JP2011089994A - トゥールビヨンおよび該トゥールビヨンを含む時計ムーブメント - Google Patents

トゥールビヨンおよび該トゥールビヨンを含む時計ムーブメント Download PDF

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    • G04B13/027Wheels; Pinions; Spindles; Pivots planar toothing: shape and design

Abstract

【課題】トゥールビヨンが有する歩度の不安定性の原因を改善すること。
【解決手段】トゥールビヨン機構が、歯車(127;227)と、キャリッジ(103)内を枢動する少なくとも2つの歯付き要素(125A、125B;225A、225B、225C)とを有し、がんぎピニオン(111B)に噛合される上記歯車がキャリッジ内で同軸の位置に自在に配設され、上記少なくとも2つの歯付き要素(125A、125B;225A、225B、225C)が、上記歯付き要素が噛合される上記歯車(127;227)の周りに等間隔に離間され、上記少なくとも2つの歯付き要素の各々が、がんぎピニオンを固定歯部に連結させるために固定歯部(119;219)に噛合されるように設計されることを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、がんぎ車およびピニオンを含む脱進機(エスケープメント)と、ひげぜんまい付きテンプ輪とが回転キャリッジ内に配設され、当該キャリッジが、駆動用の香箱の取り付けられた時計ムーブメントの枠上で枢動するようにかつ上記駆動用の香箱によって回転駆動されるようにされており、さらに、キャリッジの回転軸に対して同心の位置で枠に固定されるように設計された固定歯部と呼ばれる円形歯部を有し、がんぎピニオンが、ギアを介して上記固定歯部に連結されるように設けられる、時計機構に関する。
上記の定義に適合する機構は一般にトゥールビヨンと呼ばれる。
本発明はまた、駆動用の香箱と、がんぎ車およびピニオンを含む脱進機と、ひげぜんまい付きテンプ輪とを有し、脱進機およびひげぜんまい付きテンプ輪が、時計ムーブメントの枠上で枢動するキャリッジに配設され且つ、当該キャリッジが回転駆動されるように駆動用の香箱に運動学的に連結され、がんぎピニオンが、枠と一体の円形固定歯部にギアを介して連結され、上記固定歯部がキャリッジの回転軸と同心に配置される、時計ムーブメントに関する。
上記の定義に適合する時計ムーブメントは一般にトゥールビヨン腕時計ムーブメントと呼ばれる。
前置部分で与えた定義に適合するトゥールビヨン腕時計機構が既知である。トゥールビヨンの目的は、腕時計が保持される垂直位置に関連する歩度の変化を補償することである。
理想的な腕時計では、ひげぜんまい付きテンプ輪システムの重心は、回転軸上に位置されて振動時も恒久的にそこに維持されなければならない。ひげぜんまい付きテンプ輪システムの実際の挙動がこの理想に従わない場合、歩度の変化が観察され、これは、垂直線に対する腕時計の向き(姿勢)によって決まる。実際、地球の重力の影響により、ひげぜんまい付きテンプ輪システムの重心は下方向に戻される。したがって、テンプ輪のテン真が正しい垂直姿勢にないとき、重力による引力により不定のトルクが発生し、このトルクはテンプ輪に作用し、テンプ輪のばねの弾性によって生じるトルクの強さを変化させる。この現象が、腕時計の複数の垂直姿勢の間における歩度の変化の本質的な原因である。
トゥールビヨンの機能は、歩度の変化を平均化するためにすべての位置をとることができるように脱進機−テンプ輪組立体が自ら回転するようにすることである。したがって、トゥールビヨンの目的が、複数の垂直姿勢の間における差異を取り除くことではなく、その差異の補償をすることであることは明確であろう。
ウェブサイトのwww.horlogerie−suisse.comから転載した図1は既知のトゥールビヨンを示している。トゥールビヨン1は、ピニオン15のアーバに同軸に固定されさらに2つのベアリング5、6の間で上記ピニオンと共に回転するように設置される回転キャリッジ3を有する。キャリッジ3は、ひげぜんまい付きテンプ輪9とレバー・アソートメント11A、12、13とで形成されるデバイスを担持している。図示したトゥールビヨンでは、ひげぜんまい付きテンプ輪9がキャリッジ3と共に同軸に設置されていることが分かるであろう。しかし、ひげぜんまい付きテンプ輪が中心からずれた位置で同様にキャリッジ3に担持され得ることも明確である。
キャリッジのピニオン15は、腕時計の時方輪列(この図では3番車17のみが示されている)を介して香箱(図示せず)に連結される。香箱はぜんまいを取り囲んでおり、ギア列およびトゥールビヨンを駆動させるように設計されている。通常、図1のトゥールビヨンは、トゥールビヨンを備えていない腕時計の時方輪列では秒車に割り当てられる場所を占有する。これが、キャリッジのピニオン15がしばしば秒ピニオン(seconds−pinion)と呼ばれる理由である。
図1はまた、クラウンの形態の固定歯車19を示しており、これは、調整されて、キャリッジ3の回転軸と同心位置にある底部プレート21に固定される。固定歯車19の歯が、ギアを形成するために、キャリッジによって担持されるがんぎピニオン11Bのリーフ(leaf)の間に差し込まれていることも分かるであろう。固定車19はがんぎピニオン11Bに噛合されることから、秒車と呼ばれることもある。
キャリッジ3はキャリッジのピニオン15に作用する駆動力を受ける。その反動で、固定された歯19ががんぎピニオン11Bに反対方向の力を作用させる。その結果、トゥールビヨン腕時計では、従来の腕時計と同様に、脱進機が、元々は香箱によって配分されるエネルギーを受けることになる。キャリッジ3の内部では、脱進機の役割は従来通りであることから、脱進機が、遊星歯車のように固定車19に噛合されるピニオン11Bを介してキャリッジの回転速度を制御することができることは明白である。腕時計がある垂直姿勢にあるとき、キャリッジはその回転中にすべての垂直姿勢を連続的に占有することは明白である。それにより、垂直方向の誤差が平均化される。
理論上、トゥールビヨンは複数の垂直姿勢の間における歩度の変化を補償するという利点を有している。しかし、出願人が行った研究により、伝達されるエネルギーの変動によりこの利点がしばしば打ち消されることが分かっている。これらの変動はがんぎピニオンと固定車との中心間距離の遊びによって生じる。この遊びは、遊星タイプのギアを形成するためにピボットが横方向にいくらかの余裕を有してベアリング内に保持されるような、従来型のピボットを使用することが原因である。
図2A、2Bおよび2Cは、キャリッジ3(図2では図示せず)の3つの垂直姿勢における、固定車19およびがんぎピニオン11Bの相対位置を概略的に示している。具体的な例を与えると、キャリッジ3の2つのピボット23A、23B(図1)は0.20mmの直径を有し、ベアリング5、6(図1)内の孔は0.21mmであると仮定される。また、例として、がんぎ車セットのピボットは0.09mmの直径を有し、ベアリングは0.10mmの孔を有すると仮定される。さらに、腕時計の水平位置においては固定車およびキャリッジは完全に同心であり、固定車19とがんぎピニオン11Bとの間の中心距離”a”は3.50mmの値を有すると仮定される。
図2Aは、キャリッジの第1の垂直姿勢において併置されているがんぎピニオン11Bおよび固定車19を示している。この姿勢では、キャリッジおよび脱進機のピボット軸は同一の水平面にある。固定車は底部プレート21と一体であるため、垂直姿勢による影響を受けない。しかし、垂直姿勢において重力の影響を受けると、キャリッジが固定車の中心に対して下方向に0.005mmだけ移動される(この0.005mmは、ベアリング内におけるキャリッジのピボットの余裕に等しい)。がんぎピニオンを保持するベアリングはキャリッジ内に設置されるため、これらのベアリングは、この動きを受けて、キャリッジの軸に平行にやはり下方向に移動される。がんぎ車セットもやはりそのベアリング内で下方向に0.005mmだけ移動され、ベアリングも移動される。最終的に、がんぎ車セットの軸が固定車の中心に対して0.010mmだけ移動されることが分かる。しかし、この移動は2つの軸を含む平面に対して実質的に垂直であることから、中心距離a1の値には実質的に影響しない。
図2Bは、固定車19のすぐ下にあるがんぎピニオン11Bを示しており、これはキャリッジの第2の垂直姿勢である。図2Aを参照しながら説明したように、ある垂直姿勢において、がんぎピニオンの軸は固定車の中心に対して0.01mmだけ下方向に移動される。この例では、がんぎピニオンは固定車と上下になっていることから、移動の幅が、がんぎピニオンと固定車との間の中心距離の値に追加される。したがって、この例では、中心距離a2は3.51mmの値を有し、がんぎピニオンのリーフの間への固定車の歯の差し込みは0.01mmだけ減少される。差し込みがこのように減少すると、「バッティング」という名前で知られるギアの不具合を引き起こす可能性があり、これは、伝達される力が減少するという形でまたさらにはギア列が動かなくなるという形で現れる。
図2Cは、固定車19のすぐ上にあるがんぎピニオン11Bを示しており、これはキャリッジの第3の垂直姿勢である。この場合、がんぎピニオンは固定車と上下になっており、固定車のすぐ上にある。したがって、ピニオンが下方向に移動することによりがんぎピニオンと固定車との間の中心距離の値が減少する。この例では、中心距離a3は3.49mmの値を有しており、これは、がんぎピニオンのリーフの間への固定車の歯の差し込みが0.01mmだけ増加することに対応している。この増加は、「ドロップ」という名前で知られるギアの不具合を引き起こす可能性があり、これは、伝達される力が増大するおよび速度が不規則になるという形で現れる。
要約すると、トゥールビヨンは、腕時計が保持される垂直姿勢に関連する歩度の変化を補償することができる。しかし、トゥールビヨンはそれ自体が歩度の不安定性の原因となる場合がある。この不安定性は、トゥールビヨン腕時計の歩度が垂直線に対するキャリッジの向きに応じて変化しやすくなるという事態を引き起こす。
上の例で説明したトゥールビヨンは、2つのベアリング5および6の間を枢動する従来型のトゥールビヨンである。キャリッジが単一のピボット上に設置され、そのピボットが上記キャリッジを基部で支持するような、フライング・トゥールビヨンも知られている。このタイプの構成では、キャリッジの頂部を完全に自由にするために、トップ・ベアリングとベアリング受けとを省くことができる。腕時計がある垂直姿勢にあるとき、トゥールビヨンのキャリッジが突出して、重力によりキャリッジの軸が下方向に傾斜しやすくなる。単一のベアリングの周りの遊びが大きい場合、この傾斜も大きくなり、がんぎピニオンのリーフの間への固定車の歯の差し込みに影響する。
本発明の目的は、直前に説明したようなトゥールビヨンの欠点を克服することである。本発明は、請求項1に従う時計機構またはそのような時計機構を含む時計ムーブメントのいずれかを提供することによりこの目的を達成する。
本発明によると、固定歯部は、がんぎピニオンに直接に噛合される代わりに、上記の少なくとも2つの歯付き要素に噛合される。上記の歯付き要素は固定歯部の円周に沿って等間隔に離間されており、それらが囲んでいる歯車に噛合される。結局は、歯車ががんぎピニオンに噛合されていることになる。したがって、固定歯部とがんぎピニオンとの間の連結は、固定歯部を含むギアと、上記の少なくとも2つの歯付き要素と、歯車と、そして最後にがんぎピニオンとによって達成される。がんぎピニオンに噛合されるのは固定歯部ではなく歯車であることから、この歯車を「擬似(false)」固定車と呼ぶことにする。擬似固定車が固定歯部の軸のすぐ上でほとんどその中に入るように配置されることは明白である。
本発明によると、擬似固定車はがんぎピニオンのようにキャリッジの中に配置されることから、2つの車間の中心距離がキャリッジが枢動するときに存在するいかなる遊びの影響も受けないことは明白であろう。逆に、上記の少なくとも2つの歯付き要素のそれぞれと固定歯部との間の中心距離は、垂直線に対するキャリッジの向きに応じて変化しやすくなる。しかし、上記の少なくとも2つの歯付き要素は固定歯部の円周に沿って等間隔に離間しているから、中心距離の一方の値がいかに減少しようとも、この減少は、少なくとも1つのその他の中心距離の値がそれに伴い増加することによってほとんど補償され、その逆もまた同様となる。この現象により、腕時計がある垂直姿勢にあるときのトゥールビヨンのキャリッジの回転に伴う歩度の変化が大幅に軽減される。
本発明の特定の実施形態によると、固定歯部は、枠に固定される車の歯部によって形成される。この実施形態の有利な変形形態によると、擬似固定車および枠に固定される車(固定車)は等しいピッチ円半径を有し、したがって等しい速度で回転する。枠に固定される車は回転しないから、擬似固定車も枠に対して回転しないことは明白であろう。この特徴は、この実施形態によるトゥールビヨンの場合、従来型のトゥールビヨンの速度と等しい速度で作動する脱進機が使用され得ることを意味する。
また、固定車および擬似固定車が同数の歯を有することも可能である。これらの条件で、上記の少なくとも2つの歯付き要素のそれぞれがピニオンとなり得る。
本発明の別の有利な実施形態によると、擬似固定車の周りを等間隔に離間される上記の少なくとも2つの歯付き要素は、径方向において反対の位置を占有する2つの歯付き要素である。この変形形態により、歯付き要素の数を2つに限定することが可能となり、それによりトゥールビヨンの設計が単純化される。
本発明の他の特徴および利点は、単に非限定的な例として与えられまた添付図面を参照することによってなされる以下の説明を読むことによって明白となる。
従来技術のトゥールビヨン腕時計機構の部分断面図である。 従来技術のトゥールビヨン腕時計機構のキャリッジの3つの垂直姿勢(図2A,2B,2C)に対応させて、固定車およびがんぎピニオンの相対位置を示す概略図である。 本発明の第1の実施形態によるトゥールビヨン腕時計機構の固定車およびキャリッジの底部分を示す部分斜視図である。 キャリッジ内に設置されたがんぎ車セットを特に示す、図3の固定車およびキャリッジの部分斜視図である。 キャリッジが完全に組み立てられた、図3および4の固定車およびキャリッジの部分斜視図である。 本発明の第2の実施形態による、固定歯部および擬似固定車、さらにはそれらを互いに連結させるギアを示す概略的な上面図である。
図3は、固定歯部および回転キャリッジの底部分を示す、トゥールビヨン腕時計機構の部分斜視図である。この図は、歯部が固定歯部を形成している固定車119Aを示している。固定車119Aは、調整されて、時計ムーブメント(図示せず)の枠に固定されるように設計されている。例えばボール・ベアリングなどのベアリング(図示せず)が固定車のハブ内に配置される。固定車の下に存在する空間内で回転するように固定車とプレートとの間の配置される、ピニオン115(図示せず)のアーバがこのベアリングを貫通して存在する。図3では底部分のみが示されている回転キャリッジ103は、回転キャリッジ103と一体であるピニオン115のアーバに同軸に固定される。キャリッジ103が回転式に駆動されるのを可能にするために、ピニオン115(キャリッジ・ピニオンと呼ぶ)は、腕時計の時方輪列(図示せず)により時計ムーブメントの香箱(図示せず)に運動学的に連結されるように設計されている。
キャリッジ103は2つのピニオン125A、125Bを担持する。これらの2つのピニオンはキャリッジ内で枢動し、固定車119Aの径方向の両側において反対の位置を占有する。この斜視図では示されていないが、ピニオン125A、125Bのリーフが固定歯部に噛合される。キャリッジ103は、固定車と等しい直径および同数の歯を有する車127(以下、「擬似固定車」)をさらに担持する。擬似固定車は、キャリッジの中心のところで、ピニオン115のアーバと同心で枢動する。2つのピニオン125A、125Bが車127にも噛合されていることも分かるであろう。したがって、図示した実施例では、2つのピニオンが、車119Aと車127との間に挿入される中間車のように作動するのは明白である。すなわち、これらの2つの車は同じ速度で回転し、また、固定車119Aが時計ムーブメントの枠に固定されることから、車127(擬似固定車)は枠に対してゼロ速度で回転する。
図3はまた、キャリッジ103の底部分がその周囲部のところにベアリング126を担持しているのを示しており、このベアリング126は、がんぎ車セット(図3では図示せず)のピボットの底端部を受けるように設計されている。
図3を参照して上で説明した要素に加えて、図4はキャリッジ103の第1の受129を示している。受129は、ひげぜんまい付きテンプ輪のテン真(図4では図示せず)の底端部を受けるように設計されたベアリング131を担持する。この実施例では、ひげぜんまい付きテンプ輪がキャリッジ内で中心からずれた位置で枢動することが分かるであろう。
しかし、当業者であれば、本発明が、ひげぜんまい付きテンプ輪がキャリッジによって同軸位置で担持されるようなトゥールビヨン腕時計機構にも同様に適用されることを理解するであろう。また、第1の受129がさらに他に3つのベアリング(参照符号を付さない)を担持していることが分かるであろう。センター・ベアリングが車127のピボットの頂端部のために設けられ、2つの外側ベアリング(lateral bearing)が2つのピニオン125A、125Bのピボットの頂端部を受けるために設けられる。
図4はまた、がんぎピニオン111Bとがんぎ車111Aとによって形成されるがんぎ車セットを示している。この図は、ピニオン111Bのリーフが車127の歯の間へ差し込まれていることを示している。トゥールビヨン腕時計機構が作動するとき、がんぎ車セットが車127の周りを惑星のように動くことは明白であろう。擬似固定車が枠に対して回転することはありえないため、その歯部ががんぎピニオン111Bの遊星回転と反対の方向に反力を作用させる。したがって、擬似固定車は、従来技術のトゥールビヨン腕時計ムーブメントの固定車とちょうど同じ部分の役割を果たす。しかし、本発明によると、擬似固定車およびがんぎ車は両方ともキャリッジ103によって担持される。したがって、本発明による時計機構では、キャリッジに作用する重力の力は、擬似固定車とがんぎ車セットとの間の中心距離の値に影響しない。
再び図3を参照すると、一方の固定車119Aともう一方の2つのピニオン125A、125Bとの間の中心距離が、垂直線に対するキャリッジの瞬間的な向きに応じて変化する傾向にあることが理解できる。しかし、ピニオン125Aおよび125Bは固定車119Aに対して径方向の反対の位置を占有することから、固定車と一方のピニオンとの間の中心距離のいかなる変化も、固定車ともう一方のピニオンとの間の中心距離が逆に変化することによって相殺される。その結果、中心距離が変化して一方のピニオンへ伝達される力が減少した場合、もう一方のピニオンへ伝達される力が増大し、その逆もまた同様となる。したがって、等間隔に離間された少なくとも2つのピニオンを有することにより伝達される力を平均化することが可能になることは明白であろう。
図5は完全に組み立てられたキャリッジ103を示している。図5は特にひげぜんまい付きテンプ輪133を示している。
当業者に明白である種々の変更および/または改良が、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、本記述の主題を形成する実施形態に対して行われ得ることもまた明白であろう。具体的には、固定歯部は必ずしも固定車の歯部というわけではない。実際、固定歯部の代わりに、例えば、枠と一体であるクラウンの内側歯部を使用することも可能である。固定車の代わりに固定クラウンを使用する一実施形態が部分的に図6に示されている。図6は、内側歯部219を備える固定クラウン219Aと、キャリッジ(図示せず)によって担持される擬似固定車227とを概略的に示している。この第2の実施形態によるトゥールビヨン腕時計機構は、擬似固定車227の周りに等間隔(120°ずつ)で離間された、キャリッジ内を枢動する3つの歯付き要素225A、225B、225Cをさらに有する。歯付き要素225A、225Bおよび225Cは、各々が、直径の大きい第1のピニオンと直径の小さい第2のピニオンとで形成される。これらの2つのピニオンは、一方がもう一方の付加部分に入る形で組み立てられる。各セットの第1のピニオンが固定クラウンの内側歯部に噛合され、第2のピニオンが擬似固定車に噛合される。示した実施例では、第1のピニオンと第2のピニオンの直径の比は、固定クラウンと擬似固定車のピッチ円半径の比に等しくなるように選択される。
示した実施例によると、トゥールビヨン機構が作動すると、キャリッジが、固定クラウンおよび擬似固定車と同心に時計回り方向に回転する。同様に例として、キャリッジの回転速度は毎分1回転であってよい。これらの条件では、固定クラウンがキャリッジの基準枠(reference frame)内でキャリッジに対して反時計回り方向に毎分1回転の速度で回転することが分かるであろう。キャリッジに対して固定クラウンが回転することにより、3つの歯付き要素225A、225Bおよび225Cが反時計回り方向に駆動される。次いで、3つの歯付き要素により擬似固定車が時計回り方向に駆動される。固定歯部と第1のピニオンとのピッチ円周(pitch circumference)の比は擬似固定車と第2のピニオンとのピッチ円周の比に等しいことから、擬似固定車は、キャリッジに対して時計回り方向に毎分1回転の速度で回転する。これは、固定クラウンに対して、擬似固定車が時計回り方向に毎分2回転の速度で回転することを意味する。
したがって、この第2の実施形態によると、擬似固定車はキャリッジに対して時計回り方向に回転する。これらの条件では、がんぎ車セットは、普通の時計ムーブメント内における通常の方向と反対の方向に回転しなければならない。しかし、当業者であれば、一方の方向または逆の方向に回転する脱進機を作る手法を知っている。したがって、当業者であればこの実施例のトゥールビヨンを作る際に特別な問題に直面することは一切ない。さらに、上記の実施例で使用されるピッチ円半径の比の有利な1つの影響として、テンプ輪および脱進機が通常の時計ムーブメントと等しい振動数で作動することができるということがある。
この第2の実施形態は、特に、本発明によると、枠に対する擬似固定車の速度が必ずしもゼロではないことを示している。本発明に関連する唯一の要求事項は、擬似固定車およびキャリッジが互いに対して回転するということだけである。さらに、上記の「歯車の周りに等間隔に離間される少なくとも2つの歯付き要素」は必ずしもピニオンのみで形成されるわけではないことは明白であろう。これらの歯付き要素は、同様に適切に、互いに組み立てられる車およびピニオンであってもよい。また、これらの歯付き要素は数が必ずしも2つまたは3つであるわけではない。例えば、互いに90度の角度で離間される4つの歯付き要素が存在してもよい。
1 トゥールビヨン; 3、103 回転キャリッジ;
5、6、126、131 ベアリング; 9、133 ひげぜんまい付きテンプ輪;
11A、12、13 レバー・アソートメント;
11B、111B がんぎピニオン;
15、115、125A、125B ピニオン; 17 3番車; 19 固定歯車; 21 底部プレート; 23A、23B ピボット; 111A がんぎ車;
119 固定歯部; 119A 固定車; 127、227 擬似固定車;
129 受; 219 内側歯部; 219A 固定クラウン;
225A、225B、225C 歯付き要素。

Claims (8)

  1. がんぎ車(111A)およびがんぎピニオン(111B)を含む脱進機と、ひげぜんまい付きテンプ輪(133)とが回転キャリッジ内に配設され、当該キャリッジが、駆動用の香箱の取り付けられた時計ムーブメントの枠上で枢動するように且つ上記駆動用の香箱によって回転駆動されるようにされ、さらに、キャリッジの回転軸に対して同心の位置で枠に固定されるように設計された固定歯部と呼ばれる円形歯部(119;219)を有し、前記がんぎピニオン(111B)がギア機構(119、125A、125B、127;219、225A、225B、225C、227)によって前記固定歯部に連結されている、時計機構であって、
    歯車(127;227)と前記キャリッジ(103)内を枢動する少なくとも2つの歯付き要素(125A、125B;225A、225B、225C)とをさらに有し、前記歯車が、前記がんぎピニオン(111B)に噛合して、前記キャリッジ内で同軸位置に配設され、前記少なくとも2つの歯付き要素(125A、125B;225A;225B、225C)が、噛合する前記歯車(127;227)を中心に等間隔で離間し、前記がんぎピニオンおよび前記固定歯部が連結するように前記固定歯部(119;219)にも噛合している、
    ことを特徴とする時計機構。
  2. 前記固定歯部(119)が前記枠に固定される車(119A)の歯部によって形成されることを特徴とする、請求項1に記載の時計機構。
  3. 前記固定歯部(219)が前記枠に固定されるクラウン(219A)の内側歯部によって形成されることを特徴とする、請求項1に記載の時計機構。
  4. 前記歯車(127)と前記枠に固定される前記車(119A)とが等しいピッチ円直径を有すること、および、前記枠に対する前記歯車の回転速度がゼロであることを特徴とする、請求項2に記載の時計機構。
  5. 前記少なくとも2つの歯付き要素がピニオン(125A、125B)であることを特徴とする、請求項4に記載の時計機構。
  6. 前記少なくとも2つの歯付き要素が、前記歯車(127)の周りにおいて径方向で反対の位置を占有する2つの歯付き要素(125A、125B)であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の時計機構。
  7. 前記少なくとも2つの歯付き要素が前記歯車(227)の周りで等間隔に離間される3つの歯付き要素(225A、225B、225C)であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の時計機構。
  8. 駆動用の香箱と、がんぎ車(111A)およびがんぎピニオン(111B)を含む脱進機と、ひげぜんまい付きテンプ輪(133)とを備えており、前記脱進機および前記ひげぜんまい付きテンプ輪が、時計ムーブメントの枠上で枢動する回転キャリッジ(103)内に配設され、且つ、前記キャリッジを回転駆動させることができるように前記駆動用の香箱に運動学的に連結され、前記がんぎピニオン(111B)が、前記枠と一体の固定円形歯部(119;219)にギア(119、125A、125B、127;219、225A、225B、225C、227)を介して連結され、前記固定歯部が、前記キャリッジ(103)の回転軸に同心に配置されている、時計ムーブメントであって、
    前記がんぎピニオン(111B)を前記固定歯部(129;219)に連結させる前記ギアには、歯車(127;227)と、前記キャリッジ内を枢動する少なくとも2つの歯付き要素(125A、125B;225A、225B、225C)とが含まれ、前記がんぎピニオンに噛合される前記歯車が前記キャリッジ内で同軸の位置に自在に配設され、前記少なくとも2つの歯付き要素(125A、125B;225A;225B、225C)が、噛合する前記歯車(127;227)の周りに等間隔で離間され、前記少なくとも2つの歯付き要素の各々が前記固定歯部(119;219)に噛合されている
    ことを特徴とする時計ムーブメント。
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