JP2011087399A - 電動機の巻線切替え装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】巻線の結線状態を切替える際のショックを低減することができるとともに、サージ電流の抑制を可能とする。
【解決手段】電動機1の巻線をスター結線とデルタ結線とに切替え可能とし、電動機の始動時には巻線をスター結線とし
、所定の回転数に達した電動機の定常運転時には巻線を前記デルタ結線に切替える切替えスイッチSWD,SWYを備えた電動機の巻線切替え装置であり、切替えスイッチ切替えスイッチSWD,SWYを、順逆両方向の耐圧を有する逆阻止半導体スイッチ6a〜6c,7a〜7cで構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、本発明は、電動機の巻線切替え装置に関し、詳細には、電動機の始動時から定常運転時にかけて電動機の巻線の結線状態を切替える装置に関する。
電動機の回転速度の上昇に伴い負荷が増加する例えばファン、ポンプ等の流体機器に使用する電動機は、定常運転時と比較して始動時には大きなトルクを必要とするので、大きな電流(始動電流)で始動する。このため、電源容量が大きい電動機は、始動時から高い電源電圧を印加して全電圧始動を行なう。
一方、電源容量が小さい電動機は、全電圧始動を行なうと電源及び電動機の間に接続されている回路遮断器(ブレーカー)がトリップして電動機が停止するおそれがあるので、始動電流を抑制して回路遮断器のトリップを回避するようにしている。
電動機の始動電流を抑制する方法としては、始動時と定常運転時とで電動機の巻線の結線状態を切替える方法があり、具体的な装置として、巻線をスター結線からデルタ結線に切替える第1の従来装置(例えば特許文献1参照)、巻線を第1のスター結線から第2のスター結線に切替える第2の従来装置(例えば特許文献1参照)、巻線を直列接続から並列接続に切替える第3の従来装置(例えば特許文献2参照)が知られている。
第1の従来装置は、三相誘導電動機1が、図7に示すY−Δ切替可能な巻線を備えており、図8に示すように、三相誘導電動機1と三相交流電源2との間に、巻線3a,3b,3cの結線状態を切替える第1スイッチMCD及び第2スイッチMCYが接続されている。三相誘導電動機1の始動時には、第1スイッチMCDを開状態とし、第2スイッチMCYを閉状態とすることで、巻線3a,3b,3cをスター結線状態として各巻線に印加される電圧を1/√3とし、始動電流を1/3に抑制する。そして、三相誘導電動機1の定常運転時(始動後定格速度の70〜90%)には、第1スイッチMCDを閉状態とし、第2スイッチMCYを開状態とすることで、巻線3a,3b,3cをデルタ結線状態として各巻線に印加される電圧を上昇させ、三相誘導電動機1を全電圧運転させる。
第2の従来装置は、三相誘導電動機1が、図9に示す巻き数を変化可能なスター結線の巻線を備えている。このスター結線の捲線は、Nを中性点とし、直列に接続した分割巻線3a1,3a2と、直列に接続した分割巻線3b1,3b2と、直列に接続した分割巻線3c1,3c2とがスター結線状態に接続されている。図10に示すように、三相誘導電動機1と三相交流電源2との間に、巻線の結線状態を切替える第1スイッチMCH及び第2スイッチMCLが接続されており、三相誘導電動機1の始動時には、第1スイッチMCHを開状態とし、第2スイッチMCLを閉状態とすることで、分割巻線3a1,3a2、分割巻線3b1,3b2及び分割巻線3c1,3c2を第1のスター結線状態として電流を流し、印加される電圧を減少させることで始動電流を抑制する。そして、三相誘導電動機1の定常運転時には、第1スイッチMCHを閉状態とし、第2スイッチMCLを開状態とすることで、分割巻線3a2、3b2及び3c2を第2のスター結線状態として電流を流し、印加される電圧を上昇させることで三相誘導電動機1を全電圧運転させる。
また、図11に示す第3の従来装置は、単相誘導電動機(不図示)の1相分の巻線回路図を示すものであり、多極を形成する巻線4a,4bと、これら巻線4a,4bを直列接続、並列接続に切替える第1スイッチMCP1、第2スイッチMCP2、第3スイッチMCSとを備えている。そして、単相誘導電動機の始動時には、第3スイッチMCSを閉状態、第1スイッチMCP1及び第2スイッチMCP2を開状態とすることで巻線4a,4bを直列接続し、巻線4a,4bに印加される電圧を減少させ、始動電流を抑制する。そして、単相誘導電動機の定常運転時には、第1スイッチMCP1及び第2スイッチMCP2を閉状態とし、第3スイッチMCSを開状態とすることで巻線4a,4bを並列接続し、巻線4a,4bに印加される電圧を上昇させ、単相誘導電動機を全電圧運転させる。
特開平6−296350号公報 特開2006−230185号公報
ところで、上述した第1及び第2の従来装置の巻線の結線状態を切替えるスイッチは、機械的接点を有するコンタクタが使用され、第3の従来装置の巻線を直列から並列に切替えるスイッチも、機械的接点を有するリレーが使用されている。このような機械的接点を有するコンタクタやリレーは、巻線の結線状態を切替える際のショックが大きいので、用途が限定されてしまい汎用化することができないという問題がある。
また、前述した第1の従来装置は、始動電流を抑制しても、スター結線状態からデルタ結線状態に切り替わる際に回路遮断器がトリップして三相誘導電動機1が停止するおそれがある。すなわち、図12に示すように、三相誘導電動機1は、始動時に第1スイッチMCDを開状態、第2スイッチMCYを閉状態として、巻線3a,3b,3cをスター結線状態として33%程度の始動電流で始動する。そして、始動後回転速度が増加して、デルタ結線状態への切替えのために第2スイッチMCYを開状態としてスター結線を開放すると、始動電流はA点からB点に移行して三相誘導電動機1への印加電圧が「0(ゼロ)」になる。これにより、三相誘導電動機1は、フリーランで回転速度が減少しながら発電状態となり、B点からC点に移行する。そして、C点で第1スイッチMCDが閉状態とされて巻線3a,3b,3cがデルタ結線状態に切り替わると、三相交流電源2から瞬時に印加された位相のずれた電圧が重なり、全電圧始動時の電流より大きなD点のサージ電流が発生し、このサージ電流が回路遮断器に流れ、回路遮断器がトリップしてしまうのである。
このように、第1の従来装置は、A点のスター結線状態の開放からC点のデルタ結線状態に切替える機械的接点式の第1スイッチMCD及び第2スイッチMCYの動作時間が長くなることによって、回路遮断器をトリップさせるサージ電流が発生するのである。なお、第2及び第3の従来装置も、機械的接点式のスイッチを備えているので、巻線の結線状態を切替える際に、回路遮断器をトリップさせてしまうサージ電流が発生しやすい。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、巻線の結線状態を切替える際のショックを低減することができるとともに、結線状態の切替え時のサージ電流の抑制を可能することができる電動機の巻線切替え装置を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明に係る電動機の巻線切替え装置は、電動機の巻線をスター結線とデルタ結線とに切替え可能とし、前記電動機の始動時には前記巻線を前記スター結線とし、所定の回転速度に達した前記電動機の定常運転時には前記巻線を前記デルタ結線に切替える切替えスイッチを備えた電動機の巻線切替え装置において、前記切替えスイッチを、順逆両方向の耐圧を有する逆阻止半導体スイッチとした。
この発明によると、コンタクタやリレーなどの機械的接点を有する従来の切替え装置と比較して、巻線の結線状態をスター結線からデルタ結線に切替える際のショックを抑制して用途を汎用化することができる。また、逆阻止半導体スイッチのスイッチング時にPWM信号のように高速でオン・オフする駆動信号を使用することができ、巻線に印加される電圧を調整することができ、サージ電流の発生を抑制することが可能となる。
また、本発明に係る電動機の巻線切替え装置は、電動機の巻線をスター結線とし、このスター結線を構成する各相の巻線を直列に接続した複数の分割巻線で構成し、前記電動機の始動時には前記複数の分割巻線の全てに電流が流れる第1のスター結線とし、所定の回転速度に達した前記電動機の定常運転時には前記複数の分割巻線の一部に電流が流れる第2のスター結線に切替える切替えスイッチを備えた電動機の巻線切替え装置において、前記切替えスイッチを、順逆両方向の耐圧を有する逆阻止半導体スイッチとした。
この発明によると、コンタクタやリレーなどの機械的接点を有する従来の切替え装置と比較して、巻線の結線状態を第1のスター結線から第2のスター結線に切替える際のショックを小さくすることができるので用途を汎用化することができる。また、逆阻止半導体スイッチのスイッチング時にPWM信号のように高速でオン・オフする駆動信号を使用することができ、巻線に印加される電圧を調整することができ、サージ電流の発生を抑制することが可能となる。
また、本発明に係る電動機の巻線切替え装置は、電動機の多極を形成する複数の巻線と、前記電動機の始動時には前記複数の巻線を直列接続に切替え、前記所定の回転速度に達した前記電動機の定常運転時には前記複数の巻線を並列接続に切替える切替えスイッチとを備えた電動機の巻線切替え装置において、前記切替えスイッチを、順逆両方向の耐圧を有する逆阻止半導体スイッチとした。
この発明によると、コンタクタやリレーなどの機械的接点を有する従来の切替え装置と比較して、電動機の多極を形成する複数の巻線の直列接続、並列接続する際のショックを小さくすることができるので用途を拡大することができる。また、逆阻止半導体スイッチのスイッチング時にPWM信号のように高速でオン・オフする駆動信号を使用することができ、巻線に印加される電圧を調整することができ、サージ電流の発生を抑制することが可能となる。
また、本発明に係る電動機の巻線切替え装置は、前記切替えスイッチは、前記電動機と電源の間に接続した少なくとも二種類の切替えスイッチであり、これら切替えスイッチのオン・オフ状態を関連的に切換えることで前記巻線の結線状態が切替わるようにした。
この発明によると、機械的接点を有する従来の切替え装置と比較して、切替えスイッチのオン・オフ状態が瞬時に切換わるのでサージ電流の発生を抑制することができ、介挿した回路遮断器がサージ電流によりトリップするおそれがない。
さらに、本発明に係る電動機の巻線切替え装置は、逆阻止半導体スイッチが、逆阻止型IGBTの逆並列接続回路である。
この発明によると、例えば順方向、或いは逆方向に耐圧を担うダイオードを備えた逆阻止半導体スイッチと比較して簡便な回路構成となるので、コストダウンを図った逆阻止半導体スイッチを提供することができる。
さらにまた、本発明に係る電動機の巻線切替え装置は、前記切替えスイッチを切替える際に、逆阻止半導体スイッチに対してサージ電流を抑制する電流制御を行うようにしたことを特徴としている。
この発明によると、切替えスイッチを切り替える際に、切替えスイッチを構成する逆阻止半導体スイッチを電流制御して、サージ電流を抑制することができる。
本発明に係る電動機の巻線切替え装置によれば、コンタクタやリレーなどの機械的接点を有する従来の切替え装置と比較して、巻線の結線状態が切替わる際のショックを小さくすることができるので用途を汎用化することができる。また、結線状態の切替え動作時間の短縮を図るとともに、電流制御が可能であるので、スター結線からデルタ結線への切替時等に発生するサージ電流を抑制することができ、介挿した回路遮断器のトリップ状態を防止することができる。
本発明に係る第1実施形態の電動機の巻線切替え装置を示す回路図である。 第1の実施形態におけるスイッチ制御部のスイッチ切替処理手順の一例を示すフローチャートである。 第1実施形態の変形例を示す回路図である。 本発明に係る第2実施形態の電動機の巻線切替え装置を示す回路図である。 本発明を同期電動機の巻線切替え装置に適用した場合を示す回路図である。 本発明に係る第3実施形態の電動機の巻線切替え装置を示す回路図である。 従来の電動機の巻線のスター結線とデルタ結線とが可能な巻線を示す図である。 従来の電動機の巻線のスター結線とデルタ結線との切替え装置を示す回路図である。 従来の電動機の巻線のスター結線と巻き数の異なるスター結線とが可能な巻線を示す図である。 従来の電動機の巻線のスター結線と巻き数が異なるスター結線との切替え装置を示す回路図である。 従来の電動機の直列巻線接続・並列巻線接続の切替え装置を示す回路図である。 従来の巻線切替え装置においてサージ電流が発生する原因を説明したグラフである。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という。)を、図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明に係る第1実施形態の電動機の巻線切替え装置を示すものである。図7及び図8に示した構成と同一構成部分には、同一符号を付してその説明は省略する。
この第1の実施形態は、本発明を電動機始動時より負荷が掛かるファン、ポンプ等の流体機器の商用交流で駆動される三相誘導電動機に適用したものである。
本実施形態は、三相誘導電動機1の巻線3aのU端子が三相交流電源2のA相と接続し、巻線3bのV端子が三相交流電源2のB相と接続し、巻線3cのW端子が三相交流電源2のC相と接続している。また、三相誘導電動機1には、各相の巻線3a,3b,3cをスター結線、或いはデルタ結線に切替える第1切替えスイッチSWD及び第2切替えスイッチSWYが接続されている。これら第1及び第2切替えスイッチSWD、SWYの切替え制御がスイッチ制御部5から供給されるゲート駆動信号によって行われる。
第1切替えスイッチSWDは、三相交流電源2のA相及び巻線3aのU端子の間の接続点と巻線3cのZ端子との間に介挿されている逆阻止半導体スイッチ6aと、三相交流電源2のB相及び巻線3bのV端子の間の接続点と巻線3aのX端子との間に介挿されている逆阻止半導体スイッチ6bと、三相交流電源2のC相及び巻線3cのW端子の間の接続点と巻線3cのW端子との間に介挿されている逆阻止半導体スイッチ6cとを備えている。これら逆阻止半導体スイッチ6a,6b,6cの全てをオン状態とすることにより、三相誘導電動機1の巻線3a,3b,3cがデルタ結線される。
逆阻止半導体スイッチ6aは、2つの逆阻止型IGBT(絶縁ゲート形バイポーラトランジスタ)6a1、6a2を逆並列接続した双方向スイッチであり、順逆両方向に電流を流すことができ、順逆両方向に耐圧を持つスイッチである。逆阻止半導体スイッチ6bも、2つの逆阻止型IGBT6b1、6b2を逆並列接続した双方向スイッチであり、順逆両方向に電流を流すことができ、順逆両方向に耐圧を持つスイッチである。さらに、逆阻止半導体スイッチ6cも、2つの逆阻止型IGBT6c1、6c2を逆並列接続した双方向スイッチであり、順逆両方向に電流を流すことができ、順逆両方向に耐圧を持つスイッチである。
第2切替えスイッチSWYは、逆阻止半導体スイッチ7a,7b,7cを備えており、これら逆阻止半導体スイッチ7a,7b,7cの全てをオン状態とすることにより、巻線3aのX端子、巻線3bのY端子及び巻線3cのZ端子が互いに接続されて三相誘導電動機1の巻線3a,3b,3cがスター結線される。
逆阻止半導体スイッチ7aは、2つの逆阻止型IGBT7a1、7a2を逆並列接続した双方向スイッチであり、順逆両方向に電流を流すことができ、順逆両方向に耐圧を持つスイッチである。逆阻止半導体スイッチ7bも、2つの逆阻止型IGBT7b1、7b2を逆並列接続した双方向スイッチであり、順逆両方向に電流を流すことができ、順逆両方向に耐圧を持つスイッチである。さらに、逆阻止半導体スイッチ7cも、2つの逆阻止型IGBT7c1、7c2を逆並列接続した双方向スイッチであり、順逆両方向に電流を流すことができ、順逆両方向に耐圧を持つスイッチである。
スイッチ制御部5は、三相誘導電動機1を作動させる作動スイッチ5aからの作動信号が入力されるとともに、三相誘導電動機1の回転軸に連結された回転速度検出器8で検出された電動機回転速度Nが入力される。そして、スイッチ制御部5は、作動スイッチ5aの作動信号がオン状態であるときに、電動機回転速度Nが低速駆動状態と高速駆動状態を判別する所定速度Ns以下であるか否かを判定することにより、第1切替えスイッチSWD及び第2切替えスイッチSWYの各逆阻止型IGBT7a1〜IGBT7c2及びIGBT8a1〜IGBT8a2のゲートに供給するゲート駆動信号を切替えるスイッチ切替処理を実行する。
ここで、スイッチ制御部5で実行するスイッチ切替処理は、作動スイッチ5aから入力される作動信号がオン状態であるときに実行され、図2に示すように、先ず、ステップS1で、回転速度検出器3で検出した回転速度Vm(n)を読込み、次いでステップS2に移行して、読込んだ回転速度Vm(n)が所定回転速度Vms以下であるか否かを判定し、Vm(n)≦Vmsであるときには、ステップS3に移行する。
このステップS3では、デルタ結線状態であることを表すハンチング防止フラグFhが“1”にセットされているか否かを判定し、ハンチング防止フラグFhが“0”にリセットされているときにはスター結線状態を選択するものと判断してステップS4に移行する。
このステップS4では、第2切替えスイッチSWYの各逆阻止型IGBT7a1〜7c2に対してこれらをオン状態とするゲート駆動信号SYa1〜SYc2を出力してから前記ステップS1に戻る。
また、前記ステップS3の判定結果が、ハンチング防止フラグFhが“1”にセットされているときには、前回がデルタ結線であったものと判断して、後述するステップS10に移行する。
一方、前記ステップS2の判定結果が、Vm(n)>Vmsであるときには、ステップS5に移行して、デルタ結線状態であることを表すハンチング防止フラグFhが“1”にセットされているか否かを判定し、Fh=“0”であるときには、前回までスター結線状態で、三相誘導電動機1の巻線3a〜3cをデルタ結線に切替えるタイミングである判断して、ステップS6に移行する。
このステップS6では、第2切替えスイッチSWYの各逆阻止型IGBT7a1〜IGBT7c2に対するゲート駆動信号SYa1〜SYc2の出力を停止し、次いで、ステップS7に移行して、ハンチング防止フラグFhを“1”にセットしてからステップS8に移行する。
このステップS8では、第1切替えスイッチSWDの各逆阻止型IGBT6a1〜6c2に対して電圧を抑制しながらオン状態とするオンデューティ比を所定値に抑制したパルス幅変調信号でなるゲート駆動信号SDa1〜SDc2を出力してからステップS9に移行する。
このステップS9では、電圧抑制状態の継続時間をプリセットするプリセットタイマをセットし、次いでステップS10に移行して、プリセットタイマがタイムアップしたか否かを判定し、タイマがタイムアップしていないときには直接ステップS12に移行し、タイムアップしたときにはステップS11に移行して、第1切替えスイッチSWDに対してオンデューティ比100%のゲート駆動信号SDa1〜SDc2を出力してからステップS12に移行する。
このステップS12では、三相誘導電動機1を停止させる停止指令が入力されたか否かを判定し、停止指令が入力されていないときには、前記ステップS1に戻り、停止指令が入力されたときにはステップS13に移行して、ゲート駆動信号SDa1〜SDc2の出力を停止し、次いでステップS14に移行して、ハンチング防止フラグFhを“0”にリセットしてからスイッチ切替処理を終了する。
次に、本実施形態の動作について説明する。
三相誘導電動機1の停止時には、スイッチ制御部5によって、第1切替えスイッチSWDの各逆阻止IGBT7a1〜7c2と、第2切替えスイッチSWYの各逆阻止IGBT8a1〜8c2とに対してそれぞれオフ状態とするゲート駆動信号SDa1〜SDc2及びSYa1〜SYc2が出力されている。
これによって、第1切替えスイッチSWD及び第2切替えスイッチSWYがともに開状態となって、三相誘導電動機1の巻線3a〜3cが非結線状態に制御される。このため、三相交流電源2からの三相電力が三相誘導電動機1の各巻線3a〜3cに供給されず、三相誘導電動機1が停止状態を継続する。また、スイッチ制御部5の初期化処理でハンチング防止フラグFhが“0”にリセットされている。
この状態から、スイッチ制御部5に作動スイッチ5aからオン状態の作動信号が入力されると、スイッチ制御部5で図2に示すスイッチ切替処理を実行開始する。
この状態では、三相誘導電動機1が停止状態にあり、回転速度検出器6で検出される電動機回転速度Vm(n)が“0”であるので、ステップS1で電動回転速度Vm(n)を読込んでからステップS2に移行して、Vm(n)が“0”であって所定回転速度Vms未満であるので、ステップS3に移行する。このとき、ハンチング防止フラグFhは“0”にリセットされた状態を継続するため、ステップS3からステップS4に移行して、第2切替えスイッチSWYの各逆阻止IGBT7a1〜IGBT7c2にこれらをオン状態とするオン状態のゲート駆動信号SYa1〜SYc2が出力される。
これによって、第2切替えスイッチSWYの逆阻止半導体スイッチ7a,7b,7cがオン状態となる。このため、巻線3aのX端子、巻線3bのY端子及び巻線3cのZ端子が互いに接続されて中性点となり、この中性点に接続する巻線3a,3b,3cの他端のU端子,V端子,W端子が三相交流電源2のA相、B相、C相に接続されてスター結線状態となる。この状態で、三相交流電源2から三相電力を出力することにより、巻線3a,3b,3cがスター結線状態となることで、各巻線に印加される電圧が1/√3となり、始動電流が1/3に抑制される。この状態で、三相誘導電動機1が始動される。
このように三相誘導電動機1が始動されると、これに応じて回転速度検出器6で検出される電動機回転速度Vm(n)が“0”から増加し、この電動機回転速度Vm(n)が所定回転速度Vmsに達するまでは、第2の切替えスイッチSWYへのゲート駆動信号SYa1〜SYc2の出力が継続されて、スター結線状態を継続する。
その後、三相誘導電動機1の電動機回転速度Vm(n)が増加して、定格速度の70〜90%に設定された所定回転速度Vms以上となると、前述した図2のスイッチ切替え処理で、ステップS2からステップS5に移行する。このとき、ハンチング防止フラグFhが“0”にリセットされているので、スター結線からデルタ結線への切替タイミングであると判断してステップS6に移行する。
このステップS6では、第2切替えスイッチSWYに対するゲート駆動信号SYa1〜SYc2の出力を停止し、次いでハンチング防止フラグFhを“1”にセットする(ステップS7)。
次いで、オンデューティ比を100%より抑制する電圧抑制値に設定されたパルス幅変調信号でなるゲート駆動信号SDa1〜SDc2を第1切替えスイッチSWDの各逆阻止IGBT6a1〜6c2に出力することにより、これら各逆阻止IGBT6a1〜6c2を電圧を抑制したオン状態に制御する(ステップS8)。このため、逆阻止IGBT6a1〜6c2がオン状態に制御されることにより、三相誘導電動機1の巻線3a〜3cがスター結線状態からデルタ結線状態に瞬時に切り替わる。
このとき、各逆阻止IGBT6a1〜6c2のゲートに供給するゲート駆動信号SDa1〜SDc2のオンデューティ比が100%より抑制された電圧抑制値に設定されていることにより、電圧を低く抑制するとともに、電流も定格電流より低い電流に制限することができる。このため、デルタ結線となった巻線3a〜3cに全電圧が瞬時に印加されることを阻止することができ、各逆阻止IGBT6a1〜6c2に流れる電流を制御することができるので、大きなサージ電流が発生することを確実に抑制することができる。このため、三相誘導電動機1に付加されたブレーカがトリップすることを確実に防止することができる。
その後、電圧抑制状態の継続時間を設定するプリセットタイマを所定値にセットする。
このように、巻線3a〜3cがスター結線からデルタ結線に切り替わる時点で、三相誘導電動機1に印加される電圧が抑制されることにより、回転速度Vm(n)が所定回転速度Vmsより低下する場合があるが、この場合には、図2のスイッチ切替処理で、ステップS2からステップS3に移行し、ハンチング防止フラグFhが“1”にセットされているので、ステップS10に移行して、プリセットタイマがタイムアップしたか否かを判定し、プリセットタイマをセットしたばかりであるので、ステップS12に移行する。
このステップS12では、停止指令が入力されているか否かを判定し、停止指令が入力されていないときには、前記ステップS1に戻る。このため、第1切替えスイッチSWDへのゲート駆動信号の供給が継続されて三相誘導電動機1の回転速度が増加する。
このとき、回転速度Vm(n)がまだ所定回転速度Vms以下であるときには、再度ステップS2からステップS3に移行するが、ハンチング防止フラグFhが“1”にセットされているので、ステップS10及びS12を経てそのままステップS1に戻ることにより、第1切替えスイッチSWDへのゲート駆動信号の供給が継続されて三相誘導電動機1の回転速度が増加する。
そして、三相誘導電動機1の回転速度Vm(n)が増加して、所定回転速度Vmsを超える状態となると、図2のスイッチ切替処理におけるステップS2からステップS5を経て直接ステップS10に移行し、オンデューティ比を電圧抑制値に設定したゲート駆動信号SDa1〜SDc2の出力を継続し、電圧抑制状態で三相誘導電動機1を回転駆動する。
その後、プリセットタイマがタイムアップすると、ステップS10からステップS11に移行して、ゲート駆動信号SDa1〜SDc2が100%のオンデューティ比に設定されて三相誘導電動機1に三相交流電源2からの三相交流電力が100%供給される状態となり、これに応じて第1切替えスイッチSWDの各逆阻止IGBT6a1〜6c2が駆動されて、三相誘導電動機1が定格出力状態に移行する。
しかも、スター結線からデルタ結線に切り替える際に、デルタ結線を維持する第1切替えスイッチSWDの各逆阻止IGBT6a1〜6c2に供給するゲート駆動信号SDa1〜SDc2のオンデューティ比を抑制することによって巻線3a〜3cに印加される電圧を抑制することができるとともに、各逆阻止IGBT6a1〜6c2を通過する電流も抑制するので、大きなサージ電流が発生することを確実に防止することができる。このため、三相誘導電動機1と三相交流電源2との間に介装した回路遮断器がサージ電流によりトリップするおそれがなく、三相誘導電動機1を正常に駆動させることができる。
このように、上記図2のスイッチ切替処理によれば、スター結線状態からデルタ結線状態に切り替えた直後の電圧抑制によって三相誘導電動機1の回転速度Vmが低下しても所定値ΔVのヒステリシスが設けられているので、デルタ結線状態を維持することができ、不用意にスター結線に戻ってハンチングを起こすことを確実に防止することができる。
また、本実施形態によると、巻線3a,3b,3cをスター結線及びデルタ結線に切替える第1切替えスイッチSWD及び第2切替えスイッチSWYは、順逆両方向に電流を流すことができ、順逆両方向に耐圧を持つ無接点の半導体スイッチであり、コンタクタやリレーなどの機械的接点を有する従来の切替えスイッチと比較して、巻線の結線状態を切替える際のショックを小さくすることができるので、広範囲の用途に適用することができる。
また、第1切替えスイッチSWDを構成する逆阻止半導体スイッチ6a,6b,6c、第2切替えスイッチSWYを構成する逆阻止半導体スイッチ7a,7b,7cは、各々2つの逆阻止型IGBTを逆並列接続した双方向スイッチであり、例えば順方向、或いは逆方向に耐圧を担うダイオードを備えた逆阻止半導体スイッチと比較して、簡便な回路構成となってコストダウンを図った逆阻止半導体スイッチを提供することができる。
また、三相誘導電動機1の定格出力状態で、三相誘導電動機1を停止させるために作動スイッチ5aをオフ状態とすると、これによってスイッチ制御部5に停止指令が入力されることになり、図2のスイッチ切替処理において、ステップS12からステップS13に移行して、ゲート駆動信号SDa1〜SDc2の出力が停止される。このため、三相誘導電動機1の巻線3a〜3cに対する三相交流電力の供給が停止されて、三相誘導電動機1の回転速度が低下して、停止状態に移行する。次いで、ステップS14に移行して、ハンチング防止フラグFhが“0”にリセットされる。
[第1実施形態の変形例]
次に、図3は、図1で示した第1実施形態の電動機の巻線切替え装置の変形例を示すものである。
本実施形態の電動機の巻線切替え装置は、図1で示した第1実施形態の第2切替えスイッチSWYに替えて、第2切替えスイッチSWZを備えている。
本実施形態の第2切替えスイッチSWZは、逆阻止半導体スイッチ8a,8bを備えており、これら逆阻止半導体スイッチ8a,8bの全てがオン状態となると、巻線3aのX端子、巻線3bのY端子及び巻線3cのZ端子を接続する。
逆阻止半導体スイッチ8aは、2つの逆阻止型IGBT8a1、8a2を逆並列接続した双方向スイッチであり、順逆両方向に電流を流すことができ、順逆両方向に耐圧を持つスイッチである。逆阻止半導体スイッチ8bも、2つの逆阻止型IGBT8b1、8b2を逆並列接続した双方向スイッチであり、順逆両方向に電流を流すことができ、順逆両方向に耐圧を持つスイッチである。
スイッチ制御部5は、第2切替えスイッチSWZを構成する逆阻止半導体スイッチ8a,8bのゲートに、同時にゲート駆動信号を出力することで逆阻止半導体スイッチ8a,8bをオン状態とする。
次に、本実施形態の動作について説明する。
三相誘導電動機1の始動時には、スイッチ制御部5が、第1切替えスイッチSWDをオフ状態に制御し、第2切替えスイッチSWZにオン状態に制御することにより、第1切替えスイッチSWDの逆阻止半導体スイッチ6a,6b,6cがオフ状態となり、第2切替えスイッチSWZの逆阻止半導体スイッチ8a,8bがオン状態となる。これにより、巻線3aのX端子、巻線3bのY端子及び巻線3cのZ端子が互いに接続して中性点となり、この中性点に接続する巻線3a,3b,3cがスター結線状態となる。巻線3a,3b,3cがスター結線状態となることで、各巻線に印加される電圧が1/√3となり、始動電流が1/3に抑制される。
また、三相誘導電動機1の始動後に電動機回転速度Vmが所定回転速度Vmsを超える状態となると、前述した第1実施形態と同様に、スイッチ制御部5が、第2切替スイッチSWZをオフ状態に制御し、第1切替えスイッチSWDに所定期間電圧抑制状態でオン状態に制御する。このため、第1切替えスイッチSWDの逆阻止半導体スイッチ6a,6b,6cが電圧抑制状態でオン状態となり、第2切替えスイッチSWZの逆阻止半導体スイッチ8a,8bがオフ状態となる。
その後、プリセットタイマの所定時間経過後に第1の切替えスイッチSWDの逆素子半導体スイッチ6a,6b,6cに100%のオンデューティ比のゲート駆動信号SDa1〜SDc2が供給されて、定格出力状態に移行し、前述した第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
さらに、本実施形態は、第1実施形態の第2切替えスイッチSWY(逆阻止半導体スイッチ7a,7b,7c)と比較して、台数の少ない(2個)の逆阻止半導体スイッチ8a,8bで第2切替えスイッチSWZを構成しているので、さらに簡便な回路構成となってよりコストダウン可能な切替えスイッチを提供することができる。
なお、上記第1の実施形態の変形例においては、X相に対応する逆素子半導体スイッチを省略した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、Y相又はZ相に対応する逆素子半導体スイッチを省略するようにしてもよい。
[第2実施形態]
次に、図4は、本発明に係る第2実施形態の電動機の巻線切替え装置を示すものである。図9及び図10に示した構成と同一構成部分には、同一符号を付して説明は省略する。
本実施形態は、図9に示すように、三相誘導電動機1の分割巻線3a1のU端子が三相交流電源2のA相と接続し、分割巻線3b1のV端子が三相交流電源2のB相と接続し、分割巻線3c1のW端子が三相交流電源2のC相と接続している。また、三相誘導電動機1には、三相誘導電動機1の各相の分割巻線3a1,3a2,3b1,3b2,3c1,3c2を第1のスター結線、或いは第2のスター結線に切替える第1切替えスイッチSWH及び第2切替えスイッチSWLが接続されているとともに、これら第1及び第2切替えスイッチSWH、SWLの切替え制御を行なうスイッチ制御部5が設けられている。
第2切替えスイッチSWLは、三相交流電源2のA相と分割巻線3a1のU端子の間に介装されている逆阻止半導体スイッチ10aと、三相交流電源2のB相と分割巻線3b1のV端子の間に介装されている逆阻止半導体スイッチ10bと、三相交流電源2のC相と分割巻線3c1のW端子の間に接続している逆阻止半導体スイッチ10cとを備えている。
また、第1切替えスイッチSWHは、三相交流電源2のA相及び逆阻止半導体スイッチ10aの間の電流経路とX端子とに接続している逆阻止半導体スイッチ9aと、三相交流電源2のB相及び逆阻止半導体スイッチ10bの間の接続点とY端子とに接続している逆阻止半導体スイッチ9bと、三相交流電源2のC相及び逆阻止半導体スイッチ10cの間の接続点とZ端子とに接続している逆阻止半導体スイッチ9cとを備えている。
そして、第1切替えスイッチSWHを構成する逆阻止半導体スイッチ9a,9b,9c、第2切替えスイッチSWLを構成する逆阻止半導体スイッチ10a,10b,10cの全ては、上述した第1実施形態と同様に、2つの逆阻止型IGBTを逆並列接続した双方向スイッチであり、順逆両方向に電流を流すことができ、順逆両方向に耐圧を持つスイッチである。
スイッチ制御部5は、三相誘導電動機1の始動時には、回転速度Vmが所定回転速度Vsmに達するまでは第1切替えスイッチSWHをオフ状態に制御し、第2切替えスイッチSWLをオン状態に制御する。そして、三相誘導電動機1の回転速度Vmが所定回転速度Vmsに達した定常運転時には、第2切替えスイッチSWLをオフ状態に制御し、第1切替えスイッチSWHをオン状態に制御する。ここで、第1切替えスイッチSWH及び第2切替えスイッチSWLの切り替えは、回転速度Vmが所定回転速度Vms以下であるか否かで切り替え、第1切替えスイッチSWをオフ状態からオン状態とする場合に、前述した第1の実施形態と同様にゲート駆動信号SDa1〜SDc2のオンデューティ比を100%より小さい電圧抑制値に制御する。
次に、本実施形態の動作について説明する。
三相誘導電動機1の始動時には、スイッチ制御部5が、第1切替えスイッチSWHをオフ状態に制御し、第2切替えスイッチSWLをオン状態に制御する。このため、第1切替えスイッチSWHの逆阻止半導体スイッチ9a,9b,9cがオフ状態となり、第2切替えスイッチSWLの逆阻止半導体スイッチ10a,10b,10cがオン状態となる。これにより、分割巻線3a1,3a2、分割巻線3b1,3b2及び分割巻線3c1,3c2を接続した状態の第1のスター結線状態として電流を流し、印加される電圧を減少させることで始動電流を抑制する。
一方、三相誘導電動機1の定常運転時には、スイッチ制御部5が、第2切替えスイッチSWLをオフ状態に制御し、第1切替えスイッチSWHにオン状態し、第2切替えスイッチSWLの逆阻止半導体スイッチ10a,10b,10cがオフ状態となり、第1切替えスイッチSWHの逆阻止半導体スイッチ9a,9b,9cがオン状態となる。
このとき、第1切替えスイッチSWHを構成する逆阻止半導体スイッチ9a,9b,9cは、オン状態とするゲート駆動信号が入力すると瞬時にオン状態となり、第2切替えスイッチSWLを構成する逆阻止半導体スイッチ10a,10b,10cも、オフ上板とするゲート駆動信号が入力すると瞬時にオフ状態となる。
これにより、分割巻線3a2、3b2及び3c2のみで構成される第2のスター結線状態として電流を流し、印加される電圧を上昇させることで三相誘導電動機1を全電圧運転させる。
したがって、本実施形態によると、分割巻線3a1,3a2,3b1,3b2,3c1,3c2を第1のスター結線、或いは第2のスター結線に切替える第1切替えスイッチSWH及び第2切替えスイッチSWLは、順逆両方向に電流を流すことができ、順逆両方向に耐圧を持つ無接点の半導体スイッチであり、コンタクタやリレーなどの機械的接点を有する従来の切替えスイッチと比較して、巻線の結線状態を切替える際のショックを小さくすることができるので、用途を拡大することができる。
また、分割巻線3a1,3a2,3b1,3b2,3c1,3c2が第1のスター結線から第2のスター結線に切替わる際には、逆阻止半導体スイッチ9a,9b,9cは瞬時にオン状態となり、逆阻止半導体スイッチ10a,10b,10cも瞬時にオフ状態となり、第1切替えスイッチSWH及び第2切替えスイッチSWLの切替え動作時間が大幅に短縮されるとともに、第1切替えスイッチSWHをオン状態に制御する際に、ゲート駆動信号のオンデューティ比を100%より小さいて電圧抑制値に抑制するので、急激な電圧変化を抑制するとともに、サージ電流の発生を確実に防止することができ、三相誘導電動機1と三相交流電源2との間に介装した回路遮断器がサージ電流によりトリップするおそれがないので、三相誘導電動機1を正常に駆動させることができる。
また、第1切替えスイッチSWHを構成する逆阻止半導体スイッチ9a,9b,9c、第2切替えスイッチSWLを構成する逆阻止半導体スイッチ10a,10b,10cは、各々2つの逆阻止型IGBTを逆並列接続した双方向スイッチであり、例えば順方向、或いは逆方向に耐圧を担うダイオードを備えた逆阻止半導体スイッチと比較して、簡便な回路構成となってコストダウンを図った逆阻止半導体スイッチを提供することができる。
さらに、本実施形態の第1切替えスイッチSWHを構成する逆阻止半導体スイッチ9a,9b,9c、第2切替えスイッチSWLを構成する逆阻止半導体スイッチ10a,10b,10cは、ゲートに出力するオン電圧を制御することにより電流値を変化させることができるので、電流制御が可能な巻線切替え装置とすることができる。
なお、上記第1及び第2の実施形態においては、三相交流電源2から出力される三相交流電力によって三相誘導電動機1を直接回転駆動する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、鉄道車両やエレベータ等の産業機械を駆動する三相交流電動機とする場合には、図5に示すように、例えば三相交流電源2から出力される三相交流電力をコンバータで構成されるAC−DC変換器11に供給して直流電力に変換し、変換された直流電力をインバータで構成されるDC−AC変換機12に供給して交流電力に変換して同期電動機13に供給する構成とし、同期電動機13の巻線を始動時にスター結線とし、所定回転速度以上でデルタ結線に切替えるようにしてもよい。この場合には、スイッチ制御部5で、スター結線用の第2切替えスイッチSWDに供給するゲート駆動信号SDa1〜SDc2を100%オンデューティ比とするとともに、デルタ結線用の第1切替えスイッチSWYに供給するゲート駆動信号SYa1〜SYc2も100H%オンデューティ比とし、第2の切替えスイッチSWYから第1の切替えスイッチSWDに切替える際に、DC−AC変換器12のゲート駆動信号の周波数を通常周波数より小さい周波数に抑制して同期電動機13の巻線への印加電圧を抑制するとともに、サージ電流を抑制するようにすればよい。
[第3実施形態]
さらに、図6は、本発明に係る第3実施形態の電動機の巻線切替え装置を示すものであり図11に示した構成と同一構成部分には、同一符号を付して説明は省略する。
本実施形態は、単相誘導電動機(不図示)の1相分の巻線回路図を示すものであり、多極を形成する巻線4a,4bと、これら巻線4a,4bを直列接続、並列接続に切替える第1スイッチSWP1、第2スイッチSWP2及び第3スイッチSWSと、これら第1スイッチSWP1、第2スイッチSWP2、第3スイッチSWSを切替え制御するスイッチ制御部5とを備えている。
第1スイッチSWP1、第2スイッチSWP2、第3スイッチSWSは、上述した第1及び第2実施形態と同様に、2つの逆阻止型IGBTを逆並列接続した双方向スイッチであり、順逆両方向に電流を流すことができ、順逆両方向に耐圧を持つ逆阻止半導体スイッチである。
スイッチ制御部5は、単相誘導電動機の始動時には、電動機回転速度Vmが所定回転速度Vms以下であるときに、第1スイッチSWCP1及び第2スイッチSWP2をオフ状態に制御し、第3スイッチSWSにオン状態に制御し、単相誘導電動機の電動機回転速度Vmが所定回転速度Vmsを超えた定常運転時には、第1スイッチSWCP1及び第2スイッチSWP2をオン状態に制御し、第3スイッチSWSをオフ状態に制御する。そして、第1スイッチSWCP1及び第2スイッチSWP2をオン状態に制御する際に、前述した第1の実施形態と同様にゲート駆動信号のオンデューティ比を所定期間100%より小さい電圧抑制値に抑制し、その後オンデューティ比を100%に増加させる。
次に、本実施形態の動作について説明する。
単相誘導電動機の始動時には、スイッチ制御部5が、第1スイッチSWCP1及び第2スイッチSWP2にオフ状態とするゲート駆動信号を出力し、第3スイッチSWSにオン状態とするゲート駆動信号を出力することで、第1スイッチSWCP1及び第2スイッチSWP2がオフ状態となり、第3スイッチSWSがオン状態となることで、巻線4a,4bが直列に接続し、巻線4a,4bに印加される電圧を減少させることで始動電流を抑制する。
一方、単相誘導電動機の定常運転時には、スイッチ制御部5が、第1スイッチSWCP1及び第2スイッチSWP2にオン状態とするゲート駆動信号を出力し、第3スイッチSWSにオフ状態とするゲート駆動信号を出力することで、第1スイッチSWCP1及び第2スイッチSWP2がオン状態となり、第3スイッチSWSがオフ状態となることで、巻線4a,4bが並列に接続し、巻線4a,4bに印加される電圧を上昇させることで、単相誘導電動機を全電圧運転させる。
したがって、本実施形態によると、巻線4a,4bを直列接続、並列接続に切替える第1スイッチSWP1、第2スイッチSWP2及び第3スイッチSWSは、順逆両方向に電流を流すことができ、順逆両方向に耐圧を持つ無接点の半導体スイッチであり、コンタクタやリレーなどの機械的接点を有する従来の切替えスイッチと比較して、巻線の結線状態を切替える際のショックを小さくすることができるので、広範囲な用途に使用することができる。
また、巻線4a,4bが直列接続から並列接続に切替わる際には、第1スイッチSWCP1及び第2スイッチSWP2は瞬時にオン状態となり、第3スイッチSWSは瞬時にオフ状態となり、第1スイッチSWP1、第2スイッチSWP2及び第3スイッチSWSの切替え動作時間が大幅に短縮される。しかも、第1スイッチSWCP1及び第2スイッチSWP2をオン状態に制御する際に、前述した第1の実施形態と同様に所定期間ゲート駆動信号のオンデューティ比を100%より小さい電圧抑制値に設定し、その後100%オンデューティ比に増加させるので、急激な電圧変化を抑制するとともに大きなサージ電流の発生を防止することができ、単相誘導電動機と単相電源((不図示))との間に介装した回路遮断器がサージ電流によりトリップするおそれがないので、単相誘導電動機を正常に駆動させることができる。
また、第1スイッチSWP1、第2スイッチSWP2、第3スイッチSWSは、各々2つの逆阻止型IGBTを逆並列接続した双方向スイッチであり、順逆両方向に電流を流すことができ、順逆両方向に耐圧を持つ逆阻止半導体スイッチであり、例えば順方向、或いは逆方向に耐圧を担うダイオードを備えた逆阻止半導体スイッチと比較して、簡便な回路構成となってコストダウンを図った逆阻止半導体スイッチを提供することができる。
さらに、第1スイッチSWP1、第2スイッチSWP2、第3スイッチSWSは、ゲートに出力するオンデューティ比を制御することにより電流値を変化させることができるので、電流制御が可能な巻線切替え装置とすることができる。
なお、上述した実施形態では、三相誘導電動機1及び単相誘導電動機の巻線切替え装置について説明したが、他の電動機、例えば同期電動機に適用しても、同様の作用効果を奏することができる。
1…三相誘導電動機(電動機)、2…三相交流電源、3a,3b,3c…巻線、3a1,3a2,3b1,3b2,3c1,3c2…分割巻線、4a,4b…巻線、5…スイッチ制御部、6a,6b,6c…逆阻止半導体スイッチ、7a,7b,7c…逆阻止半導体スイッチ、8a,8b…逆阻止半導体スイッチ、9a,9b,9c…逆阻止半導体スイッチ、10a,10b,10c…逆阻止半導体スイッチ、6a1,6a2…逆阻止型IGBT、6b1,6b2…逆阻止型IGBT、6c1,6c2…逆阻止型IGBT、7a1,7a2…逆阻止型IGBT、7b1,7b2…逆阻止型IGBT、7c1,7c2…逆阻止型IGBT、8a1,8a2…逆阻止型IGBT、8b1,8b2…逆阻止型IGBT、SWD…第1切替えスイッチ(切替えスイッチ)、SWY…第2切替えスイッチ(切替えスイッチ)、SWZ…第2切替えスイッチ(切替えスイッチ)、SWH…第1切替えスイッチ(切替えスイッチ)、SWL…第2切替えスイッチ(切替えスイッチ)、SWCP1…第1切替えスイッチ(切替えスイッチ)、SWP2…第2切替えスイッチ(切替えスイッチ)、SWS…第2切替えスイッチ(切替えスイッチ)、11…AC−DC変換器、12…DC−AC変換器、13…同期電動機

Claims (6)

  1. 電動機の巻線をスター結線とデルタ結線とに切替え可能とし、前記電動機の始動時には前記巻線を前記スター結線とし、所定の回転数に達した前記電動機の定常運転時には前記巻線を前記デルタ結線に切替える切替えスイッチを備えた電動機の巻線切替え装置において、
    前記切替えスイッチは、順逆両方向の耐圧を有する逆阻止半導体スイッチであることを特徴とする電動機の巻線切替え装置。
  2. 電動機の巻線をスター結線とし、このスター結線を構成する各相の巻線を直列に接続した複数の分割巻線で構成し、前記電動機の始動時には前記複数の分割巻線の全てに電流が流れる第1のスター結線とし、所定の回転数に達した前記電動機の定常運転時には前記複数の分割巻線の一部に電流が流れる第2のスター結線に切替える切替えスイッチを備えた電動機の巻線切替え装置において、
    前記切替えスイッチは、順逆両方向の耐圧を有する逆阻止半導体スイッチであることを特徴とする電動機の巻線切替え装置。
  3. 電動機の多極を形成する複数の巻線と、前記電動機の始動時には前記複数の巻線を直列接続に切替え、前記所定の回転数に達した前記電動機の定常運転時には前記複数の巻線を並列接続に切替える切替えスイッチとを備えた電動機の巻線切替え装置において、
    前記切替えスイッチは、順逆両方向の耐圧を有する逆阻止半導体スイッチであることを特徴とする電動機の巻線切替え装置。
  4. 前記切替えスイッチは、前記電動機と電源の間に接続した少なくとも二種類の切替えスイッチであり、これら切替えスイッチのオン・オフ状態を関連的に切換えることで前記巻線の結線状態が切替わることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の電動機の巻線切替え装置。
  5. 逆阻止半導体スイッチは、逆阻止型IGBTの逆並列接続回路であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の電動機の巻線切替え装置。
  6. 前記切替えスイッチを切替える際に、逆阻止半導体スイッチに対してサージ電流を抑制する電流制御を行うようにしたことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の電動機の巻線切替え装置。
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