている。
特許文献1には、ポルフィリンを分散した高分子からなる検知膜をアルミナ基板上に形成し、前記検知膜に検出光を照射し、前記検知膜によって反射してきた光を検出光として検出し、前記検知膜が測定ガスに接触する前後の前記検出光の変化に基づいて前記測定ガスの濃度を計算する技術が記載されている。
特開平10−62350号
しかしながら、従来のポルフィリンを分散した高分子からなる検知膜をアルミナ基板上に形成したセンサでは、アルミナ基板からの反射光量が少ないため、十分な測定光を得るには、高出力の光源を用いて検知膜に照射する必要があり、消費電力が増加する。低出力の光源を利用するには、アルミナ基板に換えてミラー面を持つ金属支持体上に検知膜を設ければ良いが、金属支持体にセンサ検知膜を直接に作製する場合には付着力が弱く、検知膜が剥離するという課題を有している。
本発明は、検知膜と支持体の付着力を向上し、高出力の光源を使用しなくても測定ガスとしての窒素ガスの濃度を測定することができ、従来に比べて高速の熱応答を実現することによって、窒素ガスの濃度を精度良く測定できる窒素酸化物検出センサを提供することを目的とする。
本発明の窒素酸化物検出センサは、基体の表面に、コバルトを中心金属とするポルフィリン、またはコバルトを中心金属とするポルフィリン骨格を有する誘導体の単独または混合物を分散した高分子からなる検知膜を形成するとともに、前記基体の前記表面の光反射率が光学波長400nmから450nmの範囲でアルミナよりも高いことを特徴とする。好ましくは、前記高分子のガラス転移温度Tgが−150℃から150℃である。また、前記基体が、アルミニウム(Al)あるいは銀(Ag)を主成分とする金属からなる。
また、本発明の窒素酸化物検出センサは、支持体の表面に光反射率が光学波長400nmから450nmの範囲でアルミナよりも高い反射性薄膜を形成して基体を構成し、前記反射性薄膜の上に、コバルトを中心金属とするポルフィリン、またはコバルトを中心金属とするポルフィリン骨格を有する誘導体の単独または混合物を分散した高分子からなる検知膜が形成されていることを特徴とする。
また、本発明の窒素酸化物検出センサは、支持体の表面と光反射率が光学波長400nmから450nmの範囲でアルミナよりも高い反射性薄膜の間に、前記反射性薄膜の前記支持体の側への密着力を高める中間層が形成されており、前記反射性薄膜の上にコバルトを中心金属とするポルフィリン、またはコバルトを中心金属とするポルフィリン骨格を有する誘導体の単独または混合物を分散した高分子からなる検知膜が形成されていることを特徴とする。具体的には、前記支持体がガラス基板、石英基板、シリコン基板、サファイア基板、窒化ガリウム基板、またはプラスチック基板の何れかであって、前記中間層が、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、モリブテン(Mo)の単独かこれらの複合体であることを特徴とする。また、前記反射性薄膜の前記表面の光反射率が、光学波長400nmから450nmの範囲で40%以上であることを特徴とする。
また、前記検知膜を形成する前記高分子の屈折率が1.4〜1.7であることを特徴とする。
また、前記コバルトを中心金属とするポルフィリンが、コバルトテトラフェニルポルフィリンであることを特徴とする。
また、前記コバルトテトラフェニルポルフィリンの中心金属であるコバルトが2価イオンであることを特徴とする。
本発明の窒素酸化物濃度測定装置は、基体の表面にコバルトを中心金属とするポルフィリン、またはコバルトを中心金属とするポルフィリン骨格を有する誘導体の単独または混合物を分散した高分子からなる検知膜が形成されており、前記検知膜の下地の光反射率が光学波長400nmから450nmの範囲でアルミナよりも高い窒素酸化物検出センサと、光を前記窒素酸化物検出センサの検知膜に照射し、前記検知膜を介して反射した検出光を検出し、測定ガスが前記検知膜に接触する前後の前記検出光の変化に基づいて前記測定ガスの窒素酸化物濃度を計算する測定部とを設けたことを特徴とする。
本発明の窒素酸化物濃度測定方法は、基体の表面にコバルトを中心金属とするポルフィリン、またはコバルトを中心金属とするポルフィリン骨格を有する誘導体の単独または混合物を分散した高分子からなる検知膜が形成されており、前記検知膜の下地の光反射率が光学波長400nmから450nmの範囲でアルミナよりも高い窒素酸化物検出センサを使用して、前記検知膜に光を照射し、前記検知膜を介して反射した検出光を検出し、測定ガスが前記検知膜に接触する前後の前記検出光の変化に基づいて前記測定ガスの窒素酸化物濃度を計算することを特徴とする。好ましくは、前記高分子のガラス転移温度Tgが−150℃から150℃である。また、測定に際して前記窒素酸化物検出センサの熱処理を実行することを特徴とする。
また、本発明の窒素酸化物検出センサ製造方法は、基体の表面に検出対象である窒素酸化物に接触して吸収スペクトルに変化する検知膜をを形成するに際し、光反射率が光学波長400nmから450nmの範囲でアルミナよりも高い前記基体の表面を、前記光反射率が40%未満にならないように表面粗さを大きくするエッチング加工し、その後に前記エッチング加工した前記前記基体の表面に、コバルトを中心金属とするポルフィリン、またはコバルトを中心金属とするポルフィリン骨格を有する誘導体の単独または混合物を分散した高分子からなる検知膜を形成することを特徴とする。好ましくは、前記高分子のガラス転移温度Tgが−150℃から150℃である。
また、本発明の窒素酸化物検出センサ製造方法は、基体の表面に検出対象である窒素酸化物に接触して吸収スペクトルに変化する検知膜をを形成するに際し、支持体の表面に前記支持体の側への密着力を高める中間層を形成してから、前記中間層の上に光反射率が光学波長400nmから450nmの範囲でアルミナよりも高い反射性薄膜を形成し、前記反射性薄膜の上にコバルトを中心金属とするポルフィリン、またはコバルトを中心金属とするポルフィリン骨格を有する誘導体の単独または混合物を分散した高分子からなる検知膜を形成することを特徴とする。好ましくは、前記高分子のガラス転移温度Tgが−150℃から150℃である。
本発明の窒素酸化物検出センサによれば、基体の表面に、コバルトを中心金属とするポルフィリン、またはコバルトを中心金属とするポルフィリン骨格を有する誘導体の単独または混合物を分散した高分子からなる検知膜を形成するとともに、前記基体の前記表面の光反射率が光学波長400nmから450nmの範囲でアルミナよりも高いため、検出光源による消費電力を抑制し、窒素酸化物の濃度を精度良く測定できる。
また、前記高分子のガラス転移温度Tgが−150℃から150℃である場合には、検知膜の基体の表面への良好な付着力が得られる。
本発明の実施の形態1における光反射測定用センサを使用した窒素酸化物濃度測定装置の構成図 同実施の形態における窒素酸化物検出センサに用いるCoTPPの構造を示した図 同実施の形態における窒素酸化物検出センサの吸光スペクトル図と光反射率スペクトル図 同実施の形態における検知膜のNOガス曝露時の吸光スペクトル図とその差分吸光度スペクトル図 本発明の実施の形態2における窒素酸化物検出センサの断面図 本発明の実験例1と比較例1のNO濃度と光信号出力の関係図
以下、本発明の窒素酸化物検出センサとこれを使用した窒素酸化物濃度測定装置を各実施の形態に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の窒素酸化物検出センサ10Aを用いた窒素酸化物濃度測定装置を示す。
窒素酸化物検出センサ10Aは、コバルトを中心金属とするCoTPPを分散したポリエチレンオキシド(PEO)高分子からなる検知膜11と、基体12と、温度制御部24で構成されている。
この窒素酸化物検出センサ10Aは、測定セル13にセットされている。窒素酸化物を含む測定ガス30はガス導入口14より測定セル13の内部に導入され、ガス排気口15より排出されて、検知膜11が測定ガス30に曝される。
測定ガス30に曝される前後の検知膜11の光学特性の変化を検出するために、この光反射型窒素酸化物濃度測定装置では、窒素酸化物検出センサ10Aに対向して投光受光部18が取り付けられている。より具体的には、投光受光部18では、光ファイバ20を介して光源16から少なくとも光学波長400nmから450nmを含む光が検知膜11に垂直に照射され、検知膜11を通過して基体12で反射して検知膜11を再び通過した光が投光受光部18と光ファイバ21を通って光検出部17にて感知される。
光検出部17は、光学バンドパスフィルタ(図示せず)とシリコンフォトダイオード(図示せず)と光電流電圧変換回路(図示せず)と増幅回路(図示せず)で構成されている。反射光量に応じた光検出信号に変換されて計測される。
温度制御部24は、加熱用のヒータと加熱したセンサの温度をモニタするための熱電対で校正される。ヒータは、セラミックヒータ、シースヒータ、薄膜ヒータのいずれでもよい。熱電対は、クロメル・アルメル熱電対や、白金薄膜抵抗などが用いられる。前記ヒータと前記熱電対は、基体12に近接して設けられている。具体的には、 基体12の検知膜11が成膜されている反対側の面に接して温度制御部24が設けられており、検知膜11の熱処理による初期化、またガス曝露時の検知膜11と暴露ガスとの反応性を制御するために用いる。
光源16,光検出部17,温度制御部24は、それぞれの動作を制御するため制御線22,23,25を介して計測コントローラ19に繋がれている。
窒素酸化物検出センサ10Aは次のように作成されている。
基体12は、検知膜11が形成されている表面の光反射率が光学波長400nmから450nmの範囲で40%を有する金属材料である。具体的には、実施の形態1の基体12としては、アルミニウム(Al)や、銀(Ag)を主成分とする金属板を用いることができる。
アルミニウム(Al)を主成分とする金属板としては、純度99%以上の1000系(JIS規格アルミニウム合金)アルミニウムや、アルミニウム(Al)−銅(Cu)合金である2000系アルミニウムや、アルミニウム(Al)−マンガン(Mn)合金である3000系アルミニウムや、アルミニウム(Al)−マグネシウム(Mg)合金である5000系アルミニウムや、アルミニウム(Al)−マグネシウム(Mg)−シリコン(Si)合金である6000系アルミニウムのいずれか、またはそれらの複合体を用いることができる。純度99%以上で表面粗さRy(日本工業規格JIS B0601−1994における最大高さ)≦0.5μmのAlでは、光学波長400nmから450nmで光反射率92.2%から92.4%が得られる。光学波長400nmから450nmの範囲で光反射率40%以上であれば、表面粗さRyは≦0.5μmに限定されない。
銀(Ag)を主成分とする金属板としては、純度99%以上の銀(Ag)や、銀(Ag)−パラジウム(Pd)合金や、銀(Ag)−パラジウム(Pd)−銅(Cu)合金や、銀(Ag)−マグネシウム(Mg)合金のいずれか、またはそれらの複合体を用いることができる。純度99%以上で表面粗さRy≦0.5μmのAgでは、光学波長400nmから450nmで光反射率94.8%から96.6%が得られる。光学波長400nmから450nmの範囲で光反射率40%以上であれば、表面粗さRyは≦0.5μmに限定されない。
前記アルミニウム(Al)あるいは銀(Ag)を主成分とする金属は、NO検知膜として使用されるCoTPPのNO検知に使用されるソーレ帯の光学波長400nmから450nmにおいて、他の金属よりも高い光反射率を有することが知られている。たとえば、新物理乗数表(朝倉書店1988年版、飯田修一他)によれば、光学波長400nmでの光反射率はアルミニウムが92.4%であり、銀で94.8%、金で38.7%、銅で47.5%、ニッケルが41.2%、白金が52.4%、錫が27.0%である。これに対して、ステンレスのソーレ帯(400nmから450nm)領域での光反射率は30%程度である。
この光反射率とNO検知に使用される光学波長を考慮すると、基体12としてはアルミニウムあるいは銀を主成分とする複合体か、または合金を用いることが好ましい。
検知膜11は、ポリエチレンオキシド(PEO)高分子(屈折率n=1.46)に、コバルトを中心金属とするポルフィリンであるCoTPPを分散して形成されている。前記高分子は光学波長380nm〜800nmでの屈折率(以下、nという)が1.4〜1.7であることが好ましい。nが1.4〜1.7であると、窒素酸化物検出に用いる光学波長に対して、吸光量は少なくほぼ透明で90%以上の透過率を有するからである。このような高分子を用いると後述のコバルトを中心金属とするポルフィリンと窒素酸化物との反応による吸光変化を生じ、したがって反射光、透過光の変化を効率よく測定できる。また前記高分子を用いることで基体である金属と検知膜11の密着性を良好にできることを後述の剥離試験により確かめた。
窒素酸化物検出センサ10AによるNO検出方法の原理について説明する。
図2にNO検知剤となるCoTPPの構造を示す。CoTPPは、コバルトを中心金属とするポルフィリンであり、ポルフィン骨格の外側に4つのフェニル基を有している。
基体12として99%純Al板(1000系アルミニウム)を用い、検知膜11としてCoTPP−PEO検知膜採用した場合のCoTPP−PEO膜の吸光スペクトルを図3(a)に、図3(b)に同光反射スペクトルを示す。この吸光スペクトルおよび光反射スペクトルは、マルチ測光検出システム(MCPD7000 大塚電子(株)製)で測定できる。
図3(a)より光学波長380nmから480nmの領域にソーレ帯とよばれる吸光バンドと、光学波長530nm近傍にQ帯の吸光バンドの2つのCoTPP特有の吸光バンドが見られる。通常、検知膜11では、図3の点線のように空気中の酸素Oや水蒸気により酸化されてブロードな吸収バンド(図3で初期化前)が見られる。なお、初期化前の吸光スペクトルを有する検知膜11はNOガスとはほとんど反応しない。検知膜11とNOガスを反応させるためには、検知膜11を初期化する必要がある。
次にNO検出メカニズムについて図4を用いて以下に詳述する。
光源16として中心光学波長430nmの発光ダイオードから光ファイバ20、投光受光部を介して検知膜11に検知光を照射すると、状態2のように中心光学波長435nmの吸光バンドが観測される(図4における状態2、初期化前)。状態2の吸光バンドは検知材であるCoTPPの中心金属であるコバルト(Co)が3価になった状態であり、Coが酸素と結びついて3価となった状態、Co(III)TPP(以下、Co(III)TPPと言う。)である。Co(III)TPPはNOガスとは反応しない。この検知膜11を初期化する。
初期化の工程として熱処理する場合を具体的に説明する。
測定セル13にガス導入口14から、測定ガス30としての窒素ガスNを導入し、ガス排気口15から排気しながら、温度制御部24で検知膜11を150℃で10分加熱すると、CoTPPのコバルトに結合していた酸素の脱離とともに、中心光学波長435nmの吸光バンド(状態2)が減少し、同時に中心光学波長414nmの吸光バンド(状態1)が増加する。これは、検知材であるCoTPPに含有されるコバルトが3価の状態、Co(III)TPPから、コバルト2価の状態、Co(II)TPP(以下、Co(II)TPPと言う)へ還元されるからである。このCo(II)TPPはNOガスと反応できる。
すなわち、2価のコバルトを中心金属とするCoTPPにNOが結合すると、コバルトからNOへ電子が移動し、コバルトが3価に酸化される。すると、2価のコバルトを含有するCoTPP由来の中心光学波長414nmの吸収バンドは図4(a)に示すように減衰し、反射率は増加し、新たに3価のコバルトを含有するCoTPP由来の中心光学波長435nmの吸収バンドが増大し、したがって反射率は減少する。
図4(b)は実際に熱処理を行い初期化後、導入ガスをNから、Nベースの0.1ppm−NOガスに替えて、検知膜11を0.1ppm−NO 200ml/分で曝露したときの吸光度変化(差分吸光度)の光学波長依存性である。この図4(b)より、0.1ppmNOガス曝露により、中心光学波長414nmの吸光度はガス曝露前に比べて0.0045減少し、一方、中心光学波長435nmの吸光度は、0.0050増加することがわかる。
なお、上記2つの吸収バンドの光学波長は、高分子の分極状態により数nm位置がずれる場合がある。また、Co(II)TPPとCo(III)TPPの重ね合わせ状態が発現すると、前記両バンド状態の存在比率により中心光学波長の範囲内でシフトする。
吸収バンドの変化量はNO濃度に依存しているため、NO暴露により生じたCoTPPの吸収バンドの変化量からNO濃度を決定することができる。吸収バンドの変化は、NO暴露前後における検知膜の反射スペクトルを測定することで確認できる。以上より、CoTPPを用いてNO濃度を決定することができる。
窒素酸化物ガスを測定する直前に、CoTPPを2価へと変化させる前処理として温度制御部24による加熱処理の場合を例に挙げて説明したが、温度制御部24による前処理方法としては、検知膜11への光照射やマイクロ波など電磁波照射や、これらの手段を組み合わせてもよい。ガスとCoTPPとの結合エネルギー以上のエネルギーを与える手段であれば、CoTPPからガスを脱離できる。装置の簡便性や小型から加熱処理が好ましい。
なお、加熱温度・加熱時間の設定は、CoTPPとPEO高分子が劣化せず、迅速に加熱処理を行うことができれば、前記加熱温度・加熱時間に具体的に限定されるものではないが、熱処理温度における範囲は50℃から200℃が好ましい。
なお、高分子はPEOに限ることはなく、前述のように測定する光学波長において透明で、ガラス転移温度が低く、CoTPPの凝集を防ぎ、かつ基体12とCoTPPとの付着力を付与し、CoTPPを分散保持できる高分子であればよい。窒素酸化物濃度測定装置の消費電力を低電力に抑える観点からは、ガラス転移温度Tgの下限は低い方が好ましい。しかし、Tg=−150℃より低いと、被検ガス測定時の温度(本実施例では、室温から100℃の範囲で測定を行った。)では、検知膜を構成する高分子が溶融状態となるので、時間とともに検知膜厚が不均一となり、その結果、測定値のばらつきが大になる。一方、Tgの上限は、次の理由で150℃が好ましい。一般に、Tgが高いほど、検知膜を構成する高分子と基体との付着力が向上するが、Tgが高すぎると、被検ガスである一酸化窒素ガスが検知膜内部へ拡散性が減少する。そのため被検ガスの検出感度が低下してしまう。従って、Tgの上限値は150℃が好ましい。
したがって、上記の条件を満たすPEO(n=1.46、Tg=−53℃)以外の高分子としては、例えば、ポリメタクリル酸イソブチル(n=1.42、Tg=48℃)、ポリアクリル酸メチル(n=1.49、Tg=66℃)、ポリアクリロニトリル(n=1.52、Tg=97℃)などアクリル樹脂、ポリスチレン(n=1.59、Tg=100℃)、ポリ塩化ビニル(n=1.63、Tg=81℃)、ポリビニルアルコール(n=1.49、Tg=85℃)などのビニル樹脂、ポリジメチルシロキサン(n=1.42、Tg=−123℃)、エチルセルロース(n=1.47、Tg=43℃)、生分解プラスチックのポリカプロラクタン(n=1.40、Tg=−62℃)、ポリブチレンサクシネート(n=1.68、Tg=−33℃)、ポリブチレンサクシネート・アジペート(n=1.70、Tg=−42℃、)などを挙げることができる。このPEO以外の高分子でガラス転移温度Tgが−150℃から150℃についても、PEOの場合と同様に後述の剥離試験を実施して基体12である金属と検知膜11の密着性を良好にできることを確認した。
PEOならびにこれらのPEO以外の樹脂は、共重合可能なものについては共重合体、また屈折率や耐熱性向上のために側鎖置換体による変性が可能なものについては、変性体が含まれる。
また、上記高分子に流動性向上を目的として可塑剤を含んでも構わない。例えば、エチルセルロース(n=1.47、Tg=43℃)に高分子の可塑剤であるフタル酸ジオクチルを混合したものでもPEOと代替できる。高分子に可塑剤を入れることにより高分子の流動性を向上させ、ガス拡散速度を向上させ、より高速にガスとの反応を行うことができる。
NO検知材はCoTPPに限ることはなく、コバルトを中心金属とし、NOが結合することにより吸収バンドが変化するポルフィリン、または、コバルトを中心金属とするポルフィリン骨格を有する誘導体の単独、または混合物であれば、いずれでも良い。これらのコバルトを中心金属とするポルフィリン誘導体としては、例えば、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィンコバルトや、5,10,15,20−テトラキス(4−メトキシフェニル)−21H,23H−ポルフィンコバルト(以下、Co(p−OCH)TPPという)や、2,8,12,18−テトラエチル−3,7,13,17‐テトラメチル−21H、23H−ポルフィンコバルトや、または5,10,15,20−テトラキス(4−スルフォナトフェニル)−21H,23H−ポルフィンコバルトのいずれかを用いても同様の効果を得ることができる。
検知膜11の高分子に分散されたCoTPPは、上記のように窒素酸化物ガスに曝されると吸収スペクトルに変化を生じるため、ガスを曝す前後における検知膜11の光反射率を測定することにより、測定ガス中の窒素酸化物濃度を算出することができる。
窒素酸化物検出センサ10Aの作製方法をより具体的に述べる。
まず、CoTPPとPEOをクロロホルムに加えた溶液を攪拌し、CoTPP濃度1×10−4mol/L、PEO1%(wt/vol)のCoTPP・PEO溶液を作製する。
次に、基体12として1cm角の純度99%以上のAl(1000系アルミニウム)を用いて、この表面にCoTPP・PEO溶液をスピンコーティング法で塗布し、乾燥させて検知膜11を作製する。スピンコーティング時における回転数と回転時間を調整することにより検知膜11の膜厚を変えることができる。基体12としては厚み0.2mmの金属板を使用した。
なお、検知膜11を成膜する前に、基体12を燐酸系エッチングまたは水酸化ナトリウム溶液系や、ふっ酸系溶液を用いて化学研磨してもよい。この場合、溶液の組成、温度、処理時間により表面粗さが大きくなり、光反射率が減少するが、光学波長400nmから450nmの範囲で光反射率が40%以上となるようにエッチング条件を設定すれば、エッチング溶液や、エッチング条件を制限するものではない。ウエットエッチングだけでなく、ガスによるエッチングやイオンを衝突させてエッチングするドライエッチングによって実施することもできる。
このようにエッチング処理によって基体12の表面を荒らしてから検知膜11を形成することによって、検知膜11と基体12との接触面積が増え、検知膜11の密着強度を増大できる。また検知膜11の基体12に対する濡れ性も改善され、検知膜11の膜厚ばらつきを抑制することができる。
検知膜11の膜厚は、検知膜の窒素酸化物ガスとの反応性により設定される。感度は、CoTPP濃度が一定であれば、膜厚の増加とともに向上するが、窒素酸化物ガスに対する応答性が遅くなる。また、検知膜の膜厚は薄いと、使用回数とともに検知膜が劣化する。したがって、窒素酸化物ガスの検出限界と応答性と耐久性を考慮すると0.1μm〜3μmが好ましい。
計測コントローラ19は次のように構成されている。
NO濃度を精度良く測定するために、まず、温度制御部24を用いてCoTPPを2価へと変化させる熱処理を行う。熱処理条件としては、例えば、加熱温度150℃・時間10分である。
次に、温度制御部24により窒素酸化物検出センサ10Aの温度を所定温度(70℃)とした後に、測定ガスであるNOをガス導入口14より測定セル13に導入する。
検知膜11のCoTPPにNOが吸着すると、CoTPPのコバルトからNOへ電子が移動してCoTPPは酸化され、その結果、光反射スペクトルにおいて光学波長414nmの吸収バンドが減少し、光学波長414nmの光反射率は増加し、同時に光学波長435nmの吸収バンドは増加し、光学波長435nmの光反射率は減少する。これを光検出部17で検出して計測コントローラ19が光検出信号から窒素酸化物濃度値に変換する。
このように構成したため、従来の使用していたアルミナ基板の場合に比べて、検知光として使用する光源の消費電力を1/2程度に低減できる。また、窒素酸化物検出センサ10Aのサイズを従来と同じサイズにした場合、アルミニウムの基体12の熱伝導率は237W/(m・K)、銀の基体12の熱伝導率は420W/(m・K)と従来の基体のアルミナ基板の熱伝導率が14W/(m・K)に比べて検知膜の温度を迅速に目標温度にすることができ、検知膜に温度分布が発生にくいため、窒素ガスの濃度を精度良く測定できる。
(実施の形態2)
図5(a)(b)は本発明の実施の形態2の窒素酸化物検出センサ10B,10Cを示す。
実施の形態1の窒素酸化物検出センサ10Aでは、金属板からなる基体12の表面に直接に検知膜11を付着させたが、この実施の形態2では基体12の構造が異なっている。 具体的には、図5(a)に示す窒素酸化物検出センサ10Bは、金属板ではなくてガラス基板、石英基板、シリコン基板、サファイア基板、窒化ガリウム基板、またはプラスチック基板からなる支持体40の表面に光反射率が支持体40よりも高い反射性薄膜41を形成して基体12を構成し、この反射性薄膜41の上に検知膜11が作製されている。
支持体40としては、上記に限定されるものではなく、無機物、有機物に拘わらず、基体12の金属膜である銀やアルミニウムを主成分とする金属薄膜が付着できる支持体であって、かつ初期化の熱処理温度150℃以上の耐熱性があれば使用できる。プラスチック基板としては、より具体的には、ポリエチレンナフタレート、液晶ポリエステル、ポリイミドなどが使用できる。
反射性薄膜41とは、光学波長400nmから450nmの範囲における光反射率が基体12よりも高く40%以上である薄膜であって、アルミニウムまたは銀を主成分とする金属を公知の真空成膜技術を用いて成膜される。反射性薄膜41の膜厚は支持体40の表面粗さにも影響されるが、反射性薄膜41の膜厚は0.1μmから3μmが好ましい。反射製薄膜の膜厚が0.1μmより薄い反射金属膜では、一部島状の膜となり、完全に島がつながった膜にならないために、熱伝導率は小さくなり、熱伝導は悪くなる。反射製薄膜の膜厚が0.1μmを超えると、島状の孤立した膜がおのおの繋がり、0.1μmを超えると、ほぼ「理科年表」(国立天文台 編、丸善出版 )に記載されている所定の熱伝導率が得られる。膜厚が3μmを超えると、薄膜の応力により、薄膜に亀裂が生じる。また薄膜の製膜時間が長くなるなどコスト上の問題もある。
図5(b)に示す窒素酸化物検出センサ10Cは、支持体40の表面と光反射率が支持体40よりも高い反射性薄膜41との間に、反射性薄膜41の支持体40側への密着力を高める中間層42を介装して基体12を構成し、この反射性薄膜41の上に検知膜11が形成されている。
中間層42は、公知の真空成膜技術であるRFマグネトロンスパッタ蒸着、イオンビーム蒸着、イオンプレーティング蒸着、電子ビーム蒸着、抵抗加熱蒸着などによって、支持体40の表面に、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ニオブ(Nb)、クロム(Cr)、モリブテン(Mo)の単独か、これらの複合体を形成している。前記の蒸着膜は、「薄膜」(金原 粲 著、裳華房出版第1版、122頁)に記載されているように、ガラス基板上で強い付着力を有することが知られている。
このような窒素酸化物検出センサ10Bまたは10Cを使用した窒素酸化物濃度測定装置、窒素酸化物濃度測定方法は実施の形態1と同じである。
具体的な実験例1〜実験例5と、比較例1、比較例2を説明する。
表1に、各実施例と比較例での反射率、検出光量比、最大吸収率、吸光度高さ、NO感度を示す。
Figure 2011102696
なお、反射率と検出光量比の測定にあたり、予め光学波長400nmで既知の光反射率92%のガラス基板の上に形成されたアルミニウム薄膜で校正して反射率を測定した。投光受光部18と窒素酸化物検出センサの検知膜11よりも下層の反射面との間隔は何れの場合も同じである。
すなわち、表1における反射率は、検知膜11の成膜前の反射面自体の光学波長400nmの光反射率である。表1における検出光量比とは、従来例(実施例1)であるアルミナ基板の光学波長400nmの反射面の反射率に対する各反射面の反射率の逆数であり、光検出部17で所定の検出光量を得るために検出光量に相当する。したがって、従来のアルミナ基板に比べて、光反射率の高いミラーほど、検出光量比は減少し、光源16から出力される光量が少なくて済み消費電力が減少する。
最大吸収率、吸光度高さ、NO感度の測定に際し、ガス曝露時に光スペクトルの変化である吸光バンドを生じない光学波長470nmでの光反射率が所定の値が100%になるように光量を調整する。最大吸収率とは、200ml/分のNガスを流しながら温度制御部24で検知膜11のセンサ温度を150℃とし10分の初期化した際に得られる光反射スペクトルの光学波長414nm近傍の最大吸収率(%)である。また吸光度高さとは、吸光度スペクトルにおいて、上記熱処理による初期化後の光学波長414nmの吸光度と光学波長435nmの吸光度の差を表す。さらにNO感度とは、温度制御部24でセンサ温度を70℃とし、検知膜11をNベース、NO濃度0.1ppmのNOガスで曝露したときの光学波長435nmの吸光度変化である。0.1ppm−NO(Nベース)における吸光度変化が大きいほどNO検出感度は増大する。
(実験例1)
図5(a)に示す支持体40としてガラス基板EAGLE.2000(コーニング社製)を使用し、この支持体40上に反射性薄膜41として、真空蒸着法の1つであるRFマグネトロンスパッタリング法で純度99%のアルミニウム(Al)を300nm成膜した。表面粗さを触針式表面形状測定器(“Dektak 150”アルバックイーエス株式会社製)で測定したところ、表面粗さRy=0.011μmであった。反射性薄膜41の光反射率を大塚電子製マルチ測光システム(MCPD7000)で測定すると光学波長400nmでのミラー反射率は92%であった。この基体12を参照基板として、光学波長470nmでの反射率が100%になるように大塚電子マルチ測光システム(MCPD7000)を用いて光源16の光量調整を行った。
次に、反射性薄膜41にCoTPP濃度1×10−4mol/L、PEO1%(wt/vol)のCoTPP・PEO溶液をスピンコーティング法で塗布した。
スピンコーティング塗布条件としては、毎分500回転(500rpm)5秒とし引続き1000rpm−10秒である。塗布後、80℃で減圧乾燥を20分行った。本スピンコーティング条件で成膜したCoTPP−PEOの検知膜11の膜厚を測定したところ2.0μmであった。
次に測定セル13に、検知膜11の形成された窒素酸化物センサ10Bを固定して、Nガス 200ml/分を流しながら温度制御部24により10分の熱処理による初期化を行い、マルチ測光検出システム(MCPD7000 大塚電子(株)製)によって光反射スペクトル、吸光度スペクトルを測定した。
光反射スペクトルから、光学波長414nmでの最大吸収率40%と、吸光度スペクトルから、光学波長414nmの吸光度と、435nmの吸光度との差から、吸光度高さ0.218を得た。
比較のために、高分子PEOを含まないCoTPP濃度1×10−4mol/Lのクロロホルム溶液を作製して、前記と同じスピンコーティング条件で反応性薄膜41に塗布した。本方法で作製した検知膜11の膜厚を測定したところ、0.15μmであった。また、前記と同じ熱処理により初期化を行ったところ、光吸収率は5%であり、CoTPPの
付着量は少ないことがわかった。さらに検知膜11の付着力を調べるために、上記検知膜にスコッチ(登録商標:住友スリーエム株式会社)テープによる検知膜11の引き剥がし試験を行った。
本発明の高分子PEOに分散されたCoTPP検知膜では、光吸収率に変化はなく、したがって検知膜の剥離はなく、スコッチテープの粘着力以上の付着力を有することがわかる。一方、高分子OPEOのないCoTPP検知膜では、光吸収が見られず、したがって、スコッチテープの粘着力未満の付着力しかない。
以上のことから、検知膜の付着力は、本発明の高分子に分散されたCoTPPを用いることにより改善されることがわかった。
さらにガス系をガス流量200ml/分、0.1ppm−NO(Nベース)とし検知膜11を2分間NO曝露した。そのときの光学波長435nmの吸光度変化は0.009の増であった。一方、光学波長414nmの吸光度変化は、0.016の減であった。
NOガス濃度を10ppb〜1ppmまで変えながら、光検出部17によって光信号出力を測定した。その結果を図6に実験例1として示す。各測定にあたり、測定前にNガス200ml/分を流しながら、150℃10分の初期化を行っている。加熱処理による初期化後、センサ温度を70℃とし、各NOガスは、流量200ml/分、Nベースである。
具体的な計算方法を、以下に記載する。
計測コントローラ19には予め未知濃度の被検ガス(=測定ガス)の濃度の決定に必要となる検線量の特性カーブ、またはこの検線量の特性カーブを規定する数式が次のようにして書き込まれている。
検線量のデータ収集にあっては、窒素酸化物検出センサの前処理として、センサ温度150℃・窒素ガス(流速200ml/分)・10分熱処理を行い、検出膜11の高分子に分散されたCoTPPを2価のコバルトを中心金属とするCoTPPに初期化した後に、検知膜11の温度が70℃になるように温度制御部24を運転した後、光源16から中心光学波長430nmの光を検知膜11に照射して、初期化された検知膜11の光信号出力V1を測定し、計測コントローラ19に測定値を保存する。
引き続いて、検知膜11の温度が70℃の状態において、NOガス(窒素ベース、濃度10ppb、流速200ml/分)を検知膜11に10秒流し、光信号出力を第2の光信号V2(10ppb)を得た。計測コントローラ19では、
差分出力ΔV(10ppb)1 = V2(10ppb) − V1
として保存する。
同じガス濃度で、初期化とNOガス曝露をさらに4回測定しΔV(10ppb)2〜ΔV(10ppb)5の、同一ガス濃度について全部で5点の測定を行った。
NOガス濃度以外は同じ条件として、100ppb、1ppmのNOガス濃度と光信号出力の測定を行い、NOガス濃度と光信号出力との検量線を求め計測コントローラ19に保存した。このようにして得られた10ppbから、100ppb、1ppmのNOガス濃度と光信号出力との検量線を図6に示す。
既知のガス濃度を測定して求めたデータに基づいて計測コントローラ19では、ガス濃度に対応した差分出力ΔVの変化曲線を求め、これを検線量の特性カーブとして決定する。
このようにして計測コントローラ19に保存した検線量の特性カーブ、またはこの検線量の特性カーブを規定する数式を参照して、次のようにして被検ガスの濃度が決定される。
被検ガスを測定する際も、被検ガスを測定する前に、T1=150℃・窒素ガス(流速200ml/分)・10分の熱処理を行い、高分子に分散されたCoTPPを2価のコバルトを中心金属とするCoTPPに初期化する。引き続き検出膜11の温度を設定した後、初期化された検知膜11に向かって光源16から中心光学波長430nmの検出光を照射して光信号出力V1を測定し、計測コントローラ19に測定値を保存する。
引き続いて、検出膜11の温度70℃の状態において、被検ガス(流速200ml/分)で検知膜11に10秒流し、前記10秒後の光信号出力を光出力V2(X)を得た。計測コントローラ19で、上記光信号出力より被検ガス測定時の
差分出力ΔV(X) = V2(X)− V1
を計算する。次に、差分出力ΔV(X)をキーにして、予め決定して計測コントローラ19に保存されている前記検線量の特性カーブを参照してガス濃度を読み出したり、または検線量の特性カーブを規定する数式に代入して被検ガスのNOガス濃度を計算できる。
このように、測定時にまず検知膜11を初期化処理するための熱処理を行ってからNOガス(被検ガス)を検知膜11に曝露する前の状態において検知膜11で反射して戻って来た反射光を光検出部17で検出し、このときの光検出部17の出力の光出力V1を測定し、次に、検知膜11をNOガス(被検ガス)に曝露した状態において検知膜11で反射して戻って来た反射光を光検出部17で検出し、このときの光検出部17の出力の光出力V2(X)を測定し、検量線のデータと差分出力ΔV(X)= V2(X)− V1に基づいて、高感度で広範囲にNO濃度を計測できる。
(比較例1)
窒素酸化物検出センサとしてアルミナ基板の表面に検知膜11を形成した従来の構造ものを使用した。測定方法、作製方法は以外は実験例1と同じである。
使用したアルミナ基板の表面粗さRy=0.04μmであった。アルミナ基板の反射率は、光学波長400nmで24%であった。一方、実験例1のアルミニウムミラーの反射率92%である。したがって光検出部17における反射光量を同じレベルになるようにするには、比較例1のアルミナ基板ではアルミニウムミラーの約3.8倍の検出光量にする必要がある。この3.8倍の逆数より、実験例1の検出光量比0.26を得た。
このアルミナ基板を参照基板として、マルチ測光検出システム(MCPD7000 大塚電子(株)製)を用いて、光学波長470nmで反射率が100%になるように光源16の光量の調整を行った。アルミナ基板上に、実施例1と同じ条件で、CoTPP−PEOの検知膜11を成膜した。アルミナ基板上の検知膜11の膜厚を測定したところ2.1μmであった。この窒素酸化物検出器を実験例1と同じ条件で初期化し、光反射スペクトル、吸光スペクトルの測定を行った。検知膜11からの光反射スペクトルから、光学波長414nmでの最大吸収率22%を得た。また吸光度スペクトルから、光学波長414nmの吸光度と435nmの吸光度との差から吸光度高さ0.064を得た。次に、実験例1と同様にガス流量200ml/分、0.1ppm−NO(Nベース)とし検知膜11を2分間NO曝露した。そのときの光学波長435nmの吸光度変化は0.001の増であった。一方、光学波長414nmの吸光度変化は、0.001の減であった。
さらに実験例1と同様に、NOガス濃度を10ppb〜10ppmまで変えながら、光検出部17を用いて、光信号出力を測定した。比較例1の結果を図6に比較例1として示す。比較例1では、NOガス10ppbでは測定ノイズのために精度よく測定できなかった。
(実験例2)
実験例1ではガラス基板の支持体40の上に反射性薄膜41としての純度99%のアルミニウム(Al)を300nm成膜し、酸化処理することなくその上に検知膜11を形成して窒素酸化物検出センサ10Bとしたが、この実験例2では反射性薄膜41の表面を、大気中400℃で3時間熱処理を行い酸化した。それ以外は、実験例1と同じである。
この酸化により表面粗さRy=0.013μmに微増した。光学波長400nmの反射率は88%であった。このミラー反射率88%と比較例1のミラー反射率24%の逆数から得られる検出光量比は0.27であった。前記熱酸化したアルミニウム薄膜からなる基体12を参照基板として、光学波長470nmで反射率が100%になるようにマルチ測光検出システム(MCPD7000 大塚電子(株)製)を用いて光源16の光量の調整を行った。
次に、酸化処理した反射性薄膜41の表面に、実験例1と同じ条件で、CoTPP−PEOの検知膜11を成膜した。検知膜11の膜厚を測定したところ2.0μmであった。この窒素酸化物検出器10Bを実験例1と同じ条件で初期化し、光反射スペクトル、吸光スペクトルの測定を行った。熱処理後の光反射スペクトルにおける、光学波長414nmの最大吸収率は30%であり、吸光スペクトルにおける、光学波長414nmの吸光度と光学波長435nmの吸光度との差である吸光度高さは、0.192であった。次に0.1ppm−NO 200ml/分で検知膜11をNO曝露した。そのときの光学波長435nmの吸光度変化は0.006の増であった。一方、光学波長414nmの吸光度変化は、0.003の減であった。
(実験例3)
実験例2では反射性薄膜41の表面を、大気中400℃で3時間熱処理を行い酸化したが、この実験例3では反射性薄膜41の表面を大気中500℃で3時間熱処理した。それ以外は、実験例2と同じである。表面粗さRy=0.020μmであった。光学波長400nmのミラー反射率は51%であった。この反射率51%と比較例1のミラー反射率24%の逆数から得られる検出光量比は0.44であった。前記熱酸化したアルミニウム薄膜からなる基体12を参照基板として、光学波長470nmで反射率が100%になるようにマルチ測光検出システム(MCPD7000 大塚電子(株)製)を用いて、光源16の光量の調整を行った。
次に、実験例2と同じ条件で、反射性薄膜41の表面に検知膜11を成膜して、熱処理後の光反射スペクトルと吸光スペクトルを測定した。光反射スペクトルにおける、光学波長414nmの最大吸収率は28%であり、吸光スペクトルにおける、光学波長414nmの吸光度と光学波長435nmの吸光度との差である吸光高さは、0.159であった。次に0.1ppm−NO 200ml/分で検知膜11をNO曝露した。そのときの光学波長435nmの吸光度変化は0.005の増であった。一方、光学波長414nmの吸光度変化は、0.002の減であった。
(比較例2)
実験例2では反射性薄膜41の表面を、大気中400℃で3時間熱処理を行い酸化したが、この比較例2では反射性薄膜41の表面を大気中600℃で6時間熱処理した。それ以外は、実験例2と同じである。表面粗さRy=0.026μmであった。光学波長400nmの光反射率は39%であった。この反射率39%と比較例1のミラー反射率24%の逆数から得られる検出光量比は0.62であった。前記大気中600℃で6時間熱酸化したアルミニウム薄膜からなる基体12を参照基板として、光学波長470nmで反射率が100%になるようにマルチ測光検出システム(MCPD7000 大塚電子(株)製)を用いて光源16の光量の調整を行った。
次に、実験例2と同じ条件で、反射性薄膜41の表面にCoTPP−PEOの検知膜11を成膜して、熱処理後の光反射スペクトルと吸光スペクトルを測定した。熱処理後の光反射スペクトルにおける、光学波長414nmの最大吸収率は25%であり、吸光スペクトルにおける光学波長414nmの吸光度と光学波長435nmの吸光度との差である吸光度高さは、0.073であった。次に0.1ppm−NO 200ml/分で検知膜11をNO曝露した。そのときの光学波長435nmの吸光度変化は0.002の増であった。一方、光学波長414nmの吸光度変化は、0.002の減であった。
アルミニウム薄膜の熱酸化処理により、光学波長414nmの吸光度変化が435nmに比べて小さいのは、検知膜11と接するミラー表面粗れが増大することにより、より短光学波長の光が散乱損失されるためと推察している。
(実験例4)
図5(b)に示す支持体40としてガラス基板EAGLE.2000(コーニング社製)を使用し、この支持体40上に、反射性薄膜41の成膜に先立って、密着改善のために中間層42として膜厚20nmのチタン(Ti)と膜厚300nmのAgを主成分とする合金(Ag−0.9重量%Pd−1重量%Cu)薄膜(以下、AgPdCuという)を真空蒸着の1つであるRFマグネトロンスパッタ蒸着法で作製した。中間層42の上には反射性薄膜41を形成した。これ以外は実験例1と同じである。
反射性薄膜41の表面粗さはRy=0.010μmであった。光学波長400nmの光反射率は94%であった。この基体12の反射率94%と比較例1の反射率24%の逆数から得られる検出光量比は0.26であった。前記AgPdCu薄膜からなる基体12を参照基板として、マルチ測光検出システム(MCPD7000 大塚電子(株)製)を用いて、光学波長470nmで反射率が100%になるように光源16の光量の調整を行った。
次に、反射性薄膜41の上に、実験例1と同じ条件で、CoTPP−PEOの検知膜11を成膜して、熱処理後の光反射スペクトルと吸光スペクトルを測定した。光反射スペクトルにおける、光学波長414nmの最大吸収率は41%であり、吸光スペクトルから、光学波長414nmの吸光度と光学波長435nmの吸光度との差からの吸光度高さは、0.220と、純度99%のアルミニウム薄膜上のCoTPP−PEO検知膜とほぼ同等の吸収スペクトル特性であった。さらに、0.1ppm−NO 200ml/分で検知膜11をNOに曝露した。そのときの光学波長435nmの吸光度変化は、0.009の増、光学波長414nmの吸光度変化は、0.017の減であった。
(実験例5)
基体12として、純度99%のアルミニウム(Al)板((株)ニラコ製)厚み0.1mmの1cm角ミラー板を用いた。基体12のAl板をアセトンで10分超音波洗浄し脱脂後、イソプロピールアルコール(IPA)で10分超音波洗浄し乾燥させた。表面粗さRy=0.412μmであった。光学波長400nmのミラー反射率は90%であった。この基体12の反射率90%と比較例1のミラー反射率24%の逆数から得られる検出光量比は0.27であった。前記アルミニウム板を基体12の参照基板として、マルチ測光検出システム(MCPD7000 大塚電子(株)製)を用いて、光学波長470nmで反射率が100%になるように光源16の光量の調整を行った。
次に、前記アルミニウム板の基体12に、実施例1と同じ条件で、前記基板にCoTPP−PEOの検知膜11を成膜して、熱処理後の光反射スペクトルと吸光スペクトルを測定した。光反射スペクトルにおける、光学波長414nmの最大吸収率は39%であった。吸光スペクトルにおける、光学波長414nmの吸光度と光学波長435nmの吸光度との差からの吸光度高さは、0.205であった。さらに0.1ppm−NO 200ml/分で検知膜11をNOに曝露した。そのときの光学波長435nmの吸光度変化は、0.007の増、光学波長414nmの吸光度変化は、0.022の減であり、実験例1の反射性薄膜41の場合と同様の効果を確認した。
以上の実験例1〜実験例5と比較例1〜比較例2の結果をまとめた表1によると、本発明により、従来の使用していたアルミナ基板の場合に比べて、検知光として使用する光源の消費電力を1/2程度に低減できることがわかる。また、窒素酸化物検出センサのサイズを従来と同じサイズにした場合、従来に比べて検知膜の温度を迅速に目標温度にすることができ、検知膜に温度分布が発生にくいため、窒素ガスの濃度を精度良く測定できる。
本発明は、環境測定用、医学、薬学、バイオ研究、医薬品開発、化学安全性評価用等のNOxの検出センサとして有用である。
10A,10B,10C 窒素酸化物検出センサ
11 検知膜
12 基体
13 測定セル
14 ガス導入口
15 ガス排気口
16 光源
17 光検出部
18 投光受光部
19 計測コントローラ
20,21 光ファイバ
22,23,25 制御線
24 温度制御部
30 測定ガス
40 支持体
41 反射性薄膜
42 中間層

Claims (18)

  1. 基体の表面に、コバルトを中心金属とするポルフィリン、またはコバルトを中心金属とするポルフィリン骨格を有する誘導体の単独または混合物を分散した高分子からなる検知膜を形成するとともに、前記基体の前記表面の光反射率が光学波長400nmから450nmの範囲でアルミナよりも高い
    窒素酸化物検出センサ。
  2. 前記高分子のガラス転移温度Tgが−150℃から150℃である
    請求項1に記載の窒素酸化物検出センサ。
  3. 前記基体が、アルミニウム(Al)あるいは銀(Ag)を主成分とする金属からなる
    請求項1に記載の窒素酸化物検出センサ。
  4. 支持体の表面に光反射率が光学波長400nmから450nmの範囲でアルミナよりも高い反射性薄膜を形成して基体を構成し、
    前記反射性薄膜の上に、コバルトを中心金属とするポルフィリン、またはコバルトを中心金属とするポルフィリン骨格を有する誘導体の単独または混合物を分散した高分子からなる検知膜が形成されている
    窒素酸化物検出センサ。
  5. 支持体の表面と光反射率が光学波長400nmから450nmの範囲でアルミナよりも高い反射性薄膜の間に、前記反射性薄膜の前記支持体の側への密着力を高める中間層が形成されており、
    前記反射性薄膜の上にコバルトを中心金属とするポルフィリン、またはコバルトを中心金属とするポルフィリン骨格を有する誘導体の単独または混合物を分散した高分子からなる検知膜が形成されている
    窒素酸化物検出センサ。
  6. 前記支持体がガラス基板、石英基板、シリコン基板、サファイア基板、窒化ガリウム基板、またはプラスチック基板の何れかであって、前記中間層が、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、モリブテン(Mo)の単独かこれらの複合体である
    請求項4または請求項5記載の窒素酸化物検出センサ。
  7. 前記反射性薄膜の前記表面の光反射率が、光学波長400nmから450nmの範囲で40%以上である
    請求項4または請求項5記載の窒素酸化物検出センサ。
  8. 前記検知膜を形成する前記高分子の屈折率が1.4〜1.7である
    請求項1,請求項4または請求項5の何れかに記載の窒素酸化物検出センサ。
  9. 前記コバルトを中心金属とするポルフィリンが、コバルトテトラフェニルポルフィリンである
    請求項1,請求項4または請求項5の何れかに記載の窒素酸化物検出センサ。
  10. 前記コバルトテトラフェニルポルフィリンの中心金属であるコバルトが2価イオンである
    請求項1,請求項4または請求項5の何れかに記載の窒素酸化物検出センサ。
  11. 基体の表面にコバルトを中心金属とするポルフィリン、またはコバルトを中心金属とするポルフィリン骨格を有する誘導体の単独または混合物を分散した高分子からなる検知膜が形成されており、前記検知膜の下地の光反射率が光学波長400nmから450nmの範囲でアルミナよりも高い窒素酸化物検出センサと、
    光を前記窒素酸化物検出センサの検知膜に照射し、前記検知膜を介して反射した検出光を検出し、測定ガスが前記検知膜に接触する前後の前記検出光の変化に基づいて前記測定ガスの窒素酸化物濃度を計算する測定部と
    を設けた窒素酸化物濃度測定装置。
  12. 基体の表面にコバルトを中心金属とするポルフィリン、またはコバルトを中心金属とするポルフィリン骨格を有する誘導体の単独または混合物を分散した高分子からなる検知膜が形成されており、前記検知膜の下地の光反射率が光学波長400nmから450nmの範囲でアルミナよりも高い窒素酸化物検出センサを使用して、
    前記検知膜に光を照射し、
    前記検知膜を介して反射した検出光を検出し、測定ガスが前記検知膜に接触する前後の前記検出光の変化に基づいて前記測定ガスの窒素酸化物濃度を計算する
    窒素酸化物濃度測定方法。
  13. 前記高分子のガラス転移温度Tgが−150℃から150℃である
    請求項12に記載の窒素酸化物濃度測定方法。
  14. 測定に際して前記窒素酸化物検出センサの熱処理を実行する
    請求項12記載の窒素酸化物濃度測定方法。
  15. 基体の表面に検出対象である窒素酸化物に接触して吸収スペクトルに変化する検知膜をを形成するに際し、
    光反射率が光学波長400nmから450nmの範囲でアルミナよりも高い前記基体の表面を、前記光反射率が40%未満にならないように表面粗さを大きくするエッチング加工し、
    その後に前記エッチング加工した前記前記基体の表面に、コバルトを中心金属とするポルフィリン、またはコバルトを中心金属とするポルフィリン骨格を有する誘導体の単独または混合物を分散した高分子からなる検知膜を形成する
    窒素酸化物検出センサ製造方法。
  16. 前記高分子のガラス転移温度Tgが−150℃から150℃である
    請求項15に記載の窒素酸化物検出センサ製造方法。
  17. 基体の表面に検出対象である窒素酸化物に接触して吸収スペクトルに変化する検知膜をを形成するに際し、
    支持体の表面に前記支持体の側への密着力を高める中間層を形成してから、前記中間層の上に光反射率が光学波長400nmから450nmの範囲でアルミナよりも高い反射性薄膜を形成し、
    前記反射性薄膜の上にコバルトを中心金属とするポルフィリン、またはコバルトを中心金属とするポルフィリン骨格を有する誘導体の単独または混合物を分散した高分子からなる検知膜を形成する
    窒素酸化物検出センサ製造方法。
  18. 前記高分子のガラス転移温度Tgが−150℃から150℃である
    請求項17に記載の窒素酸化物検出センサ製造方法。
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